説明

真空封止装置

【課題】チャンバ容器内を所望の圧力まで減圧することができ、その減圧状態で被封止材を密封することができる真空封止装置を提供する。
【解決手段】真空封止装置10は、真空ポンプ32によって内部を減圧可能なチャンバ容器12と、チャンバ容器12内にセットされた真空断熱材18の開口部24aを封止するシール装置14とを備え、シール装置14には、チャンバ容器12内で伸縮可能であると共に、その内側空間がチャンバ容器12外と連通されることで該チャンバ容器12の内外空間を気密に仕切るベローズ16a〜16cと、ベローズ16a〜16cの伸張方向で先端側に設けられ、ベローズ16a〜16cが伸張された場合に、チャンバ容器12内に設置された受け台54との間で前記開口部24aを押圧し挟持する押圧台44と、押圧台44及び受け台54の接触面44a、54aに設けられ、開口部24aを加熱して接合する加熱部56、58ヒータ62とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部を減圧したチャンバ容器内で被封止材の開口部を封止する真空封止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、冷蔵庫や自動販売機等のエネルギ効率を向上させるため、アルミ箔等の外被材の内側に発砲樹脂や繊維材等の芯材を減圧密封して形成した断熱材、いわゆる真空断熱材が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
通常、真空断熱材を製造する場合には、食品等の真空パックの製造等と略同様に、内部を減圧可能なチャンバ容器と、このチャンバ容器内で外被材の開口部を熱溶着によって封止するシール装置とを備えた真空封止装置が用いられる。すなわち、袋状に形成した外被材の内側に芯材を入れた被封止材をチャンバ容器内にセットして該チャンバ容器内を減圧し、その状態でシール装置を駆動して被封止材の開口部を封止することにより、外被材の内部に芯材を減圧封入することができる。
【0004】
この種の真空封入装置において、特許文献2には、チャンバ容器の壁面を外部から貫通して内部へと延びたロッドを有するシリンダ機構を用い、このロッドをチャンバ容器内で進動させることで、ロッド先端の押圧台とチャンバ容器内に設置された受け台との間で被封止材の開口部を押圧挟持し、これを加熱することにより開口部を熱溶着によってシールする真空封止装置が開示されている。また、特許文献3には、チャンバ容器内に押圧台を設置した空気袋を配置し、チャンバ容器外から空気を供給して空気袋を膨らませることで押圧台を押上げ、これと受け台との間で被封止材の開口部を押圧挟持して加熱する真空封止装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−118718号公報
【特許文献2】特許第3535954号
【特許文献3】特許第3883451号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記のような真空断熱材は、内部の真空度が断熱性能の優劣に大きく影響するため、真空封止装置のチャンバ容器内を十分な真空度まで減圧した状態で開口部をシールする必要があり、例えば、容器内部の圧力を1Pa程度まで減圧することが望まれる。勿論、このような低圧までチャンバ容器内、つまり被封止材の内部を減圧することは、食品等の分野においてもその保存期間の長期化等に繋がるため有効である。
【0007】
ところが、上記特許文献2の装置の場合、シリンダ機構のロッドとチャンバ容器の壁面との間をOリングでシールし、これによりチャンバ容器内外での気密状態を維持しようとしている。このため、上記のようにチャンバ容器内が1Pa程度となるような真空状態では、Oリングでは十分なシール性が得られずにガスリークを生じ、チャンバ容器内を所望の圧力まで減圧し、その減圧状態を維持することが難しい。また、上記特許文献3の装置においてチャンバ容器内を1Pa程度まで減圧した場合には、例えばゴム等によって形成される空気袋にひび割れを生じたり、空気袋自体の壁面の微細な気孔をガスが通過したりする可能性が考えられる。
【0008】
