真空ポンプシステム
【解決手段】本発明は、相互に連結された2つの真空ポンプ(12,35) を備えた真空ポンプシステムに関する。小型の真空ポンプシステムを構成するために、2つの真空ポンプは、ポンプハウジングに直接連結され連結部(34)を構成する連結要素(22,38) によって連結されており、より大きな力又はモーメントが上方の真空ポンプ(35)の出口フランジ(46)と下方の真空ポンプ(12)の入口フランジ(14)とにより伝達されることなく、出口フランジ(46)が入口フランジ(14)上に直接配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相互に連結された複数の真空ポンプを備えた真空ポンプシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
上記のタイプの真空ポンプシステムは、通常直列に配置された2以上の真空ポンプを備えている。従って、搬送される媒体、通常気体が、第1の真空ポンプによって該第1の真空ポンプの入口を通って吸い込まれ、その後、第1の真空ポンプの出口を通って隣り合った第2の真空ポンプに搬送される。通常、2つの真空ポンプを備えたシステムでは、第2の真空ポンプは、大気圧に対抗する搬送処理を行なう。任意には、複数の真空ポンプを直列に、又は部分的に並列にも配置することが可能であり、通常、搬送方向における最後の真空ポンプは大気圧に対抗する圧縮処理を行う。このような配置では、大気圧に対抗する圧縮処理のための補助真空ポンプは、回転翼式真空ポンプ、スライドベーン式真空ポンプ、クロー式真空ポンプ、多段ルーツ式真空ポンプ及びスクリュー式真空ポンプの形態で設けられることが多い。このような真空ポンプシステムでは、搬送方向における第1の真空ポンプが、入口で最も低い圧力を生じさせ、ルーツ式ポンプとして設けられることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/185929号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
公知の真空ポンプシステムは、支持ラック又は枠体を備えており、支持ラック又は枠体に個々の真空ポンプが配置されている。真空ポンプは、例えばポンプハウジングに設けられた足部を用いて前記支持ラックに取り付けられ得る。その後、真空ポンプの入口と出口とが、剛性若しくは可撓性の管により、又は特殊なアダプタにより相互に連結される。真空ポンプの動作中に生じる重量による力及び気体による力の大部分が前記支持ラックによって吸収される。このような真空ポンプシステムでは、支持ラックは、フォークリフトを使用することによって、つまり下方から、又はクレーンアイレットを用いてクレーンを使用することによって持上げられ移動させられ得る。一方で、個々の真空ポンプを支持するためのラックを備えたこのような真空ポンプシステムは、ほとんどの場合、個々の真空ポンプは互いに関係なく交換され得るという利点を有する。しかしながら、このような真空ポンプシステムの本質的な不利点は、ラックのために相当な空間を必要とすることにある。更に、ラックも必要な連結要素も追加費用が必要である。
【0005】
別のタイプの公知の真空ポンプシステムでは、真空ポンプ、通常2つの真空ポンプは相互に直接連結されている。この場合、個別のラックが設けられていない。2つの真空ポンプの連結は、第1の真空ポンプの出口フランジを第2の真空ポンプの入口フランジに直接又はアダプタを介して連結することにより行われる。この実施形態では、動作中に生じる重量による力及び気体による力がフランジによって吸収されて、ポンプハウジングに伝達される必要がある。この場合、真空ポンプシステムを運んでいる間にフランジがかなりの応力を受けて損傷する可能性が高いので、真空ポンプシステムを運ぶためにクレーンアイレットを設けることが通常不可能である。更に、入口フランジと出口フランジとを介した2つの真空ポンプの連結には、相当する力を吸収して伝達すべく、まず第一に構造体を組み立てるために、フランジ及びアダプタは夫々相当な剛性を有し、ねじ連結のために自由な領域を有する必要があるという不利点を有する。このために、追加費用が必要になる。更に、2つの相互に連結された真空ポンプの外形が一致せず、従って一方の真空ポンプが他方の真空ポンプの外形を越えて突出することが多い。このため、相当な空間が必要になる。
【0006】
本発明は、最小限度の空間しか必要としない小型の真空ポンプシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、上記の目的は、請求項1に定義された特徴によって達成される。
【0008】
本発明の真空ポンプシステムは、少なくとも2つの真空ポンプを備えている。第1の場合には、第1の真空ポンプのポンプ出口が、流れ方向の下流側に配置された第2の真空ポンプのポンプ入口に流体連結で配置されている。この連結は出口フランジを入口フランジに連結することにより行われる。前記連結は、フランジによって直接行われることが好ましい。或いは、間接的な連結が管又は他の中間要素によって行われ得る。本発明では、両方のポンプハウジングで、少なくとも3つの連結部が力の伝達及び/又はモーメントの伝達のために相互に機械的に連結されている。本発明によれば、前記連結部の内の少なくとも2つがフランジとは無関係に設けられている。
【0009】
更に、第2の真空ポンプのポンプ入口が第1の真空ポンプのポンプ入口に連結され得る。このような実施形態では、互いに平行に配置された2つの同一の真空ポンプの内の一方の真空ポンプが他方の真空ポンプの吸込領域から流体を吸い込むように2つの真空ポンプが相互に連結されている。そのため、両方の真空ポンプが同一の動作条件下で動作する一方、他方の真空ポンプの吸込側の自由なフランジが、更なる真空ポンプ、任意には異なるタイプの真空ポンプをフランジ上に取り付けるために用いられ得る。フランジを直接的に連結する代わりに、前記同一の真空ポンプの両方の吸込領域が外部の管によって連結され得る。
【0010】
従って、第1の好ましい実施形態によれば、技術現状に応じて前記2つの相互に連結されたフランジによって第1の機械的な連結が行われ、そのため、入口フランジへの出口フランジの連結により、生じる力及び/又はモーメントの一部を伝達するための第1の連結部が構成される。更に、本発明によれば、少なくとも2つの更なる連結部が2つのポンプハウジング上に設けられている。この場合、前記2つの連結部は、好ましくは両方のポンプハウジング上に1つの連結要素を夫々有しており、好ましい実施形態によれば、連結箇所における2つの連結要素は相対向して配置されている。更に、前記少なくとも2つの更なる連結部では、力及び/又はモーメントが伝達される。前記フランジを介した2つの真空ポンプの直接的な連結と比較すると、少なくとも2つの更なる連結部を更に設けることにより、力及びモーメントの一部のみがフランジの連結部分によって吸収されればよいという利点がある。このため、言い換えるとフランジ自体があまり堅牢でなくてもよいという利点がある。特に、力及び/又はモーメントを有利に伝達するように、3つの連結部を互いに可能な限り大きな間隔を隔てて配置することが可能である。従って、特に好ましい実施形態によれば、少なくとも2つの連結部がフランジのフランジ面の外側に位置付けられている。つまり、少なくとも2つの連結部は、2つのフランジが互いに接して載置されねじ連結等によって任意に相互に連結されている面の外側に位置付けられている。前記連結部の内の少なくとも2つが規格によって定められているフランジのフランジ面の外側に配置されていることが好ましい。大きなフランジシステムでは、力及びモーメントを十分に分散するために1つの更なる連結部を設けるだけで十分である。
【0011】
前記フランジとは無関係に設けられた少なくとも2つの連結部は、動作中に生じる力及びモーメントの少なくとも25%、更に好ましくは40%を吸収して伝達することが可能であることが特に好ましい。それによって、ポンプ入口とポンプ入口に連結されているポンプ出口とにおけるフランジは、より小型で、従って対応してより安価な設計が可能になる。
【0012】
