説明

監視制御システム

【課題】表示操作装置で表示する被制御機器に対応する識別画像を任意の識別画像に入れ替えることができ、それにより操作表示パネル上での操作被制御機器の識別性を高め、ユーザーに混乱を招かない監視制御システムを提供することにある。
【解決手段】表示操作装置4は、マイクロコンピュータからなる制御部41のWebサーバ部411に端末装置からの入れ替え用アイコンに対応する画像データを受信する画像データ受信機能411aと、受信した入れ替え用アイコンの画像データを被制御機器に既に対応付けられているアイコン用の画像のデータに入れ替える画像入替機能411cとを具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被制御機器の状態情報や、被制御機器の操作釦を操作表示パネルで表示する表示操作装置を具備している監視制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、防犯監視、防災監視、設備(照明等)電力制御などを、夫々担当するサブシステムを接続して、それら各サブシステムのWebサーバが保有する監視や制御対象の被制御機器の状態情報を表示する画面データをブラウザ機能によって読み込んでユーザー表示画面として利用することが可能で且つタッチパネルを利用して被制御機器を操作するための操作釦を画面上に表示する表示操作装置を備えた監視制御システムが提供されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−295408公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、特許文献1には、表示操作装置として、モニタ装置付のインターホン親器や副親器を利用したもので、モニタ画面に表示される被制御機器(デバイスを含む)を操作するための操作釦を押操作することで、対応する被制御機器を操作することができるようになっているが、画面表示する操作釦の画像は、予めWebコンテンツに組み込まれた画像となっていた。その為、例えば被制御機器として3つの電気錠が設けられているような場合であっても、組み込まれた操作釦を示す画像を用いて表示するため、表示されている操作釦が何れの場所にある電気錠に対応するものかが分かり難いことがあって、ユーザーに混乱を招くことがあった。
【0004】
このような混乱を解決するために、表示している操作釦につけられた名称(識別文字情報)を変更をできる仕組みを設け、操作釦が何れの電気錠であるかを示すことで、識別性を高める方法もあったが、しかしながら、つける名称は個人の好みなどよって異なるため、複数人で使用するような被制御機器機においては、不便であった。ユニバーサルデザイン(UD)の観点からも、画像による誤解を招きかねないというという課題があった。
【0005】
本発明は、上述の点に鑑みて為されたもので、その目的とするところは、表示操作装置で表示する被制御機器に対応する識別画像を任意の識別画像に入れ替えることができ、それにより操作表示パネル上での操作被制御機器の識別性を高め、ユーザーに混乱を招かない監視制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、請求項1の発明では、住宅等の建物に設置された複数の被制御機器の操作と状態監視とを行うための操作表示パネルを有し、各被制御機器に対して対応付けた識別文字情報及び識別画像を前記操作表示パネルに表示させる表示操作装置を備えた監視制御システムにおいて、通信回線を介して前記表示操作装置と通信する端末側通信部と、該端末側通信部を介して入れ替え用識別画像データを前記表示操作装置に送出する画像送出部とを有してなる端末装置を備え、前記表示操作装置は、前記端末装置の端末側通信部との間で通信する表示操作側通信部と、各被制御機器に対応付けた識別画像を記憶する記憶部と、前記表示操作側通信部を介して、前記端末装置からの前記入れ替え用識別画像データを受信する画像データ受信部と、該画像データ受信部で受信した前記入れ替え用識別画像データを当該被制御機器に既に対応付けられている前記識別画像のデータに入れ替える画像入替部とを具備していることを特徴とする。
【0007】
請求項1の発明によれば、被制御機器に対応する識別画像として、システム側が提供する識別画像に替えてユーザー側で作成した入れ替え用の識別画像を用いることができ、そのため、同じ同種の被制御機器が複数存在しているような場合に、個々の被制御機器に対応する識別画像を用いることで、ユーザーが識別文字情報によらずに容易に被制御機器を特定することが可能となり、ユーザーに混乱を招かないシステムを実現できる。
