説明

直管型LEDランプ用スイッチ装置及びそれを用いた直管型LEDランプ

【課題】ソケット内の電極の位置にバラつきが発生する場合においても、確実にLEDを発光する駆動回路への通電が可能となるオン状態に切り替えること。
【解決手段】ハウジングから突出する第1端子(5)と、ハウジング内への押圧操作を受け付け可能な操作部を有する操作体(9)と、操作体(9)への押圧操作に伴って第1端子(5)と導通状態が切り替えられる第2端子(6)と、操作体(9)を押圧操作前の初期状態に復帰させるトーションばね(12)とを備え、初期状態における操作体(9)の先端部の位置を第1端子(5)の先端部の位置よりも外側に突出させたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直管型LEDランプに用いられ、灯器具のソケットに装着される直管型LEDランプ用スイッチ装置及びそれを用いた直管型LEDランプに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光源にLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)を用いるLEDランプが普及している。LEDランプにおいては、従来型の照明器具と比べ、消費電力や二酸化炭素の排出量を大幅に低減できると共に、製品寿命も大幅に拡大できる。このようなLEDランプにおいて、現在、従来型の蛍光灯を代替する照明器具として直管型LEDランプが注目されている。
【0003】
このような直管型LEDランプにおいて、両端に配置された口金に、弾性付勢されたスイッチピンを外側に向けて突出させておき、蛍光灯器具に対する取り付け作業に応じて押し込まれたスイッチピンの一部でLEDへの通電を切り替えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この直管型LEDランプにおいては、蛍光灯器具に対する直管型LEDランプの取り付け、或いは、蛍光灯器具からの直管型LEDランプの取り外し時に作業者に電流が流れる事態を防止でき、当該作業時における安全性を確保することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−192229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1に記載の直管型LEDランプにおいては、非押圧状態におけるスイッチピンの先端部が、口金から突出して設けられた一対の口金ピンの先端部よりも内側の位置(すなわち、口金側の位置)に配置されている。一般に、これらの口金ピンが接触する電極は、蛍光灯器具のソケットに設けられた孔部の奥に配置されている。上述した直管型LEDランプにおいては、これらの孔部内に口金ピンを収納した状態で、ソケットの表面(側面)でスイッチピンを押し込むことによりLEDへの通電を切り替えるように構成されている。
【0006】
しかしながら、蛍光灯器具のソケットに設けられる孔部に露出した電極の位置、すなわち、孔部が形成されたソケットの表面から電極までの距離には、製造業者の違いや部品寸法の誤差(公差)等に依存してバラつきを有する。また、蛍光灯器具本体に対するソケットの位置もバラつきが発生し得る。このように孔部の深さやソケットの位置がバラつくと、孔部内に配置される電極の位置にもバラつきが発生することとなる。このため、ソケットの孔部内に配置された電極の位置によっては、スイッチピンが所望の位置まで押し込まれず、適切にLEDへの通電状態をオン状態に切り替えることができない事態が発生するおそれがある。
【0007】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、ソケット内の電極の位置にバラつきが発生する場合においても、確実にLEDへの通電状態をオン状態に切り替えることができる直管型LEDランプ用スイッチ装置及びそれを用いた直管型LEDランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の直管型LEDランプ用スイッチ装置は、開口部を有するハウジングと、このハウジングから一方向に突出すると共に灯器具のソケット内の電極と接触可能な一対の第1端子と、前記開口部から前記一方向に突出すると共に前記ハウジング内への押圧操作を受け付け可能な操作部を有する操作体と、この操作体への押圧操作に伴って前記第1端子の少なくとも一方と導通状態が切り替えられる第2端子と、前記操作体を押圧操作前の初期状態に復帰させる弾性部材とを備え、初期状態における前記操作体の先端部の位置を前記一対の第1端子の先端部の位置よりも前記一方向側に突出させたことを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、初期状態における操作体の先端部の位置を一対の第1端子の先端部の位置よりも一方向側に突出させたことから、一対の第1端子よりも先に操作体を灯器具のソケットに当接させることが可能となるので、ソケット内における電極の位置に関わらず、操作体でハウジング内へ押圧操作を受け付けることができる。この押圧操作に伴って、第1端子の少なくとも一方と第2端子とを導通状態に切り替えることができるので、ソケット内の電極の位置にバラつきが発生する場合においても、確実にLEDを発光させる駆動回路への通電が可能となるオン状態に切り替えることができる。
【0010】
上記直管型LEDランプ用スイッチ装置において、前記操作体は、前記ソケットによる前記操作体への押圧操作の際に、前記一対の第1端子が前記電極に接触する前に前記ソケットにより前記ハウジング内に押圧され、前記一対の第1端子の少なくとも一方と前記第2端子とが導通状態に切り替えられることが好ましい。この場合には、一対の第1端子が電極に接触する前に第1端子と第2端子とが導通状態に切り替えられることから、第1端子と第2端子とが導通状態に切り替えられた時点では導通が開始されていないので、スイッチ装置内でアーク放電が発生する事態を防止できる。
【0011】
上記直管型LEDランプ用スイッチ装置において、前記一対の第1端子の少なくとも一方と前記第2端子とが導通状態に切り替えられる時点で、前記一対の第1端子の先端部が前記ソケットに設けられた孔部に収容されることが好ましい。この場合には、第1端子と第2端子とが導通状態に切り替えられる時点で、第1端子の先端部がソケットに設けられた孔部に収容されることから、直管型LEDランプの取り付け時等に作業者が第1端子に接触し難くできるので、当該作業時における安全性を確保することが可能となる。
【0012】
上記直管型LEDランプ用スイッチ装置において、前記ハウジング内には、前記操作体への押圧操作時に前記操作部が収容される収容部が設けられると共に、前記操作体は、前記第1端子における前記一方向を挟む相反する方向の少なくとも一方側からの押圧操作に伴って傾動動作するように構成されており、この傾動動作により、前記操作部の少なくとも一部が前記収容部に収容されると共に、前記第1端子の少なくとも一方と前記第2端子とが導通することが好ましい。この場合には、ハウジング内への押圧操作だけでなく、第1端子の突出方向を挟む相反する方向の少なくとも一方側からの押圧操作に伴って操作部の少なくとも一部がハウジング内に収容され、第1端子と第2端子とが導通する。これにより、直管型蛍光灯の一端側の端子を一方のソケットに差し込んだ後、他端側の端子を他方のソケットに差し込む形態の蛍光灯器具だけでなく、直管型蛍光灯の両端の端子を同時にソケットに装着する形態の蛍光灯器具に取り付ける場合においても、操作部を収容部内に収容させ、第1端子と第2端子とを導通させることができるので、いずれの形態の蛍光灯器具に対しても取り付けることが可能となる。
【0013】
上記直管型LEDランプ用スイッチ装置において、前記収容部には、前記操作体への押圧操作に伴って前記操作部が収容される際に前記操作体が案内される案内部が設けられており、前記操作部は、前記一方側からの押圧操作を受け付ける第1被押圧部を備え、前記一方側からの押圧操作に伴って、前記操作体が傾動動作すると共に前記収容部内に押し込まれることが好ましい。この場合には、操作部に、一方側からの押圧操作を受け付ける第1被押圧部を設けたことから、簡単な構成で一方側からの押圧操作に応じて、操作体を傾動動作させると共に収容部内に押し込むことが可能となる。また、収容部に操作体を案内する案内部を設けたことから、押圧操作に伴って円滑に操作部を収容部に収容させることが可能となる。
【0014】
上記直管型LEDランプ用スイッチ装置においては、前記一対の第1端子の両方の延出方向を含んだ平面と平行な切断面における前記操作部の断面形状が、前記開口部側よりも先端の頂部側が幅狭となるように形成されると共に、前記断面形状の前記頂部を挟んで一方の外形に位置して前記第1被押圧部が設けられており、前記一方側からの押圧操作に伴う前記傾動動作が、前記一対の第1端子の両方の延出方向を含んだ平面に沿って移動するものであることが好ましい。この場合には、操作体が一対の第1端子の両方の延出方向を含んだ平面に沿って移動することから、直管型蛍光灯の両端の端子を同時にソケットに装着する形態の蛍光灯器具に対して容易に直管型LEDランプを取り付けることが可能となる。
【0015】
上記直管型LEDランプ用スイッチ装置において、前記操作体には、前記切断面と交差する方向に突出する突出部が設けられており、初期状態において、前記突出部が前記収容部に設けられた支持部に支持されることが好ましい。この場合には、突出部が弾性部材の付勢力によって支持部に受け止められているので、操作体のガタツキを抑制すると共に、突出部がストッパとなって操作体が開口部から脱落するのを防止することが可能となる。
【0016】
上記直管型LEDランプ用スイッチ装置において、前記操作体は、前記第1端子における前記一方向を挟んで前記一方側と相反する他方側からの押圧操作を受け付ける第2被押圧部を備え、前記他方側からの押圧操作に伴って、前記操作体が傾動動作すると共に前記収容部内に押し込まれ、前記第1被押圧部及び第2被押圧部は、前記開口部が形成された前記ハウジングの一面に対して、それぞれ90度未満の角度を有する第1傾斜部及び第2傾斜部を有し、前記一方側又は前記他方側からの押圧操作に伴う前記傾動動作によって前記第1傾斜部と前記第2傾斜部のいずれか一方の傾斜部が前記収容部の前記案内部に当接した状態において、他方の傾斜部が前記開口部から突出していることが好ましい。この場合には、操作体は、一方側と他方側の両側からの押圧操作に伴って傾動動作することから、蛍光灯器具に対して取り付ける方向の制限をなくすことができるので、蛍光灯器具に対する直管型LEDランプの取り付け作業を容易に行うことが可能となる。また、傾動動作に伴って第1傾斜部と第2傾斜部のいずれか一方の傾斜部が収容部の案内部に当接した場合においても、他方の傾斜部が開口部から突出することから、傾動動作後の押し込み動作を確実に行うことができ、第1端子の少なくとも一方と第2端子との導通を確保することが可能となる。
【0017】
上記直管型LEDランプ用スイッチ装置においては、前記第1端子の少なくとも一方と前記第2端子との導通状態を切り替える可動接点と、前記操作体への押圧操作に伴って移動すると共に前記可動接点を駆動する駆動部材と、を具備し、前記駆動部材が前記一対の第1端子間の領域を移動するように配置されていることが好ましい。この場合には、駆動部材が一対の第1端子間の領域を移動するように配置されていることから、ハウジング内のスペース効率が向上する。
【0018】
上記直管型LEDランプ用スイッチ装置において、前記操作体は、前記一対の第1端子間とは異なる領域に配置されていると共に、前記操作部の先端と対向する位置に前記駆動部材と当接する当接部を有し、前記駆動部材には、前記当接部を支持する支持部が設けられており、前記弾性部材により前記支持部が前記当接部側に付勢されていることが好ましい。この場合には、操作体が、一対の第1端子間とは異なる領域に配置されていることから、ソケットの中央部に窪みがあったとしても、操作体でハウジング内へ押圧操作を受け付けることができる。また、操作体が当接部を有し、駆動部材が当接部を支持する支持部を有することから、別部材を設けることなく、簡単な構成で操作体を復帰させることができ、スペース効率を一層向上することが可能となる。
【0019】
上記直管型LEDランプ用スイッチ装置において、前記操作体の前記当接部が凹部からなると共に、前記駆動部材の前記支持部が凸部からなることが好ましい。この場合には、凹部である当接部を凸部である支持部で支持することから、高さ方向にスイッチ装置を小型化することができる。
【0020】
上記直管型LEDランプ用スイッチ装置においては、前記一対の第1端子の両方の延出方向を含んだ平面を挟んだ前記ハウジング内における一方の領域に前記操作部が収容される前記収容部が設けられると共に、他方の領域に前記第1端子の少なくとも一方と前記第2端子との導通状態を切り替える可動接点が設けられていることが好ましい。この場合には、一対の第1端子の両方の延出方向を含んだ平面を挟んで一方の領域に操作部が収容される一方、他方の領域に可動接点が設けられることから、ハウジング内の空間を有効に利用することができるので、各構成部材を無理なくハウジング内に収容すると共に、構成部材を組み込む際の作業効率を向上することが可能となる。
【0021】
上記直管型LEDランプ用スイッチ装置において、前記可動接点は、前記第1端子及び第2端子とは別部材で構成されると共に、前記第1端子の少なくとも一方に導通して設けられた第1接点部及び前記第2端子に導通して設けられた第2接点部と対向して配置されており、前記操作体への押圧操作に伴って、前記可動接点が前記第1接点部及び第2接点部に当接することが好ましい。この場合には、可動接点を、第1端子及び第2端子と別部材で構成することから、両接点部間の絶縁距離を確保することができるので、絶縁性を高めて安全性を向上することが可能となる。
【0022】
上記直管型LEDランプ用スイッチ装置において、前記操作体には、前記操作部の先端と対向する位置に凹部が設けられており、一端部が前記凹部に配置されると共に、他端部が前記可動接点を駆動するシーソー動作可能な駆動部材が、前記一対の第1端子間を通るように配設され、前記弾性部材により前記駆動部材の一端部側が前記凹部側に付勢されていることが好ましい。この場合には、駆動部材が一対の第1端子間を通るように配設されることから、ハウジング内におけるスペース効率をさらに向上することが可能となる。また、駆動部材がシーソー動作して可動接点を駆動することから、可動接点と第1接点部及び第2接点部との導通状態を安定して切り替えることが可能となる。
【0023】
上記直管型LEDランプ用スイッチ装置においては、前記第2端子及び可動接点が前記一対の第1端子に対応してそれぞれ一対設けられ、それぞれの前記第1端子と前記第2端子とが対応する前記可動接点を介して導通状態が切り替えられることが好ましい。この場合には、第2端子及び可動接点が一対の第1端子に対応してそれぞれ一対設けられることから、例えば、一方の直管型LEDランプ用スイッチ装置からの給電構造の直管型LEDランプにも対応することが可能となる。