更なる好ましい実施形態によれば、フランジとは無関係に設けられた少なくとも3つの連結部が設けられている。特にこのため、入口フランジと出口フランジとを介した流体連結部分が、更に簡素に構成され得るという利点がある。特に、フランジの連結部分が実質的に流体連結としてのみ機能し、力がほとんど伝達されないように、フランジの連結部分を設計することが可能になる。このような設計は、フランジの連結部分が近づきにくい場合に特に有利である。本実施形態では、例えば、密閉機能のみがもたらされ、必要な場合には位置合せピン等によって位置決めが更に行われるように(例えば、センタリング・リングを用いてポンプハウジングを密閉するように)、ポンプ出口とポンプ入口との間のフランジの連結部分が設計され得る。このため、更に近づきやすい箇所で、2つの真空ポンプが機械的に連結され得るという利点がある。
【0013】
従って、本実施形態では、ポンプ出口及びポンプ入口は特に力を閉じ込めるような方法では相互に連結されていない。特に、ねじで連結された部分が設けられていない。
【0014】
連結要素は、対応する真空ポンプのポンプハウジング壁から外向きに突出する突出部として少なくとも部分的に形成されていることが特に好ましい。このような突出部は更に容易に近づくことが可能であり、特に容易に加工され得ることが有利である。そのため、特に突出部の接触面を容易に加工し、且つ突出部を可能な限り最も平坦な形状にすることが可能になる。この点に関して、2つの相対向する連結要素が、連結箇所で2つの平行な接触面を有することが好ましい。このようにして特に、真空ポンプシステムを組み立てた結果、張力が個々の真空ポンプのポンプハウジングに導入されることが回避される。更にこの点に関して、真空ポンプの少なくとも2つの、更に好ましくは全ての接触面が一面に配置されていることが特に好ましい。この面がフランジ接触面に相当することが好ましく、これは、フランジの連結部分が力及びモーメントを伝達するためにも機能する実施形態で特に好ましい。3つ以上の連結部を使用するとき、出口フランジのフランジ面と入口フランジのフランジ面とを約0.1 mmだけ離れて維持することが有利であり、密閉システムがこのような構成を可能にする場合、フランジは連結によるいかなる力又はモーメントも吸収する必要がない。従って、ポンプハウジングが連結による力によって変形し、結果としてポンプロータのための隙間が狭くなることが回避され得る。
【0015】
個々の連結部が保持要素を更に有していることが好ましい。保持要素は、真空ポンプシステムの個々の真空ポンプの機械的な連結を保護するために、例えばねじ、締付要素等を有している。個々の保持要素は、例えば連結要素を構成する前記突出部に一体化されている。例えば、相互に連結されるべき2つの真空ポンプの内の一方が円筒状の突出部を有しており、円筒状の突出部上に置かれた足状の突出部が第2のポンプハウジングに対して側方且つ外向きに延びるように保持要素が構成され得る。保持要素としてねじを使用することが可能であり、ねじは、上方の真空ポンプの足状の突出部を通って下方の真空ポンプの円筒状の突出部に締め付けられる。更に、別個の保持要素を設けることが可能であり、この場合、例えば相対向して互いに接して円筒状に配置されているが、相互に機械的に連結されていない2つの突出部が設けられる。鉤爪連結、アイレット連結等を用いて、真空ポンプの2つのポンプハウジングが、好ましくはポンプハウジングの側壁の外側で相互に連結され得る。
【0016】
更なる好ましい実施形態によれば、連結部の少なくとも1つの連結要素は、前記連結部で2つの連結要素の相互移動を可能にすべく構成されている。この場合、2つの連結要素の内の一方がレール状であり、そのため、前記連結部の第2の連結要素は、レール状の第1の連結要素内で移動可能であることが好ましい。特に好ましくは、2つの連結部は、2つの移動手段が互いに平行であるように構成されている。このため、例えば製造公差が容易に補償されることが可能で、組立工程による張力の発生が回避されるという利点がある。更にこのため、異なるサイズの真空ポンプを相互に連結することが可能になる。このようなレール状の連結要素を設けることにより、特に空間が狭い条件下での組立及び解体の工程が容易になる。前記レール状の連結要素が適切に構成されている場合、2つの真空ポンプの異なる熱膨張が補償され得る。
【0017】
更に、高さを均一にするために連結要素間にスペーサ要素を設けることが可能である。スペーサ要素を設けることにより、異なる真空ポンプを相互に連結することが可能になり、従って、モジュール式システムを構成することが可能になるので特に有利である。対応するスペーサ要素は剛性であっても弾性であってもよい。
【0018】
特に好ましい実施形態によれば、個々の連結要素がポンプハウジングの外壁の領域及び/又は支持フランジの領域に配置されているように個々の連結要素の位置が少なくとも部分的に選択されている。このため、力及び/又はモーメントがポンプハウジングに適切に導入され得ることが有利である。力及び/又はモーメントのポンプハウジングへの適切な導入により、導入された力及び/又はモーメントがポンプハウジングを可能な限り僅かしか変形させないことが保障される。これは、特にポンプハウジングと例えばロータのようなポンプ要素との間の可動空間が非常に狭いため特に有利である。
【0019】
本発明の更なる好ましい実施形態によれば、又は上述された実施形態の可能な変形例によれば、アダプタ要素が、連結されるべき2つの真空ポンプ間に設けられている。このため、例えば非常に異なる真空ポンプを相互に連結することが可能になる。特にこのため、別個の連結要素を備えていない真空ポンプが、複数の連結要素を備えた更なる真空ポンプに出口フランジを介して連結され得る。このために、アダプタ要素は少なくとも2つのアダプタ足部を有していることが好ましい。特に上方の真空ポンプのフランジが力及び/又はモーメントを吸収すべく十分な大きさを有する場合、上記のタイプの連結が可能である。言い換えると、フランジとは無関係に設けられた少なくとも2つの連結部が動作中に生じる力の少なくとも25%、好ましくは少なくとも40%を吸収して伝達するように下方の真空ポンプは応力を受ける。
【0020】
少なくとも2つの真空ポンプを備えた発明性がある真空ポンプシステムの上述された個々の実施形態は、入口フランジの位置及び出口フランジの位置と連結部の位置とを対応して適合させることによって、非常に小型の真空ポンプシステムが実現され得るという特有の利点を有する。特に、例えば2つの真空ポンプの内のより小型の真空ポンプがより大型の真空ポンプを越えないようにより小型の真空ポンプをより大型の真空ポンプの外形内に配置することが可能であるので、この真空ポンプシステムの構造上の長さが短い。特にルーツ式ポンプの場合には、出口フランジの位置が、少なくともある範囲内で軸方向に自由に選択され得る。従って、出口フランジの位置を対応して幾何学的に適合されることが可能であり、それ故、小型の真空ポンプシステムを構成するように真空ポンプの互いに対する位置が改善され得る。
【0021】
特に、個々の真空ポンプに連結要素を設けるという発明性により、様々な真空ポンプ、特には補助真空ポンプ及び高真空ポンプを備えたモジュール式システムを設けることが可能になる。様々な性能レベルの様々な真空ポンプは互いに簡単に組み合わせられることが可能であり、従って、性能範囲が非常に異なる真空ポンプシステムを実現することが容易に可能である。それによって、真空ポンプシステムの費用を非常に低く抑えることが可能になる。更に、本発明の様々な実施形態は、非常に堅牢な小型の真空ポンプシステムを更に可能にするという利点を有する。更に、組立工程が著しく単純化され得る。前記好ましいモジュール式システムによって、適応性を大きくすることが可能になり、拡張性があるモジュール式システムを実現することが可能になる。更に、言うまでもなく真空ポンプシステム内で3以上の真空ポンプを互いに組み合わせることが可能である。更に、力及び/又はモーメントを有利に伝達するため、真空ポンプシステム全体をクレーン又は床上コンベアシステム(例えばフォークリフト)を用いて運ぶことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】真空ポンプシステムの真空ポンプの一実施形態を示す平面図である。
【図2】真空ポンプシステムの真空ポンプの一実施形態を示す平面図である。
【図3】真空ポンプシステムの真空ポンプの一実施形態を示す平面図である。
【図4】真空ポンプシステムの真空ポンプの一実施形態を示す平面図である。
【図5】真空ポンプシステムの真空ポンプの一実施形態を示す平面図である。
【図6】図5の矢印VIの方向に見た拡大断面図である。
【図7】連結部の好ましい構成を示す概略平面図である。
【図8】図7の線VIIIに沿って示す概略断面図である。
【図9】連結部の好ましい実施形態を示す概略側面図である。
【図10】連結部の好ましい実施形態を示す概略側面図である。