本発明は、上記従来技術の課題を考慮してなされたものであり、チャンバ容器内を所望の圧力まで減圧することができ、その減圧状態で被封止材を密封することができる真空封止装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る真空封止装置は、真空ポンプによって内部を減圧可能なチャンバ容器と、該チャンバ容器内にセットされた被封止材の開口部を封止するシール装置とを備える真空封止装置であって、前記シール装置は、前記チャンバ容器内で伸縮可能であると共に、その内側空間が前記チャンバ容器外と連通されることで該チャンバ容器の内外空間を気密に仕切るベローズと、前記ベローズの伸張方向で先端側に設けられ、前記ベローズが伸張された場合に、前記チャンバ容器内に設置された受け台との間で前記被封止材の開口部を押圧し挟持する押圧台と、前記受け台及び前記押圧台のうち、少なくとも一方の前記被封止材への接触面に設けられ、前記開口部を加熱して接合する加熱部とを備えることを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、チャンバ容器の内外空間を気密に仕切り、且つ、押圧台を被封止材の開口部に押し付けて受け台との間で該開口部を挟持させる進退機構として、ベローズを用いたことにより、チャンバ容器でのガスリークを防止して所望の真空状態まで減圧することができると共に、この真空状態を維持しながら開口部を封止することができる。すなわち、前記進退機構としてベローズを用いたことにより、チャンバ容器内を、例えば1Pa程度の圧力まで減圧した場合であっても、チャンバ容器の内外空間の気密状態を当該ベローズによって確実に維持しながら、開口部を封止することができる。
【0011】
前記ベローズは、前記被封止材の開口部の長手方向に沿って複数並んで設置され、前記押圧台は、各ベローズの先端側を渡って延在する棒状部材とすると、例えば、封止対象である被封止材の開口部が長尺な場合であっても、コンパクトな外径からなるベローズを用いて長尺な開口部を安定して押圧し挟持することができ、装置を小型化することができる。
【0012】
前記ベローズの伸縮方向に沿って延在し、該ベローズの外側面に摺接可能に配置されるガイド部材を設けてもよい。すなわち、当該真空封止装置において、ベローズは、その外側空間が負圧となり、その内側空間が陽圧となるため、横揺れ等を生じながら伸張される可能性があるが、ガイド部材を設けてその外側面をガイドすることで、その伸縮動作を一層安定させることができる。
【0013】
前記真空ポンプに接続された減圧配管は、第1配管と第2配管とに分岐され、前記第1配管が第1開閉弁を介して前記チャンバ容器の内部空間に連通される一方、前記第2配管が第2開閉弁を介して前記ベローズの内側空間に連通され、前記第2配管には、前記ベローズの内側空間を大気開放するための大気開放配管が大気開放弁を介して接続されると、1台の真空ポンプでチャンバ容器内とベローズ内とを一挙に減圧することができる。さらに、真空引き後、第1開閉弁及び第2開閉弁を閉じてから、大気開放弁を開くことにより、油圧シリンダ等の機械的な駆動機構を用いず、ベローズの内側空間の圧力を上昇させることで、ベローズを伸張させることができる。
【0014】
前記ベローズが前記複数並んで設置されている場合に、前記第2配管は、前記ベローズの設置数分だけ分岐した複数の分岐配管によって各ベローズの内側空間へとそれぞれ連通されると、各ベローズの内側空間を分岐配管の分岐点で連通させることができるため、真空ポンプによる減圧時や大気開放配管による大気開放時に、各ベローズ間の圧力差を低減することができ、各ベローズの伸縮動作を揃えることができる。
【0015】
前記各ベローズの内側空間へと連通される各分岐配管のうち、少なくとも前記開口部の長手方向で両端側に配置された各ベローズへの各分岐配管は、その分岐点から各ベローズの内側空間までの長さが同一に設定されると、互いに協働して押圧台を上昇させるベローズのうち、少なくとも開口部(押圧台)の長手方向で両端側のベローズ内への大気導入時の差圧を抑えることができるため、押圧台を安定して進動させることができるようになる。
【0016】
前記第2配管又は前記大気開放配管には、流路容積を増大させたバッファ部が接続されてもよい。そうすると、大気開放配管から導入される大気をバッファ部で一旦緩衝させた後に、各分岐配管へと流入させることができるため、各ベローズの伸張動作をより安定して同期させることができる。
【0017】
前記被封止材は、外被材で芯材を包含すると共に、減圧封止して形成される真空断熱材であってもよい。すなわち、当該真空封止装置では、上記のように、チャンバ容器の内外空間を気密に仕切り、且つ、押圧台を被封止材の開口部に押し付けて受け台との間で挟持させる進退機構とし、ベローズを用いているため、チャンバ容器でのガスリークを防止し、所望の減圧状態を維持したまま、開口部の封止を円滑に行ことができる。このため、例えば1Pa程度の真空状態まで減圧した状態で安定して開口部を封止することができ、高品質な真空断熱材を製造することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、チャンバ容器の内外空間を気密に仕切り、且つ、押圧台を被封止材の開口部に押し付けて受け台との間で該開口部を挟持させる進退機構としてベローズを用いたことにより、チャンバ容器内を所望の真空状態まで減圧した場合であっても、この真空状態を維持しながら開口部を封止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る真空封止装置の全体構成図である。
