説明

発泡体積層製品およびその製造方法

一対の対向する主面と各々の主面に対して固定されたカバー層とを有する発泡体コアを含む積層製品を記載している。前記カバー層はポリマーによって実質的に封入された繊維状補強層を含む。繊維状ポリマー層の使用(たとえば、従来のポリエチレンフィルムの代わり)は空気流抵抗に対して著しく低い抵抗および著しく改善された吸音特性を有する積層製品をもたらすことがわかっている。

【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は2010年2月10日に出願された仮特許出願第61/202,249の35U.S.C.§119(e)の下での利益を主張し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の背景
発明の分野
1つの態様において、本発明は発泡体積層製品、より詳細には車両の内部での使用に適合した製品に関する。他の態様において、本発明は発泡体積層製品の製造方法に関する。非常に好ましい実施形態において、本発明はヘッドライナー、より詳細には車両ヘッドライナーに関する。この好ましい実施形態において、本発明の態様はヘッドライナーの製造方法に関する。
【0003】
従来技術の説明
エネルギー吸収デバイス(エネルギー管理デバイスとしても知られている)および構造デバイスが知られている。このようなデバイスは種々の形状および形態の1つを取りうる。現在、エネルギー吸収デバイスおよび/または構造デバイスのための主要な用途の1つは車両、特に自動車におけるものである。このようなデバイスは、車両で用いる場合、トリムパネルに組み込むかまたは置き換えることができれば非常に便利であり、実際に普通はトリムパネルと呼ばれている。
【0004】
近年、開発されてきたこのようなエネルギー吸収デバイスおよび/または構造デバイスの1つの特に有用な用途は車両ヘッドライナーにおけるものである。車両ヘッドライナーはこの分野で一般的に知られている。より詳細には、自動車ヘッドライナーはこの分野で一般的に知られている。多くの場合に、自動車ヘッドライナーは構造デバイスおよび構造特性およびエネルギー吸収特性の両方を併せ持つデバイスとして機能するであろう。
【0005】
知られているように、このような自動車ヘッドライナーは自動車のルーフを裏打ちするのに用いられている。従来、自動車ヘッドライナーは積層構造であり、たとえば、それに固定されたカバー材料を有する発泡体または他のパッド入り要素を含む。カバー材料は自動車の内部に面する仕上げ外面を含み、このカバー材料はヘッドライナーのいわゆるA表面に隣接して配置されるかまたはA表面内に含まれる。A表面に隣接するヘッドライナーの表面はいわゆるB表面である。ヘッドライナーのB表面はカバー材料を含んでいてもいなくてもよい。
【0006】
従来、発泡した自動車ヘッドライナーはイソシアネート系発泡体たとえばポリウレタン発泡体から製造されてきた。
【0007】
ポリウレタン発泡体から自動車ヘッドライナーを製造する場合、いわゆる自由膨張またはスラブポリウレタン発泡体を使用するのが通常である。
【0008】
典型的なスラブポリウレタン発泡体製造プラントにおいて、得られる発泡体は通常、オープントップと発泡体が膨らむにつれて混合ヘッドから離れて組成物を移動させるコンベヤボトムとを有するトラフ(トンネルとしても知られている)中へ発泡可能な組成物を投入することにより製造される。低圧混合が典型的に用いられ、発泡体製造のための成分を計量して一般的に500psi未満(通常200−350psi)の圧力でスターラー(または他の適切な撹拌手段)を備えた混合ヘッド中へ入れることを伴う。成分を混合ヘッド中で混合し、発泡可能な組成物を膨張させてポリウレタン発泡体を製造する。この分野において知られているように、低圧混合を通常用いてスラブストック発泡体を製造する。1種以上の計量した成分の性質および/または量を変化させることにより、結果として生じる発泡体の性質を変化させることが知られている。
【0009】
市販のスラブストックポリウレタン発泡体プラントは例えば4フィート(高さ)×6フィート(幅)×100フィート(長さ)の寸法を有する発泡体「バン」を製造する。その後、製造しようとする特定の自動車ヘッドライナーの使用に応じて、各々のバンをカットして複数のより短い長さ(例えば5フィート)のバンにする。その後、より短い長さのバンをスライスして適切な厚さ(例えば1/8ないし1/2インチ)のシートにする。その後、各々のシートを被覆し、トリミングして自動車内に固定する。この分野において、各々のシートをさらなる加工工程、例えば熱成形にかけて、よりぴったり自動車のルーフの形状を呈する、わずかに外形に合わせた外観を平坦なシートに与えることも知られている。
【0010】
したがって、自動車ヘッドライナーの製造において従来用いられているスラブストックポリウレタン発泡体は少なくとも1つの外形に合わせていない面を有する発泡体(例えば復元性発泡体)として知られている(すなわち、この発泡体は「自由膨張」発泡体である)。
【0011】
米国特許5,683,796および5,721,038[両者ともKornyloら(Kornylo)]はモールドポリウレタン発泡体から作られる車両ヘッドライナーを教示している。Kornyloによって教示されるこのヘッドライナーは実質的に一定の密度を有するが、周辺部よりも大きい断面厚さをもつ中央部を意図的に含む。中央部はヘッドライナーが許容できる吸音特性を有するように比較的厚くなければならないが、周辺部は自動車のルーフへのヘッドライナーの固定を容易にするように比較的薄くなければならない。
【0012】
国際公開番号WO 02/42119[Zolfaghari]はKornyloによって教示されたヘッドライナーに対する改良を教示している。具体的には、Zolfaghariは車両乗員の安全性を改善するエネルギー管理能力を有する車両ヘッドライナーを教示している。
【0013】
精密な製造モードに関係なく、繊維状補強層たとえばファイバーガラスを用いてヘッドライナーを補強するのが通常である。典型的にはファイバーガラスはファイバーガラスマットまたはチョップトファイバーガラスの形態で用いられる。
【0014】
従来、ヘッドライナーをスラブストック発泡体から製造する場合、発泡体コアと、発泡体コアの両面上のポリエチレンフィルムからなる接着層と、各々の接着層上のファイバーガラスマット層またはチョップトファイバーガラスとを含むブランクを最初に形成することが通常である(ブランクは他の層たとえばトリムカバーなどを含んでいてもよい)。その後、ブランクを成形操作にかけ、これは発泡体コアを成形し、ファイバーガラスマットを成形された発泡体コアの各々の表面に接着するのに役立つ。従来の成形操作は熱成形および熱圧搾(「冷間成形」としても知られている)を含む。車両ヘッドライナーの製造に関するさらなる詳細については、たとえば、「自動車ヘッドライナーの一体型「コア」部品としてのポリウレタン発泡体」, Dolgopolsky et al., Polyurethanes Expo '99 (1999)を参照されたい。
【0015】
ポリエチレン(または他のポリマー)フィルムが主に接着剤として通常用いられる。これは容易に入手でき、比較的安価なためである。ポリエチレン(または他のポリマー)は種々の厚さから選択することができる不透過性フィルムの形態である。
【0016】
積層製品たとえば車両ヘッドライナーの製造において接着層としてのポリエチレン(または他のポリマー)フィルムの使用は、ある種の不都合を生じる。具体的には、最近、車両生産者は車両のインテリアに用いられるトリムパーツおよびパネルが車両内のキャビンノイズを低減するように改善された音響特性を有することを要求している。本質的に、このことは、好ましくはトリムパーツおよびパネルの他の特性に不利に影響することなく、車両に用いられるトリムパーツおよびパネルが改善された吸音特性を有していなければならないことを意味する。このことは、その比較的大きい表面積により、車両ヘッドライナーの場合に特に望ましい。
【0017】
積層製品たとえば車両ヘッドライナーの製造において接着層としてポリエチレン(または他のポリマー)フィルムを用いる場合、得られる製品は比較的不浸透性/不透過性のポリマー層を有する。これは比較的劣った吸音特性を有する製品をもたらす。劣った吸音特性は製品の空気流抵抗特性に関する。高い空気流抵抗をもつ(すなわち、空気の通過に対して比較的不透過性である)製品は比較的劣った吸音特性をもつ傾向があるが、低い空気流抵抗をもつ(すなわち、空気に対して比較的透過性である)製品は比較的良好な吸音特性をもつ傾向がある。
【0018】
したがって、この分野において、比較的低い空気流抵抗および改善された吸音特性をもつ積層製品に対する要求が残っている。このような製品が、それほど著しく他の特性に妥協することなく既存の設備を用いて容易に製造することができれば、有利であろう。このような製品が、改善された吸音特性とともに、すべての必要な特性をもつ比較的薄い車両ヘッドライナーを製造するのに用いることができれば、さらに有利である。
【0019】
発明の概要
本発明の目的は上述した従来技術の欠点の少なくとも1つを取り除くかまたは軽減することである。
【0020】
したがって、その態様の1つにおいて、本発明は、一対の対向する主面と各々の主面に対して固定されたカバー層とを有する発泡体コアを含む積層製品であって、前記カバー層はポリマーによって実質的に封入された繊維状補強層を含み、ASTM C522に従って測定された空気流抵抗が約6,000mks Rayls未満である積層製品を提供する。
【0021】
所定の形状を有する積層発泡体製品の製造方法であって、
