説明

皮膚化粧料組成物

【課題】肌に塗布した際のさらさら感、及び、肌のテカリを抑える効果に優れ、かつ、再分散性にも優れた皮膚化粧料組成物を提供すること。
【解決手段】(A)真球状の無機系粉体、及び、真球状の有機系粉体の少なくともいずれかと、
(B)スルホ石炭酸亜鉛、及び、クロルヒドロキシアルミニウムの少なくともいずれかからなる多価金属化合物と、
(C)カルボキシビニルポリマー、及び、アルキル変性カルボキシビニルポリマーの少なくともいずれかと
を含有し、かつ、前記(B)スルホ石炭酸亜鉛、及び、クロルヒドロキシアルミニウムの少なくともいずれかからなる多価金属化合物の含有量が、0.3〜1.5質量%であり、前記(C)カルボキシビニルポリマー、及び、アルキル変性カルボキシビニルポリマーの少なくともいずれかの含有量が、0.01〜1.0質量%であることを特徴とする皮膚化粧料組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は皮膚化粧料組成物に関し、より詳細には、肌に塗布した際のさらさら感、及び、肌のテカリを抑える効果に優れ、かつ、再分散性にも優れた皮膚化粧料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
額から鼻にかけた、いわゆるTゾーンと呼ばれる部位は皮脂分泌が多く、特に脂性肌の人にとってはテカリ、べたつきを感じる部位である。従来から、肌に水分を補うこと等を目的として、化粧水(ローション)等の皮膚化粧料が使用されているが、このような脂性肌の人には、さらさら感や皮脂抑制効果のある皮膚化粧料が望まれる。従来から、皮膚化粧料のさらさら感や皮脂抑制効果を高めるために、粉体を配合する技術(例えば、特許文献1〜2参照)、2種の粉体の組合せを配合する技術(例えば、特許文献3〜4参照)、収斂効果のある多価金属化合物を配合する技術(例えば、特許文献5参照)等が報告されているが、粉体や多価金属化合物単独を配合するのみでは、さらさら感や皮脂抑制効果は十分には得られないという問題があった。さらさら感や皮脂抑制効果を向上させるためには、粉体及び多価金属化合物の両者を配合した水性分散系の皮膚化粧料が有効であるが、このような皮膚化粧料は、ケーキング(含有された粉体が液相中の底面にて固化し、シェーキングしても分散しない現象)してしまい、再分散性がよくないという問題があった。
【0003】
そこで、再分散性を向上させる目的から、皮膚化粧料にエタノールを60%以上配合したり、或いは、皮膚化粧料を非水系のエアゾール剤型にする方法等が報告されているが(例えば、特許文献6参照)、皮膚刺激性及び地球温暖化の観点から、皮膚化粧料は出来る限りエタノールフリー及び非エアゾール剤型とする方向が望まれている。
したがって、粉体及び多価金属化合物を配合した水性分散系の皮膚化粧料であって、さらさら感や皮脂抑制効果を維持しつつ、かつ、再分散性も向上させることのできる技術が、望まれているのが現状である。
【0004】
【特許文献1】特開2001−335414号公報
【特許文献2】特開平9−249543号公報
【特許文献3】特開平10−182345号公報
【特許文献4】特開2002−3338号公報
【特許文献5】特開2002−370958号公報
【特許文献6】特開2004−231591号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、肌に塗布した際のさらさら感、及び、肌のテカリを抑える効果に優れ、かつ、再分散性にも優れた皮膚化粧料組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、(A)真球状の無機系粉体、及び、真球状の有機系粉体の少なくともいずれかと、(B)スルホ石炭酸亜鉛、及び、クロルヒドロキシアルミニウムの少なくともいずれかからなる多価金属化合物と、(C)カルボキシビニルポリマー、及び、アルキル変性カルボキシビニルポリマーの少なくともいずれかとを含有し、かつ、前記(B)成分及び前記(C)成分の含有量をそれぞれ一定の範囲内とすることによって、肌に塗布した際のさらさら感、肌のテカリを抑える効果、及び、再分散性のいずれにも優れた皮膚化粧料組成物を得ることができることを見出し、本発明の完成に至った。
【0007】
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、
<1> (A)真球状の無機系粉体、及び、真球状の有機系粉体の少なくともいずれかと、
(B)スルホ石炭酸亜鉛、及び、クロルヒドロキシアルミニウムの少なくともいずれかからなる多価金属化合物と、
(C)カルボキシビニルポリマー、及び、アルキル変性カルボキシビニルポリマーの少なくともいずれかと
を含有し、かつ、前記(B)スルホ石炭酸亜鉛、及び、クロルヒドロキシアルミニウムの少なくともいずれかからなる多価金属化合物の含有量が、0.3〜1.5質量%であり、前記(C)カルボキシビニルポリマー、及び、アルキル変性カルボキシビニルポリマーの少なくともいずれかの含有量が、0.01〜1.0質量%であることを特徴とする皮膚化粧料組成物である。
<2> (A)真球状の無機系粉体、及び、真球状の有機系粉体の少なくともいずれかが、無水ケイ酸、ナイロン、及び、ポリアクリル酸エステル系粉体から選ばれる少なくとも一種である前記<1>に記載の皮膚化粧料組成物である。
<3> (A)真球状の無機系粉体、及び、真球状の有機系粉体の少なくともいずれかと、(B)スルホ石炭酸亜鉛、及び、クロルヒドロキシアルミニウムの少なくともいずれかからなる多価金属化合物との合計含有量に対する、(C)カルボキシビニルポリマー、及び、アルキル変性カルボキシビニルポリマーの少なくともいずれかの含有量が、質量比で、(C)/[(A)+(B)]=0.0020〜0.4000である前記<1>から<2>のいずれかに記載の皮膚化粧料組成物である。
<4> (A)真球状の無機系粉体、及び、真球状の有機系粉体の少なくともいずれかの含有量が、1.0〜3.0質量%である前記<1>から<3>のいずれかに記載の皮膚化粧料組成物である。