【図2】図2は、図1中のII−II線に沿う断面図である。
【図3】図3は、図2に示す状態からベローズを収縮させた状態での断面図である。
【図4】図4は、チャンバ容器内にセットされた状態での真空断熱材の一端部近傍を拡大した側面断面図である。
【図5】図5は、ベローズ、ガイド部材及びストッパ部材の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る真空封止装置についてその好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態に係る真空封止装置10の全体構成図であり、側面断面図で示すチャンバ容器12内で、シール装置14のベローズ16a〜16cを伸張させた状態を示している。図2は、図1中のII−II線に沿う断面図であり、図3は、図2に示す状態からベローズ16a〜16cを収縮させた状態での断面図である。
【0022】
図1〜図3に示すように、本実施形態に係る真空封止装置10は、チャンバ容器12内を所望の真空状態まで減圧した後、このチャンバ容器12内にセットした被封止材の開口部をシール装置14で封止することにより、該被封止材の内部空間を所望の減圧状態で密封することができる装置である。以下、内部空間を減圧封止する被封止材として、冷蔵庫や自動販売機等の冷熱機器の断熱に好適に使用される真空断熱材18を用いる場合を例示して説明するが、真空封止装置10は真空断熱材以外の被封止材の減圧封止にも適用可能であることは勿論である。
【0023】
先ず、真空封止装置10の説明に先立ち、この真空封止装置10によって開口部を封止される真空断熱材18の具体的な構成例について、主に図4を参照して説明する。図4は、チャンバ容器12内にセットされた状態での真空断熱材18の一端部近傍を拡大した側面断面図である。
【0024】
図4に示すように、真空断熱材18は、それぞれ複数層で形成される2枚の外被材20a、20bの間に、ガラス繊維等の繊維材や発砲樹脂材等で形成された芯材22を入れ、該芯材22を囲繞する外被材20a、20bの外縁部24(図1及び図2も参照)を真空中で熱溶着することで内部を真空状態のまま密閉封止して形成されるものであり、公知の真空断熱材と同様な構成である。例えば、真空断熱材18は、長辺寸法(図1の左右方向)が1800mm程度、短辺寸法(図2の左右方向)が800mm程度、厚み(芯材22が配置された部分の板厚)が10mm程度で矩形の薄板形状として形成される。
【0025】
外被材20aは、3枚のシート状部材を積層して密着形成した3層構造のシート(フィルム)であり、図4に示すように、最外層の保護層26aと、中間層のガスバリア層28aと、最内層の熱溶着層30aとを有する。保護層26aには、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)やポリアミド系合成繊維(ナイロン)を厚み20μm〜100μm程度に形成した薄いシートが用いられる。ガスバリア層28aには、例えば、アルミ箔を厚み7μm〜10μm程度に形成した薄いシートが用いられる。熱溶着層30aには、例えば、ポリエチレンを厚み50μm〜150μm程度に形成した薄いシートが用いられる。
【0026】
なお、外被材20bは、上記の外被材20aと同一の構成でよく、保護層26a、ガスバリア層28a及び熱溶着層30aと同様な保護層26b、ガスバリア層28b及び熱溶着層30bを有する。勿論、外被材20a、20bは、異なる構造のものであってもよい。
【0027】
本実施形態の場合、真空断熱材18の外縁部24は、図1中で左側に示す一端部(短辺)に延在する開口部24a以外の3辺については、予め図示しないシール装置等によって封止されている。つまり、真空断熱材18は、開口部24a以外の3辺の外縁部24が封止された袋状の状態で当該真空封止装置10にセットされ、残り1辺の開口部24aが真空中で溶着封止される。
【0028】
次に、真空封止装置10の構成について説明する。
【0029】
