説明

発電機におけるシール漏れおよびシール油汚染の検出

【課題】発電機(107)内のケーシング(102)および/またはエンドハウジング(120)内の冷却ガス(103)の純度を判定する純度センサ(140)を含む、1つのシステム(100)を提供する
【解決手段】静止シール漏れ検出器(150)は、冷却ガス(103)を送達する冷却ガス調整器(110)内の冷却ガスの流量が流量閾値と比較して増大したこと、ならびにケーシングおよび/またはエンドハウジング内の冷却ガスの純度が対応する純度閾値と比較して増大したことに応答して、ケーシング(102)内の静止シール内の漏れを示す警報を生成する。シールリング隙間増大検出器(176)は、排出システム(130)に対する制御弁システム(128)が第1のより速い排出速度で動作する時間と第2のより遅い排出速度で動作する時間の比が排出速度比閾値を超過することに応答して、軸シールリングの隙間の増大を示す警報を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般にガス冷却式発電機に関し、より詳細には、とりわけガス冷却式発電機内のシール漏れまたはシール油汚染を検出する検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
より高い定格を有する発電機は、冷却剤として加圧ガス、たとえば水素を使用して冷却されることが多い。発電機のケーシングは冷却ガスを収容し、ケーシングの密閉容器をロータ軸が貫通する。通常、ケーシング内の水素純度が高ければ高いほど、発電機はより効率的に動作する。逆に、発電機内で水素消費が高く、水素純度が低ければ、強制停電を招きうる問題が生じる。水素消費が高い2つの原因には、ケーシング内の静止シール漏れおよび軸封漏れが含まれる。
【0003】
ケーシング内の静止シールからの水素冷却ガス漏れは、時間が経つとよくあることである。たとえば、ケーシング内の漏れの潜在的な領域には、高圧ブッシング、パッキン押え、コレクタ端子、溶接継ぎ手、エンドシールドの横目地、縦目地、および水素シールケーシングのエンドシールドの縦目地が含まれるであろう。最終的にはこれにより、水素消費が許容できる限度を上回る。
【0004】
ケーシングに結合されたエンドハウジング内には軸封システムが位置決めされ、ロータ軸を封止して、冷却ガスが逃れるのを実質上防止する。軸封システムは、軸を円周方向に包む1対のシールリングを使用することができる。このシールシステムはまた、1対のラビリンスシールを収容することができる。ラビリンスシールは通常、シールリングの両側に位置しており、水素がシール領域、シールリングの周りの空胴、およびいずれかのラビリンスシールに入り、エンドハウジングを通って漏れるのを防止しようとして、軸との狭い隙間を維持する。軸とシールリングの間の隙間には、ケーシング内の冷却ガスの圧力より高い圧力でシール油が流される。軸封システムに異常が生じると、水素がケーシングから逃れるため、水素純度は予期されるレベルより著しく低くなり、また水素消費はより高くなる。シール領域内では、部分的な圧力変化の結果、水素純度レベルが低減するため、シール油が周囲の水素を溶解し、同伴された空気を手放す。純度レベルを維持するために、連続排出(すなわち、比較的低い純度のガス混合物と純粋な水素の交換)が実行される。しかし、通常の排出レベルは、純度要件を満たすことができないことがある。通常の排出レベルでは、水素消費が許容できる限度内である場合でも、純度はより低くなる。多くの場合、水素純度を正常まで上げようとして、排出レベルはより速い排出速度設定まで増大され、その結果、水素消費はより高くなる。
【0005】
上記の問題に加えて、時間が経つにつれて、ロータとの軸シールリングの隙間は増大する。場合によっては、その結果シール油汚染が生じる可能性があり、それによって軸シールリングを損傷する可能性がある。またこの状況の結果、シール隙間が増大され、または油圧がより高くなるため、シール油の流量が増大される可能性があり、それによってシール領域内、および後にはケーシング内のガス純度が低減する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4792911号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様は、ロータの少なくとも一部分を取り囲み、それらの周りである体積の冷却ガスを密閉するケーシングであって、複数の静止シールを含むケーシングと、ケーシングの各端部にあるエンドハウジングであって、各エンドハウジングがシールシステムを含み、このシールシステムをロータが貫通し、冷却ガスの一部分がケーシングからエンドハウジング内の少なくとも1つのシール領域へ逃れる、エンドハウジングと、ケーシング内で実質上一定の圧力を維持するように冷却ガスの流れをケーシングへ送達する、冷却ガス調整器によってケーシングに流体的に結合された冷却ガス源と、逃れている冷却ガスの一部分を含むガス混合物を除去する、各エンドハウジングに結合された排出システムと、ケーシング内の冷却ガスの純度を判定する純度センサと、冷却ガス調整器内の冷却ガス流量が冷却ガス流量閾値と比較して増大したこと、ケーシング内の冷却ガスの純度が対応する純度閾値と比較して増大したこと、および排出システム内のガス混合物流量がガス混合物流量閾値と比較して増大したことの少なくとも1つに応答して、複数の静止シールの少なくとも1つにおける漏れを示す警報を生成する静止シール漏れ検出器とを備えるシステムを提供する。
【0008】
