説明

登降管理システム

【課題】園児、児童の情報を入力する際の手間を低減する。
【解決手段】園児と保護者とを共通のキー(紐付けデータ)で紐付ける。紐付けデータには、自宅の電話番号、世帯番号等を用いる。登降管理装置1は、園児情報を園児情報DB141に登録するに際して、入力された紐付けデータに対応付けられて保護者情報が保護者情報DB142に登録されているならば、この保護者情報をGUI部11に表示する。また、入力された紐付けデータに対応付けられて兄姉等の他の園児情報が園児情報DB141に登録されているならば、この他の園児情報もGUI部11に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被管理者の施設への登降を管理する技術に関し、特に園児、児童の登降園、登下校を管理するのに好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、保育園等において時々刻々と多くの人が出入りする状況を正確且つ迅速に把握し、これをもとに必要書類を自動的に作成可能な保育園支援システムが開示されている。この保育園支援システムは、保育園等へ登降園する人に対して予め交付された、必要事項が記録されたカードと、保育園等への出入り口に配置されたカードリーダと、コンピュータと、を有する。保育園等への出入りの都度、カードがカードリーダに差し込まれると、コンピュータは、出入り時間および記録された情報を認識する。この出入りに関係するデータをもとに、コンピュータは、出席簿、利用者名簿、登降園記録表等の必要書類をソフトウェアで一元的に作成できる。また、降園時にカードを入れるとき、それまでにコンピュータに入力された個人への連絡事項を印字することができ、保護者への連絡帳としても利用できる。
【0003】
【特許文献1】特開2004-171195号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の保育園支援システムは、保護者の情報を園児、児童の情報と一体管理している。園児、児童の情報を入力する際に、操作者に対して、保護者の情報の入力を要求している。このため、従来の保育園支援システムでは、園児、児童に兄姉がおり、兄姉が入園、入学していた場合に、兄姉の情報を入力した際に保護者の情報も入力していたにもかかわらず、保護者の情報を再度入力しなければならなかった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、園児、児童の情報を入力する際の手間を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、園児、児童等の被管理者と当該被管理者の保護者とを共通のキー(紐付けデータ)で紐付ける。紐付けデータとしては、例えば自宅の電話番号、世帯番号等を用いることができる。そして、被管理者の情報を登録するに際して、入力された紐付けデータに対応付けられて保護者の情報が登録されているならば、この保護者の情報を操作者に提示する。また、入力された紐付けデータに対応付けられて他の被管理者の情報が登録されているならば、この被管理者の情報を操作者に提示する。
【0007】
例えば、本発明は、被管理者の施設への登降を管理する登降管理システムであって、
被管理者毎に、当該被管理者の識別情報を含む個人情報を、当該被管理者の保護者と共通の紐付けデータと共に登録する被管理者データベースと、
保護者毎に、当該保護者の連絡先を含む個人情報を、当該保護者が保護義務を負う被管理者と共通の紐付けデータと共に登録する保護者データベースと、
被管理者情報入力フォームを表示し、当該被管理者情報入力フォームを介して操作者から被管理者の個人情報および紐付けデータを受け付ける被管理者情報受付手段と、
保護者情報入力フォームを表示し、当該保護者情報入力フォームを介して操作者から保護者の個人情報および紐付けデータを受け付ける保護者情報受付手段と、を有し、
前記被管理者情報受付手段は、
前記被管理者情報入力フォームを介して受け付けた紐付けデータに対応付けられて保護者の個人情報が前記保護者データベースに登録されている場合、当該保護者の個人情報を当該被管理者情報入力フォームに表示する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、保護者の情報の二重入力の手間を省くことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、本発明の実施の形態について、園児の登降園を管理する場合を例に説明する。
【0010】
図1は本発明の一実施形態が適用された登降管理システムの概略構成図である。
【0011】
図示するように、本実施形態の登降管理システムは、保育園に設置された登降管理装置1およびカードリーダ2と、各園児に配布された園児カード3と、を有する。
