説明

皮膚彩色用固形描画材

【課題】
皮膚上に描画する彩色用固形描画材で、点描様の描線または塗布面が得られやすく、皮膚面への固着性が良く、曲げ、引張り、衝撃等の機械的強度にも優れた皮膚描画用固形描画材を得ることを目的とする。即ち、皮膚に描画した際に、一見すると刺青(タトゥ)のような描線あるいは塗布面が得られる皮膚描画用固形描画材を提供することを目的とする。
【解決手段】
金属酸化物を含有した複合多孔質体と色材と香料、界面活性剤、潤滑剤、定着剤等からなり、色材など熱に弱い材料以外の材料を混練し、押出機にて押出成形し、加熱して得られた多孔質焼成芯体に色材を含浸させることや、顔料前駆体を含む液を芯体に含浸させ、開気孔内で顔料化させることにより、顔料を充填させて着色することによって解決した。
なし

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚上に描画する彩色用固形描画材に係り、点描様の描線または塗布面が得られやすく、皮膚面への固着性が良く、曲げ、引張り、衝撃等の機械的強度にも優れた皮膚描画用固形描画材に関する。即ち、皮膚に描画した際に、一見すると刺青(タトゥ)のような描線あるいは塗布面が得られる皮膚描画用固形描画材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、刺青(タトゥ)について、不要になっても消去出来ない、あるいは、消去するには著しく身体を傷つけるなどの欠点があるにも関わらず、ファッションとして刺青を施す人々が出現している。このような重大な欠点を回避するために、予め模様を印刷したシートをシール状に粘着剤を塗布したものが使用されるようになった。しかし、この方法では予め印刷を施したシートを用意せねばならない。このため、使用者自身の気に入った紋様を逐次施すことは中々出来ない。このような需要に対し、一部の化粧料や筆記具が皮膚彩色用に流用されているが、刺青様の点描のような塗布面が得られるように、配合や物性などをコントロールして工業的に生産されている皮膚用の描画材は存在しなかった。
【0003】
化粧用の固形描画材としては、体質材、バインダー、顔料の混合物に加熱溶融したワックスを添加して混捏し得られた混捏物に香料入りのマイクロカプセルを添加して混練・均一となし断面が円形となるように成形し乾燥するなどして固形芯体となした固形描画材が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1については、基本的には従来の鉛筆芯、色鉛筆芯、クレヨン、パス、コンテ、チョーク等に香料入りのマイクロカプセルを添加して化粧用途としただけであり、皮膚上に描画する上での塗り易さや発色性、描画材自体の機械的強度等については何ら考慮されていない。
【0004】
ところで本出願人はメソポーラス材料を骨格として用い、強度などの調整や化粧料成分の含有量を自在に変化させられる棒状化粧料を出願している。(特許文献2)更に金属酸化物中に水溶性有機高分子を含有した複合多孔質体を含む化粧料を出願している。(特許文献3)これらの化粧料の塗布面は、接近して見れば粉体が密集して塗布されていることが分かるものの、普通に(離れて)見た場合には均一な塗布面に見え、点描と見てもらうようなものでは無い。
【特許文献1】特開平3−39300号(特許請求の範囲等)
【特許文献2】特願2004−74665
【特許文献3】特願2004−175725
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、皮膚上に描画することを前提として、点描様の描線または塗布面が得られやすく、皮膚面への固着性が良く、曲げ、引張り、衝撃等の機械的強度にも優れた皮膚描画用固形描画材を提供することを目的とする。即ち、皮膚に描画した際に、一見すると刺青(タトゥ)のような描線あるいは塗布面が得られる皮膚描画用固形描画材を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題等に鑑み、これを解決しようとするものであり、金属酸化物を含有した複合多孔質体と染顔料などの色材あるいはインキ組成物とからなり、香料、界面活性剤、潤滑剤、定着剤等を含有させることによって、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明の皮膚描画用固形描画材は、次の(1)〜(9)に存する。
