直立シートバックポジション表示具を備えた航空機シート
前後移動させるためのシート底部を有するフレームと、シート底部にリンクされ、傾斜ポジションと直立ポジションとの間で略垂直移動させるためのシートバックとを含んだ航空機乗客シート。シートバックを内部で移動させる固定シートバック型枠構造体が提供されている。シートバックポジション表示具はシートバック型枠構造体の頂部付近に取り付けられており、シートバックと協調する。シートバックポジション表示具は、シートバックが型枠構造体内で傾斜ポジションにあることを示す第1状態と、シートバックが型枠構造体内で直立ポジションにあることを示す第2状態とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2006年2月15日出願の米国仮特許願60/773751の優先権を主張する。本発明はシートバックポジション表示具に関する。この装置は特に多数の乗客が前後左右に密接して着座しており、飛行機の離陸時、着陸時、飛行中の緊急時および荒天時のごとき場合に状況に応じて客室乗務員によって観察が可能な旅客機のごとき輸送機関の乗客シートへの適用に適している。
【背景技術】
【0002】
一般的にはこれらの状況では飛行乗務員はシートバックを直立位置に戻し、トレイを収納固定位置に戻させるように放送しなければならない。その後、乗務員は客室を周回し、シートバックが実際に直立ポジションに戻っているか否かを目視する必要がある。旅客機はますます大型化しており、シート間隔は狭くなっているため、その分だけ乗務員がシートバックポジションを個別に観察して正しい直立ポジションに戻っていることを確認することはますます困難になってきている。
【0003】
さらに、旅客機シートによっては後方の乗客のスペースを侵犯しないようにほぼ同一ポジションに保持されるシート型枠あるいはシートバック部材を含むシートバックを有している。クッション入りシートバック自体はシート型枠の前方に位置し、シート型枠の前方領域内で移動する。このような場合、シートバックが直立ポジションに戻っているか否かを視覚的に確認することは非常に困難であるか、不可能である。なぜならシートのシート型枠は常に同一ポジションで直立であり、特に側部や背後からのシートの視覚的観察を妨害する。
【0004】
別の形態ではシートバックは後方にはさほど移動せずに下方に少々移動できるだけであり、客室乗務員が周囲のシートバックと相対的に対象シートバックのポジションを観察することを困難にしている。
【0005】
従来のシートバックポジション表示器はシートバックに組み入れられた点灯具を含んでおり、シートバックポジションの点灯表示を行うものであった。別のシート設計ではシートバックとシートベルトポジション状況を無線で客室制御パネルあるいは客室乗務員によって使用される手持ち装置に伝達するセンサーが利用されている。これらの形態は高価であり、航空機の電子機器や電源にさらなる負荷をかけ、悪用や損傷の原因となる。そのような設計は航空機環境によって適否が判断されるものである。
【0006】
本発明は旅客機等の輸送手段で使用する比較的に安価であり、構造的に単純であって信頼性が高い乗客シートバックポジション確認方法を提供する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の1目的は乗客シートのためのシートバックポジション表示具の提供である。
【0008】
本発明の別目的は様々なポジションから容易に観察可能な乗客シートのためのシートバックポジション表示具の提供である。
【0009】
本発明の別目的は比較的に安価であって頑丈で信頼性が高い乗客シートのためのシートバックポジション表示具の提供である。
【0010】
本発明の別目的は固定式直立非侵略型シートバック型枠構造体を有したシートでの利用に特に適した乗客シートのためのシートバックポジション表示具の提供である。
【0011】
本発明の別目的は作動に電子機器も電気も必要としないが、オプションでは客室乗務員による観察を可能とすべくシートバックポジション表示具の状況を遠隔装置に伝達する電気センサーを装着することができる乗客シートのためのシートバックポジション表示具の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のこれらおよび他の目的並びに利点はシート底部と、傾斜ポジションと直立ポジションとの間で移動できるシートバックとを有したシートが直立ポジションであるのか傾斜ポジションであるのかを示す表示を提供する目視型シートポジション表示装置により達成される。このシートポジション表示装置はシートバックの上部の露出面上を移動するように取り付けられた目視表示具と、シートバックの移動に対応してその表示具を移動させるように目視表示具とシートバックとの間で作用する機械式リンク機構とを含んでいる。シートバックと表示具との相対位置関係によりシートバックポジションの目視用表示が提供される。
【0013】
本発明の1実施例によれば表示具はシートバックの上部に取り付けられたボタンである。本発明の別実施例によれば表示装置はシートバックの上部に取り付けられ、ボタンを囲むベゼル部を含む。ベゼル部とボタンとの相対位置関係によりシートバックポジションの目視用表示が提供される。本発明別実施例によれば機械式リンク機構はボタンに作用するプッシャを含み、シートバックの移動に対応してプッシャを移動させる。本発明の別実施例によればシートバックはシートバックを内部で移動させる固定シートバック型枠構造体を含む。表示具はシートバック型枠構造体の露出面上を移動するように取り付けられており、シートバック型枠構造体内のシートバックポジションの目視用表示を提供する。本発明の別実施例によればシートバックはシートバックを内部で移動させる固定シートバック型枠構造体と、シートバック型枠構造体の上部露出面上に取り付けられたベゼル部とを含んでいる。ボタンがベゼル部内で移動できるように取り付けられており、リンク機構によってシートバックとボタンとはベゼル部と相対的に移動し、シートバック型枠構造体内にシートバックポジションの目視用表示が提供される。
