説明

皮膚用組成物

かみそり又は光ベースの装置(例えば、レーザー)などの装置を用いて、又は用いずに使用するための皮膚用組成物が本発明において提供される。組成物は、赤色の波長を有する光に曝されたとき、赤色の波長の光を実質的に透過する、又は実質的に吸収若しくは反射せず、皮膚を保護することができる。組成物中の成分は、機能性グループ:乾燥グループ、皮膚への有益性グループ、性能グループ、及びキャリアグループに区分され、ここで各グループは対応する機能性剤又は成分を有する。組成物を含む容器は、分配し易くするために、かみそり又は光ベースの装置と一体化されてもよい。組成物は速乾性である。蒸発後、組成物の1つ以上の非揮発性成分が皮膚上に残って、皮膚への有益性をもたらしてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野は、液体組成物(すなわち、配合物)、より詳細には、皮膚上での使用のための液体組成物であって、いずれかのかみそり又は光ベースの装置、例えば育毛管理のためのレーザー装置を用いて使用することもでき得る液体組成物である。
【背景技術】
【0002】
局所的な使用のための液体組成物は、一般的に当該技術分野において既知である。現在の液体組成物の大部分は、鉱油及び/又はポリ−グリコール系材料を有する。オイル及びグリコール溶液は、非揮発性成分を含有する場合があり、よってそれらが典型的に油っぽく、べたっとした感触であるため、一般的に使用後に除去する必要がある。
【0003】
先行技術の液体組成物、すなわちローションは、湿性から乾性まで、及び油性から脂性までの組成物の範囲、すなわちスペクトルに及ぶ。例えば、湿性ローション、例えばPurell(商標)Hand Sanitizer製品は、典型的により乾性のローションとして一般的に見なされているCoppertone Dry Sunなどの製品からの組成物、すなわち配合物スペクトルとは反対側にある。油性ローションには、保湿剤及びベビーオイル、ベビーオイルミスト又はゲルが挙げられる。組成物の範囲における脂性ローションには、ワセリン及び粘稠な鉱油製品が挙げられる。
【0004】
光ベースの製品、又は光が媒介する装置若しくはシステムは一般的に、低レベルの光放射を利用し、一般にレーザー装置として知られている。多くの内科医の診療室、温泉、及びサロンは、ワックス又は電界への代替として、不必要な毛髪の除去又は管理のために、これらのレーザー装置を使用する。現在、このような光ベースの製品と共に使用するために販売され、意図される液体組成物がある。これらの液体組成物は一般的に、光ベースの製品の機能性を補助し、及び/又は専門サービスの環境(内科医の診療室、温泉、又はサロン)において光ベースの処置を受ける消費者に、審美的効果を提供する。これらの液体組成物は、かかる光ベースの装置を用いるセッションのために、又はセッション中に直接調製で何度も塗布されることが意図される。
【0005】
1つの先行技術の液体組成物は、油っぽい又はべたっとしていると見なされる場合があり、かつレーザー毛髪除去装置と共に使用するために販売及び意図されたローションであるPalomar LuxLotion(商標)である。それは、皮膚に塗布されたときに、皮膚に均一に光を供給することによって、光の光学結合をもたらすような特性を有する。LuxLotion(商標)は、光ベースの毛髪管理装置との併用に関連する多くの望ましい工学要件を満たし得るが、それは、LuxLotion(商標)の塗布及び使用後に、ユーザーはローションを拭き取り又は洗って皮膚から落とす必要があり、これはローション塗布後に煩雑を生じさせるため、存続可能な消費者製品に不可欠な多くの審美的効果を提供しない。更に、ローションは、それが典型的に手によって分配されるため、一般的に分配するのは簡単ではない。
【0006】
したがって、多くの現在の液体組成物は、レーザー装置を用いて正しく機能し得るが、配合物中に使用される成分は一般的に、光ベースの製品と共に使用するための、ユーザーの望ましい要件の全てを満たしていない。多くの場合では、先行技術の液体組成物の不利な点は、それらが消費者によって望まれる審美的効果を提供しないということである。皮膚への塗布後、液体組成物(又はローション)に関するユーザーのための3つの基本的ではあるが、望ましい美的効果がある。1つの望ましい効果は、ローションの塗布後、皮膚からローションを除去するのに洗浄又は拭き取りの必要がないということである。これはユーザーにとって工程を節約し、これによってユーザーがその後すぐに、例えば不必要な毛髪を除去するためにかみそり又は光ベースの装置を使用できるようにする。
【0007】
上記の第1の利点に続く、第2の望ましい審美的効果は、ローションの使用後に散乱がないということである。「散乱がない」とは、一般的に、ユーザーが組成物を、それを塗布するために触る必要がない(すなわち、ハンズフリー)ということ、及び組成物それ自体が、それが接触するようになる表面、例えば布、カーペット、又は亜麻布を汚さないということを示す。したがって、ローションは揮発性である又は揮発性成分を有するということが望ましい。
