説明

発光装置、照明装置および車両用前照灯

【課題】励起光が照射される発光部における照射領域とその近傍の領域とを含む昇温領域の温度上昇を抑制することで、長寿命な光源を実現する。
【解決手段】ヘッドランプ1は、励起光が照射される照射領域を含む照射面を有し、励起光の照射領域への照射によって発光する発光部7と、発光部7より高い熱伝導率を有する線状の放熱用支持部材13と、を備え、放熱用支持部材13は、2つの端を有し、そのうちの一方の発光側端が、発光部7の照射面を励起光が入射する側から見たときに、励起光が照射される発光部7の照射領域の後方に配置されるように、発光部7の内部に埋め込まれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高輝度光源として機能する発光装置並びに、当該発光装置を備えた照明装置および車両用前照灯に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、励起光源として発光ダイオード(LED;Light Emitting Diode)や半導体レーザ(LD;Laser Diode)等の半導体発光素子を用い、これらの励起光源から生じた励起光を、蛍光体を含む発光部に照射することによって発生する蛍光を照明光として用いる発光装置の研究が盛んになってきている。
【0003】
このような発光装置に関する技術の例として、例えば灯具がある。このような発光装置を用いた灯具では、高輝度光源を実現するために、励起光源として半導体レーザを用いている。半導体レーザから発振されるレーザ光は、コヒーレントな光であるため、指向性が強く、当該レーザ光を励起光として無駄なく集光し、利用することができる。このような半導体レーザを励起光源として用いた発光装置(以下、「LD発光装置」と記す)を車両用ヘッドランプに好適に適用することができる。
【0004】
また、このような発光装置に関する他の技術の例として、現行の蛍光灯または白熱灯等を置き換える半導体照明の実現化を目指して、高輝度化および発光効率の改善に向けた研究開発が活発に進められている。特に、大きな市場が予測されているのが照明用の白色発光ダイオードである。照明用途においては、輝度および発光効率の向上に加えて、照明に使用した際の色の見え方、すなわち、演色性を向上させることが重要である。
【0005】
このような状況を考慮して、演色性に優れた白色発光ダイオード構造を実現するために、青色または紫外発光が可能な発光ダイオードを用いた励起光によって白色発光を生じさせる蛍光体が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0006】
この特許文献1に記載された蛍光体は、可視光を透過し得る基板と、この基板上に形成された半導体層とを備えており、発光ダイオードからの青色または紫外光により、半導体層からの高輝度の赤色発光成分を高め、演色性に優れた白色発光ダイオード構造を実現している。
【0007】
なお、特許文献1に記載された蛍光体は、上で述べたとおり、蛍光灯や白熱灯を置き換え可能な半導体照明の実現を目指すものである。したがって、その要求される輝度としては従来と同程度、または、多少明るいという程度のものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−19981号公報(平成17年1月20日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、従来の蛍光体の構造において、白色発光のより一層の高輝度化を実現しようとした場合、例えば、発光ダイオードによる励起光に代えて半導体レーザによる励起光を用いることが考えられる。レーザ光を励起光として用い、蛍光体を含む微小な発光部を励起するレーザ照明光源を実現すれば、今までになかった高輝度光源を実現できる可能性がある。
【0010】
しかしながら、本発明者は鋭意研究の結果、レーザ光を励起光として用いた場合、微小な発光部、すなわち微小な体積の発光部において、発光部に照射されて吸収される励起光のうちの、蛍光体により蛍光に変換されること無く熱に変換されてしまう成分が、発光部の温度を容易に上昇させ、その結果、発光部の特性低下や熱による損傷を引き起こしてしまうという課題を見出した。
【0011】
特に、微小な発光部をハイパワーのレーザ光で励起すると、すなわち高いパワー密度で発光部を励起すると、発光部が激しく劣化するという問題が生ずる。
【0012】
また、発光部を劣化させる原因の1つとして、励起光が照射される当該発光部における照射領域およびその近傍の領域(以下、「昇温領域」と記す)における温度上昇が挙げられる。半導体レーザから高出力の励起光が発光部に照射され、発光部の照射領域に対して放熱処理が行われない場合、昇温領域の温度が励起光の照射直後から1000℃を超える場合があり、当該発光部の昇温領域だけが局所的に極めて高温になるため、当該昇温領域が急速に劣化してしまうという問題が生じる。
【0013】
したがって、蛍光体を含む微小な発光部をハイパワーの励起光で励起する構成において、発光部の劣化を防ぎ、明るく長寿命な光源を実現するためには、上記照射領域とその近傍の領域とを含む昇温領域の温度上昇を抑制することが望まれる。
【0014】
上記課題に鑑み、本発明の目的は、励起光が照射される発光部における昇温領域の温度上昇を抑制し、発光部における特性低下や熱による損傷を防止することで、超高輝度かつ長寿命な光源を実現することができる発光装置並びに、当該発光装置を備えた照明装置および車両用前照灯を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本発明に係る発光装置は、励起光が照射される照射領域を含む照射面を有し、前記励起光の前記照射領域への照射によって発光する発光部と、前記発光部より高い熱伝導率を有する熱伝導部材とを備え、前記熱伝導部材は、2つの端を有し、そのうちの一方の端が、前記発光部の照射面を前記励起光が入射する側から見たときに、前記励起光が照射される前記発光部の照射領域の後方に配置されるように、前記発光部の内部に埋め込まれている。
【0016】
ここで、「励起光」とは、半導体レーザから出射される励起光と、発光ダイオードから出射される励起光とのいずれも含むものである。
【0017】
上記の発光装置では、励起光が発光部に照射されると当該発光部が発光する。励起光が発光部に照射されると、励起光の照射領域から熱が発生するが、その照射領域の後方に配置されるように埋め込まれている熱伝導部材から放熱される。
【0018】
したがって、励起光が照射される発光部における照射領域の温度上昇を抑制することで、長寿命な光源を実現することができる。すなわち、発光装置は、高い信頼性を有する高輝度光源を実現することができる。
【0019】
前記熱伝導部材の一方の端において、前記発光部の照射面を前記励起光が入射する側から見たときに、前記照射面に含まれる前記照射領域の後方に位置する部分が占める領域が前記照射領域を含んでいることが好ましい。
【0020】
この場合、発光部の照射領域から発生する熱を効率よく集めることができるので、照射領域の温度上昇をより効果的に抑えることができる。
【0021】
前記熱伝導部材の一方の端は、前記発光部を貫くように前記発光部の内部に埋め込まれていることが好ましい。
【0022】
この場合、発光部の照射領域から発生する熱を効率よく集めることができるので、照射領域の温度上昇をより効果的に抑えることができる。
【0023】
前記熱伝導部材の一方の端は、前記発光部の照射面に対向する反射層を有していることが好ましい。
【0024】
