説明

監視間隔制御装置、監視間隔制御方法およびプログラム

【課題】データ発生頻度の変動が大きい場合にも、状況に応じた適切なタイミングでデータを取得することが可能な監視間隔制御装置、監視間隔制御方法、およびプログラムを提供する。
【解決手段】データを受信する受信部と、受信した前記データと前記データの受信時刻とを記録する記録部と、前記データの受信時刻に基づき前記データの平均受信間隔である受信頻度を算出する算出部と、前記記録部にアクセスすることにより、データが受信されたか否かを確認する確認部と、を有し、前記確認部が前記データの受信を確認する前は、予め決められた一定の監視間隔で前記記録部にアクセスし、前記確認部が前記データの受信を確認すると、前記受信頻度に基づいた監視間隔に変更して前記記録部にアクセスすることを特徴とする監視間隔制御装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視間隔制御装置、監視間隔制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
データの待ち行列であるキューの監視方式として、取り出すべきデータの有無を一定間隔で確認するポーリング方式がある。このポーリング方式では、データ有無を確認する監視間隔は通常固定されており、設定によっては、以下のような問題がある。
【0003】
例えば、監視間隔を短く設定すると、データがないときにもプログラムがキューへのアクセスを実行し、CPU(Central Processing Unit)におけるシステムリソースを消費してしまう。逆に、監視間隔を長く設定すると、キューにおけるデータの滞留が発生しやすくなり、処理性能が低下し、メモリやディスクなどのシステムリソースも消費してしまう。このように、ポーリング方式における監視間隔の設定は、データの発生頻度、処理性能、システムリソース等の状況を総合的に判断して行う必要がある。
【0004】
そこで例えば、複数の無線端末毎のデータ発生間隔から、データ受信側である基地局が次のデータ発生タイミングを予測し、予測されるタイミングでポーリングを行う方法がある。この例では、基地局は、無線端末側から付与されたデータ発生時間情報に基づいてデータ発生間隔を取得している(例えば、特許文献1参照)。このとき、監視方式を、ランダムアクセス方式とポーリング方式とから選択できるようにした例もある(例えば、特許文献2参照)。キューを用いた例としては、配車管理装置において、キューのデータそれぞれの種類ごとに優先度を設け、優先度の高いデータを優先して送信する例もある(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−329723号公報
【特許文献2】特開2009−219007号公報
【特許文献3】特開2010−86501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような、データ発生頻度に応じてデータ発生のタイミングを予測してポーリングを行う例では、送信側から付与されたデータ発生時刻情報に基づいてデータ発生頻度を算出している。しかし、受信側と送信側で時間の同期を完全に取ることは困難であり、時間のずれが生じることは避けられないとともに、送信側でデータが発生してから実際に受信されるまでのばらつきもある。よって、例えば、証券取引システムのように、ピーク時と平常時のデータ発生頻度の差が大きく、特定の時間帯にデータが集中するようなシステムにおいては、実態とずれた制御になってしまう場合がある。優先度の高いデータを優先して送信する例は、データの発生頻度が非常に高いシステムにおいては現実的ではないという問題がある。
【0007】
そこで本発明は、データの発生頻度が低いときには、無駄なシステムリソースの消費を防止し、データの発生頻度が高いときには、処理性能を上げ、キューの滞留を防止することの可能な監視間隔制御装置、監視間隔制御方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る監視間隔制御装置は、データを受信する受信部と、受信した前記データと前記データの受信時刻とを記録する記録部と、前記データの受信時刻に基づき前記データの平均受信間隔である受信頻度を算出する算出部と、前記記録部にアクセスすることにより、データが受信されたか否かを確認する確認部と、を有し、前記確認部が前記データの受信を確認する前は、予め決められた一定の監視間隔で前記記録部にアクセスし、前記確認部が前記データの受信を確認すると、前記受信頻度に基づいた監視間隔に変更して前記記録部にアクセスすることを特徴としている。