加熱装置内にブランクを配置する工程であって、前記ブランクは一対の対向する主面と各々の主面上に設けられたカバー層とを有する発泡体コアを含み、各々のカバー層は少なくとも1つの繊維状補強層および少なくとも1つの繊維状ポリマー層とを含む工程と、
前記ブランクを、前記少なくとも1つの繊維状ポリマー層の融点より高い温度で加熱し、ポリマーに前記少なくとも1つの繊維状の層を封入させ、各々のカバー層を前記発泡体コアに接着させる工程と
を含む方法。
【0022】
したがって、本発明者は所望の特性の組み合わせをもつ新規な積層製品を発見した。積層製品の製造に繊維状ポリマー材料を用いることは通常であったが、これは典型的にはいわゆる不織スクリム層の使用の形態であった。従来スクリム層を用いる場合、それは積層製品の製造中にスクリムの溶融を避けるような仕方でそうしていた。本発明者は、(スクリムまたはいくつかの他の形態にある)繊維状ポリマー層を溶融接着剤として実際に用い実質的に封入して繊維状補強層を発泡体コアに接着する、対直感的な技術を発見した。その結果は、ASTM C522に従って測定された、非常に望ましい低い空気流抵抗をもつ積層製品である。このような積層製品は改善された音響特性をもつ。
【0023】
本発明により以下の追加の利点が生じる。
【0024】
・好ましい実施形態において、従来のポリエチレンフィルムの、ポリプロピレンフィルムによる置換を可能にする;
・従来のポリエチレンフィルムの効果を制限する製造利用可能性が低減されるかまたは避けられる;
・好ましい繊維状ポリマー層は不織ポリプロピレンまたはポリプロピレン系スクリムである−これは多くの供給源から入手でき、従来のポリエチレンフィルムよりもかなり安価である;
・繊維状ポリマー層は多くの異なる重量および色で入手できうる;
・本発明は、完全された音響特性をもつ、(たとえば、車両ヘッドライナーに用いられる)より薄いおよび/またはより軽量の積層製品の製造を可能にする;および
・本発明の積層製品は、ASTM C522に従って測定した場合に、比較的低い空気流抵抗をもつ。
【0025】
本発明の方法のあいだ、(本明細書に記載しているように)ブランクを繊維状ポリマー層の融点より高い温度に加熱する。その後、加圧ありまたは加圧なしで、溶融繊維状ポリマー層は実質的に繊維状補強層を封入するが、比較的低い空気流抵抗および改善された吸音特性をもたらすと考えられる多孔質構造を維持する。
【0026】
本発明の好ましい実施形態は車両発泡体部品、たとえば車両のヘッドライナーにおける用途を対象としているが、本発明の範囲はこのような用途に限定されないことは当業者によって理解されるであろう。したがって、本発明を、他の用途たとえばフロアボード、貨物車両マット、トノーカバー、およびファイバーガラス補強を用いて作製される物品と等価なエネルギー吸収特性および/または構造特性を有する比較的軽量の物品を有することが望ましい他の用途に用いることができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図面において、同様の参照番号は同様の部品を表している。
【図1】図1は、発泡体積層製品の製造に先立つ層状構造またはブランクの形態にある従来技術の発泡体積層製品の概略図を示す。
【図2】図2は、発泡体積層製品の製造に先立つ層状構造またはブランクの形態にある本発明の好ましい実施形態による好ましい発泡体積層製品の概略図を示す。
【図3】実施例において製造された種々の発泡体積層製品の吸音特性である。
【図4】実施例において製造された種々の発泡体積層製品の吸音特性である。
【図5】実施例において製造された種々の発泡体積層製品の吸音特性である。
【図6】実施例において製造された種々の発泡体積層製品の吸音特性である。
【0028】
好ましい実施形態の詳細な説明
本発明の積層体製品のコア部分に用いられる好ましい発泡体は発泡イソシアネート系ポリマーである。好ましくは、イソシアネート系ポリマーは、ポリウレタン、ポリウレア、ポリイソシアヌレート、ウレア修飾ポリウレタン、ウレタン修飾ポリウレア、ウレタン修飾ポリイソシアヌレートおよびウレア修飾ポリイソシアヌレートを含む群から選択される。この分野において知られているように、用語「修飾」は、ポリウレタン、ポリウレアまたはポリイソシアヌレートとともに用いた場合、ポリマー主鎖を形成する結合の50%以下が置換されていることを意味する。
【0029】
典型的には、発泡イソシアネート系ポリマーは、イソシアネートと活性水素含有化合物とを含む反応混合物から製造される。
【0030】
反応混合物に好適に用いられるイソシアネートは特に限定されず、その選択は当業者の権限の範囲内である。一般的に、使用に好適なイソシアネート化合物は、下記一般式によって表されるであろう。
【0031】
Q(NCO)
ここでiは2以上の整数であり、Qはiの価数をもつ有機基である。Qは置換または非置換の炭化水素基(たとえばアルキレンまたはアリーレン基)であろう。さらに、Qは下記一般式によって表されるであろう。
【0032】
1−Z−Q
ここでQはアルキレンまたはアリーレン基であり、Zは−O−,−O−Q1−,−CO−,−S−,−S−Q1−S−および−SO−を含む群から選択される。この定義の範囲内に入るイソシアネート化合物の例は、ヘキサメチレン ジイソシアネート,1,8−ジイソシアナト−p−メタン,キシリル ジイソシアネート、(OCNCHCHCHOCHO)、1−メチル−2,4−ジイソシアナトシクロヘキサン,フェニレン ジイソシアネート,トリレン ジイソシアネート,クロロフェニレン ジイソシアネート,ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート,ナフタレン−1,5−ジイソシアネート,トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネートおよびイソプロピルベンゼン−アルファ−4−ジイソシアネートを含む。
【0033】
他の実施形態において、Qはiの価数をもつポリウレタン基を表すこともある。この場合、Q(NCO)は、この分野においてプレポリマーと一般的に呼ばれる化合物である。一般的に、プレポリマーは化学量論的な過剰のイソシアネート化合物(以上で定義されている)を活性水素含有化合物(以下で定義されている)、好ましくは下記に記載したポリヒドロキシ含有またはポリオールと反応させることによって調製されるであろう。この実施形態において、ポリイソシアネートは、たとえばポリオール中のヒドロキシルの割合に対して30パーセントないし200パーセントの化学量論的な過剰の割合で用いられるであろう。本発明の方法はポリウレア発泡体の製造に関しているかもしれず、この実施形態において、プレポリマーはポリウレタン修飾ポリウレアを調製するためにも用いられうると理解されるであろう。
【0034】
他の実施形態において、本発明の方法に好適に用いられるイソシアネート化合物は、イソシアネートおよびジイソシアネートのダイマーおよびトリマーから、ならびに下記一般的を有するポリマージイソシアネートから選択されるであろう。
【0035】
Q’(NCO)
ここでiおよびjの両方は2以上の値を有する整数であり、Q’は多官能有機基、および/または、反応混合物における追加の成分としての下記一般式を有する化合物である。
【0036】
L(NCO)
ここでiは1以上の値を有する整数であり、Lは単官能または多官能の原子または基である。この定義の範囲に入るイソシアネート化合物の例は、エチルフォスフォニック ジイソシアネート、=Si−NCO基を含むフェニルフォスフォニック ジイソシアネート化合物、スルホンアミド(QSONCO)から誘導されるイソシアネート化合物、シアン酸およびトリシアン酸を含む。
【0037】
好適なイソシアネートの検討については、たとえば、英国特許第1,453,258号も参照されたい。
【0038】
好適なイソシアネートの非限定的な例は下記を含む:1,6−ヘキサメチレン ジイソシアネート、1,4−ブチレン ジイソシアネート、フルフリデン ジイソシアネート、2,4−トルエン ジイソシアネート、2,6−トルエン ジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタン ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタン ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパン ジイソシアネート、4,4’−ジフェニル−3,3’−ジメチル メタン ジイソシアネート、1,5−ナフタレン ジイソシアネート、1−メチル−2,4−ジイソシアネート−5−クロロベンゼン、2,4−ジイソシアナト−s−トリアジン、1−メチル−2,4−ジイソシアナト シクロヘキサン、p−フェニレン ジイソシアネート、m−フェニレン ジイソシアネート、1,4−ナフタレン ジイソシアネート、ジアニシジン ジイソシアネート、ビトリレン ジイソシアネート、1,4−キシリレン ジイソシアネート、1,3−キシリレン ジイソシアネート、ビス−(4−イソシアナトフェニル)メタン、ビス−(3−メチル−4−イソシアナトフェニル)メタン、ポリメチレン ポリフェニル ポリイソシアネートおよびこれらの混合物。より好ましいイソシアネートは2,4−トルエン ジイソシアネート、2,6−トルエン ジイソシアネートおよびこれらの混合物、たとえば、約75ないし約85重量パーセントの2,4−トルエン ジイソシアネートおよび約15ないし約25重量パーセントの2,6−トルエン ジイソシアネートを含む混合物を含む群から選択される。他のより好ましいイソシアネートは、2,4’−ジフェニルメタン ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタン ジイソシアネートおよびこれらの混合物を含む群から選択される。最も好ましいイソシアネートは、約15ないし約25重量パーセントの2,4’−ジフェニルメタン ジイソシアネートおよび約75ないし約85重量パーセントの4,4’−ジフェニルメタン ジイソシアネートを含む混合物である。