【0014】
本発明の別実施例によればシートバックが傾斜するとリンク機構はボタンを下方に移動させてベゼル部内に入れ、ベゼル部の隣接内壁を露出させるように設計されている。ベゼル部の内壁はボタンの表面と視覚的に区別させる表面を有しており、ボタンがベゼル部内に引き入れられると、ベゼル部の内壁はシートバックが傾斜ポジションにあることを視覚的に表示する。
【0015】
本発明の別実施例によればリンク機構はボタンに作用するプッシャを含む。
【0016】
本発明の別実施によればベゼル部の内壁は着色されており、ボタンの表面はベゼル部の内壁の色彩とは視覚的に異なる色彩で着色されている。よってボタンがベゼル部内に引き込まれるとベゼル部の内壁はシートバックが傾斜ポジションであることを視覚的に表示する。
【0017】
本発明の別実施例によれば航空機の乗客シートは基礎部を含んでおり、その上にシート底部が取り付けられている。さらに、傾斜ポジションと直立ポジションとの間で移動するシートバックと、シートバックの上部の露出面上で移動できるように取り付けられた目視式シートバックポジション表示具が提供されている。機械式リンク機構は表示具をシートバックの移動に合わせて移動させるために目視式表示具に作用する。シートバックと表示具との相対的位置関係はシートバックポジションの目視用表示を提供する。
【0018】
本発明のさらに別な実施例によれば表示具はシートバックの上部に取り付けられたボタンである。
【0019】
本発明の別実施例によればベゼル部がシートバックの上部にボタンを包囲するように取り付けられ、ボタンとベゼル部との相対的位置関係はシートバックポジションの目視用表示を提供する。
【0020】
本発明の別実施例によればシートバックは内部でシートバックが移動する固定シートバック型枠構造体を含む。表示具はシートバック型枠構造体の露出面上で移動するように取り付けられ、シートバック型枠構造体内でシートバックポジションを視覚的に表示する。
【0021】
本発明の別実施例によればシートバックは内部でシートバックが移動する固定シートバック型枠構造体と、シートバック型枠構造体の上部の露出面上に取り付けられたベゼル部とを含んでいる。ボタンがベゼル部内で移動できるように取り付けられており、リンク機構がボタンに作用してボタンをベゼル部に対して相対的に移動させ、シートバック型枠構造体内のシートバックポジションの目視用表示を提供する。
【0022】
本発明の別実施例によればリンク機構はシートバックの傾斜に合わせてボタンを下方に移動させてベゼル部内に送り込み、ベゼル部の隣接内壁を露出させるように設計されている。ベゼル部の内壁はボタンの表面とは視覚的に異なる表面を有している。ボタンがベゼル部内に引き込まれるとベゼル部の内壁はシートバックが傾斜ポジションであることを視覚的に表示する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は本発明の1実施例による航空機乗客シート10を図示する。シート10は前後移動させるシート底部構造体12とシートバック構造体14とを含み、内部でシートバック構造体14が移動する固定シートバック型枠構造体16をさらに含む。シートバックレスト15は図13に図示されている。
【0024】
ヘッドレスト構造体18はシートバック構造体14の上端近くのヘッドレストブラケット20内で移動するように取り付けられている。図示のシート10ではシート底部構造体12はシートバック構造体14の傾斜を開始させて達成させるように移動する。シート底部構造体12が前後移動するとシートバック構造体14は対応して上下平面で移動する。シート10は基礎部を介して航空機のデッキに取り外し式に取り付けられている(図示せず)。
【0025】
図1、図2および図3に示すように、プッシャ22とスライドバー24とを含むリンク機構が、図3に示すリング状プルピン26またはボルトやナット等の別の適した取り付け具によってシートバック構造体14に取り付けられている。シートポジションがシート使用者によって変えられるとシート底部構造体12が前後移動する。
【0026】
図4から図9を解説する。図4に示すごとく、シートバックポジション表示具30はシートバック構造体に取り付けられており、固定シートバック型枠構造体16内でのシートバック構造体のポジションの目視用表示を乗務員に提供する。シートバックポジション表示具30は4つの部材を含んでいる。図5に示すように、それら部材のうち2つはベゼル部32と表示具カラー部34であり、表示具カラー部34の両側に形成され、ベゼル部32のスロット部32Aと32B内にフィットする耳状部34Aと34Bの手段でスナップ式に留められる。図6は組み立てられたものを示している。組み立てられたベゼル部32と表示具カラー部34は収容器36にフィットするようになっている。
【0027】
図7で示すように収容器36は、表示具カラー部34の両外側面に横方向に間隔を空けて提供された複数のリブ部34A、34Bの1つと協調する横方向に延びる一対の内側リッジ部36Aと36Bとを有する。よって図8に示すごとくベゼル部32を収容器36から離しておくことができる。この離れた空間によってプラスチック製または皮製のシートカバーをベゼル部32と収容器36との間に収めることができる。
【0028】
図9と図10で示すように、ボタン38が組み立て後のベゼル部32、表示具カラー部34および収容器36内に収められている。ボタン38は表示具カラー部34内に収まる大きさの可視ボタン頂部38Aと、収容器36内の側部開口部を通って延びる2つの弾性サイドウィング部38Bと38Cとを含んでいる。シート内に組み入れられるとウィング部38Bと38Cは収容器36と接触し下方に曲がる。よってシートバックが傾斜ポジションにある場合のようにプッシャ22が引き下げられたときボタン38を押してボタン38の押し込みを補助する。
【0029】