【0012】
園児カード3には、園児の識別情報である園児番号が登録されている。園児カード3には、磁気カード、ICカードなどの記憶媒体を用いることができる。
【0013】
カードリーダ2は、園児カード3がカードリーダ2の差込口に挿入されると、もしくはカードリーダ2の読取面近傍に近づけられると、この園児カード3から園児番号を読み取って登降管理装置1に送信する。カードリーダ2は、例えば保育園の出入り口に設定される。このカードリーダ2として、例えば園児カード3が磁気カードの場合は磁気カードリーダが用いられ、ICカードの場合はICカードリーダが用いられる。
【0014】
登降管理装置1は、各園児の保護者のインターネット端末である保護者端末4に、インターネット5を介して接続されている。登降管理装置1は、園児の情報と保護者の情報とを互いに紐付けて管理する。また、園児の登降予定時刻と実際の登降時刻とを比較し、この比較結果に応じた情報(例えば追加サービス料金)を、この園児の保護者の保護者端末4に送信する。
【0015】
図2は登降管理装置1に概略図である。
【0016】
図示するように、登降管理装置1は、キーボード、マウス、ディスプレイ等の入出力装置を介して、操作者に情報を表示したり、操作者から情報の入力を受付けたりするためのGUI(Graphical User Interface)部11と、インターネット5に接続するためのインターネットIF(Interface)部12と、カードリーダ2に接続するためのカードリーダIF部13と、記憶部14と、演算部15と、を有する。
【0017】
記憶部14は、園児情報DB(Data Base)141と、保護者情報DB142と、保育サービス情報DB143と、登降予定・実績情報DB144と、を有する。
【0018】
園児情報DB141には、園児毎に、園児番号を含む個人情報が、この園児の保護者と共通の紐付けデータと共に登録される。図3は園児情報DB141の登録内容を模式的に表した図である。図示するように、園児情報DB141には、園児毎にレコード1410が登録される。レコード1410は、園児の個人情報を登録するフィールド1411と、園児の保護者と共通の紐付けデータを登録するフィールド1412と、を有する。フィールド1411は、複数のサブフィールドで構成され、そのうちの1つのサブフィールド1411に園児番号が登録される。残りのサブフィールドには、園児の園児番号以外の個人情報が登録される。本実施形態では、氏名、愛称、性別、生年月日、第何子、所属クラス、入園年月日、卒退園年月日、および顔写真データの格納先を、それぞれ登録するためのサブフィールドを設けている。また、本実施形態では、保護者と共通の紐付けデータとして、自宅の電話番号をフィールド1412に登録している。
【0019】
保護者情報DB142には、保護者毎に、保護者の連絡先を含む個人情報が、この保護者が保護義務を負う園児と共通の紐付けデータと共に登録される。図4は保護者情報DB142の登録内容を模式的に表した図である。図示するように、保護者情報DB142には、保護者毎にレコード1420が登録される。レコード1420は、保護者の個人情報を登録するフィールド1421と、保護者の園児と共通の紐付けデータを登録するフィールド1422と、を有する。フィールド1421は、複数のサブフィールドで構成され、そのうちの1つのサブフィールド14211に保護者の連絡先(本実施形態ではEメール)が登録される。残りのサブフィールドには、保護者の連絡先以外の個人情報が登録される。本実施形態では、保護者の氏名、勤務先、および自宅住所を、それぞれ登録するためのサブフィールドを設けている。また、本実施形態では、園児と共通の紐付けデータとして、自宅の電話番号をフィールド1422に登録している。
【0020】
保育サービス情報DB143は、保育園が提供するサービスの情報が登録される。図5は保育サービス情報DB143の登録内容を模式的に表した図である。図示するように、保育サービス情報DB143には、保育園が提供する保育サービス毎にレコード1430が登録される。レコード1430は、保育サービスを識別するためのサービス番号を登録するフィールド1431と、保育サービスのサービス名を登録するフィールド1432と、サービス名の略称を登録するフィールド1433と、保育サービスの開始時刻を登録するフィールド1434と、保育サービスの終了時刻を登録するフィールド1435と、保育サービスのサービス料金を登録するフィールド1436と、を有する。本実施形態では、保育サービスとして、午前8時から午後4時まで園児を預かる「原則保育サービス(原則)」、午前7時30分から午前8時まで園児を預かる「朝長時間保育(朝長)」、午前7時から午前7時30分まで園児を預かる「朝時間延長サービス(朝延)」、午後4時から午後6時30分まで園児を預かる「夕長時間保育(夕長)」、午後6時30から午後7時まで園児を預かる「夕時間延長サービス(夕延)」を想定している。原則保育サービス(原則)は標準サービスであり、この標準サービスに他のサービスが付加される形でサービスが提供される。