【0039】
この方法を利用してポリウレタン発泡体を製造する場合、活性水素含有化合物は典型的にはポリオールである。ポリオールの選択は特に制限されず、当業者の権限の範囲内である。たとえば、ポリオールは、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリジエンおよびポリカプロラクトンを含む群から選択されるメンバーのヒドロキシル末端主鎖でもよい。好ましくは、ポリオールは、ヒドロキシル末端ポリ炭化水素、ヒドロキシル末端ポリホルマール、脂肪酸トリグリセリド、ヒドロキシル末端ポリエステル、ヒドロキシメチル末端ポリエステル、ヒドロキシメチル末端パーフルオロメチレン、ポリアルキレンエーテル グリコール,ポリアルキレンアリーレンエーテル グリコールおよびポリアルキレンエーテル トリオールを含む群から選択される。より好ましいポリオールは、アジピン酸−エチレン グリコール ポリエステル、ポリ(ブチレン グリコール)、ポリ(プロピレン グリコール)およびヒドロキシル末端ポリブタジエンを含む群から選択される−好適なポリオールの検討については、たとえば、英国特許第1,482,213号を参照されたい。好ましくは、このようなポリエーテル ポリオールは約100ないし約10,000,より好ましくは約100ないし約4,000,最も好ましくは約100ないし約3,500の範囲の分子量を有する。
【0040】
コア部分がポリウレア発泡体を含むべきである場合、活性水素含有化合物は水素が窒素に結合した化合物を含む。好ましくはこのような化合物は、ポリアミン、ポリアミド、ポリイミンおよびポリオールアミン、より好ましくはポリアミンを含む群から選択される。このような化合物の非限定的な例は、1級および2級アミン末端ポリエーテルを含む。好ましくはこのようなポリエーテルは約100より大きい分子量および1ないし25の官能基性を有する。このようなアミン末端ポリエーテルは典型的には、適切な開始剤に低級アルキレンオキシドを添加し、得られるヒドロキシル末端ポリオールを続いてアミン化することによって生成される。2以上のアルキレンオキシドを用いる場合、これらはランダム混合物または一方もしくは他方のポリエーテルのブロックとして用いてもよい。アミノ化の容易さのために、ポリオールのヒドロキシル基は特に二級ヒドロキシル基であることが特に好ましい。典型的には、アミノ化工程はポリオールのヒドロキシル基のすべてではないが大部分を置換する。
【0041】
発泡イソシアネート系ポリマーコア部分を製造するために用いる反応混合物は典型的にはさらに発泡剤を含むであろう。この分野において知られているように、発泡イソシアネート系ポリマーの製造における間接または反応性発泡剤として水を用いることができる。具体的には、水はイソシアネートと反応して二酸化炭素を生成し、これは最終的な発泡ポリマー製品における有効な発泡剤として作用する。代わりに、他の手段たとえば二酸化炭素を生じる不安定な化合物(たとえば、カルバメートなど)によって二酸化炭素を製造してもよい。任意に、直接的な有機発泡剤を水とともに用いることもあるが、このような発泡剤の使用は環境的な考慮のために一般的に制限される。本発明の発泡イソシアネート系ポリマーの製造に用いられる好ましい発泡剤は水を含む。
【0042】
この分野において、発泡イソシアネート系ポリマーの調製において間接発泡剤として用いられる水の量は、通常、反応混合物中のトータルの活性水素含有化合物の含有量100重量を基準にして、約0.5ないし約40程度以上の重量部、好ましくは約1.0ないし約10重量部の範囲内であることが知られている。この分野において知られているように、発泡イソシアネート系ポリマーの製造において用いられる水の量は典型的には、発泡ポリマーにおいて期待される固定の特性および自己構造形成に向って膨張する発泡体の耐久性によって限定される。
【0043】
発泡イソシアナート系ポリマーから作られるコア部分を製造するために、通常は反応混合物中に触媒を組み込む。反応混合物中に用いられる触媒は重合反応を触媒することができる化合物である。このような触媒は知られており、その選択および反応混合物中での濃度は当業者の権限の範囲内である。好適な触媒化合物の検討については、たとえば、米国特許4,296,213および4,518,778を参照されたい。好適な触媒の非限定的な例は三級アミンおよび/または有機金属化合物を含む。加えて、この分野において知られているように、目的がイソシアヌレートを製造することにある場合、触媒としてルイス酸を、単独でまたは他の触媒とともに用いなければならない。もちろん2種以上の触媒の組み合わせを好適に用いてもよいことは当業者に理解されるであろう。
【0044】
好ましくは、本発明の積層製品の発泡体コア部分はASTM 3574−Dに従って測定した場合に10%撓みでの圧縮力撓みが約2psi−約200psiの範囲であり、より好ましくはASTM 3574−Dに従って測定した場合に約5psi−約100psiの範囲であり、最も好ましくはASTM 3574−Dに従って測定した場合に約10psi−約80psiの範囲である。この明細書の全体にわたって、ASTM 3574−Dを参照する場合には、試験サンプルは以下の寸法:2フィート×2フィート×1インチ(最後の寸法は厚さ)を有する。
【0045】
本発明のヘッドライナーの製造するにあたって用いる好適なポリウレタン発泡体の非限定的で好ましい例はWoodbridge Foam Corporation からStratasの商品名で入手することができる。
【0046】
一般的に、本発明のヘッドライナーに使用するのに好適で、所望のエネルギー管理および/または構造特性をもつポリウレタン発泡体は、以下の一般的な非限定的な配合物から製造されるであろう。
【0047】
成分 量
ポリマーポリオール 100−0部
ポリオール 0−100部
架橋剤 0−30部/100部トータルポリオール
触媒 0.05−3.5部/100部トータルポリオール
シリコーン界面活性剤 0−1.5部/100部トータルポリオール
O 0.5−25部/100部トータルポリオール
イソシアナート NCO反応部位の当量に対して約0.60ないし1.30の比のNCO当量の指標に対する十分な量。
【0048】
好適な架橋剤、触媒およびシリコーン界面活性剤は米国特許4,107,106および4,190,712に記載されている。
【0049】
本発明のヘッドライナーに用いるのに好適な、好ましいポリウレタン発泡体は以下の配合物からから製造されるであろう。
【0050】
成分 量
ポリマーポリオール 20−100部
ポリオール 0−80部
架橋剤 5−15部/100部トータルポリオール
触媒 0.5−1.2部/100部トータルポリオール
シリコーン界面活性剤 0.3−1.1部/100部トータルポリオール
O 1.75−2.75部/100部トータルポリオール
イソシアナート NCO反応部位の当量に対して約0.8ないし1.1の比のNCO当量の指標に対する十分な量。
【0051】
典型的には、発泡イソシアネート系ポリマーはイソシアネートおよび活性水素含有化合物を含む反応混合物から製造される。本発明の積層製品における発泡体コアは実質的に均一な密度を有していてもよい。これは典型的にモールド発泡体(すなわち、発泡体製品に転換させるときに膨張する物質をすべての表面で拘束することによって製造される発泡体)の特性である。代わりに、かつ好ましくは、発泡体コアは変動する密度を有する。これは典型的には、従来の成形操作たとえば熱成形および熱圧搾(「冷間成形」としても知られている)の後の、スラブ発泡体(すなわち、発泡体製品に転換させるときに膨張する物質の少なくとも1つの表面を拘束せずに物質が「自由膨張」しうるようにする方法によって製造された発泡体)の特性である。車両ヘッドライナーの製造に関するさらなる詳細については、たとえば、「自動車ヘッドライナーの一体型「コア」部品としてのポリウレタン発泡体」, Dolgopolsky et al., Polyurethanes Expo '99 (1999)を参照されたい。
【0052】
好ましくは、本発明の積層製品における発泡体コアは、密度が約0.5ないし約30ポンド/立方フィートの範囲、より好ましくは約1ないし約20ポンド/立方フィートの範囲、さらにより好ましくは約2ないし約15ポンド/立方フィートの範囲、最も好ましくは約2ないし約8ポンド/立方フィートの範囲である。
【0053】
好ましくは、本発明の積層製品において用いられる発泡体コアは、厚さが約2mm、より好ましくは約2mmないし約20mm、より好ましくは約3mmないし約15mm、さらにより好ましくは約3mmないし約12mm、さらにより好ましくは約3mmないし約8mm、最も好ましくは約3mmないし約6mmである。
【0054】
本発明の積層製品はさらに、発泡体コア部分の対向する表面上に配置されたカバー層を含む。カバー層はポリマーによって実質的に封入された繊維状補強層を含む。
【0055】
好ましくは、第1のカバー層がポリマーによって発泡体コアの第1の主面に接着され、第2のカバー層がポリマーによって発泡体コアの第2の主面に接着されている。第1のカバー層および第2のカバー層の一方または両方は単一の繊維状補強層を含んでいてもよい。代わりに、第1のカバー層および第2のカバー層の一方または両方は複数の繊維状補強層を含んでいてもよい。
【0056】
好ましくは、第1のカバー層および第2のカバー層の一方または両方は各々独立に1ないし15の繊維状補強層、より好ましくは1ないし12の繊維状補強層、より好ましくは1ないし10の繊維状補強層、最も好ましくは1ないし5の繊維状補強層を含む。