離陸および着陸ポジションでは、プッシャ22はベゼル部32内のボタン38をベゼル部32の頂部とほぼ同一面となるポジションへと引き上げる。この状態を例えば図10で示している。ボタン頂部38Aと包囲するシートバック型枠構造体16は好適には同一または類似する色で着色されており、ボタン頂部38Aを乗客には明示せずに客室乗務員にはシートバック構造体14が正しい直立ポジションにあることを確認させる。プッシャ22はボタン38を下方へ引き下げるようには作用しない。むしろプッシャ22はそれ自体をボタン38の作動方向から外し、ウィング部38Bと38Cをバネとして利用してボタン38を自身で下方移動させる。シートバックの移動とボタン38とが直接的に連関しているとしたら、ボタン38は傾斜中に長い距離を移動しなければならないであろう。本発明の設計ではシートバック構造体14は長い距離を移動できるが、ボタン38は“非直立”色を示すのに十分な距離だけ移動する。このため装置を小型で軽量なものにすることができる。
【0030】
シートバック構造体14が正しい直立ポジションにない場合、ボタン38とボタン頂部はベゼル部32内の低いポジションに位置する。表示具カラー部34は好適にはコントラストが明確で観察が容易な色彩または模様であり、ボタン38が低いポジションにあるとき、表示具カラー部34の内壁の色彩または模様を客室乗務員が視認でき、図9と図10で示すごとく、シートが正しい直立ポジションでないことを示す。
【0031】
表示具30はシートバック型枠構造体16の様々な場所のうちの一つに設置できるが、客室乗務員によって観察される場合のような上方から見たときに、最も高く、最も容易に視認できる面であることから図示の位置が好適であると考えられる。同時にベゼル部32はそのシートまたはシート10の後方シートに着席する者からは通常見えないので乗客による悪戯の可能性を減少させる。点灯式表示を使用しないため、初期設置コストとシステム維持コストを削減することができ、邪魔にならず、航空機客室内にくつろいだ快適な環境を維持する。しかしながら利用状況によっては、前述のようにシートバックポジションを遠隔位置にまで電子式に中継する手段を設置することが望ましいであろう。
【0032】
図13と図14に示すように、3体のシート10のシートバック型枠構造体16は固定ポジションでは同じ高さである。中央シート10のシートバックレスト15は下方ポジションにある。このことは、固定シートバック型枠構造体16のポジションによって通過する客室乗務員には分からないであろう。しかしながら図14で示すように、ボタン38は2体の外側シート10のベゼル部32を埋めており、客室乗務員は表示具カラー部34を容易に視認できる。
【0033】
通常の固定シートバック型枠構造体を有する乗客シートに関して説明したが、シートポジション表示具をシート調節によって少々後方または垂直方向に移動できるシートを含むその他のタイプのシートでも利用できる。重要な点は客室乗務員がシートバックポジションを容易に視認できる表示具を提供することである。表示具を着席する乗客に邪魔にならない位置に取り付け、表示具自体が邪魔にならず、客室乗務員にとってのみ意味があるものが有利である。本発明の構造を、例えば着色されたボタンがシートバック表面から上昇して“非直立”形態を表示するよう、逆に作用するように設計することもできる。しかしこれは、明らかに見掛けが悪く壊れやすい可能性があるため前述のものよりも劣ると思われる。
【0034】
シートバックポジション表示具を備えた航空機乗客シートについて説明した。本発明の範囲を逸脱することなく本発明の詳細を変更することが可能である。さらに前述の本発明の好適実施例および最良実施態様は説明の目的のためにのみ提供されたものであり、本発明を限定するものではなく、本発明は「請求の範囲」によって定義されている。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1は本発明の1好適実施例による航空機乗客シートの一部斜視図である。
【図2】図2は本発明の1好適実施例による航空機乗客シートの上部シートバック部の一部分解図である。
【図3】図3は本発明の1好適実施例による航空機乗客シートの上部シートバック部の一部斜視図である。
【図4】図4はボタンとベゼル部要素の上部シートバック部の背面図である。
【図5】図5はベゼル部と表示具カラー部を表す分解図である。
【図6】図6は結合状態のベゼル部と表示具カラー部並びに収容器を表す分解図である。
【図7】図7は組み立てられた表示具カラー部と収容器の内部図である。
【図8】図8はシートポジション表示具のベゼル部、表示具カラー部並びに収容器の組立図である。
【図9】図9は“非直立”ポジションを示すシートバックポジション表示具の組立図である。
【図10】図10は“直立”ポジションを示すシートバックポジション表示具の組立図である。
【図11】図11は“シートバック傾斜”ポジションを示すシートバックポジション表示具を図示するシートバック型枠構造体の上部の斜視図である。
【図12】図12は“直立”ポジションを示すシートバックポジション表示具を図示するシートバック型枠構造体の上部の斜視図である。
【図13】図13は3体の乗客シート構造体の上部の斜視図であり、傾斜ポジションである中央シートと、直立ポジションである両側のシートを図示する。
【図14】図14は図13で示すシートのシートバックの最上部の拡大斜視図である。
【技術分野】
【0001】
本願は2006年2月15日出願の米国仮特許願60/773751の優先権を主張する。本発明はシートバックポジション表示具に関する。この装置は特に多数の乗客が前後左右に密接して着座しており、飛行機の離陸時、着陸時、飛行中の緊急時および荒天時のごとき場合に状況に応じて客室乗務員によって観察が可能な旅客機のごとき輸送機関の乗客シートへの適用に適している。
【背景技術】
【0002】
一般的にはこれらの状況では飛行乗務員はシートバックを直立位置に戻し、トレイを収納固定位置に戻させるように放送しなければならない。その後、乗務員は客室を周回し、シートバックが実際に直立ポジションに戻っているか否かを目視する必要がある。旅客機はますます大型化しており、シート間隔は狭くなっているため、その分だけ乗務員がシートバックポジションを個別に観察して正しい直立ポジションに戻っていることを確認することはますます困難になってきている。
