説明

目隠しパネル構造体

【課題】 本発明は、目隠し機能と風圧力回避機能とを両立させることで、頻発する大型台風等による建物被害を低減することが出来る目隠しパネル構造体を提供することを可能にすることを目的としている。
【解決手段】 目隠しパネル7が所定の風圧を受けた際に、その風圧により目隠しパネル7の支持を解除する支持解除部と、該支持解除部により支持が解除された目隠しパネル7の脱落を防止する脱落防止部とを有して構成したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅の室外に設けられた腰壁部に取り付けられる目隠しパネル構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅の室外に設けられた腰壁部に取り付けられる目隠しパネルは、ある程度の通風性を有するものはあるが、殆んどのものが通風機能がなく、目隠しパネルが受ける風圧力を手摺りや腰壁の腰壁部に伝達するものが一般であるため目隠しパネルの取り付け部に過大な風圧力が作用し、その取り付け部が早期に損壊する可能性があるため過剰設計を強いられていた。
【0003】
例えば、地域や周辺建物状況等から決定される基準風速から算定した場合の中低層の集合住宅における手摺り部への風圧力は、概ね1000N/m〜2000N/mである。仮に東京都市街地の基準風速を34m/secとした場合、3階部分の手摺りは1250N/mの風圧力に対して安全性を確保する必要がある。ここで、手摺りの高さが1.2mの場合には1.2m×1250N/m=1500N/mとなり、見つけ幅1m当たり1500Nの風圧力となる。
【0004】
手摺りの上に更に0.6mの目隠しパネルを設けると、0.6m×1250N/m=750N/mの風圧力が加算され、この風圧力による荷重は手摺りにそのまま伝達されて合計2250N/m(1500N/m+750N/m=2250N/m)の風圧力による荷重が作用する。例えば、手摺りの強度が2000N/mで設計されていた場合に上記目隠しパネルを設置した場合には安全性が損なわれるという問題がある。特に近年の異常気象により頻発する大型台風による建物被害は中低層住宅に設置された目隠しパネルの破損や取り付け部の破損を招く可能性があり、目隠し機能と風圧力回避機能とを両立させることで台風の被害を低減出来る目隠しパネルが望まれていた。
【0005】
一方、特開平8-52298号公報(特許文献1)には、マンションのベランダに設けられる目隠し機能付きの物干しにおいて、目隠し機能を有する展張材に強風が当たって一定以上の風圧が該展張材に加わると、その風圧によって掛止部が爪片から自然に引き抜かれ、留め具による掛止部の保持状態が解除されることで風が吹いたときに風圧を自然に回避できる技術が記載されている。
【0006】
【特許文献1】特開平08−052298号公報(図5、図6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前述の従来例では、住宅の室外に設けられた腰壁部に取り付けられる目隠しパネルの構成ではないため集合住宅の外廊下や住宅のベランダ、バルコニー或いは屋上等の手摺りの上部に取り付けることが出来ないという問題があった。
【0008】
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、目隠し機能と風圧力回避機能とを両立させることで、頻発する大型台風等による建物被害を低減することが出来る目隠しパネル構造体を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するための本発明に係る目隠しパネル構造体の第1の構成は、住宅の室外に設けられた腰壁部に取り付けられる目隠しパネル構造体であって、目隠しパネルが所定の風圧を受けた際に、その風圧により該目隠しパネルの支持を解除する支持解除部と、前記支持解除部により支持が解除された前記目隠しパネルの脱落を防止する脱落防止部とを有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る目隠しパネル構造体の第2の構成は、前記第1の構成において、前記脱落防止部は、前記腰壁部に取り付けられる支持フレームに対して前記目隠しパネルを回動自在に軸支する支軸手段により構成されