説明

省エネ運転支援システム

【課題】冷間タンデム圧延機や冷間シングル圧延機において、電機品を機器効率が高い負荷で運転させるようなパススケジュール設定を行うことにより、設備の省エネ運転を実現することができる省エネ運転支援システムを提供する。
【解決手段】設定計算装置7には、モータ3の効率、ドライブ装置4の効率、トランス5の効率に基づいて得られた圧延機2の最大効率が、記憶手段12に記憶されている。設定計算手段8によって圧延機2に対する負荷配分及びライン速度の設定計算が行われると、効率演算手段10は、設定計算手段8が計算した負荷配分で圧延を行った時の圧延機2の効率を演算する。そして、修正手段13は、記憶手段12に記憶された最大効率と効率演算手段10によって演算された効率との差が小さくなるように、設定計算手段8が計算したライン速度を修正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、冷間タンデム圧延機或いは冷間シングル圧延機において、設備の省エネ運転が可能となるようにパススケジュール設定を行う省エネ運転支援システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数台の冷間圧延機を有する冷間タンデム圧延機、1台の冷間圧延機を有する冷間シングル圧延機では、設定計算装置が設定したパススケジュールに基づいて、各冷間圧延機の制御が行われる。パススケジュールには、コイルから最終製品を生産するために必要な各種設定情報が含まれている。例えば、パススケジュールの板厚設定に基づいて、圧延機の第1スタンド入側の板厚と最終スタンド出側の板厚(製品板厚)との差が各スタンドに適切に割り振られる。また、パススケジュールの速度設定に基づいて、各スタンドが適切な速度で駆動される。その他、パススケジュールには、荷重予測、負荷予測等が設定されている。
【0003】
図7は従来のパススケジュールの設定方法を示すフローチャートである。
パススケジュールの設定を行う設定計算装置には、操業経験から得られた各スタンドの負荷配分が、各種条件毎にデータベース化されている。設定計算装置は、圧延を行うコイルの情報(材質、板厚等)や製品板厚の情報が入力されると、先ず、上記データベースを参照して、最適なパススケジュールの設定計算を行う(S301)。
なお、負荷配分の方法については、パワー比によるもの、荷重比によるもの、圧下率比によるもの等がある。
【0004】
次に、設定計算装置は、S301で演算したパススケジュールによって圧延が可能か否かを、種々の制約条件との比較を行って判定する(S302)。上記制約条件としては、例えば、機械条件としてパワー、スピードコーン、荷重等が、操業条件として圧下率等がある。そして、設定計算装置は、演算したパススケジュールが全ての制約条件を満足していれば、その内容を下位のコントローラに送信してパススケジュールを設定する。
【0005】
従来では、圧延機能力を最大限に発揮させて生産性を向上させるため、何れかのスタンドが最大負荷となるように、上記パススケジュールの設定計算が行われていた。
なお、連続圧延を実現するために前コイルの尾端と次コイルの先端とが溶接されている場合は、板の破断回避、適切な板厚制御等の観点から、上記溶接部分を圧延する際に、ライン速度をある一定の値まで落とすといった速度設定が行われる。一方、コイルの中央部分(上記溶接部分が関係しない部分)を圧延する場合は、何れかのスタンドの負荷が100%となるようにライン速度が上げられ、生産コストの低減が図られる。図4(a)は、この時のライン速度を示している。
【0006】
一方、冷間タンデム圧延機或いは冷間シングル圧延機では、ラインの省エネルギー(以下、単に「省エネ」ともいう)の観点からも種々の対策が施されている。例えば、ラインが停止する状態が長く継続する場合、モータの励磁電流を切るといった省エネ対策が行われている。
【0007】
また、下記特許文献1には、モータの省エネ技術として、ラインの運転時に、ロータ巻線の温度が絶縁劣化に支障の出ない範囲内に収まるように、ユニットクーラファンをインバータ制御するものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3741101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の冷間タンデム圧延機或いは冷間シングル圧延機では、生産性を重視したパススケジュール設定を行っていたため、特許文献1に記載の省エネ技術等だけでは、思うような効果を得ることができなかった。
