説明

発熱組成物成形体包装体の製造装置

【課題】 回転体周面に設けられた凹陥部に収納された含水発熱組成物が遠心力で基材を遠心力方向に膨らませ、含水発熱組成物が漏れ落ちることを防ぎ、含水発熱組成物を発熱原料として使用し、生産性良く、所望形状の発熱組成物成形体及びそれを使用した発熱体を製造できる製造装置を提供する。
【解決手段】 凹部を周方向に備える中空の円筒状回転体の前記凹部に、外側から成形性発熱組成物を供給するための発熱組成物供給部と、前記凹部の開口側の成形性発熱組成物を擦り切る擦り切り部と、前記凹部の開口側を沿うようにして基材を供給するための基材供給部を備え、前記擦り切り部と、前記円筒状回転体の回転中心とを結ぶ面を基準とし、前記基準面から回転方向にθ1の位置に、前記基材を供給するようにし、0°<θ1≦60°としたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は所望形状の凹部を有する円筒状回転体を使用した発熱組成物成形体及び発熱体の製造方法及びそれらの製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨てカイロは、衣服内に入れ、身体に固定する様に使用し、冬季において、暖を採るものとして広く知られており、かかるカイロは、空気中の酸素との接触による酸化反応に伴う発熱作用を得るため、鉄粉、水、塩類、活性炭、保水剤を主な組成として配合された粉末状の発熱組成物が通気性を備える袋内に収容されている。
流動体包装体の製造方法としては、例えば、特許文献1に、マグネットを利用して粉体包装体を高速に生産する方法が記載されている。
【0003】
しかし、このような従来の粉体包装体の製造方法は、複数のローラー間で移動磁石によって粉体を転写して包装体とする方法であるため、鮮明に自由な形状パターンで粉体の包装された粉体包装体を製造することができない。
また、非粘性体のシャーベット状態のシャーベット体や、インキ状態、クリーム状態、ペースト状態、ゲル状体等の粘性体である場合も鮮明に自由な形状パターンで発熱組成物の包装された包装体が得られない。
【0004】
また、特許文献2に、インキ状やクリーム状の粘稠質素材である粘性体を積層状に包装する積層包装体を高速に生産する方法、装置が記載されている。
【0005】
しかし、この製造方法は、粘性体を加圧供給するポンプにより素材押し出しノズルから吐出して包装体とする方法であるため、包装される対象物が非粘性体のシャーベット体である場合にシャーベット状発熱組成物がノズルに詰まり包装体が得られない。
【0006】
【特許文献1】特開平7−124193号公報
【特許文献2】特開平11−20111号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は回転体周面に設けられた凹陥部に収納された含水発熱組成物が遠心力で基材を遠心力方向に膨らませ、含水発熱組成物が漏れ落ちることを防ぎ、含水発熱組成物を発熱原料として使用し、生産性良く、所望形状の発熱組成物成形体及びそれを使用した発熱体を製造できる製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、鋭意研究を重ね、前記問題を解決し、本発明を完成した。
即ち、本発明の発熱組成物成形体包装体の製造装置は、請求項1に記載の通り、凹部を周方向に備える中空の円筒状回転体の前記凹部に、外側から成形性発熱組成物を供給するための発熱組成物供給部と、前記凹部の開口側の成形性発熱組成物を擦り切る擦り切り部と、前記凹部の開口側を沿うようにして基材を供給するための基材支持用ベルトを備え、前記擦り切り部と、前記円筒状回転体の回転中心とを結ぶ面を基準とし、前記基準面から回転方向にθ1の位置に、前記基材支持用ベルトに支持された基材を供給するようにし、0°<θ1≦60°としたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の発熱組成物成形体包装体の製造装置において、前記0°〜θ1の領域までに、前記凹部内に挿入可能な押圧手段を設けることを特徴とする。
また、請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の発熱組成物成形体包装体製造装置において、前記発熱組成物供給部下方で、且つ、前記凹部の下方に磁石を設けたことを特徴とする。
また、請求項4に記載の本発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の発熱組成物成形体包装体製造装置において、前記円筒状回転体の下面側で、前記凹部の下方に磁石を設けたことを特徴とする。
また、請求項5に記載の本発明は、請求項1乃至4の何れかに記載の発熱組成物成形体包装体の製造装置において、前記凹部の開口側を底部側よりも広くなるように形成したことを特徴とする。
また、請求項6に記載の本発明は、請求項1乃至6の何れかに記載の発熱組成物成形体包装体の製造装置において、前記凹部の開口側の角部断面を略円弧状に形成したことを特徴とする。
【0009】
以下に、本発明の好ましい態様を説明する。
本発明の発熱組成物成形体包装体の製造方法は、外周面上に1個以上複数の凹部を有する円筒状回転体を使用し、基材上に成形性含水発熱組成物を成形した発熱組成物成形体を積層し、その上に被覆材を被せ、発熱組成物成形体の周縁部をシールし、基材と被覆材との間に発熱組成物成形体が封入されている発熱組成物成形体包装体を製造する方法であって、該円筒状回転体の回転の最高点付近に発熱組成物供給装置を備え、該発熱組成物供給装置は凹部の供給開口面に対応した擦り切り手段を有し、該円筒状回転体の内側で、擦り切り手段と反対側付近には内部固定磁石を設け、円筒状回転体の回転とともに、該内部固定磁石と該擦り切り手段により円筒状回転体周面に設けられた凹部に該成形性含水発熱組成物を擦り切り充填して該凹部内に保持させると共に、該回転体の回転の最高点に対し回転進行側の位置において、擦り切り充填部の擦り切り手段が円筒状回転体の外周面と当接する位置と円筒状回転体の回転中心点と円筒状回転体の回転方向の外周面上の任意の位置とから形成される角度θが60°以内であり、該角度θが60°以内の回転体周面上の任意の位置に無端状ベルトで支持した連続体の基材を連続的に接触供給し、該連続体の基材で該凹部内に保持された発熱組成物の表面を覆いながら、無端状ベルトと連続体の基材と発熱組成物とを該円筒状回転体と共に回転させて、連続体の基材を該円筒状回転体から離脱させる際に、回転の最低点付近で無端状ベルトの回転体と反対側に置かれた外部固定磁石にて、該離脱した連続の基材上に該凹部内に保持された発熱組成物成形体を積層し、被覆材を被せ発熱組成物成形体の周縁部をシールすることが好ましい。
また、発熱組成物成形体包装体の製造方法は、前記円筒状回転体回転方向に向かって、発熱組成物供給部の擦り切り充填部の出口から前記無端状ベルトが前記円筒状回転体に基材を介して接触する位置までの間の任意の領域に設けられた、該凹部内に挿入可能な複数の凹部を有する押圧手段で、円筒状回転体の回転とともに、該量凹部内の発熱組成物を該凹部内に押圧することが好ましい。
また、発熱組成物成形体包装体の製造方法は、前記基材が少なくとも発熱組成物成形体の底面を受け入れられる形状の凹部を有し、前記外部無端状ベルトが少なくとも該凹部の反対面の凸部を受け入れられる受容部を有し、該凸部の少なくとも底面が該受容部に受容されていることが好ましい。
本発明の発熱組成物成形体包装体製造装置製造方法は、外周に発熱組成物を収容可能な凹部が周方向に複数形成された中空の円筒状回転体と、発熱組成物供給装置と、内部固定磁石と、無端状ベルトと及び外部固定磁石とを配設し、更に、基材供給装置、被覆材供給装置、シール装置を備えた発熱組成物成形体包装体の製造装置であって、発熱組成物補給部及び該発熱組成物補給部の下方に連設されて発熱組成物排出口を形成する擦り切り充填部からなり、該擦り切り充填部が該中空の円筒状回転体の外周面に当接されるように配置された、該凹部に成形性含水発熱組成物を供給する発熱組成物供給装置が、中空の円筒状回転体の外周面に設けられ、該擦り切り充填部には、該円筒状回転体の外周面に当接されるように擦り切り手段が配置され、該発熱組成物供給装置内の成形性含水発熱組成物を凹部内に引着するための内部固定磁石を、該円筒状回転体の内側の発熱組成物供給装置の擦り切り手段及びそれより反進行側に対応する位置に円筒状回転体の回転方向に移動しないように設け、該発熱組成物供給装置の内部に、前記磁石に対して前記回転方向の下手側に配置され且つ円筒状回転体の回転により凹部の近傍の成形性含水発熱組成物を該凹部面で擦り切り充填する擦り切り板を設け、該回転体の回転の最高点に対し回転進行側の位置において、擦り切り充填部の擦り切り手段が円筒状回転体の外周面と当接する位置と円筒状回転体の回転中心点と円筒状回転体の回転方向の外周面上の任意の位置とから形成される角度θが60°以内であり、該角度θが60°以内の回転体周面上の任意の位置に無端状ベルトで支持した連続体の基材を少なくとも円筒状回転体の凹部を覆うように円筒状回転体の外周面に沿って連続的に供給できるように無端状状ベルトを設け、円筒状回転体の下部側の回転の最低点付近において、該無端状ベルトの該円筒状回転体と反対側に、外部固定磁石を設け、発熱組成物の成形体である発熱組成物成形体を基材上に積層する積層位置とし、該円筒状回転体の回転にあわせ、該凹部と基材と該無端状ベルトが同時に移動でき、凹部内の発熱組成物を該円筒状回転体の中間部側を経て、前記充填位置から前記積層位置ヘと搬送するようにし、その搬送先に、基材上に積層された発熱組成物成形体に被覆材を被覆し、発熱組成物成形体の周縁部をシールするシール装置を配置したことが好ましい。
また、発熱組成物成形体包装体製造装置は、前記発熱組成物が円筒状回転体の凹部の入り口を通して凹部内に充填され、同じ口を出口として使い、該出口から出ることからなる円筒状回転体の凹部の発熱組成物の出入り口側(出口側)の形状より奥(底)部側の形状が小さいことが好ましい。
また、発熱組成物成形体包装体製造装置は、前記円筒状回転体の凹部の少なくとも発熱組成物の出口側のエッジ部を略円弧状に形成したことが好ましい。
また、発熱組成物成形体包装体製造装置は、前記円筒状回転体回転方向に向かって、発熱組成物供給部の擦り切り充填部の出口から前記無端状ベルトに支持された基材が前記円筒状回転体の周面に接触する位置までの間の任意の領域に、前記凹部内の成形性含水発熱組成物を該凹部内に押し圧する押圧手段を有し、該押圧手段が該凹部内に挿入可能な複数の凸部を有することが好ましい。
また、発熱組成物成形体包装体製造装置は、前記被覆材を被覆材供給ロールから、第2走行手段によって走行させ、該被覆材供給ロールとシールロールとの間に該被覆材に接着剤を塗布する接着剤塗布部を設けたことが好ましい。
また、発熱組成物成形体包装体製造装置は、前記円筒状回転体の回転の最低点よりも下手側で、凹部内の発熱組成物成形体が基材に積層される位置よりも下手側に、少なくとも凹部付近の余分の発熱組成物を円筒状回転体から除去するクリーナーを設けたことが好ましい。
また、発熱組成物成形体包装体製造装置は、前記外部無端状ベルトが前記基材が少なくとも発熱組成物成形体の底面を受け入れられる形状の凹部反対面の凸部の少なくとも底面を受け入れられる受容部を有することが好ましい。
本発明の発熱組成物成形体包装体は、前記発熱組成物成形体包装体製造方法及び発熱組成物成形体包装体の製造装置の何れか1種を使用して製造したことが好ましい。
また、発熱組成物成形体包装体は、前記発熱組成物成形体包装体の最小剛軟度が100mm以下であることが好ましい。
また、発熱組成物成形体包装体は、前記発熱組成物成形体包装体の発熱前と発熱終了後の最小剛軟度の変化を示す最小剛軟度の変化は20%以内であることが好ましい。
また、発熱組成物成形体包装体は、前記発熱組成物成形体包装体の露出部の少なくとも一部に固定手段を有することが好ましい。
また、上記発熱組成物成形体包装体の製造方法において、前記発熱組成物成形体の周縁部を、該発熱組成物成形体の領域を押圧しない空間部を1個以上有するシールロールを2本組み合わせ、該シールロールの向き合う面の空間部が向かい合い、発熱組成物成形体を両側から包み込むようにしてシールすることにより、発熱体の両面に区分発熱部と区分け部による凹凸状の起伏を形成することが好ましい。
また、上記発熱組成物成形体包装体の製造方法において、基材及び被覆材の少なくとも一種が、吸水性を有することが好ましい。
また、上記発熱組成物成形体包装体の製造方法において、前記発熱組成物が鉄粉を酸素との反応成分として含有し、発熱組成物の易動水値が0.01〜50であり、発熱組成成形体と発熱部が実質的に相似形であり、発熱組成成形体の高さ、幅、長さが発熱部の高さ、幅、長さのそれぞれ0.5〜1.0倍であり、発熱組成成形体の直径が発熱部の直径0.5〜1.0倍であり、発熱体が空気と接触して発熱することが好ましい。
また、上記発熱組成物成形体包装体の製造方法において、前記円筒状回転体周面に設けられた凹部に充填された発熱組成物を型内圧縮することが好ましい。
また、上記発熱組成物成形体包装体の製造方法において、前記円筒状回転体周面に設けられた凹部が2個以上複数の凹部が間隔を置いて設けられた区分発熱部を構成する発熱組成物成形体を成形するもので、この凹部に使用し区分発熱部を構成する発熱組成物成形体を成形し、基材上に積層することが好ましい。
また、上記発熱組成物成形体包装体の製造方法において、前記発熱組成物成形体の周縁部を、発熱組成物成形体の領域を押圧しない空間部を1個以上有するシールロールを2本組み合わせ、且つ、該2本のシールロールが向かい合う面の空間部が相向かい合い、発熱組成物成形体を両側から包み込むようにして発熱組成物成形体の周縁部をシールすることにより、発熱体の両面に区分発熱部と区分け部とにより構成される凹凸の起伏を形成することが好ましい。
また、上記発熱組成物成形体包装体の製造装置において、前記発熱組成物供給部がロータリー式ブリッジ防止装置付き発熱組成物供給部を設けた発熱組成物供給部であることが好ましい。
また、上記発熱組成物成形体包装体の製造装置において、前記スラットの貫通孔が少なくとも前記貫通孔の内壁に発熱組成物付着防止処理をした貫通孔であることが好ましい。
また、上記発熱組成物成形体包装体の製造装置において、前記被覆材が前記被覆装置と接触する前段階に、発熱組成物成形体が積層された基材及び被覆材から選ばれた少なくとも1種に粘着剤を塗布する粘着剤塗布部を設けたことが好ましい。
また、上記発熱組成物成形体包装体の製造装置において、前記発熱組成物成形体の製造装置に、波形状シート製造装置、波形状シートの波形状維持装置、予熱装置、プレス装置、固定手段取り付け装置の何れかから選ばれた少なくとも1種を任意に組み合わせ設け、更に、シール装置、カット装置を設けたことが好ましい。
また、上記発熱組成物成形体包装体の製造装置において、前記シール装置が、発熱組成物成形体の最外周縁部及び発熱体の最外周縁部をシールするシール装置であることが好ましい。
また、上記発熱組成物成形体包装体の製造装置において、前記シール装置が、少なくとも区分発熱部の発熱組成物成形体の最外周縁部をシールするシール装置とその次に、発熱体の最外周縁部をシールシール装置とを備えたシール装置であることが好ましい。
また、上記発熱組成物成形体包装体の製造装置において、前記シール装置が、前記少なくとも発熱体の最外周縁部をシールした後に、区分発熱部の発熱組成物成形体の最外周縁部をシールするシール装置とを備えたシール装置であることを特徴とする発熱体の製造発熱組成物積層体周縁部をシールするシール装置であることが好ましい。
また、上記発熱組成物成形体包装体の製造装置において、前記シール装置が、前記発熱組成物成形体の領域を押圧しない空間部を1個以上有するシールロールを2本組み合わせ、該シールロールの向き合う面の空間部が向かい合い、発熱組成物成形体を両側から包み込むように構成されたシール装置であることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
1.本発明によれば、長尺の被覆材上に発熱層を間欠的に設けることができる。その結果、本発明によれば、作業環境を汚すことがなく、断面がきれいに仕上がった発熱組成物成形体を得ることができる。
2.本発明の円筒状回転体は中空状であるので、回転体の外周面に設けられた凹部及び発熱組成物供給装置の擦り切り手段に対応して、回転体の内側に発熱組成物充填用内部固定磁石を設けることができ、成形性含水発熱組成物を中空状の円筒状回転体周面に設けられた凹部に、過不足なく、擦り切り充填して前記凹部内に保持させることができる。
3.本発明の凹部の形状、寸法を適宜選択することにより、各種形状、厚さの発熱組成物成形体を効率良く製造することができる。
4.本発明の凹部を回転体外周面に一定間隔をおいて設けることにより効率的に発熱組成物成形体を製造することができる。
5.本発明によれば、連続体の基材上に余剰水を有する成形性含水発熱組成物を間欠的に設けることが容易である。その結果、本装置によれば、作業環境を汚すことがなく、断面がきれいに仕上がった発熱発熱組成物成形体をを効率的に形成することができ、発熱組成物成形体包装体を容易に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の発熱組成物成形体包装体の製造装置の好ましい一実施の形態について説明する。
【0012】
本発明で使用できる発熱組成物は、発熱組成物成形体包装体ができれば制限はないが、好ましくは、発熱組成物は、鉄粉、活性炭等の炭素成分、塩化ナトリウム等の反応促進剤及び水を必須成分とし、易動水値が0.01〜50の余剰水を含有する成形性含水発熱組成物である。
【0013】
また、本発明の成形性含水発熱組成物は、前記成分の他に、木粉等の保水剤、吸水性ポリマー、成形助剤、亜硫酸ナトリウム等の水素発生抑制剤、水酸化カルシウム等のpH調整剤、骨材、機能性物質、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のノニオン、両性イオン、アニオン、カチオンの界面活性剤、ポリエチレンやポリプロピレン等の疎水性高分子化合物、ジメチルシリコーンオイル等の有機ケイ素化合物、焦電物質、セラミック等の遠赤外線放射物質、トルマリン等のマイナスイオン発生剤、FeCl等の発熱助剤、ケイ素やアルミニウム等の鉄以外の金属、二酸化マンガン等の酸化鉄以外の金属酸化物、塩酸やマレイン酸や酢酸等の酸性物質、パルプ等の繊維状物、尿素等の肥料成分、グリセリンやD−ソルビトール等の保湿剤、離型剤又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも一種を含有してもよい。