【0009】
また、本発明に係る監視間隔制御方法は、データを受信し、受信した前記データと前記データの受信時刻とを記録部に記録し、前記データの受信時刻に基づき前記データの平均受信間隔である受信頻度を算出し、前記記録部にアクセスすることにより、データが受信されたか否かを確認するが、前記データの受信が確認される前は、予め決められた一定の監視間隔で前記記録部にアクセスし、前記データの受信が確認されると、前記受信頻度に基づいた監視間隔に変更して前記記録部にアクセスすることにより前記データが受信されたか否かを確認することを特徴としている。
【0010】
なお、上述した本発明に係る方法をコンピュータに行わせるためのプログラムであっても、このプログラムを当該コンピュータによって実行させることにより、上述した本発明に係る方法と同様の作用・効果を奏するので、前述した課題が解決される。
【発明の効果】
【0011】
本発明による監視間隔制御装置、監視間隔制御方法、およびプログラムによれば、データ発生頻度の変動が大きい場合にも、状況に応じた適切なタイミングでデータを取得することが可能な監視間隔制御装置、監視間隔制御方法、およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】一実施の形態による監視間隔制御システムの構成を示す図である。
【図2】一実施の形態による監視間隔制御システムの機能を示すブロック図である。
【図3】一実施の形態によるキュー内部の情報の一例を示す図である。
【図4】一実施の形態による監視間隔制御部の機能を説明する図である
【図5】一実施の形態によるゲートウエイサーバの動作を示すフローチャートである。
【図6】一実施の形態によるゲートウエイサーバの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の一実施の形態による監視間隔制御システムについて説明する。まず、図1〜図4を参照しながら、本実施の形態による監視間隔制御システム1の構成について説明する。図1は、監視間隔制御システム1の構成を示す図、図2は、監視間隔制御システム1の機能を示すブロック図、図3は、キュー内部の情報の一例を示す図、図4は、監視間隔制御部の機能を説明する図である。
【0014】
図1に示すように、監視間隔制御システム1においては、ゲートウエイサーバ3が、ネットワーク25を介して、連携元システム27および連携先システム29に接続されている。連携元システム27は、ゲートウエイサーバ3にデータを送信する、例えばコンピュータおよび通信機器などを備えたシステムである。ゲートウエイサーバ3は、連携元システム27から受信したデータに順次変換などの処理を行い、連携先システム29に転送するための、例えば送受信機能を備えたコンピュータである。連携先システム29は、ゲートウエイサーバ3を介して転送された連携元システム27からのデータを受信する、例えばコンピュータおよび通信機器などを備えたシステムである。
【0015】
ゲートウエイサーバ3は、CPU5、ROM(Read Only Memory)7、RAM(Random Access Memory)9、HDD(Hard Disk Drive)11、表示処理部13、入力インタフェース15、および通信インタフェース17を有している。また、表示処理部13にはモニタ19が接続され、入力インタフェース15にはキーボード21、マウス23が接続されている。ゲートウエイサーバ3のこれらの構成要素は、互いにバス24に接続されることにより各種データを互いに授受可能に構成されている。
【0016】
CPU5は、ROM7、HDD11などに格納されたプログラムをRAM9に読み込んで実行することにより、ゲートウエイサーバ3における各種処理を行う演算装置である。ROM7は、所定の基本制御プログラムが予め記録されている、読み出し専用半導体メモリである。CPU5は、この基本制御プログラムをゲートウエイサーバ3の起動時に読み出して実行することにより、このゲートウエイサーバ3の各構成要素の動作制御が可能になる。
【0017】
RAM9は、CPU5が各種の制御プログラムを実行する際に、必要に応じて作業用記憶領域として使用する、随時書き込み読み出し可能な半導体メモリである。HDD11は、CPU5によって実行される各種の制御プログラムを記憶しておく記憶装置である。CPU5は、HDD11に記憶されている所定の制御プログラムを読み出して実行することにより、各種の制御処理を行えるようになる。
【0018】
