説明

発電システム及び方法

本発明は、発電機が空気吸い込み式エンジンによって駆動される、発電システム及び方法に関する。任意の動作条件において、所与の電力出力について、エンジン内の作動流体に与えられる高いピーク温度を維持するように、燃料/空気比が制御されるように、エンジンを通る空気流の流量を制御することによって、エンジン効率が実質的に最適化される。本発明の方法及びシステムは、エンジンにおける可変幾何形状機構に対する必要性をなくし、同様に、可変幾何形状の燃焼器及びプレバーナに対する必要性をなくす。本発明は、低い燃料/空気比で動作する種々のタイプの空気吸い込み式エンジンに適用可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、負荷に供給するための電流を生成する発電機を駆動するための空気吸い込み式エンジンを使用した電力の生成に関する。本発明は、特定の実施形態では、小型タービンエンジンによって動力を供給される発電機を使用した電力の生成に関する。
【0002】
[発明の背景]
分散型発電は、長年にわたって多くの討議の論題であった概念であるが、今まで、分散型発電システムの広範囲にわたる展開はなかった。分散型発電とは、電力が必要とされる場所に配置される小型発電システムのことを言い、したがって、従来の公益設備グリッドシステムとは区別される。従来の公益設備グリッドシステムでは、大型中央電力プラントが電力を生成し、電力は、その後、かなりの距離にわたって、一般にグリッドと呼ぶ送電線システムを通して複数のユーザに送られる。しばしば、数メガワットの電力を生成することができる公益設備によって運転される従来の電力プラントと対照的に、分散型発電システムは、一般に、2メガワットより小さく、より典型的には、60〜600キロワットの範囲内の大きさに作られる。
【0003】
分散型発電が、広範囲の展開を達成することに失敗した原因は、第一に、コストに起因すると考えられる。米国のほとんどのエリアで、実際には、世界のほとんどで、分散型発電システムに投資し、それを運転することよりも、グリッドから電力を購入することの方が、ほとんどのユーザにとって単純に安価であった。分散型発電システムからの電力コストを比較的高くさせる主要な要因は、こうしたシステムで使用される小型エンジンの、特に、部分負荷動作条件における効率が比較的低いことであった。
【0004】
通常、分散型発電システムの発電機は、サイズに応じて、マイクロタービン又はミニタービンと呼ばれることが多い、小型タービンエンジンによって駆動される。タービンエンジンは、一般に、燃料の化学エネルギーを熱エネルギーに変換することによって熱いガスを生成するために、燃料と空気の混合気を燃やす燃焼器と、タービンがその上に取り付けられている軸を回転させるために、その熱いガスを膨張させるタービンと、及びその軸の上に取り付けられるか、又は、その軸と連結され、燃焼器に供給される空気を圧縮するように動作可能な圧縮機とを備える。分散型発電システムから要求される電力が比較的少量であるため、タービンエンジンは、それに対応して小型となる。エンジン内で起こる空気力学に関連する理由及び他の理由から、タービンエンジンの効率は、エンジンのサイズが減少すると低下する傾向がある。それに応じて、マイクロタービン及びミニタービンは、自動的に、大きなエンジンと比べて効率の面で不利となる。
【0005】
さらに、サイズにかかわりなく、タービンエンジンの部分負荷効率は、一般に、エンジンが部分負荷条件で動作する特別な方法のために、周知の通りに低い。より詳細には、エンジンサイクルにおいて、作動流体のピーク温度を実質的に表すタービン入口温度は、エンジンからの電力出力が「設計」点より減少するにつれて低下することが、タービンエンジンでは通常当てはまる。設計点は、通常、100パーセント定格負荷条件であり、エンジンは、通常、そのピーク効率が実質的に設計点において起こるように設計される。エンジンの熱力学サイクルの効率に影響を与える主要な変数は、作動流体のピーク温度であることがよく知られている。全ての他のものが同じであるとすると、ピーク温度が大きければ大きいほど、効率が高く、逆に、ピーク温度が低ければ低いほど、効率が低い。したがって、エンジンが部分負荷条件で動作している時に、そのサイクル中の作動流体のピーク有効温度(すなわち、タービン入口温度)が、設計点における温度より大幅に低くなるよ
うにエンジンが制御される場合、エンジンの効率は、かなり不利益を受ける傾向がある。
【0006】
一部の従来技術のガスタービン、特に、推進用の航空機ガスタービンエンジン及び一定速度発電機システム用の大型ガスタービンにおいて、エンジン効率が過度に不利益を受けないよう空気流量を減らすために、可変幾何形状システムが、部分負荷条件において使用されてきた。たとえば、軸流圧縮機において、可変入口案内羽根(IGV:variable Inlet Guide Vanes)が使用されてきた。部分負荷条件において、IGVが閉鎖されて、所与の圧縮機速度とするために、空気流量を減らす。遠心圧縮機の場合、同様な効果を達成するために、静翼が、可変にされることがある。さらに他の例では、空気流量を制御するために、タービンの速度、したがって、圧縮機の速度を制御するのに、可変第1段タービン羽根又はノズルが採用されてきた。こうした可変幾何形状システムは、費用がかかり、軸受け及び他の可動部品が、磨耗を受け易いため、1年のうち高いパーセンテージの時間にわたって運転のために利用可能でなければならず、必要であれば、実質的に連続して動作可能でなければならず、同様に、利用される負荷によって要求される電力の変化に迅速に応答可能でなければならない発電システムにとっては、これらのシステムは実用的ではない。さらに、可変幾何形状機構は、エンジンのサイズが小さいため、マイクロタービン及びミニタービンで実施することは実用的でない。そのため、部分負荷条件においてエンジン性能を最適化する可変幾何形状方法の代替方法に対する必要性が存在する。
【0007】
エミッション(酸化窒素、未燃焼炭化水素、及び一酸化炭素を含むが、それに限定しない)は、課題であることがわかった、分散型発電の別の側面を示す。一般に、所与の電力出力について、NOx排出量は、燃料の燃焼温度(火炎温度としても知られる)を最小にすることによって減少するか、又は、最小にされる傾向があり、その温度は、一般に、ピーク熱力学温度(タービン入口温度)より高く、そのため、効率に悪影響を与えることなく、窒素の酸化物の生成を低減する。火炎温度を下げる主要な方法は、燃焼ゾーンの前に、燃料と空気を予混合して、空燃比の比較的高い混合気、すなわち、希薄混合気を生成することである。予混合することはまた、火炎ゾーン全体の温度が、NOxの局所的な生成をもたらす可能性がある高温部が無い非常に均一に近い状態であることを確実にする。しかしながら、混合気は希薄にされるため、一酸化炭素(CO)、未燃焼炭化水素(UHC)、及び圧力変動が増加する。希薄失火限界に達するまで、混合気がさらに希薄にされると、これらの傾向が続き、火炎ゾーンがより不安定になる。この限界より希薄な混合気の場合、火炎を維持することができない。実際には、一酸化炭素及び未燃焼炭化水素の排出量及び/又は圧力脈動は、希薄失火限界に達する前に、許容できないほどに高くなる。
