監視カメラシステム
【課題】標準化された通信フォーマットを用いたIPネットワーク機器と、独自の通信フォーマットを用いたIPネットワーク機器との共存及び機能維持が望まれている。
【解決手段】標準化された通信フォーマット及び独自の通信フォーマットを用いてIPネットワーク機器を制御し、対象のIPネットワーク機器が所定の機能を所持しない場合は、別のIPネットワーク機器で機能を代行する。これにより、標準化された通信フォーマットを用いたIPネットワーク機器は、従来の独自の通信フォーマットに基づいた機能を利用でき、従来の独自の通信フォーマットを用いたIPネットワーク機器は、新しい標準化された通信フォーマットに基づいた機能を利用できる。
【解決手段】標準化された通信フォーマット及び独自の通信フォーマットを用いてIPネットワーク機器を制御し、対象のIPネットワーク機器が所定の機能を所持しない場合は、別のIPネットワーク機器で機能を代行する。これにより、標準化された通信フォーマットを用いたIPネットワーク機器は、従来の独自の通信フォーマットに基づいた機能を利用でき、従来の独自の通信フォーマットを用いたIPネットワーク機器は、新しい標準化された通信フォーマットに基づいた機能を利用できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は監視カメラシステムに係り、特に異なる通信フォーマットに基づいた機器や機能を使用できる監視カメラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として特許文献1がある。ここでは、センサまたはカメラによる検知情報を含むメタデータをネットワークに送出する。同ネットワーク上にある別のカメラは受信したメタデータに基づいて動作を行う。前者のセンサまたはカメラは、サーバを介さずに後者のカメラを制御しており、サーバに負担をかけない監視カメラシステムが提供される。
【0003】
また、特許文献2では、事象発生をアラーム通知する機能が提案されている。事象発生を検知し、事前に登録された携帯電話機に事象発生を音声により送信する機能や、事象発生時に監視カメラによって得られた画像または動画像を、電子メールにより送信する機能が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−085832号公報
【特許文献2】特開2006−186611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、IP(Internet Protocol)伝送を用いた監視カメラシステムが普及しつつある。IP監視カメラシステムでは、複数の監視カメラ及び監視レコーダ、監視カメラ制御装置(IPネットワーク機器)がネットワークを介して接続されており、アナログ監視カメラに比べて設置が容易であり、遠距離監視が可能である。更に高画質化も可能である。
【0006】
従来のIP伝送を用いた監視カメラシステムでは、システムごとに独自のプロトコルを用いてIPネットワーク機器間の制御を行っている場合が多く、前記プロトコルに対応していない監視機器を使用することができなかった。しかし、これらIPネットワーク機器間の通信フォーマットなどを標準化することで、柔軟に機器を選択し監視システムを構築することが可能となりつつある。
【0007】
しかし、このようなIP監視カメラシステムを導入する際、従来から所持しているIPネットワーク機器や機能を使用したい場合も多く、標準化された通信フォーマットを用いたIPネットワーク機器との共存が問題となる。
本発明の目的は、前記した問題に鑑み、異なる通信フォーマットに基づいた機器や機能を使用できる監視カメラシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため本発明は、監視カメラと該監視カメラを制御する監視カメラ制御装置を有する監視カメラシステムであって、
前記監視カメラ制御装置は、標準化された通信フォーマットに基づいて前記監視カメラを制御する標準制御部と、前記標準化された通信フォーマットとは異なる独自の通信フォーマットに基づいて前記監視カメラを制御する独自制御部と、前記標準制御部と前記独自制御部が接続され前記監視カメラと通信を行う第1の通信部を有し、
前記監視カメラは、前記標準化された通信フォーマットに基づいて機能制御される第1の標準機能部、又は/及び、前記独自の通信フォーマットに基づいて機能制御される第1の独自機能部と、前記標準機能部、又は/及び、前記独自機能部が接続され前記監視カメラ制御部と通信を行う第2の通信部を有し、
前記監視カメラの第1の独自機能部は、前記監視カメラ制御装置の独自制御部により制御され、前記監視カメラが撮像した映像から異常な状況が発生したことを検知する異常検知機能と、該異常検知機能が異常な状況が発生したことを検知した場合に前記映像を所定の通知先にメール送信するメール送信機能を有することを特徴としている。
【0009】
また本発明は、前記した監視カメラシステムにおいて、前記監視カメラ制御装置の第1の通信部は、前記監視カメラの第2の通信部に対して、前記監視カメラの第1の標準機能部、又は/及び、前記監視カメラの第1の独自機能部が有する機能を問合せ、これに応じて、前記監視カメラの第2の通信部は、前記監視カメラ制御装置の第1の通信部に対して前記第1の機能部が有する機能を回答し、該回答に応じて、前記監視カメラ制御装置は前記監視カメラを含め前記カメラシステムの動作設定を行うことを特徴としている。
【0010】
また本発明は、前記した監視カメラシステムにおいて、前記監視カメラ制御装置は、前記標準化された通信フォーマットに基づいて機能制御される第2の標準機能部、及び前記独自の通信フォーマットに基づいて機能制御される第2の独自機能部を有し、
前記問合せに対する前記監視カメラから前記監視カメラ制御装置への回答において所定の機能が含まれない場合には、前記監視カメラ制御装置の有する第2の標準機能部、又は第2の独自機能部が所定の機能を代行することを特徴としている。
【0011】
また本発明は、前記した監視カメラシステムの監視カメラ制御装置において、該監視カメラ制御装置は、複数の監視カメラを制御し、該複数の監視カメラが同一空間を撮影している場合には、前記独自制御部は前記複数の監視カメラの前記メール送信機能を停止させ、前記監視カメラが撮像した映像に異常な状況が発生した場合には、前記第2の独自機能部は前記複数の監視カメラが撮像した前記映像を所定の通知先にメール送信することを特徴としている。
【0012】
また本発明は、複数の監視カメラと該監視カメラを制御する監視カメラ制御装置を有する監視カメラシステムの監視カメラ制御装置であって、標準化された通信フォーマットに基づいて前記監視カメラを制御する標準制御部と、前記標準化された通信フォーマットとは異なる独自の通信フォーマットに基づいて前記監視カメラを制御する独自制御部と、前記標準制御部と前記独自制御部が接続され前記監視カメラと通信を行う第1の通信部を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、異なる通信フォーマットに基づいた機器や機能を使用できる監視カメラシステムを提供でき、特に従来システムから新規システムへの移行時における使い勝手の向上に寄与できるという効果がある。
【0014】
更に、IPネットワーク機器の能力に応じて機能を分散化させた場合には、特定の機器にかかる処理負荷を低減することもできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施例に係る監視カメラシステムのブロック図である。
【図2】本発明の一実施例に係る監視カメラAのブロック図である。
【図3】本発明の一実施例に係る監視カメラBのブロック図である。
【図4】本発明の一実施例に係る監視カメラCのブロック図である。
【図5】本発明の一実施例に係る監視カメラ制御装置のブロック図である。
【図6】本発明の一実施例に係る監視カメラAの処理フロー図である。
【図7】本発明の一実施例に係る監視カメラAの標準機能の処理フロー図である。
【図8】本発明の一実施例に係る監視カメラAの独自機能の処理フロー図である。
【図9】本発明の一実施例に係る監視カメラ制御装置の処理フロー図である。
【図10】本発明の一実施例に係る監視カメラ制御装置の監視カメラAに対する処理フロー図である。
【図11】本発明の一実施例に係る監視カメラ制御装置の監視カメラBに対する処理フロー図である。
【図12】本発明の一実施例に係る監視カメラ制御装置の監視カメラCに対する処理フロー図である。
