説明

相対的な高い磁気誘導および高強度を有する無方向性電磁鋼板、ならびにその製造方法

相対的な高い磁気誘導および高強度を有する無方向性電磁鋼板、ならびにその製造方法は、1)製錬および鋳込みを含み、電磁鋼板の成分の重量パーセントは:C≦0.0040%、Siは2.50%〜4.00%であり、Alは0.20%〜0.80%であり、Crは1.0〜8.0%であり、Niは0.5〜5.0%であり、Mn≦0.50%、P≦0.30%、S≦0.0020%、N≦0.0030%、Ti≦0.0030%、Nb≦0.010%、V≦0.010%、C+S+N+Ti≦0.010%、ならびに残部が実質的にFeおよび不可避的不純物であり;製錬、RH真空プロセスおよび鋳込みを行ない、さらに、2)熱間圧延と;3)焼ならしとを含み、温度は850〜950℃であり、時間は0.5〜3分であり、次いで、5〜15℃/sで650〜750℃に徐冷され、さらに20〜70℃/sで100℃以下に急冷され;さらに、4)酸洗および冷間圧延を含み、総スクリューダウンレートは70%以上であり;さらに、5)アニールを含み、温度は800〜1000℃であり、5〜60s保持し、次いで、3〜10℃/sで650〜750℃に徐冷され、さらに、20〜70℃/sで100℃以下に急冷される。この発明は、生産の際の困難を増すことなく、高強度および高い磁気誘導を有する無方向性電磁鋼板を製造できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電気自動車モータおよび駆動電気機械のような、高い開始トルクおよび耐衝撃性能を必要とする装置に適用され、Ni、Crなどのような固溶強化要素の添加、およびC、N、S、Tiなどのような磁気特性を損なう元素の制御によって、電磁鋼板の磁気特性が電磁鋼板の降伏強さを改善するように確実にされるのを、製品の磁気誘導を改善するように熱間圧延鋼板に適切な焼ならしアニール工程を同時に実行することによって行う、電磁鋼板の製造の分野、特に、相対的な高い磁気誘導および高強度を有する無方向性電磁鋼板ならびにその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
石油および石炭のような再生不能資源などが日ごとに枯渇するなか、環境における温室効果の有害さは日ごとに厳しくなり、電気自動車およびハイブリッドパワー自動車は、汚染が少なく環境保護性の高い車両として、ますます多くの注目を得ており、それは疑いもなく広く適用される。電気自動車およびハイブリッドパワー自動車の電動機のステータコアおよびロータコアは、無方向性電磁鋼板から形成され、自動車が始動し加速するとき、電動機は高いトルクを必要とし、電気鋼板が高い磁気誘導を有することを必要とする。さらに、モータのロータコアは、高速における遠心力による極端な負荷に耐え、自動車が始動するとき、強い衝撃に瞬間的にさらされ、したがって、コア材料は、高強度および靱性を有することが必要である。
【0003】
現在の無方向性珪素鋼製品では、Siの含有量が改善するにつれて、製品の強度が改善し、トップレベルの高鋼グレード製品の一部の降伏強度は、450MPaに達し、製品の鉄損も相対的に低く、それは通常の産業的な電気的機械類および電気的発電装置における適用を満たす。しかし、きしみの傾向があり、この種の製品の靱性および可塑性は悪く、そして、磁気誘導も相対的に低く、それは電気自動車モータのような駆動電気機械の使用において適用されず、したがって、高強度および高い磁気誘導を有する無方向性電磁鋼板を開発する必要がある。
【0004】
