説明

相溶性シリカ、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、エラストマー化合物、および/またはリサイクル材料を含む組成物

ラテックス形態の相溶性シリカおよびニトリルポリマーブレンドを形成するプロセスをここに開示する。該プロセスはシリカをカップリング剤で処理して、相溶性シリカスラリーを形成することを含む。該プロセスは、相溶性シリカスラリーをスチレンブタジエンポリマーラテックスおよびアクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスに混ぜ込むことを含む。該プロセスはシリカスチレンブタジエンポリマーラテックスをシリカアクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスとブレンドすることを含む。アクリロニトリルブタジエンポリマーおよびスチレンブタジエンポリマーのブレンド中の相溶性シリカのポリマー組成物ならびにリサイクルエラストマー組成物をここに記載する。該リサイクルエラストマー組成物はまた、カップリング剤を含む相溶性シリカ、クラムラバー、カーボンブラック、充填剤、およびエクステンダー油を含む。該リサイクルエラストマー組成物よりなる物品をここに開示する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、共に“相溶性シリカおよびニトリルポリマー組成物の製造プロセス”と題された、2010年1月7日に出願された、米国仮特許出願第61/292,910号及び2011年1月4日に出願された、米国特許出願第12/984,267号;共に“ニトリルゴム中の相溶性シリカおよびニトリルゴムとスチレンブタジエンゴム組成物のブレンド”と題された、2010年1月7日に出願された、米国仮特許出願第61/292,917号及び2011年1月4日に出願された、米国特許出願第12/984,280号;ならびに共に“リサイクル材料およびシリカを含むエラストマー化合物”と題された、2010年1月7日に出願された、米国仮特許出願第61/292,923号及び2011年1月4日に出願された、米国特許出願第12/984,295号に対する優先権およびその利益を主張する。これらの参照文献は、その全体が本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明の実施形態は全体としてラテックス形態の相溶性シリカおよびニトリルポリマーブレンド、相溶性シリカを含むアクリロニトリルスチレンブタジエンターポリマーラテックスブレンド、相溶性シリカを含むアクリロニトリルブタジエンポリマーおよびスチレンブタジエンポリマーラテックスブレンドのブレンド、化学的および生物学的侵入または危険に対抗するポリマー組成物、ならびにゴムクラム、相溶性シリカおよびカーボンブラックを含むリサイクルエラストマー系組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
複雑な加工助剤の使用を必要とせずおよびラテックスの早期凝固を引き起こさずにラテックス段階において、シリカおよび他の補強剤例えばカーボンブラックの、均一なポリマーへの取り込み(ここで、シリカは加工中にポリマーマトリックスに実質的に均一に分散され得および相溶性をもつ)、に対する簡単でより費用のかからない技術を提供することについての必要性が存在する。
【0004】
沈降シリカまたはヒュームドシリカに対するカップリング剤による処理のための湿式法であって、それによりシリカがポリマーラテックスのポリマー相と相溶になる、方法についての必要性が存在する。
【0005】
均一の充填剤分散をもち、製造が容易で、紫外線安定剤を含み、高密度をもち、軽量である、ならびに利用者保護のため生物学的兵器に対抗するのに用いる化学的兵器組成物に耐えることのできる、ポリマー組成物を提供する必要性が存在する。
【0006】
生産の間にエネルギーを節約し、生産コストを削減し、通常沖の深海井戸から生じおよび高価な原炭化水素を使用しないため輸送コストを削減し、ならびに取戻されてリサイクルされるゴムなど、埋立地のゴムの量を減らす「環境にやさしい(グリーン)」特性を持つ、リサイクルされたエラストマー配合物に対する必要性が存在する。
【0007】
本発明の実施形態はこれらの必要性を満たす。
【0008】
以下に示す添付の図面を併用することにより詳細な説明はより良く理解されるであろう:
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、プロセスの一実施形態の図である。
【図2】図2は、相溶性シリカを含むアクリロニトリルおよびスチレンブタジエンターポリマーラテックスのブレンドを形成するためのプロセスの一実施形態の図である。
【図3】図3は、相溶性シリカを含むアクリロニトリルブタジエンポリマーおよびスチレンブタジエンポリマーラテックスのブレンドを形成するためのプロセスの一実施形態の図である。
【図4】図4は、アクリロニトリルブタジエンポリマーおよびスチレンブタジエンポリマーのラテックスブレンド中の相溶性シリカを形成するためのプロセスの一実施形態の図である。
【図5】図5は、ラテックス形態での相溶性シリカおよびニトリルポリマーブレンドを形成するためのプロセスの一実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態は記載される図を参照して以下に詳述される。
【0011】
本発明のプロセス、組成物および物品を詳細に説明する前に、該プロセス、組成物および物品は特定の実施形態に限定されるものではなく、および該プロセス、組成物および物品は様々な方法で実践または実施することができることが理解されるべきである。
【0012】
一以上の実施形態では、連続フローを、無圧ないし低圧を、周囲温度ないしわずかに周囲温度以上を、活性剤、フリーラジカル開始剤、水および停止剤を用いた乳化重合を用いて形成された、クラムラバーおよびシリカを含む弾性ポリマー組成物、ならびに該弾性ポリマー組成物から製造された物品に関する。
【0013】
クラムラバーおよびシリカを含む弾性ポリマー組成物は、組成物の総重量に基づいて合成弾性ポリマー18重量%ないし93重量%を有することができる。
【0014】
前記合成弾性ポリマーは、弾性ポリマー組成物の総重量に基づいて、液体1,3−ブタジエンモノマー60重量%ないし82重量%を含むことができる。
【0015】
クラムラバーおよびシリカを含む弾性ポリマー組成物は、弾性ポリマー組成物の総重量に基づいてスチレンモノマー18重量%ないし40重量%を有することができる。
【0016】
クラムラバーおよびシリカを含む弾性ポリマー組成物は、弾性ポリマー組成物の総重量に基づいて、相溶性シリカ5重量%ないし80重量%をもつことができる。前記相溶性シリカは、該相溶性シリカの表面の約20重量%に結合した有機ケイ素カップリング剤少なくとも1重量%を有することができる。
【0017】
クラムラバーおよびシリカを含む弾性ポリマー組成物は、組成物の総重量に基づいてリサイクルクラムラバー1重量%ないし50重量%を有することができる。
【0018】
クラムラバーおよびシリカを含む弾性ポリマー組成物は、組成物の総重量に基づいてカーボンブラック1重量%ないし40重量%または、組成物の総重量に基づいてカーボンブラック1重量%ないし10重量%を含むことができる。
【0019】
クラムラバーおよびシリカを含む弾性ポリマー組成物は、その中に再生ゴムの粒子を含むことができる。一つ以上の実施形態ではクラムラバー粒子の少なくとも50容量%が米国標準シリーズふるい(US series sieve)#10メッシュよりも小さいものであり得または、クラムラバー粒子少なくとも50容量%が米国標準シリーズふるい#200メッシュよりも小さいものであり得る。クラムラバーおよびシリカを含む弾性ポリマー組成物は、リサイクルタイヤから100%供給され得るクラムラバーを含むことができる。再生ゴムの粒子は再生ゴムが弾性ポリマー組成物またはゴム組成物内に取り込まれる前にふるいを通過させることができる。
【0020】
弾性ポリマー組成物を製造するための乳化重合の間に、合成弾性ポリマーはラテックスまたは乾燥微粒子の形態にすることができる。
【0021】
クラムラバーおよびシリカを含む弾性ポリマー組成物は、さらに、組成物の総重量に基づいて、充填剤0.1重量%ないし50重量%を含むことができる。
【0022】
本明細書に記載されるプロセス、組成物および物品で使用される充填剤は、粉砕ペカン殻、セルロース系材料、サイレージ、珪藻土、粉砕ピーナッツ殻、タルク、粉砕石炭、粉砕バガス、灰、パーライト、クレー、炭酸カルシウム、バイオマス、およびそれらの組合せからなるものであってよい。
【0023】
クラムラバーおよびシリカを含む弾性ポリマー組成物は、組成物の総重量に基づいて、エクステンダー油1重量%ないし40重量%を含むことができる。
【0024】
本明細書に記載されるプロセス、組成物および物品で使用されるエクステンダー油は合成油、芳香油、ナフテン油、炭化水素、多環芳香族炭化水素油、またはそれらの組合せであってよい。
【0025】
クラムラバーおよびシリカを含む弾性ポリマー組成物は、組成物の総重量に基づいて、熱可塑性ポリマー、熱可塑性エラストマー、熱可塑性加硫物、またはその任意の組合せを最大25重量%まで含むことができる。
【0026】
クラムラバーおよびシリカを含む弾性ポリマー組成物は、架橋されたポリマーの組成物であってよい。クラムラバーおよびシリカを含む弾性ポリマー組成物は、さまざまなタイプの物品を製造するために使用できる。
【0027】
本明細書に記載されるプロセスおよび組成物から製造できる物品は、フロアマット、タイヤ、ベルト、ローラー、履物、電線およびケーブル外被、屋根縁取り、管状のホース、海洋用衝撃バンパー(marine impact bumpers)、工業用ベルト、非自動車用のタイヤ、鉱業用ベルト、ベアリング、コンジット、ガスケットプリンタのローラー、Oリング、靴、ガーデンホース、パイプ、船のドッキングに使用されるサイドバンパー、非ラテックス手袋、ガスマスク、バイク、自動車、または飛行機で使用される空気入りタイヤ等々を含むことができる。
【0028】
一つ以上の実施形態はリサイクルされたエラストマー組成物およびリサイクルされたエラストマー組成物から製造された物品に関連する。
【0029】
本明細書に記載されるプロセス、組成物および物品で使用される天然ゴムはいずれかのポリイソプレン、例えばゴムであってよい。本明細書に記載されるプロセス、組成物および物品で使用される合成弾性ポリマーはスチレンブタジエンゴムであってよい。
【0030】
合成弾性ポリマーは、液体1,3−ブタジエン60重量%ないし82重量%、スチレン18重量%ないし40重量%、相溶性シリカの表面に結合したカップリング剤少なくとも1重量%を有する相溶性シリカ5重量%ないし80重量%、クラムラバー1重量%ないし50重量%ならびにカーボンブラック1重量%ないし40重量%を含むことができる。
【0031】
合成弾性ポリマーは、共役ジエン系モノマー例えばブタジエン、イソプレン、クロロプレン、ペンタジエン、およびジメチルブタジエン等の重合または共重合によって調製することができる。合成弾性ポリマーはビニルモノマーおよび共益ジエンとビニルモノマーとの組合せを含むことができる。
【0032】
ピナンヒドロペルオキシドは乳化重合に使用できる。
【0033】
本明細書に記載されるプロセス、組成物および物品で使用されるのに適したビニルモノマーは、以下のもの:スチレン、アルファメチルスチレン、アルキル置換スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、アクリロニトリル、塩化ビニル、メタクリロニトリル、イソブチレン、無水マレイン酸、アクリル酸エステルおよびアクリル酸、メタクリル酸エステル、ビニルエーテルおよびビニルピリジンを含むことができる。
【0034】
合成弾性ポリマーは、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンポリマー(ABS)、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ブタジエン−ビニルピリジンポリマー、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ネオプレン、スチレン−アクリロニトリルコポリマー(SAN)またはアクリロニトリル−ブタジエンゴムとポリ塩化ビニルとのブレンドを含めることができる。
【0035】
得られたリサイクルされた弾性ポリマーは、ブレンドから製造することができ、熱可塑性ポリマー、熱可塑性エラストマー、熱可塑性加硫物、またはこれらの組合せを最大25重量%含めることができる。熱可塑性ポリマーは熱可塑性ポリオレフィンブレンドであってよい。熱可塑性エラストマーはスチレンブタジエンブロックコポリマーであってよい。熱可塑性加硫物はポリプロピレンマトリックス中の架橋エチレンプロピレンジエン材料とすることができる。
【0036】
シリカはリサイクルされた弾性ポリマーの全体組成の重量の5%から80%を構成できる。
【0037】
乳化重合ブレンディングは90秒ないし30分間に800ポンドないし1200ポンドの割合で混合するバンバリーミキサーを使用して実行できる。
