説明

皮膜評価試験機

【課題】 本発明は、従来にない作用効果を発揮する画期的な皮膜評価試験機を提供することを目的とする。
【解決手段】 金属材や合成樹脂材などの被験体1の表面に形成されている皮膜の特性を測定する皮膜評価試験機であって、被験体1に液体に砥粒が混入された噴射材を圧搾空気と共に噴射する噴射部2と、この噴射部2で噴射材が噴射された被験体1の表面を計測する計測部3とを具備し、更に、噴射部2で噴射材が噴射される位置に前記被験体1が配された噴射可能状態と、計測部3で計測される位置に前記被験体1が配された計測可能状態とを自動的に切り替える自動切替機構Cを具備したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膜評価試験機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば金属製歯車や合成樹脂製歯車において、表面強度の向上、耐磨耗性の向上若しくは耐食性の向上などの表面改質の為、該歯車の表面にメッキ、コーティング、拡散浸透、蒸着若しくは溶射などの方法により皮膜を設ける技術が種々提案されている。
【0003】
ところで、この皮膜は、元々強度の向上等の向上の為に設けられているものである為、この皮膜を擦ったり腐食させたりして、実際の膜厚,強度若しくは磨耗性などの機械的特性や耐食性など科学的な特性を評価することは困難である。
【0004】
例えば、この皮膜の特性を測定する方法としてブラスト・エロージョン法が提案されている。
【0005】
このブラスト・エロージョン法は、被験体に砥粒を圧搾空気と共に吹き付けて該被験体の単位時間当たりの重量減量を測定するもので、この減量を皮膜のかさ比重で除して体積減量を求めた際、この単位時間と体積減量とが直線グラフで表される比例関係となり、この直線の勾配(エロージョン特性といわれる)が、引っ張り強さ、伸び、硬さ若しくは破壊靱性値と良好な対応関係を示す為、前記重量減量の測定により、評価が難しい皮膜の評価を短時間で簡単に行なうことができるというメリットがある。
【0006】
しかし、このブラスト・エロージョン法では、砥粒が飛散し易い為、扱える砥粒は数百μm以上の径のものとなり、蒸着やスパッタリング法などで形成された数十μm以下の薄い皮膜の特性を評価することができないという問題点がある。
【0007】
更に、ブラスト・エロージョン法に使用する装置は、砥粒や被験体の削り粒が空中に飛散して舞い易い為、該砥粒などが噴射室の外に漏れないように該噴射室の気密性を高めなければならず、また、砥粒などを集めるための集塵フィルタやサイクロンなどの装置を取り付ける必要も生じ、装置全体が大型且つ複雑で高コストになってしまうという問題点がある。
【0008】
また、噴射材を噴射した後も砥粒がしばらく舞い続ける為、噴射材の噴射後に噴射室を開放して被験体を取り出そうとすると砥粒が外に飛散してしまう恐れがある。従って、噴射材の噴射後に被験体を取り出す場合、噴射室内に舞っている砥粒が完全に除去されるまで待たなければならない為、一回の測定に長時間を要するという問題点もある。
【0009】
また、圧搾空気中に砥粒を混入させる方法では砥粒が被験体に衝突する衝撃力は湿度によって左右され、しかも湿度が高いほど誤差が大きくなる為、測定誤差を小さくするために噴射室内を毎回一定の湿度に設定しなければならず、極めて試験操作が煩雑で厄介であるという問題点もある。
【0010】
そこで、本出願人は前述した問題点を解消する特開2001−183279に開示される皮膜評価試験機(以下、従来例)を提案している。
【0011】
この従来例は、液体に砥粒が混入されてなる噴射材を圧搾空気と共に高速で噴射して被験体の表面に衝突させることで該被験体を減量する構造のものであり、砥粒が空中に散乱したりする恐れがなく、数十μm以下の小さな砥粒でも使用することができ、数十μm以下の薄い皮膜であっても該皮膜を少しずつ減量して特性を評価することができ、そして更に、液体に砥粒が混入された噴射材と圧搾空気とを一緒に被験体に噴射すると、短時間で被験体の皮膜を減量させることができ、湿気などの影響も受けないため制御し易く、測定誤差が少なくて再現性も良好となる。
【0012】