【0008】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記端末装置は、識別画像を入れ替えたい被制御機器に関する識別情報を入力する入力部と、前記画像送出部が送出しようとする入れ替え用識別画像データに対し、前記入力部により入力された前記被制御機器に関する前記識別情報を付与する識別情報付与部とを更に備え、前記表示操作装置は、前記入れ替え用識別画像データに前記識別情報付与部によって付与された前記識別情報を取得し、該識別情報に基づいて識別画像の入れ替え対象となる被制御機器を特定する機器特定部を更に備え、前記画像入替部は、前記機器特定部により特定された前記被制御機器の識別画像データを前記端末装置から送出されてきた入れ替え用識別画像データに入れ替えることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明によれば、特定された被制御機器に対応して識別画像データを指定できるので、誤って識別画像が入れ替わることがなく、設定を確実に行え、ユーザーが任意に指定した被制御機器の識別画像データを任意の識別画像データに入れ替えることが容易に可能となる。
【0010】
請求項3の発明では、請求項1又は2の発明において、前記表示操作装置は、前記各被制御機器の識別文字情報と識別画像との対応関係を示した対応テーブルを更に備え、前記画像入替部は、前記対応テーブルの対応関係を書き換えて識別画像の入れ替えを行うことを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明によれば、対応テーブルによって被制御機器の識別文字情報と識別画像との対応付けを画像入替部が判断するようになるので、一々画面表示のためのデータソースファイルを検索するような処理が不要となって、処理時間の短縮が図れる。
【0012】
請求項4の発明では、請求項1乃至3の何れかの発明において、前記表示操作装置は、受信した識別画像データのサイズ或いは解像度のうち少なくとも一方を加工する画像処理部を更に備え、前記操作表示パネルで表示するのに適したサイズ、解像度に変更することを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明によれば、請求項1乃至3の何れかの作用効果に加えて、入れ替え用の識別画像のサイズや解像度を表示操作装置側で操作表示パネルに適合するように自動的に変更するので、予めユーザー側で調整する必要がなく、また誤ってサイズや解像度が操作表示パネルに対してサイズや解像度が不適合な入れ替え用識別画像データをユーザーが送っても特に不都合が生じ、ユーザーによるミスにも対処できる。
【0014】
請求項5の発明では、請求項1乃至4の何れかの発明において、前記表示操作装置は、複数の被制御機器のうち、入れ替え可能な識別画像に対応付けられる被制御機器を特定する可換画像特定部を更に備えると共に、その特定された被制御機器に関する情報を前記表示操作側通信部により前記端末装置に送信し、前記端末装置は、前記特定された被制御機器に関する情報を受信すると、当該情報をユーザーに報知する報知部を更に備えてなることを特徴とする。
【0015】
請求項5の発明によれば、ユーザーが入れ替え用識別画像データを表示操作送信した際に、変更するのにふさわしいか否かが表示操作装置側で判断され、入れ替え可能な識別情報に対応する被制御機器の情報が端末装置側で報知されるため、入れ替え用識別画像データの設定間違いによって、設定情報などの永続的に必要な識別画像までも、入れ替えられてしまうことを防ぐことができる。
【0016】
請求項6の発明では、請求項1乃至5の何れかの発明において、前記端末装置は、撮像カメラ付きの携帯電話機で構成され、前記通信回線は、携帯電話機に対応する通信回線を用いて前記撮像カメラで撮影した画像のデータを上記入れ替え用識別画像データとして前記通信回線を介して前記表示操作装置に送信することを特徴とする。
【0017】
請求項6の発明によれば、撮像カメラ付きの携帯電話機の資源をそのまま端末装置として使用することができ、特別な端末装置等を用いる必要がなくなり、ユーザーが外出先等任意の場所で識別画像の入れ替え操作を行うことができ、利便性に富む。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、被制御機器に対応する識別画像として、システム側が提供する識別画像に替えてユーザー側で作成した入れ替え用の識別画像を用いることができ、そのため、同じ同種の被制御機器が複数存在しているような場合に、個々の被制御機器に対応する識別画像を用いることで、ユーザーが識別文字情報によらずに容易に被制御機器を特定することが可能となり、ユーザーに混乱を招かないシステムを実現できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