本開示の第2の態様は、ロータの少なくとも一部分を取り囲み、それらの周りである体積の冷却ガスを密閉するケーシングと、ケーシングの各端部にあるエンドハウジングであって、各エンドハウジングがシールシステムを含み、このシールシステムをロータが貫通し、冷却ガスの一部分がケーシングからエンドハウジング内の少なくとも1つのシール領域へ逃れる、エンドハウジングと、逃れている冷却ガスの一部分を含むガス混合物を除去する、各エンドハウジングに結合された排出システムと、ケーシングからシールシステムの少なくとも1つを通って、ケーシング内の圧力より高い圧力の対応するシール領域へ流れるシール油のシール油流量を感知するシール油センサと、シール油の排油温度を判定する温度センサと、シール油フィルタの両端間のシール油フィルタ差圧を判定する圧力差センサと、シール油流量がシール油流量閾値を超過すること、排油温度が排油温度閾値より低いこと、およびシール油フィルタ差圧がシール油フィルタ圧力差閾値を超過することに応答して、シール油の汚染を示す警報を生成するシール油汚染検出器とを備えるシステムを提供する。
【0009】
本開示の第3の態様は、ロータの少なくとも一部分を取り囲み、それらの周りである体積の冷却ガスを密閉するケーシングと、ケーシングの各端部にあるエンドハウジングであって、各エンドハウジングが、軸シールリングを含むシールシステムを含み、このシールシステムをロータが貫通し、冷却ガスの一部分が、ケーシングから対応する軸シールリングを介して少なくとも1つのシール領域へ逃れる、エンドハウジングと、逃れている冷却ガスの一部分の少なくとも一部を含むガス混合物を除去する、各エンドハウジングに結合された排出システムであって、第1の排出速度、および第1の排出速度より速い第2の排出速度でガス混合物を除去する制御弁システムを含む、排出システムと、制御弁システムが第1の排出速度で動作する時間と第2の排出速度で動作する時間の比が排出速度比閾値を超過することに応答して、軸シールリング内の隙間の増大を示す警報を生成するシールシステム隙間増大検出器とを備えるシステムを提供する。
【0010】
本開示の例示的な態様は、本明細書に記載の問題および/または論じられていない他の問題を解決するように設計される。
【0011】
この開示の上記その他の特徴は、本開示の様々な実施形態を示す添付の図面と併せて、本開示の様々な態様に関する以下の詳細な説明から、より容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態によるシステムの概略図である。
【図2】本発明の実施形態による検出器に対する動作方法論の流れ図である。
【図3】本発明の実施形態による別の検出器に対する動作方法論の流れ図である。
【図4】本発明の実施形態による別の検出器に対する動作方法論の流れ図である。
【図5】図4の検出器によって検出可能なシステム動作を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の図面は原寸に比例しないことに留意されたい。これらの図面は、本開示の典型的な態様のみを示すものであり、したがって本開示の範囲を限定すると見なされるべきではない。図面では、図面間の同じ要素を同じ番号で表す。
【0014】
上述のように、本開示は、とりわけガス冷却式発電機に対するシール漏れ(複数可)および/またはシール油汚染の検出を提供する。このようにして、本発明のいくつかの実施形態による検出器は、ガス冷却式発電機における漏出源からの冷却ガス、たとえば水素漏れ、ならびに純度が低い、また冷却ガス消費が高いという問題の早期検出を提供する。
【0015】
図1を参照して、本発明の実施形態によるシステム100を示す。システム100は、発電機107のロータ104およびステータ106の少なくとも一部分を取り囲むケーシング102を含む。発電機107の他の動作構造は周知であるため、本発明の実施形態の理解に必要なもの以外の構造の詳細は提供しない。ケーシング102は、ステータ106およびロータ104の周りである体積の冷却ガス103、たとえば水素を密閉する。ケーシング102には、ケーシング内で実質上一定の圧力を維持するように冷却ガス103の流れをケーシング102へ送達するために、冷却ガス調整器110によって冷却ガス源108が流体的に結合される。冷却ガス調整器110は、発電機制御システム112によって制御される。これについては、本明細書でより詳細に説明する。冷却ガス源108は、冷却ガスの加圧タンク(複数可)または他の適切な冷却ガス源を含むことができる。図示しないが、冷却ガス103は、ケーシング102、ステータ106の一部、および/またはロータ104の一部を通って循環することができ、またたとえば冷却器を使用して強制的に冷却される。
【0016】
ケーシング102は、ケーシングの(金属)部分が嵌合し、または機器がケーシングを貫通する複数の位置に、複数の静止シールを含むことができる。1つの例示的な静止シールには、たとえばケーシング102の隅部にある溶接継ぎ手114が含まれる。他の例には、それだけに限定されるものではないが、高圧ブッシング、パッキン押え、コレクタ端子、エンドシールドの横目地、縦目地、および/または水素シールケーシングのエンドシールドの縦目地が含まれる。各静止シールは、可動部分、たとえばロータ104と相互に作用しないため、「静止」と呼ぶ。
【0017】