図1〜図3に示すように、真空封止装置10は、内部空間を所定の真空度まで減圧可能な密閉容器であるチャンバ容器(真空チャンバ)12と、チャンバ容器12内で真空断熱材18の開口部24aを溶着封止するシール装置14と、チャンバ容器12の内部空間及びベローズ16a〜16cの内側空間を真空引きして減圧する真空ポンプ32と、真空ポンプ32と各部を接続する減圧配管(真空配管)34と、当該真空封止装置10の運転条件の設定や全体的な制御を行う制御盤36とを備える。
【0030】
チャンバ容器12は、全体として矩形扁平な箱状に形成されると共に、一端側(シール装置14側)に下方に突出した突出部12aが設けられ、内部空間を所定の圧力(例えば、10Pa以下、好ましくは1Pa程度)まで減圧可能な密閉容器である。チャンバ容器12内には、真空断熱材18を位置決め載置するための載置台38が設置されている(図1参照)。チャンバ容器12は、例えば天面を形成する蓋体12bを開閉可能に構成することで、真空断熱材18を載置台38上に容易にセットすることができる。
【0031】
シール装置14は、チャンバ容器12の突出部12aの底面から立脚し、チャンバ容器12内で上下方向に伸縮可能な3個のベローズ16a、16b、16cと(図2及び図3参照)、各ベローズ16a〜16cの上部フランジ40aの上面中央からそれぞれ突出する円柱状の支柱42と、各支柱42の上面を渡って連結され、各ベローズ16a〜16cの配列方向に延在する押圧台(押圧バー)44とを備える。各ベローズ16a〜16cの内側空間は、それぞれ分岐配管46a〜46cを介して真空ポンプ32へと連通されている。
【0032】
図2及び図3に示すように、ベローズ16a〜16cは、チャンバ容器12の突出部12aの底面に気密に固着された下部フランジ40bと、下端が下部フランジ40bに気密に固着された蛇腹管状の伸縮部48と、伸縮部48の上端と気密に固着されることで該伸縮部48の上部開口を閉塞する上部フランジ40aとから構成されている。ベローズ16a〜16cは、例えば、外径が200mm程度、内径が150mm程度、高さが100mm程度、伸縮ストロークが20mm程度に設定される。
【0033】
本実施形態では、ベローズ16a〜16cとして、伸縮部48に、波付プレスされた薄板リング状(ディスク状)の金属板を積層し、隣接する各層の金属板の内縁及び外縁を交互に溶接して繋ぎ合わせたもの、いわゆる溶接ベローズを用いている。溶接ベローズは、大きな伸縮量をコンパクトな構成で得ることができ、内外の圧力差に対する耐圧力性も高いという利点がある。勿論、当該真空封止装置10の使用条件等によっては、溶接ベローズに代えて、蛇腹管状の伸縮部を金属素材の成形で形成した成形ベローズを用いてもよい。
【0034】
ベローズ16a〜16cの底面には、下部フランジ40bから突出部12aの底面までを貫通する吸引口49a、49b、49cが設けられており、各吸引口49a〜49cに分岐配管46a〜46cが気密に接続されることにより、ベローズ16a〜16cの内側空間と分岐配管46a〜46cとが連通されている。
【0035】
従って、ベローズ16a〜16cは、その内外空間によってチャンバ容器12の内外空間を気密に仕切る伸縮可能な仕切り部材として設置されると共に、下部フランジ40bのみがチャンバ容器12の内面(突出部12aの底面)に固着されている。このため、ベローズ16a〜16cは、その内外空間を気密に仕切った状態のまま、チャンバ容器12内でフリー状態にある伸縮部48を伸縮させ、上部フランジ40aを上下動させることができる。本実施形態の場合、ベローズ16a〜16cの伸張動作は、その内外空間での圧力差(差圧)によって行われる。また、収縮動作は、ベローズ16a〜16c自体の自重や押圧台44の重量、又は内外空間での差圧によって行われる。
【0036】
図5は、ベローズ16b(16a、16c)の平面図であり、該ベローズ16bの上方に近接配置されるストッパ部材52の一部を2点鎖線で省略した図である。
【0037】
図1、図2及び図5に示すように、各ベローズ16a〜16cの外周部には、その周方向に沿って均等間隔で複数本(本実施形態では4本)のガイド部材50が立脚している。ガイド部材50は、各ベローズ16a〜16cの外側面(外周面)と摺接可能に近接配置され、ベローズ16a〜16cの軸方向(伸縮方向)に沿って延びたポールであり、ベローズ16a〜16cの伸縮時に生じる伸縮部48の広がりや横揺れ等を防止して、円滑な伸縮動作をサポートするものである。
【0038】
