説明

監視用画像記録再生装置

【課題】記録した画像データについて、画像毎に特定の人に閲覧の許可を定めることが可能な監視用画像記録再生装置を提供する。
【解決手段】監視カメラで撮影した画像データを記録し、記録した画像データを再生する監視用画像記録再生装置において、記録した画像データに対する再生を許可するための再生許可用識別データを画像データと共に記録する再生許可用識別データ記録手段と、外部から識別データを入力するための識別データ入力手段と、識別データ入力手段から入力された識別データと再生許可用識別データ記録手段で記録された再生許可用識別データを照合し、入力された識別データと合致する再生許可用識別データの画像データのみを再生許可し、合致しない再生許可用識別データの画像データの再生を認めない再生許可制限手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視用画像記録再生装置に関し、特には閲覧(再生)可能な画像を制限し、許可された人にのみ特定の画像の閲覧を可能にすることのできる監視用画像記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、監視用画像記録再生装置に操作権限を設け、特定の人にのみ操作ができるようにしたものがある。しかし、操作権限を特定の人に与えると、それ以外の人が画像を閲覧(再生)できなくなったり、操作権限が与えられた人は監視用画像記録再生装置に記録されている蓄積画像の全てを閲覧できるようになったりする問題がある。
【0003】
すなわち、監視用画像記録再生装置に記録されている画像の中には、ある人にのみ閲覧を許可し、他の人には閲覧を禁止したい画像が含まれることがある。例えば、監視カメラの撮影範囲に、納入業者の異なる複数の機械があって、監視カメラが所定時間間隔で首を振ることによって撮影対象の機械を変えて撮影し記録している場合、記録された画像データを機械の納入業者に閲覧させるときには、該当する納入業者の機械が撮影されている部分については閲覧を許可してもよいが、他の納入業者の機械が撮影されている部分については閲覧を禁止したいことがある。しかし、従来の監視用画像記録再生装置では、必要な画像のみに閲覧を許可したくても、閲覧を禁止したい他の画像についても閲覧可能になってしまう問題がある。
【0004】
【特許文献1】特開2002−24969号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記の点に鑑みなされたものであって、記録した画像データについて、画像毎に特定の人に閲覧の許可を定めることが可能な監視用画像記録再生装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、監視カメラで撮影した画像データを記録し、記録した画像データを再生する監視用画像記録再生装置において、記録した画像データに対する再生を許可するための再生許可用識別データを前記画像データと共に記録する再生許可用識別データ記録手段と、外部から識別データを入力するための識別データ入力手段と、前記識別データ入力手段から入力された識別データと前記再生許可用識別データ記録手段で記録された再生許可用識別データを照合し、前記入力された識別データと予め定められている規則にしたがい合致する再生許可用識別データの画像データのみを再生許可し、合致しない再生許可用識別データの画像データについては再生を許可しない再生許可制限手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、識別データ入力手段から入力された識別データと再生許可用識別データ記録手段で記録された再生許可用識別データを照合し、前記入力された識別データと前記記録された再生許可用識別データが、予め定められている規則にしたがい合致する場合に合致する再生許可用識別データの画像データのみを再生許可し、合致しない再生許可用識別データの画像データについては再生を許可しない再生許可制限手段を備えるため、特定の人に対して特定の画像のみを閲覧(再生)許可し他の画像については閲覧禁止にすることができる。しかも、複数の人に画像の閲覧を許可したい場合には、再生許可用識別データと合致する識別データを、閲覧を許可したい複数の人に与えておけばよく、面倒になることがない。さらに、再生許可制限手段に予め定めておく規則の内容により、特定の識別データに対して、一つの再生許可用識別データの画像データのみを閲覧可能にしたり、複数の再生許可用識別データの画像データを閲覧可能にしたり、あるいは記録されている全画像データを閲覧可能にしたりすることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下この発明の実施形態を説明する。図1は本発明の一実施形態に係る監視用画像記録再生装置の構成を簡略に示すブロック図である。
【0009】
図1に示した実施形態の監視用画像記録再生装置10は、監視カメラ11、A/D変換回路13、圧縮/伸長回路15、制御回路17、記録装置19、再生装置21、モニタ23、外部入力装置25を備え、監視カメラ11及びモニタ23を除く各構成要素はバス27で接続され、CPU等を有する制御回路17で制御される。なお本発明における再生許可用識別データ記録手段は制御回路17及び記録装置19が相当し、本発明における識別データ入力手段は外部入力装置25が相当し、本発明における再生許可制限手段は制御回路17が相当する。
【0010】
前記監視用画像記録再生装置10においては、監視カメラ11で撮影された画像データはA/D変換回路13でデジタル画像データに変換され、次いで圧縮/伸長回路15で圧縮される。例えば監視カメラ11で撮影された画像データがNTSC形式の場合、A/D変換装置13でデジタル化された画像データは、約30フレーム(60フィールド)のデータとして圧縮/伸長回路15に入力され、所定の圧縮方式で圧縮された後、記録装置19に記録される。記録装置19はハードディスクなどの固定式記録装置やMO、DVD−RAM等のリムーバブル記録装置等で構成される。