【0057】
好ましくは、少なくとも1つの繊維状補強層を実質的に封入するポリマーは有機ポリマーを含む。有機ポリマーは、熱可塑性ポリマー、弾性材料および熱硬化性材料から選択されるであろう。
【0058】
好ましくは、前記ポリマーは、ポリオレフィン、ポリエステル、ナイロン、ポリ(塩化ビニル)、ポリウレタン、ポリアクリレート、ラテックス、スチレン−ブタジエンポリマー、ニトリル−ブタジエンポリマー、シリコーンポリマー、これらの混合物、これらのコポリマーおよびこれらの相互貫入ネットワークからなる群より選択される。
【0059】
より好ましい実施形態において、ポリマーはポリオレフィンを含む。
【0060】
ポリオレフィンは、少なくとも1つのオレフィンモノマーの重合により誘導された、ホモポリマー、コポリマーおよびターポリマーからなる群より選択されるであろう。
【0061】
オレフィンモノマーの非限定的な例は、α−オレフィンモノマー、ジオレフィンモノマーおよび少なくとも1つの内部オレフィン結合を含む重合可能なモノマーを含む群より選択されるであろう。
【0062】
1つの実施形態において、オレフィンモノマーはα−オレフィンモノマーを含む。α−オレフィンモノマーの非限定的な例は、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、これらの分枝異性体、スチレン、α−メチルスチレンおよびこれらの混合物の群より選択されるであろう。好ましくは、α−オレフィンモノマーはプロピレンを含む。
【0063】
他の実施形態において、前記オレフィンモノマーはジオレフィンモノマーを含む。
【0064】
1つの実施形態において、ジオレフィンモノマーは脂肪族化合物を含む。このようなジオレフィンモノマーの非限定的な例は、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、ピペリレン、ミルセン、アレン、1,2−ブタジエン、1,4,9−デカトリエン、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、1,5−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−オクタ−1,6−ジエン−1,6、フェニルブタジエン、ペンタジエンおよびこれらの混合物を含む群から選択されるであろう。
【0065】
他の実施形態において、ジオレフィンモノマーは二環式化合物を含む。このようなジオレフィンモノマーの非限定的な例は、ノルボルナジエン、そのアルキル誘導体、5−アルキリデン−2−ノルボルネン化合物、5−アルケニル−2−ノルボルネン化合物およびこれらの混合物を含む群から選択されるであろう。このようなジオレフィンモノマーのより好ましい実施形態は、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−プロペニル−2−ノルボルネン、1,4−シクロヘキサジエン、1,5−シクロオクタジエン、1,5−シクロドデカジエン、メチルテトラヒドロインデン、ジシクロペンタジエン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−2,5−ジエンおよびこれらの混合物を含む群から選択されるであろう。
【0066】
ポリオレフィンがコポリマーである場合、これはエチレンおよび少なくとも1つのα−オレフィンの混合物の重合により、好ましくはエチレンおよびプロピレンの混合物の重合により誘導されたコポリマーであろう。混合物は、約30ないし約75のエチレンおよび約25ないし約70重量パーセントのα−オレフィン、好ましくは約35ないし約65のエチレンおよび約35ないし約65重量パーセントのα−オレフィンを含み、より好ましくはエチレン、少なくとも1つのα−オレフィンおよび少なくとも1つのジオレフィンモノマーの混合物の重合によるであろう。
【0067】
ポリオレフィンが、エチレン、プロピレンならびに5−エチリデン−2−ノルボルネン 1,5−ヘキサジエンおよび1,5−ヘキサジエンの一方または両方の混合物の重合により誘導されたターポリマーである場合、混合物は約0.5ないし約15重量パーセントのジオレフィンモノマー、より好ましくは約1ないし約10重量パーセントのジオレフィンモノマーを含むであろう。
【0068】
より好ましい実施形態において、ポリオレフィンは、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリエチレンおよびこれらの混合物を含む群から選択される。最も好ましいポリオレフィンはポリプロピレンである。
【0069】
ポリオレフィンは、分子量(Mn)が約10,000ないし約100,000、より好ましくは約20,000ないし約80,000、最も好ましくは約40,000ないし約60,000の範囲であろう。
【0070】
本発明の積層製品はASTM C522に従って測定された空気流抵抗が約6,000mks Rayls未満、より好ましくは約5,750mks Rayls未満、より好ましくは約5,500mks Rayls未満、より好ましくは約5,250mks Rayls未満、より好ましくは約5,000mks Rayls未満、より好ましくは約500ないし約5,000mks Rayls、より好ましくは約500ないし約4,500mks Rayls、より好ましくは約500ないし約4,000mks Rayls、より好ましくは約500ないし約3,000mks Rayls、より好ましくは約700ないし約2,700mks Rayls、最も好ましくは約500ないし約1,500mks Raylsである。
【0071】
繊維状補強層は天然ファイバーまたは合成ファイバーから作製してもよい。繊維状補強層に用いられるファイバーの融点(もしあれば)は、繊維状補強層を実質的に封入するのに用いられるポリマーの融点よりも高いことが望ましい。繊維状補強層は繊維状材料たとえばファイバーガラス、天然ファイバー(たとえば、麻、黄麻、など)、バソールトファイバー、ナイロンファイバー、これらの2以上の複合材などから構成されるであろう。
【0072】
次に、本発明の積層製品を製造する好ましい方法を述べる。この記述に先立って、車両ヘッドライナーを製造する従来技術の手法を簡単に記述する。
【0073】
したがって、図1を参照すると、従来のヘッドライナー製品の製造に用いられる種々の材料層を、概略的な形で図示している。これらの部材は、その主面が2つのカバー層によって被覆されたその発泡体コア20を含む。各々のカバー層は一対のポリエチレンフィルム層10の間に挟まれた単一のファイバーガラスマット12からなる。また、カバー層の一方はスクリム層15を含むが、他のカバー層はカバーストック材料17を含む。
【0074】
車両のヘッドライナー材料を製造することが要望される場合、上述した複数層を含むスタックまたはブランクを通常の熱成形装置(または他のシェーピング装置)内に配置し、その後にスタックまたはブランクに十分な時間にわたって熱および圧力を(順次または同時に)かけ、ポリエチレンフィルム層10がファイバーガラスマット12に浸透するようにし、さらにカバー層を発泡体コア20に接着させるようにする。その後、または同時に、発泡体コア20を車両ヘッドライナーの所望の形状に成形する。得られる製品は空気流に対して比較的不浸透性/不透過性である。これは、ポリエチレンフィルム層10が、これらがファイバーガラスマット12に浸透した後でも不浸透性/不透過性のままである傾向があるためである。
【0075】
図2を参照すると、本発明の積層製品の好ましい実施形態において用いられる複数層を、概略的な形で図示している。示されるように、従来の手法(図1)において用いられているポリエチレンフィルム層10が繊維状ポリマー層25で置き換えられている。繊維状補強層30が一対の繊維状ポリマー層25の間に挟まれている。また、カバー層の一方はスクリム層15を含むが、他のカバー層はカバーストック材料17を含む。
【0076】
したがって、発泡体コア20の主面がカバー層によって被覆されている。図示した実施形態において、各々のカバー層は一対の繊維状ポリマー層25の間に挟まれた単一の繊維状補強層からなる。当業者は、特定のカバー層について、繊維状ポリマー層25と繊維状補強層30の複数ペアと追加の繊維状ポリマー層25を有し、Nの繊維状補強層およびNより多い(N+1以上の)繊維状ポリマー層をもつスタックまたはブランクを作ることができる(そしてある場合には好ましい)ことを理解するであろう。
【0077】
発泡体コア20、繊維状ポリマー層25および繊維状強化層30は上述した材料から選択される。
【0078】
繊維状補強層30は1以上のシート状またはマット状材料として用いられるであろう。代わりに、繊維状補強層30はばらばらの(たとえば、チョップした)形態で用いてもよい。繊維状マット状材料はポリマー材料、および/または繊維状ポリマーの複数層を含み、ファイバーを結合および/または封入してもよい(プレハブスキン)。これは、繊維状ポリマーおよび補強繊維の複数層を含む複合スキンをプレハブした後、製品を作るために用いるか、たとえば、ウェット法またはドライ法ヘッドライナー用の部品として用いることができるそれ自体上の製品として用いることを意図している。
【0079】
繊維状ポリマー層は織っているかまたは不織でよいことが理解されるであろう。このような材料のさらなる情報を次のウェブサイト上で見出すことができる:http://www.nonwovens-group.com、http://www.johnrstarr.comおよびhttp://www.inda.org。好ましくは、繊維状ポリマー層は不織であり、より好ましくは、スパンバウンドされている。代わりに、他の不織繊維状ポリマー層たとえばステープルファイバー、メルトブローンおよびそれらのブレンドを用いてもよい。さらに、場合によっては、繊維状ポリマー層を前処理してこの層の発泡体コアへの接着強度を強めることも望ましいであろう。たとえば、繊維状ポリマー層をコロナ処理、プラズマ処理などの表面処理にかけることも望ましいであろう。