「高強度電磁鋼板、その加工部品、およびその製造方法」が、中国特許出願CN 1863934において開示され、そこでは、電磁鋼板の降伏強度および引張り強度を改善するよう、Mn、Cuなどのような強化元素を、その組成において追加するが、その問題点は、製品がこの方法に従って製造されるとき、冷間圧延が困難であり、電磁鋼板の磁気特性も影響され、したがって、製造された電磁鋼板の磁気誘導は相対的に低い。製品の強度を改善するためには、冷間圧延板がアニールされた後、高温から中間温度まで速い冷却速度で冷却することが必要であるが、この処理では、より大きな応力が、鋼帯の内側において生じ、それは鋼帯の形状に悪影響があり、製品の磁気特性および耐疲労性に影響する。さらに、この特許出願では、中間温度帯で長い時間を保持して、冷間圧延のためにアニールおよび冷却において硬化処理を実行することが必要であるが、それは、通常の産業的なアニール機械一式において達成することに不利である。この出願の別の局面は電磁鋼板を製造することであり、その材料は、穴を空けられる前は相対的に柔軟であり、製造された構成要素は強度改善および摩耗抵抗の目的を達成するために熱硬化され、それは、顧客使用において加えられるいくつかの熱処理プロセスをなす。
【0005】
出願WO 2009/128428 A1では、製品が最後にアニールされた後、900℃から500℃までの温度区間において50℃/sを越える冷却速度で冷却することが必要である。しかし、この方法では、強い応力が鋼帯において生じ、鋼帯の形状および磁気特性に強い影響があり、それは実際の産業的生産において適用されることに不利である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の目的は、既存の装置から、生産上の困難を増さずに、高強度、摩耗抵抗、および高い磁気特性も有する無方向性電磁鋼板を安定して製造するように製造することができる、相対的に高い磁気誘導および高強度を有する無方向性電磁鋼板、ならびにその製造方法を提供することである。
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の技術的解決策は、相対的な高い磁気誘導および高強度を有する無方向性電磁鋼板であって、その化学的組成の重量パーセントは:
C:≦0.0040%
Si:2.50%〜4.00%
Al:0.20%〜0.80%
Cr:1.0〜8.0%
Ni:0.5〜5.0%
Mn:≦0.50%
P:≦0.30%
S:≦0.0020%
N:≦0.0030%
Ti:≦0.0030%
Nb:≦0.010%
V:≦0.010%
C+S+N+Ti:≦0.010%
ならびに残部が実質的にFeおよび不可避的不純物である。
【0008】
さらに、この発明の無方向性電磁鋼板は、重量%で、Cu≦3%を含む。
さらに、この発明の無方向性電磁鋼板は、重量%で、0.5%以下の総含有量を有するSbおよび/またはSnを含む。
【0009】
好ましくは、この発明の無方向性電磁鋼板においては、重量%で、C≦0.002%またはC≦0.0015%であり;Siの含有量は2.8〜3.3%であり;Alの含有量は0.4%〜0.6%であり;Crの含有量は2.5%〜6%であり;Niの含有量は1.0%〜3.5%であり;Pの含有量は0.1%以下であり、Sの含有量は0.0015%以下であり;Nの含有量は0.002%以下であり;Tiの含有量は、0.0015%以下である。
【0010】
この発明に従って相対的な高い磁気誘導および高強度を有する無方向性電磁鋼板を製造する方法は、
1)製錬および鋳込みステップを含み、
無方向性電磁鋼板の化学的成分の重量パーセントは、C≦0.0040%、Siは2.50%〜4.00%であり、Alは0.20%〜0.80%であり、Crは1.0〜8.0%であり、Niは0.5〜5.0%であり、Mn≦0.50%、P≦0.30%、S≦0.0020%、N≦0.0030%、Ti≦0.0030%、Nb≦0.010%、V≦0.010%、C+S+N+Ti≦0.010%、ならびに残部が実質的にFeおよび不可避的不純物であり、製錬、RH真空プロセスを行って、上記の組成に従ってスラブに注がれ;前記方法はさらに、
2)熱間圧延ステップを含み、
