説明

目封止部形成用部材、及びこれを用いた目封止ハニカム構造体の製造方法

【課題】ドーム状の目封止部を有する目封止ハニカム構造体を容易に製造することが可能な目封止ハニカム構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】目封止すべきハニカム構造体6の端面と同等以上の面積を有する平板状の基体23からなり、その基体23の表面に、目封止部形成用スラリー31を貯留し得る多数の凹部25が形成された目封止部形成用部材35を用い、その目封止部形成用部材35の凹部25に目封止部形成用スラリー31を注入した後、目封止部形成用部材35の表面に、その端面を当接させるようにハニカム構造体6を載置し、目封止部形成用スラリー31を目封止開口部の周縁に位置する隔壁2の端面に付着させることにより、ハニカム構造体6の端面上に目封止部8を形成する目封止ハニカム構造体1の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、集塵用フィルタの濾材として好適に用いられる、セルのいずれかの開口部を目封止する目封止部を備えた目封止ハニカム構造体の製造方法に関し、詳しくは、目封止部の形成に用いられる目封止部形成用部材、及びそれを用いた目封止ハニカム構造体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
化学、電力、鉄鋼、産業廃棄物処理をはじめとする様々な分野において、公害防止等の環境対策、高温ガスからの製品回収等の用途で用いられる集塵用フィルタの濾材として、多孔質体からなるハニカム構造体が用いられている。例えば、ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF:Diesel Particulate Filter)は、自動車のディーゼルエンジン等のディーゼル機関から排出される粒子状物質(PM:Particulate Matter)を捕集する用途で用いられる集塵用フィルタであり、高温、或いは腐食性ガス雰囲気下において使用されるため、耐熱性、耐食性に優れるセラミック多孔質体からなるハニカム構造体が好適に用いられている。
【0003】
集塵用フィルタに用いられるハニカム構造体としては、例えば、図1(a)及び図1(b)に示すように、多孔質体からなる隔壁2を有し、その隔壁2によって、流体の流路となる多数のセル4が区画・形成されたハニカム構造体6と、そのハニカム構造体6のセル4のいずれかの開口部を目封止する目封止部8とを備えた目封止ハニカム構造体1が汎用されている。このような構造の目封止ハニカム構造体1によれば、入口側端面Bから流体供給セル4aに導入された被処理ガスG1が隔壁2を透過して隣接する流体排出セル4bに流入する際に、隔壁2において被処理ガスG1中に含まれるPMが捕捉される。そして、隔壁2を透過して隣接する流体排出セル4bに流入した処理済ガスG2は出口側端面Cから排出されるため、被処理ガスG1中のPMが分離・除去された処理済ガスG2を得ることができる。
【0004】
しかしながら、上記のような目封止ハニカム構造体をDPF等のフィルタ用途で用いた場合、その入口側端面(例えば目封止部等)にPM等が堆積することによって、セル開口面積の減少やセル開口部の閉塞が発生するという問題があった。このような問題は、フィルタの圧力損失が増大し、ディーゼルエンジンの出力低下や燃費の悪化を招くという点において好ましくない。
【0005】
上記のような問題を解決する方策として、目封止部に、ハニカム構造体の開口端面より上流側に向かって細くなる形状にて突出する突出部位が形成された排気浄化装置やセラミックハニカムフィルタが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。このような排気浄化装置等は、先細り形状の突出部位が被処理ガスの流れをスムーズにする整流効果を有するため、入口側端面へのPM等の堆積を抑制する堆積抑制効果を期待できる。
【特許文献1】特開2002−309922号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2003/0093982号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の排気浄化装置等は、ディーゼルエンジンからの排気ガスに粘着性の可溶性有機成分(SOF:Soluble Organic Fraction)が含まれていることに起因して、十分な堆積抑制効果を発揮するに至っていないのが現状であった。これは、PM等が粘着性のSOFによってハニカム構造体の入口側端面に固着されてしまうため、PM等の堆積が促進され易いことによる。
【0007】