【図11】真空ポンプシステムの実施形態を示す概略側面図である。
【図12】図11の矢印XII の方向に見た、図11に示された上方の真空ポンプの底面を示す図である。
【図13】フランジの連結部分の実施形態を示す概略断面図である。
【図14】アダプタ要素を備えた真空ポンプシステムの更なる実施形態を示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明を、添付図面を参照して以下に更に詳細に説明する。
【0024】
図1乃至5は夫々、例えばスクリュー式真空ポンプのような真空ポンプを示す非常に概略的な平面図である。夫々の真空ポンプのポンプハウジング11の上面10には、真空ポンプシステムの第2の真空ポンプ(不図示)が取り付けられ、(図示されている)第1の真空ポンプ12に連結される。図1乃至5に図示された全ての第1の真空ポンプ12では、上面10で入口フランジ14が、開口しているポンプ入口16を囲んでいる構成が図示されている。図示された実施形態では断面が四角形である前記入口フランジ14は、言うまでもなく円形であってもよい。図示された実施形態では、入口フランジ14は4つの締付孔18を有している。第1の真空ポンプ12に連結されるべき第2の真空ポンプの出口フランジ上の対応する締付孔であって入口フランジ14の締付孔18上に置かれた締付孔と協働して、2つの入口フランジ14及び出口フランジはねじによって互いに機械的に固定され得る。更に、図1乃至5に示された第1の真空ポンプ12は、側面にポンプ出口20を備えている。
【0025】
連結部を構成するために、図1に示された実施形態では、前記ポンプハウジング11の上面10から上向きに延びる6つの円筒状の連結要素22が設けられている。図6乃至10を参照して説明されるように、これらの円筒状且つ円柱状の連結要素22によって、第1の真空ポンプが様々な連結手段を使用して第2の、つまり上方の真空ポンプに連結され得る。図1に示された実施形態では、6つまでの連結部を構成するために、フランジとは無関係に設けられた6つの連結要素22が前記入口フランジ14の外側に設けられている。従って、第1の真空ポンプ12と第1の真空ポンプ12の上方の第2の真空ポンプとは、前記連結部のみによって機械的に十分に連結され得る。このため、小さな力及び/又はモーメントのみが入口フランジ14を介して伝達される必要があるという利点がある。従って、特に堅牢に又は安定性をもたせて入口フランジ14を設計する必要がない。
【0026】
特に小型の真空ポンプでは、2つの連結要素22(図2)のみを設けるだけで十分である。従って、第1の真空ポンプと第1の真空ポンプの上方に配置された第2の真空ポンプとは、2つの連結要素22と入口フランジ14とによって連結される。
【0027】
更なる可能な実施形態によれば、フランジとは無関係に設けられた3つの連結部22(図3)が設けられている。従って、3つの連結要素22による3点の連結箇所が存在する。本実施形態では、入口フランジ14は力及び/又はモーメントを吸収可能である必要がない。
【0028】
図1乃至3に図示された実施形態では、個々の円筒状の連結要素22が、締付ねじを受けるためのねじ付孔24を有している。これらの実施形態でも、図7乃至10を参照して以下に説明されるように、2つの真空ポンプが様々な手段で連結され得る。
【0029】
このような1つの代替的な連結が図4に概略的に示されている。本実施形態では、連結が連結要素22によって行なわれていない。ここでは、連結要素22は円筒状であり、平面26を有しており、平面26は、第1の真空ポンプ12の上方に配置された真空ポンプの円筒状の足状要素を置くために設けられており、該足状要素は、例えば連結要素22に相当する。従って、本実施形態では、連結要素22は、機械的に固定される連結のためではなく、支持のためだけに機能する。機械的な連結は、別個の保持要素28によって行なわれる。図示された実施形態では、連結要素22毎に、1つの保持要素28がポンプハウジングの外壁30に夫々配置されている。これらの保持要素28はU字状の凹部を有する突出部として設計されており、従って、ねじ山付棒等を使用することによって第2の真空ポンプに設けられた対応する保持要素への取付が可能になる(この点に関して、以下に説明される図9参照)。
【0030】
更なる好ましい実施形態(図5)によれば、レール状の連結要素32が前記円筒状の連結要素22の代わりに設けられている。連結要素32は、断面が矩形であり、下方の第1の真空ポンプ12のポンプハウジングに固定して連結されるレール33を有している。ポンプハウジングの長手方向39に移動するために、上方の真空ポンプのポンプハウジングに固定して連結されたキャリッジ37が前記レール33上に導かれる。調整のために、案内部材33a が側方に更に設けられ得る。案内部材33a によって、上方の真空ポンプは下方の真空ポンプに対して容易に調整され得る。特にこのようにして、張力が組立工程により入口フランジ14に導入され得ないことが保障される。2つの真空ポンプを機械的に連結するために、本実施形態でも、下方の真空ポンプの外壁30と上方の真空ポンプ(不図示)の外壁とに保持要素28が設けられている。
【0031】
真空ポンプシステムの2以上の真空ポンプは、図7乃至10を参照して以下に説明される方法で連結され得る。
【0032】
連結部34の第1の実施形態(図7及び8)では、下方の真空ポンプ12の上面10に円筒状の連結要素22が設けられている。上方の真空ポンプのポンプハウジング36はアイレット状の突出部である連結要素38を側方に有している。該連結要素38は、連結要素22の上面である平面26に連結要素38の下面で支持されている。更に、前記上方の真空ポンプのポンプハウジング36の前記連結要素38は、下方の連結要素22のねじ付孔24と位置合わせされた孔40を有している。従って、固定は、図7に示されていないねじ42(図8)によって行われ得る。
【0033】
更に、2つのつまみ状の連結要素38(図9)を相互に連結することにより連結部34を実現することが可能である。図9に示された実施形態では、2つのつまみ状の連結要素38は互いに直接接しておらず、中間のスペーサ要素44が設けられている。該スペーサ要素44は剛性であっても弾性であってもよい。連結要素の構成に応じて、スペーサ要素44は省略され得る。
【0034】
好ましくはポンプハウジング11,36 の外壁に配置された2つのつまみ状の連結要素38は、更に保持要素として機能し得る。従って、これらの保持要素は、前記保持要素28(図4及び5)に関して上述されているように、2つの真空ポンプの実質的に機械的な連結を行う。更に、連結要素が設けられており、連結要素上で2つの真空ポンプが上下に接しているが、機械的に連結されていない。これらの連結要素は、例えば図4及び5を参照して既に説明されているように設計され得る。
【0035】
更に、連結部34が図10に図示されているように設計され得る。任意にはこの場合、スペーサ要素44が、つまみ状の連結要素38と円筒状の連結要素22との間に配置されており、前記つまみ状の連結要素38と円筒状の連結要素22とは、ここでもねじ42によって互いに固定されている。
【0036】
図11は、本発明に係る真空ポンプシステムの実施形態を示す側面図である。この真空ポンプシステムでは、下方の第1の真空ポンプ12が例えばスクリュー式真空ポンプの形態で設けられている。上方の第2の真空ポンプ35が、ルーツ式ポンプの形態で設けられている。2つの第1及び第2の真空ポンプ12,35 は、真空ポンプシステムの最も小型の設計が可能になるように相互に調整して連結されている。特に、側面図で見たとき、上方の第2の真空ポンプ35は下方の第1の真空ポンプ12よりも側方に突出していない。図11の右側に図示されているように、2つの第1及び第2の真空ポンプ12,35 は、一列に配置された2つの連結部34により連結されている。これらの連結部34は、図9又は図10に図示されているように設計されており、スペーサ要素44が高さを調整するために設けられている。ここでも一列に配置された2つの更なる連結部34が、図11の左側に設けられており、これらの連結部34は図7及び8に示されているように設計されている。この場合、スペーサ要素が設けられていない。
【0037】