【0024】
本発明の直管型LEDランプは、複数のLEDと、前記LEDを発光させる駆動回路と、前記複数のLED及び前記駆動回路を収納する筒状のランプ本体とを具備し、上記したいずれかの直管型LEDランプ用スイッチ装置を前記ランプ本体の端部に設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ソケット内の電極の位置にバラつきが発生する場合においても、確実にLEDを発光させる駆動回路への通電が可能となるオン状態に切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】第1の形態に係る直管型LEDランプ用スイッチ装置の全体構成を示す分解斜視図である。
【図2】上記実施の形態に係る直管型LEDランプ用スイッチ装置の外観斜視図である。
【図3】上記実施の形態に係る直管型LEDランプ用スイッチ装置が有する外部ケース及び内部ケースの側断面図である。
【図4】上記実施の形態に係る直管型LEDランプ用スイッチ装置の側断面図である。
【図5】上記実施の形態に係る直管型LEDランプ用スイッチ装置が有する内部ケース周辺の構成部品を説明するための斜視図である。
【図6】図5に示す状態の内部ケース及びその周辺部品の上面図である。
【図7】上記実施の形態に係る直管型LEDランプ用スイッチ装置内の構成部品間の位置関係の説明図である。
【図8】上記実施の形態に係る直管型LEDランプ用スイッチ装置内の構成部品間の位置関係の説明図である。
【図9】図7に示す直管型LEDランプ用スイッチ装置内の構成部品間の位置関係を説明するための上面図である。
【図10】上記実施の形態に係る直管型LEDランプ用スイッチ装置が取り付けられる直管型LEDランプの外観を示す斜視図である。
【図11】蛍光灯器具Aに装着される直前の直管型LEDランプ用スイッチ装置の状態を示す斜視図である。
【図12】蛍光灯器具Aに装着された場合の直管型LEDランプ用スイッチ装置内の構成部品の状態を示す斜視図である。
【図13】上記実施の形態に係る直管型LEDランプを蛍光灯器具Aに対して取り付ける際における第1端子と操作体の関係について説明するための模式図である。
【図14】蛍光灯器具Bに装着される直前の直管型LEDランプ用スイッチ装置の状態を示す斜視図である。
【図15】蛍光灯器具Bに装着された場合の直管型LEDランプ用スイッチ装置内の構成部品の状態を示す斜視図である。
【図16】第2の実施の形態に係る直管型LEDランプ用スイッチ装置の全体構成を示す分解斜視図である。
【図17】上記実施の形態に係る直管型LEDランプ用スイッチ装置が有する外部ケースの斜視図である。
【図18】上記実施の形態に係る直管型LEDランプ用スイッチ装置の側断面図である。
【図19】上記実施の形態に係る直管型LEDランプ用スイッチ装置が有する内部ケース周辺の構成部品を説明するための斜視図である。
【図20】図19に示す状態の内部ケース及びその周辺部品の上面図である。
【図21】上記実施の形態に係る直管型LEDランプ用スイッチ装置内の構成部品間の位置関係の説明図である。
【図22】蛍光灯器具Aに装着された場合の直管型LEDランプ用スイッチ装置内の構成部品の状態を示す斜視図である。
【図23】蛍光灯器具Bに装着された場合の直管型LEDランプ用スイッチ装置内の構成部品の状態を示す斜視図である。
【図24】上記実施の形態に係る直管型LEDランプ用スイッチ装置が有する操作体の変形例の説明図である。
【図25】上記実施の形態に係る直管型LEDランプ用スイッチ装置が有する操作体の変形例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る直管型LEDランプ用スイッチ装置(以下、単に「スイッチ装置」という)は、直管型LEDランプの端部に設けられ、直管型LEDランプ内に実装される駆動回路(例えば、AC/DCコンバータ)に対する通電状態を切り替えるものである。特に、このスイッチ装置は、直管型蛍光灯の一端側の端子を一方のソケットに差し込んだ後、他端側の端子を他方のソケットに差し込む形態の蛍光灯器具(以下、適宜「第1種蛍光灯器具」という)及び直管型蛍光灯の両端の端子を同時にソケットに装着する形態の蛍光灯器具(以下、適宜「第2種蛍光灯器具」という)への装着を可能とするものである。
【0028】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るスイッチ装置1の全体構成を示す分解斜視図である。なお、以下においては、説明の便宜上、図1に示す左上方側を「スイッチ装置1の後方側」又は単に「後方側」と呼び、図1に示す右下方側を「スイッチ装置1の前方側」又は単に「前方側」と呼ぶものとする。
【0029】
図1に示すように、本実施の形態に係るスイッチ装置1は、装置本体のハウジングを構成する外部ケース2、内部ケース3及び絶縁カバー4と、内部ケース3に取り付けられる第1端子5及び第2端子6とを備え、内部ケース3に外部ケース2を組み付けて形成される内部空間に可動接点7、駆動部材8、操作体9及びカム体10等の構成部品を収容して構成されている。ハウジングを構成する外部ケース2、内部ケース3及び絶縁カバー4、並びに、内部空間に収容される駆動部材8、操作体9及びカム体10は、例えば、絶縁性の樹脂材料で成型されている。以下、スイッチ装置1が有する各構成部品について説明する。
【0030】
外部ケース2は、概して下方側に開口した円筒形状に設けられている。外部ケース2の上面には、一対の貫通孔21a、21bが形成されている。これらの貫通孔21a、21bの周辺には円形の凹部22a、22bが形成されている。これらの凹部22a、22bの外径は、貫通孔21a、21bの外径よりも僅かに大きい寸法に設けられている。したがって、凹部22a、22bの内部においては、貫通孔21a、21bの周囲に底壁部が設けられた状態となっている。
【0031】
また、外部ケース2の上面であって、スイッチ装置1の前方側寄りの位置には長方形状を有する開口部23が形成されている。開口部23は、長手方向の辺が、一対の貫通孔21a、21bを通過する平面と平行に配置されるように形成されている。外部ケース2の外周であって、開口部23の側方の位置には、一対の凹部24a、24bが形成されている。これらの凹部24a、24bは、外部ケース2の中央部分近傍まで形成されている。これらの凹部24a、24bの底面には、貫通孔25a、25bが形成されている(図1において貫通孔25bは不図示)。これらの貫通孔25a、25bは、不図示のねじ等の固着部材によりスイッチ装置1をランプ本体に固定する際に利用される。
【0032】
内部ケース3は、上面視にて概して円形状に設けられている。内部ケース3の外径は、外部ケース2の内周形状に対応する寸法に設計されている。内部ケース3の中央には、上下方向に延在する一対の壁部31(31a、31b)が設けられている。これらの壁部31a、31bは、スイッチ装置1の左右方向に一定距離離間して並設されている。これらの壁部31a、31bより後方側部分には、概して半円弧形状を有する筒状部32が設けられ、前方側部分には壁部31の下方側部分から延出して、概して半円弧形状を有する円盤形状部33が設けられている。
【0033】
一対の壁部31の上面には、内側部分に平面部311(311a、311b)が設けられ、この平面部311の外側に支柱部312(312a、312b)が設けられている。平面部311の中央近傍には、後述する固定ねじ11が挿通される挿通孔313(313a、313b)が形成されている。また、平面部311の支柱部312寄りの位置には、第1端子5を構成する保持部52の一部が挿入されるスリット314(314a、314b)が形成されている(図1においてスリット314aは不図示、図6参照)。支柱部312の上端部にはテーパ面が形成されており、外部ケース2に内部ケース3を収容する際のガイド部として機能する。
【0034】
筒状部32には、上面視にて概して矩形状を有する収容部321が設けられている。収容部321は、筒状部32に上下方向に貫通して設けられている。この収容部321には、詳細について後述するように、可動接点7及びこれに保持されたカム体10、並びに、駆動部材8の一部が収容される。収容部321を規定する内壁面の四隅部には、概して直方体形状の支持部322a〜322dが設けられている(図1において支持部322b以外は不図示、図6参照)。これらの支持部322a〜322dの下面には、概して半円弧形状の図示しない凹部が形成されている。これらの凹部は、後述するカム体10の軸部1012を下方側から収容可能な寸法に構成されている。
【0035】
また、収容部321を規定する内壁面のうち、対向する一対の内壁面の上端部には、所定深さの凹部323が設けられている。これらの凹部323は、外部ケース2の上面部の裏面に設けられた図示しないリブを収容する位置に設けられている。凹部323に収容されたリブは、内部ケース3に取り付けられた第1端子5と第2端子6とを絶縁する役割を果たすものである。さらに、これらの凹部323の近傍には、スリット325が形成されている。このスリット325には、後述する保持部52の一部が挿入される。
【0036】
一対の壁部31の間には、一対の支持壁部34(34a、34b)が配設されている。これらの支持壁部34は、円盤形状部33の上面から立設され、互いに一定距離離間して配置されている。支持壁部34は、壁部31の上面と略同一位置まで延出し、その上端部後方には、概して半円弧形状の凹部341が形成されている。これらの凹部341は、後述する駆動部材8の軸部821を収容すると共に、この軸部821を回動可能に支持する。これらの一対の支持壁部34a、34bは、それぞれ一対の壁部31a、31bの内側部分から僅かにギャップを挟んで配置されている。これらのギャップには、第1端子5及び第2端子6の一部が配置される。
【0037】
円盤形状部33の上面であって、一対の支持壁部34の間に配置された位置には、後述するトーションばね12を収容する凹部331が設けられている。この凹部331の上面には、トーションばね12の巻回部121を位置決めする突出片332が設けられている。また、円盤形状部33の所定位置には、一対の貫通孔333(333a、333b)が形成されている。これらの貫通孔333a、333bは、不図示のねじ等の固着部材によりスイッチ装置1をランプ本体に固定する際に利用される。
【0038】
絶縁カバー4は、概して長方形状の底面部41と、この底面部41の上面中央に設けられた挿入部42と、底面部41の対向する一対の端部から上方側に延出して設けられた固定部43とを有している。挿入部42は、内部ケース3の筒状部32に形成された収容部321の内壁に対応する外形を有し、収容部321内を蓋閉する役割を果たす。このように絶縁カバー4で収容部321を蓋閉することにより、収容部321内に収容される可動接点7等に対する確実な絶縁を確保している。
【0039】
挿入部42の対向する一対の端部近傍には、それぞれ上方に突出する一対の支持片421a、421bが設けられている。これらの支持片421a、421bは、支持部322a〜322dの下面の凹部に収容されたカム体10の軸部1012を下方側から支持する。固定部43は、絶縁カバー4を内部ケース3に固定する部分である。各固定部43の中央には、開口部431が形成されている。これらの開口部431で筒状部32の外面に設けられた突出片324(図1に不図示、図5参照)を収容することにより、絶縁カバー4が内部ケース3に固定される。
【0040】
第1端子5は、それぞれ一対の口金ピン部51(51a、51b)と、保持部52(52a、52b)とを有する。口金ピン部51は、導電性を有する金属材料に機械加工を施すことにより形成される。口金ピン部51は、概して円柱形状を有し、中央近傍に鍔状部511が設けられている。鍔状部511の上方側には円柱形状の接続部512が設けられ、その下方側には円筒形状の固定部513が設けられている。固定部513の外径は、接続部512の外径よりも大径に設計されている。固定部513の下面には、固定ねじ11が固定されるねじ溝が設けられている。
【0041】
保持部52は、導電性を有する金属板材に打ち抜き加工及び折り曲げ加工を施すことにより形成される。保持部52は、平面部521と、この平面部521の後端部から上方側に垂直に折り曲げ形成された垂直面部522とを有する。平面部521の前方側中央には、円形の開口部521aが形成されている。この開口部521aの側方側には、下方側に延出する一対の腕部521bが設けられている。開口部521aの内周部には、口金ピン部51の固定部513の下面に圧接される複数の導通片521cが設けられている。垂直面部522の側縁部には、後方側に延出する一対の折り曲げ部522aが設けられている。これらの折り曲げ部522aの内側に配置される一方で第1接点部が構成される。この第1接点部は、後述する第2接点部と共に可動接点7が接離される固定接点を構成する。
【0042】
第2端子6(6a、6b)は、導電性を有する金属板材に打ち抜き加工及び折り曲げ加工を施すことにより形成される。第2端子6(6a、6b)は、平行に配置される前方端子部61と後方端子部62と、これらを連結する連結部63とを有する。前方端子部61及び後方端子部62は、スイッチ装置1の前後方向に延在して配置される。連結部63は、前方端子部61及び後方端子部62と直交して配置される。
【0043】
前方端子部61は、連結部63の下端部であって、その内側部分に設けられている。後方端子部62は、連結部63の上端部であって、その外側部分に設けられている。双方の第2端子6a、6bは、連結部63における異なる位置に前方端子部61、後方端子部62が設けられる点で相違する。前方端子部61の前端部は、下方側に屈曲した形状を有し、その先端に接続部611が設けられている。接続部611の下端部は、内部ケース3の下面から露出し、LEDランプ本体の被接続端子に接続される。後方端子部62の後端部は、上方側に屈曲した形状を有し、その先端に矩形状部621が設けられている。この矩形状部621で第2接点部が構成される。
【0044】
可動接点7(7a、7b)は、導電性を有する金属板材に打ち抜き加工及び折り曲げ加工を施すことにより形成される。各可動接点7は、中央部分に設けられた基部71と、この基部71の下端部から延出して設けられた保持部72と、基部71の上端部から延出して設けられた接点部73とを有している。基部71は、内側に突出する円弧形状の突出部を有している。保持部72は、前面視(後面視)にてU字形状に設けられ、後述するカム体10の基部101の下端部を保持する。保持部72の中央には、長手方向を上下方向に沿って配置した長方形状の開口部721が形成されている。この開口部721は、U字形状部分に沿って形成されており、後述するカム体10の係合片102を突出させると共に、カム体10の突出片1013と係合可能に構成されている。
【0045】