上記のような粘着性のSOFに起因する不具合を解消するための方策として、端面から突出するドーム状の目封止部を有する目封止ハニカム構造体が考えられている。このように目封止部を中空のドーム状とすることにより、特許文献1、2に記載の排気浄化装置等と同様の整流効果を得られることに加え、目封止部の熱容量を減少させ、目封止部の昇温速度を向上させることができる。従って、PMやSOF等が目封止部に付着・堆積された場合でも容易に加熱・燃焼させることができ、十分な堆積抑制効果を発揮させることが期待できる。
【0008】
しかしながら、上記のようなドーム状の目封止部を有する目封止ハニカム構造体を容易に製造し得る製造方法は未だ開示されておらず、そのような方法を創出することが産業界から切望されている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、上述の課題を解決するべく鋭意研究した結果、平板状の基体からなり、その基体の表面に、目封止部形成用スラリーを貯留し得る多数の凹部が形成されている目封止部形成用部材を用いて目封止部の形成を行うことによって、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明によれば、以下の目封止部形成用部材、及び目封止ハニカム構造体の製造方法が提供される。
【0010】
[1] 多孔質体からなる隔壁を有し、前記隔壁によって、流体の流路となる多数のセルが区画・形成されたハニカム構造体に、前記セルのいずれかの開口部を目封止する目封止部を形成するための目封止部形成用部材であって、前記ハニカム構造体の端面と同等以上の面積を有する平板状の基体からなり、前記基体の表面には、目封止部形成用スラリーを貯留し得る多数の凹部が形成され、各凹部は、少なくとも前記セルの前記目封止部を形成すべき開口部(目封止開口部)に相当する面積を有し、形成すべき目封止部と相補的な立体的形状を呈するとともに、前記ハニカム構造体の端面における前記目封止開口部に対応する位置に配置されている目封止部形成用部材。
【0011】
[2] 前記凹部と非凹部とが、全体として市松模様を構成するように、交互に配置されている上記[1]に記載の目封止部形成用部材。
【0012】
[3] 前記凹部が、底部に向かってその内径が次第に減少する形状を呈する上記[1]又は[2]に記載の目封止部形成用部材。
【0013】
[4] 多孔質体によって構成されている上記[1]〜[3]のいずれかに記載の目封止部形成用部材。
【0014】
[5] 光硬化性樹脂由来の硬化樹脂(樹脂硬化物)によって構成されている上記[1]〜[4]のいずれかに記載の目封止部形成用部材。
【0015】
[6] 前記ハニカム構造体の端面における前記セルの前記目封止部を形成しない開口部(非目封止開口部)に対応する位置に、前記セルに嵌合し得る位置決めピンが突設されている上記[1]〜[5]のいずれかに記載の目封止部形成用部材。
【0016】
[7] 多孔質体からなる隔壁を有し、前記隔壁によって、流体の流路となる多数のセルが区画・形成されたハニカム構造体に、前記セルのいずれかの開口部を目封止する目封止部を形成して目封止ハニカム構造体を得る目封止ハニカム構造体の製造方法であって、上記[1]に記載の目封止部形成用部材を用い、前記目封止部形成用部材の前記凹部に目封止部形成用スラリーを注入した後、前記目封止部形成用部材の表面に、その端面を当接させるように前記ハニカム構造体を載置し、前記目封止部形成用スラリーを前記目封止開口部の周縁に位置する前記隔壁の端面に付着させることにより、前記ハニカム構造体の端面上に、前記目封止部を形成する目封止ハニカム構造体の製造方法。
【0017】
[8] 前記目封止部形成用部材として、前記凹部が底部に向かってその内径が次第に減少する形状を呈するものを用い、前記ハニカム構造体の端面から突出する凸形状の目封止部を形成する上記[7]に記載の目封止ハニカム構造体の製造方法。
【0018】
[9] 前記目封止部形成用部材として、多孔質体によって構成されているものを用い、前記目封止部形成用スラリーの分散媒を前記目封止部形成用部材に吸収させながら前記目封止部を形成する上記[7]又は[8]に記載の目封止ハニカム構造体の製造方法。
【0019】
[10] 前記ハニカム構造体の少なくとも端面を撮像し、前記目封止開口部と前記セルの前記目封止部を形成しない開口部(非目封止開口部)の形状及び位置を特定し得る画像データを取得し、前記画像データに基づいて、下記光造形法により、光硬化性樹脂由来の硬化樹脂(樹脂硬化物)によって構成された目封止部形成用部材を作製し、その目封止部形成用部材を用いて、前記目封止部を形成する上記[7]〜[9]のいずれかに記載の目封止ハニカム構造体の製造方法。
光造形法:光硬化性樹脂の表面に描画的な光照射を行って硬化樹脂層を形成した後、新たな光硬化性樹脂を供給し、同様の光照射を行って前記硬化樹脂層の上面に新たな硬化樹脂層を形成し、硬化樹脂層を積層していく操作を繰り返すことによって、硬化樹脂(樹脂硬化物)によって構成された立体的な造形物を得る方法
【0020】
[11] 前記目封止部形成用部材として、前記ハニカム構造体の端面における前記セルの前記目封止部を形成しない開口部(非目封止開口部)に対応する位置に、前記セルに嵌合し得る位置決めピンが突設されたものを用い、前記位置決めピンを前記セルに嵌合させた状態で前記目封止部を形成する上記[7]〜[10]のいずれかに記載の目封止ハニカム構造体の製造方法。