【特許文献1】特開2001−183279公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、従来例は、前述したように被験体に対する噴射材の噴射作業が良好に行なわれるものの、この被験体の表面に噴射材を噴射する噴射作業と、噴射材が噴射された被験体の表面を計測する計測作業とが夫々別の装置で行なわれるため作業性及び評価精度が未だ十分でない。
【0014】
具体的には、従来例により被験体の皮膜の厚さや特性を評価しようとした場合、従来例にて被験体の表面へ噴射材を噴射し、続いて、従来例から被験体を取り出して計測装置に移し、続いて、計測装置で被験体の表面の計測したり、また、噴射による減量を知る為、噴射作業と計測作業とを数回繰り返し行なう場合があるが、従来例と計測装置との間の被験体の移動は手作業で行なわれる為、非常に作業性が悪く、特に薄膜や硬度の低い膜の評価を行なう場合には、被験体の破損を防止すべく粒径の小さな砥粒を使用した数回の噴射が行なわれる為、評価に時間を要してしまい、しかも、この繰り返し作業が増えると作業が煩雑となってそれだけ評価精度が低下してしまうという問題点がある。
【0015】
本発明は、上述の問題点を解消する、従来にない作用効果を発揮する画期的な皮膜評価試験機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0017】
金属材や合成樹脂材などの被験体1の表面に形成されている皮膜の特性を測定する皮膜評価試験機であって、被験体1に液体に砥粒が混入された噴射材を圧搾空気と共に噴射する噴射部2と、この噴射部2で噴射材が噴射された被験体1の表面を計測する計測部3とを具備し、更に、噴射部2で噴射材が噴射される位置に前記被験体1が配された噴射可能状態と、計測部3で計測される位置に前記被験体1が配された計測可能状態とを自動的に切り替える自動切替機構Cを具備したことを特徴とする皮膜評価試験機に係るものである。
【0018】
また、請求項1記載の皮膜評価試験機において、前記自動切替機構Cとして、前記被験体1が噴射部2及び計測部3に対して移動自在に設けられ、噴射部2で噴射材が噴射される位置に前記被験体1が配された噴射可能状態と、計測部3で計測される位置に前記被験体1が配された計測可能状態とを自動的に切り替える構成の自動切替機構Cを採用したことを特徴とする皮膜評価試験機に係るものである。
【0019】
また、請求項1記載の皮膜評価試験機において、前記自動切替機構Cとして、前記噴射部2及び計測部3が前記被験体1に対して移動自在に設けられ、噴射部2で噴射材が噴射される位置に前記被験体1が配された噴射可能状態と、計測部3で計測される位置に前記被験体1が配された計測可能状態とを自動的に切り替える構成の自動切替機構Cを採用したことを特徴とする皮膜評価試験機に係るものである。
【0020】
また、請求項1〜3いずれか1項に記載の皮膜評価試験機において、前記噴射材に含まれる砥粒として粒径が50μm以下の砥粒が採用されていることを特徴とする皮膜評価試験機に係るものである。
【0021】
また、請求項1〜4いずれか1項に記載の皮膜評価試験機において、前記噴射部2と計測部3との間に噴射部2で噴射され被験体1の表面に付着した付着物を除去する付着物除去部4が設けられたことを特徴とする皮膜評価試験機に係るものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明は上述のように構成したから、噴射部における噴射作業と計測部における計測作業とが自動で切り替わるから非常に作業性が良く、それだけ評価精度も飛躍的に向上することになるなど従来にない作用効果を発揮する画期的な皮膜評価試験機となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0024】
噴射部2において圧搾空気とともに高速で噴射される噴射材が被験体1の表面に衝突されて該被験体1は減量され、この噴射部2で噴射材が噴射された被験体1の表面を計測部1において計測する。
【0025】
この際、噴射部2で噴射材が噴射される位置に前記被験体1が配された噴射可能状態と計測部3で計測される位置に前記被験体1が配された計測可能状態とは自動切替機構Cによって自動的に切り替わる。
【0026】
従って、例えば被験体1に噴射材を噴射する作業と被験体1の表面を計測する作業とを順に行なう場合、前述した従来例と異なり、その都度被験体1を手作業にて移し替える必要がないから、非常に作業性が良好となって評価試験が迅速且つ確実に行なえることになり、それだけ評価精度も飛躍的に向上することができることになる。