尚、本発明の発熱組成物の成分は、従来より開示されている又市販されている又は公知の使い捨てカイロや発熱体に使用される発熱組成物の如何なる成分をも適宜選択して使用できる。
【0014】
前記成形性含余剰水発熱組成物は、その配合割合は特に限定されるものではないが、好ましくは、鉄粉100重量部に対して、炭素成分1.0〜50重量部、反応促進剤1.0〜50重量部、水1.0〜60重量部、保水剤0.01〜10重量部、吸水性ポリマー0.01〜20重量部、pH調整剤0.01〜5重量部、水素発生抑制剤0.01〜12重量部、鉄以外の金属1.0〜50重量部、酸化鉄以外の金属酸化物1.0〜50重量部、界面活性剤0.01〜5重量部、疎水性高分子化合物、骨材、繊維状物、機能性物質、有機ケイ素化合物、焦電物質はそれぞれ0.01〜10重量部、成形助剤、離型剤はそれぞれ0.001〜6重量%、保湿剤、肥料成分、発熱助剤はそれぞれ0.01〜10重量部、酸性物質0.01〜1重量部である。尚、磁性体を更に配合するようにしてもよく、配合割合は所望により適宜決めればよい。
尚、この配合割合は、反応混合物、発熱混合物にも適用することができる。また、反応混合物の易動水値は0.01未満が好ましい。
また、磁性体を更に配合するようにしてもよく、配合割合は所望により適宜決めればよい。
発熱組成物として易動水値が0.01〜20になるように配合割合を選択するのが好ましい。
【0015】
また、固体原料は鉄粉等の水に不溶なもので、液体原料は水や反応促進剤の水溶液等の液状のものをいう。
【0016】
成形性含余剰水発熱組成物の発熱反応の立ち上がりを良くさせるためには、酸化処理した発熱組成物や活性化鉄粉を含有する発熱組成物を用いることが好ましい。
1.酸化処理した成形性含余剰水発熱組成物
酸化処理した成形性含余剰水発熱組成物の製造方法には制限はないが、反応混合物又は発熱組成物を酸化性ガス環境下で、放置又は混合等により、温度上昇分を1℃以上にする発熱混合物の製造方法等が一例として挙げられる。一例として、反応混合物の酸化ガスの接触処理方法は、鉄粉と反応促進剤と水を必須成分とし、含水量が0.5〜20重量%で、易動水値が0.01未満の反応混合物を、酸化性ガスと接触処理し、10分以内に反応混合物の温度上昇分を1℃以上にさせる。
更に所望により、水又は反応促進剤水溶液を加えて、所望の含水量の発熱組成物とする。
必須成分以外の成分は、前記製造工程の所望の工程で加えてよい。
また、酸化ガスの接触処理は容器の中に存在する状態でも、不織布等の通気性シート状物の中に存在する状態でもよい。
また、酸化性ガス接触処理は撹拌下、非撹拌下、流動下又は非流動下の何れでもよく、バッチ式でも連続式でもよい。
2.活性化鉄粉含有発熱組成物
活性化鉄粉を含む発熱組成物である。
【0017】
前記鉄粉は、限定はされないが、鋳鉄鉄粉、アトマイズ鉄粉、電解鉄粉、還元鉄粉、スポンジ鉄粉及びそれらの鉄合金粉等が一例として使用できる。更に、これら鉄粉が炭素や酸素を含有していてもよく、また、鉄を50%以上含む鉄で、他の金属を含んでいてもよい。合金等として含まれる金属の種類は鉄成分が発熱組成物の成分として働けば特に制限はないが、アルミニウム、マンガン、銅、ケイ素等の金属、半導体が一例として挙げられる。本発明の金属には半導体も含める。
本発明の鉄粉において、前記鉄以外の金属の含有量は、鉄粉全体に対して通常0.01〜50重量%であり、好ましくは0.1〜10重量%である。
【0018】
前記鉄の表面の少なくとも一部に酸素含有皮膜を有する鉄粉としては、
A.発熱組成物の必須成分又はそれに酸性物質やその他必要成分を加えたものを酸化性ガスとの接触処理し、鉄成分を部分酸化し、鉄成分の表面を少なくとも部分酸化した活性鉄粉
B.ウスタイトの含有量が、鉄のX線ピーク強度比として、2〜50重量%の活性鉄粉
C.厚さ3nm以上の鉄酸化皮膜を表面に有する鉄粉
D.活性鉄粉と活性鉄粉以外の鉄粉の混合物
等が一例として挙げられる。
【0019】
前記活性鉄粉とは、鉄粉の表面の少なくとも一部が鉄酸化皮膜で覆われ、一つは前記鉄酸化皮膜の厚さが3nm以上であり、且つ、少なくとも活性鉄粉の中心部領域及び鉄酸化皮膜の下の領域から選ばれた少なくとも1領域において酸素を含まない鉄成分の領域を有する活性鉄粉である。
前記鉄粉の表面を覆う酸素含有皮膜である鉄酸化皮膜の厚さは、オージェ電子分光法を用いて、3nm以上であば制限はないが、通常3nm以上であり、好ましくは3nm〜100μmであり、より好ましくは30nm〜100μmであり、更に好ましくは30nm〜50μmであり、更に好ましくは30nm〜1μmであり、更に好ましくは30nm〜500nmであり、更に好ましくは50nm〜300nmである。鉄の酸素含有被膜の厚さを3nm以上とすることにより、鉄の酸素含有被膜が酸化反応の促進効果を発揮でき、空気等の酸化性ガスと接触して、酸化反応をすぐに開始させることができる。
鉄の酸素含有被膜の厚さが100μm以上であると、発熱時間が短くなるおそれがあるが、用途によっては使用できる。
また、もう一つはウスタイトを有する活性鉄粉で、ウスタイト量は、鉄とのX線強度比として、通常は2〜50重量%であり、好ましくは5.01〜50重量%であり、より好ましくは5.01〜40重量%であり、更に好ましくは6〜40重量%であり、更に好ましくは7〜30重量%であり、更に好ましくは7〜25重量%である。50重量%を超えても発熱立ち上がり性はよいが、発熱持続時間が短くなる。2重量%未満であると発熱立ち上がり性が鈍くなる。
【0020】
前記活性鉄粉の鉄酸化被膜の厚さの分析法はオージェ電子分光法が、ウスタイト量の測定にはX線解析法が使用される。
前記オージェ電子分光法は、深さ方向にFe換算でのスパッタリング速度11nm/分でArでスパッタリングした場合に、O(酸素)のピーク強度(Io)とFeのピーク強度(Ii)の比(Io/Ii)が0.05以上となる部分をいう。従って、前記鉄粉表面の鉄の酸素含有皮膜の厚さは、鉄粉表面から(Io/Ii)が0.05となる深さまでのFe換算での距離である。測定条件は、スパッタリング時間:15分間、スパッタリング速度:11nm/分(Fe換算)である。前記オージェ電子分光法のスパッタリング時間の経過とともにIoが滅少し、Iiが増加する。鉄粉表面から(Io/Ii)が0.05となる深さまでのスパッタりング時間を厚さに換算することにより、鉄酸化皮膜の厚さを算出することができる。
前記ウスタイト量とは、X線解析装置を用い、鉄(αFe)の110面のピークの積分強度とFeO(ウスタイト)の220面のピークの積分強度から次式により、鉄とのX繰強度比として、%表示で表したものである.
ウスタイト量(重量%)=100×(KFeO/KαFe)
KFeO:FeO(ウスタイト)の220面のピークの積分強度
KαFe:鉄(αFe)の110面のピークの積分強度
尚、鉄酸化皮膜を有する鉄粉が鉄粉以外の物質(炭素成分、反応促進剤や水等)を含む混合物を使用して、作成されている場合は、作成後の混合物から磁石等により鉄粉を分離し、それを試料として測定すればよい。発熱組成物の外、発熱体の中の発熱組成物や発熱組成物成形体を分析する場合は窒素雰囲気下、窒素置換されたイオン交換水に発熱組成物や発熱組成物成形体を分散させ、磁石で、鉄粉を分離し、窒素雰囲気下で乾燥させたものを測定用試料とする。
【0021】
前記炭素成分としては、炭素質物質であれば制限はない。カーボンブラック、黒鉛、活性炭等が一例として挙げられる。
【0022】
前記反応促進剤としては、発熱の反応促進ができるものであれば制限はない。 塩化ナトリウム、塩化カリウム等の金属ハロゲン化物や、硫酸カリウム等の金属硫酸塩類、硝酸ナトリウム等の硝酸塩、酢酸ナトリウム等の酢酸塩、炭酸第一鉄等の炭酸塩等の無機電解質が一例として挙げられる。公知の使い捨てカイロや発熱体に使用されている電解質も用いることもできる。
これらの反応促進剤は通常は水溶液として用いられるが、粉体のままで用いることもできる。反応促進剤の水溶液として使用される場合は液体発熱組成物原料として扱い、液体発熱組成物原料を作成委するための固体原料の粒度は制限はない。
【0023】
成形助剤とは、水分との組み合わせにより、含余剰水発熱組成物の成形性を改善する成形性改善剤である。
【0024】
成形助剤としては、水溶性又は親水性があり、含余剰水発熱組成物の成形性を改善するものであれば制限はないが、ブドウ糖、果糖、ソルビトール、マルトース、ラクトース、サッカロース、トレハロース、ペクチン等の糖類、マンニトール、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、キシリトール等の糖アルコール類、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、コーンスターチ、バレイショデンプン、デキストリン、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシルメチルスターチ、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、プルラン糖のデンプン類、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、酢酸エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース類、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ステアリン酸塩、ポリアクリル酸ナトリウム、寒天、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、コーンシロップ、マンニットシロップ、カラギーナン、トラントガム、カラヤガム、キサンタンガム、ジュランガム、プルラン、ガードラン、ゼラチン、アルブミン、カゼイン、大豆蛋白質、小麦蛋白質、アラピノガラクタン、グアガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、タラガム、トラガカントゴム、ポリ−N−ビニルアセトアミド、アクリル酸−デンプン共重合体、微晶質セルロース、N−ビニルアセトアミド共重合体、ベントナイト、カオリン、珪酸ソーダ、塩化カルシウム、モンモリロナイト、珪酸アルミニウム又はポリ酢酸ビニルエマルジョン等の水分散エマルジョン等の単独又は組み合わせの使用が一例として挙げられる。
【0025】
前記骨材としては、充填剤として有用であり、及び/又は、発熱組成物の多孔質化に有用であれば制限はない。化石サンゴ(サンゴ化石、風化造礁サンゴ等)、竹炭、備長炭、シリカ等が一例として挙げられる。
【0026】
前記離型剤としては、制限はないが、鉱物油、合成油、動植物油等で構成される潤滑油、グリース、天然ワックス、合成ワックス等の高粘性潤滑油、シリコーンオイル、フッ素樹脂、ステアリン酸、ステアリン酸塩類等が一例として挙げられる。
【0027】
前記機能性物質としては、薬効、芳香等の何らかの機能を有していればいかなるものでもよい。香料、薬草、ハーブ、漢方薬、経皮吸収性薬物、医薬活性物質、芳香剤、化粧水、乳液、湿布剤、防カビ剤、抗菌剤、殺菌剤、消臭剤又は脱臭剤、磁気体等が一例として挙げられる。
更に、機能性物質としては、具体的に一例を挙げれば、酸性ムコポリサッカライド、カミツレ、セイヨウトチノキ、ビタミンE、ニコチン酸誘導体、アルカロイド化合物等の血行促進剤;セイヨウトチンキ、フラボン誘導体、アントシアニジン、ビタミンP、きんせんか、シラノール、テルミナリア、マユス等のむくみ改善剤;アミノフィリン、茶エキス、カフェイン、キサンテン誘導体、イノシット、デキストラン硫酸誘導体、セイヨウトチノキ、エスシン、アントシアニジン、有機ヨウ素化合物、オトギリ革、スギナ、マンネンロウ、朝鮮人参、ヒアルウロニダーゼ等のスリム化剤;インドメタシン、dl−カンフル、ケトプロフェン、ショーガエキス、トウガラシエキス、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール等の鎮痛剤;ラベンダー、ローズマリー、シトロン、ジェニパー、ペパーミント、ユーカリ、ローズウッド、オレンジ等の香料等が挙げられ、一種以上を用いることができる。
【0028】
前記経皮吸収性薬物としては、経皮吸収性のものであれば特に限定されるものではないが、例えば、皮膚刺激剤、サリチル酸やインドメタシン等の沈痛消炎剤、中枢神経作用剤(睡眠鎮静剤、抗てんかん剤、精神神経用剤)、利尿剤、血圧降下剤、蓮血管拡張剤、鎮咳去疾剤、抗ヒスタミン剤、不整脈用剤、強心剤、副腎皮質ホルモン剤、局所麻酔剤等が挙げられる。これら薬剤は、一種又は必要に応じて二種以上配合されて用いられる。
【0029】
本発明の基材や被覆材を構成する包装材としては、発熱体用の包装材として機能すれば制限はない。例えば、包材として非通気性素材、通気性素材、吸水性素材、非吸水性素材、非伸長性素材、伸長性素材、伸縮性素材、非伸縮性素材、発泡素材、非発泡素材、非ヒートシール性素材、ヒートシール性素材等が一例として挙げられ、フィルム、シート、不織布、織布等及びそれらの積層体等の所望の形態で、所望の用途により適宜使用できる。
尚、本発明の発熱発熱体に使用される包装材は、従来より開示されている又市販されている又は公知の使い捨てカイロや発熱体に使用されている如何なる包装材をも適宜選択して使用できる。
【0030】
前記通気性フィルムは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化エチレンフィルム等を使用した多孔質フィルムが好適に用いられ、必要通気量に応じて孔径が定められる。通気量は必要発熱量、温度に応じて、用いる発熱剤に関連して設計される。
また、繊維が積層され熱圧着されて通気性を制御された不織布よりなる包装材、ポリエチレンフィルム等非通気性フィルムに穿孔により孔を開けた包装材や穿孔フィルムや多孔質フィルムに不織布をラミネートした積層体が一例として挙げられる。
【0031】
前記非通気性フィルムとしては、実質的に酸素を透過しないフィルムであれば良く、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプタジエン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリスルフォン、ポリアミド等からなる包装材が一例として挙げられる。
非通気性ポリエチレンフィルムの片面に吸水性ポリマー含有ポリエステル不織布をラミネートしたものや非通気性ポリエチレンフィルムの片面に段ボール紙等の紙類をラミネートした積層体等も使用できる。
【0032】
本発明の製造装置について説明する。
尚、基材供給装置、被覆材供給装置、シール装置は、既存の装置、従来より開示されている又市販されている又は公知の使い捨てカイロや発熱体に使用されている装置を適宜選択して使用できる。
本発明の発熱組成物成形体を形成する製造装置の一例を図1、図2、図3、図4に基づき詳細に説明する。
図1、図2(a)において、1は発熱組成物成形体包装体製造装置、2は発熱組成物供給装置、7は擦り切り片、20は中空の円筒状回転体、31は中空の円筒状回転体20の周面に設けられた凹部、32は連続体の基材、34は無端状ベルト、33は連続体の被覆材、13は内側固定磁石、14は外部固定磁石、35は支持板、39はシールロールである。
また、図2(a)において、回転体20の回転方向はGで、回転最高点はAで、回転最低点はBで、擦り切り片7が円筒状回転体20の外周面に当接する点Cと円筒状回転体20の中心点Dと無端状ベルト34に支持された基材32が円筒状回転体20の外周面に当接する点Eとからつくる中心点角度はθでそれぞれを示す。
所望により円筒状回転体20の周面に設けられた凹部31付近及び/又は凹部31をクリーニングするためクリーナーを設けてもよい。
【0033】
本発明のクリーナーとしては、回転体表面20や凹部31や貫通孔がクリーニングできれば制限はない。クリーナーは、回転体表面20や凹部31に付着した発熱組成物を機械的にはき落とすものとして、回転ブラシや固定ブラシやクリーニングブレードが一例として挙げられる。所望により、送風機(エアブロー器等)や吸引器を併用してもよい。
クリーナーの使用例として、一例を挙げれば、回転ブラシや固定ブラシやクリーニングブレード等により回転体表面や凹部の内部をこすり、付着物を払いのけ、受け容器等に集荷する。または、空気等の気体送風により付着物の吹き飛ばし、受け容器等に集荷する。
ブラシ類やクリーニングブレードと送風機を組み合わせれば、回転体表面や凹部を清掃し、更に送風機で付着した付着物を吹き飛ばし清掃することができる。払いのけられた付着物は、受け容器等に集荷する。
受け容器に集荷された付着物は、逐次、減圧やベルトコンベア等により外部へ排出してもよいし、作業終了後まとめて受け容器から排出してもよい。
尚、回転ブラシや固定ブラシやクリーニングブレード等の払い清掃具や送風機等の設置数や設置位置には、クリーニングができれば特に制限はない。
【0034】
前記記無端状ベルト34は、図2(a)に示すように、基材32を支持しており、発熱組成物供給部2の擦り切り片7が円筒状回転体20の外周面に当接する点から円筒状回転体20の回転の中心点Dを中心として回転進行側へθ進んだ回転体20の外周面上の位置との間で、基材32が円筒状回転体20の凹部31に対応して外周面に当接する事ができる円筒回転体外周面上の任意の位置に、無端状ベルト34に支持された連続体の基材32が、円筒状回転体20の周面に当接するように設けられている。θは60°以下である。
Cは無端状ベルト34に支持された連続体の基材32が円筒状回転体20の周面に接触開始する位置を示す。
【0035】
本発明の製造装置1において、発熱組成物供給装置2に貯えられている成形性含余剰水発熱組成物は、発熱組成物供給装置2から重力及び内部固定磁石13による磁力によって円筒状回転体20の周面に形成された凹部31に供給され、擦り切り片7により擦り切り充填される。
【0036】
本発明の製造装置1においては、前記発熱組成物供給装置2として制限はないが、中空の円筒状物又はその類似物を使用することが好ましく、前記円筒状物は円筒状回転体20の上方又は回転方向Gに対して、回転最高点Aより後方に設けることが好ましい。