【図13】本発明の一実施例に係る同一空間を撮影する監視カメラの設置例を示す見取図である。
【図14】本発明の一実施例に係る監視カメラ制御装置の図9とは異なる処理フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を用いて本発明の実施に好適な実施形態の例を説明する。ただし、本発明は本実施例に限定されない。
図1は、本発明の一実施例に係る監視カメラシステム100のブロック図である。
搭載機能の異なる複数の監視カメラと複数の監視カメラ制御装置が、ネットワーク101を介して接続されている。ここでは監視カメラが3台、監視カメラ制御装置が2台示されているが、これは一例であって何台あっても良い。
【0017】
監視カメラA(201)は、監視カメラシステム用に標準化された通信フォーマットを用いた通信及び標準機能211と、独自の通信フォーマットを用いた通信及び独自機能212の双方を有する。監視カメラB(301)は、独自の通信フォーマットを用いた通信及び独自機能311を有する。監視カメラC(401)は、標準化された通信フォーマットを用いた通信及び標準機能411を有する。
監視カメラ制御装置501は、標準化された通信フォーマットを用いた通信及び標準機能511と、独自の通信フォーマットを用いた通信及び独自機能512の双方を有する。
【0018】
例えば監視カメラB(301)のように、従来から所持しているIPネットワーク機器は、監視カメラシステム用に新たに標準化された通信フォーマットを用いた通信及び標準機能を有さないことが多い。このため、標準化されたIP監視カメラシステムを導入する際に、従来から所持しているIPネットワーク機器は使用できなくなることが多い。これに対して本実施例では以下で説明するように、従来から所持しているIPネットワーク機器も、新たなIPネットワーク機器と共存して引続き使用できることに一つの特徴がある。
【0019】
図2は、本発明の一実施例に係る監視カメラA(201)のブロック図である。監視カメラA(201)は、ネットワーク通信機能207により、ネットワーク101と接続される。標準通信機能203では、標準化された通信フォーマットを用いた通信を行う。標準機能(202)では、標準化された通信フォーマットにより指示された機能を処理する。標準化された通信フォーマットに基づいた標準機能としては、例えば監視カメラシステムで使用される監視カメラの個数、形式、カメラとして有する機能などの情報を、他の装置と送受信する機能が相当する。
【0020】
独自通信機能206では、標準化された通信フォーマットとは異なる独自の通信フォーマットを用いた通信を行う。独自の通信フォーマットに基づいた独自機能としては、例えばメール送信機能204と、異常検知機能205を持つ。これらはカメラ映像を解析し、例えば動き検知、滞留検知、カメラへのいたずら検知などの異常状態を検知した際に、予め登録されたメールアドレスに対してメールを送信する機能である。
映像送信機能209は、カメラ映像をネットワークで接続された監視カメラ制御装置501へ送信する機能である。これは、監視カメラA(201)の場合は、前記した標準化された通信フォーマットに基づいた機能であることが多い。内部メモリ208は、監視カメラ制御用情報やメールアドレスなどを保持する。
【0021】
図3は、本発明の一実施例に係る監視カメラB(301)のブロック図である。監視カメラB(301)は、ネットワーク通信機能307により、ネットワーク101と接続される。独自通信機能304では、標準化された通信フォーマットとは異なる独自の通信フォーマットを用いた通信を行う。独自の通信フォーマットに基づいた独自機能として、メール送信機能302と、異常検知機能303を持つ。
【0022】
映像送信機能309は、カメラ映像をネットワークで接続された監視カメラ制御装置501へ送信する機能である。これは、監視カメラB(301)の場合は、独自の通信フォーマットに基づいた機能である。内部メモリ308は、監視カメラ制御用情報やメールアドレスなどを保持する。
【0023】
図4は、本発明の一実施例に係る監視カメラC(401)のブロック図である。監視カメラC(401)は、ネットワーク通信機能407により、ネットワーク101と接続される。標準通信機能403では、標準化された通信フォーマットを用いた通信を行う。標準機能(402)では、標準化された通信フォーマットにより指示された機能を処理する。映像送信機能409は、カメラ映像をネットワークで接続された監視カメラ制御装置501へ送信する機能である。これは、監視カメラC(401)の場合、前記した標準化された通信フォーマットに基づいた機能である。内部メモリ408は、監視カメラ制御用情報やメールアドレスなどを保持する。
【0024】
以上、図2から図4に示した監視カメラについて纏めると、次のとおりである。まず、図3の監視カメラB(301)は、例えば標準化された通信フォーマットを用いた監視システムを導入する以前から使用されていた監視カメラである。このため、標準化された通信フォーマットとは異なる独自の通信フォーマットのみに対応しているが、ユーザの希望により、その後も引続き使用されるものである。
これに対して、図2の監視カメラA(201)と図4の監視カメラC(401)は、例えば標準化された通信フォーマットを用いた監視システムが現れた後に作られた監視カメラである。前者は標準化された通信フォーマットと独自の通信フォーマットの双方に対応し、後者は標準化された通信フォーマットのみに対応している。
【0025】
図5は、本発明の一実施例に係る監視カメラ制御装置501のブロック図である。監視カメラ制御装置501は、ネットワーク通信機能507により、ネットワーク101と接続される。標準通信機能503では、標準化された通信フォーマットを用いた通信を行う。標準機能(502)では、標準化された通信フォーマットにより指示された機能を処理する。
独自通信機能506では、標準化された通信フォーマットとは異なる独自の通信フォーマットを用いた通信を行う。独自の通信フォーマットに基づいた独自機能として、メール信機能504と、異常検知機能505を持つ。
【0026】
映像受信機能511は、カメラ映像をネットワーク経由で受信する機能である。これは前記した標準化された通信フォーマットや、独自の通信フォーマットの双方に基づいた機能であることが多い。内部メモリ508は、監視カメラ制御装置用情報やメールアドレスなどを保持する。
記録媒体509は、映像受信機能511で受信した映像を記録する記録媒体である。例えば前記した監視カメラが撮像した映像は、例えば異常検知があった際に、必要に応じて記録媒体509に記録される。読出/書込部510は記録媒体509へ映像を書込み、または記録媒体509から映像を読出す機能を持つ。
【0027】
以上述べたように図5の監視カメラ制御装置501は、標準化された通信フォーマットと独自の通信フォーマットの双方に対応した構成要素を含んでいる。このため、図2から図4で示したいずれの監視カメラに対しても、通信と動作の制御ができることに一つの特徴がある。
以上、図1から図5において監視カメラシステム100のシステム構成を示した。
【0028】
次に、これらのIPネットワーク機器の処理フローを説明する。
図6に、監視カメラA(201)の処理フローS600を示す。ステップS601で監視カメラA(201)はネットワークを確立し、ネットワーク通信機能207はネットワーク101を介して他の装置との通信を開始する。ステップS700で標準通信機能203は、標準化された通信フォーマットによる処理を行う。ステップS800で独自通信機能206は、独自の通信フォーマットによる処理を行う。ステップS700とS800については、以下で詳しく説明する。ステップS604でネットワーク通信機能207は、ネットワーク接続状況を判定し、例えば監視カメラ制御装置501からの指示により、既に切断されている場合は(図のYes)処理を終了する。切断されていない場合は(図のNo)ステップS700から再び実行する。
【0029】
図7は、本発明の一実施例に係る監視カメラA(201)の標準機能の処理フロー図であり、図6のステップS700に相当している。ステップS701でネットワーク通信機能207は、他の装置からのメッセージを受信する。ステップS702で標準通信機能203は、メッセージ内容を解析する。
【0030】