【0003】
さらに、旅客機シートによっては後方の乗客のスペースを侵犯しないようにほぼ同一ポジションに保持されるシート型枠あるいはシートバック部材を含むシートバックを有している。クッション入りシートバック自体はシート型枠の前方に位置し、シート型枠の前方領域内で移動する。このような場合、シートバックが直立ポジションに戻っているか否かを視覚的に確認することは非常に困難であるか、不可能である。なぜならシートのシート型枠は常に同一ポジションで直立であり、特に側部や背後からのシートの視覚的観察を妨害する。
【0004】
別の形態ではシートバックは後方にはさほど移動せずに下方に少々移動できるだけであり、客室乗務員が周囲のシートバックと相対的に対象シートバックのポジションを観察することを困難にしている。
【0005】
従来のシートバックポジション表示器はシートバックに組み入れられた点灯具を含んでおり、シートバックポジションの点灯表示を行うものであった。別のシート設計ではシートバックとシートベルトポジション状況を無線で客室制御パネルあるいは客室乗務員によって使用される手持ち装置に伝達するセンサーが利用されている。これらの形態は高価であり、航空機の電子機器や電源にさらなる負荷をかけ、悪用や損傷の原因となる。そのような設計は航空機環境によって適否が判断されるものである。
【0006】
本発明は旅客機等の輸送手段で使用する比較的に安価であり、構造的に単純であって信頼性が高い乗客シートバックポジション確認方法を提供する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の1目的は乗客シートのためのシートバックポジション表示具の提供である。
【0008】
本発明の別目的は様々なポジションから容易に観察可能な乗客シートのためのシートバックポジション表示具の提供である。
【0009】
本発明の別目的は比較的に安価であって頑丈で信頼性が高い乗客シートのためのシートバックポジション表示具の提供である。
【0010】
本発明の別目的は固定式直立非侵略型シートバック型枠構造体を有したシートでの利用に特に適した乗客シートのためのシートバックポジション表示具の提供である。
【0011】
本発明の別目的は作動に電子機器も電気も必要としないが、オプションでは客室乗務員による観察を可能とすべくシートバックポジション表示具の状況を遠隔装置に伝達する電気センサーを装着することができる乗客シートのためのシートバックポジション表示具の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のこれらおよび他の目的並びに利点はシート底部と、傾斜ポジションと直立ポジションとの間で移動できるシートバックとを有したシートが直立ポジションであるのか傾斜ポジションであるのかを示す表示を提供する目視型シートポジション表示装置により達成される。このシートポジション表示装置はシートバックの上部の露出面上を移動するように取り付けられた目視表示具と、シートバックの移動に対応してその表示具を移動させるように目視表示具とシートバックとの間で作用する機械式リンク機構とを含んでいる。シートバックと表示具との相対位置関係によりシートバックポジションの目視用表示が提供される。
【0013】
本発明の1実施例によれば表示具はシートバックの上部に取り付けられたボタンである。本発明の別実施例によれば表示装置はシートバックの上部に取り付けられ、ボタンを囲むベゼル部を含む。ベゼル部とボタンとの相対位置関係によりシートバックポジションの目視用表示が提供される。本発明別実施例によれば機械式リンク機構はボタンに作用するプッシャを含み、シートバックの移動に対応してプッシャを移動させる。本発明の別実施例によればシートバックはシートバックを内部で移動させる固定シートバック型枠構造体を含む。表示具はシートバック型枠構造体の露出面上を移動するように取り付けられており、シートバック型枠構造体内のシートバックポジションの目視用表示を提供する。本発明の別実施例によればシートバックはシートバックを内部で移動させる固定シートバック型枠構造体と、シートバック型枠構造体の上部露出面上に取り付けられたベゼル部とを含んでいる。ボタンがベゼル部内で移動できるように取り付けられており、リンク機構によってシートバックとボタンとはベゼル部と相対的に移動し、シートバック型枠構造体内にシートバックポジションの目視用表示が提供される。
【0014】
本発明の別実施例によればシートバックが傾斜するとリンク機構はボタンを下方に移動させてベゼル部内に入れ、ベゼル部の隣接内壁を露出させるように設計されている。ベゼル部の内壁はボタンの表面と視覚的に区別させる表面を有しており、ボタンがベゼル部内に引き入れられると、ベゼル部の内壁はシートバックが傾斜ポジションにあることを視覚的に表示する。
【0015】
本発明の別実施例によればリンク機構はボタンに作用するプッシャを含む。
【0016】
本発明の別実施によればベゼル部の内壁は着色されており、ボタンの表面はベゼル部の内壁の色彩とは視覚的に異なる色彩で着色されている。よってボタンがベゼル部内に引き込まれるとベゼル部の内壁はシートバックが傾斜ポジションであることを視覚的に表示する。
【0017】
本発明の別実施例によれば航空機の乗客シートは基礎部を含んでおり、その上にシート底部が取り付けられている。さらに、傾斜ポジションと直立ポジションとの間で移動するシートバックと、シートバックの上部の露出面上で移動できるように取り付けられた目視式シートバックポジション表示具が提供されている。機械式リンク機構は表示具をシートバックの移動に合わせて移動させるために目視式表示具に作用する。シートバックと表示具との相対的位置関係はシートバックポジションの目視用表示を提供する。
【0018】
本発明のさらに別な実施例によれば表示具はシートバックの上部に取り付けられたボタンである。
【0019】
本発明の別実施例によればベゼル部がシートバックの上部にボタンを包囲するように取り付けられ、ボタンとベゼル部との相対的位置関係はシートバックポジションの目視用表示を提供する。
【0020】
