説明

発光装置およびその製造方法

【課題】交流電源を直接使用し、高発光率を実現させることを可能にする発光装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】基板上に形成されている交流駆動回路ユニットは、第一ダイオード301、第二ダイオード302、第三ダイオード303、第四ダイオード30を有している。第一ダイオード301および第四ダイオード304は直列に接続され、第一支流を構成する。第二ダイオード302および第三ダイオード303は直列に接続され、第二支流を構成する。第一支流および第二支流は並列に接続され、交流を直流に変換させるブリッジ式整流回路を構成し、発光区101に直列に接続されている。交流電源に接続された場合、一方の支流を経由して、発光区101にあるLEDに給電され、発光する。電流の向きが逆になった場合、他方の支流を経由して電流が流れるため、LEDユニットは常時発光することとなり、LEDユニットの利用効率が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置の構造およびその製造方法に関し、詳しくは交流電流を直接使用することを可能にする発光装置およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)の光源は、効率が高いこと、寿命が長いこと、Hgなどの有害物質を含有しないことなどの長所を有する。LED技術の迅速な発展に伴い、LEDの明度および寿命などの特性が大いに向上し、LEDの応用範囲がより広くなった。街灯などの室外照明からインテリア用照明までLEDを光源として使用することが多くなっている。
【0003】
従来の照明用電源は交流電流を採用している。交流電流は一つの周期に電流の方向が逆となる半周期が二つある。LEDに給電するには直流電流が必要であるため、交流電源を使用してLEDに直流電流を供給することは、下記の方式によって実施されることが一般的である。
【0004】
米国特許公開US20100060181号公報に記載の交流発光ダイオード(ACLED)は外部に配置された集積回路装置を備え、集積回路装置が交流電流を直流電流に変換させる変換器および整流器を有することによってLEDに直流電源を供給する。
【0005】
中国特許公告CN201043720号公報に記載のLEDランプは、抵抗、コンデンサー、ダイオードなどの多種の電子ユニットでAC−DC変換回路および保護回路を構成し、交流電源とLEDとの間に直列に繋ぐことによって直接LEDを交流電源に繋いで使用する。
【0006】
上述した二つの技術手段は、LEDと外部に配置されるAC/DC変換器または電子ユニットから構成される機能回路とを合わせて使用することが必要である。しかしながら、外部に配置される装置はLED光源の一部分の空間を取るため、LEDの装着および使用上の柔軟性に影響を与える。
【0007】
そのほかにも、異なる接続方式によって複数のLEDを配置し、交流電源を使用することが可能である。例えば中国特許公開CN101586791号公報に記載のLEDランプは、電極の向きを反対に配置した二組のLEDを並列に配列し、交流電源に接続することで、単一電流方向の半周期ごとに一組のLEDランプが発光する。また、この技術に基づいて、例えばLEDユニットをワイヤを用いて配置することによって単一LEDユニットを複数の発光区域に分割し、それぞれの発光区域を直列または並列に繋ぐことで、単一電流方向の半周期ごとに一部分の発光区域のみが発光する。この場合、一部分のLEDまたはLEDユニットの発光区域が半周期間点灯しないため、すべてのLEDまたはLEDユニットの発光区域を充分に利用することができないだけでなく、LEDの発光区域の利用効率に影響を与える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許公開第20100060181号公報
【特許文献2】中国特許公告第201043720号公報
【特許文献3】中国特許公開第101586791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の主な目的は、従来の技術の欠点および不備な点を克服するため、交流電源を直接使用し、高発光率を実現させることを可能にする発光装置を提供することにある。
【0010】
本発明のもう一つ目的は、交流電源を直接使用し、高発光率を実現させることを可能にする発光装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の目的を達成するために、交流電流を使用する発光装置は、少なくとも一つのLEDユニット、基板および交流駆動回路ユニットを備える。交流駆動回路ユニットは、基板上に形成された整流回路を有する。LEDユニットの電極は、基板上の交流駆動回路ユニットが形成されている面に接するように装着され、整流回路に電気的に接続される。交流駆動回路ユニットは交流電流を直流電流に変換させた後、LEDユニットに供給する。
