目標相関統合処理装置
【課題】 指揮統制するシステムにて、目標相関を統合処理する際、その処理対象は各情報源から収集した目標情報に対し、全目標の組合せとなる。従って、目標の増加による組合せ数の増大は複雑な計算を要する目標相関統合処理の処理負荷に影響を与えていた。
【解決手段】 指揮統制システムに接続し、指揮統制対象となる目標の情報源から目標情報を収集し、蓄積する目標情報収集器、目標情報収集器によって蓄積された目標情報より各目標情報を取得し、分布情報を生成する目標分布生成器、目標分布生成器によって生成された分布情報を取得し、その情報から各目標の速度相関判定器の対象目標組となる組合せを決定する目標組合せ抽出器、目標組合せ抽出器によって抽出された目標の組合せに対して、速度相関判定を実施する速度相関判定器により、総合的に相関の有無を判定する目標相関統合判定処理器の対象となる目標組合せを絞り込み、処理負荷を軽減する。
【解決手段】 指揮統制システムに接続し、指揮統制対象となる目標の情報源から目標情報を収集し、蓄積する目標情報収集器、目標情報収集器によって蓄積された目標情報より各目標情報を取得し、分布情報を生成する目標分布生成器、目標分布生成器によって生成された分布情報を取得し、その情報から各目標の速度相関判定器の対象目標組となる組合せを決定する目標組合せ抽出器、目標組合せ抽出器によって抽出された目標の組合せに対して、速度相関判定を実施する速度相関判定器により、総合的に相関の有無を判定する目標相関統合判定処理器の対象となる目標組合せを絞り込み、処理負荷を軽減する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組織の行動を指揮統制するシステム等において、目標相関統合処理を実施する際、情報源となるセンサ等から収集する膨大な目標情報を取り扱うため、処理負荷を軽減しつつ、処理を効果的に実施する目標相関統合処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、行動を指揮統制するシステム等は接続する多くの情報源から膨大な目標情報を収集し、かつリアルタイムに指揮統制を実施することが求められる。その中で行動を指揮統制する対象となる目標情報の生成処理ともいえる目標相関統合処理の重要性は高く、多くの組織から収集する目標情報に対してリアルタイム性を実現するためには、処理負荷の軽減を図る必要がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平10−115678号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
組織の行動を指揮統制するシステム等において目標相関統合処理を実施する際、その処理対象は各情報源から収集した目標情報に対して、全ての目標の組合せとなる。従って、目標の増加による組合せ数の著しい増大に伴い複雑な計算を要する目標相関統合処理負荷に影響を与えるという課題がある。
【0005】
これは確実に相関関係のない目標の組合せに対して、不要な目標相関統合処理を実施しているためである。
本発明は、上記の様な課題を解決するためになされたものであり、各目標に対して、その組合せとなる真値ではない目標を抽出し、目標相関統合処理において不要な組合せを排除し、処理負荷の軽減する様にした目標相関統合処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る目標相関統合処理装置は、目標情報を収集し蓄積する目標情報収集器と、
この目標情報収集器で蓄積される目標情報より各目標の情報を取得し、速度諸元のX成分及びY成分を軸とする2次元平面について、各目標の相関処理をするための一定の閾値で2次元平面を格子上に分割する分布図に対し、各目標が何れの格子上に分布しているかを判定する目標分布生成器と、この目標分布生成器により分別される目標の分布情報から、各目標の速度相関を判定する際の対象目標組となる組合せを決定する目標組合せ抽出器と、この目標組合せ抽出器により抽出される目標の組合せに対して、分布図を形成する速度諸元に基づく座標および抽出する目標の組合せの各目標情報により、速度相関判定を実施する速度相関判定器と、この速度相関判定器により速度相関が有ると判定された目標組に対して、位置、速度等の運動諸元、或いは追尾状態等の目標情報より、相関の有無を判定する目標相関統合判定処理器とを備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、実目標の航跡に値する真値である目標全てに対して、その組合せとなる真値ではない目標を抽出し、目標相関統合処理の不要な組合せ(確実に相関関係のない組合せ)を排除することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1における目標相関統合処理装置について、図1〜図9を用いて、説明する。
【0009】
図1は、本実施例の目標相関統合処理装置の全体構成図を示した図である。
本実施の形態1の目標相関統合処理装置は、指揮統制システムに接続し、指揮統制の対象となる目標の情報源となるセンサ等から目標情報を収集し、蓄積する機能を有する目標情報収集器1、目標情報収集器1によって蓄積された目標情報より各目標の情報を取得し、速度諸元のX成分及びY成分を軸とする2次元平面図あるいはX成分、Y成分及びZ成分を軸とする3次元空間図を目標相関統合処理の組合せとなる一定の閾値で平面あるいは空間を格子上に分割した分布図に対して、取得した目標がどの格子上に分布しているかを判定する機能を有する目標分布生成器2、目標分布生成器2によって分別された目標の分布情報を取得し、その情報から各目標の速度相関判定器4の対象目標組となる組合せを決定する機能を有する目標組合せ抽出器3、目標組合せ抽出器3によって抽出された目標の組合せに対して、分布図を形成している速度諸元に基づく座標と抽出した目標の組合せの各目標情報より、速度相関判定(速度成分のみに注視し相関の有無を判定する判定処理)を実施する機能を有する速度相関判定器4、速度相関判定器4によって速度相関が有ると判定された目標組に対して運動諸元(位置、速度)、属性諸元(センサ追尾状態、類別、識別、機数、組織の行動状況等)等の目標情報より総合的に相関の有無を判定する従来の機能を有する目標相関統合判定処理器5で構成される。
