発光装置およびその製造方法
【課題】安定した特性の半導体発光装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】第1主面5a、第1主面5aの反対側の第2主面5b及び第1主面5aと第2主面5bとをつなぐ第3主面5cを有し、発光層を含む半導体層5と、半導体層5の第2主面5bに設けられた第1電極部14及び第2電極部15と、半導体層5の第2主面5b及び第3主面5cを覆う第1絶縁膜13と、第1電極部14及び第2電極部15のうちの少なくとも第2電極部15の上に積層され、近接する第3主面5cを覆う第1絶縁膜13cの延長上まで延在した金属層40と、を備える。
【解決手段】第1主面5a、第1主面5aの反対側の第2主面5b及び第1主面5aと第2主面5bとをつなぐ第3主面5cを有し、発光層を含む半導体層5と、半導体層5の第2主面5bに設けられた第1電極部14及び第2電極部15と、半導体層5の第2主面5b及び第3主面5cを覆う第1絶縁膜13と、第1電極部14及び第2電極部15のうちの少なくとも第2電極部15の上に積層され、近接する第3主面5cを覆う第1絶縁膜13cの延長上まで延在した金属層40と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、発光装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光装置の用途は、照明装置、画像表示装置のバックライト光源、及びディスプレイ装置などに拡大している。
近年では、発光装置の小型化の要求がますます強まっている。また、量産性を高めるため、発光層を含む半導体層を基板上で結晶成長させ、レーザ光の照射によって半導体層から基板を剥離し、複数個に分割する製造方法が考えられている。
【0003】
しかしながら、半導体層と、この半導体層に設けた電極部と、のコンタクト抵抗について、さらなる低抵抗化が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−128625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、コンタクト抵抗の低抵抗化を図り、高効率な発光装置及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態によれば、第1主面、前記第1主面の反対側の第2主面及び前記第1主面と前記第2主面とをつなぐ第3主面を有し、発光層を含む半導体層と、前記半導体層の前記第2主面に設けられた第1電極部及び第2電極部と、前記半導体層の前記第2主面及び前記第3主面を覆う第1絶縁膜と、前記第1電極部及び前記第2電極部のうちの少なくとも前記第2電極部の上に積層され、近接する前記第3主面を覆う前記第1絶縁膜の延長上まで延在した金属層と、を備えたことを特徴とする発光装置が提供される。
【0007】
また、他の実施形態によれば、基板の第1主面上に、発光層を含む半導体層を形成する工程と、前記半導体層の少なくとも上面及び側面を第1絶縁膜で覆う工程と、前記半導体層と導通する第1電極部及び第2電極部を形成する工程と、前記第1電極部及び前記第2電極部のうちの少なくとも前記第2電極部の上に積層された金属層であって、近接する前記側面を覆う前記第1絶縁膜の延長上まで延在する金属層を形成する工程と、前記第1絶縁膜を第2絶縁膜で覆う工程と、前記基板の前記第1主面とは反対側の第2主面の側から前記半導体層にレーザ光を照射して、前記基板を前記半導体層から剥離するとともに、前記第1絶縁膜を介して前記レーザ光を前記金属層に照射し、前記金属層を加熱する工程と、を備え、前記第1絶縁膜のバンドギャップエネルギーが、前記レーザ光のエネルギーよりも大きいことを特徴とする発光装置の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態に係る発光装置を例示する模式断面図である。
【図2】各種金属材料のフルエンス閾値を例示する図である。
【図3】図1における要部の拡大断面図である。
【図4】第2の実施形態に係る発光装置の製造方法を説明するフローチャートである。
【図5】第2の実施形態に係る発光装置の製造方法を順に説明する模式断面図である。
【図6】第2の実施形態に係る発光装置の製造方法を順に説明する模式断面図である。
【図7】第2の実施形態に係る発光装置の製造方法を順に説明する模式断面図である。
【図8】第2の実施形態に係る発光装置の製造方法を順に説明する模式断面図である。
【図9】第2の実施形態に係る発光装置の製造方法を順に説明する模式断面図である。
【図10】第2の実施形態に係る発光装置の製造方法を順に説明する模式断面図である。
【図11】第2の実施形態に係る発光装置の製造方法を順に説明する模式断面図である。
【図12】第2の実施形態に係る発光装置の製造方法を順に説明する模式断面図である。
【図13】第2の実施形態に係る発光装置を例示する模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図に基づき説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比係数などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比係数が異なって表される場合もある。
また、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る発光装置を例示する模式断面図である。
本実施形態に係る発光装置110は、第1主面5a、第1主面5aの反対側の第2主面5b及び第1主面5aと第2主面5bとをつなぐ第3主面5cを有し、発光層を含む半導体層5と、半導体層5の第2主面5bに設けられた第1電極部14及び第2電極部15と、半導体層5の第2主面5b及び第3主面5cを覆う第1絶縁膜13と、第1電極部14及び第2電極部15のうちの少なくとも第2電極部15の上に積層され、近接する第3主面5cを覆う第1絶縁膜13(13c)の延長上まで延在した金属層40と、を備える。
【0011】
半導体層5は、発光層を含み、基板を支持体として形成され、形成後にレーザ光照射によって基板が剥離(レーザリフトオフ)されたものである。半導体層5の第3主面5cは、第1主面5aと第2主面5bとをつなぐ面である。第3主面5cは、第1主面5aまたは第2主面5bと垂直に設けられている場合のほか、斜めに設けられている場合も含まれる。
【0012】
第3主面5cを覆う第1絶縁膜13cは、上記のレーザ光を透過させる。このため、第1絶縁膜13cの厚さ(第3主面5cに垂直な方向に沿った厚さ)tは、上記のレーザ光の波長以上に設けられている。
【0013】
レーザ光としては、例えば、ArFレーザ(波長:193nm)、KrFレーザ(波長:248nm)、XeClレーザ(波長:308nm)、XeFレーザ(波長:353nm)が用いられる。したがって、第1絶縁膜13cの厚さtは、上記のレーザ光の波長以上に形成される。
【0014】
図1に例示した発光装置110では、金属層40が第1電極部14及び第2電極部15の両方に対応して設けられている。金属層40は、第1電極部14及び第2電極部15のそれぞれの表面に沿って設けられている。
【0015】
また、金属層40のうち、第1電極部14に対応した金属層40(A)は、近接する第3主面5cを覆う第1絶縁膜13c(A)の第3主面5cに沿った延長上まで延在して設けられている。
また、金属層40のうち、第2電極部15に対応した金属層40(B)は、近接する第3主面5cを覆う第1絶縁膜13c(B)の第3主面5cに沿った延長上まで延在して設けられている。
【0016】
このような発光装置110によれば、レーザリフトオフの際に照射するレーザ光が、第3主面5cを覆う第1絶縁膜13cを透過して、金属層40に照射される。レーザ光が照射された金属層40は、レーザ光のエネルギーによって加熱される。金属層40の加熱によって、第1電極部14及び第2電極部15が加熱される。さらに、半導体層5における第1電極部14及び第2電極部15との接触部分がそれぞれ加熱される。この加熱によって半導体層5のバルク抵抗、半導体層5と第1電極部14及び第2電極部15とのコンタクト抵抗が低減することになる。
【0017】
ここで、金属層40としては、第1絶縁膜13cを透過したレーザ光の照射によって溶融が生じる材質が適用される。つまり、照射するレーザ光のフルエンスよりも、溶融が生じるフルエンス閾値の方が低い材質を用いる。ここで、フルエンスとは、レーザ光の単位面積あたりのエネルギー量のことをいう。
例えば、池田氏ほか、「中部レーザ応用技術研究会,第41回研究会論文,各種金属材料のエキシマレーザ加工法,平成13年2月23日」によると、各種金属材料のフルエンス閾値は、図2に表したようになる。図2に例示した数値は、KrFレーザを照射した際の金属表面の溶融が生じるフルエンス閾値(J/cm2)である。
したがって、例えば、レーザ光のフルエンスが1.0J/cm2であるとすると、これ以下のフルエンス閾値を有する金属(例えば、Mg、Al、Ti、Fe、Ni、Cu、Zn、Zr、Ag)のうちいずれかを含む材料が適用される。これらのうち、例えば、Al、Tiが製造上の観点からより好ましい。
【0018】
金属層40は、第1電極部14及び第2電極部15の表面に、それぞれ接している。例えば、金属層40は、第1電極部14及び第2電極部15の表面に、それぞれ直接接している。なお、金属層40は、第1電極部14及び第2電極部15の表面に、中間層(図示せず)を介してそれぞれ接していてもよい。すなわち、加熱された金属層40から第1電極部14及び第2電極部15へ、それぞれ熱が伝わるようになっていればよい。
【0019】