接点部73は、第1可動接点部731と、第2可動接点部732とから構成されている。これらの第1可動接点部731と第2可動接点部732とは一定距離だけ離間して配置されている。第1可動接点部731及び第2可動接点部732の上端部近傍には、外側に突出する円弧形状部が設けられている。第2可動接点部732は、分割して構成された主接点部732aと補助接点部732bとを有している。スイッチ装置1においては、第2可動接点部732を、主接点部732aと補助接点部732bとからなる複数の接点部で構成することにより接触安定性を確保している。
【0046】
駆動部材8は、後方側に設けられた駆動部81と、この駆動部81の上面の前端部から斜め上方側に延出するレバー部82とを有している。駆動部81は、概して直方体形状を有する。駆動部81の上面中央には、上方側に延出する板状部811が設けられている。板状部811が、対向して配置される可動接点7a、7bの基部71が互いに接触するのを防止する役割を果たす。
【0047】
レバー部82における後端部(駆動部81との連結部)の近傍には、スイッチ装置1の左右方向に延出する一対の軸部821が設けられている。また、レバー部82における前端部上面には、僅かに突出した被押圧部822が設けられている。被押圧部822の表面は、概して球面形状を有している。このように被押圧部822の表面を球面形状とすることにより、操作体9の押圧動作又は傾動動作に柔軟に対応して駆動部材8を上下移動させることができる。
【0048】
駆動部材8の下方側には、弾性部材を構成するトーションばね12が配置される。トーションばね12は、巻回部121と、この巻回部121の両端から延出する一対の腕部122a、122bとを有する。一方の腕部122aは、巻回部121の下端部近傍から前方側に水平に延出して設けられている。他方の腕部122bは、巻回部121の上端部近傍から前方側に斜め上方に延出して設けられている。この腕部122bの先端は、側方側に向けて折り曲げられ、概してL字形状を有している。
【0049】
操作体9は、一対の第1端子5(口金ピン部51)の両方の延出方向を含んだ平面と平行な切断面における断面形状が、下方側部分よりも上方側部分が幅狭となるように形成されている。例えば、操作体9は、正面視にて概して三角形状を有している。操作体9は、上端部に配置された先端部からなる頂部91と、この頂部91に対向する底面部92と、頂部91を挟んで一方の外形に位置して設けられた第1被押圧部93と、頂部91を挟んで第1被押圧部93と異なる他方の外形に位置して設けられた第2被押圧部94とを有している。なお、これらの頂部91、第1被押圧部93及び第2被押圧部94により操作体9の操作部が構成されている。
【0050】
底面部92の中央には、凹部921が設けられている。凹部921は、駆動部材8の被押圧部822を収容するために設けられている。凹部921は、駆動部材8と当接する当接部であり、駆動部材8の被押圧部822は、この当接部を支持する支持部として機能する。また、被押圧部822は、突出した凸部形状であるため、凹部である当接部(凹部921)を凸部である支持部(被押圧部822)で支持することとなり、高さ方向にスイッチ装置1を小型化することができる。操作体9の下端部の前面には、一対の突出部922a、922bが設けられている。これらの突出部922a、922bは、それぞれ底面部92の端部から凹部921の端部までの長さに対応した寸法を有し、その両端部に円弧状のテーパ面が設けられている。また、操作体9の下端部の後面には、一対の突出部923a、923bが設けられている(図1において突出部923bは不図示、図7参照)。これらの突出部923a、923bは、底面部92の端部近傍に配置され、それぞれ円柱状の軸形状を有している。
【0051】
カム体10(10a、10b)は、上下方向に延在する基部101と、この基部101の下端部に設けられた係合片102とを有している。基部101の上方側部分には、可動接点7(7a、7b)を押圧可能な当接部1011が設けられている。基部101の下端部の前面及び後面には、軸部1012が設けられている。また、基部101の下端部近傍の側面には、可動接点7(7a、7b)に形成された開口部721と係合する突出片1013が設けられている。
【0052】
係合片102は、駆動部材8の駆動部81による押圧を受ける被押圧部を構成するものであり、基部101の下端部から下方側に延出すると共に、その下端部で内側に屈曲した形状(略L字形状)を有している。係合片102は、開口部721を通過可能な寸法に設けられている。係合片102の先端部は、カム体10(10a、10b)が可動接点7(7a、7b)に保持された状態において、可動接点7の保持部72の位置よりも内側に突出している。
【0053】
図2は、本実施の形態に係るスイッチ装置1の外観斜視図である。図2に示すように、スイッチ装置1においては、外部ケース2の上面から第1端子5(口金ピン部51a、51b)が突出した状態で固定されている。第1端子5は、凹部22a、22bに鍔状部511が収容され、接続部512が突出した状態で固定されている。また、スイッチ装置1においては、外部ケース2の開口部23から一部が露出した状態で操作体9が保持されている。
【0054】
押圧操作を受けていない初期状態において、操作体9の第1被押圧部93及び第2被押圧部94は、外部ケース2の平面状の上面に対して、それぞれ90度未満の角度を有する第1傾斜部93a及び第2傾斜部94aを有している。このように保持された状態で操作体9は、操作部を構成する頂部91、第1被押圧部93及び第2被押圧部94で押圧操作を受け付け可能に構成されている。ここで、操作体9の保持に寄与する外部ケース2の構成について説明する。
【0055】
図3は、本実施の形態に係るスイッチ装置1が有する外部ケース2及び内部ケース3の側断面図である。図3においては、操作体9の中央を通過する断面であって、スイッチ装置1の後方側から前方側を見た場合の断面を示している。外部ケース2において、開口部23の内側には、操作体9の一部又は全部を収容可能な収容部26が設けられている。収容部26を規定する外部ケース2の内壁面26a、26bは、操作体9が内部側へ移動する際の案内部として機能する。
【0056】
また、収容部26の上端部には、支持部を構成する支持壁部26cが設けられている。この支持壁部26cは、図3に示す紙面手前側に僅かに突出して設けられている。なお、支持壁部26cは、収容部26の反対側の上端部にも設けられている(図1参照)。これらの支持壁部26cは、操作体9の突出部922(922a、922b)及び突出部923(923a、923b)と当接して初期位置における操作体9の位置決めを行う。駆動部材8を介してトーションばね12の付勢力を受けた操作体9は、これらの支持壁部26cにより初期位置に保持される。
【0057】
このように本実施の形態に係るスイッチ装置1においては、外部ケース2の収容部26の上端部に設けた支持壁部26cによって操作体9を初期位置に保持していることから、外部ケース2から操作体9が脱落するのを防止することができる。また、トーションばね12の付勢力を利用して操作体9を初期位置に保持していることから、被操作状態における操作体9のガタつきを抑制することができる。
【0058】
以下、本実施の形態に係るスイッチ装置1の内部構造について説明する。図4は、本実施の形態に係るスイッチ装置1の側断面図である。図4においては、口金ピン部51a、51bの中心を通過する断面を示している。図4に示すように、外部ケース2の内部においては、駆動部材8やトーションばね12等の構成部品が収容されると共に、第1端子5の保持部52及び第2端子6が取り付けられた内部ケース3が収容されている。内部ケース3は、外部ケース2に下方側から収容された状態で、貫通孔21a、21bに挿入された口金ピン部51a、51bに下方側から固定ねじ11で固定することにより、外部ケース2と一体化されている。
【0059】
図5は、本実施の形態に係るスイッチ装置1が有する内部ケース3周辺の構成部品を説明するための斜視図である。なお、図5においては、図2に示すスイッチ装置1から外部ケース2を取り外した状態に相当する。なお、図5においては、説明の便宜上、第1端子5の口金ピン部51aを省略している。図6は、図5に示す状態の内部ケース3及びその周辺部品の上面図である。
【0060】
図5及び図6に示すように、内部ケース3には、駆動部材8が配置されている。駆動部材8は、レバー部82に設けられた軸部821が、支持壁部34(34a、34b)の凹部341に収容された状態で、支持壁部34(34a、34b)間の空間に配置されている。凹部341内に収容された軸部821の上方には、外部ケース2の下面に設けられた図示しない突出片が配置される(図4参照)。駆動部材8の駆動部81は、筒状部32の収容部321内に収容されている。操作体9の非操作状態において、駆動部材8のレバー部82は、前端部が上方側に向けて延出した状態となっており、被押圧部822が支持壁部34(34a、34b)の上端部よりも上方側の位置に配置されている。
【0061】
レバー部82の下方側には、トーションばね12(図5、図6において不図示)が配設されている。トーションばね12は、一方の腕部122aが凹部331の表面に係止され、他方の腕部122bがレバー部82の下面に係止されている。これにより、駆動部材8には、軸部821を回動支点として、レバー部82を上方側に付勢する付勢力が作用している。レバー部82の被押圧部822の上方には、操作体9が配置されている。操作体9は、底面部92に設けられた凹部921で被押圧部822を収容した状態で配置されている。駆動部材8に作用するトーションばね12の付勢力によって、操作体9には常に上方側へ移動する力が作用している。駆動部材8に設けられた被押圧部材822で操作体9に設けられた凹部921を直接的に支持した状態でトーションばね12の付勢力を作用させるようにしたことから、別部材を設けることなく、簡単な構成で操作体9を復帰させることができ、ハウジング内におけるスペース効率を向上できる。なお、操作体9は、外部ケース2の収容部26に収容され、その移動範囲が制限されていることから、被押圧部822から脱落することはない。
【0062】
収容部321において、駆動部材8の駆動部81の側方側には、可動接点7及びカム体10(10a、10b)が配置されている。カム体10の軸部1012は、支持部322a〜322d(図5において不図示、図6参照)の下面に設けられた凹部に下方側から収容されると共に、絶縁カバー4の支持片421a、421b(図5において不図示、図7参照)で下方側から支持されている。これにより、カム体10は、収容部321の内部において、軸部1012を回動支点として一定範囲内で回動可能に構成されている。可動接点7は、保持部72でカム体10を保持しており、カム体10と一体化されている。このため、可動接点7も、カム体10と同様に、一定範囲内で回動可能に構成されている。
【0063】
第1端子5の保持部52(52a、52b)は、平面部521が壁部31a、31bの平面部311a、311b上に配置される。この場合、平面部521は、開口部521aが挿通孔313(313a、313b)に対応すると共に、外側の腕部521bがスリット314(314a、314b)に挿入されるように配置される。また、保持部52は、垂直面部522が平面部311a、311bの後端部から立設された壁部に沿うように配置される。垂直面部522に設けられた内側の折り曲げ部522aは、収容部321を規定する内壁面に沿うように配置され、外側の折り曲げ部522aは、筒状部32に形成されたスリット325に挿入される。
【0064】
固定ねじ11は、内部ケース3の下方側から貫通孔313a、313bに挿入され、保持部52の開口部521aを貫通する。第1端子5の口金ピン部51は、開口部521aから突出した固定ねじ11に固定される。保持部52の表面まで固定された状態において、口金ピン部51の固定部513の下面は、保持部52の導通片521cに接触した状態となる。これにより、口金ピン部51と保持部52とが導通状態とされる。
【0065】
第2端子6は、後方端子部62が、収容部321を規定する内壁面に沿うように配置され、前方端子部61が、壁部31(31a、31b)と支持壁部34a、34bの間のギャップを通過するように配置されている。また、前方端子部61の前端部は、円盤形状部33に形成された不図示のスリットを介して円盤形状部33の下方側に突出した状態となっている。
【0066】
絶縁カバー4は、図5に示すように、固定部43に形成された開口部431で、筒状部32の外面に設けられた突出片324を収容することで筒状部32に固定されている。このように固定された状態において、絶縁カバー4の支持片421a、421bの上端が、カム体10の軸部1012を下方側から支持する位置に配置された状態となる(図5、図6に不図示、図7参照)。
【0067】
図5及び図6に示すように、本実施の形態に係るスイッチ装置1においては、操作体9が収容される収容部26が一対の第1端子5(口金ピン部51)の両方の延出方向を含んだ平面を挟んだ一方の領域に配置され、可動接点7が他方の領域に配置されている。このため、ハウジング(内部ケース3)内の空間を有効に利用することができるので、各構成部材を無理なくハウジング内に収容すると共に、構成部材を組み込む際の作業効率を向上できる。特に、駆動部材8を一対の第1端子5間を通るように配置していることから、ハウジング内におけるスペース効率をさらに向上できる。さらに、操作体9を一対の第1端子5間とは異なる領域に配置していることから、スイッチ装置1が取り付けられる蛍光灯器具のソケットの中央部に窪みがあったとしても、操作体9でハウジング内へ押圧操作を受け付けることができる。
【0068】
次に、駆動部材8と可動接点7との間の位置関係、可動接点7と第1端子5及び第2端子6との位置関係について説明する。図7及び図8は、スイッチ装置1内の構成部品間の位置関係の説明図である。図7においては、スイッチ装置1内の構成部品間の位置関係を後方側から示す斜視図を示している。図8A、図8Bにおいては、それぞれスイッチ装置1内の構成部品間の位置関係を示す後面図、側面図を示している。なお、図7及び図8においては、操作体9が非操作状態の場合について示している。また、図8Bにおいては、説明の便宜上、第1端子5及び第2端子6を省略している。
【0069】
操作体9が非操作状態において、駆動部材8は、トーションばね12の付勢力を受け、後方側に配置される駆動部81の一端が絶縁カバー4の近傍に配置され、前方側に配置される被押圧部822側の他端が上方側に延出した状態となっている(図8B参照)。この状態において、駆動部81は、下端部がカム体10(10a、10b)の係合片102に当接し、押し下げている。これにより、カム体10には、軸部1012を回動支点として、基部101全体を内側(図8Aに示す矢印方向)に回動させる力が作用している。
【0070】