【0012】
整流回路は、基板上に配置された第一ダイオード、第二ダイオード、第三ダイオードおよび第四ダイオードと、絶縁層と、第一金属層とを有する。絶縁層は基板の表面を覆い、かつそれぞれのダイオードのP極およびN極に対応する部位に接触孔を有する。第一金属層は絶縁層の表面に生成され、接触孔によってそれぞれのダイオードのP極およびN極に電気的に接続される。第一ダイオードのP極および第四ダイオードのN極は第一金属層によって基板上の第一電源接続端に接続される。第二ダイオードのP極および第三ダイオードのN極は第一金属層によって基板上の第二電源接続端に接続される。第一ダイオードおよび第二ダイオードのN極は第一金属層によって電気的に接続され、N型接続端を構成する。第三ダイオードおよび第四ダイオードのP極は第一金属層によって電気的に接続され、P型接続端を構成する。LEDユニットはP極がN型接続端に電気的に接続され、N極がP型接続端に電気的に接続される。
【0013】
P型接続端およびN型接続端はそれぞれ表面に金属ボンディングパッドを有する。二つの電源接続端は表面にボンディングパッドを有する。
【0014】
金属ボンディングパッドは表面にはんだボールを有する。LEDユニットははんだボールによって基板に電気的に接続される。
【0015】
発光装置は、LEDユニットを備える。LEDユニットは複数の独立発光区を有する。発光区はP極およびN極を有し、LEDユニット上の第二金属層によって直列または並列のどちらか一方、または直列並列混合に接続される。LEDユニットは、一端の発光区のP極が基板のN型接続端に電気的に接続され、他端の発光区のN極が基板のP型接続端に電気的に接続される。
【0016】
発光装置は、LEDユニットを備える。LEDユニットは複数の独立発光区を有する。発光区はP極およびN極を有し、基板上の第一金属層によって直列または並列のどちらか一方、または直列並列混合に接続される。LEDユニットは、一端の発光区のP極が基板のN型接続端に電気的に接続され、他端の発光区のN極が基板のP型接続端に電気的に接続される。
【0017】
発光装置は、複数の独立のLEDユニットを備える。LEDユニットはP極およびN極を有し、基板上の第一金属層によって直列または並列のどちらか一方、または直列並列混合に接続される。一端のLEDユニットのP極は基板のN型接続端に電気的に接続され、他端のLEDユニットのN極は基板のP型接続端に電気的に接続される。
【0018】
発光装置は、さらにフィルタ回路を備える。フィルタ回路は交流駆動回路ユニットの基板に形成され、かつ整流回路と交流電源との間に直列に接続される。
【0019】
フィルタ回路は、互いに並列に接続された抵抗およびコンデンサーから構成される。
【0020】
抵抗は、基板上の絶縁層の表面につづら折り形状を呈するように配置される。
【0021】
コンデンサーの構造は、第一導電層―コンデンサー絶縁層―第二導電層の三層構造である。コンデンサーは第一導電層が絶縁層上に生成され、かつ第一金属層に電気的に接続され、第二導電層が第三金属層によって第一金属層に接続される。第一金属層は電源接続端に接続される。
【0022】
基板の材料は、シリコンまたは炭化シリコンまたは絶縁体上のシリコンである。
【0023】
交流電流を使用する発光装置の製造方法は以下のステップを含む。
第1ステップでは、LEDユニットを製作する。
第2ステップでは、基板上に整流回路を形成し、基板上に二つの電源接続端を配置することによって交流駆動回路ユニットを構成する。
第3ステップでは、交流駆動回路ユニットの基板にLEDユニットを逆さに装着し、LEDユニットと整流回路とを電気的に接続する。
【0024】
第2ステップは次のステップを含む。
S1:イオン注入工程およびフォトリソグラフィーによって基板に第一ダイオード、第二ダイオード、第三ダイオードおよび第四ダイオードを製作する。
S2:基板の表面に絶縁層を生成する。
S3:ダイオードのP極およびN極に対応する絶縁層上の部位に接触孔を形成する。
S4:絶縁層の表面に第一金属層を生成する。第一金属層は接触孔によってダイオードのP極およびN極に電気的に接続される。第一ダイオードおよび第二ダイオードのN極は第一金属層によって電気的に接続され、N型接続端を構成する。第三ダイオードおよび第四ダイオードのP極は第一金属層によって電気的に接続され、P型接続端を構成する。第一ダイオードのP極および第四ダイオードのN極は第一金属層によって接続され、かつ基板上の第一電源接続端を構成する。第二ダイオードのP極および第三ダイオードのN極は第一金属層によって接続され、基板上の第二電源接続端を構成する。