【0010】
また、生産状況によっては、必ずしも圧延機能力を最大限に発揮する必要がない場合もある。例えば、所定期間の生産量が決まっており、設備として可能な生産量がそれ以上である場合、圧延機能力を最大限に発揮しなくても十分に対応することができる。しかし、従来では、このような場合でも、生産性を重視したパススケジュール設定が行われるため、大幅な省エネ化は困難なものとなっていた。
【0011】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、冷間タンデム圧延機や冷間シングル圧延機において、電機品を機器効率が高い負荷で運転させるようなパススケジュール設定を行うことにより、設備の省エネ運転を実現することができる省エネ運転支援システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明に係る省エネ運転支援システムは、冷間圧延機を駆動するためのモータと、モータを制御するドライブ装置と、ドライブ装置に所定の電源を供給するための変圧器と、冷間圧延機を用いて最終製品を生産するためのパススケジュールを設定する設定計算装置と、設定計算装置によって設定されたパススケジュールに基づいて、冷間圧延機を制御するコントローラと、を備え、設定計算装置は、所定の条件に基づいて、冷間圧延機に対する負荷配分及びライン速度の設定計算を行う設定計算手段と、モータの効率、ドライブ装置の効率、変圧器の効率に基づいて得られた冷間圧延機の最大効率が記憶された記憶手段と、設定計算手段が計算した負荷配分で圧延を行った時の冷間圧延機の効率を演算する効率演算手段と、記憶手段に記憶された最大効率と効率演算手段によって演算された効率との差が小さくなるように、設定計算手段が計算したライン速度を修正する修正手段と、を備えたものである。
【0013】
また、この発明に係る省エネ運転支援システムは、冷間圧延機を駆動するためのモータと、モータを制御するドライブ装置と、ドライブ装置に所定の電源を供給するための変圧器と、冷間圧延機を用いて最終製品を生産するためのパススケジュールを設定する設定計算装置と、設定計算装置によって設定されたパススケジュールに基づいて、冷間圧延機を制御するコントローラと、を備え、設定計算装置は、モータの効率、ドライブ装置の効率、変圧器の効率から得られた冷間圧延機の最大効率点におけるパワー比に基づいて、冷間圧延機に対する負荷配分及びライン速度の設定計算を行うものである。
【発明の効果】
【0014】
この発明に係る省エネ運転支援システムであれば、冷間タンデム圧延機や冷間シングル圧延機において、電機品を機器効率が高い負荷で運転させるようなパススケジュール設定を行うことができ、設備の省エネ運転が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の実施の形態1における省エネ運転支援システムを示す構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1における省エネ運転支援システムの動作を示すフローチャートである。
【図3】負荷に対する各電機品の効率と圧延機の効率との関係を示す図である。
【図4】ライン速度を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態2における省エネ運転支援システムの動作を示すフローチャートである。
【図6】図5に示す動作フローによって設定された圧延スケジュールを示す図である。
【図7】従来のパススケジュールの設定方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
この発明をより詳細に説明するため、添付の図面に従ってこれを説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0017】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における省エネ運転支援システムを示す構成図である。
図1は、第1スタンド(1STD)乃至第5スタンド(5STD)で構成された連続冷間タンデム圧延機に、本省エネ運転支援システムを適用したものを示している。なお、本省エネ運転支援システムは、図1に示すような複数台の冷間圧延機(スタンド)で構成される冷間タンデム圧延機だけでなく、1台の冷間圧延機(スタンド)で構成される冷間シングル圧延機に適用することも可能である。
