説明

発泡性芳香族ビニルポリマーの製造プロセスの開始方法

下記(a)〜(f)を有する発泡性芳香族ビニルポリマーペレット製造プロセスの開始法:(a)発泡剤と添加剤(任意成分)を含む溶融した芳香族ビニルポリマーの導入手段と、小さい直径の複数の孔を有するダイプレートとペレットを製造するためのカッター手段とを有する造粒機(S)を用意し、(b)発泡剤と添加剤(任意)を含む溶融した芳香族ビニルポリマーを導入する手段と、大きい直径の複数の孔を有するダイプレートと、ペレットを製造するためのカッター手段とを有する造粒機(L)を用意し、(c)ポリマーの流速が造粒機(S)の運転領域になるまで且つ発泡剤と添加剤(任意)の比率を仕様内にして、発泡剤と添加剤(任意)を含む発泡性芳香族ビニルポリマーペレットをペレタイザ(L)へ送り、(d)発泡剤と添加剤(任意)を含む溶融した芳香族ビニルポリマ流れを造粒機(S)に切り換え、この造粒機(S)を発泡性芳香族ビニルポリマーのペレットを製造するのに有効な条件で運転し、(e)造粒機(S)から発泡性芳香族ビニルポリマのペレットを回収し、(f)段階(c)で製造したペレットを回収し、次の段階(d)へ溶融状態で再循環する(任意)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡性芳香族ビニルポリマーの製造プロセスの運転開始方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発泡性芳香族ビニルポリマー、特に発泡ポリスチレン(EPS)は種々の用途(特に重要な用途は断熱分野)で使用される発泡物品として公知の製品である。この発泡製品はガスを含浸した発泡性ポリマーのビーズを密閉金型中で腫潤させ、金型内に収容した腫潤粒子を圧力と温度の同時効果によって成形して得られる。粒子の腫潤は一般にポリマーのガラス遷移温度(Tg)より高い温度に維持された蒸気、その他のガスで行われる。
【0003】
発泡ポリスチレンの用途分野の一つは一般に平らなシートの形で使われる建設工業の断熱用途である。平らな発泡ポリスチレンシートは熱伝導度と他の特性との最適バランスを得るために一般に約10〜40グラム/リットルの密度で使用される。
【0004】
「芳香族ビニルポリマーをベースにした発泡性ビーズ(またはペレット)」という用語は発泡系と任意節分の他の添加剤とを含む顆粒状芳香族ビニルポリマーを意味する。
【0005】
この顆粒の形をした発泡性熱可塑性ポリマーはその断熱特性から発泡/成形後に家庭用器具、その他の工業設備の生産、包装および建築工業の断熱に使われる。ポリスチレンのような熱可塑性芳香族ビニルポリマーはポリマーのマトリックス中に発泡剤を入れて発泡させることができる。芳香族ビニルポリマーの代表的な発泡剤は3〜7個の炭素原子を有する少なくとも一種の液化炭化水素と、ハロゲン化炭化水素と、二酸化炭素または水とを含む。発泡剤の量は一般に2〜15重量%である。発泡性ポリマーは一般にビーズまたは顆粒の形に製造され、例えばスチームのような熱の作用下で所望密度の密度まで発泡され、一定のエージング時間後に密閉金型中で焼結されてブロックまたは所望最終製品に作られる。
発泡性ビーズの成形方法は例えば特許文献1〜5に記載されている。
【0006】
本発明は、発泡剤および任意成分の添加剤を溶融状態で芳香族ビニルポリマー中に入れ、発泡剤および任意成分の添加剤を含む芳香族ビニルポリマーをダイプレートを通して押し出し、カットしてペレットにするプロセスに関するものである。ダイプレートは一般に下記(1)〜(5)を有する「造粒装置」または「ペレタイザ」と呼ばれる機械と組み合わされている:
(1)発泡剤および任意成分の添加剤を含む溶融した芳香族ビニルポリマーを導入する手段、
(2)ダイプレート、
(3)ペレットを作る切断手段、
(4)ペレットを冷却し、回収する手段、例えば循環水、
(5)ペレットを水から分離する手段。
【0007】
特許文献5(国際特許第WO 2008 141766号公報)には少なくとも一種の発泡剤と任意成分の他のポリマーまたは添加剤(ポリマーマトリックスに不溶な無機顔料を含む)とを含む熱可塑性ポリマーをベースにした顆粒の連続製造方法が記載されている。この特許では先ず最初に溶融状態の主要流を作り、添加剤を含む溶融した第2の流れを主要流に加える。得られた混合物を切断ブレードの後方に配置したノズルからウォータージェットを用いて冷却する、
【0008】