この場合、発光部に入射された励起光を反射層により反射させて再び発光部の照射面側に向かわせることができるので、励起光が蛍光に変換される経路の長さを2倍にすることができる。
【0025】
このため、発光部からの蛍光の取り出し効率を向上させることができる。
【0026】
前記発光部の前記照射面およびその反対の面を除く前記発光部の周囲に配置された少なくとも1つの放熱部材をさらに備え、前記熱伝導部材の一方の端は、前記放熱部材と接触していることが好ましい。
【0027】
この場合、熱伝導部材からの放熱をより効率的に行なうことができる。
【0028】
前記熱伝導部材の他方の端に接続され、前記熱伝導部材を放熱させるための冷却装置をさらに備えていることが好ましい。
【0029】
この場合、熱伝導部材からの放熱をより効率的に行なうことができる。
【0030】
前記熱伝導部材は、金属材料からなることが好ましい。
【0031】
この場合、発光部との熱伝導率との差が大きいので、発光部で発生する熱をより効率よく集めることができる。
【0032】
前記熱伝導部材は、透明材料からなることが好ましい。
【0033】
この場合、発光部に入射する光を、その入射面の反対の面側に透過させることができるので、発光部の反対の面側から取り出せる蛍光量を増やすことができる。
【0034】
本発明に係る照明装置は、上記の発光装置を備えていることが好ましい。
【0035】
この場合、長寿命な発光装置を光源として用いることができるので、高い信頼性を有する高輝度な照明装置を実現することができる。
【0036】
本発明に係る車両用前照灯は、上記の発光装置を備えていることが好ましい。
【0037】
この場合、長寿命な発光装置を光源として用いることができるので、高い信頼性を有する高輝度な車両用前照灯を実現することができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明に係る発光装置は、本発明に係る発光装置は、励起光が照射される照射領域を含む照射面を有し、前記励起光の前記照射領域への照射によって発光する発光部と、前記発光部より高い熱伝導率を有する熱伝導部材とを備え、前記熱伝導部材は、2つの端を有し、そのうちの一方の端が、前記発光部の照射面を前記励起光が入射する側から見たときに、前記励起光が照射される前記発光部の照射領域の後方に配置されるように、前記発光部の内部に埋め込まれている。
【0039】
それゆえ、本発明に係る発光装置は、励起光が照射される発光部における昇温領域の温度上昇を抑制し、発光部における特性低下や熱による損傷を防止することで、超高輝度かつ長寿命な光源を実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施形態に係るヘッドランプの構成を示す断面図である。
【図2】発光部と放熱用支持部材との第1の接続例を示す図であり、(a)がその断面図、(b)がその正面図である。
【図3】発光部と放熱用支持部材との第2の接続例を示す断面図である。
【図4】発光部と放熱用支持部材との第3の接続例を示す図であり、(a)がその断面図、(b)がその正面図である。
【図5】発光部と放熱用支持部材との第4の接続例を示す断面図である。
【図6】発光部と放熱用支持部材との第5の接続例を示す図であり、(a)がその断面図、(b)がその正面図である。
【図7】冷却装置の具体例を示す図であり、(a)がその第1の例を示す図、(b)がその第2の例を示す図、(c)がその第3の例を示す図である。
【図8】発光部と放熱用支持部材との具合例を示す正面図である。
【図9】放熱用支持部材の断面積と発光部の温度上昇との関係を示すグラフである。
【図10】(a)は半導体レーザの回路図であり、(b)は半導体レーザの基本構造を示す斜視図である。
【図11】本発明の一実施形態に係るレーザダウンライトが備える発光ユニットおよび従来のLEDダウンライトの外観を示す概略図である。
【図12】上記レーザダウンライトが設置された天井の断面図である。
【図13】上記レーザダウンライトの断面図である。
【図14】上記レーザダウンライトの設置方法の変更例を示す断面図である。
【図15】上記LEDダウンライトが設置された天井の断面図である。
【図16】上記レーザダウンライトおよび上記LEDダウンライトのスペックを比較するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1〜図9に基づいて説明すれば、以下のとおりである。ここでは、本発明の照明装置の一例として、自動車用のすれ違い用前照灯であるヘッドランプ(発光装置、照明装置、車両用前照灯)1を例に挙げて説明する。ただし、本発明の照明装置は、配光特性基準が示されている照明装置であれば、自動車以外の車両・移動物体(例えば、人間・船舶・航空機・潜水艇・ロケットなど)のヘッドランプとして実現されてもよいし、その他の照明装置として実現されてもよい。その他の照明装置として、例えば、サーチライト、プロジェクター、家庭用照明器具を挙げることができる。
【0042】
ヘッドランプ1は、走行用前照灯(ハイビーム)の配光特性基準を満たしていてもよいし、すれ違い用前照灯(ロービーム)の配光特性基準を満たしていてもよい。
【0043】
また、以下では、図1に示す光ファイバー5が複数の束(すなわち複数の出射端部5aを備えた構成)であるものとして説明しているが、これに限らず、光ファイバー5が1つのみ(すなわち出射端部5aが1つのみ)からなっていてもよい。また、図1では、便宜上、出射端部5aを1つのみ示しているが、出射端部5aの数は1つに限定されるものではない。
【0044】
(ヘッドランプ1の構成)
まず、図1を参照しながら、ヘッドランプ1の構成について説明する。図1は、ヘッドランプ1の構成を示す断面図である。同図に示すように、ヘッドランプ1は、半導体レーザアレイ2と、非球面レンズ4と、光ファイバー5と、フェルール6と、発光部7と、反射鏡8と、透明板9と、ハウジング10と、エクステンション11と、レンズ12とを備えている。
【0045】
半導体レーザアレイ2は、励起光を出射する励起光源として機能し、複数の半導体レーザ3を基板上に備えるものである。半導体レーザ3のそれぞれからレーザ光が発振される。励起光源として複数の半導体レーザ3を用いる必要は必ずしもなく、半導体レーザ3を1つのみ用いてもよい。高出力のレーザ光を得るためには、複数の半導体レーザ3を用いることが好ましい。
【0046】
半導体レーザ3は、1チップに1つの発光点を有するものであり、例えば、405nm(青紫色)のレーザ光を発振し、出力1.0W、動作電圧5V、電流0.6Aのものであり、直径5.6mmのパッケージに封入されているものである。半導体レーザ3が発振するレーザ光は、405nmに限定されず、380nm以上470nm以下の波長範囲にピーク波長を有するレーザ光であればよい。
【0047】
なお、380nmより小さい波長のレーザ光を発振する良質な短波長用の半導体レーザを作製することが可能であれば、本実施の形態の半導体レーザ3として、380nmより小さい波長のレーザ光を発振するように設計された半導体レーザを用いることも可能である。
【0048】
また、本実施形態では、励起光源として半導体レーザを用いたが、半導体レーザの代わりに、発光ダイオードを用いることも可能である。
【0049】
非球面レンズ4は、半導体レーザ3から発振されたレーザ光(励起光)を、光ファイバー5の一方の端部である入射端部5bに入射させるためのレンズである。例えば、非球面レンズ4として、アルプス電気製のFLKN1 405を用いることができる。上述の機能を有するレンズであれば、非球面レンズ4の形状および材質は特に限定されないが、405nm近傍の透過率が高く、かつ耐熱性のよい材料であることが好ましい。