【0021】
登降予定・実績情報DB144には、各園児の登降予定時刻、実際の登降時刻、および保育サービスの適用状況が登録される。図6は登降予定・実績情報DB144の登録内容を模式的に表した図である。図示するように、登録予定・実績情報DB144には、対象年月日および園児番号の組合わせ毎にレコード1440が登録される。レコード1440は、対象年月日を登録するフィールド1441と、園児番号を登録するフィールド1442と、園児の氏名を登録するフィールド1443と、対象年月日の登降予定時刻を登録するフィールド1444と、対象年月日の実際の登降時刻を登録するフィールド1445と、保育サービスの適用状況を登録するフィールド1446と、を有する。フィールド1444は、対象年月日の登園予定時刻を登録するサブフィールドと、対象年月日の降園予定時刻を登録するサブフィールドとを有する。フィールド1445は、対象年月日の実際の登園時刻を登録するサブフィールドと、対象年月日の実際の降園時刻を登録するサブフィールドとを有する。そして、フィールド1446は、「朝長」、「朝延」、「夕長」、および「夕延」のそれぞれについて、適用状況を登録するためのサブフィールドを有する。本実施形態では、保育サービスの適用状況として、保育サービスが予約されている場合は「予約」を、予約なしで保育サービスが適用された場合は「例外」を、フィールド1446の対応するサブフィールドに登録するようにしている。
【0022】
なお、登降予定・実績情報DB144は、園児の登降予定時刻を登録するDBと、実際の登降時刻を登録するDBとに分けてもよい。
【0023】
演算部15は、園児・保護者情報受付部151と、保育サービス予約受付部152と、登降実績情報登録部153と、実績評価部154と、請求部155と、を有する。
【0024】
園児・保護者情報受付部151は、GUI部11を介して操作者から受け付けた指示に従い園児情報入力フォームを表示し、この園児情報入力フォームを介して操作者から、園児情報DB141に登録する園児の個人情報および紐付けデータを受け付ける。この際、園児情報入力フォームを介して受け付けた紐付けデータがフィールド1422に登録されているレコード1420が保護者情報DB142に登録されている場合、このレコード1420のフィールド1421に登録されている保護者の個人情報を、この園児情報入力フォームに表示する。同様に、園児情報入力フォームを介して受け付けた紐付けデータがフィールド1412に登録されているレコード1410が園児情報DB141に登録されている場合、このレコード1410のフィールド1411に登録されている園児の個人情報を、この園児情報入力フォームに表示する。
【0025】
図7は園児情報入力フォームを模式的に表した図である。図示するように、園児情報入力フォームは、園児情報DB141に登録されるレコード1410のフィールド1411の各サブフィールドに登録すべき園児の個人情報を受け付けるための入力ボックス群1511と、このレコード1410のフィールド1412に登録すべき紐付けデータ(自宅電話番号)を受け付けるための入力ボックス1512と、入力ボックス群1511に入力された顔写真の格納先に格納されている顔写真イメージを表示するための表示窓1513と、入力ボックス1512に入力された紐付けデータがフィールド1422に登録されている保護者情報DB142のレコード1420の情報(保護者情報)を表示するための表示欄1514と、入力ボックス1512に入力された紐付けデータがフィールド1412に登録されている園児情報DB141の他のレコード1410の情報(兄姉の園児情報)を表示するための表示欄1515と、入力ボックス群1511および入力ボックス1512の入力内容をクリアするための取消ボタン701と、入力ボックス群1511および入力ボックス1512の入力内容を園児情報DB141に登録するための登録ボタン702と、を有する。
【0026】
また、園児・保護者情報受付部151は、GUI部11を介して操作者から受け付けた指示に従い保護者情報入力フォームを表示し、この保護者情報入力フォームを介して操作者から、保護者情報DB142に登録する保護者の個人情報および紐付けデータを受け付ける。この際、保護者情報入力フォームを介して受け付けた紐付けデータがフィールド1412に登録されているレコード1410が園児情報DB141に登録されている場合、このレコード1410のフィールド1411に登録されている園児の個人情報を、この保護者情報入力フォームに表示する。
【0027】