【0008】
希薄失火限界は、燃焼器への入口温度を増加させること、及び、触媒燃焼を使用することによって、より希薄な状況(regime)へ移されてもよい。触媒燃焼の使用は、希薄な予混合燃焼用の動作状況を実質的に増加させ、NOx排出量が非常に低くなり、CO排出量及びUHC排出量が許容可能になり、圧力脈動が実質的になくなる。しかしながら、触媒燃焼は、実際に、低触媒活動限界と呼ぶ、動作に対する別の制約を伴う。触媒燃焼器への入口温度は、触媒燃焼を維持するために、この限界を超えて維持されなければならない。
【0009】
多くの従来のマイクロタービンにおいて、エンジン制御は、部分負荷条件において、燃焼器入口温度が低下する傾向にあり、燃料/空気混合気がより希薄になるようなものである。従来の希薄予混合燃焼の場合、これは、排出物の増加をもたらす傾向があり、触媒燃焼の場合、燃焼器入口温度の低下が、触媒燃焼の持続の失敗につながる可能性がある。実際には、希薄予混合及び触媒燃焼器は、負荷が減少するにつれて、燃焼器入口温度が低下し、徐々に希薄条件が広まるために、ガスタービンの負荷範囲のほんの一部にわたって動作可能である。
【0010】
場合によっては、燃焼器入口温度を高めるために、プレバーナが燃焼器の前に使用されてきた。さらに、可変幾何形状燃焼器が使用されてきており、燃焼器の周りで空気の一部が迂回させられて、動作安定性を可能にするレベルに燃料/空気比が維持される。プレバーナによる解決は、プレバーナの過剰温度又は他の故障が主バーナに損傷を与える可能性があり、また、システムのコストを増すという点で、信頼性において不利益を呈する。さらに、プレバーナによる解決は、プレバーナを通して起こる圧力損失の結果として、動作コストにおいて不利益を呈し、この圧力損失は、プレバーナが使用されていない時でさえも生じる。可変幾何形状は、燃料/空気比を維持する時に使用されるのに加えて、圧力損失の不利益をなくすために適用することができる。しかしながら、可変幾何形状による解決は、高価で、複雑で、過度の磨耗、信頼性の低下、及び保守コストの増加を受け易い。
【0011】
多くの可能性のあるユーザにとっては、これらの要因が組み合わさって、分散型発電システムによる発電が、大規模公益設備から電力を購入することより魅力のないものになっている。
【0012】
[発明の概要]
本発明は、発電システム及び方法を提供することによって、上記ニーズに対処し、他の利点を達成する。発電システム及び方法において、任意の動作条件で、所与の電力出力について、燃料/空気比が制御されて、エンジン内の作動流体に与える高いピーク温度が維持されるように、エンジンを通る空気流の流量を制御することによって、エンジン効率が実質的に最適化される。本発明の方法及びシステムは、エンジンの可変幾何形状機構に対する必要性をなくし、可変幾何形状燃焼器に対する必要性をなくし、また、プレバーナに対する必要性を最小にする。本発明は、タービンエンジン等のロータリエンジン及びフリーピストンエンジン等のレシプロエンジンを含むが、それに限定されない、低燃料/空気比で動作する種々のタイプの空気吸い込み式エンジンに適用可能である。
【0013】
本発明の方法の側面によれば、発電機システムにおける空気吸い込み式エンジンの部分負荷効率を改善する方法が提供される。そのシステムは、エンジンと機械的につながる可動軸、及びエンジンと連結し、制御された燃料流量でエンジンに燃料を供給するように動作可能な燃料システムを有し、エンジンは、エンジンのピーク熱力学効率が、エンジンの100パーセント負荷動作条件に実質的に一致するように設計される。システムは、発電機であって、エンジンによる軸の運動によって、発電機が交流電流を生じるように動作するようにその軸に連結される発電機を含み、エンジン、軸、及び発電機は、発電機の速度の変化が、エンジンの速度の対応する変化、したがって、エンジンを通る空気流の流量の変化をもたらすように接続される。この方法は、エンジンを部分負荷条件で動作させるステップと、エンジンを通る空気流量を制御するために部分負荷条件において発電機の速度を制御し、同時に、エンジンのピークサイクル温度が、100パーセント負荷動作条件に対応するピークサイクル温度と実質的に同じであるように、燃料/空気比を制御するために、エンジンへの燃料流量を制御するステップとを含む。換言すれば、100パーセント負荷条件未満に負荷を減らす時に、ピークサイクル温度は、大幅に低下することが可能とされない(ただし、以下でさらに述べるように、非常に低い負荷条件では、ピークサイクル温度は低下することが可能である)。それは、主に、エンジンを通る空気流量の制御を介して、燃料/空気比を制御することによって達成される。空気流量は、エンジンの速度の関数であるため、空気流量は、発電機速度を制御することによって制御することができる。
【0014】
一実施形態では、発電機の速度を制御するステップは、発電機の下流で電流レベルを制御することを含む。これは、発電機からの交流電流を直流電流に変換し、その後、直流電流を、発電機の速度と無関係な一定周波数の交流電流に変換することによって達成されることができ、一定周波数交流電流は、その後、負荷に供給されることになる。AC−DC
変換において有効電流制御を使用して、発電機速度を制御するために、直流電流のレベルが制御される。たとえば、実質的に一定の燃料流量において、直流電流を減少させることによって、軸上での負荷の減少が起こり、したがって、発電機は、全体のエネルギー均衡を維持するために出力電圧が増加するように、その速度が上昇する。逆に、直流電流の増加は、軸上での負荷を増加させるため、発電機は速度を落とす。
【0015】
励磁システムを有する巻線発電機が採用されると、発電機速度の制御は、少なくとも部分的に励磁システムを制御することによって達成されてもよい。別法として、巻線発電機の速度は、先に述べたようにAC/DC変換器を制御することによって制御されてもよく、又は、励磁システムの制御とAC/DC変換器の制御の組み合わせが使用されてもよい。
【0016】