【0080】
本発明の積層製品を製造するのに用いるために最も好ましい繊維状ポリマー層は、不織、スパンバウンドのポリプロピレンである。
【0081】
好ましくは、繊維状ポリマー層は坪量が約0.1ないし約4.0oz/yd、より好ましくは約0.5ないし約2.5oz/yd、より好ましくは約0.8ないし約2.8oz/yd、最も好ましくは約1.0ないし約2.3oz/ydである。
【0082】
各々のカバー層の一方または両方は独立に単一の繊維状補強層または複数の繊維状補強層を含んでいてもよい。好ましくは、前記第1のカバー層および前記第2のカバー層の一方または両方は独立に1ないし15の繊維状補強層、より好ましくは2ないし12の繊維状補強層、より好ましくは2ないし10の繊維状補強層、最も好ましくは2ないし5の繊維状補強層を含む。
【0083】
本発明の積層製品を製造することが要望される場合、通常の成形装置またはシェーピング装置、たとえば成形操作たとえば熱形成および熱圧搾(「冷間成形」としても知られている)を施すことができる装置内に、図2に示したものと類似のスタックまたはブランクを配置する。車両ヘッドライナーの製造に関するさらなる詳細については、たとえば、「自動車ヘッドライナーの一体型「コア」部品としてのポリウレタン発泡体」, Dolgopolsky et al., Polyurethanes Expo '99 (1999)を参照されたい。
【0084】
その後、スタックまたはブランクを、ある圧力および繊維状ポリマー層25を溶融させて繊維状補強層30を実質的に封入させるのに十分な時間のあいだ、シェーピング装置内で繊維状ポリマー層25の融点を超える温度にさらす。その後または同時に、発泡体コア20は積層製品の所定の形状(外形に沿うまたは平坦)を呈する。したがって、プロセスの間、繊維状ポリマー層25の各々は隣接する繊維状補強層30に浸透し、結果として後者は前者によって実質的に完全に封入されて、この組み合わせが発泡体コア20に接着される。
【0085】
プロセス中に、繊維状ポリマー層25は溶融するかさもなければ流動可能になって含浸し、繊維状補強層30を十分に浸透するおよび/または実質的に封入する。
【0086】
(図1に関連して上述したポリエチレンフィルム層10の代わりに)繊維状ポリマー層25を用いることにより、得られる発泡体積層製品は、低い空気流抵抗および改善された吸音特性を可能にする多孔度を維持するポリマー層を含む。
【0087】
本発明の方法における加熱工程は繊維状ポリマー層の融点より高い温度で行われる。たとえば、繊維状ポリマー層がポリプロピレンスクリム(最も好ましい実施形態)、加熱工程は約165℃で行われるであろう。典型的には、加熱工程は少なくとも約100℃の温度、より好ましくは約100℃ないし約250℃の範囲、さらにより好ましくは約110℃ないし約250℃、最も好ましくは約110℃ないし約200℃で行われる。
【0088】
二段階積層手法を用いてこの方法を行うことができる。この手法においては、スタックまたはブランクをフラットベッドラミネーター(たとえば、Meyerラミネーター)に入れ、圧力下で加熱して初期積層製品を製造する。次に、この初期積層製品を第2のラミネーターに入れ、初期積層製品を加熱(たとえば、赤外線加熱)して成形し、最終製品を製造する。第2のラミネーターの例は、米国特許5,928,597[Van Ert]、6,146,578[Van Ert el al.]および6,338,618[Van Ert et al.]に記載されている。
【0089】
代わりに、本発明の積層製品についてのいくつかの用途においては、一段階手法−たとえば単一の設備などで積層とシェーピングを達成するラミネーターであるフラットベッドラミネーターを用いてこの方法を行うことができる。
【0090】
本発明の実施形態を下記の例を参照して記載するが、これらは例示の目的のみで与えられ、発明を限定するかまたは解釈するために用いてはならない。
【0091】
例においては下記の材料を用いた。
【0092】
CF−コア発泡体(厚さ=5.5mm)−ポリウレタン発泡体で密度が40kg/mであり、Woodbridge Foam CorporationからStratas 1825(登録商標)の商品名で入手できる;
PE−ポリエチレン(HDPE)フィルムで厚さが2milで1.5oz/yd(47g/m)に相当し、発泡体積層製品の製造に従来から用いられている;
FPL#1−繊維状ポリマー層−スパンバウンド、不織ポリプロピレンスクリム−1.0oz/yd(33g/m);
FPL#2−繊維状ポリマー層−スパンバウンド、不織ポリプロピレンスクリム−2.25oz/yd(75g/m);
SCM−スクリム−スパンバウンドポリエステルスクリム 1.0oz/yd;および
FRL−繊維状補強層−チョップトストランドファイバーガラスマット−80g/m
【0093】
例1−3
下記のレイアップを有するブランクを用いて例1を製造した。
【表1】

【0094】
例1は比較の目的のみで用意し、本発明の範囲外である。
【0095】
下記のレイアップを有するブランクを用いて例2および例3を製造した。
【表2】

【0096】
各々のブランクまたはスタックを、隣り合った加熱ゾーンおよび冷却ゾーンからなる、フラットベッドラミネーターに手作業で通した。積層のためのプロセスパラメーターは下記のとおりであった。
【0097】
ライン速度:9m/min−12m/min;
ホットプレート温度:175℃−240℃;
加圧ローラーオフセット:1.8mm;
プレート高さ 5.2mm;および
冷却プラテン温度:20℃−45℃。
【0098】
得られたサンプルを24時間調整した。
【0099】
その後、サンプルを、ラミネーターたとえば米国特許5,928,597[Van Ert]、6,146,578[Van Ert el al.]および6,338,618[Van Ert et al.]に記載されているもので加熱および成形して最終形態のサンプルを製造した。この部分のプロセスについてのプロセス条件は下記のとおりであった。
【0100】
赤外線オーブンパワー:75ないし90%のヒーター出力;
赤外線オーブン滞留時間:50ないし100秒;
基板表面温度:185℃−200℃;
基板コア温度:185℃−200℃;
成形プレス圧力:1−4インチHg;および
成形プレス時間:50−80秒。
【0101】
サンプルの最大負荷および剛性(両方とも室温)をHonda仕様8302Z−S84−0000に従って測定した。サンプルの空気流抵抗をASTM C522に従って測定した。これらの物理試験の結果を、各々のサンプルの重量とともに表1に示す。
【0102】
非常に驚いたことに、例1および例2の結果を比較すると、これらの結果は、最大荷重および剛性を維持しながら著しく低い空気流抵抗をもつより軽量な積層製品を製造できることを示している。このような製品は、既知の積層製品に対して著しい改善を示すであろう。
【0103】
例1および例3についての結果の比較は、例3の積層製品はより重いが、例1と比較して空気流抵抗の著しい低減を達成しながら、著しく大きい最大荷重をもつことを示している。このような製品は、最大荷重を吸収できる条件で追加の重量が許容できる用途に用いられるであろう。
【0104】
5mmまたは10mmの空隙を与える通常の試験装置を用い、ASTM E1050に従って例1および例2についてのサンプルの吸音係数を測定した。結果を図3(5mmの空隙)および図4(10mmの空隙)に図示する。図示したように、これらの結果は、例1(比較)で製造したサンプルと比較した場合、例2(発明)で製造したサンプルが高周波数で比較的高い吸音係数を有することを示している。この高い吸音係数は、例1(比較)で製造したものと比較して、例2(発明)で製造したサンプルについての改善された吸音特性で説明できる。
【0105】
例4−5
典型的には、発泡イソシアネート系ポリマーはイソシアネートおよび活性水素含有化合物を含む反応混合物から製造される。
【0106】
例1−3で用いた方法論および下記のレイアップを有するブランクを用いて例4および例5を製造した。
【表3】

【0107】
例4は比較の目的のみで用意し、本発明の範囲外である。
【0108】
得られたサンプルを例1−3に関連して示している同一の物理試験にかけ、結果を表2(重量、最大荷重、強度および空気流抵抗)ならびに図4(吸音)に示している。例1−3についての結果と関連して示したのと同じ傾向が、例4−5についての結果に見られる。
【0109】
例6−7
例1−3で用いた方法論および下記のレイアップを有するブランクを用いて例6および例7を製造した。
【表4】

【0110】
例6は比較の目的のみで用意し、本発明の範囲外である。
【0111】
得られたサンプルを例1−3に関連して示している同一の物理試験にかけ、結果を表2(重量、最大荷重、強度および空気流抵抗)ならびに図5および図6(吸音、それぞれ5mmおよび10mmの空隙)に示している。例1−3についての結果と関連して示したのと同じ傾向が、例6−7についての結果に見られる。
【0112】
