説明

発光装置の製造方法及び発光装置

【課題】安定した特性の半導体発光装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】基板の第1主面上に、発光層を含む半導体層を結晶成長させる工程(ステップS110)と、半導体層の少なくとも上面及び側面を第1絶縁膜で覆う工程(ステップS120)と、半導体層と導通する第1電極部及び第2電極部を形成する工程(ステップS130)と、第1絶縁膜を第2絶縁膜で覆う工程(ステップS140)と、基板の第1主面とは反対側の第2主面の側から半導体層にレーザ光を照射して、基板を半導体層から剥離する工程(ステップS150)と、を備え、第1絶縁膜は、レーザ光のエネルギーよりもバンドギャップエネルギーの小さい材料であり、第2絶縁膜は、レーザ光を吸収する材料であり、半導体層のバンドギャップエネルギーは、レーザ光のエネルギーよりも小さく、第1絶縁膜のうちで半導体層の側面を覆う部分において、レーザ光は発光層の深さまで達しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、発光装置の製造方法及び発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光装置の用途は、照明装置、画像表示装置のバックライト光源、及びディスプレイ装置などに拡大している。
近年、発光装置の小型化の要求がますます強まっている。また、量産性を高めるため、発光層を含む半導体層を基板上で結晶成長させ、レーザ光の照射によって半導体層から基板を剥離し、複数個に分割する製造方法が考えられている。
【0003】
しかしながら、レーザ光の照射によって半導体層から基板を剥離する場合、このレーザ光が半導体層を被覆する絶縁膜内にも侵入し、レーザ光によるエネルギーで半導体層の側面や電極が加熱されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−128625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、安定した特性の半導体発光装置及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態によれば、基板の第1主面上に、発光層を含む半導体層を形成する工程と、前記半導体層の少なくとも上面及び側面を第1絶縁膜で覆う工程と、前記半導体層と導通する第1電極部及び第2電極部を形成する工程と、前記第1絶縁膜を第2絶縁膜で覆う工程と、前記基板の前記第1主面とは反対側の第2主面の側から前記半導体層にレーザ光を照射して、前記基板を前記半導体層から剥離する工程と、を備え、前記第1絶縁膜は、前記レーザ光のエネルギーよりもバンドギャップエネルギーの小さい材料であり、前記第2絶縁膜は、前記レーザ光を吸収する材料であり、前記半導体層のバンドギャップエネルギーは、前記レーザ光のエネルギーよりも小さく、前記第1絶縁膜のうちで前記半導体層の前記側面を覆う部分において、前記レーザ光は前記発光層の深さまで達しないことを特徴とする発光装置の製造方法が提供される。
【0007】
本実施形態によれば、基板の第1主面上に、発光層を含む半導体層を形成する工程と、前記半導体層の少なくとも上面及び側面を第1絶縁膜で覆う工程と、前記半導体層と導通する第1電極部及び第2電極部を形成する工程と、前記第1絶縁膜を第2絶縁膜で覆う工程と、前記基板の前記第1主面とは反対側の第2主面の側から前記半導体層にレーザ光を照射して、前記基板を前記半導体層から剥離する工程と、を備え、前記第2絶縁膜のバンドギャップエネルギー及び前記半導体層のバンドギャップエネルギーは、前記レーザ光のエネルギーよりも小さく、前記第1絶縁膜のうちで前記半導体層の前記側面を覆う部分において、前記レーザ光は前記発光層の深さまで達しないことを特徴とする発光装置の製造方法が提供される。
【0008】
また、他の実施形態によれば、発光層を含み、基板を支持体として形成され、形成後にレーザ光照射によって前記基板が剥離された半導体層と、前記半導体層の前記レーザ光が照射される第1主面とは反対側の第2主面に設けられた第1電極部及び第2電極部と、前記半導体層の少なくとも側面を覆う第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜を覆う第2絶縁膜と、を備え、前記第2絶縁膜及び前記半導体層は、前記レーザ光のエネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーを有し、前記第1絶縁膜のうちで前記半導体層の前記側面を覆う部分は、前記半導体層の前記第1主面側から前記側面の前記発光層の深さまで達しないよう前記レーザ光の進行を抑制することを特徴とする発光装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態に係る発光装置の製造方法を説明するフローチャートである。
【図2】ウェーハ状態での実施形態に係る発光装置の製造方法を示す模式平面図である。
【図3】第1の実施形態に係る発光装置の製造方法を順に説明する模式断面図である。
【図4】第1の実施形態に係る発光装置の製造方法を順に説明する模式断面図である。
【図5】第1の実施形態に係る発光装置の製造方法を順に説明する模式断面図である。
【図6】第1の実施形態に係る発光装置の製造方法を順に説明する模式断面図である。
【図7】第1の実施形態に係る発光装置の製造方法を順に説明する模式断面図である。
【図8】第1の実施形態に係る発光装置の製造方法を順に説明する模式断面図である。
【図9】第1の実施形態に係る発光装置の製造方法の他の例を順に説明する模式断面図である。
【図10】第1の実施形態に係る発光装置の製造方法の他の例を順に説明する模式断面図である。
【図11】第2の実施形態に係る発光装置の製造方法を順に説明する模式断面図である。
【図12】第2の実施形態に係る発光装置の製造方法を順に説明する模式断面図である。
【図13】第2の実施形態に係る発光装置の製造方法を順に説明する模式断面図である。
【図14】第3の実施形態に係る発光装置の製造方法を順に説明する模式断面図である。
【図15】第3の実施形態に係る発光装置の製造方法を順に説明する模式断面図である。
【図16】第3の実施形態に係る発光装置の製造方法を順に説明する模式断面図である。
【図17】第4の実施形態に係る発光装置を例示する模式断面図である。
【図18】図1における要部の拡大断面図である。
【図19】第5の実施形態に係る発光装置を例示する模式断面図である。
【図20】第6の実施形態に係る発光装置を例示する模式断面図である。
【図21】第7の実施形態に係る発光装置を例示する模式断面図である。
【図22】第8の実施形態に係る発光装置の製造方法を順に説明する模式断面図である。
【図23】第8の実施形態に係る発光装置の製造方法を順に説明する模式断面図である。
【図24】第8の実施形態に係る発光装置の製造方法を順に説明する模式断面図である。
【図25】第2絶縁膜の溶発について説明する模式図である。
【図26】レーザ光の照射領域について説明する模式的平面図である。
【図27】レーザ光の照射領域について説明する模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図に基づき説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比係数などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比係数が異なって表される場合もある。