表示処理部13は、例えば液晶ディスプレイなどのモニタ19が接続され、CPU5から送付される表示データに応じて各種のテキストや画像をモニタ19に表示させる制御を行う。入力インタフェース15は、キーボード21およびマウス23と接続されこれらを制御する装置であり、例えばキーボード21またはマウス23が使用者により操作されると、その操作内容に対応付けられている使用者からの各種情報の入力を取得し、取得した入力情報をCPU5に送付する。
【0019】
通信インタフェース17は、ゲートウエイサーバ3にネットワーク25を介して接続されている連携元システム27、連携先システム29等の外部装置との間で行われる各種データの授受の管理を行う。
【0020】
図2に示すように、監視間隔制御システム1においては、連携元システム27からネットワーク25を介してデータ31が送信される。ゲートウエイサーバ3には、例えば、HDD11に、キュー監視処理プログラム35、データ処理プログラム39、連携処理プログラム41が格納されており、CPU5によりRAM9に読み込まれ、CPU5により実行可能な状態となっている。キュー監視プログラム35は、CPU5により読み込まれて実行されることにより監視間隔制御部37およびキュー33として機能するプログラムであり、キューからデータを取り出す処理を行う。
【0021】
キュー33は、連携元システム27から送信されたデータ31を受信し、内部に格納する記録部の一例である。キュー33は、図3の表70に示すように、データ31の内容と、受信時刻74とを関連付けて記録する。なお、表70においては、説明のためデータ31としてデータ31の識別情報である31−1、31−2、・・・、などと記載しているが、実際にはデータそのものを記録することが好ましい。
【0022】
図4に示すように、監視間隔制御部37は、初期モード51および自動制御モード53の2つの制御モードによりキュー33にアクセス(ポーリング55)を行い、読み出すべきデータ31をキュー33が受信したか否か(キュー33におけるデータの発生ともいう)を確認するように構成される。例えば、データ31−1が受信される前は、初期モード51で所定の一定時間である監視間隔Tでポーリング55−1を実行する。図2では1回のポーリング55−1のみを示しているが、データ31がキュー33に記録されたことを確認するまでポーリング55を繰り返す。
【0023】
データ31−1が検出されると(ポーリング55−2)、監視間隔制御部37は自動制御モード53に移行し、後述する受信頻度と処理時間とに応じた監視間隔でポーリング55−3、ポーリング55−4、・・・・、を実行する。この間、例えばポーリング55−3ではデータ31−2が確認され、ポーリング55−6では、データ31−3が確認され、ポーリング55−7では、データ31−4が確認され、それぞれ監視間隔制御部37により取得される。なお、データ31−1、31−2、・・・は、まとめてデータ31ともいう。また、ポーリング55−1、55−2、・・・は、まとめてポーリング55ともいう。
【0024】
データ処理プログラム39は、連携元システム27から受信したデータ31を、連携先システム29における処理が可能な形式に適宜変換するプログラムであり、ゲートウエイの主たる機能であるデータ変換機能を有する。連携処理プログラム41は、データ処理プログラム39で変換されたデータ31を、連携先システム29へ送信するための通信制御を行うプログラムである。
【0025】
以上のように構成される監視間隔制御システム1におけるゲートウエイサーバ3の動作を、図5、図6を参照しながら説明する。図5、図6は、ゲートウエイサーバ3の動作を示すフローチャートである。図5に示すように、ゲートウエイサーバ3による初期モード制御においては、まず、監視間隔制御部37は、監視間隔を初期値に設定する(S101)。初期値は、予め定められた所定の時間間隔である第1の監視間隔T1とすることができる。
【0026】
監視間隔制御部37は、S101の処理後、第1の監視間隔T1の時間待機し、キュー33へのポーリング55を行う(S102)。なお、監視間隔とは、監視間隔制御部37がキュー33へのポーリング55を実行した時刻から次のポーリング55を実行する時刻までの待機時間であり、実際のキュー33へのアクセスの間隔は、CPU5などのシステムリソースの状況によって異なることがある。
【0027】
監視間隔制御部37は、キュー33においてデータが発生したか否か、すなわち、キュー33から監視間隔制御部37へ読み出すべきデータが新たに送信されてきているか否か判別する(S103)。データが発生していない場合には(S103:NO)、処理はS102に戻る。データが発生している場合には(S103:YES)、図6の自動制御モードに進む。