【0018】
図1において、1は鉄や非鉄等の各種金属材料からなるストリップ、2は複数のロールを有する冷間圧延機、3は圧延機2のロールを駆動するためのモータである、モータ3は、圧延機2のアクチュエータを構成する。4はモータ3を制御するドライブ装置、5はドライブ装置4に所定の電源を供給するためのトランス(変圧器)である。トランス5は、受電系統から所定の電圧に降圧させた電源を、ドライブ装置4に対して供給する。
なお、上記モータ3、ドライブ装置4、トランス5は、圧延機2の電機品を構成する。
【0019】
6はプラントのコントローラである。コントローラ6は、事前に設定されたパススケジュールに基づいて、圧下装置やドライブ装置4を制御する。例えば、コントローラ6は、各スタンドのドライブ装置4に対して速度指令を与え、ドライブ装置4に、対応のモータ3を制御させる。そして、ストリップ1は、各圧延機2を通過することにより、最終スタンド出側において所定の厚さ寸法となるように圧延加工される。
【0020】
7はパススケジュールの設定を行う設定計算装置である。上述したように、パススケジュールには、コイルから最終製品を生産するために必要な各種設定情報が含まれている。設定計算装置7は、板厚設定、速度設定、荷重予測設定、負荷予測設定等を行うと、それらの情報をコントローラ6に送信し、パススケジュールを設定する。
【0021】
設定計算装置7は、本願発明の要部を構成する。設定計算装置7には、生産性等を重視したパススケジュールの設定計算を行う従来機能に加え、圧延機2の電機品を機器効率が高い負荷で運転させるようにパススケジュールを修正する機能が備えられている。このような機能を実現するため、設定計算装置7は、例えば、設定計算手段8、判定手段9、効率演算手段10、最大効率点演算手段11、記憶手段12、修正手段13を備えている。
【0022】
以下に、図2乃至図4も参照し、本省エネ運転支援システム(特に、設定計算装置7)の機能について、具体的に説明する。
図2はこの発明の実施の形態1における省エネ運転支援システムの動作を示すフローチャート、図3は負荷に対する各電機品の効率と圧延機の効率との関係を示す図、図4はライン速度を示す図である。
【0023】
設定計算装置7では、先ず、図7のS301及びS302と同様の処理を行い、生産性を重視したパススケジュールの設定計算を行う。具体的に、設定計算装置7には、操業経験から得られた各スタンドの負荷配分が、各種条件毎にデータベース化されている。負荷配分の方法については、パワー比によるもの、荷重比によるもの、圧下率比によるもの等がある。設定計算装置7では、圧延を行うコイルの情報(材質、板厚等)や製品板厚の情報が入力されると、設定計算手段8により、各圧延機2に対する負荷配分とライン速度とを演算し(S101)、例えば、各圧延機2前後(入側及び出側)の板厚と各モータ3の速度とを決定する。
【0024】
次に、設定計算装置7は、判定手段9により、設定計算手段8が計算したパススケジュールによって圧延が可能か否かを、種々の制約条件との比較を行って判定する(S102)。上記制約条件としては、例えば、機械条件としてパワー、スピードコーン、荷重等が、操業条件として圧下率等がある。判定手段9は、S101で計算された負荷配分及びライン速度によって圧延を行うことができない旨を判定すると(S102のNo)、設定計算手段8にパススケジュールの設定計算を再度行わせる。
【0025】
一方、S102において圧延が可能な旨が判定されると、設定計算装置7は、生産性重視等、所定の条件に基づいて決定されたパススケジュールを、圧延機2の電機品を機器効率が高い負荷で運転させるように修正するための処理を開始する(S103)。
【0026】
ところで、圧延機2の電機品からなるモータ3、ドライブ装置4、トランス5は、その損失が、負荷電流の二乗に比例する負荷損失と、負荷に関係なく常に一定の無負荷損失とから構成される。例えば、各電機品の効率と負荷との関係は、図3に示すように、定格負荷よりも低い所定の負荷で最大の効率となるような曲線を呈する。なお、効率が最大となる時(最大効率点)の負荷は、機器の特性によって電機品毎に異なる。また、効率とは、入力に対する出力の割合を言うものとする。
【0027】
iスタンド(本実施の形態においては、i=1〜5)の効率曲線fηスタンドiは、次式に示すように、負荷Pを変数にとり、各電器品の効率曲線から演算することができる。
【0028】
【数1】

