説明

監視装置

【課題】 解除禁止時間帯に利用者が監視モードを一度監視セットモードに設定してしまっても、しばらくの間は監視モードを監視解除モードに戻すことができる監視装置を提供する。
【解決手段】 制御部101は、操作部102からの設定操作を受けると、監視セットモード又は監視解除モードを設定するモード設定手段S507〜S508と、現在時刻が記憶部に記憶されている解除禁止時間帯に入っているか否かを判定する判定手段S606と、監視解除モード中に監視セットモードへの設定操作がされ監視セットモードとなった場合は、判定手段にて解除禁止時間帯に入っていると判定しても猶予時間が経過するまで監視解除モードへの移行を禁止しない解除禁止手段S604〜S605を具備することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、事業所、店舗、及び倉庫等に設置した防犯センサが検知したときに監視センタに異常通報する監視セットモードと通報しない監視解除モードとのいずれかを適宜設定して警備を行う警備システムにおいて、解除禁止時間帯には監視モードの解除を禁止する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、事業所、店舗、及び倉庫等の監視領域で発生した異常を遠隔の監視センタにて監視する警備システムが普及している。
この警備システムは、監視領域に配置された防犯センサと接続される監視装置と、この監視装置と通信網を介して接続される監視センタとを有し、監視装置が監視セットモードにあるときに防犯センサが検知信号を出力すると、監視装置が警報したり遠隔の監視センタに通報したりする。
【0003】
監視装置は、監視領域に設置された防犯センサにより検知された異常に対し、ブザー鳴動等によって異常を報知するとともに、電話回線等を介して接続された監視センタへ通報を行う。監視装置は、利用者が監視装置に対してIDカード等により認証操作を行うことで、監視モードを設定するようになっている。
【0004】
監視モードには、例えば、監視セットモード、監視解除モード、巡回モード等がある。
監視セットモードは、防犯センサが検知したときに異常信号を監視センタへ通報する状態である。
監視解除モードは、防犯センサが検知しても異常信号を監視センタへ通報しない状態である。
巡回モードは、監視センタからの指示により急行した対処員が異常の発生した監視領域を点検するとき、巡回点検用のIDカードによって設定されるモードで、監視解除モードと同様に監視装置は、防犯センサが検知しても監視センタへ通報しない。
【0005】
このような警備システムにおいて、IDカードを不正に取得した者が監視セットモードを解除して監視解除モードに設定して監視領域に侵入した場合、監視装置は、監視解除モードであるので、防犯センサが検知しても、監視センタへの通報を行わなくなってしまう。従って、遠隔の監視センタでは異常を把握することができない。
【0006】
また、たとえ、IDカードが不正に取得されることがないようにカードを厳重に管理していたとしても、IDカードの所持を正当に許されている者による内部犯行の場合は、監視セットモードが解除されることを防ぐことはできない。
【0007】
このような事態が生じることを防止するため、特許文献1には、監視セットモードの解除を禁止する時間帯(以下、解除禁止時間帯という)を監視センタに予め設定しておき、監視解除モード設定信号を監視センタが受信したときの時刻が解除禁止時間帯にあれば、異常と判定する警備システムが開示されている。
【0008】
尚、解除禁止時間帯は、警備対象となる事業所、店舗、及び倉庫等が無人となり、かつ、侵入盗の発生率の高い時間帯を考慮し、例えば、深夜0時から午前6時までの時間帯が設定される。
【0009】
【特許文献1】特許公報第2887630号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1の警備システムは、解除禁止時間帯において監視セットモードが設定されると、現在時刻が解除禁止時間帯外となるまで、監視セットモードを解除することができない。
そうすると、正当な利用者であっても、解除禁止時間帯内において監視セットモードを解除することが一切できないという問題が生じる。