図8は保護者情報入力フォームを模式的に表した図である。図示するように、保護者情報入力フォームは、保護者情報DB142に登録されるレコード1420のフィールド1421の各サブフィールドに登録すべき保護者の個人情報を受け付けるための入力ボックス群1516と、このレコード1420のフィールド1422に登録すべき紐付けデータ(自宅電話番号)を受け付けるための入力ボックス1517と、入力ボックス1517に入力された紐付けデータがフィールド1412に登録されている園児情報DB141のレコード1410の情報(園児情報)を表示するための表示欄1518と、入力ボックス群1516および入力ボックス1517の入力内容をクリアするための取消ボタン703と、入力ボックス群1516および入力ボックス1517の入力内容を保護者情報DB142に登録するための登録ボタン704と、を有する。
【0028】
保育サービス予約受付部152は、インターネットIF部12を介して保護者端末4から受け付けた指示に従い、この保護者端末4の表示画面に保育サービス情報DB143に登録されている保育サービス情報のリストを含む保育サービス予約フォーム(不図示)を表示し、この保育サービス予約フォームを介して保護者端末4の操作者から、予約対象年月日、予約対象年月日に予約する保育サービスの指定、および保育サービスを受ける園児の園児番号の入力を受け付ける。そして、受け付けた情報を登録予定・実績情報DB144に登録する。
【0029】
登降実績情報登録部153は、カードリーダIF部13を介してカードリーダ2から園児番号を受信すると、その受信時刻をその園児番号を持つ園児の実際の登降時刻として、登降予定・実績情報DB144に登録する。
【0030】
実績評価部154は、登降予定・実績情報DB144に登録されている各園児の登降予定時刻と実際の登降時刻とを比較し、予定外(予約されていない)の保育サービスの適用状況を調査する。そして、調査結果を登降予定・実績情報DB144に登録する。
【0031】
請求部155は、園児毎に、登降予定・実績情報DB144に登録されている保育サービスの適用状況と、保育サービス情報DB143に登録されている各保育サービスの料金情報とに基づいて、園児に対するサービス料金を算出する。そして、算出したサービス料金に基づいて請求書データを作成し、作成した請求書データを園児の保護者連絡先により特定される保護者端末4にインターネットIF部12を介して通知する。
【0032】
上記構成の登降管理装置1は、例えばCPUと、メモリと、HDD等の外部記憶装置と、CD-ROM、DVD-ROM等の可搬性を有する記憶媒体から情報を読み出す読取装置と、カードリーダに接続するためのUSB等のインターフェースと、キーボード、マウス等の入力装置と、ディスプレイ等の出力装置と、インターネットに接続するためのNICと、を備えた一般的なコンピュータシステムにおいて、CPUがメモリ上にロードされた所定のプログラムを実行することで実現できる。
【0033】
この所定のプログラムは、読取装置を介して記憶媒体から、あるいは、NICを介してインターネットから、外部記憶装置にダウンロードされ、それから、メモリ上にロードされてCPUに実行されるようにしてもよい。また、読取装置を介して記憶媒体から、あるいは、通信装置を介してネットワークから、メモリ上に直接ロードされ、CPU1に実行されるようにしてもよい。この場合において、記憶部14にはメモリおよび/または外部記憶装置が利用され、インターネットIF部5にはNICが利用され、GUI部11には入力装置および出力装置が利用され、そして、カードリーダIF部13にはUSB等のインターフェースが利用される。
【0034】
次に、上記構成の登降管理装置1の動作を説明する。
【0035】
図9は登降管理装置1の概略動作を説明するためのフロー図である。
【0036】
園児・保護者情報受付部151は、GUI部11を介して操作者(保育園の職員)から園児登録要求を受付けると(S10でYES)、図7に示すような園児情報入力フォームをGUI部11に表示し、操作者から園児の個人情報および紐付けデータ(自宅電話番号)を受付ける(S11)。
【0037】
次に、園児・保護者情報受付部151は、操作者から受付けた紐付けデータがフィールド1422に登録されているレコード1420を保護者情報DB142から検索する。同様に、操作者から受付けた紐付けデータがフィールド1412に登録されているレコード1410を園児情報DB141から検索する(S12)。
【0038】