<5> (B)スルホ石炭酸亜鉛、及び、クロルヒドロキシアルミニウムの少なくともいずれかからなる多価金属化合物の含有量が、0.5〜1.5質量%である前記<1>から<4>のいずれかに記載の皮膚化粧料組成物である。
<6> (C)カルボキシビニルポリマー、及び、アルキル変性カルボキシビニルポリマーの少なくともいずれかの含有量が、0.01〜0.1質量%である前記<1>から<5>のいずれかに記載の皮膚化粧料組成物である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、前記従来における諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、肌に塗布した際のさらさら感、及び、肌のテカリを抑える効果に優れ、かつ、再分散性にも優れた皮膚化粧料組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(皮膚化粧料組成物)
本発明の皮膚化粧料組成物は、(A)真球状の無機系粉体、及び、真球状の有機系粉体の少なくともいずれかと、(B)スルホ石炭酸亜鉛、及び、クロルヒドロキシアルミニウムの少なくともいずれかからなる多価金属化合物と、(C)カルボキシビニルポリマー、及び、アルキル変性カルボキシビニルポリマーの少なくともいずれかとを含有してなり、更に必要に応じて、適宜その他の成分を含有してなる。
なお、前記皮膚化粧料組成物は、水性分散系の皮膚化粧料組成物である。ここで、「水性分散系」とは、水を含む水溶性物質を50質量%以上含み、かつ、数nm〜数10μm程度の粒子が液体に懸濁している系をいう。
【0010】
<(A)真球状の無機系粉体、及び、真球状の有機系粉体の少なくともいずれか>
前記(A)成分は主に、前記皮膚化粧料組成物のさらさら感を向上させる目的で配合される。
ここで、前記(A)成分は、真球状の粉体である。前記(A)成分が真球状でないと、所望の程度のさらさら感が得られないなどの問題がある。ここで、粉体の形状の測定は、例えば、電子顕微鏡(S−2380N、(株)日立製作所)でのSEM観察により行うことができる。真球状の粉体とは、電子顕微鏡で粉体粒子の電子顕微鏡写真を撮影し、粒子同士が重なり合っていないもの100個を無作為に選び出し、粒子の投影像が真円のもの、及び、投影像の外接円を描かせ、外接円の半径の90%の半径を有する同心円と外接円との間に投影像の輪郭が全て含まれる形状を有しているものの合計が、100個中70個以上のものである。
【0011】
前記(A)成分の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5〜20μmが好ましく、5〜15μmがより好ましく、5〜12μmが更に好ましい。前記平均粒径が、5μm未満であると、皮溝や角質の隙間に入ってしまい、さらさら感が得られないことがあり、20μmを超えると、きしみ感を生じることがある。
なお、前記平均粒径は、電子顕微鏡(S−2380N、(株)日立製作所)で粉体粒子を観察し、粒子同士が重なり合っていないもの100個を無作為に選び出し、粒子径を測定して、それらの平均を算出した値である。
【0012】
前記(A)成分の真比重としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.90以上3.00未満が好ましく、1.00以上3.00未満がより好ましい。前記真比重が、0.90未満であると、粉体が溶液上部に浮いてしまい再分散の必要がなく、3.00を超えると、ケーキング(含有された粉体が液相中の底面にて固化し、シェーキングしても分散しない現象)を生じることがある。なお、前記真比重は、20℃条件下、ピクノメーター法にて測定した値である。
【0013】
前記(A)成分の具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機系粉体として、サンスフェアH−122、サンスフェアH−121、サンスフェアH−51、サンスフェアH−31(旭硝子(株))等の無水ケイ酸、ERビーズ/H121(三好化成工業(株))などのエリスリトール含浸シリカ等のシリカ、アパミクロンAP−12C(積水化成工業(株))等のハイドロキシアパタイトなど、有機系粉体として、GANTZPEARL GPA−550(ガンツ化成(株))等のナイロン、GANTZPEARL GMP−800、GMX−810、GM−800S、GM−600(ガンツ化成(株))、テクポリマーMBX−8C(積水化成工業(株))等のポリアクリル酸エステル系粉体(PMMA)、TQ−1ポリエチレンビーズ(三井化学)等のポリエチレン系粉体、セルフローC25(チッソ(株))、レセフィア(レンゴー(株))等のセルロース系粉体などが挙げられる。
これらの中でも、さらさら感、テカリを抑える効果、及び、再分散性に優れる点で、無機系粉体として、サンスフェアH−121、サンスフェアH−122(旭硝子(株))等の無水ケイ酸、有機系粉体として、GANTZPEARL GPA−550(ガンツ化成(株))等のナイロン、ガンツパールGMP−0800(ガンツ化成(株))等のポリアクリル酸エステル系粉体(PMMA)が好ましい。
【0014】
前記(A)成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記(A)成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記皮膚化粧料組成物中、0.05〜5.0質量%が好ましく、1.0〜3.0質量%がより好ましい。前記含有量が、0.05質量%未満であると、所望の程度のさらさら感、及び、テカリを抑える効果が得られないことがあり、5.0質量%を超えると、再分散性に劣ることがある。一方、前記含有量が、より好ましい範囲内であると、さらさら感、テカリを抑える効果、及び、再分散性により優れる点で、有利である。
【0015】
<(B)スルホ石炭酸亜鉛、及び、クロルヒドロキシアルミニウムの少なくともいずれかからなる多価金属化合物>
前記(B)成分は主に、前記皮膚化粧料組成物のさらさら感を向上させる目的、及び、皮脂の過剰な分泌を抑制してテカリを抑える目的で配合される。
【0016】
