説明

発光素子封止用組成物、発光ダイオード及び液晶表示装置

本発明は、発光素子封止用組成物、発光ダイオード及び液晶表示装置に関する。本発明によれは、主材料として含まれるシリコーン硬化物と優れた相溶性を有しながら、優れた導電性を付与することができる導電性付与剤を使用して、シリコーン硬化物の表面抵抗を顕著に低減することができる。これにより、本発明の組成物を、例えば、発光ダイオードなどの半導体の封止材に使用する場合には、低い表面抵抗がもたらされ、静電気などによるダストのような異物の付着及び透明性低下の問題を解決することができ、かつ、耐光性、耐熱性、耐久性及び光学的透明性などに優れた硬化物を得ることができ、これによって、発光ダイオード及び液晶表示装置を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子封止用組成物、その硬化物を含む発光ダイオード及び液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED;Light Emitting Diode)、特に発光波長が約250nm〜550nmの青色発光または紫外線発光ダイオードであって、近年、GaN、GaAlN、InGaN及びInAlGaNなどのGaN系化合物半導体を利用した高輝度製品が得られている。これにより、赤色及び緑色発光ダイオードと前述の青色発光ダイオードなどを組み合わせる技法で高画質のフルカラー画像の形成も可能となっている。例えば、青色発光または紫外線発光ダイオードと蛍光体の組合せによって、白色発光の発光ダイオードが製造され、このような発光ダイオードは、液晶表示装置(LCD)のバックライトまたは一般照明用などへの需要が期待されている。
【0003】
従来、前述のような、赤色、緑色、青色または紫外線発光ダイオード用の封止材として、接着性が高く且つ力学的な耐久性に優れた、酸無水物系硬化剤を使用したエポキシ樹脂などが幅広く利用されていた。しかし、エポキシ樹脂系封止材は、青色ないし紫外線領域の光に対する透過率が低く、また、光によって劣化し、着色が発生するなど、耐光性が低下するという問題点がある。これにより、前述のような問題点の改良を目的にしたエポキシ樹脂封止材に関する技術が提案されている(例えば、日本国特開平11−274571号、日本国特開2001−196151号または日本国特開2002−226551号など)。
【0004】
しかし、これらの文献で開示されているエポキシ樹脂封止材の場合、相変らず耐光性の低下という短所を有している。
【0005】
一方、低波長領域に対して耐光性に優れた材料として、シリコーン樹脂が注目されている。しかし、シリコーン樹脂は、ガラス転移温度に代表される耐熱性が低く、表面がタック(tack)性を有し、硬化物の抵抗が非常に高く、静電気などに起因して、ダストなどの異物が付着しやすく、また透明性などの特性が悪くなりやすいという短所がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】日本国特開平11−274571号公報
【特許文献2】日本国特開2001−196151号公報
【特許文献3】日本国特開2002−226551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前述のような従来技術の問題点を考慮してなされたものであって、低い表面抵抗を有し、静電気などによる異物付着または透明性低下の問題を解決することができ、また、耐光性、耐熱性、耐久性及び光学的透明性などに優れた硬化物を提供することができる、発光素子封止用組成物、発光ダイオード及び液晶表示装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、硬化性シリコーンコンパウンド(curable silicone compound)と;下記化学式1で表示される導電性付与剤(conductivity-providing agent)と;を含む発光素子封止用組成物を提供する。
[化学式1]
a+[X(YO
【0009】
上記化学式1で、Ma+は、無機陽イオンまたは有機陽イオンを示し、Xは、窒素原子または炭素原子を示し、Yは、炭素原子または硫黄原子を示し、Rは、ペルフルオロアルキル基を示し、a及びmは、それぞれ独立に、1または2を示し、nは、2または3を示す(但し、上記式で、Yが炭素である時、mは1であり、Yが硫黄である時、mは2であり、Xが窒素である時、nは2であり、Xが炭素である時、nは3である)。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するための他の手段として、前述した本発明による発光素子封止用組成物の硬化物で封止された発光素子を含む発光ダイオードを提供する。
【0011】
本発明は、上記課題を解決するためのさらに他の手段として、前述した本発明による発光ダイオードをバックライトとして含む液晶表示装置を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、主材料として含まれるシリコーン硬化物と優れた相溶性を有し、この優れた物性を損なうことなく、優れた導電性を付与することができる導電性付与剤を使用して、シリコーン硬化物の表面抵抗を顕著に低減することができる。これにより、本発明の組成物は、例えば、発光ダイオードなどの半導体封止材に使用された場合には、低い表面抵抗をもたらし、静電気などによるダストのような異物の付着、及び透明性低下の問題を解決することができ、さらに、耐光性、耐熱性、耐久性及び光学的透明性などに優れた硬化物を提供することができる、発光素子封止用組成物、発光ダイオード及び液晶表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、硬化性シリコーンコンパウンドと;下記化学式1で表示される導電性付与剤と;を含む発光素子封止用組成物に関する。
【0014】
[化学式1]
a+[X(YO
【0015】
上記化学式1で、Ma+は、無機陽イオンまたは有機陽イオンを示し、Xは、窒素原子または炭素原子を示し、Yは、炭素原子または硫黄原子を示し、Rは、ペルフルオロアルキル基を示し、a及びmは、それぞれ独立に、1または2を示し、nは、2または3を示す(但し、上記式で、Yが炭素である時、mは1であり、Yが硫黄である時、mは2であり、Xが窒素である時、nは2であり、Xが炭素である時、nは3である)。
【0016】
以下、本発明の発光素子封止用組成物を詳しく説明する。
本発明で使用することができる硬化性シリコーンコンパウンドの種類は、特に制限されない。本発明では、硬化物の青色光または紫外線などに対する耐久性、成形性、光学的透明性及び耐クラック性などに優れたものであれば、この分野において知られている硬化性シリコーンコンパウンドを制限なく使用することができる。本発明の一態様において、上記硬化性シリコーンコンパウンドは、加熱硬化性シリコーンコンパウンドまたは紫外線硬化性シリコーンコンパウンドであることができる。
【0017】
加熱硬化性シリコーンコンパウンドの例として、ヒドロシリル化(hydrosilylation)反応、シラノール(silanol)縮合反応、アルコール脱離型、オキシム(oxim)脱離型または酢酸脱離型のシリコーンコンパウンドが挙げられるが、これに制限されるものではない。また、紫外線硬化性シリコーンコンパウンドの例として、(メタ)アクリル官能性シリコーン(例えば、日本国特開平01−304108号に開示されたシリコーンコンパウンド)、ビニル基とメルカプト基を官能基として有するシリコーン(例えば、日本国特開昭53−37376号に開示されたシリコーンコンパウンド)、エポキシ官能性シリコーン(例えば、日本国特開昭58−174418号に開示されたシリコーンコンパウンド)、ビニルエーテル官能性シリコーン(例えば、Crivello、J.V.、Eckberg、R.P.、米国特許第4、617、238号に開示されたシリコーンコンパウンド)、シラノール官能性シリコーン(ポリ(シルセスキオキサン)またはポリ(シルセスキオキサン)とテトラフェノキシシランを含む組成物を硬化させる場合(日本国特開平06−148887号)及びシロキサンポリマーと塩基発生物質を含む硬化性組成物(日本国特開平06−273936号)及び日本国特開平07−69610号に開示されたシリコーンコンパウンド)などを挙げることができるが、これに制限されるものではない。