(1)少なくとも金属酸化物を含有した複合多孔質体と、該複合多孔質体に、染料、顔料、および、染料および/または顔料が含まれるインキ組成物、から選ばれる少なくとも1種の色材が含有されることを特徴とする皮膚彩色用固形描画材。
(2)前記複合多孔質体として、酸化物セラミック、窒化物セラミック、燐酸化物セラミック、炭化物セラミック、珪酸化物セラミック、ホウ化物セラミックから選ばれる少なくとも1種のものが含まれることを特徴とする(1)に記載の皮膚彩色用固形描画材。
(3)前記複合多孔質体が、酸化物セラミック、窒化物セラミック、燐酸化物セラミック、炭化物セラミック、珪酸化物セラミック、ホウ化物セラミックから選ばれる少なくとも1種と有機物及び/又は金属との複合物であることを特徴とする(1)に記載の皮膚彩色用固形描画材。
(4)前記複合多孔質体が、メソポーラス材料であることを特徴とする(1)〜(3)の何れか一つに記載の皮膚彩色用固形描画材。
(5)メソポーラス材料のメソ孔が直径2nm〜1μmの範囲である(4)に記載の皮膚彩色用固形描画材。
(6)前記複合多孔質体に、香料が含有されていることを特徴とする(1)〜(5)の何れか一つに記載の皮膚彩色用固形描画材。
(7)前記複合多孔質体に、界面活性剤が含有されていることを特徴とする(1)〜(6)の何れか一つに記載の皮膚彩色用固形描画材。
(8)前記複合多孔質体に、潤滑剤が含有されていることを特徴とする(1)〜(7)の何れか一つに記載の皮膚彩色用固形描画材。
(9)前記複合多孔質体に、定着剤が含有されていることを特徴とする(1)〜(8)の何れか一つに記載の皮膚彩色用固形描画材。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、前記のように構成されており、金属酸化物を含有した複合多孔質体は大きな表面積を有するため、多くの色材あるいはインキ組成物、香料、界面活性剤、潤滑剤、定着剤等を包含させることができ、いろいろな特徴を持たせることが可能である。このような皮膚用固形描画材は、塗布しやすくし、固着性を持たせることが出来る。また、複合多孔質体をメソポーラスのセラミック多孔体とすることで、曲げ強度、引張強度、衝撃強度等の機械的強度に優れたものとすることが出来、固形描画材として最適である。加えて、セラミック材料は、含有された色材がドライな発色性を示すため、皮膚上に塗布した場合、点描状の塗布面が得られるため、刺青(タトゥ)に近い発色をうるので擬似タトゥ用として用いることが可能である。
【0008】
本発明は、インキ組成物等の色剤を含有させた固形描画材であるため、液体の塗布液に比べて「ベタ塗り」にならず、「タレ」や「染み込み」が無いのが特長で、固形描画材独特の「かすれ具合」も皮膚に描画した場合、点描様の塗布面を得るのにも効果がある。また、クレヨン、色鉛筆など他の固体筆記具(描画材)より柔らかく、皮膚上に描画するには適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、本発明を実施するための最良の実施形態を詳しく説明する。まず、本発明の皮膚用固形描画材の金属酸化物を含有した複合多孔質体は、一般的にセラミックとされているものに分類されているものであればいずれも使用することでき、多孔質の粉体とすることによって、いろいろな添加剤を、その「孔」の中に包含させることが可能になる。
【0010】
また、セラミック材料としては、種々のものを用いることが可能であり、例えば、ケイ素、チタン、ジルコニウム、アルミニウム等金属の酸化物、窒化物、リン酸化物のいずれも用いることができるが、必ずしも、これに限定されるものではない。通常、これらは単独で用いることになるが、2種類以上を混合して用いることも可能であり、目的とする成形体の形状や成形方法によって適宜選択される。
【0011】
これら多孔質体の「孔」の径を調節することで、所謂、メソポーラス粉体とすることにより、種々の色材やインキ成分を包含させ易くなり、かつ、樹脂などの固着剤を包含させることによって、スティック状など実使用の形態に粉体を成形した場合に曲げ強度、引張強度、衝撃強度等の機械的強度に優れたものとすることが出来る。この、「孔」(メソ孔)の径で特に有用な範囲としては2nm〜1μmの範囲であり、この範囲であれば大抵の添加剤、顔料などの粒子を包含することが可能である。
本発明の皮膚彩色用固形描画材における多孔質体の含有量としては、固形描画材全量に対して0.1〜50重量%、好ましくは0.1〜20重量%が望ましい。
