説明

盗難警報システム

【課題】携帯機の認証が成立しない状況におけるユーザに対する不必要な警報の出力を好適に抑制することができる盗難警報システムを提供する。
【解決手段】ドアハンドルへのタッチ状態が検出されている状態で、携帯機とのID照合が成立しない場合、そのタッチ状態の継続時間に応じて警報レベルを段階的に上げるようにした。具体的には、第1〜第3の警報レベルを設定し、この順に車両周囲に向けて車両の異常を訴える度合いが高くなるようにした。すなわち、第1及び第2の警報レベルでの警報は、携帯機が車両との間で無線通信できる状態ではない旨ユーザに報知する観点から、車両の周囲へ向けて積極的に発せられる第3の警報レベルでの警報に比べて、車両周囲へ訴える度合いは抑え気味に設定される。ドアハンドルへのタッチ状態が検出されている状態で、携帯機とのID照合が成立しない場合、即時に第3の警報レベルでの警報が発せられることはない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の盗難警報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に示されるような車両の盗難警報システムが知られている。当該文献1の盗難警報システムは、同じく車両に搭載される電子キーシステムと連動して動作する。この電子キーシステムでは、ユーザにより所持される携帯機が車両ドアの周辺に設定された通信エリアに進入したときに、車載装置と携帯機との間で無線通信を通じた各種信号の授受が実行される。車載装置は、こうした各種信号の授受を通じて、内蔵するメモリに記憶されているIDコードと携帯機のIDコードとの照合を通じて携帯機の電子的な認証を行うとともに、当該認証を通じて正規の携帯機である旨判断されるとき、前記車両ドアの解錠許可に係る車両制御を実行する。車両ドアの解錠が許可された状態で、ドアノブに設けられるタッチセンサに対する操作が検出されるとき、車両ドアの解錠が実行される。また、車両ドアが解錠された状態において、前述した無線通信を通じて通信エリア内に携帯機が存在している旨検出される場合に、ドアノブに設けられるロックスイッチの操作が検出されるとき、車両ドアの施錠が実行される。
【0003】
そして盗難警報システムは、電子キーシステムを通じて車両のドアが施錠された旨検出されるとき、自身の動作態様を非監視状態から監視状態へ切り替える。そして盗難警報システムは、この監視状態に維持されている状態で、車両が盗難にあっている、又はそのおそれがある旨検出されるとき、車両周辺に向けて警報を出力する。また、この盗難警報システムでは、車両の動作態様が監視状態に維持されている状態で、電子キーシステムを通じて車両ドアが解錠された旨検出されるとき、盗難監視状態を解除して車両の動作態様を非監視状態とする。
【0004】
ここで、正規のユーザが車両ドアを解錠する際、ドアノブを操作する前に誤って車両に衝撃(外力)を加えることが想定される。この場合には、車両ドアは施錠状態に維持されているため、盗難警報システムは、正規のユーザにより加えられた外力であれ、これを不正な行為によるものである旨判断して警報を出力する。こうした誤警報の出力を抑制するべく、当該文献1の盗難警報システムでは、自身の動作態様が監視状態に維持されている場合であれ、携帯機を所持したユーザが通信エリア内に存在している場合、すなわち携帯機からの無線信号を受信したときには、警報の出力を無効にする。これにより、携帯機を所持する正規のユーザが車両ドアの解錠操作に際して誤って車両に外力を加えたとしても警報が出力されることはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−006810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の盗難警報システムによれば、正規のユーザが通信エリア内に存在している際の警報の誤出力を、ある程度は抑制することが可能である。しかし、当該システムでは、次のような状況が発生した場合には依然として警報が誤って出力されるおそれがある。例えば、携帯機をショルダバッグ等に入れている場合には、ユーザ自身は通信エリア内に位置しているものの、携帯機は通信エリア外に存在する状態が生じ得る。この状態で、ユーザがドアノブのタッチセンサに触れた場合には、これが正規のユーザによるものであれ即時に警報が発せられる。このような状況が発生した場合には、ユーザに不快感を与えかねない。このように、特許文献1の盗難警報システムにおいては、ユーザが不必要な警報を受ける状況の発生が依然として懸念され、この点において未だ改善の余地があった。
【0007】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、携帯機の認証が成立しない状況におけるユーザに対する不必要な警報の出力を好適に抑制することができる盗難警報システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、ユーザにより所持される携帯機との無線通信を通じた当該携帯機の認証結果に基づきドアの解錠を許可し、当該解錠が許可された状態でユーザの車両に対するタッチ操作を通じた解錠操作が検出されるときにドアの解錠を実行する一方で、ドアが解錠された状態である旨検出される場合にユーザの車両に対するタッチ操作を通じた施錠操作が検出されるときにドアの施錠を実行する電子キーシステムと連係し、ドアが施錠された旨検出される場合、車両盗難のおそれがあるとして予め想定された特定の車両状態の発生の有無を監視する警戒状態となるとともに、この状態で前記特定の車両状態の発生または車両に対するタッチ操作を通じた解錠操作が検出されるとき、前記携帯機の認証が成立しない旨検出されることを条件として、車両の周囲に異常の発生を積極的に訴えるべく警報を発する一方で、前記警戒状態に維持されている状態で前記携帯機の認証が成立する旨検出されるとき、当該警戒状態を解除して非警戒状態となる盗難警報システムにおいて、前記警戒状態に維持されている状態で車両へのタッチ操作を通じた解錠操作が検出された場合に前記携帯機の認証が成立しない旨判断されるとき、車両の周囲に訴える度合いである警報レベルを、車両の周囲に異常の発生を積極的に訴える本来の警報レベルよりも低く抑えられた警報レベルから、前記本来の警報レベルへ向けて段階的に上げていくことをその要旨とする。
【0009】
本発明では、警戒状態に維持されている状態で特定の車両状態の発生が検出される場合に、携帯機の認証が成立しない旨検出されることを条件として、車両の周囲に異常の発生を積極的に訴えるべく警報が発せられる。これは、携帯機の認証が成立しない場合には、前記特定の車両状態の発生は携帯機を所持するユーザによるものではなく第三者によるものである蓋然性が高いという観点に基づく。またこの観点から、携帯機の認証が成立する場合には、前記特定の車両状態の発生は携帯機を所持する正規のユーザに起因するものである蓋然性が高いとして、警報が発せられることはない。
【0010】
しかし、携帯機の認証が成立しない場合であれ、前記特定の車両状態がユーザに起因して発生することも想定される。例えば、何らかの理由により携帯機との無線通信が好適に行われない状況下において、ユーザがこれに気付かずに車両に対するタッチ操作を通じた解錠操作を行う際等に、前記特定の車両状態として検出され得る行為を車両に対して行うことが考えられる。この場合には、前記特定の車両状態が正規のユーザの行為に起因して発生したにもかかわらず、携帯機の認証が成立しないとして、車両の周囲へ向けて異常の発生を積極的に訴えるべく警報が発せられる。そしてこのような状況が発生した場合には、ユーザに不快感を与えかねない。