【0010】
図1に示した目標情報収集器1は、指揮統制の対象となる目標の情報源となるセンサから目標情報を収集し、自指揮統制システム基準となる単位へ目標情報を変換し、目標情報を蓄積する。この変換処理は目標分布生成器2で用いる分布図の原点を自指揮統制システム基準とするために必要となる。
【0011】
図2は、目標分布生成器2で用いる速度諸元のX成分及びY成分を軸とする2次元平面図を目標相関統合処理の組合せとなる閾値で平面図を格子上に分割したものを示す図である。
【0012】
図3は、目標分布生成器2で用いる速度諸元のX成分、Y成分及びZ成分を軸とする3次元空間を目標相関統合処理の組合せとなる閾値で3次元空間を格子上に分割したものを示す図である。図2及び図3において、目標相関統合処理の組合せとなる閾値をRとして示す。閾値Rは相関関係があると判断される目標の組合せの速度諸元における差異の限界値を示すものである。図2及び図3で示した格子上に分割する領域は、指揮統制システムが監視する領域全体である。
【0013】
目標分布生成器2は図2あるいは図3の示す分布図に対して、目標情報収集器1によって蓄積された目標情報より1目標ずつ取得し、その目標の各速度成分から平面図あるいは空間図のどの格子上に存在するかを判定するものである。
【0014】
目標分布生成器2における動作例を図4を用いて説明する。図4は、図2で示した平面図を用いた場合の動作例である。目標6−1は速度X成分が正、速度Y成分も正であり、それぞれ成分の大きさがR以上2R以下、R以上2R以下であることとすれば、図4に示す格子上に存在する。
【0015】
同様に、目標6−2は速度X成分が正、速度Y成分が負であり、それぞれの成分の大きさが4R以上5R以下、−R以上0以下であることとし、目標6−3は速度X成分が負、速度Y成分が正であり、それぞれの成分の大きさが−R以上0以下、0以上R以下であることとし、目標6−4は速度X成分が負、速度Y成分も負であり、それぞれの成分の大きさが−4R以上−3R以下、−3R以上−2R以下であることとすれば、同じように図4に示す格子上に存在する。この処理を目標情報収集器1によって蓄積された目標情報すべてに対して実施する。
【0016】
目標分布生成器2において、図3で示した3次元空間図を用いた場合でも、前記に示した動作例と同様に、さらに速度Z成分を考慮し、3次元空間図のどの格子上に存在するかを判定する。
【0017】
目標組合せ抽出器3は目標分布生成器2によって分別された目標の分布情報より、速度相関判定器4の処理対象目標組となる組合せを決定するものである。組合せの抽出方法は目標分布生成器2において図2に示した2次元平面図を用いて目標の分布情報を生成した場合、任意の格子上に存在する目標に対して、同一の格子上に存在する目標とその任意の格子周辺8方位の格子上に存在する目標が組合せとなる。目標分布生成器2において、図3に示した3次元空間図を用いて目標の分布情報を生成した場合、任意の格子上に存在する目標に対して、同一の格子上に存在する目標とその任意の格子周辺26方位の格子上に存在する目標が組合せとなる。
【0018】
目標組合せ抽出器3における動作例を図5を用いて説明する。図5は、目標分布生成器2において図2に示した2次元平面図を用いて目標の分布情報を生成した場合の動作例である。図5に示した目標6−1〜6−4は図4にて示した目標と同等のものである。また、目標6−1〜6−4はセンサAから収集した目標とする。図5に示した目標7−1〜7−15も目標情報収集器1によって蓄積された目標情報であり、目標分布生成器2によって、判別された目標であるとする。
【0019】
ただし、目標7−1〜7−15はセンサBから収集した目標とする。速度相関判定器4の対象目標組となる組合せは目標6−1〜6−4の目標と目標7−1〜7−15の目標の組合せから成る。以上より、図5に示すように、目標6−1の組合せとなる目標は目標6−1が存在している格子上とその格子周辺8方位の格子上に存在する目標であることから、目標7−1、目標7−8及び目標7−9である。
ここで、センサAおよびセンサBは、略同一領域を監視して情報収集しており、実施の形態1ではセンサAとセンサBの2センサの事例を記述しているが、センサ数が勿論3以上であっても同様である。
【0020】
同様に、目標6−2の組合せとなる目標は目標7−2、目標7−3、目標7−4及び目標7−5である。目標6−3の組合せとなる目標は目標7−7、目標7−8、目標7−9、目標7−10及び目標7−11である。目標6−4の組合せとなる目標は目標7−12、目標7−13、目標7−14及び目標7−15である。このようにして、センサAの目標全てに対して、その組合せとなるセンサBの目標を抽出する。
【0021】
図5に示した2次元空間図は先に記したように、相関関係があると判断される目標の組合せの速度諸元における差異の限界値を示した閾値Rによって格子上に分割されており、その格子単位で目標の組合せを抽出することから、目標相関統合処理の不要な組合せ(確実に相関関係のない組合せ)を排除することが目標組合せ抽出器3によって可能となる。
【0022】