また、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る発光装置の製造方法を説明するフローチャートである。
図1に表したように、本実施形態に係る発光装置の製造方法は、基板上に半導体層を形成する工程(ステップS110)、第1絶縁膜を形成する工程(ステップS120)、第1電極及び第2電極を形成する工程(ステップS130)、第2絶縁膜を形成する工程(ステップS140)及び基板を剥離する工程(ステップS150)、を備える。
【0012】
ステップS110では、基板の第1主面上に、発光層(活性層)を含む半導体層を形成する。
ステップS120では、基板上に形成された半導体層の少なくとも上面及び側面を第1絶縁膜で覆う。
ステップS130では、半導体層と導通する第1電極部及び第2電極部を形成する。
ステップS140では、第1絶縁膜を第2絶縁膜で覆う。
ステップS150では、基板の第1主面とは反対側の第2主面の側から半導体層にレーザ光を照射して、基板を半導体層から剥離する。
【0013】
このような製造方法において、本実施形態では、第2絶縁膜のバンドギャップエネルギー及び半導体層のバンドギャップエネルギーが、レーザ光のエネルギーよりも小さい。また、本実施形態では、第1絶縁膜のうちで半導体層の側面を覆う部分において、基板を剥離する際に照射されるレーザ光の進行を抑制する。すなわち、レーザ光は、半導体層の側面を覆う第1絶縁膜において、第1主面から半導体層の側面における発光層の深さまで達しない。
【0014】
半導体層の側面を覆う第1絶縁膜によって、基板を剥離する際に照射されるレーザ光の進行が抑制されることにより、半導体層の側面のレーザ光の照射による影響が抑制される。すなわち、半導体層の側面にレーザ光が照射されると、その部分が加熱され、特性の劣化を招く。本実施形態では、半導体層の側面にレーザ光が照射されないため、加熱による半導体層の劣化が防止される。特に、半導体層に含まれる発光層の劣化が防止される。よって、安定した発光特性が維持される。また、半導体層の側面へのレーザ光の照射によって、界面での第1絶縁膜の剥がれが発生する可能性もある。本実施形態では、この界面での第1絶縁膜の剥がれも抑制される。
【0015】
ここで、第1絶縁膜のうち半導体層の側面を覆う部分において、レーザ光の進行を抑制するには、次に掲げる事項のいずれかが適用される。
(1)第1の事項は、半導体層の側面を覆う第1絶縁膜における第1主面から発光層までのあいだの少なくとも一部について、側面に垂直な方向に沿った厚さを、レーザ光の波長未満の厚さにすることである。
(2)第2の事項は、第1絶縁膜のバンドギャップエネルギーを、レーザ光のエネルギーよりも小さくすることである。
これら(1)、(2)の事項のいずれかを適用すると、レーザ光は、半導体層の側面を覆う第1絶縁膜の中を進行できない、または進行しにくい状態になる。よって、基板の第1主面から、半導体層の側面における発光層の位置にまでレーザ光が到達せず、半導体層の側面への影響が抑制される。
【0016】
次に、図2〜図8を参照して、具体的な発光装置の製造方法について説明する。
図2は、ウェーハ状態での実施形態に係る発光装置の製造方法を示す模式平面図である。
図3〜図8は、発光装置の製造方法を順に説明する模式断面図である。
本具体例は、上記(1)第1の事項を適用した発光装置の製造方法である。
【0017】
まず、図3(a)に表したように、基板10の第1主面10a上に第1の半導体層11を形成する。第1の半導体層11において基板10側の面が第1の主面11aに対応する。次に、基板10において第1の主面11aの反対側の第2の主面11b上に、第2の半導体層12を形成する。例えば、発光層が、窒化物系半導体の場合、第1の半導体層11及び第2の半導体層12の積層体(半導体層5)は、サファイア基板上に結晶成長させることができる。一例として、第1の半導体層11及び第2の半導体層12には、窒化ガリウム(GaN)が用いられている。
【0018】
次に、例えば図示しないレジストを用いたRIE(Reactive Ion Etching)法で、第2の半導体層12及び第1の半導体層11の一部を選択的に除去する。これにより、図3(b)に表したように、第1の半導体層11の第2の主面11b側に凹部及び凸部が形成される。第2の半導体層12及び第1の半導体層11の一部が除去された部分が凹部となり、発光層を含む第2の半導体層12が残された部分が凸部となる。凹部の底部には、第1の半導体層11の第2の主面11bが露出する。
【0019】
また、半導体層5を貫通し、基板10に達する溝8を形成する。溝8は、半導体層5を基板10上で複数に分離する。溝8は、図2に表したように、例えばウェーハ面内で格子状に形成される。これにより、個々の半導体層5が、溝8に囲まれた状態になる。
【0020】
次に、図3(c)に表したように、第1の半導体層11の第2の主面11b、第2の半導体層12の全面、及び溝8の内面を、第1絶縁膜13で覆う。第1絶縁膜13は、例えばCVD(chemical vapor deposition)法で形成される。また、第1絶縁膜13には、例えば酸化シリコン(SiO)が適用される。これにより、第1絶縁膜13は、半導体層5の少なくとも上面5a及び側面5bを覆う状態になる。
【0021】
本実施形態では、第1絶縁膜13のうちで半導体層5の側面5bを覆う部分は、基板10の第1主面10aにまで達して設けられている。また、本実施形態では、第1絶縁膜13の形成にあたり、半導体層5の側面5bを覆う第1絶縁膜13の厚さt(側面5bに垂直な方向に沿った厚さ)を、基板10の剥離を行う際に用いるレーザ光の波長未満の厚さに形成する。
レーザ光としては、例えば、ArFレーザ(波長:193nm)、KrFレーザ(波長:248nm)、XeClレーザ(波長:308nm)、XeFレーザ(波長:353nm)が用いられる。第1絶縁膜13の厚さtは、上記のレーザ光の波長未満の厚さに形成される。
【0022】
次に、第1絶縁膜13を選択的に開口し、図4(a)に表したように、凸部の第2の半導体層12上にp側電極(第2電極)15を、凹部における第1の半導体層11の第2の主面11b上にn側電極(第1電極)14を形成する。
【0023】
次に、図4(b)に表したように、n側電極14、p側電極15および絶縁膜13を覆う第2絶縁膜16を形成する。また、第2絶縁膜16は溝8内に埋め込まれる。第2絶縁膜16には、例えば窒化シリコン、酸化シリコン、ポリイミド等の樹脂が用いられる。
【0024】
第2絶縁膜16を形成した後、例えばフッ酸溶液を用いて、図4(c)に表したように、n側電極14に達する開口16aと、p側電極15に達する開口16bと、を第2絶縁膜16に形成する。
【0025】
次に、第2絶縁膜16の上面、開口16a、16bの内壁(側面及び底面)に、図示しないシード金属を形成し、さらに図示しないめっきレジストを形成した後、シード金属を電流経路としたCuめっきを行う。シード金属は、例えばCuを含む。
【0026】
これにより、図5(a)に表したように、第2絶縁膜16の上面(第1の半導体層11及び第2の半導体層12に対する反対側の面)に、選択的にn側配線17とp側配線18が形成される。n側配線17は、開口16a内にも形成され、n側電極14と接続される。p側配線18は、開口16b内にも形成され、p側電極15と接続される。
【0027】