【0025】
第3ステップにおいて、LEDユニットのP極はN型接続端に電気的に接続され、LEDユニットのN極はP型接続端に電気的に接続される。
【0026】
第2ステップは、さらに次のステップを含む。
S5:第一金属層のP型接続端およびN型接続端の表面に金属ボンディングパッドを生成し、電源接続端の表面にボンディングパッドを配置する。
S6:金属ボンディングパッドの表面にはんだボールを形成する。
【0027】
第3ステップにおいて、LEDユニットのP極およびN極は、N型接続端およびP型接続端に対応するはんだボールに電気的に接続される。
第2ステップと第3ステップとの間は、さらに基板上にフィルタ回路を形成するステップを含む。具体的なステップは次の通りである。
D1:絶縁層の表面に抵抗を配置する。
D2:絶縁層の表面にコンデンサーの第一導電層を生成し、第一導電層と第一金属層とを接続する。
D3:コンデンサーの第一導電層の表面にコンデンサー絶縁層を生成する。
D4:コンデンサー絶縁層の表面に第二導電層を生成する。
D5:基板の絶縁層の表面およびコンデンサーの第二導電層の表面に第三金属層を生成する。第三金属層の配線は第一金属層に接続される。第一金属層は電源接続端に接続される。
【0028】
第1ステップは、さらにLEDユニット上に複数の絶縁された発光区を配置するステップを含む。発光区はP極およびN極を有する。
【0029】
第1ステップは、さらに発光区に第二金属層を生成し、第二金属層を介して隣り合う発光区の隣り合うP極およびN極を電気的に接続することによって発光区を直列に接続するステップを含む。
【0030】
従来の技術に対し、本発明は集積回路装置または電子部品を配置する必要がなく、直接LEDユニットを交流電流に接続して使用することが可能であるため、装着空間を省き、使用上の柔軟性を高めることが可能となるだけでなく、発光区域の使用効率を向上させることが可能となる。
【0031】
従来の技術に対し、本発明による発光装置の製造方法は交流駆動回路ユニットにLEDユニットを逆さに配置するため、集積回路装置または電子部品を製品に配置する必要がないだけでなく、装着空間を省き、使用上の柔軟性を高めることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明による交流電源を使用する発光装置の構造を示す模式図である。
【図2】本発明の第1実施形態による交流電源を使用する発光装置の回路を示す模式図である。
【図3】本発明の第1実施形態による交流電源を使用する発光装置を示す断面図である。
【図4】図3に示した発光装置の基板の表面構造を示す平面図である。
【図5】本発明の第2実施形態による交流電源を使用する発光装置を示す断面図である。
【図6】図5に示した発光装置の基板の表面構造を示す平面図である。
【図7】本発明の第3実施形態による交流電源を使用する発光装置の回路を示す模式図である。
【図8】本発明の第3実施形態による交流電源を使用する発光装置を示す断面図である。
【図9】図8に示した発光装置の基板の表面構造を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明による交流電源を使用する発光装置および製造方法を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明による交流電源を使用する発光装置の構造を示す模式図である。発光装置は、LEDユニット1および交流駆動回路ユニット5を備える。交流回路駆動ユニット5は、基板2と、基板2上に形成された整流回路3とを有する。交流駆動回路ユニット5の基板2は、両端に交流電源との接続に用いる電源接続端を有する。LEDユニット1は、複数の独立する発光区101を有する。発光区101の間は直列または並列に接続される。
【0034】
(第1実施形態)
図2は、本発明の第1実施形態による交流電流を使用する発光装置の回路を示す模式図である。整流回路3は、第一ダイオード301、第二ダイオード302、第三ダイオード303および第四ダイオード304を有する。第一ダイオード301および第四ダイオード304は直列に接続され、第一支流を構成する。第二ダイオード302および第三ダイオード303は直列に接続され、第二支流を構成する。第一支流および第二支流は並列に接続され、交流を直流に変換させるブリッジ式整流回路を構成する。第一支流および第二支流は並列に接続された後、LEDユニット1のすべての発光区101に直列に接続される。第一ダイオード301と第四ダイオード304との間の接続点および第二ダイオード302と第三ダイオード303との間の接続点は、交流駆動回路ユニット5の基板2上の電源接続端との電気的接続によって外部の交流電源に接続される。