可動接点7は、当接部1011と共に接点部73が内側に回動して位置させられ、円弧形状の基部71の下面部が駆動部81の上面に載置された状態となっている。このとき、駆動部材8の駆動部81の上面に設けられた板状部811は、双方の可動接点7の基部71の間に配置され、これらの接触を防止している。第1可動接点部731は、第1端子5の折り曲げ部522aで構成される第1接点部と対向して配置されている。第2可動接点部732は、第2端子6の矩形状部621で構成される第2接点部に対向して配置されている。駆動部81が係合片102を押し下げている状態において、これらの第1可動接点部731、第2可動接点部732は、それぞれ第1端子5の第1接点部、第2端子6の第2接点部から離間している。
【0071】
図7、図8に示すように、本実施の形態に係るスイッチ装置1においては、可動接点7を、第1端子5及び第2端子6と別部材で構成している。これにより、可動接点7の接点部73と、第1端子5に導通して一体に設けられる第1接点部及び第2端子6に導通して一体に設けられる第2接点部との間の絶縁距離を確保することができるので、絶縁性を高めて安全性を向上することが可能となる。
【0072】
図9は、図7に示すスイッチ装置1内の構成部品間の位置関係を説明するための上面図である。図9に示すように、図示しない内部ケース3に各構成部品が取り付けられた状態において、第1接点部を構成する保持部52の内側の折り曲げ部522aは、第2接点部を構成する第2端子6の矩形状部621よりも内側の位置に配置されている。また、第1接点部に対向配置される第1可動接点部731と、第2接点部に対向配置される第2可動接点部732の主接点部732aとは上面視にて同一位置に配置されている。第2可動接点部732の補助接点部732bは、主接点部732aよりも外側の位置(すなわち、第2接点部寄りの位置)に配置されている。
【0073】
軸部1012を回動支点としてカム体10が回動すると、可動接点7の接点部73においては、まず、第1可動接点部731が第1接点部(折り曲げ部522a)に接触する。そして、補助接点部732bが第2接点部(矩形状部621)に接触した後、主接点部732aが第2接点部(矩形状部621)に接触する。スイッチ装置1においては、このように第2可動接点部732を、分割して構成して第2接点部に異なるタイミングで複数回接触させることにより、第1接点部及び第2接点部で構成される固定接点に対する可動接点7の接触安定性を確保することができる。
【0074】
次に、上記構成を有するスイッチ装置1が取り付けられた直管型LEDランプを蛍光灯器具(第1種蛍光灯器具及び第2種蛍光灯器具)に対して取り付ける際の動作について説明する。まず、上述した第1種蛍光灯器具にスイッチ装置1が取り付けられた直管型LEDランプを取り付ける場合の動作について説明する。なお、以下においては、説明の便宜上、直管型LEDランプの一端に取り付けられるスイッチ装置1を例にして説明するが、直管型LEDランプの他端に取り付けられるスイッチ装置1についても同様である。
【0075】
ここで、直管型LEDランプLは、図10に示すように、例えば、少なくとも後述する発光面側が透光性を有する絶縁性の樹脂材料で筒状に成型されたランプ本体LAを備えている。スイッチ装置1は、このランプ本体LAの両端部に設けられている。スイッチ装置1は、操作体9が突出する位置が同一位置に配置されるようにランプ本体LAに取り付けられる。ランプ本体LA内には、図示しない長尺の基板が収納されている。この基板には、図示しない複数のLEDが実装されると共に、これらのLEDに接続される図示しない駆動回路が実装されている。駆動回路は、例えば、スイッチ装置1の第1端子5を介して供給される交流電圧を直流電圧に変換するAC/DCコンバータで構成される。直管型LEDランプLがスイッチ装置1を介して蛍光灯器具に取り付けられると、第1端子5を介して印加された交流電圧がAC/DCコンバータにより直流電圧に変換され、LEDに供給される。LEDは、このようにAC/DCコンバータから供給される直流電圧により発光する。
【0076】
なお、直管型LEDランプLにおいては、例えば、ランプ本体LA内に収納される基板の一面に複数のLEDが実装され、他面にLED以外の構成部品(例えば、AC/DCコンバータ)が実装されている。このため、ランプ本体LAの周面においては、LEDが実装された基板の一面に対応する部分が発光面L1を構成し、LED以外の構成部品が実装された基板の他面に対応する部分が非発光面L2を構成する。この非発光面L2に対応するランプ本体LAの内部には、例えば、放熱板などの構成部品が配設される。なお、非発光面L2側のランプ本体LAを金属材料からなる金属ケースで形成すると共に、発光面L1側のランプ本体LAを透光性のある樹脂ケースで形成し、金属ケースと樹脂ケースとを一体化させて、筒状のランプ本体LAを構成してもよい。この場合には、金属ケースを放熱板としても利用することができる。
【0077】
図11は、第1種蛍光灯器具Aに装着される直前のスイッチ装置1の状態を示す斜視図である。なお、図11においては、直管型LEDランプLの一部を模式的に示している。第1種蛍光灯器具Aにおいては、直管型LEDランプLのスイッチ装置1が装着されるソケットA1を有し、このソケットA1の表面(側面)に設けられた円形状の装着面A2に一対の口金ピン挿入孔A3が設けられている。なお、これらの一対の口金ピン挿入孔A3は、孔部を構成する。一対の口金ピン挿入孔A3の奥部には、第1端子5の口金ピン部51(51a、51b)と導通される電極A4(図11に不図示、図13参照)が設けられている。
【0078】
直管型LEDランプLを装着する際には、これらの口金ピン挿入孔A3に対し、スイッチ装置1が有する一対の第1端子5の口金ピン部51の位置合わせを行った後に挿入し、口金ピン部51の接続部512を電極A4と接続する。スイッチ装置1においては、この挿入動作に伴い、操作体9の頂部91がソケットA1の装着面A2に当接し、外部ケース2(収容部26)の内部に押圧される。この場合、操作体9は、収容部26の内壁面26a、26bによって下方側(奥方側)に案内される。このように収容部26に設けた案内部である内壁面26a、26bで操作体9を案内するようにしていることから、挿入動作に応じた押圧操作に伴って円滑に操作体9を収容部26に収容させることができる。
【0079】
図12は、第1種蛍光灯器具Aに装着された場合のスイッチ装置1内の構成部品の状態を示す斜視図である。なお、図12においては、説明の便宜上、図7に示す構成部品のみを示している。操作体9が外部ケース2(収容部26)の内部に押圧されると、図12に示すように、操作体9が載置されたレバー部82の被押圧部822が下方側に押し込まれる。これに伴い、駆動部材8においては、レバー部82がトーションばね12の付勢力に抗して押し下げられ、軸部821を回動支点として回動する。
【0080】
このような駆動部材8の回動に伴い、駆動部81は、可動接点7の基部71(突出部)を押し広げながら上方側へ移動する。この場合、可動接点7は、保持しているカム体10の軸部1012を回動支点として回動する。そして、基部71が駆動部81の上面部から側面部に移行した時点で、可動接点7の第1可動接点部731及び第2可動接点部732は、第1接点部及び第2接点部に接触した状態となる(図12に示す状態)。基部71が駆動部81の側面部に接触している場合、可動接点7は内側への移動が制限される。第1可動接点部731及び第2可動接点部732が第1接点部及び第2接点部に接触することにより、第1端子5と第2端子6とが導通状態となり、直管型LEDランプ内に実装された駆動回路(AC/DCコンバータ)への通電が可能となるオン状態に切り替えられる。
【0081】
一方、第1種蛍光灯器具Aからスイッチ装置1が取り外されると、操作体9への押圧操作が解除されることから、駆動部材8においては、トーションばね12の付勢力に応じてレバー部82の被押圧部822が押し上げられ、軸部821を回動支点として回動する。このような駆動部材8の回動に伴い、駆動部81は、絶縁カバー4近傍まで下方側へ移動する(図7に示す状態)。図7に示す状態に移動する過程において、駆動部81は、カム体10の係合片102に当接して押し下げる。係合片102の下方側への移動に伴い、可動接点7は、カム体10の軸部1012を回動支点として回動する。これに伴い、カム体10の当接部1011は、可動接点7の接点部73を内側に押圧する。駆動部81の側面部による可動接点7の内側への移動の制限が解除されると、可動接点7が内側に移動可能となる。この可動接点7の移動に伴い、第1可動接点部731及び第2可動接点部732は、第1接点部及び第2接点部から離間した状態となる。第1可動接点部731及び第2可動接点部732が第1接点部及び第2接点部から離間することにより、第1端子5と第2端子6とが非導通状態となり、直管型LEDランプ内に実装された駆動回路への通電が行われないオフ状態に切り替えられる。
【0082】
また、本実施の形態に係るスイッチ装置1においては、操作体9への押圧操作が解除されると、駆動部材8の初期状態(図7に示す状態)への復帰に伴い、カム体10の当接部1011で接点部73を内側に戻すように(押圧するように)している。これにより、第1可動接点部731及び第2可動接点部732を、第1端子5の第1接点部及び第2端子6の第2接点部から確実に離間させることができる。この結果、操作体9に対する押圧操作の状態に応じて第1端子5と第2端子6との導通状態を適切に切り替えることが可能となる。
【0083】
特に、本実施の形態に係るスイッチ装置1においては、カム体10を、可動接点7の接点部73と第1接点部(第1端子5)及び第2接点部(第2端子6)との間に配置し、駆動部材8により係合片102が押圧された状態において、可動接点7の接点部73を第1接点部及び第2接点部から離間する方向に回動させている。これにより、操作体9の初期位置への復帰に伴い、駆動部材8により係合片102が押圧されると、可動接点7の接点部73が第1接点部及び第2接点部から離間する方向に押圧されることから、確実に第1端子5と第2端子6とを絶縁状態することが可能となる。
【0084】
ここで、本実施の形態に係る直管型LEDランプLを第1種蛍光灯器具Aに対して取り付ける際における第1端子5と操作体9の関係について説明する。図13は、本実施の形態に係る直管型LEDランプLを第1種蛍光灯器具Aに対して取り付ける際における第1端子5と操作体9の関係について説明するための模式図である。なお、図13A〜図13Cにおいては、第1種蛍光灯器具Aが有するソケットA1とスイッチ装置1との接続部分を操作体9の突出方向と直交する方向から示す図である。
【0085】
図13Aにおいては、操作体9がソケットA1の装着面A2から離間した状態を示している。図13Aに示すように、操作体9が装着面A2から離間した状態(すなわち、操作体9の初期状態)において、操作体9の先端部(頂部91)は、第1端子5(口金ピン部51)の先端部よりも外側の位置に配置されている。すなわち、初期状態における操作体9の先端部の位置は、第1端子5の先端部の位置よりもこれらの突出方向の前方側(図13に示す上方側)に突出している。
【0086】
スイッチ装置1をソケットA1に接近させると、操作体9の先端部(頂部91)が、ソケットA1の装着面A2に当接する。これにより、操作体9がハウジング(外部ケース2)内に押圧される。操作体9がハウジング(外部ケース2)内に押圧されると、上述したように、レバー部82の被押圧部822が下方側に押し込まれる。これに伴い、駆動部材8においては、レバー部82がトーションばね12の付勢力に抗して押し下げられ、軸部821を回動支点として回動する。レバー部82が一定位置以上に押し下げられると、可動接点7の接点部73が第1接点部及び第2接点部で構成される固定接点に接触する。これにより、第1端子5と第2端子6とが導通状態となり、直管型LEDランプL内に実装された駆動回路(AC/DCコンバータ)への通電が可能となるオン状態に切り替えられる。
【0087】
図13Bにおいては、このように第1端子5と第2端子6とが導通状態に切り替えられた時点における第1端子5と操作体9の状態について示している。図13Bに示すように、第1端子5と第2端子6とが導通状態に切り替えられた時点において、第1端子5(口金ピン部51)の先端は、口金ピン挿入孔A3内に収容されている。このとき、第1端子5(口金ピン部51)の先端は、電極A4の露出面(図13に示す下面)には接触していない。
【0088】
図13Bに示す状態から更にスイッチ装置1をソケットA1側へ移動させると、図13Cに示すように、操作体9が更にハウジング(外部ケース2)内に押し込まれると共に、第1端子5(口金ピン部51)の先端が電極A4の露出面に接触した状態となる。第2端子6と導通状態となっている第1端子5の先端が電極A4に接触することにより、直管型LEDランプL内に実装された駆動回路(AC/DCコンバータ)への通電が行われることとなる。
【0089】
このようにスイッチ装置1において、操作体9は、第1端子5(口金ピン部51の接続部512)が電極A4に接触する前に、ソケットA1の装着面A2によりハウジング(外部ケース2)内に押圧され、第1端子5と第2端子6とが導通状態に切り替えられる。これにより、スイッチ装置1でアーク放電が発生する事態を防止できる。このため、第1端子5と第2端子6との導通状態を切り替える接点部(例えば、可動接点7等の接点部)の材料としてアーク放電に対応した高価な材料(例えば、銀チップ)を用いる必要はなく、コストの上昇を抑制することが可能となる。また、スイッチ装置1内でのアーク放電の発生を防止できるので、アーク放電に起因するスイッチ装置1内の構成部品間における不具合(例えば、可動接点7の接点部73と、固定接点(第1接点部及び第2接点部)との間の溶着)が発生する事態を確実に防止することができる。この結果、このような溶着などの不具合の発生に伴って複数のLEDへの通電状態が切り替え不能となる事態を確実に防止することが可能となる。
【0090】
特に、スイッチ装置1においては、第1端子5と第2端子6とが導通状態に切り替えられる時点で、第1端子5(口金ピン部51)の先端部がソケットA1に設けられた口金ピン挿入孔A3内に収容される。これにより、直管型LEDランプLの取り付け作業時において、作業者が第1端子5に接触し難くできるので、当該作業時における安全性を確保することが可能となる。なお、ここでは、ソケットA1に対する直管型LEDランプLの取り付け作業時における安全性について説明しているが、直管型LEDランプLの取り外し作業においても同様に安全性を確保することが可能である。
【0091】
次に、上述した第2種蛍光灯器具にスイッチ装置1が取り付けられた直管型LEDランプLを取り付ける場合の動作について説明する。図14は、第2種蛍光灯器具Bに装着される直前のスイッチ装置1の状態を示す斜視図である。第2種蛍光灯器具Bにおいては、スイッチ装置1が装着されるソケットB1を有し、このソケットB1の装着面に上下方向に直線状に形成された第1溝部B2と、この第1溝部B2の図14Aにおける下端部近傍に円形状に形成された第2溝部B3とが形成されている。第2溝部B3の内部には、第1端子5の口金ピン部51(51a、51b)と導通される図示しない被接続端子が設けられている。
【0092】