各ガイド部材50の上端には、各ガイド部材50をベローズ16a〜16cの周方向に渡って連結する薄板リング状のストッパ部材52が固着されている。図5に示す平面視で、ストッパ部材52は、各ベローズ16a〜16cの上部フランジ40a上面の外周縁部付近と重なる外形を有する。各ガイド部材50は、ベローズ16a〜16cの伸張方向での上限位置を規定するものであり、ベローズ16a〜16cが過度に伸張され、伸縮部48における溶接部等が破損することを防止するために、ベローズ16a〜16cが所定長伸張された場合にその上部フランジ40aに当接可能に設置されている(図1及び図2も参照)。
【0039】
押圧台44は、各ベローズ16a〜16cの上部、つまり伸張方向で先端側に渡って設置された矩形の棒状部材であり、チャンバ容器12の天面(蓋体12bの内面)に設けられた受け台54と対向している。押圧台44は、ベローズ16a〜16cの伸張動作に伴って上動し、対向配置された受け台54との間で、真空断熱材18の開口部24aを押圧し挟持するものである。
【0040】
押圧台44は、各ベローズ16a〜16cの配列方向、つまり真空断熱材18の開口部24aの延在方向に沿って延在しており、例えば、長辺寸法(図2の左右方向)が900mm程度、短辺寸法(図1の左右方向)が30mm程度、厚み(高さ方向)が50mm程度に設定される。略同様に、押圧台44と共に開口部24aを挟持する受け台54は、例えば、長辺寸法(図2の左右方向)が900mm程度、短辺寸法(図1の左右方向)が30mm程度に設定された段付きの棒状部材である。
【0041】
図4に示すように、押圧台44及び受け台54の各先端面、つまり開口部24aへの各接触面44a、54aには、両接触面44a、54a間で挟持した開口部24aを加熱するための加熱部56、58がそれぞれ設けられている。本実施形態の場合、両加熱部56、58は同一構造としており、押圧台44(受け台54)の長手方向に沿って延在するクッション材60と、クッション材60の外面に設けられたヒータ62とを有する。
【0042】
ヒータ62としては、例えば、図2の左右方向での長さが800mm程度、図1の左右方向での幅が20mm程度に設定された電気式のリボンヒータが用いられる。クッション材60は、押圧台44と受け台54との間でヒータ62が開口部24aと共に挟持された際に、該ヒータ62の破損を防止するための緩衝材であり、ヒータ62を敷設可能な外形に設定され、十分なクッション性を確保するために、その厚みを例えば2mm程度に設定したシリコーンゴム等を用いるとよい。勿論、ヒータ62の設置条件や押圧台44の駆動条件等によっては、クッション材60を省略可能である。
【0043】
図1及び図2に示すように、減圧配管34は、チャンバ容器12の内部空間と真空ポンプ32とを接続し、さらに、ベローズ16a〜16cの内側空間と真空ポンプ32とを接続する真空用管路である。
【0044】
減圧配管34は、チャンバ容器12から真空ポンプ32手前の分岐点(合流点)P1までを接続する第1配管34aと、ベローズ16a〜16cから分岐点P1までを接続する第2配管34bとを有し、第1配管34aと第2配管34bとが分岐点P1で合流した後、真空ポンプ32の吸引口に接続されている。これにより、チャンバ容器12内とベローズ16a〜16c内の減圧を1台の真空ポンプ32で同時に行うことができるため、コストを低減できると共に制御も容易となるが、第1配管34aと第2配管34bとを別々の真空ポンプに接続してもよいことは勿論である。
【0045】
図1に示すように、第1配管34aは、チャンバ容器12の側壁12cに貫通形成された吸引口64に気密に接続され、吸引口64の近傍にON・OFF式の電磁開閉弁(第1開閉弁)66を備えている。
【0046】
ここで、吸引口64が設けられる側壁12cは、載置台38にセットされた真空断熱材18の開口部24a側(封止側端部)とは反対側となる端部(封止済端部)に近接した位置にある。このような位置にある側壁12cに吸引口64を設けたことにより、真空断熱材18の開口部24aから最も遠い位置で且つその開口方向とは反対方向に向いた吸引口64からチャンバ容器12の内部空間を真空引きすることができる。このため、真空断熱材18内に粉状等で封入された芯材22が、減圧時に開口部24aから飛び出すことを可及的に低減することができる。すなわち、仮に吸引口64を開口部24aと対面する位置に設けた場合には、真空ポンプ32からの吸引力によって芯材22の粉末等が開口部24aから直接的に吸引され、第1配管34a内へと吸い込まれる可能性があるが、当該真空封止装置10では、この第1配管34aへの芯材22の吸い込みを可及的に抑制することができる。勿論、吸引口64の設置位置は適宜変更可能であり、例えば飛び出し等を生じにくい芯材22を用いた場合であれば、開口部24aに対面する位置に設けても勿論よい。
【0047】
