発光表示装置
【課題】筐体の振り方による表示可能領域の変動に起因して表示画像が途切れたりすることなく、適切な画像を発光表示する。
【解決手段】角速度の絶対値|ω|がしきい値kよりも大きいとき筐体50が振られたと判断し(ステップS1)、このときの筐体50の回動運動の接線方向の速度値と、角速度とに基づいて筐体50の回動運動の支点と加速度センサ11の配置位置、つまり筐体50との間の距離を回動運動の半径rとして算出する(ステップS2、S3)。この半径rに応じて、この半径rで筐体50を旗振り動作させたときの筐体50による発光表示可能領域において適切に画像表示が可能な表示サイズを特定し(ステップS4)、特定した表示サイズでの発光表示を行うための発光表示用データを用いて発光表示処理を行う(ステップS5、S6)。
【解決手段】角速度の絶対値|ω|がしきい値kよりも大きいとき筐体50が振られたと判断し(ステップS1)、このときの筐体50の回動運動の接線方向の速度値と、角速度とに基づいて筐体50の回動運動の支点と加速度センサ11の配置位置、つまり筐体50との間の距離を回動運動の半径rとして算出する(ステップS2、S3)。この半径rに応じて、この半径rで筐体50を旗振り動作させたときの筐体50による発光表示可能領域において適切に画像表示が可能な表示サイズを特定し(ステップS4)、特定した表示サイズでの発光表示を行うための発光表示用データを用いて発光表示処理を行う(ステップS5、S6)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の発光手段が一方向に配置された筐体を、前記一方向と交差する方向に振ったときの残像効果を利用して像表示を行うようにした発光表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の発光表示装置として、例えば棒状の筐体にダイオード等の発光手段を長手方向に複数個並べ、長手方向と交差する方向に旗振り動作が行われたとき、この旗振り動作に応じて発光手段の発光を制御することで、その残像効果を利用して、文字や図形等が表示されて見えるようにしたものが提案されている。そして、例えば、角速度検出器により、旗振り動作の方向やその速度を検出しこれに応じて発光タイミングを調整することで、旗振り動作の方向によって文字や図形等表示すべき画像が左右反転表示されたり、旗振り動作の速度によって画像が縦長や横長に表示されたりすることを回避するようにしたもの(特許文献1参照)、また、加速度センサを用いて筐体の振り速度を検出しこれに応じて発光タイミングを調整するようにしたもの(特許文献2参照)等が提案されている。
【特許文献1】特開平13−242813号公報
【特許文献2】特開2004−264440号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、この発光表示装置により文字や図形等を表示可能な領域は、筐体の移動軌跡で特定されることから、その大きさは、筐体を振る角度範囲で決まる。例えば、腕を伸ばした状態で筐体を振った場合と、腕を縮めた状態で筐体を振った場合とでは、筐体50の回動運動の支点から筐体までの距離が異なることから、筐体を同じ角度範囲で振ったとしても、筐体の移動軌跡で特定される表示可能領域は異なり、筐体の回動運動の支点から筐体までの距離、つまり、筐体の回動運動の半径が長いときほど、表示可能領域は広くなる。
【0004】
また、通常、腕を伸ばして振ったときには、筐体が振られる角度範囲も大きくなりそれだけ表示可能領域も広くなるが、腕を縮めた状態で振ったときにはその振られる角度範囲も狭くなることから筐体が振られる角度範囲は小さくなりそれだけ表示可能領域は狭くなる。
このため、例えば、腕を伸ばした状態で筐体を振っているときには、文字や図形等所定の画像が適切な大きさや配置で表示されている場合であっても、腕を縮めた状態では、腕を伸ばした状態のときよりも表示可能領域が狭くなることから、筐体を一方向に一振りする間に所定の文字や図形等を全部表示することができない可能性がある。
【0005】
これを回避するために文字や図形等を小さく表示するように構成すると、他者から見えにくくなるという問題がある。また、腕を縮めた状態では適切に表示が行われていたとしても、腕を伸ばした状態では、腕を縮めた状態のときよりも表示可能領域が広くなることから、筐体を一振りする間に、その振り始め近傍で文字や図形等の表示が終了してしまい、文字や図形等が偏って表示される可能性がある。
【0006】
そこで、この発明は、上記従来の未解決の問題に着目してなされたものであり、筐体の振り方により表示可能領域の大きさが変化する場合であっても、文字や図形等を適切に表示することの可能な発光表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決するために、本発明の発光表示装置は、複数の発光手段が少なくとも一方向に配置された装置本体を備え、当該装置本体が前記一方向と交差する方向に振られたとき、前記装置本体の回動運動に応じて前記発光手段を発光させ、その残像効果を利用して所定の像表示を行うようにした発光表示装置であって、前記装置本体の回動運動の接線方向への加速度を検出する加速度検出手段と、当該加速度検出手段で検出した加速度から前記回動運動の接線方向への速度を演算する速度演算手段と、前記装置本体の回動方向の角速度を検出する角速度検出手段と、前記速度演算手段で演算した速度演算値及び前記角速度検出手段で検出した角速度に基づいて前記装置本体の回動運動の半径を推測する回動運動半径推測手段と、当該回動運動半径推測手段で推測した回動運動半径に基づいて発光表示すべき画像の表示形態を設定する表示形態設定手段と、前記発光表示すべき画像の表示形態を、前記表示形態設定手段で設定された表示形態で発光表示するように前記発光手段を駆動制御する発光制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0008】
上記構成によれば、装置本体の回動運動の接線方向への速度と、回動方向への角速度とに基づいて装置本体の回動運動の半径、つまり、回動運動の支点と装置本体との間の距離を推測し、これに応じた表示形態で、発光表示すべき画像を表示する。ここで、回動運動の半径が異なる場合、つまり例えば、装置本体を、手を伸ばして大きく振った場合と手を縮めて小さく振った場合とでは、装置本体の移動軌跡が描く発光表示可能領域が変化することから、振り方によっては、発光表示すべき画像を全て表示させることができず途中で途切れたり、或いは一振りの間に偏って表示されたりする場合がある。このため、回動運動の半径を推測し、この推測した回動運動半径から予測される発光表示可能領域の大きさを考慮した表示形態で発光表示を行うことで、目視者は、画像が偏ったり途中で途切れたりすることなく、発光表示すべき画像に応じた発光画像を的確に視認することができる。
【0009】
また、上記した発光表示装置において、前記表示形態設定手段は、前記回動運動半径推測手段で推測した回動運動半径に応じて発光表示すべき画像の表示サイズを変更することを特徴としている。
上記構成によれば、回動運動半径によって、発光表示可能領域の大きさが異なることから、回動運動半径に応じて決定される発光可能表示領域の大きさに応じて、表示サイズを設定し、発光画像が途切れたり、偏って表示されたりすることのない表示サイズで、発光表示すべき画像の表示を行うことで、目視者に対し、発光表示すべき画像を的確に視認させることができる。
【0010】