【0018】
本発明の一態様において、上記硬化性シリコーンコンパウンドは、付加硬化性シリコーンコンパウンドとして、(1)分子中に2個以上のアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、及び(2)分子中に2個以上のケイ素結合水素原子を含有するオルガノポリシロキサン、を含むことができる。
【0019】
上記のようなシリコーンコンパウンドは、例えば、後述する触媒の存在下で、付加反応によって硬化物を形成することができる。
【0020】
(1)のオルガノポリシロキサンは、シリコーン硬化物を構成する主成分として、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を含む。この際、アルケニル基の具体的な例として、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基またはヘプテニル基などが含まれ、これらのうちビニル基が好ましいが、これに制限されるものではない。上記(1)のオルガノポリシロキサンにおいて、前述のアルケニル基の結合位置は、特に限定されない。例えば、上記アルケニル基は、分子鎖の末端及び/または分子鎖の側鎖に結合されてもよい。また、上記(1)のオルガノポリシロキサンにおいて、前述のアルケニル以外に含まれることができる置換基の種類として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基またはヘプチル基などのアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基またはナフチル基などのアリール基;ベンジル基またはフェネチル基などのアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基または3、3、3−トリフルオロプロピル基などのハロゲン置換アルキル基などを挙げることができ、これらのうちメチル基またはフェニル基が好ましいが、これに制限されるものではない。
【0021】
上記のような、(1)オルガノポリシロキサンの分子構造は、特に限定されず、例えば、直鎖状、分岐状、環状、網状または一部が分岐状を成す直鎖状などのように、いずれの形状であってもよい。本発明では、上記のような分子構造のうち特に直鎖状の分子構造を有することが好ましいが、これに制限されるものではない。一方、本発明では、硬化物の硬度(hardness)及び屈折率の観点から、上記(1)オルガノポリシロキサンとして、分子構造中にアリール基またはアラルキル基のような芳香族基を含有するオルガノポリシロキサンを使用することが好ましいが、必ずこれに制限されるものではない。
【0022】
本発明で使用することができる上記(1)オルガノポリシロキサンのより具体的な例として、分子鎖両末端トリメチルシロキサン基封鎖ジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキサン基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキサン基封鎖ジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサン−メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキサン基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキサン基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキサン基封鎖ジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキサン基封鎖ジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサン−メチルフェニルシロキサン共重合体、RSiO1/2で表示されるシロキサン単位とRSiO1/2で表示されるシロキサン単位とSiO4/2で表示されるシロキサン単位を含むオルガノポリシロキサン共重合体、RSiO1/2で表示されるシロキサン単位とSiO4/2で表示されるシロキサン単位を含むオルガノポリシロキサン共重合体、RSiO2/2で表示されるシロキサン単位とRSiO3/2で表示されるシロキサン単位またはRSiO3/2で表示されるシロキサン単位を含むオルガノポリシロキサン共重合体及び上記のうち2以上の混合物を挙げることができるが、これに制限されるものではない。この場合において、Rは、アルケニル基以外の炭化水素基であって、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基またはヘプチル基などのアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基またはナフチル基などのアリール基;ベンジル基またはフェネチル基などのアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基または3、3、3−トリフルオロプロピル基などのハロゲン置換アルキル基などであることができる。また、Rは、アルケニル基であって、具体的には、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基またはヘプテニル基などであることができる。
【0023】
本発明の一態様において、上記(1)のオルガノポリシロキサンの25℃での粘度は、50〜500,000CP(centipoise)、好ましくは、400〜100,000CPであってよい。上記粘度が50CP未満である場合には、シリコーンコンパウンドの硬化物の機械的強度が低下するおそれがあり、500,000CPを超過する場合には、取り扱い性または作業性が低下するおそれがある。
【0024】
上記付加硬化性シリコーンコンパウンドにおいて、(2)のオルガノポリシロキサンは、上記(1)のオルガノポリシロキサンを架橋させる役目を果たすことができる。上記(2)のオルガノポリシロキサンにおいて、水素原子の結合位置は、特に限定されず、例えば、分子鎖の末端及び/または側鎖に結合されていてよい。また、上記(2)のオルガノポリシロキサンにおいて、上記ケイ素結合水素原子以外に含まれ得る置換基の種類は、特に限定されず、例えば、(1)のオルガノポリシロキサンで言及したような、アルキル基、アリール基、アラルキル基またはハロゲン置換アルキル基などを挙げることができ、これらのうちメチル基またはフェニル基が好ましいが、これに制限されるものではない。
【0025】
一方、(2)のオルガノポリシロキサンの分子構造は、特に限定されず、例えば、直鎖状、分岐状、環状、網状または一部が分岐状を成す直鎖状などのように、いずれの形状であってもよい。本発明では、上記のような分子構造のうち特に直鎖状の分子構造を有することが好ましいが、これに制限されるものではない。
【0026】