特許文献6(米国特許公開第US2009 0108480号明細書)は発泡剤を含むポリマー溶融物を造粒室でペレットにする方法と装置に関するものである。造粒室は外周圧力より高い圧力下にあり、液体は造粒室から流出する。造粒方法で一般に使われるもう一つの用語に「水中(underwater)ペレタイジング」という用語がある。これは上記の造粒室から流出する液体として一般に水が使われるためである。この水中ペレタイジングプロセスは一般にペレットが発泡剤を含むプラスチックから作られる時に使われる。造粒室中の圧力を高くすることでペレタイジング中に発泡剤を含むプラスチックが発泡しないようにしている。発泡剤を含むポリマーでは発泡剤は一般に溶融ポリマー中に存在し、それからペレットが製造される。この従来方法では最初の段階でポリマー溶融物を造粒室中へ射出し、第2段階でポリマー溶融物をカッターを通して個々のペレットに切断し、第3段階で造粒プロセスで製造したペレットを造粒室から液体中に吐出し、最後に液体から分離する。この特許方法は次の(a)〜(d)の工程の少なくとも一つを含む:
(a) 所定最大寸法を超える凝集物またはペレットを、造粒室下流に配置した粉砕 (comminuting machine) 機械またはカッターの下流に配置した粉砕ユニット(comminuting unit)で粉砕(comminution)し、
(b)減圧装置中で液体を減圧し、
(c)スロットル装置で液体を減圧し、スロットル装置の上流側に圧力均等化容器を設け、
(d)ペレットに含まれる液体を減圧せずに、液体からペレットを分離する。
【0009】
特許文献7(米国特許公開第US2009 0091054号明細書)は溶融プラスチックから押出しによってペレットを製造する装置に関するものである。この装置は溶融プラスチックが外気圧力より高い圧力で押し出される多孔板と、溶融プラスチックが押し出される加工室と、多孔板から押出された溶融プラスチックのストランドを個々のペレットに切断するカッターと、プロセス液体が充填された加工室と、上記プロセス液体を外気圧力より高い圧力で加工室へ供給するポンプとを有し、顆粒を収容したプロセス液体の圧力は加工室の下流で減圧される。この特許では加工室の下流にエネルギ変換装置が設けられ、このエネルギ変換装置で顆粒を収容したプロセス液体の圧力エネルギーの少なくとも一部を抽出し、顆粒を収容したプロセス液体の圧力を減圧し、顆粒を収容したプロセス液体の圧力エネルギーの少なくとも一部を再使用なエネルギーの形に変換する。この特許はさらに、プラスチックの溶融物からペレットを押出しで製造する方法にも関するものである。
【0010】
特許文献8(米国特許公開第US2005 0156344号明細書)には分子量Mwが170000 g/モル以上の発泡スチレン・ポリマーの製造方法が記載されている。この特許では最大で直径が1.5mmの孔を有するダイ出口を有するダイプレートから少なくとも20℃の温度で発泡剤を含むスチレンポリマー溶融物を押出し、押出物を造粒する。
【0011】
しかし、プロセスの運転開始時、シットダウン時およびその他の不安定相に付いての記載した従来技術はない。この種プロセスではダイプレートは一般に0.5〜1.9mmの直径を有する複数の小さい孔を有している。発泡剤と任意成分の添加剤の導入を調整するには一定の時間が必要で、その間に回収されたペレットは規格外れになる。さらに、ダイプレートは公称能力の近く、一般には公称能力の少なくとも75%以上、好ましくは少なくとも80%以上で運転する必要がある。この運転領域に達する前に回収されたペレットは規格(スペック)外れになる。
【0012】
大きな孔を有するダイプレートは小さな孔を有するダイプレートに比較すると、より広い範囲で運転できるが、発泡剤と任意成分の添加剤を含む発泡性芳香族ビニルポリマペレットの製造には用いられない。すなわち、得られたペレットは発泡剤および任意成分の添加剤を含むが、発泡はしない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】欧州特許第EP126459号公報
【特許文献2】米国特許公開第US2006 211780号明細書
【特許文献3】米国特許公開第US2005 156344号明細書
【特許文献4】米国特許第US 6 783 710号明細書
【特許文献5】国際特許第WO 2008 141766号公報
【特許文献6】米国特許公開第US2009 0108480号明細書
【特許文献7】米国特許公開第US2009 0091054号明細書
【特許文献8】米国特許公開第US2005 0156344号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明者は直径が2〜5mmの大きな孔を有するダイプレートを用いて製造プロセスをスタートアップ(運転開始)し、次いで下記方法を行う方法見出した:
(1)流速が小さい孔を有するダイプレートの公称能力の近くに達した時かつ
(2)発泡剤および任意成分の添加剤の配合比率が仕様(スペック)内になった時に、
(3)小さい孔を有する上記ダイプレートに切り換える。