また、上記した発光表示装置において、前記表示形態設定手段は、前記回動運動半径推測手段で推測した回動運動半径に応じて発光表示すべき画像の配置を変更することを特徴としている。
上記構成によれば、回動運動半径によって、発光表示可能領域の大きさが異なることから、回動運動半径に応じて決定される発光可能表示領域の大きさに応じて、配置を設定し、発光画像が途切れたり、偏って表示されたりすることのない配置で、発光表示すべき画像の表示を行うことで、目視者に対し、発光表示すべき画像を的確に視認させることができる。
【0011】
また、上記した発光表示装置において、前記発光すべき画像を、前記表示形態設定手段で設定される表示形態で発光表示するための発光表示用データを複数備え、前記発光制御手段は、前記複数の発光表示用データのうち、前記表示形態設定手段で設定された表示形態に対応する発光表示用データに基づいて前記発光手段を駆動制御することを特徴としている。
【0012】
上記構成によれば、発光すべき画像を、表示形態設定手段で設定される表示形態で発光表示するための発光表示用データを予め複数備えており、表示形態設定手段で表示形態が設定されたときにはこの設定された表示形態に対応する発光表示用データを選択し、これに基づいて発光表示を行うから、発光すべき画像を、指定された表示形態で容易に発光表示することができる。
【0013】
また、上記した発光表示装置において、前記加速度検出手段は、前記装置本体の、前記装置本体の回動運動の支点側の端部とは反対側の端部に配置されることを特徴としている。
上記構成によれば、加速度検出手段は、装置本体の、その回動運動の支点側とは反対側の端部に配置されており、すなわち、回動運動による加速度が最も大きくなる地点に配置されていることから、ノイズ等の影響の少ない高精度な加速度を得ることができる。
【0014】
また、上記した発光表示装置を、バーサライタに適用したことを特徴としている。
上記構成によれば、バーサライタの振り方によって、画像が偏ったり途中で途切れたりすることなく、目視者に対して的確にその画像を視認させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示す構成図である。
図中1はハウジングであって、このハウジングは、略円柱の細長い棒形状を有する。このハウジング1の長さは、約20cmから60cm程度に形成され、長手方向の一端部には、手で握るためのグリップ部2が形成され、ハウジング1とグリップ部2とで発光表示装置の筐体50が構成され、この筐体50は、グリップ部2を手で握った状態で振って使用する。また、ハウジング1の長手方向の他端からグリップ部2までの発光部3には、その長手方向に沿って、複数の発光ダイオードLEDが一列に配列されている。
【0016】
なお、ここでは、発光ダイオードLEDを1列に配置しているが2列或いはそれ以上の列数で配置してもよい。
前記発光部3のグリップ部2と逆側の端部近傍には、ハウジング1の長手方向に対して垂直方向の加速度であり、筐体50が旗振り動作されたときのその回動運動の接線方向の加速度を検出するための加速度センサ11が配設されている。また、グリップ部2には、発光ダイオードLEDが配列された面と垂直な方向を軸とする軸周りの角速度、つまり、筐体50が振られるときの回動中心を軸とする軸周りの角速度を検出するためのジャイロセンサ等の角速度センサ12が配設されている。
【0017】
なお、前記加速度センサ11は、耐ノイズの点等から、筐体50の回動運動の接線方向の加速度が最も大きく現れる、筐体50の回動運動の支点から最も離れた位置、すなわち、筐体50のグリップ部3とは逆側の端部近傍に設けることが好ましい。一方、前記角速度センサ12の配置位置は、グリップ部2に限るものではなく、筐体50の回動運動の回動中心の軸周り方向の角速度を検出することができればどの位置に配置されていてもよい。
【0018】
図2は、筐体50内部に配設され、発光ダイオードLEDの発光を制御するための制御装置60の機能構成を示すブロック図である。
この制御装置60は、図2に示すように、加速度センサ11で検出された筐体50の回動運動の接線方向の加速度及び角速度センサ12で検出された角速度に基づいて、所定の文字や図形等の画像を発光表示させるための発光制御信号を出力する、マイクロコンピュータ等を含んで構成される演算処理装置20と、この演算処理装置20からの発光制御信号に基づき所定のタイミングで所定の発光ダイオードLEDを駆動するための駆動信号を生成する駆動回路30と、を備えている。
【0019】
前記演算処理装置20は、加速度センサ11の検出信号を時間積分し速度を演算する速度演算処理部21と、角速度センサ12の検出信号及び速度演算処理部21で演算した速度値に基づいて、利用者の旗振り動作の開始に伴う筐体50の回動運動の開始を検出すると共に、旗振り動作時の筐体50の回動運動の半径r、つまり、筐体50の回動運動の支点と加速度センサ11の配置位置との間の距離を検出する姿勢検出処理部22と、発光表示させる文字や図形等の発光表示用データが格納されたメモリ23と、姿勢検出処理部22で検出した回動運動の半径rに基づいて発光表示する際の表示サイズを決定し、この表示サイズとメモリ23に格納された発光表示用データとに基づいて各発光ダイオードLEDを駆動するための発光制御信号を出力する信号処理部24とを備える。
【0020】
前記速度演算処理部21は、例えば、図3に示すように、加速度センサ11の検出信号をローパスフィルタ処理するローパスフィルタ21aと、ローパスフィルタ21aの出力をデジタル信号に変換するA/D変換器21bと、A/D変換器21bの出力を時間積分する積分処理部21cとを備え、この積分処理部21cの出力が速度値として姿勢検出処理部22に出力される。
【0021】
また、前記駆動回路30は、各発光ダイオードLEDに対応した駆動回路を有し、信号処理部24からの発光制御信号をD/A変換して各発光ダイオードLEDを発光させるための駆動信号を生成しこれを対応する発光ダイオードLEDに出力する。
なお、グリップ部2には図示しない電源スイッチが設けられ、この電源スイッチをオン状態とすることで、グリップ部2に格納された、図示しない電池から各部への電力供給が開始され、動作可能となるように構成されている。
【0022】
図4は演算処理装置20で実行される処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
演算処理装置20ではまず、角速度センサ12の検出信号を読み込み、角速度の絶対値|ω|が、予め設定したしきい値kよりも大きいかどうかを判断する(ステップS1)。ここで、角速度センサ12の出力信号はアナログ値で得られるため、図5に示すように、筐体50が振られているかどうかを判断するための不感帯を設け、この不感帯相当のしきい値kを超えたとき、筐体50が振られたと判断する。
【0023】
そして、筐体50が振られていない場合にはそのまま処理を終了するが、筐体50が振られている場合にはステップS2に移行し、速度演算処理部21からの速度値、すなわち、角速度センサ12で検出される角速度の絶対値|ω|がしきい値kを超えた時点での回動運動の接線方向の速度を読み込む。
次いで、ステップS3に移行し、角速度センサ12で検出した角速度ω及びステップS2で算出した速度値から筐体50の回動運動の半径rを算出する。
【0024】
ここで、図6に示すように、筐体50の回動運動の支点をQ、角速度ωがしきい値kを超えたときつまり、筐体50が振られたときのその回動運動の接線方向の速度をvとしたとき、回動運動の支点Qと加速度センサ11の配置位置との間の距離、つまり、回動運動の半径rは、次式(1)で表すことができる。