【発明の効果】
【0021】
本発明の製造方法は、従来の方法では形成することが困難であった、端面から突出する凸形状の目封止部を形成することが極めて容易である。従って、PM等の堆積抑制効果に優れる、ドーム状の目封止部を有する目封止ハニカム構造体を容易に製造することに資する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の目封止ハニカム構造体、及びその製造方法を実施するための最良の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。但し、本発明は以下の形態に限定されるものではない。
【0023】
本発明の目封止ハニカム構造体の製造方法は、目封止すべきハニカム構造体の端面と同等以上の面積を有する平板状の基体からなり、その基体の表面に、目封止部形成用スラリーを貯留し得る多数の凹部が形成された目封止部形成用部材を用い、その目封止部形成用部材の凹部に目封止部形成用スラリーを注入した後、目封止部形成用部材の表面に、その端面を当接させるようにハニカム構造体を載置し、目封止部形成用スラリーを目封止開口部の周縁に位置する前記隔壁の端面に付着させることにより、ハニカム構造体の端面上に目封止部を形成する製造方法である。
【0024】
(1)目封止部形成用部材
本発明の製造方法に用いる目封止部形成用部材は、ハニカム構造体の端面と同等以上の面積を有する平板状の基体からなる。平板状の基体とすることにより、その表面に目封止部を形成すべきハニカム構造体を載置して、基体の表面とハニカム構造体との端面を当接させることが可能となる。また、ハニカム構造体の端面と同等以上の面積を有するものとすることにより、ハニカム構造体の一方の端面における全ての目封止部を一時に形成することが可能となる。
【0025】
目封止部形成用部材を構成する基体の表面には、目封止部形成用スラリーを貯留し得る多数の凹部が形成されている。凹部は形成すべき目封止部と同数形成されており、この凹部に目封止部形成用スラリーを注入し、凹部内に貯留されたスラリーをハニカム構造体の端面に付着させることにより、ハニカム構造体の端面上に目封止部を形成することが可能となる。
【0026】
基体の表面に形成される各凹部は、少なくともセルの目封止部を形成すべき開口部(目封止開口部)に相当する面積を有しており、通常は、目封止開口部より一回り大きい面積を有するように各凹部を形成する。このような構成とすることにより、基体表面にハニカム構造体を載置した際に、目封止部形成用スラリーが目封止開口部の周縁に位置する隔壁の端面に付着し、スラリーによって形成される目封止部とハニカム構造体とを一体化させることが可能となる。
【0027】
また、各凹部は、形成すべき目封止部と相補的な立体的形状を呈している。即ち、凹部の形状に特に制限はなく、所望の目封止部形状を反転した形状に形成すればよい。換言すれば、凹部の形状を変化させることによって、所望の形状の目封止部を形成することが可能である。
【0028】
例えば、凹部を、底部に向かってその内径が次第に減少する形状を呈するものとすることにより、ハニカム構造体の端面から突出する凸形状の目封止部を形成することが可能となる。このような凸形状の目封止部は、ハニカム構造体端面における被処理ガスの流れをスムーズにすることができるため(整流効果)、目封止部におけるPMの堆積、ひいては、堆積したPMがブリッジングして非目封止開口部を閉塞する事態の発生頻度を減少させることが可能となる。
【0029】
「底部に向かってその内径が次第に減少する形状」としては、例えば、椀状、逆四角錐状等が挙げられる。凹部の形状を椀状とすることにより、図2に示すようなドーム状目封止部8Aを、逆四角錐状とすることにより、図4に示すような四角錘状目封止部8Cを形成することができる。
【0030】
各凹部は、ハニカム構造体の端面における目封止開口部に対応する位置に配置する必要があることはいうまでもない。通常、DPF用の目封止ハニカム構造体は、目封止開口部と非目封止開口部とが、全体として市松模様を構成するように、交互に配置されることが多い。従って、そのような目封止ハニカム構造体を得るための目封止部形成用部材としては、凹部と非凹部とが、全体として市松模様を構成するように、交互に配置されているものを用いることが好ましい。
【0031】
目封止部形成用部材を構成する材質については特に制限はない。従って、工業的に汎用され、安価で入手容易な材料(例えば、樹脂、金属、セラミック等)の中から所望の材質を適宜選択すればよい。
【0032】
但し、目封止部形成用部材は、多孔質体によって構成されているものであることが好ましい。目封止部形成用部材を多孔質体によって構成すると、ハニカム構造体の他、目封止部形成用部材にも目封止部形成用スラリーの分散媒が吸収されるため、スラリーの乾燥が促進され、早期に目封止部の強度を向上させて離型することができる。即ち、迅速に目封止部の形成を行うことができる。