さらに、金属層40は、延出して設けられた部分で第1絶縁膜13cと接している。すなわち、第1電極部14に対応して設けられた金属層40(A)では、延出している部分が、第1電極部14側の第3主面5cを覆う第1絶縁膜13c(A)と接している。
また、第2電極部15に対応して設けられた金属層40(B)では、延出している部分が、第1電極部15側の第3主面5cを覆う第1絶縁膜13c(B)と接している。
なお、金属層40は、中間層(図示せず)を介して第1絶縁膜13cと接していてもよい。すなわち、第1絶縁膜13cを透過したレーザ光が、金属層40に照射されるようになっていればよい。
【0020】
本実施形態に係る発光装置110は、ウェーハ状態で一括して形成される。半導体層5は、第1の半導体層11と第2の半導体層12とを有する。第1の半導体層11は、例えばn形のGaN層であり、電流の横方向経路として機能する。ただし、第1の半導体層11の導電型はn形に限らず、p形であってもよい。
【0021】
発光装置110では、第1の半導体層11の第1主面11a(半導体層の第1主面5c)から主として光が外部へと放出される。第2の半導体層12は、第1の半導体層11における第1主面11aの反対側の第2主面11bに設けられている。
【0022】
第2の半導体層12は、発光層(活性層)を含む複数の半導体層の積層構造を有する。その構造の一例を図3に示す。なお、図3は図1と上下が逆になっている。
【0023】
第1の半導体層11の第2主面11b上に、n形のGaN層31が設けられている。GaN層31上に、発光層33が設けられている。発光層33は、例えばInGaNを含む多重量子井戸構造を有する。発光層33上に、p形のGaN層34が設けられている。
【0024】
図1に表したように、第1の半導体層11の第2主面11b側には、凸部と凹部が設けられている。第2の半導体層12は凸部の表面に設けられている。したがって、凸部は、第1の半導体層11と第2の半導体層12との積層構造を含む。
【0025】
凹部の底面は第1の半導体層11の第2主面11bであり、その凹部の第2主面11bに、第1電極部14としてn側電極が設けられている。
【0026】
第2の半導体層12において第1の半導体層11と接する面の反対面には、第2電極部15としてp側電極が設けられている。
【0027】
第1の半導体層11の第2主面11bは、例えば酸化シリコンによる第1絶縁膜13で覆われている。第1絶縁膜13は、半導体層5を基板上に形成し、形成後にこの基板を剥離する際に照射するレーザ光のエネルギーよりも大きいバンドギャップエネルギーを有する材料である。第1電極部14及び第2電極部15は、第1絶縁膜13から露出している。第1電極部14と第2電極部15とは、第1絶縁膜13によって絶縁され、互いに電気的に独立した電極となっている。また、第1絶縁膜13は、第2の半導体層12を含む凸部の側面も覆っている。
【0028】
金属層40は、第1電極部14及び第2電極部15のそれぞれを覆うように設けられている。そして、第1絶縁膜13、金属層40(A)の一部および金属層40(B)の一部を覆うように、第2主面11b側に第2絶縁膜16が設けられている。
第2絶縁膜16及び半導体層5は、半導体層5を基板上に形成し、形成後にこの基板を剥離する際に照射するレーザ光のエネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーを有する材料である。
または、第2絶縁膜16及び半導体層5は、上記のレーザ光を吸収する材料である。
第2絶縁膜16は、例えば、酸化シリコン、窒化シリコンあるいはポリイミド等の樹脂である。
【0029】
第2絶縁膜16において、第1の半導体層11及び第2の半導体層12に対する反対側の面は平坦化され、その面に第1配線17としてのn側配線と、第2配線18としてのp側配線が設けられている。
【0030】
第1配線17は、金属層40(A)に達して第2絶縁膜16に形成された開口16a内にも設けられ、金属層40(A)及び第1電極部14と電気的に接続されている。なお、第1配線17と金属層40(A)との間に、中間膜(図示せず)が設けられていてもよい。第2配線18は、金属層40(B)に達して第2絶縁膜16に形成された開口16b内にも設けられ、金属層40(B)及び第2電極部15と電気的に接続されている。なお、第2配線18と金属層40(B)との間に、中間膜(図示せず)が設けられていてもよい。
【0031】
第1電極部14、第2電極部15、第1配線17および第2配線18は、いずれも第1の半導体層11の第2主面11b側に設けられ、発光層に電流を供給するための配線層を構成する。
【0032】
第1配線17において第1電極部14に対する反対側の面には、第1金属ピラー19としてn側金属ピラーが設けられている。第2配線18において第2電極部15に対する反対側の面には、第2金属ピラー20としてp側金属ピラーが設けられている。第1金属ピラー19の周囲、第2金属ピラー20の周囲、第1配線17および第2配線18は、樹脂(第3絶縁膜)26で覆われている。
【0033】
第1の半導体層11は、第1電極部14及び第1配線17を介して第1金属ピラー19と電気的に接続されている。第2の半導体層12は、第2電極部15及び第2配線18を介して第2金属ピラー20と電気的に接続されている。第1金属ピラー19及び第2金属ピラー20における樹脂26から露出する下端面には、例えばはんだボール、金属バンプなどの外部端子25が設けられ、その外部端子25を介して、発光装置110は外部回路と電気的に接続される。
【0034】
第1金属ピラー19の厚み(図1において上下方向の厚み)は、半導体層5、第1電極部14、第2電極部15、第1絶縁膜13、16、第1配線17および第2配線18を含む積層体の厚みよりも厚い。同様に、第2金属ピラー20の厚みも、上記積層体の厚みよりも厚い。この条件を満足すれば、各金属ピラー19、20のアスペクト比(平面サイズに対する厚みの比)は1以上であることに限らず、その比は1よりも小さくてもよい。すなわち、金属ピラー19、20の平面サイズよりも厚みが小さくてもよい。
【0035】
本実施形態の構造によれば、半導体層5が薄くても、第1金属ピラー19、第2金属ピラー20および樹脂26を厚くすることで機械的強度が保たれる。また、発光装置110を回路基板等に実装した場合に、外部端子25を介して半導体層5に加わる応力が第1金属ピラー19と第2金属ピラー20によって吸収される。よって、半導体層5に加わる応力が緩和される。第1金属ピラー19及び第2金属ピラー20を補強する役目をする樹脂26は、回路基板等と熱膨張率が同じもしくは近いものを用いるのが望ましい。そのような樹脂26としては、例えばエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂が適用される。また、樹脂26は、例えば黒色に着色されており、外部への光漏れ、外部からの不要光の入射を防止している。
【0036】
また、第1配線17、第2配線18、第1金属ピラー19、第2金属ピラー20の材料としては、銅、金、ニッケル、銀などが用いられる。これらのうち、良好な熱伝導性、高いマイグレーション耐性及び絶縁膜との優れた密着性を備えた銅がより好ましい。
【0037】
発光装置110の光放出面には、必要に応じて蛍光体層27が設けられている。例えば、発光層によって青色の光を放出する場合、そのまま青色光を放射する場合には蛍光体層27は不要である。一方、白色等、発光光とは異なる波長の光を放出する場合には、発光光の波長を吸収し、放出光の波長へと変換する蛍光体を含む蛍光体層27を設ける。
【0038】
また、発光装置110の光放出面には、必要に応じてレンズ(図示せず)が設けられていてもよい。レンズの形状には、凸型、凹型、非球面など、種々の形態が適用される。また、レンズの個数や配置も、適宜設けられる。
【0039】
本実施形態に係る発光装置110によれば、レーザリフトオフの際に照射するレーザ光によって金属層40が加熱され、レーザリフトオフと同時に、半導体層5のバルク抵抗、半導体層5と第1電極部14及び第2電極部15とのコンタクト抵抗の低減が達成される。これにより、高効率な発光装置110が得られる。
【0040】
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態に係る発光装置の製造方法を説明するフローチャートである。
図4に表したように、本実施形態に係る発光装置の製造方法は、基板上に半導体層を形成する工程(ステップS110)、第1絶縁膜を形成する工程(ステップS120)、第1電極及び第2電極を形成する工程(ステップS130)、金属層を形成する工程(ステップS140)、第2絶縁膜を形成する工程(ステップS150)及び基板を剥離する工程(ステップS160)、を備える。
【0041】
ステップS110では、基板の第1主面上に、発光層(活性層)を含む半導体層5を形成する。
ステップS120では、基板上に形成された半導体層5の少なくとも上面(第2主面5b)及び側面(第3主面5c)を第1絶縁膜13で覆う。
ステップS130では、半導体層5と導通する第1電極部14及び第2電極部15を形成する。
ステップS140では、第1電極部14及び第2電極部15のうちの少なくとも第2電極部15の上に積層された金属層であって、近接する側面(第3主面5c)を覆う第1絶縁膜13cの延長上まで延在する金属層40を形成する。
ステップS150では、第1絶縁膜13を第2絶縁膜16で覆う。
ステップS160では、基板の第1主面とは反対側の第2主面の側から半導体層5にレーザ光を照射して、基板を半導体層5から剥離する。
【0042】
本実施形態において、第1絶縁層13のバンドギャップエネルギーが、レーザ光のエネルギーよりも大きくなっている。このような製造方法によって、基板を半導体層5から剥離するレーザリフトオフとともに、その際に照射するレーザ光によって金属層40を加熱し、半導体層5のバルク抵抗、半導体層5と第1電極部14及び第2電極部15とのコンタクト抵抗の低減を図る。