r=v/ω ……(1)
このようにして回動運動の半径rを算出したならばステップS4に移行し、この回動運動の半径rに応じて、表示サイズを決定する。
【0025】
この表示サイズは、例えば、図7に示すように、回動運動の半径rがしきい値rthよりも大きい範囲で設定され、半径rが大きいときほど表示サイズが大きくなるように設定される。
そして、メモリ23から、回動運動の半径rに応じた表示サイズに対応する、発光表示用データを特定する。
【0026】
ここで、メモリ23には、表示サイズの異なる同一の画像を表示するための、複数の発光表示用データが格納されている。
つまり、図8に示すように、筐体50の回動運動の半径rによって、筐体50一振りで表示可能な領域の大きさが異なる。したがって、メモリ23には、半径rが小さい場合に表示可能な領域内で発光表示を行った際に、画像の大きさ、間隔等、画像が適切な配置となり得るための小サイズ用の発光表示用データ、半径rが大きい場合に表示可能な領域内で発光表示を行った際に適切な配置となり得るための大サイズ用の発光表示用データ等、表示サイズは異なるが、同一の画像を表示するための発光表示用データが、複数設定されて格納されている。
【0027】
なお、表示サイズの異なる発光表示用データは、大サイズ用及び小サイズ用の2種類に限るものではなく、例えば、表示サイズを複数段階に設定し、段階毎に、これに応じた表示サイズの発光表示用データを設定すればよい。
また、例えば、特開2004−333542号公報に記載されたように、基準となる表示サイズの発光表示用データに基づき、これを補間して拡大表示するための発光表示用データを生成したり、また、隣接する発光データの平均値を取ること等により縮小表示するための発光表示用データを生成したりする等、公知の拡大及び縮小方法を用いて、回動運動の半径rに応じた表示サイズで表示するための発光表示用データをその都度生成し、これを用いて発光表示を行うようにしてもよい。
【0028】
この発光表示用データは、例えば図9に示すように、発光画像として数字の“1”を表示するものとし、発光ダイオードLEDの数を例えば8個とすると、図10に示すように、8行×12列の行列データで構成され、行列の各要素には、「0」又は「1」のデータが格納される。図1に示す各発光ダイオードLEDを、発光部3の先端の発光ダイオードから順にLED1、LED2、…、LED8としたとき、発光表示用データの一行目は発光ダイオードLED1の発光データを表す。また、二行目は発光ダイオードLED2の発光データを表し、以下同様に、各行が各発光ダイオードにそれぞれ対応し、最下行の8行目が発光ダイオードLED8に対応している。そして、この場合図9に示すように数字の“1”を発光表示することから、図10に示すように、各発光ダイオードを、各列データを切り換えて発光表示させた時、数字の“1”を発光表示し得るように発光データが設定されている。
【0029】
このようにして、回動運動の半径rに応じた表示サイズの発光表示用データを特定したならば、ステップS5に移行し、特定した発光表示用データに基づく発光表示処理を行う。例えば、一列分の列データ毎に、列データを所定のタイミングで駆動回路30に出力し、駆動回路30によって、列データで指定される発光ダイオードを駆動させて発光させ、例えば、発光データとして“1”が設定されていれば対応する発光ダイオードを発光させ、発光データとして“0”が設定されていれば対応する発光ダイオートを発光させない。したがって、図10の発光表示用データにおいて“1”が設定されている部分が発光することになって、結果的に数字の“1”が表示されることになる。
【0030】
なお、この発光表示処理は公知の手順で行えばよく、例えば、特開2004−333542号公報に記載されているように、振り始めからの経過時間を計測し、所定の経過時間毎に列データを順次読み出して表示するようにしてもよい。また、角速度センサ12で検出した角速度ωに基づき単位時間当たりの角速度を積算することで回転角度を算出し、この回転角度が予め設定した角度となる毎に列データを順次読み出して表示するようにしてもよい。このように回転角度に応じて列データを更新することで、旗振り動作時を行う際の振る速度に関わらず、適切に発光表示を行うことができる。
【0031】
また、角速度センサ12の検出信号の符号に基づいて筐体50を右から左、左から右の何れの方向に振っているかを判断し、これに応じて、発光表示データを列毎に読み出す際の列データの読み出し方向を変更することで、筐体50の旗振り動作の方向が換わることによって左右反転して発光表示されることなく、常に適切な発光画像を表示するようにしてもよい。要は、発光表示用データ相当の発光画像を表示することができればどのような方法であっても適用することができる。
【0032】
次いで、ステップS6に移行し、角速度センサ12からの角速度の絶対値|ω|がしきい値k以下となったかどうかを判断し、しきい値k以下となったとき筐体50は停止したすなわち旗振り動作が終了したと判断し、処理を終了する。
次に、上記実施の形態の動作を説明する。
図示しない電源スイッチが投入されると、各部は動作可能状態となり、演算処理装置20では、図4に示す演算処理を開始する。
【0033】
筐体50が振られていない場合、或いは、筐体50がその長手方向と直交する方向に振られておらず、角速度センサ12の検出軸周り方向に振られていない場合には、角速度の絶対値|ω|がそのしきい値k以下となる。このため、演算処理装置20では、ステップS1で処理を終了し、発光表示は行わない。
この状態から、利用者が筐体50の旗振り動作を開始し、筐体50が角速度センサ12の検出軸周り方向に振られると、角速度の絶対値|ω|がそのしきい値kを上回った時点で、ステップS1からステップS2に移行し、速度演算処理部21から速度値を読み込み、この速度値と、角速度の絶対値|ω|がそのしきい値kを上回ったときの、筐体50の回動運動の接線方向の速度値とから、前記(1)式にしたがって筐体50の回動運動の半径rを算出する。
【0034】
そして、この半径rに応じた表示サイズを図7の特性図にしたがって特定し、メモリ23に格納されている複数の表示サイズ用の発光表示用データの中から、特定した表示サイズに対応する発光表示用データを特定する(ステップS4)。そして、この発光表示用データに基づいて、所定のタイミングで各列データが読み出されて、列データ毎に発光表示処理が行われる。
【0035】
例えば、図8に示すように、“1 2 3”という画像を表示するものとする。
前述のように、筐体50の回動運動の半径rを算出し、これに応じた表示サイズの発光表示用データを用いて発光表示を行っている。したがって、半径rが比較的小さい場合には例えば、小サイズ用の発光表示用データを用いて発光表示処理が行われ、図11(a)に示すように、文字の表示サイズが比較的小さく、また、その表示間隔が比較的狭い発光画像となり得る発光表示用データに基づいて発光ダイオードLEDが駆動されることから、結果的にこの発光表示用データに基づく発光画像は図8の内側の発光画像のように比較的小さな表示サイズとなり、また、文字の表示間隔は比較的狭くなる。逆に、半径rが比較的大きい場合には、表示サイズが比較的大きな大サイズ用の発光表示用データを用いて発光表示処理が行われ、図11(b)に示すように、文字の表示サイズが比較的大きく、また、その表示間隔が比較的広い発光画像となり得る発光表示用データに基づいて発光ダイオードLEDが駆動されるから、結果的に、この発光表示用データに基づく発光画像は図8の外側の発光画像に示すように、比較的大きな表示サイズとなり、また、文字の表示間隔は比較的広くなる。