【0033】
また、既述した凸形状の目封止部(例えば、ドーム状の目封止部)を形成する場合には、目封止部形成用部材の吸収性によって、目封止部の肉厚を均一にすることができる。目封止部の肉厚を均一とすることにより、目封止部の耐熱性を向上させるとともに、その熱容量を均一化するという効果を得ることができる。具体的には、目封止部の肉厚が不均一であると、熱応力に対する強度が低下し易く、高温下で使用するDPF等の用途では目封止部の破損を招来するおそれがある。また、目封止部の熱容量が不均一であると、堆積したPMを燃焼させる再生処理の際にPMの燃焼斑が発生し、PMを完全に除去しきれない場合も生じ得る。目封止部形成用部材を多孔質体によって構成することにより、このような不具合を効果的に抑制することが可能となる。
【0034】
目封止部形成用部材を光硬化性樹脂由来の硬化樹脂(樹脂硬化物)によって構成することも好ましい態様の一つである。このような目封止部形成用部材は、光造形法により作製することができるため、ハニカム構造体の端面等を撮像したデータを利用することにより、凹部が正確な位置に適正な形状で形成された、形状精度の高い目封止部形成用部材を得ることができる。従って、ハニカム構造体の目封止開口部に正確に目封止部を形成することが可能となる点において好ましい。なお、光硬化性樹脂には、硬化時に多孔質体の樹脂硬化物を形成するものも市販されている。このような光硬化性樹脂を用いると、多孔質体によって構成され、かつ、光硬化性樹脂由来の硬化樹脂(樹脂硬化物)によって構成された目封止部形成用部材を得ることができる点において好ましい。
【0035】
また、目封止部形成用部材は、ハニカム構造体の端面におけるセルの目封止部を形成しない開口部(非目封止開口部)に対応する位置に、セルに嵌合し得る位置決めピンが突設されているものであることが好ましい。位置決めピンをハニカム構造体のセルに嵌合させた状態で目封止部を形成することにより、精細な目封止パターンであっても高い位置精度で目封止部を形成することができる。このような目封止部形成用部材は、微小なセルを多数有し、目封止パターンが極めて精細にならざるを得ないハニカム構造体の目封止部を形成する際に特に好適に用いることができる。位置決めピンの本数は特に限定されないが、少なくとも3本以上であることが好ましく、多くとも非目封止開口部の数と同数本である。
【0036】
目封止部形成用部材の作製方法は特に限定されないが、光造形法を利用することにより、形状精度の高い目封止部形成用部材を比較的容易に得ることができる。具体的には以下に記載する方法により、目封止部形成用部材を作製することができる。
【0037】
まず、ハニカム構造体の少なくとも端面を撮像し、目封止開口部とセルの目封止部を形成しない開口部(非目封止開口部)の形状及び位置を特定し得る画像データを取得する。ハニカム構造体は、通常、坏土の押出成形により製造されるため、セル形状、隔壁厚さ、セル密度等が一様ではなく、歪みを生じている場合もあり得るが、このような方法によれば、そのハニカム構造体の構造に合致した目封止部形成用部材を作製することができる。
【0038】
ハニカム構造体の少なくとも端面を撮像するための撮像装置としては、例えば、CCD(charge-coupled device)カメラやX線CT(computed tomography)スキャナー等を好適に用いることができる。中でも、X線CTスキャナーは、ハニカム構造体の端面のみならず、ハニカム構造体の内部(セルの内部形状等)をも撮像することが可能であり、セルに嵌合し得る位置決めピンが突設された目封止部形成用部材を作製する際などに、光造形法で必要となる目封止部形成用部材の断層形状データ(スライスデータ)を作成し易いという利点がある。
【0039】
なお、ハニカム構造体の端面等の撮像は、必ずしも各々のハニカム構造体について行う必要はない。既述の如く、ハニカム構造体は、通常、坏土の押出成形により製造されるため、セル形状、隔壁厚さ、セル密度等の歪み具合は、セラミック坏土の組成や混練・押出等の条件が同じであれば同様のものとなるからである。即ち、これらの条件が同じロットについては、一つのハニカム構造体について一度画像データを取得すれば、その画像データに基づいて作製した目封止部形成用部材は、他のハニカム構造体に使用すること(即ち、再利用)が可能である。
【0040】
次いで、取得した画像データに基づいて、光造形法により、光硬化性樹脂由来の硬化樹脂(樹脂硬化物)によって構成された目封止部形成用部材を作製する。
【0041】
本明細書にいう「光造形法」とは、光硬化性樹脂の表面に描画的な光照射を行って硬化樹脂層を形成した後、新たな光硬化性樹脂を供給し、同様の光照射を行って前記硬化樹脂層の上面に新たな硬化樹脂層を形成し、硬化樹脂層を積層していく操作を繰り返すことによって、硬化樹脂(樹脂硬化物)によって構成された立体的な造形物を得る方法を意味する。このような方法は、複雑な立体形状の造形物を簡便かつ迅速に得ることができるという利点がある。従って、目封止部形成用部材が複雑な立体形状(例えば、セル形状、隔壁厚さ、セル密度等が一様ではなく、歪みを生じている場合等)であったとしても、これを簡便かつ迅速に得ることが可能である。