【0050】
光ファイバー5は、半導体レーザ3が発振したレーザ光を発光部7へと導く導光部材であり、複数の光ファイバーの束である。この光ファイバー5は、上記レーザ光を受け取る複数の入射端部5bと、入射端部5bから入射したレーザ光を出射する複数の出射端部5aとを有している。複数の出射端部5aは、発光部7のレーザ光照射面(受光面)における互いに異なる領域に対してレーザ光を出射する。より詳細には、複数の出射端部5aから出射されるレーザ光がそれぞれ有する光強度分布における最も光強度の大きい部分が、発光部7の互いに異なる部分に対して照射される。
【0051】
ここで、1つの出射端部5aから出射されたレーザ光は、所定の角度で広がりつつ、発光部7のレーザ光照射面に到達する。また、複数の出射端部5aからレーザ光が出射されると、レーザ光照射面には複数の照射領域が形成される。そのため、複数の光ファイバー5の出射端部5aが、レーザ光照射面に対して平行な平面において並んで配置されていたとしても、これら出射端部5aからのレーザ光によって形成される照射領域が、互いに重なることがある。
【0052】
このような場合でも、出射端部5aから出射されるレーザ光の光強度分布における最も光強度が大きいところ(各レーザ光がレーザ光照射面に形成する照射領域の中央部分(最大光強度部分))が、発光部7のレーザ光照射面の互いに異なる部分に対して出射されれば、レーザ光照射面に対してレーザ光を2次元平面的に分散して照射することができる。
【0053】
すなわち、複数の出射端部5aのうちの1つから出射されたレーザ光が発光部7に照射されることによって形成される投影像において最も光強度が大きい部分である最大光強度部分の位置が、他の出射端部5aに由来する投影像の最大光強度部分の位置と異なっていればよい。それゆえ、照射領域を互いに完全に分離する必要は必ずしもない。
【0054】
なお、出射端部5aは、レーザ光照射面に接触していてもよいし、僅かに間隔をおいて配置されてもよい。特に、出射端部5aがレーザ光照射面と間隔をおいて配置される場合、その間隔は、出射端部5aから出射され円錐状に拡がるレーザ光が、レーザ光照射面に全て照射されるように定められることが好ましい。例えばレーザ光照射面が楕円である筒状の場合には、円錐状に拡がるレーザ光が、その短軸を超えない距離となるように、出射端部5aと発光部7との位置関係を定めることが好ましい。
【0055】
光ファイバー5は、中芯のコアを、当該コアよりも屈折率の低いクラッドで覆った2層構造をしている。コアは、レーザ光の吸収損失がほとんどない石英ガラス(酸化ケイ素)を主成分とするものであり、クラッドは、コアよりも屈折率の低い石英ガラスまたは合成樹脂材料を主成分とするものである。例えば、光ファイバー5は、コアの径が200μm、クラッドの径が240μm、開口数NAが0.22の石英製のものであるが、光ファイバー5の構造、太さおよび材質は上述のものに限定されず、光ファイバー5の長軸方向に対して垂直な断面は矩形であってもよい。
【0056】
また、光ファイバー5は、可撓性を有しているため、出射端部5aの、発光部7aのレーザ光照射面に対する配置を容易に変えることができる。それゆえ、発光部7aのレーザ光照射面の形状に沿って出射端部5aを配置することができ、レーザ光を発光部7aのレーザ光照射面の全面にわたってマイルドに照射することができる。
【0057】
また、光ファイバー5は、可撓性を有しているため、半導体レーザ3と発光部7との相対位置関係を容易に変更できる。また、光ファイバー5の長さを調整することにより、半導体レーザ3を発光部7から離れた位置に設置することができる。
【0058】
それゆえ、半導体レーザ3を、冷却しやすい位置または交換しやすい位置に設置できるなど、ヘッドランプ1の設計自由度を高めることができる。すなわち、入射端部5bと出射端部5aとの位置関係を容易に変更することができ、半導体レーザ3と発光部7との位置関係を容易に変更することができるので、ヘッドランプ1の設計自由度を高めることができる。
【0059】
なお、導光部材として光ファイバー以外の部材、または光ファイバーと他の部材とを組み合わせたものを用いてもよい。この導光部材は、半導体レーザ3が発振したレーザ光を受け取る少なくとも1つの入射端部と当該入射端部から入射したレーザ光を出射する複数の出射端部とを有するものであればよい。例えば、少なくとも1つの入射端部を有する入射部、および複数の出射端部を有する出射部を光ファイバーとは別の部材として形成し、これら入射部および出射部を光ファイバーの両端部に接続してもよい。
【0060】
フェルール6は、光ファイバー5の複数の出射端部5aを発光部7のレーザ光照射面に対して所定のパターンで保持する。このフェルール6は、出射端部5aを挿入するための孔が所定のパターンで形成されているものでもよいし、上部と下部とに分離できるものであり、上部および下部の接合面にそれぞれ形成された溝によって出射端部5aを挟み込むものでもよい。
【0061】
このフェルール6は、反射鏡8から延出する棒状または筒状の部材などによって反射鏡8に対して固定されていればよい。フェルール6の材質は、特に限定されず、例えばステンレススチールである。また、1つの発光部7に対して、複数のフェルール6を配置してもよい。
【0062】
発光部7は、出射端部5aから出射されたレーザ光を受けて発光するものであり、レーザ光を受けて発光する蛍光体を含んでいる。具体的には、発光部7は、蛍光体保持物質としてのシリコーン樹脂の内部に蛍光体が分散されているものである。シリコーン樹脂と蛍光体との割合は、10:1程度である。また、発光部7は、蛍光体を押し固めたものであってもよい。蛍光体保持物質は、シリコーン樹脂等の樹脂材料に限定されず、いわゆる有機無機ハイブリッドガラスや無機ガラスであってもよい。
【0063】
上記蛍光体は、酸窒化物系のものであり、青色、緑色および赤色に発光する蛍光体のいずれか1つ以上がシリコーン樹脂に分散されている。半導体レーザ3は、405nm(青紫色)のレーザ光を発振するため、発光部7に当該レーザ光が照射されると複数の色が混合され白色光が発生する。それゆえ、発光部7は、波長変換材料であるといえる。
【0064】
なお、半導体レーザ3は、450nm(青色)のレーザ光(または、440nm以上490nm以下の波長範囲にピーク波長を有する、いわゆる「青色」近傍のレーザ光)を発振するものでもよく、この場合には、上記蛍光体は、黄色の蛍光体、または緑色の蛍光体と赤色の蛍光体との混合物である。黄色の蛍光体とは、560nm以上590nm以下の波長範囲にピーク波長を有する光を発する蛍光体である。緑色の蛍光体とは、510nm以上560nm以下の波長範囲にピーク波長を有する光を発する蛍光体である。赤色の蛍光体とは、600nm以上680nm以下の波長範囲にピーク波長を有する光を発する蛍光体である。
【0065】
上記蛍光体は、サイアロンと通称されるものが好ましい。サイアロンとは、窒化ケイ素のシリコン原子の一部がアルミニウム原子に、窒素原子の一部が酸素原子に置換された物質である。窒化ケイ素(Si)にアルミナ(Al)、シリカ(SiO)および希土類元素などを固溶させて作ることができる。
【0066】
蛍光体の別の好適な例としては、III−V族化合物半導体のナノメータサイズの粒子を用いた半導体ナノ粒子蛍光体を例示することができる。
【0067】
半導体ナノ粒子蛍光体の特徴の一つは、同一の化合物半導体(例えばインジュウムリン:InP)を用いても、その粒子径をナノメータサイズに変更することにより、量子サイズ効果によって発光色を変化させることができる点である。例えば、InPでは、粒子サイズが3〜4nm程度のときに赤色に発光する(ここで、粒子サイズは透過型電子顕微鏡(TEM)にて評価した)。