但し、本発明の製造装置1は、これらに限定するものではなく、成形性含余剰水発熱組成物を回転体周面に設けられた凹部31に供給することさえできればよく、中空の四角柱形状物の発熱組成物供給装置を回転体の最高点より回転方向側と反対側に設けること等が一例として挙げられる。
【0037】
擦り切り片7は、円筒状回転体20の周面にできる限り接近させておくことが好ましく、図示されるものでは、円筒状回転体20の外周面に接触している。尚、窒素シールすることによって、酸素を遮断すれば発熱組成物の酸化を防ぐことができる。
また、発熱組成物の特性によっては擦り切り片7付近において発熱組成物ブリッジが生じる場合があるが、その場合、発熱組成物供給装置1にロータリー式ブリッジ防止装置を設けることにより、擦り切り片7付近におけるブリッジを防止することもできる。
【0038】
図2(a)に示すように、発熱組成物供給装置2の擦り切り片7を型である凹部31側に指向させ、前記発熱組成物供給装置2の下方周囲はスカートで覆われている。スカート及び擦り切り片7が円筒状回転体20の外周面に当接している。ただし、スカートは擦り切り片7から回転進行方向の領域においては外周面に当接していない。
スカートの材料は制限はなく、好ましくは弾力性及び/又は柔軟性があるもので、ゴムやフェルト等が一例として挙げられる。
【0039】
前記円筒状回転体20の直径は、制限はなく、発熱組成物成形体の寸法や取数や機械の能カ等により適宜決定されるが、好ましくは100〜1,000mmであり、より好ましくは100〜800mmであり、更に好ましくは100〜600mmであり、更に好ましくは100〜500mmであり、更に好ましくは100〜300mmである。
直径が100mm未満の場合は、円周方向に設けることができる凹部31の数や、凹部31の大きさが制限されすぎて目的とする発熱層を効率良く形成できないおそれがある。一方、直径が1,000mmを超える場合は、円筒状回転体に歪みが生じたり、発熱組成物による、遠心方向への基材の膨らみや発熱組成物が零れ落ちることを防ぎにくくなる虞がある。
【0040】
本発明の製造装置1においては、円筒状回転体20の回転の周速度は可能な限り早くすることが好ましい。発熱組成物が凹部31に擦り切り充填されてから基材32に載置されるまでの時間を短くすることによって、発熱組成物による、遠心方向への基材32の膨らみや発熱組成物が零れ落ちることを防ぐことができると共に、生産性を高めることができる。
【0041】
円筒状回転体20は一定速度で回転させて、発熱組成物成形体を安定して効率よく形成することが好ましい。但し、円筒状回転体20と他の装置部分とを同調して動かすことさえできれば、周速度を変動させることもできる。また、円筒状回転体20は、発熱組成物成形体の生産量を自在に調節するために、周速度を調節できるように構成することが好ましい。
【0042】
前記円筒状回転体20の材料は、制限はないが、ポリプロピレン、ポリアミド、PEEK等の合成樹脂、ステンレス、アルミニウム、真鍮等の金属やそれらの合金を使用することが好ましい。金属の場合、これらの材料の中から円筒状回転体20の機械構造、或いは、円周部にどのように表面処理を施すか等を考慮に入れて決定される。円筒状回転体20の円周部の表面は、その材料によって、パフガケ、硬質クロームメッキ、ニッケルメッキ、テフロン(登録商標)含浸、テフロン(登録商標)皮膜の形成等、或いは、これらの複合処理が適宜行われる。非磁性材が好ましい。
【0043】
円筒状回転体20はその保持方式に制限はないが、片持ち方式や端部保持方式が好ましい。
図3は片持ち方式を示し、図4(a)、(b)、(c)は両端部保持方式を示す。
【0044】
図3は片持ち方式で、駆動部の中空24内に磁石固定具15が設けられ、円筒状回転体20の内部に内部固定磁石13を支えている。駆動が外部のモーター等の回転駆動源23から歯車22を通じて制御伝達される。歯車の代わりにベルト等でもよい。
また、図3の点線で示したように、内部固定磁石13を支える磁石固定具15を円筒状回転体取り付け具と反対側の側面から導入して円筒状回転体20の内部に内部固定磁石13を支えてもよい。この場合は駆動部を中空筒状物24で製造する必要はない。
【0045】
図4(a)は8点保持方式の端部保持形式の円筒状回転体の概略平面図であり、図4(b)は8点保持方式の端部保持形式の円筒状回転体の概略側面図である。
対向する機枠27に支持される支持枠36間の四方にロール25を架設し、これらロール25によってリング状に形成される回転体枠28を回転自在に支持し、回転体枠28間にステンレス板、アルミ板、真鍮等の非磁性材によって形成した円筒回転体20を固定し、円筒回転体20には、所望する形状の凹部31が円周方向に配列している。
また、回転体枠28の外周には歯車22を周設すると共に、この歯車22にモーター等の回転駆動源に連結された駆動歯車22Aを歯合させ、回転駆動源23によって円筒状回転体20を所望する速度で回転制御している。
【0046】
また、円筒状回転体20の両側には水平アーム等を設け、上下動制御できるようにしてもよい。
【0047】
本発明の凹部31は発熱組成物を発熱組成物成形体に成形するもので、前記発熱組成物成形体を基材32に積層し、更に被覆材33で覆い、発熱組成物成形体の周縁部をシールし、発熱組成物成形体包装体が形成される。前記発熱組成物成形体包装体は1個の発熱部からなる単一発熱部発熱組成物成形体包装体と複数個の区分発熱部が区分け部により間隔をおいて設けられている発熱部からなる区分発熱部発熱組成物成形体包装体とがある。
【0048】
本発明の単一発熱部発熱組成物成形体包装体用凹部においては、凹部が1個で発熱部1個を形成する。
凹部の形状と発熱部の形状は必ずしも同じ形状を取る必要はないが、通常はその相似形又はその類似形をとる。
単一発熱部発熱組成物成形体包装体用凹部の平面形状としては、制限はないが、図19の外形のみを参照してその一例(各図の外周により形成される形状)を挙げると、(a)はそらまめ形、(b)はアイマスク形、(c)は繭形、(d)は瓢箪形、(e)は角丸長方形形、((f)は長方形、(g)は角丸正方形、(h)は正方形、(i)は卵形、(j)はブーメラン形、(k)はまが玉形、(l)は星形,(m)は翼形、(n)は翼形、(o)は鼻形、(p)は提灯形、(q)は提灯形、(r)は繭形、(s)は繭形、(t)は全足形、(u)は足形である。
また、これらを任意の位置で半分に均等分割したものもよい。
凹部は角部を略円弧状(アールr状)に設け、角部を曲線状や曲面状にしてもよい。
また、本明細書で記載されている発熱体の形状は記載されている形状を基本形として変形したものも本発明に含む。
【0049】
本発明の区分発熱部発熱組成物成形体包装体用凹部は、複数の凹部が間隔を置いて設けられ、各凹部により区分発熱部用発熱組成物成形体が設けられ、それらを集めた複数の発熱組成物成形体により発熱部1個用の発熱組成物成形体を形成する。
凹部の形状と区分発熱部の形状や発熱部の形状は必ずしも同じ形状を取る必要はない。
【0050】
前記区分発熱部用凹部の形状は如何なるものでもよいが、平面形状で、円、楕円、フットボール形、三角形、正方形、長方形、六角形、多角形、星形、花形、リング形等が一例として挙げられる。また、これら凹部の形状は角部を略円弧状(アールr状)に設け、角部を曲線状や曲面状にしてもよいし、中央部等に凹部があってもよい。
【0051】
単一発熱部発熱組成物成形体包装体用凹部のサイズには制限はないが、長さは、好ましくは5mm〜200mmであり、より好ましくは、5mm〜180mmであり、更に好ましくは、5mm〜150mmである。
高さは、好ましくは0.1mm〜20mmであり、より好ましくは0.3mm〜20mmであり、より好ましくは0.5mm〜20mmであり、より好ましくは0.5mm〜10mmであり、更に好ましくは0.5mm〜8mmである。
幅は、好ましくは5mm〜200mmであり、より好ましくは5mm〜180mmであり、更に好ましくは5mm〜150mmであり、更に好ましくは5mm〜100mmである。
また、ディスク状、円形、楕円形等の形状においては、そのサイズには制限はないが、
高さは、好ましくは0.1mm〜20mmであり、より好ましくは0.3mm〜20mmであり、より好ましくは0.5mm〜20mmであり、より好ましくは0.5mm〜10mmであり、更に好ましくは0.5mm〜8mmである。
直径は、好ましくは5mm〜200mmであり、より好ましくは、5mm〜180mmであり、更に好ましくは、5mm〜150mmであり、更に好ましくは、5mm〜100mmであり、更に好ましくは、5mm〜50mmである。
【0052】
区分発熱部用貫通孔のサイズには制限はないが、好ましくは以下サイズである。
1)ディスク形状及びディスク類似形状の場合
直径は、好ましくは約1mm〜約60mmであり、より好ましくは2mm〜50mmであり、更に好ましくは10mm〜40mmであり、更に好ましくは20mm〜30mmである。
高さは、好ましくは0.1mm〜20mmであり、より好ましくは0.3mm〜20mmであり、更に好ましくは0.5mm〜20mmであり、更に好ましくは0.5mm〜10mmであり、更に好ましく0.5mm〜9mmであり、更に好ましくは0.5mm〜8mmであり、更に好ましくは0.5mm〜7mmであり、更に好ましくは1mm〜7mmである。
容積は、好ましくは約0.0045cm〜約20cmであり、より好ましくは約0.2cm〜約11cmである。
2)前記1)以外の形状(矩形、矩形類似形状等)である場合
幅は、好ましくは0.5mm〜60mmであり、より好ましくは0.5mm〜50mmであり、更に好ましくは1mm〜50mmであり、更に好ましくは3mm〜50mmであり、更に好ましくは3mm〜30mmであり、更に好ましくは5mm〜20mmであり、更に好ましくは5mm〜15mmであり、更に好ましくは5mm〜10mmである。
また、高さは、好ましくは0.1mm〜30mmであり、より好ましくは0.1mm〜20mmであり、より好ましくは0.1mm〜10mmであり、更に好ましくは0.3mm〜10mmであり、更に好ましくは0.5mm〜10mmであり、更に好ましくは0.5mm〜7mmであり、更に好ましくは1mm〜7mmである。
また、長さは、好ましくは5mm〜300mmであり、より好ましくは5mm〜200mmであり、より好ましくは5mm〜100mmであり、更に好ましくは20mm〜150mmであり、更に好ましくは30mm〜100mmである。
【0053】
本発明の発熱部を細長く一続きの区分発熱部を、間隔をおいて配置する、例えば、平行しま状(縦縞、横縞、斜め縞等)、放射状、扇状等に区分発熱部からなるスジを配置する、いわゆる「ストライプ状に間隔をおいて設ける」場合の凹部は、前記区分発熱部に従って凹部をストライプ状に間隔をおいて設ければよい。
また一つの区分け部を挟んで、2つの区分発熱部が間隔を置いて平行的に配置されている構成も含む。この場合、区分け部は直線的でも曲線的でもよく、線状又は帯状であればよい。また、区分発熱部が連続的でも断続的でもよい。区分は発熱部の形状も任意である。
凹部も同様にして設ければよい。
【0054】
前記区分発熱部を形成する凹部と隣接する区分発熱部を形成する凹部との間隔は発熱組成物成形体を間隔を置いて設けることができれば制限はないが、通常0.1mm〜50mmであり、好ましくは0.3mm〜50mmであり、より好ましくは0.3mm〜50mmであり、更に好ましくは0.3mm〜40mmであり、更に好ましくは0.5mm〜30mmであり、更に好ましくは1mm〜20mmであり、更に好ましくは3mm〜10mmである。隣接する凹部と凹部との方向としては制限はないが、スラットの進行方向(MD方向)や進行方向と直交する方向(TD方向)が一例として挙げられる。
【0055】
凹部は、回転体周面において円周方向、及び幅方向に一定間隔をおいて形成されていることが好ましい。このように構成されていると、発熱組成物成形体を効率よく連続して生産することができる。また、各々の凹部の円周方向、及び幅方向の端縁の位置は、揃っていることが好ましい。このように構成されていると、発熱組成物成形体を効率よく連続して生産することができる。
【0056】
前記円筒状回転体、スラット、貫通孔、凹部の発熱組成物と接触する領域に発熱組成物付着防止処理を行うことが好ましい。特に、貫通孔や凹部の内壁又は出入り口付近に発熱組成物付着防止処理を行うことが好ましい。
発熱組成物付着防止処理としては、発熱組成物が付着しない又は付着し難くなれば制限はないが、1)付着しにくい材料からなる円筒状回転体やスラットの構成、2)鏡面仕上げ処理、3)付着防止層の設置が一例として挙げられる。
更に、付着防止層を構成するものとして、(1)非親水性物質、(2)離型剤、(3)酸化チタン膜が一例として挙げられる。酸化チタン膜は紫外線照射との併用が好ましい。
前記付着防止層の下地として、Cr、Ni、Al、Ti等を主成分とする金属層や合金層、及び複数の組み合わせからなる層、金属酸化物層、金属窒化物層、金属酸窒化物層、金属炭化物層等の硬質層をCVD等の物理的手段やメッキ等の化学的手段等で設けてもよい。前記付着防止層の厚さは、制限はないが、0.1〜10μmが好ましい。前記硬質層の厚さは、制限はないが、0.1〜500μmが好ましい。公知の又は開示された鏡面仕上げ処理、非親水性物質、(金型)離型剤、酸化チタン膜及びそれらの設置方法も使用できる。
【0057】
付着しにくい材料での型である円筒状回転体やスラットの構成するにあたり、付着しにくい材料は、フッ素樹脂やシリコーン等の非親水性材料が一例として挙げられる。
【0058】
鏡面仕上げ処理としては、研磨、ブラスト、研削等の方法が一例として挙げられる。
1.研磨は、研磨材で表面を磨くことによって行うことができる。
研磨は、1)平面研削盤で、研磨、2)研磨ブラシによる砥粒研磨3)砥粒を用いた手作業による研磨鏡面処理等が一例として挙げられる。
研磨材としては、1)研磨剤(炭化珪素、二酸化珪素、ガーネット等)の粒子を紙に固定した研磨紙、2)ダイヤモンド電着砥石、3)砥石(アルミナ粉、炭化珪素粉、ダイヤモンド粉)付きフェルト、不織布、4)研磨剤を接着剤で固めたディスクを用いたグラインダ、5)ステンレス製のブラシ等が一例として挙げられる。
2.ブラストは、研磨剤を圧縮空気と共に吹き付けて表面に凹凸を作る方法である。
3.研削法は、表面を薄く工具や研磨剤を接着剤で固めたディスクを用いたグラインダで削る方法がある。
等が一例として挙げられる。
【0059】
本発明の表面鏡面性としては、発熱組成物が付着しない又は付着し難くなれば制限はないが、JIS B 0601において、算術平均粗さ(Ra)は制限はないが、好ましくは、10μm以下であり、より好ましくは0.01〜10μmであり、更に好ましくは0.01〜1.0μmであり、更に好ましくは0.01〜0.1μmであり、更に好ましくは0.01〜0.05μmである。最大高さ粗さ(Rz)は、好ましくは0.1〜40.0μmであり、より好ましくは0.1〜30.0μmであり、更に好ましくは0.1〜10.0μmであり、更に好ましくは0.1〜0.5μmである。
【0060】
鏡面化の一例としては、研磨剤として平均粒径0.01μm乃至0.1μmのアルミナ粉、炭化珪素粉、ダイヤモンド粉をフェルトにのせて、パフ研磨することで行うことができる。他の一例の方法としては、金型内面の形状に合わせた特定形状を持つ金属ブロックを鏡面仕上げし汚染防止層の非親水性樹脂に加熱(適用樹脂のTg以上Tm−20℃以下)しながら押し付けて行うことができる。
【0061】
前記付着防止層の設置(貫通孔の内壁及び又はその周辺部に非親水性層を設ける)方法は制限はないが、1)硬質クロームメッキやニッケルメッキ等のメッキ、2)非親水性物質や金型離型剤の含浸、塗布、皮膜の形成、3)酸化チタン膜形成処理等、或いは、これらの複合処理が一例として挙げられる。設置材料としては、非磁性材料が好ましい。
【0062】
前記非親水性物質は、上述したように、発熱組成物を付着させない性質が要求され、このため水濡れ角95°以上、より好ましくは100°以上のコーティング用樹脂が好ましい。一般的に、水濡れ角95°以上であるフッ素樹脂、シリコーン系樹脂等の中から、塗装性、膜表面の平滑性、膜厚安定性、硬質層との密着性を満足するものを選定することが好ましい。
【0063】
前記フッ素系樹脂としては、それ自体公知の任意のフッ素系樹脂が使用できるが、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/パープルオロアルキルビニルエーテル共重合体、とこれらのエポキシ樹脂変性体、アクリル樹脂変性体、ブロックアクリル樹脂変性体、テトラフルオロエチジメチル−1,3−ジオキソール)共重合体等の非晶質フッ素樹脂の単独、或いは、複数の組み合わせで用いることができる。
【0064】
これらのフッ素系樹脂は、その分子量がフィルム形成能を有する程度に高分子量であることが好ましい。水ディスパージョン塗料としたり、適当な溶剤を加えた塗料としてスプレー塗装してもよいし、樹脂粉体をそのまま静電粉体塗装してもよい。
【0065】
前記シリコーン系樹脂としては、それ自体公知の任意のシリコーン系樹脂ができるが、有機シロキサン化合物、フロロ有機シロキサン化合物やこれらをアクリル樹脂変性、エポキシ樹脂変性、アルキッド樹脂変性、エポキシ樹脂変性したものの単独、或いは、複数の組み合わせて使用することができる。これらは塗料化したものが好ましい。塗装はスプレー塗装、ディピング塗装等で行うことができる。
【0066】
前記離型剤としては、油性の離型剤と水性の離型剤とがある。これら離型剤は少なくとも前記円筒状回転体の貫通孔の内壁面に、自動的に及び/又は定期的に補充するように離型剤補充装置を設置し補充してもよい。また、離型剤補充装置の設置場所は制限はないが、円筒状回転体の回転進行方向に対して、クリーナーと発熱組成物供給装置との間に設けることが好ましい。
1.油性の離型剤としては、その種類に特に制限はないが、
1)鉱物油、合成油、動植物油等で構成される潤滑油
2)ホーマー油等の離型剤を灯油で希釈したもの
3)グリース、天然ワックス、合成ワックス等の高粘性潤滑油、
4)シリコーンオイル、変成シリコーン、フッ素樹脂等の耐熱性潤滑剤等
5)高級アルコール、ラウリルアルコール、ステアリン酸、高級脂肪酸塩(カルシウムステアレート、亜鉛ステアレート、バリウムステアレート等)
が一例として挙げられる.