速度相関判定器4は目標組合せ抽出器3によって抽出された目標の組合せに対して、分布図を形成している速度諸元に基づく座標と抽出した目標の組合せの各速度成分より、速度相関判定(速度成分のみに注視し相関の有無を判定する判定処理)を実施するものである。
【0023】
速度相関判定器4における動作例を図6〜図9を用いて説明する。図6は、目標組合せ抽出器3によって抽出された目標の組合せの内、目標6−1とその組合せである目標のみを抜粋した図である。図6において、目標6−1、目標7−1、目標7−8及び目標7−9はいずれも速度X成分が正、速度Y成分も正の格子上に存在することから速度相関判定器4はいずれの目標の組合せも速度相関は有るものと判定し、目標相関統合判定処理器5の処理対象目標組合せとなる。
【0024】
図7は、目標組合せ抽出器3によって抽出された目標の組合せの内、目標6−2とその組合せである目標のみを抜粋した図である。図7において目標6−2、目標7−4及び目標7−5は速度X成分が正、速度Y成分が負の格子上に存在し、目標7−2及び目標7−3は速度X成分が正、速度Y成分も正の格子上に存在している。
これより、目標6−2に対して、目標7−2及び目標7−3は速度Y成分のベクトルが異なることから、速度相関判定器4は速度相関がないものと判定する。目標6−2に対して目標7−4及び目標7−5はいずれの目標の組合せも速度相関はあるものと判定し、目標相関統合判定処理器5の処理対象組合せとなる。
【0025】
図8は、目標組合せ抽出器3によって抽出された目標の組合せの内、目標6−3とその組合せである目標のみを抜粋した図である。
【0026】
図8において、目標6−3及び目標7−11は速度X成分が負、速度Y成分が正の格子上に存在し、目標7−8及び目標7−9は速度X成分が正、速度Y成分が正の格子上に存在し、目標7−7は速度X成分が正、速度Y成分が負の格子上に存在し、目標7−10は速度X成分が負、速度Y成分も負の格子上に存在している。
これより、目標6−3に対して、目標7−7〜目標7−10はいずれかの速度成分のベクトルが異なることから、速度相関判定器4は速度相関がないものと判定する。目標6−3に対しては目標7−11のみが速度相関があるものと判定し、目標相関統合判定処理5の処理対象組合せとなる。
【0027】
図9は、目標組合せ抽出器3によって抽出された目標の組合せの内、目標6−4とその組合せである目標のみを抜粋した図である。図9において目標6−4、目標7−12〜目標7−15はいずれも速度X成分が負、速度Y成分も負の格子上に存在することから速度相関判定器4はいずの目標の組合せも速度相関は有るものと判定し、目標相関統合判定処理器5の処理対象目標組合せとなる。
このようにして、目標組合せ抽出器3によって抽出された目標の組合せ全てに対して実施し、目標の組合せの絞り込みを実施する。
【0028】
実施の形態1によれば、実目標の航跡に値する真値である目標全てに対して、その組合せとなる真値ではない目標を抽出し、目標相関統合処理の不要な組合せ(確実に相関関係のない組合せ)を排除することが可能となる。
【0029】
実施の形態2.
以下、本発明の実施の形態2における目標相関統合処理装置について、図10〜図14を用いて、説明する。
【0030】
図10は、本実施例の目標相関統合処理装置の全体構成図を示した図である。
本実施例の目標相関統合処理装置は、指揮統制システムに接続し、指揮統制の対象となる目標の情報源となるセンサから目標情報を収集し、蓄積する機能を有する目標情報収集器1、目標情報収集器1によって蓄積された目標情報より各目標の情報を取得し、速度諸元のX成分及びY成分を軸とする2次元平面図あるいはX成分、Y成分及びZ成分を軸とする3次元空間図をに対して、取得した目標がどこに分布しているかを判定する機能を有する目標分布生成器2、目標分布生成器2によって分別された目標の分布情報を取得し、その情報から各目標の目標相関統合判定処理器5の対象目標組となる組合せを決定する機能を有する目標組合せ抽出器3、目標組合せ抽出器3によって抽出された目標組に対して運動諸元(位置、速度)、属性諸元(センサ追尾状態、類別、識別、機数、行動状況等)等の目標情報より総合的に相関の有無を判定する従来の機能を有する目標相関統合判定処理器5で構成される。
【0031】
図10に示した目標情報収集器1は、実施の形態1の図1に示した目標情報収集器と同様である。
【0032】
図11は、目標分布生成器2で用いる速度諸元のX成分及びY成分を軸とする2次元平面図を示す図である。図12は、目標分布生成器2で用いる速度諸元のX成分、Y成分及びZ成分を軸とする3次元空間を示す図である。図11及び図12で示した領域は、指揮統制システムが監視する領域全体である。
【0033】
目標分布生成器2は、図11あるいは図12の示す分布図に対して、目標情報収集器1によって蓄積された目標情報より1目標ずつ取得し、その目標の各速度成分から平面図あるいは空間図のどこに存在するかを判定するものである。
【0034】
目標分布生成器2における動作例について、図13を用いて説明する。図13は、図11で示した平面図を用いた場合の動作例である。目標6−1は各速度成分がある大きさを持ち、速度X成分が正、速度Y成分も正であることとすれば、図13に示す位置に存在する。同様に目標6−2は速度X成分が正、速度Y成分が負であることとし、目標6−3は速度X成分が負、速度Y成分が正であることとし、目標6−4は速度X成分が負、速度Y成分も負であることとすれば、図13に示す位置に存在する。この処理を目標情報収集器1によって蓄積された目標情報すべてに対して実施する。
【0035】
目標分布生成器2において、図12で示した3次元空間図を用いた場合でも、前記に示した動作例と同様に、さらに速度Z成分を考慮し、3次元空間図のどこに存在するかを判定する。
【0036】