ケーシング102の各端部には、エンドハウジング120が位置決めされる。各エンドハウジング120はシールシステム122を含み、シールシステム122をロータ104が貫通する。シールシステム121は、各エンドハウジング120内のシール領域123内に位置決めされ、すなわち各シールハウジング120は、シールシステムをその中に含む。各シールシステム121は少なくとも1つの軸シールリング122を含み、軸シールリング122はロータ104を封止し、ロータ104は軸シールリング122を貫通する。シールシステム121はまた、たとえば、水素がシール領域123に入り、エンドハウジング120を通って漏れるのを防止しようとして、ロータ104との狭い隙間を維持するために、シールリングの両側に1対のラビリンスシール(見やすいように図示せず)を含むことができる。ロータ104を支持する軸受は、見やすいように省略した。軸シールリング122は、シール油124を使用してロータ104を円周方向に封止する、現在知られている、または今後開発される任意のシールシステムを含むことができる。シール油124は、ロータ104とのシールを維持するように、ケーシング102内の冷却ガス103の圧力より高い圧力で、適当な導管を使用して各軸シールリング122へ送達される。しかし、冷却ガス103の一部分は、ケーシング103からエンドハウジング(複数可)120内の少なくとも1つのシール領域123へ逃れる。油回収システム125は、シール領域123内に集まるシール油124をシール油タンク126内で捕獲し、シール油フィルタ136を使用してシール油124を濾過し、差圧調整器150を使用して、ケーシング102内部の圧力より高い圧力でシール油124を軸シールリング122に戻すように動作する。圧力調整器150は、制御弁システム128の一部とすることができる。
【0018】
各シール領域123には、適当な導管を使用して、シール領域(複数可)123内へ逃れる冷却ガス103の一部分を含むガス混合物132を除去する排出システム130を結合させることもできる。ガス混合物132はまた、シール油124から解放された空気(すなわち、シール油124内に同伴された空気)の一部分を含むことがある。排出システム130は、ガス混合物132を大気へ逃す通気孔133を含むことができる。排出システム130はまた、ガス混合物132を第1の排出速度、および第1の排出速度より速い第2の排出速度で除去するために、制御弁システム134を含むことができる。すなわち、制御弁システム134は、シール領域123内の純度の読取りに基づいて、ガス混合物132を異なる速度で除去するために、適当なガス分析器、ポンプ、調整器、および弁を含む。制御弁システム134は、制御システム112によって制御される。排出システム130の他の周知の部分は、見やすいように省略した。図1は発電機107の簡略化版であり、ポンプ、弁、分析器、タンク、ゲージ、スイッチ、計器、トラップなどの他の構造は見やすいように省略したことが強調される。
【0019】
本発明の様々な実施形態によれば、複数のセンサを用いて、複数の検出器170、172、174、および176(制御システム112内に示す)によって使用されるパラメータを判定し、とりわけシール漏れ(複数可)および/またはシール油汚染を判定することができる。これについては、本明細書でより詳細に説明する。各検出器170、172、174、および176は、発電機107に対する全体的な制御システム112の一部として含むことができる。
【0020】
いくつかの実施形態によって使用される1つのセンサには、ケーシング102および/またはシール領域(複数可)123内の冷却ガスの純度を判定する純度センサ140が含まれる。図示のように、純度センサ140は、ケーシング102および各シール領域123という3つの測定位置を含むが、この構成は、すべての場合に必要というわけではない。純度センサ140は、現在知られている、または今後開発される任意のガス純度分析器、および関連する測定モジュールを含むことができる。
【0021】
いくつかの実施形態で提供される別のセンサは、ガス混合物流量センサ142を含む。ガス混合物流量センサ142は、ガス混合物132の流量を測定する。ガス混合物流量センサ142は、たとえば排出システム130の適当な導管(複数可)内に位置決めされた独立したセンサとすることができ、または排出システム130の制御弁システム134の一部とし、すなわち、たとえばポンプ流量に基づいてガス混合物流量がわかるようにすることができる。ガス混合物流量センサ142は、回転ポテンショメータ、熱線風速計、オリフィス流量計など、現在知られている、または今後開発される任意のガス流量センサを含むことができる。特定の実施形態では、シール油124の排油温度を判定する温度センサ144を(たとえば、シールシステム121の適当な導管(複数可)内に)提供することもできる。温度センサ144は、熱電対などの任意の従来のセンサを含むことができる。
【0022】
さらに、シールシステム121の少なくとも1つを通って流れるシール油124のシール油流量を、すなわち回収システム125の導管内へ進むシール油の量によって感知するために、シール油センサ146を(たとえば、シールシステム121の適当な導管(複数可)内に)提供することができる。シール油124は、ケーシング102から、ケーシング内の圧力より高い圧力の対応するシール領域123へ逃れる。別の実施形態では、圧力差センサ148は、シール油フィルタ136の両端間、すなわちシール油回収システム125のシール油フィルタ差圧を判定する。圧力差センサ148は、現在知られている、または今後開発される任意の圧力計システム、たとえば圧電抵抗式変換器、ダイアフラム変換器、ブルドン管、マノメータなどを含むことができる。ロータ104とのシールを維持するために、シール油ケーシング−ハウジング差圧調整器150が、シール油124の圧力をケーシング102内の冷却ガス103の圧力より高く維持する。調整器150はまた、知られているように、ケーシング102とシール領域123の間のシール油圧力の表示を提供する。シール油ケーシング−ハウジング差圧調整器150は、現在知られている、または今後開発される任意の圧力調整器システム、たとえばダイアフラム圧力調整器、逃し弁、電子式圧力調整器、電空式圧力調整器などを含むことができる。