スラブの加熱温度は1050℃〜1200℃であり、保持時間は30分以上であり、圧延平滑プロセスにおける初期圧延温度は940℃〜1000℃に制御され、最終圧延温度は850℃以上であり、最終スタンドスクリューダウンレートは10〜15%に制御され、巻取温度は500〜700℃に制御され、圧延鋼板の厚みは2.0〜2.6mmであり;前記方法はさらに、
3)熱間圧延鋼板焼ならしステップを含み、
焼ならし温度は850〜950℃であり、保持時間は0.5〜3分であり、次いで、5〜15℃/sの冷却速度で650〜750℃に徐冷され、さらに20〜70℃/sの冷却速度で100℃以下に急冷され;前記方法はさらに、
4)酸洗および冷間圧延ステップを含み、
単一の冷間圧延プロセスで冷間圧延され、総スクリューダウンレートは70%以上であり;前記方法はさらに、
5)連続炉でアニールするステップを含み、
連続炉でアニール処理を実行し、アニール温度は800〜1000℃であり、それを5〜60s保持し、次いで、3〜10℃/sの冷却速度で650〜750℃に徐冷され、さらに、20〜70℃/sの冷却速度で100℃以下に急冷される。
【0011】
さらに、この発明の無方向性電磁鋼板は、重量%で、Cu≦3%を含む。
さらに、この発明の無方向性電磁鋼板は、重量%で、0.5%以下の総含有量を有するSbおよび/またはSnを含む。
【0012】
この発明の組成設計では、Cは鋼板の強度を改善できるが、微細な炭化が磁気特性を大きく低下させ、Cの含有量がより大きいと、磁気時効が電磁鋼板において生じ、したがって、Cのパーセンテージはこの発明においては0.004%以下であり、Cの含有量が0.002%以下である場合、磁気時効に対する抑止的な効果が顕著であり、炭化などのような非金属の析出を生じさせずに強度を改善するためには、≦0.0015%がより好ましい。
【0013】
Siは鋼の電気抵抗を改善し、鉄損を低減することができ、Siの含有量を改善する場合、強度が改善され得る一方、鉄損が低減され得、したがって、Siの含有量は、2.5%以上を要して、できるだけ高く改善され得るが、Siの含有量がある程度まで改善されると、製品は脆くなる一方で、磁気誘導は減少し、したがって、Siの含有量は4.0%以下であり、さらに好ましくは2.8〜3.3%であることが必要とされる。
【0014】
Alの効果はSiのそれに類似し、それは鉄損を低減し得、Alの含有量が改善される場合、AlNは粗くなるかもしれず、それは、鋼の磁気特性を改善するよう、構造結晶粒の成長を容易にするが、Alの増加で、液体鋼の粘性が上昇して、製鋼をより困難にし、一方、磁気誘導も減少し、したがって、Alの含有量は0.2%〜0.8%、好ましくは0.4%〜0.6%に選ばれる。
【0015】
CrおよびNiは、この発明においては必須元素であり、強化元素として追加され、CrおよびNiに基いた金属相が鋼板において形成され、磁気特性における劣化なしで高強度を狙う。Crの含有量が低い場合、高強度の効果は減少し、鋼板の強度を改善するためには、後のプロセスにおける技術的な要件が高く、製造における調整の自由度は低いが、Crの含有量が高ければ、磁気特性は低下し、クラックが熱間圧延工程において生じやすく、したがって、Crの含有量は1.0%〜8.0%、さらに好ましくは2.5%〜6%であることが必要とされる。
【0016】
Niは、鋼板の強度を改善し、磁気誘導を改善し得、鉄損にほとんど影響せず、有益な元素として添加されるが、Niが添加されすぎる場合、クラックが熱間圧延工程において生じやすく、表面の被覆性能は悪化し、製品コストが増大し、したがって、この発明においては、Niの含有量は、0.5%〜5.0%、さらに好ましくは1.0%〜3.5%であるということが必要である。
【0017】
Mnは鋼の強度を改善し得るが、この発明では、Mnはその目的のためには添加されず、固有抵抗を改善または硫化物を粗くして鉄損を低減するために添加され、Mnをより添加しすぎることは磁気誘導の低減を生じ、したがって、Mnの含有量は0.5%以下であることが必要とされる。
