説明

監視装置

【課題】設置作業および撤収作業に要する労力や費用の低減を図る上で有利な監視装置を提供する。
【解決手段】監視装置10は、撮像装置12と、通信装置14と、筐体16を含んで構成されている。撮像装置12は、撮像光学系20と、撮像素子22と、画像データ生成部24を含んで構成されている。通信装置14は、無線回線100を介してネットワーク200に接続可能に構成され、画像データ生成部24から供給される画像データを、ネットワーク200を経由して端末装置300に供給するものである。通信装置14は筐体16に収容され、筐体16には撮像装置12を収容する収容部18が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から工事現場や建設現場などを監視する監視装置として、撮像装置と、該撮像装置で撮像された画像データをネットワーク経由で端末装置に送信する通信装置とを備えるものが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−184082
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この種の監視装置は、工事現場や建設現場を監視するものであることから、監視対象となる現場で監視装置を設置する作業を行い、また、監視すべき現場が移動したり、あるいは、工事や建設が終了したならば、監視装置を撤収する作業を行う。
すなわち、現場の状況に応じて監視装置の設置作業および撤収作業を頻繁に行う必要があり、監視装置の設置作業および撤収作業を行う都度、撮像装置および通信装置を梱包して運搬し、また、開梱しなくてならない。
したがって、従来は、監視装置の設置作業および撤収作業に多くの労力や費用がかかる不都合があった。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、設置作業および撤収作業に要する労力や費用の低減を図る上で有利な監視装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するため、本発明の監視装置は、撮像光学系と、前記撮像光学系によって捉えられた被写体像を撮像する撮像素子と、前記撮像素子から供給される撮像信号に基づいて画像データを生成する画像データ生成部とを備える撮像装置と、無線回線を介してネットワークに接続可能に構成され、前記画像データ生成部から供給される前記画像データを前記ネットワークを経由して端末装置に送信する通信装置と、前記通信装置を収容する筐体とを備え、前記筐体の内部に前記撮像装置を収容する収容部が設けられている。
【発明の効果】
【0006】
通信装置を収容する筐体の内部に撮像装置を収容する収容部を設けたので、撮像装置と通信装置とを筐体に一体的に収容した状態でまとめて運搬することができる。
したがって、監視装置の設置作業および撤収作業に要する労力や費用の低減を図る上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施の形態の監視装置10の構成を示すブロック図である。
【図2】撮像装置12が筐体16の収容部18に収容された監視装置10の一例を示す斜視図である。
【図3】撮像装置12が筐体16の収容部18に収容された監視装置10の他の例を示す斜視図である。
【図4】監視装置10が現場に設置された状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に本発明の実施の形態の監視装置10について図1乃至図4を参照して説明する。
図1、図2に示すように、監視装置10は、撮像装置12と、通信装置14と、筐体16を含んで構成されている。
図2に示すように、通信装置14は筐体16に収容され、筐体16には撮像装置12を収容する収容部18が設けられている。
【0009】
図1に示すように、撮像装置12は、撮像光学系20と、撮像素子22と、画像データ生成部24を含んで構成されている。
撮像光学系20は、被写体像を捉えて撮像素子22の撮像面に結像させるものである。
本実施の形態では、撮像光学系20は、180度の画角を有し、撮像光学系20の光軸を中心とする360度の範囲を撮像可能で、かつ、光軸を含む平面内で光軸を中心として180度の範囲で撮像が可能に構成されている。言い換えると、撮像光学系20は光軸を中心とする半球状の範囲を撮像できるように構成されている。