【0023】
図2〜5に移って、検出器170、172、174、176の様々な動作実施形態について次に説明する。一実施形態では、静止シール漏れ検出器170は、ケーシング102内の複数の静止シール114の少なくとも1つにおける漏れを示す警報を生成する。たとえば、冷却ガス103の漏れは、高圧ブッシング、パッキン押え、コレクタ端子、溶接継ぎ手、エンドシールドの横目地、縦目地、および水素シールケーシングのエンドシールドの縦目地などを通って発生することがある。図2に示すように、静止シール漏れ検出器170(図1)は、a)冷却ガス調整器110内の冷却ガス流量が冷却ガス流量閾値と比較して増大したこと(プロセスP2でyes)、b)ケーシング102内の冷却ガス103の純度が増大したこと、またはc)排出システム130内のガス混合物132の流量の増大が排出流量閾値を超過しないこと(プロセスP4でno)の少なくとも1つに応答して、警報を生成する(プロセスP1)。これらのプロセスの順序は、図2に示すものとは変動することがある。図2では、プロセスP2およびP3に対するプロセスP1を破線で示す。それは、代替実施形態では、プロセスP1の警報のためには、プロセスP2〜P4のすべてにおいて肯定的な結果を得なければならないためであり、すなわち警報は、プロセスP2、P3の下に「yes」の標識で示すように、3つすべての条件が満たされるときのみ発生する。この場合、破線で示すプロセスP1は削除され、したがってプロセスP2およびP3の右側の「yes」という標識は削除される。より具体的には、従来のシステムならびにシステム100では、発電機107の静止シール114のいずれかを通って冷却ガス103の一定の漏れが存在するとき、制御システム112は、冷却ガス調整器110を介して冷却ガス103の入口流量を増大させることによって、ケーシング102内の一定の圧力を維持するように動作する。さらに、本質的には、ガス混合物132が冷却ガス源108からの純粋な冷却ガス103(たとえば、水素)と交換されるため、漏れの始まりと比較して、より高い純度レベルが観察される。したがって、これらの2つのパラメータのそれぞれまたは両方に対する値が比較的より高いということは、1つまたは複数の静止シール114から冷却ガスが漏れていることを示す。本分野で見られる場合のように、漏出源が一定でない場合でも、平均入口流量およびケーシング純度の変化が観察される。さらに、上述のように、ガス混合物132の流量は、ガス混合物流量センサ142によって測定される。この場合、純度センサ140によってシール領域(複数可)123内で測定される不純物の増大により、制御弁システム134は、シール領域(複数可)123からのガス混合物132の除去を増大させることができる。したがって、ガス混合物の流量が対応するガス混合物流量(排出速度)閾値を超過することも、静止シール漏れを示す。上記を考えると、3つの条件(プロセスP2〜P4)の任意の1つまたは組合せで、静止シール(複数可)漏れを示すことができる。
【0024】
冷却ガス流量閾値は、たとえば実験データに基づいてユーザ定義することができ、知られている任意の測定単位を有することができる。同様に、対応する純度閾値およびガス混合物流量閾値も、たとえば実験データに基づいてユーザ定義することができ、知られている任意の測定単位を有することができる。一実施形態では、各閾値は、単に、漏れが始まる前にシステム100が動作していた比較的安定した状態の値とすることができる。別の実施形態では、冷却ガス流量、純度、およびガス混合物流量の測定(複数可)(または本明細書に記載の任意の他の測定された値)はそれぞれ、移動平均の点から構成することができ、したがって移動平均を対応する閾値と比較することができ、すなわち、これらの流量または他の測定された値は、移動平均として計算される。移動平均を算出するために得られるサンプル寸法は変動することがあり、このサンプル寸法を評価して、データが妥当なものであるかどうかを判定することができる。たとえば、移動平均がN回のサンプルに対して連続して高いとき、パラメータが許容できる限度を上回ることを確かめることができる。上述のように、純度センサ140は、図示の各位置で純度を測定することができる。その場合、純度閾値は、各位置に対する値を含むことができ、たとえば各センサ位置に対する閾値が存在する。この場合、対応する純度閾値を超過するのに必要な値の数は、たとえばケーシング純度だけ、1つのシール領域、両方のシール領域、すべての純度値など、ユーザ定義することができる。別法として、同じく上述のように、純度測定を組み合わせることができ、その場合、単一の純度閾値を用いることができる。
【0025】