(実施形態1)
図2に示すように住宅内に設置されたコントローラ2A…が各種住宅設備からなる被制御機器の制御並びに状態監視を行うサブシステムとして備えられ、各コントローラ2A…はエンハンスト・カテゴリ5若しくはカテゴリ6のLANケーブルを介して統合管理装置3に接続される。また同様にLANケーブルを介して統合管理装置3に表示操作装置4、パーソナルコンピュータ(以下パソコンという)5等が接続される。
【0020】
コントローラ2Aは、照明器具1a、空調機器1b、電気錠1cなどの被制御機器を制御する制御親機からなるもので、サブシステム外に対するインターフェース機能としてLAN用インターフェース部(図示せず)やWebサーバ機能部が備えられる。
【0021】
またコントローラ2Bは、床暖房装置1d、空調機器1b’、電力使用量異常報知器1e等の被制御機器を制御する電力コントローラからなるもので、サブシステム外に対するインターフェース機能としてLAN用インターフェース部(図示せず)やWebサーバ機能部が備えられる。
【0022】
更にコントローラ2Cは、侵入者感知用赤外線センサ1f、火災感知器1g、ガラス破壊センサ1hなど防犯や防災向け各種センサからなる被制御機器から無線中継器1iを介してセンサ情報を監視情報として受け取って処理を行うもので、サブシステム外に対するインターフェース機能としてLAN用インターフェース部(図示せず)やWebサーバ機能部が備えられる。
【0023】
また更にコントローラ2Dは、インターホン親器1j、インターホン副親器1j’、ドア子器1j”及び人感センサ付カメラ1k等の被制御機器と接続し、監視映像音声を転送する中継器からなるもので、サブシステム外に対するインターフェース機能としてLAN用インターフェース部(図示せず)やWebサーバ機能部が備えられる。
【0024】
統合管理装置3は、ハブ機能を備えており、LANケーブルによってスター接続した各コントローラ2A…、表示操作装置4、パソコン5等で汎用の通信プロトコル(TCP/IP、UDP、HTTPsなど)を利用した100BASE−TX等のイーサネット(登録商標)規格に準拠したローカルエリアネットワーク(LAN)たる宅内ネットワークを構築している。
【0025】
更に統合管理装置3は、インターネットINTに接続するための回線の種類(電話回線、CATV回線、光ファイバ回線など)に応じてADSLモデムやケーブルモデム或いはONU(Optical Network Unit)などのインターネット接続装置6に対して通信ケーブル(通常、LANケーブル)により接続され、インターネット接続装置6が介在することで宅内ネットワークがインターネットINTに接続される。
【0026】
また、宅内ネットワークには、サービス提供会社の管理センタ等に設置されたセンタ装置(センタサーバ)7がインターネットINTを通じて接続されており、インターネットINTに接続可能なノート型のパソコンや携帯電話機8、PDA(Personal Digital Assistance)等からなるネット端末装置とセンタ装置7との間でインターネットINTを介したデータ通信を行うことにより、例えば、携帯電話機8を使って外出先から住宅設備の制御や監視を行うことができるようになっている。
【0027】
センタ装置7は、ネットワーク機能を有する汎用のコンピュータ装置で構成されており、携帯電話機8等からインタネットINTを通じて送信されるコントローラ2A…宛のメッセージやコントローラ2A…から宅内ネットワークに属さない携帯電話機8等のネット端末宛に送信されるメッセージ、更に後述する電子メールを中継する機能や各住戸からの情報統括を行う機能を有している。
【0028】
ここで本実施形態のシステムでは、表示操作装置4(及び表示操作装置としての機能をアプリケーションソフトで実現したパソコン5)により、各サブシステム上の被制御機器の状態監視や操作をコントローラ2A…との間の情報授受によって行うようになっている。
【0029】
さて本実施形態に用いる表示操作装置4は住宅内の壁面に埋込配設されるものであって、図1に示すようにマイコンを主構成要素とする制御部41と、宅内ネットワークのLANケーブルが接続され、制御部41と宅内ネットワークのインターフェースを行うLANインターフェース部42と、液晶ディスプレイやドライブ回路からなる表示パネルとその表示面に設けたタッチパネルとで構成される操作表示パネル43と、表示パネル上のタッチパネルや押釦スイッチSW1〜SW4(図3(a)参照)からなり、ユーザの操作入力の情報を取り込む操作部44と、マイコンで実行するプログラムや種々のデータを記憶するフラッシュメモリなどからなる不揮発性の記憶部45と、スピーカとスピーカの駆動回路を有するスピーカ部46と、商用電源から所望の直流電源を作成して制御部41やその他の各部に動作電源を供給するための電源回路(図示せず)とを備えたものある。