【0038】
すでに本明細書に列挙したシリカをポリマーにブレンドすることに加えて、相溶性シリカはポリオレフィン、ポリアルファオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリエポキシド、ポリアクリレート、及びアクリレートとビニルモノマーとのコポリマーとブレンドすることができる。
【0039】
ポリオレフィンはホモポリマー、コポリマー、架橋コポリマー、および直鎖の、枝分かれのもしくは環状アルファモノオレフィン、ビニリデンオレフィン、および非共役のジ−およびトリオレフィンから調製されたコモノマー配合物であってよく、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、1,5−シクロオクタジエン、オクタトリエン、ノルボルナジエン、アルキリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン等々を含む。
【0040】
このようなポリマーの例は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−α−オレフィン−非共役のジエンターポリマー(EPDMs)、塩素化ポリエチレン、ポリブチレン、ポリブテン、ポリノボルネンおよびアルファオレフィン樹脂を含む。
【0041】
一つ以上の実施形態では、本明細書に記載されるプロセス、組成物および物品での使用に適した相溶性シリカを製造するため、シリカを水溶液中カップリング剤で処理して、他の成分とブレンドするためのスラリーを形成できる。
【0042】
シリカは多くの商業的に入手可能な非晶質シリカ、例えば沈降シリカまたはヒュームドシリカからできていて、微粉化した粒度および高表面積をもつものであってよい。シリカ粒子のサイズはシリカ充填ポリマーまたはシリカ強化ポリマーの最終用途に応じて7nmないし60nmまでように比較的広い範囲内で変更することができる。
【0043】
微粉化したシリカはしたがって、水性スラリーに形成でき、およびシリカ表面に化学的に結合することができるカップリング剤で処理できる。技術的によく知られたカップリング剤は、親水性の充填剤材料例えばガラスファイバーまたはシリカを、疎水性の材料例えばゴムまたは熱可塑性材料として有用な天然および合成弾性ポリマーと連結するために使用することができる。少なくとも20%の結合がカップリング剤で達成できる。
【0044】
シリカを天然および合成弾性ポリマーに結合させることがよく知られている有機ケイ素化合物は、カップリング剤として使用できる。有機ケイ素は有機シランから誘導されるものであってよい。
【0045】
実施形態では、1ないし3個の有機基と、シリカが添加される、天然または合成弾性ポリマーと混合可能であるケイ素原子とが直接結合できる。
【0046】
カップリング剤は天然ゴム、合成弾性ポリマーまたはそれらの組合せと、該天然ゴムまたは合成弾性ポリマーの硬化中に、化学的に結合され得る。
【0047】
カップリング剤はシリカの表面と化学的に反応してカップリング剤をそれに結合させる能力をもつことができる。カップリング剤はビス(トリアルコキシシリルアルキル)ポリスルフィドを含めることができる。ビス(トリアルコキシシリルアルキル)ポリスルフィドは2ないし8個の硫黄原子を持つことができ、ここで該アルキル基は炭素原子数1ないし18のアルキル基であってよく、および該アルコキシ基は炭素原子数1ないし8のアルコキシ基であってよい。
【0048】
使用されるカップリング剤の量は天然または合成弾性ポリマーにブレンドされるシリカの量に応じておよびカップリング剤の分子量に応じて比較的広い制限範囲内で変更され得る。シリカ100部に対してカップリング剤1部ないし25部が使用でき、例えばシリカ100部に対してカップリング剤1部ないし15部で使用できる。使用されるカップリング剤の量はシリカ表面に存在する有機ケイ素の実際の重量百分率によって定義することができる。カップリング剤の重量の多くはシリカ表面との反応およびそれ自体の縮合の間に失われ得る。
【0049】
90重量%以上のシリカの、乳化重合されたポリマー中への取り込みを達成させるため、シリカ表面の有機ケイ素の重量%は0.50ないし10.0にあってよい。それで、最低0.5ないし5gのシラン由来の有機ケイ素は、スラリーに満たされたシリカ100gに結合できる。
【0050】
ドライミックスにおける強化された相溶性のために、または天然または合成弾性ポリマーとの追加の化学反応のために、シリカの重量につき1重量%以上の有機ケイ素残基はシリカの表面上に結合する。例えば有機ケイ素10重量%ないし20重量%がシリカの表面に結合できる。
【0051】
合成弾性ポリマーはブタジエン(例えば液体1,3−ブタジエンCH=CHCH=CH)約55重量%ないし約92重量%有するか、または含むことができる。合成弾性ポリマーはスチレン約8ないし約45重量%を含むことができる。実施態様では合成弾性ポリマーはラテックスまたは乾燥微粒子の形態をとることができる。
【0052】
本明細書で使用される用語「ラテックス」は媒体中のポリマー微粒子の安定な分散液またはエマルションをさす。実例となる媒体は水または他の液体を含めることができる。ラテックスは天然または合成であってよい。
【0053】
一実施形態では、エラストマー組成物は相溶性シリカ約5重量%ないし約80重量%を含めることができる。
【0054】
実施形態では、相溶性シリカは、該相溶性シリカの表面に結合されるカップリング剤少なくとも1重量%を含むことができる。実施形態において、カップリング剤の量は、カップリング剤約1重量%ないし約50重量%にあってよい。
【0055】
リサイクルされたエラストマー組成物は、クラムラバー約1重量%ないし約50重量%を含めることができる。
【0056】
本明細書で使用される用語「クラムラバー」は、廃タイヤまたは他のゴムが、チリ、ガラスまたは岩のような不活性な不純物のいずれかの他のタイプと一緒に取り去られるスチールおよび繊維のような本質的に補強材とともに、均質な顆粒に縮小されることによって得られる物質をさす。再生ゴムはリサイクルされたゴムであってよく、それは合成および/または天然ゴムまたはプラスチックから得られる。実施形態において、クラムラバーは100%リサイクルされたタイヤから作られていてよい。ゴム組成物にとり込まれる前に本明細書で説明されるように、再生ゴム粒子の少なくとも1部は米国標準シリーズのメッシュのふるいを通すことができる。例えば再生ゴムの粒子の10%ないし50%は#200メッシュまたは他のメッシュのふるいを通過させることができる。
【0057】
エラストマー組成物の実施形態ではカーボンブラック約1%重量%ないし約40重量%を含めることができる。カーボンブラックは、炭化水素の熱分解の部分燃焼で得られた、ほぼ球形コロイド粒子およびコロイドサイズの合体粒子凝固体の形態にある本質的に元素状炭素である物質とすることができる。2種類の異なるタイプのカーボンブラックを使用することができる。
【0058】
エラストマー組成物は、本明細書に記載されるような充填剤を含めることができる。エラストマー組成物の実施形態は充填剤約0.1重量%ないし約50重量%を含めることができる。
【0059】
本明細書に記載される組成物、物品およびプロセスは「他の材料」例えば紫外線(UV)安定剤、エクステンダー油、酸化防止剤または酸化防止剤を含むことができる。組成物は「他の材料」を組成物の総重量に基づいて約0.1重量%から3重量%含むことができる。
【0060】
紫外線(UV)安定剤がヒンダードアミン、ベンゾトリアゾール、トリアジン、またはこれらの組合せであってよい。酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤、ホスファイト、ビスフェノール、アミン系酸化防止剤、またはこれらの組合せであってよい。たとえば、エラストマー組成物は、エクステンダー油約0.01重量%ないし約40重量%で含むことができる。エクステンダー油は可塑剤として作用し、加工性を高め得る。
【0061】
実施形態は、本明細書に記載される物品のように、ゴム組成物から製造した物品を含むことができる。
【0062】
一つ以上の実施形態は、相溶性シリカ約6重量%ないし90重量%、カップリング剤少なくとも1重量%、スチレンブタジエンポリマー少なくとも10重量%、およびアクリロニトリルブタジエンポリマー少なくとも10重量%を有するポリマー組成物およびそれから製造された物品を含むことができる。
【0063】
ポリマーブレンドとして本明細書でまた言及するポリマー組成物は、柔軟性、耐久性を保ちおよび、変形なしで摂氏−35℃の低温に耐え得ながら、タイヤ、人員のための弾道被服(ballistic clothing)およびシールドに使用するのに優れている。
ポリマーブレンドは、ばらばらにならず充填剤を受け入れる能力を有することができる。
【0064】
実施形態において、ポリマー組成物は乳化重合したアクリロニトリルブタジエンポリマー少なくとも10重量%の最小限量と相溶性シリカよりなる残りの部分を含めることができる。ブタジエンは液体1,3−ブタジエンであり得る。
【0065】
相溶性シリカはその表面に結合される有機ケイ素カップリング剤を、シリカの重量につき有機ケイ素約2重量%ないし約10重量%で、含むことができ、それにより相溶性シリカを形成している。
【0066】
実施形態において、ポリマー組成物はポリマーのブレンドであってもよい。該ポリマーは、ポリオレフィン、ポリアルファオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリアクリレート、ポリウレタン、エチレンプロピレンおよび非共役ジエンとのターポリマー、フルオロエラストマー、クロロエラストマー、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリイソブチリデン、ポリクロロプレン、ポリ塩化ビニル、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ポリエポキシド、エチレンインターポリマー、スチレンブタジエンのブロックコポリマー、上記列挙の架橋ポリマー、スチレンイソプレンのホモポリマーおよびコポリマー、アクリレートのコポリマー、ビニルモノマー、またはこれらの組合せであり得る。
【0067】
アクリロニトリルブタジエンポリマーブレンドに相溶性シリカを含むポリマー組成物はまた、ポリ塩化ビニルポリマーを含めることができる。ポリ塩化ビニルポリマー約20重量%ないし約50重量%をアクリロニトリルブタジエンポリマー少なくとも10重量%と一緒に使用できる。ポリマー組成物は15:50のアクリロニトリル対ブタジエンポリマー少なくとも10%の最小限量を、相溶性シリカからなる残量とともに含むことができる。
【0068】
一つ以上の実施形態は、本明細書に記載されるポリマー組成物から形成されたまたはそれでできた物品に関する。物品は本明細書に記載されるいずれかの物品または同様のものであり得る。形成された物品は、ガスマスク、兵士用ブーツ、アークフラッシングに抵抗する防護服および肉食有機生物体に対する防護服として使用するために、生物学的及び化学的兵器構成要素に対し化学的耐性をもつことができる。
【0069】
有機ケイ素は29Si CPMAS NMRにより測定されたT/T比0.75以上を有する平均四量体構造として存在することができる。用語「T」と「T」は二倍(T2)および三倍(T3)のSi−O結合したケイ素を示す。「Si CPMAS NMR」は、分析されているシリコンの同位体元素原子量をさす上付き数字29とともに、ケイ素交差分極マジック角回転核磁気共鳴をさす。
【0070】
カップリング剤はシリカの重量に基づいて有機ケイ素約1重量%ないし約25重量%の量でシリカの表面と結合できる。
【0071】
相溶性シリカは29Si CPMAS NMRにより測定されたT/T比0.9以上を有する。
【0072】
ラテックス形態の相溶性シリカおよびニトリルポリマーブレンドは、ムーニー粘度(ML 1+4、100℃)、10ないし100のニトリルポリマーおよびアクリロニトリル組成10重量%ないし50重量%を有することができる。
【0073】
ポリマー組成物の製造方法は、ポリマーがラテックスの形態である間に行うことができる。本明細書で使用される用語としての、乳化重合したラテックスは、乳化重合プロセスにおける凝固ステージの前の反応混合物をさす。
【0074】
一つ以上の実施形態では、ポリマー組成物にカーボンブラックなどの充填剤を添加できる。ポリマー組成物はカーボンブラック約1重量%ないし約50重量%を含むことができ、それらは2つの異なるカーボンブラックの混合物であってよい。そしてシリカ−カーボンブラック組成物は充填剤総量の均一な高負荷量の達成と定量的な充填剤の取り込みができる。
【0075】
ポリマー組成物はラテックス形態からなる他のポリマーを含むことができ、共役ジエン系ポリマー、ビニルモノマーに基づくポリマー、ビニルモノマーとの共役ジエンの組合せを含む。適したビニルモノマーは本明細書に記載されるプロセス、組成物、および物品で使用するため本明細書記載のこれらのビニルモノマーを含めることができる。
【0076】