前記(B)成分としては、さらさら感とテカリ抑制効果の点で、スルホ石炭酸亜鉛(スルホ石炭酸亜鉛((株)マツモト交商)等)、クロルヒドロキシアルミニウム(REACH101、MICRO−DRY、ULTRAFINE、REACH501(いずれもREHEIS CHE.CO.U.S.A.)等)が好ましい。
【0017】
前記(B)成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記(B)成分の含有量は、前記皮膚化粧料組成物中、0.3〜1.5質量%であり、中でも、0.5〜1.5質量%が好ましい。前記含有量が、0.3質量%未満であると、所望の程度のさらさら感、及び、テカリを抑える効果が得られないなどの問題があり、1.5質量%を超えると、きしみ感が著しく、また、再分散性に劣るなどの問題がある。一方、前記含有量が、好ましい範囲内であると、きしみ感を生じることなく、また、さらさら感、テカリを抑える効果、及び、再分散性により優れる点で、有利である。
【0018】
<(C)カルボキシビニルポリマー、及び、アルキル変性カルボキシビニルポリマーの少なくともいずれか>
前記(C)成分は主に、粉体のケーキング(含有された粉体が液相中の底面にて固化し、シェーキングしても分散しない現象)を抑制し、再分散性を向上させる目的で配合される。
【0019】
前記(C)成分の粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1%水溶液の粘度として、100〜7,000mPa・sが好ましく、1,000〜7,000mPa・sがより好ましい。
なお、前記粘度は、B型粘度計((株)東京計器)を用い、20℃の条件下、ローターNo.4、12rpm、1分で測定した値である。
【0020】
前記(C)成分において、カルボキシビニルポリマーは、主としてアクリル酸の重合体であり、アルキル変性カルボキシビニルポリマーは、主としてアクリル酸とメタクリル酸アルキル(C10〜C30)の共重合体である。
前記(C)成分の具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボキシビニルポリマーとして、カーボポール981、カーボポール980、カーボポール941、カーボポール940、カーボポールUltrez10、カーボポール2984、カーボポールETD2050(ルーブリゾール社)、アルキル変性カルボキシビニルポリマーとして、カーボポール1342、カーボポール1382、PEMULEN TR−1、PEMULEN TR−2、カーボポールETD2020(ルーブリゾール社)等が挙げられる。
これらの中でも、ケーキング抑制効果と再分散性の容易さの点で、カルボキシビニルポリマーとして、カーボポール981、アルキル変性カルボキシビニルポリマーとして、カーボポール1342、カーボポール1382が好ましい。
【0021】
前記(C)成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記(C)成分の含有量は、前記皮膚化粧料組成物中、0.01〜1.0質量%であり、中でも、0.01〜0.5質量%が好ましく、0.01〜0.1質量%がより好ましい。前記含有量が、0.01質量%未満であると、ケーキングを生じてしまい、再分散性に劣るなどの問題があり、1.0質量%を超えると、ゲル状となるため再分散の必要はないが、べたつきを生じてしまい、所望の程度のさらさら感、及び、テカリを抑える効果が得られないなどの問題がある。一方、前記含有量が、より好ましい範囲内であると、べたつきを生じることなく、また、さらさら感、テカリを抑える効果、及び、再分散性により優れる点で、有利である。
【0022】
<(C)/[(A)+(B)]>
前記皮膚化粧料組成物中、前記(A)真球状の無機系粉体、及び、真球状の有機系粉体の少なくともいずれかと、前記(B)スルホ石炭酸亜鉛、及び、クロルヒドロキシアルミニウムの少なくともいずれかからなる多価金属化合物との合計含有量に対する、前記(C)カルボキシビニルポリマー、及び、アルキル変性カルボキシビニルポリマーの少なくともいずれかの含有量は、質量比で、(C)/[(A)+(B)]=0.0020〜0.4000が好ましい。前記(C)/[(A)+(B)]が、0.0020未満であると、きしみ感を生じることがあり、0.4000を超えると、所望の程度のさらさら感、及び、テカリを抑える効果が得られないことがある。一方、前記(C)/[(A)+(B)]が、好ましい範囲内であると、さらさら感、テカリを抑える効果、及び、再分散性に優れる点で、有利である。なお、前記(C)/[(A)+(B)]は、小数第5位を四捨五入した値である。
【0023】
<その他の成分>
前記皮膚化粧料組成物は、前記(A)〜(C)成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲内で、その他の成分を含有することができる。前記その他の成分としては、特に制限はなく、皮膚化粧料組成物に通常用いられるものの中から、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオール類や油分類等の保湿剤、低級/高級アルコール等のアルコール類、ラノリン誘導体、蛋白誘導体、前記(C)成分以外の高分子化合物、ビタミン類、アミノ酸類等の薬剤、殺菌剤、抗炎症剤、動植物抽出剤又はその誘導体、紫外線吸収・散乱剤、防腐剤、pH調整剤、酸化防止剤、キレート剤、色素、香料組成物、清涼剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、金属イオン封鎖剤、顔料、シリコーンなどが挙げられる。
【0024】
−保湿剤−
前記保湿剤としてのポリオール類は、分子内に水酸基を2個以上有し、常温(15〜25℃)において液状を呈するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、ヘキシレングリコール、イソプレングリコール、ソルビトール、マンニトール、トレハロース等が挙げられる。