例えば、残業をしたために退社が夜遅くなり、解除禁止時間帯に監視セットモードを設定することになった場合、監視セットモードを一度設定してしまうと、忘れ物に気がついても取りに戻ることができなくなってしまう。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、利用者の利便性と防犯性を両立させた監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
防犯センサの検知信号を受信したときに異常信号を監視センタに通報する監視セットモードと、防犯センサの検知信号を受信しても異常信号を監視センタに通報しない監視解除モードの少なくとも2種類の監視モードを有し、解除禁止時間帯には監視セットモードから監視解除モードへの移行を禁止する監視装置において、監視セットモード又は監視解除モードの設定操作を行う操作部と、現在時刻を取得する時計部と、監視セットモードから監視解除への移行を禁止する解除禁止時間帯を記憶している記憶部と、監視モードの移行を管理する制御部を具備し、制御部は、操作部からの設定操作を受けると、監視セットモード又は監視解除モードを設定するモード設定手段と、現在時刻が記憶部に記憶されている解除禁止時間帯に入っているか否かを判定する判定手段と、監視解除モード中に監視セットモードへの設定操作がされ監視セットモードとなった場合は、判定手段にて解除禁止時間帯に入っていると判定しても猶予時間が経過するまで監視解除モードへの移行を禁止しない解除禁止手段を具備することを特徴とする。
【0012】
本発明の監視装置において、記憶部は、解除禁止時間帯として第1の解除禁止時間帯と第2の解除禁止時間帯を記憶しており、判定手段は、現在時刻が第1の解除禁止時間帯に入っているか第2の解除禁止時間帯に入っているのかを判定し、解除禁止手段は、判定手段にて第1の解除禁止時間帯に入っていると判定すると猶予時間の経過を待たずに監視解除モードへの移行を禁止する。
【0013】
本発明の監視装置において、第1の解除禁止時間帯は、第2の解除禁止時間帯の一部に含まれている。
【0014】
本発明の監視装置において、操作部は、操作者の認証情報を入力する入力手段を有し、記憶部は、特定の登録認証情報を記憶し、制御部は、入力手段から入力された認証情報が記憶部に記憶された特定の登録認証情報と一致するか否かの認証を行う認証手段を更に有し、解除禁止手段は、認証手段にて一致と認証されると、解除禁止時間帯であれば猶予時間の経過を待たずに監視解除モードへの移行を禁止する。
【発明の効果】
【0015】
本発明においては、たとえ解除禁止時間帯に監視モードが監視セットモードに移行しても、直ちに解除禁止とせずに、猶予時間が経過した後に解除禁止とする。これにより、解除禁止時間帯に利用者が監視モードを一度監視セットモードに設定してしまっても、しばらくの間は監視モードを監視解除モードに戻すことができるので、利用者の利便性が向上する効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、本発明に係る監視装置1を含む警備システムの全体構成を示すブロック図である。
【0017】
図1に示したセンタ装置201の各構成要素について説明する。
制御部202は、センタ装置201の各部を制御するMPU又はCPUである。
通信部203は、監視装置1から送信された信号を受信する。
記憶部204は、制御部202の動作プログラム、監視装置1の現在の状態等を記憶する。
表示部205は、監視装置1から送られてきた信号に基づいて制御部202が把握した監視装置1の状況を監視員に対して表示する液晶等のディスプレイである。
操作部206は、監視員がセンタ装置201の操作を行うためのキーボード、マウス等の入力装置である。
【0018】
次に、同図に示した監視装置1の各構成要素について説明する。
制御部101は、監視装置1の各部を制御するMPU又はCPUである。
操作部102は、利用者や対処員が所持するID(認証情報)カードの操作をするカードリーダである。利用者や対処員は、IDカードを用いて、後述の監視モードを設定する。
通信部103は、監視領域にて発生した状況を示す信号を電話回線5を通じて遠隔の監視センタ2に送信する。
【0019】
