説明

直動装置

【課題】 ボールネジの製造に関して面倒な熱処理作業や熱処理作業後の矯正作業を不要とするとともにそのような熱処理に起因したリード精度の低下を防止し、又、煩雑な接合作業を要することなく、且つ、軸心のズレが発生するようなこともなく、出力軸とボールネジ軸の一体化を図ることが可能な直動装置を提供すること
【解決手段】 モータと、モータによって回転駆動されるボールネジ軸と、ボールネジ軸に移動可能に螺合したボールナットとを具備してなる直動装置において、ボールネジ軸は塑性加工を施されることにより加工誘起変態を生じるオーステナイト系ステンレス鋼製であって、転造されることによりその表面を高硬度のマルテンサイト組織とし内部を非磁性のオーステナイト組織としたもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は直動装置に係り、特に、ステッピングモータによって駆動するタイプのものにおいて、ステッピングモータによって駆動されるボールネジの構成を改良することにより煩雑な熱処理や熱処理後の矯正作業を不要とするとともに熱処理に起因したリード精度の低下を防止し、又、ステッピングモータの出力軸とそれによって回転駆動されるボールネジとを単一の軸部材から構成し、それによって、構成の簡略化と装置の小型化、機械的強度の向上を図ることができるように工夫したものに関する。
【背景技術】
【0002】
ステッピングモータを使用した直動装置は、例えば、図2に示すような構成になっている。まず、ハウジング101があり、このハウジング101内にはボールネジ軸103が回転可能な状態で支持・収容されている。上記ボールネジ軸103にはボールナット105がその回転を規制された状態で螺合・配置されている。上記ボールナット105にはスライダ107が固着されている。
【0003】
上記ハウジング101の長手方向一側にはモーターハウジング109が連設されていて、このモーターハウジング109内にはステッピングモータ111が収容・配置されている。このステッピングモータ111の出力軸113にはカップリング115を介して上記ボールネジ軸103が連結されている。又、上記ボールネジ軸103は軸受部材117、119、121によって回転可能な状態で支持されている。
【0004】
そして、上記ステッピングモータ111を駆動することにより、出力軸113を介してボールネジ軸103が適宜の方向に回転し、それによって、回転を規制されているボールナット105及びそこに固着されているスライダ107が何れかの方向に移動することになる。
尚、上記スライダ107には、例えば、図示しない任意の機器が搭載されることになる。
【0005】
上記ボールネジ軸103は、例えば、炭素鋼や合金鋼製であり、磨耗による寿命の低下を防止するために転造後に焼入れが施されていて、その表面硬度の向上が図られている。例えば、炭素鋼S45Cを使用した場合にはその表面硬度はHV600以上になっている。
【0006】
上記したように、ボールネジ軸103の場合には焼入れ処理が施される関係上強磁性の状態となっている。一方、ステッピングモータ111の出力軸113は非磁性である必要がある。これはステッピングモータ111の特性に起因するものであって磁気回路を構成しないようにするためである。よって、ボールネジ軸103と出力軸113とを同一軸部材とすることはできず、その為、既に説明したように、別々の材料から製造されたボールネジ軸103と回転軸113とをカップリング115によって連結しているものである。
【0007】
ところが、カップリング115を使用した場合には、それだけ構成も複雑化するとともに、軸方向の長さが長くなってしまい、装置が大型化してしまうという問題があった。又、二つの異なる部材を連結しているために連結部における強度的な問題もあった。又、ボールネジ軸103に関しては焼入れによる熱変形があるためにリード精度の悪化が懸念されるものである。これに対しては、その後に矯正を施すことが考えられるが面倒であった。
【0008】
そこで、カップリング115を使用することなくボールネジ軸103と出力113とを一体化させることが提案されている。そのような構成を開示するものとして、例えば、特許文献1がある。
【0009】
【特許文献1】特開2005−114081号公報
【0010】