前記ポリオール類は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリオール類の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記皮膚化粧料組成物中、0.05〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。前記含有量が、0.05質量%未満であると、所望の程度のさらさら感が得られないことがあり、10質量%を超えると、べたつきを生じることがある。
【0025】
前記保湿剤としての油分類は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、乳酸ミリスチル、乳酸イソステアリル、カプリル酸ヤシ油アルキル、カプリン酸ヤシ油アルキル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸ヘキシルデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸コレステリル、ステアリン酸フィトステリル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸セトステアリル、イソオクタン酸セチル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、オレイン酸エチル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸コレステリル、オクタン酸イソセチル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸フィトステリル、エルカ酸オレイル、エルカ酸オクチルドデシル、エイコセン酸カプリリル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、トリオクタノイン、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル、プロピレングリコール脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンヒマシ油類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類、ポリオキシエチレンステロール類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキル脂肪酸アミド類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ラノリンアルコール、ホホバ油エステル、ヤシ油、ヒマシ油、カカオ油、硬化パーム油、木ロウ、ホホバ油、油茶油、ひまわり油、小麦胚芽油、月見草油、カレンデュラ油、グレープシード油、ココナッツ油、ローズヒップ油、セントジョーンズワート油、リノール油、ボリジ油、アーモンド油、紅花油、メドウフォーム油、シア脂、アボガド油、キャロット油、杏仁油、ククイナッツ油、スイートアーモンド油、トウモロコシ胚芽油、ミンク油、卵黄油、ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、水添ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、流動パラフィン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、セレシンワックス、パラフィンワックス、ワセリン、グリセロールトリ−2−エチルヘキサン酸エステル、2−エチルヘキシルステアレート、オレイン酸オクチルドデシル、コレステロールオレート、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。
前記油分類は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0026】
−高分子化合物−
前記高分子化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、官能基がジメチルジアリルアンモニウムハライドである塩化ジメチルジアリルアンモニウムホモポリマー、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド・アクリル酸3元共重合体、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、カチオン化グアーガム、カチオン化デキストラン、カチオン化プルラン、四級化ビニルピロリドン−アミノエチルメタクリレート共重合体、ポリエチレンイミン、ジプロピレントリアミン縮合物、アジピン酸ジメチル−アミノヒドロキシプロピルジエチルトリアミン共重合体、第四級窒素含有スターチ等の他、加水分解ケラチン、加水分解シルク、加水分解コラーゲン、加水分解小麦、カチオン化加水分解ケラチン、カチオン化加水分解シルク、カチオン化加水分解コラーゲン、カチオン化加水分解小麦、シリコーン化加水分解コラーゲン、シリコーン化加水分解シルクのタンパク加水分解にカチオン基を導入したもの、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、硅酸アルミニウム、マルメロ種子抽出物、トラガントガム、デンプン等の天然高分子、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、可溶性デンプン等の半合成高分子、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、メタクリロイルエチルベタイン・メタクリル酸エステル共重合体等の合成高分子などが挙げられる。
前記高分子化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0027】
−薬剤−
前記薬剤としてのビタミン類は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンK、ビタミンP、ビタミンU、カルニチン、フェルラ酸、γ−オリザノール、α−リポ酸、オロット酸、これらの誘導体等が挙げられる。