ポリマー組成物は天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンポリマー(ABS)、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ブタジエン−ビニルピリジンポリマー、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ネオプレン、スチレン−アクリロニトリルコポリマー(SAN)またはアクリロニトリル−ブタジエンゴムとポリ塩化ビニルとのブレンド等を含めることができる。ポリマー組成物は少なくとも1つのコポリマー、ホモポリマー、架橋ポリマー、部分的架橋ポリマーまたはそれらの組合せを有することができる。
【0077】
ポリマー組成物は水性懸濁液中、カップリング剤でシリカを処理することにより作られ、相溶性シリカスラリーを形成させることができる。相溶性シリカスラリーは水性部分と相溶性シリカを含む。
【0078】
相溶性シリカはその表面に結合する有機ケイ素を、ケイ素の重量に基づいて有機ケイ素2重量%ないし25重量%をもつことができる。相溶性シリカは1ナノメーター(nm)ないし15ミクロンの平均粒子径を持つことができる。凝固されていない相溶性シリカは1ナノメーターないし15ミクロンの平均粒子径を持つことができる。シリカはヒュームドシリカ例えば焼成シリカ、非晶質シリカ例えば珪藻土、フージャサイトまたはそれらの組合せとすることができる。
【0079】
微粉末シリカは水性スラリーに形成することができ、シリカ表面と化学的に結合できるカップリング剤の溶液で処理できる。親水性充填剤材料例えばガラス繊維、シリカ等々を、疎水性材料、例えばゴム又は熱可塑性材料として有用な天然および合成ポリマーと結合するためのカップリング剤として、従来技術的に知られている様々な化合物を使用することができる。有機ケイ素化合物はシリカを天然および合成ポリマーに結合させることでよく知られている。
【0080】
一つ以上の実施形態は、相溶性シリカを含むポリマーブレンドを形成するプロセスおよび当該プロセスから形成される、物品と組成物に関する。
【0081】
最初の実施形態では、該プロセスはシリカを処理して相溶性シリカを形成し、そして次いでシリカアクリロニトリルブタジエンポリマーを含むシリカスチレンブタジエンポリマーラテックスを作成することを含むことができる。
【0082】
この最初の態様では、ラテックス形態にある相溶性シリカおよびニトリルポリマーブレンドが作成できる。形成された相溶性シリカおよびニトリルポリマーブレンドはムーニー粘度(ML 1+4、100℃)10ないし100および、アクリロニトリル組成分10重量%ないし50重量%を有することができる。
【0083】
第1の実施形態は、ポリマーがラテックスの形態にある間に実施することができるプロセスを含めることができる。
【0084】
プロセスは天然ゴムラテックスおよび重合化されたラテックスへの適用のために設定できる。
【0085】
プロセスは乳化重合に使用でき、すなわちポリマーが凝固ステージの前に反応混合物中でラテックス中に重合され得る。本明細書で使用される用語”ラテックス”または”ラテックス形態”はゴム粒子の水性コロイド/エマルションをさす。
【0086】
本明細書記載される様々な態様はすべてポリマーラテックスで実行でき、それに他の成分、例えば充填剤、酸化防止剤、紫外線安定剤およびカーボンブラックを添加できる。これらのプロセスは充填剤総量の均一な高負荷量の達成と定量的な充填剤の取り込みができるシリカ−カーボンブラック組成物を形成できる。
【0087】
プロセスは、共役ジエンポリマー、ビニルのモノマーに基づくポリマー、および共役ジエンとビニルモノマーとの組合せを含む、ラテックス形態で作られる他のポリマーに適用できる。本明細書で使用可能な適当なビニルモノマーは本明細書に記載されるいずれかのビニルモノマーを含むことができる。
【0088】
例えばポリマーは天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンポリマー(ABS)、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ブタジエン−ビニルピリジンポリマー、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ネオプレン、スチレン−アクリロニトリルコポリマー(SAN)またはアクリロニトリル−ブタジエンゴムとポリ塩化ビニルとのブレンド等であってよい。
【0089】
ラテックスで相溶性シリカおよびニトリルポリマーブレンドを形成するために、界面活性剤、例えばセッケンを使用することができる。ピナンヒドロペルオキシドのような開始剤が使用できる。硫酸第一鉄のような活性剤が使用できる。セッケンはMeadWestvaco社から入手でき、水酸化ナトリウムのような苛性アルカリを補うことができる。セッケンはスチレン、ブタジエン,アクリロニトリルのモノマーの供給原料に直接添加することができる。ブタジエンは液体1,3−ブタジエンであってよい。
【0090】
本明細書で開示された全てのプロセスのための乳化重合は摂氏1度から摂氏30度の温度で起こることができる。本明細書で開示される、乳化重合に対する転化率は59%ないし80%である。
【0091】
本明細書で使用される用語「天然ポリマー」は植物源などから得られるゴムから作られるポリマーをさす。本明細書で使用される用語「合成ポリマー」は、ゴム特性または弾性特性を持つ化石燃料由来のポリマー等々をさす。天然および合成ポリマーの混合物を使用することができる。
【0092】
ポリマーラテックスは固形分5重量%ないし75重量%を含むエマルションであってよい。
【0093】
相溶性シリカを含むポリマーブレンドを形成するプロセスは水性懸濁液中でシリカをカップリング剤で処理して相溶性シリカスラリーを形成することを含めることができる。
【0094】
水性懸濁液は、水、セッケン、乳化剤、界面活性剤、増粘剤(粘度調節剤を含むがこれに限定されない)例えば、澱粉やカルボキシルメチルセルロース、を含むことができる。
【0095】
シリカは、カップリング剤で、例えばシリカの表面に結合される有機ケイ素であって、シリカの重量あたり1重量%ないし25重量%を含める有機ケイ素で、処理され得る。
【0096】
図1は、プロセスの第一の実施形態を示す。
【0097】
ステップ100は、シリカを水性懸濁液中カップリング剤で処理して相溶性シリカスラリーを形成することによって、ラテックス形態の相溶性シリカおよびニトリルポリマーブレンドを形成することを含むことができる。
【0098】
カップリング剤はケイ素の表面と化学的に反応してそれへの結合を形成できる有機ケイ素とすることができる。
【0099】
ステップ102は相溶性シリカスラリーの少なくとも一部をスチレンブタジエンポリマーラテックスとブレンドして、シリカスチレンブタジエンポリマーラテックスを形成することを含むことができる。
【0100】
ステップ104は相溶性シリカスラリーの少なくとも一部をアクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスとブレンドして、シリカアクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスを形成することを含むことができる。
【0101】
ステップ106はシリカスチレンブタジエンポリマーラテックスと、シリカアクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスとをブレンドして、ラテックス形態の相溶性シリカおよびニトリルポリマーブレンドを形成することを含めることができる。
【0102】
有機ケイ素化合物はケイ素原子に直接結合された1ないし3個の容易に加水分解できる基、およびケイ素原子に直接結合された少なくとも1つの有機基を持つことができる。ケイ素原子に直接結合された有機基は、少なくとも1つの官能基を含む。官能基は、ポリマーの硬化中、ポリマーとの化学反応を受け得る官能基であってよい。
【0103】
官能基はエラストマー配合物の特定のポリマーおよび特定の製造に基づいて選択することができる。例えば、実施態様が、硫黄化合物を含む架橋反応で硬化できるシリカを含むスチレンブタジエンゴムを含む場合、メルカプト基、ポリスルフィド基、チオシアナト基(-SCN)、ハロゲン原子および/またはアミノ官能性を有する有機基の少なくとも1つを持つ有機ケイ素化合物がカップリング剤として使用できる。それに対応して有機ケイ素化合物の少なくとも1つの基はエチレン系不飽和基またはエポキシ基を持つことができ、それでシリカ充填したポリマーがペルオキシタイプの硬化反応を受けることができる。
【0104】
通常このようなカップリング剤に使用される加水分解性基の代表例は:ハロゲン原子、水素原子、ヒドロキシル基、低級アルコキシ基例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、および同様の基を含む。
【0105】
例えば、ポリマー組成物が、硫黄化合物を含む架橋反応で硬化できるスチレンブタジエンゴムから製造される、実施態様において、カップリング剤は、メルカプト基、ポリスルフィド基、チオシアナト基(-SCN)、ハロゲン原子および/またはアミノ官能性を有する有機基の少なくとも1つを持つ有機ケイ素化合物であることができる。それに応じて有機ケイ素化合物の少なくとも1つの基はエチレン系不飽和基またはエポキシ基を持つことができ、それでシリカ充填したポリマーがペルオキシタイプの硬化反応を受けることができる。
【0106】
プロセスはモノマーホモポリマー、完全に架橋されたコポリマー、部分的に架橋されたポリマー、コポリマー、またはこれらの組合せになる、モノマーを使用できる。
【0107】
形成されたスチレンブタジエンポリマーラテックス、シリカスチレンブタジエンポリマーラテックス,および/またはアクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスはさらにポリイソプレンを含むことができる。
【0108】
プロセスは0.1ミクロンないし20ミクロンの平均粒子径をもつシリカを使用できる。
【0109】
プロセスはシリカとして、ヒュームドシリカ、非晶質シリカ、またはこれらの組み合わせを使用できる。
【0110】
ステップ108はラテックス形態のモノマーの少なくとも1つにカーボンブラックスラリーを添加することを含めることができる。
【0111】
プロセスはカップリング剤として、一般的構造:
【0112】
【化1】

【0113】
を有する成分を使用できる。“X”は、アミノ基、ポリアミノアルキル基、メルカプト基、ポリスルフィド基、エポキシ基、ビニル基、アクリロキシ基、およびメタクリロキシ基からなる群から選択される官能基であってよい。“y”は0またはそれ以上の整数を表すことができる。“Z”、“Z”、および“Z”はおのおの独立して、水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アリールアルコキシ基およびハロ置換アルキル基からなる群から選択できる。“Z”、“Z”、および“Z”の少なくとも1つはアルコキシ基、水素原子、ハロゲン原子、またはヒドロキシル基を表す。本明細書に記載されるプロセス、組成物および物品の他の実施形態は一般構造式:
【0114】
【化2】

【0115】
を有するカップリング剤を含むことができるか、使用することができる。
【0116】
カップリング剤は:ビス(トリアルコキシシリルアルキル)ポリスルフィド、または:トリアルキルシラン、ジアルキルシラン、トリアルキルアルコキシシラン、トリアルキルハロシラン、ジアルキルアルコキシシラン、ジアルキルジアルコキシシラン、ジアルキルアルコキシハロシラン、トリアルキルシラノール、アルキルトリアルコキシシラン、アルキルジアルコキシシラン、アルキルジアルコキシハロシラン、およびモノアルキルシランからなる群からのものであるか、またはそれらを含むが、同時に、前記アルキル基は炭素原子数1ないし18の直鎖状、環状、または枝分かれ炭化水素、またはこれらの組み合わせである。一つ以上の実施形態において、1個または2個のアルキル基はフェニル基またはベンジル基で置換でき、または1個ないし2個のアルキル基はフェニル基、ベンジル基もしくはアルコキシ置換アルキル基と置換できる。
【0117】
カップリング剤は2個ないし8個の硫黄原子を含むビス(トリアルコキシシリルアルキル)ポリスルフィドであってよく、ここでアルキル基は炭素原子数1ないし18のアルキル基であってよくおよびアルコキシ基は炭素原子数1ないし8のアルコキシ基であってよい。
【0118】
シリカはナノサイズのシリカ、例えばポリヘドラルオリゴメリックシルセスキオキサン(POSS)であってよい。
【0119】
カップリング剤はシランまたは別の有機ケイ素化合物であってもよい。有機ケイ素化合物は、炭素−ケイ素結合を含む化合物である。
【0120】
ステップ110は、それをラテックス形態にした後、相溶性シリカおよびニトリルポリマーブレンドを凝固させることを含めることができる。
【0121】
ステップ112は、幾分水を除去するため凝固された相溶性シリカおよびニトリルポリマーブレンドを乾燥させることを含めることができる。
【0122】
相溶性シリカスラリーはシリカ1重量%ないし40重量%を含めることができる.