本発明の別実施例によればシートバックは内部でシートバックが移動する固定シートバック型枠構造体を含む。表示具はシートバック型枠構造体の露出面上で移動するように取り付けられ、シートバック型枠構造体内でシートバックポジションを視覚的に表示する。
【0021】
本発明の別実施例によればシートバックは内部でシートバックが移動する固定シートバック型枠構造体と、シートバック型枠構造体の上部の露出面上に取り付けられたベゼル部とを含んでいる。ボタンがベゼル部内で移動できるように取り付けられており、リンク機構がボタンに作用してボタンをベゼル部に対して相対的に移動させ、シートバック型枠構造体内のシートバックポジションの目視用表示を提供する。
【0022】
本発明の別実施例によればリンク機構はシートバックの傾斜に合わせてボタンを下方に移動させてベゼル部内に送り込み、ベゼル部の隣接内壁を露出させるように設計されている。ベゼル部の内壁はボタンの表面とは視覚的に異なる表面を有している。ボタンがベゼル部内に引き込まれるとベゼル部の内壁はシートバックが傾斜ポジションであることを視覚的に表示する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は本発明の1実施例による航空機乗客シート10を図示する。シート10は前後移動させるシート底部構造体12とシートバック構造体14とを含み、内部でシートバック構造体14が移動する固定シートバック型枠構造体16をさらに含む。シートバックレスト15は図13に図示されている。
【0024】
ヘッドレスト構造体18はシートバック構造体14の上端近くのヘッドレストブラケット20内で移動するように取り付けられている。図示のシート10ではシート底部構造体12はシートバック構造体14の傾斜を開始させて達成させるように移動する。シート底部構造体12が前後移動するとシートバック構造体14は対応して上下平面で移動する。シート10は基礎部を介して航空機のデッキに取り外し式に取り付けられている(図示せず)。
【0025】
図1、図2および図3に示すように、プッシャ22とスライドバー24とを含むリンク機構が、図3に示すリング状プルピン26またはボルトやナット等の別の適した取り付け具によってシートバック構造体14に取り付けられている。シートポジションがシート使用者によって変えられるとシート底部構造体12が前後移動する。
【0026】
図4から図9を解説する。図4に示すごとく、シートバックポジション表示具30はシートバック構造体に取り付けられており、固定シートバック型枠構造体16内でのシートバック構造体のポジションの目視用表示を乗務員に提供する。シートバックポジション表示具30は4つの部材を含んでいる。図5に示すように、それら部材のうち2つはベゼル部32と表示具カラー部34であり、表示具カラー部34の両側に形成され、ベゼル部32のスロット部32Aと32B内にフィットする耳状部34Aと34Bの手段でスナップ式に留められる。図6は組み立てられたものを示している。組み立てられたベゼル部32と表示具カラー部34は収容器36にフィットするようになっている。
【0027】
図7で示すように収容器36は、表示具カラー部34の両外側面に横方向に間隔を空けて提供された複数のリブ部34A、34Bの1つと協調する横方向に延びる一対の内側リッジ部36Aと36Bとを有する。よって図8に示すごとくベゼル部32を収容器36から離しておくことができる。この離れた空間によってプラスチック製または皮製のシートカバーをベゼル部32と収容器36との間に収めることができる。
【0028】
図9と図10で示すように、ボタン38が組み立て後のベゼル部32、表示具カラー部34および収容器36内に収められている。ボタン38は表示具カラー部34内に収まる大きさの可視ボタン頂部38Aと、収容器36内の側部開口部を通って延びる2つの弾性サイドウィング部38Bと38Cとを含んでいる。シート内に組み入れられるとウィング部38Bと38Cは収容器36と接触し下方に曲がる。よってシートバックが傾斜ポジションにある場合のようにプッシャ22が引き下げられたときボタン38を押してボタン38の押し込みを補助する。
【0029】
離陸および着陸ポジションでは、プッシャ22はベゼル部32内のボタン38をベゼル部32の頂部とほぼ同一面となるポジションへと引き上げる。この状態を例えば図10で示している。ボタン頂部38Aと包囲するシートバック型枠構造体16は好適には同一または類似する色で着色されており、ボタン頂部38Aを乗客には明示せずに客室乗務員にはシートバック構造体14が正しい直立ポジションにあることを確認させる。プッシャ22はボタン38を下方へ引き下げるようには作用しない。むしろプッシャ22はそれ自体をボタン38の作動方向から外し、ウィング部38Bと38Cをバネとして利用してボタン38を自身で下方移動させる。シートバックの移動とボタン38とが直接的に連関しているとしたら、ボタン38は傾斜中に長い距離を移動しなければならないであろう。本発明の設計ではシートバック構造体14は長い距離を移動できるが、ボタン38は“非直立”色を示すのに十分な距離だけ移動する。このため装置を小型で軽量なものにすることができる。
【0030】
シートバック構造体14が正しい直立ポジションにない場合、ボタン38とボタン頂部はベゼル部32内の低いポジションに位置する。表示具カラー部34は好適にはコントラストが明確で観察が容易な色彩または模様であり、ボタン38が低いポジションにあるとき、表示具カラー部34の内壁の色彩または模様を客室乗務員が視認でき、図9と図10で示すごとく、シートが正しい直立ポジションでないことを示す。
【0031】
表示具30はシートバック型枠構造体16の様々な場所のうちの一つに設置できるが、客室乗務員によって観察される場合のような上方から見たときに、最も高く、最も容易に視認できる面であることから図示の位置が好適であると考えられる。同時にベゼル部32はそのシートまたはシート10の後方シートに着席する者からは通常見えないので乗客による悪戯の可能性を減少させる。点灯式表示を使用しないため、初期設置コストとシステム維持コストを削減することができ、邪魔にならず、航空機客室内にくつろいだ快適な環境を維持する。しかしながら利用状況によっては、前述のようにシートバックポジションを遠隔位置にまで電子式に中継する手段を設置することが望ましいであろう。