【0035】
続いて図3および図4に基づいて説明を進める。図3は本発明の第1実施形態による交流電源を直接使用することを可能にする発光装置を示す断面図である。図4は図3に示した発光装置の基板の表面構造を示す平面図である。
【0036】
LEDユニット1は二つの発光区101a、101bに分割される。発光区101はP極およびN極を有する。発光区101のN極および発光区101bのP極は隣り合い、その間が第二金属層102によって電気的に接続される。
【0037】
交流駆動回路ユニット5は、整流回路3を基板2上に形成することによって構成される。具体的に言えば、基板2上に第一ダイオード301、第二ダイオード302、第三ダイオード303および第四ダイオード304を配置し、基板2の表面に絶縁層202を被せ、それぞれのダイオードのP極およびN極に対応する絶縁層202の部位に接触孔eを形成し、絶縁層202の表面に第一金属層203を形成し、接触孔eによって第一金属層203とそれぞれのダイオードのP極およびN極とを電気的に接続する。そのうち第一ダイオード301および第二ダイオード302はP−N型ダイオードであり、そのN極は電気的に接続され、N型接続端を構成する。第三ダイオード303および第四ダイオード304はN−P型ダイオードであり、そのP極は電気的に接続され、P型接続端を構成する。第一ダイオード301のP極および第四ダイオード304のN極は、第一金属層203によって第一電源接続端208に接続される。第二ダイオード302のP極および第三ダイオード303のN極は、第一金属層203によって第二電源接続端209に接続される。P型接続端およびN型接続端はそれぞれ表面に金属ボンディングパッド204を有する。二つの電源接続端は外部にボンディングパッド206を有する。金属ボンディングパッド204は表面にはんだボール205を有する。
【0038】
LEDユニット1は、電極を基板2側に向けて交流駆動回路ユニット5上に装着される。LEDユニット1の第一発光区のP極は基板2のN型接続端に対応するはんだボール205に接続され、LEDユニット1の第二発光区のN極は基板2のP型接続端に対応するはんだボール205に接続される。
【0039】
第1実施形態による交流電源を使用する発光装置の製作方法は次の通りである。
(1)LEDユニット1に複数の絶縁された発光区101を形成する。発光区101はP極およびN極を有する。続いて電子ビーム蒸発、フォトリソグラフィーおよび腐食工程によって第二金属層102を生成し、第二金属層102を介して隣り合う発光区の隣り合うP極およびN極を電気的に接続することによって発光区を直列に接続する。第二金属層102の材質はアルミニウムまたはほかの金属である。
【0040】
(2)基板2上に整流回路3を形成することによって交流駆動回路ユニット5を構成する。具体的なステップは次の通りである。
S1:イオン注入工程およびフォトリソグラフィーによってシリコン板を材料とした基板2上に第一ダイオード301、第二ダイオード302、第三ダイオード303および第四ダイオード304を製作する。
S2:基板2の表面に絶縁層202を生成する。絶縁層202は化学気相蒸着装置によって高温条件下で高温の二酸化シリコン層を成長させることによって形成されてもよい。
S3:フォトリソグラフィーおよび腐食工程によって絶縁層202上のダイオードのP極およびN極に対応する部位に接触孔eを形成する。
S4:絶縁層202の表面に第一金属層203を形成する。第一金属層203は接触孔eによってダイオードのP極およびN極に電気的に接続される。第一金属層203はスパッタリング、フォトリソグラフィーおよび剥離工程によって形成され、材質がアルミニウムまたはほかの金属である。
S5:第一金属層203の表面に金属ボンディングパッド204を形成し、ボンディングパッド206を配置する。
S6:めっき工程によって金属ボンディングパッド204の表面にはんだボール205を生成する。はんだボール205の材料は単一金属または多層材料または合金でもよい。
【0041】
(3)交流駆動回路ユニット5の基板2上のはんだボール205にLEDユニット1を逆さに装着して接続する。逆さに装着して接続する際、加圧加熱を行い、続いて超音波によって固定および/または結合を行う方式を採用することが可能である。
【0042】
(第2実施形態)
続いて図5および図6に基づいて説明を進める。図5は、本発明の第2実施形態による発光装置を示す断面図である。図6は、図5に示した発光装置の基板の表面構造を示す平面図である。
【0043】