【0036】
したがって、筐体50を大きく振るか小さく振るか、或いは、大人や子供が振るかによって、回動運動の半径rが異なるため表示可能領域の大きさが異なるが、回動運動の半径rから予測される表示可能領域の大きさに応じて、この表示可能領域において発光表示を行う際に適した発光表示用データを用いて発光表示を行っているから、筐体50により表示可能な表示可能領域の大きさが異なる場合であっても、表示すべき画像が途中で切れたり、また、偏って表示されたりすることはなく、適切に発光表示を行うことができる。
【0037】
また、このように、回動運動の半径rに関わらず、適切に発光表示を行うことができるから、筐体50を手を伸ばして大きく振っている場合や、手を縮めた状態で小さく振っている場合、また、旗振り動作を行っているうちに筐体50を振る位置が変動した場合等といった、筐体50の振り方や、筐体50の利用者が大人であるか子供であるか等、筐体50の振り方によって発光表示可能領域が変化する場合であっても、発光表示可能領域の大きさに応じて、適切に発光表示を行うことができる。
【0038】
また、回動運動の半径rの算出を、回動運動が開始される毎に行っているから、旗振り動作の一振り毎に算出することができる。したがって、例えば腕が疲れてきた場合等、旗振り動作の一振り毎に回動運動の半径rが変化するような振り方の場合であっても、旗振り動作の一振り毎に的確に発光表示を行うことができる。
また、上述のように、角速度センサ12で検出される角速度に基づいて旗振り動作の開始を判断している。ここで、加速度センサを用いて旗振り動作の開始判断を行う場合、例えば、電車内にいる状態で、電車が発進した場合にも加速度センサでこれを検出するため、実際には旗振り動作が行われていない場合であっても旗振り動作が行われたと判断し誤動作する可能性がある。しかしながら、上述のように角速度センサ12を用いて旗振り動作の開始判断を行っているから、誤動作することを回避し、旗振り動作の開始を的確に判断することができる。
【0039】
また、上述のように、筐体50の回動運動の接線方向の加速度を検出するための加速度センサ11を、回動運動の支点から最も遠い、発光部3の端部に設けているから、ノイズの影響のより少ない加速度検出値を得ることができこれに基づいて回動運動の半径rを算出することでより高精度な回動運動の半径rを獲得することができる。
なお、上記実施の形態においては、棒状の筐体50に適用した場合について説明したが、筐体の形状は棒状に限るものではなく、どのような形状であっても適用することができ、バーサライタ等、利用者が旗振り動作を行うことで発光表示を行うようにした発光表示装置であれば適用することができる。
【0040】
また、上記実施の形態においては、筐体50を、その発光部3側を上にして左右に振る場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、利用者が、発光部3側を、左手側又は右手側に手を伸ばした状態で上下に振ることで発光表示を行うようにしたものであっても適用することができ、また、発光部3側を下に向けた状態で左右に振ることで発光表示を行うようにしたものであっても適用することができる。
【0041】
また、上記実施の形態においては、数字を表示する場合について説明したが、複数の文字や数字を表示する場合であっても適用することができ、また、スキャナ等で発光表示させる画像を読み取り、この読み取った画像を発光表示するような発光表示装置であっても適用することができる。この場合には、読み取った画像に基づいて、この読み取った画像を、回動運動の半径rに応じた表示サイズで表示するための発光表示用データを生成し、これに基づいて発光表示処理を行えばよい。
【0042】
ここで、上記実施の形態において、筐体50が装置本体に対応し、発光ダイオードLEDが発光手段に対応し、加速度センサ11が加速度検出手段に対応し、速度演算処理部21が速度演算手段に対応し、角速度センサ12が角速度検出手段に対応し、図4のステップS3の処理が回動運動半径推測手段に対応し、ステップS4の処理が表示形態設定手段に対応し、ステップS5の処理が発光制御手段に対応している。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態を示す外観図である。
【図2】本発明の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】図2の速度演算処理部の一例である。
【図4】図2の演算処理装置で実行される演算処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】角速度のしきい値を説明するための説明図である。
【図6】回動運動の半径rの算出方法を説明するための説明図である。
【図7】回動運動の半径rと表示サイズとの対応を表す特性図である。
【図8】本発明の動作説明に供する説明図である。
【図9】発光表示用データの説明に供する説明図である。
【図10】発光表示用データの一例である。
【図11】本発明の動作説明に供する説明図である。
【符号の説明】
【0044】
1 ハウジング、2 グリップ部、3 発光部、11 加速度センサ、12 角速度センサ、20 演算処理装置、21 速度演算処理回路、22 姿勢検出処理部、23 メモリ、24 信号処理部、30 駆動回路、50 筐体、60 制御装置、LED 発光ダイオード
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の発光手段が一方向に配置された筐体を、前記一方向と交差する方向に振ったときの残像効果を利用して像表示を行うようにした発光表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の発光表示装置として、例えば棒状の筐体にダイオード等の発光手段を長手方向に複数個並べ、長手方向と交差する方向に旗振り動作が行われたとき、この旗振り動作に応じて発光手段の発光を制御することで、その残像効果を利用して、文字や図形等が表示されて見えるようにしたものが提案されている。そして、例えば、角速度検出器により、旗振り動作の方向やその速度を検出しこれに応じて発光タイミングを調整することで、旗振り動作の方向によって文字や図形等表示すべき画像が左右反転表示されたり、旗振り動作の速度によって画像が縦長や横長に表示されたりすることを回避するようにしたもの(特許文献1参照)、また、加速度センサを用いて筐体の振り速度を検出しこれに応じて発光タイミングを調整するようにしたもの(特許文献2参照)等が提案されている。
【特許文献1】特開平13−242813号公報
【特許文献2】特開2004−264440号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、この発光表示装置により文字や図形等を表示可能な領域は、筐体の移動軌跡で特定されることから、その大きさは、筐体を振る角度範囲で決まる。例えば、腕を伸ばした状態で筐体を振った場合と、腕を縮めた状態で筐体を振った場合とでは、筐体50の回動運動の支点から筐体までの距離が異なることから、筐体を同じ角度範囲で振ったとしても、筐体の移動軌跡で特定される表示可能領域は異なり、筐体の回動運動の支点から筐体までの距離、つまり、筐体の回動運動の半径が長いときほど、表示可能領域は広くなる。
【0004】
