説明

皮膚洗浄剤組成物及び使用方法

本発明は、適用した領域に残したまま水で洗い流す必要がない局所適用のための液体洗浄製品に関する。局所適用された場合、洗浄製品は皮脂や皮膚上の微生物のレベルを比較的短い時間で効果的に減少させる。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
[関連出願へのクロスリファレンス]
この出願は、出典明示により全体がここに取り込まれる2002年5月20日出願の米国仮出願第60/381926号に基づく優先権を主張する。
【0002】
[発明の背景]
1.発明の技術分野
本発明は、皮膚及び動物の毛髪、皮膚、爪及び隣接組織への、局所適用に有用な皮膚洗浄剤組成物に関する。
【0003】
2.先行技術の説明
ヒトの手を石鹸と温水で洗うことは皮膚表面を洗浄しかつ微生物を減少させる効果的な手段であることはよく知られている。しかしながら、手を十分に乾かさないと、微量な残留水が細菌や真菌、例えば酵母やカビに生育場所を与えることがある。これは概して集団に深刻な驚異を与えるものではないものの、集団感染の傾向が高い病院環境では、如何なる汚染リスクも最小にすることが望ましい。
【0004】
過去数年にわたって、水での洗浄法を用いないで皮膚、毛髪及び爪を効果的に洗浄殺菌する液体洗浄製品を製剤化する研究努力が払われている。これら液体洗浄製品の多くは組成物中に比較的高い濃度又は重量パーセントで有機系アルコールや他の成分、例えば塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ヘキシルレゾルシノール及びヨードチンキを配合するものである。アルコール類は製品を素早く乾燥させるが、許容できない度合いまで皮膚を乾燥させてしまい、皮膚を痒くし、皮膚にひびや擦り剥きを生じさせる。また、アルコール類は可燃性で、胞子生成カビ又は胞子生成細菌に対しては有効ではなく、皮脂のような油を皮膚から十分に落とすことができない。
【0005】
従って、皮膚又は毛髪に適用したときに水がなくとも効果があり、更には皮膚や毛髪に対してやさしく、広い範囲の微生物に対して一層効果的な、洗い流し不要の局所適用用液体洗浄組成物を開発する必要性がある。
【0006】
[発明の概要]
本発明は適用した領域に残したままにすることができ水で洗い流す必要がない局所適用用液体洗浄製品に関する。該洗浄製品は、局所適用されると、皮膚上の望ましくない油や微生物のレベルを比較的短い時間で効果的に減少させる。更に、該洗浄製品は速やかに乾燥し、反復使用によって皮膚や毛髪に損傷を与えたり乾燥を引き起こすことはない。該洗浄製品は水溶性保湿剤を含有していてもよく、それによって皮膚に保湿効果をもたらす。
【0007】
本発明は有効量の二酸化塩素化合物を含有する洗浄剤組成物を提供する。該洗浄剤組成物は乾燥過程を進ませる薬剤及びエモリエント又は皮膚保湿のための油を更に含有しうる。本発明はまたここに記載した洗い流さなくてもよい洗浄剤組成物を使用して、皮膚の油(皮脂)及び微生物のレベルを減少させる方法にも関する。
【0008】
[例示的実施態様の詳細な記載]
本発明は、動物の毛皮を含む、ヒト及び動物の皮膚、毛髪及び爪に使用する液体洗浄組成物に関する。
本発明の組成物は、適用領域から酸化によって、皮脂及び死んだ皮膚細胞のような有機性屑を除去するのに効果的な有効量の二酸化塩素化合物を含有する。本発明の洗浄組成物中に存在する二酸化塩素化合物はまた酸化プロセスを介して適用領域から微生物を除去する。
【0009】
ここで使用されるところの「洗浄剤(クレンザー)」という用語は、適用領域から油/皮脂及び有機性屑を取り除くことができ、適用部位から微生物を取り除くことができ、適用部位を酸化することができる組成物を意味するものである。同様に、ここで使用されるところの「洗浄」という用語は洗浄剤の適用領域から油/皮脂及び有機性屑を取り除き、適用領域から微生物を取り除き、適用領域を酸化することを意味するものである。
【0010】