【0123】
プロセスはシリカ100重量部あたり、カップリング剤1重量部ないし25重量部であるカップリング剤の量を使用することができる。
【0124】
図1に記載されるプロセスは、シリカスチレンブタジエンポリマーラテックスまたはシリカアクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスのいずれかにおける固形分の重量に基づいて5重量%ないし80重量%にある相溶性のシリカスラリーの量を使用することを、含めることができる。
【0125】
ステップ114はポリマーラテックスの少なくとも1つに、エクステンダー油、酸化防止剤、またはそれらの組み合わせを添加することを含めることができる。
【0126】
一つ以上の実施形態は図1のプロセスから作られた組成物と物品を含むことができる。
【0127】
図2は、アクリロニトリルスチレンブタジエンターポリマーラテックスのブレンドと相溶性シリカとのブレンドを形成するためのプロセスを示す。図2に示されるプロセスは、アクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスおよびスチレンブタジエンポリマーラテックスを作成できる。
【0128】
ステップ200はスチレンブタジエンポリマーラテックスをアクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスとブレンドして、アクリロニトリブタジエンポリマーおよびスチレンブタジエンポリマーラテックスブレンドを形成することを含めることができる。
【0129】
ステップ202は水性懸濁液中でシリカをカップリング剤で処理して、相溶性シリカスラリーを形成することを含むことができる。カップリング剤はシリカの表面と化学的に反応してそこにカップリング剤を結合させることを含むことができる。
【0130】
ステップ204は相溶性シリカスラリーを、アクリロニトリルブタジエンポリマーおよびスチレンブタジエンポリマーラテックスブレンドとブレンドして、ラテックス形態の相溶性シリカを含むアクリロニトリルスチレンブタジエンターポリマーラテックスブレンドを形成することを含めることができる。
【0131】
ステップ206では、スチレンブタジエンポリマーラテックス2重量%ないし80重量%を、アクリロニトリルブタジエンポリマーラテックス1重量%ないし30重量%および相溶性シリカスラリー1重量%ないし30重量%とブレンドすることを含めることができる。相溶性シリカスラリーの量は、ラテックスの固形分の重量に基づいて約5重量%ないし80重量%にすることができる。
【0132】
図2に示されたプロセスは、図1に示されたプロセスと同じポリマーを使用でき、ラテックスの少なくとも1つにカーボンブラックスラリーを添加することを含めることができる。
【0133】
図2に示されたプロセスで使用可能なカップリング剤は有機ケイ素化合物であってよい。カップリング剤は2ないし8個の硫黄原子を含むビス(トリアルコキシシリルアルキル)ポリスルフィドであってよく、ここでアルキル基は炭素原子数1ないし18のアルキル基を表し、アルコキシ基は炭素原子数1ないし8のアルコキシ基を表す。有機ケイ素化合物はケイ素に直接結合された1ないし3個の容易に加水分解できる基およびケイ素原子に直接結合された少なくとも1つの有機基を持つことができる。ケイ素原子に直接結合された有機基は、少なくとも1つの官能基を含む。官能基は、ポリマーの硬化中、ポリマーとの化学反応を受け得る官能基であってよい。
【0134】
カップリング剤は本明細書に記載される、一般的構造:
【0135】
【化3】

【0136】
を持つことができる。プロセスで使用されるカップリング剤の量は、シリカ100重量部につきカップリング剤約1重量部ないし約25重量部とすることができる。
【0137】
図2に示されるプロセスは、シリカスチレンブタジエンポリマーラテックスまたはシリカアクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスのいずれかにおける固形分の重量に基づいて約5重量%ないし80重量%にある相溶性のシリカスラリーの量を使用することを、含めることができる。
【0138】
ステップ208は充填剤を添加することを含めることができる。充填剤は、珪藻土、粉砕ペカン殻、セルロース系材料、粉砕ピーナッツ殻、タルク、粉砕石炭、バガス、灰、パーライト、サイレージ、クレー、炭酸カルシウム、バイオマス、およびそれらの組合せからなる群から選択することができる。
【0139】
ステップ210は、乳化重合プロセスのモノマーに酸化防止剤を添加することを含めることができる。酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤、ホスファイト、ビスフェノール、アミン系酸化防止剤、またはこれらの組合せであってよい。
【0140】
一つ以上の実施形態は図2のプロセスから作られた組成物および物品に関する。
【0141】
図3は、乳化重合プロセスにより製造された相溶性シリカを含むアクリロニトリルブタジエンポリマーおよびスチレンブタジエンポリマーラテックスブレンドのブレンドを形成するプロセスである、第三の実施形態を示す。
【0142】
ステップ300は、は水性懸濁液中でシリカをカップリング剤で処理して、相溶性シリカスラリーを形成することを含むことができる。ステップ300の手順は、図1および2に関して記載されるものと同様の方法、または本明細書に記載される他の方法で行うことができる。
【0143】
ステップ302は相溶性シリカスラリーの少なくとも一部をスチレンブタジエンポリマーラテックスとブレンドして、シリカスチレンブタジエンポリマーラテックスを形成することを含めることができる。
【0144】
ステップ304はシリカスチレンブタジエンポリマーラテックスをアクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスとブレンドして、相溶性のシリカを含むアクリロニトリルブタジエンポリマーおよびスチレンブタジエンポリマーラテックスのブレンドを形成することを含むことができる。
【0145】
一つ以上の実施形態は図3のプロセスから作られた組成物および物品に関する。
【0146】
図4は、アクリロニトリルブタジエンポリマーおよびスチレンブタジエンポリマーのラテックスブレンド中の相溶性シリカを形成するプロセスである第四の実施形態を示す。
【0147】
ステップ400は、は水性懸濁液中でシリカをカップリング剤で処理して、相溶性シリカスラリーを形成することを含むことができる。ステップ400の手順は、図1ないし3に記載されるものとして本明細書に記載されるいずれかのカップリング剤を用いて行われる。
【0148】
ステップ402は、相溶性シリカスラリーの少なくとも一部を、アクリロニトリルブタジエンポリマーとブレンドして、シリカアクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスを形成することを含めることができる。
【0149】
ステップ404は、スチレンブタジエンポリマーラテックスをシリカアクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスとブレンドして、アクリロニトリルブタジエンポリマーおよびスチレンブタジエンポリマーのラテックスブレンド中の相溶性シリカを形成することを含めることができる。
【0150】
一つ以上の実施形態は図4のプロセスから作られた組成物および物品に関する。
【0151】
図5は、ラテックス形態における相溶性シリカおよびニトリルポリマーブレンドを形成するプロセスの第五の実施形態を示す。
【0152】
ステップ500は、は水性懸濁液中でシリカをカップリング剤で処理して、相溶性シリカスラリーを形成することを含むことができる。ステップ500の手順は、図1ないし4に記載されるものとして本明細書に記載されるいずれかのカップリング剤を用いて行われる。
【0153】
ステップ502は、相溶性シリカスラリーの少なくとも一部を、スチレンブタジエンポリマーラテックスとブレンドして、シリカスチレンブタジエンポリマーラテックスを形成することを含めることができる。
【0154】
ステップ504は、アクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスをシリカスチレンブタジエンポリマーラテックス中に混ぜ込んでラテックス形態の相溶性シリカおよびニトリルポリマーブレンドを形成することを含めることができる。
【0155】
一つ以上の実施形態では、相溶性シリカスラリーはシリカ1重量%ないし30重量%を含むことができる。たとえば、相溶性のシリカスラリーはシリカ約10重量%ないし約15重量%およびカップリング剤最大20重量%を含むことができる。
【0156】
カップリング剤はシランまたは別の有機ケイ素化合物であってもよい。有機ケイ素化合物は、炭素−ケイ素結合を含む化合物である。
【0157】
凝固していないシリカは約0.1ナノメートルないし200ナノメートルの平均粒子径を持つことができる。一つ以上の実施形態では、シリカとしてナノサイズのシリカ、例えばポリヘドラルオリゴメリックシルセスキオキサン(POSS)が使用できる。シリカはヒュームドシリカ例えば焼成シリカ、非晶質シリカ例えば珪藻土、フージャサイトまたはそれらの組合せとすることができる。シリカは水性スラリーを形成する微粉末シリカであってよく、そしてカップリング剤の溶液で処理され得る。
【0158】
カップリング剤はシリカ表面の少なくとも30重量%に化学的に結合することができる。カップリング剤は、シリカ表面と化学的に反応してカップリング剤がそれと結合する能力を持つことができる。カップリング剤は共有結合によりシリカの表面と結合することができる。カップリング剤は親水性充填剤材料例えばガラス繊維、シリカ等々を、疎水性材料、例えばゴム又は熱可塑性材料として有用な天然および合成ポリマーと結合するためのカップリング剤として、従来技術的に知られた様々な化合物を使用することができる。有機ケイ素化合物はシリカを天然および合成ポリマーに結合させることでよく知られている。カップリング剤の量は、シリカ100重量部につきカップリング剤約1重量部ないし約25重量部とすることができる。
【0159】
実施態様において、プロセスは硫黄化合物を含む架橋反応で硬化できるシリカ組成物を提供するためスチレンブタジエンゴムに適用できる。そして、カップリング剤は、メルカプト基、ポリスルフィド基、チオシアナト基(-SCN)、ハロゲン原子および/またはアミノ官能性を有する有機基の少なくとも1つを持つ有機ケイ素化合物であることができる。有機ケイ素化合物の少なくとも1つの基はエチレン系不飽和基またはエポキシ基を持つことができ、そのためシリカ充填したポリマーがペルオキシタイプの硬化反応を受けることができる。
【0160】
一つ以上の実施形態において、1個または2個のアルキル基はフェニル基またはベンジル基で置換でき、または1個ないし2個のアルキル基はフェニル基、ベンジル基もしくはアルコキシ置換アルキル基と置換できる。
【0161】
ポリマーは、一度凝固し、および一度ポリマーが相溶性シリカスラリーと接触したら回収することができる。
【0162】
プロセスの最中には、ブレンディングの間の温度と反応時間を広い範囲内で変えることができる。実施形態では、温度は周囲温度ないし摂氏約125度までの範囲であってよい。
【0163】
ラテックスのブレンディングは共通のタンクを使用し、そしてポンプインペラーを用いて10rpmないし80rpmの速度および5分ないし1.5時間の時間、ブレンドすることで実行できる。
【0164】
プロセスの間、加水分解されたカップリング剤およびシリカの反応を行うために使用する時間量は比較的広い制限量で変えることができ、それは約4時間ないし約48時間の範囲であってよい。
【0165】
プロセスの間、1または複数のラテックス(類)に添加するシリカの量は、ある程度は、採用するカップリング剤、ポリマーラテックスの性質、他の充填剤例えばカーボンブラックの使用およびポリマーが受ける最終用途に応じて広い範囲で変えることができる。例えば1または複数のラテックス(類)に添加するシリカの量は約1重量%ないし約70重量%の範囲であってよい。
【0166】
シリカは未処理のシリカであるチップシリカ、ならびに前処理シリカを含めることができる.
【0167】
実施形態では、相溶性シリカスラリーは、ポリマーラテックスの固形分の重量に基づいて約5重量%ないし約60重量%にすることができる。
【0168】
スチレンブタジエンポリマーラテックスは、周囲温度で流れることができて、スチレンブタジエンポリマーラテックスを注ぐことができるようになる、エマルジョンにすることができる。
【0169】
相溶性シリカスラリーの一部とスチレンブタジエンポリマーラテックスはそれぞれ共通のタンクにポンプ輸送しそして運転温度で、懸濁液のエマルションを維持するための十分な速度での混合物を攪拌することによりブレンドすることができる。たとえば、混合物は、ポンプインペラーを使用して5rpmないし80rpmの速度で5分ないし1.5時間、攪拌することができる。
【0170】
シリカスチレンブタジエンポリマーラテックスは、約50:50の相溶性シリカスラリー対スチレンブタジエンポリマーラテックスの比を含めることができる。
【0171】
相溶性シリカスラリーの一部およびアクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスはそれぞれ共通のタンクにポンプ輸送しそして運転温度で、懸濁液のエマルションを維持するための十分な速度での混合物を攪拌することによりブレンドすることができる。たとえば、混合物は、ポンプインペラーを使用して5rpmないし80rpmの速度で5分ないし1.5時間、攪拌することができる。
【0172】
形成されたシリカアクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスは、約50:50の相溶性シリカスラリー対アクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスの比を含めることができる。
【0173】
実施形態では、シリカアクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスとともにシリカスチレンブタジエンポリマーラテックスは、これらラテックスを共通のタンクに流入させおよび混合物を攪拌することによりブレンドすることができる。たとえば、ポリマーラテックスはポンプインペラーを使用して5rpmないし80rpmの速度で5分ないし1.5時間、攪拌することができる。