また、通常、腕を伸ばして振ったときには、筐体が振られる角度範囲も大きくなりそれだけ表示可能領域も広くなるが、腕を縮めた状態で振ったときにはその振られる角度範囲も狭くなることから筐体が振られる角度範囲は小さくなりそれだけ表示可能領域は狭くなる。
このため、例えば、腕を伸ばした状態で筐体を振っているときには、文字や図形等所定の画像が適切な大きさや配置で表示されている場合であっても、腕を縮めた状態では、腕を伸ばした状態のときよりも表示可能領域が狭くなることから、筐体を一方向に一振りする間に所定の文字や図形等を全部表示することができない可能性がある。
【0005】
これを回避するために文字や図形等を小さく表示するように構成すると、他者から見えにくくなるという問題がある。また、腕を縮めた状態では適切に表示が行われていたとしても、腕を伸ばした状態では、腕を縮めた状態のときよりも表示可能領域が広くなることから、筐体を一振りする間に、その振り始め近傍で文字や図形等の表示が終了してしまい、文字や図形等が偏って表示される可能性がある。
【0006】
そこで、この発明は、上記従来の未解決の問題に着目してなされたものであり、筐体の振り方により表示可能領域の大きさが変化する場合であっても、文字や図形等を適切に表示することの可能な発光表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決するために、本発明の発光表示装置は、複数の発光手段が少なくとも一方向に配置された装置本体を備え、当該装置本体が前記一方向と交差する方向に振られたとき、前記装置本体の回動運動に応じて前記発光手段を発光させ、その残像効果を利用して所定の像表示を行うようにした発光表示装置であって、前記装置本体の回動運動の接線方向への加速度を検出する加速度検出手段と、当該加速度検出手段で検出した加速度から前記回動運動の接線方向への速度を演算する速度演算手段と、前記装置本体の回動方向の角速度を検出する角速度検出手段と、前記速度演算手段で演算した速度演算値及び前記角速度検出手段で検出した角速度に基づいて前記装置本体の回動運動の半径を推測する回動運動半径推測手段と、当該回動運動半径推測手段で推測した回動運動半径に基づいて発光表示すべき画像の表示形態を設定する表示形態設定手段と、前記発光表示すべき画像の表示形態を、前記表示形態設定手段で設定された表示形態で発光表示するように前記発光手段を駆動制御する発光制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0008】
上記構成によれば、装置本体の回動運動の接線方向への速度と、回動方向への角速度とに基づいて装置本体の回動運動の半径、つまり、回動運動の支点と装置本体との間の距離を推測し、これに応じた表示形態で、発光表示すべき画像を表示する。ここで、回動運動の半径が異なる場合、つまり例えば、装置本体を、手を伸ばして大きく振った場合と手を縮めて小さく振った場合とでは、装置本体の移動軌跡が描く発光表示可能領域が変化することから、振り方によっては、発光表示すべき画像を全て表示させることができず途中で途切れたり、或いは一振りの間に偏って表示されたりする場合がある。このため、回動運動の半径を推測し、この推測した回動運動半径から予測される発光表示可能領域の大きさを考慮した表示形態で発光表示を行うことで、目視者は、画像が偏ったり途中で途切れたりすることなく、発光表示すべき画像に応じた発光画像を的確に視認することができる。
【0009】
また、上記した発光表示装置において、前記表示形態設定手段は、前記回動運動半径推測手段で推測した回動運動半径に応じて発光表示すべき画像の表示サイズを変更することを特徴としている。
上記構成によれば、回動運動半径によって、発光表示可能領域の大きさが異なることから、回動運動半径に応じて決定される発光可能表示領域の大きさに応じて、表示サイズを設定し、発光画像が途切れたり、偏って表示されたりすることのない表示サイズで、発光表示すべき画像の表示を行うことで、目視者に対し、発光表示すべき画像を的確に視認させることができる。
【0010】
また、上記した発光表示装置において、前記表示形態設定手段は、前記回動運動半径推測手段で推測した回動運動半径に応じて発光表示すべき画像の配置を変更することを特徴としている。
上記構成によれば、回動運動半径によって、発光表示可能領域の大きさが異なることから、回動運動半径に応じて決定される発光可能表示領域の大きさに応じて、配置を設定し、発光画像が途切れたり、偏って表示されたりすることのない配置で、発光表示すべき画像の表示を行うことで、目視者に対し、発光表示すべき画像を的確に視認させることができる。
【0011】
また、上記した発光表示装置において、前記発光すべき画像を、前記表示形態設定手段で設定される表示形態で発光表示するための発光表示用データを複数備え、前記発光制御手段は、前記複数の発光表示用データのうち、前記表示形態設定手段で設定された表示形態に対応する発光表示用データに基づいて前記発光手段を駆動制御することを特徴としている。
【0012】
上記構成によれば、発光すべき画像を、表示形態設定手段で設定される表示形態で発光表示するための発光表示用データを予め複数備えており、表示形態設定手段で表示形態が設定されたときにはこの設定された表示形態に対応する発光表示用データを選択し、これに基づいて発光表示を行うから、発光すべき画像を、指定された表示形態で容易に発光表示することができる。
【0013】
また、上記した発光表示装置において、前記加速度検出手段は、前記装置本体の、前記装置本体の回動運動の支点側の端部とは反対側の端部に配置されることを特徴としている。
上記構成によれば、加速度検出手段は、装置本体の、その回動運動の支点側とは反対側の端部に配置されており、すなわち、回動運動による加速度が最も大きくなる地点に配置されていることから、ノイズ等の影響の少ない高精度な加速度を得ることができる。
【0014】
また、上記した発光表示装置を、バーサライタに適用したことを特徴としている。
上記構成によれば、バーサライタの振り方によって、画像が偏ったり途中で途切れたりすることなく、目視者に対して的確にその画像を視認させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示す構成図である。
図中1はハウジングであって、このハウジングは、略円柱の細長い棒形状を有する。このハウジング1の長さは、約20cmから60cm程度に形成され、長手方向の一端部には、手で握るためのグリップ部2が形成され、ハウジング1とグリップ部2とで発光表示装置の筐体50が構成され、この筐体50は、グリップ部2を手で握った状態で振って使用する。また、ハウジング1の長手方向の他端からグリップ部2までの発光部3には、その長手方向に沿って、複数の発光ダイオードLEDが一列に配列されている。
【0016】
なお、ここでは、発光ダイオードLEDを1列に配置しているが2列或いはそれ以上の列数で配置してもよい。
前記発光部3のグリップ部2と逆側の端部近傍には、ハウジング1の長手方向に対して垂直方向の加速度であり、筐体50が旗振り動作されたときのその回動運動の接線方向の加速度を検出するための加速度センサ11が配設されている。また、グリップ部2には、発光ダイオードLEDが配列された面と垂直な方向を軸とする軸周りの角速度、つまり、筐体50が振られるときの回動中心を軸とする軸周りの角速度を検出するためのジャイロセンサ等の角速度センサ12が配設されている。
【0017】