【0042】
本明細書にいう「光硬化性樹脂」とは、光照射により反応し、架橋構造を形成し得るオリゴマーやモノマー等(いわゆるプレポリマー)の他、モノマーやオリゴマーと、光を吸収して活性化(励起)する光重合開始剤との混合物も含まれる。例えば、不飽和ポリエステル系樹脂等のラジカル重合型光硬化性樹脂やエポキシ系樹脂等のカチオン重合型光硬化性樹脂のオリゴマーが挙げられる。
【0043】
取得した画像データに基づいて、目封止部形成用部材を作製する方法としては、例えば、以下に掲げるような方法が挙げられる。
【0044】
まず、CCDカメラやX線CTスキャナーにより、ハニカム構造体の少なくとも端面(X線CTスキャナーの場合にはセルの内部形状等も含む)を撮像し、表面画像のデータを取得する。次いで、その表面画像データを二値化処理することにより、目封止開口部及び非目封止開口部の形状及び位置を特定する。
【0045】
そして、凹部や位置決めピンが、ハニカム構造体に対して正確な位置に適正な形状で形成されるように、目封止部形成用部材の立体形状データを作成し、更に、上記の立体形状データをCAD(computer-aided design)データに変換し、そのCADデータから目封止部形成用マスクの立体形状を多数層に断層してなる断層形状データ(スライスデータ)を作成する。
【0046】
上記のスライスデータに従って、未硬化の光硬化樹脂の表面に描画的に光照射することにより、その断層形状の硬化樹脂層を形成する。この際の照射光としては、光硬化性樹脂を硬化させ得る波長の紫外線や可視光線等を用いる。その後、新たな光硬化性樹脂を一層分だけ追加供給し、同様の光照射を再度行って先に形成された硬化樹脂層の上面にこれと連続する新たな硬化樹脂層を形成し、硬化樹脂層を積層していく操作を所定回数繰り返すことによって、硬化樹脂(樹脂硬化物)によって構成された目封止部形成用部材を作製する。
【0047】
現在では、紫外線レーザ等の光照射装置の他、光硬化性樹脂を供給する供給装置、光硬化性樹脂を貯留する貯留槽、光照射によって形成された硬化樹脂層を一層単位で昇降させ得る昇降装置等を備えた光造形装置が市販されている(例えば、SLA7000(商品名:(株)インクス製)等)。このような市販の光造形装置を用いることによって、より簡便かつ迅速に目封止部形成用部材を作製することが可能となる。
【0048】
(2)目封止ハニカム構造体の製造方法
本発明の製造方法においては、まず、上記の目封止部形成用部材の凹部に目封止部形成用スラリーを注入する。この目封止部形成用スラリーとしては、従来の製造方法と同様のものを用いることができる。例えば、セラミックからなる骨材粒子、分散媒(水等)の他、必要に応じ有機バインダ(ポリビニルアルコール、メチルセルロース等)、分散剤(特殊カルボン酸型高分子界面活性剤等)等の添加剤を加えて混合したものを好適に用いることができる。骨材粒子のセラミック種としては、ハニカム構造体と同一のセラミックを好適に用いることができる。
【0049】
目封止部形成用スラリーの粘度は5〜50Pa・sの範囲内に調整することが好ましく、10〜30Pa・sの範囲に調整することがより好ましい。スラリーの粘度が低すぎると、ヒケ欠陥が発生し易くなる傾向がある点において好ましくない。スラリーの粘度は、例えば、骨材原料粒子と分散媒(例えば、水等)との比率、或いは分散剤の量等によって調整することができる。
【0050】
この際、目封止部形成用部材として、凹部が底部に向かってその内径が次第に減少する形状(椀状、逆四角錘状等)を呈するものを用いると、ハニカム構造体の端面から突出する凸形状の目封止部を形成することができる点において好ましい。なお、凸形状の目封止部としては、例えば、図2に示すようなドーム状目封止部8A、図3に示すようなテント状目封止部8B、図4に示すような四角錘状目封止部8C等が挙げられる。
【0051】
次いで、目封止部形成用部材の表面に、その端面を当接させるようにハニカム構造体を載置し、目封止部形成用スラリーをハニカム構造体の目封止開口部の周縁に位置する隔壁の端面に付着させる。スラリーはその水分を多孔質のハニカム構造体に吸収されることによって乾燥が進行する。この現象により、スラリーはある程度固化し、強度が発現するとともに、ハニカム構造体に固着されるため、ハニカム構造体の端面上に、目封止部が形成される。目封止部形成用部材の凹部の表面に離型剤を塗布しておくと、形成された目封止部の目封止部形成用部材からの脱型が容易となるため好ましい。
【0052】
この際には、目封止部形成用部材として、多孔質体によって構成されているものを用い、目封止部形成用スラリーの分散媒を目封止部形成用部材に吸収させながら目封止部を形成することが好ましい。このような方法は、ハニカム構造体の他、目封止部形成用部材にも目封止部形成用スラリーの分散媒が吸収されるため、迅速に目封止部の形成を行うことができる他、目封止部の肉厚を均一にすることができ、目封止部の耐熱性を向上させるとともに、その熱容量を均一化するという効果を得ることができる。