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る目隠しパネル構造体の第3の構成は、前記第2の構成において、前記支軸手段は、前記目隠しパネルの高さ方向端部或いは前記目隠しパネルの高さ方向中間部に設けられたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る目隠しパネル構造体の第4の構成は、前記第1の構成において、前記支持解除部は、前記腰壁部に取り付けられる支持フレームに設けられた可撓性部材または弾性部材の係合部と、前記目隠しパネルに設けられた係合部とを脱離可能に係止したことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る目隠しパネル構造体の第5の構成は、前記第1の構成において、前記支持解除部は、前記腰壁部に取り付けられる支持フレームと、前記目隠しパネルとを連結する連結部材の前記支持フレーム側の連結を脱離可能に係止したことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る目隠しパネル構造体の第6の構成は、前記第1〜第5の何れかの構成において、前記目隠しパネルは、高さ方向に複数段に分割して構成したことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る目隠しパネル構造体の第7の構成は、前記第2〜第6の何れかの構成において、前記支持フレームは、前記腰壁部の上部に設けられる手摺りに取り付けられた支持部材に支持されたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る目隠しパネル構造体の第8の構成は、前記第2〜第6の何れかの構成において、前記支持フレームは、前記腰壁部を貫通するアンカーボルト部材により支持されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る目隠しパネル構造体の第1の構成によれば、支持解除部により目隠しパネルが所定の風圧を受けた際に、その風圧により該目隠しパネルの支持を解除することが出来、腰壁部に伝達される風圧力を低減して腰壁部の保全を確保することが出来る。また、脱落防止部により支持解除部により支持が解除された目隠しパネルの脱落を防止して飛散等による二次災害を未然に防止することが出来る。
【0018】
ここで、「目隠しパネル」とは、主に集合住宅の隣家の住人への配慮から、その共用外廊下(ベランダ状の開放廊下)からの人の視線を遮るために、その外廊下の腰壁の上に設ける場合の用途を例示するものであり、目隠し機能の態様については限定しない。尚、パネルの材料としてはプラスチック製やパンチングメタル製等の軽量のものが考えられる。
【0019】
また、本発明に係る目隠しパネル構造体の第2の構成によれば、脱落防止部を腰壁部に取り付けられる支持フレームに対して目隠しパネルを回動自在に軸支する支軸手段により構成したことで、支持解除部により支持が解除された目隠しパネルは支軸手段により回動自在に軸支された状態で風圧を回避することが出来る。
【0020】
また、本発明に係る目隠しパネル構造体の第3の構成によれば、支軸手段を目隠しパネルの高さ方向端部に設けた場合には、目隠しパネルの略全面で受ける風圧に対応して支持解除部を設けることが出来、支軸手段を目隠しパネルの高さ方向中間部に設けた場合には風圧により回動する目隠しパネルの回転半径を小さくすることで支持解除部により支持が解除された目隠しパネルの面外方向の突出幅を低減して不意の突出による二次災害を未然に防止することが出来る。
【0021】
ここで、目隠しパネル中間部とは、高さ方向端部以外の部位を指し、その位置は適宜設計事項により設定される。即ち、目隠しパネルの高さをHとした場合、支軸位置を下から1/2H近傍とすれば目隠しパネルの回動半径は最小となり、面外方向への突出幅を低減することが出来る。他方、支軸位置を上端部に近い位置、例えば、9/10H程度とすれば、風圧が納まった時の定位置への復帰動作が早くなり、且つ微風状態において、パネルは不動状態を保つことが出来る。この2点を考慮して設計上、最適な高さ位置を定めることとなる。
【0022】