ステップS703で標準通信機能203は、メッセージ内容が標準機能の処理要求であるか、機能の有無の問合せであるかを判定する。標準機能の処理要求の場合はステップS704に進み、標準機能(202)は該当する標準機能を実行して、処理を終了する。機能の有無の問合わせであれば、ステップS705に進み、標準通信機能203は問合わせのあった機能について有無の情報を送信して、処理を終了する。標準機能の処理要求と機能有無の問合せのいずれでもない場合には、そのまま処理を終了する。
【0031】
図8は、本発明の一実施例に係る監視カメラA(201)の独自機能の処理フロー図であり、図6のステップS800に相当する。ステップS801で独自通信機能206は、独自機能の実行要求かどうかを判定する。独自機能の実行要求があれば(図のYes)ステップS802に進み、例えばメール送信機能204や異常検知機能205は、該当する独自機能を実行する。独自機能の実行要求がなければ(図のNo)、処理を終了する。
【0032】
以上、図6から図8の処理フロー図により、標準機能と独自機能の双方に対応した監視カメラA(201)は、標準化された通信フォーマットに基づいた標準機能を実行し、また独自の通信フォーマットに基づき、例えば異常検出と異常を知らせるためのメール送信を行うことができる。
【0033】
図9は、本発明の一実施例に係る監視カメラ制御装置501の処理フロー図である。ステップS901で監視カメラ制御装置501はネットワークを確立し、ネットワーク通信機能507はネットワーク101を介して他の装置との通信を開始する。ステップS902の対応機器検索1では、標準通信機能503は標準化された通信フォーマットに対応しているネットワーク上の他の機器を検索する。ステップS903の対応機器検索2では、独自通信機能506は独自通信フォーマットに対応しているネットワーク上の他の機器を検索する。
【0034】
次に、ステップS904では、標準通信機能503や独自通信機能506は、検索して初めて摘出した機器が標準通信フォーマット、又は独自通信フォーマットに対応しているかどうかの情報を、内部メモリ508に保持する。ステップS905では、標準通信機能503や独自通信機能506は、検索して摘出した各機器の対応フォーマットを内部メモリ508に保持された情報に基づいて判別する。標準通信フォーマットと独自通信フォーマットの両方に対応している場合はステップS1000に進む。標準通信フォーマットのみに対応している場合はステップS1100に進む。独自通信フォーマットのみに対応している場合はステップS1200に進み、処理を終了する。ステップS1000、S1100とS1200については、以下で詳しく説明する。
【0035】
図10は、本発明の一実施例に係る監視カメラ制御装置501の監視カメラA(201)に対する処理フロー図であり、監視カメラが標準通信フォーマット、独自通信フォーマットの両方に対応した場合の処理フローS1000を示す。
ステップS1001で監視カメラ制御装置501は、標準化された通信フォーマットに則って接続された監視カメラA(201)に対して、所定の機能の有無を問合わせる。ステップS1002で監視カメラ制御装置501は、所定の機能の有無に関する応答を受信する。ステップS1003で監視カメラ制御装置501は、応答から問合わせを行った所定の機能の有無を判定する。機能が標準機能(202)にある場合は(図のYes)ステップS1004に進み、機能が標準機能(202)に無い場合は(図のNo)ステップS1005へ進む。
【0036】
ステップS1004では、監視カメラ制御装置501は監視カメラA(201)に対し、標準化された通信フォーマットに則った所定の機能の実行を要求して、処理を終了する。ステップS1005で監視カメラ制御装置501は、ネットワーク101に接続されたIPネットワーク機器に所定の機能の代替にできる独自機能が有るかどうかを判定する。この際、監視カメラA(201)の独自機能も含め有るかどうかを判定する。代替にできる独自機能があれば(図のYes)ステップS1006に進み、所定の機能がなければ(図のNo)処理を終了する。ステップS1006で監視カメラ制御装置501は、該当機器に独自通信フォーマットを用いた独自機能の実行を要求して、処理を終了する。
【0037】
図10のフローにより、監視カメラ制御装置501は、例えば標準化された通信フォーマットに基づき、監視カメラA(201)の標準通信機能203に対して、例えば撮像した映像の送信を要求できる。一方、映像の中に動きを検出した際の異常検知や、異常を知らせるためのメール送信を要求する場合には、これらは標準化された通信フォーマットに基づかない機能であるが、監視カメラ制御装置501は、監視カメラA(201)の独自通信機能206に対してこれらを要求することができる。
【0038】
図11は、本発明の一実施例に係る監視カメラ制御装置501の監視カメラB(301)に対する処理フロー図であり、監視カメラが独自通信フォーマットのみに対応した場合の処理フローS1100を示す。
ステップS1101で監視カメラ制御装置501は、監視カメラB(301)に対して独自機能の実行を要求して、処理を終了する。
【0039】
図11のフローにより、監視カメラB(301)が、標準化された通信フォーマットに基づく監視カメラシステムが導入される以前から使用されており、独自通信フォーマットのみに対応していたとしても、監視カメラ制御装置501は、監視カメラB(301)の独自機能を使用することができる。即ち、標準化された通信フォーマットに基づく監視カメラシステムが導入された以後も、引続き監視カメラB(301)を使用することができ、監視カメラ制御装置501は、映像の中に動きを検出した際の異常検知や、異常を知らせるためのメール送信を要求することができる。
【0040】
図12は、本発明の一実施例に係る監視カメラ制御装置501の監視カメラC(401)に対する処理フロー図であり、監視カメラが標準通信フォーマットのみに対応した場合の処理フローS1200を示す。
ステップS1201で監視カメラ制御装置501は、標準化された通信フォーマットに則って接続された監視カメラC(401)に対して所定の機能の有無を問合わせる。ステップS1202で監視カメラ制御装置501は、所定の機能の有無に関する応答を受信する。ステップS1203で監視カメラ制御装置501は、応答から問合わせを行った所定の機能の有無を判定する。機能が標準機能(402)にある場合は(図のYes)ステップS1204に進み、機能が標準機能(402)に無い場合は(図のNo)ステップS1205へ進む。
【0041】
ステップS1204で監視カメラ制御装置501は監視カメラC(401)に対し、標準化された通信フォーマットに則って所定の機能の実行を要求して、処理を終了する。ステップS1205では監視カメラ制御装置501内に所定の機能を持つかどうかを判定する。所定の機能があれば(図のYes)ステップS1206に進み、所定の機能がなければ(図のNo)、処理を終了する。ステップS1206では監視カメラ制御装置501内に所定の機能を実行するよう設定して、処理を終了する。
【0042】
図12のフローにより、監視カメラC(401)が標準化された通信フォーマットのみに基づくために、独自通信フォーマットに基づく機能に対応することができなくとも、監視カメラ制御装置501が独自通信フォーマットに基づく機能に対応することができる。例えば、監視カメラ制御装置501では、異常検知機能505がカメラC(401)から受信した映像から異常を検知し、メール送信機能504が他のネットワーク上の装置に対して異常を知らせるためのメールを送信することができる。また、標準化された通信フォーマットに基づく監視カメラシステムが導入された後も、ユーザは従来の独自通信フォーマットで有していた機能を使用することができる。
【0043】
さらには、新たに設置された監視カメラの全てが従来の独自通信フォーマットに基づく機能を有していなかったとしても、監視カメラ制御装置501が独自通信フォーマットに基づく機能を有することにより、ユーザは全ての監視カメラが撮像した映像に対して独自通信フォーマットに基づく機能を使用することができる。このため、IPネットワーク機器の能力に応じて機能を分散させることもでき、特定の機器にかかる処理負荷を低減することができる。
【0044】
図1の監視カメラシステムにおける異常時のメール送信機能に関する実現方法を図10、図11、図12の処理フローを用いて説明する。
本実施例では、各監視カメラは異常時のメール送信機能を、標準機能としては持たないものとする。
【0045】