この多孔質体の含有量が0.1重量%未満では、成形時の造形や均一性等が著しく損なわれ、一定形状の成形体を得ることが難しくなり、また、該成形体の強度も著しく弱いものとなる。一方、多孔質体の含有量が50重量%を超えると、強度は高くなるが、硬くて塗布できなかったり、摩耗しづらくなったりするなどの弊害が生じる。
【0012】
色材としては、一般的にインキ組成物として分類されているものであればいずれも使用でき、公知の染料や顔料等の着色材を水、動植物油、合成油、アルコール類、炭化水素油当に溶解、分散させ、あるいは必要に応じて樹脂、界面活性剤等を更に添加し、製造された、一般的な印刷用インキ、スタンプ用インキ、ボールペン用インキ、水性筆記具用インキとして用いられる、水性顔料インキ、水性染料インキ、油性顔料インキ、油性染料インキを用いることができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
更に、用いることの出来る色材として、通常の描画材と同様、顔料あるいは染料を挙げることができる。顔料としては、例えば、酸化チタン、鉄黒、カーボンブラック、紺青、群青、青色1号、弁柄、黄酸化鉄、酸化クロム、水酸化クロム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化コバルト、魚鱗箔、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、青色2号、青色404号、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、黄色4号、黄色5号、緑色3号等が挙げられる。染料としては、スダンレッド、DC Red 17、DC Green6、β−カロテン、ダイズ油、スダンブラウン、DC Yellow 11、DC Violet 2、DC Orange 5、キノリンイエロー、アナットー(annatto)、カルテノイド誘導体、例えばリコペン、β−カロテン、ビキシン及びカプサンチン(capsanthin)、及び/又はこれらの混合物、これらの染料は脂溶性である。水溶性染料、例えば硫酸銅、硫酸鉄、水溶性スルホポリエステル、ローダミン、天然染料(カロテン、ビート根の絞り汁)、メチレンブルー及びカラメル、も使用することができる。これら色材は単独で、または2種以上混合して用いることができる。
この色材の含有量としては、多孔質体組成物中に、0.1〜30重量%、好ましくは5〜15重量%とすることが望ましい。
【0013】
本発明において、複合多孔質体中には、更なる十分な発色性、描線濃度、塗布感、機械的強度、趣向性等を向上させる点から、香料、界面活性剤、潤滑剤の少なくとも1種を適宜量更に含有せしめることができる。
香料としては、一般的に香料として分類されているものであればいずれも使用することができ、天然香料であっても合成香料であっても使用することができる。
天然香料としては、例えば、ローズ、ジャスミン、チュベローズ、イランイラン、ラベンダー、アイリス、ヴァイオレット、ミモザ等の植物性香料、アンバー、ムスク、シベット、カストリウム、ムスクラット等の動物性香料などが挙げられ、また、合成香料としては、例えば、アルデヒド等をブレンドさせたものや、単離香料が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
これらの香料の含有量としては、複合多孔質体組成物中に、1〜15重量%、好ましくは5〜15重量%とすることが望ましい。
【0014】
本発明で用いられる界面活性剤としては、一般的に界面活性剤に分類されているものであればいずれも使用することができ、イオン型界面活性剤であっても、非イオン型界面活性剤であっても使用することができる。
イオン型界面活性剤としては、例えば、カルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩等のアニオン界面活性剤や、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、アルキルピリジウム塩等のカチオン活性剤や、アミノ酸型、ベタイン型、スルホン酸塩型、リン酸エステル塩型等の各両性界面活性剤などが挙げられ、非イオン型界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコール型、多価アルコール型が挙げられるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