本発明を例示的な実施形態および実施例を参照して説明してきたが、この説明は限定的な意味で解釈されることを意図していない。したがって、例示的な実施形態の種々の変更、ならびに本発明の他の実施形態はこの説明を参照すれば当業者には明らかであろう。たとえば、本発明の積層製品をモールド発泡体コアから製造することが望まれる場合、発泡体コアと関係なく図2に述べたスタックからカバー層を成形しシェーピングすることによってこれを達成することができる。カバー層に関係なく発泡体コアをモールドすることができ(すなわち発泡体コアのすべての表面を拘束するモールド中で発泡可能な組成物の発泡体コアへの転換が完結されるであろう)、次に通常の接着剤を用いて成形された要素を互いに接着することができる。また、本発明の積層製品の1つの主面上に仕上げカバーまたはトリムカバーを含み、それによって仕上げ部品を製造することもできる。さらに、その製造中に発泡体積層製品に他の要素を加えることもできる。たとえば、下記の1以上を組み込むことができる。(i)加熱機能を与えるための発泡体積層製品中の導電層、(ii)発泡体積層製品の音響性能をさらに改善するための吸音層、および/または(iii)発泡体積層体の難燃性を改善するための難燃層。さらに、例は二段階積層手法(すなわちフラットベッドラミネーターとそれに続く別のラミネーターでの加熱/シェーピング)を用いて本発明の積層製品の好ましい実施形態の製品を説明しているが、積層製品の最終用途によっては一段階積層手法−たとえば単一の設備などで積層、加熱およびシェーピングを達成するラミネーターであるフラットベッドラミネーターを用いることができることは明らかであろう。したがって、添付した特許請求の範囲はあらゆるこのような変更または実施形態をカバーするであろうことが意図されている。
【0113】
本明細書中で参照したすべての文献、特許、特許出願およびインターネットウェブサイト上の内容は、各々の個々の文献、特許または特許出願が全体として参照により組み込まれるように具体的にかつ個々に示されているかのように、同じ範囲で全体として参照により組み込まれている。
【表5】

【表6】

【表7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の対向する主面と各々の主面に対して固定されたカバー層とを有する発泡体コアを含む積層製品であって、前記カバー層はポリマーによって実質的に封入された繊維状補強層を含み、ASTM C522に従って測定された空気流抵抗が約6,000mks Rayls未満である積層製品。
【請求項2】
前記積層製品はASTM C522に従って測定された空気流抵抗が約5,750mks Rayls未満である請求項1に記載の積層製品。
【請求項3】
前記積層製品はASTM C522に従って測定された空気流抵抗が約5,500mks Rayls未満である請求項1に記載の積層製品。
【請求項4】
前記積層製品はASTM C522に従って測定された空気流抵抗が約5,250mks Rayls未満である請求項1に記載の積層製品。
【請求項5】
前記積層製品はASTM C522に従って測定された空気流抵抗が約5,000mks Rayls未満である請求項1に記載の積層製品。
【請求項6】
前記積層製品はASTM C522に従って測定された空気流抵抗が約500ないし約5,000mks Raylsの範囲である請求項1に記載の積層製品。
【請求項7】
前記積層製品はASTM C522に従って測定された空気流抵抗が約500ないし約4,500mks Raylsの範囲である請求項1に記載の積層製品。
【請求項8】
前記積層製品はASTM C522に従って測定された空気流抵抗が約500ないし約4,000mks Raylsの範囲である請求項1に記載の積層製品。
【請求項9】
前記積層製品はASTM C522に従って測定された空気流抵抗が約500ないし約3,000mks Raylsの範囲である請求項1に記載の積層製品。
【請求項10】
前記積層製品はASTM C522に従って測定された空気流抵抗が約700ないし約2,700mks Raylsの範囲である請求項1に記載の積層製品。
【請求項11】
前記積層製品はASTM C522に従って測定された空気流抵抗が約700ないし約1,500mks Raylsの範囲である請求項1に記載の積層製品。
【請求項12】
第1のカバー層がポリマーによって発泡体コアの第1の主面に接着され、第2のカバー層がポリマーによって発泡体コアの第2の主面に接着されている請求項1ないし11のいずれか1項に記載の積層製品。
【請求項13】
前記第1のカバー層および前記第2のカバー層の少なくとも一方は単一の繊維状補強層を含む、請求項12に記載の積層製品。
【請求項14】
前記第1のカバー層および前記第2のカバー層の各々は繊維状の単一の補強層を含む、請求項12に記載の積層製品。
【請求項15】
前記第1のカバー層および前記第2のカバー層の少なくとも一方は複数の繊維状補強層を含む、請求項12に記載の積層製品。
【請求項16】
前記第1のカバー層および前記第2のカバー層の各々は複数の繊維状補強層を含む、請求項12に記載の積層製品。
【請求項17】
前記第1のカバー層および前記第2のカバー層の少なくとも一方は独立に1ないし15の繊維状補強層を含む、請求項12に記載の積層製品。
【請求項18】
前記第1のカバー層および前記第2のカバー層の少なくとも一方は独立に1ないし12の繊維状補強層を含む、請求項12に記載の積層製品。
【請求項19】
前記第1のカバー層および前記第2のカバー層の少なくとも一方は独立に1ないし10の繊維状補強層を含む、請求項12に記載の積層製品。
【請求項20】
前記第1のカバー層および前記第2のカバー層の少なくとも一方は独立に1ないし5の繊維状補強層を含む、請求項12に記載の積層製品。
【請求項21】
前記第1のカバー層および前記第2のカバー層の各々は独立に1ないし15の繊維状補強層を含む、請求項12に記載の積層製品。
【請求項22】
前記第1のカバー層および前記第2のカバー層の各々は独立に1ないし12の繊維状補強層を含む、請求項12に記載の積層製品。
【請求項23】
前記第1のカバー層および前記第2のカバー層の各々は独立に1ないし12の繊維状補強層を含む、請求項12に記載の積層製品。
【請求項24】
前記第1のカバー層および前記第2のカバー層の各々は独立に1ないし5の繊維状補強層を含む、請求項12に記載の積層製品。
【請求項25】
前記ポリマーは有機ポリマーを含む、請求項1ないし24のいずれか1項に記載の積層製品。
【請求項26】
前記ポリマーは熱可塑性ポリマーを含む、請求項1ないし24のいずれか1項に記載の積層製品。
【請求項27】
前記ポリマーは弾性材料を含む、請求項1ないし24のいずれか1項に記載の積層製品。
【請求項28】
前記ポリマーは熱硬化性材料を含む、請求項1ないし24のいずれか1項に記載の積層製品。
【請求項29】
前記ポリマーは、ポリオレフィン、ポリエステル、ナイロン、ポリ(塩化ビニル)、ポリウレタン、ポリアクリレート、ラテックス、スチレン−ブタジエンポリマー、ニトリル−ブタジエンポリマー、シリコーンポリマー、これらの混合物、これらのコポリマーおよびこれらの相互貫入ネットワークからなる群より選択される、請求項1ないし24のいずれか1項に記載の積層製品。
【請求項30】
前記ポリマーはポリオレフィンを含む、請求項1ないし29のいずれか1項に記載の積層製品。
【請求項31】
前記ポリオレフィンは、少なくとも1つのオレフィンモノマーの重合により誘導された、ホモポリマー、コポリマーおよびターポリマーからなる群より選択される、請求項30に記載の積層体。
【請求項32】
前記少なくとも1つのオレフィンモノマーは、α−オレフィンモノマー、ジオレフィンモノマーおよび少なくとも1つの内部オレフィン結合を含む重合可能なモノマーを含む群より選択される、請求項31に記載の積層体。
【請求項33】
前記オレフィンモノマーはα−オレフィンモノマーを含む、請求項31に記載の積層体。
【請求項34】
前記α−オレフィンモノマーは、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、これらの分枝異性体、スチレン、α−メチルスチレンおよびこれらの混合物の群より選択される、請求項33に記載の積層体。
【請求項35】
前記α−オレフィンモノマーはプロピレンを含む、請求項33に記載の積層体。
【請求項36】
前記オレフィンモノマーはジオレフィンモノマーを含む、請求項31に記載の積層体。
【請求項37】
前記ジオレフィンモノマーは脂肪族化合物を含む、請求項36に記載の積層体。
【請求項38】
前記ジオレフィンモノマーは、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、ピペリレン、ミルセン、アレン、1,2−ブタジエン、1,4,9−デカトリエン、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、1,5−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−オクタ−1,6−ジエン−1,6、フェニルブタジエン、ペンタジエンおよびこれらの混合物を含む群より選択される、請求項36に記載の積層体。
【請求項39】
前記ジオレフィンモノマーは二環式化合物を含む、請求項36に記載の積層体。
【請求項40】
前記ジオレフィンモノマーは、ノルボルナジエン、そのアルキル誘導体、5−アルキリデン−2−ノルボルネン化合物、5−アルケニル−2−ノルボルネン化合物およびこれらの混合物を含む群より選択される、請求項36に記載の積層体。
【請求項41】
前記ジオレフィンモノマーは、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−プロペニル−2−ノルボルネンおよびこれらの混合物を含む群より選択される、請求項36に記載の積層体。
【請求項42】