第1配管34aの電磁開閉弁66と吸引口64との間には、流量調整弁(ニードルバルブ)68及びストップ弁70を介して大気開放されるチャンバ側大気開放配管72が接続されている。チャンバ側大気開放配管72は、ストップ弁70を開くことで、チャンバ容器12の内部空間を大気開放することができる管路であり、その開放速度を流量調整弁68によって適宜調整することができる。チャンバ側大気開放配管72は、第1配管34aに接続せず、チャンバ容器12の所定の外壁を貫通させて接続してもよい。
【0048】
第2配管34bは、真空ポンプ32からON・OFF式の電磁開閉弁(第2開閉弁)74を経た後、分岐点(合流点)P2で3本の分岐配管46a、46b、46cに分岐し、各分岐配管46a〜46cがそれぞれ各ベローズ16a〜16cの内側空間に連通する吸引口49a〜49cに接続されている。この際、図2から諒解されるように、真空断熱材18の開口部24a(押圧台44)の長手方向に3個並んだベローズ16a〜16cへの分岐配管46a〜46cのうち、両端側のベローズ16a、16cに接続される分岐配管46a、46cは、分岐点P2から吸引口49a、49cまでの流路長さ、換言すれば、分岐点P2からベローズ16a、16cの内部空間入口までの流路長さが同一(又は略同一)に設定されている。
【0049】
第2配管34bの電磁開閉弁74と分岐点P2との間には、流量調整弁(ニードルバルブ)78及びストップ弁(大気開放弁)80を介して大気開放されるベローズ側大気開放配管(大気開放配管)82が接続されている。ベローズ側大気開放配管82は、上記したチャンバ側大気開放配管72と同様に、ストップ弁80を開くことで、ベローズ16a〜16cの内側空間を大気開放することができる管路であり、その開放速度を流量調整弁78によって適宜調整することができる。
【0050】
真空封止装置10には、さらに、チャンバ容器12の内部圧力を検出するために該チャンバ容器12内に設置された圧力センサ84と、ベローズ16a〜16cの内側圧力を検出するためにベローズ側大気開放配管82の流量調整弁78と分岐点P2との間に設置された圧力センサ86とが備えられる。勿論、圧力センサ84、86の設置場所は、それぞれチャンバ容器12内とベローズ16a〜16c内の圧力を検出可能な場所であれば適宜変更可能である。
【0051】
制御盤36は、当該真空封止装置10の運転条件の設定や全体的な制御を行うために、図示しない入力手段や表示手段等を備えた制御装置であり、例えば、図1に破線で示すように、真空ポンプ32、電磁開閉弁66、74及び圧力センサ84、86が信号線によって接続される。制御盤36は、例えば、圧力センサ84、86による検出圧力に基づき、真空ポンプ32の駆動制御や電磁開閉弁66、74のON・OFF制御を行う。なお、当該真空封止装置10では、流量調整弁68、78及びストップ弁70、80は手動式のものを用いているが、これら流量調整弁68、78及びストップ弁70、80についても、制御盤36で駆動制御可能な電動式のものを用いてもよい。
【0052】
次に、以上のように構成される真空封止装置10を用いた真空断熱材18の真空封止方法の一例を説明する。
【0053】
先ず、大気中でチャンバ容器12の蓋体12bを開き、外縁部24のうち、一端の開口部24aのみが封止されていない袋状の真空断熱材18を載置台38上にセットし、蓋体12bを閉じてチャンバ容器12内を密閉する。この際、真空断熱材18の開口部24aは、図4に示されるように、押圧台44及び受け台54の間となる位置にセットされる。
【0054】
続いて、チャンバ側大気開放配管72及びベローズ側大気開放配管82のストップ弁70、80を閉じた状態とし、制御盤38の図示しない運転スイッチをONすることにより、予め制御盤38に設定しておいた設定圧力等の運転条件で真空封止装置10の運転を開始する。すなわち、制御盤38の制御下に、第1配管34aの電磁開閉弁66を開き、第2配管34bの電磁開閉弁74も開いた後、真空ポンプ32の運転を開始する。
【0055】
真空ポンプ32が運転されると、チャンバ容器12の内部空間及びベローズ16a〜16cの内側空間が次第に減圧される。そして、圧力センサ84、86による検出圧力が、予め設定しておいた設定圧力になったことが確認されると、制御盤38は、両電磁開閉弁66、74を閉じると共に、真空ポンプ32の運転を停止する。これにより、チャンバ容器12の内部空間及びベローズ16a〜16cの内側空間は、所望の圧力まで減圧された真空状態となり、真空断熱材18の内部もチャンバ容器12内と同じ真空状態となる。
【0056】
例えば、本実施形態のように、被封止材として真空断熱材18を真空封止する場合には、その断熱性能を十分に確保するため、チャンバ容器12内が10Pa以下、より好ましくは1Pa程度になるまで減圧するとよい。