【0011】
このように、前記特定の車両状態が正規のユーザに起因して発生することもあるという状況を考慮して、また、この場合には、本来の警報レベルでの警報は不必要であって、携帯機の認証が成立しないこと等についてユーザに気付かせることが可能となる程度の警報を発すれば十分であるとの観点に基づき、本発明ではさらに次のような構成を採用している。
【0012】
すなわち、警戒状態に維持されている状態で車両へのタッチ操作を通じた解錠操作が検出された場合に携帯機の認証が成立しない旨判断されるとき、車両の周囲に訴える度合いである警報レベルは、車両の周囲に異常の発生を積極的に訴える本来の警報レベルよりも低く抑えられた警報レベルから、当該本来の警報レベルへ向けて段階的に上げられる。すなわち、携帯機の認証が成立しない状態で車両に対するタッチ操作を通じた解錠操作が検出された場合であれ、即時に車両の周囲に異常の発生を積極的に訴える本来の警報レベルでの警報が発せられることはなく、まずはこの本来の警報レベルよりも低く抑えられた警報レベルでの警報が発せられる。したがって、本発明によれば、携帯機の認証が成立しない状況におけるユーザに対する不必要な警報、すなわち前記本来の警報の出力を好適に抑制することができる。また、最初から前記本来の警報レベルでの警報が発せられる場合と異なり、ユーザに与え得る不快感を低減することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の盗難警報システムにおいて、前記警戒状態に維持されている状態で車両へのタッチ操作を通じた解錠操作が検出された場合に前記携帯機の認証が成立しない旨判断されるとき、前記タッチ操作の継続時間に応じて前記警報レベルを段階的に上げていくとともに、当該継続時間が時間閾値に達した旨判断されるとき、前記本来の警報レベルでの警報を発することをその要旨とする。
【0014】
本発明によれば、タッチ操作の継続時間が時間閾値に達した旨判断されるとき、前記本来の警報レベルでの警報が発せられる。すなわち、当該タッチ操作が時間閾値に達しなければ前記本来の警報レベルでの警報が発せられることはない。このため、タッチ操作の継続時間が時間閾値に達する前において、ユーザが携帯機の認証が成立していないこと等に気付いた場合には、車両へのタッチ操作を解除することにより、前記本来の警報レベルでの警報を受けることを回避することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の盗難警報システムにおいて、前記警戒状態に維持されている状態で車両へのタッチ操作を通じた解錠操作が検出された場合に前記携帯機の認証が成立しない旨判断されるとき、前記警戒状態になったときからの車両へのタッチ操作の回数が回数閾値を超えているかどうかの判断を行い、当該判断結果が前記回数閾値を超えているものであるときには、前記本来の警報レベルでの警報を発することをその要旨とする。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、タッチ操作の継続時間が時間閾値に達する前に車両へのタッチ操作を解除することにより、確かに前記本来の警報レベルでの警報の出力を回避することができる。しかし反面、タッチ操作の継続時間が時間閾値に達しない程度のタッチ操作を繰り返しながら、何らかの不正行為が行われることも懸念される。この点、本発明によれば、警戒状態になったときからの車両へのタッチ操作の回数が回数閾値を超えた場合には、前記本来の警報レベルでの警報が発せられる。これにより、防犯性が高められる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の盗難警報システムにおいて、前記警報レベルは、視覚に訴えるものから聴覚に訴えるものへ段階的に変化することをその要旨とする。
【0018】
本発明によれば、携帯機の認証が成立しない状態で前記特定の車両状態が検出された場合にはまず、視覚に訴えた警報が発せられる。そして段階的に聴覚に訴えた警報へ変化する。このような警報レベルの変化を通じて、ユーザに与え得る不快感を低減することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、携帯機の認証が成立しない状況におけるユーザに対する不必要な警報の出力を好適に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1の実施の形態の車両システムの概略構成を示すブロック図。
【図2】同じく盗難警報システムによる警報動作の処理手順を示すフローチャート。
【図3】(a)は、第2の実施の形態における盗難警報システムの電子制御装置の構成を示すブロック図、(b)は、同じく警報動作の処理手順の一部を示すフローチャート。
【図4】(a)は、第3の実施形態における車両システムの概略構成を示すブロック図、(b)は、同じく電子キーシステムの動作態様の遷移を示す遷移図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<第1の実施の形態>
以下、本発明に係る車両の盗難警報システムを具体化した第1の実施の形態を図1及び図2に基づいて説明する。
【0022】
図1に示すように、車両には、電子キーシステム11、ドアロックシステム12及び盗難警報システム13が搭載されている。電子キーシステム11は、ユーザに所持される携帯機(電子キー)との間の無線通信を通じてその妥当性を判定する。ドアロックシステム12は、電子キーシステム11による携帯機の妥当性の判定結果に基づき車両ドアの施解錠を行う。盗難警報システム13は、駐車中の車両の状態を監視して、盗難のおそれがあるとして予め想定された特定の車両状態が検出されたときに、防犯動作として車両の周囲に向けて警報を発する。これらシステムは、車内ネットワーク網の一を構成する車内LAN(Local Area Network)14を介して相互に接続されている。なお、車両には、図1に示されるシステム以外にも、エンジンの燃料噴射制御等を制御するエンジン制御システム等の多数のシステムが搭載されており、これらも車内LAN14を介して相互に接続される。
【0023】
<電子キーシステム>
電子キーシステム11は、ユーザに所持される携帯機20が車両周辺に設定される通信エリアTout内に進入した際に、携帯機20との無線通信を通じてその識別情報(IDコード)を取得して、当該識別情報に基づくユーザ認証処理を行う。詳述すると、この電子キーシステム11の電子制御装置21には、複数個の発信機22(図1では1つのみ図示する。)及び単一の受信機23が接続されている。発信機22は、例えば車両の各サイドドア及びラゲージドアの内部に配設されて、電子制御装置21からの指令に基づき車室外にLF帯の無線信号を発信する。受信機23は、例えば車両の後席側のピラーの内部に設けられてUHF帯の無線信号を受信する。また、この電子制御装置21には、複数個のタッチセンサ24及び複数個のドアロックスイッチ25(図1では、いずれも1つのみ図示する。)が接続されている。タッチセンサ24は、車両の各ドアアウトサイドハンドル(以下、「ドアハンドル」という。)の裏面に設けられてユーザによる当該ハンドルの操作、すなわち手指等の接触を検出する。このタッチセンサ24は、瞬間的なタッチ(例えば300ms程度の短タッチ)であれこれを検出可能とされている。ドアロックスイッチ25は、各ドアハンドルの表面に設けられて解錠状態のドアを施錠する際にユーザにより押圧操作される。
【0024】