目標組合せ抽出器3は、目標分布生成器2によって分別された目標の分布情報より、目標相関統合判定処理器5の処理対象目標組となる組合せを決定するものである。組合せの抽出方法は目標分布生成器2において図11に示した2次元平面図を用いて目標の分布情報を生成した場合、目標を中心とし、半径を目標相関統合処理の組合せとなる閾値をRとした円内に存在する目標が組合せとなる。
【0037】
目標分布生成器2において、図12に示した3次元空間図を用いて目標の分布情報を生成した場合、各目標を中心とし、半径を目標相関統合処理の組合せとなる閾値をRとした球内に存在する目標が組合せとなる。閾値Rは相関関係があると判断される目標の組合せの速度諸元における差異の限界値を示すものである。
【0038】
目標組合せ抽出器3における動作例を図14を用いて説明する。図14は、目標分布生成器2において図11に示した2次元平面図を用いて目標の分布情報を生成した場合の動作例である。図14に示した目標6−1〜6−4は図13にて示した目標と同等のものである。また、目標6−1〜6−4は実目標の航跡に値する真値である目標とする。図13に示した目標7−1〜7−15も目標情報収集器1によって蓄積された目標情報であり、目標分布生成器2によって、判別された目標であるとする。
ただし、目標7−1〜7−15は真値ではない目標とする。目標相関統合判定処理器5の対象目標組となる組合せは目標6−1〜6−4の実目標の航跡に値する真値である目標と目標7−1〜7−15の真値ではない目標の組合せから成る。
【0039】
以上より、図14に示すように、目標6−1の組合せとなる目標は目標6−1を中心とし、半径Rとした円内に存在する目標であることから、目標7−1、目標7−8及び目標7−9である。同様に、目標6−2の組合せとなる目標は目標7−2、目標7−3、目標7−4及び目標7−5である。目標6−3の組合せとなる目標は目標7−7、目標7−8、目標7−9、目標7−10及び目標7−11である。目標6−4の組合せとなる目標は目標7−12、目標7−13、目標7−14及び目標7−15である。
【0040】
実施の形態2によれば、実目標の航跡に値する真値である目標全てに対して、その組合せとなる真値ではない目標を抽出し、目標相関統合処理の不要な組合せ(確実に相関関係のない組合せ)を排除することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施の形態1による目標相関統合処理装置の全体構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1による目標相関統合処理装置の目標分布生成器2で使用する2次元平面図である。
【図3】本発明の実施の形態1による目標相関統合処理装置の目標分布生成器2で使用する3次元空間図である。
【図4】本発明の実施の形態1による目標相関統合処理装置の目標分布生成器2の動作例である。
【図5】本発明の実施の形態1による目標相関統合処理装置の目標組合せ抽出器3の動作例である。
【図6】本発明の実施の形態1による目標相関統合処理装置の目標6−1とその組合せ目標に対する速度相関判定器4の動作例である。
【図7】本発明の実施の形態1による目標相関統合処理装置の目標6−2とその組合せ目標に対する速度相関判定器4の動作例である。
【図8】本発明の実施の形態1による目標相関統合処理装置の目標6−3とその組合せ目標に対する速度相関判定器4の動作例である。
【図9】本発明の実施の形態1による目標相関統合処理装置の目標6−4とその組合せ目標に対する速度相関判定器4の動作例である。
【図10】本発明の実施の形態2による目標相関統合処理装置の全体構成図である。
【図11】本発明の実施の形態2による目標相関統合処理装置の目標分布生成器2で使用する2次元平面図である。
【図12】本発明の実施の形態2による目標相関統合処理装置の目標分布生成器2で使用する3次元空間図である。
【図13】本発明の実施の形態2による目標相関統合処理装置の目標分布生成器2の動作例である。
【図14】本発明の実施の形態2による目標相関統合処理装置の目標組合せ抽出器3の動作例である。
【符号の説明】
【0042】
1…目標情報収集器、2…目標分布生成器、3…目標組合せ抽出器、4…速度相関判定器、5…目標相関統合判定処理器、6−1〜6−4…センサA探知目標、7−1〜7−15…センサB探知目標。
【技術分野】
【0001】
本発明は、組織の行動を指揮統制するシステム等において、目標相関統合処理を実施する際、情報源となるセンサ等から収集する膨大な目標情報を取り扱うため、処理負荷を軽減しつつ、処理を効果的に実施する目標相関統合処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、行動を指揮統制するシステム等は接続する多くの情報源から膨大な目標情報を収集し、かつリアルタイムに指揮統制を実施することが求められる。その中で行動を指揮統制する対象となる目標情報の生成処理ともいえる目標相関統合処理の重要性は高く、多くの組織から収集する目標情報に対してリアルタイム性を実現するためには、処理負荷の軽減を図る必要がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平10−115678号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
組織の行動を指揮統制するシステム等において目標相関統合処理を実施する際、その処理対象は各情報源から収集した目標情報に対して、全ての目標の組合せとなる。従って、目標の増加による組合せ数の著しい増大に伴い複雑な計算を要する目標相関統合処理負荷に影響を与えるという課題がある。
【0005】