また、本発明に係る目隠しパネル構造体の第4の構成によれば、支持解除部を腰壁部に取り付けられる支持フレームに設けられた可撓性部材または弾性部材の係合部と、目隠しパネルに設けられた係合部とを脱離可能に係止した構成としたことで、可撓性部材の可撓性能や弾性部材の弾性性能を適宜設定することにより、目隠しパネルが受ける風圧に応じて、その風圧により該目隠しパネルの支持を解除するタイミングを容易に設定することが出来る。また可撓性部材の可撓性能や弾性部材の弾性性能を利用して容易に復旧することが出来る。
【0023】
また、本発明に係る目隠しパネル構造体の第5の構成によれば、支持解除部を腰壁部に取り付けられる支持フレームと、目隠しパネルとを連結する連結部材の支持フレーム側の連結を脱離可能に係止した構成としたことで、連結部材の連結強度を適宜設定することにより、目隠しパネルが受ける風圧に応じて、その風圧により該目隠しパネルの支持を解除するタイミングを容易に設定することが出来る。また連結部材により再連結して容易に復旧することが出来る。
【0024】
また、本発明に係る目隠しパネル構造体の第6の構成によれば、目隠しパネルを高さ方向に複数段に分割して構成したことで、支持解除部により支持が解除された目隠しパネルの面外方向の突出幅を低減して不意の突出による二次災害を未然に防止することが出来る。
【0025】
また、本発明に係る目隠しパネル構造体の第7の構成によれば、目隠しパネルを支持する支持フレームを腰壁部の上部に設けられる手摺りに取り付けられた支持部材により支持することで風圧に耐え得る構成とすることが出来る。また新築時に設計計画がなかったために当初は設置できなくても、後日、増改築工事において外廊下の腰壁等に後付け工事が出来る点で有利である。
【0026】
また、本発明に係る目隠しパネル構造体の第8の構成によれば、目隠しパネルを支持する支持フレームを腰壁部を貫通するアンカーボルト部材により支持することで風圧に耐え得る構成とすることが出来る。また新築時に設計計画がなかったために当初は設置できなくても、後日、増改築工事において外廊下の腰壁等に後付け工事が出来る点で有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図により本発明に係る目隠しパネル構造体の一例として集合住宅の外廊下の腰壁部に取り付けられる目隠しパネル構造体の一実施形態を具体的に説明する。先ず、図1〜図3を用いて本発明に係る目隠しパネル構造体の第1実施形態の構成について説明する。図1(a),(b)は本発明に係る目隠しパネル構造体の第1実施形態の構成を示す断面説明図及び正面図、図2(a)は図1(a)の部分拡大図、図2(b)は第1実施形態において腰壁部に取り付けられる支持フレームに設けられた可撓性部材の係合部と、目隠しパネルに設けられた係合部とを脱離可能に係止した様子を示す図、図3は第1実施形態において腰壁部に取り付けられる支持フレームに設けられた弾性部材の係合部と、目隠しパネルに設けられた係合部とを脱離可能に係止した様子を示す図である。
【0028】
住宅の室外に設けられた腰壁部の一例として、図1に示すように、集合住宅の外廊下の腰壁部1に取り付けられる目隠しパネル構造体2は、腰壁部1の上部に設けられる手摺り3を支持する手摺り支柱4に取り付けられた支持部材5の支持フレーム6に対して、外部からの透視を遮る目隠し機能を有する目隠しパネル7が脱落防止部となる支軸手段8により回転自在に軸支されている。
【0029】
本実施形態の支軸手段8は目隠しパネル7の高さ方向上端部に設けられており、更に該目隠しパネル7は該目隠しパネル7の高さ方向に複数段に分割して構成されている。本実施形態では目隠しパネル7の高さ方向に2段に分割された場合の一例を示すが、他の複数段に分割して構成することも可能である。尚、目隠しパネル7は1段であっても良い。
【0030】
本実施形態では、図2(a)に示すように、ポリカーボネート板等からなる目隠しパネル7の高さ方向上端部に軸固定金具9が取り付けられており、該軸固定金具9により金属棒等からなる軸部材10が固定されている。そして、支持フレーム6に設けられた図示しない軸受部材により軸部材10が軸支されて目隠しパネル7が軸部材10を中心に回動可能に構成されている。
【0031】