【0068】
また、この半導体ナノ粒子蛍光体は、半導体ベースであるので蛍光寿命が短く、励起光のパワーを素早く蛍光として放射できるのでハイパワーの励起光に対して耐性が強いという特徴もある。これは、この半導体ナノ粒子蛍光体の発光寿命が10ナノ秒程度と、希土類を発光中心とする通常の蛍光体材料に比べて5桁も小さいためである。
【0069】
さらに、上述したように、発光寿命が短いため、レーザ光の吸収と蛍光体の発光を素早く繰り返すことができる。その結果、強いレーザ光に対して高効率を保つことができ、蛍光体からの発熱を低減させることができる。
【0070】
よって、発光部7が熱により劣化(変色や変形)するのを、より抑制することができる。これにより、光の出力が高い発光素子を光源として用いる場合に、発光装置の寿命が短くなるのをより抑制することができる。なお、発光装置の基本構造については後述する。
【0071】
発光部7の形状および大きさは、例えば、直径3.2mmおよび厚さ1mmの円柱形状となっており、出射端部5aから出射されたレーザ光を、当該円柱の側面のうち、フェルール6と対向する発光部7におけるレーザ光の受光面において受ける。この受光面が、発光部7のレーザ光照射面である。
【0072】
また、発光部7は、円柱形状でなく、直方体であってもよい。例えば、3mm×1mm×1mmの直方体である。この場合、半導体レーザ3からのレーザ光を受けるレーザ光照射面の面積は、3mmである。日本国内で法的に規定されている車両用ヘッドランプの配光パターン(配光分布)は、鉛直方向に狭く、水平方向に広いため、発光部7の形状を、水平方向に対して横長(断面略長方形形状)にすることにより、上記配光パターンを実現しやすくなる。
【0073】
さらに、発光部のレーザ光照射面は、平面である必要は必ずしもなく、曲面であってもよい。ただし、レーザ光の反射を抑えるためには、レーザ光照射面はレーザ光の光軸に対して垂直な平面であることが好ましい。
【0074】
また、発光部7は、図1に示すように、透明板9の内側(出射端部5aが位置する側)の面において、出射端部5aと対向する位置(以下、「発光部固定位置」と記す場合もある)に配置されている。この発光部固定位置への発光部7の固定は、放熱用支持部材(熱伝導部材)13によって行われている。この放熱用支持部材13は、反射鏡8から延出する棒状、筒状を含む線状の部材である。なお、筒状とした場合であれば、その筒の中を液体、あるいは気体等を流す、あるいは、循環させることで、より放熱効果を高めることが可能である。
【0075】
放熱用支持部材13は、上述したように、線状の部材であり、その一方の端(以下、「発光側端」と記す場合もある)が発光部7に接続され、その他方の端(以下、「冷却側端」と記す場合もある)が冷却装置14に接続されている。放熱用支持部材13は、このような形状および接続形態を有することで、微小な発光部7を発光部固定位置で保持しつつ、発光部7から発生する熱をヘッドランプ1の外部に放熱する。
【0076】
具体的には、放熱用支持部材13の発光側端は、その所定の長さの分だけ、発光部7の内部に埋め込まれており、その埋め込みにより、発光部7と放熱用支持部材13とが接続されている。そして、ハウジング10に収納された、レーザ光が照射される発光部7における照射領域(レーザ光照射面における領域)とその近傍の領域とを含む昇温領域が冷却されるように、放熱用支持部材13の発光部7への埋め込み位置、つまり、発光部7と放熱用支持部材13との接続位置が設定される。
【0077】
また、冷却装置14は、放熱用支持部材13の発光側端から冷却側端に向かって伝導して来る、発光部7から発生した熱を、放熱用支持部材13から放熱するためのものである。もちろん、この冷却装置14はヘッドランプ1にとって必須なものではない。例えば、ヘッドランプ1では、放熱用支持部材13を伝導して来る熱を冷却端付近で放熱用支持部材13から単に放熱させても、もちろん構わない。要は、冷却装置14を設けることで、放熱用支持部材13からの放熱を効率よく行なうことができるのであり、特に、発光部7からの発熱量が3W以上の場合に、冷却装置14の設置が有効となる。
【0078】
図1では、放熱用支持部材13は線状となっているが、これに限らず、光ファイバー5と同様、その形状を変形することが可能な(湾曲可能な)可撓性を有する部材を用いてもよい。
【0079】
また、その可撓性を有する部材は、例えば、金属材料を用いることができる。通常、金属材料であれば塑性があり、少なくとも線状にすることで湾曲可能な部材とすることができる。特に、熱伝導がよい銀、金、銅、アルミ等は、直径1mmよりも細い線状に加工すれば、人手によっても簡単に曲げることができ、放熱用支持部材13に用いる部材として好適なものである。なお、発光部7のサイズが1mmのオーダーであれば、放熱用支持部材13の直径は、少なくとも1mmよりも小さくなる。
【0080】
また、上で述べた金属材料以外にも、例えば、グラファイトを用いもよい。厚さ0.1mm以下のシート状とすれば、可撓性を持たせることができるからである。
【0081】
さらに、光ファイバーの材料として一般的な石英を用いてもよい。石英であれば、そのコア径を1mm程度とすることで可撓性を持たせることが可能である。
【0082】
放熱用支持部材13が可撓性を有している場合、発光部7と冷却装置14との相対位置関係を容易に変更できる。また、放熱用支持部材13の長さを調整することにより、冷却装置14を発光部7から離れた位置に設置することができる。この場合、図1に示すような、冷却装置14がハウジング10に収納される構成に限らず、光ファイバー5と同様、放熱用支持部材13がハウジング10を貫くことにより、冷却装置14がハウジング10の外部に設置することも可能となる。
【0083】
それゆえ、冷却装置14が故障した場合に修理または交換しやすい位置に設置することができ、ヘッドランプ1の設計自由度を高めることができる。
【0084】
なお、放熱用支持部材13および冷却装置14の具体的構成については、後で詳しく説明する。
【0085】
反射鏡8は、発光部7から出射した光を反射することにより、所定の立体角内を進む光線束を形成するものである。すなわち、反射鏡8は、発光部7からの光を反射することにより、ヘッドランプ1の前方へ進む光線束を形成する。この反射鏡8は、例えば、金属薄膜がその表面に形成された曲面形状(カップ形状)の部材である。
【0086】
透明板9は、反射鏡8の開口部を覆う透明な樹脂板である。この透明板9を、半導体レーザ3からのレーザ光を遮断するとともに、発光部7においてレーザ光を変換することにより生成された白色光(インコヒーレントな光)を透過する材質で形成することが好ましい。発光部7によってコヒーレントなレーザ光は、そのほとんどがインコヒーレントな白色光に変換される。しかし、何らかの原因でレーザ光の一部が変換されない場合も考えられる。このような場合でも、透明板9によってレーザ光を遮断することにより、レーザ光が外部に漏れることを防止できる。
【0087】
また、透明板9は、放熱用支持部材13と共に、発光部7を発光部固定位置に確実に固定させている。もちろん、発光部固定位置への発光部7の固定は、透明板9を用いること無く、放熱用支持部材13のみを用いて行なっても構わない。また、透明板9の上記の効果を期待する必要が無ければ、透明板9を省略することも可能である。
【0088】