これは確実に相関関係のない目標の組合せに対して、不要な目標相関統合処理を実施しているためである。
本発明は、上記の様な課題を解決するためになされたものであり、各目標に対して、その組合せとなる真値ではない目標を抽出し、目標相関統合処理において不要な組合せを排除し、処理負荷の軽減する様にした目標相関統合処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る目標相関統合処理装置は、目標情報を収集し蓄積する目標情報収集器と、
この目標情報収集器で蓄積される目標情報より各目標の情報を取得し、速度諸元のX成分及びY成分を軸とする2次元平面について、各目標の相関処理をするための一定の閾値で2次元平面を格子上に分割する分布図に対し、各目標が何れの格子上に分布しているかを判定する目標分布生成器と、この目標分布生成器により分別される目標の分布情報から、各目標の速度相関を判定する際の対象目標組となる組合せを決定する目標組合せ抽出器と、この目標組合せ抽出器により抽出される目標の組合せに対して、分布図を形成する速度諸元に基づく座標および抽出する目標の組合せの各目標情報により、速度相関判定を実施する速度相関判定器と、この速度相関判定器により速度相関が有ると判定された目標組に対して、位置、速度等の運動諸元、或いは追尾状態等の目標情報より、相関の有無を判定する目標相関統合判定処理器とを備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、実目標の航跡に値する真値である目標全てに対して、その組合せとなる真値ではない目標を抽出し、目標相関統合処理の不要な組合せ(確実に相関関係のない組合せ)を排除することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1における目標相関統合処理装置について、図1〜図9を用いて、説明する。
【0009】
図1は、本実施例の目標相関統合処理装置の全体構成図を示した図である。
本実施の形態1の目標相関統合処理装置は、指揮統制システムに接続し、指揮統制の対象となる目標の情報源となるセンサ等から目標情報を収集し、蓄積する機能を有する目標情報収集器1、目標情報収集器1によって蓄積された目標情報より各目標の情報を取得し、速度諸元のX成分及びY成分を軸とする2次元平面図あるいはX成分、Y成分及びZ成分を軸とする3次元空間図を目標相関統合処理の組合せとなる一定の閾値で平面あるいは空間を格子上に分割した分布図に対して、取得した目標がどの格子上に分布しているかを判定する機能を有する目標分布生成器2、目標分布生成器2によって分別された目標の分布情報を取得し、その情報から各目標の速度相関判定器4の対象目標組となる組合せを決定する機能を有する目標組合せ抽出器3、目標組合せ抽出器3によって抽出された目標の組合せに対して、分布図を形成している速度諸元に基づく座標と抽出した目標の組合せの各目標情報より、速度相関判定(速度成分のみに注視し相関の有無を判定する判定処理)を実施する機能を有する速度相関判定器4、速度相関判定器4によって速度相関が有ると判定された目標組に対して運動諸元(位置、速度)、属性諸元(センサ追尾状態、類別、識別、機数、組織の行動状況等)等の目標情報より総合的に相関の有無を判定する従来の機能を有する目標相関統合判定処理器5で構成される。
【0010】
図1に示した目標情報収集器1は、指揮統制の対象となる目標の情報源となるセンサから目標情報を収集し、自指揮統制システム基準となる単位へ目標情報を変換し、目標情報を蓄積する。この変換処理は目標分布生成器2で用いる分布図の原点を自指揮統制システム基準とするために必要となる。
【0011】
図2は、目標分布生成器2で用いる速度諸元のX成分及びY成分を軸とする2次元平面図を目標相関統合処理の組合せとなる閾値で平面図を格子上に分割したものを示す図である。
【0012】
図3は、目標分布生成器2で用いる速度諸元のX成分、Y成分及びZ成分を軸とする3次元空間を目標相関統合処理の組合せとなる閾値で3次元空間を格子上に分割したものを示す図である。図2及び図3において、目標相関統合処理の組合せとなる閾値をRとして示す。閾値Rは相関関係があると判断される目標の組合せの速度諸元における差異の限界値を示すものである。図2及び図3で示した格子上に分割する領域は、指揮統制システムが監視する領域全体である。
【0013】
目標分布生成器2は図2あるいは図3の示す分布図に対して、目標情報収集器1によって蓄積された目標情報より1目標ずつ取得し、その目標の各速度成分から平面図あるいは空間図のどの格子上に存在するかを判定するものである。
【0014】
目標分布生成器2における動作例を図4を用いて説明する。図4は、図2で示した平面図を用いた場合の動作例である。目標6−1は速度X成分が正、速度Y成分も正であり、それぞれ成分の大きさがR以上2R以下、R以上2R以下であることとすれば、図4に示す格子上に存在する。
【0015】
同様に、目標6−2は速度X成分が正、速度Y成分が負であり、それぞれの成分の大きさが4R以上5R以下、−R以上0以下であることとし、目標6−3は速度X成分が負、速度Y成分が正であり、それぞれの成分の大きさが−R以上0以下、0以上R以下であることとし、目標6−4は速度X成分が負、速度Y成分も負であり、それぞれの成分の大きさが−4R以上−3R以下、−3R以上−2R以下であることとすれば、同じように図4に示す格子上に存在する。この処理を目標情報収集器1によって蓄積された目標情報すべてに対して実施する。
【0016】
目標分布生成器2において、図3で示した3次元空間図を用いた場合でも、前記に示した動作例と同様に、さらに速度Z成分を考慮し、3次元空間図のどの格子上に存在するかを判定する。
【0017】