【実施例】
【0027】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0028】
本実施例は、金属材や合成樹脂材などの被験体1の表面に形成されている皮膜の特性を測定する皮膜評価試験機であって、被験体1に液体に砥粒が混入された噴射材を圧搾空気と共に噴射する噴射部2と、この噴射部2で噴射材が噴射された被験体1の表面を計測する計測部3とを具備し、噴射部2で噴射材が噴射される位置に前記被験体1が配された状態となる噴射可能状態と、計測部3で計測される位置に前記被験体1が配された状態となる計測可能状態とを自動的に切り替える自動切替機構Cを具備したものである。
【0029】
砥粒は、粒径(最大粒径)が50μm以下、詳細には1〜50μm程度の砥粒が採用されている。尚、本実施例によれば、この砥粒を使用して厚さ数μm以下の薄い皮膜を再現性良く減量できる(この点については本出願人が実験により確認している。)。尚、粒径1μm以下の砥粒を採用しても同様な結果が得られている。
【0030】
また、この砥粒は、合成樹脂,金属,セラミックス,ガラスなどの微粒子が採用されている。この砥粒は、皮膜や被験体1の母材の種類によって適宜選択する。例えば皮膜や母材が柔らかい素材である場合には、硬い砥粒を使用すると前記減量が早く進行して誤差が大きくなる為、合成樹脂などの柔らかい素材の砥粒を採用し、皮膜がダイヤモンドコーティングなどの硬い素材である場合には、柔らかい砥粒では減量に時間がかかり過ぎる為、アルミナなどの硬い素材の砥粒を採用すると良い。
【0031】
また、この砥粒を水に分散させてスラリーとし、噴射材を構成している。また、水以外に目的に応じて、例えば、脱脂用としてアルカリなどの水溶液を使用したり、アルコール類などの溶剤を使用したりしても良い。
【0032】
噴射部2及び計測部3は、図1に図示したようにボックス状の基体5内にして仕切り壁6で仕切られる左右の処理室S1,S2に夫々設けられている。尚、噴射部2が設けられる処理室S1には図示省略の排気口が設けられており、この排気口に排風機を接続して処理室S1内を減圧することで、後述する開閉扉11から計測部3が設けられる処理室S2に噴射材(ミスト)が流入しないように構成されている。
【0033】
噴射部2は、図1に図示したように処理室S1の内部に配設され噴射材を噴射する噴射ノズル7と、処理室S1の外部に配設され噴射ノズル7から噴射材を圧搾空気と共に噴射するためのミキシングチャンバ8とを具備した構成である。尚、噴射部2には噴射ノズル7から噴射される噴射材の圧力を調整し得る図示省略の圧力調整機構が設けられている。
【0034】
この噴射ノズル7の対向位置に後述する被験体配設部10に配設された被験体1を位置させ、被験体1の表面に噴射材を噴射する。
【0035】
また、この噴射部2における噴射材の噴射時間はタイマー設定することができ、噴射する回数もカウンターを用いて適宜設定することができる。
【0036】
計測部3は、図1に図示したように処理室S2の内部に被験体1の表面の状況を計測する計測装置9を配設して構成されており、本実施例では、計測装置9として被験体1表面の加工深さを計測する光学式センサーが採用されている。
【0037】
この計測装置9の対向位置に後述する被験体配設部10に配設された被験体1を位置させ、被験体1の表面は計測される。本実施例では、計測装置9にパソコンを繋いでデータ通信を行い測定値をその都度グラフ上にプロットさせることにより自動的に皮膜特性グラフが得られるように構成されている。
【0038】
尚、計測装置9に係るセンサーとしては光学式センサーに限らず、電磁式、超音波式の非接触変位計や、触針式変位計、電磁式の膜厚計などでも良く、また、センサーの代わりにCCD等の画像素子を用いて多層膜などの表面状態観察を行なうようにしても良いなど、本実施例の特性を発揮する計測手段や計測方法であれば適宜採用し得るものである。
【0039】
また、この計測装置9に1軸式の駆動機構を付与することで被験体1表面の粗さ計測が可能となり、更に、計測装置9にXY方向の駆動機構を取り付けることで被験体1表面のXY多点計測を行い、視覚化ソフトウエアで処理することによって被験体1表面の3次元形状を知ることができ、皮膜毎に皮膜素地との硬度差などを視覚的に知ることもできる。