本発明の別の実施形態では、燃料と混合される空気を予熱するため、又は、空気−燃料混合気を予熱するために、回収熱交換器が使用される。回収熱交換器は、空気又は混合気と、エンジンから放出される排ガスとの間の熱交換を引き起こす。非常に低い部分負荷条件では、ピークサイクル温度が、100パーセント負荷点と同じレベルに維持される場合、回収熱交換器に入る排ガスの温度は、最大許容値(たとえば、材料の限界によって指示される)を超える可能性がある。それに応じて、本発明によれば、こうした条件において、ピークサイクル温度が、100パーセント負荷動作条件に対応するピークサイクル温度より低下することが可能になるように、エンジンを通る空気流量を制御し、それによって、燃料/空気比を制御するように発電機速度が制御される。それに応じて、回収熱交換器に入る排ガスの温度は、所定の最大許容可能値を超えない。
【0017】
本発明の別の側面では、燃料は、燃焼器において触媒反応を持続するのに必要とされる所定の最小入口温度を有する触媒燃焼器で燃焼される。多くの従来のエンジン制御方式において、燃焼器入口温度は、エンジン負荷が100パーセント負荷条件より低下するにつれて、低下する傾向がある。それに応じて、温度が、触媒反応に必要とされる最小温度より低下する可能性がある。本発明によれば、部分負荷条件において燃焼器への入口温度が、所定の最小入口温度と少なくとも同程度であるように、燃料/空気比が制御される。一実施形態では、部分負荷条件における燃焼器への入口温度が、100パーセント負荷条件における燃焼器への入口温度より大きいように、燃料/空気比が制御される。
【0018】
本発明の一実施形態に従って、負荷に供給するための電力を生成するシステムは、可動軸と機械的につながる空気吸い込み式エンジンを含む。発電機は、エンジンによる軸の運動によって、発電機が交流電流を生じるように動作するように、その軸に連結される。エンジン、軸、及び発電機は、発電機の速度の変化が、エンジンの速度の対応する変化、したがって、エンジンを通る空気流の流量の変化をもたらすように接続される。システムは、エンジンと連結し、エンジンに燃料を供給するように動作可能な燃料システムであって、エンジンへの燃料流の流量を変える燃料制御信号に応答する、燃料システムと、エンジンの相対的な熱力学効率を示す、エンジンに関連する少なくとも1つの熱力学的変数を測定するように動作可能な少なくとも1つのエンジンセンサとをさらに含む。
【0019】
パワーエレクトロニクスユニットは、発電機からの交流電流を受け取るとともに、負荷へ供給するために、所定の周波数で交流出力電流を合成するために発電機に連結される。一実施形態におけるパワーエレクトロニクスユニットは、非交流電圧において非交流の直流電流を生成するために、発電機からの交流電流に対して動作するように構成され且つ仕組まれるAC/DCモジュールと、負荷に供給するために、所定の周波数及び相対位相で交流出力電流及び電圧を合成するために、非交流の直流電流に対して動作するように構成され且つ仕組まれるDC/ACモジュールとを備える。一実施形態では、AC/DCモジュールは、発電機からの交流電流と無関係に、非交流の直流電流のレベルを変える電流制
御信号に応答することができる。
【0020】
システムはまた、システムからの電力出力を測定するように動作可能な発電機電力センサと、負荷によって要求される電力を測定するように動作可能な負荷電力センサとを含む。コントローラは、燃料システム、少なくとも1つのエンジンセンサ、パワーエレクトロニクスユニット、発電機電力センサ、及び負荷電力センサに動作可能に接続される。コントローラは、システムからの電力出力が、負荷によって要求される電力に実質的に一致するように、燃料システムを制御するように動作可能であり、同時に、エンジンの相対的な熱力学効率を実質的に最大にするべく、エンジン内で燃やされる混合気の燃料/空気比が制御されるように、エンジンの速度(したがって空気流量)を制御するために、発電機の速度を制御するように動作可能である。
【0021】
発電機速度制御は、能動的に制御可能なAC/DCモジュールの場合、パワーエレクトロニクスユニットのAC/DCモジュールからの非交流の直流電流のレベルを制御することによって達成することができる。発電機が、励磁システムを有する巻線発電機である別の実施形態では、制御システムは、発電機速度、したがって、空気流量を制御するために、励磁システムを制御するように、動作可能である。
【0022】
上述したシステムにおいて、本発明による別の方法は、負荷によって要求される電力を決定するステップと、
エンジンの相対的な熱力学効率を示す、エンジンに関連する少なくとも1つの熱力学変数を測定するステップと、
システムからの電力出力が、負荷によって要求される電力に実質的に一致するように、制御された燃料流量でエンジンに燃料を供給するように燃料供給システムを制御するステップと、
エンジンの熱力学効率を実質的に最適化し、一方、負荷によって要求される電力に実質的に一致するように、エンジン内で燃やされる混合気の燃料/空気比を制御するために、システムからの電力出力と無関係に、エンジンを通る空気流量を制御するステップであって、空気流量は、発電機の速度、したがって、エンジンを通る空気流量を電気的に制御することによって制御される、空気流量を制御するステップを含む。
【0023】
一般的な用語で本発明を述べたが、ここで、必ずしも一定比例尺で描かれていない添付図面が参照されるであろう。
【0024】
[本発明の詳細な説明]
ここで、本発明は、本発明の全てではないがいくつかの実施形態が示される添付図面を参照して、以降でより完全に述べられるであろう。実際に、これらの発明は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書で述べる実施形態に限定されるものとして解釈されるべきでない。これらの実施形態は、本開示が当てはまる法的な要件を満たすように提供される。同じ数字は、全体を通して同じ要素を指す。
【0025】
本発明の一実施形態による発電機システム10が、図1に概略的に示される。システムは、燃料と空気の混合気を燃やして熱い燃焼ガスを生成する空気吸い込み式エンジン20を含み、燃焼ガスは、その後、膨張して機械的動力を生じる。示す実施形態では、エンジンは、回転可能軸24の一端に取り付けられた圧縮機22、軸の他端に取り付けられたタービン26、及び燃料/空気の混合気を燃やす燃焼器28を有するタービンエンジンを含む。燃焼器は、拡散火炎、触媒反応、希薄予混合等を含むが、それに限定されない、種々のタイプであることができる。燃料と空気の混合気は、燃焼器に供給される。空気は、最初に、圧縮機によって加圧される。燃料/空気の混合気は、燃焼器内で燃やされ、熱い燃焼ガスがタービンに供給され、タービンは、ガスを膨張させ、タービンが回転可能に駆動
されるようにする。タービンは、次に、軸を回転させて、軸が圧縮機を駆動する。
【0026】
