説明

盗難防止機能を有する電子機器、外部サーバー

【課題】ユーザーに余分な手間や労力をかけることなく盗難防止効果を奏することができる電子機器を提供する。
【解決手段】インターネット接続機能を有する電子機器であって、製品毎にユニークに付与された製品識別情報を記憶する記憶部(例えばメモリ11)と、前記記憶部から前記製品識別情報を読み出し、前記製品識別情報を含む盗品識別要求信号を生成し、前記盗品識別要求信号をインターネット経由で外部サーバーに送信する制御部(例えばシステムコントローラ10及びネットワーク接続部15)とを備え、前記制御部が、前記盗品識別要求信号に応答する前記外部サーバーからの返信信号を用いて、前記電子機器が盗品であるか否かを確認する電子機器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、盗難防止機能を有する電子機器、及び、電子機器が盗難防止効果を奏するために必要な情報を電子機器に与えることができる外部サーバーに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、電子機器の盗難を防止するための典型的な方法は、例えば、センサータグと呼ばれるセンサーを商品に埋め込み、又は、商品を梱包しているボール箱にセンサータグを付け、さらに、店のドア側に検出用センサーを設け、レジスタ装置でセンサータグの機能を無効にせずに商品が店から離れた場合にブザーを鳴らす方法である。しかしながら、この方法は、センサータグの取り付けに余分な手間や労力がかかるという問題を有している。また、センサータグは一旦商品から引き離されるとその効力を失い、商品が盗まれてもブザーが鳴らないことがあるので、この方法の効果については疑問がある。
【0003】
また、特許文献1は、物品の所有に係る情報や物品の盗難に係る情報を効率よく共有することにより、盗品の取引を抑止できる盗難情報管理システムを開示している。この盗難情報管理システムは、製品の個体毎に固有の製品識別情報と、当該製品の個体の所有者に係る情報とを対応づけて記録する製品管理データベースを備えた製品管理サーバと、問合せ端末とをネットワークを介して相互に通信可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−304674号公報(要約、段落0013)
【特許文献2】特開2004−21834号公報
【特許文献3】特開2006−92128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1で開示されている盗難情報管理システムにおいて、製品管理データベースに記録される製品の個体の所有者に係る情報は、製品を取り扱う業者(メーカー、販売会社など)の販売拠点、サポート窓口、修理拠点において特別に収集される個人情報であるため、その個人情報の収集に余分な手間や労力がかかるという問題を有している。また、特許文献1で開示されている盗難情報管理システムでは、所有者の照会に際して、問合せ端末に対して特別な入力操作(製品識別情報の指定)を行う必要があり、この点においても余分な手間や労力がかかってしまう。
【0006】
本発明は、上記の状況に鑑み、ユーザーに余分な手間や労力をかけることなく盗難防止効果を奏することができる電子機器、及び、製品を取り扱う業者に余分な手間や労力をかけることなく、電子機器が盗難防止効果を奏するために必要な情報を電子機器に与えることができる外部サーバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明に係る電子機器は、インターネット接続機能を有する電子機器であって、製品毎にユニークに付与された製品識別情報を記憶する記憶部と、前記記憶部から前記製品識別情報を読み出し、前記製品識別情報を含む盗品識別要求信号を生成し、前記盗品識別要求信号をインターネット経由で外部サーバーに送信する制御部とを備え、前記制御部が、前記盗品識別要求信号に応答する前記外部サーバーからの返信信号を用いて、前記電子機器が盗品であるか否かを確認する構成とする。
【0008】
このような構成によると、ユーザーが特別な入力操作を行うことなく、電子機器が盗品であるか否かを確認することができるので、ユーザーに余分な手間や労力をかけることなく盗難防止効果を奏することが可能になる。
【0009】
また、前記制御部によって前記電子機器が盗品であると判定された場合に、警告表示用の表示信号を生成し、前記制御部によって前記電子機器が盗品でないと判定された場合に、確認完了表示用の表示信号を生成する表示信号生成部を備えるようにしてもよい。警告表示により、盗難防止効果を奏することになる。
【0010】
また、前記電子機器が盗品であるとの判定が所定回数繰り返されると、前記警告表示用の表示信号の内容が変更されるようにしてもよい。変更後の表示は、例えば、エラーメッセージ表示、盗品である製品の代金を所定の方法で支払うことを促す代金請求表示、盗品である製品を所定の宛先に返却すること促す返却請求表示などが考えられる。
【0011】