前記ビタミン類は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0028】
前記薬剤としてのアミノ酸類は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジン、これらの誘導体等が挙げられる。
前記アミノ酸類は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0029】
−殺菌剤−
前記殺菌剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン等が挙げられる。
前記殺菌剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0030】
−抗炎症剤−
前記抗炎症剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリチルレチン酸ジカリウム、グリチルレチン酸ステアリル等が挙げられる。
前記抗炎症剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0031】
−動植物抽出剤又はその誘導体−
前記動植物抽出剤又はその誘導体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分が好ましい。具体的には、アシタバエキス、アボガドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、カルカデエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、バクモンドウエキス、ハスエキス、パセリエキス、蜂蜜、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等が挙げられる。
前記動植物抽出剤又はその誘導体は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0032】
−紫外線吸収・散乱剤−
前記紫外線吸収・散乱剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、オクチルジメチルパラアミノベンゾエート、エチルヘキシルパラメトキシサイナメート、酸化チタン、カオリン、タルク等が挙げられる。
前記紫外線吸収・散乱剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0033】
−防腐剤−
前記防腐剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノエチルスルホン酸、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸ベンジル、アンソッコウ、液状フェノール、エタノール、エデト酸ナトリウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、乾燥硫酸ナトリウム、カンテン、dl−カンフル、強力サンプレザーN(商品名:三栄源エフ.エフ.アイ.社製)、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クロロクレゾール、クロロブタノール、ゲンチジン酸エタノールアミド、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、セイセプト(商品名:成和化成社製)、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、窒素、チモール、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、2−ナフトール、ヒノキチオール、白糖、ハチミツ、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸メチル、パラホルムアルデヒド、フェニルエチルアルコール、フェノール、プロキセルGXL(商品名:ゼネカ社製)、ベンジルアルコール、ホウ酸、ホウ砂、d−ボルネオール、l−メントール、ユーカリ油、硫酸オキシキノリン、イソプロピルメチルフェノール、ウンデシレン酸モノエタノールアミド、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン液、塩酸(グルコン酸)クロルヘキシジン、オルトフェニルフェノール、クレゾール、クロラミンT、クロルキシレノール、クロルフェネシン、臭化アルキルイソキノリニウム液、臭化ドミフェン、チアントール、トリクロロカルバニリド、パラクロルフェノール、ハロカルバン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ヘキサクロロフェン、レゾルシン、フェノキシエタノール等が挙げられる。
前記防腐剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0034】
−pH調整剤−
前記pH調整剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸、塩基、これらの塩等が挙げられる。中でも、前記pH調整剤としては、リン酸、塩酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン等が好ましい。
前記pH調整剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0035】
−酸化防止剤−
前記酸化防止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸等が挙げられる。
前記酸化防止剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0036】
−キレート剤−
前記キレート剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エデト酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸塩、ヘキサメタリン酸塩、グルコン酸等が挙げられる。