【0174】
プロセスの一つ以上の実施形態は、カーボンブラックスラリーをポリマーラテックスの少なくとも1つに添加することを含めることができる。カーボンブラックスラリーは、ハイストラクチャーカーボンブラックを含むことができるファーネスカーボンブラック、ローストラクチャーカーボンブラックまたはアセチレンカーボンブラックであってよいかそれを含めることができる。
【0175】
カーボンブラックは1以上の上記の共通のタンクにカーボンブラックスラリーを流入することにより添加できる。
【0176】
たとえば、固形分約5重量%ないし約40重量%のカーボンブラックスラリーを、1以上の共通のタンクに添加できる。カーボンブラックスラリーは1重量%ないし80重量%でラテックスに添加できる。
【0177】
エクステンダー油約0.1重量%ないし約60重量%をポリマーラテックスの少なくとも1つに添加できる。エクステンダー油はナフテン油、炭化水素系油、合成油、芳香油、低多環芳香族炭化水素油(PAH)またはこれらの組み合わせであることができる。
【0178】
酸化防止剤は約2重量%ないし約0.05重量%の量でラテックスに添加できる。酸化防止剤は、ポリマーラテックスの少なくとも1つまたはこれらの組合せに添加できる。酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤、ホスファイト、ビスフェノール、アミン系酸化防止剤、またはこれらの組合せとすることができる。
【0179】
充填剤は、本明細書に記載される任意の1以上のブレンドに添加できる。たとえば、充填剤約0.1%重量ないし約50重量%を本明細書に記載される1以上のブレンドに添加できる。
【0180】
ポリマーは、一度凝固し、および一度ポリマーが相溶性シリカスラリーと接触したら回収することができる。
【0181】
水性懸濁液は、水、セッケン、乳化剤、界面活性剤、増粘剤(粘度調節剤を含む)例えば、澱粉やカルボキシルメチルセルロースを含むことができる。
【0182】
活性剤、フリーラジカルの開始剤、および停止剤は、乳化重合プロセスに0.1%重量ないし5重量%で、すべて組み合わせて使用できる。活性剤は過酸化物であってよい。
【0183】
実施形態では、形成されたポリマーを架橋するための硬化剤パッケージ(curing package)を乳化重合プロセスとともに使用でき、例えば、酸化亜鉛、別の有機過酸化物またはアクリレートなどである。
【0184】
一つ以上の実施形態では、相溶性シリカスラリーはシリカ1重量%ないし30重量%を含めることができる。たとえば、相溶性のシリカスラリーはシリカ約10重量%ないし約15重量%およびカップリング剤最大20重量%を含むことができる。
【0185】
ブレンディングの間の温度と反応時間は広い制限内で変えることができる。実施形態では、温度は周囲温度ないし摂氏約125度までの範囲であってよい。ブレンドは、インペラ攪拌を使用して実行できる。加水分解したカップリング剤とシリカの反応を行うために使用する時間量は、使用する温度に応じて4時間ないし48時間の比較的広い範囲内で変えることができる。
【0186】
ラテックスに添加されるシリカの量は、ある程度は、使用するカップリング剤、ポリマーの性質、他の充填剤例えばカーボンブラックの使用、およびポリマーが受ける最終用途に応じて、広い範囲内で変えることができる。たとえば、1または複数のラテックス(類)に添加するシリカの量は約25重量%ないし約80重量%の範囲にある。
【0187】
実施形態では、相溶性のシリカスラリーは、ポリマーラテックス中の固形分の重量に基づいて約5%ないし約60%の範囲にできる。
【0188】
プロセスはまた、相溶性シリカスラリーの少なくとも一部とスチレンブタジエンポリマーラテックスをブレンドし、周囲温度で流れおよび注ぐことができるエマルジョンにできる、シリカスチレンブタジエンポリマーラテックスを形成することを含むこともできる。
【0189】
相溶性シリカスラリーの一部とスチレンブタジエンポリマーラテックスはそれぞれを共通のタンクにポンプ輸送して運転温度で、懸濁液のエマルションを維持するための十分な速度で混合物を攪拌することによりブレンドできる。たとえば、インペラ攪拌を使用して混合物を攪拌することができる。
【0190】
シリカスチレンブタジエンポリマーラテックスは、約25:75の相溶性シリカスラリー対スチレンブタジエンポリマーラテックスの比を含めることができる。
【0191】
一つ以上の実施形態では、相溶性のシリカスラリーの少なくとも一部をアクリロニトリルブタジエンポリマーラテックス中に混ぜ込んで、シリカアクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスを形成することができる。
【0192】
相溶性シリカスラリーの一部とアクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスは、それぞれを共通のタンクにポンプ輸送して運転温度で、懸濁液のエマルションを維持するための十分な速度で混合物を攪拌することによりブレンドできる。
【0193】
形成されたシリカアクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスは、約25:75の相溶性シリカスラリー対アクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスの比を含めることができる。
【0194】
ポリマーの少なくとも1つは、コポリマー、ホモポリマー、架橋ポリマー、部分的架橋ポリマー、またはこれらの組み合わせを含めることができる。ポリマーの少なくとも1つは、天然または合成ポリマーとすることができる。
【0195】
アクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスは、ポリイソプレン例えば天然ゴム、合成ゴム、ゴムラテックスブレンド、ゴムクラムまたはそれらの組合せと混合することができる。
【0196】
シリカスチレンブタジエンポリマーラテックスの一部はシリカアクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスとブレンドして、相溶性シリカおよびニトリルポリマーブレンドを形成することができる。
【0197】
シリカスチレンブタジエンポリマーラテックスをシリカアクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスと、共通のタンクにラテックスを流入して攪拌することにより、ブレンドすることができる。ポリマーラテックスは、アクリロニトリル対スチレン比3:1ないし8:1;スチレン対ブタジエン比0.06:1ないし0.14:1;ブタジエン対スチレン比7:1ないし14:1;アクリロニトリル対ブタジエン比0.4:1ないし0.75:1;ならびにブタジエン対アクリロニトリル比1.3:1ないし2.5:1で、ブレンドすることができる。
【0198】
プロセスの一つ以上の実施形態は、カーボンブラックスラリーをポリマーラテックスの少なくとも1つに添加することを含めることができる。カーボンブラックスラリーは、ハイストラクチャーカーボンブラックを含むことができるファーネスカーボンブラック、ローストラクチャーカーボンブラックまたはアセチレンカーボンブラックであってよいかそれを含めることができる。
【0199】
カーボンブラックスラリーは、上述したように共通のタンクにカーボンブラックを流入することによって添加できる。たとえば、カーボンブラックスラリー約1重量%ないし約50重量%を一つ以上の共通のタンクに添加できる。
【0200】
ポリマー組成物はエクステンダー油、酸化防止剤、またはそれらの任意の組合せを含めることができ、それらはラテックスの少なくとも1つに添加することができる。たとえば、エクステンダー油約4重量%ないし約60重量%をポリマーラテックスの少なくとも1つに添加でき、酸化防止剤約0.1重量%ないし約3重量%をポリマーラテックスの少なくとも1つまたはこれらの組合せに添加できる。
【0201】
ポリマー組成物は充填剤を含むことができ、それを任意の1以上のこれらのブレンドに添加できる。たとえば、充填剤約0.1%重量ないし約50重量%を1以上のブレンドに添加できる。
【0202】
一つ以上の実施形態はアクリロニトリルブタジエンポリマーおよびスチレンブタジエンポリマーのラテックスブレンド中の相溶性シリカを含めることができる。
【0203】
スチレンブタジエンポリマーラテックスの少なくとも一部は、アクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスとブレンドしてアクリロニトリルおよびスチレンブタジエンポリマーラテックスブレンドを形成し、それは周囲温度で流れおよび注ぐことができるエマルジョンにできる。
【0204】
カップリング剤はシリカの表面の少なくとも20重量%と化学的に反応してカップリング剤をそれに共有結合させて相溶性シリカの形成する能力を持つことができる.
【0205】
アクリロニトリルおよびスチレンブタジエンポリマーラテックスブレンドは相溶性シリカスラリーとブレンドして、アクリロニトリルおよびスチレンブタジエンポリマーラテックスブレンド中の相溶性シリカを形成することができる。
【0206】
一つ以上の実施形態では、スチレンポリマーラテックス約2重量%ないし約80重量%は、アクリロニトリルブタジエンポリマーラテックス約1重量%ないし約30重量%と、ならびに、相溶性シリカスラリー約1重量%ないし約30重量%とブレンドすることができる。相溶性シリカスラリーの量はラテックス中の固形分の重量に基づいて約5重量%ないし約80重量%であってよい。
【0207】
本明細書に記載される組成物および物品の1以上の実施形態を作るのに使用できる、プロセスの1以上の部分の実施形態を示す実施例を以下に記載する。
【実施例】
【0208】
実施例1:SBR−シリカ−カーボンブラックの調製
【0209】
A.相溶性シリカスラリーの調製
【0210】
シランの水溶液は容器に:Silquest.RTMA−189(OSi Specialities社)55.1g、イソプロパノール27g、氷酢酸1.1gおよび水27gを装填することによって調製でき、それは最初濁った混合物を形成することができる。
【0211】
最初濁った混合物は、混合物が清澄になるまで、高速例えば50rpmで、室温例えば華氏72度で、攪拌することができる。一つ以上の実施形態では、当初濁った混合物を混合物が清澄になるまで、高速例えば50rpm、摂氏60度ないし摂氏66度の高められた温度で撹拌することができる。
【0212】
約10分ないし20分間の高速撹拌を行うことができ、その後、追加の水28gを添加でき、それにより混合物は濁った状態になる。
【0213】
混合物がもう一度清澄になるまで、攪拌を約15分ないし約20分間続けることができ、そして溶液が形成される。
【0214】
撹拌機を備えた別の容器に:水16ポンド、微細粒子の乾燥シリカHiSil.RTM233の4.05ポンドを装填し、シリカが濡れそして分散するよう約15分間撹拌して、シランの水溶液を形成する。
【0215】
シランの水溶液は攪拌を継続しながら、25%水酸化ナトリウムとともに添加することができそれは摂氏76度に加熱できる。それで、pHは7.5〜8.0に増加することができる。温度は摂氏76度に約4時間維持することができ、その後約摂氏60度まで冷却させる。この時点で相溶性シリカスラリーは連続乳化プロセスのラテックスステージに加えることができ、または濃縮されたポリマーラテックスにバッチ式で供給することができる。
【0216】
B.相溶性シリカスラリーおよびスチレンブタジエンゴムラテックスのブレンド
【0217】
相溶性シリカスラリーは上記実施例1のパートAに記載されるように調製できる。
【0218】
1502−タイプゴム7または8ポンドを含むSBRラテックス35ポンドと、Sinorgchem社によって製造されたSantoflex.RTM134を含む酸化防止剤エマルションとして、6PPDからなる混合物の入った撹拌容器内に、相溶性のシリカスラリーを装填でき、そして混合物は摂氏66度または摂氏60度に保たれる。
【0219】
熱カーボンブラックスラリーは、最初の混合物に装填できる。たとえば、N234型カーボンブラック約10重量%を含む熱カーボンブラックスラリー20ポンドおよびSundexRTM8125の62.8重量%含む熱油乳液約3ポンドである。この混合物は、摂氏66度、雰囲気圧で、または摂氏60度、雰囲気圧で、30分間攪拌することができる。
【0220】
上記のラテックスブレンドは、約45ポンドないし約50ポンドの水およびpH4を生じさせための十分な硫酸を含む大きい攪拌容器にゆっくり例えば50rpmの速度でブレンドされ、加えられる。一つ以上の実施形態では、上記のラテックスブレンドは、約45ポンドないし約50ポンドの水とpH4を生成するための十分な硫酸を含む蒸気を使用して容器中で瞬時に混合することができる。
【0221】
ラテックスブレンドおよび硫酸の添加率は、ラテックスブレンドが添加される38分間にわたり4−5のpHの範囲で得られる凝固しょう液のpHを維持するために変えることができる。
【0222】
当業者により通常おこなわれるように、例えば1ミリメートルないし30ミリメートルのクラムのサイズまで、生成物の粒子径が増大するのを可能にするため、ならびに遊離ラテックスのしょう液を透明にするため必要に応じて、さらなる38分の混合時間および酸の追加部分が使用され得る。
【0223】
この凝固によって達成された湿った組成物粒子またはクラムのサイズはシリカなしの凝固から得られるサイズと同様になることができる。
【0224】
乾燥した組成物の目視検査と化学分析により、ラテックスの混合物に添加した本質的にすべての固体と液体成分は吸収され、均一に分散されたことが確認できる。灰分分析により評価される。シリカの吸収は、装填物の約96%ないし約99%とすることができる。
【0225】
実施例2:スチレンブタジエンゴム−シリカ−カーボンブラック組成物の調製
【0226】
A.相溶性シリカスラリーの調製
【0227】
シランの水溶液は容器に:Silquest.RTM.A−189の100g、イソプロパノール50g、氷酢酸2g、水47gを装填し、濁った混合物を形成することによって調製することができる。最初濁った混合物は、混合物が清澄になるまで、高速でおよび室温で、例えば約12分ないし約22分間攪拌し、その後、追加の水50gを添加でき、それにより混合物は濁った状態になる。溶液が清澄になるまで、攪拌を約12分ないし約22分間続けることができる。