【0015】
運転開始時に大きい孔を有するダイプレートを用いて製造したペレットは、そのまま保持し、販売することができ、また、プロセスへ再循環、例えばサイド(横)の押出機へ再循環して、発泡剤と任意成分の添加剤を含む溶融芳香族ビニルポリマーと混合できる。
【0016】
通常の運転時、装置のトラブル時、発泡剤および/または任意成分の添加剤の導入時にトラブルが起ることがある。また、装置のメンテナンスも必要になる。そうした時には溶融した芳香族ビニルビニルポリマーの流れを小さい孔を有する造粒機から大きい孔を有する一つまたは複数の造粒機へ切り換える。そして、トラブルが終わった時に発泡剤と任意成分の添加剤とを含む溶融した芳香族ビニルポリマーの流れを大きい孔を有する造粒機から小さい孔を有する造粒機へ切り換える。トラブル時に大きい孔を有するダイプレートを用いて製造されたペレットはそのまま保持して販売するか、プロセスへ再循環、例えばサイド押出機へ再循環して発泡剤と任意成分の添加剤とを含む溶融芳香族ビニルポリマーと混合する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、下記(a)〜(f)の段階を有する発泡性芳香族ビニルポリマーペレットの製造プロセスのスタートアップ方法にある:
(a)発泡剤および任意成分の添加剤を含む溶融した芳香族ビニルポリマーを導入する手段と、小さい直径(一般に0.5〜1.9mm)の複数の孔を有するダイプレートと、ペレットを製造するためのカッター手段とを有するペレタイザ(S)を用意し、
(b)発泡剤および任意成分の添加剤を含む溶融した芳香族ビニルポリマーを導入する手段と、大きい直径(一般に2〜5mm)の複数の孔を有するダイプレートと、ペレットを製造するためのカッター手段とを有するペレタイザ(L)を用意し、
(c)ポリマーの流速がペレタイザ(S)の運転領域になるまで且つ発泡剤および任意成分の添加剤の比率が仕様内になるまで、発泡剤および任意成分の添加剤を含む発泡性芳香族ビニルポリマーペレットをペレタイザ(L)へ送り、
(d)発泡剤および任意成分の添加剤を含む溶融した芳香族ビニルポリマーの流れをペレタイザ(S)に切り換え、このペレタイザ(S)を発泡性芳香族ビニルポリマーのペレットを製造するのに有効な条件で運転し、
(e)ペレタイザ(S)から発泡性芳香族ビニルポリマーのペレットを回収し、
(f)段階(c)で製造したペレットを回収し、必要に応じて次の段階(d)へ溶融状態で再循環する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ペレタイザ(S)のダイプレートの孔の直径は0.5〜1.5mmの範囲、好ましくは0.8〜1.4mの範囲にあるのが有利である。
ペレタイザ(L)のダイプレートの孔の直径は3〜5mmの範囲、好ましくは3〜4mの範囲にあるのが有利である。
【0019】
本発明の実施例では、ペレタイザ(S)で生産を行っている間に、ペレタイザ(L)で非発泡性芳香族ビニルポリマー(例えば結晶生PSまたはHiPS)を製造し、
(1)上記ペレタイザ(L)に、発泡剤および任意成分の添加剤を導入できるように設計された装置の少なくとも1部を通って溶融したビニルポリマーを、発泡剤および任意成分の添加剤の導入なしに供給するか、または、
(2)上記ペレタイザ(L)に、発泡剤および任意成分の添加剤を導入できるように設計された装置を通らずに、芳香族ビニルポリマーがその供給源、例えば重合装置の揮発分除去装置から基本的に直接供給する。
【0020】
本発明の他の実施例では、ペレタイザ(S)を使用して非発泡性芳香族ビニルポリマー(例えば、結晶生PSまたはHiPS)を作ることができる。この場合、上記ペレタイザ(L)で述べたように、上記ペレタイザ(S)には発泡剤および任意成分の添加剤を導入するために設計された装置の少なくとも一部を通って溶融した芳香族ビニルポリマーを、発泡剤および任意成分の添加剤を導入なしで供給するか、芳香族ビニルポリマーの供給源から直接供給することができる。
【0021】
この結晶生PSおよびHiPSはそのまま販売でき、再循環する必要はない。
【0022】
本発明の他の実施例では、ペレタイザ(S)で生産をしている間、発泡剤および/または任意成分の添加剤の導入時のトラブル時、装置のメンテナンス時に、溶融した芳香族ビニルポリマーの流れをペレタイザ(S)から一つまたは複数のペレタイザ(L)へ切り換える。そして、トラブルが終わった時に発泡剤と任意成分の添加剤とを含む溶融した芳香族ビニルポリマーの流れをペレタイザ(L)からペレタイザ(S)へ切り換える。
【0023】