また、前記制御部によって前記電子機器が盗品であると判定された場合に、前記制御部が、前記電子機器に割り当てられているインターネット接続用の識別情報をインターネット経由で外部サーバーに送信するようにしてもよい。これにより、盗品の所在をつきとめることが容易になる。
【0012】
また、前記制御部によって前記電子機器が盗品であると判定された場合に、前記制御部が、前記電子機器の機能を制限するようにしてもよい。機能の制限は、例えば、ネットワーク接続を遮断する処理、電源オン状態を不可能にする処理、視聴制限処理などによって実現可能である。
【0013】
また、本発明に係る外部サーバーは、上記いずれかの構成の電子機器から送信される盗品識別要求信号を受信し、前記盗品識別要求信号に含まれている製品識別情報に対応する製品の販売データを用いて返信信号を生成して、前記返信信号を前記電子機器に返信する外部サーバーであって、前記販売データがPOS(Point of sale)システムによって登録されたデータであるようにしている。
【0014】
このような構成によると、外部サーバーが、販売拠点、サポート窓口、修理拠点において特別に収集される個人情報を必要としない。したがって、本発明に係る外部サーバーは、製品を取り扱う業者に余分な手間や労力をかけることなく、上記いずれかの構成の電子機器が盗難防止効果を奏するために必要な情報を上記いずれかの構成の電子機器に与えることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、ユーザーに余分な手間や労力をかけることなく盗難防止効果を奏することができる電子機器、及び、製品を取り扱う業者に余分な手間や労力をかけることなく、電子機器が盗難防止効果を奏するために必要な情報を電子機器に与えることができる外部サーバーを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係るテレビジョン受像機のブロック図である。
【図2】図1に示す本発明の一実施形態に係るテレビジョン受像機が実行する盗品識別処理手順であるフローチャートの一例である。
【図3】識別中であることを知らせるメッセージ画面の一例を示す図である。
【図4】識別が完了したことを知らせるメッセージ画面の一例を示す図である。
【図5】リトライメッセージ画面の一例を示す図である。
【図6】エラーメッセージ画面の一例を示す図である。
【図7】図1に示す本発明の一実施形態に係るテレビジョン受像機が実行する盗品識別処理手順であるフローチャートの他の例である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態について図面を参照して以下に説明する。
【0018】
本発明の一実施形態に係るテレビジョン受像機のブロック図を図1に示す。図1に示す本発明の一実施形態に係るテレビジョン受像機は、インターネット接続機能付きテレビジョン受像機であって、デジタルチューナ2と、デマルチプレクサ(DEMUX)3と、AVデコーダ4と、映像処理回路5と、音声処理回路6と、加算器7と、映像出力部8と、音声出力部9と、システムコントローラ10と、メモリ11と、OSD(On Screen Display)表示回路12と、本体操作部13と、リモコン受光部14と、ネットワーク接続部15とを備えている。
【0019】
アンテナ1がデジタル放送電波を受信し、受信信号をデジタルチューナ2に供給する。デジタルチューナ2は、システムコントローラ10からのチャンネル選択信号によって、物理チャンネルを選択する。デジタルチューナ2は、このチャンネル選択プロセスによって、高周波信号である受信信号を、特定周波数の信号である選択された物理チャンネルのデジタル変調信号に変換する。また、デジタルチューナ2は、選択された物理チャンネルのデジタル変調信号を復調する復調回路等を備えており、トランスポートストリームTSを出力する。
【0020】
デマルチプレクサ(DEMUX)3は、デジタルチューナ2から受け取ったトランスポートストリームTSのパケットのうち暗号化が施されているパケットに対して復号を行い、パケットを放送番組の内容そのものであるAVデータとSI(Service Information)情報とに分別し、AVデータをAVデコーダ4に出力し、SI情報をシステムコントローラ10に出力する。
【0021】
AVデコーダ4は、システムコントローラ10から出力されるAV制御信号に応じて、デマルチプレクサ3又はシステムコントローラ10から受け取ったAVデータを映像信号と音声信号とにデコードし、映像信号を映像処理回路5に出力し、音声信号を音声処理回路6に出力する。
【0022】
映像処理回路5は、AVデコーダ4から映像信号を受け取り、D/A変換を行うことによってアナログ映像信号を生成する。音声処理回路6は、AVデコーダ4あるいはシステムコントローラ10から音声データを受け取り、D/A変換を行うことによってアナログ音声信号を生成する。
【0023】
システムコントローラ10は、ユーザーによるキー操作を受け付ける本体操作部13から出力される操作コマンドあるいはユーザーによるキー操作を受け付けるリモコン送信機(不図示)から送信されるリモコン赤外線信号を受光するリモコン受光部14から出力される操作コマンドに応じて、テレビジョン受像機の各種制御を行う。
【0024】