【0028】
図6に示すように、自動制御モードにおいては、監視間隔制御部37は、処理時間Tpの計測を開始する(S131)。処理時間Tpの計測には、例えばCPU5に内蔵されているタイマが用いられる。ここで処理時間Tpとは、監視間隔制御部37によりキュー33内のデータ31が取得されてから、取得されたデータ31がデータ処理プログラム39および連携処理プログラム41を介して連携先システム29に対して送信されるまでの時間である。
【0029】
すなわち、監視間隔制御部37は、キュー33からデータ31および受信時刻74(図3参照)を取得する。データ処理プログラム39、および連携処理プログラム41は、監視間隔制御部37が取得したデータに対し所定の変換処理等を行う(S132)。連携処理プログラム41は、連携先システム29にデータ31を送信すると、キュー監視プログラム35に転送済みであることを通知する。監視間隔制御部37は、連携処理プログラム41からの通知を受信することにより、処理時間Tpの計測を終了する(S133)。
【0030】
監視間隔制御部37は、キュー33からデータ31とともに取得したデータの受信時刻74を参照し、直近のN回分のデータをサンプリングする。そして、監視間隔制御部37は、サンプリングしたデータの中の最も早く受信されたデータ31の受信時刻と、最後に受信されたデータ31の受信時刻との差を単位時間として算出する。この単位時間をN−1で除した時間を、データ発生間隔Tdとして算出する(S134)。
【0031】
監視間隔制御部37は、さらに、データ発生間隔Tdから処理時間Tpを減じた時間を自動モードにおける第2の監視間隔T2とする(S135)。すなわち、第2の監視間隔T2=データ発生間隔Td−処理時間Tpを算出し、監視間隔を第2の監視間隔T2に設定する(S136)。処理時間Tpの方がデータ発生間隔Tdより大きい場合は、第2の監視間隔T2=0とする。
【0032】
なお、第2の監視間隔T2を算出する際に、N回分のデータをサンプリングしたが、Nは、予め定められた2以上の整数である。データ31の数がNに満たないときには、その時点でサンプリング可能な最大数により単位時間を計算することが好ましい。このような構成によれば、起動直後は精度が低いが、徐々に監視間隔の精度が上がることになる。また、1回目のデータ発生直後の単位時間は、例えば、第1の監視間隔T1とすることができる。
【0033】
監視間隔制御部37は、第2の監視間隔T2の時間待機した後、キュー33にポーリング55を行う(S137)。新たなデータ31が確認された場合には(S138:YES)、S130に戻って、処理を繰り返す。キュー33に読み出すべき新たなデータ31の発生がない場合には(S138:NO)、S137に戻って、ポーリング55を第2の監視間隔T2ごとに繰り返す。
【0034】
以上説明したように、本実施の形態による監視間隔制御システム1によれば、ゲートウエイサーバ3において実行されるキュー監視プログラム35本体に、監視間隔制御部37の機能を設け、ここで、キュー33の監視間隔を制御するようにした。キュー33は、連携元システム27からのデータ31を受信し、データ31と受信時刻74とを記録する。監視間隔制御部37は、初期モードにおいては、第1の監視間隔T1毎にキュー33にポーリング55を行う。
【0035】
監視間隔制御部37が、キュー33において読み出すべきデータ31の発生を確認すると、データ31とその受信時刻74を取得する。監視間隔制御部37は、データ処理プログラム39および連携処理プログラム41による処理時間Tpを算出するとともに、直近のN回分のデータ31の受信時刻74に基づいてデータ発生間隔Tdを算出する。ここで、データ31の発生がN回分に満たない場合には、その時点でとりうる最大のデータ発生回数を用いてデータ発生間隔Tdを算出する。1回目の時には、例えば、第1の監視間隔T1に基づく値とする。
【0036】
さらに、監視間隔制御部37は、処理時間Tpおよびデータ発生間隔Tdより、第2の監視間隔T2を算出する。監視間隔制御部37は、第2の監視間隔T2を待機時間として、ポーリング55を行う。データ31が確認されると、自動制御モードを繰り返す。
【0037】
なお、上記実施の形態において、ゲートウエイサーバ3は、本発明の監視間隔制御装置の一例であり、キュー33は、記録部の一例である。監視間隔制御部37のS134の処理は、算出部の処理の一例であり、S102、S137の処理は、確認部の処理の一例である。また、監視間隔制御部37のS131、S133の処理は、本発明の計測部の処理の一例であり、S132の処理は、データ取得部としての処理の一例を含んでいる。データ処理プログラム39は本発明のデータ変換部の一例であり、連携処理プログラム41は、本発明の転送制御部の一例である。