第2実施形態による発光装置の構造は第1実施形態の構造とほぼ同じであり、そのうちの整流回路3は同様に基板2上に形成される。第1実施形態との違いは次の通りである。発光ダイオードユニット1上の発光区101のP極およびN極は溶接方法によって基板2上のはんだボール205に逆さに装着され、接続される。つまり隣り合う二つの発光区101の隣り合うN極およびP極は基板2の表面上のそれらに対応する部位に位置するはんだボール205に接続され、基板2上の第一金属層203によって直列接続を実現させる。
【0044】
第2実施形態による発光装置の製作方法は次の通りである。
(1)LEDユニット1に複数の絶縁された発光区101を形成する。発光区101はP極およびN極を有する。
【0045】
(2)基板2上に整流回路3を形成することによって交流駆動回路ユニット5を構成する。具体的なステップは次の通りである。
S1:イオン注入工程およびフォトリソグラフィーによってシリコン板を材料とした基板2上に第一ダイオード301、第二ダイオード302、第三ダイオード303および第四ダイオード304を製作する。
S2:基板2の表面に絶縁層202を生成する。絶縁層202は化学気相蒸着装置によって高温条件下で高温の二酸化シリコン層を成長させることによって形成されてもよい。
S3:フォトリソグラフィーおよび腐食工程によって絶縁層202上のダイオードのP極およびN極に対応する部位に接触孔eを形成する。
S4:絶縁層202の表面に第一金属層203を形成する。第一金属層203は接触孔eによってダイオードのP極およびN極に電気的に接続される。第一金属層203はスパッタリング、フォトリソグラフィーおよび剥離工程によって形成され、材質がアルミニウムまたはほかの金属である。
S5:第一金属層203の表面に金属ボンディングパッド204を形成し、ボンディングパッド206を配置する。
S6:プリント技術によって金属ボンディングパッド204の表面にはんだボール205を生成する。はんだボール205の材料は鉛錫ペーストなどの材料でもよい。
【0046】
(3)基板2上のはんだボール205にLEDユニット1を逆さに装着して接続する。逆さに装着して接続する際、リフローはんだ付けを主とする固定・結合方式を採用することが可能である。
【0047】
(第3実施形態)
図7は、本発明の第3実施形態による交流電源を使用する発光装置の回路を示す模式図である。発光装置は、複数のLEDユニット103、整流回路3およびフィルタ回路4を備える。複数のLEDユニット103は互いに直列に接続される。フィルタ回路4は互いに並列に接続された抵抗401およびコンデンサー402を有する。整流回路3はブリッジ式整流回路であり、その構造は第1実施形態における整流回路の構造と同じである。フィルタ回路4は整流回路3の電源入力端に直列に接続される。複数のLEDユニット103は整流回路3の出力端に直列に接続される。
【0048】
続いて図8および図9に基づいて説明を進める。図8は、本発明の第3実施形態による交流電源を使用する発光装置を示す断面図である。図9は、図8に示した発光装置の基板の表面構造を示す平面図である。
【0049】
LEDユニット103は発光区を有する。発光区はP極およびN極を有する。
【0050】
整流回路3およびフィルタ回路4は、基板2上に形成され、交流駆動回路ユニット6を構成する。フィルタ4は整流回路3と電源接続端との間に配置される。整流回路3の集積回路の配線は第2実施形態の配線構造と同じである。フィルタ回路4の抵抗401は基板2上の絶縁層202の表面に配置され、かつ設定された抵抗値に基づいてつづら折り形状に配置され、長さを増加させることによって抵抗401の抵抗値を増大させることが可能である。抵抗401は多結晶シリコンから構成される。コンデンサー402の構造は、第一導電層―コンデンサー絶縁層―第二導電層の三層構造である。コンデンサー402の第一導電層は絶縁層202上に生成され、かつ第一金属層203に電気的に接続される。コンデンサー402の第二導電層は第三金属層207によって第一金属層203に接続される。第一金属層203は電源接続端に接続される。
【0051】
複数のLEDユニット103は、電極を基板2側に向けて溶接によって交流駆動回路ユニット6の基板2上に装着され、接続される。LEDユニット103のP極およびN極は基板2上のそれらに対応する部位に位置するはんだボール205に接続され、図7に示した発光装置の回路を構成する。
【0052】
第3実施形態による発光装置の製作方法は次の通りである。
(1)少なくとも一つのLEDユニットを製作する。LEDユニットはP極およびN極を有する。
【0053】
(2)基板2に整流回路3を形成する。具体的なステップは次の通りである。
S1:イオン注入工程およびフォトリソグラフィーによってシリコン板を材料とした基板2上に第一ダイオード301、第二ダイオード302、第三ダイオード303および第四ダイオード304を製作する。