そして、操作者から受付けた紐付けデータがフィールド1422に登録されているレコード1420が保護者情報DB142から検索されたならば、図7に示すように、このレコード1420のフィールド1421に登録されている保護者の個人情報を、GUI部11に表示中の園児情報入力フォームに表示する。このようなレコード1420が検索されなかった場合、保護者の個人情報は園児情報入力フォームに表示されない。同様に、操作者から受付けた紐付けデータがフィールド1412に登録されているレコード1410が園児情報DB141から検索されたならば、図7に示すように、このレコード1410のフィールド1411に登録されている兄姉の園児の個人情報を、GUI部11に表示中の園児情報入力フォームに表示する。このようなレコード1410が検索されなかった場合、兄姉の園児の個人情報は園児情報入力フォームに表示されない(S13)。
【0039】
さて、園児・保護者情報受付部151は、GUI部11に表示中の園児情報入力フォームを介して、操作者から園児情報の登録指示を受付けると、ステップS11で受付けた園児の個人情報および紐付けデータを園児情報DB141に登録する(S14)。具体的には、園児情報DB141に新たなレコード1410を追加する。そして、追加したレコード1410のフィールド1411に園児の個人情報を、フィールド1412に紐付けデータを登録する。なお、フィールド1411に登録する園児の個人情報のうち、園児番号については、自動的に生成する番号(例えば連番)を用いてよい。
【0040】
また、園児・保護者情報受付部151は、GUI部11を介して操作者(保育園の職員)から保護者登録要求を受付けると(S20でYES)、図8に示すような保護者情報入力フォームをGUI部11に表示し、操作者から保護者の個人情報および紐付けデータ(自宅電話番号)を受付ける(S21)。
【0041】
次に、園児・保護者情報受付部151は、操作者から受付けた紐付けデータがフィールド1412に登録されているレコード1410を園児情報DB141から検索する(S22)。そして、操作者から受付けた紐付けデータがフィールド1412に登録されているレコード1410が園児情報DB141から検索されたならば、図8に示すように、このレコード1410のフィールド1411に登録されている保護者が保護義務を負う園児の個人情報を、GUI部11に表示中の保護者情報入力フォームに表示する。このようなレコード1410が検索されなかった場合、保護者が保護義務を負う園児の保護者情報は保護者情報入力フォームに表示されない(S23)。
【0042】
さて、園児・保護者情報受付部151は、GUI部11に表示中の保護者情報入力フォームを介して、操作者から保護者情報の登録指示を受付けると、ステップS21で受付けた保護者の個人情報および紐付けデータを保護者情報DB142に登録する(S24)。具体的には、保護者情報DB142に新たなレコード1420を追加する。そして、追加したレコード1420のフィールド1421に保護者の個人情報を、フィールド1422に紐付けデータを登録する。なお、フィールド1421に登録する保護者の個人情報のうち、保護者番号については、自動的に生成する番号(例えば連番)を用いてよい。
【0043】
また、保育サービス予約受付部152は、インターネットIF部12を介して保護者端末4の操作者(園児の保護者)からサービス登録要求を受付けると(S30でYES)、この保護者端末4の表示画面に保育サービス情報DB143に登録されている保育サービス情報(図5参照)のリストを含む保育サービス予約フォーム(不図示)を表示する。そして、この保育サービス予約フォームを介して保護者端末4の操作者から、予約対象年月日、予約対象年月日に予約する保育サービスの指定、および保育サービスを受ける園児の園児番号の入力を受け付ける(S31)。それから、保育サービス予約受付部152は、受け付けた情報を登録予定・実績情報DB144に登録する(S32)。具体的には、登降予定・実績情報DB144に新たなレコード1440を追加する。そして、追加したレコード1440のフィールド1441に予約対象年月日を、フィールド1442に園児番号を、そして、フィールド1446に、予約対象年月日に予約した保育サービスを登録する。また、保育サービス予約受付部152は、園児情報DB141を参照し、保護者端末4の操作者から受付けた園児番号がサブフィールド14111に登録されているレコード1410を園児情報DB141から検索する。そして、検索したレコード1410のフィールド1411に登録されている氏名を、追加したレコード1440のフィールド1443に登録する。また、保育サービス情報DB143を参照し、保護者端末4の操作者が指定した保育サービス各々の開始時間および終了時間を繋ぎ合わせることで、保育園への登園予定時刻および降園予定時刻を算出する。そして、算出した登園予定時刻および降園予定時刻を、追加したレコード1440のフィールド1444に登録する。
【0044】