【0053】
また、この際、目封止部形成用部材として、ハニカム構造体の端面における非目封止開口部に対応する位置に、セルに嵌合し得る位置決めピンが突設されたものを用い、位置決めピンをセルに嵌合させた状態で前記目封止部を形成することも好ましい。このような方法は、精細な目封止パターンであっても高い位置精度で目封止部を形成することができる点において好ましい。
【0054】
上記のようにハニカム構造体の一方の端面に目封止部を形成した後、目封止部形成用部材を取り外し、これと同様の工程をハニカム構造体の他方の端面についても行う。このように目封止部が形成されたハニカム構造体をスラリーに含有されるセラミック種に応じた条件で乾燥し、焼成することにより、目封止ハニカム構造体を得ることができる。スラリーによって形成された目封止部は、この乾燥・焼成の過程で完全に硬化し、DPF等のフィルタ用途で使用可能な強度を発現させることができる。
【0055】
なお、本発明の製造方法に用いる「ハニカム構造体」とは、例えば、図1(a)及び図1(b)に示すハニカム構造体6のように、多孔質体からなる隔壁2を有し、その隔壁2によって、流体の流路となる多数のセル4が区画・形成された構造体を意味する。このような条件を満たす限り、その構造や材質について特に制限はなく、従来公知のセラミックハニカム構造体であれば問題なく使用することができる。なお、本明細書にいう「ハニカム構造体」には、焼成体のみならず、未焼成の乾燥体(坏土の押出成形体に乾燥のみを施し、未だ焼成されていないもの)も含まれる。
【実施例】
【0056】
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限を受けるものではない。
【0057】
実施例、比較例において使用するハニカム構造体として、多孔質体からなる隔壁を有し、その隔壁によって、流体の流路となる多数のセルが区画・形成されたハニカム構造体を用意した。このハニカム構造体は、コージェライトからなり、端面形状が160mmφの円形、長さが200mmの円筒状であり、セル形状は1.17mm×1.17mmの四角形、隔壁厚さは300μm、セル密度は300個/平方インチのものであった。このハニカム構造体は、適当な粘度に調整した坏土を押出成形し、乾燥することにより製造した(未焼成のハニカム乾燥体)。
【0058】
なお、以下の実施例、比較例において、使用した目封止部形成用スラリーは全て、骨材粒子としてコージェライト粉末、バインダとしてメチルセルロース、分散剤として特殊カルボン酸型高分子界面活性剤を用い、これらを混合したものに、分散媒として水を加えて混合し、そのスラリー粘度を20Pa・sに調整したものとした。
【0059】
(実施例1)
実施例1では、図5に示す目封止部形成用部材21を用いてハニカム構造体6に目封止部8を形成する方法により、目封止ハニカム構造体1を製造した。
【0060】
目封止部形成用部材21は、以下のようにして作製した。まず、ハニカム構造体6の端面をCCDカメラにより撮像し、表面画像のデータを取得し、これを二値化処理することにより、セル4の目封止開口部及び非目封止開口部の形状及び位置を特定した。
【0061】
次いで、同じ表面画像データから、ハニカム構造体6のセル4の中心座標、セル密度(セル間ピッチ)を算出し、凹部25及び非凹部27が、ハニカム構造体6に対して正確な位置に適正な形状で形成されるように、目封止部形成用部材21の立体形状データを作成した。この立体形状データをCADデータ、更にスライスデータに変換し、このスライスデータに基づき光造形装置を用いて、硬化樹脂(樹脂硬化物)からなる目封止部形成用部材21を作製した。この際、光造形装置としては、SLA7000(商品名:(株)インクス製)を使用した。このようにして、平板状の基体23からなり、基体23の表面には、多数の凹部25が形成され、凹部25と非凹部27とが、全体として市松模様を構成するように、交互に配置された目封止部形成用部材21を得た。凹部25の形状は、平均値が1.77mm×1.77mmの正方形状の開口部を有し、その最大深さが2mmの椀状であった。
【0062】
目封止部形成用部材21の凹部25に目封止部形成用スラリー31を注入した後、その目封止部形成用部材21の表面に、その端面を当接させるようにハニカム構造体6を載置した。この状態において、目封止部形成用スラリー31はハニカム構造体6の目封止開口部の周縁に位置する隔壁2の端面に付着された。
【0063】
そして、目封止部形成用スラリー31を乾燥させ、目封止部8を形成した後、目封止部形成用部材21を取り外した。目封止部8の形状は、図2に示すようなドーム状となった。これを乾燥し、焼成することにより、ハニカム構造体6に目封止部8が形成された目封止ハニカム構造体1を製造した。