仕様(スペック)が変わった時(顧客および最終用途に応じた種々の発泡性ペレットがある)に、上記の溶融した芳香族ビニルポリマーの流れをペレタイザ(S)から一つまたは複数のペレタイザ(L)へ切り換える。そして、ポリマーの流速がペレタイザ(S)の運転領域中になった時には、発泡剤および任意成分の添加剤の配合比率が仕様内にあるならば、直ちにペレタイザ(S)での生産へ切り換える。
【0024】
上記で説明したように、故障時および/または仕様変更時にペレタイザ(L)で製造したペレットはそのまま販売でき、または、必要に応じてプロセスへ再循環でき、例えばサイドの押出機へ再循環して、発泡剤と任意成分の添加剤とを含む溶融した芳香族ビニルポリマーと混合できる。この再循環したペレットを用いていくつかの添加剤を予備分散させ、最終製品中での分散を容易にすることができる。
【0025】
本発明の実施例では、ペレタイザ(S)で生産を行っている間に、ペレタイザ(L)の大きな直径の複数の孔を有するダイプレートを外し、小さい直径の複数の孔を有するダイプレートに代えて、ペレタイザ(L)を発泡性芳香族ビニルポリマーのペレットを製造することができるペレタイザ(S)に変換する。こうして変換したペレタイザ(S)は例えば他のペレタイザ(S)のメンテナンス時に仕様することができる。
【0026】
上記では1つのペレタイザ(L)と1つのペレタイザ(S)とについて説明したが、流速が一致する限り、一台以上のペレタイザ(L)と少なくとも2台のペレタイザ(S)とにすることもできる。
【0027】
本発明はさらに、上記の少なくとも2つを任意に組み合わせた下記のものにすることができる:
(1)運転開始時にペレタイザ(L)を用いて生産を開始する。
(2)芳香族ビニルポリマーの供給源と直接連結したバイパスを介して(または介さずに)ペレタイザ(L)を使用して非発泡性ペレット(例えば結晶生PSまたはHiPS)を製造する。
(3)発泡剤および/または任意成分の添加剤の導入時のトラブルまたは機器の任意のトラブルまたは機器のメンテナンス時に起こるトラブル時に、ペレタイザ(L)に切り換える。
(4)仕様を変えて、他のタイプの発泡性ペレットを製造する。
(5)ダイの交換。
【0028】
芳香族ビニルポリマーとしては下記が挙げられる:
(1)ポリスチレン、エラストマー変成ポリスチレン、
(2)スチレンとアクリロニトリルのコポリマー(SAN)、エラストマ−変成SAN、特にポリブタジエンまたはブタジエン−アクリロニトリル共重合体骨格鎖上にスチレンとアクリロニトリルをグラフト(グラフト重合)して得られるABS、
(3)SANとABSの混合物、
(4)スチレンブロックとブタジエンまたはイソプレンまたはブタジエン/イソプレン混合物のブロックとを有するコポリマー(これらのブロック共重合体は直鎖のブロックコポリマーまたは星形のブロックコポリマーにすることができ、水素化および/または官能化できる)。これらのコポリマーは下記非特許文献1に記載されている。
【非特許文献1】ULLMANN'S ENCYCLOPEDIA OF IN DUSTRIAL CHEMISTRY, fith edition (1995) Vol A26, pages 655-659
【0029】
また、Total Petrochemicals社から「Finaclear(登録商標)」の名称で市販され、BASF社から「Styrolux」の名称で市販され、Chevron Phillips Chemical社から「K−Resin(登録商標)」の名称で市販されている。
(5)SBR(スチレン−ブタジエンゴム)
【0030】
上記エラストマーの例はEPR(エチレン−プロピレンゴムまたはエチレン−プロピレン・エラストマー)の略、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴムまたはエチレン−プロピレン−ジエンエラストマーの略)、ポリブタジエン、アクリロニトリル−ブタジエンコポリマー、ポリイソプレン、イソプレン−アクリロニトリル共重合体、スチレンブロックと、ブタジエンまたはイソプレンまたはブタジエン/イソプレン混合物のブロックとを有するコポリマー(これらのブロック共重合体は直鎖ブロックコポリマーでも星形ブロックコポリマーでもよく、水素化および/または官能化されていてもよい、上記参照)。
【0031】
上記芳香族ビニルポリマーではスチレンの一部をスチレンと共重合可能な不飽和モノマー、例えばα−メチルスチレンまたは(メタ)アクリレートに代えることができる。他のスチレンコポリマーの例としてはクロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−クロロスチレンコポリマー、スチレン−プロピレンコポリマー、スチレンブタジエンコポリマー、スチレン−イソプレンコポリマー、スチレン−塩化ビニルコポリマー、スチレン−酢酸ビニールコポリマー、スチレン−アクリル酸アルキルコポリマー(メチル、エチル、ブチル、オクチル、フェニルアクリレート)、スチレン−アルキルメタクリレートコポリマー(メチル、エチル、ブチル、フェニルメタクリレート)、スチレン・クロロアクリル酸メチルコポリマーおよびスチレン−アクリロニトリル−アクリル酸アルキルコポリマーが挙げられる。