電子制御装置21は、エンジンが停止して且つすべてのドアが閉じた状態である駐車状態において、発信機22を通じてLF帯の無線信号である応答要求信号Srqを発信する。この応答要求信号Srqは、携帯機20が通信エリアTout内に位置しているか否かの確認を行うべく携帯機20に対して応答を要求する旨の指令信号である。この応答要求信号Srqが所定の制御周期で車室外に発信されることにより、車室外には携帯機20との通信エリアToutが形成される。
【0025】
携帯機20を所持するユーザが通信エリアToutに進入して当該携帯機20が応答要求信号Srqを受信すると、当該携帯機20はこれに応答してUHF帯の無線信号である応答信号Srpを発信する。電子制御装置21は、受信機23を通じて応答信号Srpを受信すると、自身の記憶装置に記憶されたIDコードと、応答信号Srpに含まれる携帯機20のIDコードとを照合する。電子制御装置21は、これらIDコードの照合が成立する旨判断したときにはドアの解錠を許可するとともに、タッチセンサ24によるドアハンドルへのタッチ操作の検出を待つドアアンロック待機状態とする。電子制御装置21は、タッチセンサ24を通じてドアハンドルに対する接触が検出されたとき、ドアの解錠を要求する解錠要求信号をドアロックシステム12へ出力する。
【0026】
また、電子制御装置21は、ユーザによる駐車準備動作、例えば車両の電源状態がオフ状態になること、及びドアが開閉されたこと等が検出された状態で、ドアロックスイッチ25の操作が検出された場合には、発信機22を通じて再び応答要求信号Srqを発信して通信エリアToutを形成する。この後、電子制御装置21は、受信機23を通じて受信した応答信号Srpに含まれる携帯機20のIDコードと自身の記憶装置に記憶されたIDコードとの照合を行う。そして、電子制御装置21は、これらIDコードの照合が成立する旨判断したときには、ドアの施錠を要求する施錠要求信号をドアロックシステム12へ出力する。
【0027】
<ドアロックシステム>
ドアロックシステム12は、電子キーシステム11と連係して車両ドアの施錠及び解錠に係る処理を行う。詳述すると、このドアロックシステム12の電子制御装置31には、複数個のドアカーテシスイッチ32、複数個のドアロックポジションスイッチ33、及び複数個のドアロックモータ34(図1では、いずれも1つのみ図示する。)が接続されている。これらドアカーテシスイッチ32、ドアロックポジションスイッチ33及びドアロックモータ34は、車両の各ドアに設けられる。そして、ドアカーテシスイッチ32はドアの開閉状態を、ドアロックポジションスイッチ33はドアの施解状態及び解錠状態を検出する。また、ドアロックモータ34は、ドアに設けられる錠前機構に作動連結されて、その作動を通じてドアを施錠及び解錠する。
【0028】
電子制御装置31は、ドアカーテシスイッチ32及びドアロックポジションスイッチ33の検出結果を電子キーシステム11及び盗難警報システム13等に出力する。また、電子制御装置31は、電子キーシステム11からの施錠要求信号及び解錠要求信号、並びにドアカーテシスイッチ32及びドアロックポジションスイッチ33の検出結果に基づきドアロックモータ34を制御する。
【0029】
<盗難警報システム>
盗難警報システム13は、電子キーシステム11及びドアロックシステム12と連係して自身の動作態様を非警戒状態と警戒状態との間で切り替える。警戒状態とは、盗難のおそれがあるとして予め想定された特定の車両状態の発生の有無を監視する状態をいう。非警戒状態とは、盗難のおそれがあるとして予め想定された特定の車両状態の発生の有無を監視しない状態をいう。盗難警報システム13は、所定の警戒開始条件が成立する旨判断されるとき、自身の動作態様を非警戒状態から警戒状態へ切り替える。そして盗難警報システム13は、自身の動作状態が警戒状態に維持されている場合において、盗難のおそれがあるとして予め想定された特定の車両状態が検出されて、所定の警戒開始条件が成立した旨判断されるとき、防犯動作として車両の周囲に向けて警報を発する。
【0030】
詳述すると、盗難警報システム13の電子制御装置41には、盗難のおそれがあるとして予め想定された特定の車両状態の発生の有無を検出する手段として、振動センサ42、ガラス割れセンサ43、及び侵入センサ44が接続されている。振動センサ42は、車両に印加される外力あるいは振動を検出する。ガラス割れセンサ43は、ガラスを破壊する際に発生する高周波音の有無に基づきガラスの破壊を検出する。侵入センサ44は、車両の内外における人等の動きを検出する。
【0031】
また、この電子制御装置41には、盗難警報システム13の動作態様を報知したり警報等を発したりする手段として、警戒ランプ45、方向指示灯46、及びホーン47が接続されている。警戒ランプ45は、盗難警報システム13の動作態様を、視覚を通じて報知する。例えば当該システムが非警戒状態である場合には消灯状態に、警戒状態である場合には所定の周期で点滅する。方向指示灯46は、車両の左右に設けられて、車両の周囲に向けて何らかの注意を促す必要がある際に同時に点滅する。ホーン47は、聴覚を通じて車両の周囲に向けて何らかの注意あるいは警戒を促す。
【0032】
電子制御装置41は、警戒開始条件として車両が駐車状態になった旨検出されるとき、車両の動作態様を非警戒状態から警戒状態へ切り替える。本例では、すべてのドアが閉状態且つ施錠状態である旨検出される場合、ユーザが車両から離れて駐車状態になった旨判断される。なお、ドアの開閉状態及び施解錠状態はドアロックシステム12を通じて取得される。また、電子制御装置41は、自身の動作態様を非警戒状態から警戒状態へ切り替えた際には、警戒ランプ45を点滅させる。これにより、車両が警戒状態にある旨外部にアピール可能となる。
【0033】
そして電子制御装置41は、車両が警戒状態に保たれている場合(すなわち、駐車中)に、前述した特定の車両状態である旨検出されて、防犯動作開始条件が成立した旨判断されるとき、車両盗難のおそれがあるとして所定の防犯動作を行う。本例では、特定の車両状態(防犯動作開始条件)として、以下の3つが設定されている。
【0034】
(a)所定レベルの振動が発生すること。
(b)ガラス割れが検出されること。
(c)携帯機20を所持しない第三者の車両への近接あるいは侵入が検出されること。
【0035】
電子制御装置41は、警戒状態に維持されている場合に、(a)〜(c)の少なくとも一が検出されたとき、車両盗難のおそれがあるとして所定の防犯動作、すなわち所定の警報動作を行う。警報動作としては、例えば、ホーン吹鳴及び方向指示灯の点滅等がある。
【0036】
電子制御装置41は、防犯状態に維持されている状態おいて、定められた防犯動作解除条件が成立する旨検出されたとき、車両の防犯状態を解除する。この防犯動作解除条件としては、例えば以下の2つが設定されている。
【0037】
(d)ドアハンドルへのタッチが検出されたこと。
(e)携帯機20のID照合が成立したこと。
電子制御装置41は、警戒状態に維持されている状態で車両の異常が検出される場合において、(d),(e)の双方が検出されたとき、正規のユーザによるドアの解錠操作である旨判断する。そして電子制御装置41は、ドアロックシステム12を通じてドアを解錠するとともに、自身の動作態様を警戒状態から非警戒状態へ切り替える。
【0038】
ここで、警戒状態に維持されている状態で異常検出される場合であれ、これが正規のユーザに起因するものであることも想定される。例えば前述したように、携帯機20がショルダバッグ等に収納されている場合には、ユーザは通信エリア内に位置しているものの、ショルダバッグ内の携帯機20は通信エリア外に位置しているといった状況の発生が考えられる。このような状況下においては、ユーザが通信エリア内に存在しているにもかかわらず、車両と携帯機20との間のID照合が成立しないことが懸念される。そしてこの場合には、ユーザに対して警報が発生されるところ、ユーザはこれを不快に感じるおそれがある。