目標組合せ抽出器3は目標分布生成器2によって分別された目標の分布情報より、速度相関判定器4の処理対象目標組となる組合せを決定するものである。組合せの抽出方法は目標分布生成器2において図2に示した2次元平面図を用いて目標の分布情報を生成した場合、任意の格子上に存在する目標に対して、同一の格子上に存在する目標とその任意の格子周辺8方位の格子上に存在する目標が組合せとなる。目標分布生成器2において、図3に示した3次元空間図を用いて目標の分布情報を生成した場合、任意の格子上に存在する目標に対して、同一の格子上に存在する目標とその任意の格子周辺26方位の格子上に存在する目標が組合せとなる。
【0018】
目標組合せ抽出器3における動作例を図5を用いて説明する。図5は、目標分布生成器2において図2に示した2次元平面図を用いて目標の分布情報を生成した場合の動作例である。図5に示した目標6−1〜6−4は図4にて示した目標と同等のものである。また、目標6−1〜6−4はセンサAから収集した目標とする。図5に示した目標7−1〜7−15も目標情報収集器1によって蓄積された目標情報であり、目標分布生成器2によって、判別された目標であるとする。
【0019】
ただし、目標7−1〜7−15はセンサBから収集した目標とする。速度相関判定器4の対象目標組となる組合せは目標6−1〜6−4の目標と目標7−1〜7−15の目標の組合せから成る。以上より、図5に示すように、目標6−1の組合せとなる目標は目標6−1が存在している格子上とその格子周辺8方位の格子上に存在する目標であることから、目標7−1、目標7−8及び目標7−9である。
ここで、センサAおよびセンサBは、略同一領域を監視して情報収集しており、実施の形態1ではセンサAとセンサBの2センサの事例を記述しているが、センサ数が勿論3以上であっても同様である。
【0020】
同様に、目標6−2の組合せとなる目標は目標7−2、目標7−3、目標7−4及び目標7−5である。目標6−3の組合せとなる目標は目標7−7、目標7−8、目標7−9、目標7−10及び目標7−11である。目標6−4の組合せとなる目標は目標7−12、目標7−13、目標7−14及び目標7−15である。このようにして、センサAの目標全てに対して、その組合せとなるセンサBの目標を抽出する。
【0021】
図5に示した2次元空間図は先に記したように、相関関係があると判断される目標の組合せの速度諸元における差異の限界値を示した閾値Rによって格子上に分割されており、その格子単位で目標の組合せを抽出することから、目標相関統合処理の不要な組合せ(確実に相関関係のない組合せ)を排除することが目標組合せ抽出器3によって可能となる。
【0022】
速度相関判定器4は目標組合せ抽出器3によって抽出された目標の組合せに対して、分布図を形成している速度諸元に基づく座標と抽出した目標の組合せの各速度成分より、速度相関判定(速度成分のみに注視し相関の有無を判定する判定処理)を実施するものである。
【0023】
速度相関判定器4における動作例を図6〜図9を用いて説明する。図6は、目標組合せ抽出器3によって抽出された目標の組合せの内、目標6−1とその組合せである目標のみを抜粋した図である。図6において、目標6−1、目標7−1、目標7−8及び目標7−9はいずれも速度X成分が正、速度Y成分も正の格子上に存在することから速度相関判定器4はいずれの目標の組合せも速度相関は有るものと判定し、目標相関統合判定処理器5の処理対象目標組合せとなる。
【0024】
図7は、目標組合せ抽出器3によって抽出された目標の組合せの内、目標6−2とその組合せである目標のみを抜粋した図である。図7において目標6−2、目標7−4及び目標7−5は速度X成分が正、速度Y成分が負の格子上に存在し、目標7−2及び目標7−3は速度X成分が正、速度Y成分も正の格子上に存在している。
これより、目標6−2に対して、目標7−2及び目標7−3は速度Y成分のベクトルが異なることから、速度相関判定器4は速度相関がないものと判定する。目標6−2に対して目標7−4及び目標7−5はいずれの目標の組合せも速度相関はあるものと判定し、目標相関統合判定処理器5の処理対象組合せとなる。
【0025】
図8は、目標組合せ抽出器3によって抽出された目標の組合せの内、目標6−3とその組合せである目標のみを抜粋した図である。
【0026】
図8において、目標6−3及び目標7−11は速度X成分が負、速度Y成分が正の格子上に存在し、目標7−8及び目標7−9は速度X成分が正、速度Y成分が正の格子上に存在し、目標7−7は速度X成分が正、速度Y成分が負の格子上に存在し、目標7−10は速度X成分が負、速度Y成分も負の格子上に存在している。
これより、目標6−3に対して、目標7−7〜目標7−10はいずれかの速度成分のベクトルが異なることから、速度相関判定器4は速度相関がないものと判定する。目標6−3に対しては目標7−11のみが速度相関があるものと判定し、目標相関統合判定処理5の処理対象組合せとなる。
【0027】
図9は、目標組合せ抽出器3によって抽出された目標の組合せの内、目標6−4とその組合せである目標のみを抜粋した図である。図9において目標6−4、目標7−12〜目標7−15はいずれも速度X成分が負、速度Y成分も負の格子上に存在することから速度相関判定器4はいずの目標の組合せも速度相関は有るものと判定し、目標相関統合判定処理器5の処理対象目標組合せとなる。
このようにして、目標組合せ抽出器3によって抽出された目標の組合せ全てに対して実施し、目標の組合せの絞り込みを実施する。
【0028】
実施の形態1によれば、実目標の航跡に値する真値である目標全てに対して、その組合せとなる真値ではない目標を抽出し、目標相関統合処理の不要な組合せ(確実に相関関係のない組合せ)を排除することが可能となる。
【0029】
実施の形態2.
