説明

皮膚表面に存在するグルコース測定方法

【課題】被験者への負荷を軽減し、かつ簡便で手軽に実施することができる皮膚表面に存在するグルコース測定方法を提供する。
【解決手段】指を洗浄後、よく拭き取り、所定の時間静置してためた後、界面活性剤を含んだ水溶液により発生させた気泡を下方に向いた指の汗成分を有する皮膚表面へ塗布し、次いで、前記気泡及びこの気泡から生じた水分を前記皮膚表面より回収し、この中に含まれる糖分を測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糖尿病疾患やその予備群の人たちの自己管理のための在宅医療で使用可能な医療器具、医療現場で用いることのできる簡易グルコース測定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
(1)血液中のグルコース値(血糖値)は、糖尿病疾患においては非常に重要な指標として用いられており、血糖値医療現場で、採血により求められる。また糖尿病疾患の患者は自己管理のために簡易型のグルコース測定器を用いている。しかしながら、この従来のグルコース測定器は試料として指からの血液を用いているが、採血のために指を針で刺すことは苦痛を伴い、また感染症に感染する危険がある。
【0003】
(2)一方、皮下の間質液を、皮膚に電圧印加して発生させた電気浸透流により採集(イントフォレシスと呼ばれる)し、ついでグルコースセンサーにて測定する方法がある。しかしながら、間質液を取り出す際に皮膚に電流を通じるので、火傷を負う可能性がある。
【0004】
(3)また、口内における歯根と歯肉との間の液を採集して用いる方法が提案されているが、採集が困難であり、また口内の唾液が混入する可能性があり、まだ実用化されていない。
【特許文献1】なし
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したように、従来の技術はいずれも問題がある。すなわち、血液採集に関しては、苦痛を伴いかつ感染の危険がある。皮膚への電圧印加の方法は火傷の危険がある。また、口内の歯根液からの採集に関しては被験者への負荷が大きい。
【0006】
グルコースの測定のための試料サンプリングは、非侵襲で、かつ、非観血に行え、またサンプリングに際しての被験者への生理的負荷が少ないことが望ましい。
【0007】
さらに、日常的にサンプリングが行え、手軽に在宅医療の方法として用いることができるグルコースサンプリング方法ならびに測定方法を実施することが望ましい。
【0008】
そこで、本発明は、上記状況に鑑みて、被験者への負荷を軽減し、かつ簡便で手軽に実施することができる皮膚表面に存在するグルコース測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕皮膚表面に存在するグルコース測定方法において、指を洗浄後、よく拭き取り、所定の時間静置してためた後、界面活性剤を含んだ水溶液により発生させた気泡を、下方に向いた指の汗成分を有する皮膚表面へ塗布し、次いで、前記気泡及びこの気泡から生じた水分を前記皮膚表面より回収し、この中に含まれる糖分を測定することを特徴とする。
【0010】
〔2〕上記〔1〕記載の皮膚表面に存在するグルコース測定方法において、前記指に付着した水滴をスプーンを用いて容器中へ掻き落とすことを特徴とする。
【0011】
〔3〕上記〔1〕記載の皮膚表面に存在するグルコース測定方法において、前記指に付着した水滴をゴム輪を指の根元から指先まで滑らせることによって容器中へ回収することを特徴とする。
【0012】
〔4〕上記〔1〕記載の皮膚表面に存在するグルコース測定方法において、前記指に付着した水滴を袋状になった容器を指全体にかぶせそれを指先まで滑らせることにより容器に回収することを特徴とする。
【0013】
〔5〕上記〔1〕記載の皮膚表面に存在するグルコース測定方法において、前記指に付着した水滴を綿状の繊維の吸い取り材で集めた後、この吸い取り材を遠心分離にかけ、糖分を含んだ水分を回収することを特徴とする。
【0014】
〔6〕上記〔1〕記載の皮膚表面に存在するグルコース測定方法において、前記回収した水分を直接に高感度グルコースセンサーにより測定することを特徴とする。
【0015】
〔7〕上記〔1〕記載の皮膚表面に存在するグルコース測定方法において、前記回収した水分を固体抽出剤に入れグルコース成分のみを回収し、次いで高感度グルコースセンサーにより測定することを特徴とする。
【0016】
〔8〕上記〔1〕記載の皮膚表面に存在するグルコース測定方法において、前記所定の時間静置して汗をためた後、小型噴霧器を用いて、指全体に10秒間5%エタノール水溶液を噴霧し、指に付着した水滴を容器に回収することを特徴とする。
【0017】