【0038】
以上のように、本実施の形態によるゲートウエイサーバ3によれば、監視間隔制御部37は、キュー33からの受信時刻74の取得により、データの発生頻度、すなわちキュー33にデータが受信される受信頻度を算出することができる。受信頻度は、ゲートウエイサーバ3においてキュー33がデータを受信した時刻であり、ゲートウエイサーバ3と連携元システム27との時間のずれや、連携元システム27からキュー33への送信に要する時間のばらつきなどの影響を排除できる。
【0039】
ポーリング55の間隔である監視間隔は、初期モード制御と自動制御モードの2種類の制御により設定することができる。初期モードでは、予め定められた一定の監視間隔でポーリング55を行う。自動モードでは、データ31の受信頻度(キュー33におけるデータの発生頻度)および転送のための処理時間に応じた監視間隔でポーリング55を行う。初期モード制御から自動制御モードへの移行は、キュー33においてデータ31の発生が確認されたときとすることができる。
【0040】
第2の監視間隔T2は、データ発生頻度と、監視間隔制御部37によるデータ31の取得から連携先システム29への送信までに要する処理時間Tpとに基づき算出する。これによりデータ発生頻度が低いときには、ポーリング55の頻度を低下させることにより、CPU5のシステムリソースの無駄な消費を防止できる。また、データ発生頻度がある程度以上のときには、データ処理プログラム39および連携処理プログラム41による処理時間に影響されずに監視を行うことが可能となり、キュー33におけるデータ31の滞留を防止できる。
【0041】
このように、監視間隔制御システム1の稼働状況に則したキュー33の監視を行なうことができる。特に、キュー33におけるデータの発生頻度にムラがあるような、システムの状況に合った監視間隔の設定が難しいシステムにおいて、状況に応じた適切なキュー監視を、自動的に行うことができるようになる。
【0042】
なお、本発明は、以上に述べた実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成または実施形態を採ることができる。例えば、データ処理プログラム39と連携処理プログラム41は、別々のプログラムとして記載したが、1つのプログラムとして統合されていてもよい。
【0043】
自動制御モードに移行した初めのデータ発生間隔計算においては、上記実施の形態においては、単位時間を第1の監視時間T1とする例を説明したが、例えば、S103のNOの回数をカウントし、第1の監視間隔T1にカウントした回数を乗じた時間を単位時間とするようにしてもよい。また、監視間隔制御システム1の立ち上げの時間を保存し、1回目のデータ発生に対応する時間までの時間を算出して単位時間としてもよい。
【0044】
第2の監視間隔T2の算出において、単位時間は、直近のN回分のデータの最初のデータ31の受信時刻から最後のデータ31の受信時刻までとしたが、これに限定されない。例えば、最終のデータ発生以降の時間をデータ発生間隔計測に加えて算出するようにしてもよい。すなわち、S134で、単位時間を例えば、N回分のデータの最初のデータ31の受信時刻から現在の時刻までとして計算してもよい。この方法で計算した単位時間を用いて第2の監視間隔T2を算出することにより、さらにデータ31のキュー33における発生頻度に応じた監視間隔とすることができる。
【0045】
上記実施の形態においては、初期制御モードにおいては、あらかじめ一定間隔でポーリング55を行うようにしている。しかし、例えば、初期モードにおいて、キュー33に読み出すべきデータが受信されたことを検知すると、監視間隔制御部37がキュー33にアクセスを行う方式を採用してもよい。このとき、はじめに設定される単位時間は、例えば、予め決められた所定値としてもよい。
【0046】
また、ポーリング55を行ったにもかかわらずデータ31の発生が確認されない状態が所定回数以上連続したときには、自動制御モードから初期モード制御への移行を行うなど、他の変形も可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 監視間隔制御システム
3 ゲートウエイサーバ
5 CPU
7 ROM
9 RAM
11 HDD
13 表示処理部
15 入力インタフェース
17 通信インタフェース
19 モニタ
21 キーボード
23 マウス
24 バス
25 ネットワーク
27 連携元システム