この界面活性剤の含有量としては、好ましくは、複合多孔質組成体中に、1〜80重量%、更に好ましくは、1〜30重量%とすることが望ましい。
【0015】
本発明で用いられる潤滑剤としては、一般的に潤滑剤に分類されているものであればいずれも使用することができ、潤滑剤であっても、グリースであっても使用することができる。
潤滑剤としては、例えば、エンジンオイル等の鉱物油、シリコーンオイル、エステルオイル等の合成油、ヒマシオイル等の植物油からなり、グリースとしては、カルシウム石鹸グリース、リチウム石鹸グリース等の石鹸系、ベントングリース、シリカゲルグリース等の非石鹸系が挙げられるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
この潤滑剤の含有量としては、複合多孔質体中に、5〜80重量%、好ましくは10〜30重量%とすることが望ましい。
【0016】
定着剤としては、従来固形描画材にバインダーとして使用されているものであれば特に限定されるものではなく、いずれも使用可能である。例えば、油脂やワックス類、カルボキシルメチルセルロース等のセルロース類、ポリビニルピロリドン等のポリビニル類、ポリオキシエチレン等のポリエーテル類、ポリアクリル酸等のアクリル酸類、テトラエチルオルソシリケート(TEOS)縮合体等の無機高分子、モンモリロナイト等の粘土、セラミックガラス等が挙げられる。当然これら数種類の混合物も使用できる。更にはメソポーラス材料もバインダーとなりうる。
【0017】
前記したような成分に加え、本発明の皮膚用固形描画材は体質材も加えることが出来る。体質剤としては、従来固形描画材に使用されているものであれば特に限定されるものではなく、いずれも使用可能である。例えば、窒化ホウ素、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウム等の白色系体質材や、色相によっては、二硫化モリブデン等の有色系の体質材も使用することができ、当然これら数種類の混合物も使用できる。特に好ましくは、その物性、形状から、窒化ホウ素、カオリン、タルクが挙げられる。更には、メソポーラス材料も体質材となりうる。
【0018】
本発明の皮膚用固形描画材を製造するには、色材以外の材料を混練し、押出機にて押出成形し、加熱して得られた多孔質焼成芯体にインキ等の色材を充填させることも可能であるが 、顔料前駆体を含む液を芯体に含浸させ、開気孔内で顔料化させることにより、顔料を充填させて着色することも可能である。
【実施例】
【0019】
次に、本発明を具体的な実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0020】
(実施例1)
テトラエトキシシラン50gをエタノール50gで希釈し、ポリオキシエチレン(分子量400)を50g徐々に滴下し、1時間混合後、0.1N−HCL水溶液を100g滴下して6時間混合し、溶液Aを得る。
配合組成物:
溶液A 30.0重量%
DPPレッド 20.0重量%
酸化チタン 5.0重量%
タルク 30.0重量%
カオリン 15.0重量%
上記配合組成物を混練し、押出機にて細線状に押出成形し、空気中80℃で24時間乾燥後、更に蒸留水で超音波洗浄を1時間、マイクロ波加熱(2.45GHz・700W)を3分間行い、赤色多孔質芯を得る。これにリンシードオイルを含浸し、皮膚彩色用固形描画材を得る。
【0021】
(実施例2)
配合組成物:
シリコーンゴム(KE−12、信越シリコーン社製) 50.0重量%
硬化剤(CAT−RM、信越シリコーン社製) 0.03重量%
窒化ホウ素 50.0重量%
上記配合組成物を2本ロールで混練し、更に3本ロールで分散した後、この混練物をスクリュー型押出機にて細線状に押出成形し、空気中で700℃まで昇温して5時間焼成し、白色焼成芯体を得た。次に、赤色インキを含浸させて皮膚彩色用固形描画材を得る。
【0022】
(実施例3)
配合組成物:
カオリン 60.0重量%
タルク 25.0重量%
酸化チタン 5.0重量%
ベントナイト 10.0重量%
上記配合物を混練し、押出機にて細線状に押出成形し、空気中800℃で1時間焼成後、赤色インキを含浸させて皮膚彩色用固形描画材を得る。
【0023】
(実施例4)
配合組成物A:
テトラエトキシシラン 35.0重量%
エタノール 16.0重量%
6N塩酸 0.6重量%
精製水 4.7重量%