検出器172および174を参照すると、たとえば熱膨張、組立て誤差、シール油内の破片などのシール油汚染、シール偏心のため、軸シールリング122とロータ106の間の隙間の増大などの多数の理由によってシール油流量がより高くなることがあり、またはこれは、圧力調整器150の欠陥などのために生じることがある。この一覧の中から原因を判定するために、検出器172および174が提供される。一実施形態では、図3に示すように、シール油汚染検出器172は、シール油124の汚染を示す警報を生成する(プロセスP10)。検出器172は、シール油センサ146によって測定されるシール油流量がシール油流量閾値を超過すること(プロセスP11でyes)、温度センサ144によって測定される排油温度が排油温度閾値より低いこと(プロセスP12でyes)、およびシール油差圧センサ148によって測定されるシール油フィルタ差圧(SOFDP)がシール油フィルタ圧力差閾値を超過すること(プロセスP13でyes)に応答して、警報を生成することができる。これらのプロセスの順序は、図3に示すものとは変動することがある。前述の閾値はそれぞれ、ユーザ定義することができ、知られている任意の適当な測定単位を有することができ、たとえば実験データに基づくことができる。一実施形態では、上述の閾値はそれぞれ、単に、シール油汚染の始まる前にシステム100が動作していた比較的安定した状態の値とすることができる。いずれの場合も、シール油流量がシール油流量閾値を上回って増大することは、軸シールリング122とロータ106の間の隙間の十分な増大を示す。シール油124の排油温度が低いことも、シール油124内に摩擦で生じた熱が少ないため、隙間の増大を示す。しかし、シール油フィルタ差圧(SOFDP)の増大は、シール油124内の破片の量の増大を表し、したがって、シール油汚染を示す。
【0026】
しかし、場合によっては、シール油フィルタ差圧は、対応する閾値を上回らず、すなわちプロセスP13で「No」になることがある。この場合、プロセスP13の「No」で処理をプロセスP11へ戻すことに応答して、流れは破線ボックス内のプロセスP14〜P16へ進み、すなわちプロセスP11への戻りは削除される。この場合、隙間の増大の理由は、おそらくシール油汚染ではない。原因をさらに判定するために、代替実施形態では、同じく図3に示すように、問題検出器174は、シール油流量がシール油流量閾値を超過すること(プロセスP11でyes)、排油温度が排油温度閾値より低いこと(プロセスP12でyes)、シール油フィルタ差圧がシール油フィルタ圧力差閾値より低いこと(プロセスP13でno)、およびシール油ケーシング−ハウジング差圧調整器150によって測定されるシール油ケーシング−ハウジング差圧がシール油ケーシング−ハウジング差圧閾値を超過すること(プロセスP15でyes)に応答して、システム障害を示す第1の警報を生成することができる(プロセスP14)。この場合、シール油流量が高く、排油温度が低く、またシール油フィルタ圧力差がシール油汚染を示すのに十分な高さではないのに対して、シール油ケーシング−ハウジング差圧がより高いことは、他の可能な原因がすべて除外されたため、システム障害を示す。システム障害は、たとえば上記の閾値の1つに対して圧力調整器150の欠陥または閾値の欠陥の形をとることがある。
【0027】
別法として、問題検出器174は、シール油流量がシール油流量閾値を超過すること(プロセスP11でyes)、排油温度が排油温度閾値より低いこと(プロセスP12でyes)、シール油フィルタ差圧がシール油フィルタ圧力差閾値より低いこと(プロセスP13でno)、およびシール油ケーシング−ハウジング差圧がシール油ケーシング−ハウジング差圧閾値より低いこと(プロセスP15でno)に応答して、組立て誤差または熱膨張を示す第2の警報を生成することができる(プロセスP16)。この場合、シール油ケーシング−ハウジング差圧値が閾値より低いことは、すなわち他の可能な原因のすべてが除外されたため、軸シールリング122とロータ106の間の隙間の増大が熱膨張または組立て誤差のいずれかによるものであることを示す。
【0028】
図4および5に移ると、別の実施形態では、シールリング隙間検出器176は、制御弁システム134が第1の排出速度で動作する時間と第2の排出速度で動作する時間の比が排出速度比閾値を超過することに応答して、すなわちロータ106に対する軸シールリングの隙間の増大を示す警報を生成する(プロセスP20)。より具体的には、排出システム130の制御弁システム134は、異なる排出速度で、すなわち異なるガス混合物除去速度で動作する。ガス混合物除去速度は通常、純度センサ140に基づいて判定できるシール領域123内のガス混合物132の純度に依存する。純度が下限を下回る場合、排出システム130は、制御システム112の制御下で冷却ガス調整器110によって不純なガス混合物132を除去して新しい純粋な冷却ガス103を入れるように、速い排出速度で動作する。対照的に、純度が上限を上回る場合、排出システム130は、より速い速度で不純な冷却ガスを除去する必要がないため、より低い排出速度へ戻る。図5に示すように、軸シールリング122の隙間が時間とともに徐々に増大するにつれて、純度が上限から下限へ減衰する期間(L)は低減する。同様に、純度が下限から上限へ戻る期間(d)は増大する。たとえば、第1のサイクル1では、冷却ガス103の純度が上限、たとえば97%から下限、たとえば95%に減衰するのにかかる時間(L)は、後のサイクルNと比較すると比較的長い。第1のサイクル1では、シールシステム121は比較的新しく、したがって排出速度をより速くするのに十分なほど漏れるにはより長くかかり、純度を増大させるための応答時間はより短い。サイクルNで排出速度をより速くする時間が短ければ短いほど、冷却ガス103がより速く逃れているため、後の時間サイクルNにおいて軸シールリング122に対する隙間がより大きくなることを示す。同様に、サイクル1とサイクルNを比較することによって観察されるように、排出システム130の排出速度がより速い時間(d)は、時間とともにより長くなる。それは、制御弁システム134が十分なレベルまで純度を増大させるにはより長くかかるためである。したがって、制御弁システム134が第1のより遅い排出速度で動作する時間と第2のより速い排出速度で動作する時間の比は、軸シールリングの摩耗を示す。排出速度比閾値は、いつ軸シールリングの隙間が修理を保証するのに十分な大きさになるかを確認するように、たとえば実験データに基づいて、ユーザ定義することができる。