本発明の一実施態様では、本発明の洗浄剤組成物は創傷及び外傷を被った皮膚の領域を洗浄するために使用される。ここで使用されるところの「創傷」という用語は、皮膚及び/又は外部体表面への外傷を含む状態を意味するものであり、限定されるものではないが次の症状を含む:皮膚の表面が傷ついた(無傷ではない)皮膚領域、外部表面火傷、圧迫潰瘍、外科すり傷(surgical wounds abrasions)及び他の外傷。これらの実施態様では、洗浄剤組成物は処置領域から望ましくない微生物を減少させ又は除去するのに役立ち、更に創傷領域を悪化させないで死んだ組織を除去するのに役立つ。創傷領域の洗浄は、治癒を促進することになる酸化過程を介して生じる。
【0011】
本発明のある種の実施態様では、乾燥過程に役立つ薬剤を含む。本発明のある種の実施態様では、乾燥剤はシリコーン成分である。本発明の他の実施態様は皮膚を保湿しリフレッシュさせるエモリエント剤を含有する。本発明の他の実施態様は、限定されるものではないが、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ヘキシルレゾルシノール、ヨードチンキ、イソプロピルアルコール及び塩化メチルベンゼトニウム又はその組み合わせを含む、皮膚洗浄剤に見出される一又は複数の成分を場合によっては含有していてもよい。
【0012】
本発明の液体洗浄剤は、抗微生物機能を付与し、また適用領域からの皮脂の除去に役立つ一又は複数種の二酸化塩素化合物を含有している。このような二酸化塩素化合物の例としては、限定されるものではないが、亜塩素酸ナトリウム、塩素酸ナトリウム及び亜塩素酸塩イオンがある。「二酸化塩素発生化合物」及び「二酸化塩素化合物」という用語はここでは交換可能に使用する。本発明の一実施態様では、二酸化塩素化合物は二酸化塩素を含有する水溶液である。該水溶液は二酸化塩素ガスを精製水中に溶解させることによって調製される。
【0013】
本発明の液体洗浄剤組成物は、ヒト及び動物のための、皮膚洗浄剤、落屑スクラブ洗浄剤、微小皮膚剥離製品(micro-dermabrasion product)、皮膚消毒剤、又はシャンプーの形態でありうる。
本発明の一実施態様では、組成物中に存在する二酸化塩素化合物の濃度は、約0.005重量%から約0.5重量%の範囲である。本発明の他の実施態様では、塩素化合物の濃度は約0.01から約0.4重量%の範囲である。本発明の更に他の実施態様では、二酸化塩素化合物の濃度は約0.03重量%から約0.15重量%の範囲である。
【0014】
場合によっては一又は複数のシリコーン系物質を本発明の液体洗浄剤組成物に含有させて、乾燥過程を更に補助するようにしてもよい。シリコーン系物質、例えばシクロメチコン、トリメチルシロキシシリケート又はその組み合わせを約5重量%から約35重量%の濃度で製剤中に含有させることができる。本発明のある実施態様では、乾燥剤はエチルアルコールであり、10%v/v未満の量で導入され、可燃製品中のアルコール量より十分に少量である。
【0015】
また、場合によっては湿潤剤を添加して本発明の液体洗浄剤組成物内での液体の保持を補助することができ、増粘剤を添加して液体洗浄剤組成物の粘度を変更させることができる。本発明の一実施態様では、湿潤剤は約0重量%から約5重量%の濃度で含有せしめられ、増粘剤は約0重量%から約6.5重量%の濃度で含有せしめられる。増粘剤はセルロース系物質、ヒュームドシリカ又はその組み合わせ、例えば約0重量%から約1.5重量%の濃度で添加されるメチルセルロースを、約0重量%から約5.0重量%の濃度で添加されるヒュームドシリカと組み合わせて使用できる。本発明の実施態様において使用できる他の増粘剤には、ポリアクリル酸骨格を含む高分子量のポリマーであるカルボマー(carbomers)が含まれる。
【0016】
場合によっては、エモリエント剤及び美的添加剤(aesthetic additives)、例えば香料及び/又は着色料をまた液体洗浄剤組成物に加えることができる。エモリエント剤又は保湿剤、香料及び着色料は必要に応じてまた消費者に許容される濃度で添加される。例えば、製剤は約0重量%から約1.5重量%の香料、染料又はその組み合わせを含有しうる。製剤はまた約0重量%から約5重量%の水溶性保湿剤、例えばグリセリン又はメトキシアミノプロピルPEG/PPG-7/13ジメチコンポリオール又はその組み合わせを含有してもよい。保湿剤は適用領域の保湿に役立つように洗浄剤製品に添加される。
【0017】
本発明の一実施態様は本発明の組成物を局所適用することを含むヒト又は動物の外部体表面の洗浄方法を提供する。