本発明者らは、汗やその他の染み出した液に伴って皮膚上にグルコースが出てくることを見出した。そこで、皮膚上のグルコースを集めて測定したところ、この得られた測定値は血中グルコースの値と相関しており、皮膚上のグルコース値により簡易的な診断に用いることができることが分かった。
【0018】
本発明は、グルコースを皮膚中から効率よく集めるとともに、この捕集液を分析し、グルコースの測定を行うことができる。
【0019】
なお、本発明において、皮膚表面には、正確にいうと、汗からの成分、皮膚細胞からの成分、皮膚組織からの成分があり、いずれも、本発明の対象に含まれるものである。
【0020】
また、試料の採集部位は、被験者の指にかきらず、腕、足、脚、手、そのの体表面であってもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0022】
(A)簡易にグルコース測定を行うことが可能になる。
【0023】
(B)非侵襲・非観血での測定法であり、非常に用いやすい。また、容易に在宅医療に用いることができる。
【0024】
(C)糖尿病のシステム管理にも用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の皮膚表面に存在するグルコース測定方法は、指を洗浄後、よく拭き取り、所定の時間静置をしてためた後、界面活性剤を含んだ水溶液により発生させた気泡を、下方に向いた指の汗成分を有する皮膚表面へ塗布し、次いで、前記気泡及びこの気泡から生じた水分を前記皮膚表面より回収し、この中に含まれる糖分を測定する。
【実施例】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0027】
図1は本発明の実施例を示す皮膚表面に存在するグルコース測定方法の説明図である。
【0028】
この図において、1は被験者の手、2はその人指し指、4は5%エタノール水溶液3の小型噴霧器、5は人指し指2に付着した後、容器6に回収された水滴である。
【0029】
この糖測定方法をより詳細に説明すると、人指し指2を洗浄後、キムワイプでよく拭き取る。所定の時間静置し、汗をためた後、霧状に水溶液を塗布できる小型噴霧器(INHALER,松下電工)4を用いて、人指し指2の全体に10秒間5%エタノール水溶液3を噴霧する。人指し指2に付着した水滴5を容器6に回収し、サンプルとして使用し、次いで、液体クロマトグラフィー及び簡易型グルコースセンサーにより糖分を測定する。この糖分は血中濃度に比例するので、糖モニターとして使用できる。
【0030】
次に、指皮膚表面に付着した水分を回収するための方法と、回収補助器具について説明する。
【0031】
図2はその指皮膚表面に付着した水分を回収するための方法(その1)の説明図である。
【0032】
ここでは、図2(a)及び図2(b)に示すように、指11に付着した水滴12を小さなスプーン13(水を掻き落とすための工夫を施している)を用いて、1.2mlの容器(バイアル)14中へ掻き落とす。
【0033】
図3はその指皮膚表面に付着した水分を回収するための方法(その2)の説明図である。
【0034】
ここでは、図3(a)及び図3(b)に示すように、ゴム輪23を指の根元から指先まで滑らせることによって、指21に付着した水滴22を1.2mlの容器(バイアル)24中に回収する。
【0035】
このゴム輪23は常に一定の力を指表面に付与できる付属装置(図示なし)を用いることができる。
【0036】
なお、このようなゴムに代えて、輪状の形態を有するプラスチックスや金属ワイヤーを用いるようにしてもよい。
【0037】
図4はその指皮膚表面に付着した水分を回収するための方法(その3)の説明図である。
【0038】
ここでは、指31に水滴32を噴霧後、袋状になった容器33を指全体にかぶせそれを指先まで滑らせることにより行う。ここで、32′は回収された水滴である。
【0039】
さらに、図示しないが、水を綿状の繊維の吸い取りで集めた後、次いで吸い取りを遠心分離にかけ、糖分を含んだ水分を回収する方法も採用できる。
【0040】
また、水分を吸引により補集する容器を用いるようにしてもよい。
【0041】
次に、上記した方法により回収した水分中のグルコースの測定方法について説明する。
【0042】
(1)上記した方法により回収した水分中のグルコースを、直接に高感度グルコースセンサーにより測定する。
【0043】
(2)上記した方法により回収した水滴を、固体抽出剤に入れ、グルコース成分のみを回収し、次いで高感度グルコースセンサーにより測定する。
【0044】
次に、皮膚表面のグルコース量を用いた糖尿病疾患への管理システムについて説明する。
【0045】
まず、実験装置としてのHPLC装置について説明する。
【0046】