鳴動部104は、異常が発生したと制御部101にて判定されたときに警報音を出力するスピーカーである。
表示部105は、制御部101の様々な判定に基づいて、利用者に対してメッセージを表示するための液晶等のディスプレイである。
タイマ部106は、制御部101の指令に従って、所定の時間を計時する。
時計部107は、現在の時刻や日付を記憶している。
【0020】
センサ3は、赤外線を受光してその変化量から人体を検知する赤外線センサ、マグネットの近接をリードスイッチにて検知することにより窓や扉の開閉を検知するマグネットセンサ、順次撮像された画像間における差分から人体を検知する画像センサ等の、異常が発生した際に異常検知信号を送信する、防犯センサであり、センサI/F108は、制御部101とこれらのセンサ3のインターフェースである。
電気錠4は、監視領域の出入り口に設けられ、制御部101からの制御信号により施錠又は解錠が行われる。電気錠I/F109は、電気錠4と制御部101のインターフェースである。
【0021】
図2は、監視装置1の記憶部110の構成を示すブロック図である。
同図に示した監視装置1の記憶部110の各構成要素について説明する。
プログラム領域120は、監視装置1の制御部101を動作させるためのプログラムを格納する。
モード記憶領域121は、後述する監視モード及び解除禁止フラグを記憶する。
【0022】
登録認証情報記憶領域122は、操作部102にて入力された認証情報との一致を判定するための登録認証情報を記憶する。
図3は、登録認証情報記憶領域122を示す図である。
同図に示したように、異なる種類のカード(利用者カード、管理者カード、巡回カード)毎に認証情報(ID)が、この領域に記憶されている。
利用者カードは、一般の利用者が用いるIDカード、管理者カードは、事業所等の管理者が用いるカード、巡回カードは、対処員が用いるカードである。特に、管理者カードと巡回カードのように一般の利用者と違う人が使用するカードを合わせて、以下では、特定カードと呼ぶ。
【0023】
図2の解除禁止時間帯記憶領域123は、後述する監視モードを監視解除モードに設定することを禁止する時間帯(解除禁止時間帯)を記憶している。図4は、解除禁止時間帯記憶領域123の記憶例を示している。
【0024】
同図では、曜日ごとに解除禁止時間帯として第1の解除禁止時間帯としての解除禁止時間帯と、第2の解除禁止時間帯としての本解除禁止時間帯とを設定している。ここで、第1の解除禁止時間帯とは、基本的に監視領域を利用者が使用しなくなる時間帯であって、一度監視セットモードになると監視解除モードに設定する必要のない時間帯が設定される。
【0025】
図4に示す例では、月曜日から金曜日までは、00:00〜06:00が設定されている。土曜日及び日曜日は、通常休みとなるので、00:00〜24:00と、終日が解除禁止時間帯に設定されている。
【0026】
他方、第2の解除禁止時間帯としての本解除禁止時間帯は、監視領域に対して侵入行為がなされる危険度が特に高い時間帯であって、高度なセキュリティを要求される時間帯が設定される。
【0027】
図4に示す例では、月曜日から金曜日までは、00:00〜04:00が設定されている。土曜日及び日曜日は、通常休みとなるので、00:00〜24:00と、終日が本解除禁止時間に設定されている。
【0028】
尚、図4に示すように、第1の解除禁止時間帯である解除禁止時間帯と第2の解除禁止時間帯である本解除禁止時間帯とは、第1の解除禁止時間帯に第2の解除禁止時間帯が一部に含まれている。
【0029】
また、図4の下表に示すように、特定の日に、解除禁止時間帯、本解除禁止時間帯を設定する。図4では、7月7日、12月31日、1月1日、1月2日、1月3日に対して、終日を解除禁止時間帯として設定している。曜日設定と特定日設定とが両方設定されている場合には、特定日設定が優先される。
【0030】
この領域に記憶されている時間帯の設定は、時間帯の設定権限を持つシステムの管理者が図1に示す設定部111にて行う。
尚、本実施の形態では、解除禁止時間帯と本解除禁止時間帯を設定しているが、解除禁止時間帯のみを設定するようにしてもよい。
【0031】
監視装置1の制御部101は、センサ3のいずれかから異常検知信号を受信した場合、記憶部110のモード記憶領域121に監視セットモードが記憶されていると、鳴動部104を動作させ、かつ、通信部103及び電話回線5を介して監視センタ2に対して異常信号を送信する。