【0008】
第3の望ましい利益は、ユーザーが、その皮膚の上に液体組成物を分配するのに容易な方法を有するということである。例えば、ローションを保持する容器は、光ベースの装置と一体化することができ、及び/又はローションを分配するのにユーザーが多くのエネルギーを費やすこと必要とせずに、ローションが容器から容易に流れることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、上記のこの3つの審美的効果を、例えば育毛管理システムなど、しかしこれに限らない光媒介装置の使用と併せて提供する液体組成物が望ましい。更に、ユーザーに魅力的なシステム又は装置を作製するためには、しかしながら、光媒介毛髪管理システム又は他の光ベースの装置を用いて最適に使用されるために望ましい組成物に関して、多くの工学基準がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、1つ以上の成分を含む皮膚用組成物を提供し、皮膚用組成物は、赤色の波長に曝された場合、組成物は赤色の波長の光を実質的に透過する、又は実質的に吸収しない、若しくは反射しない。
【0011】
一実施形態では、成分は、組成物の約55重量%の水、組成物の約25重量%のシリコーンエマルション、組成物の約10重量%のエタノール、組成物の約2重量%のグリセリン、組成物の約2重量%のパッションフルーツ(passiflora edulis)種子油、組成物の約2重量%のブチレングリコール、組成物の約1.5重量%でのグリセレス−18エチルヘキサノエート、組成物の約1重量%のグリセリングリセリルアセテート/アクリル酸コポリマー、ポリビニルメチル/無水マレイン酸コポリマー(ルブラジェル(lubrajel)オイル)、及び組成物の約0.5重量%のフェノキシエタノール、並びに組成物の約0.4重量%の芳香剤を含む。
【0012】
別の実施形態では、成分は、組成物の約40重量%〜約60重量%の水、組成物の約10重量%〜約45重量%のシリコーンエマルション、組成物の約20重量%のエタノール、組成物の約20重量%以下のグリセリン、組成物の約20重量%以下のヒドラマゾンパシフローラ(hydramazon passiflora)、及び組成物の約20重量%以下のフィテクセルジュジュブ(phytexcell jujube)、組成物の約5重量%以下のグリセリングリセリルアセテート/アクリル酸コポリマー、PVM/MAコポリマー(ルブラジェル(lubrajel)オイル)、並びに組成物の約5重量%以下のグリセレス−18エチルヘキサノエートを含む。
【0013】
一態様では、皮膚用組成物は光ベースの装置に一体化され、かつ感覚に働きかける合図を含んでもよい。別の態様において、皮膚用組成物は速乾性である。更に別の態様において、組成物の1つ以上の非揮発性成分は蒸発後、ユーザーの皮膚上に残り、非揮発性成分は組成物の約0.01重量%〜約20重量%の範囲で残る。
【0014】
皮膚用組成物は、乾燥剤、皮膚への有益剤、性能剤、及びキャリア剤を含み、組成物が赤色の波長を有する光に曝された場合、組成物は実質的に赤色の波長の光を透過する、又はこれを実質的に吸収しない、若しくは反射しない。乾燥剤は、シリコーンエマルション及びエタノールを含む。皮膚有益剤は、グリセリン、ヒドラマゾンパシフローラ(hydramazon passiflora)、フィテクセルジュジュブ(phytexcell jujube)、及び、これらの組み合わせからなる群から選択される。性能剤は、グリセリングリセリルアセテート/アクリル酸コポリマー、PVM/MAコポリマー(ルブラジェル(lubrajel)オイル)、グリセレス−18エチルヘキサノエート、及び、これらの組み合わせからなる群から選択される。キャリア剤は水を含む。
【0015】
本発明では、シリコーンエマルションは皮膚用組成物の約10重量%〜約45重量%であり、エタノールは組成物の約20重量%であり、グリセリンは組成物の約20重量%以下であり、ヒドラマゾンパシフローラ(hydramazon passiflora)は組成物の約20重量%以下であり、フィテクセルジュジュブ(phytexcell jujube)は組成物の約20重量%以下であり、ルブラジェル(lubrajel)オイルは組成物の約5重量%以下であり、前述のグリセレス−18エチルヘキサノエートは、組成物の約5重量%以下であり、水は組成物の約40重量%〜約60重量%である。
【0016】
本発明の別の態様において、皮膚用組成物は、複数の成分であって、組成物の1つ以上の非揮発性成分は蒸発後、ユーザーの皮膚上に残り、非揮発性成分は組成物の約0.01重量%〜約20重量%の範囲で残る、複数の成分を含む。残っている非揮発性成分は組成物の約3.5重量%であってもよい。組成物は速乾性である。皮膚用組成物は、赤色の波長に曝された場合、組成物は赤色の波長の光を実質的に透過する、又は実質的に吸収しない、若しくは反射しない。