本実施の形態では、このような撮像光学系20として、画角180度の超広角レンズ(魚眼レンズ)を用いたものを使用している。
なお、このような撮像光学系20は、超広角レンズを用いた構成に限定されるものではなく、複数のレンズ、ミラー、あるいは、プリズムを用いて構成するなど従来公知のさまざまな構成が使用可能である。
しかしながら、本実施の形態のように超広角レンズを用いて撮像光学系20を構成すると部品点数を削減することができるため、構成の簡素化及び小型化を図る上で有利となる。
したがって、撮像光学系20は、該撮像光学系20を旋回(パン)させたり、揺動(チルト)させることなく、広い範囲で被写体を撮像することができるように構成されている。
【0010】
撮像素子22は、撮像光学系20によって捉えられた被写体像を撮像して撮像信号を生成するものである。
撮像素子22としては、CCD(Charge Coupled Device)型の固体撮像素子、あるいは、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型の固体撮像素子など従来公知のさまざまな撮像素子を用いることができる。
【0011】
画像データ生成部24は、撮像素子22から供給される撮像信号に基づいて画像データを生成するものである。
本実施の形態では、撮像光学系20が超広角レンズを用いているため、撮像素子22によって撮像される画像は歪曲した画像となっている。
したがって、画像データ生成部24は、撮像素子22から供給される撮像信号に基づいて生成した画像データに対して従来公知の画像処理を施すことにより、歪曲した画像を平面に展開された画像に変換する変換処理を行う。すなわち、被写体を肉眼で見たときに近い自然な画像データを生成する。
また、画像データ生成部24は、後述する端末装置300によって発行され通信装置14を介して供給される制御コマンドに応じて次の画像処理を行うように構成されている。
1)画像データの拡大(縮小)処理を行うことによって撮像光学系20をズームさせる場合と同様の機能を奏する。
2)画像データを展開する領域を選択することによって撮像光学系20をパンあるいはチルトさせる場合と同様の機能を奏する。
【0012】
図2に示すように、撮像装置12は、さらに、ケース26と、信号線28と、パイプ30を含んで構成されている。
ケース26は、撮像光学系20および撮像素子22並びに画像データ生成部24を収容するものであり、防水性および防塵性を有している。
本実施の形態では、図4に示すように、ケース26は、円盤状を呈するケース本体2602と、ケース本体2602の一方の端面に設けられたカバー2604とを含んで構成されている。カバー2604は、光透過性を有しケース本体2602に収容された撮像光学系20の前方を覆うようにドーム状を呈している。
本実施の形態では、ケース本体2602はアルミダイカストなどの金属材料によって形成され、カバー2604はポリカーボネートによって形成され、したがって、防水性および防塵性に加えて、バンダルプルーフ(耐久性、耐衝撃性)の向上が図られている。
本実施の形態では、撮像光学系20、撮像素子22、画像データ生成部24、ケース26により撮像部が構成されている。
【0013】
図1に示すように、信号線28は、画像データ生成部24に接続され、画像データを通信装置14に伝送するものである。
本実施の形態では、信号線28は、画像データ生成部24で生成された画像データを通信装置14に伝送すると共に、通信装置14を介して供給される前記の制御コマンドを画像データ生成部24に伝送する。
図2に示すように、信号線28の先端に接続コネクタ2802が設けられている。
【0014】
図2に示すように、パイプ30は、ケース26から突設され信号線28を収容するものであり、また、撮像装置12(撮像部)を支柱60に連結するためのものである。
図2、図4に示すように、パイプ30は、ケース26のケース本体2602から突出する第1の直線部3002と、第1の直線部3002の端部に屈曲部3004を介して連結された第2の直線部3006とを有している。
【0015】
図1に示すように、通信装置14は、無線回線100を介してネットワーク200に接続可能に構成され、画像データ生成部24から供給される画像データを、ネットワーク200を経由して端末装置300に供給するものである。