【0029】
別個の検出器170、172、174、および176として説明したが、本発明の範囲内でこれらの検出器の任意の組合せを用いることができることが理解される。
【0030】
本明細書に記載の各警報は、可聴警報、たとえばサイレン、コンソール上の電子ブザー音など、または視覚警報、たとえばコンソール上の閃光、前述のものの組合せなど、様々な形をとることができる。警報はまた、問題を少なくとも部分的に補正するための正しい動作を含む命令を含むことができる。たとえば、警報は、「シール油汚染、シール油を交換してください」、「軸シールリングの隙間が許容できる限度を上回っています」のようなものを示すことができる。別法として、または追加として、命令は、どこで正しい動作が必要とされるかに関する特定性を提供することができる。たとえば、「軸シールリングの隙間が許容できる限度を上回っています」、「ケーシング−ハウジング圧力差閾値に欠陥があります」などである。さらに、本明細書に記載のように収集される任意のデータはまた、たとえばデータが許容できる範囲内であるかどうか、データが現実的であるかどうか、データが不安定であるかどうかなどを判定することによって、結果を偏らせうるデータの欠陥を回避するように、知られている任意の形で評価または選別することができる。
【0031】
システム100、検出器170、172、174、および176、ならびに関連する記載のセンサは、すべてのガス冷却式発電機で実施可能である。記載のシステム100のいくつかの実施形態を実施する際に実現できるいくつかの利点は、発電機の性能がより高いこと、利用可能性がより大きいこと、そして動作コストがより低いことである。発電機における高い水素消費、水素漏れ、および低い水素純度を予測するという問題は、本発明のいくつかの実施形態によって解決されるであろう。また、問題の原因の実際の位置が明らかになるであろう。
【0032】
検出器(複数可)170、172、174、176および関連するセンサを含むシステム100は、システム、方法、またはコンピュータプログラム製品として実施することができる。したがって、本発明の実施形態は、全体としてハードウェアの実施形態、全体としてソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、またはソフトウェアの態様とハードウェアの態様を組み合わせる実施形態の形をとることができる。これらをすべて、本明細書では全体として「回路」、「モジュール」、または「システム」と呼ぶ。さらに、システム100および検出器は、媒体内で実施されるコンピュータ使用可能プログラムコードを有する任意の有形の表現媒体内で実施されるコンピュータプログラム製品の形をとることができる。この場合、システム100のコンピュータプログラム命令は、発電機107に対する全制御システム112などのコンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置上にロードして、コンピュータまたは他のプログラム可能装置上で一連の動作ステップを実行し、コンピュータまたは他のプログラム可能装置上で実行する命令が本明細書に指定の機能/動作を実施するプロセスを提供するようなコンピュータ実施プロセスを生成することができる。
【0033】
1つまたは複数のコンピュータ可読媒体の任意の組合せを利用することができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読記憶媒体とすることができる。コンピュータ可読記憶媒体は、たとえば、それだけに限定されるものではないが、電子、磁気、光学、電磁、赤外、もしくは半導体のシステム、装置、もしくはデバイス、または上記の任意の適切な組合せとすることができる。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例(非排他的なリスト)には、1つまたは複数のワイアを有する電気的接続、携帯型のコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラム可能読取り専用メモリ(EPROMもしくはフラッシュメモリ)、光ファイバ、携帯型のコンパクトディスク読取り専用メモリ(CD−ROM)、光学記憶デバイス、磁気記憶デバイス、または上記の任意の適切な組合せが含まれるはずである。本明細書では、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、もしくはデバイスによって、またはこれらとともに使用するためのプログラムを収容または記憶できる任意の有形の媒体とすることができる。
【0034】
コンピュータ可読信号媒体は、伝搬されるデータ信号を、その中で実施されるコンピュータ可読プログラムコードとともに、たとえばベースバンド内に、または搬送波の一部として含むことができる。そのような伝搬される信号は、それだけに限定されるものではないが、電磁、光学、またはこれらの任意の適切な組合せを含めて、様々な形のいずれかをとることができる。コンピュータ可読信号媒体は、命令実行システム、装置、もしくはデバイスによって、またはこれらとともに使用するためのプログラムを通信、伝搬、または輸送できる、コンピュータ可読記憶媒体ではない任意のコンピュータ可読媒体とすることができる。
【0035】