監視カメラ制御装置501は、監視カメラA(201)に図10のステップS1001で標準化された通信フォーマットに則り、異常時のメール送信機能の有無を問合わせる。ステップS1002で監視カメラ制御装置501が、監視カメラA(201)から標準機能に無い旨の応答を受信した場合(図のステップS1003のNo)を、以下に述べる。ステップS1005で監視カメラ制御装置501は、監視カメラA(201)に代替機能があるかどうかを判定する。監視カメラA(201)には独自機能としてカメラ映像から異常検出する異常検知機能205と、メール送信するメール送信機能204があるため、ステップS1006で監視カメラ制御装置501は監視カメラA(201)に対して、独自通信フォーマットを用いて受信映像の異常検知及びメール送信機能を実行するよう要求する。これより、監視カメラA(201)は異常検知及び異常検知時のメール送信機能を実行する。
【0046】
監視カメラB(301)には、標準フォーマットに則った通信機能が無いため、監視カメラ制御装置501は、図11のステップS1101で監視カメラB(301)に対して、独自通信フォーマットを用いて通信を行い、異常検知及びメール送信を実行するよう要求する。
【0047】
監視カメラC(401)は、標準フォーマットに則った通信機能のみを有する。監視カメラ制御装置501は監視カメラC(401)に対して、図12のステップS1201で標準化された通信フォーマットに則って異常時のメール送信機能の有無を問合わせる。監視カメラ制御装置501は監視カメラC(401)から、ステップS1202で標準機能に無い旨の応答を受信する(図のステップS1203のNo)。そこで、ステップS1205で監視カメラ制御装置501は、監視カメラ制御装置501に代替機能があるかどうかを判定する。監視カメラ制御装置501には、独自機能としてカメラ映像から異常検出する異常検知機能505と、メールを送信するメール送信機能504があるため、ステップS1206で受信映像の異常検知及びメール送信機能を実行するよう設定する。これより、監視カメラC(401)からの映像に対しても異常検知及び異常検知時のメール送信機能を実現できる。この場合、監視カメラ制御装置501のメール送信機能504は、異常検知機能505において異常検知があったことを、例えば他の監視カメラ制御装置を使用中のユーザに知らせるために活用することができる。また、前記異常検知があったことを、図1のネットワーク101に接続された例えば携帯可能なメール端末(図示せず)に知らせることにより、メール端末のユーザは直ちに異常に対して対処をすることができる。
【0048】
次に図13と図14を用いて、複数台の監視カメラにより同一空間を撮影している場合の異常検知及び異常検知時のメール送信機能について説明する。図13は、本発明の一実施例に係る同一空間を撮影する監視カメラの設置例を示す見取図であり、図14は、本発明の一実施例に係る監視カメラ制御装置501の図9とは異なる処理フロー図S1400である。図13において、これらの各監視カメラ1301〜1304では異常検知及びメール送信機能を持つ。または図12のフロー図で示したように、代行して監視カメラ制御装置501で同機能を実現していても良い。
【0049】
図14においてステップS1401で監視カメラ制御装置501は、監視カメラ1301〜1304から映像を受信する。ステップS1402で監視カメラ制御装置501は、受信した画像を解析する。ステップS1403で監視カメラ制御装置501は、各監視カメラ1301〜1304から同時間に受信した画像の特徴を比較し、同一空間を撮影しているかどうかを判定する。同一空間を撮影しているかは、例えば被写体の色や形状などの特徴に基づいて判定することができる。同一空間を撮影している場合は(図のYes)ステップS1405に進み、同一空間でない場合は(図のNo)処理を終了する。
【0050】
ステップS1405では、対象の監視カメラ1301〜1304、または監視カメラ制御装置501が代行して、既に異常検知時のメール送信機能が実行されているかどうかを判定する。実行されている場合は(図のYes)ステップS1406に進み、実行されていない場合は(図のNo)処理を終了する。ステップS1406では監視カメラ1301〜1304または監視カメラ制御装置501においてメール機能停止設定を行う。
【0051】
その後、監視カメラ制御装置501で同一空間を撮影する監視カメラ1301〜1304からの映像から異常を検知する。異常の検知は、例えば被写体の移動や立入禁止部への人の侵入などを検知することによって行われる。異常を検知した際、監視カメラ制御装置501は、全ての同一空間を撮影する全ての監視カメラ1301〜1304により撮影された画像または映像を、まとめて予め設定されたメールアドレスへメール送信する。これにより、監視カメラをはじめとする個々の装置が同時にメールを複数送信する負荷を下げ、ユーザは一度のメール受信で全ての監視カメラ1301〜1304の映像を確認することができ、メール受信及び確認の手間を省くことができる。また、各監視カメラにかかる処理負荷を低減することもできる。
【0052】
ここで各監視カメラ1301〜1304に設定された送信先メールアドレスが同一の場合のみ、まとめて送信してもよく、異なる場合は全ての送信先メールアドレスにまとめて送信してもよい。
また、以上の例では監視カメラ制御装置501で受信した映像から異常を検知したが、各監視カメラ1301〜1304で異常を検知させ、映像と共に異常情報を監視カメラ制御装置501に送信し、監視カメラ制御装置501では異常情報を参照して画像または映像をまとめてメール送信する仕組みでもよい。
また、本例では監視カメラ1301〜1304で異常検知及び異常検知時のメール送信機能を持たない場合に監視カメラ制御装置501で代行処理を行ったが、メール送信機能だけでなく例えば画像をサーバに転送する機能など他の処理も行って良い。
【0053】
以上述べたように本実施例によれば、標準化された通信フォーマットを用いたIPネットワーク機器と、独自の通信フォーマットを用いたIPネットワーク機器との共存を図りながら、従来使用してきた機能、性能を維持することができる。
本発明に関して、実施例に沿って説明を行ったが、本発明はこれらの例に限定されない。監視カメラシステムだけでなく、例えばTV、レコーダ、NAS(Network Attached Storage)システムなどのサーバ機能、クライアント機能を持つ機器にも適用することができる。
【符号の説明】
【0054】
100:監視カメラシステム、101:ネットワーク、201:監視カメラA、211:標準機能、212:独自機能、301:監視カメラB、311:独自機能、401:監視カメラC、411:標準機能、501:監視カメラ制御装置、511:標準機能、512:独自機能。
【技術分野】
【0001】
本発明は監視カメラシステムに係り、特に異なる通信フォーマットに基づいた機器や機能を使用できる監視カメラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として特許文献1がある。ここでは、センサまたはカメラによる検知情報を含むメタデータをネットワークに送出する。同ネットワーク上にある別のカメラは受信したメタデータに基づいて動作を行う。前者のセンサまたはカメラは、サーバを介さずに後者のカメラを制御しており、サーバに負担をかけない監視カメラシステムが提供される。
【0003】
また、特許文献2では、事象発生をアラーム通知する機能が提案されている。事象発生を検知し、事前に登録された携帯電話機に事象発生を音声により送信する機能や、事象発生時に監視カメラによって得られた画像または動画像を、電子メールにより送信する機能が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−085832号公報
【特許文献2】特開2006−186611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、IP(Internet Protocol)伝送を用いた監視カメラシステムが普及しつつある。IP監視カメラシステムでは、複数の監視カメラ及び監視レコーダ、監視カメラ制御装置(IPネットワーク機器)がネットワークを介して接続されており、アナログ監視カメラに比べて設置が容易であり、遠距離監視が可能である。更に高画質化も可能である。
【0006】
従来のIP伝送を用いた監視カメラシステムでは、システムごとに独自のプロトコルを用いてIPネットワーク機器間の制御を行っている場合が多く、前記プロトコルに対応していない監視機器を使用することができなかった。しかし、これらIPネットワーク機器間の通信フォーマットなどを標準化することで、柔軟に機器を選択し監視システムを構築することが可能となりつつある。
【0007】