従って、前記ルーツ式ポンプ35の底面図(図12)には、4つの連結部34の4つの連結要素38が図示されている。この底面図には、下方の第1の真空ポンプ12の入口フランジ14に連結された出口フランジ46が示されている。入口フランジ14への出口フランジ46の連結は、このために設けられた対応する孔18内のねじによって行われ得る。しかしながら、前記入口フランジ14及び出口フランジ46を介して力及び/又はモーメントを伝達することが全く必要ないので、対応する密閉要素を用いた単なる流体連結を行うことも可能である。この方法には、近づきにくい入口フランジ14及び出口フランジ46上で、ねじによる取付が行われる必要がないという利点がある。
【0038】
2つの入口フランジ14及び出口フランジ46の連結部分が、図13に一例として図示されている。このようなフランジの連結部分では、力及び/又はモーメントが2つの入口フランジ14及び出口フランジ46間ではほとんど伝達されない。このような連結は、2つの入口フランジ14及び出口フランジ46間の単なる流体連結である。このために、入口フランジ14は、下方の第1の真空ポンプ12のポンプ入口16を囲む環状溝48を有している。該環状溝48上に密閉要素52が配置されており、上方の出口フランジ46に対する密閉効果をもたらす。2つのポンプハウジング11,36 は、連結部34でねじ42によって相互に連結され、互いに位置合わせされる。従って、2つのポンプハウジング11,36 の位置合わせは位置合せピンによっても行われ得る。
【0039】
真空ポンプシステムの更なる実施形態によれば、上方の第2の真空ポンプ56(図14)が、第2の真空ポンプ56の出口フランジ46によってのみ下方の第1の真空ポンプ12に固定されている。生じる力及び/又はモーメントを適切に受けるために、出口フランジ46は、入口フランジ14に直接連結されていない。代わりに、アダプタ要素58が設けられている。該アダプタ要素58は、2つの入口フランジ14及び出口フランジ46間の機械的且つ流体的な連結を実現するように構成されており、更にアダプタ要素58は2つのアダプタ足部60を有している。従って、平面図で見たとき、アダプタ足部60が前後に配置されるように、図示する実施形態のアダプタ要素58は略Y字状である。2つのアダプタ足部60は下方の第1の真空ポンプ12の連結要素22に連結されており、本発明によれば、この連結は、本明細書で様々な例で説明されたように行われ得る。
【0040】
場合によって重量が重い上方の真空ポンプを下方の真空ポンプのポンプハウジングに取り付け、且つ好ましくは力及びモーメントを伝達することなく上方の真空ポンプを下方の真空ポンプのポンプハウジングに取り付けるために、アダプタ要素58が4つの連結部22上にX字状の構成で固定されることが可能で、且つ下方の真空ポンプ12の入口フランジ14がほとんど応力を受け続けないように前記アダプタ要素58を設計することが特に有利である。
【0041】
言うまでもなく、本発明の真空ポンプシステムは、2つの真空ポンプだけでなく3つ以上の真空ポンプを備えてもよい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、相互に連結された複数の真空ポンプを備えた真空ポンプシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
上記のタイプの真空ポンプシステムは、通常直列に配置された2以上の真空ポンプを備えている。従って、搬送される媒体、通常気体が、第1の真空ポンプによって該第1の真空ポンプの入口を通って吸い込まれ、その後、第1の真空ポンプの出口を通って隣り合った第2の真空ポンプに搬送される。通常、2つの真空ポンプを備えたシステムでは、第2の真空ポンプは、大気圧に対抗する搬送処理を行なう。任意には、複数の真空ポンプを直列に、又は部分的に並列にも配置することが可能であり、通常、搬送方向における最後の真空ポンプは大気圧に対抗する圧縮処理を行う。このような配置では、大気圧に対抗する圧縮処理のための補助真空ポンプは、回転翼式真空ポンプ、スライドベーン式真空ポンプ、クロー式真空ポンプ、多段ルーツ式真空ポンプ及びスクリュー式真空ポンプの形態で設けられることが多い。このような真空ポンプシステムでは、搬送方向における第1の真空ポンプが、入口で最も低い圧力を生じさせ、ルーツ式ポンプとして設けられることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/185929号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
公知の真空ポンプシステムは、支持ラック又は枠体を備えており、支持ラック又は枠体に個々の真空ポンプが配置されている。真空ポンプは、例えばポンプハウジングに設けられた足部を用いて前記支持ラックに取り付けられ得る。その後、真空ポンプの入口と出口とが、剛性若しくは可撓性の管により、又は特殊なアダプタにより相互に連結される。真空ポンプの動作中に生じる重量による力及び気体による力の大部分が前記支持ラックによって吸収される。このような真空ポンプシステムでは、支持ラックは、フォークリフトを使用することによって、つまり下方から、又はクレーンアイレットを用いてクレーンを使用することによって持上げられ移動させられ得る。一方で、個々の真空ポンプを支持するためのラックを備えたこのような真空ポンプシステムは、ほとんどの場合、個々の真空ポンプは互いに関係なく交換され得るという利点を有する。しかしながら、このような真空ポンプシステムの本質的な不利点は、ラックのために相当な空間を必要とすることにある。更に、ラックも必要な連結要素も追加費用が必要である。
【0005】
別のタイプの公知の真空ポンプシステムでは、真空ポンプ、通常2つの真空ポンプは相互に直接連結されている。この場合、個別のラックが設けられていない。2つの真空ポンプの連結は、第1の真空ポンプの出口フランジを第2の真空ポンプの入口フランジに直接又はアダプタを介して連結することにより行われる。この実施形態では、動作中に生じる重量による力及び気体による力がフランジによって吸収されて、ポンプハウジングに伝達される必要がある。この場合、真空ポンプシステムを運んでいる間にフランジがかなりの応力を受けて損傷する可能性が高いので、真空ポンプシステムを運ぶためにクレーンアイレットを設けることが通常不可能である。更に、入口フランジと出口フランジとを介した2つの真空ポンプの連結には、相当する力を吸収して伝達すべく、まず第一に構造体を組み立てるために、フランジ及びアダプタは夫々相当な剛性を有し、ねじ連結のために自由な領域を有する必要があるという不利点を有する。このために、追加費用が必要になる。更に、2つの相互に連結された真空ポンプの外形が一致せず、従って一方の真空ポンプが他方の真空ポンプの外形を越えて突出することが多い。このため、相当な空間が必要になる。
【0006】
本発明は、最小限度の空間しか必要としない小型の真空ポンプシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、上記の目的は、請求項1に定義された特徴によって達成される。
【0008】
本発明の真空ポンプシステムは、少なくとも2つの真空ポンプを備えている。第1の場合には、第1の真空ポンプのポンプ出口が、流れ方向の下流側に配置された第2の真空ポンプのポンプ入口に流体連結で配置されている。この連結は出口フランジを入口フランジに連結することにより行われる。前記連結は、フランジによって直接行われることが好ましい。或いは、間接的な連結が管又は他の中間要素によって行われ得る。本発明では、両方のポンプハウジングで、少なくとも3つの連結部が力の伝達及び/又はモーメントの伝達のために相互に機械的に連結されている。本発明によれば、前記連結部の内の少なくとも2つがフランジとは無関係に設けられている。
【0009】
更に、第2の真空ポンプのポンプ入口が第1の真空ポンプのポンプ入口に連結され得る。このような実施形態では、互いに平行に配置された2つの同一の真空ポンプの内の一方の真空ポンプが他方の真空ポンプの吸込領域から流体を吸い込むように2つの真空ポンプが相互に連結されている。そのため、両方の真空ポンプが同一の動作条件下で動作する一方、他方の真空ポンプの吸込側の自由なフランジが、更なる真空ポンプ、任意には異なるタイプの真空ポンプをフランジ上に取り付けるために用いられ得る。フランジを直接的に連結する代わりに、前記同一の真空ポンプの両方の吸込領域が外部の管によって連結され得る。
【0010】