本発明で使用することができる上記(2)のオルガノポリシロキサンのより具体的な例として、分子鎖両末端トリメチルシロキサン基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキサン基封鎖ジメチルシロキサン−メチルハイドロジェン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキサン基封鎖ジメチルシロキサン−メチルハイドロジェンシロキサン−メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキサン基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキサン基封鎖ジメチルシロキサン−メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキサン基封鎖メチルフェニルポリシロキサン、RSiO1/2で表示されるシロキサン単位とRHSiO1/2で表示されるシロキサン単位とSiO4/2で表示されるシロキサン単位を含むオルガノポリシロキサン共重合体、RHSiO1/2で表示されるシロキサン単位とSiO4/2で表示されるシロキサン単位を含むオルガノポリシロキサン共重合体、RHSiO2/2で表示されるシロキサン単位とRSiO3/2で表示されるシロキサン単位またはHSiO3/2で表示されるシロキサン単位を含むオルガノポリシロキサン共重合体及び上記のうち2以上の混合物を挙げることができるが、これに制限されるものではない。この場合において、Rは、アルケニル基以外の炭化水素基であって、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基またはヘプチル基などのアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基またはナフチル基などのアリール基;ベンジル基またはフェネチル基などのアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基または3、3、3−トリフルオロプロピル基などのハロゲン置換アルキル基などであることができる。
【0027】
本発明の一態様において、上記(2)のオルガノポリシロキサンの25℃での粘度は、1〜500,000CP(centipoise)、好ましくは、5〜100,000CPであることができる。上記粘度が1CP未満である場合には、シリコーンコンパウンドの硬化物の機械的強度が低下するおそれがあり、500,000CPを超過する場合には、取り扱い性または作業性が低下するおそれがある。
【0028】
本発明の一態様において、上記(2)のオルガノポリシロキサンの含量は、適切な硬化が行われ得る程度に含まれていれば、特に限定されない。例えば、上記(2)のオルガノポリシロキサンは、前述した(1)オルガノポリシロキサンに含まれるアルケニル基の1つに対して、ケイ素結合水素原子が0.5〜10個となる量で含まれることができる。このケイ素原子結合水素原子の個数が0.5個未満である場合には、硬化性シリコーンコンパウンドの硬化が不十分に行われるおそれがあり、10個を超過する場合には、硬化物の耐熱性が低下するおそれがある。一方、本発明では、硬化物の硬度(hardness)及び屈折率の観点から、上記(2)のオルガノポリシロキサンとして、分子構造中にアリール基またはアラルキル基のような芳香族基を含有するオルガノポリシロキサンを使用することが好ましいが、必ずこれに制限されるものではない。
【0029】
本発明の一態様において、上記付加硬化性シリコーンコンパウンドは、硬化のための触媒として、白金または白金化合物をさらに含むことができる。このような、白金または白金化合物の具体的な例として、白金微粉末、白金黒、白金担持シリカ微粉末、白金担持活性炭、塩化白金酸、四塩化白金、塩化白金酸のアルコール溶液、白金とオレフインの錯体、白金と1、1、3、3−テトラメチル−1、3−ジビニルジシロキサンなどのアルケニルシロキサンとの錯体、これら白金または白金化合物を含有する粒子径が10μm未満の熱可塑性樹脂微粉末(ポリスチレン樹脂、ナイロン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂など)を挙げることができるが、これに制限されるものではない。
【0030】
本発明の付加硬化性シリコーンコンパウンドの前述した触媒の含有量は、特に制限されず、例えば、全体化合物のうち重量単位で0.1〜500ppm、好ましくは、1〜50ppmの量であってよい。上記触媒の含有量が0.1ppm未満である場合には、組成物の硬化性が低下するおそれがあり、500ppmを超過する場合には、経済性が損なわれるおそれがある。
【0031】
本発明の一態様において、上記付加硬化性シリコーンコンパウンドは、その保存安定性、取り扱い性及び作業性向上の観点から、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3、5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、フェニルブチノールなどのアルキンアルコール;3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3、5−ジメチル−3−ヘキセン−1−インなどのエニン(enyne)化合物;1、2、5、7−テトラメチル−1、3、5、7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、1、3、5、7−テトラメチル−1、3、5、7−テトラヘキセニルシクロテトラシロキサン、ベンゾトリアゾールなどの硬化抑制剤をさらに含むことができる。上記硬化抑制剤の含量は、発明の目的を損わない範囲で適宜選択されることができ、例えば、重量基準で10ppm〜50,000ppmの範囲で含まれることができる。
【0032】
本発明の他の態様においては、上記シリコーンコンパウンドは、例えば(a)アルコキシ基含有シロキサンポリマー;及び(b)水酸基含有シロキサンポリマーを含む縮合硬化性シリコーンコンパウンドであってよい。
【0033】
本発明で使用することができる上記(a)のシロキサンポリマーは、例えば、下記化学式2で表示される化合物であってよい。
【0034】
[化学式2]
SiO(OR
【0035】
上記式で、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子または置換または非置換の1価炭化水素基を示し、Rは、アルキル基を示し、R、R及びRがそれぞれ複数個存在する場合には、互いに同一であるか、異なることができ、a及びbは、それぞれ独立に、0以上且つ1未満の数を示し、a+bは、0超過且つ2未満の数を示し、cは、0超過且つ2未満の数を示し、dは、0超過且つ4未満の数を示し、a+b+c×2+dは、4である。
【0036】
また、本発明では、上記化学式2で表示されるシロキサンポリマーが、ゲル透過クロマトグラフィーで測定して、ポリスチレン換算の重量平均分子量が1,000〜100,000、好ましくは、1,000〜80,000、より好ましくは1、500〜70,000であるものであってよい。(a)のシロキサンポリマーの重量平均分子量が上記範囲内にあることによって、シリコーン硬化物の形成時にクラックなどの不良を起こすことなく、良好な硬化物を得ることができる。
【0037】
化学式2の定義において、1価炭化水素は、例えば、炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基、ベンジル基またはトリル基などであることができ、この際、炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基またはオクチル基などであってよい。また、上記化学式2の定義で、1価炭化水素基は、例えば、ハロゲン、アミノ基、メルカプト基、イソシアネート基、グリシジル基、グリシドキシ基またはウレイド基などの公知の置換基で置換されてもよい。