システムは、軸の運動によって発電機が駆動されるように軸24とつながる発電機30を、含む。軸が回転可能であるように示される実施形態では、発電機は、同様に、回転可能であり、軸の回転運動は、発電機に与えられる。発電機は、軸と発電機の間に、1対1の速度関係が存在するように、軸に直接取り付けられるか、又は、軸に接続されることができ、又は、別法として、発電機と軸は、異なる速度関係が存在するように、ギア列等を通して接続することができる。軸が、回転ではなく往復運動すること、発電機が、往復運動式か、回転式のいずれかであることも可能である。いずれにしても、発電機が動作する速度は、軸の速度、したがって、エンジンが動作する速度を示す。
【0027】
発電機30は、永久磁石発電機又は巻線発電機或いはそれらの組み合わせを含む、種々のタイプであることができる。発電機は、交流電流及び電圧を生成する。以下でさらに述べるように、示す実施形態では、発電機からの交流電流は、パワーエレクトロニクスによって処理されて、負荷に供給するための、所定の一定周波数及び位相関係の交流出力電流及び電圧が生成される。
【0028】
システム10はまた、燃焼器28に燃料を供給する燃料システムを含む。燃料システムは、一般に、燃料ポンプ(図示せず)及び燃料流量を制御するために、適当な制御信号34によって制御可能な燃料絞り弁32を含む。制御システム40は、その動作を制御するために燃料絞り弁32に接続される。制御システムはまた、以下でさらに述べる他の機能を実施する。
【0029】
システム10はまた、空気が燃焼器に供給される前に、エンジン排ガス52からの熱を、圧縮機22から放出された圧縮空気54へ伝える熱交換器を備えるオプションの回収熱交換器50を含むことができる。回収熱交換器は、そうでなければ消失することになる廃熱の一部を取り込み、廃熱を使用して、燃焼空気を予熱し、それによって、当該技術分野でよく知られているように、エンジンの全体の効率を増加させる。
【0030】
述べたように、システム10はまた、パワーエレクトロニクスを含む。示す実施形態では、パワーエレクトロニクスは、AC/DC変換器60及びDC/ACモジュールすなわちインバータ70を備える。AC/DC変換器60は、発電機の速度が変わるにつれて周波数が変わることができる発電機によって生成される交流電流を、非交流の直流電流に変換可能で、さらに、(一定の限度内で)交流入力電流の特性と無関係に直流電流のレベルを制御する電流制御モードで動作可能な任意の適当な変換器を備えることができる。こうした有効電流制御は、一般に、高周波数でのスイッチング動作を実施し、電流が、入力電流波形の各期間の一部の間でのみ流れることを効率的に可能にする半導体スイッチングデバイスを利用するパルス幅変調(PWM)方式に基づく。電流が流れることを可能にする、この「時間窓」は、変換器からの「平均」電流出力を変えるために、継続時間を変えることができる。
【0031】
DC/ACモジュールすなわちインバータ70は、その後、AC/DC変換器60からの出力を処理して、一定周波数の交流出力電流を合成する。多くの国で、標準電源周波数は60サイクル/秒であるが、他の国では、標準電源周波数は50サイクル/秒である。インバータからの出力周波数は、システム10が動作するはずの特定の地域で使用される標準電源周波数に一致するように選択される。
【0032】
システム10はまた、種々のパラメータを測定する制御システム40に接続されるいくつかのセンサを含む。たとえば、出力電力メータ72が、システムによってどれだけの量の電力が生成されるかを測定するために配列される。1つ又は複数のエンジンセンサ74
は、エンジンサイクルに関連する1つ又は複数の熱力学的変数を監視する。熱力学的変数は、エンジンが、その「マップ」上のどこで動作しているか、すなわち、エンジンが、その設計点で、又は、設計点の近くで動いているか、設計点からずれて動いているかを判定するのに使用される。たとえば、タービン入口温度センサは、タービン入口温度を測定するのに使用することができる。先に述べたように、タービン入口温度は、エンジン内の作動流体のピーク温度を表し、一般に、エンジンの全体の効率と関係する。そのため、他のパラメータと共に、タービン入口温度を測定することによって、エンジンの相対的な熱力学的効率を引き出すことが可能である。
【0033】
センサ76は、排ガス流において回収熱交換器50への入口温度を測定する。部分負荷条件において、エンジンが適切に制御されない場合、回収熱交換器への入口温度は、材料の限界によって指示される最大許容可能レベルを超える可能性がある。それに応じて、制御システムは、有利なことには、回収熱交換器入口温度を監視するセンサ76に接続され、制御システムは、エンジンを通る空気流量を調整して、温度が材料の限界を超えることを防止し、一方、タービン入口温度を、この付加的な制約内でできる限り高く維持する。
【0034】
相対的な熱力学的効率を実際に引き出すことが必要であるのではなく、エンジンの相対効率又は動作条件を示す1つ又は複数のパラメータを測定することだけが必要である。たとえば、述べたように、エンジンからの所与の電力出力(そのため、電力メータ72によって測定される発電機からの所与の電力出力)について、タービン入口温度を最大にすることによって、エンジン効率が、一般に、最適化されることが知られている。それに応じて、空気流量の制御を介した燃料/空気比の制御は、許容可能な限界内で、タービン入口温度を最大にするために、実施することができる。より詳細には、タービン入口ノズルの材料は、十分な材料強度及び完全性を保持して、部品の故障を回避するために、超えるべきでない最大許容可能温度を有する。100パーセント負荷設計点について、一般に、エンジンは、タービン入口温度が、この最大許容可能温度になるか、又は、それに近くなるように設計されるであろう。低い負荷条件では、空気流量は、タービン入口温度が設計点における温度より大幅に低下しないように制御されることができる。
【0035】
システム50が回収熱交換器50を含む場合、回収熱交換器の材料の限界についての考慮すべき問題が、この一定のタービン入口温度動作モードからの変更を必要とする場合がある。より詳細には、非常に低い部分負荷条件では、タービン入口温度が、100パーセント負荷点と同じレベルに維持される場合、回収熱交換器に入る排ガスの温度は、回収熱交換器の材料の限界によって指示される最大許容可能値を超える可能性がある。それに応じて、本発明によれば、こうした条件で、タービン入口温度が、100パーセント負荷動作条件に対応する温度より下がることが可能になるように、燃料/空気比を制御するために、エンジンを通る空気流量を制御する(同時に、エンジンへの燃料流量を制御する)ように発電機速度を制御することができる。こうして、回収熱交換器に入る排ガスの温度が所定の最大許容可能値を超えないようにすることができる。