【0030】
制御部41は、後述するWebサーバ部411及びWebブラウザ部412が実装され、各コントローラ2A…等から提供されるWebコンテンツ並びに予め記憶部5に記憶しているマイページ用のWebコンテンツをWebブラウザ部412で再生して操作表示パネル43に表示するとともに、操作部44のタッチパネルが操作された位置と操作表示パネル43に表示されている操作釦の識別画像(以下アイコン)等との位置関係に応じた操作入力情報を取り込むようになっている。
【0031】
また、記憶部45には予め警報音や音声メッセージのデータが圧縮して格納されており、制御部41が必要に応じて記憶部45から読み出したデータを伸長してスピーカ部46に出力すれば、前記警報音や音声メッセージがスピーカから鳴動される。
【0032】
更にまた、表示操作装置4は、図3(a)に示すように矩形箱形の合成樹脂成形品からなるハウジング40の内部に上述した各部41〜46が収納されて構成されており、操作表示パネル43の画面がハウジング40の前面に配置されている。尚、操作表示パネル43の画面には操作部44のタッチパネル(透明であるから番号は付さない)が一体に設けられている。操作表示パネル43の右側方上部には、スピーカ部46から鳴動する音をハウジング40の外に放射するための多数の音出し孔46aが設けている。また、音出し孔46aの形成部位の下方には、操作部44が具備する押釦スイッチSW1〜SW4が上下に2つずつ配設されている。
【0033】
更に、図3(b)に示すように背面にはLANインターフェース部42にLANケーブルを接続するためのRJ−45コネクタ47、電源回路に商用電源を接続するための商用電源用速結端子部48とを備えている。
【0034】
尚押釦スイッチSW1は、当該表示操作装置4の記憶部45に記憶してあるマイページ用Webコンテンツを表示操作パネル43で表示させるための操作スイッチ、押釦スイッチSW2は後述するポータルサイトを表示させるための操作スイッチ、押釦スイッチSW3はスピーカ部6からの音声出力をオン/オフする操作スイッチ、押釦スイッチSW4は当該表示操作装置4の電源オン/オフさせる操作スイッチである。
【0035】
一方システムでのネットワーク通信を統合管理する統合管理装置3は、LANケーブルを介して、コントローラ2A…、パソコン5、表示操作装置4が接続されるとともに、インターネット接続装置6からインターネットを通じてセンタ装置7や携帯電話機8、又は他のネット端末に接続しており、パケット処理機能、経路切り替え機能、ネットワークセキュリティ機能、UPnP(ユニバーサル・プラグ・アンド・プレイ)のコントロールポイントの機能等を有して、ネットワークにおけるデータ授受をコントロールしている。
【0036】
また統合管理装置3にもWebサーバ機能が搭載されており、各コントローラ2A…がWebサーバ機能によって提供するWebコンテンツ(各サブシステムのホームページ)への入り口となるWebコンテンツ(いわゆるポータルサイト)を作成し、宅内ネットワークを通じて住宅内の表示操作装置4や表示操作装置として機能するパソコン5に提供(配信)している。例えば表示操作装置4の操作表示パネル43には、通常、統合管理装置3で作成されたポータルサイトが表示されている。このポータルサイトでは、各コントローラ2A…で提供されるWebコンテンツへのリンクがアイコンで表示されており、何れかのアイコン上でタッチパネルが操作されれば、当該アイコンで表示されたリンク先のURL(各コントローラ2A…が保有するWebコンテンツ群のIPアドレス)に対して表示操作装置4からWebコンテンツの送信要求メッセージが送信される。そして、送信要求メッセージを受信したコントローラ2A…が自己の保有するWebコンテンツ群の中から指定されたWebコンテンツを表示操作装置4等に対して送信すれば、ポータルサイトに代わって当該コントローラ2A…のWebコンテンツが夫々のWebブラウザ部の働きにより夫々で表示される。
【0037】
ここで本実施形態の監視制御システムの中核となる表示操作装置4は、上述したように制御部41に機能としてWebサーバ部411及びWebブラウザ部412を実装しており、Webサーバ部411は、表示操作側通信部として機能するLANインターフェース部42を通じて各サブシステムのコントローラ2A…との間でHTTPsプロトコルにより通信を行い、各コントローラ2A…のWebサーバ機能が保有する表示画面データ(Webコンテンツデータ)を受信取得し、これをWebブラウザ部412に引き渡して、操作表示パネル43の画面表示させる。