次の実施例は本発明に従って調製できる液体洗浄剤を例示するものである。ある種の洗浄剤の代表的な抗微生物性能データ及び皮脂除去データがまた含められる。提供される洗浄剤製剤は例示のためだけのものであって、範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0018】
A. 洗浄剤組成物の抗微生物効果の測定
目的:
この実験の目的は次の手順を用いて試験製品の抗微生物効果を評価することにある。
範囲:
10回の連続した製品適用の過程にわたって各適用時に1試験製品当たり4人のヒト患者を使用する試験製品の抗微生物効果で、微生物試料はベースラインと、1回、3回、7回及び10回の製品適用後に採取。セラチア菌(Serratia marcescens)(ATCC番号14756)がマーカー生物である。
試験物質:
手の殺菌洗浄剤
【0019】
装置:
ピペッター1.0mL容量
ピペッター0.1mL容量
ブンゼンバーナー
秒針付き時計
インキュベーター25℃+/−2℃
ボルテックスミキサー
冷蔵庫、2℃−8℃
【0020】
補充品:
滅菌した5.0mL容量の血清学用ピペット
滅菌した希釈管
滅菌したポリスチレンペトリ皿
滅菌したパウダーフリーの外科用手袋
滅菌した1.0mL容量のピペットチップ
滅菌した0.1mL容量のピペットチップ
70%エタノール
プロパンガス瓶
試験管ラック
【0021】
試験液及び培地:
サンプリング液
滅菌剥離液(SSF)
中和及び希釈液
中和剤製品を含むバターフィールドリン酸緩衝生理食塩水(BBP+)
中和剤製品を含む滅菌した剥離液(SSF+)
培地
トリプシン大豆寒天(TSA)
中和アッセイ及び接種調製のためのトリプシンソイブロス(TSB)
【0022】
試験法:
4人の被験者が10回の製品使用手順の過程にわたって一つの試験製品を使用した。
明らかに健康な18才より年上であるが70才より若い被験者を実験に参加させた。全ての被験者の手には、被験者と実験を危うくする臨床的に明らかな皮膚病、手及び前腕への傷、開放創、ささくれ、及び/又は任意の他の疾患はなかった。被験者は、局所適用又は全身性抗菌剤、ステロイド、又は正常な微生物叢に影響を及ぼすことが知られている任意の他の医薬を使用していることが分かった場合には実験には参加させなかった。
【0023】
接種調製物
セラチア菌(Serratia marcescens)(ATCC番号14756)を用いて試験製品の効果を調べた。セラチア菌の保存培養物を、寒天プレート又はスラントから一つのコロニーを10mLの滅菌トリプチケースソイブロス(TSB)に無菌的に移し、それをついで24+/−2時間、25+/−2℃でインキュベートした。500mLのTSBを含む1リットルのフラスコを0.5mLの24時間ブロスで接種し、移し、25+/−2℃で20+/−2時間インキュベートした。培養物の引き上げの前に、手の汚染の場合でも数のアッセイの場合でも、懸濁液を撹拌又振盪した。実験の使用期間の初めと終わりに生物数について懸濁液をアッセイした。懸濁液は6時間を越えては使用しなかった。
【0024】
中和
実験開始前に、セラチア菌(Serratia marcescens)を用いて、「Standard Practice for Evaluation Inactivators of Antimicrobial Agents Used in Disinfectants, Sanitizers,Antiseptic, or Preserved Products」(ASTM E1054-91)に従って、抗菌製品中和剤の適切性を確認した。
【0025】
試験期間
各被験者を、試験期間において、一日に二(2)時間又は三(3)時間の間、使用した。
ブランドの石鹸を使用して練習の洗浄を実施して、手からゴミや油を除去し、被験者を試験製品洗浄手順に慣れさせた。このために使用される水温と次の全洗浄サイクルを40℃+/−2℃に制御した。
【0026】
指定した試験日と試験時期に、およそ1.0x10cfu/mLのセラチア菌(Serratia marcescens)(ATCC番号14756)を含む5.0mLの一定分量の懸濁液を各被験者のカップ状の手の中に移した。接種液をついで両手に均等に分散させ、手首の上には達しないようにし、45秒の間、穏やかに連続して擦った。時間を計って2分の空気乾燥後に、被験者は以下の指示に従って試験製品を使用した。