メモリ11は、システムコントローラ10がテレビジョン受像機の各種制御を行うために必要な各種プログラム及び各種データを不揮発的に記憶している。
【0025】
システムコントローラ10は、上述した操作コマンドあるいはメッセージ表示の必要性に応じて、OSD表示回路12にOSD制御信号を送出する。
【0026】
OSD回路12は、システムコントローラ10から送られてきたOSD制御信号に基づいてOSD信号を生成し、そのOSD信号を加算器7に出力する。
【0027】
加算器7は、映像処理回路5から出力されるアナログ映像信号に、OSD回路12から出力されるOSD信号をスーパーインポーズし、その結果得られた映像信号を映像出力部8に供給する。
【0028】
映像出力部8は表示装置(不図示)を有しており、加算器7から供給された映像信号に応じた映像が当該表示装置の表示画面に表示される。
【0029】
音声出力部9はスピーカ(不図示)を有しており、音声処理回路6から供給されたアナログ音声信号に応じた音声が当該スピーカから発せられる。
【0030】
ネットワーク接続部15は、ネットワークに接続されたモデム(不図示)を介して容易にインターネットに接続することができる。ネットワーク接続部15がシステムコントローラ10の制御に従ってインターネット上のコンテンツを受信すると、システムコントローラ10はネットワーク接続部15が受信したインターネット上のコンテンツの内容そのものであるAVデータをAVデコーダ4に出力する。
【0031】
次に、図1に示す本発明の一実施形態に係るテレビジョン受像機が実行する盗品識別処理手順であるフローチャートの一例を図2に示す。
【0032】
図1に示す本発明の一実施形態に係るテレビジョン受像機において電源がオンになる度に、図2に示すフローチャート動作が開始される。
【0033】
まず、ステップS10において、システムコントローラ10は、今回の電源投入が初回の電源投入であるか否かを判定する。例えば、初回の電源投入が既になされた否かを特定するための初回電源投入フラグをメモリ11が不揮発的に記憶するようにし、その初回電源投入フラグを参照してシステムコントローラ10がステップS10の判定を行うようにしてもよい。この場合、例えば、セットメニュー表示画面で全体設定の初期化(リセット)を選択することで、初回電源投入フラグの状態を、初回の電源投入が既になされたことを示す状態から、初回の電源投入がまだなされていないことを示す状態に書き換えることができることが望ましい。
【0034】
ステップS10の判定において今回の電源投入が初回の電源投入でないと判定された場合(ステップS10のNO)、後述するステップS20の判定処理及び後述するステップS30〜ステップS90の盗品識別処理を行うことなく、直ちに図2に示すフローチャート動作を終了する。
【0035】
一方、ステップS10の判定において今回の電源投入が初回の電源投入であると判定された場合(ステップS10のYES)、システムコントローラ10は、ネットワーク接続部15がインターネット接続されている状態であるか否かを判定する(ステップS20)。
【0036】
ステップS20の判定においてネットワーク接続部15がインターネット接続されている状態でないと判定された場合(ステップS20のNO)、後述するステップS30〜ステップS90の盗品識別処理を行うことなく、直ちに図2に示すフローチャート動作を終了する。したがって、後述するステップS30〜ステップS90の盗品識別処理は、初回の電源投入時であって尚かつインターネット接続が完了している場合にのみ実行される。
【0037】
一方、ステップS20の判定においてネットワーク接続部15がインターネット接続されている状態であると判定された場合(ステップS20のYES)、システムコントローラ10は、メモリ11から製品識別ID(製品毎にユニークに付与された製品識別情報)を読み出し、その製品識別IDを含む盗品識別要求信号を生成し、その盗品識別要求信号をメーカーのコントロールサーバー16にネットワーク接続部15を用いて発信する(ステップS30)。
【0038】
なお、製品識別IDは、テレビジョン受像機の工場出荷前に、メモリ11に書き込まれ、メーカーの製品管理データベース17には対応する製品番号(シリアルナンバー)に関連付けられて登録されている。
【0039】
盗品識別要求信号を受信したメーカーのコントロールサーバー16は、自社の製品管理データベース17にアクセスして、盗品識別要求信号に含まれている製品識別IDに対応する製品番号を特定し、その特定した製品番号を含む販売照合要求信号を、外部企業である販売情報管理企業(例えば、北米におけるSIRAS(登録商標))の照合サーバー18に送信する。なお、コントロールサーバー16と照合サーバー18とはインターネットによって相互通信可能であってもよく、専用回線によって相互通信可能であってもよい。
【0040】