【0011】
本実施例においては、圧縮/伸長回路15において圧縮後の画像データに再生許可用識別データが付加され、前記圧縮後の画像データは再生許可用識別データと共に記録装置19に記憶される。再生許可用識別データは、数字やアルファベット等を示すデータからなり、予め制御回路17に設定されている。また、再生許可用識別データは、予め定められた規則で更新される。例として、再生許可用識別データを、画像毎(フレーム毎)に異なるもの、例えば連続番号等からなるものとして、再生許可用識別データによって画像を個々に指定可能にしたり、再生許可用識別データを所定時間毎に更新されるようにして所定時間の間に撮影された画像を指定可能にしたりしてもよい。
【0012】
外部入力装置25は、画像を閲覧(再生)する際に、識別データを監視用画像記録再生装置10の外部から入力するためのもので、識別データが記録されているカードの読み取り装置や、無線IDタグ等からなる無線発信装置から識別データを受信可能な無線受信装置、あるいは識別データを直接入力可能なキーボード等からなる。記憶入力装置25がカードの読み取り装置の場合には、識別情報が記録されているカードを読み取り装置にセットすることにより、一方、無線受信装置の場合には識別データを送信する無線IDタグ等を身につけた者が無線受信装置に所定距離接近することにより、またキーボードの場合には閲覧を希望する者が、予め知らされている識別情報をキーボードから直接入力することにより、識別情報の外部入力が行われる。
【0013】
前記外部から入力される識別データと前記再生許可用識別データについては、合致するものを定める規則(ルール)が前記制御回路17に設定されている。前記規則に定める合致は、再生許可用識別データと識別データが完全に一致する場合としたり、再生許可用識別データと識別データが所定桁数部分まで一致する場合としたり、その他適宜の内容に設定することができる。前記のように再生許可用識別データと識別データが所定桁数部分まで一致する場合を合致に設定すれば、一つの識別データで複数の画像データを閲覧可能にすることができる。
【0014】
前記外部入力装置25から識別情報が入力されると、前記制御回路17は前記記録装置19に記録されている再生許可用識別データと識別情報を照合し、前記規則にしたがい識別情報と合致する再生許可用識別データの画像データのみを選択して圧縮/伸長回路15で伸長(復元)し、その後再生装置21に送る。
【0015】
再生装置21は、D/A変換回路を備え、前記圧縮/伸長回路15から送られたデジタル画像データをアナログ画像データに変換し、モニタ23で再生表示する。
【0016】
なお、前記監視カメラ11は、所定時間間隔で首を振って撮影方向を変え、撮影方向毎に前記再生許可用識別データを異ならせて記憶するようにしてもよい。また、複数の監視カメラを備え、所定時間間隔で監視カメラを切り換えて撮影画像データを記録するようにし、撮影するカメラ毎に再生許可用識別データを異ならせてもよい。
【0017】
前記構成からなる監視用画像記録再生装置によれば、画像の再生を許可する特定の人に再生許可用識別データと合致する識別データを付与しておくことにより、特定の人に対して特定の画像のみを閲覧(再生)許可し他の画像については閲覧禁止にすることができる。しかも、複数の人に画像の閲覧を許可したい場合には、閲覧を許可する画像の再生許可用識別データと合致する識別データを、閲覧を許可したい複数の人に与えておけばよく、面倒なことが必要になることもない。さらに、再生許可制限手段に予め定めておく規則の内容により、特定の識別データに対して、一つの再生許可用識別データの画像データのみを閲覧可能にしたり、複数の再生許可用識別データの画像データを閲覧可能にしたり、記録されている全画像データを閲覧可能にしたりすることもでき、使用態様に応じて許可対象の画像等を容易に変更できる利便性もある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る監視用画像記録再生装置の構成を簡略に示すブロック図である。
【符号の説明】
【0019】
10 監視用画像記録再生装置
11 監視カメラ
13 A/D変換回路
15 A/D変換回路
17 制御回路
19 記録装置
21 再生装置
23 モニタ
25 外部入力装置
27 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視カメラで撮影した画像データを記録し、記録した画像データを再生する監視用画像記録再生装置において、
記録した画像データに対する再生を許可するための再生許可用識別データを前記画像データと共に記録する再生許可用識別データ記録手段と、
外部から識別データを入力するための識別データ入力手段と、
前記識別データ入力手段から入力された識別データと前記再生許可用識別データ記録手段で記録された再生許可用識別データを照合し、前記入力された識別データと予め定められている規則にしたがい合致する再生許可用識別データの画像データのみを再生許可し、合致しない再生許可用識別データの画像データについては再生を許可しない再生許可制限手段と、
を備えることを特徴とする監視用画像記録再生装置。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2006−314045(P2006−314045A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−136382(P2005−136382)
【出願日】平成17年5月9日(2005.5.9)
【出願人】(391006348)株式会社タイテック (79)
【Fターム(参考)】