前記キレート剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0037】
−色素−
前記色素としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等が挙げられる。また、天然色素として、例えば、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等も挙げられる。
前記色素は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0038】
−香料組成物−
前記香料組成物とは、香料成分、香料用溶剤、及び、香料安定化剤からなる混合物である。
前記香料組成物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記香料組成物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記皮膚化粧料組成物中、0.005〜40質量%が好ましく、0.01〜10質量%がより好ましい。
【0039】
前記香料成分として使用される香料原料のリストは、様々な文献、例えば、「Perfume and Flavor Chemicals」,Vol.I and II,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994);「合成香料化学と商品知識」、印藤元一著、化学工業日報社(1996);「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin」,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994);「香りの百科」、日本香料協会編、朝倉書店(1989);「Perfumery Material Performance V.3.3」,Boelens Aroma Chemical Information Service(1996);「Flower oils and Floral Compounds In Perfumery」,Danute Lajaujis Anonis,Allured Pub.Co.(1993)等で見ることができ、例えば、これらの文献に記載された香料原料の中から、前記香料成分を適宜選択することができる。具体的には、例えば、ユーカリ油、カンフル、ボルネオール、レモン油、ライム油、グレープフルーツエキス、ラベンダー油、ラベンダーエキス、ローズマリー油、ローズマリーエキス等が挙げられる。
【0040】
前記香料用溶剤としては、例えば、エタノール、ベンジルベンゾエート、アセチン(トリアセチン)、MMBアセテート(3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート)、エチレングリコールジブチレート、ヘキシレングリコール、ジブチルセバケート、デルチールエキストラ(イソプロピルミリステート)、メチルカルビトール(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)、カルビトール(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、TEG(トリエチレングリコール)、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、フタル酸ジエチル、トリプロピレングリコール、アボリン(ジメチルフタレート)、デルチルプライム(イソプロピルパルミテート)、ジプロピレングリコールDPG−FC(ジプロピレングリコール)、ファルネセン、ジオクチルアジペート、トリブチリン(グリセリルトリブタノエート)、ヒドロライト−5(1,2−ペンタンジオール)、プロピレングリコールジアセテート、セチルアセテート(ヘキサデシルアセテート)、エチルアビエテート、アバリン(メチルアビエテート)、シトロフレックスA−2(アセチルトリエチルシトレート)、シトロフレックスA−4(トリブチルアセチルシトレート)、シトロフレックスNo.2(トリエチルシトレート)、シトロフレックスNo.4(トリブチルシトレート)、ドゥラフィックス(メチルジヒドロアビエテート)、MITD(イソトリデシルミリステート)、ポリリモネン(リモネンポリマー)、1,3−ブチレングリコール等が挙げられる。
前記香料用溶剤の含有量としては、前記香料組成物中、0.1〜99質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましい。
【0041】
前記香料安定化剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンEとその誘導体、カテキン化合物、フラボノイド化合物、ポリフェノール化合物等が挙げられる。これらの中でも、ジブチルヒドロキシトルエンが好ましい。
前記香料安定化剤の含有量としては、前記香料組成中、0.0001〜10質量%が好ましく、0.001〜5質量%がより好ましい。
【0042】
−清涼剤−
前記清涼剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メントール、ペパーミント油、ハッカ油等が挙げられる。また、冷涼剤として、例えば、N−エチルパラメンタンカルボキサミド(商品名:WS3)、l−メンチルグリセリルエーテル(商品名:CA−10)、メンチルラクテート(商品名:FrescolatML,FrescolatMGA)等も挙げられる。
前記清涼剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0043】
−ノニオン性界面活性剤−
前記ノニオン性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、脂肪酸モノエタノールアミド等が挙げられる。