【0036】
そのため、たとえば、制御システム40は、タービン入口温度対相対発電機負荷の所定のスケジュールをメモリに記憶してもよい。電力メータ72によって測定される電力出力によって反映される相対発電機負荷は、一般に、相対エンジン負荷を示し、即ち、それは、エンジンがそのマップ上のどこで動作しているかの指示を与える。適した制御アルゴリズが制御システム40によって使用されることにより、タービン入口温度が、所定のスケジュールによって指示される値に実質的に一致するようになるように、(AC/DC変換器60からのDC電流を制御することによる等、一部の適した方法で、発電機速度を制御することによって)空気流を制御することができる。これは、1つの可能性のある制御方式の単純化した例に過ぎず、他の方式が、本発明に従って使用されてもよい。
【0037】
図2は、タービン入口温度対相対発電機負荷のスケジュールがどんなものかを示し、システム10における異なる点の種々の温度(実線)を、従来技術のタイプの制御手法がとられる場合に存在すると思われる対応する温度(点線)と比較している。本発明によれば、100パーセントの相対発電機負荷値(すなわち、エンジンについての設計点)において、タービン入口温度は、約1200Kの最大許容可能タービン入口温度に実質的に等しい。タービン入口温度は、約40パーセントの相対発電機負荷に下がるまでこの値に維持される。対照的に、従来技術の制御手法では、タービン入口温度は、負荷が100パーセントより低下するにつれて、徐々に低下する。その結果、同じ相対負荷において、従来技術の制御方式についてよりも、本発明による制御方式についての方が全体のエンジン効率が高い。
【0038】
40パーセントの相対負荷において、タービン出口温度(回収熱交換器入口温度に実質的に等しい)が、約900Kの最大許容可能回収熱交換器温度まで上昇したことがわかる。さらに低い負荷において、タービン入口温度が、約1200Kに維持された場合、タービン出口温度は、最大許容可能回収熱交換器温度を超えるであろう。それに応じて、本発明によれば、タービン入口温度は、1200Kより低下することが可能になる。
【0039】
制御スケジュールに影響を及ぼし得る別の要因は、燃焼器28が触媒燃焼器である時に生じる。述べたように、触媒燃焼器は、触媒反応を持続するために維持しなければならない最小入口温度を有する。従来技術の制御手法では、約50パーセントの相対負荷未満では、燃焼器入口温度は、約800Kのこの最小温度より低下することを、図2で見ることができる。しかしながら、本発明によれば、燃焼器入口温度は、100パーセント負荷点の約800Kから40パーセント負荷点の約860Kまで上昇する。40パーセント未満では、燃焼器入口温度は、約860Kのほぼ一定のままである。そのため、本発明は、効率の改善が、部分負荷条件において実現されることを可能にし、一方、全ての動作点における触媒燃焼器の適切な動作を可能にする。
【0040】
図3は、空気流制御を使用する本発明の制御手法と、空気流制御を使用しない従来技術の制御手法の両方において、燃料/空気比がどのように振舞うかを示す。流量制御の場合、燃料/空気比は一般に、従来技術の方法よりも部分負荷条件において、大幅に高い。流量制御に関する、より高い燃料/空気比は、空気流量が従来技術の制御手法より低いことを反映する。100パーセントから40パーセント負荷まで下がると、流量制御を使用する燃料/空気比は、比較的低い流量で減少する。結果として、タービン入口温度は、図2で既に述べたように、実質的に一定に維持されることになる。40パーセント負荷未満では、流量制御に関する燃料/空気比は、実質的に高い流量で減少することが可能になる。
【0041】
燃焼器入口温度は、一般に、従来技術の制御手法より本発明の制御手法においてより高いことを、図2で見ることができるであろう。有利なことには、より高い燃料/空気比及びより高い燃焼器入口温度は、一般に、予混合低排出量燃焼器について低い排出量を容易にする。
【0042】
これまで述べた制御方式は、タービン入口温度が、直接測定され、制御パラメータとして使用されると仮定した。しかしながら、場合によっては、タービン入口温度センサが動作しなければならないことになる極端な使用環境のために、タービン入口温度を測定することは、実用的でない場合ある。したがって、別法として、エンジンサイクルにおいて、他の熱力学的変数を測定し、サイクル計算に基づいてタービン入口温度を引き出すことが可能である。さらに別の代替として、制御システムは、適した制御パラメータ(たとえば、エンジン空気流量)対相対発電機負荷のスケジュ−ルを記憶する可能性があり、熱力学的変数が測定され、制御パラメータを引き出すことが可能になるであろう。制御システムは、その後、スケジュールされた値に実質的に等しくなるように、実際の(すなわち、引
き出した)制御パラメータを駆動する。
【0043】
使用される特定の制御方法及び方法を実施するために測定されるパラメータは重要ではない。本発明の基本概念は、発電機システム10からの任意所与の電力出力について全体のエンジン効率を高めるか、又は、最適化する手段として、エンジンを通る空気流量を制御することを伴う。
【0044】
同時に、負荷に追従する動作モードでは、発電機システム10からの電力出力は、負荷によって要求される電力に一致するように制御されなければならない。電力出力は、主に、燃料流量の関数である。
【0045】
それに応じて、負荷追従モードでは、制御システム40は、同時に、上述したように空気流を制御し、一方、要求に合うように電力出力(電力メータ72によって測定される)も制御する。負荷追従制御方式は、よく知られており、そのため、本明細書ではさらには述べない。
【0046】
特定の用途に応じて、システム10はまた、負荷追従以外のモードで動作してもよい。こうした場合、既に述べた同じタイプの空気流制御がやはり採用されるであろう。
【0047】
上述したシステム10は、単一スプールタービンエンジン20を有する。しかしながら、本発明は、任意の特定のタイプの空気吸い込み式エンジンに限定されない。複数スプールタービンエンジン、出力タービンを有するタービンエンジン、ロータリ燃焼(たとえば、バンケル(Wankel))エンジン、レシプロピストンエンジン等を使用することができる。それぞれの場合、エンジンを通る空気流量は、発電機速度を制御することによって制御される。
【0048】
発電機30は、永久磁石発電機及び巻線発電機を含む、種々のタイプであることができる。システム10の先に述べた実施形態は、発電機30が、励磁システムが中に存在しない永久磁石発電機であると仮定した。一方、巻線発電機の場合、発電機は、当該技術分野で知られているように、回転子巻線に励磁電流を供給する励磁システム80(図1)を必要とする。励磁システムは、たとえば、回転子と同じ軸上に取り付けられるか、又は、回転子軸に機械的に連結された(たとえば、ドライブベルトによって)小さな発電機を備えることができる。