次に、n側配線17及びp側配線18のめっきに使っためっきレジストを薬液で除去した後、今度は金属ピラー形成用の別のめっきレジストを形成し、前述したシード金属を電流経路とした電解めっきを行う。これにより、図5(b)に表したように、n側配線17の上方にn側金属ピラー19が形成され、p側配線18の上方にp側金属ピラー20が形成される。
【0028】
その後、金属ピラー形成用のめっきレジストを薬液で除去し、さらにシード金属の露出している部分を除去する。これにより、n側配線17とp側配線18とのシード金属を介した電気的接続が分断される。
【0029】
次に、図6(a)に表したように、n側配線17、p側配線18、n側金属ピラー19、p側金属ピラー20および第2絶縁膜16を、樹脂(第3絶縁膜)26で覆う。樹脂26は、半導体層5、n側金属ピラー19及びp側金属ピラー20の補強の役目を果たす。樹脂26としては、例えばエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂が適用される。また、樹脂26は、例えば黒色に着色されており、外部への光漏れ、外部からの不要光の入射を防止している。
【0030】
次に、図6(b)〜図7に表したように、レーザリフトオフ法(Laser Lift Off, LLO)を施し、基板10を半導体層5から剥離する。なお、図6(b)〜図7では、図6(a)に示す構造体の上下を反転させた状態が示されている。
【0031】
レーザ光LSRとしては、例えば、ArFレーザ(波長:193nm)、KrFレーザ(波長:248nm)、XeClレーザ(波長:308nm)、XeFレーザ(波長:353nm)が用いられる。
【0032】
レーザ光LSRは、基板10の第2の主面(第1の主面10aの反対側)10bから半導体層5に向けて照射される。レーザ光LSRは、基板10を透過し、半導体層5の下面5cにまで到達する。ここで、第2絶縁膜(窒化シリコン、樹脂のいずれの場合も)16及び半導体層5は、レーザ光LSRを吸収する。または、第2絶縁膜16のバンドギャップエネルギー及び半導体層5のバンドギャップエネルギーは、レーザ光LSRのエネルギーよりも小さい。これにより、基板10を透過したレーザ光LSRは、半導体層5及び第2絶縁膜16で吸収される。この際、基板10と半導体層5との界面では、レーザ光LSRの吸収によって、半導体層5中のGaN成分が、例えば、以下の反応式のごとく熱分解する。
GaN→Ga+(1/2)N
その結果、図7に表したように、基板10が半導体層5から剥がれる。
【0033】
本実施形態では、半導体層5の側面5bを覆う第1絶縁膜13の厚さtが、レーザ光LSRの波長未満の厚さに形成されている。これにより、レーザ光LSRは、光の回折限界によって、半導体層5の側面5bを覆う第1絶縁膜13の下面5c側の端面から内部(第1絶縁膜13の内部)に侵入しないことになる。
【0034】
すなわち、第1絶縁膜13の厚さtが、レーザ光LSRの波長以上であると、レーザ光LSRは第1絶縁膜13に侵入する。一方、第1絶縁膜13の厚さtが、レーザ光LSRの波長未満であると、レーザ光LSRは光の回折限界によって第1絶縁膜13への侵入が急激に抑制されることになる。
【0035】
このようにレーザ光LSRの侵入が抑制されると、半導体層5、特に第2の半導体層12の発光層の劣化が防止される。これにより、安定した発光特性が維持される。また、半導体層5の側面5bと第1絶縁膜13との界面で、第1絶縁膜が剥がれることが防止される。さらには、側面5bの第1絶縁膜13と接する第2絶縁膜16についても、レーザ光LSRの照射による溶解などの影響が抑制される。これにより、信頼性の低下が抑制される。
【0036】
その後、図8に表したように、樹脂26の表面を研削してn側金属ピラー19及びp側金属ピラー20の端面を露出させる。そして、その露出面に、必要に応じて、はんだボール、金属バンプなどの外部端子25を設ける。これにより、発光装置110が完成する。
【0037】
このような製造方法では、ウェーハレベルで発光装置110を組み立てるために、発光装置110のサイズをベアチップサイズに近く小型化したCSP(Chip Size Package)の提供が容易となる。また、ウェーハレベルで組み立てた後、ダイシング法により個片化して発光装置110を完成させてもよい。切断の方法としては、ダイヤモンドブレード等を用いた機械切削、レーザ照射による切断、高圧水による切断、などの手段が用いられる。
【0038】
次に、第1の実施形態に係る発光装置の製造方法の他の例を説明する。
図9〜図10は、第1の実施形態に係る発光装置の製造方法の他の例を順に説明する模式断面図である。
本具体例は、上記(2)第2の事項を適用した発光装置の製造方法である。
すなわち、第1絶縁膜13として、レーザ光LSRのエネルギーよりも、小さいバンドギャップエネルギーを有する材料を用いる。例えば、第1絶縁膜13には、窒化物を含む材料、より具体的には、例えば窒化シリコンを含む材料が用いられる。
本例において、第1の半導体層11及び第1の半導体層12の形成から、レーザリフトオフまでの工程は、図3〜図6に示す例と同様である。
【0039】
第1絶縁膜13として、レーザ光LSRのエネルギーよりも、小さいバンドギャップエネルギーを有する材料を用いることで、半導体層5の側面5bにおける第1絶縁膜13の厚さtの制限はない。第1絶縁膜13のバンドギャップエネルギーが、レーザ光LSRのエネルギーよりも小さいと、レーザ光LSRの透過率が著しく低下する。これにより、レーザリフトオフの際に照射するレーザ光LSRの第1絶縁膜13への侵入が抑制される。
【0040】
ここで、レーザ光LSRのエネルギーは、次の式で計算される。
E=h×(c/λ)
上記式において、Eはエネルギー、hはプランク定数、cは光速、λは波長、である。
【0041】
レーザ光LSRとして、例えばKrFレーザ(波長:248nm)では、エネルギーは約5.0eVである。この場合、適用される第1絶縁膜13は、バンドギャップエネルギーが5.0eVよりも小さい材料である、例えば、窒化シリコン(SiN)を用いる。なお、窒化シリコン(SiN)のバンドギャップエネルギーは、SiとNとの分量比によって変化するため、バンドギャップエネルギーが5.0eVよりも小さくなる分量比のSiNを用いればよい。
【0042】
図9には、レーザリフトオフによって基板を剥がした状態が例示されている。
図9に表したように、第1絶縁膜13として、窒化シリコン(SiN)を用いると、レーザ光LSRが半導体層5の側面5bを覆う第1絶縁膜13aには侵入せず、半導体層5の側面5b及び第2絶縁膜16の劣化が抑制される。
【0043】
一方、基板10との界面に位置する第1絶縁膜13bの表面にはレーザ光LSRが照射される。ここで、第1絶縁膜13bのバンドギャップエネルギーは、レーザ光LSRのエネルギーよりも小さい。これにより、基板10を透過したレーザ光LSRは、第1絶縁膜13bで吸収される。このレーザ光LSRの吸収によって、第1絶縁膜13bのSiN成分が、例えば、以下の反応式のごとく熱分解する。
SiN→Si+(1/2)N
その結果、図9に表したように、基板10側に第1絶縁膜13bが付着することなく、容易に剥がれることになる。
【0044】
その後、図10に表したように、樹脂26の表面を研削してn側金属ピラー19及びp側金属ピラー20の端面を露出させる。そして、その露出面に、必要に応じて、はんだボール、金属バンプなどの外部端子25を設ける。これにより、発光装置111が完成する。