【0038】
図4(a)は、被制御機器の操作用画面の表示例を示しており、この操作用画面では、操作表示パネル43にはサブシステムのコントローラ2Aの制御下にある複数(図示例では4つ)の電気錠1cに各別に対応する操作釦SB1〜SB4と、空調機器1bの操作釦SB5と、コントローラ2Bの制御下にある床暖房装置1dの操作釦SB6と、前表示の画面に戻るための操作釦SB7の夫々の識別画像(以下アイコンという)と、夫々の操作釦SB1〜SB7のアイコンに併記されるように「電気錠1」などの識別文字とが表示されている。
【0039】
Webサーバ部411は、取得した表示画面データをコントローラ2A…から受け取ったときに当該表示画面データであるHTMLソースファイルを記憶部45に格納し、また記憶部45にHTMLソースファイル上の各操作釦SB(SB1…)のアイコンの画像データと被制御機器とを対応付けて記憶部45にデフォルトデータとして記憶するようになっている。
【0040】
さて、コントローラ2A…から受け取る表示画面データよって表示される操作釦SBのデフォルトのアイコンの画像データは予めメーカ等によって作成されたものであるため、識別文字情報の併記だけでは識別性が低い。
【0041】
そこで本実施形態の表示操作装置4では、このデフォルトのアイコンの代わりにユーザーが任意に作成した画像データによるアイコンと置き換えることができるようになっており、この画像データは、例えば電子メールの添付ファイルとして表示操作装置4に送るようになっている。
【0042】
つまり表示操作装置4は、制御部41のWebサーバ部411に、後述する端末装置から入れ替え用アイコンの画像データを電子メールの添付ファイルとして受け取るための画像データ受信機能411aを備え、この画像データ受信機能411aは、例えば当住宅のユーザーがプロバイダー等から付与されているメールアドレス宛に送られてくる入れ替え用アイコンの画像データを添付した電子メールを受信する機能を備えているもので、所定の電子メールを受け取ると記憶部45に添付ファイルたる画像データとともに記憶させる。そしてWebサーバ部411は、記憶部45に記憶させた入れ替え用アイコンの画像データに対応する被制御機器を特定する機器特定機能411bと、入れ替え用のアイコンの画像データをHTMLソースファイル上の対応する被制御機器のアイコンの画像データと入れ替える画像入替機能411cとを備え、これら機能411b〜411cの働きによって新たに更新された表示画面データをWebブラウザ部412に受け渡して新しいアイコンに入れ替えた操作画面を表示させるのである。
【0043】
ここで端末装置から表示操作装置4に送るアイコン入れ替え用の電子メールは、各被制御機器に対応付けてある識別情報を件名として記述され、入れ替え用のアイコンの画像データとして、例えばgif画像(ビットマップでも良い)が添付されているものが使用される。
【0044】
一方、電子メールを送る端末装置は、端末側通信部としてLANインターフェース部等を備えた宅内ネットワーク上のパソコン5或いはインターネットINT上のパソコン、更には移動体通信網を介してインターネットINTに接続される携帯電話機8等、電子メールを発信することができる機能を備え、且つ入れ替え用のアイコンの画像データを作成或いは入力して添付ファイルとして電子メールに添付できるメール機能を備えたものであれば、特に限定されるものではなく、メーラー機能の下でキーボード等の入力操作部が被制御機器に関する情報(メール文)を入力する入力部と、作成されたメールに被制御機器を識別する識別情報(件名)を付与する識別情報付与部とを構成することになる。これら端末装置は周知の構成のものを用いるので構成の図示及び詳細な説明は省略する。
【0045】
而して、例えば図4(a)の表示例において、”電気錠1”の識別情報に対応した操作釦SB1のアイコンを電気錠の写真のアイコンに入れ替えたい場合について、図5のフローチャートによるWebサーバ部411のデータ処理の動作を説明する。
【0046】
ユーザーは予め端末装置から例えば、例えば”件名:電気錠1”とし、添付ファイルとして”玄関電気.gif”なる画像データを添付した電子メールを所定のメールアドレスに送信しておく。
【0047】
この電子メールは、表示操作装置4のWebサーバ部411の画像データ受信機能411aによって受信され(S1)、被制御機器の件名と、添付ファイルたる画像データを対応付けて記憶部45に記憶される。
【0048】