以下、本発明の実施の形態2における目標相関統合処理装置について、図10〜図14を用いて、説明する。
【0030】
図10は、本実施例の目標相関統合処理装置の全体構成図を示した図である。
本実施例の目標相関統合処理装置は、指揮統制システムに接続し、指揮統制の対象となる目標の情報源となるセンサから目標情報を収集し、蓄積する機能を有する目標情報収集器1、目標情報収集器1によって蓄積された目標情報より各目標の情報を取得し、速度諸元のX成分及びY成分を軸とする2次元平面図あるいはX成分、Y成分及びZ成分を軸とする3次元空間図をに対して、取得した目標がどこに分布しているかを判定する機能を有する目標分布生成器2、目標分布生成器2によって分別された目標の分布情報を取得し、その情報から各目標の目標相関統合判定処理器5の対象目標組となる組合せを決定する機能を有する目標組合せ抽出器3、目標組合せ抽出器3によって抽出された目標組に対して運動諸元(位置、速度)、属性諸元(センサ追尾状態、類別、識別、機数、行動状況等)等の目標情報より総合的に相関の有無を判定する従来の機能を有する目標相関統合判定処理器5で構成される。
【0031】
図10に示した目標情報収集器1は、実施の形態1の図1に示した目標情報収集器と同様である。
【0032】
図11は、目標分布生成器2で用いる速度諸元のX成分及びY成分を軸とする2次元平面図を示す図である。図12は、目標分布生成器2で用いる速度諸元のX成分、Y成分及びZ成分を軸とする3次元空間を示す図である。図11及び図12で示した領域は、指揮統制システムが監視する領域全体である。
【0033】
目標分布生成器2は、図11あるいは図12の示す分布図に対して、目標情報収集器1によって蓄積された目標情報より1目標ずつ取得し、その目標の各速度成分から平面図あるいは空間図のどこに存在するかを判定するものである。
【0034】
目標分布生成器2における動作例について、図13を用いて説明する。図13は、図11で示した平面図を用いた場合の動作例である。目標6−1は各速度成分がある大きさを持ち、速度X成分が正、速度Y成分も正であることとすれば、図13に示す位置に存在する。同様に目標6−2は速度X成分が正、速度Y成分が負であることとし、目標6−3は速度X成分が負、速度Y成分が正であることとし、目標6−4は速度X成分が負、速度Y成分も負であることとすれば、図13に示す位置に存在する。この処理を目標情報収集器1によって蓄積された目標情報すべてに対して実施する。
【0035】
目標分布生成器2において、図12で示した3次元空間図を用いた場合でも、前記に示した動作例と同様に、さらに速度Z成分を考慮し、3次元空間図のどこに存在するかを判定する。
【0036】
目標組合せ抽出器3は、目標分布生成器2によって分別された目標の分布情報より、目標相関統合判定処理器5の処理対象目標組となる組合せを決定するものである。組合せの抽出方法は目標分布生成器2において図11に示した2次元平面図を用いて目標の分布情報を生成した場合、目標を中心とし、半径を目標相関統合処理の組合せとなる閾値をRとした円内に存在する目標が組合せとなる。
【0037】
目標分布生成器2において、図12に示した3次元空間図を用いて目標の分布情報を生成した場合、各目標を中心とし、半径を目標相関統合処理の組合せとなる閾値をRとした球内に存在する目標が組合せとなる。閾値Rは相関関係があると判断される目標の組合せの速度諸元における差異の限界値を示すものである。
【0038】
目標組合せ抽出器3における動作例を図14を用いて説明する。図14は、目標分布生成器2において図11に示した2次元平面図を用いて目標の分布情報を生成した場合の動作例である。図14に示した目標6−1〜6−4は図13にて示した目標と同等のものである。また、目標6−1〜6−4は実目標の航跡に値する真値である目標とする。図13に示した目標7−1〜7−15も目標情報収集器1によって蓄積された目標情報であり、目標分布生成器2によって、判別された目標であるとする。
ただし、目標7−1〜7−15は真値ではない目標とする。目標相関統合判定処理器5の対象目標組となる組合せは目標6−1〜6−4の実目標の航跡に値する真値である目標と目標7−1〜7−15の真値ではない目標の組合せから成る。
【0039】
以上より、図14に示すように、目標6−1の組合せとなる目標は目標6−1を中心とし、半径Rとした円内に存在する目標であることから、目標7−1、目標7−8及び目標7−9である。同様に、目標6−2の組合せとなる目標は目標7−2、目標7−3、目標7−4及び目標7−5である。目標6−3の組合せとなる目標は目標7−7、目標7−8、目標7−9、目標7−10及び目標7−11である。目標6−4の組合せとなる目標は目標7−12、目標7−13、目標7−14及び目標7−15である。
【0040】
実施の形態2によれば、実目標の航跡に値する真値である目標全てに対して、その組合せとなる真値ではない目標を抽出し、目標相関統合処理の不要な組合せ(確実に相関関係のない組合せ)を排除することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施の形態1による目標相関統合処理装置の全体構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1による目標相関統合処理装置の目標分布生成器2で使用する2次元平面図である。
【図3】本発明の実施の形態1による目標相関統合処理装置の目標分布生成器2で使用する3次元空間図である。
【図4】本発明の実施の形態1による目標相関統合処理装置の目標分布生成器2の動作例である。
【図5】本発明の実施の形態1による目標相関統合処理装置の目標組合せ抽出器3の動作例である。
【図6】本発明の実施の形態1による目標相関統合処理装置の目標6−1とその組合せ目標に対する速度相関判定器4の動作例である。
【図7】本発明の実施の形態1による目標相関統合処理装置の目標6−2とその組合せ目標に対する速度相関判定器4の動作例である。
【図8】本発明の実施の形態1による目標相関統合処理装置の目標6−3とその組合せ目標に対する速度相関判定器4の動作例である。
【図9】本発明の実施の形態1による目標相関統合処理装置の目標6−4とその組合せ目標に対する速度相関判定器4の動作例である。
【図10】本発明の実施の形態2による目標相関統合処理装置の全体構成図である。
【図11】本発明の実施の形態2による目標相関統合処理装置の目標分布生成器2で使用する2次元平面図である。
【図12】本発明の実施の形態2による目標相関統合処理装置の目標分布生成器2で使用する3次元空間図である。
【図13】本発明の実施の形態2による目標相関統合処理装置の目標分布生成器2の動作例である。