【0043】
次に、図5〜図12を参照して、具体的な発光装置の製造方法について説明する。
図5は、ウェーハ状態での実施形態に係る発光装置の製造方法を示す模式平面図である。
図6〜図12は、発光装置の製造方法を順に説明する模式断面図である。
【0044】
まず、図6(a)に表したように、基板10の第1主面10a上に第1の半導体層11を形成する。第1の半導体層11において基板10側の面が第1主面11aに対応する。次に、基板10において第1主面11aの反対側の第2主面11b上に、第2の半導体層12を形成する。例えば、発光層が、窒化物系半導体の場合、第1の半導体層11及び第2の半導体層12の積層体(半導体層5)は、サファイア基板上に結晶成長させることができる。一例として、第1の半導体層11及び第2の半導体層12には、窒化ガリウム(GaN)が用いられている。
【0045】
次に、例えば図示しないレジストを用いたRIE(Reactive Ion Etching)法で、第2の半導体層12及び第1の半導体層11の一部を選択的に除去する。これにより、図6(b)に表したように、第1の半導体層11の第2主面11b側に凹部及び凸部が形成される。第2の半導体層12及び第1の半導体層11の一部が除去された部分が凹部となり、発光層を含む第2の半導体層12が残された部分が凸部となる。凹部の底部には、第1の半導体層11の第2主面11bが露出する。
【0046】
また、半導体層5を貫通し、基板10に達する溝8を形成する。溝8は、半導体層5を基板10上で複数に分離する。溝8は、図5に表したように、例えばウェーハ面内で格子状に形成される。これにより、個々の半導体層5が、溝8に囲まれた状態になる。
【0047】
次に、図6(c)に表したように、第1の半導体層11の第2主面11b、第2の半導体層12の全面、及び溝8の内面を、第1絶縁膜13で覆う。第1絶縁膜13は、例えばCVD(chemical vapor deposition)法で形成される。また、第1絶縁膜13には、例えば酸化シリコン(SiO2)が適用される。これにより、第1絶縁膜13は、半導体層5の少なくとも上面(第2主面5b)及び側面(第3主面5c)を覆う状態になる。
【0048】
本実施形態では、第1絶縁膜13の形成にあたり、半導体層5の側面(第3主面5c)を覆う第1絶縁膜13cの厚さt(第3主面5cに垂直な方向に沿った厚さ)を、基板10の剥離を行う際に用いるレーザ光の波長以上に形成する。
レーザ光としては、例えば、ArFレーザ(波長:193nm)、KrFレーザ(波長:248nm)、XeClレーザ(波長:308nm)、XeFレーザ(波長:353nm)が用いられる。第1絶縁膜13cの厚さtは、上記のレーザ光の波長以上に形成される。
【0049】
次に、第1絶縁膜13を選択的に開口し、図7(a)に表したように、凸部の第2の半導体層12上にp側電極(第2電極)15を、凹部における第1の半導体層11の第2主面11b上にn側電極(第1電極)14を形成する。
【0050】
また、第1絶縁膜13の開口とともに、溝8の底部に形成された第1絶縁膜13を除去しておく。第1絶縁膜13は、例えば、フッ酸溶液を用いてエッチングにより選択的に除去される。溝8の底部における第1絶縁膜13は、基板10の第1主面10aが露出するまで除去される。
【0051】
次に、図7(b)に表したように、第1電極部14上に金属層40(A)を形成する。また、第2電極部15上に金属層40(B)を形成する。すなわち、一旦、全面に金属層40を形成した後、第1電極部14及び第2電極部15と対応する部分のみ残すようにエッチングする。金属層40(A)は、第1電極部14の上に積層され、近接する側面5cを覆う第1絶縁膜13c(A)の側面5cに沿った延長上まで延在するよう形成される。また、金属層40は、第2電極部15の表面に沿って形成され、近接する側面5cを覆う第1絶縁膜13c(B)の側面5cに沿った延長上まで延在するよう形成される。
【0052】
次に、図7(c)に表したように、金属層40(A)及び金属層40(B)の一部、並びに第1絶縁膜13を覆う第2絶縁膜16を形成する。また、第2絶縁膜16は溝8内に埋め込まれる。第2絶縁膜16には、例えばポリイミドが用いられる。
【0053】
第2絶縁膜16を形成した後、例えばフッ酸溶液を用いて、図7(c)に表したように、第1電極部14に達する開口16aと、第2電極部15に達する開口16bと、を第2絶縁膜16に形成する。
【0054】
次に、第2絶縁膜16の上面、開口16a、16bの内壁(側面及び底面)に、図示しないシード金属を形成し、さらに図示しないめっきレジストを形成した後、シード金属を電流経路としたCuめっきを行う。シード金属は、例えばCuを含む。
【0055】
これにより、図8(a)に表したように、第2絶縁膜16の上面(第1の半導体層11及び第2の半導体層12に対する反対側の面)に、選択的に第1配線17と第2配線18が形成される。第1配線17は、開口16a内にも形成され、金属層40(A)と接続される。第2配線18は、開口16b内にも形成され、金属層40(B)と接続される。
【0056】
次に、第1配線17及び第2配線18のめっきに使っためっきレジストを薬液で除去した後、今度は金属ピラー形成用の別のめっきレジストを形成し、前述したシード金属を電流経路とした電解めっきを行う。これにより、図8(b)に表したように、第1配線17の上方に第1金属ピラー19が形成され、第2配線18の上方に第2金属ピラー20が形成される。
【0057】
その後、金属ピラー形成用のめっきレジストを薬液で除去し、さらにシード金属の露出している部分を除去する。これにより、第1配線17と第2配線18とのシード金属を介した電気的接続が分断される。
【0058】
次に、図9(a)に表したように、第1配線17、第2配線18、第1金属ピラー19、第2金属ピラー20および第2絶縁膜16を、樹脂(第3絶縁膜)26で覆う。樹脂26は、半導体層5、第1金属ピラー19及び第2金属ピラー20の補強の役目を果たす。樹脂26としては、例えばエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂が適用される。また、樹脂26は、例えば黒色に着色されており、外部への光漏れ、外部からの不要光の入射を防止している。
【0059】
次に、図9(b)〜図10に表したように、レーザリフトオフ法(Laser Lift Off, LLO)を施し、基板10を半導体層5から剥離する。なお、図9(b)〜図10では、図9(a)に示す構造体の上下を反転させた状態が示されている。
【0060】
レーザ光LSRとしては、例えば、ArFレーザ(波長:193nm)、KrFレーザ(波長:248nm)、XeClレーザ(波長:308nm)、XeFレーザ(波長:353nm)が用いられる。
【0061】
レーザ光LSRは、基板10の第2主面(第1主面10aの反対側)10bから半導体層5に向けて照射される。レーザ光LSRは、基板10を透過し、半導体層5の下面(第2主面5c)にまで到達する。ここで、第2絶縁膜(窒化シリコン、樹脂のいずれの場合も)16及び半導体層5は、レーザ光LSRを吸収する。または、第2絶縁膜16のバンドギャップエネルギー及び半導体層5のバンドギャップエネルギーは、レーザ光LSRのエネルギーよりも小さい。これにより、基板10を透過したレーザ光LSRは、半導体層5及び第2絶縁膜16で吸収される。この際、基板10と半導体層5との界面では、レーザ光LSRの吸収によって、半導体層5中のGaN成分が、例えば、以下の反応式のごとく熱分解する。
GaN→Ga+(1/2)N2↑
その結果、図10に表したように、基板10が半導体層5から剥がれる。
【0062】
また、本実施形態では、予め、基板10と接する第1絶縁膜13の部分を除去している(図7(a)参照)。したがって、レーザリフトオフによって基板10を半導体層5から剥がす際、基板10側に第1絶縁膜13が付着せず、容易に基板10が剥がれるようになる。特に、第1絶縁膜13の厚さが厚い場合、この部分での基板10の密着力が強くなることから、予めこの部分の第1絶縁膜13を除去しておくことで、基板10を容易に剥離できるようになる。
【0063】
また、第1絶縁膜13のバンドギャップエネルギーは、レーザ光LSRのエネルギーよりも大きい。これにより、レーザリフトオフの際、照射されたレーザ光LSRは、半導体層5の側面(第3主面5c)を覆う第1絶縁膜13cに侵入し、透過して、金属層40にまで達する。
図11は、金属層の部分を拡大した模式断面図である。
図11では、第2電極部15側の第1絶縁膜13c及び金属層40(B)の部分を拡大している。
【0064】
先に説明したように、第1絶縁膜13のバンドギャップエネルギーは、レーザ光LSRのエネルギーよりも大きい。また、第1絶縁膜13cの厚さtは、レーザ光LSRの波長以上に形成されている。これにより、レーザ光LSRは、半導体層5の側面5cを覆う第1絶縁膜13cの下面(第2主面5b)側の端面から侵入し、第1絶縁膜13cの内部を透過していく。
【0065】
第1絶縁膜13cを透過したレーザ光LSRは、側面(第3主面5c)に沿った第1絶縁膜13cの延長上まで延出している金属層40(B)に照射される。金属層40(B)は、レーザ光LSRの照射によって加熱される。この熱は、金属層40(B)を溶融し、第1電極部15及び第1電極部15と接する第2の半導体層12の界面を加熱する。加熱された第1電極部15及び第2の半導体層12は活性化され、第2の半導体層12のバルク抵抗及び第1電極部15とのコンタクト抵抗が低減する。
【0066】