【0039】
こうした問題を解消するべく、盗難警報システム13の電子制御装置41は、警戒状態において車両の異常が検出されたときには、即時に車両周囲に向けて警報を発するのではなく、当該異常検出がユーザの行為に起因することを想定してまず、携帯機20の認証が行われていない旨報知した上で、それでも携帯機20の認証が成立しない旨判断される場合に、車両盗難のおそれがあるとして車両の周囲に向けて警報を発する。
【0040】
すなわち、盗難警報システム13は、複数段階の警報レベルが設定されている。そして当該システムでは、警戒状態に維持されている状態で車両の異常が検出される場合であって、携帯機とのID照合が成立しない旨判断されるときには、予め定められる警報レベルの設定条件に基づき警報レベルが段階的に上げられる。本例では、第1、第2及び第3の警報レベルが設定されていて、この順に車両周囲に向けて車両の異常を訴える度合い(アピール度)が高くされている。第1及び第2の警報レベルでの警報は、携帯機20の認証が行われていないこと等を報知することを目的としている。第3の警報レベルでの警報は、車両の周囲に向けて盗難のおそれがある旨報知することを主な目的としている。
【0041】
なお、本例では、警報レベルの設定条件として、次の3つが設定されている。
(f)第1の条件:ドアハンドルへのタッチ状態が第1の時間閾値である300msだけ継続するとともに、この間に携帯機20の認証が行われないこと。
【0042】
(g)第2の条件:第1の条件が成立したときからさらに1200msだけドアハンドルへのタッチ状態が継続するとともに、この間に携帯機20の認証が行われないこと。すなわち、ドアハンドルへのタッチ状態が検出されてから累計して第2の時間閾値である1500msだけ経過するまでの間に携帯機20の認証が行われないこと。
【0043】
(h)第3の条件:第2の条件が成立したときからさらに1500msだけドアハンドルへのタッチ状態が継続するとともに、この間に携帯機20の認証が行われないこと。すなわち、ドアハンドルへのタッチ状態が検出されてから累計して第3の時間閾値である3000msだけ経過するまでの間に携帯機20の認証が行われないこと。
【0044】
なお、これら設定条件において、タッチ状態の継続時間の時間閾値は、適宜変更して設定することも可能である。
そしてこれら警報レベルの設定条件の成否を判定するべく、電子制御装置41にはタイマ48が設けられている。電子制御装置41は、警戒状態に維持されている状態で何らかの異常が検出された場合において、タッチセンサ24を通じてドアハンドルに対するタッチ状態が検出されるとき、タイマ48を始動させる。そして電子制御装置41は、電子キーシステム11を通じて取得される携帯機20の認証結果(IDコードの照合結果)、及びタイマ48による計時結果に基づき、第1の条件が成立する旨判断される場合、警報レベルを第1の警報レベルに設定し、当該レベルに応じた警報を発する。例えば、電子制御装置41は、警戒ランプ45の点滅周期を通常時よりも短縮する。これにより、ユーザの視覚を通じて携帯機20の認証が行われていない旨ユーザに認識させることが可能となる。
【0045】
同じく電子制御装置41は、第2の条件が成立する旨判定される場合、警報レベルを第2の警報レベルに設定し、当該レベルに応じた警報を発する。例えば、電子制御装置41は、方向指示灯46を点滅させたり、ホーン47を吹鳴させたりする。この際、電子制御装置41は、方向指示灯46の点滅周期を通常時よりも長く、またホーン47の音量を通常時よりも小さく設定する。この第2の警報レベルでの警報は、ユーザに携帯機20の認証が行われていない旨報知することが主たる目的だからである。ただし、この第2の警報レベルでの警報は、第1の警報レベルに比べて車両の周囲に向けてのアピールの度合いが大きいので、第1の警報レベルでの警報では気付かなかったユーザに対して携帯機20の認証が行われていない旨認識させることが可能となる。
【0046】
同じく電子制御装置41は、第3の条件が成立する旨判定される場合、警報レベルを第3の警報レベルに設定し、当該レベルに応じた警報を発する。この場合にも、電子制御装置41は、方向指示灯46を点滅させたり、ホーン47を吹鳴させたりする。ただしこの場合、電子制御装置41は、方向指示灯46の点滅周期を通常時よりも短く、またホーン47の音量を通常時よりも大きく設定する。さらに、ホーン47は連続して鳴動させてもよいし、周期的に鳴動させてもよい。第3の警報レベルでの警報をこのような態様にすることにより、車両盗難のおそれがある旨車両周囲に向けて強く訴えることが可能となる。
【0047】
<盗難警報システムの動作>
次に、前述のように構成された盗難警報システムの動作を図2のフローチャートに従って説明する。当該フローチャートは、ドアロックシステム12を通じてドアの施錠状態が検出されたとき、すなわち盗難警報システム13の動作態様が非警戒状態から警戒状態へ切り替えられたときに、電子制御装置41に記憶された制御プログラムに従い実行される。
【0048】
さて、警戒状態となった盗難警報システム13では、図2に示されるように、特定の車両状態(異常状態)の検出の有無が判断される(ステップS101)。特定の車両状態が何ら検出されない場合(ステップS101でNO)には、処理が終了される。盗難警報システム13の動作態様は警戒状態に維持される。
【0049】
これに対し、特定の車両状態が検出された場合(ステップS101でYES)、次いでドアハンドルへのタッチ操作の有無を判断する(ステップS102)。当該タッチ操作がなされていない旨判断される場合(ステップS102でNO)には、一定時間だけ警報が発せられて(ステップS103)、その後、処理が終了される。この場合の警報は、後述する第3の警報レベルでの警報である。
【0050】
これに対し、当該タッチ操作がなされている旨判断される場合(ステップS102でYES)、先のステップS101における異常検出はユーザの動作等に起因するものであるおそれがあるとして、タイマ48が始動される(ステップS105)。こうした状況としては、例えばユーザがドアハンドルを操作しようとした際に誤って車両に何らかの外力を加えてしまった場合等が想定される。
【0051】
そして次に、電子キーシステム11を通じて取得される携帯機20の認証結果、すなわち携帯機20側のIDコードと車両側のIDコードとの照合結果に基づき、当該照合の成否を判断する(ステップS106)。
【0052】
IDコードの照合が成立する旨判断される場合(ステップS106でYES)、携帯機20は通信エリアTout内に存在するとして、すなわち先のステップS102において検出されたドアハンドルへのタッチ操作は正規のユーザによるものであるとして、ドアロックシステム12を通じてドアが解錠される(ステップS107)。また、盗難警報システムの動作態様が警戒状態から非警戒状態へ切り替えられる(ステップS108)。そしてタイマ48がクリアされて(ステップS109)、処理が終了される。ちなみに、タイマ48のクリアとは、そのカウント値を初期状態である0に戻す処理をいう。
【0053】
先のステップS106において、IDコードの照合が成立しない旨判断される場合には(ステップS106でNO)、前述した第1の条件(f)の成否が判定される。すなわち、先のステップS102においてドアハンドルへのタッチ状態が検出されてから300msだけ経過したかどうかが判断される(ステップS110)。
【0054】