【0057】
このようにチャンバ容器12内とベローズ16a〜16c内とが所望の真空状態まで減圧された状態では、ベローズ16a〜16cの内外空間、つまり、ベローズ16a〜16cの外側空間であるチャンバ容器12aの内部空間と、ベローズ16a〜16cの内側空間である伸縮部48の内部や第2配管34b(分岐配管46a〜46c)との間に圧力差はなく、例えば、両者共に1Pa程度になっている。このため、ベローズ16a〜16cはその自重及び押圧台44の重量等により、初期位置(自然長)まで収縮した状態にある(図3参照)。
【0058】
そこで、次に、流量調整弁78による流量調整下でストップ弁80を開くことにより、ベローズ側大気開放配管82を介してベローズ16a〜16cの内側空間を大気開放させる。これにより、ベローズ側大気開放配管82から、負圧状態にあるベローズ16a〜16cの内側空間及び電磁開閉弁74の下流側(真空ポンプ32側とは反対側)の第2配管34b(分岐配管46a〜46c)内へと、外部の空気が吸引される。
【0059】
そうすると、ベローズ16a〜16cは、その内側空間の圧力が次第に上昇するのに伴い、その内外差圧によって内側から圧力を受けて次第に伸張し、押圧台44を押し上げる。すなわち、ベローズ16a〜16cは、その外側空間が1Pa程度の真空状態にある一方、その内側空間が0.1MPa程度の大気圧状態へと次第に近づくことから、チャンバ容器12の底面に固着された下部フランジ40bを基準として伸縮部48が次第に伸張し、その上部に保持した押圧台44を押し上げる。
【0060】
最終的に、ベローズ16a〜16cの内側空間が大気圧と等しくなって安定すると、図2に示すように、ベローズ16a〜16cは押圧台44が真空断熱材18の開口部24aの下面側を押圧し、受け台54との間で開口部24aを強固に挟持した状態となり、その伸張が規制される。
【0061】
なお、ベローズ16a〜16cの上部フランジ40aをストッパ部材52によって受け止めることで、ベローズ16a〜16cの伸張を規制し、この状態で押圧台44が開口部24aを所望の圧力で押圧するように構成してもよい。また、このようなストッパ部材52を設けておくことで、開口部24aの過度の押圧を防止することができるだけでなく、開口部24aのセット位置がずれていて、押圧台44の上昇が規制できない場合であっても、ベローズ16a〜16cの上限の伸張長をストッパ部材52によって規制できるため、ベローズ16a〜16cが過度な伸張を受けて破損することを防止できる。
【0062】
開口部24aがその両面側から押圧台44と受け台54とによって強固に押圧され挟持された状態となると、続いて、加熱部56、58の各ヒータ62をONして、開口部24aを外面側(保護層26a、26b側)から加熱し、内側で互いに密着されている熱溶着層30a、30b間を熱溶着(高周波溶着)によって溶着させる。本実施形態では、上記のように熱溶着層30a、30bとしてポリエチレンを用いていることから、その融点(例えば、80℃〜100℃程度)以上の温度まで熱溶着層30a、30bを確実に加熱できるように、例えば、ヒータ62の表面温度を150℃程度に設定し、加熱状態を所定時間継続する。
【0063】
熱溶着層30a、30bの溶着が完了すると、次に、ヒータ62への通電を停止した状態でしばらく放置して溶着部を冷却することで、開口部24aの封止工程を完了する。
【0064】
続いて、流量調整弁68による流量調整下でストップ弁70を開くことにより、チャンバ側大気開放配管72を介してチャンバ容器12の内部空間を大気開放させた後、蓋体12bを開くことで、外被材20a、20b間に芯材22を所望の圧力で減圧密封した真空断熱材18を取り出すことができる。なお、この取り出し工程は、例えば、チャンバ側大気開放配管72を介してチャンバ容器12の内部空間を大気開放させる前に、ストップ弁80を閉じてベローズ側大気開放配管82を閉塞した後、電磁開放弁74を開き、真空ポンプ32を駆動してベローズ16a〜16cの内側空間を再度真空引きして当該ベローズ16a〜16cの内外空間での差圧をなくした後、ストップ弁70、80を開き、チャンバ容器12の内部空間とベローズ16a〜16cの内側空間とを同時に大気開放させるようにしてもよい。
【0065】