ハウジング10は、ヘッドランプ1の本体を形成しており、反射鏡8等を収納している。光ファイバー5は、このハウジング10を貫いており、半導体レーザアレイ2は、ハウジング10の外部に設置される。半導体レーザアレイ2は、レーザ光の発振時に発熱するが、ハウジング10の外部に設置することにより半導体レーザアレイ2を効率良く冷却することが可能となる。したがって、半導体レーザアレイ2から発生する熱による、発光部7の特性劣化や熱的損傷等が防止されている。
【0089】
また、半導体レーザ3は、故障する可能性があるため、交換しやすい位置に設置することが好ましい。これらの点を考慮しなければ、半導体レーザアレイ2をハウジング10の内部に収納してもよい。
【0090】
エクステンション11は、反射鏡8の前方の側部に設けられており、ヘッドランプ1の内部構造を隠して、ヘッドランプ1の見栄えを良くするとともに、反射鏡8と車体との一体感を高めている。このエクステンション11も反射鏡8と同様に金属薄膜がその表面に形成された部材である。
【0091】
レンズ12は、ハウジング10の開口部に設けられており、ヘッドランプ1を密封している。発光部7が発生し、反射鏡8によって反射された光は、レンズ12を通ってヘッドランプ1の前方へ出射される。
【0092】
以上のように、本実施形態に係るヘッドランプ1は、レーザ光を出射する半導体レーザ3と、半導体レーザ3が出射したレーザ光を受け取る入射端部5bと入射端部5bから入射したレーザ光を出射する出射端部5aとを有する光ファイバー5と、出射端部5aから出射されたレーザ光を受けて発光する発光部7と、レーザ光が照射される発光部7における照射領域とその近傍の領域とを含む昇温領域からの発熱を冷却しつつ、発光部7を発光部固定位置に固定する放熱用支持部材13と、を備えている構成である。
【0093】
また、本実施形態に係るヘッドランプ1は、放熱用支持部材13を伝導して来た熱を効率よく放熱させるための冷却装置14をさらに備えていても良い。
【0094】
ここで、発光部7をハイパワーのレーザ光で励起すると、発光部7が激しく劣化することを本発明の発明者は見出した。発光部7の劣化は、発光部7に含まれる蛍光体そのものの劣化とともに、蛍光体を取り囲む物質(例えば、シリコーン樹脂)の劣化によって主に引き起こされる。上述のサイアロン蛍光体は、レーザ光が照射されると60〜80%の効率で光を発生させるが、残りは熱となって放出される。この熱によって蛍光体を取り囲む物質が劣化すると考えられる。
【0095】
上記問題を考慮して、ヘッドランプ1は、上記構成を備えることにより、昇温領域の温度上昇を抑制することで、長寿命な光源を実現することができる。すなわち、ヘッドランプ1は、高い信頼性を有する高輝度光源を実現することができる。
【0096】
(放熱用支持部材13)
次に、放熱用支持部材13の具体的な構成および、発光部7と放熱用支持部材13との接続形態の具体的な構成について、図2〜図6に基づいて説明する。なお、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各部分の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みやサイズは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることももちろんである。
【0097】
なお、以下の図面において、上述した各構成部材に対応する変形例を図示することがある。これら変形例については、上述した対応する構成部材に付記した符号(数字)にa、b、c・・・のアルファベットを付記することにより、対応関係を明らかにしつつ変形例であることを示すこととする。
【0098】
(第1の接続例)
図2は、発光部7と放熱用支持部材13との第1の接続例を示す図であり、(a)がその断面図、(b)がその正面図である。この第1の接続例においては、放熱用支持部材13は、例えばアルミニウム、銀、金、銅といった金属材料を用いることができる。また、このような金属材料に代えて、金属材料よりも高い熱伝導率を持つグラファイト(黒鉛)を用いることも可能である。これら金属材料や、グラファイトは、発光部7よりも高い熱伝導率を有するものである。
【0099】
この放熱用支持部材13の発光側端は、図2(b)に示すように、フェルール6側から見て、発光部7の内部に埋め込まれた部分のうち、発光部7のレーザ光照射面におけるレーザ光の照射領域の後方に位置する部分が、その他の部分と比べて、大きな面積を持つように形成されている。この面積はレーザ光の照射領域の面積に応じて決められるものであり、そうすることにより、レーザ光の照射領域とその近傍の領域とを含む昇温領域から発生する熱を効率よく集めることができる。
【0100】
また、放熱用支持部材13の発光側端は、図2(a)に示すように、フェルール6側から見て、発光部7のレーザ光照射面の全面に渡って埋め込まれることはない。すなわち、レーザ光照射面側から入射されるレーザ光が、発光部7のレーザ光照射面と反対の面側に向かって進行できるよう、放熱用支持部材13の無い領域が用意されている。そうすることにより、放熱用支持部材13に金属材料やグラファイトといった遮光性を持つ材料が用いられた場合でも、レーザ光を発光部7のレーザ光照射面と反対の面側まで進行させることができるので、その反対の面側からも、発光部7の蛍光体による蛍光を取り出すことができる。
【0101】
なお、上記では、放熱用支持部材13は、金属材料やグラファイト等を用いているが、例えば、透光性を有する透明材料を用いてもよい。具体的には、これら金属材料等よりは熱伝導率が低いものの、発光部7よりも熱伝導率の高い、石英やアルミナの表面に透明導電膜(例えば、ITO膜)を成膜したものを用いることも可能である。
【0102】
(第2の接続例)
図3は、発光部7aと放熱用支持部材13aとの第2の接続例を示す図である。この第2の接続例においては、図2に示した上記の第1の接続例とは異なり、放熱用支持部材13aが発光部7aのレーザ光照射面に、より近接するように発光部7aに埋め込まれている。
【0103】
すなわち、第2の接続例では、放熱用支持部材13aの発光側端と、発光部7aのレーザ光の照射領域とその近傍の領域とを含む昇温領域との距離が、上記の第1の接続例と比較し、短くなっている。
【0104】
このため、発光部7aの昇温領域で発生した熱がすみやかに放熱されるので、その昇温領域に蓄積する熱を減らすことができ、温度上昇が抑制できる。
【0105】
なお、本第2の接続例においても、放熱用支持部材13aは、上述した透光性を有する材料を用いることはもちろん可能である。
【0106】
(第3の接続例)
図4は、発光部7bと放熱用支持部材13bとの第3の接続例を示す図であり、(a)がその断面図、(b)がその正面図である。この第3の接続例においては、放熱用支持部材13bは、上述したような、透光性を有する材料を用いている。
【0107】
本第3の接続例が上記の第1および第2の接続例と異なる点は、図4(a)および図4(b)に示すように、放熱用支持部材13bが発光部7を貫くように、その発光側端が発光部7に埋め込まれている点である。
【0108】
このため、発光部7のレーザ光の照射領域とその近傍の領域とを含む昇温領域で発生する熱を集めることができる放熱用支持部材13bの発光側端の部分が大きくなり、その結果、昇温領域から発生する熱を、より効率よく集めることができる。
【0109】
なお、放熱用支持部材13bは、上述した透光性を有する材料を用いれば良い。
【0110】
また、放熱用支持部材13bは、上述した金属材料やグラファイトを用いることも可能である。この場合、放熱用支持部材13bに、より高い熱伝導率を有する金属材料等を用いることで、発光部7の昇温領域で発生する熱をより効率よく集めることができる。