【0045】
発光装置111の製造方法では、第1絶縁膜13の厚さに制限がないことから、第1絶縁膜13による半導体層5の保護が確実に行われる。また、レーザリフトオフの際に基板10側に第1絶縁膜13を付着させずに容易に基板10を剥離できるようになる。
【0046】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る発光装置の製造方法について説明する。
図11〜図13は、第2の実施形態に係る発光装置の製造方法を順に説明する模式断面図である。
本実施形態において、第1の半導体層11及び第2の半導体層12の形成から、第1絶縁膜13の形成までの工程は、図3(a)〜(c)に示す例と同様である。
【0047】
本実施形態では、第1絶縁膜13の形成後、図11(a)に表したように、溝8の底部に形成された第1絶縁膜13を除去している。第1絶縁膜13としては、酸化シリコン(SiO)や窒化シリコン(SiN)が用いられる。第1絶縁膜13として酸化シリコンを用いる場合には、第1絶縁膜13の厚さtを、レーザ光LSRの波長未満の厚さに形成する。また、第1絶縁膜13として窒化シリコン(SiN)を用いる場合には、厚さtの制限はない。
【0048】
溝8の底部における第1絶縁膜13を除去するには、n側電極14及びp側電極15を形成するための開口の形成と同一工程で行われる。第1絶縁膜13は、例えば、フッ酸溶液を用いてエッチングにより選択的に除去される。溝8の底部における第1絶縁膜13は、基板10の第1の主面10aが露出するまで除去される。
【0049】
次に、図11(b)に表したように、n側電極14、p側電極15および絶縁膜13を覆う第2絶縁膜16を形成する。また、第2絶縁膜16は溝8内に埋め込まれる。溝8内の第2絶縁膜16は、基板10の第1の主面10aに接するまで埋め込まれる。第2絶縁膜16には、例えばポリイミドが用いられる。
【0050】
第2絶縁膜16を形成した後、例えばフッ酸溶液を用いて、図11(c)に表したように、n側電極14に達する開口16aと、p側電極15に達する開口16bと、第2絶縁膜16に形成する。
【0051】
その後、n側金属ピラー19及びp側金属ピラー20の形成、樹脂26の形成、レーザリフトオフによる基板10の剥離は、図5〜図6に示す例と同様である。
図12は、レーザリフトオフにより基板10を剥離した状態を例示している。
本実施形態では、溝8の底部の第1絶縁膜13を予め除去していることから、レーザリフトオフの際、基板10側に第1絶縁膜13が付着することなく、容易に剥離される。
基板10が剥離された半導体層5の下面5c及び第2絶縁膜16の下面16cは、平坦になっている。
【0052】
その後、図13に表したように、樹脂26の表面を研削してn側金属ピラー19及びp側金属ピラー20の端面を露出させる。そして、その露出面に、必要に応じて、はんだボール、金属バンプなどの外部端子25を設ける。これにより、発光装置120が完成する。
【0053】
発光装置120の製造方法によれば、基板10と接する第1絶縁膜13が除去されているため、レーザリフトオフの際に、半導体層5の下面5cから容易に基板10を剥がすことができるようになる。
【0054】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る発光装置の製造方法について説明する。
図14〜図16は、第3の実施形態に係る発光装置の製造方法を順に説明する模式断面図である。
本実施形態において、第1の半導体層11及び第2の半導体層12の形成から、第1絶縁膜13の形成までの工程は、図3(a)〜(c)に示す例と同様である。
【0055】
本実施形態では、第1絶縁膜13の形成後、図14(a)に表したように、溝8の底部に形成された第1絶縁膜13を除去している。さらに、溝8の底部近傍の第1絶縁膜13を一部除去し、厚さを薄くする部分13cを設けている。
【0056】
本実施形態では、第1絶縁膜13として、酸化シリコン(SiO)が用いられる。厚さを薄くする部分13cの除く第1絶縁膜13の厚さは、レーザ光LSRの波長以上の厚さになっている。一方、厚さを薄くする部分13cの厚さは、レーザ光LSRの波長未満の厚さに形成される。つまり、半導体層5の側面5bに形成される第1絶縁膜13の厚さは、一部(部分13c)だけがレーザ光LSRの波長未満の厚さに形成されている。
【0057】
本実施形態では、図14(a)に表したように、溝8の底部における第1絶縁膜13を除去する際、エッチングレートを考慮して、底部近傍の第1絶縁膜13の部分のみ、他の部分よりも多くエッチングする。そして、エッチング後に残った部分13cの厚さを、レーザ光LSRの波長未満の厚さにする。
【0058】
次に、図14(b)に表したように、n側電極14、p側電極15および絶縁膜13を覆う第2絶縁膜16を形成する。また、第2絶縁膜16は溝8内に埋め込まれる。溝8内の第2絶縁膜16は、基板10の第1の主面10aに接するまで埋め込まれる。第2絶縁膜16には、例えば窒化シリコン、酸化シリコン、ポリイミド等の樹脂が用いられる。
【0059】
第2絶縁膜16を形成した後、例えばフッ酸溶液を用いて、図14(c)に表したように、n側電極14に達する開口16aと、p側電極15に達する開口16bと、第2絶縁膜16に形成する。
【0060】
その後、n側金属ピラー19及びp側金属ピラー20の形成、樹脂26の形成、レーザリフトオフによる基板10の剥離は、図5〜図6に示す例と同様である。
図15は、レーザリフトオフにより基板10を剥離した状態を例示している。
本実施形態では、溝8の底部近傍の第1絶縁膜13の部分13cが、レーザ光LSRの波長未満の厚さに形成されているため、半導体層5の下面5c側から照射されるレーザ光LSRの進行が、この部分13cによって抑制される。
【0061】
したがって、半導体層5、特に第2の半導体層12の発光層の劣化が防止される。これにより、安定した発光特性が維持される。また、半導体層5の側面5bと第1絶縁膜13との界面で、第1絶縁膜が剥がれることが防止される。
【0062】
さらには、側面5bの第1絶縁膜13と接する第2絶縁膜16についても、レーザ光LSRの照射による溶解などの影響が抑制される。これにより、信頼性の低下が抑制される。さらには、溝8の底部の第1絶縁膜13を予め除去していることから、レーザリフトオフの際、基板10側に第1絶縁膜13が付着することなく、容易に剥離される。
【0063】
基板10が剥離された半導体層5の下面5c及び第2絶縁膜16の下面16cは、平坦になっている。
【0064】
その後、図16に表したように、樹脂26の表面を研削してn側金属ピラー19及びp側金属ピラー20の端面を露出させる。そして、その露出面に、必要に応じて、はんだボール、金属バンプなどの外部端子25を設ける。これにより、発光装置130が完成する。
【0065】
なお、本実施形態では、溝8の底部近傍に、レーザ光LSRの波長未満の厚さになる部分13cを設けたが、基板10の第1主面10aから第2の半導体層12の発光層までのあいだに、部分13cが設けられていれば、同様な効果が得られる。
【0066】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係る発光装置について説明する。
図17は、第4の実施形態に係る発光装置を例示する模式断面図である。