【0017】
他に定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術的用語及び科学的用語は、本発明の属する分野の当業者に慣例的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されているのと同様又は同等の方法及び材料を本発明を実施又は試験するために使用することが可能であるが、好適な方法及び材料を以下に記載する。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、及び参照は、参照することによりその全体を本明細書に組み込む。不一致である場合、定義を含め本明細書は調整される。更に、材料、方法、及び実施例は一例に過ぎず、制限することを意図していない。
【0018】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0019】
新規液体組成物はユーザーに、彼らの皮膚からローションを除去するために、洗浄又は拭き取りが必要ない、散乱がない(すなわち、「ハンズフリー」)、及び容器又は装置を通じて組成物を分配する単純な方法があるという点において、審美的効果を提供する。
【0020】
新規液体組成物は、例えば医学的に安全であり、不快感からの解放をもたらし、皮膚を冷却し、皮膚上の毛髪を最小化し、及び皮膚を調整するなど、他の機能的な皮膚、毛髪、レーザーの使用の効果を提供する。
【0021】
本発明の処方範囲は、必要な場合、光ベースの装置を用いて、例えばレーザーベースの毛髪管理システムなどを用いて使用され得る液体組成物を示す。
【0022】
光ベースの装置を用いて使用するために、本発明の組成物は更に、光学的に透明であってもよく、600〜1000nmの、又は約600〜1000nmの赤色の波長の光において、光を実質的に光を反射しない。液体組成物は、光ベースの装置から光エネルギー(すなわち、光学放射線)を吸収し、よってユーザーの皮膚表面において熱を生成するため、赤色の波長の光は光ベースの装置との使用において顕著になる。この熱は、皮膚表面の「火傷」又は紅斑となる場合があり、それらは負傷を引き起こす場合があり、また、理想的な効果を生じるための望ましい位置に到達する光を遮断する、又はこの光の量を減少させる場合もある(例えば育毛管理レーザー装置の場合では、毛包の位置、及び皮膚内の浸透)。
【0023】
更に、液体組成物は望ましくは、かかる装置のユーザーに良好な滑り及び追跡をもたらし、同時に、装置の安全性若しくは速度センサー(例えば動作及び接触に関連するもの)、又は他の装置の機構に悪影響を与えない。
【0024】
塗布中及び塗布後にユーザーにとって魅力的な上記の望ましい審美的効果に加えて、本発明の組成物は低粘度を有し、使用中に調整可能な少量で又は適量で、正確に分解可能である。
【0025】
本発明の組成物は、いずれかの方法において皮膚に供給され得る。1つの機構は、一体化されたローション及び分配される組成物の量を分配するための、及び/又は調整するための供給機構を有する装置(例えば、かみそり又は光ベースの装置)含んでもよい。あるいは、組成物は、それ自体の分配(例えば、ポンプ)を有する容器から皮膚に供給されてもよい。
【0026】
したがって、本発明に定義された組成物の範囲(例えばヒドロアルコール性)は、上記の目的内で概要が記載された、工学要件及び美的要件の全てを満たす化学の分野を表す。
【0027】
用語「配合物」及び「組成物」は、本明細書において同等の意味を有すると意図され、同義的に用いられるということに留意されたい。更に、用語「液体」、「ローション」、又は「局所的な」はまた、本明細書において同等の意味を有するとして同義的に用いられる。また「毛髪管理」、「毛髪除去」、及び「育毛管理」は、本明細書において同義的に用いることができ、同等であると見なされる。
【0028】
本発明の実施形態では、かみそり又は光ベースの装置若しくはシステムを用いて使用することができる新規液体組成物は、実施例に示されるような成分を組み合わせる。以下で記載されるように、この新しい配合物は、ヒドロアルコール性揮発性シリコーンブレンドを有してもよく、多くの有効な特質をもたらす組成物を独自に供給する。
【0029】
本発明の組成物は、例えば良好な潤滑、刺激がない、若しくは刺激が低減されている、及びユーザーが拭き取る散乱が皮膚上にない又は皮膚上に何も残ってないなど、望ましい効果をもたらすための秘訣を提供する。更に、機能的効果は、赤色の波長の光(600〜1000nmの、又は約600〜1000nmの)を有し得るレーザー装置を用いて皮膚上で同時に使用されたとき、組成物が赤色の波長の光を吸収しない、又は実質的に反射するということである。
【0030】