2.水性の離型剤としては、その種類に特に制限はないが、
1)鉱物油、ホーマー油を界面活性剤により水性エマルジョン化させたもの
2)ワックスを同様にエマルジョン化させたもの、
3)シリコーン樹脂とアクリル樹脂を含むアクリルシルコーンエマルジョン
が一例として挙げられる。
【0067】
離型剤を前記円筒状回転体の、少なくとも凹部の内壁面の表面に塗布した凹部の内壁面の表面温度を略50〜70℃の範囲の温度に加熱、保温し、型成形を行ってもよい。これにより離型性が向上する。前記加熱のため加熱装置は制限はなく公知の加熱装置やヒーターが使用でき、設置数や設置場所も制限はなく、適宜選択して設置すればよい。また、前記表面温度の範囲は前記発熱組成物の組成により、前記表面温度の範囲外の範囲も、適宜選択して使用できる。
離型が良好に行われる理由としては、次のように推察している。
1)少なくとも凹部の内壁面を加熱することにより、発熱組成物と凹部の内壁面との界面にある水を蒸発させ、発生する蒸気により、凹部からの成形品の離型性が向上する。
2)水性の離型剤は加熱した凹部の内壁面の表面に塗布することにより、離型剤の水分が蒸発して離型剤の膜が金型表面に定着し、発熱組成物の水による流れを防ぎ、発熱組成物成形体の凹部付着を防止しやすくなる。
【0068】
前記円筒状回転体の凹部は、下記の種類がある。
1)凹部の開口部(発熱組成物の出入り口)側の形状と奥(底)部側の形状が同じ大きさの凹部
2)凹部の開口部(発熱組成物の出入り口)側の形状より奥(底)部側の形状が小さい凹部
3)凹部の内壁に付着防止層を設けた凹部
4)凹部の開口部(発熱組成物の出入り口)側のエッジ部を略円弧状に形成した(アールrを設けた)凹部
5)1)〜4)の任意の組み合わせによる貫通孔
前記円筒状回転体の凹部は凹部の開口部(発熱組成物の出入り口)側の形状が奥(底)部側の形状より大きいことが好ましい。
【0069】
前記円筒状回転体の凹部の発熱組成物出入り口側の発熱組成物側に向かった辺(エッジ部)を略円弧状に形成することが好ましい。即ち、0.1〜20.0mmの曲率半径に曲面加工することが好ましい。凹部の発熱組成物出入り口側の発熱組成物側に向かったエッジ部を略円弧状に形成する、即ち、アールrを設けることにより、発熱組成物成形体の型離れがよい成形ができる。前記曲率半径は制限はないが、好ましくは0.1〜20.0mmであり、より好ましくは0.1〜10.0mmであり、更に好ましくは0.1〜5.0mmであり、更に好ましくは0.1〜3.0mmであり、更に好ましくは0.3〜3.0mmであり、更に好ましくは0.5〜2.0mmである。
【0070】
本発明の製造装置において、連続体の基材32は、図1に示すように、無端状ベルト34と円筒状回転体20の周面との間隙を通して円筒状回転体20の回転する周面上に供給される。供給された基材32は、上記凹部31内に保持された発熱組成物成形体の表面を覆った状態で、無端状ベルト34、発熱組成物成形体及び円筒状回転体20と共に回転する。
【0071】
このように無端状ベルト34と円筒状回転体20の周面との間隙を通して、連続体の基材32を連続的に供給し、前記凹部31に保持された発熱組成物成形体を基材32で覆いながら回転させると、発熱組成物成形体が零れ落ちることを容易に防ぐことができる。
【0072】
前記記無端状ベルト34は、基材32を支持しており、発熱組成物供給部の擦り切り片7が円筒状回転体20の外周面に当接する点から円筒状回転体20の回転の中心点を中心として回転進行側へθ(60°以下)進んだ回転体の外周面上の位置との間で、基材32が円筒状回転体20の凹部31に対応して外周面に当接する事ができる円筒回転体20外周面上の任意の位置に、無端状ベルト34に支持された連続体の基材32が、円筒状回転体20の周面に当接するように設けられている。
【0073】
かかる位置に無端状ベルト34を設けると、連続体の基材32を無端状ベルト34で支持しながら、連続的に供給して、円筒状回転体20の周面と共に回転させながら、円筒状回転体20の周面を接触した状態で覆うことによって、成形性含水発熱組成物の遠心力で基材32が遠心力方向に膨らむのが防止でき、成形性含水発熱組成物が零れ落ちることを容易に防ぐことができる。成形性含水発熱組成物が零れ落ちることをより完全に防ぐためには、発熱組成物供給装置2の擦り切り片7の出口と無端状ベルト34との距離は短くして、無端状ベルト34は発熱組成物供給装置2の擦り切り片の出口に可能な限り近位置に設けることが好ましい。
【0074】
図1、図2(a)に示すように、本発明の製造装置1においては、発熱組成物供給装置2の擦り切り片7は、発熱組成物の出口付近に設けることが好ましい。かかる位置に擦り切り片7を設けると、円筒状回転体20の周面の凹部への擦り切り充填を行うとともに、円筒状回転体20の周面の凹部31が形成されている以外の部分に付着している余分な発熱組成物を容易に擦りとることができる。
【0075】
本発明の製造装置1においては、前記連続体の基材32は、図1及び図2に示すように、円筒状回転体20が回転する最低点(図2(a)のB点)付近において、円筒状回転体20からほぼ水平方向に離脱し、長尺の基材32が離脱する際に、前記凹部31に保持された発熱組成物成形体が、外部固定磁石14の磁力及び重カの作用により連続体の基材32上に載置されて発熱組成物成形体が間欠的に形成される。
【0076】
但し、本発明の発熱組成物成形体の製造装置1は、円筒状回転体20が回転する最低点B付近において円筒状回転体20からほぼ水平方向に離脱することには限定されず、離脱した連続体の基材32上に発熱組成物成形体を載置することさえできれば、回転体が回転する最低位置より上方位置において離脱させることができる。
【0077】
図2(b)は、長方形形状の凹部31がMD方向に複数個、TD方向に2連で設けられた中空の円筒状回転体20の位置一例を示す。また、凹部31が2列に設けられた例を図示しているが、1列又は3列以上としたり、或いは、各凹部31を同一の形状とせずに、各々異なった形状や間隔としてもよい。円筒状回転体20は、後述する連続体の基材32の搬送方向と同方向に回動する。
【0078】
前記発熱組成物成形体が積層された基材32は、無端状ベルト34によって下方から支えられて次工程に進む。次工程においては、図1に示すように、連続体の被覆材がガイドロールを通して供給され、前記連続体の被覆材33は発熱組成物成形体が積層された基材32上に積層され、基材32と被覆材33との間に発熱組成物成形体が間欠的に設けられた発熱組成物成形体包装体が形成される。
図2(c)は、発熱部が1個から形成される単一発熱部発熱組成物成形体包装体50の連続体の一部の一例を示す。
図2(d)は、発熱部が複数の区分発熱部から形成される区分発熱部発熱組成物成形体包装体51の連続体の一部の一例を示す。
【0079】
図5(a)はロータリー式ブリッジ防止装置16を設けた発熱組成物供給装置2の説明断面図を示す。図5(b)は擦り切り手段である固定擦り切り片7を有する発熱組成物供給供給装置2の他の一例を示す説明断面図を示す。ロール6は、中空の円筒状回転体20の外周面に接触するように設けてもよい。
図5(c)は擦り切り手段である擦り切り片7の円筒状回転体20の周面上への押し圧が一定になるようにした、バネ式擦り切り手段10の一例を示す説明正面図である。
図6(a)は擦り切り手段の他の例である擦り切り片7による擦り切りの説明断面図である。図6(b)は擦り切り手段の他の例である押し込み擦り切り片8による押し込み擦り切りの説明断面図である。
【0080】
発熱組成物供給装置2の擦り切り充填部4及び擦り切り片9は、進行方向横断面形状が1例及び2列の凹部31をカバーできる程度の大きさであり、円筒状回転体20の中心側の回転最高点A付近に位置する発熱組成物供給装置2の発熱組成物補給部3の発熱組成物投入口が成形性含水発熱組成物供給用のタンク(図示せず)等に連結され、円筒状回転体20の周面と当接する側の端部には、擦り切り充填部4が連設されている。擦り切り充填部4の擦り切り片9は、円筒状回転体20の周面で凹部31及びその周辺部に当接されている。
擦り切り充填部4の下部は、擦り切り片7よりも円筒状回転体20の回転方向側領域を除き、回転体の周面側に形成され(4a)、その下面当接されている。前記下部は、ゴム等の柔軟材でできており、円筒状回転体20の周面に沿うような形状をし、前記下面の形状と円筒状回転体20の周面の形状とは、ほぼ一致するようになされている。
【0081】
図7(a)〜(f)は凹部31の平面形状を示す平面図である。
(a)は長方形形状の単一発熱部からなる発熱部2個用、(b)は全足形状の単一発熱部からなる発熱部2個用、(c)は爪先側半足形状の単一発熱部からなる発熱部4個用、(d)は6個の長方形形状の区分発熱部からなる発熱部2個用、(e)は6個の長方形形状の区分発熱部用、(f)は10個の楕円形形状の区分発熱部用である。
【0082】
図8は、第1シールパターン53の一例を示す平面図である。
図9は、第1シールパターン53とその側に第2シールパターンをし、発熱組成物成形体の周縁部及び周辺部が第1シールパターンで、その周りが第1シールパターンと第2シールパターンの重なったパターン54になった一例を示す平面図である。
【0083】
図10(a)は、低部凹部63を有する基材32の一例を示す平面図である。
図10(b)は、同X−Xの断面図である。
図11(a)は、平坦な無端状ベルト62の一例を示す断面図である。
図11(b)は、凹部を有する無端状ベルト60の一例を示す断面図である。
図11(c)は、貫通孔65を有する無端状ベルト61の一例を示す断面図である。
図11(d)は、複数の細いひも状又は帯状の無端状ベルト70を間隔を置いて平行に走行させるタイプの無端状ベルトの一例を示す断面図である。基材32の凹部63がストライプ状に有用である。
図12(a)は、低凹部63を有する基材32の凹部63を無端状ベルトの凹部63に収納した状態の無端状ベルト60の一例を示す断面図である。
図12(b)は、低凹部63を有する基材32の凹部63を無端状ベルトの貫通孔65に収納した状態の無端状ベルト61の一例を示す断面図である。
【0084】
また、低部凹部63を有する基材32の搬送手段の一例を挙げれば、ストライプ状等の凹部を有するサクションコンベア及び吸引部を具備して、前記吸引部において、基材の連続体上を吸引し、ストライプ状等の凹部を基材に持たせ、前記基材の連続体は、スラットの貫通孔の供給開口外面に当接しながらストライプ状等の凹部を有するサクションコンベアによって搬送してもよい。これにより、連続体の基材の凹部と貫通孔形成される空間に発熱組成物成形体を収納し、吸引したまま、シール部まで搬送し、被覆材を重ね合わせ、発熱組成物成形体の周縁部をシールし、発熱組成物成形体包装体としてもよい。
ここでは、吸引部において、連続体の基材の凹部を確保し、発熱組成物成形体を連続体の基材の凹部内に収納できるようになされている。
連続体の基材の凹部内に発熱組成物成形体を設けた連続体の基材は、ストライプ状等の凹部を有するサクションコンベアを吸引部に当接しながらサクションコンベアによって搬送される。これにより、連続体の基材に、所定の容積を有する凹部がシールされるまで確保される。
また、基材の凹部の深さ(高さ)は、発熱組成物成形体が前記凹部に収納できればよく、発熱組成物成形体の高さ(厚み)より小さいサイズから大きいサイズを適宜選択できる。
【0085】
また、発熱組成物の性状等により、積層、型離れ後、発熱組成物が型面上や凹部に残る場合は、発熱組成物成形体包装体製造装置にクリーナーを設け、円筒状回転体の周面上や凹部に残った発熱組成物を除去すればよい。
【0086】
前記クリーナー36としては、円筒状回転体20の周面上や凹部31等がクリーニングできれば制限はないが、乾式が一例として挙げられる。
図13〜図15に示したように、乾式クリーナー36は回転ブラシや固定ブラシにより、円筒状回転体20の周面上や凹部31に付着した発熱組成物を機械的にはき落とす。
更に所望により、送風機(エアブロー機等)や吸引器を併用してもよい。
乾式のクリーナーの具体例としては、ブラシ等により型をこすり、付着物を払いのけ、受け容器等に集荷するものや空気等の気体送風による付着物の吹き飛ばすものやそれら双方組み合わせものが一例として挙げられる。ブラシと送風機の組み合わせたものでは、ブラシで円筒状回転体の周面と凹部を清掃し、更に送風で清掃するものが一例として挙げられる。
これら除去された付着物は、通常、受け容器に集荷される。受け容器に集荷された付着物は、逐次、減圧やベルトコンベア等により外部へ排出してもよいし、作業終了後まとめて受け容器から排出してもよい。
尚、ブラシ等の払いのけ清掃具や送風機等の設置数や設置位置には、クリーニングができ、他の部分に影響がなければ制限はない。
【0087】
図13〜図15に示すように、シール装置39は、シール工程の処理を行うもので、ここでは第1シール手段と第2シール手段の2連シール手段を備えている。これに更に第3以降のシール手段を加えてもよいし、第1シール手段のみとしてもよい。適宜選択すればよい。
【0088】
シールがヒートシールの場合、第1シール手段は、所定の形態となされた発熱組成物成形体が積層された連続体の基材は、内部に熱源(図示省略)が配置された一対のヒートシールローに向けて搬送される。これとは、別に、内部に熱源(図示省略)が配置された一対のヒートシールロールよって、被覆材の連続体が搬送されてくる。ヒートシールロールは、所定温度に加熱されている。そして、連続体の基材及び被覆材は、ヒートシールロール当接部において重ね合わされ、基材の連続体上に位置している発熱組成物成形体が被覆材の連続体によって被覆される。これと同時に、ヒートシールロールによる挟圧で、連続体の基材と連続体の被覆材とが、発熱組成物成形体の周縁部においてヒートシールされて、発熱組成物成形体包装体の連続体が形成される。次いで、各発熱組成物成形体の間にて発熱組成物成形体包装体の連続体をその幅方向に亘って切断し、更に切断により得られた発熱組成物成形体包装体を非通気性のフィルム等により密封して最終製品が得られる(図示せず)。
【0089】
ヒートシールロールの外周面上には、周方向に配置される縦シール面と、包材上の各発熱組成物成形体間に対応するように軸心方向に配置される横シール面とが凸状に設けられており、内部の熱源により加熱されたこれらのシール面で発熱組成物成形体含有の包材を上下に挟み込んでシールすることにより、ヒートシール部が形成される。
【0090】
尚、縦シール面及び横シール面は、共に各発熱組成物成形体の周縁部に沿ってその近傍に対応するように配置されており、形成されたヒートシール部が発熱組成物成形体の周縁部に近接するようになっている。
【0091】
第2シール手段は、第1シール手段で形成されたシール部を再度シールするもので、第1シール手段と同様、内部に熱源(図示省略)が配置された一対のシールロールを備えている。
第2シール段側のシールロールには、例えば、第1シール手段側の縦シール面に対応する周方向の縦シール面が設けられている。この縦シール面は、例えば、第1シール手段側の縦シール面よりも細く形成されており、第1シール手段で形成されたシール部上を再度シールして再シール部を形成するようになっている。
また、この横シール面は、例えば、第1シール手段側の横シール面に対応する軸心方向の横シール面が設けられている。この横シール面は、例えば、第1シール手段側の横シール面よりも細く形成されており、第1シール手段で形成されたシール部上を再度シールして再シール部を形成するようになっている。
【0092】
また、縦シールを第2シール段側のシールロール、横シールを第3シール段側のシールロールに分けてシールしてもよい。
この場合、縦シール第2シール段側のシールロールには、例えば、第1シール手段側の縦シール面に対応する周方向の縦シール面が設けられている。この縦シール面は、例えば、第1シール手段側の縦シール面よりも細く形成されており、第1シール手段で形成されたシール部上を再度シールして再シール部を形成するようになっている。
【0093】
また、第3シール手段側のシールロールには、例えば、第1シール手段側の横シール面に対応する軸心方向の横シール面が設けられている。この横シール面は、例えば、第1シール手段側の横シール面よりも細く形成されており、第1シール手段で形成されたシール部上を再度シールして再シール部を形成するようになっている。
【0094】
シール後次工程に搬送するためにプレス手段を設けてもよい。