【0064】
(実施例2)
実施例2では、図5に示す目封止部形成用部材21に替えて、図6に示す形状の目封止部形成用部材33を用いて、目封止ハニカム構造体1を製造した。この目封止部形成用部材33は、実施例1で用いた目封止部形成用部材21の非凹部27に、底面が1.17mm×1.17mmの正方形状、高さが2mmのテーパ形状の位置決めピン29が突設されたものであり、実施例1に記載の方法に準じて作製した。位置決めピン29は、パーシャルセル(開口部が正方形状を呈していないセル:図1(a)の符号4c参照)を除いた全ての非目封止開口部に相当する数だけ突設した。実施例2では、目封止部形成用部材33の位置決めピン29をハニカム構造体6のセル4に嵌合させた状態で目封止部8を形成したことを除いては、実施例1に記載の方法に準じて目封止ハニカム構造体1を製造した。
【0065】
(実施例3)
実施例3では、図6に示す目封止部形成用部材33に替えて、図7に示す形状の目封止部形成用部材35を用いて、目封止ハニカム構造体1を製造した。この目封止部形成用部材35は、その形状は図3に示す目封止部形成用部材33と同一であるが、多孔質体から構成されたものであり、実施例1に記載の方法に準じて作製した。但し、光硬化性樹脂としては、硬化後に多孔質体の樹脂硬化物を形成する樹脂を使用した。また、実施例3では、目封止部形成用スラリー31の分散媒を目封止部形成用部材35に吸収させながら目封止部8を形成したことを除いては、実施例2に記載の方法に準じて目封止ハニカム構造体1を製造した。
【0066】
実施例1〜3の方法で製造した目封止ハニカム構造体については、形成された目封止部の肉厚の均一性、及び位置精度という観点から評価を行った。肉厚の均一性については、ドーム状の目封止部の頂部における肉厚と裾部における肉厚との肉厚差により評価した。位置精度については、設計上の形成位置と実際に目封止部が形成された位置との距離(ズレ)により評価した。その結果を表1及び図5〜図7に示す。
【0067】
【表1】

【0068】
(評価)
実施例1〜3のいずれの方法においても従来の方法では形成することが困難であった、ドーム状の目封止部を極めて容易に形成することができ、良好な結果を示した。但し、実施例1の方法の場合、図5及び表1に示すように、設計上の形成位置と実際に目封止部が形成された位置にズレがあり、目封止部形成の位置精度という点においては若干不十分なものであった。また、ドーム状の目封止部8の頂部における肉厚が1.1mm、裾部における肉厚が0.2〜0.3mm、その肉厚差が0.8〜0.9mmであり、目封止部の肉厚を均一に形成することは困難であった。
【0069】
これに対し、位置決めピンが突設された目封止部形成用部材を用いた実施例2の方法の場合、図6及び表1に示すように、設計上の形成位置と実際に目封止部が形成された位置に殆どズレはなく、目封止部形成の位置精度が改善された。一方、ドーム状の目封止部8の頂部における肉厚が1.0mm、裾部における肉厚が0.3mm、その肉厚差が0.7mmであり、目封止部の肉厚を均一に形成することは困難であった。
【0070】
更に、多孔質体によって構成された目封止部形成用部材を用いた実施例3の方法では、図7及び表1に示すように、設計上の形成位置と実際に目封止部が形成された位置に殆どズレはなく、この点については実施例2と同等であった。但し、ドーム状の目封止部8の頂部における肉厚が0.5mm、裾部における肉厚が0.3mm、その肉厚差が0.2mmであり、目封止部の肉厚の均一性が顕著に向上した。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明の目封止ハニカム構造体の製造方法は、集塵用フィルタの濾材として好適に用いられる、セルのいずれかの開口部を目封止する目封止部を備えた目封止ハニカム構造体の製造、特に、ドーム状をはじめとする凸形状の目封止部を備えた目封止ハニカム構造体の製造に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】従来の目封止ハニカム構造体の一の実施形態を示す模式図であり、図1(a)は出口側端面方向から見た正面図、図1(b)は図1(a)のA−A’断面図である。
【図2】凸形状の目封止部の一の実施形態を模式的に示す斜視図である。
【図3】凸形状の目封止部の別の実施形態を模式的に示す斜視図である。
【図4】凸形状の目封止部の更に別の実施形態を模式的に示す斜視図である。
【図5】本発明の目封止ハニカム構造体の製造方法の一の実施例を模式的に示す工程図である。
【図6】本発明の目封止ハニカム構造体の製造方法の別の実施例を模式的に示す工程図である。
【図7】本発明の目封止ハニカム構造体の製造方法の更に別の実施例を模式的に示す工程図である。
【符号の説明】
【0073】