図11では、第2電極部15側の第1絶縁膜13c及び金属層40(B)の部分について例示したが、第1電極部14側の第1絶縁膜13c及び金属層40(A)の部分についても同様である。
【0067】
その後、図12に表したように、樹脂26の表面を研削して第1金属ピラー19及び第2金属ピラー20の端面を露出させる。そして、その露出面に、必要に応じて、はんだボール、金属バンプなどの外部端子25を設ける。これにより、発光装置110が完成する。
【0068】
このような製造方法では、ウェーハレベルで発光装置110を組み立てるために、発光装置110のサイズをベアチップサイズに近く小型化したCSP(Chip Size Package)の提供が容易となる。また、ウェーハレベルで組み立てた後、ダイシング法により個片化して発光装置110を完成させてもよい。切断の方法としては、ダイヤモンドブレード等を用いた機械切削、レーザ照射による切断、高圧水による切断、などの手段が用いられる。
【0069】
このような発光装置110の製造方法によれば、レーザリフトオフの際に照射するレーザ光によって、レーザリフトオフと同時に金属層40が加熱され、半導体層5のバルク抵抗、半導体層5と第1電極部14及び第2電極部15とのコンタクト抵抗の低減が達成されることになる。
【0070】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る発光装置について説明する。
図13は、第3の実施形態に係る発光装置を例示する模式断面図である。
図13に表したように、第3の実施形態に係る発光装置120では、金属層40が第2電極部15だけに対応して設けられている。
【0071】
すなわち、金属層40は、第2電極部15の上に積層され、第2電極部15に近接する第3主面5cを覆う第1絶縁膜13c(B)の第3主面5cに沿った延長上まで延在して設けられている。一方、第1電極部14の表面には、第1配線17が直接形成されている。
【0072】
このような発光装置120では、レーザリフトオフの際に照射するレーザ光が、第3主面5cを覆う第1絶縁膜13cを透過して、金属層40に照射される。レーザ光が照射された金属層40は、レーザ光のエネルギーによって加熱される。金属層40の加熱によって、第2電極部15が加熱される。さらに、第2の半導体層12における第2電極部15との接触部分が加熱される。この加熱によって第2の半導体層12のバルク抵抗、第2の半導体層12と第2電極部15とのコンタクト抵抗が低減することになる。
【0073】
ここで、第2の半導体層12には、例えばp形のGaN層を有する。p形のGaN層には、例えばMgがドーピングされている。金属層40の加熱によって第2の半導体層12が加熱され、ドーピングされたMgが活性化される。これにより、第2の半導体層12のバルク抵抗の低減、及び第2の半導体層12と第2電極部15とのコンタクト抵抗の低減が達成される。
【0074】
以上説明したように、本実施形態によれば、レーザリフトオフを適用した発光装置110及び120において、レーザリフトオフの際に照射するレーザ光によって金属層40が加熱され、レーザリフトオフと同時に、半導体層5のバルク抵抗、半導体層5と導通する電極部のコンタクト抵抗の低減が達成される。これにより、高効率な発光装置110及び120が提供される。
【0075】
以上、具体例を参照しつつ実施形態について説明した。しかし、実施形態は、それらに限定されるものではない。例えば、前述の各実施形態またはその変形例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、各実施形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含有される。また、基板、半導体層、電極、配線、金属ピラー、絶縁膜、樹脂の材料、サイズ、形状、レイアウトなどに関して当業者が各種設計変更を行ったものであっても、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0076】
10…基板、5…半導体層、5a…第1主面、5b…第2主面、5c…第3主面、8…溝、11…第1の半導体層、12…第2の半導体層、13…第1絶縁膜、16…第2絶縁膜、14…第1電極部、15…第2電極部、17…第1配線、18…第2配線、19…第1金属ピラー、20…第2金属ピラー、26…樹脂、33…発光層
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、発光装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光装置の用途は、照明装置、画像表示装置のバックライト光源、及びディスプレイ装置などに拡大している。
近年では、発光装置の小型化の要求がますます強まっている。また、量産性を高めるため、発光層を含む半導体層を基板上で結晶成長させ、レーザ光の照射によって半導体層から基板を剥離し、複数個に分割する製造方法が考えられている。
【0003】
しかしながら、半導体層と、この半導体層に設けた電極部と、のコンタクト抵抗について、さらなる低抵抗化が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−128625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、コンタクト抵抗の低抵抗化を図り、高効率な発光装置及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態によれば、第1主面、前記第1主面の反対側の第2主面及び前記第1主面と前記第2主面とをつなぐ第3主面を有し、発光層を含む半導体層と、前記半導体層の前記第2主面に設けられた第1電極部及び第2電極部と、前記半導体層の前記第2主面及び前記第3主面を覆う第1絶縁膜と、前記第1電極部及び前記第2電極部のうちの少なくとも前記第2電極部の上に積層され、近接する前記第3主面を覆う前記第1絶縁膜の延長上まで延在した金属層と、を備えたことを特徴とする発光装置が提供される。
【0007】
また、他の実施形態によれば、基板の第1主面上に、発光層を含む半導体層を形成する工程と、前記半導体層の少なくとも上面及び側面を第1絶縁膜で覆う工程と、前記半導体層と導通する第1電極部及び第2電極部を形成する工程と、前記第1電極部及び前記第2電極部のうちの少なくとも前記第2電極部の上に積層された金属層であって、近接する前記側面を覆う前記第1絶縁膜の延長上まで延在する金属層を形成する工程と、前記第1絶縁膜を第2絶縁膜で覆う工程と、前記基板の前記第1主面とは反対側の第2主面の側から前記半導体層にレーザ光を照射して、前記基板を前記半導体層から剥離するとともに、前記第1絶縁膜を介して前記レーザ光を前記金属層に照射し、前記金属層を加熱する工程と、を備え、前記第1絶縁膜のバンドギャップエネルギーが、前記レーザ光のエネルギーよりも大きいことを特徴とする発光装置の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態に係る発光装置を例示する模式断面図である。
【図2】各種金属材料のフルエンス閾値を例示する図である。
【図3】図1における要部の拡大断面図である。
【図4】第2の実施形態に係る発光装置の製造方法を説明するフローチャートである。
【図5】第2の実施形態に係る発光装置の製造方法を順に説明する模式断面図である。
【図6】第2の実施形態に係る発光装置の製造方法を順に説明する模式断面図である。
【図7】第2の実施形態に係る発光装置の製造方法を順に説明する模式断面図である。
【図8】第2の実施形態に係る発光装置の製造方法を順に説明する模式断面図である。
【図9】第2の実施形態に係る発光装置の製造方法を順に説明する模式断面図である。
【図10】第2の実施形態に係る発光装置の製造方法を順に説明する模式断面図である。
【図11】第2の実施形態に係る発光装置の製造方法を順に説明する模式断面図である。
【図12】第2の実施形態に係る発光装置の製造方法を順に説明する模式断面図である。
【図13】第2の実施形態に係る発光装置を例示する模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図に基づき説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比係数などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比係数が異なって表される場合もある。
また、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る発光装置を例示する模式断面図である。
本実施形態に係る発光装置110は、第1主面5a、第1主面5aの反対側の第2主面5b及び第1主面5aと第2主面5bとをつなぐ第3主面5cを有し、発光層を含む半導体層5と、半導体層5の第2主面5bに設けられた第1電極部14及び第2電極部15と、半導体層5の第2主面5b及び第3主面5cを覆う第1絶縁膜13と、第1電極部14及び第2電極部15のうちの少なくとも第2電極部15の上に積層され、近接する第3主面5cを覆う第1絶縁膜13(13c)の延長上まで延在した金属層40と、を備える。
【0011】
半導体層5は、発光層を含み、基板を支持体として形成され、形成後にレーザ光照射によって基板が剥離(レーザリフトオフ)されたものである。半導体層5の第3主面5cは、第1主面5aと第2主面5bとをつなぐ面である。第3主面5cは、第1主面5aまたは第2主面5bと垂直に設けられている場合のほか、斜めに設けられている場合も含まれる。
【0012】
第3主面5cを覆う第1絶縁膜13cは、上記のレーザ光を透過させる。このため、第1絶縁膜13cの厚さ(第3主面5cに垂直な方向に沿った厚さ)tは、上記のレーザ光の波長以上に設けられている。