また、本実施の形態では、通信装置14は、端末装置300によって発行された制御コマンドを、ネットワーク200、無線回線100を経由して画像データ生成部24に供給するものである。
【0016】
本実施の形態では、通信装置14は、サーバ32と、ルータ34と、通信カード36を含んで構成されている。
サーバ32は、画像データ生成部24から供給される画像データを、無線回線100およびネットワーク200で通信可能なデータ形式(信号形式)に変換する。
また、サーバ32は、ルータ34を経由して供給される前記制御コマンドを画像データ生成部24に供給する。
サーバ32は、撮像装置12の信号線28の接続コネクタ2802に接続される接続コネクタ3202を有している。
ルータ34は、通信カード36を用いて無線回線100に接続し、サーバ32から供給された前記変換された画像データを無線回線100とネットワーク200を介して端末装置300に供給するものである。
また、ルータ34は、ネットワーク200および無線回線100を経由して供給される前記制御コマンドをサーバ32に供給するものである。
通信カード36は、無線回線100に接続する通信機能を有するものである。
【0017】
なお、無線回線100としては、携帯電話回線、あるいは、PHS通信回線など従来公知の無線回線100を用いることができる。
また、ネットワーク200としては、従来公知のさまざまな通信回線を含むインターネットを用いることができる。
また、端末装置300は、監視装置10が設置される現場から離れた場所に設置されたパーソナルコンピュータなどで構成されている。
端末装置300は、ネットワーク200を介して通信を行う通信部、ネットワーク200を経由して受信した画像データを表示する表示装置、前記制御コマンドを発行するためのキーボードあるいはマウスなどの入力デバイスなどを含んで構成されている。
また、端末装置300には、撮像装置12で生成され通信装置14、無線回線100、ネットワーク200を経由して供給される画像データを前記表示装置に表示させるアプリケーションプログラムとしてのビュワーソフトがインストールされている。
また、このビュワーソフトが端末装置300で実行されることにより、キーボードあるいはマウスなどの入力デバイスの操作に応じて前記制御コマンドが発行される。
発行された制御コマンドは、ネットワーク200、無線回線100、通信装置14を経由して画像データ生成部24に供給される。
【0018】
図2に示すように、筐体16は、通信装置14を収容するものであり、前述したように筐体16の内部に撮像装置12を収容する収容部18が設けられている。
筐体16は、本体部40と、扉42とを含んで構成されている。
本体部40は、矩形板状の底壁4002と、底壁4002の左右両側から起立する左右の側壁4004、4006と、底壁4002の後縁から起立する後壁4008と、側壁4004、4006、後壁4008の上端を接続する上壁4010とを備えている。
底壁4002、左右の側壁4004、4006、上壁4010の前縁によって矩形状の開口4012が形成されている。
【0019】
扉42は、開口4012を閉塞する大きさで形成され、ヒンジ4202を介して一方の側壁4006に揺動可能に連結されている。
したがって、扉42は、本体部40の開口4012を閉塞する閉塞位置と、本体部40の開口4012を開放する開放位置との間で揺動される。
扉42には不図示の扉側係止部材が設けられ、本体部40には不図示の本体部側係止部材が設けられている。
これら扉側係止部材と本体部側係止部材とが係止することで扉42が閉塞位置に保持され、それらの係止が解除されることで扉42が開放位置に揺動可能となる。
扉42あるいは本体部40には、扉42の閉塞位置で、扉42と開口4012との隙間を埋めるパッキンが設けられており、扉42の閉塞位置で筐体16の内部への水や塵埃の浸入の防止が図られている。
【0020】
本実施の形態では、収容部18は、本体部40に設けられている。
収容部18は、撮像装置12を取り外し可能に保持する保持部44を含んで構成されている。
本実施の形態では、保持部44は、パイプ30を保持するものである。
保持部44は、パイプ30の外周面に当接可能な複数の保持板4402と、各保持板4402を筐体16(本体部40)にねじ止めするねじ部材4404とを含んで構成されている。