【0032】
図13と図14に示すように、3体のシート10のシートバック型枠構造体16は固定ポジションでは同じ高さである。中央シート10のシートバックレスト15は下方ポジションにある。このことは、固定シートバック型枠構造体16のポジションによって通過する客室乗務員には分からないであろう。しかしながら図14で示すように、ボタン38は2体の外側シート10のベゼル部32を埋めており、客室乗務員は表示具カラー部34を容易に視認できる。
【0033】
通常の固定シートバック型枠構造体を有する乗客シートに関して説明したが、シートポジション表示具をシート調節によって少々後方または垂直方向に移動できるシートを含むその他のタイプのシートでも利用できる。重要な点は客室乗務員がシートバックポジションを容易に視認できる表示具を提供することである。表示具を着席する乗客に邪魔にならない位置に取り付け、表示具自体が邪魔にならず、客室乗務員にとってのみ意味があるものが有利である。本発明の構造を、例えば着色されたボタンがシートバック表面から上昇して“非直立”形態を表示するよう、逆に作用するように設計することもできる。しかしこれは、明らかに見掛けが悪く壊れやすい可能性があるため前述のものよりも劣ると思われる。
【0034】
シートバックポジション表示具を備えた航空機乗客シートについて説明した。本発明の範囲を逸脱することなく本発明の詳細を変更することが可能である。さらに前述の本発明の好適実施例および最良実施態様は説明の目的のためにのみ提供されたものであり、本発明を限定するものではなく、本発明は「請求の範囲」によって定義されている。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1は本発明の1好適実施例による航空機乗客シートの一部斜視図である。
【図2】図2は本発明の1好適実施例による航空機乗客シートの上部シートバック部の一部分解図である。
【図3】図3は本発明の1好適実施例による航空機乗客シートの上部シートバック部の一部斜視図である。
【図4】図4はボタンとベゼル部要素の上部シートバック部の背面図である。
【図5】図5はベゼル部と表示具カラー部を表す分解図である。
【図6】図6は結合状態のベゼル部と表示具カラー部並びに収容器を表す分解図である。
【図7】図7は組み立てられた表示具カラー部と収容器の内部図である。
【図8】図8はシートポジション表示具のベゼル部、表示具カラー部並びに収容器の組立図である。
【図9】図9は“非直立”ポジションを示すシートバックポジション表示具の組立図である。
【図10】図10は“直立”ポジションを示すシートバックポジション表示具の組立図である。
【図11】図11は“シートバック傾斜”ポジションを示すシートバックポジション表示具を図示するシートバック型枠構造体の上部の斜視図である。
【図12】図12は“直立”ポジションを示すシートバックポジション表示具を図示するシートバック型枠構造体の上部の斜視図である。
【図13】図13は3体の乗客シート構造体の上部の斜視図であり、傾斜ポジションである中央シートと、直立ポジションである両側のシートを図示する。
【図14】図14は図13で示すシートのシートバックの最上部の拡大斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示を提供する目視型シートポジション表示装置であって、シート底部と、傾斜ポジションと直立ポジションとの間で移動できるシートバックとを有したシートが直立ポジションであるのか傾斜ポジションであるのかを表示するものであり、本表示装置は、
(a)前記シートバックの上部の露出面上を移動するように取り付けられた目視表示具と、
(b)前記シートバックの移動に対応して前記目視表示具を移動させるように前記目視表示具と前記シートバックとの間に配置された機械式リンク機構と、
を含んでおり、前記シートバックと前記表示具との相対位置関係によりシートバックポジションの目視用表示を提供することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
表示具はシートバックの上部に取り付けられたボタンであることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
シートバックの上部に取り付けられ、ボタンを囲むベゼル部を含んでおり、前記ベゼル部と前記ボタンとの相対位置関係によりシートバックポジションの目視用表示を提供することを特徴とする請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
機械式リンク機構はボタンに作用するプッシャを含んでいることを特徴とする請求項2記載の表示装置。
【請求項5】
シートバックは該シートバックを内部で移動させる固定シートバック型枠構造体を含んでおり、表示具は前記シートバック型枠構造体の露出面上を移動するように取り付けられており、前記シートバック型枠構造体内のシートバックポジションの目視用表示を提供することを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項6】
シートバックは、
(a)該シートバックを内部で移動させる固定シートバック型枠構造体と、
(b)前記シートバック型枠構造体の上部露出面上に取り付けられたベゼル部と、
(c)前記ベゼル部内で移動できるように取り付けられたボタンと、
(d)前記シートバック上に取り付けられ、前記ボタンを前記ベゼル部と相対的に移動させるべく該ボタンに作用し、前記シートバック型枠構造体内にシートバックポジションの目視用表示を提供するリンク機構と、
を含んでいることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項7】