1. 被験者のカップ状の手の中に5mLの試験製品を分配した。
2. 被験者は30秒の間、手を擦って泡立てた。
3. 被験者は30秒の間、手を洗い流した。
4. 被験者は使い捨てペーパータオルで手を軽く乾燥させた。
【0027】
各被験者は全部で連続10回の上述の接種/製品適用サイクルを実施した。各サイクル間は最小5分、最大15分あけた。1回、3回、7回、10回の接種/製品適用サイクル後に残留セラチア菌を手から採取した。全試料は以下に記載の手袋液採取手順を用いて採取する。
【0028】
手袋液採取手順
所定の製品適用手順に従って、パウダーフリーの緩くフィットする滅菌ラテックス手袋を着用した。指定されたサンプリング時に、製品中和剤を含まない75mLの滅菌剥離液を手袋に滴下した。手首を保護し、60秒間、均一な形で手袋を通して手を擦った。手袋の液体(希釈度10)の5.0mLの一定分量を取り除き、製品中和剤を含む滅菌剥離液及びバターフィールドリン酸緩衝液で段階希釈した。
【0029】
播種
二組の連続プレートをトリプシン大豆寒天を使用して適切な希釈物から調製した。プレートをおよそ48時間、25℃+/−2℃でインキュベートした。セラチア菌(Serratia marcescens)は赤いコロニーを産生し、そのコロニーだけをカウントした。
【0030】
分析方法
データの収集
回収した生存している微生物の数を、二枚プレートに対する、75X希釈因子X平均プレートカウントなる式を使用して推定した。それぞれの手から回収した生存している微生物の推定log10数を「R-値」とした。これは各サンプリング時での各被験者に対する調節された平均log10コロニーカウント測定値である。各R-値は次の式を使用して決定した:
R=log10[75 X CX 10−D X 2]
ここで、
75=各手袋に滴下した剥離液の量
=特定の希釈レベルでの各被験者に対する二枚のプレートカウントの算術平均コロニー数
D=希釈係数
2=中和希釈。
接種レベルのlogとR-値の差は対数減少又はV-値であり、次の式を使用して決定された:
V=LogI−R-値
ここで、
I=微生物の接種レベル
R=上の計算のR-値。
【0031】
所見及び結論:
手袋液試験を利用した手の消毒剤に対する2-log減少は有意な抗微生物活性を示した。3名のパネリストが実験を同時に開始した。4人目のパネリストが3時間後に実験を開始した。これは、最初の3人の被験者の場合よりも4番目のパネリストの方が最初の接種数が高かったためである。4番目のパネリストの対数減少はまた最初の3人のパネリストよりも高かった。
【0032】
手の消毒剤は4回の試験洗浄に対して最初の三人のパネリストで2.4のセラチア菌(Serratia marcescens)の平均対数減少を示した。4番目のパネリストは4回の試験洗浄に対して平均4.2の対数減少を示した。
手袋液試験の結果は、手の消毒剤がセラチア菌(Serratia marcescens)を減少させるのに効果的で、有意な抗微生物活性を示すことを示している。
【0033】
B.皮脂減少の実験
目的:
この実験の目的はヒトの毛髪及び皮膚での皮脂の減少における試験製品の効果を評価することにある。
範囲:
試験製品は、年齢、性別、皮膚状態の異なる3人の成人被験者を使用して評価した。
試験材料:
試験製品:水なしの皮膚洗浄剤及びシャンプー
【0034】
装置:
皮脂計SM810
補助品:
ペーパータオル
試験方法及び所見:
4(3)名の被験者は一つ(1)の試験製品を使用し、被験者一名当たり毛髪の三領域と皮膚の三領域を調べ処置した。
【0035】
無傷の皮膚での試験
皮脂計は平方センチ当たりの皮脂のマイクログラム数(マイクログラムはグラムの百万分の一)を測定する。皮脂の読み取りは各個人に対して3箇所の顔の皮膚領域で行った。全被験者の全部位についての最初の平均値は部位当たり209マイクログラムであった。
製品を飽和させたコットンナプキンを使用して、測定された選択皮膚領域に試験溶液を適用した。およそ4分間にわたって皮膚を空気乾燥させた。測定を同じ機器オペレーターが同じ位置で再度行った。洗浄剤の適用後の皮脂の読み取り値は平均47で、皮膚の平均の皮脂減少は78%であった。
【0036】
毛髪での試験