直管型LEDランプLを装着する際には、第1溝部B2の延在方向に沿うように、スイッチ装置1が有する一対の第1端子5の口金ピン部51の接続部512の位置合わせを行い、第1溝部B2に沿って一対の口金ピン部51(接続部512)を挿入する。そして、第1溝部B2の下端部に下方側の口金ピン部51を到達させた後、第2溝部B3に沿ってスイッチ装置1を回転させ、口金ピン部51の接続部512を被接続端子と接続する。スイッチ装置1においては、第1溝部B2に対する挿入動作に伴い、操作体9の被押圧部94(被押圧部93)がソケットB1の装着面に当接する。これにより、操作体9は、傾動動作すると共に、外部ケース2(収容部26)の内部に押し込まれる。この場合、操作体9は、収容部26の内壁面26a、26bによって下方側(収容部26の奥側)に案内される。
【0093】
ここで、本実施の形態におけるスイッチ装置1は、図10や図14に示すように、操作体9がランプ本体LAの非発光面側(L2側)の領域に設けられている。そのため、直管型LEDランプL(スイッチ装置1)のソケットB1への装着完了後において、操作体9の操作部が第1溝部B2に入り込むことはない。すなわち、一対の口金ピン部51を第1溝部B2に沿って奥まで挿入させた際には、操作体9は図14Aにおいて、矢印P1で示す部分に当接している。そして、第2溝部B3に沿って直管型LEDランプL(スイッチ装置1)を90度回転させた装着完了状態では、操作体9は同図における矢印P2で示す部分でソケットB1に当接するものとなっており、押し込まれた操作体9が戻らないように構成されている。
【0094】
本実施の形態に係るスイッチ装置1においては、操作体9に、第1端子5(口金ピン部51)の突出方向を挟んだ相反する一方側からの押圧操作を受け付ける第1被押圧部93と、他方側からの押圧操作を受け付ける第2被押圧部94とを設けていることから、簡単な構成でこれらに対する押圧操作に応じて、操作体9を傾動動作させると共に収容部26内に押し込むことができる。特に、本実施の形態に係るスイッチ装置1においては、操作体9が一対の第1端子5(口金ピン部51)の両方の突出方向を含んだ平面に沿って移動可能に構成されていることから、第2種蛍光灯器具Bに対して容易に直管型LEDランプLを取り付けることが可能となっている。
【0095】
図15は、第2種蛍光灯器具Bに装着された場合のスイッチ装置1内の構成部品の状態を示す斜視図である。なお、図15においては、説明の便宜上、図7に示す構成部品のみを示している。操作体9が外部ケース2(収容部26)の内部に押圧されると、図15に示すように、操作体9が載置されたレバー部82の被押圧部822が下方側に押し込まれる。これに伴い、駆動部材8においては、レバー部82がトーションばね12の付勢力に抗して押し下げられ、軸部821を回動支点として回動する。
【0096】
このような駆動部材8の回動に伴い、駆動部81は、可動接点7の基部71(突出部)を押し広げながら上方側へ移動する。この場合、可動接点7は、保持しているカム体10の軸部1012を回動支点として回動する。そして、基部71が駆動部81の上面部から側面部に移行した時点で、第1可動接点部731及び第2可動接点部732は、第1接点部及び第2接点部に接触した状態となる(図15に示す状態)。基部71が駆動部81の側面部に接触している場合、可動接点7は内側への移動が制限される。第1可動接点部731及び第2可動接点部732が第1接点部及び第2接点部に接触することにより、第1端子5と第2端子6とが導通状態となり、直管型LEDランプ内に実装された駆動回路への通電が可能となるオン状態に切り替えられる。
【0097】
なお、図15に示す状態に操作体9が移行する際には、側方からの押圧操作に伴い、操作体9が傾動動作して第1被押圧部93又は第2被押圧部94の一方が収容部26内の案内部である内壁面26a又は内壁面26bに当接し、その後に収容部26の内部側へ押し込まれる。このように傾動動作を行った後に収容部26内へ押し込まれる動作に対応するように、本実施の形態に係るスイッチ装置1においては、傾動動作に伴って第1被押圧部93(第1傾斜部93a)と第2被押圧部94(第2傾斜部94a)のいずれか一方の被押圧部(傾斜部)が収容部26の内壁面26a又は内壁面26bに当接した状態において、他方の被押圧部(傾斜部)が開口部23から突出するように構成している。これにより、傾動動作後の押し込み動作を確実に行うことができるので、第1端子5と第2端子6との導通を確保することが可能となる。
【0098】
一方、第2種蛍光灯器具Bからスイッチ装置1が取り外されると、操作体9への押圧操作が解除されることから、駆動部材8においては、トーションばね12の付勢力に応じてレバー部82の被押圧部822が押し上げられ、軸部821を回動支点として回動する。このような駆動部材9の回動に伴い、駆動部81は、絶縁カバー4近傍まで下方側へ移動する(図7に示す状態)。図7に示す状態に移動する過程において、駆動部81は、カム体10の係合片102に当接して押し下げる。係合片102の下方側への移動に伴い、可動接点7は、カム体10の軸部1012を回動支点として回動する。これに伴い、カム体10の当接部1011は、可動接点7の接点部73を内側に押圧する。駆動部81の側面部による可動接点7の内側への移動の制限が解除されると、可動接点7が内側に移動可能となる。この可動接点7の移動に伴い、第1可動接点部731及び第2可動接点部732は、第1接点部及び第2接点部から離間した状態となる。第1可動接点部731及び第2可動接点部732が第1接点部及び第2接点部から離間することにより、第1端子5と第2端子6とが非導通状態となり、直管型LEDランプ内に実装された駆動回路への通電が行われないオフ状態に切り替えられる。
【0099】
第2種蛍光灯器具Bからスイッチ装置1を取り外す場合においても、駆動部材8の初期状態(図7に示す状態)への復帰に伴い、カム体10の当接部1011で接点部73を内側に戻すようにしている。したがって、第1端子5と第2端子6との導通状態を確実に非導通状態へと切り替えることが可能となる。
【0100】
なお、直管型LEDランプLを第2種蛍光灯器具Bに対して取り付ける際における第1端子5(口金ピン部51)と操作体9の関係は、直管型LEDランプLを第1種蛍光灯器具Aに対して取り付ける際と同様であるため、その詳細な説明は省略する。すなわち、直管型LEDランプLを第2種蛍光灯器具Bに対して取り付ける場合においても、操作体9は、第1端子5が電極A4に相当する前述した被接続端子に接触する前にハウジング(外部ケース2)内に押圧され、第1端子5と第2端子6とが導通状態に切り替えられる。
【0101】
このように本実施の形態に係るスイッチ装置1においては、初期状態における操作体9の先端部の位置を第1端子5の先端部の位置よりも外側に突出させたことから、第1端子5よりも先に操作体9をソケットA1(B1)に当接させることができるので、ソケットA1(B1)内における電極A4(被接続端子)の位置に関わらず、操作体9でハウジング内へ押圧操作を受け付けることができる。この押圧操作に伴って、第1端子5と第2端子6とを導通状態に切り替えられることができるので、ソケットA1(B1)内の電極A4等の位置にバラつきが発生する場合においても、確実にLEDを発光させる駆動回路への通電が可能となるオン状態に切り替えることができる。
【0102】
また、本実施の形態に係るスイッチ装置1においては、ハウジング(外部ケース2)内への押圧操作だけでなく、第1端子5(口金ピン部51)の突出方向を挟む相反する一方側又は他方側からの押圧操作に伴って操作体9が傾動動作し、操作体9の少なくとも一部がハウジング内に収容され、第1端子5と第2端子6とが導通する。これにより、直管型蛍光灯の一端側の端子を一方のソケットに差し込んだ後、他端側の端子を他方のソケットに差し込む形態の蛍光灯器具だけでなく、両方の端子を同時にソケットに装着する形態の蛍光灯器具に取り付ける場合においても、操作体9を収容部26内に収容させ、第1端子5と第2端子6とを導通させることができるので、いずれの形態の蛍光灯器具に対しても取り付けることが可能となる。
【0103】
特に、本実施の形態に係るスイッチ装置1においては、操作体9が、第1端子5の突出方向を挟む相反する一方側と他方側の両側からの押圧操作に伴って傾動動作することから、蛍光灯器具に対する取り付ける方向の制限をなくすことができるので、蛍光灯器具に対する直管型LEDランプの取り付け作業を簡素化することが可能となる。
【0104】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係るスイッチ装置200は、主に第2端子240、駆動部材250及び可動接点ユニット260の構成が異なる点で、第1の実施の形態に係るスイッチ装置1と相違する。以下、第2の実施の形態に係るスイッチ装置200の構成について、第1の実施の形態に係るスイッチ装置1との相違点を中心に説明する。なお、第2の実施の形態に係るスイッチ装置200において、第1の実施の形態に係るスイッチ装置1と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0105】
図16は、本発明の第2の実施の形態に係るスイッチ装置200の全体構成を示す分解斜視図である。なお、以下においては、説明の便宜上、図16に示す左上方側を「スイッチ装置200の後方側」又は単に「後方側」と呼び、図16に示す右下方側を「スイッチ装置200の前方側」又は単に「前方側」と呼ぶものとする。
【0106】
図16に示すように、本実施の形態に係るスイッチ装置200は、装置本体のハウジングを構成する外部ケース210及び内部ケース220と、内部ケース220に取り付けられる第1端子230及び第2端子240と、を備え、内部ケース220に外部ケース210を組み立てて形成される内部空間に可動接点ユニット260が取り付けられた駆動部材250及び操作体270等の構成部品を収容して構成されている。ハウジングを構成する外部ケース210及び内部ケース220、並びに、内部空間に収容される駆動部材250及び操作体270は、例えば、絶縁性の樹脂材料で成型されている。以下、スイッチ装置200が有する各構成部品について説明する。
【0107】
外部ケース210は、その外観及び開口部23内に形成される収容部26(図16に不図示、図17参照)について、第1の実施の形態に係るスイッチ装置1における外部ケース2と略同一に構成されている。一方、外部ケース210は、その下面側(上面部の裏面)の構成が第1の実施の形態に係るスイッチ装置1と相違する。図17は、外部ケース210を斜め下方から見た斜視図である。図17に示すように、外部ケース210の下面であって、その中央部には、長手方向の辺が外部ケース210の前後方向に延在する、下面視にて概して長方形状を有する収容部211が設けられている。
【0108】
収容部211を規定する壁面部には、矩形状の切り欠き部211a、211b、211c、211d、211eが設けられている。一対の切り欠き部211a、211bには、後述する第1端子230における接点部231(231a、231b)の帯状端子部233の上端部側が挿入される。収容部211の外側であって、切り欠き部211cと対向する位置には、外部ケース210の下面から上方側に向かって所定深さを有する溝部212が設けられている。
【0109】
また、収容部211の外側であって、切り欠き部211dと対向する位置には、外部ケース210の下面から上方側に向かって所定深さを有する溝部213が設けられている。これらの溝部212、213には、後述する第2端子240の先端部241が挿入される。切り欠き部211eには、後述する駆動部材250の板状部253の後方側の上端部が挿入される。
【0110】
収容部211内には、略円柱形状のピン214が設けられている。ピン214は、収容部211の天井面を構成する外部ケース210の下面から下方側に所定長さだけ延出して設けられている。ピン214は、後述する駆動部材250における開口部251c及び挿通孔251hに挿通され、後述するコイルばね280の上方側に挿入される。
【0111】
外部ケース210が有する筒状外周面の内壁面側であって、スイッチ装置200の前方側の位置には、上下方向に延在して溝部215が設けられている。また、貫通孔21a、21bの側方には、外部ケース210の筒状外周面の内壁面に沿って、一対の凹部216、217が設けられている。一対の凹部216、217は、筒状外周面の表面に凹部24a、24bを設けることで外部ケース210の下面に形成される側壁と、筒状外周面の内壁面とで形成される。
【0112】
内部ケース220は、上面視にて概して円形状に設けられている。内部ケース220の外径は、外部ケース210の円周形状に対応する寸法に設計されている。内部ケース220の中央には、上下方向に延在する一対の壁部221(221a、221b)が設けられている。これらの壁部221a、221bは、スイッチ装置200の左右方向に一定距離離間して並設されている。これらの壁部221a、221bより後方側部分には、概して直方体形状を有する箱状部222が設けられ、前方側部分には、壁部221の下方側部分から延出して、概して半円弧形状を有する円盤形状部223が設けられている。
【0113】
壁部221aの上面には、平面部221cが設けられている。平面部221cは、概して扇形状を有すると共に、円弧形状の外周の一部が外側に突出した突出部221eを有している。同様に、壁部221bの上面にも、概して扇形状を有すると共に、円弧形状の外周の一部が外側に突出した突出部221fを有する平面部221dが設けられている。外部ケース210に内部ケース220が組み込まれた状態において、これらの突出部221e、221fは、外部ケース210の下面に設けられた凹部216、217と係合可能に構成されている。また、これらの平面部221c、221dの中央近傍には、固定ねじ11が挿通される挿通孔221g、221hが形成されている。
【0114】
箱状部222には、上面視にて概して矩形状を有する収容部222aが設けられている(図20参照)。収容部222aは、箱状部222内に上下方向に延在して設けられている。この収容部222aには、詳細について後述するように、駆動部材250の被ガイド部252の一部が収容される。また、箱状部222を規定する内壁面のうち、対向する一対の内壁面の下端部近傍には、所定深さのスリット222b、222cが設けられている(図16においてスリット222bは不図示、図20参照)。これらのスリット222b、222cには、後述する第1端子230の接点部231a、231bの一部が挿入される。
【0115】
円盤形状部223は、一対の平面部223a、223bと、これらの平面部223a、223bの間に位置する平面部223cとで構成されている。平面部223a、223bの上面は同一平面上にあり、平面部223cの上面はそれより下方側に配置されている。一対の平面部223a、223bは、概して扇形状を有しており、その所定位置には、一対の貫通孔223d、223eが形成されている。これらの貫通孔223d、223eは、不図示のねじ等の固着部材によりスイッチ装置200をランプ本体に固定する際に利用される。平面部223cには、箱状部222との境界近傍であって、一対の壁部221a、221bから中間の位置に、ピン224が設けられている。