【0029】
ここで、
fηトランスi :iスタンドのトランス5の効率曲線
fηドライブ装置i:iスタンドのドライブ装置4の効率曲線
fηモータi :iスタンドのモータ3の効率曲線
である。
例えば、上記式1は、次式のように計算できる。
【0030】
【数2】

【0031】
効率演算手段10は、判定手段9によって圧延が可能な旨が判定されると、設定計算手段8が計算したパススケジュール(即ち、負荷配分)で圧延を行った時の効率を、圧延機2毎に演算する。なお、この時の負荷Pにおけるiスタンドの効率ηは、次式によって計算できる。
【0032】
【数3】

【0033】
一方、各スタンドの最大効率点は、スタンドの効率曲線fηスタンドiを負荷Pで微分した際に0となる点である。即ち、微分値が0となる時の負荷が最大効率で運転できる負荷となる。この時の効率(最大効率)は、次式により計算される。
【0034】
【数4】

【0035】
但し、負荷Pは、以下の条件によって計算される。
【0036】
【数5】

【0037】
最大効率点演算手段11は、上記式4及び式5に基づいて圧延機2の最大効率点を演算し、その演算結果、即ち圧延機2毎の最大効率を記憶手段12に記憶させておく(S104)。
【0038】
修正手段13は、記憶手段12に記憶された最大効率と効率演算手段10によって演算された効率(設定計算手段8が計算したパススケジュールでの効率)との差が小さくなるように、ライン速度を修正する(S105)。即ち、修正手段13は、設定計算手段8が計算した負荷配分を変更することなく、ライン速度のみを変更して、パススケジュールを修正する。
【0039】
本実施の形態では、圧延機2が第1乃至第5スタンドで構成されているため、修正手段13は、各スタンドについて上記効率の差を演算してその和(合計)Jを求め、Jの値が最小となる時の負荷で圧延が行われるようにライン速度を修正する。
【0040】
【数6】

【0041】
なお、αは各スタンドの効率が全体効率に与える影響度を調整するための重み係数である。各スタンドのモータ容量が異なる場合、αは、最大モータ容量に対するそのスタンドのモータ容量の比として表すことができる。
例えば、第1スタンドのモータ容量が4000kW、第2乃至第5スタンドの各モータ容量が7000kWの場合、各重み係数は、以下のようになる。
α1STD=4000[kW]/7000[kW]=0.57
α2STD=7000[kW]/7000[kW]=1.0
α3STD=7000[kW]/7000[kW]=1.0
α4STD=7000[kW]/7000[kW]=1.0
α5STD=7000[kW]/7000[kW]=1.0
【0042】
図4は、修正手段13による修正前のライン速度(図4(a))と、修正後のライン速度(図4(b))とを示している。図4に示すように、修正手段13による上記修正により、電機品を機器効率が高い負荷で運転させることができる。即ち、本省エネ運転支援システムを適用することにより、圧延の速度(生産性)は多少低下するものの、消費電力量あたりの生産量を大幅に向上させることができ、使用電力量を低減させることが可能となる。
なお、本システムを適用したことによる省エネ効果は、次式によって評価することができる。
【0043】
【数7】