上記特許文献1において開示されている直動装置の場合には、ステッピングモータの出力軸とボールネジ軸とがロウ付け又はフィラー接合によって一体化されているものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記従来の構成によると次のような問題があった。
まず、従来のボールネジの場合には煩雑な熱処理や熱処理後の矯正作業が必要であるとともにそのような熱処理によってリード精度が低下してしまうという問題があった。
又、別々に製造された出力軸とボールネジ軸とをロウ付け又はフィラー接合によって一体化させなければならず、煩雑な接合作業を余儀なくされてしまうという問題があった。
又、ロウ付け又はフィラー接合によって一体化させてはいるものの接合部の機械的強度には不安があった。
又、接合時に出力軸とボールネジ軸の軸心がずれてしまうようなことも懸念されるものである。
【0012】
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、ボールネジの製造に関して面倒な熱処理作業や熱処理後の矯正作業を不要とするとともにそのような熱処理に起因したリード精度の低下を防止し、又、煩雑な接合作業を要することなく、且つ、軸心のズレが発生するようなこともなく、出力軸とボールネジ軸の一体化を図ることが可能な直動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するべく本願発明の請求項1による直動装置は、モータと、上記モータによって回転駆動されるボールネジ軸と、上記ボールネジ軸に移動可能に螺合したボールナットと、を具備してなる直動装置において、上記ボールネジ軸は塑性加工を施されることにより加工誘起変態を生じるオーステナイト系ステンレス鋼製であって、転造されることによりその表面を高硬度のマルテンサイト組織とするとともに内部を非磁性のオーステナイト組織としたものであることを特徴とするものである。
又、請求項2による直動装置は、ステッピングモータと、上記ステッピングモータによって回転駆動されるボールネジ軸と、上記ボールネジ軸に移動可能に螺合したボールナットと、を具備してなる直動装置において、上記ステッピングモータの出力軸と上記ボールネジ軸を単一軸部材から構成したことを特徴とするものである。
又、請求項3による直動装置は、請求項2記載の直動装置において、上記単一軸部材は塑性加工を施されることにより加工誘起変態を生じるオーステナイト系ステンレス鋼製であり、上記単一軸部材を転造してその表面を高硬度のマルテンサイト組織とするとともに内部を非磁性のオーステナイト組織とし、この内上記出力軸となる部分のみについて上記マルテンサイト組織を除去して非磁性のオーステナイト組織とし、上記ボールネジ軸となる部分についてはマルテンサイト組織のままとしたことを特徴とするものである。
又、請求項4による直動装置は、請求項1又は請求項3記載の直動装置において、上記ボールネジ軸又は単一軸部材は転造加工後に表面硬度を高めるための窒化処理が施されたものであることを特徴とするものである。
又、請求項5による直動装置は、請求項1又は請求項3又は請求項4記載の直動装置において、上記単一軸部材は適宜のタイミングで表面硬度の向上と耐磨耗性の向上を企図したショットピーニング加工が施されたものであることを特徴とするものである。
又、請求項6による直動装置は、請求項5記載の直動装置において、上記ショットピーニング加工は転造加工前に行なわれるものであることを特徴とするものである。
又、請求項7による直動装置は、請求項5記載の直動装置において、上記ショットピーニング加工は転造加工後に行なわれるものであることを特徴とするものである。
又、請求項8による直動装置は、請求項5記載の直動装置において、上記ショットピーニング加工は窒化処理前に行なわれるものであることを特徴とするものである。
又、請求項9による直動装置は、請求項5記載の直動装置において、上記ショットピーニング加工は窒化処理後に行なわれるものであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
以上述べたように本願発明による直動装置によると、モータと、上記モータによって回転駆動されるボールネジ軸と、上記ボールネジ軸に移動可能に螺合したボールナットと、を具備してなる直動装置において、上記ボールネジ軸は塑性加工を施されることにより加工誘起変態を生じるオーステナイト系ステンレス鋼製であって、転造されることによりその表面を高硬度のマルテンサイト組織とするとともに内部を非磁性のオーステナイト組織とした構成になっているので、煩雑な熱処理や熱処理後の矯正作業を要することなく比較的簡単な作業で所望の駆動軸を得ることができる。又、熱処理に起因したリード精度の低下を防止することができる。