従って、第1の好ましい実施形態によれば、技術現状に応じて前記2つの相互に連結されたフランジによって第1の機械的な連結が行われ、そのため、入口フランジへの出口フランジの連結により、生じる力及び/又はモーメントの一部を伝達するための第1の連結部が構成される。更に、本発明によれば、少なくとも2つの更なる連結部が2つのポンプハウジング上に設けられている。この場合、前記2つの連結部は、好ましくは両方のポンプハウジング上に1つの連結要素を夫々有しており、好ましい実施形態によれば、連結箇所における2つの連結要素は相対向して配置されている。更に、前記少なくとも2つの更なる連結部では、力及び/又はモーメントが伝達される。前記フランジを介した2つの真空ポンプの直接的な連結と比較すると、少なくとも2つの更なる連結部を更に設けることにより、力及びモーメントの一部のみがフランジの連結部分によって吸収されればよいという利点がある。このため、言い換えるとフランジ自体があまり堅牢でなくてもよいという利点がある。特に、力及び/又はモーメントを有利に伝達するように、3つの連結部を互いに可能な限り大きな間隔を隔てて配置することが可能である。従って、特に好ましい実施形態によれば、少なくとも2つの連結部がフランジのフランジ面の外側に位置付けられている。つまり、少なくとも2つの連結部は、2つのフランジが互いに接して載置されねじ連結等によって任意に相互に連結されている面の外側に位置付けられている。前記連結部の内の少なくとも2つが規格によって定められているフランジのフランジ面の外側に配置されていることが好ましい。大きなフランジシステムでは、力及びモーメントを十分に分散するために1つの更なる連結部を設けるだけで十分である。
【0011】
前記フランジとは無関係に設けられた少なくとも2つの連結部は、動作中に生じる力及びモーメントの少なくとも25%、更に好ましくは40%を吸収して伝達することが可能であることが特に好ましい。それによって、ポンプ入口とポンプ入口に連結されているポンプ出口とにおけるフランジは、より小型で、従って対応してより安価な設計が可能になる。
【0012】
更なる好ましい実施形態によれば、フランジとは無関係に設けられた少なくとも3つの連結部が設けられている。特にこのため、入口フランジと出口フランジとを介した流体連結部分が、更に簡素に構成され得るという利点がある。特に、フランジの連結部分が実質的に流体連結としてのみ機能し、力がほとんど伝達されないように、フランジの連結部分を設計することが可能になる。このような設計は、フランジの連結部分が近づきにくい場合に特に有利である。本実施形態では、例えば、密閉機能のみがもたらされ、必要な場合には位置合せピン等によって位置決めが更に行われるように(例えば、センタリング・リングを用いてポンプハウジングを密閉するように)、ポンプ出口とポンプ入口との間のフランジの連結部分が設計され得る。このため、更に近づきやすい箇所で、2つの真空ポンプが機械的に連結され得るという利点がある。
【0013】
従って、本実施形態では、ポンプ出口及びポンプ入口は特に力を閉じ込めるような方法では相互に連結されていない。特に、ねじで連結された部分が設けられていない。
【0014】
連結要素は、対応する真空ポンプのポンプハウジング壁から外向きに突出する突出部として少なくとも部分的に形成されていることが特に好ましい。このような突出部は更に容易に近づくことが可能であり、特に容易に加工され得ることが有利である。そのため、特に突出部の接触面を容易に加工し、且つ突出部を可能な限り最も平坦な形状にすることが可能になる。この点に関して、2つの相対向する連結要素が、連結箇所で2つの平行な接触面を有することが好ましい。このようにして特に、真空ポンプシステムを組み立てた結果、張力が個々の真空ポンプのポンプハウジングに導入されることが回避される。更にこの点に関して、真空ポンプの少なくとも2つの、更に好ましくは全ての接触面が一面に配置されていることが特に好ましい。この面がフランジ接触面に相当することが好ましく、これは、フランジの連結部分が力及びモーメントを伝達するためにも機能する実施形態で特に好ましい。3つ以上の連結部を使用するとき、出口フランジのフランジ面と入口フランジのフランジ面とを約0.1 mmだけ離れて維持することが有利であり、密閉システムがこのような構成を可能にする場合、フランジは連結によるいかなる力又はモーメントも吸収する必要がない。従って、ポンプハウジングが連結による力によって変形し、結果としてポンプロータのための隙間が狭くなることが回避され得る。
【0015】
個々の連結部が保持要素を更に有していることが好ましい。保持要素は、真空ポンプシステムの個々の真空ポンプの機械的な連結を保護するために、例えばねじ、締付要素等を有している。個々の保持要素は、例えば連結要素を構成する前記突出部に一体化されている。例えば、相互に連結されるべき2つの真空ポンプの内の一方が円筒状の突出部を有しており、円筒状の突出部上に置かれた足状の突出部が第2のポンプハウジングに対して側方且つ外向きに延びるように保持要素が構成され得る。保持要素としてねじを使用することが可能であり、ねじは、上方の真空ポンプの足状の突出部を通って下方の真空ポンプの円筒状の突出部に締め付けられる。更に、別個の保持要素を設けることが可能であり、この場合、例えば相対向して互いに接して円筒状に配置されているが、相互に機械的に連結されていない2つの突出部が設けられる。鉤爪連結、アイレット連結等を用いて、真空ポンプの2つのポンプハウジングが、好ましくはポンプハウジングの側壁の外側で相互に連結され得る。
【0016】
更なる好ましい実施形態によれば、連結部の少なくとも1つの連結要素は、前記連結部で2つの連結要素の相互移動を可能にすべく構成されている。この場合、2つの連結要素の内の一方がレール状であり、そのため、前記連結部の第2の連結要素は、レール状の第1の連結要素内で移動可能であることが好ましい。特に好ましくは、2つの連結部は、2つの移動手段が互いに平行であるように構成されている。このため、例えば製造公差が容易に補償されることが可能で、組立工程による張力の発生が回避されるという利点がある。更にこのため、異なるサイズの真空ポンプを相互に連結することが可能になる。このようなレール状の連結要素を設けることにより、特に空間が狭い条件下での組立及び解体の工程が容易になる。前記レール状の連結要素が適切に構成されている場合、2つの真空ポンプの異なる熱膨張が補償され得る。
【0017】
更に、高さを均一にするために連結要素間にスペーサ要素を設けることが可能である。スペーサ要素を設けることにより、異なる真空ポンプを相互に連結することが可能になり、従って、モジュール式システムを構成することが可能になるので特に有利である。対応するスペーサ要素は剛性であっても弾性であってもよい。
【0018】
特に好ましい実施形態によれば、個々の連結要素がポンプハウジングの外壁の領域及び/又は支持フランジの領域に配置されているように個々の連結要素の位置が少なくとも部分的に選択されている。このため、力及び/又はモーメントがポンプハウジングに適切に導入され得ることが有利である。力及び/又はモーメントのポンプハウジングへの適切な導入により、導入された力及び/又はモーメントがポンプハウジングを可能な限り僅かしか変形させないことが保障される。これは、特にポンプハウジングと例えばロータのようなポンプ要素との間の可動空間が非常に狭いため特に有利である。
【0019】
本発明の更なる好ましい実施形態によれば、又は上述された実施形態の可能な変形例によれば、アダプタ要素が、連結されるべき2つの真空ポンプ間に設けられている。このため、例えば非常に異なる真空ポンプを相互に連結することが可能になる。特にこのため、別個の連結要素を備えていない真空ポンプが、複数の連結要素を備えた更なる真空ポンプに出口フランジを介して連結され得る。このために、アダプタ要素は少なくとも2つのアダプタ足部を有していることが好ましい。特に上方の真空ポンプのフランジが力及び/又はモーメントを吸収すべく十分な大きさを有する場合、上記のタイプの連結が可能である。言い換えると、フランジとは無関係に設けられた少なくとも2つの連結部が動作中に生じる力の少なくとも25%、好ましくは少なくとも40%を吸収して伝達するように下方の真空ポンプは応力を受ける。
【0020】
少なくとも2つの真空ポンプを備えた発明性がある真空ポンプシステムの上述された個々の実施形態は、入口フランジの位置及び出口フランジの位置と連結部の位置とを対応して適合させることによって、非常に小型の真空ポンプシステムが実現され得るという特有の利点を有する。特に、例えば2つの真空ポンプの内のより小型の真空ポンプがより大型の真空ポンプを越えないようにより小型の真空ポンプをより大型の真空ポンプの外形内に配置することが可能であるので、この真空ポンプシステムの構造上の長さが短い。特にルーツ式ポンプの場合には、出口フランジの位置が、少なくともある範囲内で軸方向に自由に選択され得る。従って、出口フランジの位置を対応して幾何学的に適合されることが可能であり、それ故、小型の真空ポンプシステムを構成するように真空ポンプの互いに対する位置が改善され得る。