毛髪及び頭皮の三領域について同じようにして同一の被験者から皮脂読み取り値を取得した。全ての被験者の全ての部位に対する最初の平均値は176であった。試験溶液を毛髪に噴霧し、応答者がおよそ一分間素早く擦り、ついで応答者がペーパータオルで乾燥させ、およそもう2分にわたってできるだけ十分に空気乾燥させた。洗浄剤の適用後の皮脂読み取り値は平均30で、毛髪の皮脂レベルは83%減少していた。
【0037】
結論
およそ4分間にわたる皮膚の皮脂レベルの78%の減少及び毛髪上の83%の減少に基づいて、我々は、二酸化塩素洗浄剤溶液が、石鹸及び/又は水での一般的な洗浄を行わないでも皮脂レベルを低減させるのに非常に有効であると結論付けた。
【0038】
C.洗浄剤の実験室での実験
I 目的:試験製品がラベル記載の保存料及び/又は抗微生物特性を示すことを実証すること。
II 参考文献
21C.F.R.セクション333。局所適用用抗微生物薬剤のヒトへの使用のための一般用医薬製品。Microconsult, Inc. 試験方法MC-14。OTC薬物製品のための消毒試験法。
【0039】
III 試験生物:
次の微生物の培養物を保存培養物として維持し、それから作用する接種菌液を調製する。この試験で使用される生存している微生物は元の保存培養物から除去された5継代以下でなければならない。試験の目的に対しては一継代は樹立された培養物から新鮮培地への生物の移動として定義される。全ての移動はカウントされる。
A.大腸菌(ATCC番号8739)
B.黄色ブドウ球菌(ATCC番号6538)
【0040】
IV 材料:
A.蓋付きの試験管
B.10.0ml及び1.0mlの外科用ピペット
C.0.85%のリン酸緩衝生理食塩水又はペプトン水、pH7.0−7.2
D.ペトリ皿、培養ループ、及び他の微生物学用器具
V 培地:
A.レシチン及びTween80を含むトリプシン大豆寒天
【0041】
VI 手順
A 試験試料の調製
1.適切にラベルを貼った又はコード付けした6本の試験管のそれぞれに9.9mlの製品を正確にピペットで取る。
2.室温で試験試料を保存する。
【0042】
B.接種菌液の調製
1. 特定した微生物の各々の最近増殖させたストック培養物から適切な体積の固形寒天培地の表面に播種する。細菌培養物を18−24時間、30−35℃でインキュベートする。
2. 細菌培養物を収集するために、プレートからの試験微生物が満たされたループを、生理食塩水を含むチューブ中に入れてボルテックスする。接種レベルの濃度が生成物1ml当たり10−7から10−8微生物の間になるようにカウントを滅菌生理食塩水又は更なる微生物で調節する。
3. 滅菌リン酸緩衝生理食塩水での段階希釈によって接種懸濁液の各ミリリットル中の生存している微生物数を決定する。
4. 全生物に対して10−6、10−7及び10−8の希釈物を蒔く。
5. レシチン及びTween80を含む約20mlの45℃のトリプシン大豆寒天で覆う。
6. 双方の試験生物について30−35℃で48時間インキュベートする。
7. 試験生物をカウントする。
8. 接種菌液1ml当たりのコロニー形成単位(cfu/ml)として次のようにして生物数を計算する:
cfu/ml(0.1ml)/9.9ml=cfu/ml製品
【0043】
C.試料の接種及び播種
1. 0.1mlの各試験懸濁液を適切に標識した9.9mlの試験材料の試料中に各無菌的に移す。各試験生物を単一の9.9mlの試験材料試料中に純粋培養物として接種する。
2. ボルテックスによって全試料を十分に混合又は攪拌する。
3. 15秒及び5.0分の間、静置する。
4. 15秒と5.0分に一定分量を取り除き、9.9mlの滅菌生理食塩水に移す。
5. 10−2から10−6までの段階希釈を実施する。
6. 1.0mlの各希釈物を2通りの100x15mmペトリ皿中に移す。
7. レシチン及びTween80を含む約20mlの45℃のトリプシン大豆寒天で覆う。
8. 穏やかにプレートを回旋させ、固化させる。
9. プレートを35℃で48時間、25℃で48時間、インキュベートする。
【0044】
D.試料の評価
1. プレート及び適切なデータシート上の記録結果を読みとる。
2. 各試験微生物の接種菌液濃度の計算値を使用して、各死滅割合について各微生物の対数減少値を計算する。
【0045】
VII データ
A. 死滅割合の結果
1. 15秒の結果

【0046】
2. 5分の結果


【特許請求の範囲】
【請求項1】