前記ジオレフィンモノマーは、1,4−シクロヘキサジエン、1,5−シクロオクタジエン、1,5−シクロドデカジエン、メチルテトラヒドロインデン、ジシクロペンタジエン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−2,5−ジエンおよびこれらの混合物を含む群より選択される、請求項36に記載の積層体。
【請求項43】
前記ポリオレフィンは、エチレンおよび少なくとも1つのα−オレフィンの混合物の重合により誘導されたコポリマーである、請求項30に記載の積層体。
【請求項44】
前記ポリオレフィンは、エチレンおよびプロピレンの混合物の重合により誘導されたコポリマーである、請求項30に記載の積層体。
【請求項45】
前記混合物は、約30ないし約75のエチレンおよび約25ないし約70重量パーセントのα−オレフィンを含む、請求項43に記載の積層体。
【請求項46】
前記混合物は、約35ないし約65のエチレンおよび約35ないし約65重量パーセントのα−オレフィンを含む、請求項43に記載の積層体。
【請求項47】
前記ポリオレフィンは、エチレン、少なくとも1つのα−オレフィンおよび少なくとも1つのジオレフィンモノマーの混合物の重合により誘導されたコポリマーである、請求項30に記載の積層体。
【請求項48】
前記ポリオレフィンは、エチレン、プロピレンならびに5−エチリデン−2−ノルボルネン 1,5−ヘキサジエンおよび1,5−ヘキサジエンの一方または両方の混合物の重合により誘導されたコポリマーである、請求項30に記載の積層体。
【請求項49】
前記混合物は約0.5ないし約15重量パーセントの前記ジオレフィンモノマーを含む、請求項47に記載の積層体。
【請求項50】
前記混合物は約1ないし約10重量パーセントの前記ジオレフィンモノマーを含む、請求項47に記載の積層体。
【請求項51】
前記ポリオレフィンは、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリエチレンおよびこれらの混合物を含む群より選択される、請求項30に記載の積層体。
【請求項52】
前記ポリオレフィンはポリプロピレンである、請求項30に記載の積層体。
【請求項53】
前記ポリオレフィンは分子量(Mn)が約10,000ないし約100,000の範囲である、請求項30ないし52のいずれか1項に記載の積層体。
【請求項54】
前記ポリオレフィンは、分子量(Mn)が約20,000ないし約80,000の範囲である、請求項30ないし52のいずれか1項に記載の積層体。
【請求項55】
前記ポリオレフィンは、分子量(Mn)が約40,000ないし約60,000の範囲である、請求項30ないし52のいずれか1項に記載の積層体。
【請求項56】
前記発泡体コアは、ASTM 3574−Dに従って測定した場合に、10%撓みでの圧縮力撓みが約2psiないし約200psiの範囲である、請求項1ないし52のいずれか1項に記載の積層製品。
【請求項57】
前記発泡体コアは、ASTM 3574−Dに従って測定した場合に、10%撓みでの圧縮力撓みが約5psiないし約100psiの範囲である、請求項1ないし52のいずれか1項に記載の積層製品。
【請求項58】
前記発泡体コアは、ASTM 3574−Dに従って測定した場合に、10%撓みでの圧縮力撓みが約10psiないし約80psiの範囲である、請求項1ないし52のいずれか1項に記載の積層製品。
【請求項59】
前記発泡体コアはイソシアネート系発泡体を含む、請求項1ないし58のいずれか1項に記載の積層製品。
【請求項60】
前記発泡体コアはポリウレタン発泡体を含む、請求項1ないし58のいずれか1項に記載の積層製品。
【請求項61】
前記発泡体コアは実質的に均一な密度をもつ、請求項1ないし58のいずれか1項に記載の積層製品。
【請求項62】
前記発泡体コアは変動する密度をもつ、請求項1ないし58のいずれか1項に記載の積層製品。
【請求項63】
前記発泡体コアは密度が約0.5ないし約30ポンド/立方フィートの範囲である、請求項1ないし62のいずれか1項に記載の積層製品。
【請求項64】
前記発泡体コアは密度が約1ないし約20ポンド/立方フィートの範囲である、請求項1ないし62のいずれか1項に記載の積層製品。
【請求項65】
前記発泡体コアは密度が約2ないし約15ポンド/立方フィートの範囲である、請求項1ないし62のいずれか1項に記載の積層製品。
【請求項66】
前記発泡体コアは密度が約2ないし約8ポンド/立方フィートの範囲である、請求項1ないし62のいずれか1項に記載の積層製品。
【請求項67】
前記発泡体コアは厚さが約2mm以上である、請求項1ないし66のいずれか1項に記載の積層製品。
【請求項68】
前記発泡体コアは厚さが約2mmないし約20mmの範囲である、請求項1ないし66のいずれか1項に記載の積層製品。
【請求項69】
前記発泡体コアは厚さが約3mmないし約15mmの範囲である、請求項1ないし66のいずれか1項に記載の積層製品。
【請求項70】
前記発泡体コアは厚さが約3mmないし約12mmの範囲である、請求項1ないし66のいずれか1項に記載の積層製品。
【請求項71】
前記発泡体コアは厚さが約3mmないし約8mmの範囲である、請求項1ないし66のいずれか1項に記載の積層製品。
【請求項72】
前記発泡体コアは厚さが約3mmないし約6mmの範囲である、請求項1ないし66のいずれか1項に記載の積層製品。
【請求項73】
請求項1ないし72のいずれか1項に記載の積層製品を含む、車両のヘッドライナー、サンシェードまたはパッケージトレー。
【請求項74】
所定の形状を有する積層発泡体製品の製造方法であって、
加熱装置内にブランクを配置する工程であって、前記ブランクは一対の対向する主面と各々の主面上に設けられたカバー層とを有する発泡体コアを含み、各々のカバー層は少なくとも1つの繊維状補強層および少なくとも1つの繊維状ポリマー層とを含む工程と、
前記ブランクを、前記少なくとも1つの繊維状ポリマー層の融点より高い温度で加熱し、ポリマーに前記少なくとも1つの繊維状の層を封入させ、各々のカバー層を前記発泡体コアに接着させる工程と
を含む方法。
【請求項75】
所定の形状を呈するように前記ブランクをシェーピングする、さらなる工程を含む、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記加熱工程および前記シェーピング工程を同時に行う、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記加熱工程および前記シェーピング工程を順次行う、請求項75に記載の方法。
【請求項78】
前記シェーピング工程に先立つ前記加熱工程を同時に行う、請求項75に記載の方法。
【請求項79】
少なくとも1つのカバー層は2以上の繊維状ポリマー層を含む、請求項74ないし78のいずれか1項に記載の方法。
【請求項80】
各々のカバー層は2以上の繊維状ポリマー層を含む、請求項74ないし78のいずれか1項に記載の方法。
【請求項81】
少なくとも1つのカバー層は2以上の繊維状補強層を含む、請求項74ないし78のいずれか1項に記載の方法。
【請求項82】
各々のカバー層は2以上の繊維状補強層を含む、請求項74ないし78のいずれか1項に記載の方法。
【請求項83】
前記少なくとも1つの繊維状材料は不織である、請求項74ないし82のいずれか1項に記載の方法。
【請求項84】
前記加熱工程は、第1のカバー層をポリマーによって前記発泡体コアの第1の主面に接着させ、第2のカバー層をポリマーによって前記発泡体コアの第2の主面に接着させる、請求項74ないし83のいずれか1項に記載の方法。
【請求項85】
前記第1のカバー層および前記第2のカバー層の少なくとも1つは単一の繊維状補強層を含む、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記第1のカバー層および前記第2のカバー層の各々は単一の補強層を含む、請求項84に記載の方法。
【請求項87】
前記第1のカバー層および前記第2のカバー層の少なくとも1つは複数の繊維状補強層を含む、請求項84に記載の方法。
【請求項88】
前記第1のカバー層および前記第2のカバー層の各々は単一の繊維状補強層を含む、請求項84に記載の方法。
【請求項89】
前記第1のカバー層および前記第2のカバー層の少なくとも1つは独立に1ないし15の繊維状補強層を含む、請求項84に記載の方法。
【請求項90】
前記第1のカバー層および前記第2のカバー層の少なくとも1つは独立に1ないし12の繊維状補強層を含む、請求項84に記載の方法。
【請求項91】
前記第1のカバー層および前記第2のカバー層の少なくとも1つは独立に1ないし10の繊維状補強層を含む、請求項84に記載の方法。
【請求項92】
前記第1のカバー層および前記第2のカバー層の少なくとも1つは独立に1ないし5の繊維状補強層を含む、請求項84に記載の方法。
【請求項93】
前記第1のカバー層および前記第2のカバー層の各々は独立に1ないし15の繊維状補強層を含む、請求項84に記載の方法。
【請求項94】
前記第1のカバー層および前記第2のカバー層の各々は独立に1ないし12の繊維状補強層を含む、請求項84に記載の方法。
【請求項95】
前記第1のカバー層および前記第2のカバー層の各々は独立に1ないし10の繊維状補強層を含む、請求項84に記載の方法。
【請求項96】
前記第1のカバー層および前記第2のカバー層の各々は独立に1ないし5の繊維状補強層を含む、請求項84に記載の方法。
【請求項97】
前記少なくとも1つの繊維状ポリマー層は有機ポリマーを含む、請求項74ないし96のいずれか1項に記載の方法。
【請求項98】
前記少なくとも1つの繊維状ポリマー層は熱可塑性ポリマーを含む、請求項74ないし96のいずれか1項に記載の方法。
【請求項99】
前記少なくとも1つの繊維状ポリマー層は弾性材料を含む、請求項74ないし96のいずれか1項に記載の方法。