【0038】
また、上記化学式2の定義で、Rのアルキル基の例として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基またはブチル基などを挙げることができる。このようなアルキル基のうち、メチル基またはエチル基などが好ましいが、これに制限されるものではない。
【0039】
本発明では、上記化学式2のポリマーのうち分岐状または3次架橋されたシロキサンポリマーを使用することが好ましい。また、この(a)シロキサンポリマーには、本発明の目的を損わない範囲内で、具体的には、脱アルコール反応を阻害しない範囲内で水酸基が残存してもよい。
【0040】
(a)のシロキサンポリマーは、例えば、多官能のアルコキシシランまたは多官能クロロシランなどを加水分解及び縮合させることによって製造することができる。この分野の平均的技術者は、目的とする(a)のシロキサンポリマーによって適切な多官能アルコキシシランまたはクロロシランを容易に選択することができ、それを使用した加水分解及び縮合反応の条件をも容易に制御することができる。一方、上記(a)のシロキサンポリマーの製造時には、目的によって、適切な1官能のアルコキシシランを併用使用することもできる。
【0041】
(a)のシロキサンポリマーとしては、例えば、シンエツシリコーン社のX40−9220またはX40−9225、GE東レシリコーン社のXR31−B1410、XR31−B0270またはXR31−B2733などのような、市販されているオルガノシロキサンポリマーを使用することができる。一方、本発明では、硬化物の硬度(hardness)及び屈折率の観点から、上記(a)のシロキサンポリマーとして、分子構造中にアリール基またはアラルキル基のような芳香族基を含むオルガノポリシロキサンを使用することが好ましいが、必ずこれに制限されるものではない。
【0042】
一方、上記縮合硬化性シリコーンコンパウンドに含まれる、(b)の水酸基含有シロキサンポリマーとして、例えば、下記化学式3で示されるコンパウンドを使用することができる。
【0043】
【化1】

【0044】
上記化学式3において、R10及びR11は、それぞれ独立に、水素原子または置換または非置換の1価の炭化水素基を示し、R10及びR11がそれぞれ複数存在する場合には、上記は、互いに同一であるか、異なることができ、nは、5〜2,000の整数を示す。
【0045】
上記化学式3の定義において、1価炭化水素基の具体的な種類としては、例えば、前述した化学式2の場合と同一の炭化水素基を挙げることができる。
【0046】
本発明において、上記化学式3のシロキサンポリマーは、ゲル透過クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量が、500〜100,000、好ましくは1、000〜80,000、より好ましくは1、500〜70,000であることができる。(b)のシロキサンポリマーの重量平均分子量が上記範囲内にある場合には、シリコーン硬化物の形成時にクラックなどの不良を起こさず、良好な硬化物を得ることができる。
【0047】
(b)のシロキサンポリマーは、例えば、ジアルコキシシラン及び/またはジクロロシランなどを加水分解及び縮合させることによって製造することができる。この分野の平均的技術者は、目的とする(b)のシロキサンポリマーによって、適切なジアルコキシシランまたはジクロロシランを容易に選択することができ、それを使用した加水分解及び縮合反応の条件をも容易に制御することができる。(b)のシロキサンポリマーとしては、例えば、GE東レシリコーン社のXC96−723、YF−3800、YF−3804などのような、市販されている2官能オルガノシロキサンポリマーを使用することができる。一方、本発明では、硬化物の硬度(hardness)及び屈折率の観点から、上記(b)のシロキサンポリマーとして、分子構造中にアリール基またはアラルキル基のような芳香族基を含有するオルガノポリシロキサンを使用することが好ましいが、必ずこれに制限されるものではない。
【0048】
本発明で、前述のシリコーンコンパウンドとともに含まれる導電性付与剤は、組成物の硬化物の青色光または紫外線などに対する耐久性、成形性、光学的透明性及び耐クラック性を損傷させることなく、適切な導電性を付与し、上記硬化物の高抵抗に起因する透明性の毀損、ダストなどの異物付着を防止する役目をする。
【0049】
本発明の一態様において、上記導電性付与剤は、前述のような特定化学式で表示されるものであって、無機または有機の陽イオン;及び超強酸の共役塩基として、ペルフルオルアルキル基を含有する陰イオンを含むことができる。このような導電性付与剤は、陰イオンが有する共鳴構造及びフッ素原子の高い電気陰性度に起因して、陽イオンに対する低い配位結合性及び高い疎水性を有する。これにより、上記導電性付与剤は、シリコーン硬化物と優れた相溶性を示し、その固有の長所を損傷させることなく、上記硬化物に優れた帯電防止性を付与することができる。
【0050】
[化学式1]
a+[X(YO
【0051】
上記化学式1で、Ma+は、無機陽イオンまたは有機陽イオンを示し、Xは、窒素原子または炭素原子を示し、Yは、炭素原子または硫黄原子を示し、Rは、ペルフルオロアルキル基を示し、a及びmは、それぞれ独立に、1または2を示し、nは、2または3を示す(但し、上記式で、Yが炭素である時、mは1であり、Yが硫黄である時、mは2であり、Xが窒素である時、nは2であり、Xが炭素である時、nは3である)。
【0052】
上記化学式1の定義において、ペルフルオロアルキル基は、例えば、炭素数1〜12、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜4のペルフルオロアルキル基であることができ、より具体的には、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルまたはペルフルオロブチル基であることができる。
【0053】
本発明で、上記導電性付与剤に含まれる陽イオンは、シリコーン硬化物と優れた相溶性を有し、その物性を損なうことなく、目的する効果を発揮することができる無機陽イオンまたは有機陽イオンであることができる。
【0054】
本発明で使用することができる上記無機陽イオンの例として、リチウム陽イオン、ナトリウム陽イオン、カリウム陽イオン、ルビジウム陽イオンまたはセシウム陽イオンのようなアルカリ金属陽イオン;またはカルシウム陽イオン、ストロンチウム陽イオン、バリウム陽イオンまたはラジウム陽イオンのようなアルカリ土金属陽イオンを挙げることができる。本発明では、好ましくは上記のうちアルカリ金属陽イオンを使用することができ、これらのうちリチウム陽イオンを使用することが好ましいが、これに制限されるものではない。
【0055】
本発明の一態様において、上記導電性付与剤に含まれる陽イオンは、有機陽イオンとして、窒素系陽イオン(nitrogen−based cation)であることができる。このような、窒素系陽イオンは、シリコーン硬化物と優れた相溶性を示し得る。上記のような窒素系陽イオンの例として、アンモニウム陽イオン(例えば、1級、2級、3級または4級アンモニウム陽イオン)、ピラゾリウム(pyrazolium)陽イオン、イミダゾリウム(imidazolium)陽イオン、トリアゾリウム(triazolium)陽イオン、ピリジニウム(pyridinium)陽イオン、ピリダジニウム(pyridazinium)陽イオン、ピリミジニウム(pyrimidinium)陽イオン、ピラジニウム(pyrazinium)陽イオン、ピロリジニウム(pyrrolidinium)陽イオンまたはトリアジニウム(triazinium)陽イオンなどが挙げられるが、これに制限されるものではない。また、本発明の他の態様において、上記有機陽イオンは、ホスホニウム(phosphonium)陽イオンのようなリン系陽イオン(phosphorous−based cation)であることができる。