【0228】
撹拌機を備えた別の容器に:水15ポンドおよび微細粒子の乾燥シリカHiSil.RTM233の5ポンドを装填し、シリカが濡れそして分散するよう約20分間撹拌する。シランの水溶液は攪拌を継続しながら、25%水酸化ナトリウムに添加することができ、同時にpHは7.5〜8.0に増加することができる。ブレンドは温度摂氏64度ないし摂氏77度に加熱できる。温度は摂氏64度ないし摂氏77度に約3.5時間保持され、その後約摂氏60度に冷却させる。この時点で相溶性シリカスラリーは連続乳化プロセスのラテックスステージに加えることができ、または濃縮されたポリマーラテックスにバッチ式に供給することができる。
【0229】
B.相溶性シリカスラリーとスチレンブタジエンゴム(SBR)ラテックスとのブレンド
【0230】
上記実施例2のパートAに記載されるように調製された相溶性シリカスラリーは実施例1に記載されるようにラテックス混合物を含む撹拌容器に装填され得る。最終組成物混合物は摂氏60度で35分間撹拌できる。
【0231】
上記のラテックスのブレンドは、実施例1に記載されるように凝固させることができる。この凝固によって達成された湿った組成物粒子またはクラムサイズはシリカなしの凝固から得られるサイズと同様になることができ、またはわずかに大きく、例えば1ミリメートルないし30ミリメートルのサイズである。乾燥した組成物の目視検査と化学分析により、ラテックスの混合物に添加した本質的にすべての固体と液体成分が吸収され、均一に分散されたことが確認できる。灰分分析により評価される、シリカの吸収は、装填物の約96%ないし約99%とすることができる。
【0232】
実施例3:SBRシリカの組成物の調製
【0233】
上記実施例2のパートAに記載されるように調製された相溶性シリカスラリーは、1502−SBRの20重量%およびSantoflex.134の2重量%を含むSBRラテックス40ポンドから作成されたラテックス混合物を含む、撹拌容器に装填することができ、それは摂氏60度に保つことができる。
【0234】
この混合物にSundex8125の60重量%を含む熱油乳液3ポンドを装填することができる。混合物は摂氏60度の温度に保ちながら、さらに38分間撹拌することができ、その後熱ラテックスは凝固のため別の容器にゆっくり装填することができ、それは脱水したまたは乾燥したクラムを形成できる。
【0235】
凝結した際に、該脱水したクラムは粒子径において、シリカなしのSBRのそれから得られるサイズと同様になることができ、例えば1ミリメートルないし30ミリメートルである。乾燥したクラムの目視検査と化学分析により、ラテックスに添加した本質的にすべての油とシリカ成分は吸収され、均一に分散されたことが確認できる。灰分分析により評価される、シリカの吸収は、装填物の約96%ないし約99%とすることができる。
【0236】
実施例4:ニトリルブタジエンゴム(NBR)−シリカ組成物の調製
【0237】
A.相溶性シリカスラリーの調製
【0238】
シランの水溶液は容器に:Silquest.RTM.A−189の20g、イソプロパノール15g、氷酢酸0.7gおよび水10gを装填することによって調製でき、それは最初の濁った混合物を形成することができる。最初の濁った混合物は、清澄になるまで、高速で、室温で、約10分ないし20分間攪拌でき、その後、追加の水15gを添加でき、それにより混合物は濁った状態になる。溶液が清澄になるまで、攪拌を約12分ないし約25分間続けることができる。
【0239】
撹拌機を備えた別の容器に:水7ポンド、微細粒子の乾燥シリカHiSil.RTM233の2ポンドを装填し、約20分間シリカが濡れそして分散するよう撹拌する。シランの水溶液は攪拌を継続しながら、25%水酸化ナトリウムとともに添加することができそのため、pHは7.5〜8.0に増加することができる。ブレンドを摂氏70度まで加熱し約3.5時間維持することができ、その後約摂氏60度に冷却することができる。この時点で相溶性シリカスラリーは連続乳化プロセスのラテックスステージに加えることができ、または濃縮されたポリマーラテックスにバッチ式に供給することができる。
【0240】
B.相溶性シリカスラリーとNBRラテックスとのブレンド
【0241】
上記実施例4のパートAに記載されるように調製できる相溶性シリカスラリーは、NysynRTM40−5ラバー22重量%を含むアクリロニトリルブタジエンポリマー(NBR)ラテックス30ポンドおよび登録商標:Agerite Geltrol(Vanderbilt Chemical社)16重量%を含む酸化防止剤エマルション200gとの混合物を含む撹拌容器に充填でき、それは摂氏60度に保つことができる。この最初の混合物にN234型カーボンブラック約7重量%を含む熱カーボンブラックスラリー15ポンドを装填できる。この最終混合物は、摂氏60度で35分間攪拌することができる。
【0242】
上記のラテックスのブレンドはゆっくりと、30ポンドの水およびpH4を与えるための十分な硫酸を含む大きい攪拌容器に加えることができる。凝固は前述の実施例に記載されるように完了することができる。この凝固により達成された湿った組成物クラムのサイズはシリカを含まないNBR凝固から得られたものと同様になることができ例えば1ミリメートルないし30ミリメートルである。乾燥した組成物の目視検査と化学分析により、ラテックスの混合物に添加した本質的にすべての固体と液体成分が吸収され、均一に分散されたことが確認できる。灰分分析により評価される、シリカの吸収は、装填物の約96%ないし約99重量%とすることができる。
【0243】
この材料から作られる物品は、空気入りタイヤを含めることができる。本明細書に記載されるポリマーブレンドから形成された物品は射出成形、押出加工、プレス成形、切削、フライス加工、回転成形、またはこれらの組合せにより製造することができる。
【0244】
本明細書に記載のプロセスは摂氏57度ないし摂氏74度の温度でポリマーを凝固させることを含むことができる。
【0245】
本明細書に記載のプロセスは過剰な水を除去するために例えばスクリーン、セルロース膜フィルター、フレンチオイルミルを使用して、またはポリマーから水を絞り出すことによって凝固ポリマーを濾過することを含むことができる。
【0246】
本明細書に記載されるプロセスは、乾燥オーブンの熱、乾燥オーブンの熱を用いる棚、または流動層を使用することによって、分離したポリマーを乾燥することも含めることができる。
【0247】
本明細書に記載されるプロセスは連続乳化重合またはバッチ処理が可能である。
【0248】
実施例5:乳化重合プロセスからのラテックスを重合停止剤で処理して重合反応を停止または止めることができ、さらに未反応モノマーを除去することができる。残存の未反応モノマーは、水蒸気ストリッピングにより除去できる。完成したラテックスは、ラテックスの貯蔵タンクに送ることができる。貯蔵タンクからの完成したラテックスは供給タンクに送り出されることができ、製品の目標の分子量を達成するために必要な場合はブレンドする。分子量はムーニー粘度を測定することによって間接的に決定することができる。
【0249】
ラテックスはニトリルラテックス供給タンクおよび/またはニトリルおよびスチレンブタジエンラテックス供給タンクから連続的に送り出されることができ、構成成分の全てが一緒に混合できるヘッドタンクにおいて酸化防止剤および/またはエクステンダー油と混合することができる。混合物をカーベックス(carbex)タンク等に注入し、相溶性シリカスラリー、カーボンブラックスラリー、またはこれらの組み合わせと混合することができる。
【0250】
カーベックスタンクは第一凝固タンクへオーバーフローすることができる。油乳剤に対し、原液または純エクステンダー油を使用する場合、徹底的な混合と分散を容易にするため混合物は一連のインライン方式のスタティックミキサーを通して送ることができる。
【0251】
混合物は、希硫酸凝固剤を添加することができる加熱および攪拌される凝固タンクに流入できる。硫酸アルミニウムと塩化カルシウムが凝固剤としてニトリル(NBR)ゴムが流れているときに使用できる。ミョウバンと塩化カルシウムの両方は流れ調整に基づいて供給できることに対し、酸は凝固タンクのpH調整に基づいて供給することができる。全ての3つの凝固剤はラテックスエマルションを壊し、そしてゴムクラムを形成させる働きができる。クラムのサイズの調整が凝固剤添加に対する決定要因となり得、および処方値を超える先例をとることができる。
【0252】
タンク内容物はタンク中央で渦が生成するよう徹底的に攪拌されることができる。本明細書に記載される凝固剤薬品の添加と同様、プロセス条件は、ゴムクラムや水性スラリー、またはクラムスラリーを形成するように混合物を凝固できる。
【0253】
本明細書に記載の条件下で凝固されると、ラテックス、オイル、相溶性シリカスラリー、カーボンブラックスラリー、酸化防止剤、およびこれらの組合せは均等に分散することができる。凝固のためにさらなる滞留時間を提供するため、クラムスラリーは第一から第二凝固タンクにオーバーフローできる。
【0254】
凝固段階を完全にするためのより多くの滞留時間のため、セッケン加工タンク(soap conversion tank)が提供できる。下流装置のファウリングを避けるために、材料がセッケン加工タンクを出る前に、完全な凝固が達成できる。
【0255】
しょう液の透明化および凝固の完了を容易にするため凝固時に、少量の凝固助剤が使用できる。
【0256】
遠心脱水ユニット、またはスピンドライヤーは、着色したゴムクラムの水分含量約35〜40重量%に機械的に削減するために使用でき、よりエネルギー効率よい乾燥機操作を可能にする。
【0257】
洗浄水タンクを離れたゴムクラムスラリーはスピンドライヤーに入り、および円筒のスクリーンに対して投入され得る。水は、円筒形のスクリーンを通り抜けることができ、そしてスピンドライヤーの下部で重力により除去できる。ゴムクラムは上向きにスパイラル経路を移動し、そしてその上端にあるから出口を通って分級機のほうへ排出される。
【0258】
分級機はグリッドバーを備える振動コンベアーであってよい。グリッドバーのグリッド間隔は、クラムサイズを調節するために使用できる。より小さいクラムはグリッドバー間隔を通って落ちることができ、一方オーバーサイズのクラムはグリッドバーの上に残ることができ、そして側部の出口シュートから排出できる。
【0259】
許容できるクラムは分級機から、ウェットフィードクラムブロワ(wet feed crumb blower)を供給するウェットフィードロートロックバルブ(wet feed rotolock valve)中に排出できる。ウェットフィードロートロックバルブはウェットフィードクラムブロワからの吹き戻しを防ぐことができる。
【0260】
ゴムクラムはスピンドライヤーの下部から上方を向いている空気によってスピンドライヤーの内で流動化される。空気の上昇運動はクラムを部分的に支持し、浮遊させ沸き立つ素材を形成できる。
【0261】
乾燥クラムは最後のドライヤー区画の末端にある開口部を通してクラムホッパーに排出できる。排出クラムホッパーはドライクラムブロワ(dry crumb blower)を供給することができる。ドライクラムブロワは乾燥クラムをベーラースケールサイクロン(baler scale cyclones)に運ぶことができる。ゴムクラムはそれぞれのベーラーの上でスケールに重力送りすることができ、そこでゴムクラムはベール形態に圧縮することができる。
【0262】
ゴムクラムは、自由流動するクラムとしてそれを仕切り材料および包装で被うことのできる、袋詰め作業に転換できる。
【0263】
実施例6:エラストマー組成物の形成は、最初に合成弾性ポリマー47重量%を仕上げプロセス領域に導入することを含めることができる。該合成弾性ポリマーはブタジエン70重量%およびスチレン30重量%を含むことができる。
【0264】
次に、相溶性シリカの10重量%を添加できる。相溶性シリカはシリカ90重量%とカップリング剤10重量%を含めることができる。
【0265】
さらに、クラムラバー25重量%を、仕上げプロセス領域に添加できる。
【0266】
さらにまた、カーボンブラック8重量%およびエクステンダー油10重量%を仕上げプロセス領域に添加できる。
【0267】
仕上げプロセス領域は、摂氏60度の温度で、周囲圧力に保つことができる。組成物の構成成分は仕上げプロセス領域内で38分間を反応させることできる。
【0268】
セッケン、水、活性剤、フリーラジカル開始剤および停止剤は乳化重合プロセスにおける長鎖重合を形成するのに使用できる。
【0269】
実施例7:固形分2%ないし15%のクラムラバースラリーを調製し、および、攪拌加熱保持タンクで保持することができる。撹拌加熱保持タンク内のクラムラバースラリーは製造プロセスの凝固ステップに導入できる。
【0270】
乳化重合プロセスからのラテックスを重合停止剤で処理して重合反応を停止または止めることができ、さらに未反応モノマーを除去することができる。残存の未反応モノマーは、水蒸気ストリッピングにより除去できる。完成したラテックスは、ラテックスの貯蔵タンクに送ることができる。
【0271】
完成したラテックスは貯蔵タンクから供給タンクに注入することができ、製品の目標の分子量を達成するために必要な場合はブレンドできる。分子量は完成したラテックスのムーニー粘度を測定することによって間接的に決定することができる。
【0272】
ラテックスはニトリルラテックス供給タンク、ニトリルおよびスチレンブタジエンラテックス供給タンクおよび/またはスチレンブタジエン供給タンクから連続的に送り込むことができ、構成成分の全てが一緒に混合されるヘッドタンクにおいて酸化防止剤および/またはエクステンダー油と混合することができ、カーベックスタンク等に注入できる混合物を形成する。
【0273】
クラムラバースラリーもまた、処方に基づき規定の速度でカーベックスタンク等に注入できる。相溶性シリカスラリー、カーボンブラックスラリー、またはこれらの組み合わせをカーベックスタンク等に添加することができる。
【0274】
カーベックスタンクは第一凝固タンクにオーバーフローすることができる。油乳剤に対して、原液または純エクステンダー油を使用する場合、徹底的な混合と分散を容易にするため混合物は一連のインライン方式のスタティックミキサーを通して送ることができる。
【0275】