【0111】
(第4の接続例)
図5は、発光部7cと放熱用支持部材13cとの第2の接続例を示す図である。この第4の接続例においては、図4に示した上記の第3の接続例とは異なり、放熱用支持部材13cが、上述した金属材料やグラファイトからなる第1の部材15aと、第1の部材15aのレーザ光入射側に配置され、レーザ光を反射する第2の部材(反射層)15bと、を積層した構造を有している。
【0112】
本第4の接続例は、発光部7cからの蛍光の取り出し効率を向上させることができるとともに、レーザ光が蛍光に変換される経路の長さを2倍にすることができる。なぜなら、レーザ光が発光部7cに入射された後、第2の部材15bに到達するまでの経路と、第2の部材15bから再び発光部7cから出るまでの経路との両方の経路において、レーザ光を蛍光に変換させることができるからである。
【0113】
したがって、本第4の接続例は、発光部7のレーザ光照射面側から蛍光を取り出す必要がある場合に有効な例である。
【0114】
なお、上記では、放熱用支持部材13cを第1の部材および第2の部材の積層構造としているが、例えば、第2の部材の代わりに、第1の部材の表面を鏡面状にすることでも、同様の効果を得ることができる。
【0115】
(第5の接続例)
図6は、発光部7dと放熱用支持部材13dとの第5の接続例を示す図であり、(a)がその断面図、(b)がその正面図である。この第5の接続例は、図4(a)および図4(b)に示した上記の第3の接続例において、発光部7の周囲に配置された放熱部材16をさらに設け、この放熱部材16と放熱用支持部材13dの発光側端とを接触させた接続例である。
【0116】
本第5の接続例では、放熱用支持部材13dの発光側端に集められた熱を、放熱用支持部材13dの冷却側端からの放熱に加えて、放熱部材16からの放熱も同時に行なうことができる。したがって、放熱用支持部材13dからの放熱を、より効率的に行なうことができる。
【0117】
放熱部材16は、例えば、上述した金属材料やグラファイトを用いれば良い。
【0118】
(冷却装置14)
次に、冷却装置14の具体的な構成について、図7を用いて説明する。
【0119】
図7(a)の第1の例は、放熱用支持部材13の冷却側端に金属塊14aを接触した例である。金属塊14aの材質としては、アルミや銅が好適である。
【0120】
この第1の例の場合、放熱用支持部材13の発光側端で集められた熱が、この金属塊から効率的に放熱させられる。
【0121】
図7(b)の第2の例は、図7(a)の示した金属塊14aの上面に複数の放熱用のフィン14bを設けた例である。
【0122】
この第2の例の場合、金属塊14aからの放熱を、より効率よく行なうことができる。
【0123】
図7(c)の第3の例は、図7(a)の示した金属塊14aに送風するための風を発生させることにより、金属塊14aからの放熱を、より効率よく行なうための例である。
【0124】
この第3の例では、例えば、一般的な扇風機の構造を有する送風器14bを用いることができる。
【0125】
その他、金属塊14aの中に配管を通し、配管内に冷却水等を循環させる液冷(水冷)機構を付加してもよい。
【0126】
(本発明の効果)
次に、図8に示す発光部7および放熱用支持部材13を用いて、温度上昇の抑制に関する実験データ例について説明する。
【0127】
図8において、放熱用支持部材13に銅(室温での熱伝導率400W/mK)を用いて、長さ24mm、断面積を以下の表に示すよう変化させた。
【0128】
【表1】

【0129】
発光部7は、直径3.2mm、厚さ1mmの円筒形で、その内部に放熱用支持部材13が埋め込まれている。発光部7に分散された蛍光体は、その発光効率が80%である。
【0130】
このような発光部7および放熱用支持部材13に対し、5Wのレーザ光を照射したところ、4Wが蛍光に変換され、残りの1Wが発熱分となった。
【0131】
発光部7に対する温度上昇抑制効果を図9に示す。図9から分かるように、断面積が0.75mmの放熱用支持部材13(直径1mmのシャフトにほぼ相当する)を用いると、放熱用支持部材13が無い場合である560℃に対して、120℃まで冷却することができる。
【0132】
(半導体レーザ3の構造)
次に、半導体レーザ3の基本構造について説明する。図10(a)は、半導体レーザ3の回路図を模式的に示したものであり、図10(b)は、半導体レーザ3の基本構造を示す斜視図である。同図に示すように、半導体レーザ3は、カソード電極19、基板18、クラッド層113、活性層111、クラッド層112、アノード電極17がこの順に積層された構成である。
【0133】
基板18は、半導体基板であり、本願のように蛍光体を励起する為の青色〜紫外の励起光を得る為にはGaN、サファイア、SiCを用いることが好ましい。一般的には、半導体レーザ用の基板の他の例として、Si、GeおよびSiC等のIV属半導体、GaAs、GaP、InP、AlAs、GaN、InN、InSb、GaSbおよびAlNに代表されるIII−V属化合物半導体、ZnTe、ZeSe、ZnSおよびZnO等のII−VI属化合物半導体、ZnO、Al、SiO、TiO、CrOおよびCeO等の酸化物絶縁体、並びに、SiNなどの窒化物絶縁体のいずれかの材料が用いられる。
【0134】
アノード電極17は、クラッド層112を介して活性層111に電流を注入するためのものである。
【0135】
カソード電極19は、基板18の下部から、クラッド層113を介して活性層111に電流を注入するためのものである。なお、電流の注入は、アノード電極17・カソード電極19に順方向バイアスをかけて行う。
【0136】
活性層111は、クラッド層113及びクラッド層112で挟まれた構造になっている。
【0137】
また、活性層111およびクラッド層の材料としては、青色〜紫外の励起光を得る為にはAlInGaNから成る混晶半導体が用いられる。一般に半導体レーザの活性層・クラッド層としては、Al、Ga、In、As、P、N、Sbを主たる組成とする混晶半導体が用いられ、そのような構成としても良い。また、Zn、Mg、S、Se、TeおよびZnO等のII−VI属化合物半導体によって構成されていてもよい。
【0138】
また、活性層111は、注入された電流により発光が生じる領域であり、クラッド層112及びクラッド層113との屈折率差により、発光した光が活性層111内に閉じ込められる。
【0139】
さらに、活性層111には、誘導放出によって増幅される光を閉じ込めるために互いに対向して設けられる表側へき開面114・裏側へき開面115が形成されており、この表側へき開面114・裏側へき開面115が鏡の役割を果す。
【0140】
ただし、完全に光を反射する鏡とは異なり、誘導放出によって増幅される光の一部は、活性層111の表側へき開面114・裏側へき開面115(本実施の形態では、便宜上表側へき開面114とする)から出射され、励起光L0となる。なお、活性層111は、多層量子井戸構造を形成していてもよい。
【0141】
なお、表側へき開面114と対向する裏側へき開面115には、レーザ発振のための反射膜(図示せず)が形成されており、表側へき開面114と裏側へき開面115との反射率に差を設けることで、低反射率端面である、例えば、表側へき開面114より励起光L0の大部分を発光点103から照射されるようにすることができる。
【0142】
クラッド層113・クラッド層112は、n型およびp型それぞれのGaAs、GaP、InP、AlAs、GaN、InN、InSb、GaSb、及びAlNに代表されるIII−V属化合物半導体、並びに、ZnTe、ZeSe、ZnSおよびZnO等のII−VI属化合物半導体のいずれの半導体によって構成されていてもよく、順方向バイアスをアノード電極17及びカソード電極19に印加することで活性層111に電流を注入できるようになっている。