図2(b)は図2(a)のA部の部分拡大図であり、目隠しパネル7が所定の風圧を受けた際に、その風圧により該目隠しパネル7の支持を解除する支持解除部の一例を示す図であり、該支持解除部は、腰壁部1に取り付けられる支持フレーム6の支軸手段8とは反対側の目隠しパネル7の高さ方向下端部に対応して設けられた可撓性部材となるゴム製或いは樹脂製の凹部11a1を有する係合部11aと、目隠しパネル7の高さ方向下端部に設けられた凸部を有する係合部12aとが脱離可能に係止されている。
【0032】
本実施形態では、目隠しパネル7が所定の風圧を受けた際に、その風圧により可撓性部材となるゴム製或いは樹脂製の係合部11aが変形し、係合部12aの凸部が係合部11aの凹部11a1から脱離して目隠しパネル7は支軸手段8を中心に回動自在に遊動する。
【0033】
このとき、目隠しパネル7は脱落防止部となる支軸手段8により、支持解除部となる係合部11a,12aの係止による支持が解除された目隠しパネル7の脱落を防止する。風が納まれば目隠しパネル7を押圧して可撓性部材となるゴム製或いは樹脂製の係合部11aを変形させて係合部12aの凸部を係合部11aの凹部11a1に嵌入させることで容易に復旧することが出来る。
【0034】
図3は図2(a)のA部の他の構成の部分拡大図であり、目隠しパネル7が所定の風圧を受けた際に、その風圧により該目隠しパネル7の支持を解除する支持解除部の他の一例を示す図であり、該支持解除部は、腰壁部1に取り付けられる支持フレーム6の支軸手段8とは反対側の目隠しパネル7の高さ方向下端部に対応して設けられた弾性部材となる板バネにより凸部11b1を形成した係合部11bと、目隠しパネル7の高さ方向下端部に設けられた凹部12b1を有する係合部12bとが脱離可能に係止されている。
【0035】
本実施形態では、目隠しパネル7が所定の風圧を受けた際に、その風圧により弾性部材となる板バネからなる係合部11bが変形し、係合部11bの凸部11b1が係合部12bの凹部12b1から脱離して目隠しパネル7は支軸手段8を中心に回動自在に遊動する。
【0036】
このとき、目隠しパネル7は脱落防止部となる支軸手段8により、支持解除部となる係合部11b,12bの係止による支持が解除された目隠しパネル7の脱落を防止する。風が納まれば目隠しパネル7を押圧して弾性部材となる板バネからなる係合部11bを変形させて係合部11bの凸部11b1を係合部12bの凹部12b1に嵌入させることで容易に復旧することが出来る。
【0037】
次に、図4を用いて本発明に係る目隠しパネル構造体の第2実施形態の構成について説明する。図4(a)は本発明に係る目隠しパネル構造体の第2実施形態の構成を示す断面説明図、図4(b)は第2実施形態において腰壁部に取り付けられる支持フレームに設けられた弾性部材の係合部と、目隠しパネルに設けられた係合部とを脱離可能に係止した様子を示す図である。尚、前記第1実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0038】
前記実施形態では、図3に示すように、支持解除部の一例として、腰壁部1に取り付けられる支持フレーム6の支軸手段8とは反対側の目隠しパネル7の高さ方向下端部に対応して設けられた弾性部材となる板バネにより凸部11b1を形成した係合部11bと、目隠しパネル7の高さ方向下端部に設けられた凹部12b1を有する係合部12bとが脱離可能に係止された一例について説明したが、本実施形態では、図4(b)に示すように、支持解除部の一例として、腰壁部1に取り付けられる支持フレーム6の支軸手段8側の目隠しパネル7の高さ方向上端部に対応して設けられた弾性部材となる板バネにより凸部11b1を形成した係合部11bと、目隠しパネル7の高さ方向上端部に設けられた凹部12b1を有する係合部12bとが脱離可能に係止された一例である。
【0039】
尚、本実施形態では、腰壁部1の手摺り3と腰壁との間に形成される空間に支持部材5を配置し、該支持部材5を介して支持フレーム6を支持した一例である。他の構成は前記第1実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
【0040】
次に、図5を用いて本発明に係る目隠しパネル構造体の第3実施形態の構成について説明する。図5は本発明に係る目隠しパネル構造体の第3実施形態の構成を示す斜視図である。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、腰壁部1に取り付けられる支持フレーム6に対して目隠しパネル7を回動自在に軸支する支軸手段8が目隠しパネル7の高さ方向中間部に設けられた一例である。