又、ステッピングモータと、上記ステッピングモータによって回転駆動されるボールネジ軸と、上記ボールネジ軸に移動可能に螺合したボールナットと、を具備してなる直動装置において、上記ステッピングモータの出力軸と上記ボールネジ軸を単一軸部材から構成されているので、部品点数の削減、構成の簡略化、装置の小型化を図ることができる。又、煩雑な連結、接合作業を不要とすることができる。又、機械的強度の向上を図ることができる。
又、上記単一軸部材を塑性加工を施されることにより加工誘起変態を生じるオーステナイト系ステンレス鋼製とし、上記単一軸部材を転造してその表面を高硬度のマルテンサイト組織とするとともに内部を非磁性のオーステナイト組織とし、この内上記出力軸となる部分のみについて上記マルテンサイト組織を除去して非磁性のオーステナイト組織とし、上記ボールネジ軸となる部分についてはマルテンサイト組織のままとした場合には、比較的簡単な作業で所望の駆動軸を得ることができる。
又、上記単一軸部材を転造加工後に表面硬度を高めるための窒化処理が施されたものとした場合には、より表面硬度が高い駆動軸を得ることができる。
又、上記単一軸部材を適宜のタイミングで表面硬度の向上と耐磨耗性の向上を企図したショットピーニング加工が施されたものとした場合には、より表面硬度が高くて耐摩耗性に優れた駆動軸を得ることができる。
又、上記ショットピーニング加工を転造加工前に行なわれるものとした場合には、予めショットピーニング加工によって母相の結晶を微細化させることができ、それによって、加工誘起変態後の相も微細化されることになり、硬度と耐摩耗性を効果的に高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図1を参照して本発明の一実施の形態を説明する。まず、ハウジング1があり、このハウジング1内にはボールネジ軸3が回転可能な状態で支持・収容されている。上記ボールネジ軸3にはボールナット5がその回転を規制された状態で螺合・配置されている。上記ボールナット5にはスライダ7が固着されている。
【0016】
上記ハウジング1の長手方向一側にはモーターハウジング9が連設されていて、このモーターハウジング9内にはステッピングモータ11が収容・配置されている。このステッピングモータ11の出力軸13は、既に説明したボールネジ軸3と一体物として製造されたものであり、従来のようにカップリングによって連結したもの、或いは、ロウ付け又はフィラー接合によって一体化したものではない。又、上記ボールネジ軸3と出力軸13は軸受部材17、19、21によって回転可能に支持されている。
【0017】
そして、上記ステッピングモータ11を駆動することにより、出力軸13とボールネジ軸3が適宜の方向に回転し、それによって、回転を規制されているボールナット5及びそこに固着されているスライダ7が何れかの方向に移動することになる。
尚、上記スライダ7には、例えば、図示しない任意の機器が搭載されることになる。
【0018】
上記ボールネジ軸3と出力軸13について詳しく説明する。まず、上記ボールネジ3と出力軸13とは予め一体化されていて単一の軸部材から構成されている。すなわち、まず、一本の軸部材があり、この軸部材はオーステナイト系ステンレス鋼、具体的には、SUS304系ステンレス鋼製である。このSUS304系ステンレス鋼は、表1に示すような科学成分から構成されていて、ニッケル(Ni)、炭素(C)、窒素(N)成分が少なくなるように調整されている。それによって、オーステナイトを不安定化させて、常温下においても「加工誘起変態」が生じるようにしている。
又、ここでいう「加工誘起変態」とは、オーステナイト系ステンレス鋼に対して所定条件下で塑性加工を施すことにより、母相であるオーステナイト相からマルテンサイト相が発生し、加工誘起マルテンサイト変態が起こる現象を意味する。
【0019】
【表1】





【0020】
この実施の形態の場合には、上記単一の軸部材、すなわち、SUS304系ステンレス鋼に対して転造加工を施す。それによって、上記「加工誘起変態」を起して、その表面を硬度の高いマルテンサイト組織とする。一方、内部は非磁性のオーステナイト組織となっている。
【0021】