【0049】
発電機のタイプにかかわらず、本発明は、エンジンを通る空気流量を制御し、それによって、エンジン効率を最適化し、おそらくは、先に述べたように他の効果を達成するために、発電機速度を電気的に制御することを伴う。永久磁石発電機の場合、既に述べたように、AC/DC変換器又は整流器60を制御することによって、発電機の制御が達成される。巻線発電機の場合、いくつかの制御方式が可能である。1つの方式では、制御システム40は、励磁システム80を制御して(制御線82を介して)、発電機速度を調節する。AC/DC及びDC/AC変換は、必要でない場合があり、代わりに、AC/AC変換を使用して、負荷に供給するための所望の周波数のAC出力電流が合成されてもよい。
【0050】
別法として、AC/DC及びDC/AC変換器が、先に述べたように使用されてもよく、その場合、発電機速度の調節が励磁システムを制御することによって実施されるため、AC/DC変換器は電流制御方式である必要はない。
【0051】
別の方式では、発電機速度制御は、励磁システムの制御とAC/DC変換器の制御の組み合わせによって達成されてもよい。さらに別の方式は、既に述べたように、AC/D変換器の制御のみによって発電機速度を制御する。
【0052】
発電機速度を制御する方法の詳細は、本発明にとって重要ではなく、本発明に従って、これを達成する種々の方式を使用することができる。
【0053】
有利なことには、本発明は、一定幾何形状の圧縮機、タービン、及び燃焼器部品を有するエンジンの熱力学的サイクルにわたる制御を可能にする。
【0054】
本明細書で述べる本発明の多くの変更形態及び他の実施形態を、当業者は思いつくと思われ、そして、これらの発明は当業者に関連するものであって、先の説明及び関連する図面において提示された教示の利益を有する。したがって、本発明は、開示される特定の実施形態に限定されないこと、及び、変更形態及び他の実施形態が、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることを意図されることは理解されたい。本明細書において、特定の用語が採用されるが、用語は、一般的で、且つ、記述的な意味でのみ使用され、制限する目的で使用されない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態による発電機システムの線図である。
【図2】従来技術の制御方法(点線)を、本発明の一実施形態による制御方法(実線)と比較する、相対発電機負荷の関数としての、エンジン内の種々の点における温度のプロットである。
【図3】従来技術の制御方法(点線)を、本発明の一実施形態による制御方法(実線)と比較する、燃料/空気比対相対発電機負荷のプロットである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動軸と機械的につながる空気吸い込み式エンジンであって、空気と燃料の混合気を受け取るとともに、該混合気が膨張し、前記軸を駆動するのに使用される機械的動力を生じるように前記混合気を燃やすように構成され且つ仕組まれる空気吸い込み式エンジンと、
前記エンジンに連結され、該エンジンに燃料を供給するように動作可能な燃料システムであって、該エンジンへの燃料流の流量を変える燃料制御信号に応答する燃料システムと、
前記エンジンの相対的な熱力学効率を示す、該エンジンに関連する少なくとも1つの熱力学的変数を測定するように動作可能な少なくとも1つのエンジンセンサと、
発電機であって、前記エンジンによる前記軸の運動によって、該発電機が交流電流を生じるように動作するように該軸に連結され、該エンジン、該軸、及び該発電機は、該発電機の速度の変化が、該エンジンの速度の対応する変化、即ち、該エンジンを通る空気流の流量の変化をもたらすように接続される発電機と、
前記発電機からの前記交流電流を受け取るために該発電機に連結され、前記負荷へ供給するために、所定の周波数及び相対位相で交流出力電流及び電圧を合成するように動作可能なパワーエレクトロニクスユニットと、
前記発電機からの電力出力を測定するように動作可能な発電機電力センサと、
前記負荷によって要求される電力を測定するように動作可能な負荷電力センサと、
前記燃料システム、前記少なくとも1つのエンジンセンサ、前記パワーエレクトロニクスユニット、前記発電機電力センサ、及び前記負荷電力センサに動作可能に接続されるコントローラであって、該システムからの前記電力出力を、前記負荷によって要求される電力に実質的に一致させるべく該燃料システムを制御するように動作可能であり、同時に、前記エンジン内で燃やされる前記混合気の燃料/空気比が、該エンジンの前記相対的な熱力学効率を実質的に最大にするように制御されるべく該エンジンを通る空気流量を制御するために、前記発電機を電気的に制御してその速度を調節するように動作可能であるコントローラと、を備える、負荷に供給するための電力を生成するシステム。
【請求項2】
前記パワーエレクトロニクスユニットは、非交流の電圧において非交流の直流電流を生成するために、前記発電機からの前記交流電流に対して動作するように構成され且つ仕組まれるAC/DCモジュールと、前記負荷に供給される前記交流出力電流を合成するために、前記非交流の直流電流に対して動作するように構成され且つ仕組まれるDC/ACモジュールとを有し、
前記AC/DCモジュールは、前記発電機からの前記交流電流と無関係に、前記非交流の直流電流のレベルを変える電流制御信号に応答し、
前記制御システムは、前記AC/DCモジュールによって出力される前記直流電流のレベルを制御し、それによって、発電機速度を制御するために、該AC/DCモジュールへ前記電流制御信号を供給するように動作可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記発電機及び前記軸は回転式に可動である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記エンジンは、空気を圧縮するように動作可能な圧縮デバイスと、該圧縮デバイスからの前記圧縮空気と前記燃料システムからの前記燃料とを受け取るとともに、該空気と該燃料の混合気を燃やして機械的動力を生成するパワーデバイスと、を有する請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記圧縮デバイスからの前記圧縮空気と、前記パワーデバイスからの排ガスとを受け取るように仕組まれた熱交換器を更に備え、