【0116】
ピン224は、平面部223cの上面から上方側に所定長さだけ延出して設けられている。ピン224は、後述するコイルばね280の下端部を支持し、その動きを規制する。なお、ピン224の周囲には、円形の凹部224aが形成されている。凹部224aの外径は、ピン224の外径よりも僅かに大きい寸法に設けられている。したがって、凹部224aの内部においては、ピン224の周囲に底壁部が設けられている。この底壁部には、後述するコイルばね280の下端部が当接する。
【0117】
また、平面部223aと平面部223cとの境界近傍、並びに、平面部223bと平面部223cとの境界近傍には、それぞれ角柱部223f、223gが設けられている。角柱部223fと平面部223cとの間には、スリット223hが形成されている。同様に、角柱部223gと平面部223cとの間には、スリット223iが形成されている。これらのスリット223h、223iには、後述する第2端子240の一部が挿入される(図20参照)。
【0118】
平面部223cの前方側には、後述する駆動部材250の被ガイド部254を収容する凹部225が設けられている。この凹部225は、下方側に延出し、スリット状に設けられている。また、円盤形状部223の前端部には、その側面から僅かに前方側に突出する突出片226が設けられている。外部ケース210に内部ケース220が組み込まれた状態において、突出片226は、外部ケース210の溝部215内に配置される。
【0119】
第1端子230は、それぞれ一対の口金ピン部51(51a、51b)と、接点部231(231a、231b)とを有する。口金ピン部51は、スイッチ装置1における口金ピン部と略同一に構成されている。接点部231は、導電性を有する金属板材に打ち抜き加工及び折り曲げ加工を施すことにより形成される。接点部231は、概して円形状を有する平面部232と、この平面部232から下方側に垂直に折り曲げ形成された帯状端子部233とを有する。平面部232の中央には、円形状の開口部232aが形成されている。
【0120】
第2端子240(240a、240b)は、導電性を有する金属板材に打ち抜き加工及び折り曲げ加工を施すことにより形成される。第2端子240(240a、240b)は、平行に配置される先端部241と帯状端子部242と、これらを連結する連結部243とを有する。先端部241と帯状端子部242とは、スイッチ装置200の上下方向に延在して配置される。連結部243は、先端部241及び帯状端子部242と直交して配置される。先端部241は、連結部243の一端部であって、その外側部分の上面に連続して設けられている。帯状端子部242は、連結部243の他端部であって、その内側部分の下面に連続して設けられている。帯状端子部242には、その上下方向の中央近傍に、帯状端子部242と同一平面上に段差状に突出する突出片242aが形成されている。
【0121】
このような第2端子240が固定された状態の内部ケース220が外部ケース210に組み込まれた状態において、第2端子240の帯状端子部242の上方側部分が、外部ケース210に形成された一対の切り欠き部211c、211dに挿入される。第2端子240は、突出片242aが収容部211の壁面部の下面に当接する位置まで挿入される。突出片242aが収容部211の壁面部の下面に当接する位置まで挿入された状態において、連結部243の上面が一対の切り欠き部211c、211dの上端部に当接すると共に、先端部241が溝部212、213に挿入された状態とされる。
【0122】
本実施の形態に係るスイッチ装置200においては、第1端子230の帯状端子部233で第1接点部が構成され、第2端子240の帯状端子部242で第2接点部が構成される。これらの第1接点部及び第2接点部は、可動接点ユニット260の一部(具体的には、接点部265b、265c、266b、266c)が接離される固定接点を構成する。
【0123】
駆動部材250は、概して直方体形状を有する接点保持部251と、接点保持部251の後端部から下方側に延出する被ガイド部252と、接点保持部251の前面部の中央部から前方側に突出する板状部253と、板状部253の下面から下方側に延出する被ガイド部254と、を有している。被ガイド部252、254は、概して直方体形状を有する。被ガイド部252は、駆動部材250と同一の幅寸法を有する。一方、被ガイド部254は、板状部253と同一の幅寸法を有する。
【0124】
接点保持部251の側面部には、一対の開口部251a、251bが形成されている。また、接点保持部251の上面部には、開口部251cが形成されている。開口部251a、251b、251cは、いずれも長方形状を有し、接点保持部251の前端側から後方側の所定位置まで形成されている。接点保持部251において、これらの開口部251a〜251cが形成された部分は中空構造となっている。
【0125】
接点保持部251の前面部の下方側には、板状部253を挟んで一対の被押圧片251d、251eが設けられている(図16において被押圧片251eは不図示)。これらの被押圧片251d、251eは、概して略長方形状を有し、僅かに前方側に突出して設けられている。また、接点保持部251の前面部には、被押圧片251d、251eそれぞれの上端部から上方に延在するスリット251f、251g(図16においてスリット251gは不図示)が形成されている。これらのスリット251f、251gは、接点保持部251からの可動接点ユニット260の脱落防止に利用される。
【0126】
接点保持部251の下面部には、外部ケース210のピン214が挿通される挿通孔251hが形成されている。なお、接点保持部251の下面部の下方側の面には、挿通孔251hの周囲に不図示の円形の凹部が形成されている。この凹部の外径は、挿通孔251hの外径よりも僅かに大きい寸法に設けられている。したがって、この凹部の内部においては、挿通孔251hの周囲に底壁部が設けられた状態となっている。この底壁部には、後述するコイルばね280の上端部が当接する。
【0127】
板状部253は、板面をスイッチ装置200の側方に向けた状態で接点保持部251の前面に設けられている。板状部253の前後方向の略中央部分の下面から被ガイド部254が延出している。一方、板状部253の前後方向の略中央部分の上面には、上方側に僅かに突出した被押圧部253aが設けられている。この被押圧部253aは、操作体270からの押圧力を受ける部分である。被押圧部253aの表面は、概して球面形状に設けられている。このように被押圧部253aの表面を球面形状とすることにより、操作体270に対する押圧動作又は傾動動作に柔軟に対応して駆動部材250を上下移動させることができる。
【0128】
可動接点ユニット260は、一対の弾性部材261、262と、一対の絶縁部材263、264と、一対のコンタクト部材265、266とから構成される。弾性部材261、262としては、例えば、コイルばねを適用できる。絶縁部材263、264は、例えば、絶縁性の樹脂材料で成型されている。絶縁部材263(264)は、基台部263a(264a)と、基台部263a(264a)表面から突出する2つの凸部263b、263c(264b、264c)とを有する。
【0129】
基台部263a(264a)は、概して長方形状を有する。2つの凸部263b、263c(264b、264c)は、概して直方体形状を有し、所定間隔を有する状態で、基台部263a(264a)の前後方向における両端部から僅かに内側に配置されている。また、基台部263a(264a)の後方側に配置された凸部263b(264b)の後端部、並びに、基台部263a(264a)の前方側に配置された凸部263c(264c)の前端部には、凸部263b、263c(264b、264c)の突出方向に僅かに突出した突出片263d、263e(264d、264e)が形成されている。
【0130】
2つの凸部263b、263c(264b、264c)に挟まれた領域の基台部263a(264a)には、外側に突出するボス263f(264f)が設けられている。ボス263f(264f)は、コンタクト部材265(266)を絶縁部材263(264)に取り付けるために利用されるものであり、後述するコンタクト部材265(266)の貫通孔265a(266a)に挿通されると共に、この貫通孔265a(266a)から突出する先端部が潰されてかしめられる。なお、図16において、ボス263f(264f)は、カシメ後の形状で示されている。一対の基台部263a、264aの裏面には、弾性部材261、262の端部が収容される有底の一対の収容孔263g、264g及び収容孔263h、264hが形成されている(図16において収容孔263g、263hは不図示)。
【0131】
コンタクト部材265、266は、可動接点を構成するものであり、導電性を有する金属板材に打ち抜き加工及び折り曲げ加工を施すことにより形成される。コンタクト部材265(266)は、絶縁部材263(264)表面に沿った段差形状を有している。コンタクト部材265(266)の中央部には、絶縁部材263(264)のボス263f(264f)を挿通するための貫通孔265a(266a)が設けられている。また、コンタクト部材265(266)の両端部近傍には、半球形状の接点部265b、265c(266b、266c)が設けられている。
【0132】
操作体270は、一対の第1端子230(口金ピン部51)の両方の延出方向を含んだ平面と平行な切断面における断面形状が、下方側部分よりも上方側部分が幅狭となるように形成されている。例えば、操作体270は、正面視にて概して三角形状を有している。操作体270は、上端部に配置された先端部からなる頂部271と、この頂部271に対向する底面部272と、頂部271を挟んで一方の外形に位置して設けられた第1被押圧部273と、頂部271を挟んで第1被押圧部273と異なる他方の外形に位置して設けられた第2被押圧部274とを有している。なお、これらの頂部271、第1被押圧部273及び第2被押圧部274により、操作体270の操作部が構成されている。
【0133】
底面部272の中央には、凹部272aが設けられている。凹部272aは、駆動部材250の被押圧部253aを収容するために設けられている。凹部272aは、駆動部材250と当接する当接部であり、駆動部材250の被押圧部253aは、この当接部を支持する支持部として機能する。また、底面部272の両端部は、それぞれ下方側部分にかけて幅狭となるような凸部形状に形成されている。操作体270の下端部の前面には、一対の突出部272b、272cが設けられている。これらの突出部272b、272cは、それぞれ底面部272の形状に対応した略三角形状を有し、3つの頂点部はそれぞれ円弧状に設けられている。
【0134】
コイルばね280は、スイッチ装置200の操作体270を初期状態に復帰させるための弾性部材として機能する。コイルばね280の上方側には、外部ケース210のピン214が挿入され、下方側には、内部ケース220のピン224が挿入される。コイルばね280は、ピン214及びピン224に支持された状態で、伸縮運動する。
【0135】
本実施の形態に係るスイッチ装置200を組み立てた状態の外観は、図2に示した第1の実施の形態に係るスイッチ装置1の外観と略同一である。
【0136】
以下、本実施の形態に係るスイッチ装置200の内部構造について説明する。図18は、本実施の形態に係るスイッチ装置200の側断面図である。図18においては、口金ピン部51a、51bの中心を通過する断面を示している。図18に示すように、外部ケース210の内部においては、可動接点ユニット260が取り付けられた駆動部材250やコイルばね280等の構成部品が収容されると共に、第1端子230の接点部231や第2端子240が取り付けられた内部ケース220が収容されている。内部ケース220は、外部ケース210に下方側から収容された状態で、貫通孔21a、21bに挿入された口金ピン部51a、51bに下方側から固定ねじ11で固定することにより、外部ケース210と一体化されている。
【0137】
図19は、本実施の形態に係るスイッチ装置200が有する内部ケース220周辺の構成部品を説明するための斜視図である。なお、図19においては、スイッチ装置200から外部ケース210を取り外した状態に相当する。なお、図19においては、説明の便宜上、第1端子230の口金ピン部51aを省略している。図20は、図19に示す状態の内部ケース220及びその周辺部品の上面図である。
【0138】
図19及び図20に示すように、内部ケース220には、駆動部材250が配置されている。駆動部材250は、被ガイド部252が収容部222aに収容され、被ガイド部254が凹部225に収容された状態で配置されている。接点保持部251は、外部ケース210の下面に設けられた収容部211内に配置される(図18参照)。接点保持部251には、可動接点ユニット260が保持されている。可動接点ユニット260の取り付けは、まず、コンタクト部材265を取り付けた絶縁部材263を、接点部265b、265cを外側に向けて、接点保持部251の開口部251aに配置する。そして、基台部263aの突出した前端部を、接点保持部251のスリット251fに挿入して保持する。同様に、コンタクト部材266を取り付けた絶縁部材264を、接点部266b、266cを外側に向けて、接点保持部251の開口部251bに配置し、基台部264aにおける突出した前端部を、接点保持部251のスリット251gに挿入して保持する。最後に、一対の収容孔263g、264gに弾性部材261の両端部を収容し、一対の収容孔263h、264hに弾性部材262の両端部を収容することにより、可動接点ユニット260を接点保持部251に取り付けることができる。
【0139】
接点保持部251の下方側には、コイルばね280が配置されている。コイルばね280は、下端部側からピン224を挿通された状態で、下端部が凹部224a内に収容されている。また、上端部側から外部ケース210のピン214を挿通された状態で(図18参照)、上端部が接点保持部251の下面に設けられた凹部内に収容されている。これにより、駆動部材250には、接点保持部251を上方側に付勢する付勢力が作用している。板状部253の被押圧部253aの上方には、操作体270が配置されている。操作体270は、底面部272に設けられた凹部272aで被押圧部253aを収容した状態で配置されている。駆動部材250に作用するコイルばね280の付勢力によって、操作体270には常に上方側へ移動する力が作用している。なお、操作体270は、外部ケース210の収容部26に収容され、その移動範囲が制限されていることから、被押圧部253aから脱落することはない。
【0140】
第1端子230の接点部231(231a、231b)は、平面部232が壁部221a、221bの平面部221c、221d上に配置される。この場合、平面部232は、開口部232aが挿通孔221g、221hに対応すると共に、帯状端子部233が箱状部222を規定する内壁面に沿うように配置され、帯状端子部233の下端部がスリット222b、222cに挿入される。