29 連携先システム
31 データ
33 キュー
35 キュー監視プログラム
37 監視間隔制御部
39 データ処理プログラム
41 連携処理プログラム
51 初期モード
53 自動制御モード
55 ポーリング
70 表
T1 第1の監視間隔
T2 第2の監視間隔
Tp 処理時間
Td データ発生間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを受信する受信部と、
受信した前記データと前記データの受信時刻とを記録する記録部と、
前記データの受信時刻に基づき前記データの平均受信間隔である受信頻度を算出する算出部と、
前記記録部にアクセスすることにより、データが受信されたか否かを確認する確認部と、
を有し、
前記確認部が前記データの受信を確認する前は、予め決められた一定の監視間隔で前記記録部にアクセスし、
前記確認部が前記データの受信を確認すると、前記受信頻度に基づいた監視間隔に変更して前記記録部にアクセスすることを特徴とする監視間隔制御装置。
【請求項2】
前記確認部が前記データの受信を確認すると前記データを取得するデータ取得部と、
前記取得したデータを転送する転送部と、
前記データ取得部が前記データを取得してから前記転送部が前記データの転送を終了するまでの処理時間を計測する計測部と、
を有し、
前記確認部は、前記データの受信を確認すると、さらに前記処理時間にも基づいた監視間隔に変更して前記記録部にアクセスすることを特徴とする請求項1に記載の監視間隔制御装置。
【請求項3】
前記処理時間にも基づいた監視間隔は、前記受信頻度から前記処理時間を減じた時間であることを特徴とする請求項2に記載の監視間隔制御装置。
【請求項4】
前記転送部は、
前記取得したデータの形式を変換するデータ変換部と、
前記変換したデータを前記転送先に転送する制御を行う転送制御部と、
を含むことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の監視間隔制御装置。
【請求項5】
前記算出部は、
データ受信回数が1回の時には、予め決められた一定の監視間隔を前記受信頻度とし、
前記データ受信回数が2回以上の時には、過去の2以上の整数回分のデータ受信に要した時間を前記2以上の整数回分から1を減じた数で除して前記受信頻度を算出することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の監視間隔制御装置。
【請求項6】
前記算出部は、
データ受信回数が1回の時には、前記予め決められた一定の監視間隔に前記1回のデータ受信までにアクセスを行った回数を乗じて前記受信頻度とし、
前記データ受信回数が2回以上の時には、過去の2以上の整数回分のデータ受信に要した時間を前記2以上の整数回分から1を減じた数で除して前記受信頻度を算出することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の監視間隔制御装置。
【請求項7】
データを受信し、
受信した前記データと前記データの受信時刻とを記録部に記録し、
前記データの受信時刻に基づき前記データの平均受信間隔である受信頻度を算出し、
前記記録部にアクセスすることにより、データが受信されたか否かを確認するが、
前記データの受信が確認される前は、予め決められた一定の監視間隔で前記記録部にアクセスし、
前記データの受信が確認されると、前記受信頻度に基づいた監視間隔に変更して前記記録部にアクセスすることにより前記データが受信されたか否かを確認する、
ことを特徴とする監視間隔制御方法。
【請求項8】
データを受信する処理と、
受信した前記データと前記データの受信時刻とを記録部に記録する処理と、
前記データの受信時刻に基づき前記データの平均受信間隔である受信頻度を算出する処理と、
前記記録部にアクセスすることにより、データが受信されたか否かを確認するが、
前記データの受信が確認される前は、予め決められた一定の監視間隔で前記記録部にアクセスし、
前記データの受信が確認されると、前記受信頻度に基づいた監視間隔に変更して前記記録部にアクセスすることによりデータが受信されたか否かを確認する処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−26785(P2013−26785A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159084(P2011−159084)
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】