【0032】
本発明の特定実施例では芳香族ビニルポリマーが下記(i)および(ii):
(i)60〜100重量%の一種以上のC8〜12ビニル芳香族モノマー、
(ii)0〜40重量%のアクリル酸またはメタアクリル酸のC1〜4アルキルエステル、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルから成る群の中から選択される一種以上のモノマー
から成り、このポリマーは0〜20重量%の一種または複数のゴム状ポリマーにグラフトするか、それに吸蔵されていてもよい。
【0033】
ゴム状ポリマーは例えば下記の中から選択できる:
(a)C4〜6の共役ジエンのコ−ポリマーおよびホモポリマー、
(b)60〜85重量%の一種または複数のC4〜6共役ジエンと、15〜40重量%のアクリロニトリルおよびメタクリロニトリルから成る群の中から選択されるモノマーとのコポリマー、
(c)20〜60重量%、好ましくは40〜50重量%の未置換またはC1〜4アルキル基で置換されたC8〜12芳香族ビニルモノマーと、60〜40重量%、好ましくは60〜50重量%のC4〜6共役ジエンの中から選択される一種以上のモノマーとのコポリマー。
【0034】
上記ゴムは種々の方法、好ましくはエマルション重合または溶液重合で製造できる。それらの方法は当業者に周知である。芳香族ビニルポリマーも多くの方法で製造でき、その方法も当業者に周知である。
【0035】
ゴムが存在する場合、ゴムは約3〜10上記%の量で存在するのが好ましい。ポリブタジエンが特に有用なゴムである。
【0036】
芳香族ビニルポリマーがポリスチレンである実施例では、それは結晶生ポリスチレンまたはゴム変成したポリスチレンにすることができる。ゴム変成したポリスチレンはHIPS(高衝撃ポリスチレン)と呼ばれる。このHIPSを製造する方法も当業者に周知である。ゴムをスチレンモノマーに「溶かす」(実際にはゴムがモノマーによって無限に膨潤する)。その結果、2つの共連続相ができる。得られた「溶液」を反応装置へ送り、一般には剪断下に重合する。重合度が系のゴムの重量%にほぼ等しくなった時に反転する(例えば、スチレン/スチレンポリマー相が連続相になり、ゴム相が不連続相になる)。この相反転後にポリマーをポリスチレンの仕上げ方法と基本的に同じ方法で仕上げる。このポリマーは通常のバルク、溶液または懸濁重合法を使用して製造できる。
【0037】
本発明の芳香族ビニルポリマーはC8〜12芳香族ビニルモノマーのコポリマーまたはホモポリマーにすることができる。この芳香族ビニルモノマーはスチレン、α−ビニールトルエンおよびパラ・ビニールトルエンから成る群の中から選択できる。好ましい芳香族ビニルモノマーはスチレンである。芳香族ビニルポリマーは60〜100重量%の一種または複数のC8〜12芳香族ビニルモノマーと、0〜40重量%のアクリル酸またはメタアクリル酸のC1〜4アルキルエステル、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルから成る群の中から選択される一種または複数のモノマーとのコポリマーにすることができる。アクリル酸またはメタアクリル酸のエステルはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルおよびメタクリル酸ブチルである。本発明の芳香族ビニルポリマーは変性ゴムでもよい。
芳香族ビニルポリマーは芳香族モノビニルポリマであるのが有利である。
【0038】
発泡剤は3〜6個の炭素原子を含む脂肪族または脂環式炭化水素、例えばn−ペンタン、イソペンタン、シクロペンタンまたはこれらの混合物、1〜3個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素ハロゲン化誘導体、例えばジクロロジフルオロメタン、1,2,2−トリフルオロエタン、1,1,2−トリフルオロエタン、二酸化炭素および水の中から選択できる。
【0039】
添加剤としては発泡芳香族ビニルポリマーの熱伝導度を下げることができる任意の材料を挙げることができ、カーボンブラック、グラファイト、マイカ、タルク、シリカ、酸化チタン(IV)および硫酸バリウムが挙げられ、ASTM D−3037/89に従って測定した表面積が5〜200m2/gであるカーボンブラックが挙げられる。
【0040】