なお、前記加速度センサ11は、耐ノイズの点等から、筐体50の回動運動の接線方向の加速度が最も大きく現れる、筐体50の回動運動の支点から最も離れた位置、すなわち、筐体50のグリップ部3とは逆側の端部近傍に設けることが好ましい。一方、前記角速度センサ12の配置位置は、グリップ部2に限るものではなく、筐体50の回動運動の回動中心の軸周り方向の角速度を検出することができればどの位置に配置されていてもよい。
【0018】
図2は、筐体50内部に配設され、発光ダイオードLEDの発光を制御するための制御装置60の機能構成を示すブロック図である。
この制御装置60は、図2に示すように、加速度センサ11で検出された筐体50の回動運動の接線方向の加速度及び角速度センサ12で検出された角速度に基づいて、所定の文字や図形等の画像を発光表示させるための発光制御信号を出力する、マイクロコンピュータ等を含んで構成される演算処理装置20と、この演算処理装置20からの発光制御信号に基づき所定のタイミングで所定の発光ダイオードLEDを駆動するための駆動信号を生成する駆動回路30と、を備えている。
【0019】
前記演算処理装置20は、加速度センサ11の検出信号を時間積分し速度を演算する速度演算処理部21と、角速度センサ12の検出信号及び速度演算処理部21で演算した速度値に基づいて、利用者の旗振り動作の開始に伴う筐体50の回動運動の開始を検出すると共に、旗振り動作時の筐体50の回動運動の半径r、つまり、筐体50の回動運動の支点と加速度センサ11の配置位置との間の距離を検出する姿勢検出処理部22と、発光表示させる文字や図形等の発光表示用データが格納されたメモリ23と、姿勢検出処理部22で検出した回動運動の半径rに基づいて発光表示する際の表示サイズを決定し、この表示サイズとメモリ23に格納された発光表示用データとに基づいて各発光ダイオードLEDを駆動するための発光制御信号を出力する信号処理部24とを備える。
【0020】
前記速度演算処理部21は、例えば、図3に示すように、加速度センサ11の検出信号をローパスフィルタ処理するローパスフィルタ21aと、ローパスフィルタ21aの出力をデジタル信号に変換するA/D変換器21bと、A/D変換器21bの出力を時間積分する積分処理部21cとを備え、この積分処理部21cの出力が速度値として姿勢検出処理部22に出力される。
【0021】
また、前記駆動回路30は、各発光ダイオードLEDに対応した駆動回路を有し、信号処理部24からの発光制御信号をD/A変換して各発光ダイオードLEDを発光させるための駆動信号を生成しこれを対応する発光ダイオードLEDに出力する。
なお、グリップ部2には図示しない電源スイッチが設けられ、この電源スイッチをオン状態とすることで、グリップ部2に格納された、図示しない電池から各部への電力供給が開始され、動作可能となるように構成されている。
【0022】
図4は演算処理装置20で実行される処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
演算処理装置20ではまず、角速度センサ12の検出信号を読み込み、角速度の絶対値|ω|が、予め設定したしきい値kよりも大きいかどうかを判断する(ステップS1)。ここで、角速度センサ12の出力信号はアナログ値で得られるため、図5に示すように、筐体50が振られているかどうかを判断するための不感帯を設け、この不感帯相当のしきい値kを超えたとき、筐体50が振られたと判断する。
【0023】
そして、筐体50が振られていない場合にはそのまま処理を終了するが、筐体50が振られている場合にはステップS2に移行し、速度演算処理部21からの速度値、すなわち、角速度センサ12で検出される角速度の絶対値|ω|がしきい値kを超えた時点での回動運動の接線方向の速度を読み込む。
次いで、ステップS3に移行し、角速度センサ12で検出した角速度ω及びステップS2で算出した速度値から筐体50の回動運動の半径rを算出する。
【0024】
ここで、図6に示すように、筐体50の回動運動の支点をQ、角速度ωがしきい値kを超えたときつまり、筐体50が振られたときのその回動運動の接線方向の速度をvとしたとき、回動運動の支点Qと加速度センサ11の配置位置との間の距離、つまり、回動運動の半径rは、次式(1)で表すことができる。
r=v/ω ……(1)
このようにして回動運動の半径rを算出したならばステップS4に移行し、この回動運動の半径rに応じて、表示サイズを決定する。
【0025】
この表示サイズは、例えば、図7に示すように、回動運動の半径rがしきい値rthよりも大きい範囲で設定され、半径rが大きいときほど表示サイズが大きくなるように設定される。
そして、メモリ23から、回動運動の半径rに応じた表示サイズに対応する、発光表示用データを特定する。
【0026】
ここで、メモリ23には、表示サイズの異なる同一の画像を表示するための、複数の発光表示用データが格納されている。
つまり、図8に示すように、筐体50の回動運動の半径rによって、筐体50一振りで表示可能な領域の大きさが異なる。したがって、メモリ23には、半径rが小さい場合に表示可能な領域内で発光表示を行った際に、画像の大きさ、間隔等、画像が適切な配置となり得るための小サイズ用の発光表示用データ、半径rが大きい場合に表示可能な領域内で発光表示を行った際に適切な配置となり得るための大サイズ用の発光表示用データ等、表示サイズは異なるが、同一の画像を表示するための発光表示用データが、複数設定されて格納されている。
【0027】
なお、表示サイズの異なる発光表示用データは、大サイズ用及び小サイズ用の2種類に限るものではなく、例えば、表示サイズを複数段階に設定し、段階毎に、これに応じた表示サイズの発光表示用データを設定すればよい。
また、例えば、特開2004−333542号公報に記載されたように、基準となる表示サイズの発光表示用データに基づき、これを補間して拡大表示するための発光表示用データを生成したり、また、隣接する発光データの平均値を取ること等により縮小表示するための発光表示用データを生成したりする等、公知の拡大及び縮小方法を用いて、回動運動の半径rに応じた表示サイズで表示するための発光表示用データをその都度生成し、これを用いて発光表示を行うようにしてもよい。
【0028】
この発光表示用データは、例えば図9に示すように、発光画像として数字の“1”を表示するものとし、発光ダイオードLEDの数を例えば8個とすると、図10に示すように、8行×12列の行列データで構成され、行列の各要素には、「0」又は「1」のデータが格納される。図1に示す各発光ダイオードLEDを、発光部3の先端の発光ダイオードから順にLED1、LED2、…、LED8としたとき、発光表示用データの一行目は発光ダイオードLED1の発光データを表す。また、二行目は発光ダイオードLED2の発光データを表し、以下同様に、各行が各発光ダイオードにそれぞれ対応し、最下行の8行目が発光ダイオードLED8に対応している。そして、この場合図9に示すように数字の“1”を発光表示することから、図10に示すように、各発光ダイオードを、各列データを切り換えて発光表示させた時、数字の“1”を発光表示し得るように発光データが設定されている。
【0029】
このようにして、回動運動の半径rに応じた表示サイズの発光表示用データを特定したならば、ステップS5に移行し、特定した発光表示用データに基づく発光表示処理を行う。例えば、一列分の列データ毎に、列データを所定のタイミングで駆動回路30に出力し、駆動回路30によって、列データで指定される発光ダイオードを駆動させて発光させ、例えば、発光データとして“1”が設定されていれば対応する発光ダイオードを発光させ、発光データとして“0”が設定されていれば対応する発光ダイオートを発光させない。したがって、図10の発光表示用データにおいて“1”が設定されている部分が発光することになって、結果的に数字の“1”が表示されることになる。