なお、このような保持部44の構成として、例えば、予め開閉可能な保持部材を筐体16に取り付けておき、その保持部材によりパイプ30を保持してもよい。また、予め開閉可能な一対の保持部材を筐体16に取り付けておき、それら一対の保持部材によりパイプ30を保持してもよい。また、撮像部とパイプ30の双方を保持してもよい。すなわち、撮像装置12を収容部18に取り外し可能に保持する保持部44の構成には従来公知のさまざまな構造が採用可能である。
撮像装置12の収容部18への収容は、例えば、図2に示すように、撮像装置12が収容部18に収容された状態で、第1の直線部3002は底壁4002上に位置し、第2の直線部3006の他方は側壁4006上に位置するようにしてもよい。
あるいは、図3に示すように、撮像装置12が収容部18に収容された状態で、第2の直線部3006は底壁4002上に位置し、第1の直線部3002は側壁4006上に位置するようにしてもよい。
すなわち、撮像装置12が収容部18に収容された状態で、第1の直線部3002または第2の直線部3006の一方は底壁4002上に位置し、第1の直線部3002または第2の直線部3006の他方は側壁4006上に位置する。
【0021】
図2、図3において、符号46は、後壁4008の外面の4つの角部近傍に設けられた環状の取り付け金具を示す。
すなわち、各取り付け金具46と、現場に設置されているフレーム(柱)48とを束線バンド50や針金などを用いて締結することにより、筐体16を容易にフレーム48に取り付けることができる。
また、符号52は、筐体16の上壁4010に設けられた把手を示す。
このような把手52を設けることにより、筐体16の運搬が容易に行えるように図られている。
また、符号54は、現場に設けられた電源供給用のコンセントに接続されるプラグ、符号56はプラグに接続されたブレーカ、符号58はブレーカに接続されたコンセントを示す。
コンセント58には、サーバ32の不図示のプラグと、ルータ34の不図示のプラグとが接続され、これにより、現場の電源がプラグ54、ブレーカ56、コンセント58を経由してサーバ32、ルータ34に供給される。
また、符号4020は、底壁4002に設けられた孔を示し、プラグ54は、この孔4020を介して筐体16の外部に導出される。また、撮像装置12の信号線28の接続コネクタ2802は、孔4020を介して筐体16の内部に導入される。
【0022】
次に、監視装置10の使用方法について説明する。
まず、監視装置10を工事現場や建設現場に運搬するに先立って撮像装置12を筐体12の収容部18に収容する。
すなわち、図2、図3に示すように、扉42を開放位置に開き、撮像装置12を収容部18に位置させ、撮像装置12のパイプ30に複数の保持板4402を当て付け、各保持板4402をねじ部材4404によって筐体16にねじ止めする。
これにより、撮像装置12は、保持部44によって収容部18に取り外し可能に保持される。
また、プラグ54は筐体16の内部に収容された状態としておく。
次いで、扉42を閉塞位置に閉じた状態とする。
これにより、撮像装置12と通信装置14とを筐体16に一体的に収容した状態でまとめて運搬することが可能となる。
【0023】
次に、現場における監視装置10の設置作業について説明する。
図4に示すように、予め定められた箇所に、現場の地面Gに鉛直方向に延在し、撮像装置12を高所で支持する中空状の支柱60を立設しておくものとする。
1つの筐体16にまとめられた監視装置10が現場に運搬されたならば、扉42を開放位置に開き、各ねじ部材4404を緩めて各保持板4402を取り外し、撮像装置12を収容部18から取り外す。
撮像装置12の屈曲部3004と反対側に位置する第2の直線部3006の端部を支柱の60に不図示の連結金具を用いて連結する。
ここで、パイプ30の第2の直線部3006の端部から信号線28と接続コネクタ2802を外部に導出しておき、この信号線28と接続コネクタ2802を支柱60の不図示の孔から支柱60外に取り回しておく。
これにより、第1の直線部3002は水平方向に延在し、撮像装置12の撮像光学系20の光軸は鉛直方向下方に向けられる。
したがって、撮像装置12によって前記の光軸を中心に360度の範囲が撮像されることになる。
【0024】
次に、筐体16の各取り付け金具46と支柱60とを束線バンド50や針金などを用いて締結することにより、筐体16を支柱60の中間部に取り付ける。
筐体16の内部において、サーバ32およびルータ34のプラグをコンセント58に接続する。