前記ノニオン性界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0044】
−両性界面活性剤−
前記両性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキルベタイン系活性剤、アミドベタイン系活性剤、スルホベタイン系活性剤、ヒドロキシスルホベタイン系活性剤、アミドスルホベタイン系活性剤、ホスホベタイン系活性剤、イミダゾリニウムベタイン系活性剤、アミノプロピオン酸系活性剤、アミノ酸系活性剤等が挙げられる。より具体的には、例えば、N−デシルベタイン、セチルベタイン、ステアリルベタイン、ヤシ油アルキルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドメチルベタイン、ミリスチン酸アミドメチルベタイン、パルミチン酸アミドメチルベタイン、ステアリン酸アミドメチルベタイン、ヤシ油脂肪酸ジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミノメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタイン、ミリスチルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルアミノメチル−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−スルホプロピルベタイン、N−ラウロイル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−カルボキシメチルエチレンジアミン、N−ラウロイル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N’,N’−ビス(カルボキシエチル)エチレンジアミン、N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−カルボキシメトキシエチルエチレンジアミン、N−ラウロイル−N’−カルボキシエチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)−エチレンジアミン、N−ラウロイル−N’−カルボキシエトキシエチルエチレンジアミン、N−ラウロイル−N’−カルボキシエチル−N’−カルボキシエトキシエチルエチレンジアミン、2−ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
前記両性界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0045】
−金属イオン封鎖剤−
前記金属イオン封鎖剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ピロリン酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウム等が挙げられる。
前記金属イオン封鎖剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0046】
−シリコーン−
前記シリコーンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、20℃で液状の、ジメチルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン等が挙げられる。
前記シリコーンは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0047】
<製造>
前記皮膚化粧料組成物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記(A)〜(C)成分と、前記その他の成分と、水とを混合することにより製造することができる。より具体的には、例えば、前記(A)成分と前記その他の成分とを、常温(15〜25℃)下で混合、攪拌し、次いで、得られた混合物に前記(C)成分を添加し、攪拌した後、更に水を添加し、攪拌する。次いで、得られた混合物を更に攪拌させながら、前記(B)成分を徐々に加えることにより、前記皮膚化粧料組成物を得ることができる。前記攪拌に用いる装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パドルミキサー等のミキサーなどを適宜利用することができる。
なお、前記皮膚化粧料組成物を製造するにあたり、前記各成分は、単独で使用してもよいし、2種以上の成分を含む混合物を使用してもよい。また、前記各成分は、適宜希釈して使用してもよい。
【0048】
<剤型・用途>
前記皮膚化粧料組成物の剤型としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ローション、乳液、スプレー、ミスト等の剤型とすることができる。前記皮膚化粧料組成物の用途としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、顔や全身用の化粧水(ローション)として好適であり、中でも、前記皮膚化粧料組成物は、さらさら感、テカリを抑える効果、及び、再分散性に優れることから、脂性肌の人用の化粧水(ローション)として、特に好適である。
【実施例】
【0049】
以下、実施例、及び、比較例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例、及び、比較例において、特に明記のない場合、「%」はいずれも「質量%」を表し、比率はいずれも質量比を表す。また、成分量は全て純分換算した量である。
【0050】
(実施例1〜16、比較例1〜9)
下記表1〜3に示す組成に従い、実施例1〜16、及び、比較例1〜9の皮膚化粧料組成物を下記に示す製造法にて調製した。即ち、常温(25℃)で、精製水以外の共通成分に(A)成分を添加し、パドルミキサーで攪拌した。得られた混合物に、1%水溶液とした(C)成分を所定量となるように添加し、パドルミキサーで攪拌し、更に精製水を添加し、攪拌した。得られた混合物をスターラーで攪拌させながら、10%水溶液とした(B)成分を所定量となるように徐々に加え、皮膚化粧料組成物を得た。得られた各皮膚化粧料組成物について、下記の方法で、さらさら感、テカリのなさ、及び、再分散性を評価した。結果を表1〜3に併せて示す。