【0032】
図5は、監視装置1の監視モードの管理フローである。
かかる動作は、記憶部110に記憶されているプログラムに基づいて、制御部101にて実行される。
同図を参照して、監視装置1が監視モード(監視セットモード又は監視解除モードのいずれか)を設定する方法について説明する。
【0033】
監視装置1の電源がONとなるとフローが開始される。
最初に、監視装置1の操作部102に対してIDカード操作があるか否かを判定する(S501)。カード操作がない場合は、この判定を反復する。IDカード操作がある場合は、IDカードから認証コードを読み出し、次のステップに進む。
【0034】
次のステップでは、監視装置1の記憶部110の登録認証情報記憶領域122に記憶されている認証情報を参照して、IDカードの認証がOKであるか否かを判定する(S502)。この記憶領域の中にIDカード固有の番号である認証コードと一致するものがあれば、認証OKとし、そうでなければ、認証NGとする。認証NGである場合は、S501に戻り、認証OKである場合は、次のステップに進む。
【0035】
次のステップでは、記憶部110のモード記憶領域121を参照して、ここに監視セットモードが記憶されているか否かを判定する(S503)。
監視セットモードが記憶されていない(S503のN)(すなわち、監視解除モードが記憶されている)場合には、モード記憶領域121に監視セットモードを記憶し、かつ、通信部103及び電話回線5を介して監視センタ2へ監視セット信号を送信する(S508)。かかる監視セットモードを記憶する処理が、モード設定手段における監視セットモードの設定である。
尚、本実施の形態においては、簡単のため、巡回モードを監視解除モードと同一視して説明する。
【0036】
監視セットモードが記憶されている場合(S503のY)には、記憶部110のモード記憶領域121に記憶されている解除禁止フラグを参照して、それがONであるか否かを判定する(S504)。かかる解除禁止フラグがONであるか否かを判定する処理が、判定手段の処理である。
解除禁止フラグがONでない(すなわち、OFFである)場合(S504のN)には、記憶部110のモード記憶領域121に監視解除モードを記憶し、かつ、通信部103及び電話回線5を介して監視センタ2へ監視解除信号を送信する(S507)。かかる監視解除モードを記憶する処理が、モード設定手段における監視解除モードの設定である。
【0037】
解除禁止フラグがONである場合(S504のY)には、記憶部110の登録認証情報記憶領域122(図3参照)を参照して、操作部102に入力されたIDカードが特定カードであるか否かを判定する(S505)。かかる判定処理が認証手段の処理である。
【0038】
特定カードである場合(S505のY)には、記憶部110のモード記憶領域121に監視解除モードを記憶し、かつ、通信部103及び電話回線5を介して監視センタ2へ監視解除信号を送信する(S507)。
特定カードでない場合(S505のN)には、表示部105にて解除禁止を示す表示を行い、かつ、通信部103及び電話回線5を介して監視センタ2へ不正解除操作信号を送信する(S506)。かかる、S504において解除禁止フラグがONであり特定カードの操作でない(S505のN)場合に、監視セットモードから監視解除モードへ移行させない処理が、解除禁止手段の一部の処理を構成している。
【0039】
このフローによれば、操作部102に入力されたカードが特定カードである場合に限って、解除禁止フラグがONであるときであっても、監視解除モードへの設定が可能となっている。そのため、不正を行う可能性が低い事業所等の管理者用のカードを特定カードとすることにより、いつでも監視解除モードを設定することができ、利用者の利便性が向上する。
【0040】
図6及び7は、解除禁止フラグの制御フローである。
これらの図を参照して、解除禁止手段の主要的な役割を担う解除禁止フラグについて説明する。
ここで、解除禁止手段は、後述する解除禁止フラグの制御動作と解除禁止フラグのON/OFFの状態によって、監視セットモードから監視解除モードへの移行を禁止する処理にて実現される。
【0041】