300msだけ経過していない旨判断されるときには(ステップS110でNO)、先のステップS106へ処理を移行する。ここでID照合が成立する旨判断される場合には、前述と同様にして、ドアが解錠されるとともに、盗難警報システムの動作態様が警戒状態から非警戒状態へ切り替えられる。これに対し、ID照合が成立しない場合には、再びステップS110の判断が行われる。すなわち、当該ステップS110の判断は、ID照合が成立しない限り、前述のタッチ状態が検出されてから300msだけ経過するまで繰り返される。
【0055】
そしてID照合が成立しない状態で、タッチ状態が検出されてから300msだけ経過した旨判断されるとき(ステップS110でYES)、ドアハンドルへのタッチ状態の検出の有無が判断される(ステップS111)。タッチ状態が検出されていない旨判断されるときには(ステップS111でNO)、先のステップS109へ処理が移行されて、タイマ48がクリアされた上で処理が終了される。すなわち、ユーザが携帯機20の認証が成立していないこと等に気付いた場合には、ドアハンドル(正確には、タッチセンサ24)から手を離して携帯機20を通信エリア内に移動させ、その上でドアハンドルの操作をやり直すことが可能になる。この時点で、車両周辺に向けての警報が発せられることはない。
【0056】
これに対し、依然としてタッチ状態が検出されている旨判断されるときには(ステップS111でYES)、今度はID照合の成否が判断される(ステップS112)。
ID照合が成立した旨判断されるとき(ステップS112でYES)、正規のユーザによる解錠操作がなされているとして、先のステップS107へ処理が移行される。そして前述と同様に、ステップS108及びステップS109の処理を経て処理が終了される。
【0057】
ステップS112において、依然としてID照合が成立しない旨判断されるとき(ステップS112でNO)には、先の第1の条件(f)が成立したとして、第1の警報レベルでの警報が発せられる(ステップS113)。この警報を通じてユーザは携帯機20の認証が成立していないこと等に気付くことが可能になる。このことに気付いたユーザは、前述と同様に、ドアハンドルを通じた解錠操作をやり直すことができる。
【0058】
先のステップS111〜S113の処理が実行されている間にもタイマ48による計時処理は継続されている。そして、先の第1の条件(f)が成立した旨判断されたときを基準として1200msだけ経過したかどうか、すなわち最初にタッチ状態が検出されてから累積で1500msだけ経過したかどうかの判断が行われる(ステップS114)。累積で1500msだけ経過していない旨判断される場合(ステップS114でNO)には、当該ステップS114の処理を繰り返す。すなわち、当該ステップS114の処理は、累積で1500msだけ経過するまで繰り返される。
【0059】
そして、累積で1500msだけ経過した旨判断された場合(ステップS114でYES)には、タッチ状態の検出の有無の判断が行われる(ステップS115)。タッチ状態の検出がない旨判断される場合(ステップS115でNO)、先のステップS109へ処理が移行されて前述と同様の処理が行われる。タッチ状態の検出がある旨判断される場合(ステップS115でYES)、ステップS116へ処理が移行されて、ID照合の成否の判断が行われる(ステップS116)。ID照合が成立する旨判断される場合(ステップS116でYES)、先のステップS107へ処理が移行されて、前述と同様の処理が行われる。ID照合が成立しない旨判断される場合(ステップS116でNO)、先の第2の条件(g)が成立したとして、第2の警報レベルでの警報が発せられる(ステップS117)。この警報を通じてユーザは携帯機20の認証が成立していないこと等に気付くことが可能になる。このことに気付いたユーザは、前述と同様に、ドアハンドルを通じた解錠操作をやり直すことができる。
【0060】
先のステップS115〜S117の処理が実行されている間にもタイマ48による計時処理は継続されている。そして、先の第2の条件(g)が成立した旨判断されたときを基準として1500msだけ経過したかどうか、すなわち最初にタッチ状態が検出されてから累積で3000msだけ経過したかどうかの判断が行われる(ステップS118)。累積で3000msだけ経過していない旨判断される場合(ステップS118でNO)には、当該ステップS118の処理を繰り返す。すなわち、当該ステップS118の処理は、累積で3000msだけ経過するまで繰り返される。
【0061】
そして、累積で3000msだけ経過した旨判断された場合(ステップS118でYES)には、タッチ状態の検出の有無の判断が行われる(ステップS119)。タッチ状態の検出がない旨判断される場合(ステップS119でNO)、先のステップS109へ処理が移行されて前述と同様の処理が行われる。タッチ状態の検出がある旨判断される場合(ステップS119でYES)、ステップS120へ処理が移行されてID照合の成否の判断が行われる(ステップS120)。ID照合が成立する旨判断される場合(ステップS120でYES)、先のステップS107へ処理が移行されて、前述と同様の処理が行われる。ID照合が成立しない旨判断される場合(ステップS120でNO)、先の第3の条件(h)が成立したとして、一定時間だけ第3の警報レベルでの警報が発せられる(ステップS121)。この後、ステップS109へ処理が移行されてタイマ48がクリアされた後、処理が終了される。
【0062】
<実施の形態の効果>
したがって、本実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)ドアハンドルへのタッチ状態が検出されている状態で、携帯機20とのID照合が成立しない場合、そのタッチ状態の継続時間に応じて警報レベルを段階的に上げるようにした。本例では、第1〜第3の警報レベルを設定し、この順に車両周囲に向けて車両の異常を訴える度合い(アピール度)が高くなるようにした。すなわち、第1及び第2の警報レベルでの警報は、携帯機20が車両との間で無線通信できる状態ではない旨ユーザに報知する観点から、車両の周囲へ向けて積極的に発せられる第3の警報レベルでの警報に比べて、車両周囲へ訴える度合いは抑え気味に設定される。このため、例えばユーザがドアハンドルを操作しようとした際に誤って車両に何らかの外力を加えてしまうような状況の発生も想定されるものの、この場合であれ、即時に車両周囲へ向けた積極的な警報、すなわち第3の警報レベルでの不必要な警報が発せられることはない。したがって、第1及び第2の警報レベルでの警報を通じて、携帯機20が通信エリアToutの外に位置するおそれがある旨をユーザに不快感を与えることなく且つ効果的に通知することができる。携帯機20が通信エリアTout外に位置していることに気付いたユーザは、携帯機20を通信エリアTout内に移動させた上で、ドアハンドルを通じた解錠操作を再度試みることができる。したがって、携帯機20を所持する正規のユーザが、不必要な警報(第3の警報レベルでの警報)を受ける状況の発生を低減することができる。
【0063】
(2)携帯機20と通信ができていない状態である旨ユーザに警告する場合についても、警報レベルが第1の警報レベルから第2の警報レベルへ段階的に変化する。このため、第1及び第2の警報レベルでの2回の警報を通じて、携帯機20が通信エリアTout内に存在しないこと、すなわち携帯機20が車両との間で通信できる状態でないことを、ユーザに気付かせることが可能になる。携帯機20の通信状態の報知を単数回とした場合に比べて、ユーザがそのことに気付く蓋然性が高められる。
【0064】
(3)また、第2の警報レベルでの警報は、第1の警報レベルでの警報に比べて、車両周囲へ訴える度合いが大きい。このため、第1の警報レベルでの警報では携帯機20の通信状態に気づかなかったユーザに対して再度の報知を好適に行うことができる。