【0030】
なお、この発光表示処理は公知の手順で行えばよく、例えば、特開2004−333542号公報に記載されているように、振り始めからの経過時間を計測し、所定の経過時間毎に列データを順次読み出して表示するようにしてもよい。また、角速度センサ12で検出した角速度ωに基づき単位時間当たりの角速度を積算することで回転角度を算出し、この回転角度が予め設定した角度となる毎に列データを順次読み出して表示するようにしてもよい。このように回転角度に応じて列データを更新することで、旗振り動作時を行う際の振る速度に関わらず、適切に発光表示を行うことができる。
【0031】
また、角速度センサ12の検出信号の符号に基づいて筐体50を右から左、左から右の何れの方向に振っているかを判断し、これに応じて、発光表示データを列毎に読み出す際の列データの読み出し方向を変更することで、筐体50の旗振り動作の方向が換わることによって左右反転して発光表示されることなく、常に適切な発光画像を表示するようにしてもよい。要は、発光表示用データ相当の発光画像を表示することができればどのような方法であっても適用することができる。
【0032】
次いで、ステップS6に移行し、角速度センサ12からの角速度の絶対値|ω|がしきい値k以下となったかどうかを判断し、しきい値k以下となったとき筐体50は停止したすなわち旗振り動作が終了したと判断し、処理を終了する。
次に、上記実施の形態の動作を説明する。
図示しない電源スイッチが投入されると、各部は動作可能状態となり、演算処理装置20では、図4に示す演算処理を開始する。
【0033】
筐体50が振られていない場合、或いは、筐体50がその長手方向と直交する方向に振られておらず、角速度センサ12の検出軸周り方向に振られていない場合には、角速度の絶対値|ω|がそのしきい値k以下となる。このため、演算処理装置20では、ステップS1で処理を終了し、発光表示は行わない。
この状態から、利用者が筐体50の旗振り動作を開始し、筐体50が角速度センサ12の検出軸周り方向に振られると、角速度の絶対値|ω|がそのしきい値kを上回った時点で、ステップS1からステップS2に移行し、速度演算処理部21から速度値を読み込み、この速度値と、角速度の絶対値|ω|がそのしきい値kを上回ったときの、筐体50の回動運動の接線方向の速度値とから、前記(1)式にしたがって筐体50の回動運動の半径rを算出する。
【0034】
そして、この半径rに応じた表示サイズを図7の特性図にしたがって特定し、メモリ23に格納されている複数の表示サイズ用の発光表示用データの中から、特定した表示サイズに対応する発光表示用データを特定する(ステップS4)。そして、この発光表示用データに基づいて、所定のタイミングで各列データが読み出されて、列データ毎に発光表示処理が行われる。
【0035】
例えば、図8に示すように、“1 2 3”という画像を表示するものとする。
前述のように、筐体50の回動運動の半径rを算出し、これに応じた表示サイズの発光表示用データを用いて発光表示を行っている。したがって、半径rが比較的小さい場合には例えば、小サイズ用の発光表示用データを用いて発光表示処理が行われ、図11(a)に示すように、文字の表示サイズが比較的小さく、また、その表示間隔が比較的狭い発光画像となり得る発光表示用データに基づいて発光ダイオードLEDが駆動されることから、結果的にこの発光表示用データに基づく発光画像は図8の内側の発光画像のように比較的小さな表示サイズとなり、また、文字の表示間隔は比較的狭くなる。逆に、半径rが比較的大きい場合には、表示サイズが比較的大きな大サイズ用の発光表示用データを用いて発光表示処理が行われ、図11(b)に示すように、文字の表示サイズが比較的大きく、また、その表示間隔が比較的広い発光画像となり得る発光表示用データに基づいて発光ダイオードLEDが駆動されるから、結果的に、この発光表示用データに基づく発光画像は図8の外側の発光画像に示すように、比較的大きな表示サイズとなり、また、文字の表示間隔は比較的広くなる。
【0036】
したがって、筐体50を大きく振るか小さく振るか、或いは、大人や子供が振るかによって、回動運動の半径rが異なるため表示可能領域の大きさが異なるが、回動運動の半径rから予測される表示可能領域の大きさに応じて、この表示可能領域において発光表示を行う際に適した発光表示用データを用いて発光表示を行っているから、筐体50により表示可能な表示可能領域の大きさが異なる場合であっても、表示すべき画像が途中で切れたり、また、偏って表示されたりすることはなく、適切に発光表示を行うことができる。
【0037】
また、このように、回動運動の半径rに関わらず、適切に発光表示を行うことができるから、筐体50を手を伸ばして大きく振っている場合や、手を縮めた状態で小さく振っている場合、また、旗振り動作を行っているうちに筐体50を振る位置が変動した場合等といった、筐体50の振り方や、筐体50の利用者が大人であるか子供であるか等、筐体50の振り方によって発光表示可能領域が変化する場合であっても、発光表示可能領域の大きさに応じて、適切に発光表示を行うことができる。
【0038】
また、回動運動の半径rの算出を、回動運動が開始される毎に行っているから、旗振り動作の一振り毎に算出することができる。したがって、例えば腕が疲れてきた場合等、旗振り動作の一振り毎に回動運動の半径rが変化するような振り方の場合であっても、旗振り動作の一振り毎に的確に発光表示を行うことができる。
また、上述のように、角速度センサ12で検出される角速度に基づいて旗振り動作の開始を判断している。ここで、加速度センサを用いて旗振り動作の開始判断を行う場合、例えば、電車内にいる状態で、電車が発進した場合にも加速度センサでこれを検出するため、実際には旗振り動作が行われていない場合であっても旗振り動作が行われたと判断し誤動作する可能性がある。しかしながら、上述のように角速度センサ12を用いて旗振り動作の開始判断を行っているから、誤動作することを回避し、旗振り動作の開始を的確に判断することができる。
【0039】
また、上述のように、筐体50の回動運動の接線方向の加速度を検出するための加速度センサ11を、回動運動の支点から最も遠い、発光部3の端部に設けているから、ノイズの影響のより少ない加速度検出値を得ることができこれに基づいて回動運動の半径rを算出することでより高精度な回動運動の半径rを獲得することができる。
なお、上記実施の形態においては、棒状の筐体50に適用した場合について説明したが、筐体の形状は棒状に限るものではなく、どのような形状であっても適用することができ、バーサライタ等、利用者が旗振り動作を行うことで発光表示を行うようにした発光表示装置であれば適用することができる。
【0040】
また、上記実施の形態においては、筐体50を、その発光部3側を上にして左右に振る場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、利用者が、発光部3側を、左手側又は右手側に手を伸ばした状態で上下に振ることで発光表示を行うようにしたものであっても適用することができ、また、発光部3側を下に向けた状態で左右に振ることで発光表示を行うようにしたものであっても適用することができる。
【0041】
