説明

発酵食品の残渣物の処理システム

【課題】現状残渣の処理費用を生産業者が支払って専門業者に依頼して処理を行っている、この処理費用は直接経費に影響しているのが現状である。
【解決手段】残渣をこの処理法によって有効利用に転化し尚且つ支出を収入に返還させることが可能となる処理法である、設置費用もごく僅かである、また出来上がった処理後の醤油粕の残渣物は塩分が殆どなく備蓄用飼料や食用として添加剤にも応用できる、栄養価が高く高品質の食材となるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
食品残渣物の大半は発酵食品のもので、この中には酵素群が多量に含まれている、HやOの・OH(ヒドロキシルラジカル)が酵素に出会うと特異反応が起きる、即ちHの分解作用ではHの・OHが基質であると同時にドナーとなっており、酵素群が自らHを敵と見做し、攻撃して分解させようとする、又、Hの・OHが発酵食物の酵素に対し酸化還元反応を行なう、従って双方共解舒性の反応に寄与し劇的に分離促進を行なうものである、この時、臭い成分はラジカル反応によって脱臭され、防腐機能なども加味される。全く、便利な解舒機能を見出して食品残渣物の処理に使用することを提唱するものである。
【背景技術】
【0002】
特徴の一つは分解速度が速く・OH反応を伴って、一浴の処理剤として使用できる(単一の薬剤)。確実な分離分散を促すには、この工程を少量ずつ2回以上行なうことも出来る、特筆すべきは特別な装置も必要なく、通常の温度範囲で反応できるために、コスト競争力にも優れている(熱源も不要)。又、処理した後は残渣物と活性水とに分離できるので廃棄する部分が殆ど出ず、活性水は数倍に薄めて農業用の撤き水や家畜の飲料水にも利用が出来る。ゼロエミッションにもなっている。
【発明の概要】

【発明が解決しょうとする課題】
【0003】
昨今産業廃棄物の不法投棄が問題化し、処理費が益々高騰している。その中でも厄介物である醤油粕、焼酎粕、オカラなどを有用物質に回帰させて素材の再利用を計る。環境改善やニューテクノロジーの発展に寄与するものと考える。発酵食品の残渣物には残存している酵素類が大量に含まれていると推測される。これが発想の原点である。又、動、植物の細胞にはミトコンドリア器官があり、TCAサイクルに存在する酵素類が電子の受け渡しを行なって過剰な活性酸素(フリーラジカル)を抑える働きや、生命維持に関るエネルギーの生産を行なっている、ミトコンドリアの「酸化的リン酸化」もよく知られている。対象発酵物の素材は、米、麦、大豆、トウモロコシ、芋、野菜屑などである。提唱しているシステムの有機物の分解促進作用が生体内で営まれているラジカルの防禦作用によく似た機序をもっている、即ち残渣物成分中の酵素群や水溶性ビタミン類、グルコース、硫黄やその化合物であるアミノ酸のS−H基などが、活性物質の基質となり、今回の処理メカニズムの主役として登場する。その活性物質はH(過酸化水素)やO(オゾン)等・OHの強力ラジカル水である。
【発明を解決するための手段】
【0004】
(30%物)を2回に分けて投与する、醤油粕100gに対し水道水(上水)1.000mlを加えておく、水道水(pH7.0)ORP(酸化還元電位)808mV。攪拌容器に過酸化水素(H 30%混)を20g投入する、投入時のpHは4.69でORPは377mVであった。第1回の投入でHが殆ど分解した、この状況のpHは4.65、ORPは399mVであった。次に第2回目の投与として約5分後に更に20g(H、30%)と水道水500mlを投入し、攪拌する、常温で反応が起こっており30〜40分位で醤油粕類は順調にに分解され解舒された状態になった。因みに醤油粕はシート状に固まった強烈な異臭を発したこげ茶色の(相当に硬い)アメ状物質である。次に水と残渣物を濾過紙を用いて分離した。残渣物の重量は64g(投入した残渣物は100g)水(HO)の重量は900ml(投入2回で計1.500ml)取り出した活性水(分離した水)は第1回目が420ml、第2回目が480mlであった。第1回目の処理水のpHは6.4ORPは312mV第2回目の処理水のpHは6.64,ORPは331mVこの処理水の還元力は496/477mVで非常に優秀である。処理過程において懸念された塩分は醤油粕に含まれず高濃度塩分のうち大半が活性水に移転した。家畜の飲料水か農業用活性水として利用する場合は100倍以上希釈して使えば塩分の問題は殆ど関係せず優秀な活性水として利用できる。塩分の件は5〜10倍の希釈水で殆ど無害となる、この時点でのORPは808mV標準値に(水道水)に対して40〜50mVと還元力は維持した状態で有効な活性水としての応用が期待できる。
【発明の効果】

【実施例】
【産業上の利用可能性】

【特許請求の範囲】
【請求項1】
醤油絞粕を容器に入れ、これに水を加えて混濁状にする。次に過酸化水素(H)より派生する・OH基(ヒドロキシルラジカル)によって、まず臭気の脱臭、脱塩化を行い、尚且つ腐敗の防止に寄与することが出来る。其の後、固体の解舒が進み、残渣物と活性水に分離される。処理工程には水での洗浄、濾過(脱水)乾燥を経て、有用物質の醤油残渣が取り出され、飼料等に利用できる。活性水は若干薄めて塩分濃度を低くし、家畜の飲料水(栄養価が高)や農業用の撤き水等に利用する。使用したすべての素材が有効に利用される。この全ての処理は常温で行える。
【請求項2】
豆腐の製造工程で副産物として大量に発生するオカラの処理も請求項1と同様に行う、オカラは腐敗の速度が速く腐敗を防ぐための処理も請求項1に記載する方法で処理を行なえばこの目的は達成する。処理をした粕は飼料、肥料などに利用する。
【請求項3】
焼酎の残渣(芋、麦)などは非常に粒子が小さくコロイド状の酸性物質である為に処理方法が難しく海上投棄などを行なってきたが環境省より海上投棄禁止の通達があって必然的に無害処理を強いられることになった。この処理法は請求項1.2とは違った方法で行なう。残渣を容器に入れて容器の底部よりOを注入すると、残渣が上層部に浮遊してくる、これを取り出して熱乾燥、遠心分離機によって脱水し、粉末状態にして飼料、肥料などに利用する。

【公開番号】特開2010−259416(P2010−259416A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−125809(P2009−125809)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(503164074)株式会社ウエストランド実業 (1)
【Fターム(参考)】