プレス手段は、第1シール手段又は第1〜第2シール手段又は第1〜第3シール手段等において内部に発熱組成物成形体を挟み込んだ状態でシールされた包材を、その上流側に一定のテンションを付与しつつ下流側に搬送するもので、封止済みの包材を挟み込むように配置された一対のプレスロールを備えている。
【0095】
シールが圧着シールの場合、所定の形態となされた発熱組成物成形体が積層された連続体の基材は、圧着シールロールに向けて搬送される。これとは、別に、圧着シールロールによって、メルトブロー法により設けられた網目状の通気性粘着剤からなる通気性粘着層を有する被覆材の連続体が搬送されてくる。そして、連続体の基材及び被覆材は、通気性粘着層を間にして、圧着シールロールの当接部において重ね合わされ、基材の連続体上に位置している発熱組成物成形体が被覆材の連続体によって被覆される。これと同時に、圧着シールロールと駆動ロールとによる挟圧で、基材の連続体と被覆材の連続体とが、発熱組成物成形体の周縁部において圧着シールされて、発熱組成物成形体包装体の連続体が形成される。次いで、各発熱組成物成形体の間にて発熱組成物成形体包装体の連続体をその幅方向に亘って切断し、更に切断により得られた発熱組成物成形体包装体を非通気性のフィルム等により密封して最終製品が得られる(図示せず)。
また、通気性粘着層はSIS系等のホットメルト系粘着剤をメルトブロー法により網目状の通気性粘着剤層として設けられるが、発熱組成物成形体が積層されて基材上に同様にして設け、粘着剤からなる粘着層を設けていない被覆材を被せて、同様にして圧着シールしてもよい。また、圧着シールロールは、所定温度に加温されていてもよい。
圧着シールロールは2連でもよいし、3連以上でもよい。
【0096】
仮着とヒートシールを組み合わせ2つのシールロールを第1シールロールを圧着シールロールとし、第2シールロールをヒートシールロールとして、弱粘着剤を使用した仮着とヒートシールを組み合わせ、高速ヒートシールをしてもよい。
例えば、35mm/秒の走行スピード走行させ、被覆材に網目状弱粘着剤層をメルトブロー法等により塗布後、発熱組成物成形体を積層した基材に被覆材を被覆し、第1圧着ロールで、基材と被覆材を前記弱粘着剤層を介して仮着した後、第2ヒートシールロールにて、発熱組成物成形体の周縁部の仮着部よりやや外側の領域をヒートシールし、発熱組成物成形体包装体を得流ことができる。仮着とヒートシールを組み合わせることにより、実用上問題ないシール強度を有する発熱組成物成形体包装体の高速製造が可能になる。
【0097】
前記凹部は、円筒状回転体周面において円周方向、及び幅方向に一定間隔をおいて形成されていることが好ましい。このように構成されていると、発熱組成物成形体を効率よく連続して生産することができる。
【0098】
成形性含水発熱組成物を円筒状回転体周面に設けられた凹部に供給する方法は、上述したように発熱組成物供給装置を円筒状回転体の上部に設ける手段を採用することが好ましいが、本発明の製造方法はこれに限定されるものではなく、成形性含水発熱組成物を円筒状回転体周面に設けられた凹部に擦り切り充填することさえできれば、発熱組成物供給装置を円筒回転体の中部周面付近に設けたり、発熱組成物を配管を使用して輸送し、落下させること等もできる。
【0099】
本発明の製造方法においては、無端状ベルト(尚、ベルトは無端状のものに限られない。)に支持された連続体の基材が前記発熱組成物供給装置の擦り切り充填部の出口より回転方向側の位置で、円筒状回転体の周面に連続的に供給される。
前記位置に連続体の基材を供給する手段として、回転体として円筒状回転体を使用して、無端状ベルトを、発熱組成物供給装置の擦り切り片が円筒状回転体の外周面に当接する点から円筒状回転体の回転の中心点を中心として回転進行側へθ(60°以下)進んだ回転体の外周面上の位置との間で、基材が円筒状回転体の凹部に対応して外周面に当接する事ができる円筒回転体外周面上の任意の位置に、無端状ベルトで支持された連続体の基材を、円筒状回転体周面に接触するように供給する方法を採用することが好ましい。
無端状ベルトは前記円筒状回転体の周面と同調して走行し、前記無端状ベルトと円筒状回転体との間隙に連続体の基材を挟んで供給する。
【0100】
但し、本発明の製造方法は前記手段に限定されず、前記位置に連続体の基材を供給することさえできれば、無端状ベルトを回転体に対して離れた位置に設けることもできる。
【0101】
前記無端状ベルトに支持された供給された連続体の基材は、凹部内に保持された発熱組成物の表面を覆いながら、円筒状回転体と共に回転する。本発明の製造方法においては、凹部内に保持された発熱組成物はこのように無端状ベルトで支持された基材で覆われた状態で回転するので、発熱組成物が基材を膨らませるのを防止したり、発熱組成物が零れ落ちることを容易に防止できる。
【0102】
本発明の製造方法においては、円筒状回転体の直径はできる限り小さく構成して、円筒状回転体をできる限り速く回転させることが好ましい。このように構成すると、円筒状回転体の周面を無端状ベルトに支持された連続体の基材で覆うことにより、発熱組成物が基材を膨らませるのを防止したり、発熱組成物が零れ落ちることを容易に防ぐことができる。
【0103】
前記回転する凹部に保持された発熱組成物は、連続体の基材を円筒状回転体から離脱させる際に磁力と重カの作用により連続体の基材上に載置されて、発熱組成物成形体が間欠的に形成される。
【0104】
前記発熱組成物成形体が形成された連続体の基材は、次工程において、連続体の被覆材が発熱組成物成形体が積層された面に積層され発熱組成物成形体が間欠的に設けられた連続体のの発熱組成物成形体包装体として形成される。
【0105】
前記発熱組成物成形体が間欠的に設けられた連続体の発熱組成物成形体包装体は、シールロールにより発熱組成物成形体の周縁部をシールし、切断装置による切断処理が施された後、発熱組成物成形体包装体として使用される。前記発熱組成物成形体包装体は、酸素の供給を防ぐために非通気性の外袋に収納されて、発熱体として保存され、販売され、使用される。この場合、シールはヒートシールと圧着シールがあり、シールロールは、ヒートシールの場合はヒートシールロールであり、圧着シールに場合は圧着シールロールである。
【0106】
図13を使用して本発明の発熱組成物成形体包装体の製造方法を説明する。
基材供給ロール41より基材32を外部無端状ベルト34に供給し、外部無端状ベルト34に支持されて所望の形状の凹部31を有する円筒状回転体20の外周面に供給される。
【0107】
一方、成形性含余剰水発熱組成物を回転する円筒状回転体20の周面に形成された凹部31に、擦り切り片7と内部固定磁石13により、擦り切り充填した。
【0108】
外部無端状ベルト34に支持された基材32を円筒状回転体20の周面に連続的に供給し、前記供給された基材32で凹部31内に保持された成形性含余剰水発熱組成物の表面を覆いながら、基材32と成形性含余剰水発熱組成物とを円筒状回転体20と共に回転させた。
【0109】
次に、円筒状回転体20が回転する最低点B付近において、前記基材32を円筒状回転体20からほぼ水平方向に離脱させ、前記基材32上に成形性含余剰水発熱組成物の発熱組成物成形体を外部固定磁石14の作用により、基材32上に積層した。
【0110】
また、かかる積層時にあっては、支持板35の擦り切り片の対応する領域に孔を設け、回転自在なロールを無端状ベルトと基材を円筒状回転他の外周面に押しやるように設け、前記中空ロールの内部に磁石を設けてもよい。
発熱組成物成形体の厚みは、凹部の深さ(高さ)によって適宜設計的に変更可能である。
本発明において、基材に低凹部を含め各種凹部を付与する手段は制限はないが、加圧式エンボスロール、加熱加圧式エンボスロール等のエンボスロールが一例として挙げられる。
【0111】
次に、円筒状回転体20を通過した成形性含余剰水発熱組成物から成る発熱組成物成形体が積層された基材32は、包装装置であるシールロール39に順次送り込まれると共に、基材32上に積層される被覆材33も包装装置39に順次送り込まれ、包装装置である、第1ロールと第2ロールからなるシールロール39によって、基材32と被覆材33はヒートシールされて、かかる連続体の発熱組成物成形体包装体が走行してカット(裁断)装置40に達すると、個別の所望形状の発熱組成物成形体包装体に打ち抜きされ、その後個別の発熱組成物成形体包装体46は非通気性の収納袋(外袋)に封入される。
【0112】
図13の発熱組成物成形体包装体製造装置を使用して他の発熱組成物成形体包装体を製造する一例を説明する。
図13の点線で示したように、基材供給ロール41と無端状ベルト34の間にエンボスロール67を設け、基材32の低凹部63を収納できる凹部を有する外部無端状ベルト34及び前記基材32の低凹部63を、無端状ベルト34の凹部に収容する押し込みロール68を設け、これにより、低凹部63を有する基材32を製造し、円筒状回転体20に低凹部63を有する基材32を供給し、発熱組成物成形体包装体を製造する。
基材供給ロール41より基材32をエンボスロール67に供給し、基材32に円筒状回転体20の凹部63に対応した、深さ1mmの低凹部63を付与し、低凹部を有する基材32を製造し、外部無端状ベルト34に供給する。外部無端状ベルト34に基材32の低凹部63を収容させ、前記基材32の低凹部63と円筒回転体20の凹部31が対応するように同調して、前記基材32を円筒回転体20の外周面の凹部31を覆うように供給する。基材32を所定速度で走行させると共に、基材32の走行速度に一致させるように円筒状回転体20を回転駆動源によって回転制御させながら、擦り切り片7において、発熱組成物補給部から供給される成形性含余剰水発熱組成物が、擦り切り片7と内部固定磁石13とにより凹部63の開口部の一部を通って、凹部63内に擦り切り充填され、更に、無端状ベルト34に支持された基材32で円筒状回転体20の外周面に接触させて凹部63を塞ぐように走行させながら、基材32と成形性含余剰水発熱組成物とを円筒状回転体20と共に回転させた。
次に、円筒状回転体20が回転する最低点B付近において、前記基材32を円筒状回転体20からほぼ水平方向に離脱させ、前記基材32上に成形性含余剰水発熱組成物の発熱組成物成形体を外部固定磁石の作用により、基材32上に積層した。
【0113】
本発明のエンボスロールの前記シート部材に当接する凸状ロール及び受け側ロールの凹部から選ばれた少なくとも1種のシート部材が当接する各辺のエッジ部を略円弧状に形成することが好ましい。即ち、0.1〜20.0mmの曲率半径に曲面加工することが好ましい。
前記凸部や凹部のエッジ部を略円弧状に形成する、即ち、アールrを設けることにより、シート部材の切れや通気性シート部材の通気性を変化させることなく、エンボス加工シート部材が製造できる。
このアールr(略円弧状)は、エンボス加工シート部材が実用上支障が生じる変化を起こさなければ制限はないが、曲率半径が、好ましくは0.1〜20.0mmであり、より好ましくは0.1〜10.0mmであり、更に好ましくは0.1〜5.0mmであり、更に好ましくは0.3〜5.0mmであり、更に好ましくは0.3〜3.0mmであり、更に好ましくは0.5〜2.0mmである。
【0114】
次に、円筒状回転体20を通過した成形性含余剰水発熱組成物から成る、高さ1.7mmの発熱組成物成形体が積層された基材32は、包装装置であるシールロール39に順次送り込まれると共に、基材32上に積層される被覆材33も包装装置に順次送り込まれ、かかる包装装置であるシールロールによって、基材32と被覆材33はヒートシールされて、更に、カット(裁断)装置40で、個別の所望形状の発熱組成物成形体包装体に打ち抜きされ、その後個別の発熱組成物成形体包装体は非通気性の収納袋(外袋)に封入される。
この低凹部63を有する基材32を製造し、円筒状回転体20に低凹部63を有する基材32を供給し、発熱組成物成形体包装体を製造する方法及びエンボスロール67を設置した発熱組成物成形体包装体製造装置は本明細書に記載されているすべての前記発熱組成物成形体包装体の製造方法及び前記発熱組成物成形体包装体製造装置に適用できる。
【0115】
図14を使用して本発明の発熱組成物成形体包装体の製造方法を説明する。
図13と同様な方法で、発熱組成物成形体包装体を製造し、その後の工程で、セパレータ供給ロール43よりセパレータ57を供給し、圧着ロール38に供給するまでに網目状の通気性粘着剤層又は通気性粘着剤層を接着剤塗布装置37でセパレータ57に塗布後、圧着ロール38に送り込み、連続体の発熱組成物成形体包装体の通気性面側に貼り、カットしてそら豆形状のプリーツ状区分発熱部発熱組成物成形体包装体を得た。
外部固定磁石14は回転自在な、中空のロールの内側に磁石を固定した回転自在の磁石を使用している。
【0116】
図15の発熱組成物成形体包装体の製造装置を使用して本発明の発熱組成物成形体包装体の製造方法を説明する。
仮着/ヒートシールによる発熱組成物成形体包装体を製造する一例を説明する。
円筒状回転体20が回転し、円筒状回転体20の凹部31が発熱組成物供給装置2の領域を通過する際に、円筒状回転体20の凹部31に、発熱組成物供給成形装置2から易動水値9の成形性含余剰水発熱組成物が供給され、発熱組成物供給装置2の擦り切り片7において、成形性含余剰水発熱組成物が擦り切り片7と内部固定磁石13により、円筒状回転体20の凹部31内に擦り切り充填される。
一方、35mm/秒の走行スピードで走行させた、メタロセン触媒を使用して製造されたセパレータ付き粘着剤層を有するポリエチレンフィルムからなる基材32が基材供給ロール41より無端状ベルト34へ供給される。連続体の基材32は、無端状ベルト34とともに回転移動する円筒状回転体20に供給され、円筒状回転体20の凹部31を覆い、凹部31、基材32、無端状ベルト34がこの順で重なり合い同調して、発熱組成物成形体包装体製造装置の最低点B側に移動する。円筒状回転体20の最低点B付近で、基材32が円筒状回転体20の外周面から脱離する際に外部固定磁石14と重力により、前記基材32のポリエチレンフィルム上に発熱組成物成形体が積層される。一方、被覆材供給ロール42より、ポリエチレン製多孔質フィルム/ナイロン製不織布の積層体からなる通気性被覆材33が供給され、圧着シールロール38に供給される前に、接着剤塗布装置37にて、その多孔質フィルム上にメルトブロー法にてホットメルト系弱粘着剤からなる網目状通気性弱粘着層が形成され、圧着シールロール38へ供給され、基材32のポリエチレンフィルム側と被覆材33の網目状通気性弱粘着層とが合うようにして重ねられ、加圧処理により仮着され、ヒートシールロールに供給される。
発熱組成物成形体の周縁部の仮着部よりやや外側の領域をヒートシールし、かかる連続体の発熱組成物成形体包装体が走行してカット(裁断)装置に達すると、個別の所望形状の発熱組成物成形体包装体に打ち抜きされ、その後個別の発熱組成物成形体包装体は非通気性の収納袋(外袋)に封入される。
仮着とヒートシールを組み合わせることにより、実用状問題ないシール強度を有する発熱組成物成形体包装体が高速で得られた。
【0117】
本発明の発熱組成物成形体包装体について説明する。
本発明の発熱体は発熱組成物を成形した発熱組成物成形体を基材に積層し、更に被覆材で覆い、発熱組成物成形体の周縁部をシールしたものであり、発熱体の発熱部が1個の発熱部からなる単一発熱部発熱組成物成形体包装体と複数個の区分発熱部が区分け部により間隔をおいて設けられている発熱部からなる区分発熱部発熱組成物成形体包装体とがある。これらの発熱組成物成形体包装体はその露出部の少なくとも一部に固定手段を有してもよい。
即ち、本発明の発熱組成物成形体包装体は、
1)単一発熱部発熱組成物成形体包装体及び/又は区分発熱部発熱組成物成形体包装体であり、
2)前記発熱組成物成形体は前記発熱組成物から成形され、
3)前記1個発熱部の一部又は前記区分発熱部の一部が通気性を有し、
4)前記1個発熱部発熱体は前記発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールして形成される1個発熱部を有し、
5)前記区分発熱部発熱組成物成形体包装体は前記発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールして形成される区分発熱部と、前記ヒートシール部である区分け部からなる−一体構造で、複数個の区分発熱部が、区分け部を間隔として、間隔をおいて設けられた発熱部を有し、
6)前記発熱体の周辺部がシールされている発熱組成物成形体包装体である。