コンピュータ可読媒体上で実施されるプログラムコードは、それだけに限定されるものではないが、無線、有線、光ファイバケーブル、RFなど、または上記の任意の適切な組合せを含めて、任意の適当な媒体を使用して伝送することができる。
【0036】
本発明の動作を実施するコンピュータプログラムコードは、Java(商標)、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラム言語、および「C」プログラム言語または類似のプログラム言語などの従来の手続き的プログラム言語を含めて、1つまたは複数のプログラム言語の任意の組合せで書くことができる。プログラムコードは、全体として発電機のコンピュータ制御装置上で、独立型のソフトウェアパッケージとして部分的に制御装置上で、部分的に制御装置上および部分的に遠隔のコンピュータ上で、または全体として遠隔のコンピュータもしくはサーバ上で実行することができる。後者の場合、遠隔のコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)もしくはワイドエリアネットワーク(WAN)を含めて、任意のタイプのネットワークを通って発電機のコンピュータ制御装置に接続することができ、または外部のコンピュータへ(たとえば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを通って)接続を行うこともできる。本発明の前述の実施形態の技術的な効果は、とりわけガス冷却式発電機に対するシール漏れ(複数可)および/またはシール油汚染の検出である。本発明のいくつかの実施形態による検出器は、ガス冷却式発電機における漏出源からの冷却ガス、たとえば水素漏れ、ならびに純度が低い、また冷却ガス消費が高いという問題の早期検出手段を提供する。
【0037】
ブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品の可能な実装形態のアーキテクチャ、機能、および動作を示す。この点で、それぞれの記載の機能は、指定の論理的機能(複数可)を実施する1つまたは複数の実行可能な命令を含むコードのモジュール、セグメント、または部分を代表することができる。いくつかの代替実装形態では、記載の機能は記載の順序以外で行うことができることにも留意されたい。たとえば、連続して記載した2つのステップは、実際には、関連する機能に応じて、実質上同時に実行することができ、または時として逆の順序で実行することもできる。本明細書に記載の機能は、指定の機能もしくは動作を実行する特殊目的ハードウェアベースのシステム、または特殊目的ハードウェアとコンピュータ命令の組合せによって実施できることにも留意されたい。
【0038】
本明細書で使用される術語は、特定の実施形態について説明することのみを目的とし、本開示を限定しようとするものではない。本明細書では、単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈上別段の明示がない限り、複数形も同様に含むものとする。「備える、含む(comprises)」および/または「備える、含む(comprising)」という用語は、本明細書で使用されるとき、記載の特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの群の存在または追加を排除しないことがさらに理解されるであろう。
【0039】
以下の特許請求の範囲におけるすべての手段またはステッププラスファンクション要素の対応する構造、材料、動作、および均等物は、他の請求される要素と組み合わせて機能を実行するあらゆる構造、材料、または動作を、具体的に請求されるものとして含むものとする。本開示の説明は、例示および説明の目的で提示され、開示される形式の本開示に対して排他的または限定的なものではない。本開示の範囲および精神から逸脱することなく、多くの修正形態および変形形態が当業者には明らかになるであろう。実施形態は、本開示の原理および実際の用途を最善の形で説明するように、そして当業者であれば、様々な修正形態とともに様々な実施形態に対する本開示が、企図される特定の使用に適していることを理解できるように、選択および記載した。
【符号の説明】
【0040】
100 システム
102 ケーシング
103 冷却ガス
104 ロータ
106 ステータ
107 発電機
108 冷却ガス源
110 冷却ガス調整器
112 発電機制御システム
114 溶接継ぎ手
120 エンドハウジング
121 シールシステム
122 軸シールリング
123 シール領域
124 シール油
125 油回収システム
126 シール油タンク
127 シール油フィルタ
128 制御弁システム
130 排出システム
132 ガス混合物
133 通気孔
134 タンク
134 制御弁システム
140 純度センサ
142 ガス混合物流量センサ
144 温度センサ
146 シール油センサ
148 圧力差センサ
150 シール油ケーシング−ハウジング差圧調整器
150 静止シール漏れ検出器
170 静止シール漏れ検出器
172 シール油汚染検出器
174 問題検出器
176 シールリング隙間検出器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータ(104)およびステータ(106)の少なくとも一部分を取り囲み、その周りである体積の冷却ガス(103)を密閉するケーシング(102)であって、複数の静止シールを含むケーシング(102)と、