【0021】
特に、個々の真空ポンプに連結要素を設けるという発明性により、様々な真空ポンプ、特には補助真空ポンプ及び高真空ポンプを備えたモジュール式システムを設けることが可能になる。様々な性能レベルの様々な真空ポンプは互いに簡単に組み合わせられることが可能であり、従って、性能範囲が非常に異なる真空ポンプシステムを実現することが容易に可能である。それによって、真空ポンプシステムの費用を非常に低く抑えることが可能になる。更に、本発明の様々な実施形態は、非常に堅牢な小型の真空ポンプシステムを更に可能にするという利点を有する。更に、組立工程が著しく単純化され得る。前記好ましいモジュール式システムによって、適応性を大きくすることが可能になり、拡張性があるモジュール式システムを実現することが可能になる。更に、言うまでもなく真空ポンプシステム内で3以上の真空ポンプを互いに組み合わせることが可能である。更に、力及び/又はモーメントを有利に伝達するため、真空ポンプシステム全体をクレーン又は床上コンベアシステム(例えばフォークリフト)を用いて運ぶことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】真空ポンプシステムの真空ポンプの一実施形態を示す平面図である。
【図2】真空ポンプシステムの真空ポンプの一実施形態を示す平面図である。
【図3】真空ポンプシステムの真空ポンプの一実施形態を示す平面図である。
【図4】真空ポンプシステムの真空ポンプの一実施形態を示す平面図である。
【図5】真空ポンプシステムの真空ポンプの一実施形態を示す平面図である。
【図6】図5の矢印VIの方向に見た拡大断面図である。
【図7】連結部の好ましい構成を示す概略平面図である。
【図8】図7の線VIIIに沿って示す概略断面図である。
【図9】連結部の好ましい実施形態を示す概略側面図である。
【図10】連結部の好ましい実施形態を示す概略側面図である。
【図11】真空ポンプシステムの実施形態を示す概略側面図である。
【図12】図11の矢印XII の方向に見た、図11に示された上方の真空ポンプの底面を示す図である。
【図13】フランジの連結部分の実施形態を示す概略断面図である。
【図14】アダプタ要素を備えた真空ポンプシステムの更なる実施形態を示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明を、添付図面を参照して以下に更に詳細に説明する。
【0024】
図1乃至5は夫々、例えばスクリュー式真空ポンプのような真空ポンプを示す非常に概略的な平面図である。夫々の真空ポンプのポンプハウジング11の上面10には、真空ポンプシステムの第2の真空ポンプ(不図示)が取り付けられ、(図示されている)第1の真空ポンプ12に連結される。図1乃至5に図示された全ての第1の真空ポンプ12では、上面10で入口フランジ14が、開口しているポンプ入口16を囲んでいる構成が図示されている。図示された実施形態では断面が四角形である前記入口フランジ14は、言うまでもなく円形であってもよい。図示された実施形態では、入口フランジ14は4つの締付孔18を有している。第1の真空ポンプ12に連結されるべき第2の真空ポンプの出口フランジ上の対応する締付孔であって入口フランジ14の締付孔18上に置かれた締付孔と協働して、2つの入口フランジ14及び出口フランジはねじによって互いに機械的に固定され得る。更に、図1乃至5に示された第1の真空ポンプ12は、側面にポンプ出口20を備えている。
【0025】
連結部を構成するために、図1に示された実施形態では、前記ポンプハウジング11の上面10から上向きに延びる6つの円筒状の連結要素22が設けられている。図6乃至10を参照して説明されるように、これらの円筒状且つ円柱状の連結要素22によって、第1の真空ポンプが様々な連結手段を使用して第2の、つまり上方の真空ポンプに連結され得る。図1に示された実施形態では、6つまでの連結部を構成するために、フランジとは無関係に設けられた6つの連結要素22が前記入口フランジ14の外側に設けられている。従って、第1の真空ポンプ12と第1の真空ポンプ12の上方の第2の真空ポンプとは、前記連結部のみによって機械的に十分に連結され得る。このため、小さな力及び/又はモーメントのみが入口フランジ14を介して伝達される必要があるという利点がある。従って、特に堅牢に又は安定性をもたせて入口フランジ14を設計する必要がない。
【0026】
特に小型の真空ポンプでは、2つの連結要素22(図2)のみを設けるだけで十分である。従って、第1の真空ポンプと第1の真空ポンプの上方に配置された第2の真空ポンプとは、2つの連結要素22と入口フランジ14とによって連結される。
【0027】
更なる可能な実施形態によれば、フランジとは無関係に設けられた3つの連結部22(図3)が設けられている。従って、3つの連結要素22による3点の連結箇所が存在する。本実施形態では、入口フランジ14は力及び/又はモーメントを吸収可能である必要がない。
【0028】
図1乃至3に図示された実施形態では、個々の円筒状の連結要素22が、締付ねじを受けるためのねじ付孔24を有している。これらの実施形態でも、図7乃至10を参照して以下に説明されるように、2つの真空ポンプが様々な手段で連結され得る。
【0029】
このような1つの代替的な連結が図4に概略的に示されている。本実施形態では、連結が連結要素22によって行なわれていない。ここでは、連結要素22は円筒状であり、平面26を有しており、平面26は、第1の真空ポンプ12の上方に配置された真空ポンプの円筒状の足状要素を置くために設けられており、該足状要素は、例えば連結要素22に相当する。従って、本実施形態では、連結要素22は、機械的に固定される連結のためではなく、支持のためだけに機能する。機械的な連結は、別個の保持要素28によって行なわれる。図示された実施形態では、連結要素22毎に、1つの保持要素28がポンプハウジングの外壁30に夫々配置されている。これらの保持要素28はU字状の凹部を有する突出部として設計されており、従って、ねじ山付棒等を使用することによって第2の真空ポンプに設けられた対応する保持要素への取付が可能になる(この点に関して、以下に説明される図9参照)。
【0030】
更なる好ましい実施形態(図5)によれば、レール状の連結要素32が前記円筒状の連結要素22の代わりに設けられている。連結要素32は、断面が矩形であり、下方の第1の真空ポンプ12のポンプハウジングに固定して連結されるレール33を有している。ポンプハウジングの長手方向39に移動するために、上方の真空ポンプのポンプハウジングに固定して連結されたキャリッジ37が前記レール33上に導かれる。調整のために、案内部材33a が側方に更に設けられ得る。案内部材33a によって、上方の真空ポンプは下方の真空ポンプに対して容易に調整され得る。特にこのようにして、張力が組立工程により入口フランジ14に導入され得ないことが保障される。2つの真空ポンプを機械的に連結するために、本実施形態でも、下方の真空ポンプの外壁30と上方の真空ポンプ(不図示)の外壁とに保持要素28が設けられている。
【0031】
真空ポンプシステムの2以上の真空ポンプは、図7乃至10を参照して以下に説明される方法で連結され得る。
【0032】
連結部34の第1の実施形態(図7及び8)では、下方の真空ポンプ12の上面10に円筒状の連結要素22が設けられている。上方の真空ポンプのポンプハウジング36はアイレット状の突出部である連結要素38を側方に有している。該連結要素38は、連結要素22の上面である平面26に連結要素38の下面で支持されている。更に、前記上方の真空ポンプのポンプハウジング36の前記連結要素38は、下方の連結要素22のねじ付孔24と位置合わせされた孔40を有している。従って、固定は、図7に示されていないねじ42(図8)によって行われ得る。
【0033】
更に、2つのつまみ状の連結要素38(図9)を相互に連結することにより連結部34を実現することが可能である。図9に示された実施形態では、2つのつまみ状の連結要素38は互いに直接接しておらず、中間のスペーサ要素44が設けられている。該スペーサ要素44は剛性であっても弾性であってもよい。連結要素の構成に応じて、スペーサ要素44は省略され得る。