【0056】
本発明の一態様において、有機陽イオンは、含まれる炭素、窒素またはリン原子に1つ以上の置換基が置換されていてもよい。この際、上記有機陽イオンの置換基の具体的な例は、例えば、(シクロ)アルキル、(シクロ)アルケニル、(シクロ)アルキニル、アルコキシ、アルケンジオキシ、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、アミノ、アミノアルキル、チオ(thio)、チオアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、オキソアルキル、カルボキシル、カルボキシアルキル、ハロアルキルまたはハロゲン原子であることができる。
【0057】
上記有機陽イオンの置換基の定義において、アルキルは、炭素数1〜12、好ましくは1〜8、好ましくは1〜4、より好ましくは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、シクロプロピルまたはシクロブチルなどであってよく、アルケニルまたはアルキニルは、炭素数2〜12、好ましくは2〜8、より好ましくは2〜4、より好ましくはエテニル、エチニル、プロフェニル、プロピニル、ブテニルまたはブチニルであってよい。
【0058】
また、上記有機陽イオンの置換基の定義において、アルコキシは、炭素数1〜12、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜4、さらに好ましくはメトキシ、エトキシ、プロポキシまたはブトキシであってよく、アリールは、炭素数6〜24、好ましくは炭素数6〜12、より好ましくは、フェニルまたはナフチルであってよく、ハロゲンは、塩素またはフッ素であってよい。
【0059】
本発明の一態様において、有機陽イオンは、好ましくはアンモニウム陽イオン、イミダゾリウム陽イオン、ピリジニウム陽イオンまたはピロリジニウム陽イオンであることができ、より好ましくはアンモニウム陽イオンまたはイミダゾリウム陽イオンであることができる。このような有機陽イオンは、疎水性添加剤として、シリコーン硬化物と優れた相溶性を示しながらも、水分などとの反応性が低く、シリコーン硬化物に安定であり、優れた導電性を付与することができ、特にこのような導電性が経時的に悪化されることなく安定に発揮される利点がある。
【0060】
本発明の一態様において、上記アンモニウム陽イオンは、例えば、下記化学式4で表示される陽イオンであることができる。
【0061】
【化2】

【0062】
上記化学式4において、R12〜R15は、それぞれ独立に、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルコキシ、置換または非置換のアルケニルまたは置換または非置換のアルキニルを示す。
【0063】
上記化学式4の定義において、アルキルまたはアルコキシは、炭素数1〜12、好ましくは1〜8のアルキルまたはアルコキシを示すことができ、アルケニルまたはアルキニルは、炭素数2〜12、好ましくは炭素数2〜8のアルケニルまたはアルキニルを示すことができる。
【0064】
また、上記化学式4の定義において、アルキル、アルコキシ、アルケニルまたはアルキニルは、1つ以上の置換基によって置換されてもよく、この際、置換基の例としては、ヒドロキシ基または炭素数1〜12、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜4のアルキルまたはアルコキシなどを挙げることができる。
【0065】
本発明では、上記化学式4の陽イオンのうち4級アンモニウム陽イオンを使用することが好ましく、特にR12〜R15がそれぞれ独立に、炭素数1〜12の置換または非置換のアルキルである陽イオンを使用することが好ましい。
【0066】
また、本発明で使用することができるアンモニウム系塩は、好ましくはN−エチル−N、N−ジメチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウム、N、N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウム、N−エチル−N、N−ジメチル−N−プロピルアンモニウム、N−メチル−N、N、N−トリオクチルアンモニウム、N、N、N−トリメチル−N−プロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニウム及びN−メチル−N、N、N−トリブチルアンモニウムよりなる群から選択された1つ以上の陽イオンであることができる。
【0067】
一方、本発明の一態様において、上記イミダゾリウム陽イオンは、イミダゾリウム、1−アリル−3−アルキルイミダゾリウム、1−アルキル−3−アリルイミダゾリウム、1、3−ビスアリルイミダゾリウム、1、3−ジアルキルイミダゾリウム、1−アリールアルキル−3−アルキルイミダゾリウム、1、3−ビス(アリールアルキル)イミダゾリウム、1−アリール−3−アルキルイミダゾリウム、1、3−ビスアリールイミダゾリウム、1、3−ビス(シアノアルキル)イミダゾリウムまたは1−アルキル−2、3−ビスアルキルイミダゾリウムなどであることができ、これらのうちイミダゾリウム、1−アリル−3−アルキルイミダゾリウム、1−アルキル−3−アリルイミダゾリウム、1、3−ビスアリルイミダゾリウムまたは1、3−ジアルキルイミダゾリウムを使用することが好ましく、1、3−ジアルキルイミダゾリウムを使用することがより好ましいが、これに制限されるものではない。
【0068】
上記イミダゾリウムの種類において、アルキル、アリールまたはアリールアルキルなどの具体的な種類は、前述した通りである。
【0069】
本発明の一態様において、化学式1の導電性付与剤に含まれる陰イオンは、スルホニルメチド系陰イオン、スルホンイミド系陰イオン、カルボニルメチド系陰イオン及びカルボニルイミド系陰イオンであることができる。スルホニルメチド系陰イオンの例としては、トリストリフルオロメタンスルホニルメチドなどを挙げることができ、スルホンイミド系陰イオンの例としては、ビストリフルオロメタンスルホンイミド、ビスペルフルオロブタンスルホンイミドまたはビスペンタフルオロエタンスルホンイミドなどを挙げることができ、カルボニルメチド系陰イオンの例としては、トリストリフルオロメタンカルボニルメチドなどを挙げることができ、カルボニルイミド系陰イオンの例としては、ビスペルフルオロブタンカルボニルイミドまたはビスペンタフルオロエタンカルボニルイミドなどを挙げることができる。
【0070】