【0013】
レーザ光としては、例えば、ArFレーザ(波長:193nm)、KrFレーザ(波長:248nm)、XeClレーザ(波長:308nm)、XeFレーザ(波長:353nm)が用いられる。したがって、第1絶縁膜13cの厚さtは、上記のレーザ光の波長以上に形成される。
【0014】
図1に例示した発光装置110では、金属層40が第1電極部14及び第2電極部15の両方に対応して設けられている。金属層40は、第1電極部14及び第2電極部15のそれぞれの表面に沿って設けられている。
【0015】
また、金属層40のうち、第1電極部14に対応した金属層40(A)は、近接する第3主面5cを覆う第1絶縁膜13c(A)の第3主面5cに沿った延長上まで延在して設けられている。
また、金属層40のうち、第2電極部15に対応した金属層40(B)は、近接する第3主面5cを覆う第1絶縁膜13c(B)の第3主面5cに沿った延長上まで延在して設けられている。
【0016】
このような発光装置110によれば、レーザリフトオフの際に照射するレーザ光が、第3主面5cを覆う第1絶縁膜13cを透過して、金属層40に照射される。レーザ光が照射された金属層40は、レーザ光のエネルギーによって加熱される。金属層40の加熱によって、第1電極部14及び第2電極部15が加熱される。さらに、半導体層5における第1電極部14及び第2電極部15との接触部分がそれぞれ加熱される。この加熱によって半導体層5のバルク抵抗、半導体層5と第1電極部14及び第2電極部15とのコンタクト抵抗が低減することになる。
【0017】
ここで、金属層40としては、第1絶縁膜13cを透過したレーザ光の照射によって溶融が生じる材質が適用される。つまり、照射するレーザ光のフルエンスよりも、溶融が生じるフルエンス閾値の方が低い材質を用いる。ここで、フルエンスとは、レーザ光の単位面積あたりのエネルギー量のことをいう。
例えば、池田氏ほか、「中部レーザ応用技術研究会,第41回研究会論文,各種金属材料のエキシマレーザ加工法,平成13年2月23日」によると、各種金属材料のフルエンス閾値は、図2に表したようになる。図2に例示した数値は、KrFレーザを照射した際の金属表面の溶融が生じるフルエンス閾値(J/cm2)である。
したがって、例えば、レーザ光のフルエンスが1.0J/cm2であるとすると、これ以下のフルエンス閾値を有する金属(例えば、Mg、Al、Ti、Fe、Ni、Cu、Zn、Zr、Ag)のうちいずれかを含む材料が適用される。これらのうち、例えば、Al、Tiが製造上の観点からより好ましい。
【0018】
金属層40は、第1電極部14及び第2電極部15の表面に、それぞれ接している。例えば、金属層40は、第1電極部14及び第2電極部15の表面に、それぞれ直接接している。なお、金属層40は、第1電極部14及び第2電極部15の表面に、中間層(図示せず)を介してそれぞれ接していてもよい。すなわち、加熱された金属層40から第1電極部14及び第2電極部15へ、それぞれ熱が伝わるようになっていればよい。
【0019】
さらに、金属層40は、延出して設けられた部分で第1絶縁膜13cと接している。すなわち、第1電極部14に対応して設けられた金属層40(A)では、延出している部分が、第1電極部14側の第3主面5cを覆う第1絶縁膜13c(A)と接している。
また、第2電極部15に対応して設けられた金属層40(B)では、延出している部分が、第1電極部15側の第3主面5cを覆う第1絶縁膜13c(B)と接している。
なお、金属層40は、中間層(図示せず)を介して第1絶縁膜13cと接していてもよい。すなわち、第1絶縁膜13cを透過したレーザ光が、金属層40に照射されるようになっていればよい。
【0020】
本実施形態に係る発光装置110は、ウェーハ状態で一括して形成される。半導体層5は、第1の半導体層11と第2の半導体層12とを有する。第1の半導体層11は、例えばn形のGaN層であり、電流の横方向経路として機能する。ただし、第1の半導体層11の導電型はn形に限らず、p形であってもよい。
【0021】
発光装置110では、第1の半導体層11の第1主面11a(半導体層の第1主面5c)から主として光が外部へと放出される。第2の半導体層12は、第1の半導体層11における第1主面11aの反対側の第2主面11bに設けられている。
【0022】
第2の半導体層12は、発光層(活性層)を含む複数の半導体層の積層構造を有する。その構造の一例を図3に示す。なお、図3は図1と上下が逆になっている。
【0023】
第1の半導体層11の第2主面11b上に、n形のGaN層31が設けられている。GaN層31上に、発光層33が設けられている。発光層33は、例えばInGaNを含む多重量子井戸構造を有する。発光層33上に、p形のGaN層34が設けられている。
【0024】
図1に表したように、第1の半導体層11の第2主面11b側には、凸部と凹部が設けられている。第2の半導体層12は凸部の表面に設けられている。したがって、凸部は、第1の半導体層11と第2の半導体層12との積層構造を含む。
【0025】
凹部の底面は第1の半導体層11の第2主面11bであり、その凹部の第2主面11bに、第1電極部14としてn側電極が設けられている。
【0026】
第2の半導体層12において第1の半導体層11と接する面の反対面には、第2電極部15としてp側電極が設けられている。
【0027】
第1の半導体層11の第2主面11bは、例えば酸化シリコンによる第1絶縁膜13で覆われている。第1絶縁膜13は、半導体層5を基板上に形成し、形成後にこの基板を剥離する際に照射するレーザ光のエネルギーよりも大きいバンドギャップエネルギーを有する材料である。第1電極部14及び第2電極部15は、第1絶縁膜13から露出している。第1電極部14と第2電極部15とは、第1絶縁膜13によって絶縁され、互いに電気的に独立した電極となっている。また、第1絶縁膜13は、第2の半導体層12を含む凸部の側面も覆っている。
【0028】
金属層40は、第1電極部14及び第2電極部15のそれぞれを覆うように設けられている。そして、第1絶縁膜13、金属層40(A)の一部および金属層40(B)の一部を覆うように、第2主面11b側に第2絶縁膜16が設けられている。
第2絶縁膜16及び半導体層5は、半導体層5を基板上に形成し、形成後にこの基板を剥離する際に照射するレーザ光のエネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーを有する材料である。
または、第2絶縁膜16及び半導体層5は、上記のレーザ光を吸収する材料である。
第2絶縁膜16は、例えば、酸化シリコン、窒化シリコンあるいはポリイミド等の樹脂である。
【0029】
第2絶縁膜16において、第1の半導体層11及び第2の半導体層12に対する反対側の面は平坦化され、その面に第1配線17としてのn側配線と、第2配線18としてのp側配線が設けられている。
【0030】
第1配線17は、金属層40(A)に達して第2絶縁膜16に形成された開口16a内にも設けられ、金属層40(A)及び第1電極部14と電気的に接続されている。なお、第1配線17と金属層40(A)との間に、中間膜(図示せず)が設けられていてもよい。第2配線18は、金属層40(B)に達して第2絶縁膜16に形成された開口16b内にも設けられ、金属層40(B)及び第2電極部15と電気的に接続されている。なお、第2配線18と金属層40(B)との間に、中間膜(図示せず)が設けられていてもよい。
【0031】
第1電極部14、第2電極部15、第1配線17および第2配線18は、いずれも第1の半導体層11の第2主面11b側に設けられ、発光層に電流を供給するための配線層を構成する。
【0032】
第1配線17において第1電極部14に対する反対側の面には、第1金属ピラー19としてn側金属ピラーが設けられている。第2配線18において第2電極部15に対する反対側の面には、第2金属ピラー20としてp側金属ピラーが設けられている。第1金属ピラー19の周囲、第2金属ピラー20の周囲、第1配線17および第2配線18は、樹脂(第3絶縁膜)26で覆われている。
【0033】
第1の半導体層11は、第1電極部14及び第1配線17を介して第1金属ピラー19と電気的に接続されている。第2の半導体層12は、第2電極部15及び第2配線18を介して第2金属ピラー20と電気的に接続されている。第1金属ピラー19及び第2金属ピラー20における樹脂26から露出する下端面には、例えばはんだボール、金属バンプなどの外部端子25が設けられ、その外部端子25を介して、発光装置110は外部回路と電気的に接続される。
【0034】
第1金属ピラー19の厚み(図1において上下方向の厚み)は、半導体層5、第1電極部14、第2電極部15、第1絶縁膜13、16、第1配線17および第2配線18を含む積層体の厚みよりも厚い。同様に、第2金属ピラー20の厚みも、上記積層体の厚みよりも厚い。この条件を満足すれば、各金属ピラー19、20のアスペクト比(平面サイズに対する厚みの比)は1以上であることに限らず、その比は1よりも小さくてもよい。すなわち、金属ピラー19、20の平面サイズよりも厚みが小さくてもよい。
【0035】
本実施形態の構造によれば、半導体層5が薄くても、第1金属ピラー19、第2金属ピラー20および樹脂26を厚くすることで機械的強度が保たれる。また、発光装置110を回路基板等に実装した場合に、外部端子25を介して半導体層5に加わる応力が第1金属ピラー19と第2金属ピラー20によって吸収される。よって、半導体層5に加わる応力が緩和される。第1金属ピラー19及び第2金属ピラー20を補強する役目をする樹脂26は、回路基板等と熱膨張率が同じもしくは近いものを用いるのが望ましい。そのような樹脂26としては、例えばエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂が適用される。また、樹脂26は、例えば黒色に着色されており、外部への光漏れ、外部からの不要光の入射を防止している。