図5は本発明の実施例を示す皮膚表面に存在するグルコース測定装置の模式図である。
【0047】
この図において、41はPC(パーソナルコンピュータ)、42はダイオードアレー検出器、43は貯槽(リザーバー)、44は溶離剤(eluent)、45は噴霧器、46はカラム、47はポンプである。
【0048】
本発明では、検出器42としてDiode array detecor 350RS(大塚電子株式会社)、ポンプ47としてLC−9A(島津製作所)、カラム46にはCAPCELL PAK C18 2.0mm i.d.×150mm(SHISEIDO)を用いた。
【0049】
ポンプ47は0.200ml/minの流量で定流量送液を行った。検出器42では245nmでのUV吸光度法によって検出を行った。
【0050】
次に、誘導体化法について説明する。
【0051】
炭水化物の分析において、HPLC装置は重要な役割を果たしているが、高感度検出は困難であり、それを解決するために様々な誘導体化法が存在する。
【0052】
ポストカラム誘導体化は、サンプルを直接注入できる、といった利点があるが誘導体化の収率が低いため高感度な検出は不可能であった。
【0053】
金またはニッケル電極を用いた電気化学的検出方法は高感度な検出が可能である。
【0054】
p−ブロモベンゼン誘導体化、p−ニトロベンゼン誘導体化などのプレカラム誘導体化は誘導体の高い収率が得られる。しかし、定量的、且つ立体異性体を持たないような誘導体化は難しかった。
【0055】
それに対して、1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン(PMP)による誘導体化では、PMPは還元糖とほぼ定量的に反応し、強いUV吸収をもつ誘導体を生成する。PMPは還元糖と2:1の化合物を作り、またその化合物は立体異性体を持たない。
【0056】
これらの利点から、本発明ではPMP誘導体化法を採用した。
【0057】
一般的な還元糖と1−フェニル−3メチル−5−ピラゾロン(PMP)との反応式を以下に示す。
【0058】
【化1】

次に、誘導体化の操作について説明する。
【0059】
誘導体化の操作は以下のようにして行った。
【0060】
(1)5%エタノール水にグルコースを溶解した溶液を減圧乾固する。
【0061】
(2)水酸化ナトリウム水溶液とPMPメタノール溶液を加える。
【0062】
(3)70℃で1時間半反応させる
(4)室温まで冷却後塩酸で中和させる。
【0063】
(5)反応液を減圧乾固する。
【0064】
(6)残渣を蒸留水とクロロホルムで溶解し抽出する。
【0065】
(7)水層を減圧乾固する。
【0066】
(8)残渣を溶離液に溶解したものを、液体クロマトグラフィー用サンプルとする。
【0067】
1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン(PMP)による誘導体化によって得られる誘導体は、極大吸収波長が245nmとなる。汗中にはグルコース以外の還元糖も存在するため、同定はスペクトル以外に溶出時間及び添加法によって行った。
【0068】
次に、他の測定方法について説明する。
【0069】
皮膚から回収した水溶液を濃縮し、市販のグルコースセンサーにて測定した。この際その読みを高感度の測定器を用いて増幅し定量的に読み出した。
【0070】
図1に示したように汗成分を含む水分を採取し、図5に示す測定装置によって測定する。すなわち、採取した水分は、減圧乾固後、0.3M水酸化ナトリウム水溶液30μlと0.5M 1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン(PMP)メタノール溶液30μlを加え、70℃で1時間半反応させた後、1N塩酸を当量加え中和し、減圧乾固させた。その残渣を蒸留水とクロロホルム各200μlで溶解し、溶媒抽出を行った。その水層を100μl取り出し、減圧乾固させ、溶離液(アセトニトリル/0.1Mリン酸緩衝液=18.5/81.5)30μ1を加えたものをサンプルとし測定を行った。
(1)糖摂取による汗中グルコース濃度の変化
糖摂取負荷試験の実験においては、経口糖認容力試験用糖質液トレーランG75(清水製薬株式会社製)を使用した。
(1−1)試験用試薬
トレーランG75は、ブドウ糖の代わりにデンプン部分加水分解物を用い、服用しやすくした糖質液で、糖尿病診断時の糖負荷試験に用いられる。トレーランG75とブドウ糖との負荷後の血糖値及び血中インスリン値の推移には有意な差がないことが認められている。
【0071】
また、トレーランG75は、1瓶(225ml)中にデンプン部分加水分解物100.0g(ブドウ糖に換算して75.0g)を含有する。
(1−2)糖摂取の際の負荷条件