【0065】
(4)さらに、これら第1及び第2の警告レベルでの警報は、第3の警報レベルでの警報に比べて車両周囲へのアピールの度合いは低いものの、車両盗難等の不正を働こうとする者にとっては不快なものであることが想定される。すなわち、盗難警報システムとしてのセキュリティ性は維持される。
【0066】
(5)また、ドアハンドルにタッチしてから3秒(3000ms)以内にドアハンドルから手を放せば車両周囲に向けての積極的な警報、すなわち第3の警報レベルでの警報が発せられることはない。このため、ドアハンドルにタッチしてから3秒が経過するまでの間にユーザが携帯機20と車両との無線通信が行われていないことに気付いた場合には、ドアハンドルから手を離し、携帯機20を通信エリアTout内に移動させた上で、ドアハンドルへのタッチを再度行うことにより、第3の警報レベルでの警報を受けることなくドアの解錠を行うことができる。
【0067】
(6)盗難警報システム13では、ドアが施錠された場合には警戒状態へ、ドアが解錠された場合には非警戒状態へその動作態様が切り替えられる。すなわち、盗難警報システム13の動作態様の切り替えが、電子キーシステム11の照合結果に基づくドアロックシステム12を通じたドアの施錠及び解錠と連動して自動的に行われる。このため、盗難警報システム13の動作態様を切り替えるに際して、ユーザは何らの操作をする必要がなく便利である。盗難警報システム13の動作態様の切り替えを携帯機20の操作等を通じて独立して行うことも可能ではある。しかし、この場合には、盗難警報システム13の動作態様を切り替える際には、その都度携帯機20を操作する等の必要があるので煩わしい。
【0068】
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。本実施の形態は、前記第1の実施の形態を前提とし、基本的には先の図1に示される盗難警報システムと同様の構成を備えてなる。このため、前記第1の実施の形態と同一の部材構成については同一の符号を付し、その重複した説明を省略する。
【0069】
さて、前記第1の実施の形態では、ドアハンドルに対するタッチ状態が検出されたときから累積1500msに満たないタッチであれば、車両の周囲に向けて積極的に異常を訴える第3の警報レベルでの警報が発せられることはない。このため、ドアハンドルに対するタッチ状態が検出されたときから累積1500msだけ経過するまでの短期間におけるガラス割り等の行為については、検出されないおそれがある。すなわち、1500ms未満のタッチを繰り返しながらガラスを段階的に割り、そのガラスを除去することも考えられなくはない。
【0070】
そこで、本例では、次のような構成を採用している。すなわち、図3(a)に示すように、電子制御装置41はカウンタ49を備えて構成されている。このカウンタ49は盗難警報システム13の動作態様が警戒状態になったときに始動され、非警戒状態になったときにクリアされる。そしてこのカウンタ49を通じて盗難警報システム13の動作態様が警戒状態になったときからの短タッチ回数、換言すればドアが施錠されてからの短タッチ回数を計数する。この計数値が閾値(タッチ回数判定閾値)を超えている旨判断される場合には、即時に、あるいは一定時間経過後(例えば5秒経過後)に第3の警報レベルでの警報を発する。
【0071】
具体的には、図3(b)のフローチャートに示されるように、盗難警報システム13では、施錠状態で異常状態あるいはドアハンドルに対するタッチが検出された場合に、ID照合が成立しない旨判断されるとき(ステップS106においてNO)、タッチ回数Nが回数閾値Nh(例えば3回)を超えているかどうかの判断を行う(ステップ130)。このタッチ回数Nは、盗難警報システム13の動作態様が警戒状態となったときからの回数である。そしてタッチ回数が回数閾値Nh以下である旨判断される場合(ステップS130でNO)には、ステップS110へ処理を移行する。これに対し、タッチ回数が回数閾値Nhを超えている旨判断される場合(ステップS130でYES)には、ステップS131へ処理を移行し、第3の警報レベルでの警報が一定時間だけ発せられる。その後、カウンタ49のクリア(ステップS132)、及びタイマ48のクリア(ステップS133)が行われた上で、処理が終了される。
【0072】
したがって、本実施の形態によれば、前述した短タッチを繰り返しながらの不正行為を抑制することが可能になる。
なお、前述したように、ユーザがドアを解錠する際に携帯機20が通信エリアTout外に存在する状況が想定されるところ、ユーザがそれに気付かず短タッチを繰り返すことも考えられる。この場合には、4回目のタッチが行われた時点で第3の警報レベルでの警報が発せられることもあり得る。したがって、回数閾値Nhの値は、防犯性の観点のみならず、こうしたユーザの操作状況も加味して設定することが望ましい。
【0073】
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。本実施の形態は、前記第1の実施の形態を前提とし、基本的には先の図1に示される盗難警報システムと同様の構成を備えてなる。このため、前記第1の実施の形態と同一の部材構成については同一の符号を付し、その重複した説明を省略する。
【0074】
本例の携帯機20は、車両との間の双方向通信のみならず、自身を送信側とする単方向通信の実行が可能とされている。すなわち、図4(a)に示すように、携帯機20は、ロックスイッチ51及びアンロックスイッチ52が設けられている。ロックスイッチ51は車両のドアを施錠する際に、またアンロックスイッチ52は車両のドアを解錠する際に操作される。ロックスイッチ51が操作されたときには車両に対してドアの施錠を要求する制御信号Scが、またアンロックスイッチ52が操作されたときには車両に対してドアの解錠を要求する制御信号Scが無線送信される。なお、この制御信号Scは、車両側に要求する制御の内容(ここでは、施錠及び解錠)を示す機能コード及び携帯機20に固有のIDコードが含まれる。電子キーシステム11は、制御信号Scを受信したとき、これに含まれるIDコードと自身の記憶装置に記憶されたIDコードとの照合を行い、これらIDコードの照合が成立する旨判断されるとき、制御信号Scに含まれる機能コードに基づきドアロックシステム12を通じてドアを施錠あるいは解錠する。
【0075】
また、本例では、車両にはいわゆるアンサーバックシステム53が搭載されている。このアンサーバックシステム53は、携帯機20の操作を通じた無線通信によるドアの施錠又は解錠が実行された際に、方向指示灯を点滅させることによりドアの施錠又は解錠が実行されたことを報知する。ユーザは、携帯機20を操作した際に方向指示灯の点滅を目視することにより、車両側においてドアの施錠又は解錠が実行されたことを認識可能となる。また、方向指示灯46の点滅を通じて車両自らが自身の位置をアピールすることにもなるので、駐車場等において自車両を探すときにも役に立つ。なお、方向指示灯46の点滅に加え、ホーン47を吹鳴させるようにしてもよい。
【0076】
こうしたアンサーバック機能を車両に付与することにより利便性が高められる等の利点がある一方で、次のような懸念もある。すなわち、正規のユーザが携帯機20を紛失した場合、それを拾った者によりロックスイッチ51あるいはアンロックスイッチ52が操作された場合であれ、車両は方向指示灯46の点滅等を通じて施錠又は解錠等の制御が実行された旨報知する。このため、正規のユーザでなくとも、携帯機20に対応する車両の特定が可能になる。こうした問題を解決するべく、本例では次のような構成を採用している。