前記ケーシング(102)の各端部にあるエンドハウジング(120)であって、各エンドハウジング(120)が軸シールリング(122)を密閉し、前記軸シールリング(122)を前記ロータ(104)が前記ケーシング(102)から貫通し、前記冷却ガス(103)の一部分が、前記ケーシング(102)から対応する軸シールリング(122)を介して少なくとも1つのエンドハウジング(120)へ逃れる、エンドハウジング(120)と、
前記ケーシング(102)内で実質上一定の圧力を維持するように前記冷却ガス(103)の流れを前記ケーシング(102)へ送達する、冷却ガス調整器(110)によって前記ケーシング(102)に流体的に結合された冷却ガス源(108)と、
前記ケーシング(102)および前記エンドハウジング(120)の少なくとも1つのうちの少なくとも一方で前記冷却ガス(103)の純度を判定する純度センサ(140)と、
前記冷却ガス調整器(110)内の冷却ガス(103)の流量が流量閾値と比較して増大したこと、ならびに前記ケーシング(102)および前記エンドハウジング(120)の少なくとも1つのうちの前記少なくとも一方において前記冷却ガス(103)の純度が対応する純度閾値と比較して増大したことに応答して、前記複数の静止シールの少なくとも1つにおける漏れを示す警報を生成する静止シール漏れ検出器(150)と
を備えるシステム(100)。
【請求項2】
前記冷却ガス源(108)が、前記冷却ガス(134)の加圧タンクを含む、請求項1記載のシステム(100)。
【請求項3】
前記冷却ガス(103)が水素を含む、請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記純度センサ(140)が、前記ケーシング(102)内の前記冷却ガス(103)の純度と各エンドハウジング(120)内の前記冷却ガス(103)の純度の組合せに基づいて、前記純度を判定する、請求項1記載のシステム(100)。
【請求項5】
前記冷却ガス(103)の流量と前記純度がそれぞれ、移動平均として計算される、請求項1記載のシステム(100)。
【請求項6】
前記軸シールリング(122)を介して前記エンドハウジング(120)内へ逃れる前記シール油の一部分および前記冷却ガス(103)の一部分を含むガス混合物(132)を除去する、各エンドハウジング(120)に結合された排出システム(130)をさらに備える、請求項1記載のシステム(100)。
【請求項7】
前記調整器(110)内の冷却ガス(103)の流量の増大、ならびに前記ケーシング(102)および前記エンドハウジング(120)の少なくとも1つのうちの少なくとも一方における前記冷却ガス(103)の純度の増大に加えて、前記静止シール漏れ検出器(150)が、前記排出システム(130)内のガス混合物(132)の流量が排出流量閾値と比較して増大したことに応答して、前記複数の静止シールの少なくとも1つにおける漏れを示す警報を生成する、請求項6記載のシステム(100)。
【請求項8】
前記ケーシング(102)から前記軸シールリング(122)の少なくとも1つを通って対応するエンドハウジング(120)へ、前記ケーシング内の実質上一定の圧力が前記エンドハウジング(120)内の圧力より高いことによって流れるシール油のシール油流量を感知するシール油センサ(146)と、
前記ガス混合物(132)の排油温度を判定する温度センサ(144)と、
前記排出システム(130)のシール油フィルタ(127)の両端間のシール油フィルタ差圧を判定する圧力差センサ(148)と、
前記シール油流量がシール油流量閾値を超過すること、前記排油温度が排油温度閾値より低いこと、および前記シール油フィルタ差圧がシール油フィルタ圧力差閾値を超過することに応答して、前記シール油の汚染を示す警報を生成するシール油汚染検出器(172)と
をさらに備える、請求項6記載のシステム(100)。
【請求項9】
前記ケーシング(102)と各エンドハウジング(120)の間のシール油ケーシング−ハウジング差圧を測定するシール油ケーシング−ハウジング差圧センサ(150)と、
問題検出器(174)とをさらに備え、前記問題検出器(174)が、
前記シール油流量が前記シール油流量閾値を超過すること、前記排油温度が前記排油温度閾値より低いこと、前記シール油フィルタ差圧が前記シール油フィルタ圧力差閾値より低いこと、および前記シール油ケーシング−ハウジング差圧がシール油ケーシング−ハウジング差圧閾値を超過することに応答して、システム障害を示す第1の警報を生成し、また
前記シール油流量が前記シール油流量閾値を超過すること、前記排油温度が前記排油温度閾値より低いこと、前記シール油フィルタ差圧が前記シール油フィルタ圧力差閾値より低いこと、および前記シール油ケーシング−ハウジング差圧が前記シール油ケーシング−ハウジング差圧閾値より低いことに応答して、組立て誤差または熱膨張を示す第2の警報を生成する、請求項8記載のシステム。
【請求項10】
前記排出システム(130)が、第1の排出速度および前記第1の排出速度より遅い第2の排出速度で前記ガス混合物(132)を除去する制御弁システム(128)を含み、また
前記制御弁システム(134)が前記第1の排出速度で動作する時間と前記第2の排出速度で動作する時間の比が排出速度比閾値を超過することに応答して、軸シールリングの隙間の増大を示す警報を生成するシールリング隙間検出器(176)をさらに備える、
請求項6記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−5343(P2012−5343A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−131726(P2011−131726)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】