7)所望により前記発熱組成物成形体包装体の露出部の少なくとも1部に固定手段が設けられ、前記、固定手段は発熱組成物成形体包装体を身体等に固定できればよく、面ファスナー(ベルクロ、マジックテープ(登録商標)等)、バンド(伸長製、伸縮性等)、粘着剤から構成される粘着剤層、親水性粘着材から構成される親水性粘着剤層(ジェル等)等が一例として挙げられる。
また、粘着剤層、粘着層、接着層の設ける方法やパターンや形状については発熱体(発熱組成物成形体包装体)が固定できれば制限はなく、全面に設けても、部分的や間欠的に設けてもよい。一例として、網目状、蜘蛛の巣状、棒状、ストライプ状、水玉状、格子状、帯状等の各種パターン、形状が、任意の形態に、粘着剤を印刷、転写、ノズル噴射等により、粘着剤層を部分的に積層する方法がある。これにより通気性を維持することができる。
例えば、ホットメルト型の粘着性物質を加熱溶融下に熱風を介して吹き付け展開するメルトブロー方式やカーテンスプレー方式、或いは、グラビア方式等の適宜な方式で、粘着性物質を繊維化し、或いは、粘着剤を糸状に円を描きながら、一方向に移動させたり、ジグザグに移動させたりする等適宜二次元方向に運行させて部分塗布する方法や粘着剤を発泡させる方法が一例として挙げられる。
【0118】
前記発熱組成物成形体とは、発熱組成物から成形され、一定の形状をした成形体であり、少なくとも基材上に積層でき、基材上で形状が保たれておればよい。
前記発熱組成物成形体は発熱組成物が圧縮された発熱組成物圧縮体であってもよく、本発明では発熱組成物成形体は発熱組成物圧縮体を含む。
【0119】
上記発熱体の平面形状の区分発熱部以外の領域の少なくとも一部にミシン目(ミシン目状切り込み)、互い違いの切り込み、Vノッチ付きミシン目(Vノッチ付きミシン目状切り込み)、Vノッチ付き互い違いの切り込み等の貫通した切り込みを設けた発熱体も本発明の発熱体の平面形状に含まれる。
【0120】
本発明の単一発熱部発熱組成物成形体包装体とは、発熱部が1つの発熱部から形成されている発熱体であり、発熱組成物成形体包装体の少なくとも一部は通気性を有する。
発熱体の形状と発熱部の形状は同じ形状を取る必要はないが、通常は相似形である。
例えば、発熱部が長方形であり、発熱体が長方形である。
また、発熱部が円形であり、発熱体が円形である。
また、発熱組成物成形体包装体及び/又単一発熱部は角部を略円弧状(アールr状)に設け、角部を曲線状や曲面状にしてもよい。
【0121】
本発明の区分発熱部発熱組成物成形体包装体とは、発熱組成物成形体を収容する区分発熱部と発熱組成物成形体を収容しない区分け部とからなり、複数個の区分発熱部が区分け部を間隔として、間隔をおいて設けられている発熱部を有する発熱組成物成形体包装体である。発熱体の少なくとも一部は通気性を有する。
前記区分発熱部は、前記発熱組成物成形体を含有し、前記区分け部は前記発熱組成物成形体を含有しないシール部であり、前記区分発熱部が区分け部を間隔として間隔をおいて設けられる発熱体である。
発熱体の形状と区分発熱部の形状は必ずしも同じ形状を取る必要はない。また、発熱体及び/又は区分発熱部は角部を略円弧状(アールr状)に設け、角部を曲線状や曲面状にしてもよい。
【0122】
前記発熱組成物成形体又は区分発熱部の形状は如何なるものでもよいが、平面形状で、円、楕円、フットボール形、三角形、正方形、長方形、六角形、多角形、星形、花形、リング形やこれらの形状の半分均等分割した形状等が一例として挙げられる。立体形状では、ディスク状、ピラミッド状、球状、立方体状、多角錐形状、円錐形状、錐台形状、球形状、平行六面体形状、円筒体形状、長方形状平行六面体形状、多面体形状、楕円体形状、半円柱体形状、半楕円柱体形状、蒲鉾形状体、円柱体形状、楕円柱体形状等が一例として挙げられる。
また、これらの形状は角部を略円弧状(アールr状)に設け、角部を曲線状や曲面状にしてもよいし、中央部等に凹部があってもよい。
【0123】
発熱組成物成形体包装体の形状と区分発熱部の形状と発熱部の形状は同じ形状を取る必要はなく、異なった形状を形成していてもよい。
例えば、ストライプ状に設けられた区分発熱部を有する発熱組成物成形体包装体の場合、区分発熱部形状が平面形状で細長い長方形である平行六面体形であり、スジ状(ストライプ状)に間隔を置いて配置されており、発熱体形状が長方形である発熱体や繭形である発熱組成物成形体包装体、足形である発熱組成物成形体包装体等が一例として挙げられる。
また、この場合、前記発熱組成物成形体及び区分発熱部の形状は全体としてストライプ状になれば如何なるものでもよいが、平面形状で、長方形、立体形状では、直方体、長方形状平行六面体、円筒体、半円柱体、半楕円柱体、蒲鉾状体、円柱体、楕円柱体等が一例として挙げられる。
他の例としては、区分発熱部の形状が平面形状で楕円形であり、間隔を置いて配置されており、発熱組成物成形体包装体形状が繭形である発熱組成物成形体包装体や長方形である発熱組成物成形体包装体等が一例として挙げられる。
【0124】
1個の発熱部からなる発熱体の発熱部又は発熱組成物成形体のサイズにおいて、ディスク状、円形、楕円形、その類似形状において、そのサイズには制限はないが、高さは、好ましくは0.1mm〜20mmであり、より好ましくは0.3mm〜20mmであり、より好ましくは0.5mm〜20mmであり、より好ましくは0.5mm〜10mmであり、更に好ましくは0.5mm〜8mmである。
直径は、好ましくは5mm〜200mmであり、より好ましくは、5mm〜180mmであり、更に好ましくは、5mm〜150mmであり、更に好ましくは、5mm〜100mmであり、更に好ましくは、5mm〜50mmである。
また、ディスク状、円形、楕円形、その類似形状以外の形状(矩形、矩形類似形状等)において、そのサイズには制限はないが、長さは、好ましくは5mm〜200mmであり、より好ましくは、5mm〜180mmであり、更に好ましくは、5mm〜150mmである。
高さは、好ましくは0.1mm〜20mmであり、より好ましくは0.3mm〜20mmであり、より好ましくは0.5mm〜20mmであり、より好ましくは0.5mm〜10mmであり、更に好ましくは0.5mm〜8mmである。
幅は、好ましくは1mm〜200mmであり、より好ましくは5mm〜200mmであり、より好ましくは5mm〜180mmであり、更に好ましくは5mm〜150mmであり、更に好ましくは5mm〜100mmである。
【0125】
区分発熱部構造において、区分発熱部は、少なくとも2つの対面する表面、好ましくはフィルム層基材表面有する統一した構造に形成され、その際少なくとも1つの表面は酸素(空気)透過性であり、発熱組成物成形体が収納されたとき、発熱組成物成形体容積、空間容積、区分発熱部容積は、次の関係を有する。発熱組成物成形体容積は、発熱組成物成形体自身の容積であり、空間容積は区分発熱部内で、発熱組成物成形体に占められていない容積であり、区分発熱部容積は区分発熱部の容積であり、空間容積と発熱組成物成形体容積の和である。
【0126】
前記区分発熱部又は前記発熱組成物成形体のサイズは制限はないが、好ましいサイズは以下の通りである。
1)円形状、ディスク形状及びディスク類似形状の場合
直径は、好ましくは約1mm〜約60mmであり、より好ましくは2mm〜50mmであり、更に好ましくは10mm〜40mmであり、更に好ましくは20mm〜30mmである。
高さは、好ましくは0.1mm〜20mmであり、より好ましくは0.3mm〜20mmであり、更に好ましくは0.5mm〜20mmであり、更に好ましくは1mm〜20mmであり、より好ましくは1.5mm〜10mmであり、更に好ましく3mm〜9mmであり、更に好ましくは4mm〜8mmであり、更に好ましくは5mm〜7mmである。
容積は、好ましくは約0.0045cm〜約20cmであり、より好ましくは約0.2cm〜約11cmである。
2)前記1)以外の形状(矩形、矩形類似形状等)である場合
幅は、好ましくは0.5mm〜60mmであり、より好ましくは0.5mm〜50mmであり、好ましくは0.5mm〜50mmであり、更に好ましくは1mm〜50mmであり、更に好ましくは3mm〜50mmであり、更に好ましくは3mm〜30mmであり、更に好ましくは5mm〜20mmであり、更に好ましくは5mm〜15mmであり、更に好ましくは5mm〜10mmである。
また、高さは、好ましくは0.1mm〜30mmであり、より好ましくは0.1mm〜20mmであり、更に好ましくは0.1mm〜10mmであり、更に好ましくは0.3mm〜10mmであり、更に好ましくは0.5mm〜10mmであり、更に好ましくは1mm〜10mmであり、更に好ましくは2mm〜10mmである。
また、長さは、好ましくは5mm〜300mmであり、より好ましくは5mm〜200mmであり、より好ましくは5mm〜100mmであり、更に好ましくは20mm〜150mmであり、更に好ましくは30mm〜100mmである。
また、表面積は区分発熱部としての機能を有すれば制限はないが、好ましくは約50cm以下であり、より好ましくは約40cm以下であり、更に好ましくは約25cm未満であり、更に好ましくは20cm未満である。
前記区分発熱部の容積又は発熱組成物成形体の容積は、好ましくは0.015cm〜500cmであり、好ましくは0.04cm〜500cmであり、より好ましくは0.04cm〜30cmであり、更に好ましくは0.1cm〜30cmであり、更に好ましくは1cm〜30cmであり、更に好ましくは1.25cm〜20cmであり、更に好ましくは1.25cm〜10cmであり、更に好ましくは3cm〜10cmである。
【0127】
前記区分発熱部において、発熱組成部物収納領域である区分発熱部に発熱組成物成形体が収容された時に、発熱組成物成形体占有領域である発熱組成物成形体の容積積と発熱組成物収納領域である区分発熱部の容積との容積比は通常0.6〜1であり、好ましくは0.7〜1であり、より好ましくは0.8〜1であり、更に好ましくは0.9〜1である。
【0128】
複数の区分発熱部の配置形状としては、制限はないが、格子状、ストライプ状、波状、格子−ストライプ状、ランダム状等が一例として挙げられる。
【0129】
本発明の発熱部又は区分発熱部は、ストライプ状(スジ状)に間隔をおいて設けることが好ましく、「ストライプ状(スジ状)に間隔をおいて設ける」とは、複数の区分発熱部が、ストライプ状(スジ状)に間隔をおいて(平行線状に)設けられたものである。1本のストライプ(スジ)は1個の区分発熱部により構成されていることが好ましい。
また、下記の条件を満たしていれば、1本のストライプ(スジ)は2個以上の区分発熱部と1個以上の区分け部とから構成されていてもよい。
Tは、T≧2Sであり、好ましくは、T≧2.5Sである。
Pは、P≦Tであり、好ましくは、P≦0.5Tである。
T :1個の区分発熱部の長さ
S :1個の区分発熱部の幅
P : 区分け部の長さ
平行縞状(縦縞、横縞、斜め縞、縦波縞、横波縞、斜め波縞等)に区分発熱部からなるスジを配置することが一例として挙げられる。
【0130】
本発明におけるストライプ状に間隔をおいて設けた区分発熱部を有する発熱体の場合は、直角方向になる2方向における剛軟度の差の絶対値が最大になる、平行六面体形状の区分発熱部をスジ状に間隔をおいて設けた発熱体や、更に粘着剤層を設けた発熱体や、その粘着剤層をスジ状に間隔をおいて設けた発熱体は、一方向に対して非常に柔軟性であり、一方向に対しては剛性であるので、肩こり、腰痛、筋肉疲労等の症状を緩和し、特に生理痛の症状緩和する等の効能を発揮する。更に、発熱体の幅方向に、ほぼ幅寸法の大きさで巻けて、コンパクトになり、収納にも便利である。またセパレータ付きの場合は剛軟度の低いセパレータを使用すれば巻くことができる。
また、身体に沿わせて発熱体を設ける場合、身体は二次的曲面が多く、肩、脚、腹、腰、腕等は1方向は、ほぼ直線的になっており、他の2方向はほぼ曲面から造られる。従って、1方向はほぼ直線的であり、他の2方向は曲面を造ることができる本発明の発熱体は2次元的曲面が造れるので、身体にうまく沿わすことができ、身体の採暖や諸症状の緩和、治療に最適である。
【0131】
本発明の発熱組成物成形体包装体には最小剛軟度が100mm以下の発熱組成物成形体包装体も含まれるが、特にストライプ状に間隔をおいて設けた区分発熱部を有する発熱組成物成形体包装体には最小剛軟度が100mm以下で、それと直角方向になる方向における剛軟度の差の絶対値が最大になる発熱組成物成形体包装体も含まれる。
また、前記発熱組成物成形体包装体の発熱前と終了後の最小剛軟度の変化を示す最小剛軟度の変化は20%以内であり、特にストライプ状に間隔をおいて設けた区分発熱部を有する発熱組成物成形体包装体は最小剛軟度を示す方向において、発熱前と終了後の最小剛軟度の変化は20%以内であり、更に、ほぼ0%(変化なし)である発熱組成物成形体包装体も含まれる。
【0132】
前記区分け部の幅は区分発熱部を間隔を置いて設けることができる区分けができれば制限はないが、通常0.1mm〜50mmであり、好ましくは0.3mm〜50mmであり、より好ましくは0.3mm〜50mmであり、更に好ましくは0.3mm〜40mmであり、更に好ましくは0.5mm〜30mmであり、更に好ましくは1mm〜20mmであり、更に好ましくは3mm〜10mmである。
【0133】
基材は
1)実質的に平面の基材
2)発熱組成物成形体の底面形状より大きく、ほぼ相似形の形状で、発熱組成物成形体の高さ未満の高さ(深さ)を有する凹部を有する基材
3)発熱組成物成形体の底面形状より大きく、ほぼ相似形の形状で、発熱組成物成形体の高さ以上の高さ(深さ)を有する凹部を有する基材
から選択された1種である。
被覆材は
1)実質的に平面の被覆材
2)発熱組成物成形体の平面形状より大きく、ほぼ相似形の形状で、発熱組成物成形体の高さ未満の高さを有する凸部を有する被覆材
3)発熱組成物成形体の平面形状より大きく、ほぼ相似形の形状で、発熱組成組成物の高さ以上の高さを有する凸部を有する被覆材
4)波形形状を有する被覆材で、発熱組成組成形体と積層前の凸部を有する被覆材との間で、それらの高さと幅において、
波形状の被覆材の凸部の高さと発熱組成物成形体の高さの関係は、
(波形状の被覆材の凸部の高さ)/(発熱組成物成形体の高さ)=好ましくは0.01〜1.5であり、より好ましくは0.01〜1.0であり、更に好ましくは0.01〜0.5であり、更に好ましくは0.01〜0.3であり、
波形状の被覆材の凸部の幅と発熱組成物成形体の幅の関係は、
(発熱組成物成形体の幅)/(波形状の被覆材の凸部の幅)=
好ましくは0.6〜0.99であり、より好ましくは0.7〜0.99であり、更に好ましくは0.8〜0.99であり、更に好ましくは0.9〜0.99である被覆材から選択された1種である。
ここで、前記発熱組成物成形体の高さ未満の高さ(深さ)を有する凹部を有する基材又は凸部を有するの被覆材の場合、好ましくは、以下の関係を持つ。
基材の凹部の高さと発熱組成物成形体の高さの関係は、
(基材の凹部の高さ)/(発熱組成物成形体の高さ)=
好ましくは0.01〜0.99であり、より好ましくは0.01〜0.99であり、更に好ましくは0.01〜0.5であり、更に好ましくは0.01〜0.3であり、
被覆材の凸部の高さと発熱組成物成形体の高さの関係は、
(被覆材の凸部の高さ)/(発熱組成物成形体の高さ)=
好ましくは0.01〜1.5であり、より好ましくは0.01〜1.0であり、更に好ましくは0.01〜0.5であり、更に好ましくは0.01〜0.3であり、
基材の凹部又は被覆材の凸部の幅と発熱組成物成形体の幅の関係は、
(発熱組成物成形体の幅)/(基材の凹部又は被覆材の凸部の幅)=
好ましくは0.6〜0.99であり、より好ましくは0.7〜0.99であり、更に好ましくは0.8〜0.99であり、更に好ましくは0.9〜0.99である。
本発明において、実質的に平面状とは、発熱組成物成形体を収納する又は覆うために予め設けられた収納用のポケット、収納区画、収納区域、覆いポケット、覆い区画、覆い区域、波形状覆い等の収納用凹部や凸部を有しない平らな面をいう。従って、意図的に発熱組成物成形体を収納しない又は覆うためでない凹凸は存在してもよい。意図的な発熱組成物成形体の収納用でない凹凸や覆い用でない凹凸は収納区域ではないので、そのような凹凸が基材又は被覆材にあっても、実質的な平面状の基材又は実質的な平面状の被覆材とする。
【0134】
本発明の発熱組成物成形体及び発熱体の製造方法に使用される発熱組成物としては、発熱組成物成形体が形成でき、基材と被覆材とにより発熱組成物成形体の周縁部がシールできれば制限はない。