新規液体組成物中の成分は、それらの機能性によって4つのカテゴリ(これに制限されない)(1)乾燥グループ、(2)スキンケア又は皮膚への有益性グループ、(3)性能グループ、及び(4)キャリアグループに分類され得る。グループは、皮膚科学的に許容可能な剤若しくは成分を有し、本発明の組成物は、グループ分け又は組み合わせに関係なく、赤色の波長を有する光に曝されたとき、赤色の波長の光(600〜1000nmの、又は約600〜1000nmの)を実質的に反射することができる。
【0031】
乾燥グループ中の成分又は剤は、皮膚上のローションの制御された蒸発又は乾燥を可能にする。皮膚への有益性グループ中の成分は、グリセリン、皮膚軟化剤、保湿剤、及びポリマーと共に見出された潤いを与える効果及び鎮静効果をもたらす。性能グループ中の成分及び剤は一般に潤滑性又は更に潤いを与える結果をもたらす。キャリアグループの剤又は成分は、一般に処方シャーシ、典型的には実施例に記載されているような水性ベースを表す。
【0032】
組成物の乾燥グループは、乾燥剤、例えば揮発性シリコーン又はシリコーンエマルションなど、例えばシクロメチコン(DC245)成分を利用して、滑り、良好な後の感触(after-feel)、及び望ましくは制御された蒸発若しくは乾燥時間をもたらし、同時に、アルコールは粘着(例えば粘着性)を抑制し、皮膚を冷却する。DC245剤は、約5〜15%のPEG−12、約20〜30%のシクロペンタシロキサン、約0.1〜2%のラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、及び約60〜80%の水を含んでもよい。例示の配合物は、本発明の組成物の25重量%の、又は約25重量%のDC245を含むことができる。
【0033】
本発明の組成物の他の乾燥剤はアルコールを含むことができる。アルコールの濃度は、感覚に働きかける合図(例えば、蒸発による冷却)を提供し、ユーザーが、かみそり又は光ベースの製品(若しくはレーザー)が彼らの皮膚上に塗布された場所を感じられるようにする。また、ある種のメントールが使用されて、この冷却感覚をもたらしてもよい。本発明の好適な配合物は、組成物の約10重量%の、又は約10重量%のエタノールを有してもよい。アルコール剤はまた、ユーザーが組成物を拭き取る必要がないよう、ユーザーの皮膚上で急速に蒸発又は乾燥することによって、組成物の乾燥する能力に影響を及ぼす。
【0034】
組成物の皮膚への有益性又はスキンケアグループには、皮膚、剃毛、及び光ベースの効果を供給するために、組成物内に配合された皮膚軟化剤、保湿剤、及びポリマーなどの剤が挙げられる。皮膚への有益性グループには、湿潤をもたらし、実施例に示されるような剤、グリセリン、及び/又は他の抽出物パッションフルーツ(passiflora edulis)種子油−ポリエチレングリコール(PEG)8エステル及びチャボトケイソウ(passiflora incarnata)種子油−PEG8エステル(ヒドラマゾンパシフローラ(hydramazon passiflora))、及びブチレングリコール、並びにナツメ(zizphus jujuba)果実抽出物(フィテクセルジュジュブ(phytexcell jujube))を挙げることができる。
【0035】
本発明の組成物の性能グループには、潤滑性又は水分をもたらす性能剤、例えばグリセレス−18エチルヘキサノエート、及びグリセリン及びグリセリルアクリレート/アクリル酸コポリマー、及びプロピレングリコール及びポリビニルメチル/無水マレイン酸(PVM/MA)コポリマー(すなわち、ルブラジェル(lubrajel)オイル)が挙げられる。
【0036】
本発明の組成物のキャリアグループには、いずれかの皮膚科学的に許容可能なキャリア剤、例えば水性ベースを提供する水が挙げられる。
【0037】
本発明の組成物中の成分若しくは剤は、それらが二重又は重複する効果をもたらす場合があるため、上記の機能性グループの1つ以上に該当する場合があるということに留意されたい。
【0038】
ユーザーの皮膚への配合物の塗布の後、分配されたローションは可視であり、有限期間、知覚可能であり、次いで乾燥し、よってユーザーの皮膚から組成物を除去するのに必要な洗浄又は拭き取りがない。本発明の組成物は、油っぽくなく、又はべたっとしていない。この特性は、ユーザーにとって工程を省略し、ユーザーが、かみそり又は光ベースの装置を使用して、不要な毛髪を除去するのを素早く終了するのを可能にする。
【0039】
更に、ローション組成物の使用後の散乱がない。上述のように「散乱がない」とは、ユーザーが組成物を、それを塗布するために触る必要がない(すなわち、「ハンズフリー」)ということ、及び組成物それ自体が、それが接触するようになる表面、例えば布、カーペット、又は亜麻布を汚さないということを示す。本発明の組成物は、ユーザーの手によって(望ましい場合)、光ベースの装置若しくはシステムを用いて使用することによって、又は他の手持ち式のアプリケーター(例えば、ポンプ容器)によって、皮膚上に直接的な塗布を通じて分配されてもよい。例えば、ローションを保持する容器は、ローションが容器から容易に流れ、分配するのにユーザーが多くのエネルギーを費やす必要がないように、光ベースの装置と一体化することができる。