S2:基板2の表面に絶縁層202を生成する。絶縁層202は化学気相蒸着装置によって高温条件下で高温の二酸化シリコン層を成長させることによって形成されてもよい。
S3:フォトリソグラフィーおよび腐食工程によって絶縁層202上のダイオードのP極およびN極に対応する部位に接触孔eを形成する。
S4:絶縁層202の表面に第一金属層203を形成する。第一金属層203は接触孔eによってダイオードのP極およびN極に電気的に接続される。第一金属層203はスパッタリング、フォトリソグラフィーおよび剥離工程によって形成され、材質がアルミニウムまたはほかの金属である。
S5:第一金属層203の表面に金属ボンディングパッド204を形成し、ボンディングパッド206を配置する。
S6:めっき工程によって金属ボンディングパッド204の表面にはんだボール205を生成する。はんだボール205の材料は単一金属または多層材料または合金でもよい。
【0054】
(3)基板2にフィルタ回路4を形成する。具体的なステップは次の通りである。
D1:絶縁層202の表面に抵抗401を配置する。
D2:絶縁層202の表面にコンデンサー402の第一導電層を形成し、第一導電層と基板2の第一金属層203とを接続する。
D3:コンデンサー402の第一導電層の表面にコンデンサー絶縁層を形成する。
D4:コンデンサー402のコンデンサー絶縁層の表面に第二導電層を形成する。
D5:基板2の絶縁層202の表面およびコンデンサー402の第二導電層の表面に第三金属層207を生成する。第三金属層207の配線は第一金属層203に接続される。第一金属層203は電源接続端に接続される。第三金属層207はスパッタリング、フォトリソグラフィーおよび剥離工程によって形成されてもよい。第三金属層207の材料はアルミニウムまたはほかの金属である。
【0055】
(4)基板2上のはんだボール205にLEDユニット103の電極を基板2側に向けて装着して接続する。逆さに装着して接続する際、加圧加熱を行い、続いて超音波によって固定・結合を行う方式を採用することが可能である。
【0056】
第3実施形態において、フィルタ回路4の製作はS4とS5との間に実施することが可能である。続いて整流回路3およびフィルタ回路4を基板2上に形成した後、金属ボンディングパッド204、ボンディングパッド206およびはんだボール205を配置する。
【0057】
それぞれの実施形態は、互いにユニットの製作および形成方法を交換し、使用することが可能である。本発明において、整流回路はダイオードの直列接続および並列接続することによって構成されるブリッジ式整流回路に限らず、別の構造を呈する整流回路を使用することが可能である。交流駆動回路ユニットは別の形の回路または部品から構成され、AC−DC変換機能をより安定させることが可能である。LEDユニット全体またはLEDユニットのうち一つの発光区は直列接続を採用することが可能なだけでなく、並列接続を採用するか、直列接続および並列接続を同時に採用することが可能である。
【0058】
従来の技術に対し、本発明は、基板に整流回路を形成することによって交流駆動回路ユニットを構成し、そののち交流駆動回路ユニットにLEDユニットを逆さに装着することで、集積回路ユニットまたは電子部品を配置する必要がなく、直接発光装置を交流電源に接続して使用することが可能なだけでなく、装着空間を省き、使用上の柔軟性を高めることが可能である。本発明は、基板にLEDユニットの電極を向けて装着し、接続する際、ワイヤボンディングまたは回路板接続などの方式を使用する必要がないため、信頼性を向上させることが可能である。また、単一LEDユニット上の異なる発光区域または複数のLEDユニットが交流電源に直接接続されるため、あらゆるLEDユニットまたは発光区域が適切な電圧範囲内で交流電源の二つの電流方向において、発光するため、LEDのあらゆる発光区を充分に利用し、発光区域の使用効率を向上させることが可能である。
【0059】
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 ・・・LEDユニット、
101 ・・・発光区、
2 ・・・基板、
202 ・・・絶縁層、
203 ・・・第一金属層、
3 ・・・整流回路、
5 ・・・交流駆動回路ユニット、
208 ・・・第一電源接続端、
209 ・・・第二電源接続端、
301 ・・・第一ダイオード、
302 ・・・第二ダイオード、
303 ・・・第三ダイオード、
304 ・・・第四ダイオード。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つまたは複数のLEDユニットと、
基板と、