【0040】
また、本実施例では、噴射部2と計測部3とを仕切る仕切り壁6に開口部6aが設けられており、この開口部6aは後述する自動切替機構Cに係る被験体配設部10の通過を許容する大きさに設定されている。
【0041】
また、この仕切り壁6の開口部6aには、開閉扉11が設けられており、この開閉扉11は被験体配設部10が通過する際に自動開放するように構成されている。
【0042】
また、仕切り壁6は、被験体1に付着した付着物を除去する付着物除去部4が設けられている。
【0043】
この付着物除去部4は、図1に図示したように処理室S1の内部に配設されエアーを噴射するエアー噴射ノズル4aと、処理室S1の外部に配設されエアー噴射ノズル4aからエアーを噴射するためのエアー噴射装置4bとを具備した構成である。
【0044】
従って、噴射部2で被験体1に噴射材を噴射した後、該被験体1の表面に付着した付着物、例えば噴射部2で噴射した噴射材や被験体1の表面から出た削り屑などを吹き飛ばして、これらの付着物が計測部3に進入しないようにすることができる。
【0045】
自動切替機構Cは、基体5内にして前述した噴射部2及び計測部3の対向位置に横設されるガイド部12に添ってスライド移動する被験体配設部10を設けている。
【0046】
この被験体配設部10は、図1に図示したようにガイド部12をスライド移動するスライド部10aを有し、この被験体配設部10には被験体支持部10bが対設され、この被験体支持部10bに被験体1は架設状態で着脱自在に配設される。尚、被験体配設部10は噴射ノズル7及び計測装置9に対して接離自在となり、該噴射ノズル7及び計測装置9までの距離を調整し得るように構成されている。
【0047】
また、被験体配設部10は、スライド部10aによってガイド部12をスライド移動した際、仕切り壁6の開口部6aを通過するように構成されている。
【0048】
従って、被験体配設部10に配設された被験体1は前述した噴射部2及び計測部3夫々の対向位置に配されることになり、この噴射部2及び計測部3に対して被験体配設部10(被験体1)が移動することにより、噴射部2で噴射材が噴射される位置に被験体1が配された噴射可能状態と、計測部3で計測される位置に被験体1が配された計測可能状態とが自動的に切り替わることになる。
【0049】
尚、本実施例では、自動切替機構Cとして、被験体配設部10(被験体1)が噴射部2及び計測部3に対して移動自在に設けた構成としたが、噴射部2及び計測部3が被験体配設部10(被験体1)に対して移動自在に設けて、噴射部2で噴射材が噴射される位置に被験体1が配された噴射可能状態と、計測部3で計測される位置に被験体1が配された計測可能状態とを自動的に切り替える構成としても良い。
【0050】
以下、本実施例に係る皮膜評価試験機を使用しての被験体1の表面に形成されている皮膜の評価試験について説明する。
【0051】
先ず、被験体1を自動切替機構Cに係る被験体配設部10に配設し、噴射部2において被験体1の表面へ噴射材を噴射する。噴射部2は予め噴射時間と噴射回数がタイマーとカウンターにより適宜設定されている。
【0052】
続いて、被験体配設部10がガイド部11をスライド移動して仕切り壁6の開口部6aを通過して計測部3へ移動する。この際、仕切り壁6に設けた開閉扉11は自動開閉し、また、処理室S1は排風機が作動して減圧されている為、処理室S1内の噴射材が処理室S2内へ流入するのが可及的に防止されている。
【0053】
続いて、計測部3において噴射材が噴射された被験体1の表面を計測する。
【0054】
その後、計測部3から噴射部2へ、噴射部2から計測部3へと噴射作業及び計測作業が繰り返し予め設定された回数だけ行なわれる。尚、この噴射作業及び計測作業を繰り返し行なう場合とは、所定の噴射力で所定の回数だけ被験体1に噴射材を噴射した際、その都度皮膜が減量する量を計測することで被験体1の皮膜の評価をする場合などである。特に未知の試料であった場合や薄い皮膜に対しては微細な砥粒を使用することで探りながら何度も繰り返し行なう場合などである。例えば被験体1の強度を把握している場合に該被験体1の厚さを測定する場合、何回目の噴射で素材に到達したかでその厚さを把握することができる。
【0055】