【0040】
この液体組成物は、良好な滑りをもたらし、同時に、動作及び接触に関連する装置の安全性センサーに悪影響を与えない。更に、新規組成物は、低粘度で、適用中、及び適用後にユーザーにとって魅力的であり、かつ同様に、使用中に皮膚に少量で適切に分配可能である、処方範囲の領域を示す(すなわち、芳香剤、色、質感)。
【0041】
更に、本発明の望ましい態様によると、本発明の液体組成物は、それがユーザーにとって、特にレーザー装置の同時使用で視認性であるように、製品追跡を提供する(例えば、ユーザーは、どの皮膚領域が被覆されて、どこにレーザーベースシステムが塗布されたかを追跡するか、又は見て、知る)。これは本質的に、ユーザーに動作を要求することなく次第に消えるべきである可視の追跡信号(例えば、感覚に働きかける合図)として働く。本発明における可視性は、レーザー装置を用いて塗布した後、約数秒から数分以下、持続し得る。それは効果的に消える。よって、追跡の審美的効果は、適度に迅速なローション乾燥時間を有するという利点ももたらしつつ、これにより、ユーザーはその手又は他の手段を使用して、ローションをそれが乾燥したときに、拭き取る又は洗浄する必要がないために、別の望ましい審美的効果をもたらす。
【0042】
本発明の別の実施形態において、配合物の特性は、前述の効果(例えば、散乱がない、良好な滑り、視認性、揮発性等)のいずれも失うことなく、変更されてもよい。
【0043】
本発明の配合物の濃度及び成分への変更を余議なくされ得る一例は、皮膚にローションが供給される方法によって決まる。例えば、ローションは装置を通じて分配されない場合、ローションの揮発性は滑りを改善するために修正されてもよい。一方、ローションが、装置と一体化された分配機構を介して分配される場合、ローションの粘度は、分配機構及びアプリケーター表面との相互作用を考慮にいれて修正されてもよい。
【0044】
いずれの目的も、配合物中の濃度レベルを修正するための理由となり得る。
【0045】
本発明の組成物の濃度の意図された範囲を包含する修正が、実施例に示されている。装置(例えば、かみそり又はレーザー装置)を同時に使用して、又は同時に使用することなく、ユーザーに同様な効果をもたらし得る他の濃度もまた、本発明において検討される。
【0046】
したがって、本発明の組成物は、かみそり又は光ベースの装置と併用して使用することができ、別個の容器又は直接塗布を通じて分配されてもよい。同様に、本発明の組成物はまた、要望通りに、例えばパーメチル(permethyl)若しくはシリコーン、又は他の剤を含むように修正されてもよい。
【0047】
本発明の組成物の他の態様では、組成物は望ましくは速乾性である。本明細書に使用されるとき、速乾性とは、短時間で実質的に蒸発する組成物を表す。したがって、本発明の他の態様では、本発明の範囲内の組成物は、揮発性特性など速乾性の態様を含むことができ、これによって約1分後、液体の少なくとも半分、すなわち50%は乾燥しているか、又は蒸発している。約5分後、又は望ましくは約1〜2分後、又は10秒〜10分の範囲内で、本発明の組成物の蒸発は、全体的に完了し、残っているのは非揮発性成分のみである。
【0048】
本発明において、残っている非揮発性成分の割合は、組成物の0.01重量%〜20重量%の、又は約0.01重量%〜20重量%の、望ましくは消費者に使用後の効果をもたらすために約3.5重量%(3.5%)である。残っている非揮発性成分のタイプは、スキンコンディショナー、バイオ活性物質、輝き/艶促進剤、毛髪まとまり剤(hair-minimizers)、保湿剤、又は皮膚用組成物(ローション)の塗布の後に、皮膚上で、組成物によって望ましくは後に残された他の成分が存在してもよい。
【実施例】
【0049】
以下の実施例は、本発明の範囲内であり、説明の目的で提示されているに過ぎず、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本発明の多くの変形が可能であるため、本発明を限定するものと解釈されるべきではないということに留意されたい。
【0050】
別段の指定がない限り、全ての成分は活性成分の重量%として表されている。
【0051】
(実施例1)
本発明の組成物は、以下の成分を組み合わせることによって調製される。
【表1】

【0052】
(実施例2)
本発明の組成物は、以下の成分を組み合わせることによって調製される。
【表2】

【0053】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、各こうした寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0054】
「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。本書における用語の任意の意味又は定義が、参照として組み込まれた文献における同一の用語の任意の意味又は定義と相反する限りにおいて、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0055】