発泡性芳香族ビニルポリマーはさらに、難燃剤、核剤、可塑剤および整形された発泡製品の離型を容易にする試薬の中から選択される少なくとも一種の添加剤を含むことができる。難燃剤は特にハロゲン化炭化水素、好ましくは臭素化炭化水素、好ましくはC6〜C12炭化水素、例えばヘキサブロモシクロヘキサン、ペンタブロモモノクロロシクロヘキサンまたはヘキサブロモシクロドデカンまたはポリマー鎖に芳香族ビニルポリマー100重量部当たり0.05〜2重量部、好ましくは0.1〜1.5重量部の量でグラフとしたブロム化難燃剤にすることができる。組成物中にはさらに少なくとも一種の核剤、特に合成薬品ワックス、特にフィッシャー−トロプシュ・ワックス、ポリオレフィン・ワックス、例えばポリエチレン・ワックスまたはポリプロピレン・ワックスの中から選択される核剤を芳香族ビニルポリマーの100重量部当たり0.05化合物〜1重量、好ましくは0.1〜0.5重量部に含めることができる。組成物中はさらに、可塑剤、特に鉱油および石油ワックス、例えばパラフィン・ワックスの中から選択される可塑剤を芳香族ビニルポリマーの100重量部当たり0.1〜1重量部、好ましくは0.1〜0.8重量部の量で含むことができる。組成物中はさらに、発泡成形品の離型を容易にする少なくとも一種の離型剤、特にステアリン酸の無機塩およびエステル、例えばグリセロールモノ-、ジまたはトリ-ステアレートおよびステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸マグネシウムの中から選択される離型剤を芳香族ビニルポリマーの100重量部当たり0.05〜1重量部、好ましくは0.1〜0.6重量部の量で含むことができる。
【0041】
本発明の発泡性ポリマーの製造方法は発泡剤および任意成分の添加剤を芳香族ビニルポリマーに溶融状態で混入して実行される。この混合は、本発明の有利な実施例では、所定温度および圧力条件下で組成物の発泡を防ぐことができる少なくとも一つの撹拌手段を備えたチャンバー、特に押出機、単軸または二軸スクリュー押出機、または、ポリマーのガラス遷移温度以上の温度、好ましくは120〜250℃の温度で、0.1〜10MPaの絶対圧力下で一つ以上のスタティックミキサで実行される。この種のプロセスは下記文献に記載されており、その内容は本発明の一部を成す。
【特許文献9】国際特許第WO2008/041766号公報
【特許文献10】国際特許第WO2009/052898号公報
【特許文献11】欧州特許第EP2062935号公報
【特許文献12】米国特許公開第US2008/203597号明細書
【特許文献13】米国特許第US6783710号明細書
【0042】
本発明の実施例は下記の一連の工程を含む発泡性芳香族ビニルポリマーを隗重合で連続的に製造する方法に関である:(i)芳香族ビニルポリマーを任意成分の充填剤と一緒に押出機に導入し(ii)芳香族ビニルポリマーを相対融点以上の温度に加熱し、(iii)溶融したポリマーをダイから押出す前に発泡剤および任意成分の添加剤を射出し、(iv)ダイを通して平均直径が好ましくは0.5〜1.9mmの発泡性ペレットを作る。
【0043】
本発明の特殊実施例の製造方法では発泡剤および添加剤を含む第1のポリマー流(以下、「主流」という)と、第2のポリマー流(以下、「側流」という)とを作る。発泡剤系は主流中に直接に入れることができる。
【0044】
えられた溶融状態にある組成物は均質化され、一つ以上の濾過段階で篩分けられ、ポリマーの合体体および非分散無機充填剤を除去する。その後、ポリマーコンポジットをダイから押出し、顆粒にする。
【0045】
本発明の好ましい実施例では、ポリマーの主流を形成するポリマー流を溶融状態で連続重合プロセスから取り出す。一般に「脱揮部」といわれるセクションで一つ以上の重合段階から来るポリマーから希釈溶剤、未反応モノマーおよびオリゴマーを除去する。
【0046】
精製されたポリマーは本発明プロセスの主ポリマー流として溶融状態で直接に使用する。そのために、得られた発泡性ポリマー粒子の発泡の後の気泡構造に損傷を防ぐために、「脱揮部」から来るポリマーはモノマーを2,000ppm以下、二量体、トリマーおよびオリゴマーを8,000ppm以下しか含まないのが好ましい。
【0047】
本発明の別の実施例では、主流れとして使用するポリマーはペレットの形をしている。このペレットを適切な装置、例えば単軸または二軸スクリュー押出機で溶融する。
【0048】
両方の実施例で、溶融したポリマーを加圧し、任意の装置、一般にはギヤポンプを用いて、次の処理セクションへ送る。
【0049】
添加剤は溶融状態で二次的ポリマー流中に入れ、その後に主ポリマー流中に合流させる。
【0050】