一例として前記成形性含余剰水発熱組成物が挙げられるが、更に詳しく説明すると、
(1)発熱組成物中の水分が空気遮断層としてのバリアとして機能せず、空気と接触して発熱する、即ち、「製造直後、風のない20℃の環境下の空気中に放置後5分以内に5℃以上発熱する」発熱組成物(易動水値0.01以上〜14未満)と、
(2)初期の発熱立ち上がり性が落ちる発熱組成物(易動水値14〜50)との2種類のに分類できる。
【0135】
前記(2)の成形性含余剰水発熱組成物(易動水値14〜50)は発熱組成物中の水分が空気遮断層としてのバリアとして機能しているため、一定量の余剰水を除いた後の発熱組成物を使用する。これにより空気と接触して発熱する発熱組成物になる。即ち、吸水、脱水、吸水溶液、脱水溶液、熱風乾燥、送風乾燥、放置乾燥、圧縮等により水分除去をすればよい。その後、水分を加える等の水分調整を行ってもよい。
基材及び又は被覆材に吸水性を有する素材を使用し、吸水を行ってもよい。例えば、紙等の吸水性素材を基材及び又は被覆材に使用するとか、発熱組成物成形体と接触する部分に紙等の吸水性素材を持つ複合素材を使用し、発熱組成物成形体から一定量の水分を除き、空気と接触して発熱する発熱組成物成形体とすることが一例として挙げられる。
更に不織布等の通水性素材上に発熱組成物成形体を積層し、熱風乾燥、送風乾燥、圧縮等の物理的手段により発熱組成物成形体から一定量の水分を除き、空気と接触して発熱する発熱組成物成形体としてもよい。
【0136】
本発明の成形性含水発熱組成物は余剰水に基づく成形性、保形性を有する発熱組成物である。
【0137】
ここで、前記「製造直後、風のない20℃の環境下の空気中に放置後5分以内に5℃以上発熱する」とは、製造後24時間放置等の熟成成期間をおかず、製造直後、風のない20℃の環境下の空気中で、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルムやシート等の非吸水性素材の上に発熱組成物を放置したときに、5分以内に前記発熱組成物が5℃以上発熱することである。
即ち、発熱組成物温度上昇測定方法において、5分以内の温度上昇分が、好ましくは5℃以上あり、より好ましくは10℃以上あり、更に好ましくは、20℃以上であり、更に好ましくは3分以内に温度の上昇分が10℃以上である。
ここで、発熱組成物温度上昇測定方法は、
周囲温度20±1℃の条件下、発熱組成物を非通気性の外袋封入状態で1時間放置する。
1)脚付き支持台の塩化ビニル製支持板(厚さ5mm×長さ600mm×幅600mm)の裏面の中央部付近に成形型の抜き穴形状を覆うように磁石を設ける。
2)温度センサーを支持板中央部上に置く。
3)厚さ約80μmの粘着剤層付き厚さ25μm×長さ250mm×幅200mmのポリエチレンフィルムの中央がセンサーのところにくるようにして、粘着剤層を介して支持板に貼り付ける。
4)前記ポリエチレンフィルムの中央部上に、長さ80mm×幅50mm×高さ3mmの抜き穴を持つ長さ250mm×幅200mmの型板を置き、その抜き穴付近に試料を置き、押し込み板を型板上に沿って動かし、試料を押し込みながら抜き穴へ入れ、型板面に沿って、試料を押し込みながら擦り切り(型押し込み成形)、型内に試料を充填する。次に、支持板下の磁石を除き、温度測定を開始する。
発熱温度の測定はデータコレクタを用い、測定タイミング2秒で、10分間温度測定を行い、1分後の温度、3分後の温度、5分後の温度を測定し、5分後の温度で発熱性を判定する。
【0138】
本発明の型成形方式による発熱組成物成形体包装体の製造では、基材を一定速度で移動させると共に、発熱組成物を投下する投下口を基材と同速度で移動させながら基材上に成形性含水発熱組成物を成形した発熱組成物成形体を積層する方法であるので、基材の停止、起動がほとんど繰り返されず、製造の高速化に優れている。
また、発熱組成物が含水であると、前述のように、発熱組成物成形体包装体を製造し、得られた発熱組成物成形体包装体を気密性の外袋内に密封するまでの間に、発熱組成物特に鉄粉と空気との酸化反応が発生し、発熱組成物のの初期発熱特性が向上するため初期発熱特性が向上した発熱組成物成形体包装体が得られる等の利点が生じる。
【0139】
本発明の成形性含水発熱組成物において、発熱組成物中の余剰水の量は、易動水値として定義される。
【0140】
本発明の成形性含水発熱組成物の易動水値(0〜100)は、0.01〜50であり、
1)成形後吸水等による水分除去なしで空気と接触して発熱する発熱組成物は
好ましくは0.01以上〜17であり、より好ましくは0.01以上〜15であり、更に好ましくは0.01以上〜14であり、更に好ましくは0.01以上〜14未満であり、より好ましくは0.01〜13であり、更に好ましくは0.01〜12であり、更に好ましくは0.01〜12であり、更に好ましくは1〜12であり、更に好ましくは2〜12であり、更に好ましくは2〜11であり、更に好ましくは3〜11である。
2)成形後吸水等による水分除去を後に空気と接触して発熱する発熱組成物は
好ましくは17を越えて〜50であり、より好ましくは18〜40であり、更に好ましくは20〜35であり、更に好ましくは20〜30である。
【0141】
本発明の発熱組成物を構成する成分中、反応促進剤と水溶性物質と水を除く固形成分の最大粒径は好ましくは1mm以下であり、より好ましくは500μm以下であり、更に好ましくは300μm以下であり、更に好ましくは250μm以下であり、更に好ましくは200μm以下であり、更に好ましくは100μm以下である。
且つ、発熱組成物を構成する成分中、反応促進剤と水溶性物質と水を除く非水溶性固形成分の80%以上の粒径が、好ましくは300μm以下であり、より好ましくは250μm以下であり、更に好ましくは200μm以下であり、更に好ましくは150μm以下であり、更に好ましくは90%以上の粒径が150μm以下であり、更に好ましくは90%以上の粒径が100μm以下である。
尚、発熱組成物の成形性及び保形性は反応促進剤と水溶性物質と水を除く非水溶性固形成分の粒径が小さければ小さいほど良くなる。
【0142】
前記発熱組成物成形体包装体の構成を図16〜図18に基いて説明する。
本実施の形態において得られる発熱組成物成形体包装体は、図16(a)、(b)、図17(a)、(b)、図17に示すように、基材としての非通気性包材と、被覆材としての通気性包材と、鉄粉を含む成形性含水発熱組成物とからなる。基材搬送手段により搬送されるのは基材の連続体であり、被覆材搬送手段により搬送されるのは被覆材の連続体である。上記の非通気性包材、通気性包材及び発熱組成物としては、開示された又は通常の使い捨てカイロ、発熱体等に用いられるものを適宜選択して使用することができる。
【0143】
図16(a)は単一発熱部発熱組成物成形体包装体50である。
セパレータ57付き粘着剤層55を有するポリエチレンフィルムからなる基材32のポリエチレンフィルム側に発熱組成物成形体45が積層され、その上をポリエチレン製多孔質フィルム/ナイロン製不織布の積層体からなる通気性被覆材33のポリエチレン製多孔質フィルム側が接触覆うようにして積層されが被され、発熱組成物成形体45の周縁部がシール幅8mmでヒートシールシールされている。図16(b)はZ−Zの断面図である。
【0144】
図17(a)は、プリーツ状発熱組成物成形体包装体51の一種で、6個のストライプ状区分発熱部49を有する区分発熱部発熱組成物成形体包装体51の平面図である。
ポリプロピレン製不織布/ポリエチレンフィルムの積層体からなる基材32の上に、10個の、平面形状が長方形状の発熱組成物成形体が間隔をおいて積層され、ポリエチレン製多孔質フィルム/ナイロン製不織布の積層体からなる通気性被覆材33により覆われ、発熱組成物成形体45の周縁部及び発熱組成物成形体包装体51の周辺部がヒートシールされ、更に通気面に上にSIS系ホットメルト系粘着剤がメルトブロー法にて形成された通気性粘着材層56が設けられ、6個の区分発熱部49を有する、長方形状の区分発熱部発熱組成物成形体包装体51である。
両面が凹凸状の面を有し、幅の広い中央の区分け部を挟んで、その左右に3個の区分発熱部が間隔を置いて設けられている。
図17(b)はセパレータ57を設けた、同Y−Yの断面図である。
【0145】
図18は、プリーツ状発熱組成物成形体包装体51の一種で、8個のストライプ状区分発熱部を有する区分発熱部発熱組成物成形体51である。
ポリプロピレン製不織布/ポリエチレンフィルムの積層体からなる基材32の上に、8個の、平面形状が長方形状の発熱組成物成形体45が間隔をおいて積層され、ポリエチレン製多孔質フィルム/ナイロン製不織布の積層体からなる通気性被覆材33により覆われ、発熱組成物成形体の周縁部及び発熱組成物成形体包装体51の周辺部がヒートシールされ、更に通気面側の区分け部及び発熱組成物成形体包装体51の両端端部付近に粘着剤層がセパレータ付きで設けられた10個の区分発熱部を有する、そらまめ形の区分発熱部発熱組成物成形体である。両面が凹凸状の面を有し、やや幅の広い中央の区分け部を挟んで、その左右に4個の区分発熱部が間隔を置いて設けられている。
【0146】
尚、本発明の発熱体の発熱組成物成形体の製造方法、発熱組成物成形体の製造装置は、発熱組成物成形包装体の製造に特に有効であるが、本発明はこれに限定するものではなく、他の発熱体に使用することもできる。
【0147】
易動水値とは、発熱組成物中に存在する水分の中で発熱組成物外へ移動できる余剰水分の量を示す値である。この易動水値について説明する。
常温常圧で、中心点から放射状に45度間隔で8本の線が書かれたNo.2(JISP 3801 2種)の濾紙を、ステンレス板上に置き、前記濾紙の中心に、内径20mm×高さ8mmの中空円筒状の穴を持つ長さ150mm×幅100mmの型板14を置き、その中空円筒状の穴付近に試料を置き、押し込み板を型板上に沿って動かし、試料を押し込みながら中空円筒状の穴へ入れ、型板面に沿って、試料を擦り切る(型押し込み成形)。
次に、測定中に発熱反応が起こらないようにするために、前記穴を覆うように非吸水性の70μmポリエチレンフィルムを置き、更に、その上に、厚さ5mm×長さ150mm×幅150mmのステンレス製平板を置き、5分間保持する)。その後、濾紙を取り出し、放射状に書かれた線に沿って、水又は水溶液の浸みだし軌跡を中空円筒の穴の縁である円周部から浸みだし先端までの距離として、mm単位で読み取る。同様にして、各線上からその距離を読み取り、合計8個の値を得る。読み取った8個の各値(a,b,c,d,e,f,g,h)を測定水分値とする。その8個の測定水分値を算術平均したものをその試料の水分値(mm)とする。また、真の水分値を測定するための水分量は内径20mm×高さ8mmの前記発熱組成物等の重量に相当する前記発熱組成物等の配合水分量とし、その水分量に相当する水のみで同様に測定し、同様に算出したものを真の水分値(mm)とする。水分値を真の水分値で除したものに100をかけた値が易勤水値である。即ち、
易動水値=[水分値(mm)/真の水分値(mm)]×100
同一試料に対して、5点測定し、その5個の易勤水値を平均し、その平均値をその試料の易勤水値とする。また、発熱体中の発熱組成物の易動水値を測定する場合、真の水分値を測定する水分量は発熱組成物の赤外線水分計による水分量測定から発熱組成物の含水率を算出し、それを基に、測定に必要な水分量を算出し、前記水分量により真の水分値を測定算出する。
ここで、発熱組成物中の水分が空気遮断層としてのバリヤーとして機能せず、空気と接触して発熱し、製造直後、風のない20℃の環境下の空気中に放置後5分以内に発熱する発熱組成物(少なくとも易動水値が0.01以上〜14未満、特に易動水値が0.01〜13.5)の場合、風防を使用する測定法法、即ち、前記穴を覆うように非吸水性の70μmポリエチレンフィルムを置き、更に、その上に、厚さ5mm×長さ150mm×幅150mmのステンレス製平板を置く代わりに、風防を被せた場合は、測定中に発熱反応が起こり、易動水値の測定が不可能になる。
【0148】
前記成形性とは、抜き穴を有する抜き型を用いた型通し成形により、抜き穴の形状で発熱組成物の成形体である発熱組成物成形体ができ、少なくとも、型離れを含め成形後、基材と被覆材の間に挟まれ、発熱組成物成形体の周縁部がシールできることである。
成形性を有する発熱組成物の場合、型通し成形や鋳込み成形等の型成型方法で発熱組成物成形体が作成できる。
成形性があると発熱組成物成形体が少なくとも被覆材に覆われ、基材と被覆材の間にシール部が形成されるまで、形状が維持されので、所望の形状でその形状周縁部でシールができ、シール部に発熱組成物の崩れ片であるいわゆるゴマが散在しないので、シール切れがなくシールできる。ゴマの存在はシール不良の原因となる。
1)測定装置としては、
走行可能な無端状ベルトの上側にステンレス製成形型(中央部に縦60mm×横40mmの四隅が5アールr(略円弧状)に角を丸められ、抜き穴の上部(発熱組成物の入口)の4辺の角部が1アールr(略円弧状)に、抜き穴の下部(発熱組成物成形体の出口)の4辺の角部が3アールr(略円弧状)に設けられた抜き穴を有し、型の外表面及び抜き孔の毎壁面を平滑な面とした、厚さ2mm×縦200mm×横200mmの板)と固定可能な擦り切り板を配置し、それと反対側である無端状ベルトの下側に磁石(厚さ12.5mm×縦24mm×横24mmの磁石が並列に2個)を配置する。前記平滑な面とは、平滑であれば制限はないが、表面粗さRaが、好ましくは10μm以下であり、より好ましくは4μm以下であり、更に好ましくは2μm以下である。
前記磁石は、擦り切り板及びその近傍の領域、且つ、成形型の抜き穴の進行方向に対する最大断面の領域(40mm)より大きい領域を覆う。
2)測定法としては、
前記測定装置の無端状ベルトの上に厚さ1mm×縦200mm×横200mmのステンレス板を置き、その上に厚み70μm×縦200mm×横200mmのポリエチレンフィルムを置き、更にその上にステンレス製成形型を置く。
その後、前記成形型の抜き穴の無端状ベルトの進行側端部から50mmの位置に擦り切り板を固定後、前記擦り切り板と前記抜き穴の間で擦り切り板付近に発熱組成物50gを置き、無端状ベルトを1.8m/minで動かし、発熱組成物を擦り切りながら成形型の抜き穴へ充填する。成形型が擦り切り板を完全に通過後、無端状ベルトの走行を停止する。次に成形型を外し、ポリエチレンフィルム上に積層された発熱組成物成形体を観察する。
3)判定法としては、
前記発熱組成物成形体の周縁部において、最大長さが800μmを超える発熱組成物成形体の崩れ片がなく、最大長さ300μm〜800μmの発熱組成物成形体の崩れ片が5個以内である場合に、前記発熱組成物は成形性があるとする。
成形方式に使用する発熱組成物には必須の性質である。これがないと成形方式による発熱体の製造は不可能である。
【0149】
本発明の発熱組成物は、耐圧縮性を有するもので、ここで耐圧縮性とは、成形型に収容した発熱組成物成形体を型内圧縮し、型厚みの70%の厚みを有する発熱組成物圧縮体が、圧縮前の発熱組成物成形体の発熱立ち上がり性(発熱組成物の発熱試験での試験開始後1分と3分での温度差)の80%以上の発熱立ち上がり性を保持することである。
ここで、耐圧縮性のための発熱立ち上がり性の測定法について説明する。
1.発熱組成物成形体
1)脚付き支持台の塩化ビニル製支持板(厚さ5mm×長さ600mm×幅600mm)の裏面の中央部付近に成形型の抜き穴形状を覆うように磁石を設ける。
2)温度センサーを支持板の表面中央部上に置く。
3)厚さ約80μmの粘着剤層付き厚さ25μm×長さ250mm×幅200mmのポリエチレンフィルムの中央がセンサーのところにくるようにして、粘着剤層を介して支持板に貼り付ける。
4)長さ280mm×幅150mm×厚さ50μm〜2mmの敷板上に長さ230mm×幅155mm×厚さ25μm〜100μmのポリエチレンフィルムの一端が敷板の外側に約20mm出るようにし、且つ、その長さ方向は一端が敷板の一端とほぼ一致するようにポリエチレンを設置する。
5)前記敷板上のポリエチレンフィルム上に長さ80mm×幅50mm×高さ3mmの抜き穴を持つ長さ230mm×幅120mm×厚さ3mmの型板を置く。その場合、型板の長さ方向の一端を敷板とポリエチレンフィルムが一致して置かれている一端に合わせ、更に、幅方向において、ポリエチレンフィルムが敷板より外側にはみ出している側と反対の端部より約20mm中央部の位置に型板の幅の一端部がくるようにして、型板をポリエチレンフィルム上に設置する。次に、支持板上に敷板とともに置く。