本実施形態に係る発光装置110は、発光層を含み、基板10を支持体として形成され、形成後にレーザ光照射によって基板10が剥離された半導体層5と、半導体層5のレーザ光が照射される下面5cとは反対側の上面5aに設けられたn側電極14(第1電極部)及びp側電極15(第2電極部)と、半導体層5の少なくとも側面5bを覆う第1絶縁膜13と、第1絶縁膜13を覆う第2絶縁膜16と、を備える。ここで、第2絶縁膜(窒化シリコン、樹脂のいずれの場合も)16及び半導体層5は、上記のレーザ光を吸収する。または、第2絶縁膜16及び半導体層5は、上記のレーザ光のエネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーを有する。
また、第1絶縁膜13のうちで半導体層5の側面5bを覆う部分は、半導体層5の下面5c側から側面5bの発光層の深さまで達しないようレーザ光の進行を抑制するものである。
【0067】
発光装置110では、半導体層5の側面5bに設けられた第1絶縁膜13の厚さtが、半導体層5から基板10を剥離するレーザリフトオフの際に照射するレーザ光LSRの波長未満の厚さに設けられている。
【0068】
レーザ光としては、例えば、ArFレーザ(波長:193nm)、KrFレーザ(波長:248nm)、XeClレーザ(波長:308nm)、XeFレーザ(波長:353nm)が用いられる。第1絶縁膜13の厚さtは、上記のレーザ光の波長未満の厚さに形成される。
【0069】
このような厚さの第1絶縁膜13を有する発光装置110によれば、レーザリフトオフの際に照射するレーザ光LSRが、半導体層5の側面5bに形成された第1絶縁膜13に侵入せず、半導体層5、特に第2の半導体層12の発光層の劣化が防止される。これにより、安定した発光特性が維持される。また、半導体層5の側面5bと第1絶縁膜13との界面で、第1絶縁膜が剥がれることが防止される。さらには、側面5bの第1絶縁膜13と接する第2絶縁膜16についても、レーザ光LSRの照射による溶解などの影響が抑制される。これにより、信頼性の低下が抑制される。
【0070】
本実施形態に係る発光装置110は、先に説明した第1の実施形態に係る製造方法により、ウェーハ状態で一括して形成される。半導体層5は、第1の半導体層11と第2の半導体層12とを有する。第1の半導体層11は、例えばn形のGaN層であり、電流の横方向経路として機能する。ただし、第1の半導体層11の導電型はn形に限らず、p形であってもよい。
【0071】
発光装置110では、第1の半導体層11の第1の主面11a(半導体層の下面5c)から主として光が外部へと放出される。第2の半導体層12は、第1の半導体層11における第1の主面11aの反対側の第2の主面11bに設けられている。
【0072】
第2の半導体層12は、発光層(活性層)を含む複数の半導体層の積層構造を有する。その構造の一例を図18に示す。なお、図18は図17と上下が逆になっている。
【0073】
第1の半導体層11の第2の主面11b上に、n形のGaN層31が設けられている。GaN層31上に、発光層33が設けられている。発光層33は、例えばInGaNを含む多重量子井戸構造を有する。発光層33上に、p形のGaN層34が設けられている。
【0074】
図17に表したように、第1の半導体層11の第2の主面11b側には、凸部と凹部が設けられている。第2の半導体層12は凸部の表面に設けられている。したがって、凸部は、第1の半導体層11と第2の半導体層12との積層構造を含む。
【0075】
凹部の底面は第1の半導体層11の第2の主面11bであり、その凹部の第2の主面11bに、第1の電極としてn側電極14が設けられている。
【0076】
第2の半導体層12において第1の半導体層11と接する面の反対面には、第2の電極としてp側電極15が設けられている。
【0077】
第1の半導体層11の第2の主面11bは、例えば酸化シリコンによる第1絶縁膜13で覆われている。第1絶縁膜13のうちで半導体層5の側面5bを覆う部分は、第1の半導体層11の第1主面11aにまで達している。n側電極14及びp側電極15は、第1絶縁膜13から露出している。n側電極14とp側電極15とは、第1絶縁膜13によって絶縁され、互いに電気的に独立した電極となっている。また、第1絶縁膜13は、第2の半導体層12を含む凸部の側面も覆っている。
【0078】
第1絶縁膜13、n側電極14の一部およびp側電極15の一部を覆うように、第2の主面11b側に第2絶縁膜16が設けられている。第2絶縁膜16は、例えば、酸化シリコンあるいは樹脂である。
【0079】
第2絶縁膜16において、第1の半導体層11及び第2の半導体層12に対する反対側の面は平坦化され、その面に第1の配線としてのn側配線17と、第2の配線としてのp側配線18が設けられている。
【0080】
n側配線17は、n側電極14に達して第2絶縁膜16に形成された開口16a内にも設けられ、n側電極14と電気的に接続されている。p側配線18は、p側電極15に達して第2絶縁膜16に形成された開口16b内にも設けられ、p側電極15と電気的に接続されている。
【0081】
n側電極14、p側電極15、n側配線17およびp側配線18は、いずれも第1の半導体層11の第2の主面11b側に設けられ、発光層に電流を供給するための配線層を構成する。
【0082】
n側配線17においてn側電極14に対する反対側の面には、第1の金属ピラーとしてn側金属ピラー19が設けられている。p側配線18においてp側電極15に対する反対側の面には、第2の金属ピラーとしてp側金属ピラー20が設けられている。n側金属ピラー19の周囲、p側金属ピラー20の周囲、n側配線17およびp側配線18は、樹脂(第3絶縁膜)26で覆われている。また、樹脂26は第1の半導体層11の側面11cも覆い、第1の半導体層11の側面11cは樹脂26によって保護されている。
【0083】
第1の半導体層11は、n側電極14及びn側配線17を介してn側金属ピラー19と電気的に接続されている。第2の半導体層12は、p側電極15及びp側配線18を介してp側金属ピラー20と電気的に接続されている。n側金属ピラー19及びp側金属ピラー20における樹脂26から露出する下端面には、例えばはんだボール、金属バンプなどの外部端子25が設けられ、その外部端子25を介して、発光装置110は外部回路と電気的に接続される。
【0084】
n側金属ピラー19の厚み(図17において上下方向の厚み)は、半導体層5、n側電極14、p側電極15、絶縁膜13、16、n側配線17およびp側配線18を含む積層体の厚みよりも厚い。同様に、p側金属ピラー20の厚みも、上記積層体の厚みよりも厚い。この条件を満足すれば、各金属ピラー19、20のアスペクト比(平面サイズに対する厚みの比)は1以上であることに限らず、その比は1よりも小さくてもよい。すなわち、金属ピラー19、20の平面サイズよりも厚みが小さくてもよい。
【0085】
本実施形態の構造によれば、半導体層5が薄くても、n側金属ピラー19、p側金属ピラー20および樹脂26を厚くすることで機械的強度が保たれる。また、発光装置110を回路基板等に実装した場合に、外部端子25を介して半導体層5に加わる応力がn側金属ピラー19とp側金属ピラー20によって吸収される。よって、半導体層5に加わる応力が緩和される。n側金属ピラー19及びp側金属ピラー20を補強する役目をする樹脂26は、回路基板等と熱膨張率が同じもしくは近いものを用いるのが望ましい。そのような樹脂26としては、例えばエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂が適用される。また、樹脂26は、例えば黒色に着色されており、外部への光漏れ、外部からの不要光の侵入を防止している。