1…目封止ハニカム構造体、2…隔壁、4…セル、4a…流体供給セル、4b…流体排出セル、4c…パーシャルセル、6…ハニカム構造体、8…目封止部、8A…ドーム状目封止部、8B…テント状目封止部、8C…四角錘状目封止部、21,33,35…目封止部形成用部材、23…基体、25…凹部、27…非凹部、29…位置決めピン、31…目封止部形成用スラリー、B…入口側端面、C…出口側端面、G1…被処理ガス、G2…処理済ガス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質体からなる隔壁を有し、前記隔壁によって、流体の流路となる多数のセルが区画・形成されたハニカム構造体に、前記セルのいずれかの開口部を目封止する目封止部を形成するための目封止部形成用部材であって、
前記ハニカム構造体の端面と同等以上の面積を有する平板状の基体からなり、前記基体の表面には、目封止部形成用スラリーを貯留し得る多数の凹部が形成され、各凹部は、少なくとも前記セルの前記目封止部を形成すべき開口部(目封止開口部)に相当する面積を有し、形成すべき目封止部と相補的な立体的形状を呈するとともに、前記ハニカム構造体の端面における前記目封止開口部に対応する位置に配置されている目封止部形成用部材。
【請求項2】
前記凹部と非凹部とが、全体として市松模様を構成するように、交互に配置されている請求項1に記載の目封止部形成用部材。
【請求項3】
前記凹部が、底部に向かってその内径が次第に減少する形状を呈する請求項1又は2に記載の目封止部形成用部材。
【請求項4】
多孔質体によって構成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の目封止部形成用部材。
【請求項5】
光硬化性樹脂由来の硬化樹脂(樹脂硬化物)によって構成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の目封止部形成用部材。
【請求項6】
前記ハニカム構造体の端面における前記セルの前記目封止部を形成しない開口部(非目封止開口部)に対応する位置に、前記セルに嵌合し得る位置決めピンが突設されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の目封止部形成用部材。
【請求項7】
多孔質体からなる隔壁を有し、前記隔壁によって、流体の流路となる多数のセルが区画・形成されたハニカム構造体に、前記セルのいずれかの開口部を目封止する目封止部を形成して目封止ハニカム構造体を得る目封止ハニカム構造体の製造方法であって、
請求項1に記載の目封止部形成用部材を用い、前記目封止部形成用部材の前記凹部に目封止部形成用スラリーを注入した後、前記目封止部形成用部材の表面に、その端面を当接させるように前記ハニカム構造体を載置し、前記目封止部形成用スラリーを前記目封止開口部の周縁に位置する前記隔壁の端面に付着させることにより、前記ハニカム構造体の端面上に、前記目封止部を形成する目封止ハニカム構造体の製造方法。
【請求項8】
前記目封止部形成用部材として、前記凹部が底部に向かってその内径が次第に減少する形状を呈するものを用い、前記ハニカム構造体の端面から突出する凸形状の目封止部を形成する請求項7に記載の目封止ハニカム構造体の製造方法。
【請求項9】
前記目封止部形成用部材として、多孔質体によって構成されているものを用い、前記目封止部形成用スラリーの分散媒を前記目封止部形成用部材に吸収させながら前記目封止部を形成する請求項7又は8に記載の目封止ハニカム構造体の製造方法。
【請求項10】
前記ハニカム構造体の少なくとも端面を撮像し、前記目封止開口部と前記セルの前記目封止部を形成しない開口部(非目封止開口部)の形状及び位置を特定し得る画像データを取得し、前記画像データに基づいて、下記光造形法により、光硬化性樹脂由来の硬化樹脂(樹脂硬化物)によって構成された目封止部形成用部材を作製し、その目封止部形成用部材を用いて、前記目封止部を形成する請求項7〜9のいずれか一項に記載の目封止ハニカム構造体の製造方法。
光造形法:光硬化性樹脂の表面に描画的な光照射を行って硬化樹脂層を形成した後、新たな光硬化性樹脂を供給し、同様の光照射を行って前記硬化樹脂層の上面に新たな硬化樹脂層を形成し、硬化樹脂層を積層していく操作を繰り返すことによって、硬化樹脂(樹脂硬化物)によって構成された立体的な造形物を得る方法
【請求項11】
前記目封止部形成用部材として、前記ハニカム構造体の端面における前記セルの前記目封止部を形成しない開口部(非目封止開口部)に対応する位置に、前記セルに嵌合し得る位置決めピンが突設されたものを用い、前記位置決めピンを前記セルに嵌合させた状態で前記目封止部を形成する請求項7〜10のいずれか一項に記載の目封止ハニカム構造体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−27206(P2006−27206A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−212706(P2004−212706)
【出願日】平成16年7月21日(2004.7.21)
【出願人】(000004064)日本碍子株式会社 (2,325)
【Fターム(参考)】