シートバックが傾斜するとリンク機構はボタンを下方に移動させてベゼル部内に入れ、該ベゼル部の隣接内壁を露出させるように設計されており、前記ベゼル部の前記内壁は前記ボタンの表面と視覚的に区別させる表面を有しており、前記ボタンが前記ベゼル部内に引き入れられると、前記ベゼル部の前記内壁は前記シートバックが傾斜ポジションにあることを視覚的に表示することを特徴とする請求項6記載の表示装置。
【請求項8】
リンク機構はボタンとシートバックとを相互接続するプッシャを含んでいることを特徴とする請求項7記載の表示装置。
【請求項9】
リンク機構はシートバックの移動中にボタンに作用するプッシャを含んでいることを特徴とする請求項7記載の表示装置。
【請求項10】
ベゼル部の内壁は着色されており、ボタンの表面は前記ベゼル部の前記内壁の色彩とは視覚的に異なる色彩で着色されており、前記ボタンが前記ベゼル部内に引き込まれると前記ベゼル部の前記内壁はシートバックが傾斜ポジションであることを視覚的に表示することを特徴とする請求項7記載の表示装置。
【請求項11】
航空機乗客シートであって、
(a)シート底部と、傾斜ポジションと直立ポジションとの間で移動するシートバックとが取り付けられた基礎部と、
(b)前記シートバックの上部の露出面上で移動できるように取り付けられた目視式シートバックポジション表示具と、
(c)前記表示具を前記シートバックの移動に対応して移動させるために前記目視式表示具に作用する機械式リンク機構と、を含んでおり、
前記シートバックと前記表示具との相対的位置関係はシートバックポジションの目視用表示を提供することを特徴とする航空機乗客シート。
【請求項12】
表示具はシートバックの上部に取り付けられたボタンであることを特徴とする請求項11記載の航空機乗客シート。
【請求項13】
ベゼル部がシートバックの上部にボタンを包囲するように取り付けられ、前記ボタンと前記ベゼル部との相対的位置関係はシートバックポジションの目視用表示を提供することを特徴とする請求項12記載の航空機乗客シート。
【請求項14】
リンク機構はシートバックの移動中にボタンに作用するプッシャを含んでいることを特徴とする請求項12または13記載の航空機乗客シート。
【請求項15】
シートバックは内部で該シートバックが移動する固定シートバック型枠構造体を含んでおり、表示具は前記シートバック型枠構造体の露出面上で移動するように取り付けられており、前記シートバック型枠構造体内でシートバックポジションを視覚的に表示することを特徴とする請求項11記載の航空機乗客シート。
【請求項16】
シートバックは、
(a)内部で該シートバックが移動する固定シートバック型枠構造体と、
(b)前記シートバック型枠構造体の上部の露出面上に取り付けられたベゼル部と、
(c)前記ベゼル部内で移動できるように取り付けられたボタンと、
(d)前記シートバックに取り付けられ、前記ボタンに作用して該ボタンを前記ベゼル部に対して相対的に移動させ、前記シートバック型枠構造体内のシートバックポジションの目視用表示を提供するリンク機構と、を含んでいることを特徴とする請求項11記載の航空機乗客シート。
【請求項17】
リンク機構はシートバックの傾斜に合わせてボタンを下方に移動させてベゼル部内に送り込み、該ベゼル部の隣接内壁を露出させるように設計されており、前記ベゼル部の前記内壁は前記ボタンの表面とは視覚的に異なる表面を有しており、前記ボタンが前記ベゼル部内に引き込まれると該ベゼル部の前記内壁は前記シートバックが傾斜ポジションであることを視覚的に表示することを特徴とする請求項16記載の航空機乗客シート。
【請求項18】
リンク機構はボタンとシートバックとを相互接続するプッシャを含んでいることを特徴とする請求項17記載の航空機乗客シート。
【請求項19】
リンク機構はシートバックの移動中にボタンに作用するプッシャを含んでいることを特徴とする請求項17記載の航空機乗客シート。
【請求項20】
ベゼル部の内壁は着色されており、ボタンの表面は前記ベゼル部の前記内壁の色彩とは視覚的に異なる色彩で着色されており、前記ボタンが前記ベゼル部内に引き込まれると前記ベゼル部の前記内壁はシートバックが傾斜ポジションであることを視覚的に表示することを特徴とする請求項17記載の航空機乗客シート。
【請求項1】
表示を提供する目視型シートポジション表示装置であって、シート底部と、傾斜ポジションと直立ポジションとの間で移動できるシートバックとを有したシートが直立ポジションであるのか傾斜ポジションであるのかを表示するものであり、本表示装置は、
(a)前記シートバックの上部の露出面上を移動するように取り付けられた目視表示具と、
(b)前記シートバックの移動に対応して前記目視表示具を移動させるように前記目視表示具と前記シートバックとの間に配置された機械式リンク機構と、
を含んでおり、前記シートバックと前記表示具との相対位置関係によりシートバックポジションの目視用表示を提供することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
表示具はシートバックの上部に取り付けられたボタンであることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
シートバックの上部に取り付けられ、ボタンを囲むベゼル部を含んでおり、前記ベゼル部と前記ボタンとの相対位置関係によりシートバックポジションの目視用表示を提供することを特徴とする請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
機械式リンク機構はボタンに作用するプッシャを含んでいることを特徴とする請求項2記載の表示装置。
【請求項5】
シートバックは該シートバックを内部で移動させる固定シートバック型枠構造体を含んでおり、表示具は前記シートバック型枠構造体の露出面上を移動するように取り付けられており、前記シートバック型枠構造体内のシートバックポジションの目視用表示を提供することを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項6】
シートバックは、
(a)該シートバックを内部で移動させる固定シートバック型枠構造体と、