そしてユーザーが、表示操作装置4及び各サブシステムの何れにも状態変化のイベントが発生していない平常時において、表示操作装置4の操作表示パネル43でメニュー画面(図示せず)を呼び出し、初期表示画面を設定するための操作釦(図示せず)の操作による入力があると、つまりアイコン入替指示入力があると(S2)、制御部4のWebサーバ部411は、操作部44から指示入力に対応して、機器特定機能411bの働きにより記憶部45に記憶している電子メールのデータから件名(識別情報)を抽出して被制御機器を特定し、この特定した被制御機器の件名”電気錠1”を画像入替機能411cに渡す。
【0049】
画像入替機能411cは、記憶部45に格納している表示画面データのHTMLソースファイルに”電気錠1”という所定件名の検索を行う(S3)。ここで、例えば「<p stype=”font−size: 24px> 電気錠1</p>」などという「電気錠1」のキーワードが検出されると、玄関電気.gifなる画像データを、HTMLソースファイルに格納し(S4)、その格納後、例えば「img src=”/image/denki1.gif wide=”30” height=”30 “/> 」という記述から電気錠1のアイコンの画像データを指定するで「denki.gif」を上述の添付ファイルの「玄関電気.gif」というファイル名に修正置換する(S5)。尚添付ファイルの「玄関電気.gif」というファイル名をデフォルトの「denki.gif」と修正変更しても良い。
【0050】
これによって図4(a)と同様な操作画面を表示する場合には電気錠1のアイコンが玄関電気.gifという画像データからなるアイコンに置き換えられた操作画面が表示されることになる。図4(b)は上述の電気錠1以外に電気錠2,電気錠3及びエアコンという操作釦SB2,SB3,SB5に対応するアイコンが電気錠1の操作釦sbのアイコンと同様に入れ替えられた画面例を示す。
【0051】
尚検索時に対応する件名がHTMLソースファイルに存在しない場合には、記憶部45に記憶している電子メール及びその添付ファイルである画像データを破棄する(S6)。
【0052】
以上のように本実施形態に用いる表示操作装置4では、被制御機器の操作に対応する操作釦SBのアイコンをユーザーが作成した任意のアイコンに置き換えることで、操作釦SBの識別性を高めることができる。特に同種の被制御機器(特に電気錠、照明器具)が複数ある場合には設置場所を識別できる写真等の画像データを用いることで、ユーザーに混乱を招くことが無くなる。特に、新築の家等において件名と場所との対応関係が家族全体として共通に認識していない場合には特に有効である。
【0053】
ここで、上述のように写真を入れ替え用のアイコンの画像データとして用いる場合、撮像カメラ付の携帯電話機8を端末装置として使用すれば、簡単に画像データを取得することができる利便性が向上する。また、端末装置として用いる携帯電話機8が赤外線による通信機能や、Bluetooth(ブルーツース)<登録商標>のような通信機能を搭載している場合には、これらの通信機能に対応した通信機能を表示操作装置4にも搭載し、入替用の画像ファイルをこれら通信機能による通信回線を介して表示操作装置4に入れ替え用アイコンの画像データを送るようにしても良い。
【0054】
尚、デフォルトのアイコンの画像データを記憶部45に残しておくことで、仮に誤って画像データを入れ替え、混乱してしまった場合にこの画像データを用いて初期化することで、初期の画面に復元することが可能である。
【0055】
また、電子メールではなく、入れ替え用アイコンの画像データをセンタ装置7等のサーバ経由で表示操作装置4に転送するような方法を採用しても良い。
【0056】
また更に、表示操作装置4以外に、Webブラウザ部とWebサーバ部の機能を実現するアプリケーションソフトを宅内ネットワーク上のパソコン5に搭載し、該パソコン5を表示操作装置として働かせることができ、この場合にも上述のような画像入替処理を行えるようにすることができるのは勿論である。
(実施形態2)
ところで、実施形態1ではHTMLソースファイルに対して電子メールの件名(被制御機器名)の検索を行うようにしているが、この場合検索処理に時間が多少かかるので、本実施形態では、記憶部45に各被制御機器の識別文字(件名)情報と、アイコンの画像デーtあとの対応関係を示す対応テーブル(表1参照)を備え、この対応テーブルを用いてWebサーバ部411の画像入替部411cが対応テーブルの対応関係を書き換えてアイコンの画像データを入れ替えるようにしたものである。
【0057】
【表1】

【0058】
この表1では、件名と、画像初期ファイル名と、置き換え可能フラグと、アイコンの制限サイズが対応付けられるとともに、操作表示パネル43に現在表示するためにHTMLソースファイルに格納している件名に対応する画像ファイル名が対応付けられる。