【0034】
好ましくはポンプハウジング11,36 の外壁に配置された2つのつまみ状の連結要素38は、更に保持要素として機能し得る。従って、これらの保持要素は、前記保持要素28(図4及び5)に関して上述されているように、2つの真空ポンプの実質的に機械的な連結を行う。更に、連結要素が設けられており、連結要素上で2つの真空ポンプが上下に接しているが、機械的に連結されていない。これらの連結要素は、例えば図4及び5を参照して既に説明されているように設計され得る。
【0035】
更に、連結部34が図10に図示されているように設計され得る。任意にはこの場合、スペーサ要素44が、つまみ状の連結要素38と円筒状の連結要素22との間に配置されており、前記つまみ状の連結要素38と円筒状の連結要素22とは、ここでもねじ42によって互いに固定されている。
【0036】
図11は、本発明に係る真空ポンプシステムの実施形態を示す側面図である。この真空ポンプシステムでは、下方の第1の真空ポンプ12が例えばスクリュー式真空ポンプの形態で設けられている。上方の第2の真空ポンプ35が、ルーツ式ポンプの形態で設けられている。2つの第1及び第2の真空ポンプ12,35 は、真空ポンプシステムの最も小型の設計が可能になるように相互に調整して連結されている。特に、側面図で見たとき、上方の第2の真空ポンプ35は下方の第1の真空ポンプ12よりも側方に突出していない。図11の右側に図示されているように、2つの第1及び第2の真空ポンプ12,35 は、一列に配置された2つの連結部34により連結されている。これらの連結部34は、図9又は図10に図示されているように設計されており、スペーサ要素44が高さを調整するために設けられている。ここでも一列に配置された2つの更なる連結部34が、図11の左側に設けられており、これらの連結部34は図7及び8に示されているように設計されている。この場合、スペーサ要素が設けられていない。
【0037】
従って、前記ルーツ式ポンプ35の底面図(図12)には、4つの連結部34の4つの連結要素38が図示されている。この底面図には、下方の第1の真空ポンプ12の入口フランジ14に連結された出口フランジ46が示されている。入口フランジ14への出口フランジ46の連結は、このために設けられた対応する孔18内のねじによって行われ得る。しかしながら、前記入口フランジ14及び出口フランジ46を介して力及び/又はモーメントを伝達することが全く必要ないので、対応する密閉要素を用いた単なる流体連結を行うことも可能である。この方法には、近づきにくい入口フランジ14及び出口フランジ46上で、ねじによる取付が行われる必要がないという利点がある。
【0038】
2つの入口フランジ14及び出口フランジ46の連結部分が、図13に一例として図示されている。このようなフランジの連結部分では、力及び/又はモーメントが2つの入口フランジ14及び出口フランジ46間ではほとんど伝達されない。このような連結は、2つの入口フランジ14及び出口フランジ46間の単なる流体連結である。このために、入口フランジ14は、下方の第1の真空ポンプ12のポンプ入口16を囲む環状溝48を有している。該環状溝48上に密閉要素52が配置されており、上方の出口フランジ46に対する密閉効果をもたらす。2つのポンプハウジング11,36 は、連結部34でねじ42によって相互に連結され、互いに位置合わせされる。従って、2つのポンプハウジング11,36 の位置合わせは位置合せピンによっても行われ得る。
【0039】
真空ポンプシステムの更なる実施形態によれば、上方の第2の真空ポンプ56(図14)が、第2の真空ポンプ56の出口フランジ46によってのみ下方の第1の真空ポンプ12に固定されている。生じる力及び/又はモーメントを適切に受けるために、出口フランジ46は、入口フランジ14に直接連結されていない。代わりに、アダプタ要素58が設けられている。該アダプタ要素58は、2つの入口フランジ14及び出口フランジ46間の機械的且つ流体的な連結を実現するように構成されており、更にアダプタ要素58は2つのアダプタ足部60を有している。従って、平面図で見たとき、アダプタ足部60が前後に配置されるように、図示する実施形態のアダプタ要素58は略Y字状である。2つのアダプタ足部60は下方の第1の真空ポンプ12の連結要素22に連結されており、本発明によれば、この連結は、本明細書で様々な例で説明されたように行われ得る。
【0040】
場合によって重量が重い上方の真空ポンプを下方の真空ポンプのポンプハウジングに取り付け、且つ好ましくは力及びモーメントを伝達することなく上方の真空ポンプを下方の真空ポンプのポンプハウジングに取り付けるために、アダプタ要素58が4つの連結部22上にX字状の構成で固定されることが可能で、且つ下方の真空ポンプ12の入口フランジ14がほとんど応力を受け続けないように前記アダプタ要素58を設計することが特に有利である。
【0041】
言うまでもなく、本発明の真空ポンプシステムは、2つの真空ポンプだけでなく3つ以上の真空ポンプを備えてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ入口(16)及びポンプ出口(20)を有する第1の真空ポンプ(12)と、
ポンプ入口及びポンプ出口(50)を有する第2の真空ポンプ(35)とを備えており、
該第2の真空ポンプ(35)のポンプ出口(50)及び/又はポンプ入口が、前記第1の真空ポンプのポンプ入口(16)にフランジ(14,46)によって流体的に連結されている真空ポンプシステムにおいて、
第1及び第2のポンプハウジング(11,36) が、力の伝達を可能にするように少なくとも3つの連結部(22,34,38; 14,46) で相互に機械的に連結されており、前記連結部(22,34,38)の内の少なくとも2つがフランジとは無関係に設けられていることを特徴とする真空ポンプシステム。
【請求項2】
前記連結部(22,34,38)は夫々、2つの相対向する連結要素(22,38) を有していることを特徴とする請求項1に記載の真空ポンプシステム。
【請求項3】
少なくとも2つの連結部(22,34,38)は、前記フランジのフランジ面の外側に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の真空ポンプシステム。
【請求項4】
フランジとは無関係に設けられた少なくとも2つの連結部(22,34,38)は協働して、動作中に生じる力及びモーメントの25%、好ましくは少なくとも40%を伝達可能であるように構成されているか又は配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の真空ポンプシステム。
【請求項5】
少なくとも3つの連結部(22,34,38)がフランジとは無関係に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の真空ポンプシステム。
【請求項6】
前記第1の真空ポンプのポンプ入口(16)は、略流体連結のみによって前記第2の真空ポンプのポンプ出口(50)に連結されていることを特徴とする請求項5に記載の真空ポンプシステム。
【請求項7】
前記第1の真空ポンプのポンプ入口(16)は、力を閉じ込める連結、特にはねじ連結無しで、前記第2の真空ポンプのポンプ出口(50)に連結されていることを特徴とする請求項6に記載の真空ポンプシステム。
【請求項8】
前記連結要素(22,38)は、ポンプハウジング壁(10,30) から延びる突出部を有していることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の真空ポンプシステム。
【請求項9】
前記連結部(22,34,38)の相対向して相互に連結された連結要素(22,38) が、2つの互いに平行な支持面(26)を有していることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の真空ポンプシステム。
【請求項10】
真空ポンプ(12,35)の少なくとも2つの前記連結要素(22,38) の支持面(26)は、一面に、好ましくはフランジ接触面に配置されていることを特徴とする請求項9に記載の真空ポンプシステム。
【請求項11】
前記連結部(22,34,38)は保持要素(28)を有しており、該保持要素(28)は、好ましくは突出部(22,38) と一体化されているか、又は別個に設けられていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の真空ポンプシステム。