【0143】
クラッド層113・クラッド層112および活性層111などの各半導体層との膜形成については、MOCVD(有機金属化学気相成長)法やMBE(分子線エピタキシー)法、CVD(化学気相成長)法、レーザアブレーション法、スパッタ法などの一般的な成膜手法を用いて構成できる。各金属層の膜形成については、真空蒸着法やメッキ法、レーザアブレーション法、スパッタ法などの一般的な成膜手法を用いて構成できる。
【0144】
(発光部7の発光原理)
次に、半導体レーザ3から発振されたレーザ光による蛍光体の発光原理について説明する。
【0145】
まず、半導体レーザ3から発振されたレーザ光が発光部7に含まれる蛍光体に照射されることにより、蛍光体内に存在する電子が低エネルギー状態から高エネルギー状態(励起状態)に励起される。
【0146】
その後、この励起状態は不安定であるため、蛍光体内の電子のエネルギー状態は、一定時間後にもとの低エネルギー状態(基底準位のエネルギー状態または励起準位と基底準位との間の準安定準位のエネルギー状態)に遷移する。
【0147】
このように、高エネルギー状態に励起された電子が、低エネルギー状態に遷移することによって蛍光体が発光する。
【0148】
白色光は、等色の原理を満たす3つの色の混色、または補色の関係を満たす2つの色の混色で構成でき、この原理に基づき、半導体レーザから発振されたレーザ光の色と蛍光体が発する光の色とを、上述のように組み合わせることにより白色光を発生させることができる。
【0149】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施形態について図11〜図16に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施の形態は、上記の実施の形態1の発光装置を用いた照明装置の具体例であるレーザダウンライトに係る実施の形態である。なお、実施の形態1と同様の部材に関しては、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0150】
ここでは、本発明の照明装置の一例としてのレーザダウンライト200について説明する。レーザダウンライト200は、家屋、乗物などの構造物の天井に設置される照明装置であり、半導体レーザ3から出射したレーザ光を発光部7に照射することによって発生する蛍光を照明光として用いるものである。
【0151】
なお、レーザダウンライト200と同様の構成を有する照明装置を、構造物の側壁または床に設置してもよく、上記照明装置の設置場所は特に限定されない。
【0152】
図11は、発光ユニット210および従来のLEDダウンライト300の外観を示す概略図である。図12は、レーザダウンライト200が設置された天井の断面図である。図13は、レーザダウンライト200の断面図である。図11〜図13に示すように、レーザダウンライト200は、天板400に埋設され、照明光を出射する発光ユニット210と、光ファイバー5を介して発光ユニット210へレーザ光を供給するLD光源ユニット220とを含んでいる。LD光源ユニット220は、天井には設置されておらず、ユーザが容易に触れることができる位置(例えば、家屋の側壁)に設置されている。このようにLD光源ユニット220の位置を自由に決定できるのは、LD光源ユニット220と発光ユニット210とが光ファイバー5によって接続されているからである。この光ファイバー5は、天板400と断熱材401との間の隙間に配置されている。
【0153】
(発光ユニット210の構成)
発光ユニット210は、図13に示すように、筐体211、光ファイバー5、発光部7および透光板213を備えている。
【0154】
筐体211には、凹部212が形成されており、この凹部212の底面に発光部7が配置されている。凹部212の表面には、金属薄膜が形成されており、凹部212は反射鏡として機能する。
【0155】
また、筐体211には、光ファイバー5を通すための通路214が形成されており、この通路214を通って光ファイバー5が発光部7まで延びている。光ファイバー5の出射端部5aと発光部7との位置関係は上述したものと同様である。
【0156】
透光板213は、凹部212の開口部をふさぐように配置された透明または半透明の板である。この透光板213は、透明板9と同様の機能を有するものであり、発光部7の蛍光は、透光板213を透して照明光として出射される。透光板213は、筐体211に対して取外し可能であってもよく、省略されてもよい。
【0157】
図11では、発光ユニット210は、円形の外縁を有しているが、発光ユニット210の形状(より厳密には、筐体211の形状)は特に限定されない。
【0158】
なお、発光部7の固定は、上記の実施の形態1と同様、図示しない放熱用支持部材13によって行われており、放熱用支持部材13の一方の端(発光側端)に発光部7が接続され、その他方の端(冷却側端)に図示しない冷却装置14が接続されている。
【0159】
また、ダウンライトでは、ヘッドランプの場合とは異なり、理想的な点光源は要求されず、発光点が1つというレベルで十分である。それゆえ、発光部7の形状、大きさおよび配置に関する制約は、ヘッドランプの場合よりも少ない。
【0160】
(LD光源ユニット220の構成)
LD光源ユニット220は、半導体レーザ3、非球面レンズ4および光ファイバー5を備えている。
【0161】
光ファイバー5の一方の端部である入射端部5bは、LD光源ユニット220に接続されており、半導体レーザ3から発振されたレーザ光は、非球面レンズ4を介して光ファイバー5の入射端部5bに入射される。
【0162】
図13に示すLD光源ユニット220の内部には、半導体レーザ3および非球面レンズ4が一対のみ示されているが、発光ユニット210が複数存在する場合には、発光ユニット210からそれぞれ延びる光ファイバー5の束を1つのLD光源ユニット220に導いてもよい。この場合、1つのLD光源ユニット220に複数の半導体レーザ3と非球面レンズ4との対が収納されることになり、LD光源ユニット220は集中電源ボックスとして機能する。
【0163】
(レーザダウンライト200の設置方法の変更例)
図14は、レーザダウンライト200の設置方法の変更例を示す断面図である。同図に示すように、レーザダウンライト200の設置方法の変形例として、天板400には光ファイバー5を通す小さな穴402だけを開け、薄型・軽量の特長を活かしてレーザダウンライト本体(発光ユニット210)を天板400に貼り付けるということもできる。この場合、レーザダウンライト200の設置に係る制約が小さくなり、また工事費用が大幅に削減できるというメリットがある。
【0164】
(レーザダウンライト200と従来のLEDダウンライト300との比較)
従来のLEDダウンライト300は、図11に示すように、複数の透光板301を備えており、各透光板301からそれぞれ照明光が出射される。すなわち、LEDダウンライト300において発光点は複数存在している。LEDダウンライト300において発光点が複数存在しているのは、個々の発光点から出射される光の光束が比較的小さいため、複数の発光点を設けなければ照明光として十分な光束の光が得られないためである。
【0165】
これに対して、レーザダウンライト200は、高光束の照明装置であるため、発光点は1つでもよい。それゆえ、照明光による陰影がきれいに出るという効果が得られる。また、発光部7の蛍光体を高演色蛍光体(例えば、数種類の酸窒化物蛍光体の組み合わせ)にすることにより、照明光の演色性を高めることができる。