混合物は、希硫酸凝固剤を添加することができる加熱および攪拌した凝固タンクに流入できる。硫酸アルミニウムと塩化カルシウムが凝固剤としてニトリル(NBR)ゴムが流れているときに使用できる。ミョウバンと塩化カルシウムの両方は流れ調整に基づいて供給できることに対し、酸は凝固タンクのpH調整に基づいて供給することができる。全ての3つの凝固剤はラテックスエマルションを壊し、そして新たに凝固されたゴムクラムを形成させる働きができる。新たに凝固されたクラムのサイズの調整は凝固剤添加に対する決定要因となり得、および処方値を超える先例をとることができる。
【0276】
タンク内容物はタンク中央で渦が生成するよう徹底的に攪拌されることができる。本明細書に記載される凝固剤薬品の添加と同様、プロセス条件は、新たなゴムクラムおよび水性スラリーを形成するように混合物を凝固できる。
【0277】
実施例2記載の条件下で凝固されると、ラテックス、オイル、相溶性シリカスラリー、カーボンブラックスラリー、酸化防止剤、リサイクルクラムおよびこれらの組合せは均等に分散することができる。配合されたリサイクルクラムおよびスラリーは第一から第二凝固タンクにオーバーフローでき、凝固のためにさらなる滞留時間を提供できる。
【0278】
セッケン加工タンクは凝固段階を完全にするためのより多くの滞留時間を提供できる。下流装置のファウリングを避けるために、材料がセッケン加工タンクを出る前に、完全な凝固が達成できる。しょう液の透明化および凝固の完了を容易にするため凝固時に、少量の凝固助剤が使用できる。
【0279】
遠心脱水ユニット、またはスピンドライヤーは、着色したゴムクラムの水分含量を約35ないし40重量%に機械的に減少させるために使用でき、よりエネルギー効率よい乾燥機操作が可能である。洗浄水タンクを離れたゴムクラムスラリーはスピンドライヤーに入り、および円筒のスクリーンに対し投入され得る。水は、円筒形のスクリーンを通り抜けることができ、そしてスピンドライヤーの下部で重力により除去できる。ゴムクラムは上向きにスパイラル経路を移動し、そしてその上端にあるから出口から分級機のほうへ排出される。
【0280】
分級機はグリッドバーを備える振動コンベアーであってよい。グリッドバーのグリッド間隔は、クラムサイズを調節するために使用できる。より小さいクラムはグリッドバー間隔を通って落ちることができ、一方オーバーサイズのクラムはグリッドバーの上に残ることができ、そして側部の出口シュートから排出できる。
【0281】
許容できるクラムは分級機からウェットフィードロートロックバルブ中に排出でき、それはウェットフィードクラムブロワを供給することができる。ウェットフィードロートロックバルブはウェットフィードクラムブロワからの吹き戻しを防ぐことができる。
【0282】
ゴムクラムはスピンドライヤーの下部から上方を向いている空気によってスピンドライヤーの内で流動化される。空気の上昇運動はクラムを部分的に支持し、浮遊させ沸き立つ素材を形成できる。乾燥クラムは最後のドライヤー区画の末端にある開口部を通してクラムホッパーに排出できる。
【0283】
排出クラムホッパーはドライクラムブロワを供給することができる。ドライクラムブロワは乾燥クラムをベーラースケールサイクロンに運ぶことができる。ゴムクラムはそれぞれのベーラーの上でスケールに重力送りすることができ、そこでゴムクラムはベール形態に圧縮することができる。ゴムクラムは、自由流動するクラムとしてそれを仕切り材料および包装で被うことのできる、袋詰め作業に転換できる。
【0284】
これらの実施形態は、本実施形態に重点をおいて説明してきたが、添付された特許請求の範囲内で、該実施態様が本明細書に具体的に記載される内容以外で実施される可能性があることが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のプロセスにより形成されるラテックス形態の相溶性シリカおよびニトリルポリマーブレンドであって、該プロセスは:
水性懸濁液中、シリカをカップリング剤で処理して、相溶性シリカスラリーを形成し、ここで、該カップリング剤はシリカの表面と化学的に反応して、該カップリング剤をそれに結合させる;
前記相溶性シリカスラリーの少なくとも一部をスチレンブタジエンポリマーラテックスとブレンドしてシリカスチレンブタジエンポリマーラテックスを形成し;
前記相溶性シリカスラリーの少なくとも一部をアクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスとブレンドして、シリカアクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスを形成し;および
前記シリカスチレンブタジエンポリマーラテックスを前記シリカアクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスとブレンドして、ラテックス形態の相溶性シリカおよびニトリルポリマーブレンドを形成することを含む、ポリマーブレンド。
【請求項2】
カップリング剤は、有機ケイ素化合物である請求項1記載の相溶性シリカおよびニトリルポリマーブレンド。
【請求項3】
有機ケイ素化合物は、ケイ素原子に直接結合された1ないし3個の容易に加水分解する基、およびケイ素原子に直接結合された少なくとも1つの有機基をもち、ここで該少なくとも1つの有機基は少なくとも1つの官能基をもち、ここで該少なくとも1つの官能基は硬化中にスチレンブタジエンポリマーラテックス、アクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスまたはそれらの組合せとの化学反応を受け得る官能基である、請求項2記載の相溶性シリカおよびニトリルポリマーブレンド。
【請求項4】
ポリマーラテックスの少なくとも1つがコポリマー、ホモポリマー、架橋ポリマー、部分的架橋ポリマー、またはそれらの組合せである、請求項1記載の相溶性シリカおよびニトリルポリマーブレンド。
【請求項5】
スチレンブタジエンポリマーラテックス、シリカスチレンブタジエンポリマーラテックス、またはアクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスのいずれかが、ポリイソプレンを含む、請求項1記載の相溶性シリカおよびニトリルポリマーブレンド。
【請求項6】
シリカが0.1ミクロンないし20ミクロンの平均粒子径である、請求項1記載の相溶性シリカおよびニトリルポリマーブレンド。
【請求項7】
シリカがヒュームドシリカ、非晶質シリカ、またはそれらの組合せである、請求項1記載の相溶性シリカおよびニトリルポリマーブレンド。
【請求項8】
プロセスがさらにポリマーラテックスの少なくとも1つにカーボンブラックスラリーを添加することを含む、請求項1記載の相溶性シリカおよびニトリルポリマーブレンド。
【請求項9】
カップリング剤は、一般的構造式:
【化1】

(式中、Xは、アミノ基、ポリアミノアルキル基、メルカプト基、ポリスルフィド基、エポキシ基、ビニル基、アクリロキシ基、およびメタクリロキシ基からなる群から選択される官能基を表し、yは0またはそれ以上の整数を表し、Z、Z、およびZはおのおの独立して、水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アリールアルコキシ基およびハロ置換アルキル基からなる群から選択され、およびZ、Z、またはZの少なくとも1つはアルコキシ基、水素原子、ハロゲン原子、またはヒドロキシル基を表す。)で表される請求項1記載の相溶性シリカおよびニトリルポリマーブレンド。
【請求項10】
カップリング剤は、2ないし8個の硫黄原子ならびに、炭素原子数1ないし18のアルキル基であるアルキル基、および炭素原子数1ないし8のアルコキシ基であるアルコキシ基を含む、ビス(トリアルコキシシリルアルキル)ポリスルフィドである、請求項1記載の相溶性シリカおよびニトリルポリマーブレンド。
【請求項11】
プロセスがさらにラテックス形態の相溶性シリカおよびニトリルポリマーブレンドを凝固させることを含む、請求項1記載の相溶性シリカおよびニトリルポリマーブレンド。
【請求項12】
プロセスがさらにラテックス形態で凝固した相溶性シリカおよびニトリルポリマーブレンドを乾燥させて水を除去することを含む、請求項11記載の相溶性シリカおよびニトリルポリマーブレンド。
【請求項13】
相溶性シリカスラリーは、シリカ1重量%ないし40重量%を含む請求項11記載の相溶化シリカおよびニトリルポリマーブレンド。
【請求項14】
カップリング剤の量がシリカの100重量部につきカップリング剤1重量部ないし25重量部である請求項13記載の相溶化シリカおよびニトリルポリマーブレンド。
【請求項15】
相溶性シリカスラリーの量は、シリカスチレンブタジエンポリマーラテックスまたはシリカアクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスのいずれかの固形分の重量に基づいて、5重量%ないし80重量%である請求項13記載の相溶性シリカおよびニトリルポリマーブレンド。
【請求項16】
プロセスはさらに、ポリマーラテックスの少なくとも一方に、そのエクステンダー油、酸化防止剤、またはそれらの組み合わせを添加することを含む、請求項1記載の相溶性シリカおよびニトリルポリマーブレンド。
【請求項17】
以下のプロセスによって形成される相溶性シリカを含むアクリロニトリルスチレンブタジエンターポリマーラテックスブレンドであって、該プロセスは:
スチレンブタジエンポリマーラテックスをアクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスとブレンドしてアクリロニトリルブタジエンポリマーおよびスチレンブタジエンポリマーラテックスブレンドを形成し;
水性懸濁液中、シリカをカップリング剤で処理して、相溶性シリカスラリーを形成し、ここで該カップリング剤はシリカ表面と化学的に反応して、該カップリング剤をそれに結合させる;ならびに
前記相溶性シリカスラリーを前記アクリロニトリルブタジエンポリマーおよびスチレンブタジエンポリマーラテックスブレンドとブレンドして、
ラテックス形態の相溶性シリカを含むアクリロニトリルスチレンブタジエンターポリマーラテックスブレンドを形成することを含む、ラテックスブレンド。
【請求項18】
アクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスおよびスチレンブタジエンポリマーラテックスを形成することが;
スチレンブタジエンポリマーラテックス2重量%ないし80重量%;
アクリロニトリルブタジエンポリマーラテックス1重量%ないし30重量%;および
相溶性シリカスラリー1重量%ないし30重量%(ここで、前記相溶化シリカスラリーの量は、スチレンブタジエンポリマーラテックスおよびアクリロニトリルブタジエンポリマーラテックス中の固形分の重量に基づいて、5重量%ないし80重量%である。)をブレンドすることを含む、請求項17記載の相溶化シリカを含むアクリロニトリルスチレンブタジエンターポリマーラテックスブレンド。
【請求項19】
前記ポリマーラテックスの少なくとも1つは、コポリマー、ホモポリマー、架橋ポリマー、部分的架橋ポリマー、またはそれらの組合せである、請求項17記載の相溶化シリカを含む、アクリロニトリルスチレンブタジエンターポリマーラテックスブレンド
【請求項20】
プロセスはさらに、ポリマーラテックスの少なくとも1つにカーボンブラックスラリーを添加することを含む請求項17の相溶化シリカを含むアクリロニトリルスチレンブタジエンターポリマーラテックスブレンド。
【請求項21】
カップリング剤は有機ケイ素化合物である請求項17記載の相溶化シリカを含むアクリロニトリルスチレンブタジエンターポリマーラテックスブレンド。
【請求項22】
有機ケイ素化合物がケイ素原子に直接結合された1ないし3個の容易に加水分解する基およびケイ素原子に直接結合された少なくとも1つの有機基をもち、ここで該少なくとも1つの有機基は少なくとも1つの官能基であり、およびここで該少なくとも1つの官能基は硬化中にポリマーラテックスとの化学反応を受け得る官能基である、請求項21記載の相溶化シリカを含むアクリロニトリルスチレンブタジエンターポリマーラテックス。
【請求項23】
カップリング剤が一般構造式:
【化2】

(式中、Xは、アミノ基、ポリアミノアルキル基、メルカプト基、ポリスルフィド基、エポキシ基、ビニル基、アクリロキシ基、およびメタクリロキシ基からなる群から選択される官能基を表し、yは0またはそれ以上の整数を表し、Z、Z、およびZはおのおの独立して、水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アリールアルコキシ基およびハロ置換アルキル基からなる群から選択され、およびZ、Z、またはZの少なくとも1つはアルコキシ基、水素原子、ハロゲン原子、またはヒドロキシル基を表す。)で表され、ならびに請求項17記載のプロセス中、カップリング剤は2ないし8個の硫黄原子を含むビス(トリアルコキシシリルアルキル)ポリスルフィドであり、ここで、アルキル基が炭素原子数1ないし18のアルキル基を表し、およびアルコキシ基は1ないし8のアルコキシ基を表す、請求項17記載の相溶性シリカを含むアクリロニトリルスチレンブタジエンターポリマーラテックスブレンド。
【請求項24】
カップリング剤の量はシリカの100重量部につきカップリング剤1重量部ないし25重量部である、請求項17記載の相溶性シリカを含むアクリロニトリルスチレンブタジエンターポリマーラテックスブレンド。
【請求項25】
相溶性シリカスラリーの量は、シリカスチレンブタジエンポリマーラテックスまたはシリカアクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスいずれかの固形分の重量に基づいて、5重量%ないし80重量%である請求項17記載の相溶性シリカを含むアクリロニトリルスチレンブタジエンターポリマーラテックスブレンド。
【請求項26】
プロセスはさらに、珪藻土、粉砕ペカン殻、セルロース系材料、粉砕ピーナッツ殻、タルク、粉砕石炭、バガス、灰、パーライト、サイレージ、クレー、炭酸カルシウム、バイオマス、およびそれらの組合せからなる群からの充填剤を添加することを含む請求項17記載の相溶性シリカを含むアクリロニトリルスチレンブタジエンターポリマーラテックスブレンド。
【請求項27】
プロセスはさらに、酸化防止剤を添加することを含み、該酸化防止剤がフェノール系酸化防止剤、ホスファイト、ビスフェノール、アミン系酸化防止剤、またはそれらの組合せである、請求項17記載の相溶性シリカを含むアクリロニトリルスチレンブタジエンターポリマーラテックスブレンド。
【請求項28】