(b)前記シートバック型枠構造体の上部露出面上に取り付けられたベゼル部と、
(c)前記ベゼル部内で移動できるように取り付けられたボタンと、
(d)前記シートバック上に取り付けられ、前記ボタンを前記ベゼル部と相対的に移動させるべく該ボタンに作用し、前記シートバック型枠構造体内にシートバックポジションの目視用表示を提供するリンク機構と、
を含んでいることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項7】
シートバックが傾斜するとリンク機構はボタンを下方に移動させてベゼル部内に入れ、該ベゼル部の隣接内壁を露出させるように設計されており、前記ベゼル部の前記内壁は前記ボタンの表面と視覚的に区別させる表面を有しており、前記ボタンが前記ベゼル部内に引き入れられると、前記ベゼル部の前記内壁は前記シートバックが傾斜ポジションにあることを視覚的に表示することを特徴とする請求項6記載の表示装置。
【請求項8】
リンク機構はボタンとシートバックとを相互接続するプッシャを含んでいることを特徴とする請求項7記載の表示装置。
【請求項9】
リンク機構はシートバックの移動中にボタンに作用するプッシャを含んでいることを特徴とする請求項7記載の表示装置。
【請求項10】
ベゼル部の内壁は着色されており、ボタンの表面は前記ベゼル部の前記内壁の色彩とは視覚的に異なる色彩で着色されており、前記ボタンが前記ベゼル部内に引き込まれると前記ベゼル部の前記内壁はシートバックが傾斜ポジションであることを視覚的に表示することを特徴とする請求項7記載の表示装置。
【請求項11】
航空機乗客シートであって、
(a)シート底部と、傾斜ポジションと直立ポジションとの間で移動するシートバックとが取り付けられた基礎部と、
(b)前記シートバックの上部の露出面上で移動できるように取り付けられた目視式シートバックポジション表示具と、
(c)前記表示具を前記シートバックの移動に対応して移動させるために前記目視式表示具に作用する機械式リンク機構と、を含んでおり、
前記シートバックと前記表示具との相対的位置関係はシートバックポジションの目視用表示を提供することを特徴とする航空機乗客シート。
【請求項12】
表示具はシートバックの上部に取り付けられたボタンであることを特徴とする請求項11記載の航空機乗客シート。
【請求項13】
ベゼル部がシートバックの上部にボタンを包囲するように取り付けられ、前記ボタンと前記ベゼル部との相対的位置関係はシートバックポジションの目視用表示を提供することを特徴とする請求項12記載の航空機乗客シート。
【請求項14】
リンク機構はシートバックの移動中にボタンに作用するプッシャを含んでいることを特徴とする請求項12または13記載の航空機乗客シート。
【請求項15】
シートバックは内部で該シートバックが移動する固定シートバック型枠構造体を含んでおり、表示具は前記シートバック型枠構造体の露出面上で移動するように取り付けられており、前記シートバック型枠構造体内でシートバックポジションを視覚的に表示することを特徴とする請求項11記載の航空機乗客シート。
【請求項16】
シートバックは、
(a)内部で該シートバックが移動する固定シートバック型枠構造体と、
(b)前記シートバック型枠構造体の上部の露出面上に取り付けられたベゼル部と、
(c)前記ベゼル部内で移動できるように取り付けられたボタンと、
(d)前記シートバックに取り付けられ、前記ボタンに作用して該ボタンを前記ベゼル部に対して相対的に移動させ、前記シートバック型枠構造体内のシートバックポジションの目視用表示を提供するリンク機構と、を含んでいることを特徴とする請求項11記載の航空機乗客シート。
【請求項17】
リンク機構はシートバックの傾斜に合わせてボタンを下方に移動させてベゼル部内に送り込み、該ベゼル部の隣接内壁を露出させるように設計されており、前記ベゼル部の前記内壁は前記ボタンの表面とは視覚的に異なる表面を有しており、前記ボタンが前記ベゼル部内に引き込まれると該ベゼル部の前記内壁は前記シートバックが傾斜ポジションであることを視覚的に表示することを特徴とする請求項16記載の航空機乗客シート。
【請求項18】
リンク機構はボタンとシートバックとを相互接続するプッシャを含んでいることを特徴とする請求項17記載の航空機乗客シート。
【請求項19】
リンク機構はシートバックの移動中にボタンに作用するプッシャを含んでいることを特徴とする請求項17記載の航空機乗客シート。
【請求項20】
ベゼル部の内壁は着色されており、ボタンの表面は前記ベゼル部の前記内壁の色彩とは視覚的に異なる色彩で着色されており、前記ボタンが前記ベゼル部内に引き込まれると前記ベゼル部の前記内壁はシートバックが傾斜ポジションであることを視覚的に表示することを特徴とする請求項17記載の航空機乗客シート。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2009−526709(P2009−526709A)
【公表日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−555451(P2008−555451)
【出願日】平成19年2月13日(2007.2.13)
【国際出願番号】PCT/US2007/062033
【国際公開番号】WO2007/095522
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(504440351)ビー イー エアロスペイス,インク. (33)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月13日(2007.2.13)
【国際出願番号】PCT/US2007/062033
【国際公開番号】WO2007/095522
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(504440351)ビー イー エアロスペイス,インク. (33)
【Fターム(参考)】
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