販売照合要求信号を受信した販売情報管理企業の照合サーバー18は、自社の販売データ管理データベース19にアクセスして、販売照合要求信号に含まれている製品番号の製品に関する販売データを抽出し、その抽出した販売データを含む照合応答信号を、メーカーのコントロールサーバー16に返信する。販売データは、小売業者が商品を販売した直後に、POS(Point of sale)システムによって、販売情報管理企業の販売データ管理データベース19に登録される。この販売データを利用することで、いつ・どこで・どの製品番号の商品が販売されたかを辿ることができる。なお、販売情報管理企業は、全ての販路の販売情報を管理する企業に限定されることはなく、特定の販路の販売情報のみを管理する企業であってもよい。
【0041】
照合応答信号を受信したメーカーのコントロールサーバー16は、照合応答信号に含まれている販売データに基づき、照合対象の製品が正規販売品であるかを判定し、その判定結果を図1に示す本発明の一実施形態に係るテレビジョン受像機にインターネットを介して通知する。
【0042】
図1に示す本発明の一実施形態に係るテレビジョン受像機では、ステップS30の盗品識別要求信号発信処理の完了後コントロールサーバー16からの通知を受け取る迄の期間、映像出力部8の表示装置が例えば図3に示すメッセージ画面のような「識別中であることを知らせるメッセージ画面」を表示する(ステップS40)。
【0043】
そして、図1に示す本発明の一実施形態に係るテレビジョン受像機が、コントロールサーバー16からの通知を受け取ると、システムコントローラ10は、その通知に基づいて、図1に示す本発明の一実施形態に係るテレビジョン受像機が正規に販売された製品(正規販売品)であるかを判定する(ステップS50)。
【0044】
ステップS50の判定において正規販売品であると判定された場合(ステップS50のYES)、映像出力部8の表示装置が例えば図4に示すメッセージ画面のような「識別が完了したことを知らせるメッセージ画面」を表示し(ステップS60)、その後図2に示すフローチャート動作を終了する。なお、「識別が完了したことを知らせるメッセージ画面」の表示は、表示開始から所定時間経過後に自動的に消えるようにしてもよく、ユーザー操作によって消えるようにしてもよい。
【0045】
一方、ステップS50の判定において正規販売品でないと判定された場合(ステップS50のNO)、何らかの通信トラブル等が発生した可能性もあることを勘案して、リトライが所定回数に達するまで判定のリトライを試みる。具体的には、まず、システムコントローラ10はリトライが所定回数に達したかを判定する(ステップS70)。ステップS70の判定においてリトライが所定回数に達していないと判定された場合(ステップ70のNO)、映像出力部8の表示装置が例えば図5に示すメッセージ画面のような「リトライメッセージ画面」を表示し(ステップS80)、その後ステップS30に戻る。一方、ステップS70の判定においてリトライが所定回数に達していると判定された場合(ステップ70のYES)、映像出力部8の表示装置が例えば図6に示すメッセージ画面のような「エラーメッセージ画面」を表示し(ステップS90)、図2に示すフローチャート動作を終了する。
【0046】
上記のような動作により、図1に示す本発明の一実施形態に係るテレビジョン受像機が正規販売品でなければ、初回の電源投入時であって尚かつインターネット接続が完了している場合に「エラーメッセージ画面」が表示される。このような「エラーメッセージ画面」の表示により盗品の使用が抑制されるので、図1に示す本発明の一実施形態に係るテレビジョン受像機は盗難防止効果を奏する。また、図1に示す本発明の一実施形態に係るテレビジョン受像機では、盗品識別処理に際してユーザーや製品を取り扱う業者が特別な入力操作等を行う必要がなく、通常作成されている製品管理データベース及び販売データ管理データベースを利用するだけであるので、ユーザーや製品を取り扱う業者に余分な手間や労力をかけることなく盗難防止効果を奏することができる。
【0047】
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実行することができる。
【0048】
例えば、図2に示すフローチャートにおいて、ステップS90の処理に代えて、又は、ステップS90の処理とともに、盗品である製品の代金を所定の方法で支払うことを促す代金請求表示、盗品である製品を所定の宛先に返却すること促す返却請求表示、以後のネットワーク接続を遮断する処理、以後の電源オン状態を不可能にする処理、TV放送番組やインターネット上のコンテンツの視聴を制限する処理などを行うようにしてもよい。
【0049】
また、例えば、図2に示すフローチャートにおいて、ステップS90の処理が終了する度に、リトライの回数をリセットしてステップS30に戻るようにしてもよい。
【0050】
また、例えば、メーカーのコントロールサーバー16が、照合応答信号に含まれている販売データに基づき、照合対象の製品が正規販売品であるかを判定し、その判定結果を図1に示す本発明の一実施形態に係るテレビジョン受像機にインターネットを介して通知するのではなく、メーカーのコントロールサーバー16が、照合応答信号に含まれている販売データを図1に示す本発明の一実施形態に係るテレビジョン受像機にインターネットを介して転送し、図1に示す本発明の一実施形態に係るテレビジョン受像機自身が、照合対象の製品が正規販売品であるかを判定するようにしてもよい。
【0051】