前記基板に形成された整流回路を有する交流駆動回路ユニットと、
を備え、
前記LEDユニットの電極は前記交流駆動回路ユニットが形成されている前記基板の面に接するように装着され、前記整流回路に電気的に接続され、前記交流駆動回路ユニットは交流電流を直流電流に変換することを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記整流回路は、ブリッジ式整流回路であることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記整流回路は、基板上に配置された第一ダイオード、第二ダイオード、第三ダイオードおよび第四ダイオードと、絶縁層と、第一金属層とを有し、
前記絶縁層は前記基板の表面を覆い、かつそれぞれのダイオードのP極およびN極に対応する部位に接触孔を有し、
前記第一金属層は前記絶縁層の表面に形成され、前記接触孔によってそれぞれのダイオードのP極およびN極に電気的に接続され、
前記第一ダイオードのP極および前記第四ダイオードのN極は前記第一金属層によって前記基板上の第一電源接続端に接続され、
前記第二ダイオードのP極および前記第三ダイオードのN極は前記第一金属層によって前記基板上の第二電源接続端に接続され、
前記第一ダイオードおよび前記第二ダイオードのN極は前記第一金属層によって電気的に接続されN型接続端を構成し、
前記第三ダイオードおよび前記第四ダイオードのP極は前記第一金属層によって電気的に接続されP型接続端を構成し、
前記LEDユニットのP極がN型接続端に電気的に接続され、前記LEDユニットのN極がP型接続端に電気的に接続されることを特徴とする請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記P型接続端および前記N型接続端は、それぞれ表面に金属ボンディングパッドを有し、二つの前記電源接続端は表面にボンディングパッドを有することを特徴とする請求項3に記載の発光装置。
【請求項5】
前記金属ボンディングパッドは、表面にはんだボールを有し、前記LEDユニットは、はんだボールによって前記基板に電気的に接続されることを特徴とする請求項4に記載の発光装置。
【請求項6】
前記発光装置は、前記LEDユニットを備え、前記LEDユニットは複数の独立する発光区を有し、前記発光区はP極およびN極を有し、前記LEDユニット上の第二金属層によって直列または並列のどちらか一方、または直列並列混合に接続され、前記LEDユニットは、前記発光区の一端のP極が前記基板の前記N型接続端に電気的に接続され、前記発光区の他端のN極が前記基板の前記P型接続端に電気的に接続されることを特徴とする請求項3に記載の発光装置。
【請求項7】
前記発光装置は、前記LEDユニットを備え、前記LEDユニットは複数の独立する発光区を有し、前記発光区はP極およびN極を有し、前記基板上の前記第一金属層によって直列または並列のどちらか一方、または直列並列混合に接続され、前記LEDユニットは、発光区の一端のP極が基板の前記N型接続端に電気的に接続され、発光区の他端のN極が基板の前記P型接続端に電気的に接続されることを特徴とする請求項3に記載の発光装置。
【請求項8】
前記発光装置は、複数の独立する前記LEDユニットを備え、前記LEDユニットはP極およびN極を有し、前記基板上の前記第一金属層によって直列または並列のどちらか一方、または直列並列混合に接続され、一端の前記LEDユニットのP極は前記基板の前記N型接続端に電気的に接続され、他端の前記LEDユニットのN極は前記基板の前記P型接続端に電気的に接続されることを特徴とする請求項3に記載の発光装置。
【請求項9】
前記発光装置は、さらにフィルタ回路を備え、前記フィルタ回路は前記交流駆動回路ユニットの前記基板に形成され、かつ前記整流回路と交流電源との間に直列に接続されることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項10】
前記フィルタ回路は、互いに並列に接続された抵抗およびコンデンサーから構成されることを特徴とする請求項9に記載の発光装置。
【請求項11】
前記抵抗は、前記基板上の前記絶縁層の表面に配置されることを特徴とする請求項10に記載の発光装置。
【請求項12】
前記抵抗は、前記基板上の前記絶縁層の表面につづら折り形状を呈するように配置されることを特徴とする請求項11に記載の発光装置。
【請求項13】
前記コンデンサーの構造は、第一導電層―コンデンサー絶縁層―第二導電層の三層構造であり、前記コンデンサーの前記第一導電層は前記絶縁層上に形成され、かつ前記第一金属層に電気的に接続され、前記第二導電層は第三金属層によって前記第一金属層に接続され、前記第一金属層は前記電源接続端に接続されることを特徴とする請求項10から請求項12のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項14】