【0086】
また、n側配線17、p側配線18、n側金属ピラー19、p側金属ピラー20の材料としては、銅、金、ニッケル、銀などが用いられる。これらのうち、良好な熱伝導性、高いマイグレーション耐性及び絶縁膜との優れた密着性を備えた銅がより好ましい。
【0087】
発光装置110の光放出面には、必要に応じて蛍光体層27が設けられている。例えば、発光層によって青色の光を放出する場合、そのまま青色光を放射する場合には蛍光体層27は不要である。一方、白色等、発光光とは異なる波長の光を放出する場合には、発光光の波長を吸収し、放出光の波長へと変換する蛍光体を含む蛍光体層27を設ける。
【0088】
また、発光装置110の光放出面には、必要に応じてレンズ(図示せず)が設けられていてもよい。レンズの形状には、凸型、凹型、非球面など、種々の形態が適用される。また、レンズの個数や配置も、適宜設けられる。
【0089】
本実施形態に係る発光装置110によれば、半導体層5の劣化が防止され、第1絶縁膜13の剥がれや第2絶縁膜16の溶解などが抑制される。これにより、発光装置110の発光特性の維持及び信頼性の低下が抑制される。
【0090】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態に係る発光装置について説明する。
図19は、第5の実施形態に係る発光装置を例示する模式断面図である。
図19に表したように、第5の実施形態に係る発光装置111は、第1絶縁膜13として、レーザ光LSRのエネルギーよりも、小さいバンドギャップエネルギーを有する材料が用いられている。
【0091】
第5の実施形態に係る発光装置111は、先に説明した第1の実施形態に係る製造方法の他の例により、ウェーハ状態で一括して形成される。ここで、レーザリフトオフでのレーザ光LSRとして、例えばKrFレーザ(波長:248nm)が用いられる場合、第1絶縁膜13としては、例えば窒化シリコン(SiN)が用いられる。その他、第1絶縁膜13としては、窒化物を含む材料が用いられる。第1絶縁膜13のバンドギャップエネルギーが、レーザ光LSRのエネルギーよりも小さいと、レーザ光LSRの透過率が著しく低下する。これにより、レーザリフトオフの際に照射するレーザ光LSRの第1絶縁膜13への侵入が抑制される。
【0092】
本実施形態に係る発光装置111によれば、半導体層5の劣化が防止され、第1絶縁膜13の剥がれや第2絶縁膜16の溶解などが抑制される。これにより、発光装置111の発光特性の維持及び信頼性の低下が抑制される。
【0093】
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態に係る発光装置について説明する。
図20は、第6の実施形態に係る発光装置を例示する模式断面図である。
図20に表したように、第6の実施形態に係る発光装置120では、図19に表した発光装置111と異なり、半導体層5の周辺に第1絶縁膜13が設けられていない。
第6の実施形態に係る発光装置120は、先に説明した第2の実施形態に係る製造方法により、ウェーハ状態で一括して形成される。
【0094】
第1絶縁膜13としては、酸化シリコン(SiO)や窒化シリコン(SiN)が用いられる。第1絶縁膜13として酸化シリコンを用いる場合には、第1絶縁膜13の厚さtを、レーザ光LSRの波長未満の厚さに形成する。また、第1絶縁膜13として窒化シリコン(SiN)を用いる場合には、厚さtの制限はない。
【0095】
第6の実施形態に係る発光装置120では、半導体層5の周囲の第1絶縁膜13が除去されているため、レーザリフトオフの際、基板10側に第1絶縁膜13が付着することなく、容易に剥離される。
また、基板10が剥離された半導体層5の下面5c及び第2絶縁膜16の下面16cは、平坦になっている。
【0096】
(第7の実施形態)
次に、第7の実施形態に係る発光装置について説明する。
図21は、第7の実施形態に係る発光装置を例示する模式断面図である。
図21に表したように、第7の実施形態に係る発光装置130では、半導体層5の側面5bを覆う第1絶縁膜13の一部に厚さの薄い部分13cが設けられている。
第7の実施形態に係る発光装置130は、先に説明した第3の実施形態に係る製造方法により、ウェーハ状態で一括して形成される。
【0097】
第1絶縁膜13の厚さの薄い部分13cは、半導体層5の下面5cから、第2の半導体層12に設けられた発光層までの間に設けられている。この部分13cの厚さt1は、レーザ光LSRの波長未満の厚さに形成される。一方、この部分13c以外の部分の厚さt2は、レーザ光LSRの波長以上の厚さに形成される。
【0098】
本実施形態では、第1絶縁膜13の部分13cが、レーザ光LSRの波長未満の厚さに形成されているため、半導体層5の下面5c側から照射されるレーザ光LSRの進行が、この部分13cによって抑制される。したがって、半導体層5の劣化が防止され、第1絶縁膜13の剥がれや第2絶縁膜16の溶解などが抑制される。これにより、発光装置130の発光特性の維持及び信頼性の低下が抑制される。
【0099】
(第8の実施形態)
次に、第8の実施形態に係る発光装置の製造方法について説明する。
図22〜図24は、第8の実施形態に係る発光装置の製造方法を順に説明する模式断面図である。
本実施形態において、第1の半導体層11及び第2の半導体層12の形成から、第1絶縁膜13の形成までの工程は、図3(a)〜(c)に示す例と同様である。
【0100】
本実施形態では、図22(a)に表したように、第1絶縁膜13として、後の工程で照射するレーザ光LSRのエネルギーよりもバンドギャップエネルギーの小さい材料が用いられる。一例として、第1絶縁膜13には、窒化シリコン(SiN)が用いられる。
【0101】
次に、図22(b)に表したように、n側電極14、p側電極15および絶縁膜13を覆う第2絶縁膜16を形成する。第2絶縁膜16は溝8内に埋め込まれる。溝8内の第2絶縁膜16は、基板10の第1の主面10aに接するまで埋め込まれる。本実施形態では、第2絶縁膜16として、レーザ光LSRを吸収する材料が用いられる。第2絶縁膜16は、例えば樹脂である。一例として、第2絶縁膜16には、ポリイミドが用いられる。
【0102】
第2絶縁膜16を形成した後、例えばフッ酸溶液を用いて、図22(c)に表したように、n側電極14に達する開口16aと、p側電極15に達する開口16bと、第2絶縁膜16に形成する。
【0103】
その後、n側金属ピラー19及びp側金属ピラー20の形成、樹脂26の形成、レーザリフトオフによる基板10の剥離は、図5〜図6に示す例と同様である。
図23は、レーザリフトオフにより基板10を剥離した状態を例示している。その後、図24に表したように、樹脂26の表面を研削してn側金属ピラー19及びp側金属ピラー20の端面を露出させる。そして、その露出面に、必要に応じて、はんだボール、金属バンプなどの外部端子25を設ける。これにより、発光装置140が完成する。
本実施形態によれば、レーザリフトオフの際に、半導体層5の下面5cから容易に基板10を剥がすことができるようになる。
【0104】
発光装置140では、第1絶縁膜13が、レーザ光LSRのエネルギーよりもバンドギャップの小さい材料(例えば、窒化シリコン)によって形成される。また、発光装置140では、第2絶縁膜16が、レーザ光LSRを吸収する材料(例えば、樹脂、ポリイミド)によって形成される。
【0105】