また、園児が園児カード3をカードリーダ2の差込口に挿入、あるいはカードリーダ2の読取面近傍に近づけると、カードリーダ3はこの園児カード3から園児番号を読み取って登降管理装置1に送信する。登降実績情報登録部153は、カードリーダIF部13を介してカードリーダ2から園児番号を受信すると(S40でYES)、演算部15が有するカレンダ機能およびタイマ機能を用いてその受信年月日および受信時刻を取得する(S41)。そして、取得した受信時刻を、カードリーダ2から受信した園児番号に対応する園児の、取得した受信年月日における登園時刻あるいは降園時刻として、登降予定・実績情報DB144に登録する(S42)。具体的には、取得した受信年月日がフィールド1441に登録され、且つカードリーダ2から受信した園児番号がフィールド1442に登録されているレコード1440を、登降予定・実績情報DB144から検索する。そして、検索したレコード1440のフィールド1445に、取得した受信時刻を、当該フィールド144に登園時刻が登録されていない場合は登園時刻として、一方、当該フィールド144に登園時刻が登録されている場合は降園時刻として登録する。
【0045】
次に、実績評価部154は、登降予定・実績情報DB144のいずれかのレコード1440のフィールド1445に、実際の登園時刻あるいは降園時刻が登録されると、この時刻を、同じレコード1440のフィールド1444に登録されている登園予定時刻あるいは降園予定時刻と比較して、予約されていない保育サービスが適用されているか否かを判断する。そして、判断結果に従い、このレコード1440のフィールド1446に登録されている保育サービスの適用状況を更新する(S43)。
【0046】
具体的には、フィールド1445に登録された実際の登園時刻を、フィールド1444に登録されている登園予定時刻と比較し、実際の登園時刻が登園予定時間よりも早いならば、予約されていない保育サービスが適用されたものと判断する。そして、フィールド1446の「朝長時間保育」に対応するサブフィールドに「予約」が登録されていないならば、このサブフィールドに「朝長時間保育」が予約なしで適用されたことを示す「例外」を登録する。一方、フィールド1446の「朝長時間保育」に対応するサブフィールドに「予約」が登録されている場合は、「朝時間延長サービス」に対応するサブフィールドに「朝時間延長サービス」が予約なしで適用されたことを示す「例外」を登録する。
【0047】
また、フィールド1445に登録された実際の降園時刻を、フィールド1444に登録されている降園予定時刻と比較し、実際の降園時刻が降園予定時間よりも遅いならば、予約されていない保育サービスが適用されてたものと判断する。そして、フィールド1446の「夕長時間保育」に対応するサブフィールドに「予約」が登録されていないならば、このサブフィールドに「夕長時間保育」が予約なしで適用されたことを示す「例外」を登録する。一方、フィールド1446の「夕長時間保育」に対応するサブフィールドに「予約」が登録されている場合は、「夕時間延長サービス」に対応するサブフィールドに「夕時間延長サービス」が予約なしで適用されたことを示す「例外」を登録する。
【0048】
また、請求部155は、GUI部11を介して操作者(保育園の職員)から請求対象年月の指定を伴う請求書作成要求を受付けると(S50でYES)、園児毎に、請求対象月のサービス料金を計算する(S51)。
【0049】
具体的には、登降予定・実績情報DB144から、フィールド1441に登録されている年月日が請求対象年月に属するレコード1440を抽出し、さらに抽出したレコード1440をフィールド1442に登録されている園児番号毎にグループ化する。それから、園児番号でグループ化されたレコード1440のグループ毎に、次の処理を行う。
【0050】
グループに含まれているレコード1440のレコード数に、保育サービス情報DB143内の「原則保育サービス」のレコード1430のフィールド1436に登録されている料金を加算して、原則サービス料金を計算する。また、グループに含まれているレコード1440のうち、フィールド1446の「朝長時間保育」に対応するサブフィールドに「予約」または「例外」が登録されているレコード1440のレコード数に、保育サービス情報DB143内のフィールド1432に「朝長時間保育」が登録されているレコード1430のフィールド1436に登録されている料金を加算して、朝長サービス料金を計算する。また、グループに含まれているレコード1440のうち、フィールド1446の「朝時間延長サービス」に対応するサブフィールドに「予約」または「例外」が登録されているレコード1440のレコード数に、保育サービス情報DB143内のフィールド1432に「朝時間延長サービス」が登録されているレコード1430のフィールド1436に登録されている料金を加算して、朝延サービス料金を計算する。