このフローでは、監視モードが監視セットモードに移行した場合、監視モードが監視解除モードに移行した場合、監視モードが移行しない場合、の3つの場合で、異なった処理を行う。
【0042】
このように3通りに処理を分岐させるために、まず、監視モードが監視セットモードに移行したか否かを判定する(S601)。
監視セットモードに移行した場合には、S602以降の処理に進み、そうでない場合には、監視モードが監視解除モードに移行したか否かを判定する(S610)。
監視解除モードに移行した場合には、S611以降の処理に進み、そうでない場合には、図7に示すS613以降の処理に進む。
【0043】
監視モードが監視セットモードに移行した場合(S601のY)には、時計部107及び記憶部110の解除禁止時間帯記憶領域123(図4参照)を参照して、現在時刻が本解除時間帯であるか否かを判定する(S602)。
本解除禁止時間帯である場合には、直ちに解除禁止フラグをONにし(S607)、そうでない場合には、操作部102に入力されたIDカードが特定カードであるか否かを判定する(S603)。
【0044】
特定カードである場合は、S606以降の処理に進み、そうでない場合は、タイマ部106を起動する(S604)。その後、タイマ部106起動時から所定の時間T1が経過したか否かを判定する(S605)。
T1が経過していない場合は、記憶部110のモード記憶領域121を参照して、ここに監視解除モードが記憶されているか否かを判定する(S609)。
【0045】
監視解除モードが記憶されている場合には、S608に進み、そうでない場合には、S605に戻る。
つまり、T1計時中に監視解除モードに移行されることがあれば、直ちにT1計時のループから脱出し、タイマ部106をリセットして(S608)、S613以降の処理に進む。
【0046】
S605でT1が経過した場合はT1計時のループを終了し、時計部107及び記憶部110の解除禁止時間帯記憶領域123(図4参照)を参照して、現在時刻が解除時間帯であるか否かを判定する(S606)。
解除禁止時間帯であるときは、解除禁止フラグをONにし(S607)、そうでないときは、記憶部110のモード記憶領域121を参照して、ここに監視解除モードが記憶されているか否かを判定する(S609)。
【0047】
監視解除モードが記憶されている場合には、S608に進み、そうでない場合には、S605に戻る。
これにより、T1計時が終了しても、現在時刻が解除禁止時間帯にない限りは、監視解除モードに移行されるのを待ち続けることになる。
【0048】
S601〜S608の処理により、現在時刻が本解除禁止時間帯にはなく、操作部102に入力されたIDカードが特定カードでない場合には、たとえ現在時刻が解除禁止時間帯にあったとしても、直ちに解除禁止フラグはONに設定されず、時間T1だけ監視解除モードを設定することが可能な猶予時間を利用者に与えてから、解除禁止フラグはONとなる。
尚、T1は、利用者が、監視装置を監視セットモードに移行させた後、忘れ物に気づいて戻ってくる可能性のある時間を考慮して設定するので、T1≒30分とする。
【0049】
監視モードが監視解除モードに移行した場合(S610のY)には、解除禁止フラグOFFであるか否かを判定し(S611)、OFFでない場合には、解除禁止フラグをOFFにする(S612)。
【0050】
監視モードが移行しない場合(S610のN)には、図7のS613以降の処理に進む。
まず、記憶部110のモード記憶領域121を参照して、監視セットモードが記憶されているか否かを判定する(S613)。
監視セットモードが記憶されている場合には、時計部107及び記憶部110の解除禁止時間帯記憶領域123(図4参照)を参照して、現在時刻が解除禁止時間帯であるか否かを判定する(S614)。
【0051】
解除禁止時間帯である場合には、解除禁止フラグがONであるか否かを判定し(S615)、ONでない場合には、解除禁止フラグをONにする(S616)。
解除禁止時間帯でない場合には、解除禁止フラグがOFFであるか否かを判定し(S617)、OFFでない場合には、解除禁止フラグをOFFにする(S618)。
【0052】