【0018】
Pは、張力応力を顕著に改善するための元素であるが、結晶粒界において分離し蓄積し易く、鋼板をひどく脆くし、したがって、Pの含有量は0.3%以下、好ましくは0.1%以下であることが必要とされる。
【0019】
Sは磁気特性を損なう元素であり、形成された微細な硫化物が、結晶粒の成長を抑制し、鉄損を増加させ、したがって、Sの含有量は0.002%以下、好ましくは0.0015%以下であることが必要とされる。
【0020】
Nは、Sに類似し、磁気特性を損ない、したがって、Nの含有量は0.003%以下、好ましくは0.002%以下であることが必要とされる。
【0021】
Tiは鋼板の強度を改善し得るが、磁気特性に強い影響があり、TiCおよびTiNのようなその微細な析出は結晶粒界において定着することになり、それは結晶粒の成長を抑制し、鉄損を増加させ、磁気誘導を低減し、したがって、Tiの含有量は0.003%以下、好ましくは0.0015%以下であることが必要とされる。
【0022】
この発明では、C+N+S+Tiの総含有量は、鋼板の磁気特性を保証するように0.01%内に制御される。
【0023】
NbおよびVは、磁気特性を損なう元素として、0.01%以下に制御されるように要求される。
【0024】
Cuは、強度を改善するための元素として選択的に添加され、SnおよびSbは、磁気特性を改善するための元素として選択的に添加される。
【0025】
上に記載された組成を含む鋼は、通常の電磁鋼板に類似するように、転炉において脱炭するための製錬、酸素を除去するための取鍋精製および合金化による連続鋳造工程を用いることによって製造されるスラブから、熱間圧延、焼ならし、酸洗、冷間圧延および最終アニールなどのようなプロセスによって製造される。
【0026】
製造方法では、鋼板において特徴をなす金属相を生じさせ、ならびに製造性および磁気特性を保証するために、焼ならしプロセスにおける冷却過程および最終アニールプロセスは、以下のように制御される。
【0027】
熱間圧延鋼板が焼ならしされた後、冷却がセグメントにおいて行われ、徐冷は高温段階において用いられ、急冷は低温段階において行われ、鋼帯が焼ならし均熱部から来た後、鋼帯は5〜15℃/sの冷却速度で650〜750℃に徐冷され、次いで、20〜70℃/sの冷却速度で100℃以下に急冷される。高温段階において冷却速度を低減することは結晶粒構造を十分に回復させ、それは鋼板において応力を低減し、焼ならし鋼板の平坦度および形状を改善し、冷間圧延の効率を向上させる。さらに、焼きならしされた後に高温段階において冷却速度を低減することは、固溶炭化および窒化物堆積を十分に形成して、炭化および窒化物の粗大な不純物を形成し、結晶粒の成長を抑制する微細な不純物を形成しないようにし、および仕上げ鋼板内において有利な構造を形成し、その結果鋼板の磁気特性を改善する。
【0028】
鋼帯が最後にアニールされた後、冷却がセグメントにおいて行われ、鋼帯は、まず、3〜10℃/sの冷却速度で650〜750℃に徐冷され、次いで、20〜70℃/sの冷却速度で100℃以下に急冷される。高温徐冷期間では、組成、サイズおよび数密度において特徴付けられるCrおよびNiの金属相が効率的に形成され、磁気特性を大きく悪化させる、強化能力が低い固溶体または硫化物は形成されない。一方、高温段階における徐冷は、さらに、仕上げ鋼帯における内部応力を低減し、完成品の磁気特性を改善し、製品の耐疲労性も改善する。
【発明の効果】
【0029】
この発明の高い磁気誘導および高強度を有する無方向性電磁鋼板では、NiおよびCrのような強化元素が成分に添加され、C、N、S、Tiなど磁気特性を損なう元素は、相対的に低レベルに制御され、電磁鋼板の強度が、磁気特性における顕著な劣化なしで改善される。冷却プロセスは焼きならしプロセスおよびアニールプロセスにおいて制御することができ、それは鋼帯の形状を保証し、製品の磁気特性を安定させ、冷間圧延が困難であるという問題も解決する。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に、この発明を実施例に関して記載する。