しかし、このようなIP監視カメラシステムを導入する際、従来から所持しているIPネットワーク機器や機能を使用したい場合も多く、標準化された通信フォーマットを用いたIPネットワーク機器との共存が問題となる。
本発明の目的は、前記した問題に鑑み、異なる通信フォーマットに基づいた機器や機能を使用できる監視カメラシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため本発明は、監視カメラと該監視カメラを制御する監視カメラ制御装置を有する監視カメラシステムであって、
前記監視カメラ制御装置は、標準化された通信フォーマットに基づいて前記監視カメラを制御する標準制御部と、前記標準化された通信フォーマットとは異なる独自の通信フォーマットに基づいて前記監視カメラを制御する独自制御部と、前記標準制御部と前記独自制御部が接続され前記監視カメラと通信を行う第1の通信部を有し、
前記監視カメラは、前記標準化された通信フォーマットに基づいて機能制御される第1の標準機能部、又は/及び、前記独自の通信フォーマットに基づいて機能制御される第1の独自機能部と、前記標準機能部、又は/及び、前記独自機能部が接続され前記監視カメラ制御部と通信を行う第2の通信部を有し、
前記監視カメラの第1の独自機能部は、前記監視カメラ制御装置の独自制御部により制御され、前記監視カメラが撮像した映像から異常な状況が発生したことを検知する異常検知機能と、該異常検知機能が異常な状況が発生したことを検知した場合に前記映像を所定の通知先にメール送信するメール送信機能を有することを特徴としている。
【0009】
また本発明は、前記した監視カメラシステムにおいて、前記監視カメラ制御装置の第1の通信部は、前記監視カメラの第2の通信部に対して、前記監視カメラの第1の標準機能部、又は/及び、前記監視カメラの第1の独自機能部が有する機能を問合せ、これに応じて、前記監視カメラの第2の通信部は、前記監視カメラ制御装置の第1の通信部に対して前記第1の機能部が有する機能を回答し、該回答に応じて、前記監視カメラ制御装置は前記監視カメラを含め前記カメラシステムの動作設定を行うことを特徴としている。
【0010】
また本発明は、前記した監視カメラシステムにおいて、前記監視カメラ制御装置は、前記標準化された通信フォーマットに基づいて機能制御される第2の標準機能部、及び前記独自の通信フォーマットに基づいて機能制御される第2の独自機能部を有し、
前記問合せに対する前記監視カメラから前記監視カメラ制御装置への回答において所定の機能が含まれない場合には、前記監視カメラ制御装置の有する第2の標準機能部、又は第2の独自機能部が所定の機能を代行することを特徴としている。
【0011】
また本発明は、前記した監視カメラシステムの監視カメラ制御装置において、該監視カメラ制御装置は、複数の監視カメラを制御し、該複数の監視カメラが同一空間を撮影している場合には、前記独自制御部は前記複数の監視カメラの前記メール送信機能を停止させ、前記監視カメラが撮像した映像に異常な状況が発生した場合には、前記第2の独自機能部は前記複数の監視カメラが撮像した前記映像を所定の通知先にメール送信することを特徴としている。
【0012】
また本発明は、複数の監視カメラと該監視カメラを制御する監視カメラ制御装置を有する監視カメラシステムの監視カメラ制御装置であって、標準化された通信フォーマットに基づいて前記監視カメラを制御する標準制御部と、前記標準化された通信フォーマットとは異なる独自の通信フォーマットに基づいて前記監視カメラを制御する独自制御部と、前記標準制御部と前記独自制御部が接続され前記監視カメラと通信を行う第1の通信部を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、異なる通信フォーマットに基づいた機器や機能を使用できる監視カメラシステムを提供でき、特に従来システムから新規システムへの移行時における使い勝手の向上に寄与できるという効果がある。
【0014】
更に、IPネットワーク機器の能力に応じて機能を分散化させた場合には、特定の機器にかかる処理負荷を低減することもできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施例に係る監視カメラシステムのブロック図である。
【図2】本発明の一実施例に係る監視カメラAのブロック図である。
【図3】本発明の一実施例に係る監視カメラBのブロック図である。
【図4】本発明の一実施例に係る監視カメラCのブロック図である。
【図5】本発明の一実施例に係る監視カメラ制御装置のブロック図である。
【図6】本発明の一実施例に係る監視カメラAの処理フロー図である。
【図7】本発明の一実施例に係る監視カメラAの標準機能の処理フロー図である。
【図8】本発明の一実施例に係る監視カメラAの独自機能の処理フロー図である。
【図9】本発明の一実施例に係る監視カメラ制御装置の処理フロー図である。
【図10】本発明の一実施例に係る監視カメラ制御装置の監視カメラAに対する処理フロー図である。
【図11】本発明の一実施例に係る監視カメラ制御装置の監視カメラBに対する処理フロー図である。
【図12】本発明の一実施例に係る監視カメラ制御装置の監視カメラCに対する処理フロー図である。
【図13】本発明の一実施例に係る同一空間を撮影する監視カメラの設置例を示す見取図である。
【図14】本発明の一実施例に係る監視カメラ制御装置の図9とは異なる処理フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を用いて本発明の実施に好適な実施形態の例を説明する。ただし、本発明は本実施例に限定されない。
図1は、本発明の一実施例に係る監視カメラシステム100のブロック図である。
搭載機能の異なる複数の監視カメラと複数の監視カメラ制御装置が、ネットワーク101を介して接続されている。ここでは監視カメラが3台、監視カメラ制御装置が2台示されているが、これは一例であって何台あっても良い。
【0017】
監視カメラA(201)は、監視カメラシステム用に標準化された通信フォーマットを用いた通信及び標準機能211と、独自の通信フォーマットを用いた通信及び独自機能212の双方を有する。監視カメラB(301)は、独自の通信フォーマットを用いた通信及び独自機能311を有する。監視カメラC(401)は、標準化された通信フォーマットを用いた通信及び標準機能411を有する。
監視カメラ制御装置501は、標準化された通信フォーマットを用いた通信及び標準機能511と、独自の通信フォーマットを用いた通信及び独自機能512の双方を有する。
【0018】
例えば監視カメラB(301)のように、従来から所持しているIPネットワーク機器は、監視カメラシステム用に新たに標準化された通信フォーマットを用いた通信及び標準機能を有さないことが多い。このため、標準化されたIP監視カメラシステムを導入する際に、従来から所持しているIPネットワーク機器は使用できなくなることが多い。これに対して本実施例では以下で説明するように、従来から所持しているIPネットワーク機器も、新たなIPネットワーク機器と共存して引続き使用できることに一つの特徴がある。
【0019】
図2は、本発明の一実施例に係る監視カメラA(201)のブロック図である。監視カメラA(201)は、ネットワーク通信機能207により、ネットワーク101と接続される。標準通信機能203では、標準化された通信フォーマットを用いた通信を行う。標準機能(202)では、標準化された通信フォーマットにより指示された機能を処理する。標準化された通信フォーマットに基づいた標準機能としては、例えば監視カメラシステムで使用される監視カメラの個数、形式、カメラとして有する機能などの情報を、他の装置と送受信する機能が相当する。
【0020】
独自通信機能206では、標準化された通信フォーマットとは異なる独自の通信フォーマットを用いた通信を行う。独自の通信フォーマットに基づいた独自機能としては、例えばメール送信機能204と、異常検知機能205を持つ。これらはカメラ映像を解析し、例えば動き検知、滞留検知、カメラへのいたずら検知などの異常状態を検知した際に、予め登録されたメールアドレスに対してメールを送信する機能である。
映像送信機能209は、カメラ映像をネットワークで接続された監視カメラ制御装置501へ送信する機能である。これは、監視カメラA(201)の場合は、前記した標準化された通信フォーマットに基づいた機能であることが多い。内部メモリ208は、監視カメラ制御用情報やメールアドレスなどを保持する。
【0021】