尚、本実施例に係る皮膜評価試験機は、噴射作業及び計測作業が夫々1回だけ行なわれる試験においても良好な作用効果を発揮するのは勿論である。
【0056】
本実施例は上述のように構成したから、被験体1に噴射材を噴射する作業と被験体1の表面を計測する作業とを順に行なう場合、前述した従来例と異なり、その都度被験体1を手作業にて移し替える必要がないから、非常に作業性が良好となって評価試験が迅速且つ確実に行なえることになり、しかも、常に設定された条件により噴射作業と計測作業との繰り返し作業が行なえることになるから評価精度も飛躍的に向上することができることになる。また、特性を良く把握していない未知の試料を計測する場合においても、何度も試しながら徐々に進める作業となる為、前述した従来例では作業性が悪く且つ作業が煩雑となって評価精度が低下してしまうという問題点があったが、本実施例ではこの問題点も確実に解消し得ることになる。
【0057】
また、本実施例は、噴射部2で噴射する噴射材の砥粒として極めて微細な砥粒を採用する場合など、噴射作業と計測作業との繰り返す回数が多い評価試験の場合には特に有効である(本出願人は、噴射材に含まれる砥粒として1μm以下の砥粒を使用して評価試験が良好に行なえることを確認している。)。また、この噴射作業と計測作業との繰り返す回数を増やすことができることは、噴射材の噴射力を弱めたり噴射材の砥粒の大きさを小さくしたりするなど一回当たりの加工量を減らすことができる。
【0058】
また、本実施例は、予め表面皮膜の特性が把握されている被験体1を用いて前述した被験体1の皮膜評価試験を行なえば、該被験体1の表面の状態を確認することで噴射ノズル7のテストも良好に行なえることになる。
【0059】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本実施例の説明平断面図である。
【符号の説明】
【0061】
C 自動切替機構
1 被験体
2 噴射部
3 計測部
4 付着物除去部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属材や合成樹脂材などの被験体の表面に形成されている皮膜の特性を測定する皮膜評価試験機であって、被験体に液体に砥粒が混入された噴射材を圧搾空気と共に噴射する噴射部と、この噴射部で噴射材が噴射された被験体の表面を計測する計測部とを具備し、更に、噴射部で噴射材が噴射される位置に前記被験体が配された噴射可能状態と、計測部で計測される位置に前記被験体が配された計測可能状態とを自動的に切り替える自動切替機構を具備したことを特徴とする皮膜評価試験機。
【請求項2】
請求項1記載の皮膜評価試験機において、前記自動切替機構として、前記被験体が噴射部及び計測部に対して移動自在に設けられ、噴射部で噴射材が噴射される位置に前記被験体が配された噴射可能状態と、計測部で計測される位置に前記被験体が配された計測可能状態とを自動的に切り替える構成の自動切替機構を採用したことを特徴とする皮膜評価試験機。
【請求項3】
請求項1記載の皮膜評価試験機において、前記自動切替機構として、前記噴射部及び計測部が前記被験体に対して移動自在に設けられ、噴射部で噴射材が噴射される位置に前記被験体が配された噴射可能状態と、計測部で計測される位置に前記被験体が配された計測可能状態とを自動的に切り替える構成の自動切替機構を採用したことを特徴とする皮膜評価試験機。
【請求項4】
請求項1〜3いずれか1項に記載の皮膜評価試験機において、前記噴射材に含まれる砥粒として粒径が50μm以下の砥粒が採用されていることを特徴とする皮膜評価試験機。
【請求項5】
請求項1〜4いずれか1項に記載の皮膜評価試験機において、前記噴射部と計測部との間に噴射部で噴射され被験体の表面に付着した付着物を除去する付着物除去部が設けられたことを特徴とする皮膜評価試験機。

【図1】
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【公開番号】特開2006−184188(P2006−184188A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−379835(P2004−379835)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(591205732)マコー株式会社 (12)
【Fターム(参考)】