本発明の好ましい実施例では、添加剤はポリマーペレットと一緒に二軸押出機に計量して入れる。押出機は一般に、溶融セクションの後、添加剤をポリマー相中に良く分散させるための混合要素を備えている。得られた溶融物の加工を成功させるためには、ポリマー相のマス成分はサイド成分中のポリマーの含有量に対して少なくとも20%、好ましくは少なくとも40%でなければならない。
【0051】
押出機は添加剤を含むブレンド中に含まれる可能性のある溶剤を除去するために脱気相を含むのが有利である。
【0052】
溶融流の温度は所定範囲内に維持しなければならない。一般に、最低温度は溶融成分の固化温度+20℃の中から選択される温度に等しくする必要がある。最高温度はそれに150℃を加えたものである。
【0053】
各成分の均一分布を良くするために、押出機に入れる前に、添加剤およびポリマーの顆粒を適当な固形物用ミクサーで混合することができる。この操作に適した装置はスクリューミキサである。
【0054】
液体または気体の添加物を使用する場合には、それらを入れるのに有効な手段を用いて溶融セクションおよび脱気セクションの顆粒で上記押出機の供給部に射出する。
【0055】
溶融流の押出温度で溶けない固形の添加剤は粒子にする必要がある。特に、非溶融粒子の個体数(population)を考えた場合、「d90」、すなわち個体数の90%が存在する寸法は、ダイプレートの孔の直径の半分より大きくてはならない。
【0056】
好ましくは、d90はダイスの孔の直径のl/4より大きくてはならない。この寸法は非溶融材料をレーザー回折測定して計算する。
【0057】
開始時、発泡剤および/または任意成分の添加剤の導入トラブル時または製造機器のトラブル時、さらにはメンテナンス時のペレタイザ(L)で製造したペレットの再循環は任意の装置で行うことができる。すなわち、ペレットを適当な装置、例えば単軸または2軸スクリュー押出機で溶融した後、ペレタイザ(S)へ送る発泡剤および任意成分の添加剤を含む溶融した芳香族ビニルポリマーと混合する。
【0058】
運転開始時、故障時および/または仕様変更時にペレタイザ(L)で製造されたペレットを使用して難燃剤および/または一種以上の添加剤の組み入れて、難燃剤および/または一種以上の添加剤の分散を良くする。
【0059】
再循環されたペレットは難燃剤、難燃剤相乗剤、例えば過酸化物、その他の添加剤と主流中に導入する前に予備混合して、これら添加剤のポリマー中への良好な分散を容易、確実にし、また、バージンポリマーに対するニーズを避け(または減らす)ことができる。
【0060】
小さい孔を有するダイプレートと交換されるダイプレートの除去は当業者に公知の操作である。
【0061】
製造された発泡性ビーズ(ペレット)には基本的に下記から成る、従来の発泡性ビーズに加える一般的な前処理を行う:
(1)ビーズを液体の静電防止剤、例えばアミン、第3エトキシ化アルキルアミン、エチレンオキシド−プロピレンオキシド・コポリマー等で被覆する。この薬剤の目的はコーティングの接着を容易にするとにある。

(2)上記のビーズに「コーティング剤」を塗布する。このコーティング剤は基本的にグリセロール(または他のアルコール)と脂肪酸のノ−、ジ−およびトリエステルと亜鉛のような金属のステアレートおよび/またはステアリン酸マグネシウムとの混合物から成る。
【0062】
発泡性芳香族ビニルポリマーのペレットは発泡製品、特に断熱パネルの製造で使用される。
【0063】
本発明の一つの実施例では成形された発泡物品が下記工程から成るプロセスで製造される:
(i)発泡性ペレットの形をした組成物を特に、5〜200kg/m3、好ましくは5〜100kg/m3、特に、5〜50kg/m3のバルク密度を有する発泡粒子または発泡ビーズに、形成することができる圧力および温度条件下で水蒸気、特に撹拌槽中の水蒸気と接触させ、混合する予備発泡段階
(ii)発泡した粒子またはビーズを周囲空気と接触させて安定させる段階、
(iii)安定させた粒子またはビーズを金型に入れ、金型を加熱して粒子またはビーズを互いに溶着させて所望のバルク密度、好ましくは段階(i)で得た発泡粒子または発泡ビーズと同じ密度を有する成形、発泡した物品を製造する段階。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(a)〜(f)を有する発泡性芳香族ビニルポリマーのペレットを製造する方法のスタートアップ方法:
(a)発泡剤および任意成分の添加剤を含む溶融した芳香族ビニルポリマーを導入する手段と、小さい直径の複数の孔を有するダイプレートと、ペレットを製造するためのカッター手段とを有するペレタイザ(S)を用意し、
(b)発泡剤および任意成分の添加剤を含む溶融した芳香族ビニルポリマーを導入する手段と、大きい直径の複数の孔を有するダイプレートと、ペレットを製造するためのカッター手段とを有するペレタイザ(L)を用意し、