【0077】
すなわち、例えば携帯機20のロックスイッチ51の操作を通じて、アンサーバック機能を無効化することを可能としている。具体的には、図4(b)に示されるように、携帯機20のロックスイッチ51の操作による無線通信を通じて、電子キーシステム11の動作態様が第1のロックモードと第2のロックモードとの間で遷移する。第1ロックモードとは、携帯機20のロックスイッチ51又はアンロックスイッチ52の操作によるドアの施錠又は解錠が許容されるとともに、アンサーバック機能が有効化される電子キーシステム11の動作モードをいう。第2ロックモードとは、携帯機20のロックスイッチ51又はアンロックスイッチ52の操作によるドアの施錠又は解錠が禁止されるとともに、アンサーバック機能が無効化される電子キーシステム11の動作モードをいう。
【0078】
通常時は、初期状態として、電子キーシステム11の動作態様は、第1のロックモードに設定される。第1のロックモードでは、ロックスイッチ51が短押しされることにより、車両に対してドアの施錠を要求する制御信号Scが送信されるとともに、当該信号に基づき車両側においてドアの施錠が実行される。同じく、アンロックスイッチ52が短押しされることにより、車両に対してドアの解錠を要求する制御信号Scが送信されるとともに、当該信号に基づき車両側においてドアの解錠が実行される。これに伴い方向指示灯46の点滅によるアンサーバックが行われる。なお、携帯機20は、例えばロックスイッチ51又はアンロックスイッチ52の連続した操作時間が例えば1秒間未満である場合、短押しが行われた旨判断する。また、第1のロックモードでは、メカニカルキーによるドアの施錠又は解錠も可能とされている。
【0079】
携帯機20のロックスイッチ51が長押しされた場合、電子キーシステム11の動作態様は、第2のロックモードに設定される。詳述すると、ロックスイッチ51が長押しされた場合、携帯機20は、車両に対してアンサーバック機能の無効化を要求する無効化要求コード信号を生成し、当該コードを前述の制御信号Scに含ませてこれを無線送信する。電子キーシステム11は、受信される制御信号Scに含まれる機能コードに基づきドアロックシステム12を通じてドアを施錠又は解錠する。そしてその後、自身の動作態様を第1のロックモードから第2ロックモードへ遷移させる。なお、携帯機20は、例えばロックスイッチ51又はアンロックスイッチ52の連続した操作時間が例えば1秒以上である場合、長押しが行われた旨判断する。本例では、3秒以上の継続操作を想定している。
【0080】
第2のロックモードでは、携帯機20と車両との無線通信を通じたドアの施錠又は解錠が不能とされる。すなわち、ロックスイッチ51又はアンロックスイッチ52の操作を通じて制御信号Scが無線送信された場合であれ、当該制御信号Scに基づきドアが施錠又は解錠されることはない。ひいては、施錠又は解錠が実行された旨示すアンサーバックも実行されることはない。同様に、携帯機20と車両との双方向通信を通じて携帯機20が認証された状態でドアハンドルが操作された場合であれ、ドアが施錠又は解錠されることはない。なお、この第2のロックモードにおいても、メカニカルキーによるドアの施錠又は解錠は可能とされている。
【0081】
第2のロックモードに設定されている状態において、電子キーシステム11は、メカニカルキーによるドアの解錠が行われた旨ドアロックシステム12を通じて検出される場合には、自身の動作態様を第1のロックモードに切り替える。これにより、通常通り、無線通信を通じたドアの施錠又は解錠が可能とされる。アンサーバック機能も有効とされる。
【0082】
なお、第1のロックモードから第2のロックモードへの遷移条件として、ドアロックスイッチ25の長押しを設定してもよい。また、第2のロックモードから第1のロックモードへの遷移条件として、タッチセンサ24の長タッチ(3秒以上の連続タッチ)を設定してもよい。タッチセンサの24の長タッチが検出されたときには、電子キーシステム11は自身の動作態様を第2のロックモードから第1のロックモードへ遷移させるとともに、携帯機20が認証されていることを条件としてドアロックシステム12を通じてドアを解錠する。このようにすれば、乗車又は降車に伴う一連のユーザ動作の中で電子キーシステム11の動作態様の切り替えを行うことができるので、便利である。
【0083】
前述したように、電子キーシステム11の動作態様が第2のロックモードに維持されている状態でドアを解錠する際には、次の(i)又は(j)の操作を行う必要がある。この第2のロックモードでは、無線通信を通じたドアの解錠、ひいてはアンサーバック機能が無効とされるからである。
【0084】
(i)メカニカルキーによる解錠操作。
(j)ドアハンドル(正確には、タッチセンサ24)の長タッチ(3秒以上)。
このため、前述したように、携帯機20を不正に入手した第三者が当該携帯機20に対応する車両のドアを解錠する際には、当該携帯機20に対応する車両が見つかるまで、前記(i)又は(j)の操作を車両毎に行う必要がある。このような行為は非常に煩雑であり、また明らかに怪しい行為でもある。このため、当該第三者に当該車両の特定を断念させることが期待できる。
【0085】
また、本例では、前記第1の実施形態を前提としている。このため、携帯機20を拾得した第三者が、当該携帯機20に対応しない前記第1の実施の形態の構成を備える車両にたどり着いた場合、前記(i)又は(j)の行為を行った際には、これが車両の振動等として検出されて警報が発せられる。これにより、当該第三者による不正行為の抑制効果が期待できる。この場合、車両周囲へ向けた訴えの度合いが最も大きな第3の警報レベルでの警報に至らない場合も考えられる。しかし、第1又は第2の警報レベルでの警報であれ、第三者による不正な行為に対して一定の抑制効果は得られる。
【0086】
なお、視覚を通じてのみ異常を訴える第1の警報レベルでの警報よりも、視覚及び聴覚の双方を通じて異常を訴える第2の警報レベルでの警報の方が、不正行為に対する抑制効果は高いと考えられる。このように、不正行為を抑制する観点からすると、第1の警報レベルでの警報を省略してもよい。また、第1の警報レベルでの警報を視覚のみならず聴覚を通じたものとしてもよい。さらに、第2のロックモードの解除条件であるメカニカルキーでの解錠に対応するべく、盗難警報システム13の防犯動作開始条件として、「メカニカルキーのキーシリンダへの挿入が検出されること」を追加してもよい。
【0087】
したがって、本実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)電子キーシステム11の動作態様が第2のロックモードに設定されている場合には、無線通信を通じたドアの施錠又は解錠は実行されないので、方向指示灯46等を通じたアンサーバックも当然行われない。このため、第三者による車両の特定が困難になる。したがって、ユーザは、携帯機20の紛失時の悪用が不安視される場所に駐車する際には、電子キーシステム11の動作態様を第2のロックモードに設定すればよい。無線通信を通じたドアの施錠又は解錠、並びにアンサーバック機能が無効化されることにより、防犯性が高められる。
【0088】
(2)本例は、前記第1の実施の形態を前提として構成されている。このため、携帯機20を拾得した第三者が、当該携帯機20に対応する車両を特定するべく、前記(i)又は(j)の行為を行った場合には、盗難警報システム13を通じて警報が発せられる。このため、防犯性のいっそうの向上が期待できる。
【0089】