【0051】
<さらさら感の評価>
男女の脂性肌パネラー計20名に、実施例1〜16及び比較例1〜9の各皮膚化粧料組成物を使用してもらい、さらさら感について、下記評価基準に基づいて評価した。ここで、「さらさら感」とは、皮膚化粧料組成物を塗布した肌を指先で触った際に、指先が抵抗なく(べたつかず)、肌上をすべる状態をいう。
−さらさら感の評価基準−
◎:良好と回答したものが20名中16名以上。
○:良好と回答したものが20名中10〜15名。
△:良好と回答したものが20名中4〜9名。
×:良好と回答したものが20名中3名以下。
【0052】
<テカリのなさの評価>
男女パネラー計20名に、実施例1〜16及び比較例1〜9の各皮膚化粧料組成物を使用してもらい、室温下で6時間後のテカリのなさ(テカリが抑えられた感じ)を、下記評価基準に基づいて評価した。ここで、「テカリ」とは、皮脂の過剰な分泌により、肌が光って見えてしまう状態をいう。
−テカリのなさの評価基準−
◎:良好と回答したものが20名中16名以上。
○:良好と回答したものが20名中10〜15名。
△:良好と回答したものが20名中4〜9名。
×:良好と回答したものが20名中3名以下。
【0053】
<再分散性の評価>
実施例1〜16及び比較例1〜9の各皮膚化粧料組成物を、硬質透明ガラス瓶50mLに約45g充填し、25℃の恒温槽に7日間静置した後の各試料を、正立、倒立を繰り返し振り、下記評価基準に基づいて評価した。ここで、「再分散」とは、容器底部に沈降・ケーキングした粒子が「振盪」により分散媒中に分散する状態をいう。
−再分散性の評価基準−
◎:正立及び倒立の繰り返しが10回以下で再分散した。
○:正立及び倒立の繰り返しが11〜15回で再分散した。
△:正立及び倒立の繰り返しが16〜20回で再分散した。
×:正立及び倒立の繰り返しが20回以上で再分散した、又は再分散しなかった。
【0054】
【表1】

【0055】
【表2】

【0056】
【表3】

【0057】
表1〜3の結果から、(A)〜(C)成分を含み、かつ、(B)成分及び(C)成分の含有量がそれぞれ一定の範囲内である実施例1〜16の皮膚化粧料組成物は、前記各要件の少なくともいずれかを満たさない比較例1〜9の皮膚化粧料組成物に比べ、さらさら感、テカリのなさ、及び、再分散性のいずれにも優れた皮膚化粧料組成物であることがわかった。
【0058】
なお、前記実施例及び比較例で使用した各成分の詳細は以下の通りである。
【0059】
【表4】

【0060】
*1:(A)成分の「平均粒径」は、電子顕微鏡(S−2380N、(株)日立製作所)で粉体粒子を観察し、粒子同士が重なり合っていないもの100個を無作為に選び出し、粒子径を測定して、それらの平均を算出した値である。また、「真比重」は、20℃条件下、ピクノメーター法にて測定した値である。また、粉体の形状の測定は、電子顕微鏡(S−2380N、(株)日立製作所)でのSEM観察により行い、「真球状」とは、電子顕微鏡で粉体粒子の電子顕微鏡写真を撮影し、粒子同士が重なり合っていないもの100個を無作為に選び出し、粒子の投影像が真円のもの、及び、投影像の外接円を描かせ、外接円の半径の90%の半径を有する同心円と外接円との間に投影像の輪郭が全て含まれる形状を有しているものの合計(表4中、「球状の割合」)が、100個中70個以上のものとした。
*2:(C)成分の「粘度」は、B型粘度計((株)東京計器)を用い、20℃の条件下、ローターNo.4、12rpm、1分で測定した値である。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の皮膚化粧料組成物は、例えば、顔や全身用の化粧水(ローション)として好適であり、中でも、前記皮膚化粧料組成物は、さらさら感、テカリを抑える効果、及び、再分散性に優れることから、脂性肌の人用の化粧水(ローション)として、特に好適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)真球状の無機系粉体、及び、真球状の有機系粉体の少なくともいずれかと、
(B)スルホ石炭酸亜鉛、及び、クロルヒドロキシアルミニウムの少なくともいずれかからなる多価金属化合物と、
(C)カルボキシビニルポリマー、及び、アルキル変性カルボキシビニルポリマーの少なくともいずれかと
を含有し、かつ、前記(B)スルホ石炭酸亜鉛、及び、クロルヒドロキシアルミニウムの少なくともいずれかからなる多価金属化合物の含有量が、0.3〜1.5質量%であり、前記(C)カルボキシビニルポリマー、及び、アルキル変性カルボキシビニルポリマーの少なくともいずれかの含有量が、0.01〜1.0質量%であることを特徴とする皮膚化粧料組成物。
【請求項2】
(A)真球状の無機系粉体、及び、真球状の有機系粉体の少なくともいずれかが、無水ケイ酸、ナイロン、及び、ポリアクリル酸エステル系粉体から選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載の皮膚化粧料組成物。
【請求項3】
(A)真球状の無機系粉体、及び、真球状の有機系粉体の少なくともいずれかと、(B)スルホ石炭酸亜鉛、及び、クロルヒドロキシアルミニウムの少なくともいずれかからなる多価金属化合物との合計含有量に対する、(C)カルボキシビニルポリマー、及び、アルキル変性カルボキシビニルポリマーの少なくともいずれかの含有量が、質量比で、(C)/[(A)+(B)]=0.0020〜0.4000である請求項1から2のいずれかに記載の皮膚化粧料組成物。

【公開番号】特開2009−155266(P2009−155266A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−335320(P2007−335320)
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】