また、グループに含まれているレコード1440のうち、フィールド1446の「夕長時間保育」に対応するサブフィールドに「予約」または「例外」が登録されているレコード1440のレコード数に、保育サービス情報DB143内のフィールド1432に「夕長時間保育」が登録されているレコード1430のフィールド1436に登録されている料金を加算して、夕長サービス料金を計算する。また、グループに含まれているレコード1440のうち、フィールド1446の「夕時間延長サービス」に対応するサブフィールドに「予約」または「例外」が登録されているレコード1440のレコード数に、保育サービス情報DB143内のフィールド1432に「夕時間延長サービス」が登録されているレコード1430のフィールド1436に登録されている料金を加算して、夕延サービス料金を計算する。そして、以上のようにして算出した原則サービス料金、朝長サービス料金、朝延サービス料金、夕長サービス料金、および夕延サービス料金を加算して、その合計を請求対象月のサービス料金とする。また、グループに含まれている各レコード1440のフィールド1446に登録されている「例外」の数を計算し、これをサービス料金と共に、グループに含まれているレコード1440の園児番号に対応付ける。
【0051】
次に、請求部155は、保護者毎に、請求対象月の請求額を計算する(S52)。
【0052】
具体的には、S51において請求対象月のサービス料金および「例外」数が算出された園児の園児番号がサブフィールド14111に登録されているレコード1410を、園児情報DB141から検索する。そして、検索したレコード1410のフィールド1412に登録されている紐付けデータ(自宅電話番号)を、この園児番号に対応付ける。次に、S51において請求対象月のサービス料金および「例外」数が算出された園児の園児番号を、当該園児番号に対応付けた紐付けデータ毎にグループ化する。それから、紐付けデータでグループ化された園児番号のグループ毎に、次の処理を行う。
【0053】
紐付けデータでグループ化された各園児番号に対応付けられているサービス料金の合計を算出する。これを紐付けデータで紐付けられる保護者に対する請求対象月の請求料金とする。また、紐付けデータでグループ化された各園児番号に対応付けられている「例外」数の合計値が大きければ大きいほど強い警告となるように、警告メッセージを作成する。そして、計算した請求金額および警告メッセージを含む請求書データを作成し、これを園児番号のグループ化に用いた紐付けデータに対応付ける。なお、警告メッセージを作成する代わりに、「例外」数の合計値に比例するペナルティ料金を計算し、これを請求金額に加算するようにしてもよい。
【0054】
それから、請求部155は、保護者毎に、S52で作成した請求書データを通知する(S53)。具体的には、請求書データに対応付けらている紐付けデータ(自宅電話番号)がフィールド1422に登録されているレコード1420を、保護者情報DB142から検索する。そして、検索したレコード1420のフィールド1421に登録されている連絡先のメールアドレスに、紐付けデータに対応付けられている請求書データを、インターネットIF部12を介して送信する。この処理を請求書データ毎に行う。
【0055】
以上、本発明の一実施形態について説明した。
【0056】
本実施形態によれば、園児の園児情報を登録するに際して、この園児の兄姉の園児情報を登録する際に保護者情報が登録済みならば、この保護者情報が表示される。また、兄姉の園児情報も表示される。したがって、保護者情報の二重入力の手間を省くことができる。また、園児と関連性のある他の園児(兄姉)の園児情報を表示することができる。
【0057】
また、本実施形態によれば、保育園の兄弟が在園している場合に、兄弟各々に対するサービス料金を纏めて保護者に請求することができる。
【0058】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0059】
例えば、上記の実施形態では、紐付けデータとして自宅電話番号を用いているが、本発明はこれに限定されない。紐付けデータは、自宅住所、世帯番号等の、園児および保護者に共通のデータであればよい。
【0060】
また、上記の実施形態では、園児の登降を管理する場合を例にとり説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明は、児童等の保護者の管理を必要とする被管理者の施設への登降を管理するシステムに広く適用できる。
【0061】
また、上記の実施形態では、登降管理装置を1つのコンピュータを用いて構築しているが、本発明はこれに限定されない。複数のコンピュータを用いて登降管理装置を構築するようにしても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】図1は本発明の一実施形態が適用された登降管理システムの概略図である。
【図2】図2は登降管理装置1に概略図である。