次に、上記軸部材の軸方向一部の領域に関して表面のマルテンサイト組織を除去する作業を施して非磁性の状態とする。具体的には、旋盤等による切削加工を施すことにより、軸方向の所定範囲に関して、加工誘起変態によって発生したマルテンサイト相の部分を削り落として、内部の非磁性のオーステナイト領域を露出させるものである。そして、その部分をステッピングモータ11の出力軸13とする。一方、軸方向のその他の部分、すなわち、マルテンサイト
相のままの部分をボールネジ軸3とするものである。
【0022】
又、本実施の形態の場合には、上記軸部材を転造した後に窒化処理を施して表面硬度を高くするようにしている。上記窒化処理とは窒素(N)を侵入させてその表面を硬化させる方法である。
【0023】
又、本実施の形態の場合には、転造加工を施す前に「ショットピーニング加工」を施すことにより硬度と耐磨耗性を向上させるようにしている。上記「ショットピーニング加工」とは、ショットと称する鋼製小粒子を、被加工品の表面に20〜200m/秒の速度で多数投射する冷間加工法のことである。上記ショットとしては鋭い角を持っていないことが必要である。又、ショットピーニング面は凹んで塑性変形することになり、梨地状となる。又、表面には圧縮応力が残留することになり、疲れ寿命が向上する。
【0024】
転造加工前にショットピーニング加工を施すことにより、オーステナイト相をマルテンサイト相に変態させることなくまずは微細化させることができる。マルテンサイト相は母相であるオーステナイト結晶粒内に生成されるために、オーステナイト相が微細であると生成する加工誘起マルテンサイト相も微細化されることになり、それによって、硬度の向上と耐摩耗性の向上を効果的に図ることができるものである。
【0025】
以上本実施の形態によると次のような効果を奏することができる。
まず、ボールネジ軸3を得るために従来必要とされた煩雑な熱処理作業や熱処理作業後の矯正作業が不要となり、それによって、製造作業の容易化を図ることができる。又、そのような熱処理に起因したリード精度の低下を防止することができる。
又、出力軸13とボールネジ軸3とを単一の軸部材から構成するようにしているので、ロウ付けやフィラー接合のような煩雑な接合作業を要することなく、出力軸13とボールネジ軸3の一体化を図ることが可能となった。それによって、部品点数が少なくてコンパクトな直動装置を得ることができる。
又、従来、出力軸13とボールネジ軸3を単一の軸部材により構成できなかったのは、ボールネジ軸3は磁性体であるのに対して出力軸13は非磁性である必要があったからである。これに対して、本実施の形態の場合には、SUS304系ステンレス鋼に塑性加工、具体的には転造加工を施すことにより「加工誘起変態」が生じることを利用しているので、比較的簡単な作業によって所望の軸部材を得ることができる。つまり、転造加工を施した後に所定の範囲について所定深さだけ切削すればいいからである。
又、転造加工されたネジ軸表面に窒化処理を施して表面硬度を高くするようにし耐摩耗性を向上させることができる。
又、転造加工の前にショットピーニング加工を施すようにしているので、硬度と耐摩耗性を効果的に向上させることができる。
【0026】
尚、本発明は前記一実施の形態に限定されるものではない。
まず、表1に示した成分は一例であってそれに限定されるものではない。
窒化処理を施すか否かについては任意に決定すればよい。
ショットピーニング加工を施すか否か、施す場合のタイミングについては任意に設定すればよい。具体的には、転造加工後、窒化処理前、窒化処理後のタイミングが想定される。
又、前記一実施の形態の場合には、ボールネジ軸とステッピングモータの出力軸を単一軸部材から構成して一体化させることを前提した例を挙げて説明したが、一体化させるか否かは別として、ボールネジ軸を塑性加工を施されることにより加工誘起変態を生じるオーステナイト系ステンレス鋼製であって、転造されることによりその表面を高硬度のマルテンサイト組織とするとともに内部を非磁性のオーステナイト組織とした構成にすることについても本願発明の範囲である。
又、前記一実施の形態の場合にはステッピングモータのケースを例に挙げて