また、例えば、図1に示す本発明の一実施形態に係るテレビジョン受像機が、図2に示すフローチャート動作の代わりに、図7に示すフローチャート動作を行うようにしてもよい。なお、図7において図2と同一のステップには同一の符号を付し詳細な説明を省略する。
【0052】
図7に示すフローチャートでは、ステップS70の判定においてリトライが所定回数に達していると判定された場合(ステップ70のYES)、システムコントローラ10は、図1に示す本発明の一実施形態に係るテレビジョン受像機に割り当てられているインターネット接続用の識別情報(例えばIPアドレス)をメーカーのコントロールサーバー16にネットワーク接続部15を用いて発信し(ステップS100)、図7に示すフローチャート動作を終了する。これにより、図1に示す本発明の一実施形態に係るテレビジョン受像機が盗品である場合に、メーカーが図1に示す本発明の一実施形態に係るテレビジョン受像機の所在をつきとめることが容易になる。なお、図7に示すフローチャートにおいて、ステップS70とステップS100との間に、図2中のステップS90を設けてもよい。
【0053】
また、複数回リトライしてもサーバー側の不具合などにより、ステップS50において誤判定が起こり、誤ってエラー表示などを行われる可能性がある。そこで、サービスマンなどが誤判定の結果を解除することができるように、例えば、ユーザーマニュアルに記載されていない特殊キー操作により、誤判定の結果を解除することができるようにすることが望ましい。
【0054】
また、上述した実施形態でのコントロールサーバー16と製品管理データベース17とが統合されていてもよい。
【0055】
また、本発明は、テレビジョン受像機に限らず、インターネット接続機能を有する電子機器全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0056】
1 アンテナ
2 デジタルチューナ
3 デマルチプレクサ
4 AVデコーダ
5 映像処理回路
6 音声処理回路
7 加算器
8 映像出力部
9 音声出力部
10 システムコントローラ
11 メモリ
12 OSD表示回路
13 本体操作部
14 リモコン受光部
15 ネットワーク接続部
16 コントロールサーバー
17 製品管理データベース
18 照合サーバー
19 販売データ管理データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネット接続機能を有する電子機器であって、
製品毎にユニークに付与された製品識別情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部から前記製品識別情報を読み出し、前記製品識別情報を含む盗品識別要求信号を生成し、前記盗品識別要求信号をインターネット経由で外部サーバーに送信する制御部とを備え、
前記制御部が、前記盗品識別要求信号に応答する前記外部サーバーからの返信信号を用いて、前記電子機器が盗品であるか否かを確認することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記制御部によって前記電子機器が盗品であると判定された場合に、警告表示用の表示信号を生成し、前記制御部によって前記電子機器が盗品でないと判定された場合に、確認完了表示用の表示信号を生成する表示信号生成部を備えることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記電子機器が盗品であるとの判定が所定回数繰り返されると、前記警告表示用の表示信号の内容が変更されることを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記制御部によって前記電子機器が盗品であると判定された場合に、前記制御部が、前記電子機器に割り当てられているインターネット接続用の識別情報をインターネット経由で外部サーバーに送信することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記制御部によって前記電子機器が盗品であると判定された場合に、前記制御部が、前記電子機器の機能を制限することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子機器から送信される盗品識別要求信号を受信し、
前記盗品識別要求信号に含まれている製品識別情報に対応する製品の販売データを用いて返信信号を生成して、前記返信信号を前記電子機器に返信する外部サーバーであって、
前記販売データがPOS(Point of sale)システムによって登録されたデータであることを特徴とする外部サーバー。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−43139(P2012−43139A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−183246(P2010−183246)
【出願日】平成22年8月18日(2010.8.18)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】