6)その抜き穴付近に試料を置き、押し込み板を型板上に沿って動かし、試料を押し込みながら抜き穴へ入れ、型板面に沿って、試料を押し込みながら擦り切り(型押し込み成形)、型内に試料を充填する。
7)支持板下の磁石を除き、更に、はみ出したポリエチレンフィルムの端部を押さえ、敷板を除き、温度測定を開始する。
2.発熱組成物圧縮体
1)〜6)は、発熱組成物成形体の場合と同じである。
8)抜き穴と凹凸の関係で、ほぼぴったりと抜き穴に入る、厚さ0.9mmの凸部を有する押し型を抜嘗穴に合わせておき、ロールプレスや板プレスにて圧縮して、厚さ2.1mmの発熱組成物圧縮体を型内に作成する(型厚みの70%に圧縮)。
9)支持板上に敷板とともに置き、支持板下の磁石を除き、更に、はみ出したポリエチレンフィルムの端部を押さえ、敷板を除き、温度測定を開始する。 発熱温度の測定は、データコレクタを用い、測定タイミング2秒で、5分間温度測定し、1分後と3分後の温度差をもって耐圧縮性を判定する。
圧縮後の厚みは、好ましくは型厚みの50〜99.5%であり、より好ましくは60〜99.5%であり、更に好ましくは60〜95%である。
尚、本発明において、発熱組成物成形体には、発熱組成物圧縮体を含むものとする。
【0150】
本発明における剛軟度とは、剛性(ハリ、コシ)又は柔軟性を示し、JIS L 1096A法(45°カンチレバー法)に準じ、試料として発熱体自身を用いたこと以外は同法に従ったものである。即ち、一端が45度の斜面をもつ表面の滑らかな水平台の上に発熱体の一辺をスケール基線に合わせて置く。次に、適当な方法によって発熱体を斜面の方向に緩やかに滑らせて、発熱体の一端の中央点が斜面Aと接したときに他端の位置をスケールによって読む。剛軟度は発熱体が移動した長さ(mm)で示され、それぞれ発熱体5枚を測り、縦方向及び横方向、又は、一方向及びそれと直交する方向それぞれの平均値でそれぞれの方向の剛軟度を表す(整数位まで)。ただし、測定にあたって、粘着剤層付き発熱体の粘着剤側面を水平台側面と相対するようにして測定する場合には、セパレータを付けた粘着剤側面が水平台側面に相対するようにおく。いずれにしても、最小の剛軟度が測定される側の測定値を採用する。
また、
1)水平台には発熱体の発熱組成物入り発熱部が幅5mm以上×長さ20mm以上残っていること。ただし、長さは発熱組成物が存在している領域を横断していること又は発熱組成物が存在している領域と存在していない領域を直線的に横断していること。
2)粘着剤層付き発熱体の場合は粘着剤層のセパレータとして剛軟度30mm以下のプラスチックフィルム、或いは、厚み50μm以下、好ましくは25μm以下の腰のない、或いは、軽く操んでシワができるプラスチックフィルム等の腰のない、柔らかいフィルムを使用し、粘着剤層に添って設けること。また、基材及び/又は被覆材の剛軟度は100mmx200mmの試験片を作成し、200mm方向の剛軟度を採用する。
【0151】
本発明における発熱体又は発熱部の最小剛軟度の変化とは、一方向における発熱体又は発熱部の剛軟度のうち一番低い値の剛軟度である最小剛軟度において、前記最小剛軟度が、発熱体の発熱前と発熱終了後において生ずる値の変化である。
最小剛軟度の変化は、次式により算出される。
最小剛軟度の変化(%)=|((A−B)/A)×100|
A:発熱前の発熱体の最小剛軟度
B:発熱終了後の発熱体の前記最小剛軟度
1)得られた発熱体を通常雰囲気下で発熱させ、前記発熱体の温度が35℃を下回った時点を、使用終了時と仮定し、発熱前の発熱体の最低剛軟度の測定と同じにして、その時の発熱体の剛軟度を測定し発熱終了後の発熱体の前記最低剛軟度とする。
2)発熱前の発熱体の最低剛軟度の測定方向と発熱終了後の発熱体の前記最低剛軟度の測定方向は発熱体において同じ測定方向である。
3)発熱前の定義には測定中の発熱は無視する。
【実施例】
【0152】
以下、実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
〔実施例1〕
図13に示す装置を使用して、片面にセパレータ付き粘着剤層を有するポリエチレンフィルとから構成されるレンジ連続体の基材と、多孔質フィルムとナイロン製不織布との積層体とから構成される連続体の被覆材に、還元鉄粉、活性炭、反応促進剤、木粉、吸水性ポリマー、亜硫酸ナトリウム、消石灰、水とから構成される、易動水値8の含水発熱組成物を形成することにより、発熱組成物成形体及び発熱組成物成形体包装体を製造した。以下、その詳細を説明する。
【0153】
還元鉄粉(粒径300μm以下)100重量部、活性炭10重量部、木粉5重量部、吸水性ポリマー1重量部、亜硫酸ナトリウム0.8重量部、消石灰0.8重量部、11%食塩水42重量部とを混合した易動水値8の発熱組成物を発熱組成物供給装置に貯蔵し、前記発熱組成物を、周速度25m/分で回転する直径267mm、周面の幅250mmの円筒状回転体の周面に形成された凹陥部に供給し擦り切り部の擦り切り片と内側固定磁石の磁力と重力により擦り切り充填した。
【0154】
凹部は、深さ5mm、縦200mm、横100mmの長方形の平断面形状であって、円筒状回転体の周面の回転方向に等間隔で4個、幅方向に等間隔で2列設けた。各凹部と各凹部の間隔12は10mm、各凹部と各凹部の幅方向の問隔w2は10mmである。
【0155】
前記基材を無端状ベルトと前記円筒状回転体との間隙を通して円筒状回転体の周面に連続的に供給し、前記供給された基材で凹部内に保持された発熱組成物の表面を覆いながら、基材と発熱組成物とを円筒状回転体と共に回転させた。
【0156】
前記無端状ベルトは、発熱物供給装置の擦り切り片の円筒状回転体の外周面への当接点から回転方向側25°の位置に基材を円筒状回転体の外周面に当接させて、無端状ベルトと円筒状回転体の周面との間に基材を挟んで円筒状回転体の周面に基材を供給するように設けた。
【0157】
次に、円筒状回転体が回転する最低点Bにおいて、前記基材を円筒状回転体から水平方向に離脱させ、前記被覆材上に発熱組成物を無端状ベルトの回転体の凹部と反対側に設けられた外部固定磁石の磁力と重カの作用により載置し、発熱組成物成形体を積層した。次に、連続体の被覆材をガイドロールを通して、前記連続体の基材に設けられた発熱組成物成形体上に積層し、発熱組成物成形体の周縁部及び発熱体周辺部をヒートシールロールにてヒートシールし、発熱組成物成形体が間欠的に設けられた長尺の発熱組成物成形体包装体を得た。
【0158】
次に、切断用カットロールによる切断処理を施して、図8に示す単一発熱部発熱組成物成形体包装体を得た。次に、前記発熱組成物成形体包装体を非通気性収納袋である外袋に封入し、発熱組成物成形体包装体とした。
【0159】
前記実施例において、連続体の基材及び被覆材の間に発熱組成物成形体が間欠的に形成された長尺の発熱組成物成形体を容易に得ることができた。更に前記長尺の発熱組成物成形体の発熱組成物成形体の周縁部及び発熱組成物成形体包装体の周辺部をシールロールによりシールし、カットロールにて切断処理を施すことにより、柔軟性及び保温性能に優れた発熱体を得ることができた。
【0160】
〔実施例2〕
図14に示す装置を使用して、不織布とポリエチレンフィルムとの積層体である連続体の基材と、多孔質フィルムとナイロン製不織布との積層体とから構成される連続体の被覆材に、還元鉄粉、活性炭、反応促進剤、木粉、吸水性ポリマー、亜硫酸ナトリウム、消石灰、水とから構成される、易動水値8の含水発熱組成物を形成することにより、発熱組成物成形体及び体発熱体を製造した。以下、その詳細を説明する。
【0161】
還元鉄粉(粒径300μm以下)100重量部、活性炭10重量部、木粉5重量部、吸水性ポリマー1重量部、亜硫酸ナトリウム0.8重量部、消石灰0.8重量部、11%食塩水42重量部とを混合した易動水値8の発熱組成物を発熱組成物供給装置に貯蔵し、前記発熱組成物を、周速度25m/分で回転する直径267mm、周面の幅250mmの円筒状回転体の周面に形成された凹部に供給し擦り切り部の擦り切り片と内部固定磁石の磁力と重力により擦り切り充填した。
【0162】
深さ2mm、縦100mm、横10mmの長方形の平断面形状である凹部を10mm間隔で6個設け、中央の間隔を20mmとし、前記中央の間隔を挟んで、3個の凹陥部は3個ずつ設けられるようにし、前記6個の凹部を一組とした。
且つ、円筒状回転体の周面の回転方向に等間隔で4組、幅方向に1列設けた。
隣接の凹部の間隔は20mmである。
【0163】
前記基材を無端状ベルトと前記円筒状回転体との間隙を通して円筒状回転体の周面に連続的に供給し、前記供給された基材で凹陥部内に保持された発熱組成物の表面を覆いながら、基材と発熱組成物とを円筒状回転体と共に回転させた。
【0164】
前記無端状ベルトは、発熱物供給装置の擦り切り片の円筒状回転体の外周面への当接点から回転方向側30°の位置に基材を円筒状回転体の外周面に当接させて、無端状ベルトと円筒状回転体の周面との間に基材を挟んで円筒状回転体の周面に基材を供給するように設けた。
【0165】
次に、円筒状回転体が回転する最低点Bにおいて、前記基材を円筒状回転体から水平方向に離脱させ、前記被覆材上に発熱組成物を無端状ベルトの回転体の凹陥部と反対側に設けられた離脱用固定磁石の磁力と重カの作用により載置し、発熱組成物成形体を積層した。次に、長尺の被覆材をガイドロールを通して、前記長尺の基材に設けられた発熱組成物成形体上に積層し、発熱組成物成形体の周縁部及び発熱体周辺部をヒートシールロールにてヒートシールし、発熱組成物成形体が間欠的に設けられた長尺の発熱組成物成形体包装体を得た。
次に、セパレータ供給ロールよりセパレータを供給し、圧着ロールに供給するまでに網目状の通気性粘着剤層又は粘着剤層を接着剤塗布装置でセパレータに塗布後、圧着ロールに送り込み発熱組成物成形体包装体の通気性面側に貼り、カットして、通気面側に通気性粘着剤層を有する、そら豆形状のプリーツ状区分発熱部発熱組成物成形体包装体を得た。
次に、前記発熱体を非通気性収納袋である外袋に封入し、発熱組成物成形体包装体(図示しない)とした。
【0166】
前記実施例において、連続体の基材及び被覆材の間に発熱組成物成形体が間欠的に形成された長尺の発熱組成物成形体を容易に得ることができた。更に前記長尺の発熱組成物成形体の発熱組成物成形体の周縁部及び発熱組成物成形体包装体の周辺部をシールロールによりシールし、カットロールにて切断処理を施すことにより、柔軟性及び保温性能に優れた発熱組成物成形体包装体を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【0167】
【図1】本発明の発熱組成物成形体包装体の製造装置の一例を示す断面図である。
【図2】(a)本発明の中空の円筒状回転体と基材と無端状ベルトの関係を示す断面図である。(b)本発明の中空状の円筒状回転体の斜視図である。(c)、(d)本発明の発熱組成物成形体が間欠的に設けられた連続体の発熱組成物成形体包装体の平面図である。
【図3】図1において、円筒状回転体の上下方向の断面図である。
【図4】本発明の他の形態の円筒状回転体の保持方法を示す説明図である。
【図5】(a)本発明のロータリー式ブリッジ防止装置付き発熱組成物供給装置の一実施例の断面図である。(b)本発明の発熱組成物供給給装置の他の一実施例の断面図である。(c)本発明のバネ式擦り切り手段の一実施例の断面図である。
【図6】(a)本発明の擦り切り片による擦り切り充填の説明断面図である。(b)本発明の押し込み擦り切り片による押し込み擦り切り充填の説明断面図である。
【図7】(a)〜(f)本発明の円筒状回転体の外周面に設けられた凹部の平面形状を示す一実施例の平面図である。
【図8】本発明のシール面を示す一実施例の平面図である。
【図9】本発明のシール面を示す他の一実施例の平面図である。
【図10】(a)本発明の凹部を有する基材の一例を示す平面図である。(b)同X−Xの断面図である
【図11】(a)〜(d)無端状ベルトの一例を示す断面図である。
【図12】(a)、(b)本発明の凹部を有する基材の凹部に対応する凸部を収納した状態の無端状ベルトの一例を示す断面図である。
【図13】本発明の発熱組成物成形体包装体の製造装置の他の一実施例を示す断面図である。
【図14】本発明の発熱組成物成形体包装体の製造装置の他の一実施例を示す断面図である。
【図15】本発明の発熱組成物成形体包装体の製造装置の他の一実施例を示す断面図である。
【図16】(a)本発明の発熱組成物成形体包装体の一実施例を示す平面図である。(b)Z−Zの断面図である。
【図17】(a)本発明の発熱組成物成形体包装体の一実施例を示す平面図である。(b)セパレータをつけた図17(a)のY−Yの断面図である。
【図18】本発明の発熱組成物成形体包装体の一実施例を示す平面図である。
【図19】(a)〜(u)本発明の発熱組成物成形体包装体の平面形状の他の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0168】
1 発熱組成物成形体包装体製造装置
2 発熱組成物供給装置
7 擦り切り片
10 バネ式擦り切り手段
11 押し圧調整具
13 内側固定磁石
14 外部固定磁石
15 磁石固定具
20 中空の円筒状回転体
22 歯車
23 回転駆動源
24 中空
24 中空筒状物
25 ロール
27 機枠
28 回転体枠
31 中空の円筒状回転体の周面に設けられた凹部
32 連続体の基材
33 連続体の被覆材
34 無端状ベルト
35 支持板
36 支持枠
37 接着剤塗布装置
38 圧着ロール
39 シールロール
41 基材供給ロール
43 セパレータ供給ロール
45 発熱組成物成形体
46 発熱組成物成形体包装体
47 区分け部
48 区分発熱部
48 単一発熱部
49 区分発熱部
50 単一発熱部発熱組成物成形体包装体
51 区分発熱部発熱組成物成形体包装体
53 シール部
54 シール部
56 メルトブロー法にて設けられた網目状通気性粘着剤層
57 セパレータ
60 基材の凹部を収納できる凹部を有する無端状ベルト
61 基材の凹部を収納できる貫通孔を有する無端状ベルト
62 平坦な無端状ベルト
63 基材凹部
65 貫通孔
67 エンボスロール
68 押し込みロール
69 空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹部を周方向に備える中空の円筒状回転体の前記凹部に、外側から成形性発熱組成物を供給するための発熱組成物供給部と、前記凹部の開口側の成形性発熱組成物を擦り切る擦り切り部と、前記凹部の開口側を沿うようにして基材を供給するための基材支持用ベルトを備え、前記擦り切り部と、前記円筒状回転体の回転中心とを結ぶ面を基準とし、前記基準面から回転方向にθ1の位置に、前記基材支持用ベルトに支持された基材を供給するようにし、0°<θ1≦60°としたことを特徴とする発熱組成物成形体包装体の製造装置。
【請求項2】
前記0°〜θ1の領域までに、前記凹部内に挿入可能な押圧手段を設けることを特徴とする請求項1に記載の発熱組成物成形体包装体の製造装置。
【請求項3】
前記発熱組成物供給部下方で、且つ、前記凹部の下方に磁石を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の発熱組成物成形体包装体製造装置。
【請求項4】
前記円筒状回転体の下面側で、前記凹部の下方に磁石を設けたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の発熱組成物成形体包装体製造装置。
【請求項5】
前記凹部の開口側を底部側よりも広くなるように形成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の発熱組成物成形体包装体の製造装置。
【請求項6】
前記凹部の開口側の角部断面を略円弧状に形成したことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の発熱組成物成形体包装体の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−186246(P2007−186246A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−6812(P2006−6812)
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【出願人】(503289805)マイコール・プロダクツ株式会社 (19)
【Fターム(参考)】