上記配合組成物Aを窒素流通させながら80℃で5時間攪拌して反応させた後、105℃で120分乾燥後の固形分量が40%となるようにエタノールで濃度調整し、ポリシロキサンA溶液を回収した。
配合組成物B:
窒化ホウ素 30.0重量%
赤色401 30.0重量%
ポリシロキサンA溶液 30.0重量%
上記配合物Bをミキサーで混合、分散させた後に3本ロールで混練しながら溶剤量を調整し、この混練物を押出機にて細線状に押出成形し、残留する溶剤を除去すべく空気中50℃で10時間乾燥した。
更に、周波数2450MHHz、出力500W、空気雰囲気下で5分間硬化処理を行い、皮膚彩色用固形描画材を得た。
【0024】
(実施例5)
配合組成物:
溶液A 30.0重量%
天然香料(ジャスミン) 10.0重量%
カオリン 21.5重量%
タルク 20.0重量%
DPPレッド 10.5重量%
酸化チタン 8.0重量%
上記配合組成物を混練し、押出機にて細線状に押出成形し、更にマイクロ波加熱(2.45GHz・700W)を3分間行い、赤色皮膚彩色用固形描画材を得た。
【0025】
(実施例6)
配合組成物:
テトラエトキシシラン 10.0重量%
0.1mol%・NaOH水溶液 1.0重量%
ポリオキシエチレン(n=23)ラウリルエーテル 30.0重量%
チタン被覆マイカ 30.0重量%
DPPレッド 10.0重量%
カオリン 19.0重量%
上記配合組成物を混練し、押出機にて細線状に押出成形し、空気中で80℃まで昇温して72時間乾燥し、更にマイクロ波加熱(2.45GHz・700W)を3分間行い、皮膚彩色用赤色パール固形描画材を得た。
【0026】
以上の実施例のようにして得られた本発明の皮膚用固形描画材は、点描様の描線または塗布面が得られやすく、皮膚面への固着性が良く、曲げ、引張り、衝撃等の機械的強度にも優れた皮膚用彩色描画材であった。更に、皮膚に描画した際に、一見すると刺青(タトゥ)のような描線あるいは塗布面が得られた。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも金属酸化物を含有した複合多孔質体と、該複合多孔質体に、染料、顔料、および、染料および/または顔料が含まれるインキ組成物、から選ばれる少なくとも1種の色材が含有されることを特徴とする皮膚彩色用固形描画材。
【請求項2】
前記複合多孔質体として、酸化物セラミック、窒化物セラミック、燐酸化物セラミック、炭化物セラミック、珪酸化物セラミック、ホウ化物セラミックから選ばれる少なくとも1種のものが含まれることを特徴とする請求項1に記載の皮膚彩色用固形描画材。
【請求項3】
前記複合多孔質体が、酸化物セラミック、窒化物セラミック、燐酸化物セラミック、炭化物セラミック、珪酸化物セラミック、ホウ化物セラミックから選ばれる少なくとも1種と有機物及び/又は金属との複合物であることを特徴とする請求項1に記載の皮膚彩色用固形描画材。
【請求項4】
前記複合多孔質体が、メソポーラス材料であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の皮膚彩色用固形描画材。
【請求項5】
メソポーラス材料のメソ孔が直径2nm〜1μmの範囲である請求項4に記載の皮膚彩色用固形描画材。
【請求項6】
前記複合多孔質体に、香料が含有されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の皮膚彩色用固形描画材。
【請求項7】
前記複合多孔質体に、界面活性剤が含有されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載の皮膚彩色用固形描画材。
【請求項8】
前記複合多孔質体に、潤滑剤が含有されていることを特徴とする請求項1〜7の何れか一つに記載の皮膚彩色用固形描画材。
【請求項9】
前記複合多孔質体に、定着剤が含有されていることを特徴とする請求項1〜8の何れか一つに記載の皮膚彩色用固形描画材。









【公開番号】特開2006−169161(P2006−169161A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−363493(P2004−363493)
【出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【出願人】(000005957)三菱鉛筆株式会社 (692)
【Fターム(参考)】