【0041】
ここで、目隠しパネル中間部とは、高さ方向端部以外の部位を指し、その位置は適宜設計事項により設定される。即ち、目隠しパネルの高さをHとした場合、支軸位置を下から1/2H近傍とすれば目隠しパネルの回動半径は最小となり、面外方向への突出幅を低減することが出来る。他方、支軸位置を上端部に近い位置、例えば、9/10H程度とすれば、風圧が納まった時の定位置への復帰動作が早くなり、且つ微風状態において、パネルは不動状態を保つことが出来る。この2点を考慮して設計上、最適な高さ位置を定めることとなる。
【0042】
支持フレーム6はアルミニウム製の角パイプからなる支柱13と横材14とを有して構成されており、支柱13の内側に貫通孔13aが形成されている。一方、ポリカーボネート板等からなる目隠しパネル7の高さ方向中間部に軸固定金具9が取り付けられており、該軸固定金具9により金属棒等からなる軸部材10が固定されている。そして、支持フレーム6の支柱13に設けられた貫通孔13aを軸受部材として軸部材10が回転自在に軸支されて目隠しパネル7が軸部材10を中心に回動可能に構成されている。
【0043】
また、目隠しパネル7の高さ方向上端部及び下端部には、支持解除部となる断面L字形状の連結部材15の一片がボルト止めにより固定されており、該連結部材15の他片が横材14にボルト止めにより固定されている。
【0044】
本実施形態では、支持解除部の一例として、腰壁部1に取り付けられる支持フレーム6と、目隠しパネル7とを連結する連結部材15の支持フレーム6側の連結を脱離可能に係止するものであり、例えば、横材14と連結部材15とを所定の強度を有する1本のボルト16により結合し、目隠しパネル7と連結部材15とをそれと同じ強度を有するボルト16を2本利用して結合することで、強度の弱い1本のボルト16により結合された横材14と連結部材15との連結が脱離可能に係止される。
【0045】
本実施形態では、目隠しパネル7が所定の風圧を受けた際に、その風圧により強度の弱い1本のボルト16が破断して横材14と連結部材15との連結が解除され目隠しパネル7は支軸手段8を中心に回動自在に遊動する。
【0046】
このとき、目隠しパネル7は脱落防止部となる支軸手段8により、支持解除部となる1本のボルト16で締結された横材14と連結部材15との係止による支持が解除された目隠しパネル7の脱落を防止する。風が納まれば横材14と連結部材15とを新たなボルト16により締結することで容易に復旧することが出来る。
【0047】
尚、支持解除部としてはボルト16の代わりにビス止めであっても良い。他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
【0048】
次に、図6を用いて本発明に係る目隠しパネル構造体の第4実施形態の構成について説明する。図6は本発明に係る目隠しパネル構造体の第4実施形態の構成を示す断面説明図である。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0049】
本実施形態では、図6に示すように、目隠しパネル7が支軸手段8により回転自在に軸支される支持フレーム6を腰壁部1を貫通するアンカーボルト部材17により支持した場合の一例を示す。他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
【0050】
尚、前記各実施形態では、目隠しパネル7の脱落を防止する脱落防止部の一例として目隠しパネル7が支軸手段8により支持フレーム6に対して回動自在に軸支される構成の一例について説明したが、脱落防止部の他の構成として、目隠しパネル7が支持フレーム6から脱離してもワイヤやチェーン等の拘束部材により目隠しパネル7が支持フレーム6から脱落しないように構成することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の活用例として、集合住宅の外廊下や住宅のベランダ、バルコニー或いは屋上等の住宅の室外に設けられた腰壁部に取り付けられる目隠しパネル構造体に適用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】(a),(b)は本発明に係る目隠しパネル構造体の第1実施形態の構成を示す断面説明図及び正面図である。