【0059】
Webサーバ部411には、対応テーブルに記述される制限サイズに対応して図6に示すように書き換えするアイコンのサイズや解像度を操作表示パネル43に表示するのに適したサイズや解像度に変換する画像処理機能411dを備えている。
【0060】
次に本実施形態の動作を図7のフローチャートにより説明する。
【0061】
本実施形態では実施形態1と同様にWebサーバ部411において、画像データ受信機能411aによる電子メール受信(S1)、アイコン入替指示入力のチェック(S2)を経た後、Webサーバ部411の機器特定機能411bによって上述の対応テーブル中に電子メールの件名があるか否かのチェックを行い(S3)、対応テーブル中に対応する件名があれば、当該件名(例えば電気錠1)に対応する画像ファイル名の欄に電子メールで送られてきた添付ファイルの画像ファイル名である「玄関電気.gif」を記述するとともに、HTMLソースファイルに玄関電気.gifを格納する(S4)。この格納後画像処理機能411dにより玄関電気.gifのデータサイズが制限サイズを越えているか否かのチェックを行い(S5)、越えていない場合にはそのままの画像データを採用してHTMLソースファイルの修正置換を画像入替機能411cにより実施形態1の場合と同様に行う(S6)。一方制限サイズを越えている場合には、例えば10KBであれば、2KBまでのサイズ変換を行い(S7)、このサイズ変換した画像データに基づいてHTMLソースファイルの修正置換を行う。このようにして修正置換後のHTMLソースファイル、つまり修正置換された更新された表示画面データをWebブラウザ部412に受け渡して新しいアイコンに入れ替えた操作画面を操作表示パネル43で表示させるのである。
【0062】
ところで上述のS3において、対応テーブルに存在しない画像データと判定した場合は機器特定機能411bは記憶部45に記憶している添付ファイルを破棄する(S8)。
【0063】
尚他の表示操作装置4が宅内ネットワークに繋がっている場合は、他の表示操作装置4のものと判断して転送する処理を行うようにしても良い。この転送先の他の表示操作装置4が画像データ受信機能(メール受信や、赤外線通信など、ユーザーからのデータを受信できる機能)を備えていない場合には、本表示操作装置4が受信している電子メールの内容(対象となる被制御機器の件名と、入れ替え用のための画像データ)を所定形式のデータに変換して他の表示操作装置4に送信することも可能である。この他の表示操作装置4が内部で保持している自身の操作釦用の画像を入れ替える場合には、他の表示操作装置自身が本表示操作装置4と同じ画像入れ替えフローの制御部を備えることになる。
【0064】
尚、実施形態1と同様にデフォルトとして初期値の画像データを記憶部45に残しておくことで、仮に誤って画像データを入れ替え、混乱してしまった場合初期化することで、初期の画面に復元することが可能である。
【0065】
また表示操作装置4は、被制御機器の操作釦SB以外に装置自体の動作設定用の操作釦を設けたWebページも操作表示パネル43で表示するが、この動作設定用の操作釦の場合、上述の操作釦SBのアイコンのように書き換えられてしまうと、意味のない画像となり表示操作装置4として使い勝手が悪くなる。そこで、書き換えられるはずのないアイコンの画像に関しては、対応テーブルにおいて当該操作釦に対応する欄に書き換え不可能フラグを立て書き換え不可能とする。例えば表1に示すようにソフトアップデートという操作釦に対応する画像データがあった場合、対応テーブルには書き換え不可能フラグを立て、ソフトアップデート用操作釦のアイコンの画像入れ替え要求があった場合は、このフラグを判断することで、書き換えを破棄することができる。
【0066】
また上述の機器特定機能411bにおいて、画像入替可能な被制御機器を特定する機能、つまり可換画像特定機能を持たせ、特定された被制御機器に関する情報を端末装置側にLANインターフェース部42を通じて送出させるようにしても良い。この場合端末装置側では受信した情報をユーザーに報知させるために装置に備わった表示器を報知部として用いて表示(報知)するようにする。これによりユーザーは端末装置で書き換え可能名なアイコンを把握することができる。また携帯電話機8を端末装置として利用する場合には、上述の特定された被制御機器に関する情報を電子メール等により移動体通信網を通じて携帯電話機8に通知するようにしても良い。この可換画像特定機能は実施形態1においても採用することができるのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】実施形態1に用いる表示操作装置の構成図である。