図3は、本発明の一実施例に係る監視カメラB(301)のブロック図である。監視カメラB(301)は、ネットワーク通信機能307により、ネットワーク101と接続される。独自通信機能304では、標準化された通信フォーマットとは異なる独自の通信フォーマットを用いた通信を行う。独自の通信フォーマットに基づいた独自機能として、メール送信機能302と、異常検知機能303を持つ。
【0022】
映像送信機能309は、カメラ映像をネットワークで接続された監視カメラ制御装置501へ送信する機能である。これは、監視カメラB(301)の場合は、独自の通信フォーマットに基づいた機能である。内部メモリ308は、監視カメラ制御用情報やメールアドレスなどを保持する。
【0023】
図4は、本発明の一実施例に係る監視カメラC(401)のブロック図である。監視カメラC(401)は、ネットワーク通信機能407により、ネットワーク101と接続される。標準通信機能403では、標準化された通信フォーマットを用いた通信を行う。標準機能(402)では、標準化された通信フォーマットにより指示された機能を処理する。映像送信機能409は、カメラ映像をネットワークで接続された監視カメラ制御装置501へ送信する機能である。これは、監視カメラC(401)の場合、前記した標準化された通信フォーマットに基づいた機能である。内部メモリ408は、監視カメラ制御用情報やメールアドレスなどを保持する。
【0024】
以上、図2から図4に示した監視カメラについて纏めると、次のとおりである。まず、図3の監視カメラB(301)は、例えば標準化された通信フォーマットを用いた監視システムを導入する以前から使用されていた監視カメラである。このため、標準化された通信フォーマットとは異なる独自の通信フォーマットのみに対応しているが、ユーザの希望により、その後も引続き使用されるものである。
これに対して、図2の監視カメラA(201)と図4の監視カメラC(401)は、例えば標準化された通信フォーマットを用いた監視システムが現れた後に作られた監視カメラである。前者は標準化された通信フォーマットと独自の通信フォーマットの双方に対応し、後者は標準化された通信フォーマットのみに対応している。
【0025】
図5は、本発明の一実施例に係る監視カメラ制御装置501のブロック図である。監視カメラ制御装置501は、ネットワーク通信機能507により、ネットワーク101と接続される。標準通信機能503では、標準化された通信フォーマットを用いた通信を行う。標準機能(502)では、標準化された通信フォーマットにより指示された機能を処理する。
独自通信機能506では、標準化された通信フォーマットとは異なる独自の通信フォーマットを用いた通信を行う。独自の通信フォーマットに基づいた独自機能として、メール信機能504と、異常検知機能505を持つ。
【0026】
映像受信機能511は、カメラ映像をネットワーク経由で受信する機能である。これは前記した標準化された通信フォーマットや、独自の通信フォーマットの双方に基づいた機能であることが多い。内部メモリ508は、監視カメラ制御装置用情報やメールアドレスなどを保持する。
記録媒体509は、映像受信機能511で受信した映像を記録する記録媒体である。例えば前記した監視カメラが撮像した映像は、例えば異常検知があった際に、必要に応じて記録媒体509に記録される。読出/書込部510は記録媒体509へ映像を書込み、または記録媒体509から映像を読出す機能を持つ。
【0027】
以上述べたように図5の監視カメラ制御装置501は、標準化された通信フォーマットと独自の通信フォーマットの双方に対応した構成要素を含んでいる。このため、図2から図4で示したいずれの監視カメラに対しても、通信と動作の制御ができることに一つの特徴がある。
以上、図1から図5において監視カメラシステム100のシステム構成を示した。
【0028】
次に、これらのIPネットワーク機器の処理フローを説明する。
図6に、監視カメラA(201)の処理フローS600を示す。ステップS601で監視カメラA(201)はネットワークを確立し、ネットワーク通信機能207はネットワーク101を介して他の装置との通信を開始する。ステップS700で標準通信機能203は、標準化された通信フォーマットによる処理を行う。ステップS800で独自通信機能206は、独自の通信フォーマットによる処理を行う。ステップS700とS800については、以下で詳しく説明する。ステップS604でネットワーク通信機能207は、ネットワーク接続状況を判定し、例えば監視カメラ制御装置501からの指示により、既に切断されている場合は(図のYes)処理を終了する。切断されていない場合は(図のNo)ステップS700から再び実行する。
【0029】
図7は、本発明の一実施例に係る監視カメラA(201)の標準機能の処理フロー図であり、図6のステップS700に相当している。ステップS701でネットワーク通信機能207は、他の装置からのメッセージを受信する。ステップS702で標準通信機能203は、メッセージ内容を解析する。
【0030】
ステップS703で標準通信機能203は、メッセージ内容が標準機能の処理要求であるか、機能の有無の問合せであるかを判定する。標準機能の処理要求の場合はステップS704に進み、標準機能(202)は該当する標準機能を実行して、処理を終了する。機能の有無の問合わせであれば、ステップS705に進み、標準通信機能203は問合わせのあった機能について有無の情報を送信して、処理を終了する。標準機能の処理要求と機能有無の問合せのいずれでもない場合には、そのまま処理を終了する。
【0031】
図8は、本発明の一実施例に係る監視カメラA(201)の独自機能の処理フロー図であり、図6のステップS800に相当する。ステップS801で独自通信機能206は、独自機能の実行要求かどうかを判定する。独自機能の実行要求があれば(図のYes)ステップS802に進み、例えばメール送信機能204や異常検知機能205は、該当する独自機能を実行する。独自機能の実行要求がなければ(図のNo)、処理を終了する。
【0032】
以上、図6から図8の処理フロー図により、標準機能と独自機能の双方に対応した監視カメラA(201)は、標準化された通信フォーマットに基づいた標準機能を実行し、また独自の通信フォーマットに基づき、例えば異常検出と異常を知らせるためのメール送信を行うことができる。
【0033】
図9は、本発明の一実施例に係る監視カメラ制御装置501の処理フロー図である。ステップS901で監視カメラ制御装置501はネットワークを確立し、ネットワーク通信機能507はネットワーク101を介して他の装置との通信を開始する。ステップS902の対応機器検索1では、標準通信機能503は標準化された通信フォーマットに対応しているネットワーク上の他の機器を検索する。ステップS903の対応機器検索2では、独自通信機能506は独自通信フォーマットに対応しているネットワーク上の他の機器を検索する。
【0034】
次に、ステップS904では、標準通信機能503や独自通信機能506は、検索して初めて摘出した機器が標準通信フォーマット、又は独自通信フォーマットに対応しているかどうかの情報を、内部メモリ508に保持する。ステップS905では、標準通信機能503や独自通信機能506は、検索して摘出した各機器の対応フォーマットを内部メモリ508に保持された情報に基づいて判別する。標準通信フォーマットと独自通信フォーマットの両方に対応している場合はステップS1000に進む。標準通信フォーマットのみに対応している場合はステップS1100に進む。独自通信フォーマットのみに対応している場合はステップS1200に進み、処理を終了する。ステップS1000、S1100とS1200については、以下で詳しく説明する。
【0035】
図10は、本発明の一実施例に係る監視カメラ制御装置501の監視カメラA(201)に対する処理フロー図であり、監視カメラが標準通信フォーマット、独自通信フォーマットの両方に対応した場合の処理フローS1000を示す。
ステップS1001で監視カメラ制御装置501は、標準化された通信フォーマットに則って接続された監視カメラA(201)に対して、所定の機能の有無を問合わせる。ステップS1002で監視カメラ制御装置501は、所定の機能の有無に関する応答を受信する。ステップS1003で監視カメラ制御装置501は、応答から問合わせを行った所定の機能の有無を判定する。機能が標準機能(202)にある場合は(図のYes)ステップS1004に進み、機能が標準機能(202)に無い場合は(図のNo)ステップS1005へ進む。
【0036】