【図2】(a)は図1(a)の部分拡大図、(b)は第1実施形態において腰壁部に取り付けられる支持フレームに設けられた可撓性部材の係合部と、目隠しパネルに設けられた係合部とを脱離可能に係止した様子を示す図である。
【図3】第1実施形態において腰壁部に取り付けられる支持フレームに設けられた弾性部材の係合部と、目隠しパネルに設けられた係合部とを脱離可能に係止した様子を示す図である。
【図4】(a)は本発明に係る目隠しパネル構造体の第2実施形態の構成を示す断面説明図、(b)は第2実施形態において腰壁部に取り付けられる支持フレームに設けられた弾性部材の係合部と、目隠しパネルに設けられた係合部とを脱離可能に係止した様子を示す図である。
【図5】本発明に係る目隠しパネル構造体の第3実施形態の構成を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る目隠しパネル構造体の第4実施形態の構成を示す断面説明図である。
【符号の説明】
【0053】
1…腰壁部
2…目隠しパネル構造体
3…手摺り
4…手摺り支柱
5…支持部材
6…支持フレーム
7…目隠しパネル
8…支軸手段
9…軸固定金具
10…軸部材
11a,11b,12a,12b…係合部
11a1…凹部
11b1…凸部
12b1…凹部
13…支柱
13a…貫通孔
14…横材
15…連結部材
16…ボルト
17…アンカーボルト部材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅の室外に設けられた腰壁部に取り付けられる目隠しパネル構造体であって、
目隠しパネルが所定の風圧を受けた際に、その風圧により該目隠しパネルの支持を解除する支持解除部と、
前記支持解除部により支持が解除された前記目隠しパネルの脱落を防止する脱落防止部と、
を有することを特徴とする目隠しパネル構造体。
【請求項2】
前記脱落防止部は、前記腰壁部に取り付けられる支持フレームに対して前記目隠しパネルを回動自在に軸支する支軸手段により構成されることを特徴とする請求項1に記載の目隠しパネル構造体。
【請求項3】
前記支軸手段は、前記目隠しパネルの高さ方向端部或いは前記目隠しパネルの高さ方向中間部に設けられたことを特徴とする請求項2に記載の目隠しパネル構造体。
【請求項4】
前記支持解除部は、前記腰壁部に取り付けられる支持フレームに設けられた可撓性部材または弾性部材の係合部と、前記目隠しパネルに設けられた係合部とを脱離可能に係止したことを特徴とする請求項1に記載の目隠しパネル構造体。
【請求項5】
前記支持解除部は、前記腰壁部に取り付けられる支持フレームと、前記目隠しパネルとを連結する連結部材の前記支持フレーム側の連結を脱離可能に係止したことを特徴とする請求項1に記載の目隠しパネル構造体。
【請求項6】
前記目隠しパネルは、高さ方向に複数段に分割して構成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の目隠しパネル構造体。
【請求項7】
前記支持フレームは、前記腰壁部の上部に設けられる手摺りに取り付けられた支持部材に支持されたことを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の目隠しパネル構造体。
【請求項8】
前記支持フレームは、前記腰壁部を貫通するアンカーボルト部材により支持されたことを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の目隠しパネル構造体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−265892(P2006−265892A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−83613(P2005−83613)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【出願人】(303046244)旭化成ホームズ株式会社 (703)
【Fターム(参考)】