実施例における成分は表1において理解することができる。
【0031】
【表1】

【0032】
製造されたスラブを1120℃に加熱し、この温度を60分保持した後、この製造されたスラブを、2.3mmの厚みを有する鋼帯に熱間圧延し、最終圧延温度は860℃、巻取温度は570℃である。熱間圧延鋼板が、60sの熱保存時間の間、900℃の焼きならし温度で焼きならしされた後、この熱間圧延鋼板を、厚みが0.5mmである冷間圧延鋼板に圧延する。冷間圧延鋼板が15sの熱保存時間の間、900℃のアニール温度でアニールされた後、異なる冷却速度で900℃から500℃までこの冷間圧延鋼板を冷却し、次いで70℃/sで室温に冷却し、製造されたサンプルの磁気特性はEPSTINEフレームによって測定され、サンプルの機械的性能および高サイクル疲労性能は、JIS5張力(平均荷重は172MPa、振幅は156MPaである)によって測定され、成分およびプロセスに対応する性能測定結果は、表2において理解することができる。
【0033】
【表2】

【0034】
スラブは表1の実施例11に従う成分で製造され、スラブを1120℃に加熱し、この温度を60分保持した後、このスラブを、2.3mmの厚みを有する鋼帯に熱間圧延し、最終圧延温度は860℃、巻取温度は570℃である。熱間圧延鋼板が、60sの熱保存時間の間、900℃の焼きならし温度で焼きならしされた後、この熱間圧延鋼板を、厚みが0.5mmである冷間圧延鋼板に圧延する。冷間圧延鋼板が、15sの熱保存時間の間、900℃のアニール温度でアニールされた後、この冷間圧延鋼板は異なる冷却速度(1#〜5#)で900℃から500〜600℃まで冷却され、冷却プロセスは表3において理解することができる。
【0035】
製造されたサンプルの磁気特性はEPSTINEフレームによって測定され、サンプルの機械的性能および高サイクル疲労性能は、JIS5張力(平均荷重は172MPa、振幅は156MPaである)によって測定され、性能測定結果は、表4において理解することができる。
【0036】
【表3】

【0037】
【表4】

【0038】
表3および表4において理解することができるように、アニール冷却温度は急速すぎると、鋼板の磁気性能はより悪くなり、その結果、鉄損は増大し、磁気誘導は減少し、耐疲労性はより悪くなる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対的な高い磁気誘導および高強度を有する無方向性電磁鋼板であって、その化学的組成の重量パーセントは:
C:≦0.0040%
Si:2.50%〜4.00%
Al:0.20%〜0.80%
Cr:1.0〜8.0%
Ni:0.5〜5.0%
Mn:≦0.50%
P:≦0.30%
S:≦0.0020%
N:≦0.0030%
Ti:≦0.0030%
Nb:≦0.010%
V:≦0.010%
C+S+N+Ti:≦0.010%
ならびに残部が実質的にFeおよび不可避的不純物である、無方向性電磁鋼板。
【請求項2】
重量%で、Cu≦3%を含む、請求項1に記載の、相対的な高い磁気誘導および高強度を有する無方向性電磁鋼板。
【請求項3】
重量%で、0.5%以下の総含有量を有するSbおよび/またはSnを含む、請求項1または2に記載の、相対的な高い磁気誘導および高強度を有する無方向性電磁鋼板。
【請求項4】
重量%で、C≦0.002%またはC≦0.0015%である、請求項1に記載の、相対的な高い磁気誘導および高強度を有する無方向性電磁鋼板。
【請求項5】
重量%で2.8〜3.3%のSiの含有量を有する、請求項1に記載の、相対的な高い磁気誘導および高強度を有する無方向性電磁鋼板。
【請求項6】