そして、プラグ54を孔4020から筐体16の外部に導出し、プラグ54を現場に設けられた電源供給用のコンセント62に接続する。
また、撮像装置12の接続コネクタ2802を信号線28と共に、孔4020から筐体16の内部に導入し、この接続コネクタ2802をサーバ32の接続コネクタ3202に筐体16の内部で接続する。
ブレーカ56をオンとすることで現場のコンセント62からの電源がサーバ32およびルータ34に供給され、監視装置10の動作が開始される。
最後に、扉42を閉塞位置に閉じ、これにより監視装置10の設置作業が完了する。
【0025】
次に、監視装置10の撤収作業について説明する。
まず、ブレーカ56をオフとし、プラグ54とコンセント62との接続を解除し、接続コネクタ2802と接続コネクタ3202の接続を解除する。
次いで、撮像装置12の第2の直線部3006を支柱60の上端から取り外す。
筐体16の扉42を開放位置に開き、プラグ54を孔4020から筐体16内部に収容し、接続コネクタ2802を信号線28と共に孔4020から筐体16外部に取り出す。
さらに、撮像装置12を収容部18に位置させ、撮像装置12のパイプ30に複数の保持板4402を当て付け、各保持板4402をねじ部材4404によって筐体16にねじ止めする。
これにより、撮像装置12は、保持部44によって収容部18に取り外し可能に保持される。
次いで、扉42を閉塞位置に閉じた状態とする。
これにより、撮像装置12と通信装置14とを筐体16に一体的に収容した状態でまとめて運搬することが可能となる。
【0026】
本実施の形態の監視装置10によれば、通信装置14を収容する筐体16の内部に撮像装置12を収容する収容部18を設けたので、撮像装置12と通信装置14とを筐体16に一体的に収容した状態でまとめて運搬することができる。
そのため、撮像装置12と筐体16とを個別に運搬する場合に比較して、監視装置10の設置作業あるいは撤収作業に際して、梱包作業あるいは開梱作業の簡素化を図る上で有利となる。また、監視装置10を梱包するための梱包材料が最小限のもので済む。
また、運搬する荷物が1つで済むことから、運搬に要する労力および費用(運送業者に支払う費用)を削減する上で有利となる。
したがって、監視装置10の設置作業および撤収作業に要する労力や費用の低減を図る上で有利となる。
また、精密な光学部品を有する撮像装置12を筐体16内部に収容して運搬できるため、撮像装置12を振動や衝撃から保護する上でも有利となり、撮像装置12の破損や劣化を抑制する上で有利となる。
特に、工事現場や建設現場などの現場を監視装置10で監視する場合、監視すべき現場が移動したり、あるいは、工事や建設が終了するため、現場の状況に応じて監視装置の設置作業および撤収作業、言い換えると、移設作業を頻繁に行う必要がある。
そのため、監視装置の設置作業および撤収作業を行う都度、撮像装置および通信装置の梱包、運搬、開梱といった作業が必要となり多大な労力を要する。
これに対して本実施の形態によれば、1台の監視装置10を1つの筐体16にまとめることができるため、梱包、運搬、開梱に要する作業の軽減を図れ、労力を大幅に低減する上で有利となる。
【0027】
また、本実施の形態では、パイプ30をケース2602から突出する第1の直線部3002と、第1の直線部3002の端部に屈曲部3004を介して連結された第2の直線部3006とを有するものとした。そして、第2の直線部3006の端部が支柱60の上端に結合可能に構成されているものとした。
したがって、撮像装置12が現場における被写体を撮像するために適した姿勢となるように、撮像装置12を支柱60の上端に簡単に取り付けることができる。
より詳細には、パイプ30は、第1の直線部3002と、第1の直線部3002の端部に該第1の直線部3002に対して90度の角度で屈曲して連結された第2の直線部3006とを有している。
そのため、第2の直線部3006の端部を支柱60の端部に結合した状態で撮像光学系20の光軸を下方に向けた状態とすることができる。
したがって、撮像光学系20が、画角がほぼ180度の超広角レンズを用いて構成され、撮像光学系20の水平画角が360度で垂直画角が180度となっているので、支柱60の上端箇所から監視すべき領域を確実に監視することが可能となる。
【0028】
また、従来、この種の監視装置においては、撮像装置として撮像光学系をパン、チルト、ズームさせる駆動機構を有するものを用いることが多いため、撮像装置の重量が重くなり、また、外形寸法が大きくなる不利があった。