【請求項100】
前記少なくとも1つの繊維状ポリマー層は熱硬化性材料を含む、請求項74ないし96のいずれか1項に記載の方法。
【請求項101】
前記少なくとも1つの繊維状ポリマー層はポリオレフィン、ポリエステル、ナイロン、ポリ(塩化ビニル)、ポリウレタン、ポリアクリレート、ラテックス、スチレン−ブタジエンポリマー、ニトリル−ブタジエンポリマー、シリコーンポリマー、これらの混合物、これらのコポリマーおよびこれらの相互貫入ネットワークからなる群より選択されるポリマーを含む、請求項74ないし96のいずれか1項に記載の方法。
【請求項102】
前記少なくとも1つの繊維状ポリマー層はポリオレフィンを含む、請求項74ないし96のいずれか1項に記載の方法。
【請求項103】
前記ポリオレフィンは、少なくとも1つのオレフィンモノマーの重合により誘導されたホモポリマー、コポリマーおよびターポリマーからなる群より選択される、請求項102に記載の積層体。
【請求項104】
前記少なくとも1つのオレフィンモノマーは、α−オレフィンモノマー、ジオレフィンモノマーおよび少なくとも1つの内部オレフィン結合を含む重合可能なモノマーを含む群より選択される、請求項103に記載の積層体。
【請求項105】
前記オレフィンモノマーはα−オレフィンモノマーを含む、請求項103に記載の積層体。
【請求項106】
前記α−オレフィンモノマーは、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、これらの分枝異性体、スチレン、α−メチルスチレンおよびこれらの混合物の群より選択される、請求項105に記載の積層体。
【請求項107】
前記α−オレフィンモノマーはプロピレンを含む、請求項105に記載の積層体。
【請求項108】
前記オレフィンモノマーはジオレフィンモノマーを含む、請求項103に記載の積層体。
【請求項109】
前記ジオレフィンモノマーは脂肪族化合物を含む、請求項108に記載の積層体。
【請求項110】
前記ジオレフィンモノマーは、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、ピペリレン、ミルセン、アレン、1,2−ブタジエン、1,4,9−デカトリエン、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、1,5−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−オクタ−1,6−ジエン−1,6、フェニルブタジエン、ペンタジエンおよびこれらの混合物を含む群より選択される請求項108に記載の積層体。
【請求項111】
前記ジオレフィンモノマーは二環式化合物を含む、請求項108に記載の積層体。
【請求項112】
前記ジオレフィンモノマーは、ノルボルナジエン、そのアルキル誘導体、5−アルキリデン−2−ノルボルネン化合物、5−アルケニル−2−ノルボルネン化合物およびこれらの混合物を含む群より選択される、請求項108に記載の積層体。
【請求項113】
前記ジオレフィンモノマーは、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−プロペニル−2−ノルボルネンおよびこれらの混合物を含む群より選択される、請求項108に記載の積層体。
【請求項114】
前記ジオレフィンモノマーは、1,4−シクロヘキサジエン、1,5−シクロオクタジエン、1,5−シクロドデカジエン、メチルテトラヒドロインデン、ジシクロペンタジエン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−2,5−ジエンおよびこれらの混合物を含む群より選択される、請求項108に記載の積層体。
【請求項115】
前記ポリオレフィンは、エチレンおよび少なくとも1つのα−オレフィンの混合物の重合により誘導されたコポリマーである、請求項102に記載の積層体。
【請求項116】
前記ポリオレフィンは、エチレンおよびプロピレンの混合物の重合により誘導されたコポリマーである、請求項102に記載の積層体。
【請求項117】
前記混合物は、約30ないし約75のエチレンおよび約25ないし約70重量パーセントのα−オレフィンを含む、請求項115に記載の積層体。
【請求項118】
前記混合物は、約35ないし約65のエチレンおよび約35ないし約65重量パーセントのα−オレフィンを含む、請求項115に記載の積層体。
【請求項119】
前記ポリオレフィンは、エチレン、少なくとも1つのα−オレフィンおよび少なくとも1つのジオレフィンモノマーの混合物の重合により誘導されたコポリマーである、請求項102に記載の積層体。
【請求項120】
前記ポリオレフィンは、エチレン、プロピレンならびに5−エチリデン−2−ノルボルネン 1,5−ヘキサジエンおよび1,5−ヘキサジエンの一方または両方の混合物の重合により誘導されたコポリマーである、請求項102に記載の積層体。
【請求項121】
前記混合物は約0.5ないし約15重量パーセントのジオレフィンモノマーを含む、請求項119に記載の積層体。
【請求項122】
前記混合物は約1ないし約10重量パーセントのジオレフィンモノマーを含む、請求項119に記載の積層体。
【請求項123】
前記ポリオレフィンは、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリエチレンおよびこれらの混合物を含む群より選択される、請求項102に記載の積層体。
【請求項124】
前記ポリオレフィンはポリプロピレンである、請求項102に記載の積層体。
【請求項125】
前記ポリオレフィンは分子量(Mn)が約10,000ないし約100,000の範囲である、請求項102ないし124のいずれか1項に記載の積層体。
【請求項126】
前記ポリオレフィンは分子量(Mn)が約20,000ないし約80,000の範囲である、請求項102ないし124のいずれか1項に記載の積層体。
【請求項127】
前記ポリオレフィンは分子量(Mn)が約40,000ないし約60,000の範囲である、請求項102ないし124のいずれか1項に記載の積層体。
【請求項128】
前記発泡体コアは、ASTM 3574−Dに従って測定した場合に、10%撓みでの圧縮力撓みが約2psiないし約200psiの範囲である、請求項74ないし127のいずれか1項に記載の方法。
【請求項129】
前記発泡体コアは、ASTM 3574−Dに従って測定した場合に、10%撓みでの圧縮力撓みが約5psiないし約100psiの範囲である、請求項74ないし127のいずれか1項に記載の方法。
【請求項130】
前記発泡体コアは、ASTM 3574−Dに従って測定した場合に、10%撓みでの圧縮力撓みが約10psiないし約80psiの範囲である、請求項74ないし127のいずれか1項に記載の方法。
【請求項131】
前記発泡体コアはイソシアネート系発泡体を含む、請求項74ないし130のいずれか1項に記載の方法。
【請求項132】
前記発泡体コアはポリウレタン発泡体を含む、請求項74ないし130のいずれか1項に記載の方法。
【請求項133】
前記発泡体コアは実質的に均一な密度をもつ、請求項74ないし132のいずれか1項に記載の方法。
【請求項134】
前記発泡体コアは変動する密度をもつ、請求項74ないし132のいずれか1項に記載の方法。
【請求項135】
前記発泡体コアは密度が約0.5ないし約30ポンド/立方フィートの範囲である、請求項74ないし134のいずれか1項に記載の方法。
【請求項136】
前記発泡体コアは密度が約1ないし約20ポンド/立方フィートの範囲である、請求項74ないし134のいずれか1項に記載の方法。
【請求項137】
前記発泡体コアは密度が約2ないし約15ポンド/立方フィートの範囲である、請求項74ないし134のいずれか1項に記載の方法。
【請求項138】
前記発泡体コアは密度が約2ないし約8ポンド/立方フィートの範囲である、請求項74ないし134のいずれか1項に記載の方法。
【請求項139】
前記発泡体コアは厚さが約2mm以上である、請求項74ないし138のいずれか1項に記載の方法。
【請求項140】
前記発泡体コアは厚さが約2mmないし約20mmの範囲である、請求項74ないし138のいずれか1項に記載の方法。
【請求項141】
前記発泡体コアは厚さが約3mmないし約15mmの範囲である、請求項74ないし138のいずれか1項に記載の方法。
【請求項142】
前記発泡体コアは厚さが約3mmないし約12mmの範囲である、請求項74ないし138のいずれか1項に記載の方法。
【請求項143】
前記発泡体コアは厚さが約3mmないし約8mmの範囲である、請求項74ないし138のいずれか1項に記載の方法。
【請求項144】
前記発泡体コアは厚さが約3mmないし約6mmの範囲である、請求項74ないし138のいずれか1項に記載の方法。
【請求項145】
請求項74ないし144のいずれか1項に記載の方法によって製造された積層製品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

image rotate


【公表番号】特表2012−517363(P2012−517363A)
【公表日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−549405(P2011−549405)
【出願日】平成22年2月9日(2010.2.9)
【国際出願番号】PCT/CA2010/000165
【国際公開番号】WO2010/091501
【国際公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(511122651)プロプライアテクト・エル.ピー. (3)
【Fターム(参考)】