【0141】
固定ねじ11は、内部ケース220の下方側から貫通孔221g、221hに挿入され、接点部231の開口部232aを貫通する。第1端子230の口金ピン部51は、開口部232aから突出した固定ねじ11に固定される。接点部231の表面まで固定された状態において、口金ピン部51の固定部513の下面は、接点部231の平面部232に接触した状態となる。これにより、口金ピン部51と接点部231とが導通状態とされる。
【0142】
第2端子240は、帯状端子部242が角柱部223f、223gに沿うように配置され、帯状端子部242の下端部がスリット223h、223iに挿入される。このとき、スリット223h、223iの上部開口端には、帯状端子部242の突出片242aが露出した状態となる。また、先端部241と接点部265c、266cとの間には、外部ケース210の収容部211を規定する壁面部の一部が配置される。これにより、スイッチ装置200の初期状態において、第2端子240と接点部265c、266cとが確実に絶縁状態とされる。
【0143】
次に、駆動部材250に取り付けられた可動接点ユニット260と第1端子230及び第2端子240との位置関係について説明する。図21は、スイッチ装置200内の構成部品間の位置関係の説明図である。図21においては、スイッチ装置200内の構成部品間の位置関係を後方側から示す斜視図を示している。なお、図21においては、操作体270が非操作状態の場合について示している。
【0144】
操作体270が非操作状態において、駆動部材250は、コイルばね280の付勢力を受け、被ガイド部252の一部が収容部222aに収容され、被ガイド部254の一部が凹部225に収容された状態で配置されている。可動接点ユニット260における絶縁部材263及びコンタクト部材265、並びに、絶縁部材264及びコンタクト部材266は、ともに弾性部材261、262の付勢力を受けている。これにより、接点部265b、265cは、開口部251aから迫り出して接点保持部251の外部に位置した状態で配置されている。一方、接点部266b、266cは、開口部251bから迫り出して接点保持部251の外部に位置した状態で配置されている。
【0145】
可動接点ユニット260の接点部265bは、第1端子230の接点部231aと対向するように配置されている。また、接点部266bは、接点部231bと対向するように配置されている。第1端子230の接点部231a、231bは、接点部265b、265cよりも下方側に位置しているため、接点部231a及び接点部265b、並びに、接点部231b及び接点部266bは離間した状態で配置される。一方、可動接点ユニット260の接点部265cは、第2端子240aの先端部241と対向して配置されている。また、接点部266cは、第2端子240bの先端部241と対向して配置されている。先端部241と接点部265c、266cとの間には、外部ケース210の収容部211を規定する壁面部の一部が配置されるため、第2端子240a及び接点部265c、並びに、第2端子240b及び接点部266cは離間した状態で配置されている。これにより、スイッチ装置200の初期状態において、第1端子230と接点部265b、266b及び第2端子240と接点部265c、266cとが絶縁状態となる。
【0146】
次に、上記構成を有するスイッチ装置200が取り付けられた直管型LEDランプを蛍光灯器具(第1種蛍光灯器具及び第2種蛍光灯器具)に取り付ける際の動作について説明する。まず、上述した第1種蛍光灯器具にスイッチ装置200が取り付けられた直管型LEDランプを取り付ける場合の動作について説明する。図22は、第1種蛍光灯器具Aに装着された場合のスイッチ装置200内の構成部品の状態を示す斜視図である。なお、図22においては、説明の便宜上、図21に示す構成部品のみを示している。操作体270が外部ケース210(収容部26)の内部に押圧されると、図22に示すように、操作体270が載置された板状部253の被押圧部253aが下方側に押し込まれる。これに伴い、駆動部材250においては、板状部253がコイルばね280の付勢力に抗して押し下げられ、被ガイド部252及び254が、それぞれ収容部222a及び凹部225の内壁面に案内されて下方側へ移動する。
【0147】
このような駆動部材250の移動に伴い、接点保持部251に取り付けられた可動接点ユニット260も下方側へ移動する。そして、接点部265b、266b、265c、266cは、それぞれ接点部231a、231bの帯状端子部233(第1接点部)及び第2端子240a、240bの帯状端子部242(第2接点部)の上端部に達すると、第1接点部及び第2接点部に接触した状態となる。駆動部材250のさらなる移動により、接点部265b、266b、265c、266cは、それぞれ第1接点部及び第2接点部に接触した状態を維持しつつ、下方側へ移動する。このとき、接点部265b、266b、265c、266cは、それぞれ帯状端子部233及び242によって内側に押し込まれる。これに伴い、可動接点ユニット260においては、絶縁部材263、264及びコンタクト部材265、266が弾性部材261、262の付勢力に抗して押し込まれ、僅かに内側に移動する。この構成により、接点部265b、266b、265c、266cは、それぞれ第1接点部及び第2接点部に確実に接触した状態となる(図22に示す状態)。接点部265b及び265cが、それぞれ第1接点部及び第2接点部に接触することにより、コンタクト部材265を介して、一方の第1端子230と一方の第2端子240とが導通状態となる。同様に、接点部266b及び266cが、それぞれ第1接点部及び第2接点部に接触することにより、コンタクト部材266を介して、他方の第1端子230と他方の第2端子240とが導通状態となる。これにより、直管型LEDランプ内に実装された駆動回路(AC/DCコンバータ)への通電が可能となるオン状態に切り替えられる。
【0148】
一方、第1種蛍光灯器具Aからスイッチ装置200が取り外されると、操作体270への押圧操作が解除されることから、駆動部材250においては、コイルばね280の付勢力に応じて接点保持部251が押し上げられ、被ガイド部252及び254が、それぞれ収容部222a及び凹部225の内壁面に案内されて上方側へ移動する。このような駆動部材250の移動に伴い、可動接点ユニット260は、接点部265b、266b、265c、266cが、それぞれ第1接点部及び第2接点部と接触しない位置まで上方側へ移動する(図21に示す状態)。これに伴い、接点部265b、266b、265c、266cへの押し込み動作が解除されることから、可動接点ユニット260においては、弾性部材261、262の付勢力に応じて絶縁部材263、264及びコンタクト部材265、266が外側に移動する。接点部265b、266b、265c、266cが、それぞれ第1接点部及び第2接点部と非接触状態となることにより、第1端子230と第2端子240とが非導通状態となり、直管型LEDランプ内に実装された駆動回路への通電が行われないオフ状態に切り替えられる。
【0149】
次に、上述した第2種蛍光灯器具にスイッチ装置200が取り付けられた直管型LEDランプを取り付ける場合の動作について説明する。図23は、第2種蛍光灯器具Bに装着された場合のスイッチ装置200内の構成部品の状態を示す斜視図である。なお、図23においては、説明の便宜上、図21に示す構成部品のみを示している。操作体270が外部ケース210(収容部26)の内部に押圧されると、図23に示すように、操作体270の凹部272aによって、駆動部材250の被押圧部253aが下方側へ押し込まれる。また、操作体270が図23に示すように傾動動作することから、操作体270の底面部272によって、駆動部材250の被押圧片251eが下方側に押し込まれる。これに伴い、駆動部材250においては、接点保持部251がコイルばね280の付勢力に抗して押し下げられ、被ガイド部252及び254が、それぞれ収容部222a及び凹部225の内壁面に案内されて下方側へ移動する。
【0150】
このような駆動部材250の移動に伴い、接点保持部251に取り付けられた可動接点ユニット260も下方側へ移動する。そして、接点部265b、266b、265c、266cは、それぞれ接点部231a、231bの帯状端子部233(第1接点部)及び第2端子240a、240bの帯状端子部242(第2接点部)の上端部に達すると、第1接点部及び第2接点部に接触した状態となる。駆動部材250のさらなる移動により、接点部265b、266b、265c、266cは、それぞれ第1接点部及び第2接点部に接触した状態を維持しつつ、下方側へ移動する。このとき、接点部265b、266b、265c、266cは、それぞれ帯状端子部233及び242によって内側に押し込まれる。これに伴い、可動接点ユニット260においては、絶縁部材263、264及びコンタクト部材265、266が弾性部材261、262の付勢力に抗して押し込まれ、僅かに内側に移動する。この構成により、接点部265b、266b、265c、266cは、それぞれ第1接点部及び第2接点部に確実に接触した状態となる(図23に示す状態)。接点部265b及び265cが、それぞれ第1接点部及び第2接点部に接触することにより、コンタクト部材265を介して、一方の第1端子230と一方の第2端子240とが導通状態となる。同様に、接点部266b及び266cが、それぞれ第1接点部及び第2接点部に接触することにより、コンタクト部材266を介して、他方の第1端子230と他方の第2端子240とが導通状態となる。これにより、直管型LEDランプ内に実装された駆動回路(AC/DCコンバータ)への通電が可能となるオン状態に切り替えられる。
【0151】
なお、図23に示す状態に操作体270が移行する際には、側方からの押圧操作に伴い、操作体270が傾動動作して第1被押圧部273又は第2被押圧部274の一方が収容部26内の案内部である内壁面26a又は内壁面26bに当接した後、その後に収容部26の内部側へ押し込まれる。このように傾動動作を行った後に収容部26内へ押し込まれる動作に対応するように、本実施の形態に係るスイッチ装置200においては、傾動動作に伴って第1被押圧部273と第2被押圧部274のいずれか一方の被押圧部(傾斜部)が収容部26の内壁面26a又は内壁面26bに当接した状態において、他方の被押圧部(傾斜部)が開口部23から突出するように構成している。これにより、傾動動作後の押し込み動作を確実に行うことができるので、第1端子230と第2端子240との導通を確保することが可能となる。
【0152】
一方、第2種蛍光灯器具Bからスイッチ装置200が取り外されると、操作体270への押圧操作が解除されることから、駆動部材250においては、コイルばね280の付勢力に応じて接点保持部251が押し上げられ、被ガイド部252及び254が、それぞれ収容部222a及び凹部225の内壁面に案内されて上方側へ移動する。このような駆動部材250の移動に伴い、可動接点ユニット260は、接点部265b、266b、265c、266cが、それぞれ第1接点部及び第2接点部と接触しない位置まで上方側へ移動する(図21に示す状態)。これに伴い、接点部265b、266b、265c、266cへの押し込み動作が解除されることから、可動接点ユニット260においては、弾性部材261、262の付勢力に応じて絶縁部材263、264及びコンタクト部材265、266が外側に移動する。接点部265b、266b、265c、266cが、それぞれ第1接点部及び第2接点部と非接触状態となることにより、第1端子230と第2端子240とが非導通状態となり、直管型LEDランプ内に実装された駆動回路への通電が行われないオフ状態に切り替えられる。
【0153】
直管型LEDランプLを第1種蛍光灯器具A及び第2種蛍光灯器具Bに取り付ける際における第1端子230(口金ピン部51)と操作体270との関係は、図13に示した第1の実施の形態に係るスイッチ装置1における関係と同一であるため、その詳細な説明は省略する。すなわち、スイッチ装置200においても、操作体270は、第1端子230(口金ピン部51)がソケットA1内の電極A4(被接続端子)に接触する前にハウジング(外部ケース210)内に押圧され、第1端子230と第2端子240とが導通状態に切り替えられる。
【0154】
このように本実施の形態に係るスイッチ装置200においては、初期状態における操作体270の先端部の位置を、第1端子230(口金ピン部51)の先端部の位置よりも外側に突出させたことから、第1端子230よりも先に操作体270をソケットA1(B1)に当接させることができるので(図11、図14参照)、ソケットA1(B1)内における電極A4(被接続端子)の位置に関わらず、操作体270でハウジング内へ押圧操作を受け付けることができる。この押圧操作に伴って、第1端子230と第2端子240とを導通状態に切り替えることができるので、ソケットA1(B1)内の電極A4等の位置にバラつきが発生する場合においても、確実にLEDを発光させる駆動回路への通電が可能となるオン状態に切り替えることができる。
【0155】
また、本実施の形態に係るスイッチ装置200においては、ハウジング(外部ケース210)内への押圧操作だけでなく、第1端子230(口金ピン部51)の突出方向を挟む相反する一方側又は他方側からの押圧操作に伴って操作体270が傾動動作し、操作体270の少なくとも一部がハウジング内に収容され、第1端子230と第2端子240とが導通する。これにより、直管型蛍光灯の一端側の端子を一方のソケットに差し込んだ後、他端側の端子を他方のソケットに差し込む形態の蛍光灯器具だけでなく、両方の端子を同時にソケットに装着する形態の蛍光灯器具に取り付ける場合においても、操作体270を収容部26内に収容させ、第1端子230と第2端子240とを導通させることができるので、いずれの形態の蛍光灯器具に対しても取り付けることが可能となる。
【0156】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本考案の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本考案の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【0157】
例えば、上記実施の形態においては、操作体9(270)が、第1端子5(230)(口金ピン部51)の突出方向を挟む相反する方向の両側からの押圧操作に伴って傾動動作する場合について説明している。しかしながら、操作体9(270)の動作については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、操作体9(270)が、第1端子5(230)の突出方向を挟む相反する方向の一方側からの押圧操作に伴って傾動動作するように構成してもよい。このように変更した場合においても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0158】