そのため、運搬コストの低減化、現場での設置作業、撤収作業に要する労力の軽減化を図る上で不利があった。
しかしながら、本実施の形態では、撮像装置12の撮像光学系20が180度の画角を有しているので、前記の駆動機構が不要となるため、撮像装置12および筐体16の軽量化、小型化を図る上で有利となる。
そのため、運搬コストの低減を図る上でより有利となることは無論のこと、現場での設置作業、撤収作業に要する労力の軽減化を図る上でも有利となる。
なお、本実施の形態では、撮像装置12の撮像光学系20が180度の画角を有する場合について説明したが、撮像光学系20の画角は180度に限定されるものではない。
撮像光学系20の画角は、撮像装置12によって撮像すべき撮像範囲に応じて適宜選択可能であり、撮像光学系20の画角は180度より小さくても、あるいは、180度より大きくてもよいことは無論である。
【0029】
なお、本実施の形態では、監視装置10を工事現場あるいは建設現場に設置する場合について説明したが、監視装置10の設置場所はこれらに限定されるものではなく、監視が必要なさまざまな場所に設置して使用できることはもちろんである。
【符号の説明】
【0030】
10……監視装置、12……撮像装置、14……通信装置、16……筐体、18……収容部、20……撮像光学系、22……撮像素子、24……画像データ生成部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像光学系と、前記撮像光学系によって捉えられた被写体像を撮像する撮像素子と、前記撮像素子から供給される撮像信号に基づいて画像データを生成する画像データ生成部とを備える撮像装置と、
無線回線を介してネットワークに接続可能に構成され、前記画像データ生成部から供給される前記画像データを前記ネットワークを経由して端末装置に送信する通信装置と、
前記通信装置を収容する筐体とを備え、
前記筐体の内部に前記撮像装置を収容する収容部が設けられている、
監視装置。
【請求項2】
前記収容部は、前記撮像装置を取り外し可能に保持する保持部を含んで構成されている、
請求項1記載の監視装置。
【請求項3】
前記筐体は、本体部と、前記本体部を開閉する扉とを含んで構成され、
前記収容部は、前記本体部に設けられている、
請求項1記載の監視装置。
【請求項4】
前記撮像装置は、前記撮像光学系及び撮像素子並びに前記画像データ生成部を収容するケースと、前記画像データ生成部に接続され前記画像データを伝送する信号線と、前記ケースから突設され前記信号線を収容するパイプとを含んで構成され、
前記保持部は、前記パイプを保持する、
請求項2記載の監視装置。
【請求項5】
前記パイプは、前記ケースから突出する第1の直線部と、前記第1の直線部の端部に屈曲部を介して連結された第2の直線部とを有し、
前記筐体は底壁と、底壁の左右から起立する左右の側壁とを有し、
前記撮像装置が前記収容部に収容された状態で、前記第1の直線部または前記第2の直線部の一方は前記底壁上に位置し、記第1の直線部または前記第2の直線部の他方は前記側壁上に位置する、
請求項4記載の監視装置。
【請求項6】
さらに、前記撮像装置を高所で支持する中空状の支柱を備え、
前記パイプは、前記ケースから突出する第1の直線部と、前記第1の直線部の端部に屈曲部を介して連結された第2の直線部とを有し、
前記第2の直線部の端部は、前記支柱の上端に結合可能に構成されている、
請求項5記載の監視装置。
【請求項7】
さらに、前記撮像装置を高所で支持する中空状の支柱を備え、
前記パイプは、前記ケースから突出する第1の直線部と、前記第1の直線部の端部に該第1の直線部に対して90度の角度で屈曲して連結された第2の直線部とを有し、
前記第2の直線部の端部は、前記支柱の上端に結合可能に構成され、
前記撮像光学系は、180度の画角を有し、前記光軸を中心とする360度の範囲を撮像可能で、かつ、前記光軸を含む平面内で前記光軸を中心として180度の範囲で撮像が可能に構成され、
前記第2の直線部の端部が前記支柱の端部に結合された状態で、前記撮像光学系の光軸は下方に向けられる、
請求項1記載の監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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