【0036】
また、第1配線17、第2配線18、第1金属ピラー19、第2金属ピラー20の材料としては、銅、金、ニッケル、銀などが用いられる。これらのうち、良好な熱伝導性、高いマイグレーション耐性及び絶縁膜との優れた密着性を備えた銅がより好ましい。
【0037】
発光装置110の光放出面には、必要に応じて蛍光体層27が設けられている。例えば、発光層によって青色の光を放出する場合、そのまま青色光を放射する場合には蛍光体層27は不要である。一方、白色等、発光光とは異なる波長の光を放出する場合には、発光光の波長を吸収し、放出光の波長へと変換する蛍光体を含む蛍光体層27を設ける。
【0038】
また、発光装置110の光放出面には、必要に応じてレンズ(図示せず)が設けられていてもよい。レンズの形状には、凸型、凹型、非球面など、種々の形態が適用される。また、レンズの個数や配置も、適宜設けられる。
【0039】
本実施形態に係る発光装置110によれば、レーザリフトオフの際に照射するレーザ光によって金属層40が加熱され、レーザリフトオフと同時に、半導体層5のバルク抵抗、半導体層5と第1電極部14及び第2電極部15とのコンタクト抵抗の低減が達成される。これにより、高効率な発光装置110が得られる。
【0040】
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態に係る発光装置の製造方法を説明するフローチャートである。
図4に表したように、本実施形態に係る発光装置の製造方法は、基板上に半導体層を形成する工程(ステップS110)、第1絶縁膜を形成する工程(ステップS120)、第1電極及び第2電極を形成する工程(ステップS130)、金属層を形成する工程(ステップS140)、第2絶縁膜を形成する工程(ステップS150)及び基板を剥離する工程(ステップS160)、を備える。
【0041】
ステップS110では、基板の第1主面上に、発光層(活性層)を含む半導体層5を形成する。
ステップS120では、基板上に形成された半導体層5の少なくとも上面(第2主面5b)及び側面(第3主面5c)を第1絶縁膜13で覆う。
ステップS130では、半導体層5と導通する第1電極部14及び第2電極部15を形成する。
ステップS140では、第1電極部14及び第2電極部15のうちの少なくとも第2電極部15の上に積層された金属層であって、近接する側面(第3主面5c)を覆う第1絶縁膜13cの延長上まで延在する金属層40を形成する。
ステップS150では、第1絶縁膜13を第2絶縁膜16で覆う。
ステップS160では、基板の第1主面とは反対側の第2主面の側から半導体層5にレーザ光を照射して、基板を半導体層5から剥離する。
【0042】
本実施形態において、第1絶縁層13のバンドギャップエネルギーが、レーザ光のエネルギーよりも大きくなっている。このような製造方法によって、基板を半導体層5から剥離するレーザリフトオフとともに、その際に照射するレーザ光によって金属層40を加熱し、半導体層5のバルク抵抗、半導体層5と第1電極部14及び第2電極部15とのコンタクト抵抗の低減を図る。
【0043】
次に、図5〜図12を参照して、具体的な発光装置の製造方法について説明する。
図5は、ウェーハ状態での実施形態に係る発光装置の製造方法を示す模式平面図である。
図6〜図12は、発光装置の製造方法を順に説明する模式断面図である。
【0044】
まず、図6(a)に表したように、基板10の第1主面10a上に第1の半導体層11を形成する。第1の半導体層11において基板10側の面が第1主面11aに対応する。次に、基板10において第1主面11aの反対側の第2主面11b上に、第2の半導体層12を形成する。例えば、発光層が、窒化物系半導体の場合、第1の半導体層11及び第2の半導体層12の積層体(半導体層5)は、サファイア基板上に結晶成長させることができる。一例として、第1の半導体層11及び第2の半導体層12には、窒化ガリウム(GaN)が用いられている。
【0045】
次に、例えば図示しないレジストを用いたRIE(Reactive Ion Etching)法で、第2の半導体層12及び第1の半導体層11の一部を選択的に除去する。これにより、図6(b)に表したように、第1の半導体層11の第2主面11b側に凹部及び凸部が形成される。第2の半導体層12及び第1の半導体層11の一部が除去された部分が凹部となり、発光層を含む第2の半導体層12が残された部分が凸部となる。凹部の底部には、第1の半導体層11の第2主面11bが露出する。
【0046】
また、半導体層5を貫通し、基板10に達する溝8を形成する。溝8は、半導体層5を基板10上で複数に分離する。溝8は、図5に表したように、例えばウェーハ面内で格子状に形成される。これにより、個々の半導体層5が、溝8に囲まれた状態になる。
【0047】
次に、図6(c)に表したように、第1の半導体層11の第2主面11b、第2の半導体層12の全面、及び溝8の内面を、第1絶縁膜13で覆う。第1絶縁膜13は、例えばCVD(chemical vapor deposition)法で形成される。また、第1絶縁膜13には、例えば酸化シリコン(SiO2)が適用される。これにより、第1絶縁膜13は、半導体層5の少なくとも上面(第2主面5b)及び側面(第3主面5c)を覆う状態になる。
【0048】
本実施形態では、第1絶縁膜13の形成にあたり、半導体層5の側面(第3主面5c)を覆う第1絶縁膜13cの厚さt(第3主面5cに垂直な方向に沿った厚さ)を、基板10の剥離を行う際に用いるレーザ光の波長以上に形成する。
レーザ光としては、例えば、ArFレーザ(波長:193nm)、KrFレーザ(波長:248nm)、XeClレーザ(波長:308nm)、XeFレーザ(波長:353nm)が用いられる。第1絶縁膜13cの厚さtは、上記のレーザ光の波長以上に形成される。
【0049】
次に、第1絶縁膜13を選択的に開口し、図7(a)に表したように、凸部の第2の半導体層12上にp側電極(第2電極)15を、凹部における第1の半導体層11の第2主面11b上にn側電極(第1電極)14を形成する。
【0050】
また、第1絶縁膜13の開口とともに、溝8の底部に形成された第1絶縁膜13を除去しておく。第1絶縁膜13は、例えば、フッ酸溶液を用いてエッチングにより選択的に除去される。溝8の底部における第1絶縁膜13は、基板10の第1主面10aが露出するまで除去される。
【0051】
次に、図7(b)に表したように、第1電極部14上に金属層40(A)を形成する。また、第2電極部15上に金属層40(B)を形成する。すなわち、一旦、全面に金属層40を形成した後、第1電極部14及び第2電極部15と対応する部分のみ残すようにエッチングする。金属層40(A)は、第1電極部14の上に積層され、近接する側面5cを覆う第1絶縁膜13c(A)の側面5cに沿った延長上まで延在するよう形成される。また、金属層40は、第2電極部15の表面に沿って形成され、近接する側面5cを覆う第1絶縁膜13c(B)の側面5cに沿った延長上まで延在するよう形成される。
【0052】
次に、図7(c)に表したように、金属層40(A)及び金属層40(B)の一部、並びに第1絶縁膜13を覆う第2絶縁膜16を形成する。また、第2絶縁膜16は溝8内に埋め込まれる。第2絶縁膜16には、例えばポリイミドが用いられる。
【0053】
第2絶縁膜16を形成した後、例えばフッ酸溶液を用いて、図7(c)に表したように、第1電極部14に達する開口16aと、第2電極部15に達する開口16bと、を第2絶縁膜16に形成する。
【0054】
次に、第2絶縁膜16の上面、開口16a、16bの内壁(側面及び底面)に、図示しないシード金属を形成し、さらに図示しないめっきレジストを形成した後、シード金属を電流経路としたCuめっきを行う。シード金属は、例えばCuを含む。
【0055】
これにより、図8(a)に表したように、第2絶縁膜16の上面(第1の半導体層11及び第2の半導体層12に対する反対側の面)に、選択的に第1配線17と第2配線18が形成される。第1配線17は、開口16a内にも形成され、金属層40(A)と接続される。第2配線18は、開口16b内にも形成され、金属層40(B)と接続される。
【0056】
次に、第1配線17及び第2配線18のめっきに使っためっきレジストを薬液で除去した後、今度は金属ピラー形成用の別のめっきレジストを形成し、前述したシード金属を電流経路とした電解めっきを行う。これにより、図8(b)に表したように、第1配線17の上方に第1金属ピラー19が形成され、第2配線18の上方に第2金属ピラー20が形成される。
【0057】
その後、金属ピラー形成用のめっきレジストを薬液で除去し、さらにシード金属の露出している部分を除去する。これにより、第1配線17と第2配線18とのシード金属を介した電気的接続が分断される。
【0058】
次に、図9(a)に表したように、第1配線17、第2配線18、第1金属ピラー19、第2金属ピラー20および第2絶縁膜16を、樹脂(第3絶縁膜)26で覆う。樹脂26は、半導体層5、第1金属ピラー19及び第2金属ピラー20の補強の役目を果たす。樹脂26としては、例えばエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂が適用される。また、樹脂26は、例えば黒色に着色されており、外部への光漏れ、外部からの不要光の入射を防止している。
【0059】
次に、図9(b)〜図10に表したように、レーザリフトオフ法(Laser Lift Off, LLO)を施し、基板10を半導体層5から剥離する。なお、図9(b)〜図10では、図9(a)に示す構造体の上下を反転させた状態が示されている。