被験者は前日の午後9時以降、試験直前まで絶食を行い午前中から実験を行った。実験中はトレーランG75以外のものの摂取は行わなかった。また試験前日の9時以降から試験終了後まで飲酒、喫煙は行わないようにした。
(1−3)糖摂取前後での汗の採取法
トレーランG75摂取前に3回、摂取後に12回の合計15回のサンプリングを15分毎に行った。汗の採取は人指し指を洗浄後5分間静置し、5%エタノール水を10秒噴霧した。
【0072】
回収法は、指に付着した水滴を小さなスプーンを用いて1.2mlの容器(バイアル)中へ掻き落とす方法を用いて行った。
【0073】
水滴採取後、減圧乾燥をしたのち誘導体化を行った。
(1−4)血糖値の測定
糖摂取の際の血糖値は、水滴を採取する人差し指以外の指先から少量の血を採取し、簡易型血糖センサ(グルテストEII−3 三和化学研究所)を用いて測定を行った。
【0074】
血糖値の測定は水滴採取とほぼ同時に行った。
測定条件:ここでは、汗サンプルの液体クロマトグラフによる測定条件を示す。
【0075】
検出器:Diode array detector 350RS(大塚電子株式会社)
ポンプ:LC−9A(島津製作所)
カラム:CAPCELL PAK C18 2.0mm i.d.×150mm(SHISEIDO)
溶離液:アセトニトリル/0.1Mリン酸緩衝液(pH7)=18/82
流量:0.200ml/min
検出波長:245nm
サンプル注入量:10μl
(1−5)結果
被験者2人に糖摂取実験を行った際の汗中グルコース絶対量及び血糖値の時間変化の代表例を図6〜図7に示す。図6、図7はそれぞれ異なる被験者である。図6のA及び図7のCは血糖値の時間変化を示し、図6のB及び図7のDは汗中のグルコース絶対量の時間変化を示す。
【0076】
図6及び図7では、横軸に時間(分)、左縦軸に汗中グルコース絶対量(pmol)、右縦軸に血糖値(mg/dl)を表しており、◆は汗中グルコース絶対量、■は血糖値を示している。
【0077】
図8は本発明の実施例を示すグルコース測定用試料回収装置の模式図である。
【0078】
この図において、51は試料採取箱、52は加熱装置、53は霧吹き装置、54は加熱装置52及び霧吹き装置53を駆動させる光電スイッチ、55は鍔付き回収具、56はその鍔付き回収具55の装着空間、57はその装着空間56の開閉蓋、58はその開閉蓋の枢着部、59は被験者の指である。
【0079】
試料採取箱51内には加熱装置52が配置されており、試料採取箱51内は使用中は温度を高くしておき、被験者の指59からの発汗を促すようにしている。そこで、被験者の指59が試料採取箱51に挿入されると、これを光電スイッチ(タイマー付き)54が検出し、所定のタイミング(指59からの発汗時間)を得た後に霧吹き装置53を動作させて汗成分を含む水分を鍔付き回収具55で受けて回収する。その回収された汗成分を含む水分は鍔付き回収具55ごと装着空間56から取り出して、グルコース測定用試料とすることができる。新たな被験者のグルコース測定を行う場合には、新たな鍔付き回収具を装着して、上記した手順でグルコース測定用試料を得ることができる。
【0080】
また、汗成分を含む水分の指表面からの回収は、指表面に接する輪状の回収具61を駆動装置(図示せず)により指の上方から下方へ駆動することにより掻き集めるようにすることができる。
【0081】
このように、本発明のグルコース測定用試料回収装置は、霧吹きの過程と指の皮膚上の水溶液の回収過程とを連続的に行うことができる。
【0082】
次に、汗中のグルコース濃度の測定を実施した。
【0083】
指あるいは腕の皮膚を清浄化した後、その部分を二つの出入口を備えた容器で覆い、乾燥空気を導き、容器より出てくる空気を、発汗計(Kenz Perspiro 210、スズケン)に導き、前記皮膚よりグルコース成分を回収し、定量した。この発汗量とグルコース量との関係から発汗中のグルコース濃度を求めた。このグルコース濃度と血糖値の相関を調べたところ、良い相関が得られた。
【0084】
別の上記した実施例では、グルコース絶対量と血糖の関係を見出しているが、発汗量を測定することにより、汗中のグルコース濃度と血糖値との相関を求めることが可能である。
【0085】
また、界面活性剤を含んだ水溶液により発生させた気泡を汗成分を有する皮膚上に塗布し、次いで、前記気泡及びこの気泡から生じた水分を皮膚より回収し、この中に含まれる糖分を測定することができる。
【0086】
更に、本発明は、皮膚上の有機化合物及び又は無期化合物の定量にも応用できる。
【0087】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明の皮膚表面に存在するグルコース測定方法は、被験者への負荷を軽減し、かつ簡便で手軽に実施することができるグルコース測定ツールとして利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の実施例を示す皮膚表面に存在するグルコース測定方法の説明図である。