以下の方法によって製造される相溶性シリカを含むアクリロニトリルブタジエンポリマーおよびスチレンブタジエンポリマーラテックスブレンドであって、該方法は:
水性懸濁液中シリカをカップリング剤で処理して、相溶性シリカスラリーを形成し、ここで該カップリング剤はシリカ表面と化学的に反応して該カップリング剤をそれに結合させる;
前記相溶性シリカスラリーの少なくとも一部をスチレンブタジエンポリマーラテックスとブレンドして、シリカスチレンブタジエンポリマーラテックスを形成し;および
前記シリカスチレンブタジエンポリマーラテックスをアクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスとブレンドして、相溶性シリカを含むアクリロニトリルブタジエンポリマーおよびスチレンブタジエンポリマーラテックスのブレンドを形成することを含むラテックスブレンド。
【請求項29】
以下のプロセスによって製造されるアクリロニトリルブタジエンポリマーおよびスチレンブタジエンポリマーのラテックスブレンド中の相溶性シリカであって、該プロセスは:
水性懸濁液中シリカをカップリング剤で処理して、相溶性シリカスラリーを形成し、ここで該カップリング剤はシリカ表面と化学的に反応して該カップリング剤をそれに結合させる;
前記相溶性シリカスラリーの少なくとも一部をアクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスとブレンドして、シリカアクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスを形成し、および
スチレンブタジエンポリマーラテックスを前記シリカアクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスとブレンドして、アクリロニトリルブタジエンポリマーおよびスチレンブタジエンポリマーのラテックスブレンド中の相溶性シリカを形成することを含む相溶性シリカ。
【請求項30】
以下のプロセスを使用して製造される、ラテックス形態の相溶性シリカおよびニトリルポリマーブレンドであって、該プロセスは:
水性懸濁液中シリカをカップリング剤で処理して、相溶性シリカスラリーを形成し、ここでカップリング剤はシリカ表面と化学的に反応してカップリング剤をそれに結合し;
前記相溶性シリカスラリーの少なくとも一部をスチレンブタジエンポリマーラテックスとブレンドして、シリカスチレンブタジエンポリマーラテックスを形成し、および
アクリロニトリルブタジエンポリマーラテックスを前記シリカスチレンブタジエンポリマーラテックス中に混ぜ込んで、ラテックス形態の相溶性シリカおよびニトリルポリマーブレンドを形成すること含むブレンド。
【請求項31】
乳化重合されたアクリロニトリルブタジエンポリマーおよび乳化重合されたスチレンブタジエンポリマーブレンド中の相溶性シリカのポリマー組成物であって、該ポリマー組成物は:
ポリマー組成物の全固形分に基づいて、相溶性シリカ6重量%ないし90重量%、ここで、該相溶性シリカは、相溶性シリカの重量に基づいて有機ケイ素カップリング剤少なくとも1重量%を含み;
乳化重合されたスチレンブタジエンポリマー10重量%ないし80重量%;および
乳化重合されたアクリロニトリルブタジエンポリマー10重量%ないし80重量%、ここで;乳化重合されたアクリロニトリルブタジエンポリマーの少なくとも10重量%が、アクリロニトリルポリマー対液体1,3−ブタジエンポリマーの比率15:50からなり、それぞれのポリマーに対する相溶性シリカの高力な結合を提供し、ここでブタジエン対スチレンは7:1ないし17:1の比であり、ならびにアクリロニトリル対ブタジエンは0.4:1ないし0.75:1の比である、組成物。
【請求項32】
さらに相溶性シリカ10重量%ないし50重量%を含み、ここで有機ケイ素カップリング剤は、相溶性シリカのシリカの表面に化学的に結合されており、該有機ケイ素カップリング剤がケイ素交差分極マジック角回転核磁気共鳴により測定されたT/T比0.75以上をもつ平均四量体構造として存在し、ならびに相溶性シリカはT/T比0.9以上をもつ;請求項31記載のポリマー組成物。
【請求項33】
有機ケイ素カップリング剤が、シリカの重量に基づいて、1重量%ないし25重量%の有機ケイ素カップリング剤量で相溶性シリカのシリカの表面に結合される請求項32記載のポリマー組成物。
【請求項34】
有機カップリング剤は、以下の構造
【化3】

を有する有機シランから誘導される請求項32のポリマー組成物。
【請求項35】
式中、Xはアミノ基、ポリアミノアルキル基、メルカプト基、ポリスルフィド、チオシアナト基、エポキシ基、ビニル基、ハロゲン原子、アクリロキシ基およびメタクリロキシ基からなる群から選択される官能基を表し;yは0以上の整数を表し;Z、Z、およびZはそれぞれ独立して水素原子、アルコキシ基、ハロゲン原子、およびヒドロキシル基からなる群から選択される。
【請求項36】
乳化重合されたスチレンブタジエンポリマー、乳化重合されたアクリロニトリルブタジエンポリマー、またはそれらの組合せが、天然ゴム、合成ポリマー、熱可塑性ポリマー、または樹脂ポリマーから形成される請求項32記載のポリマー組成物。
【請求項37】
ポリマー組成物が:共役ジエン系ポリマー、ビニルモノマーに基づくポリマー、共役ジエンとビニルモノマーとの組合せ、ポリオレフィン、ポリアルファオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリアクリレート、ポリウレタン、エチレンプロピレンと非共役ジエンとのターポリマー、フルオロエラストマー、クロロ−エラストマー、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリイソブチルジエン、ポリクロロプレン、ポリ塩化ビニルポリマー、アクリロニトリルブタジエンゴム、ポリエポキシド、エチレンインターポリマー、スチレンブタジエンのブロックコポリマー、スチレンイソプレンのブロックコポリマー、アクリレートのコポリマー、架橋性モノマー、ビニルモノマーおよびそれらの組合せからなる群のメンバーを含む、請求項35記載のポリマー組成物。
【請求項38】
ポリマーの少なくとも1つは、コポリマー、ホモポリマー、架橋ポリマー、部分的架橋ポリマー、またはそれらの組合せである請求項35記載のポリマー組成物。
【請求項39】
相溶性シリカが1ナノメートルないし15ミクロンの範囲の平均粒子径を有する請求項31記載のポリマー組成物。
【請求項40】
相溶性シリカを形成するために使用されるシリカは、ヒュームドシリカ、非晶質シリカ、またはそれらの組合せである請求項31記載のポリマー組成物。
【請求項41】
さらに、カーボンブラック1重量%から50重量%を含む請求項31記載のポリマー組成物。
【請求項42】
有機ケイ素カップリング剤の有機ケイ素は、有機ケイ素カップリング剤のケイ素原子に直接結合された1ないし3個の容易に加水分解する基および、ケイ素原子に直接結合された少なくとも1つの有機基をもち、ここで該少なくとも1つの有機基は少なくとも1つの官能基を有し、ここで該少なくとも1つの官能基は、ポリマー組成物の硬化中にポリマー組成物との化学反応を受け得る官能基である請求項31記載のポリマー組成物。
【請求項43】
有機ケイ素カップリング剤は一般的構造式:
【化4】

(式中、Xは、アミノ基、ポリアミノアルキル基、メルカプト基、ポリスルフィド基、チオシアナト基、エポキシ基、ビニル基、ハロゲン原子、アクリロキシ基、およびメタクリロキシ基からなる群から選択される官能基を表し、yは0またはそれ以上の整数を表し、そしてZ、Z、およびZはおのおの独立して、水素原子、アルコキシ基、ハロゲン原子、またはヒドロキシル基からなる群から選択される。)を有する請求項42記載のポリマー組成物。
【請求項44】
有機ケイ素カップリング剤は、2ないし8個の硫黄原子を含むビス(トリアルコキシシリルアルキル)ポリスルフィドであり、アルキル基が炭素原子数1ないし18のアルキル基を表し、およびアルコキシ基は1ないし8のアルコキシ基を表す、請求項42記載のポリマー組成物。
【請求項45】
さらに、エクステンダー油、酸化防止剤、またはそれらの組み合わせを4重量%ないし60重量%の量で含む、請求項31記載のポリマー組成物。
【請求項46】
エクステンダー油はナフテン油、炭化水素系油、合成油、芳香油、低多環芳香族炭化水素油、またはそれらの組合せである請求項45記載のポリマー組成物。
【請求項47】
酸化防止剤はフェノール系酸化防止剤、ホスファイト、ビス−フェノール、アミン系酸化防止剤、またはそれらの組合せである請求項45記載のポリマー組成物。
【請求項48】
珪藻土、粉砕ペカン殻、セルロース系材料、粉砕ピーナッツ殻、タルク、粉砕石炭、バガス、灰、パーライト、サイレージ、クレー、炭酸カルシウム、バイオマス、およびそれらの組合せからなる群のメンバーである充填剤0.1重量%から50重量%をさらに含有する請求項31記載のポリマー組成物。
【請求項49】
さらに、組合せにおいて0.1重量%ないし5重量%の量で活性剤、フリーラジカル抑制剤、および停止剤を含む請求項31記載のポリマー組成物。
【請求項50】
活性化剤が過酸化物である請求項49記載のポリマー組成物。
【請求項51】
さらに酸化亜鉛、有機過酸化物、またはアクリレートを用いた架橋ポリマー用の硬化剤パッケージを含む、請求項50記載のポリマー組成物。
【請求項52】
請求項51記載のポリマー組成物から製造される物品。
【請求項53】
物品が、フロアマット、タイヤ、ベルト、ローラー、履物、電線およびケーブル外被、屋根縁取り、管状のホース、海洋用衝撃バンパー、工業用ベルト、非自動車用のタイヤ、鉱業用ベルト、ベアリング、コンジットまたは空気入りタイヤである請求項52記載の物品。
【請求項54】
物品は、射出成形、押出加工、プレス成形、切削、フライス加工、回転成形、またはそれらの組合せによって製造される請求項53記載の物品。
【請求項55】
活性剤、フリーラジカル開始剤、水および停止剤を用いる連続フロー乳化重合を使用して形成された、クラムラバーおよびシリカを含む弾性ポリマー組成物であって、
該連続フロー乳化重合は、無圧または低圧でおよび周囲温度以上で行われ、該組成物は
組成物の総重量に基づいて合成弾性ポリマー18重量%ないし93重量%;
ここで、該合成弾性ポリマーは
組成物の総重量に基づいて、液体1,3−ブタジエンモノマー60重量%ないし82重量%または組成物の総重量に基づいて、スチレンモノマー18重量%ないし40重量%からなり;
組成物の総重量に基づいて、相溶性シリカ5重量%ないし80重量%、ここで該相溶性シリカは該相溶性シリカの表面の少なくとも20重量%と結合した有機ケイ素カップリング剤少なくとも1重量%を有し;
組成物の総重量に基づいてリサイクルクラムラバー1重量%ないし50重量%ならびに
組成物の総重量に基づいてカーボンブラック1重量%ないし40重量%を含む、ポリマー組成物。
【請求項56】
リサイクルクラムラバーは再生ゴムの粒子を含み、およびここで再生ゴムの粒子の少なくとも50容量%が米国標準シリーズふるい#10メッシュよりも小さい、請求項55記載のクラムラバーおよびシリカを含む弾性ポリマー組成物。
【請求項57】
リサイクルクラムラバーは再生ゴムの粒子を含み、およびここで再生ゴムの粒子の少なくとも50容量%が米国標準シリーズふるい#200メッシュよりも小さい、請求項55記載のクラムラバーおよびシリカを含む弾性ポリマー組成物。
【請求項58】
合成弾性ポリマーはラテックス形態であるか、または乾燥微粒子である、請求項55記載のクラムラバーおよびシリカを含む弾性ポリマー組成物。
【請求項59】
リサイクルクラムラバーは、リサイクルタイヤ由来が100%である、請求項55記載のクラムラバーおよびシリカを含む弾性ポリマー組成物。
【請求項60】
さらに、組成物の総重量に基づいて、充填剤0.1重量%ないし50重量%を含む請求項55記載のクラムラバーおよびシリカを含む弾性ポリマー組成物。
【請求項61】
充填剤が、粉砕ペカン殻、セルロース系材料、サイレージ、珪藻土、粉砕ピーナッツ殻、タルク、粉砕石炭、粉砕バガス、灰、パーライト、クレー、炭酸カルシウム、バイオマス、およびそれらの組合せからなる群のメンバーである請求項60記載のクラムラバーおよびシリカを含む弾性ポリマー組成物。
【請求項62】
さらに、組成物の総重量に基づいて、エクステンダー油1重量%ないし40重量%を含む請求項55記載のクラムラバーおよびシリカを含む弾性ポリマー組成物。
【請求項63】
エクステンダー油は合成油、芳香油、ナフテン油、炭化水素、多環芳香族炭化水素油、またはそれらの組合せからなる群から選択される請求項62記載のクラムラバーおよびシリカを含む弾性ポリマー組成物。
【請求項64】
さらに、組成物の総重量に基づいて、熱可塑性ポリマー、熱可塑性エラストマー、熱可塑性加硫物、またはその任意の組合せ最大25重量%までを含む請求項55記載のクラムラバーおよびシリカを含む弾性ポリマー組成物。
【請求項65】
モノマーが架橋されている請求項55記載のクラムラバーおよびシリカを含む弾性ポリマー組成物。
【請求項66】
組成物の総重量に基づいて、カーボンブラック1重量%ないし10重量%を含む、請求項55記載のクラムラバーおよびシリカを含む弾性ポリマー組成物。
【請求項67】
請求項55記載の組成物からなる、クラムラバーおよびシリカを含む弾性ポリマー組成物の物品。
【請求項68】
物品が、フロアマット、タイヤ、ベルト、ローラー、履物、電線およびケーブル外被、屋根縁取り、管状のホース、海洋用衝撃バンパー、工業用ベルト、非自動車用のタイヤ、鉱業用ベルト、ベアリングまたはコンジットである請求項67記載のクラムラバーおよびシリカを含む弾性ポリマー組成物の物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−516540(P2013−516540A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548150(P2012−548150)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【国際出願番号】PCT/US2011/020517
【国際公開番号】WO2011/085199
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(506123003)ライオン、コポリマー、リミテッド、ライアビリティ、カンパニー (2)
【氏名又は名称原語表記】LION COPOLYMER, LLC
【Fターム(参考)】