本発明の一態様において、導電性付与剤は、例えば、N−エチル−N、N−ジメチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビストリフルオロメタンスルホンイミド、N、N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビストリフルオロメタンスルホンイミド、N−エチル−N、N−ジメチル−N−プロピルアンモニウムビストリフルオロメタンスルホンイミド、N−メチル−N、N、N−トリオクチルアンモニウムビストリフルオロメタンスルホンイミド、N−メチル−N、N、N−トリオクチルアンモニウムビスペンタフルオロエタンスルホンイミド、N−メチル−N、N、N−トリオクチルアンモニウムトリストリフルオロメタンカルボニルメチド、N、N、N−トリメチル−N−プロピルアンモニウムビストリフルオロメタンスルホンイミド、テトラブチルアンモニウムビストリフルオロメタンスルホンイミド、テトラメチルアンモニウムビストリフルオロメタンスルホンイミド、テトラヘキシルアンモニウムビストリフルオロメタンスルホンイミド、N−メチル−N、N、N−トリブチルアンモニウムビストリフルオロメタンスルホンイミド、1、3−ジアルキルイミダゾリウムビストリフルオロメタンスルホンイミド、1、3−ジアルキルイミダゾリウムビスペルフルオロブタンスルホンイミド、1、3−ジアルキルイミダゾリウムビスペンタフルオロエタンスルホンイミド、1、3−ジアルキルイミダゾリウムトリストリフルオロメタンカルボニルメチド、1、3−ジアルキルイミダゾリウムビスペルフルオロブタンカルボニルイミドまたは1、3−ジアルキルイミダゾリウムビスペンタフルオロエタンカルボニルイミドなどを挙げることができるが、これに制限されるものではない。
【0071】
本発明で、導電性付与剤は、前述した硬化性シリコーンコンパウンド100重量部に対して、0.01重量部〜20重量部、好ましくは0.1重量部〜15重量部、より好ましくは、0.5重量部〜10重量部の量で含まれることができる。上記含量が0.01重量部未満である場合には、シリコーン硬化物への導電性付与及び表面抵抗低減効果が低下するおそれがあり、20重量部を超過する場合には、シリコーン硬化物の透明性や耐久性などの物性が低下するおそれがある。
【0072】
本発明の一態様において、上記発光素子封止用組成物は、発光素子などとの密着性改善の観点から、任意成分として、エポキシ樹脂をさらに含むことができる。本発明で使用することができるエポキシ樹脂の例として、芳香族グリシジルエーテル、芳香族グリシジルエーテルの芳香環を水素化したグリシジルエーテル及び指環式エポキシ樹脂(例えば、3、4−エポキシシクロヘキシルメチル−3'、4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2、2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1、2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物またはビス(3、4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペートなど)などを挙げることができるが、これに制限されるものではない。本発明では、上記以外にも、ダイマー酸グリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステルなどのグリシジルエステル;トリグリシジルイソシアヌレートなどのグリシジルアミン類、エポキシ化大豆油、エポキシ化ポリブタジエンなどの線状脂肪族エポキシドなどを使用することもできる。本発明では、上記のようなエポキシ樹脂の一種または二種以上の混合を使用することができる。芳香族グリシジルエーテルの例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールAD、テトラメチルビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA、テトラクロロビスフェノールAまたはテトラフルオロビスフェノールAなどのビスフェノール類をグリシジル化したビスフェノール型エポキシ樹脂;ビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、9、9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンなどを含む2価フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂;1、1、1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4、4−(1−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル)エチリデンビスフェノールなどのトリスフェノール類のグリシジル化したエポキシ樹脂;1、1、2、2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどのテトラキスフェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂;フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールAノボラック、ブロム化フェノールノボラック、ブロム化ビスフェノールAノボラックなどのノボラック類をグリシジル化したノボラック型エポキシ樹脂などを挙げることができるが、これに制限されるものではない。
【0073】
芳香族グリシジルエーテルの芳香環を水素化して得られるグリシジルエーテルは、例えば、前述の芳香族グリシジルエーテルをルテニウム触媒またはロジウム触媒などの触媒の存在下に芳香族を水素化して得ることができる。
【0074】
本発明で、エポキシ樹脂の含量は、目的する接着力向上効果を考慮して、発明の目的を損わない範囲内で適宜選択されることができる。本発明では、例えば、前述したシリコーンコンパウンド100重量部に対して、100重量部以下、好ましくは1重量部〜100重量部、より好ましくは1重量部〜80重量部、さらに好ましくは1重量部〜60重量部の量でエポキシ樹脂が含まれることができるが、これに制限されるものではない。
【0075】
本発明の発光素子封止用組成物は、前述の成分に追加に、発明の効果を損わない範囲で、硬化促進剤、消泡剤、着色剤、蛍光体、リン光体、変性剤、変色防止剤、無機フィラー、シランカップリング剤、光拡散剤または熱伝導性フィラーなどのような公知の添加剤を適切に含むことができる。
【0076】
また、本発明は、前述した本発明による発光素子封止用組成物の硬化物で封止された発光素子を含む発光ダイオード(LED;Light Emitting Diode)に関する。
【0077】
本発明で使用することができる発光素子の種類は、特に限定されない。例えば、本発明では、基板上に半導体材料を積層して形成した発光素子を使用することができる。この場合、半導体材料としては、例えば、GaAs、GaP、GaAlAs、GaAsP、AlGaInP、GaN、InN、AlN、InGaAlNまたはSiCなどを挙げることができるが、これに制限されるものではない。この際、基板としては、例えば、サファイア、スピネル、SiC、Si、ZnOまたはGaN単結晶などが使用されることができるが、これに制限されるものではない。
【0078】
また、本発明では、必要に応じて、基板と半導体材料との間にバッファー層を形成することもできる。この際、バッファー層としては、GaNまたはAlNなどを使用することができる。基板上での半導体材料の積層方法は、特に制限されず、例えば、MOCVD法、HDVPE法または液相成長法などを使用することができる。また、本発明で発光素子の構造は、例えば、MIS接合、PN接合、PIN接合を有するモノ接合、ヘテロ接合、二重ヘテロ接合などであることができる。また、単一または多重の量子井戸構造で上記発光素子を形成することができる。
【0079】
本発明の一態様において、上記発光素子の発光波長は、例えば、250nm〜550nm、好ましくは300nm〜500nm、より好ましくは330nm〜470nmであることができる。上記で、発光波長は、主光ピーク波長を示す。発光素子の発光波長を上記範囲に設定することで、より長い寿命で、エネルギー効率が高く、色再現性が高い白色発光ダイオードを得ることができる。