【図2】本発明の実施例を示す指皮膚表面に付着した水分を回収するための方法(その1)の説明図である。
【図3】本発明の実施例を示す指皮膚表面に付着した水分を回収するための方法(その2)の説明図である。
【図4】本発明の実施例を示す指皮膚表面に付着した水分を回収するための方法(その3)の説明図である。
【図5】本発明の実施例を示す皮膚表面に存在するグルコース測定装置の模式図である。
【図6】被験者2人に糖摂取実験を行った際の汗中グルコース濃度及び血糖値の変化の代表例を示す図(その1)である。
【図7】被験者2人に糖摂取実験を行った際の汗中グルコース濃度及び血糖値の変化の代表例を示す図(その2)である。
【図8】本発明の実施例を示すグルコース測定用試料回収装置の模式図である。
【符号の説明】
【0090】
1 被験者の手
2 人指し指
3 5%エタノール水溶液
4 小型噴霧器
5,12,22,32 水滴
6,14,24,33 容器
11,21,31 指
13 スプーン
23 ゴム輪
32′ 回収された水滴
41 PC(パーソナルコンピュータ)
42 ダイオードアレー検出器
43 貯槽(リザーバー)
44 溶離剤(eluent)
45 噴霧器
46 カラム
47 ポンプ
51 試料採取箱
52 加熱装置
53 霧吹き装置
54 光電スイッチ
55 鍔付き回収具
56 鍔付き回収具の装着空間
57 開閉蓋
58 開閉蓋の枢着部
59 被験者の指
61 輪状の回収具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
指を洗浄後、よく拭き取り、所定の時間静置してためた後、界面活性剤を含んだ水溶液により発生させた気泡を、下方に向いた指の汗成分を有する皮膚表面へ塗布し、次いで、前記気泡及び該気泡から生じた水分を前記皮膚表面より回収し、この中に含まれる糖分を測定することを特徴とする皮膚表面に存在するグルコース測定方法。
【請求項2】
請求項1記載の皮膚表面に存在するグルコース測定方法において、前記指に付着した水滴をスプーンを用いて容器中へ掻き落とすことを特徴とする皮膚表面に存在するグルコース測定方法。
【請求項3】
請求項1記載の皮膚表面に存在するグルコース測定方法において、前記指に付着した水滴をゴム輪を指の根元から指先まで滑らせることによって容器中へ回収することを特徴とする皮膚表面に存在するグルコース測定方法。
【請求項4】
請求項1記載の皮膚表面に存在するグルコース測定方法において、前記指に付着した水滴を袋状になった容器を指全体にかぶせそれを指先まで滑らせることにより容器に回収することを特徴とする皮膚表面に存在するグルコース測定方法。
【請求項5】
請求項1記載の皮膚表面に存在するグルコース測定方法において、前記指に付着した水滴を綿状の繊維の吸い取り材で集めた後、該吸い取り材を遠心分離にかけ、糖分を含んだ水分を回収することを特徴とする皮膚表面に存在するグルコース測定方法。
【請求項6】
請求項1記載の皮膚表面に存在するグルコース測定方法において、前記回収した水分を直接に高感度グルコースセンサーにより測定することを特徴とする皮膚表面に存在するグルコース測定方法。
【請求項7】
請求項1記載の皮膚表面に存在するグルコース測定方法において、前記回収した水分を固体抽出剤に入れグルコース成分のみを回収し、次いで高感度グルコースセンサーにより測定することを特徴とする皮膚表面に存在するグルコース測定方法。
【請求項8】
請求項1記載の皮膚表面に存在するグルコース測定方法において、前記所定の時間静置して汗をためた後、小型噴霧器を用いて、指全体に10秒間5%エタノール水溶液を噴霧し、指に付着した水滴を容器に回収することを特徴とする皮膚表面に存在するグルコース測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−250949(P2006−250949A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−134672(P2006−134672)
【出願日】平成18年5月15日(2006.5.15)
【分割の表示】特願2002−123416(P2002−123416)の分割
【原出願日】平成14年4月25日(2002.4.25)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2001年11月9日 社団法人日本分析化学会発行の「日本分析化学会第50年会 講演要旨集」に発表
【出願人】(503360115)独立行政法人科学技術振興機構 (1,734)
【Fターム(参考)】