【請求項12】
少なくとも1つの連結部(34)の連結要素(33,33a,37) は、相互移動可能であることを特徴とする請求項2乃至11のいずれかに記載の真空ポンプシステム。
【請求項13】
スペーサ要素(44)が、相対向する連結要素(22,38) 間の高低差、特には連結要素の接触面間の高低差を補償するために設けられていることを特徴とする請求項2乃至12のいずれかに記載の真空ポンプシステム。
【請求項14】
前記連結要素(22,38)は、ポンプハウジング壁(10,30) の領域及び/又は支持フランジの領域に少なくとも部分的に配置されていることを特徴とする請求項2乃至13のいずれかに記載の真空ポンプシステム。
【請求項15】
相対向していない連結要素(22,38;46,14)を連結するために、相互に連結された2つの真空ポンプ(12,56) 間に配置されたアダプタ要素(58)を更に備えており、
前記真空ポンプの内の一方(56)は、フランジとして形成された唯一の連結部(46)を任意には有していることを特徴とする請求項2乃至14のいずれかに記載の真空ポンプシステム。
【請求項16】
前記アダプタ要素(58)は、上方の真空ポンプ(56)の重量を受けるべく、少なくとも2つのアダプタ足部(60)を有していることを特徴とする請求項15に記載の真空ポンプシステム。
【請求項17】
前記フランジ(14)が好ましくは応力を受けない状態を維持するために、前記アダプタ要素(58)は、上方の真空ポンプ(56)の重量を受けるべく、少なくとも3つの、好ましくは4つのアダプタ足部(60)を有していることを特徴とする請求項15に記載の真空ポンプシステム。
【請求項18】
3つ以上の真空ポンプを備えていることを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載の真空ポンプシステム。
【請求項1】
ポンプ入口(16)及びポンプ出口(20)を有する第1の真空ポンプ(12)と、
ポンプ入口及びポンプ出口(50)を有する第2の真空ポンプ(35)とを備えており、
該第2の真空ポンプ(35)のポンプ出口(50)及び/又はポンプ入口が、前記第1の真空ポンプのポンプ入口(16)にフランジ(14,46)によって流体的に連結されている真空ポンプシステムにおいて、
第1及び第2のポンプハウジング(11,36) が、力の伝達を可能にするように少なくとも3つの連結部(22,34,38; 14,46) で相互に機械的に連結されており、前記連結部(22,34,38)の内の少なくとも2つがフランジとは無関係に設けられていることを特徴とする真空ポンプシステム。
【請求項2】
前記連結部(22,34,38)は夫々、2つの相対向する連結要素(22,38) を有していることを特徴とする請求項1に記載の真空ポンプシステム。
【請求項3】
少なくとも2つの連結部(22,34,38)は、前記フランジのフランジ面の外側に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の真空ポンプシステム。
【請求項4】
フランジとは無関係に設けられた少なくとも2つの連結部(22,34,38)は協働して、動作中に生じる力及びモーメントの25%、好ましくは少なくとも40%を伝達可能であるように構成されているか又は配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の真空ポンプシステム。
【請求項5】
少なくとも3つの連結部(22,34,38)がフランジとは無関係に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の真空ポンプシステム。
【請求項6】
前記第1の真空ポンプのポンプ入口(16)は、略流体連結のみによって前記第2の真空ポンプのポンプ出口(50)に連結されていることを特徴とする請求項5に記載の真空ポンプシステム。
【請求項7】
前記第1の真空ポンプのポンプ入口(16)は、力を閉じ込める連結、特にはねじ連結無しで、前記第2の真空ポンプのポンプ出口(50)に連結されていることを特徴とする請求項6に記載の真空ポンプシステム。
【請求項8】
前記連結要素(22,38)は、ポンプハウジング壁(10,30) から延びる突出部を有していることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の真空ポンプシステム。
【請求項9】
前記連結部(22,34,38)の相対向して相互に連結された連結要素(22,38) が、2つの互いに平行な支持面(26)を有していることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の真空ポンプシステム。
【請求項10】
真空ポンプ(12,35)の少なくとも2つの前記連結要素(22,38) の支持面(26)は、一面に、好ましくはフランジ接触面に配置されていることを特徴とする請求項9に記載の真空ポンプシステム。
【請求項11】
前記連結部(22,34,38)は保持要素(28)を有しており、該保持要素(28)は、好ましくは突出部(22,38) と一体化されているか、又は別個に設けられていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の真空ポンプシステム。
【請求項12】
少なくとも1つの連結部(34)の連結要素(33,33a,37) は、相互移動可能であることを特徴とする請求項2乃至11のいずれかに記載の真空ポンプシステム。
【請求項13】
スペーサ要素(44)が、相対向する連結要素(22,38) 間の高低差、特には連結要素の接触面間の高低差を補償するために設けられていることを特徴とする請求項2乃至12のいずれかに記載の真空ポンプシステム。
【請求項14】
前記連結要素(22,38)は、ポンプハウジング壁(10,30) の領域及び/又は支持フランジの領域に少なくとも部分的に配置されていることを特徴とする請求項2乃至13のいずれかに記載の真空ポンプシステム。
【請求項15】
相対向していない連結要素(22,38;46,14)を連結するために、相互に連結された2つの真空ポンプ(12,56) 間に配置されたアダプタ要素(58)を更に備えており、
前記真空ポンプの内の一方(56)は、フランジとして形成された唯一の連結部(46)を任意には有していることを特徴とする請求項2乃至14のいずれかに記載の真空ポンプシステム。
【請求項16】
前記アダプタ要素(58)は、上方の真空ポンプ(56)の重量を受けるべく、少なくとも2つのアダプタ足部(60)を有していることを特徴とする請求項15に記載の真空ポンプシステム。
【請求項17】
前記フランジ(14)が好ましくは応力を受けない状態を維持するために、前記アダプタ要素(58)は、上方の真空ポンプ(56)の重量を受けるべく、少なくとも3つの、好ましくは4つのアダプタ足部(60)を有していることを特徴とする請求項15に記載の真空ポンプシステム。
【請求項18】
3つ以上の真空ポンプを備えていることを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載の真空ポンプシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2013−501880(P2013−501880A)
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−524188(P2012−524188)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【国際出願番号】PCT/EP2010/061140
【国際公開番号】WO2011/018370
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(508206070)オーリコン レイボルド バキューム ゲーエムベーハー (43)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【国際出願番号】PCT/EP2010/061140
【国際公開番号】WO2011/018370
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(508206070)オーリコン レイボルド バキューム ゲーエムベーハー (43)
【Fターム(参考)】
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