ステップS1004では、監視カメラ制御装置501は監視カメラA(201)に対し、標準化された通信フォーマットに則った所定の機能の実行を要求して、処理を終了する。ステップS1005で監視カメラ制御装置501は、ネットワーク101に接続されたIPネットワーク機器に所定の機能の代替にできる独自機能が有るかどうかを判定する。この際、監視カメラA(201)の独自機能も含め有るかどうかを判定する。代替にできる独自機能があれば(図のYes)ステップS1006に進み、所定の機能がなければ(図のNo)処理を終了する。ステップS1006で監視カメラ制御装置501は、該当機器に独自通信フォーマットを用いた独自機能の実行を要求して、処理を終了する。
【0037】
図10のフローにより、監視カメラ制御装置501は、例えば標準化された通信フォーマットに基づき、監視カメラA(201)の標準通信機能203に対して、例えば撮像した映像の送信を要求できる。一方、映像の中に動きを検出した際の異常検知や、異常を知らせるためのメール送信を要求する場合には、これらは標準化された通信フォーマットに基づかない機能であるが、監視カメラ制御装置501は、監視カメラA(201)の独自通信機能206に対してこれらを要求することができる。
【0038】
図11は、本発明の一実施例に係る監視カメラ制御装置501の監視カメラB(301)に対する処理フロー図であり、監視カメラが独自通信フォーマットのみに対応した場合の処理フローS1100を示す。
ステップS1101で監視カメラ制御装置501は、監視カメラB(301)に対して独自機能の実行を要求して、処理を終了する。
【0039】
図11のフローにより、監視カメラB(301)が、標準化された通信フォーマットに基づく監視カメラシステムが導入される以前から使用されており、独自通信フォーマットのみに対応していたとしても、監視カメラ制御装置501は、監視カメラB(301)の独自機能を使用することができる。即ち、標準化された通信フォーマットに基づく監視カメラシステムが導入された以後も、引続き監視カメラB(301)を使用することができ、監視カメラ制御装置501は、映像の中に動きを検出した際の異常検知や、異常を知らせるためのメール送信を要求することができる。
【0040】
図12は、本発明の一実施例に係る監視カメラ制御装置501の監視カメラC(401)に対する処理フロー図であり、監視カメラが標準通信フォーマットのみに対応した場合の処理フローS1200を示す。
ステップS1201で監視カメラ制御装置501は、標準化された通信フォーマットに則って接続された監視カメラC(401)に対して所定の機能の有無を問合わせる。ステップS1202で監視カメラ制御装置501は、所定の機能の有無に関する応答を受信する。ステップS1203で監視カメラ制御装置501は、応答から問合わせを行った所定の機能の有無を判定する。機能が標準機能(402)にある場合は(図のYes)ステップS1204に進み、機能が標準機能(402)に無い場合は(図のNo)ステップS1205へ進む。
【0041】
ステップS1204で監視カメラ制御装置501は監視カメラC(401)に対し、標準化された通信フォーマットに則って所定の機能の実行を要求して、処理を終了する。ステップS1205では監視カメラ制御装置501内に所定の機能を持つかどうかを判定する。所定の機能があれば(図のYes)ステップS1206に進み、所定の機能がなければ(図のNo)、処理を終了する。ステップS1206では監視カメラ制御装置501内に所定の機能を実行するよう設定して、処理を終了する。
【0042】
図12のフローにより、監視カメラC(401)が標準化された通信フォーマットのみに基づくために、独自通信フォーマットに基づく機能に対応することができなくとも、監視カメラ制御装置501が独自通信フォーマットに基づく機能に対応することができる。例えば、監視カメラ制御装置501では、異常検知機能505がカメラC(401)から受信した映像から異常を検知し、メール送信機能504が他のネットワーク上の装置に対して異常を知らせるためのメールを送信することができる。また、標準化された通信フォーマットに基づく監視カメラシステムが導入された後も、ユーザは従来の独自通信フォーマットで有していた機能を使用することができる。
【0043】
さらには、新たに設置された監視カメラの全てが従来の独自通信フォーマットに基づく機能を有していなかったとしても、監視カメラ制御装置501が独自通信フォーマットに基づく機能を有することにより、ユーザは全ての監視カメラが撮像した映像に対して独自通信フォーマットに基づく機能を使用することができる。このため、IPネットワーク機器の能力に応じて機能を分散させることもでき、特定の機器にかかる処理負荷を低減することができる。
【0044】
図1の監視カメラシステムにおける異常時のメール送信機能に関する実現方法を図10、図11、図12の処理フローを用いて説明する。
本実施例では、各監視カメラは異常時のメール送信機能を、標準機能としては持たないものとする。
【0045】
監視カメラ制御装置501は、監視カメラA(201)に図10のステップS1001で標準化された通信フォーマットに則り、異常時のメール送信機能の有無を問合わせる。ステップS1002で監視カメラ制御装置501が、監視カメラA(201)から標準機能に無い旨の応答を受信した場合(図のステップS1003のNo)を、以下に述べる。ステップS1005で監視カメラ制御装置501は、監視カメラA(201)に代替機能があるかどうかを判定する。監視カメラA(201)には独自機能としてカメラ映像から異常検出する異常検知機能205と、メール送信するメール送信機能204があるため、ステップS1006で監視カメラ制御装置501は監視カメラA(201)に対して、独自通信フォーマットを用いて受信映像の異常検知及びメール送信機能を実行するよう要求する。これより、監視カメラA(201)は異常検知及び異常検知時のメール送信機能を実行する。
【0046】
監視カメラB(301)には、標準フォーマットに則った通信機能が無いため、監視カメラ制御装置501は、図11のステップS1101で監視カメラB(301)に対して、独自通信フォーマットを用いて通信を行い、異常検知及びメール送信を実行するよう要求する。
【0047】
監視カメラC(401)は、標準フォーマットに則った通信機能のみを有する。監視カメラ制御装置501は監視カメラC(401)に対して、図12のステップS1201で標準化された通信フォーマットに則って異常時のメール送信機能の有無を問合わせる。監視カメラ制御装置501は監視カメラC(401)から、ステップS1202で標準機能に無い旨の応答を受信する(図のステップS1203のNo)。そこで、ステップS1205で監視カメラ制御装置501は、監視カメラ制御装置501に代替機能があるかどうかを判定する。監視カメラ制御装置501には、独自機能としてカメラ映像から異常検出する異常検知機能505と、メールを送信するメール送信機能504があるため、ステップS1206で受信映像の異常検知及びメール送信機能を実行するよう設定する。これより、監視カメラC(401)からの映像に対しても異常検知及び異常検知時のメール送信機能を実現できる。この場合、監視カメラ制御装置501のメール送信機能504は、異常検知機能505において異常検知があったことを、例えば他の監視カメラ制御装置を使用中のユーザに知らせるために活用することができる。また、前記異常検知があったことを、図1のネットワーク101に接続された例えば携帯可能なメール端末(図示せず)に知らせることにより、メール端末のユーザは直ちに異常に対して対処をすることができる。
【0048】
次に図13と図14を用いて、複数台の監視カメラにより同一空間を撮影している場合の異常検知及び異常検知時のメール送信機能について説明する。図13は、本発明の一実施例に係る同一空間を撮影する監視カメラの設置例を示す見取図であり、図14は、本発明の一実施例に係る監視カメラ制御装置501の図9とは異なる処理フロー図S1400である。図13において、これらの各監視カメラ1301〜1304では異常検知及びメール送信機能を持つ。または図12のフロー図で示したように、代行して監視カメラ制御装置501で同機能を実現していても良い。
【0049】
図14においてステップS1401で監視カメラ制御装置501は、監視カメラ1301〜1304から映像を受信する。ステップS1402で監視カメラ制御装置501は、受信した画像を解析する。ステップS1403で監視カメラ制御装置501は、各監視カメラ1301〜1304から同時間に受信した画像の特徴を比較し、同一空間を撮影しているかどうかを判定する。同一空間を撮影しているかは、例えば被写体の色や形状などの特徴に基づいて判定することができる。同一空間を撮影している場合は(図のYes)ステップS1405に進み、同一空間でない場合は(図のNo)処理を終了する。