【0060】
レーザ光LSRとしては、例えば、ArFレーザ(波長:193nm)、KrFレーザ(波長:248nm)、XeClレーザ(波長:308nm)、XeFレーザ(波長:353nm)が用いられる。
【0061】
レーザ光LSRは、基板10の第2主面(第1主面10aの反対側)10bから半導体層5に向けて照射される。レーザ光LSRは、基板10を透過し、半導体層5の下面(第2主面5c)にまで到達する。ここで、第2絶縁膜(窒化シリコン、樹脂のいずれの場合も)16及び半導体層5は、レーザ光LSRを吸収する。または、第2絶縁膜16のバンドギャップエネルギー及び半導体層5のバンドギャップエネルギーは、レーザ光LSRのエネルギーよりも小さい。これにより、基板10を透過したレーザ光LSRは、半導体層5及び第2絶縁膜16で吸収される。この際、基板10と半導体層5との界面では、レーザ光LSRの吸収によって、半導体層5中のGaN成分が、例えば、以下の反応式のごとく熱分解する。
GaN→Ga+(1/2)N2↑
その結果、図10に表したように、基板10が半導体層5から剥がれる。
【0062】
また、本実施形態では、予め、基板10と接する第1絶縁膜13の部分を除去している(図7(a)参照)。したがって、レーザリフトオフによって基板10を半導体層5から剥がす際、基板10側に第1絶縁膜13が付着せず、容易に基板10が剥がれるようになる。特に、第1絶縁膜13の厚さが厚い場合、この部分での基板10の密着力が強くなることから、予めこの部分の第1絶縁膜13を除去しておくことで、基板10を容易に剥離できるようになる。
【0063】
また、第1絶縁膜13のバンドギャップエネルギーは、レーザ光LSRのエネルギーよりも大きい。これにより、レーザリフトオフの際、照射されたレーザ光LSRは、半導体層5の側面(第3主面5c)を覆う第1絶縁膜13cに侵入し、透過して、金属層40にまで達する。
図11は、金属層の部分を拡大した模式断面図である。
図11では、第2電極部15側の第1絶縁膜13c及び金属層40(B)の部分を拡大している。
【0064】
先に説明したように、第1絶縁膜13のバンドギャップエネルギーは、レーザ光LSRのエネルギーよりも大きい。また、第1絶縁膜13cの厚さtは、レーザ光LSRの波長以上に形成されている。これにより、レーザ光LSRは、半導体層5の側面5cを覆う第1絶縁膜13cの下面(第2主面5b)側の端面から侵入し、第1絶縁膜13cの内部を透過していく。
【0065】
第1絶縁膜13cを透過したレーザ光LSRは、側面(第3主面5c)に沿った第1絶縁膜13cの延長上まで延出している金属層40(B)に照射される。金属層40(B)は、レーザ光LSRの照射によって加熱される。この熱は、金属層40(B)を溶融し、第1電極部15及び第1電極部15と接する第2の半導体層12の界面を加熱する。加熱された第1電極部15及び第2の半導体層12は活性化され、第2の半導体層12のバルク抵抗及び第1電極部15とのコンタクト抵抗が低減する。
【0066】
図11では、第2電極部15側の第1絶縁膜13c及び金属層40(B)の部分について例示したが、第1電極部14側の第1絶縁膜13c及び金属層40(A)の部分についても同様である。
【0067】
その後、図12に表したように、樹脂26の表面を研削して第1金属ピラー19及び第2金属ピラー20の端面を露出させる。そして、その露出面に、必要に応じて、はんだボール、金属バンプなどの外部端子25を設ける。これにより、発光装置110が完成する。
【0068】
このような製造方法では、ウェーハレベルで発光装置110を組み立てるために、発光装置110のサイズをベアチップサイズに近く小型化したCSP(Chip Size Package)の提供が容易となる。また、ウェーハレベルで組み立てた後、ダイシング法により個片化して発光装置110を完成させてもよい。切断の方法としては、ダイヤモンドブレード等を用いた機械切削、レーザ照射による切断、高圧水による切断、などの手段が用いられる。
【0069】
このような発光装置110の製造方法によれば、レーザリフトオフの際に照射するレーザ光によって、レーザリフトオフと同時に金属層40が加熱され、半導体層5のバルク抵抗、半導体層5と第1電極部14及び第2電極部15とのコンタクト抵抗の低減が達成されることになる。
【0070】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る発光装置について説明する。
図13は、第3の実施形態に係る発光装置を例示する模式断面図である。
図13に表したように、第3の実施形態に係る発光装置120では、金属層40が第2電極部15だけに対応して設けられている。
【0071】
すなわち、金属層40は、第2電極部15の上に積層され、第2電極部15に近接する第3主面5cを覆う第1絶縁膜13c(B)の第3主面5cに沿った延長上まで延在して設けられている。一方、第1電極部14の表面には、第1配線17が直接形成されている。
【0072】
このような発光装置120では、レーザリフトオフの際に照射するレーザ光が、第3主面5cを覆う第1絶縁膜13cを透過して、金属層40に照射される。レーザ光が照射された金属層40は、レーザ光のエネルギーによって加熱される。金属層40の加熱によって、第2電極部15が加熱される。さらに、第2の半導体層12における第2電極部15との接触部分が加熱される。この加熱によって第2の半導体層12のバルク抵抗、第2の半導体層12と第2電極部15とのコンタクト抵抗が低減することになる。
【0073】
ここで、第2の半導体層12には、例えばp形のGaN層を有する。p形のGaN層には、例えばMgがドーピングされている。金属層40の加熱によって第2の半導体層12が加熱され、ドーピングされたMgが活性化される。これにより、第2の半導体層12のバルク抵抗の低減、及び第2の半導体層12と第2電極部15とのコンタクト抵抗の低減が達成される。
【0074】
以上説明したように、本実施形態によれば、レーザリフトオフを適用した発光装置110及び120において、レーザリフトオフの際に照射するレーザ光によって金属層40が加熱され、レーザリフトオフと同時に、半導体層5のバルク抵抗、半導体層5と導通する電極部のコンタクト抵抗の低減が達成される。これにより、高効率な発光装置110及び120が提供される。
【0075】
以上、具体例を参照しつつ実施形態について説明した。しかし、実施形態は、それらに限定されるものではない。例えば、前述の各実施形態またはその変形例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、各実施形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含有される。また、基板、半導体層、電極、配線、金属ピラー、絶縁膜、樹脂の材料、サイズ、形状、レイアウトなどに関して当業者が各種設計変更を行ったものであっても、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0076】
10…基板、5…半導体層、5a…第1主面、5b…第2主面、5c…第3主面、8…溝、11…第1の半導体層、12…第2の半導体層、13…第1絶縁膜、16…第2絶縁膜、14…第1電極部、15…第2電極部、17…第1配線、18…第2配線、19…第1金属ピラー、20…第2金属ピラー、26…樹脂、33…発光層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面、前記第1主面の反対側の第2主面及び前記第1主面と前記第2主面とをつなぐ第3主面を有し、発光層を含む半導体層と、
前記半導体層の前記第2主面に設けられた第1電極部及び第2電極部と、
前記半導体層の前記第2主面及び前記第3主面を覆う第1絶縁膜と、
前記第1電極部及び前記第2電極部のうちの少なくとも前記第2電極部の上に積層され、近接する前記第3主面を覆う前記第1絶縁膜の延長上まで延在した金属層と、
を備えたことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記第3主面を覆う前記第1絶縁膜の厚さは、前記半導体層を基板上に形成し、形成後に前記基板を剥離する際に照射するレーザ光の波長以上であることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項3】
前記第1絶縁膜は、前記半導体層を基板上に形成し、形成後に前記基板を剥離する際に照射するレーザ光のエネルギーよりも大きいバンドギャップエネルギーを有する材料であることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項4】
前記第2絶縁膜及び前記半導体層は、前記半導体層を基板上に形成し、形成後に前記基板を剥離する際に照射するレーザ光のエネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーを有する材料であることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項5】
前記第2絶縁膜及び前記半導体層は、前記半導体層を基板上に形成し、形成後に前記基板を剥離する際に照射するレーザ光を吸収する材料であることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項6】
前記金属層は、Al及びTiの少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項7】
前記金属層は、前記第2電極部の表面に接していることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項8】