【図3】図3は園児情報DB141の登録内容を模式的に表した図である。
【図4】図4は保護者情報DB142の登録内容を模式的に表した図である。
【図5】図5は保育サービス情報DB143の登録内容を模式的に表した図である。
【図6】図6は登降予定・実績情報DB144の登録内容を模式的に表した図である。
【図7】図7は園児情報入力フォームを模式的に表した図である。
【図8】図8は保護者情報入力フォームを模式的に表した図である。
【図9】図9は登降管理装置1の概略動作を説明するためのフロー図である。
【符号の説明】
【0063】
1:登降園管理装置、2:カードリーダ、3:園児カード、4:保護者端末、5:インターネット、11:GUI部、12:インターネットIF部、13:カードリーダIF部、14:記憶部、15:演算部、141:園児情報DB、142:保護者情報DB、143:保育サービス情報DB、144:登降予定・実績情報DB、151:園児・保護者情報受付部、152:保育サービス予約受付部、153:登降実績情報登録部、154:実績評価部、155:請求部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被管理者の施設への登降を管理する登降管理システムであって、
被管理者毎に、当該被管理者の識別情報を含む個人情報を、当該被管理者の保護者と共通の紐付けデータと共に登録する被管理者データベースと、
保護者毎に、当該保護者の連絡先を含む個人情報を、当該保護者が保護義務を負う被管理者と共通の紐付けデータと共に登録する保護者データベースと、
被管理者情報入力フォームを表示し、当該被管理者情報入力フォームを介して操作者から被管理者の個人情報および紐付けデータを受け付ける被管理者情報受付手段と、
保護者情報入力フォームを表示し、当該保護者情報入力フォームを介して操作者から保護者の個人情報および紐付けデータを受け付ける保護者情報受付手段と、を有し、
前記被管理者情報受付手段は、
前記被管理者情報入力フォームを介して受け付けた紐付けデータに対応付けられて保護者の個人情報が前記保護者データベースに登録されている場合、当該保護者の個人情報を当該被管理者情報入力フォームに表示すること
を特徴とする登降管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の登降管理システムであって、
被管理者毎に、当該被管理者の前記施設への登降予定時刻を登録する登降予定データベースと、
被管理者毎に、当該被管理者の前記施設への実際の登降時刻を登録する登降実績データベースと、
記憶媒体から被管理者の識別情報を読取る識別情報読取手段と、
前記識別情報読取手段による識別情報の読取り時刻を、当該識別情報を持つ被管理者の登降時間として、前記登降実績データベースを更新する前記登降実績データベース更新手段と、
被管理者毎に、前記登降予定データベースに登録されている登降予定時刻と、前記登降実績データベースと比較する比較手段と、
被管理者毎に、前記比較手段の比較結果を、前記被管理者データベースに登録されている当該被管理者の紐付けデータに対応付けられて前記保護者データベースに登録されている保護者の連絡先に通知する通知手段と、をさらに有すること
を特徴とする登降管理システム。
【請求項3】
コンピュータで読取可能なプログラムであって、
前記コンピュータを
被管理者毎に、当該被管理者の識別情報を含む個人情報を、当該被管理者の保護者と共通の紐付けデータと共に登録する被管理者データベース、
保護者毎に、当該保護者の連絡先を含む個人情報を、当該保護者が保護義務を負う被管理者と共通の紐付けデータと共に登録する保護者データベース、
被管理者情報入力フォームを表示し、当該被管理者情報入力フォームを介して操作者から被管理者の個人情報および紐付けデータを受け付ける被管理者情報受付手段、および
保護者情報入力フォームを表示し、当該保護者情報入力フォームを介して操作者から保護者の個人情報および紐付けデータを受け付ける保護者情報受付手段として機能させ、
前記被管理者情報受付手段は、
前記被管理者情報入力フォームを介して受け付けた紐付けデータに対応付けられて保護者の個人情報が前記保護者データベースに登録されている場合、当該保護者の個人情報を当該被管理者情報入力フォームに表示すること
を特徴とするコンピュータで読取可能なプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−257138(P2007−257138A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−78562(P2006−78562)
【出願日】平成18年3月22日(2006.3.22)
【出願人】(596138170)株式会社ソフトウェア (1)
【Fターム(参考)】