前記熱交換器は、前記パワーデバイスにおける燃焼の前に、前記圧縮空気を予熱するために、前記排ガスから前記圧縮空気への熱伝達を引き起こす、請求項4に記載のシステム

【請求項6】
前記パワーデバイスは、前記空気と燃料の混合気が、熱いガスを生成するために燃やされる燃焼器と、前記機械的動力を生成するために該熱いガスを膨張させる膨張デバイスとを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記膨張デバイスはタービンを有する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記タービンは一定幾何形状タービンである、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記圧縮デバイスは一定幾何形状圧縮機である、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記燃焼器は一定幾何形状燃焼器である、請求項6に記載のシステム。
【請求項11】
前記燃焼器は触媒燃焼器を有する、請求項6に記載のシステム。
【請求項12】
燃焼器入口温度を示す変数を測定するように動作可能なセンサを更に備え、
前記コントローラは、前記センサに接続され、前記燃焼器入口温度を触媒動作に必要とされる所定の最小温度より高く維持するように、前記エンジンを通る空気流を制御するように動作可能である、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記熱交換器に入る前記排ガスの温度を示す変数を測定するように動作可能な、前記熱交換器に関連するセンサを更に備え、
前記コントローラは、前記熱交換器に関連する前記センサに接続され、前記熱交換器に入る前記排ガスの温度を所定の最大温度より低く維持するように、前記エンジンを通る空気流を制御するように動作可能である、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記発電機は巻線発電機である、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記発電機を励磁するように動作可能な励磁システムを更に備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記制御システムは、前記発電機速度を電気的に制御し、それによって、空気流量を制御するために、前記励磁システムを制御するように動作可能である請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
可動軸と機械的につながる空気吸い込み式エンジンを有する発電機システムを制御する方法であって、
前記エンジンは、空気と燃料の混合気を受け取るとともに、該混合気が膨張し、前記軸を駆動するのに使用される機械的動力を生じるように前記混合気を燃やすように構成され且つ仕組まれ、
前記システムは、前記エンジンと連結され、該エンジンに燃料を供給するように動作可能な燃料システムを有し、該燃料システムは、該エンジンへの燃料流の流量を変える燃料制御信号に応答し、
前記システムは、発電機であって、前記エンジンによる前記軸の運動によって、該発電機が交流電流を生じるように動作するように前記軸に連結される発電機を有し、
前記エンジン、前記軸、及び前記発電機は、該発電機の速度の変化が、該エンジンの速度の対応する変化、即ち、該エンジンを通る空気流の流量の変化をもたらすように接続され、
前記システムは、前記発電機からの前記交流電流を受け取るために該発電機に連結され
、前記負荷へ供給するために、所定の周波数及び相対位相で交流出力電流及び電圧を合成するように動作可能なパワーエレクトロニクスユニットを有し、該システムからの電力出力が、前記エンジンへの燃料流量によって実質的に決定され、
前記方法は、
前記負荷によって要求される電力を決定するステップと、
前記エンジンの相対的な熱力学効率を示す、該エンジンに関連する少なくとも1つの熱力学変数を測定するステップと、
前記システムからの前記電力出力が、前記負荷によって要求される前記電力に実質的に一致するように制御された燃料流量で、前記エンジンに燃料を供給するように前記燃料供給システムを制御するステップと、
前記エンジンの前記熱力学効率を実質的に最適化し、一方、前記負荷によって要求される前記電力に実質的に一致するように、該エンジン内で燃やされる前記混合気の燃料/空気比を制御するために、前記システムからの前記電力出力と無関係に、該エンジンを通る前記空気流量を制御するステップであって、該空気流量は、前記発電機の速度、即ち、該エンジンを通る前記空気流量を電気的に制御することによって制御される、該空気流量を制御するステップとを含む、発電機システムを制御する方法。
【請求項18】
前記発電機からの前記交流電流は、AC/DCモジュールにおいて、非交流電圧での非交流の直流電流に変換され、
前記AC/DCモジュールからの該非交流の直流電流は、前記負荷に供給される前記交流出力電流を合成するためにDC/ACモジュールにおいて変換され、
前記AC/DCモジュールは、前記発電機からの前記交流電流と無関係に、前記非交流の直流電流のレベルを変える電流制御信号に応答し、
前記空気流量を制御するステップは、前記発電機の速度、即ち、前記空気流量を変えるために、前記パワーエレクトロニクスユニットの前記AC/DCモジュールからの前記非交流の直流電流を能動的に制御することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
可動軸と機械的につながる空気吸い込み式エンジンを有する発電機システムを制御する方法であって、
前記エンジンは、空気と燃料の混合気を受け取るとともに、該混合気が膨張し、前記軸を駆動するのに使用される機械的動力を生じるように前記混合気を燃やすように構成され且つ仕組まれ、
前記システムは、前記エンジンと連結され、該エンジンに燃料を供給するように動作可能な燃料システムを有し、該燃料システムは、該エンジンへの燃料流の流量を変える燃料制御信号に応答し、
前記システムは、発電機であって、前記エンジンによる前記軸の運動によって、該発電機が交流電流を生じるように動作するように前記軸に連結される、発電機を有し、
前記エンジン、前記軸、及び前記発電機は、該発電機の速度の変化が、該エンジンの速度の対応する変化、即ち、該エンジンを通る空気流の流量の変化をもたらすように接続され、
前記システムからの電力出力が、前記エンジンへの燃料流量によって実質的に決定され、
前記方法は、
前記負荷によって要求される電力を決定するステップと、
前記エンジンの相対的な熱力学効率を示す、該エンジンに関連する少なくとも1つの熱力学変数を測定するステップと、