【0166】
これにより、白熱電球ダウンライトに迫る高演色を実現することができる。例えば、平均演色評価数Raが90以上のみならず、特殊演色評価数R9も95以上というLEDダウンライトや蛍光灯ダウンライトでは実現が難しい高演色光も高演色蛍光体と半導体レーザ3の組み合わせにより実現可能である。
【0167】
図15は、LEDダウンライト300が設置された天井の断面図である。同図に示すように、LEDダウンライト300では、LEDチップ、電源および冷却ユニットを収納した筐体302が天板400に埋設されている。筐体302は比較的大きなものであり、筐体302が配置されている部分の断熱材401には、筐体302の形状に沿った凹部が形成される。筐体302から電源ライン303が延びており、この電源ライン303はコンセント(不図示)につながっている。
【0168】
このような構成では、次のような問題が生じる。まず、天板400と断熱材401との間に発熱源である光源(LEDチップ)および電源が存在しているため、LEDダウンライト300を使用することにより天井の温度が上がり、部屋の冷房効率が低下するという問題が生じる。
【0169】
また、LEDダウンライト300では、光源ごとに電源および冷却ユニットが必要であり、トータルのコストが増大するという問題が生じる。
【0170】
また、筐体302は比較的大きなものであるため、天板400と断熱材401との間の隙間にLEDダウンライト300を配置することが困難な場合が多いという問題が生じる。
【0171】
これに対して、レーザダウンライト200では、発光ユニット210には、大きな発熱源は含まれていないため、部屋の冷房効率を低下させることはない。その結果、部屋の冷房コストの増大を避けることができる。
【0172】
また、発光ユニット210ごとに電源および冷却ユニットを設ける必要がないため、レーザダウンライト200を小型および薄型にすることができる。その結果、レーザダウンライト200を設置するためのスペースの制約が小さくなり、既存の住宅への設置が容易になる。
【0173】
また、レーザダウンライト200は、小型および薄型であるため、上述したように、発光ユニット210を天板400の表面に設置することができ、LEDダウンライト300よりも設置に係る制約を小さくすることができるとともに工事費用を大幅に削減できる。
【0174】
図16は、レーザダウンライト200およびLEDダウンライト300のスペックを比較するための図である。同図に示すように、レーザダウンライト200は、その一例では、LEDダウンライト300に比べて体積は94%減少し、質量は86%減少する。
【0175】
また、LD光源ユニット220をユーザの手が容易に届く所に設置できるため、半導体レーザ3が故障した場合でも、手軽に半導体レーザ3を交換できる。また、複数の発光ユニット210から延びる光ファイバー5を1つのLD光源ユニット220に導くことにより、複数の半導体レーザ3を一括管理できる。そのため、複数の半導体レーザ3を交換する場合でも、その交換が容易にできる。
【0176】
なお、LEDダウンライト300において、高演色蛍光体を用いたタイプの場合、消費電力10Wで約500lmの光束が出射できるが、同じ明るさの光をレーザダウンライト200で実現するためには、3.3Wの光出力が必要である。この光出力は、LD効率が35%であれば、消費電力10Wに相当し、LEDダウンライト300の消費電力も10Wであるため、消費電力では、両者の間に顕著な差は見られない。それゆえ、レーザダウンライト200では、LEDダウンライト300と同じ消費電力で、上述の種々のメリットが得られることになる。
【0177】
以上のように、レーザダウンライト200は、レーザ光を出射する半導体レーザ3を少なくとも1つ備えるLD光源ユニット220と、発光部7および反射鏡としての凹部212を備える少なくとも1つの発光ユニット210と、発光ユニット210のそれぞれへ上記レーザ光を導く光ファイバー5とを含んでいる。
【0178】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0179】
本発明は、高輝度で長寿命な発光装置、特に車両用等のヘッドランプに適用することができる。
【符号の説明】
【0180】
1 ヘッドランプ(発光装置、照明装置、車両用前照灯)
2 半導体レーザアレイ
3 半導体レーザ
5 光ファイバー
5a 出射端部
5b 入射端部
7 発光部
8 反射鏡
9 透明板
13 放熱用支持部材(熱伝導部材)
14 冷却装置
15a 第1の部材
15b 第2の部材(反射層)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
励起光が照射される照射領域を含む照射面を有し、前記励起光の前記照射領域への照射によって発光する発光部と、
前記発光部より高い熱伝導率を有する熱伝導部材と
を備え、
前記熱伝導部材は、2つの端を有し、そのうちの一方の端が、前記発光部の照射面を前記励起光が入射する側から見たときに、前記励起光が照射される前記発光部の照射領域の後方に配置されるように、前記発光部の内部に埋め込まれていることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記熱伝導部材の一方の端において、前記発光部の照射面を前記励起光が入射する側から見たときに、前記照射面に含まれる前記照射領域の後方に位置する部分が占める領域が前記照射領域を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記熱伝導部材の一方の端は、前記発光部を貫くように前記発光部の内部に埋め込まれていることを特徴とする請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記熱伝導部材の一方の端は、前記発光部の照射面に対向する反射層を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項5】
前記発光部の前記照射面およびその反対の面を除く前記発光部の周囲に配置された少なくとも1つの放熱部材をさらに備え、
前記熱伝導部材の一方の端は、前記放熱部材と接触していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項6】
前記熱伝導部材の他方の端に接続され、前記熱伝導部材を放熱させるための冷却装置をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項7】
前記熱伝導部材は、金属材料からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項8】
前記熱伝導部材は、透明材料からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項9】
請求項7または8に記載の発光装置を備えている照明装置。
【請求項10】
請求項7または8に記載の発光装置を備えている車両用前照灯。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−243700(P2011−243700A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−113473(P2010−113473)
【出願日】平成22年5月17日(2010.5.17)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】