前記金属層は、前記近接する前記第3主面を覆う前記第1絶縁膜と接していることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項9】
前記第1絶縁膜を覆う第2絶縁膜と、
前記第2絶縁膜を貫通し、前記第1電極部と導通する第1配線と、
前記第2絶縁膜を貫通し、前記第2電極部と導通する第2配線と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項10】
前記第2絶縁膜上に設けられた第3絶縁膜と、
前記第3絶縁膜を貫通し、前記第1配線と導通する第1金属ピラーと、
前記第3絶縁膜を貫通し、前記第2配線と導通する第2金属ピラーと、
をさらに備えたことを特徴とする請求項9記載の発光装置。
【請求項11】
基板の第1主面上に、発光層を含む半導体層を形成する工程と、
前記半導体層の少なくとも上面及び側面を第1絶縁膜で覆う工程と、
前記半導体層と導通する第1電極部及び第2電極部を形成する工程と、
前記第1電極部及び前記第2電極部のうちの少なくとも前記第2電極部の上に積層された金属層であって、近接する前記側面を覆う前記第1絶縁膜の延長上まで延在する金属層を形成する工程と、
前記第1絶縁膜を第2絶縁膜で覆う工程と、
前記基板の前記第1主面とは反対側の第2主面の側から前記半導体層にレーザ光を照射して、前記基板を前記半導体層から剥離する工程と、
を備え、
前記第1絶縁膜のバンドギャップエネルギーが、前記レーザ光のエネルギーよりも大きいことを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項12】
前記側面を覆う前記第1絶縁膜の厚さは、前記レーザ光の波長以上であることを特徴とする請求項11記載の発光装置の製造方法。
【請求項13】
前記第2絶縁膜のバンドギャップエネルギー及び前記半導体層のバンドギャップエネルギーが、前記レーザ光のエネルギーよりも小さいことを特徴とする請求項11記載の発光装置の製造方法。
【請求項14】
前記第2絶縁膜及び前記半導体層は、前記レーザ光を吸収することを特徴とする請求項11記載の発光装置の製造方法。
【請求項15】
前記金属層は、Al及びTiの少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項11記載の発光装置の製造方法。
【請求項16】
前記金属層を、前記第2電極部の表面に接するように形成することを特徴とする請求項11記載の発光装置の製造方法。
【請求項17】
前記金属層を、前記近接する前記側面を覆う前記第1絶縁膜と接するように形成することを特徴とする請求項11記載の発光装置の製造方法。
【請求項18】
前記第1絶縁膜を形成した後、前記レーザ光を照射する前に、前記基板と接する前記第1絶縁膜の部分を除去することを特徴とする請求項11記載の発光装置の製造方法。
【請求項19】
前記第2絶縁膜を貫通し、前記第1電極部と導通する第1配線及び前記第2電極部と導通する第2配線を形成する工程を、さらに備えたことを特徴とする請求項11記載の発光装置の製造方法。
【請求項20】
前記第1配線と導通する第1金属ピラー及び前記第2配線と導通する第2金属ピラーを形成する工程と、
前記第1金属ピラー及び前記第2金属ピラーの周囲に第3絶縁膜を形成する工程と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項19記載の発光装置の製造方法。
【請求項1】
第1主面、前記第1主面の反対側の第2主面及び前記第1主面と前記第2主面とをつなぐ第3主面を有し、発光層を含む半導体層と、
前記半導体層の前記第2主面に設けられた第1電極部及び第2電極部と、
前記半導体層の前記第2主面及び前記第3主面を覆う第1絶縁膜と、
前記第1電極部及び前記第2電極部のうちの少なくとも前記第2電極部の上に積層され、近接する前記第3主面を覆う前記第1絶縁膜の延長上まで延在した金属層と、
を備えたことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記第3主面を覆う前記第1絶縁膜の厚さは、前記半導体層を基板上に形成し、形成後に前記基板を剥離する際に照射するレーザ光の波長以上であることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項3】
前記第1絶縁膜は、前記半導体層を基板上に形成し、形成後に前記基板を剥離する際に照射するレーザ光のエネルギーよりも大きいバンドギャップエネルギーを有する材料であることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項4】
前記第2絶縁膜及び前記半導体層は、前記半導体層を基板上に形成し、形成後に前記基板を剥離する際に照射するレーザ光のエネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーを有する材料であることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項5】
前記第2絶縁膜及び前記半導体層は、前記半導体層を基板上に形成し、形成後に前記基板を剥離する際に照射するレーザ光を吸収する材料であることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項6】
前記金属層は、Al及びTiの少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項7】
前記金属層は、前記第2電極部の表面に接していることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項8】
前記金属層は、前記近接する前記第3主面を覆う前記第1絶縁膜と接していることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項9】
前記第1絶縁膜を覆う第2絶縁膜と、
前記第2絶縁膜を貫通し、前記第1電極部と導通する第1配線と、
前記第2絶縁膜を貫通し、前記第2電極部と導通する第2配線と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項10】
前記第2絶縁膜上に設けられた第3絶縁膜と、
前記第3絶縁膜を貫通し、前記第1配線と導通する第1金属ピラーと、
前記第3絶縁膜を貫通し、前記第2配線と導通する第2金属ピラーと、
をさらに備えたことを特徴とする請求項9記載の発光装置。
【請求項11】
基板の第1主面上に、発光層を含む半導体層を形成する工程と、
前記半導体層の少なくとも上面及び側面を第1絶縁膜で覆う工程と、
前記半導体層と導通する第1電極部及び第2電極部を形成する工程と、
前記第1電極部及び前記第2電極部のうちの少なくとも前記第2電極部の上に積層された金属層であって、近接する前記側面を覆う前記第1絶縁膜の延長上まで延在する金属層を形成する工程と、
前記第1絶縁膜を第2絶縁膜で覆う工程と、
前記基板の前記第1主面とは反対側の第2主面の側から前記半導体層にレーザ光を照射して、前記基板を前記半導体層から剥離する工程と、
を備え、
前記第1絶縁膜のバンドギャップエネルギーが、前記レーザ光のエネルギーよりも大きいことを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項12】
前記側面を覆う前記第1絶縁膜の厚さは、前記レーザ光の波長以上であることを特徴とする請求項11記載の発光装置の製造方法。
【請求項13】
前記第2絶縁膜のバンドギャップエネルギー及び前記半導体層のバンドギャップエネルギーが、前記レーザ光のエネルギーよりも小さいことを特徴とする請求項11記載の発光装置の製造方法。
【請求項14】
前記第2絶縁膜及び前記半導体層は、前記レーザ光を吸収することを特徴とする請求項11記載の発光装置の製造方法。
【請求項15】
前記金属層は、Al及びTiの少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項11記載の発光装置の製造方法。
【請求項16】
前記金属層を、前記第2電極部の表面に接するように形成することを特徴とする請求項11記載の発光装置の製造方法。
【請求項17】
前記金属層を、前記近接する前記側面を覆う前記第1絶縁膜と接するように形成することを特徴とする請求項11記載の発光装置の製造方法。
【請求項18】
前記第1絶縁膜を形成した後、前記レーザ光を照射する前に、前記基板と接する前記第1絶縁膜の部分を除去することを特徴とする請求項11記載の発光装置の製造方法。
【請求項19】
前記第2絶縁膜を貫通し、前記第1電極部と導通する第1配線及び前記第2電極部と導通する第2配線を形成する工程を、さらに備えたことを特徴とする請求項11記載の発光装置の製造方法。
【請求項20】
前記第1配線と導通する第1金属ピラー及び前記第2配線と導通する第2金属ピラーを形成する工程と、
前記第1金属ピラー及び前記第2金属ピラーの周囲に第3絶縁膜を形成する工程と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項19記載の発光装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−253975(P2011−253975A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−127507(P2010−127507)
【出願日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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