前記システムからの前記電力出力が、前記負荷によって要求される前記電力に実質的に一致するように制御された燃料流量で、前記エンジンに燃料を供給するように前記燃料供給システムを制御するステップと、
非交流の電圧において非交流の直流電流を生成するために、前記発電機からの前記交流
電流に対して動作するステップと、
前記負荷に供給するために、所定の周波数と相対位相で交流出力電流及び電圧を合成するために、前記非交流の直流電流に対して動作するステップと、
前記エンジンの前記熱力学効率を実質的に最適化し、一方、前記負荷によって要求される前記電力に実質的に一致するように、該エンジン内で燃やされる前記混合気の燃料/空気比を制御するために、前記システムからの前記電力出力と無関係に、該エンジンを通る前記空気流量を制御するステップであって、前記空気流量は、前記発電機の速度、即ち、前記エンジンを通る前記空気流量を変えるために、前記非交流の直流電流を能動的に制御することによって制御される、該制御するステップを含む、発電機システムを制御する方法。
【請求項20】
前記エンジンの前記熱力学効率を最適化することは、該エンジンの熱力学サイクルのピーク温度を、所定の値に実質的に一致させることを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記エンジンは、前記空気を圧縮する圧縮機と、空気と燃料の混合気を燃やして熱いガスを生成する燃焼器と、該熱いガスを膨張させるタービンとを有するタービンエンジンを含み、
前記エンジンの前記熱力学効率を最適化することは、タービンの入口温度を、所定の値に実質的に一致させることを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項22】
前記燃焼器は触媒燃焼器を備え、
前記方法は、
前記燃焼器への入口温度を示す変数を測定するステップと、
前記燃焼器入口温度を、触媒動作に必要とされる所定の最小温度より高く維持するように、前記エンジンを通る空気流を制御するステップと、を更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
発電機システムの空気吸い込みエンジンの部分負荷効率を改善する方法であって、
前記システムは、前記エンジンと機械的につながる可動軸、及び、前記エンジンに連結され、制御された燃料流量で該エンジンに燃料を供給するように動作可能な燃料システムを有し、
前記エンジンは、該エンジンのピーク熱力学効率が該エンジンの設計点動作条件と実質的に一致するように設計され、
前記システムは、発電機であって、前記エンジンによる前記軸の運動によって、該発電機が交流電流を生じるように動作するように、該軸に連結される発電機を有し、
前記エンジン、前記軸、及び前記発電機は、該発電機の速度の変化が、該エンジンの速度の対応する変化、即ち、該エンジンを通る空気流の流量の変化をもたらすように接続され、
前記システムからの電力出力は、前記エンジンへの燃料流量によって実質的に決定され、
前記方法は、
第1の部分負荷条件で前記エンジンを動作させるステップと、
前記第1の部分負荷条件において、前記エンジンを通る空気流量を制御するために前記発電機の速度を制御し、同時に、該エンジンのピークサイクル温度が、前記設計点動作条件に対応するピークサイクル温度と実質的に同じであるように、燃料/空気比を制御するために、該エンジンへの燃料流量を制御するステップと、を含む発電機システムの空気吸い込みエンジンの部分負荷効率を改善する方法。
【請求項24】
前記システムからの電力出力が、前記部分負荷条件における前記負荷の電力要求に実質的に一致するように、前記燃料流量を制御するステップを更に含む、請求項23に記載の
方法。
【請求項25】
前記発電機の速度を制御する前記ステップは、該発電機の下流で電流レベルを制御することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記発電機からの前記交流電流は、直流電流に変換され、その後、該直流電流は、負荷に供給するために、前記発電機の速度に無関係に一定周波数の交流電流に変換され、
前記電流レベルを制御するステップは、前記直流電流のレベルを制御することを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記燃料と混合するために、前記エンジンに供給される空気を予熱する回収熱交換器を使用するステップであって、該回収熱交換器は、該空気と該エンジンから放出される排ガスの間で熱交換を引き起こすステップと、
前記第1の部分負荷条件より負荷が低い第2の部分負荷条件で前記エンジンを動作させるステップと、
前記第2の部分負荷条件において、前記エンジンを通る空気流量を制御するために前記発電機の速度を制御し、同時に、前記回収熱交換器に入る前記排ガスの温度が、所定の最大許容可能値を超えないように、前記ピークサイクル温度が、前記設計点動作条件に対応するピークサイクル温度より低くなることを可能にするように、燃料/空気比を制御するために、該エンジンへの燃料流量を制御するステップと、を更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記燃料は、前記燃焼器において触媒反応を維持するのに必要とされる、所定の最小入口温度を有する触媒燃焼器において燃焼され、
前記燃料/空気比は、前記第1の部分負荷条件において、前記燃焼器への入口温度が、前記所定の最小入口温度と少なくとも同程度であるように制御される、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記燃料/空気比は、前記第1の部分負荷条件における前記燃焼器への入口温度が、前記設計点動作条件における該燃焼器への入口温度より大きいように制御される、請求項28に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−535631(P2007−535631A)
【公表日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518794(P2006−518794)
【出願日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【国際出願番号】PCT/US2004/021338
【国際公開番号】WO2005/003521
【国際公開日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(506002775)メス インターナショナル,インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】