ここで、第2絶縁膜16としてポリイミド等の樹脂を用いた場合、レーザリフトオフの際に基板10と半導体層5との間に加わる応力を緩和しやすくなる。レーザリフトオフでは、レーザ光LSRの照射によって基板10と半導体層5との界面及びその周辺が加熱される。この界面には、加熱による歪み応力が加わりやすい。第2絶縁膜16としてポリイミド等の樹脂を用いると、この歪み応力を第2絶縁膜16で吸収することができ、半導体層5への歪み応力の影響を抑制することができる。
【0106】
また、本実施形態によれば、第1絶縁膜13としてレーザ光LSRのエネルギーよりもバンドギャップの小さい材料(例えば、窒化シリコン)を用いているため、レーザリフトオフを行う際のレーザ光LSRの照射によって、第2絶縁膜16(ポリイミド等の樹脂)の溶発(アブレーション:ablation)を防止することができる。
【0107】
図25は、第2絶縁膜の溶発について説明する模式図である。
図25(a)は、第1絶縁膜13として酸化シリコンを用いた場合、図25(b)は、第1絶縁膜13として窒化シリコンを用いた場合を例示している。いずれも、第2絶縁膜16にはポリイミドが用いられている。
【0108】
図25(a)に表したように、第1絶縁膜13として酸化シリコンを用いた場合、レーザリフトオフの際に照射するレーザ光LSRは第1絶縁膜13を透過して、下方の第2絶縁膜16であるポリイミドで吸収される。レーザ光LSRの照射条件によっては、ポリイミドの表面が溶発し、飛散したポリイミド16Dが、周辺に付着する場合もある。図25(a)では、飛散したポリイミド16Dが半導体層5の下面5cに付着した状態を例示している。半導体層5の下面5cは光の放出面になることから、このような付着物によって発光強度の低下を招く。
【0109】
一方、図25(b)に表したように、第1絶縁膜13として窒化シリコンを用いた場合、レーザリフトオフの際に照射するレーザ光LSRは第1絶縁膜13で吸収され、下方の第2絶縁膜16まで到達しない。したがって、レーザ光LSRによって第2絶縁膜16であるポリイミドは溶発しない。図25(b)に表したように、第2絶縁膜16であるポリイミドは溶発せず、半導体層5の下面5cに付着することはない。これにより、発光強度の低下は発生しない。
したがって、第2絶縁膜16としてポリイミド等の樹脂を用いる場合、第1絶縁膜13としてレーザ光LSRのエネルギーよりもバンドギャップの小さい材料(窒化シリコン等)を用いることで、第2絶縁膜16の溶発を防止でき、溶発に起因する発光強度の低下を防止することが可能になる。
【0110】
ここで、レーザ光LSRの照射領域について説明する。
上記説明した発光装置110、111、120、130及び140の製造方法においては、レーザリフトオフを行う際に、レーザ光LSRの照射領域を順次移動させる。
図26は、レーザ光の照射領域について説明する模式的平面図である。
図27は、レーザ光の照射領域について説明する模式的断面図である。
基板10には溝8が格子状に形成されており、隣り合う溝8どうしの間に半導体層5が設けられている。すなわち、複数の半導体層5は、基板10の上で溝8によって区切られた状態で形成されている。
【0111】
レーザリフトオフを行う際、レーザ光LSRは、複数の半導体層5の少なくとも1つを囲む矩形の領域Rに照射される。図26では、一例として、X軸方向及びY軸方向それぞれ2つ、合計4つの半導体領域5を囲む領域Rにレーザ光LSRが照射される。
【0112】
レーザリフトオフでは、領域Rへのレーザ光LSRの照射を、順次移動させながら行う。例えば、図26に示す例では、X軸方向に沿って、領域R1、R2、…の順にレーザ光LSRの照射領域を移動させながら、各領域R1、R2、…ごとに予め定められた時間及び量でレーザ光照射を行う。一つの領域Rに対するレーザ光LSRの照射は、一括した照射であっても、走査による照射であってもよい。
【0113】
例えば一列分のレーザ光LSRの照射が終わると、次の列分のレーザ光LSRの照射を同様に行う。隣り合う領域Rのあいだには隙間Sが設けられている。ここで、隙間Sとは、レーザ光LSRが照射されない部分のほか、領域Rよりもレーザ光LSRの累積の照射量が少ない部分のことをいう。隙間Sは、領域Rに対してX軸方向及びY軸方向のそれぞれに隣り合う領域Rのあいだに設けられている。
【0114】
図26及び図27に表したように、隙間Sは、溝8のほぼ中央の位置に設けられる。このような隙間Sを設けることで、隣り合う領域Rどうしの重なりを防止する。ここで、隣り合う領域Rどうしが重なると、重なった部分には予め定められた量を超えるレーザ光LSRが照射され、半導体層5、第1絶縁膜13及び第2絶縁膜16に影響を与えることになる。本実施形態のように隙間Sを設けると、必要以上にレーザ光LSRが照射される部分がなく、半導体層5、第1絶縁膜13及び第2絶縁膜16に影響を与えずに基板10を剥離することができるようになる。
なお、このような隙間Sが設けられていても、領域Rに比べて隙間Sの平面視の面積は小さいことから、基板10の剥離に影響を及ぼすことはない。
【0115】
以上説明したように、本実施形態によれば、レーザリフトオフを適用した発光装置110、111、120、130及び140の製造において、半導体層5の側面5bを覆う第1絶縁膜13内のレーザ光LSRの進行を抑制することができる。したがって、レーザ光LSRの照射による半導体層5の劣化や、第1絶縁膜13の剥がれ、第2絶縁膜16の溶解といった影響を低減でき、発光装置110、111、120、130及び140の動作安定性向上、信頼性向上を達成することができる。
【0116】
以上、具体例を参照しつつ実施形態について説明した。しかし、実施形態は、それらに限定されるものではない。例えば、前述の各実施形態またはその変形例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものもや、各実施形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含有される。また、基板、半導体層、電極、配線、金属ピラー、絶縁膜、樹脂の材料、サイズ、形状、レイアウトなどに関して当業者が各種設計変更を行ったものであっても、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明の範囲に包含される。
【0117】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0118】
10…基板、5…半導体層、8…溝、11…第1の半導体層、12…第2の半導体層、13…第1絶縁膜、16…第2絶縁膜、14…n側電極、15…p側電極、17…n側配線、18…p側配線、19…n側金属ピラー、20…p側金属ピラー、26…樹脂、33…発光層、110,111,120,130,140…発光装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の第1主面上に、発光層を含む半導体層を形成する工程と、
前記半導体層の少なくとも上面及び側面を第1絶縁膜で覆う工程と、
前記半導体層と導通する第1電極部及び第2電極部を形成する工程と、
前記第1絶縁膜を第2絶縁膜で覆う工程と、
前記基板の前記第1主面とは反対側の第2主面の側から前記半導体層にレーザ光を照射して、前記基板を前記半導体層から剥離する工程と、
を備え、
前記第1絶縁膜は、前記レーザ光のエネルギーよりもバンドギャップエネルギーの小さい材料であり、