【0050】
ステップS1405では、対象の監視カメラ1301〜1304、または監視カメラ制御装置501が代行して、既に異常検知時のメール送信機能が実行されているかどうかを判定する。実行されている場合は(図のYes)ステップS1406に進み、実行されていない場合は(図のNo)処理を終了する。ステップS1406では監視カメラ1301〜1304または監視カメラ制御装置501においてメール機能停止設定を行う。
【0051】
その後、監視カメラ制御装置501で同一空間を撮影する監視カメラ1301〜1304からの映像から異常を検知する。異常の検知は、例えば被写体の移動や立入禁止部への人の侵入などを検知することによって行われる。異常を検知した際、監視カメラ制御装置501は、全ての同一空間を撮影する全ての監視カメラ1301〜1304により撮影された画像または映像を、まとめて予め設定されたメールアドレスへメール送信する。これにより、監視カメラをはじめとする個々の装置が同時にメールを複数送信する負荷を下げ、ユーザは一度のメール受信で全ての監視カメラ1301〜1304の映像を確認することができ、メール受信及び確認の手間を省くことができる。また、各監視カメラにかかる処理負荷を低減することもできる。
【0052】
ここで各監視カメラ1301〜1304に設定された送信先メールアドレスが同一の場合のみ、まとめて送信してもよく、異なる場合は全ての送信先メールアドレスにまとめて送信してもよい。
また、以上の例では監視カメラ制御装置501で受信した映像から異常を検知したが、各監視カメラ1301〜1304で異常を検知させ、映像と共に異常情報を監視カメラ制御装置501に送信し、監視カメラ制御装置501では異常情報を参照して画像または映像をまとめてメール送信する仕組みでもよい。
また、本例では監視カメラ1301〜1304で異常検知及び異常検知時のメール送信機能を持たない場合に監視カメラ制御装置501で代行処理を行ったが、メール送信機能だけでなく例えば画像をサーバに転送する機能など他の処理も行って良い。
【0053】
以上述べたように本実施例によれば、標準化された通信フォーマットを用いたIPネットワーク機器と、独自の通信フォーマットを用いたIPネットワーク機器との共存を図りながら、従来使用してきた機能、性能を維持することができる。
本発明に関して、実施例に沿って説明を行ったが、本発明はこれらの例に限定されない。監視カメラシステムだけでなく、例えばTV、レコーダ、NAS(Network Attached Storage)システムなどのサーバ機能、クライアント機能を持つ機器にも適用することができる。
【符号の説明】
【0054】
100:監視カメラシステム、101:ネットワーク、201:監視カメラA、211:標準機能、212:独自機能、301:監視カメラB、311:独自機能、401:監視カメラC、411:標準機能、501:監視カメラ制御装置、511:標準機能、512:独自機能。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視カメラと該監視カメラを制御する監視カメラ制御装置を有する監視カメラシステムであって、
前記監視カメラ制御装置は、
標準化された通信フォーマットに基づいて前記監視カメラを制御する標準制御部と、
前記標準化された通信フォーマットとは異なる独自の通信フォーマットに基づいて前記監視カメラを制御する独自制御部と、
前記標準制御部と前記独自制御部が接続され前記監視カメラと通信を行う第1の通信部
を有し、
前記監視カメラは、
前記標準化された通信フォーマットに基づいて機能制御される第1の標準機能部、又は/及び、前記独自の通信フォーマットに基づいて機能制御される第1の独自機能部と、
前記標準機能部、又は/及び、前記独自機能部が接続され前記監視カメラ制御部と通信を行う第2の通信部
を有し、
前記監視カメラの第1の独自機能部は、前記監視カメラ制御装置の独自制御部により制御され、
前記監視カメラが撮像した映像から異常な状況が発生したことを検知する異常検知機能と、
該異常検知機能が異常な状況が発生したことを検知した場合に前記映像を所定の通知先にメール送信するメール送信機能
を有することを特徴とする監視カメラシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の監視カメラシステムにおいて、
前記監視カメラ制御装置の第1の通信部は、前記監視カメラの第2の通信部に対して、前記監視カメラの第1の標準機能部、又は/及び、前記監視カメラの第1の独自機能部が有する機能を問合せ、
これに応じて、前記監視カメラの第2の通信部は、前記監視カメラ制御装置の第1の通信部に対して前記第1の機能部が有する機能を回答し、
該回答に応じて、前記監視カメラ制御装置は前記監視カメラを含め前記カメラシステムの動作設定を行うことを特徴とする監視カメラシステム。
【請求項3】
請求項2に記載の監視カメラシステムでおいて、
前記監視カメラ制御装置は、
前記標準化された通信フォーマットに基づいて機能制御される第2の標準機能部、及び前記独自の通信フォーマットに基づいて機能制御される第2の独自機能部
を有し、
前記問合せに対する前記監視カメラから前記監視カメラ制御装置への回答において所定の機能が含まれない場合には、前記監視カメラ制御装置の有する第2の標準機能部、又は第2の独自機能部が所定の機能を代行することを特徴とする監視カメラシステム。
【請求項1】
監視カメラと該監視カメラを制御する監視カメラ制御装置を有する監視カメラシステムであって、
前記監視カメラ制御装置は、
標準化された通信フォーマットに基づいて前記監視カメラを制御する標準制御部と、
前記標準化された通信フォーマットとは異なる独自の通信フォーマットに基づいて前記監視カメラを制御する独自制御部と、
前記標準制御部と前記独自制御部が接続され前記監視カメラと通信を行う第1の通信部
を有し、
前記監視カメラは、
前記標準化された通信フォーマットに基づいて機能制御される第1の標準機能部、又は/及び、前記独自の通信フォーマットに基づいて機能制御される第1の独自機能部と、
前記標準機能部、又は/及び、前記独自機能部が接続され前記監視カメラ制御部と通信を行う第2の通信部
を有し、
前記監視カメラの第1の独自機能部は、前記監視カメラ制御装置の独自制御部により制御され、
前記監視カメラが撮像した映像から異常な状況が発生したことを検知する異常検知機能と、
該異常検知機能が異常な状況が発生したことを検知した場合に前記映像を所定の通知先にメール送信するメール送信機能
を有することを特徴とする監視カメラシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の監視カメラシステムにおいて、
前記監視カメラ制御装置の第1の通信部は、前記監視カメラの第2の通信部に対して、前記監視カメラの第1の標準機能部、又は/及び、前記監視カメラの第1の独自機能部が有する機能を問合せ、
これに応じて、前記監視カメラの第2の通信部は、前記監視カメラ制御装置の第1の通信部に対して前記第1の機能部が有する機能を回答し、
該回答に応じて、前記監視カメラ制御装置は前記監視カメラを含め前記カメラシステムの動作設定を行うことを特徴とする監視カメラシステム。
【請求項3】
請求項2に記載の監視カメラシステムでおいて、
前記監視カメラ制御装置は、
前記標準化された通信フォーマットに基づいて機能制御される第2の標準機能部、及び前記独自の通信フォーマットに基づいて機能制御される第2の独自機能部
を有し、
前記問合せに対する前記監視カメラから前記監視カメラ制御装置への回答において所定の機能が含まれない場合には、前記監視カメラ制御装置の有する第2の標準機能部、又は第2の独自機能部が所定の機能を代行することを特徴とする監視カメラシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−250161(P2011−250161A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−121605(P2010−121605)
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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