【0044】
また、本省エネ運転支援システムであれば、新規コントローラ等の新たな設備を必要とせず、既存の設備をそのまま活用することができる。このため、過剰な設備費を投入する必要がなく、安価なシステムの構築が可能となる。
【0045】
実施の形態2.
実施の形態1では、初めに従来と同様のパススケジュールの設定計算を行い、その後、
電機品を機器効率が高い負荷で運転させることができるように、ライン速度の修正を行った。本実施の形態では、パススケジュールの設定計算の段階から、省エネ運転を考慮する場合について説明する。
【0046】
図5はこの発明の実施の形態2における省エネ運転支援システムの動作を示すフローチャート、図6は図5に示す動作フローによって設定された圧延スケジュールを示す図である。
【0047】
本実施の形態では、設定計算装置7の記憶手段12に、モータ3の効率、ドライブ装置4の効率、トランス5の効率から得られた圧延機2の最大効率点におけるパワー比が予め記憶されている(S201)。設定計算装置7では、圧延を行うコイルの情報(材質、板厚等)や製品板厚の情報が入力されると、記憶手段12に記憶された最大効率点のパワー比に基づいて、パススケジュールの設定計算を行う(S202)。即ち、設定計算手段8は、上記最大効率点のパワー比から、各圧延機2に対する負荷配分とライン速度とを演算する。
【0048】
次に、設定計算装置7は、判定手段9により、設定計算手段8が計算したパススケジュールによって圧延が可能か否かを、種々の制約条件との比較を行って判定する(S203)。そして、設定計算手段8が計算した負荷配分及びライン速度による圧延が可能な旨が判定手段9によって判定されると(S203のYes)、設定計算装置7は、S103乃至S105と同様の処理を行って、上記パワー比に基づいて決定されたパススケジュールを、圧延機2の電機品を更に機器効率が高い負荷で運転させることができるように、ライン速度を修正する(S204乃至S206)。
【0049】
かかる構成であれば、図6に示すように、各圧延機2に対する負荷配分自体を、圧延機2の効率に合わせて設定することができ、更なる省エネ効果が期待できる。
【符号の説明】
【0050】
1 ストリップ
2 圧延機
3 モータ
4 ドライブ装置
5 トランス
6 コントローラ
7 設定計算装置
8 設定計算手段
9 判定手段
10 効率演算手段
11 最大効率点演算手段
12 記憶手段
13 修正手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷間圧延機を駆動するためのモータと、
前記モータを制御するドライブ装置と、
前記ドライブ装置に所定の電源を供給するための変圧器と、
前記冷間圧延機を用いて最終製品を生産するためのパススケジュールを設定する設定計算装置と、
前記設定計算装置によって設定されたパススケジュールに基づいて、前記冷間圧延機を制御するコントローラと、
を備え、
前記設定計算装置は、
所定の条件に基づいて、前記冷間圧延機に対する負荷配分及びライン速度の設定計算を行う設定計算手段と、
前記モータの効率、前記ドライブ装置の効率、前記変圧器の効率に基づいて得られた前記冷間圧延機の最大効率が記憶された記憶手段と、
前記設定計算手段が計算した負荷配分で圧延を行った時の前記冷間圧延機の効率を演算する効率演算手段と、
前記記憶手段に記憶された最大効率と前記効率演算手段によって演算された効率との差が小さくなるように、前記設定計算手段が計算したライン速度を修正する修正手段と、
を備えたことを特徴とする省エネ運転支援システム。
【請求項2】
前記冷間圧延機が複数台設置され、
前記モータ、前記ドライブ装置、前記変圧器は、前記冷間圧延機毎に備えられ、
前記記憶手段には、前記冷間圧延機毎に最大効率が記憶され、
前記修正手段は、前記冷間圧延機毎に演算した前記差の合計が小さくなるように、前記設定計算手段が計算したライン速度を修正する
ことを特徴とする請求項1に記載の省エネ運転支援システム。
【請求項3】
前記修正手段は、前記冷間圧延機毎に得られた前記差の二乗に、前記モータの容量に応じた係数を乗算し、その合計が小さくなるように、前記設定計算手段が計算したライン速度を修正することを特徴とする請求項2に記載の省エネ運転支援システム。
【請求項4】
前記設定計算手段が計算した負荷配分及びライン速度によって圧延が可能か否かを判定する判定手段と、
を更に備え、
前記判定手段は、圧延が不可能な旨を判定すると、前記設定計算手段に設定計算を再度行わせ、圧延が可能な旨を判定すると、前記効率演算手段に前記冷間圧延機の効率を演算させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の省エネ運転支援システム。
【請求項5】
前記モータの効率、前記ドライブ装置の効率、前記変圧器の効率に基づいて前記冷間圧延機の最大効率点を演算し、前記記憶手段に前記冷間圧延機の最大効率を記憶させる最大効率点演算手段と、
を更に備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の省エネ運転支援システム。
【請求項6】
前記設定計算手段は、前記モータの効率、前記ドライブ装置の効率、前記変圧器の効率から得られた前記冷間圧延機の最大効率点におけるパワー比に基づいて、前記冷間圧延機に対する負荷配分の設定計算を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の省エネ運転支援システム。
【請求項7】
冷間圧延機を駆動するためのモータと、
前記モータを制御するドライブ装置と、
前記ドライブ装置に所定の電源を供給するための変圧器と、
前記冷間圧延機を用いて最終製品を生産するためのパススケジュールを設定する設定計算装置と、
前記設定計算装置によって設定されたパススケジュールに基づいて、前記冷間圧延機を制御するコントローラと、
を備え、
前記設定計算装置は、前記モータの効率、前記ドライブ装置の効率、前記変圧器の効率から得られた前記冷間圧延機の最大効率点におけるパワー比に基づいて、前記冷間圧延機に対する負荷配分及びライン速度の設定計算を行うことを特徴とする省エネ運転支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−143782(P2012−143782A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−3609(P2011−3609)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(501137636)東芝三菱電機産業システム株式会社 (904)
【Fターム(参考)】