説明したが、ボールネジ軸を塑性加工を施されることにより加工誘起変態を生じるオーステナイト系ステンレス鋼製であって、転造されることによりその表面を高硬度のマルテンサイト組織とするとともに内部を非磁性のオーステナイト組織とした構成にすることについては、モータの種類に関係なく適用可能であり、例えば、サーボモータによって回転・駆動されるボールネジ軸についても同様に適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は直動装置に係り、特に、ステッピングモータによって駆動するタイプのものにおいて、ステッピングモータによって駆動されるボールネジの構成を改良することにより煩雑な熱処理や熱処理後の矯正作業を不要とするとともに熱処理に起因したリード精度の低下を防止し、又、ステッピングモータの出力軸とそれによって回転駆動されるボールネジとを単一の軸部材から構成し、それによって、構成の簡略化と装置の小型化、機械的強度の向上を図ることができるように工夫したものに関し、例えば、各種の一軸アクチュエータとして好適である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施の形態を示す図で、直動装置の構成を示す断面図である。
【図2】従来例を示す図で、直動装置の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0029】
1 ハウジング
3 ボールネジ軸
5 ボールナット
7 スライダ
9 モーターハウジング
11 ステッピングモータ
13 出力軸
19 軸受部材
21 軸受部材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、上記モータによって回転駆動されるボールネジ軸と、上記ボールネジ軸に移動可能に螺合したボールナットと、を具備してなる直動装置において、
上記ボールネジ軸は塑性加工を施されることにより加工誘起変態を生じるオーステナイト系ステンレス鋼製であって、転造されることによりその表面を高硬度のマルテンサイト組織とするとともに内部を非磁性のオーステナイト組織としたものであることを特徴とする直動装置。
【請求項2】
ステッピングモータと、上記ステッピングモータによって回転駆動されるボールネジ軸と、上記ボールネジ軸に移動可能に螺合したボールナットと、を具備してなる直動装置において、
上記ステッピングモータの出力軸と上記ボールネジ軸を単一軸部材から構成したことを特徴とする直動装置。
【請求項3】
請求項2記載の直動装置において、
上記単一軸部材は塑性加工を施されることにより加工誘起変態を生じるオーステナイト系ステンレス鋼製であり、
上記単一軸部材を転造してその表面を高硬度のマルテンサイト組織とするとともに内部を非磁性のオーステナイト組織とし、
この内上記出力軸となる部分のみについて上記マルテンサイト組織を除去して非磁性のオーステナイト組織とし、
上記ボールネジ軸となる部分についてはマルテンサイト組織のままとしたことを特徴とする直動装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項3記載の直動装置において、
上記ボールネジ軸又は単一軸部材は転造加工後に表面硬度を高めるための窒化処理が施されたものであることを特徴とする直動装置。
【請求項5】
請求項1又は請求項3又は請求項4記載の直動装置において、
上記単一軸部材は適宜のタイミングで表面硬度の向上と耐磨耗性の向上を企図したショットピーニング加工が施されたものであることを特徴とする直動装置。
【請求項6】
請求項5記載の直動装置において、
上記ショットピーニング加工は転造加工前に行なわれるものであることを特徴とする直動装置。
【請求項7】
請求項5記載の直動装置において、
上記ショットピーニング加工は転造加工後に行なわれるものであることを特徴とする直動装置。
【請求項8】
請求項5記載の直動装置において、
上記ショットピーニング加工は窒化処理前に行なわれるものであることを特徴とする直動装置。
【請求項9】
請求項5記載の直動装置において、
上記ショットピーニング加工は窒化処理後に行なわれるものであることを特徴とする直動装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−211940(P2007−211940A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−34638(P2006−34638)
【出願日】平成18年2月13日(2006.2.13)
【出願人】(595034204)SUS株式会社 (40)
【Fターム(参考)】