【図2】実施形態1のシステム構成図である。
【図3】実施形態1に用いる表示操作装置を示し、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【図4】実施形態1の画像入替の動作説明用の操作画面表示例図である。
【図5】実施形態1の表示操作装置の動作説明用フローチャートである。
【図6】実施形態2に用いる表示操作装置の構成図である。
【図7】実施形態2の表示操作装置の動作説明用フローチャートである。
【符号の説明】
【0068】
4 表示操作装置
41 制御部
411 Webサーバ部
411a 画像データ受信機能
411b 機器特定機能
411c 画像入替機能
412 Webブラウザ部
42 LANインターフェース部
43 操作表示パネル
44 操作部
45 記憶部
46 スピーカ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅等の建物に設置された複数の被制御機器の操作と状態監視とを行うための操作表示パネルを有し、各被制御機器に対して対応付けた識別文字情報及び識別画像を前記操作表示パネルに表示させる表示操作装置を備えた監視制御システムにおいて、
通信回線を介して前記表示操作装置と通信する端末側通信部と、該端末側通信部を介して入れ替え用識別画像データを前記表示操作装置に送出する画像送出部とを有してなる端末装置を備え、
前記表示操作装置は、前記端末装置の端末側通信部との間で通信する表示操作側通信部と、各被制御機器に対応付けた識別画像を記憶する記憶部と、前記表示操作側通信部を介して、前記端末装置からの前記入れ替え用識別画像データを受信する画像データ受信部と、該画像データ受信部で受信した前記入れ替え用識別画像データを当該被制御機器に既に対応付けられている前記識別画像のデータに入れ替える画像入替部とを具備していることを特徴とする監視制御システム。
【請求項2】
前記端末装置は、識別画像を入れ替えたい被制御機器に関する識別情報を入力する入力部と、前記画像送出部が送出しようとする入れ替え用識別画像データに対し、前記入力部により入力された前記被制御機器に関する前記識別情報を付与する識別情報付与部とを更に備え、
前記表示操作装置は、前記入れ替え用識別画像データに前記識別情報付与部によって付与された前記識別情報を取得し、該識別情報に基づいて識別画像の入れ替え対象となる被制御機器を特定する機器特定部を更に備え、前記画像入替部は、前記機器特定部により特定された前記被制御機器の識別画像データを前記端末装置から送出されてきた入れ替え用識別画像データに入れ替えることを特徴とする請求項1記載の監視制御システム。
【請求項3】
前記表示操作装置は、前記各被制御機器の識別文字情報と識別画像との対応関係を示した対応テーブルを更に備え、前記画像入替部は、前記対応テーブルの対応関係を書き換えて識別画像の入れ替えを行うことを特徴とする請求項1又は2記載の監視制御システム。
【請求項4】
前記表示操作装置は、受信した識別画像データのサイズ或いは解像度のうち少なくとも一方を加工する画像処理部を更に備え、前記操作表示パネルで表示するのに適したサイズ、解像度に変更することを特徴とする請求項1乃至3の何れかの1項に記載の監視制御システム。
【請求項5】
前記表示操作装置は、複数の被制御機器のうち、入れ替え可能な識別画像に対応付けられる被制御機器を特定する可換画像特定部を更に備えると共に、その特定された被制御機器に関する情報を前記表示操作側通信部により前記端末装置に送信し、
前記端末装置は、前記特定された被制御機器に関する情報を受信すると、当該情報をユーザーに報知する報知部を更に備えてなることを特徴とする請求項1乃至4の何れかの1項に記載の監視制御システム。
【請求項6】
前記端末装置は、撮像カメラ付きの携帯電話機で構成され、前記通信回線は、携帯電話機に対応する通信回線を用いて前記撮像カメラで撮影した画像のデータを上記入れ替え用識別画像データとして前記通信回線を介して前記表示操作装置に送信することを特徴とする請求項1乃至5の何れかの1項に記載の監視制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−146400(P2008−146400A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−333626(P2006−333626)
【出願日】平成18年12月11日(2006.12.11)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】