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の書類名特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の成分によって特徴付けられる皮膚用組成物であって、
前記組成物が、赤色の波長を有する光に曝された場合に、前記組成物は前記赤色の波長の光を実質的に透過する、又は実質的に吸収若しくは反射しない、皮膚用組成物。
【請求項2】
前記成分が、組成物の約40重量%〜約60重量%の水、組成物の約10重量%〜約45重量%のシリコーンエマルション、組成物の約20重量%のエタノール、組成物の約20重量%以下のグリセリン、組成物の約20重量%以下のヒドラマゾンパシフローラ(hydramazon passiflora)、組成物の約20重量%以下のフィテクセルジュジュブ(phytexcell jujube)、組成物の約5重量%以下のグリセリングリセリルアセテート/アクリル酸コポリマー、PVM/MAコポリマー(ルブラジェル(lubrajel)オイル)、並びに、組成物の約5重量%以下のグリセレス−18エチルヘキサノエートを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記皮膚用組成物が装置に一体化されている、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記皮膚用組成物が、感覚に働きかける合図を含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項5】
前記皮膚用組成物が速乾性である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物の1つ以上の非揮発性成分が蒸発後にユーザーの皮膚上に残り、
前記非揮発性成分は前記組成物の約0.01重量%〜約20重量%の範囲で残る、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
乾燥剤、皮膚への有益剤、性能剤及びキャリア剤によって更に特徴付けられる、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記乾燥剤は、シリコーンエマルション、エタノール、並びに、これらの組み合わせを含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記皮膚有益剤が、グリセリン、ヒドラマゾンパシフローラ(hydramazon passiflora)、フィテクセルジュジュブ(phytexcell jujube)、及び、これらの組み合わせからなる群から選択される、請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
前記性能剤が、グリセリングリセリルアセテート/アクリル酸コポリマー、PVM/MAコポリマー(ルブラジェル(lubrajel)オイル)、グリセレス−18エチルヘキサノエート、及び、これらの組み合わせからなる群から選択される、請求項7に記載の組成物。
【請求項11】
前記キャリア剤が水を含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項12】
複数の成分によって特徴付けられる皮膚用組成物であって、
組成物の1つ以上の非揮発性成分が蒸発後にユーザーの皮膚上に残り、
前記非揮発性成分は前記組成物の約0.01重量%〜約20重量%の範囲で残る、皮膚用組成物。
【請求項13】
前記組成物が速乾性である、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
残っている前記非揮発性成分が皮膚への有益性をユーザーにもたらす、請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物が、赤色の波長を有する光に曝された場合に、前記組成物は前記赤色の波長の光を実質的に透過する、又は実質的に吸収若しくは反射しない、請求項12に記載の組成物。

【公表番号】特表2012−508257(P2012−508257A)
【公表日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535756(P2011−535756)
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【国際出願番号】PCT/US2009/063832
【国際公開番号】WO2010/059458
【国際公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(593093249)ザ ジレット カンパニー (349)
【Fターム(参考)】