また、上記実施の形態においては、数字を表示する場合について説明したが、複数の文字や数字を表示する場合であっても適用することができ、また、スキャナ等で発光表示させる画像を読み取り、この読み取った画像を発光表示するような発光表示装置であっても適用することができる。この場合には、読み取った画像に基づいて、この読み取った画像を、回動運動の半径rに応じた表示サイズで表示するための発光表示用データを生成し、これに基づいて発光表示処理を行えばよい。
【0042】
ここで、上記実施の形態において、筐体50が装置本体に対応し、発光ダイオードLEDが発光手段に対応し、加速度センサ11が加速度検出手段に対応し、速度演算処理部21が速度演算手段に対応し、角速度センサ12が角速度検出手段に対応し、図4のステップS3の処理が回動運動半径推測手段に対応し、ステップS4の処理が表示形態設定手段に対応し、ステップS5の処理が発光制御手段に対応している。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態を示す外観図である。
【図2】本発明の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】図2の速度演算処理部の一例である。
【図4】図2の演算処理装置で実行される演算処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】角速度のしきい値を説明するための説明図である。
【図6】回動運動の半径rの算出方法を説明するための説明図である。
【図7】回動運動の半径rと表示サイズとの対応を表す特性図である。
【図8】本発明の動作説明に供する説明図である。
【図9】発光表示用データの説明に供する説明図である。
【図10】発光表示用データの一例である。
【図11】本発明の動作説明に供する説明図である。
【符号の説明】
【0044】
1 ハウジング、2 グリップ部、3 発光部、11 加速度センサ、12 角速度センサ、20 演算処理装置、21 速度演算処理回路、22 姿勢検出処理部、23 メモリ、24 信号処理部、30 駆動回路、50 筐体、60 制御装置、LED 発光ダイオード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光手段が少なくとも一方向に配置された装置本体を備え、
当該装置本体が前記一方向と交差する方向に振られたとき、前記装置本体の回動運動に応じて前記発光手段を発光させ、その残像効果を利用して所定の像表示を行うようにした発光表示装置であって、
前記装置本体の回動運動の接線方向への加速度を検出する加速度検出手段と、
当該加速度検出手段で検出した加速度から前記回動運動の接線方向への速度を演算する速度演算手段と、
前記装置本体の回動方向の角速度を検出する角速度検出手段と、
前記速度演算手段で演算した速度演算値及び前記角速度検出手段で検出した角速度に基づいて前記装置本体の回動運動の半径を推測する回動運動半径推測手段と、
当該回動運動半径推測手段で推測した回動運動半径に基づいて発光表示すべき画像の表示形態を設定する表示形態設定手段と、
前記発光表示すべき画像の表示形態を、前記表示形態設定手段で設定された表示形態で発光表示するように前記発光手段を駆動制御する発光制御手段と、を備えることを特徴とする発光表示装置。
【請求項2】
前記表示形態設定手段は、前記回動運動半径推測手段で推測した回動運動半径に応じて発光表示すべき画像の表示サイズを変更することを特徴する請求項1記載の発光表示装置。
【請求項3】
前記表示形態設定手段は、前記回動運動半径推測手段で推測した回動運動半径に応じて発光表示すべき画像の配置を変更することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の発光表示装置。
【請求項4】
前記発光すべき画像を、前記表示形態設定手段で設定される表示形態で発光表示するための発光表示用データを複数備え、
前記発光制御手段は、前記複数の発光表示用データのうち、前記表示形態設定手段で設定された表示形態に対応する発光表示用データに基づいて前記発光手段を駆動制御することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の発光表示装置。
【請求項5】
前記加速度検出手段は、前記装置本体の、前記装置本体の回動運動の支点側の端部とは反対側の端部に配置されることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の発光表示装置。
【請求項6】
バーサライタに適用されることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の発光表示装置。
【請求項1】
複数の発光手段が少なくとも一方向に配置された装置本体を備え、
当該装置本体が前記一方向と交差する方向に振られたとき、前記装置本体の回動運動に応じて前記発光手段を発光させ、その残像効果を利用して所定の像表示を行うようにした発光表示装置であって、
前記装置本体の回動運動の接線方向への加速度を検出する加速度検出手段と、
当該加速度検出手段で検出した加速度から前記回動運動の接線方向への速度を演算する速度演算手段と、
前記装置本体の回動方向の角速度を検出する角速度検出手段と、
前記速度演算手段で演算した速度演算値及び前記角速度検出手段で検出した角速度に基づいて前記装置本体の回動運動の半径を推測する回動運動半径推測手段と、
当該回動運動半径推測手段で推測した回動運動半径に基づいて発光表示すべき画像の表示形態を設定する表示形態設定手段と、
前記発光表示すべき画像の表示形態を、前記表示形態設定手段で設定された表示形態で発光表示するように前記発光手段を駆動制御する発光制御手段と、を備えることを特徴とする発光表示装置。
【請求項2】
前記表示形態設定手段は、前記回動運動半径推測手段で推測した回動運動半径に応じて発光表示すべき画像の表示サイズを変更することを特徴する請求項1記載の発光表示装置。
【請求項3】
前記表示形態設定手段は、前記回動運動半径推測手段で推測した回動運動半径に応じて発光表示すべき画像の配置を変更することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の発光表示装置。
【請求項4】
前記発光すべき画像を、前記表示形態設定手段で設定される表示形態で発光表示するための発光表示用データを複数備え、
前記発光制御手段は、前記複数の発光表示用データのうち、前記表示形態設定手段で設定された表示形態に対応する発光表示用データに基づいて前記発光手段を駆動制御することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の発光表示装置。
【請求項5】
前記加速度検出手段は、前記装置本体の、前記装置本体の回動運動の支点側の端部とは反対側の端部に配置されることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の発光表示装置。
【請求項6】
バーサライタに適用されることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の発光表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−148273(P2007−148273A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−345948(P2005−345948)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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