(c)ポリマーの流速がペレタイザ(S)の運転領域になるまで且つ発泡剤および任意成分の添加剤の比率が仕様内になるまで、発泡剤および任意成分の添加剤を含む発泡性芳香族ビニルポリマーペレットをペレタイザ(L)へ送り、
(d)発泡剤および任意成分の添加剤を含む溶融した芳香族ビニルポリマーの流れをペレタイザ(S)に切り換え、このペレタイザ(S)を発泡性芳香族ビニルポリマーのペレットを製造するのに有効な条件で運転し、
(e)ペレタイザ(S)から発泡性芳香族ビニルポリマーのペレットを回収し、
(f)段階(c)で製造したペレットを回収し、必要に応じて次の段階(d)へ溶融状態で再循環する。
【請求項2】
ペレタイザ(S)のダイプレートの孔の直径が0.5〜1.9mmである請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ペレタイザ(S)のダイプレートの孔の直径が0.5〜1.5mmである請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ペレタイザ(L)のダイプレートの孔の直径が2〜5mmである請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
ペレタイザ(L)のダイプレートの孔の直径が3〜5mmである請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ペレタイザ(S)で生産している間に、ペレタイザ(L)を用いて非発泡性芳香族ビニルポリマーを製造する請求項1〜5のいずれか一項に方法。
【請求項7】
ペレタイザ(S)で生産している間に、大きな直径の複数の孔を有するペレタイザ(L)のダイプレートを外し、小さい直径の複数の孔を有するダイプレートに交換して、上記ペレタイザ(L)を発泡性芳香族ビニルポリマーのペレットを製造可能なペレタイザ(S)に変換する請求項1〜6のいずれか一項に方法。
【請求項8】
他のペレタイザ(S)をメンテナンスしている間に、上記で変換したペレタイザ(S)を使用する請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ペレタイザ(S)で生産している間、発泡剤および/または任意成分の添加剤の導入および機器にトラブルが生じた時または機器のメンテナンが必要な時に、溶融した芳香族ビニルポリマーの流れをペレタイザ(S)から一つまたは複数のペレタイザ(L)へ切換える請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
トラブルが終わった時に、発泡剤と任意成分の添加剤とを含む溶融した芳香族ビニルポリマーの流れを上記ペレタイザ(L)からペレタイザ(S)に切り換える請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
仕様が変わった時に、溶融した芳香族ビニルポリマーの流れをペレタイザ(S)から一つまたは複数のペレタイザ(L)に切り換え、ポリマーの流速がペレタイザ(S)の運転領域になり且つ発泡剤と任意成分の添加剤との配合比率が仕様内になったらすぐに、ペレタイザ(S)へ切り換える請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
運転開始時、トラブル時および/または仕様変更時にペレタイザ(L)で製造されたペレットをそのまま販売するか、プロセスに再循環し、例えばサイド(横)の押出機へ再循環し、発泡剤と任意成分の添加剤とを含む溶融した芳香族ビニルポリマに混合する請求項1〜5および9〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
運転開始時、トラブル時および/または仕様変更時にペレタイザ(L)で製造されたペレットを用いて難燃剤および/または一種または複数の添加剤を導入し、それによって上記の難燃剤および/または一種または複数の添加剤の分散を良くする請求項1〜5および9〜11のいずれか一項に記載の方法。

【公表番号】特表2013−517967(P2013−517967A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550444(P2012−550444)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際出願番号】PCT/EP2011/051153
【国際公開番号】WO2011/092250
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(504469606)トタル リサーチ アンド テクノロジー フエリユイ (180)
【Fターム(参考)】