約0.005重量%から約0.5重量%の二酸化塩素化合物を含有する液体洗浄剤組成物であって、ヒト及び動物の皮膚、毛髪及び爪並びに動物の毛皮への適用に適した洗浄剤組成物。
【請求項2】
乾燥剤を更に含有する請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
上記乾燥剤がシリコーン系物質である請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
上記乾燥剤がエチルアルコールである請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
湿潤剤を更に含有する請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
増粘剤を更に含有する請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
香料を更に含有する請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
上記香料が約0重量%から約1.5重量%の濃度で添加されている請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
着色料を更に含有する請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
一又は複数の保湿剤を更に含有する請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
上記一又は複数の保湿剤が約0重量%から約5重量%の濃度で添加されている請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
一又は複数の塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ヘキシルレゾルシノール、ヨードチンキ、イソプロピルアルコール及び塩化メチルベンゼトニウム又はその組み合わせを更に含有する請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
上記組成物が、ヒト及び動物のための、皮膚洗浄剤、落屑スクラブ洗浄剤、微小皮膚剥離製品、皮膚消毒剤、又はシャンプーである請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
組成物を局所適用するヒト又は動物の外部体表面の洗浄方法であって、組成物が約0.005重量%から約0.5重量%の二酸化塩素化合物を含有する方法。
【請求項15】
組成物が乾燥剤を更に含有する請求項14に記載の方法。
【請求項16】
上記乾燥剤がシリコーン系物質である請求項15に記載の方法。
【請求項17】
上記乾燥剤がエチルアルコールである請求項15に記載の方法。
【請求項18】
上記組成物が湿潤剤を更に含有する請求項14に記載の方法。
【請求項19】
上記組成物が増粘剤を更に含有する請求項14に記載の方法。
【請求項20】
上記組成物が香料を更に含有する請求項14に記載の方法。
【請求項21】
上記組成物が着色料を更に含有する請求項14に記載の方法。
【請求項22】
上記組成物が一又は複数の保湿剤を更に含有する請求項14に記載の方法。
【請求項23】
上記組成物が一又は複数の塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ヘキシルレゾルシノール、ヨードチンキ、イソプロピルアルコール及び塩化メチルベンゼトニウム又はその組み合わせを更に含有する請求項14に記載の方法。
【請求項24】
上記組成物が、外部体表面の傷に適用される請求項14に記載の方法。

【公表番号】特表2006−512304(P2006−512304A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−545204(P2004−545204)
【出願日】平成15年5月19日(2003.5.19)
【国際出願番号】PCT/US2003/015792
【国際公開番号】WO2004/034964
【国際公開日】平成16年4月29日(2004.4.29)
【出願人】(504430617)
【Fターム(参考)】