【0080】
本発明の発光ダイオードは、発光素子、特に発光波長が250nm〜550nmの発光素子を本発明による発光素子封止用組成物で封止することによって製造することができる。この場合、発光素子の封止は、本発明による発光素子封止用組成物だけで行うことができ、場合によっては、他の封止材と併用して行うことができる。併用する場合、本発明の発光素子封止用組成物を使用した封止後に、その周囲を他の封止材で封止することもでき、他の封止材でまず封止した後、その周囲を本発明の発光素子封止用組成物で封止することもできる。この際、使用されることができる他の封止材としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ユリア樹脂、イミド樹脂またはガラスなどを挙げることができる。
【0081】
本発明の発光素子封止用組成物で発光素子を封止する方法としては、例えば、モールド型鋳型に発光素子封止用組成物をあらかじめ注入し、そこに発光素子が固定されたリードフレームなどを浸漬した後、硬化させる方法、発光素子を挿入した鋳型の中に発光素子封止用組成物を注入し硬化させる方法などを使用することができる。この際、発光素子封止用組成物を注入する方法の例としては、ディスペンサーによる注入、トランスファー成形、射出成形などを挙げることができる。また、その他の封止方法としては、発光素子封止用組成物を発光素子上に積荷、孔版印刷、スクリーン印刷またはマスクを媒介にして塗布して硬化させる方法、底部に発光素子を配置したコップなどに発光素子封止用組成物をディスペンサーなどによって注入し、硬化させる方法などを使用することができる。また、本発明の発光素子封止用組成物を、発光素子をリード端子やパッケージに固定するダイボンド材、発光素子上にパッシベーション(passivation)膜、パッケージ基板などとして利用することもできる。
【0082】
封止部分の形状は、特に限定されず、例えば、砲弾型のレンズ形状、板状または薄膜状などで構成することができる。
【0083】
一方、本発明において封止材として使用される発光素子封止用組成物の硬化物は、表面抵抗が5×1014Ω/□以下、好ましくは5×1012Ω/□以下、より好ましくは5×1011Ω/□以下であることができる。この表面抵抗が5×1014Ω/□を超過する場合には、硬化物の導電性が低下し、表面に異物付着抑制効果が低下するか、透明性などの物性が低下するおそれがある。
【0084】
また、本発明では、従来の公知の方法によって発光ダイオードの追加的な性能向上を図ることができる。性能向上の方法としては、例えば、発光素子の背面に光の反射層または集光層を設置する方法、補色着色部を底部に形成する方法、主発光ピークより短波長の光を吸収する層を発光素子上に設置する方法、発光素子を封止した後、追加に硬質材料でモールディングする方法、発光ダイオードを貫通ホールに挿入して固定する方法、発光素子をフリップチップ接続などによってリード部材などと接続し、基板方向から光を取り出す方法などを挙げることができる。
【0085】
本発明の発光ダイオードは、例えば、液晶表示装置(LCD;Liquid Crystal Display)のバックライト、照明、各種センサー、プリンター、コピー機などの光源、車両用計器光源、信号灯、表示灯、表示装置、面状発光体の光源、ディスプレイ、装飾または各種ライトなどに効果的に適用されることができる。
【実施例】
【0086】
以下、本発明による実施例及び比較例を通じて本発明をより詳しく説明するが、本発明の範囲が下記提示された実施例によって制限されるものではない。
【0087】
[実施例1]
液状付加硬化性シリコーンコンパウンド(Sylgard 184A、Dow corning社(製)100重量部に対して、硬化剤(Sylgard 184B、Dow corning社(製)10重量部、導電性付与剤としてリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド0.11重量部、及び白金系触媒0.005重量部を混合し、発光素子封止用組成物を製造した。次に、上記組成物を直径が50mmであり、厚さが10mmであるディスク形状の金型に注入し、90℃の温度で1時間硬化させて、シリコーン硬化物を製造した。
【0088】
[実施例2]
導電性付与剤としてリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド1.1重量部を使用したことを除いて、実施例1と同一の方法で発光素子封止用組成物を製造した。
【0089】
[実施例3]
導電性付与剤としてリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド11重量部を使用したことを除いて、実施例1と同一の方法で発光素子封止用組成物を製造した。
【0090】
[比較例1]
導電性付与剤を使用しないことを除いて、実施例1と同一の方法で発光素子封止用組成物を製造した。
【0091】
[試験例1]:表面抵抗の測定
実施例及び比較例で製造した発光素子封止用組成物に500Vの電圧を1分間印加した後、表面抵抗測定器(MCP−HT260、Hinesta IP)を使用して表面抵抗を測定し、その結果を下記表1に記載した。
【0092】
[試験例2]:帯電防止特性(除塵特性)評価
実施例及び比較例で製造したシリコーン硬化物の除塵特性を、次のような方法で測定した。まず、A4用紙を一定のサイズに切断し、ペトリ皿に投入し、振って帯電性を付与した。次に、このA4用紙を、実施例及び比較例で製造したシリコーン樹脂にスプレーし、樹脂を90゜の角度に立て、付着している紙の量を計数し、以下の基準によって評価した。
○:付着される紙がない場合
×:多量の紙が付着される場合
【0093】
[試験例3]:耐湿熱テスト
実施例及び比較例で製造したシリコーン硬化物を、60℃の温度及び90%の相対湿度で500時間放置し、気泡及びクラックの発生有無を観察し、耐久性を以下の基準で評価した。
○:気泡及びクラックの発生なし
△:気泡及びクラックが多少発生
×:気泡及びクラックが多量発生
【0094】
[試験例4]:耐光性テスト
ASTMG−154規格に基づいて、500時間テストし、厚さが5mmのフィルム状のシリコーン硬化物に対して、透過率測定器(ATLASQUV)を使用して、テスト前の初期透過率に対する最終透過率を測定することによって、耐光性をテストした。
【0095】
【表1】

【0096】
上記表1の結果から分かるように、本発明による実施例1〜3の場合、導電性付与剤を添加しない比較例1と比較して、同等以上の耐久性及び耐光性特性を示しながらも、優れた除塵特性を示すことを確認した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬化性シリコーンコンパウンドと、
下記化学式1で表示される導電性付与剤と
を含む発光素子封止用組成物。
[化学式1]
a+[X(YO
〔上記化学式1において、Ma+は、無機陽イオンまたは有機陽イオンを示し、Xは、窒素原子または炭素原子を示し、Yは、炭素原子または硫黄原子を示し、Rは、ペルフルオロアルキル基を示し、a及びmは、それぞれ独立に、1または2を示し、nは、2または3を示す(但し、Yが炭素である場合にはmは1であり、Yが硫黄である場合にはmは2であり、Xが窒素である場合にはnは2であり、Xが炭素である場合にはnは3である)〕。
【請求項2】
前記シリコーンコンパウンドが、加熱硬化性シリコーンコンパウンドまたは紫外線硬化性シリコーンコンパウンドであることを特徴とする請求項1に記載の発光素子封止用組成物。
【請求項3】
前記シリコーンコンパウンドが、
(1)分子中に2個以上のアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンと、