(3)本例を、第1の実施の形態に適用するに際して、車両側及び携帯機20側のハードウェアを大きく変更する必要がない。車両側(電子キーシステム11)のソフトウェアを変更するだけでよい。このため、簡単に車両の防犯性を高めることができる。ただし、携帯機20がロックスイッチ51又はアンロックスイッチ52の長押しに対応していない場合には、これに対応させる必要があるが、当該長押しの検知を電子キーシステム11の電子制御装置21で行うことで、車両側(電子キーシステム11)のソフトウェアを変更するだけでよい。
【0090】
<他の実施の形態>
なお、前記各実施の形態は、次のように変更して実施してもよい。
・各実施の形態では、盗難警報システム13の動作態様は、ドアが施錠された場合には警戒状態へ、ドアが解錠された場合には非警戒状態へ自動的に切り替えられる。しかし、盗難警報システム13の動作態様の切り替えを、携帯機20の操作等を通じて独立して行うようにしてもよい。この場合、携帯機20には、例えば盗難警報システム13の動作態様を切り替える際に操作される単数又は複数のスイッチを設ける。単数のスイッチを設けるようにした場合には、これが操作される度に、無線通信を通じて盗難警報システム13の動作態様が非警戒状態と警戒状態との間で切り替えられる。複数のスイッチを設けるようにした場合には、例えば一のスイッチを警戒状態設定用、他の一を警戒状態解除用のスイッチとして設定する。警戒状態設定用のスイッチが操作されたときには無線通信を通じて盗難警報システム13の動作態様が警戒状態に、また警戒状態解除用のスイッチが操作されたときには無線通信を通じて盗難警報システム13の動作態様が非警戒状態に設定される。
【0091】
・各実施の形態において、ドアハンドルの操作を通じた解錠方式として、タッチセンサ24に対する短タッチ(例えば1秒以内)による解錠方式を採用してもよいし、長タッチ(例えば3秒以上の継続タッチ)による解錠方式を採用してもよい。
【0092】
・各実施の形態では、車室外において無線通信を通じた携帯機20の認証が成立したときドアの解錠が許可されるようにしたが、車室内において無線通信を通じた携帯機20の認証を行い、当該認証が成立したときエンジンの始動が許可されるようにしてもよい。この場合には、車室内(例えば車内の床等)にも発信機を設ける。発信機からLF帯の応答要求信号が発信されることにより車室内に通信エリアが形成される。携帯機を所持したユーザが車室内に進入して応答要求信号を受信すると、これに応答して応答信号を送信する。
【0093】
・各実施の形態では、携帯機20の存在の有無を確認する方式(携帯機20のサーチ方法)として、車両側から周期的に応答要求信号Srqを発信して車両周辺に携帯機20との通信エリアToutを形成する、いわゆるポーリング方式を採用したが、次のような方式を採用してもよい。すなわち、ドアハンドルへのタッチが検出されたことを契機として応答要求信号Srqを発信して携帯機20の存在の有無を確認するようにしてもよい。
【0094】
・各実施の形態において、車両が盗難状態にあっている、または車両が盗難に遭うおそれがある旨判断されたとき、その旨無線通信を通じてユーザあるいは監視センタ等に通報するようにしてもよい。この場合、車両には、通報用の通信装置を設ける。
【0095】
・第3の実施の形態において、例えばアンロックスイッチ52の長押し操作が行われるたびに、電子キーシステム11の初期状態として設定される動作態様が、第1のロックモードと第2のロックモードとの間で交互に切り替えられるようにしてもよい。このようにすれば、ユーザが任意に電子キーシステム11の動作モードを選択して設定することが可能になり、利便性が向上する。
【0096】
・第1及び第2の実施の形態では、携帯機20には施錠用及び解錠用の2つのスイッチを設けたが、これらを単一のスイッチとしてもよい。この場合この単一のスイッチが操作されるたびにドアの施錠及び解錠が交互に実行される。
【0097】
・第1及び第2の実施の形態では、車両に対する盗難行為あるいは不正行為等を検出する手段として、振動センサ42,ガラス割れセンサ43及び侵入センサ44を設けたが、これらセンサは適宜変更してもよい。これらセンサの他にも、例えば車両の傾斜を検出する傾斜センサを設け、その検出結果に基づき盗難行為等を検出することも可能である。また、各センサの検出方式等は問わない。
【0098】
・第1及び第2の実施の形態において、各システムの電子制御装置21,31,41は、単一の電子制御装置として構成してもよい。
・第1及び第2の実施の形態では、盗難警報システム13の警報レベルを3段階に設定したが、2段階としてよい。また、4段階あるいはそれ以上に設定してもよい。
【符号の説明】
【0099】
11…電子キーシステム、13…盗難警報システム、20…携帯機。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザにより所持される携帯機との無線通信を通じた当該携帯機の認証結果に基づきドアの解錠を許可し、当該解錠が許可された状態でユーザの車両に対するタッチ操作を通じた解錠操作が検出されるときにドアの解錠を実行する一方で、ドアが解錠された状態である旨検出される場合にユーザの車両に対するタッチ操作を通じた施錠操作が検出されるときにドアの施錠を実行する電子キーシステムと連係し、
ドアが施錠された旨検出される場合、車両盗難のおそれがあるとして予め想定された特定の車両状態の発生の有無を監視する警戒状態となるとともに、この状態で前記特定の車両状態の発生または車両に対するタッチ操作を通じた解錠操作が検出されるとき、前記携帯機の認証が成立しない旨検出されることを条件として、車両の周囲に異常の発生を積極的に訴えるべく警報を発する一方で、前記警戒状態に維持されている状態で前記携帯機の認証が成立する旨検出されるとき、当該警戒状態を解除して非警戒状態となる盗難警報システムにおいて、
前記警戒状態に維持されている状態で車両へのタッチ操作を通じた解錠操作が検出された場合に前記携帯機の認証が成立しない旨判断されるとき、車両の周囲に訴える度合いである警報レベルを、車両の周囲に異常の発生を積極的に訴える本来の警報レベルよりも低く抑えられた警報レベルから、前記本来の警報レベルへ向けて段階的に上げていく盗難警報システム。
【請求項2】
請求項1に記載の盗難警報システムにおいて、
前記警戒状態に維持されている状態で車両へのタッチ操作を通じた解錠操作が検出された場合に前記携帯機の認証が成立しない旨判断されるとき、前記タッチ操作の継続時間に応じて前記警報レベルを段階的に上げていくとともに、当該継続時間が時間閾値に達した旨判断されるとき、前記本来の警報レベルでの警報を発する盗難警報システム。
【請求項3】
請求項2に記載の盗難警報システムにおいて、
前記警戒状態に維持されている状態で車両へのタッチ操作を通じた解錠操作が検出された場合に前記携帯機の認証が成立しない旨判断されるとき、前記警戒状態になったときからの車両へのタッチ操作の回数が回数閾値を超えているかどうかの判断を行い、当該判断結果が前記回数閾値を超えているものであるときには、前記本来の警報レベルでの警報を発する盗難警報システム。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の盗難警報システムにおいて、
前記警報レベルは、視覚に訴えるものから聴覚に訴えるものへ段階的に変化する盗難警報システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−98627(P2011−98627A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−254063(P2009−254063)
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】