尚、図5のフローにおいては、S501〜S502で操作部に対するカードの入力を用いたIDの認証を行うことにより、モードを移行させるようにしているが、操作部にモード移行用のボタン等を設けて、ボタン操作を行うことにより、モードを移行させるようにしても良い。
【0053】
ただし、監視セットモードを監視解除モードに移行させるボタンは、犯罪を実行しようとする悪意を持った者によって操作されるのを防ぐために、事業所内の者にしか分からないような特殊な場所に隠しておく必要がある。
【0054】
これは、事業所内の者にとっても不都合となり得るので、監視セットモードから監視解除モードに移行する際は、IDカードを用いた認証情報のチェックを行い、監視解除モードから監視セットモードに移行する際は、ボタン操作のみを行うようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係る監視装置を含む警備システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】監視装置の記憶部の構成を示すブロック図である。
【図3】登録認証情報記憶領域を示す図である。
【図4】解除禁止時間帯記憶領域を示す図である。
【図5】監視装置の監視モードの管理フローである。
【図6】解除禁止フラグの制御フロー(1)である。
【図7】解除禁止フラグの制御フロー(2)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
防犯センサの検知信号を受信したときに異常信号を監視センタに通報する監視セットモードと、防犯センサの検知信号を受信しても異常信号を監視センタに通報しない監視解除モードの少なくとも2種類の監視モードを有し、解除禁止時間帯には監視セットモードから監視解除モードへの移行を禁止する監視装置において、
前記監視セットモード又は前記監視解除モードの設定操作を行う操作部と、
現在時刻を取得する時計部と、
前記監視セットモードから前記監視解除への移行を禁止する前記解除禁止時間帯を記憶している記憶部と、
前記監視モードの移行を管理する制御部を具備し、
前記制御部は、
前記操作部からの設定操作を受けると、前記監視セットモード又は前記監視解除モードを設定するモード設定手段と、
前記現在時刻が前記記憶部に記憶されている前記解除禁止時間帯に入っているか否かを判定する判定手段と、
前記監視解除モード中に前記監視セットモードへの設定操作がされ前記監視セットモードとなった場合は、前記判定手段にて前記解除禁止時間帯に入っていると判定しても猶予時間が経過するまで前記監視解除モードへの移行を禁止しない解除禁止手段を具備することを特徴とした監視装置。
【請求項2】
請求項1に記載の監視装置において、
前記記憶部は、前記解除禁止時間帯として第1の解除禁止時間帯と第2の解除禁止時間帯を記憶しており、
前記判定手段は、前記現在時刻が前記第1の解除禁止時間帯に入っているか前記第2の解除禁止時間帯に入っているのかを判定し、
前記解除禁止手段は、前記判定手段にて前記第1の解除禁止時間帯に入っていると判定すると前記猶予時間の経過を待たずに前記監視解除モードへの移行を禁止する監視装置。
【請求項3】
請求項2に記載の監視装置において、
前記第1の解除禁止時間帯は、前記第2の解除禁止時間帯の一部に含まれている監視装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の監視装置において、
前記操作部は、操作者の認証情報を入力する入力手段を有し、
前記記憶部は、特定の登録認証情報を記憶し、
前記制御部は、前記入力手段から入力された前記認証情報が前記記憶部に記憶された前記特定の登録認証情報と一致するか否かの認証を行う認証手段を更に有し、
前記解除禁止手段は、前記認証手段にて一致と認証されると、前記解除禁止時間帯であれば前記猶予時間の経過を待たずに前記監視解除モードへの移行を禁止する監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−244039(P2006−244039A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−57545(P2005−57545)
【出願日】平成17年3月2日(2005.3.2)
【出願人】(000108085)セコム株式会社 (596)
【Fターム(参考)】