また、上記実施の形態においては、一対の第1端子5(230)を備え、これらに対応して一対の第2端子6(240)及び可動接点7(コンタクト部材265、266)を備える場合について示している。上記実施の形態によれば、例えば、一方のスイッチ装置1(200)からの給電構造の直管型LEDランプにも対応することができる。しかしながら、スイッチ装置1(200)が備える第2端子6(240)及び可動接点7(コンタクト部材265、266)の数量については、上記実施の形態に限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、ランプ本体の両端に設けられた双方のスイッチ装置1(200)を用いた給電構造を有する直管型LEDランプに適用する場合には、第2可動接点6(240)及び可動接点7(コンタクト部材265、266)をそれぞれ1つずつ備えるようにしてもよい。
【0159】
さらに、上記実施の形態に係る操作体9(270)においては、図24Aに示すように、第1被押圧部93(273)、第2被押圧部94(274)が傾斜部を有する場合について説明している。しかしながら、操作体9(270)の形状については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、図24Bに示す第1被押圧部930、第2被押圧部940のように曲線部で構成してもよい。また、図24Cに示す第1被押圧部931、第2被押圧部941のように曲線部と直線部との組合せにより構成してもよい。また、操作体9(270)の先端の頂部は、図24Aに示す頂部91や図24Cに示す頂部911のように曲率半径の小さいものに限られず、図24Bに示すようななだらかな頂部910であってもよく、円弧状でなくても構わない。
【0160】
さらに、上記実施の形態に係る操作体9(270)においては、底面部92(272)の中央に凹部921(272a)が設けられる場合について説明している。しかしながら、操作体9(270)の形状については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、図25に示すように、底面部92(272)の中央に凸部95を設ける構成としてもよい。この場合には、駆動部材8(250)に設けられた凹部85内に凸部95を収容する構成としてもよい。凸部95は、駆動部材8(250)と当接する当接部であり、駆動部材8(250)の凹部85は、この当接部を支持する支持部として機能する。
【0161】
さらに、上記実施の形態に係る操作体9(270)においては、突出部922a、922b(突出部923a、923b又は突出部272b、272c)を2つずつ設ける場合について説明している。しかしながら、操作体9(270)に設けられる突出部の数量については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、連続する1つの突出部を設けるようにしてもよい。
【0162】
さらに、上記実施の形態においては、操作体9(270)が板状に構成される場合について説明している。操作体9(270)の形状については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、操作体9(270)の形状に円錐形状を採用することや、複数の段差を有する形状を採用することも可能である。
【0163】
さらに、上記実施の形態においては、操作体9(270)が、一対の第1端子5(230)の突出方向を含んだ平面と平行な平面であって、第1端子5(230)を含む平面よりも前方側に配置された平面上に配置された場合について示している。しかしながら、操作体9(270)の位置については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、一対の第1端子5(230)の突出方向を含んだ平面と同一平面上に操作体9(270)を配置してもよい。
【0164】
さらに、上記実施の形態においては、収容部26が外部ケース2(210)に設けられる場合について説明している。しかしながら、収容部26が設けられる構成部材については、外部ケース2(210)に限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、外部ケース2(210)とは異なる別部材に収容部26を設けるようにしてもよい。また、スイッチ装置1(200)のハウジングをLEDランプ本体のハウジングの少なくとも一部と一体に構成したものであっても構わない。
【0165】
さらに、上記実施の形態においては、直管型LEDランプLの両端にスイッチ装置1(200)が設けられる場合について説明している。しかしながら、直管型LEDランプLにおけるスイッチ装置1(200)が設けられる箇所については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、直管型LEDランプLの一端側のみから給電を行う構造の蛍光灯器具に装着する場合には、直管型LEDランプLの一端にのみスイッチ装置1(200)を設けるようにしてもよい。なお、このように直管型LEDランプLの一端にのみスイッチ装置1(200)を設ける場合、直管型LEDランプLの他端は、ダミー端子等を設けるなどして、対応するソケットに装着可能な構成とすることが好ましい。
【0166】
さらに、上記第1の実施の形態においては、スイッチ装置1は、別部材であるカム体10と可動接点7とを備え、カム体10が可動接点7に保持される構成である場合について説明している。しかしながら、スイッチ装置1が備えるカム体10及び可動接点7の構成は、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、カム体10と可動接点7とがインサート成形により一体化されている構成であっても構わない。
【符号の説明】
【0167】
1 直管型LEDランプ用スイッチ装置(スイッチ装置)
2 外部ケース(ハウジング)
23 開口部
26 収容部
26a、26b 内壁面(案内部)
26c 支持壁部(支持部)
3 内部ケース(ハウジング)
31 壁部
32 筒状部
321 収容部
33 円盤形状部
34 支持壁部
4 絶縁カバー(ハウジング)
42 挿入部
421a、421b支持片
5 第1端子
51、51a、51b 口金ピン部
52、52a、52b 保持部
522a 折り曲げ部(第1接点部)
6、6a、6b 第2端子
61 前方端子部
62 後方端子部
621 矩形状部(第2接点部)
7、7a、7b 可動接点
71 基部
72 保持部
73 接点部
731 第1可動接点部
732 第2可動接点部
732a 主接点部
732b 補助接点部
8 駆動部材
81 駆動部
82 レバー部
821 軸部
822 被押圧部
9 操作体
91 頂部
92 底面部
921 凹部
922a、922b、923a、923b 突出部
93 第1被押圧部
94 第2被押圧部
10、10a、10b カム体
101 基部
1011 当接部
1012 軸部
102 係合片(被押圧部)
11 固定ねじ
12 トーションばね(弾性部材)
200 直管型LEDランプ用スイッチ装置(スイッチ装置)
210 外部ケース
211 収容部
214 ピン
220 内部ケース
221 壁部
222 箱状部
222a 収容部
223 円盤形状部
224 ピン
230 第1端子
231 接点部
233 帯状端子部
240 第2端子
242 帯状端子部
250 駆動部材
251 接点保持部
252 被ガイド部
253 板状部
253a 被押圧部
254 被ガイド部
260 可動接点ユニット
261、262 弾性部材
263、264 絶縁部材
265、266 コンタクト部材(可動接点)
265b、265c、266b、266c 接点部
270 操作体
280 コイルばね


【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有するハウジングと、このハウジングから一方向に突出すると共に灯器具のソケット内の電極と接触可能な一対の第1端子と、前記開口部から前記一方向に突出すると共に前記ハウジング内への押圧操作を受け付け可能な操作部を有する操作体と、この操作体への押圧操作に伴って前記第1端子の少なくとも一方と導通状態が切り替えられる第2端子と、前記操作体を押圧操作前の初期状態に復帰させる弾性部材とを備え、初期状態における前記操作体の先端部の位置を前記一対の第1端子の先端部の位置よりも前記一方向側に突出させたことを特徴とする直管型LEDランプ用スイッチ装置。
【請求項2】
前記操作体は、前記ソケットによる前記操作体への押圧操作の際に、前記一対の第1端子が前記電極に接触する前に前記ソケットにより前記ハウジング内に押圧され、前記一対の第1端子の少なくとも一方と前記第2端子とが導通状態に切り替えられることを特徴とする請求項1記載の直管型LEDランプ用スイッチ装置。
【請求項3】
前記一対の第1端子の少なくとも一方と前記第2端子とが導通状態に切り替えられる時点で、前記一対の第1端子の先端部が前記ソケットに設けられた孔部に収容されることを特徴とする請求項2記載の直管型LEDランプ用スイッチ装置。
【請求項4】
前記ハウジング内には、前記操作体への押圧操作時に前記操作部が収容される収容部が設けられると共に、前記操作体は、前記第1端子における前記一方向を挟む相反する方向の少なくとも一方側からの押圧操作に伴って傾動動作するように構成されており、この傾動動作により、前記操作部の少なくとも一部が前記収容部に収容されると共に、前記第1端子の少なくとも一方と前記第2端子とが導通することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の直管型LEDランプ用スイッチ装置。
【請求項5】
前記収容部には、前記操作体への押圧操作に伴って前記操作部が収容される際に前記操作体が案内される案内部が設けられており、前記操作部は、前記一方側からの押圧操作を受け付ける第1被押圧部を備え、前記一方側からの押圧操作に伴って、前記操作体が傾動動作すると共に前記収容部内に押し込まれることを特徴とする請求項4記載の直管型LEDランプ用スイッチ装置。
【請求項6】
前記一対の第1端子の両方の延出方向を含んだ平面と平行な切断面における前記操作部の断面形状が、前記開口部側よりも先端の頂部側が幅狭となるように形成されると共に、前記断面形状の前記頂部を挟んで一方の外形に位置して前記第1被押圧部が設けられており、前記一方側からの押圧操作に伴う前記傾動動作が、前記一対の第1端子の両方の延出方向を含んだ平面に沿って移動するものであることを特徴とする請求項5記載の直管型LEDランプ用スイッチ装置。
【請求項7】
前記操作体には、前記切断面と交差する方向に突出する突出部が設けられており、初期状態において、前記突出部が前記収容部に設けられた支持部に支持されることを特徴とする請求項6記載の直管型LEDランプ用スイッチ装置。
【請求項8】
前記操作体は、前記第1端子における前記一方向を挟んで前記一方側と相反する他方側からの押圧操作を受け付ける第2被押圧部を備え、前記他方側からの押圧操作に伴って、前記操作体が傾動動作すると共に前記収容部内に押し込まれ、前記第1被押圧部及び第2被押圧部は、前記開口部が形成された前記ハウジングの一面に対して、それぞれ90度未満の角度を有する第1傾斜部及び第2傾斜部を有し、前記一方側又は前記他方側からの押圧操作に伴う前記傾動動作によって前記第1傾斜部と前記第2傾斜部のいずれか一方の傾斜部が前記収容部の前記案内部に当接した状態において、他方の傾斜部が前記開口部から突出していることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれかに記載の直管型LEDランプ用スイッチ装置。
【請求項9】
前記第1端子の少なくとも一方と前記第2端子との導通状態を切り替える可動接点と、前記操作体への押圧操作に伴って移動すると共に前記可動接点を駆動する駆動部材とを具備し、前記駆動部材が前記一対の第1端子間の領域を移動するように配置されていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の直管型LEDランプ用スイッチ装置。
【請求項10】
前記操作体は、前記一対の第1端子間とは異なる領域に配置されていると共に、前記操作部の先端と対向する位置に前記駆動部材と当接する当接部を有し、前記駆動部材には、前記当接部を支持する支持部が設けられており、前記弾性部材により前記支持部が前記当接部側に付勢されていることを特徴とする請求項9記載の直管型LEDランプ用スイッチ装置。
【請求項11】
前記操作体の前記当接部が凹部からなると共に、前記駆動部材の前記支持部が凸部からなることを特徴とする請求項10記載の直管型LEDランプ用スイッチ装置。
【請求項12】
前記一対の第1端子の両方の延出方向を含んだ平面を挟んだ前記ハウジング内における一方の領域に前記操作部が収容される前記収容部が設けられると共に、他方の領域に前記第1端子の少なくとも一方と前記第2端子との導通状態を切り替える可動接点が設けられていることを特徴とする請求項4から請求項8のいずれかに記載の直管型LEDランプ用スイッチ装置。
【請求項13】
前記可動接点は、前記第1端子及び第2端子とは別部材で構成されると共に、前記第1端子の少なくとも一方に導通して設けられた第1接点部及び前記第2端子に導通して設けられた第2接点部と対向して配置されており、前記操作体への押圧操作に伴って、前記可動接点が前記第1接点部及び第2接点部に当接することを特徴とする請求項12記載の直管型LEDランプ用スイッチ装置。
【請求項14】
前記操作体には、前記操作部の先端と対向する位置に凹部が設けられており、一端部が前記凹部に配置されると共に、他端部が前記可動接点を駆動するシーソー動作可能な駆動部材が、前記一対の第1端子間を通るように配設され、前記弾性部材により前記駆動部材の一端部側が前記凹部側に付勢されていることを特徴とする請求項12又は請求項13記載の直管型LEDランプ用スイッチ装置。
【請求項15】
前記第2端子及び可動接点が前記一対の第1端子に対応してそれぞれ一対設けられ、それぞれの前記第1端子と前記第2端子とが対応する前記可動接点を介して導通状態が切り替えられることを特徴とする請求項12から請求項14のいずれかに記載の直管型LEDランプ用スイッチ装置。
【請求項16】
複数のLEDと、前記LEDを発光させる駆動回路と、前記複数のLED及び前記駆動回路を収納する筒状のランプ本体とを具備し、請求項1から請求項15のいずれかに記載の直管型LEDランプ用スイッチ装置を前記ランプ本体の端部に設けたことを特徴とする直管型LEDランプ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2012−146629(P2012−146629A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206306(P2011−206306)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】