(2)分子中に2個以上のケイ素結合水素原子を含有するオルガノポリシロキサンと
を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の発光素子封止用組成物。
【請求項4】
(1)のオルガノポリシロキサンの25℃での粘度が、50〜500,000CPであることを特徴とする請求項3に記載の発光素子封止用組成物。
【請求項5】
(2)のオルガノポリシロキサンの25℃での粘度が、1〜500,000CPであることを特徴とする請求項3に記載の発光素子封止用組成物。
【請求項6】
前記シリコーンコンパウンドは、白金または白金化合物をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の発光素子封止用組成物。
【請求項7】
前記シリコーンコンパウンドが、
(a)アルコキシ基含有シロキサンポリマーと、
(b)水酸基含有シロキサンポリマーと
を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の発光素子封止用組成物。
【請求項8】
無機陽イオンが、アルカリ金属陽イオンまたはアルカリ土金属陽イオンであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の発光素子封止用組成物。
【請求項9】
アルカリ金属陽イオンが、リチウム陽イオン、ナトリウム陽イオン、カリウム陽イオン、ルビジウム陽イオンまたはセシウム陽イオンであり、アルカリ土金属陽イオンが、カルシウム陽イオン、ストロンチウム陽イオン、バリウム陽イオンまたはラジウム陽イオンであることを特徴とする請求項8に記載の発光素子封止用組成物。
【請求項10】
有機陽イオンが、窒素系陽イオンであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の発光素子封止用組成物。
【請求項11】
窒素系陽イオンが、アンモニウム陽イオン、ピラゾリウム陽イオン、イミダゾリウム陽イオン、トリアゾリウム陽イオン、ピリジニウム陽イオン、ピリダジニウム陽イオン、ピリミジニウム陽イオン、ピラジニウム陽イオン、ピロリジニウム陽イオンまたはトリアジニウム陽イオンであることを特徴とする請求項10に記載の発光素子封止用組成物。
【請求項12】
アンモニウム陽イオンが、下記化学式4で表示される陽イオンであることを特徴とする請求項11に記載の発光素子封止用組成物:
【化1】

(上記化学式4において、R12〜R15は、それぞれ独立に、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルコキシ、置換または非置換のアルケニルまたは置換または非置換のアルキニルを示す)。
【請求項13】
アンモニウム陽イオンが、N−エチル−N,N−ジメチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウム、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウム、N−エチル−N,N−ジメチル−N−プロピルアンモニウム、N−メチル−N,N,N−トリオクチルアンモニウム、N,N,N−トリメチル−N−プロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニウム及びN−メチル−N,N,N−トリブチルアンモニウムよりなる群から選択された1つ以上であることを特徴とする請求項12に記載の発光素子封止用組成物。
【請求項14】
イミダゾリウム陽イオンが、イミダゾリウム、1−アリル−3−アルキルイミダゾリウム、1−アルキル−3−アリルイミダゾリウム、1,3−ビスアリルイミダゾリウム、1,3−ジアルキルイミダゾリウム、1−アリールアルキル−3−アルキルイミダゾリウム、1,3−ビス(アリールアルキル)イミダゾリウム、1−アリール−3−アルキルイミダゾリウム、1,3−ビスアリールイミダゾリウム、1,3−ビス(シアノアルキル)イミダゾリウムまたは1−アルキル−2,3−ビスアルキルイミダゾリウムであることを特徴とする請求項11に記載の発光素子封止用組成物。
【請求項15】
導電性付与剤が、スルホニルメチド系陰イオン、スルホンイミド系陰イオン、カルボニルメチド系陰イオン及びカルボニルイミド系陰イオンよりなる群から選択された1つ以上を含むことを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の発光素子封止用組成物。
【請求項16】
導電性付与剤が、N−エチル−N,N−ジメチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビストリフルオロメタンスルホンイミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビストリフルオロメタンスルホンイミド、N−エチル−N,N−ジメチル−N−プロピルアンモニウムビストリフルオロメタンスルホンイミド、N−メチル−N,N,N−トリオクチルアンモニウムビストリフルオロメタンスルホンイミド、N−メチル−N,N,N−トリオクチルアンモニウムビスペンタフルオロエタンスルホンイミド、N−メチル−N,N,N−トリオクチルアンモニウムトリストリフルオロメタンカルボニルメチド、N,N,N−トリメチル−N−プロピルアンモニウムビストリフルオロメタンスルホンイミド、テトラブチルアンモニウムビストリフルオロメタンスルホンイミド、テトラメチルアンモニウムビストリフルオロメタンスルホンイミド、テトラヘキシルアンモニウムビストリフルオロメタンスルホンイミド、N−メチル−N,N,N−トリブチルアンモニウムビストリフルオロメタンスルホンイミド、1,3−ジアルキルイミダゾリウムビストリフルオロメタンスルホンイミド、1,3−ジアルキルイミダゾリウムビスペルフルオロブタンスルホンイミド、1,3−ジアルキルイミダゾリウムビスペンタフルオロエタンスルホンイミド、1,3−ジアルキルイミダゾリウムトリストリフルオロメタンカルボニルメチド、1,3−ジアルキルイミダゾリウムビスペルフルオロブタンカルボニルイミド及び1,3−ジアルキルイミダゾリウムビスペンタフルオロエタンカルボニルイミドよりなる群から選択された1つ以上を含むことを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の発光素子封止用組成物。
【請求項17】
導電性付与剤が、硬化性シリコーンコンパウンド100重量部に対して、0.01重量部〜20重量部の量で含まれることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の発光素子封止用組成物。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか一項に記載の発光素子封止用組成物の硬化物で封止された発光素子を含む発光ダイオード。
【請求項19】
硬化物の表面抵抗が、5×1014Ω/□以下であることを特徴とする請求項18に記載の発光ダイオード。
【請求項20】
請求項18または19に記載の発光ダイオードをバックライトとして含む液晶表示装置。

【公表番号】特表2012−533673(P2012−533673A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−521578(P2012−521578)
【出願日】平成22年7月20日(2010.7.20)
【国際出願番号】PCT/KR2010/004742
【国際公開番号】WO2011/010854
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】