【図14】本発明の実施の形態2による目標相関統合処理装置の目標組合せ抽出器3の動作例である。
【符号の説明】
【0042】
1…目標情報収集器、2…目標分布生成器、3…目標組合せ抽出器、4…速度相関判定器、5…目標相関統合判定処理器、6−1〜6−4…センサA探知目標、7−1〜7−15…センサB探知目標。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
目標情報を収集し蓄積する目標情報収集器と、
この目標情報収集器で蓄積される目標情報より各目標の情報を取得し、速度諸元のX成分及びY成分を軸とする2次元平面について、各目標の相関処理をするための一定の閾値で2次元平面を格子上に分割する分布図に対し、各目標が何れの格子上に分布しているかを判定する目標分布生成器と、
この目標分布生成器により分別される目標の分布情報から、各目標の速度相関を判定する際の対象目標組となる組合せを決定する目標組合せ抽出器と、
この目標組合せ抽出器により抽出される目標の組合せに対して、分布図を形成する速度諸元に基づく座標および抽出する目標の組合せの各目標情報により、速度相関判定を実施する速度相関判定器と、
この速度相関判定器により速度相関が有ると判定された目標組に対して、位置、速度等の運動諸元、或いは追尾状態等の目標情報より、相関の有無を判定する目標相関統合判定処理器と、
を備え、上記目標情報に対する相関処理負荷を軽減する様にしたことを特徴とする目標相関統合処理装置。
【請求項2】
上記速度相関判定は、上記分布図において、当該目標の速度のX成分およびY成分が当該目標と同じ象限にある目標は相関があると判定する、請求項1記載の目標相関統合処理装置。
【請求項3】
上記分布図は、X成分、Y成分及びZ成分を軸とする3次元空間を目標相関統合処理の組合せとなる一定の閾値で空間を格子上に分割した分布図である、請求項1または2に記載の目標相関統合処理装置。
【請求項4】
目標情報を収集し蓄積する目標情報収集器と、
この目標情報収集器で蓄積される目標情報より各目標の情報を取得し、速度諸元のX成分及びY成分を軸とする2次元平面について、各目標の運動諸元のX成分及びY成分に基づいて分割する分布図に対し、各目標を中心として、各目標の相関処理をするための一定の閾値を半径とする円内に分布しているか否かを判定する目標分布生成器と、
この目標分布生成器により分別される目標の分布情報から、各目標の相関を判定する際の対象目標組となる組合せを決定する目標組合せ抽出器と、
この目標組合せ抽出器により抽出される目標組に対して、位置、速度等の運動諸元、或いは追尾状態等の目標情報より、相関の有無を判定する目標相関統合判定処理器と、
を備え、上記目標情報に対する相関処理負荷を軽減する様にしたことを特徴とする目標相関統合処理装置。
【請求項5】
上記相関判定は、上記分布図において、当該目標の運動諸元のX成分およびY成分が当該目標と同じ象限にある目標は相関があると判定する、請求項4記載の目標相関統合処理装置。
【請求項6】
上記分布図は、X成分、Y成分及びZ成分を軸とする3次元空間を目標相関統合処理の組合せとなる一定の閾値を半径とする球内空間内に分布した分布図である、請求項4又は5に記載の目標相関統合処理装置。
【請求項1】
目標情報を収集し蓄積する目標情報収集器と、
この目標情報収集器で蓄積される目標情報より各目標の情報を取得し、速度諸元のX成分及びY成分を軸とする2次元平面について、各目標の相関処理をするための一定の閾値で2次元平面を格子上に分割する分布図に対し、各目標が何れの格子上に分布しているかを判定する目標分布生成器と、
この目標分布生成器により分別される目標の分布情報から、各目標の速度相関を判定する際の対象目標組となる組合せを決定する目標組合せ抽出器と、
この目標組合せ抽出器により抽出される目標の組合せに対して、分布図を形成する速度諸元に基づく座標および抽出する目標の組合せの各目標情報により、速度相関判定を実施する速度相関判定器と、
この速度相関判定器により速度相関が有ると判定された目標組に対して、位置、速度等の運動諸元、或いは追尾状態等の目標情報より、相関の有無を判定する目標相関統合判定処理器と、
を備え、上記目標情報に対する相関処理負荷を軽減する様にしたことを特徴とする目標相関統合処理装置。
【請求項2】
上記速度相関判定は、上記分布図において、当該目標の速度のX成分およびY成分が当該目標と同じ象限にある目標は相関があると判定する、請求項1記載の目標相関統合処理装置。
【請求項3】
上記分布図は、X成分、Y成分及びZ成分を軸とする3次元空間を目標相関統合処理の組合せとなる一定の閾値で空間を格子上に分割した分布図である、請求項1または2に記載の目標相関統合処理装置。
【請求項4】
目標情報を収集し蓄積する目標情報収集器と、
この目標情報収集器で蓄積される目標情報より各目標の情報を取得し、速度諸元のX成分及びY成分を軸とする2次元平面について、各目標の運動諸元のX成分及びY成分に基づいて分割する分布図に対し、各目標を中心として、各目標の相関処理をするための一定の閾値を半径とする円内に分布しているか否かを判定する目標分布生成器と、
この目標分布生成器により分別される目標の分布情報から、各目標の相関を判定する際の対象目標組となる組合せを決定する目標組合せ抽出器と、
この目標組合せ抽出器により抽出される目標組に対して、位置、速度等の運動諸元、或いは追尾状態等の目標情報より、相関の有無を判定する目標相関統合判定処理器と、
を備え、上記目標情報に対する相関処理負荷を軽減する様にしたことを特徴とする目標相関統合処理装置。
【請求項5】
上記相関判定は、上記分布図において、当該目標の運動諸元のX成分およびY成分が当該目標と同じ象限にある目標は相関があると判定する、請求項4記載の目標相関統合処理装置。
【請求項6】
上記分布図は、X成分、Y成分及びZ成分を軸とする3次元空間を目標相関統合処理の組合せとなる一定の閾値を半径とする球内空間内に分布した分布図である、請求項4又は5に記載の目標相関統合処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−267876(P2008−267876A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−108434(P2007−108434)
【出願日】平成19年4月17日(2007.4.17)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月17日(2007.4.17)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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