前記第2絶縁膜は、前記レーザ光を吸収する材料であり、
前記半導体層のバンドギャップエネルギーは、前記レーザ光のエネルギーよりも小さく、
前記第1絶縁膜のうちで前記半導体層の前記側面を覆う部分において、前記レーザ光は前記発光層の深さまで達しないことを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項2】
基板の第1主面上に、発光層を含む半導体層を形成する工程と、
前記半導体層の少なくとも上面及び側面を第1絶縁膜で覆う工程と、
前記半導体層と導通する第1電極部及び第2電極部を形成する工程と、
前記第1絶縁膜を第2絶縁膜で覆う工程と、
前記基板の前記第1主面とは反対側の第2主面の側から前記半導体層にレーザ光を照射して、前記基板を前記半導体層から剥離する工程と、
を備え、
前記第2絶縁膜のバンドギャップエネルギー及び前記半導体層のバンドギャップエネルギーは、前記レーザ光のエネルギーよりも小さく、
前記第1絶縁膜のうちで前記半導体層の前記側面を覆う部分において、前記レーザ光は前記発光層の深さまで達しないことを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項3】
前記側面を覆う前記第1絶縁膜における前記第1主面から前記発光層までのあいだの少なくとも一部について、前記側面に垂直な方向に沿った厚さを、前記レーザ光の波長未満の厚さに形成することを特徴とする請求項1または2に記載の発光装置の製造方法。
【請求項4】
前記レーザ光の波長は248ナノメートル(nm)であり、前記第1絶縁膜の前記一部の厚さは248ナノメートル(nm)未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。
【請求項5】
前記第1絶縁膜は、酸化シリコンを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。
【請求項6】
前記第1絶縁膜のバンドギャップエネルギーは、前記レーザ光のエネルギーよりも小さいことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。
【請求項7】
前記第1絶縁膜は、窒化シリコンを含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。
【請求項8】
前記第1絶縁膜のうちで前記半導体層の前記側面を覆う部分は、前記基板の第1主面にまで達していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。
【請求項9】
前記第2絶縁膜及び前記半導体層は、前記レーザ光を吸収することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。
【請求項10】
前記第1絶縁膜を形成した後、前記レーザ光を照射する前に、前記基板と接する前記第1絶縁膜の部分を除去しておくことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。
【請求項11】
前記第1絶縁膜は、窒化シリコンであり、
前記第2絶縁膜は、ポリイミドであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。
【請求項12】
前記半導体層を形成する工程は、前記第1主面に沿って複数の前記半導体層を形成する工程を含み、
前記基板を前記半導体層から剥離する工程は、前記複数の半導体層の少なくとも1つを囲む領域に前記レーザ光を照射し、前記領域を順次移動させる工程を含み、
前記領域を順次移動させる工程は、隣り合う前記領域のあいだに隙間を設ける工程を含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。
【請求項13】
発光層を含み、基板を支持体として形成され、形成後にレーザ光照射によって前記基板が剥離された半導体層と、
前記半導体層の前記レーザ光が照射される第1主面とは反対側の第2主面に設けられた第1電極部及び第2電極部と、
前記半導体層の少なくとも側面を覆う第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜を覆う第2絶縁膜と、
を備え、
前記第2絶縁膜及び前記半導体層は、前記レーザ光のエネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーを有し、
前記第1絶縁膜のうちで前記半導体層の前記側面を覆う部分は、前記半導体層の前記第1主面側から前記側面の前記発光層の深さまで達しないよう前記レーザ光の進行を抑制することを特徴とする発光装置。
【請求項14】
前記第1絶縁膜のうちで前記側面を覆う部分において、前記第1主面から前記発光層までのあいだの少なくとも一部では、前記側面に垂直な方向に沿った厚さが、前記レーザ光の波長未満の厚さであることを特徴とする請求項13記載の発光装置。
【請求項15】
前記第1絶縁膜の前記一部の厚さは248ナノメートル(nm)未満であることを特徴とする請求項13または14に記載の発光装置。
【請求項16】
前記第1絶縁膜は、酸化シリコンを含むことを特徴とする請求項13〜15のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項17】
前記第1絶縁膜は、前記レーザ光のエネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーを有する材料であることを特徴とする請求項13〜16のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項18】
前記第1絶縁膜は、窒化シリコンを含むことを特徴とする請求項13〜17のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項19】
前記第1絶縁膜のうちで前記半導体層の側面を覆う部分は、前記半導体層の第1主面にまで達していることを特徴とする請求項13〜18のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項20】
前記第2絶縁膜及び前記半導体層は、前記レーザ光を吸収する材料であることを特徴とする請求項13〜19のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項21】
前記第2絶縁膜を貫通し、前記第1電極部と導通する第1配線と、
前記第2絶縁膜を貫通し、前記第2電極部と導通する第2配線と、をさらに備えたことを特徴とする請求項13〜20のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項22】
前記第1絶縁膜は、窒化シリコンであり、
前記第2絶縁膜は、ポリイミドであることを特徴とする請求項13〜21のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項23】
前記第2絶縁膜上に設けられた第3絶縁膜と、
前記第3絶縁膜を貫通し、前記第1配線と導通する第1金属ピラーと、
前記第3絶縁膜を貫通し、前記第2配線と導通する第2金属ピラーと、をさらに備えたことを特徴とする請求項21記載の発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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