重量%で0.4〜0.6%のAlの含有量を有する、請求項1に記載の、相対的な高い磁気誘導および高強度を有する無方向性電磁鋼板。
【請求項7】
重量%で2.5〜6%のCrの含有量を有する、請求項1に記載の、相対的な高い磁気誘導および高強度を有する無方向性電磁鋼板。
【請求項8】
重量%で1.0〜3.5%のNiの含有量を有する、請求項1に記載の、相対的な高い磁気誘導および高強度を有する無方向性電磁鋼板。
【請求項9】
重量%で、Pの含有量が0.1%以下であり、Sの含有量が0.0015%以下である、請求項1に記載の、相対的な高い磁気誘導および高強度を有する無方向性電磁鋼板。
【請求項10】
重量%で0.002%以下のNの含有量を有する、請求項1に記載の、相対的な高い磁気誘導および高強度を有する無方向性電磁鋼板。
【請求項11】
重量%で0.0015%以下のTiの含有量を有する、請求項1に記載の、相対的な高い磁気誘導および高強度を有する無方向性電磁鋼板。
【請求項12】
相対的な高い磁気誘導および高強度を有する無方向性電磁鋼板を製造する方法であって、
1)製錬および鋳込みステップを含み、
無方向性電磁鋼板の化学的成分の重量パーセントは、C≦0.0040%、Siは2.50%〜4.00%であり、Alは0.20%〜0.80%であり、Crは1.0〜8.0%であり、Niは0.5〜5.0%であり、Mn≦0.50%、P≦0.30%、S≦0.0020%、N≦0.0030%、Ti≦0.0030%、Nb≦0.010%、V≦0.010%、C+S+N+Ti≦0.010%、ならびに残部が実質的にFeおよび不可避的不純物であり;製錬、RH真空プロセスを行って、上記の組成に従ってスラブに注がれ;前記方法はさらに、
2)熱間圧延ステップを含み、
スラブの加熱温度は1050℃〜1200℃であり、保持時間は30分以上であり、圧延平滑プロセスにおける初期圧延温度は940℃〜1000℃に制御され、最終圧延温度は850℃以上であり、最終スタンドスクリューダウンレートは10〜15%に制御され、巻取温度は500〜700℃に制御され、圧延鋼板の厚みは2.0〜2.6mmであり;前記方法はさらに、
3)熱間圧延鋼板焼ならしステップを含み、
焼ならし温度は850〜950℃であり、保持時間は0.5〜3分であり、次いで、5〜15℃/sの冷却速度で650〜750℃に徐冷され、さらに20〜70℃/sの冷却速度で100℃以下に急冷され;前記方法はさらに、
4)酸洗および冷間圧延ステップを含み、
単一の冷間圧延プロセスで冷間圧延され、総スクリューダウンレートは70%以上であり;前記方法はさらに、
5)連続炉でのアニールステップを含み、
連続炉でアニール処理を実行し、アニール温度は800〜1000℃であり、それを5〜60s保持し、次いで、3〜10℃/sの冷却速度で650〜750℃に徐冷され、さらに、20〜70℃/sの冷却速度で100℃以下に急冷される、方法。
【請求項13】
無方向性電磁鋼板は重量%でCu≦3%をさらに含む、請求項12に記載の、相対的な高い磁気誘導および高強度を有する無方向性電磁鋼板を製造する方法。
【請求項14】
無方向性電磁鋼板は重量%で0.5%以下の総含有量を有するSbおよび/またはSnをさらに含む、請求項12または13に記載の、相対的な高い磁気誘導および高強度を有する無方向性電磁鋼板を製造する方法。

【公表番号】特表2013−515166(P2013−515166A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545077(P2012−545077)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【国際出願番号】PCT/CN2011/073368
【国際公開番号】WO2012/055223
【国際公開日】平成24年5月3日(2012.5.3)
【出願人】(302022474)宝山鋼鉄股▲分▼有限公司 (17)
【Fターム(参考)】