前記基板の材料は、シリコンまたは炭化シリコンまたは絶縁体上のシリコンであることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項15】
LEDユニットを製作する第1ステップと、
基板上に整流回路を形成し、前記基板上に二つの電源接続端を配置することによって交流駆動回路ユニットを構成する第2ステップと、
前記LEDユニットの電極を前記交流駆動回路ユニットが形成されている前記基板の面に接するように装着し、前記LEDユニットと前記整流回路とを電気的に接続する第3ステップと、
を含むことを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項16】
前記第2ステップは、
イオン注入工程およびフォトリソグラフィーによって前記基板に第一ダイオード、第二ダイオード、第三ダイオードおよび第四ダイオードを製作するステップと、
前記基板の表面に絶縁層を形成するステップと、
ダイオードのP極およびN極に対応する前記絶縁層上の部位に接触孔を形成するステップと、
絶縁層の表面に第一金属層を形成し、前記接触孔によって前記第一金属層とダイオードのP極およびN極とを電気的に接続し、そのうち前記第一ダイオードおよび前記第二ダイオードのN極は前記第一金属層によって電気的に接続され、N型接続端を構成し、前記第三ダイオードおよび前記第四ダイオードのP極は前記第一金属層によって電気的に接続され、P型接続端を構成し、前記第一ダイオードのP極および前記第四ダイオードのN極は前記第一金属層によって接続され、かつ前記基板上に第一電源接続端を構成し、前記第二ダイオードのP極および前記第三ダイオードのN極は前記第一金属層によって接続され、かつ前記基板上に第二電源接続端を構成するステップと、を含み、
前記第3ステップは、前記LEDユニットのP極と前記N型接続端とを電気的に接続し、前記LEDユニットのN極と前記P型接続端とを電気的に接続するステップを含むことを特徴とする請求項15に記載の発光装置の製造方法。
【請求項17】
前記第2ステップは、
前記第一金属層の前記P型接続端および前記N型接続端の表面に金属ボンディングパッドを形成し、前記電源接続端の表面にボンディングパッドを配置するステップと、
前記金属ボンディングパッドの表面にはんだボールを形成するステップと、をさらに含み、
前記第3ステップは、前記LEDユニットのP極およびN極と、前記N型接続端および前記P型接続端に対応するはんだボールとを電気的に接続するステップを含むことを特徴とする請求項16に記載の発光装置の製造方法
【請求項18】
前記第2ステップと前記第3ステップとの間には、さらに前記基板上にフィルタ回路を形成するステップを含み、
前記フィルタ回路を形成するステップは、
絶縁層の表面に抵抗を配置するステップと、
絶縁層の表面にコンデンサーの第一導電層を形成し、前記第一導電層と前記基板の前記第一金属層とを接続するステップと、
前記コンデンサーの前記第一導電層の表面にコンデンサー絶縁層を形成するステップと、
前記コンデンサーの前記コンデンサー絶縁層の表面に第二導電層を形成するステップと、
前記基板の前記絶縁層の表面および前記コンデンサーの前記第二導電層の表面に第三金属層を形成し、第三金属層の配線と前記第一金属層とを接続し、そのうち前記第一金属層は前記電源接続端に接続されるステップを含むことを特徴とする請求項15に記載の発光装置の製造方法。
【請求項19】
前記第1ステップは、さらに前記LEDユニット上に複数の絶縁された発光区を形成し、前記発光区ごとにP極およびN極を形成するステップを含むことを特徴とする請求項15から請求項18のいずれか一項に記載の発光装置の製造方法。
【請求項20】
前記第1ステップは、さらに前記発光区に第二金属層を生成し、前記第二金属層を介して前記発光区のP極およびN極を電気的に接続することによって前記発光区を直列または並列のどちらか一方、または直列並列混合に接続するステップを含むことを特徴とする請求項19に記載の発光装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−249755(P2011−249755A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−230330(P2010−230330)
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【出願人】(510272470)晶科▲電▼子(▲広▼州)有限公司 (1)
【Fターム(参考)】