以上のように、本実施形態に係る真空封止装置10では、真空ポンプ32によって内部を減圧可能なチャンバ容器12と、チャンバ容器12内にセットされた被封止材(真空断熱材18)の開口部24aを封止するシール装置14とを備え、シール装置14に、チャンバ容器12内で伸縮可能であると共に、その内側空間が第2配管34b(分岐配管46a〜46c)によってチャンバ容器12外と連通されることで該チャンバ容器12の内外空間を気密に仕切るベローズ16a〜16cと、ベローズ16a〜16cの伸張方向で先端側に設けられ、ベローズ16a〜16cが伸張された場合に、チャンバ容器12内に設置された受け台54との間で開口部24aを押圧し挟持する押圧台44と、押圧台44及び受け台54の接触面44a、54aに設けられ、開口部24aを加熱・接合して封止する加熱部56、58とを備える。
【0066】
このように、真空封止装置10では、チャンバ容器12の内外空間を気密に仕切り、且つ、押圧台44を開口部24aに押し付けて受け台54との間で挟持させる進退機構として、ベローズ16a〜16cを用いたことにより、チャンバ容器12でのガスリークを防止し、所望の真空状態まで確実に減圧した後、その真空状態を維持したまま、開口部24aの封止作業を行ことができ、所望の真空状態を有する製品(例えば、真空断熱材18)を製造することができる。しかも、当該真空封止装置10では、前記進退機構としてベローズ16a〜16cを用いているため、チャンバ容器12内を10Pa以下、さらには1Pa程度の圧力まで減圧した場合であっても、上記従来技術のようにガスリークを生じることがなく、より高品質な真空断熱材18を製造することができる。
【0067】
この際、ベローズ16a〜16cでは、その外側空間が負圧(例えば、1Pa)となり、その内側空間が陽圧(例えば、大気圧)となるため、伸張時に横揺れ等を生じる懸念があるが、シール装置14では、ベローズ16a〜16cの伸縮方向に沿って延在し、その外側面に摺接可能なガイド部材50を設けたことにより、ベローズ16a〜16cの横揺れや破損を防止することができる。
【0068】
ところで、平面視で円形状に形成されるベローズを1個のみ用い、例えば、長さ800mm以上で幅30mm程度に構成された長尺な押圧台44を駆動しようとした場合には、当該ベローズが過度に大径化され、チャンバ容器12を大型化する必要がある。これに対して、当該真空封止装置10では、真空断熱材18の開口部24aの長手方向に沿って複数(3個)のベローズ16a〜16cを並べて設置し、各ベローズ16a〜16cの先端側(上部)を渡って延在する棒状の押圧台44を設けているため、各ベローズ16a〜16cにコンパクトな外形のものを用いることができ、特に図1での左右方向の寸法を抑えて装置を小型化することができる。なお、平面視で楕円状や矩形状のベローズを用いれば、ベローズ16a〜16cに代えて、1個又は2個のベローズでも長尺な開口部24aに十分対応することができる。すなわち、ベローズの設置数は、当該ベローズの構造や開口部24aの寸法、チャンバ容器12の構造等によって適宜変更可能である。
【0069】
減圧配管34のうち、シール装置14を駆動する第2配管34bは、ベローズ16a〜16cの設置数分だけ分岐した複数(本実施形態では3本)の分岐配管46a〜46cによって各ベローズ16a〜16cの内側空間へとそれぞれ連通されている。このため、各ベローズ16a〜16cの内側空間を分岐点P2で連通させることができるため、真空ポンプ32による減圧時や、ベローズ側大気開放配管82による大気開放時に、各ベローズ16a〜16c相互間での圧力差を低減することができ、1つの押圧台44を協働して支持・駆動する各ベローズ16a〜16cの伸縮動作を揃えることができる。
【0070】
この際、上記のように、各分岐配管46a〜46cのうち、開口部24aの長手方向で両端側に配置されたベローズ16a、16cへの分岐配管46a、46cについて、その流路断面積を等しくし、さらに分岐点P2から両ベローズ16a、16cの内側空間までの長さを同一又は略同一に設定しておくことが好ましい。そうすると、互いに協働して押圧台44を上昇させるベローズ46a〜46cのうち、押圧台44(開口部24a)の長手方向で両端側のベローズ46a、46c内への大気導入時の差圧を一層確実に抑えることが可能となり、押圧台44を安定して上昇させることが可能となる。すなわち、本実施形態では、3個のベローズ16a〜16cを一列に並べているため、その両端にあるベローズ16a、16cの伸縮動作を可及的に同期させることができれば、真ん中のベローズ16bの伸縮動作が多少ずれたとしても、押圧台44の上下動を十分に安定させることができ、4個以上のベローズを用いた場合にも略同様に構成するとよい。
【0071】
なお、図2中に2点鎖線で示すように、例えば、分岐配管46a〜46cの分岐点P2を含む位置に、流路容積を大幅に増大させるバッファ部90を接続してもよい。このバッファ部90を設けることにより、ベローズ側大気開放配管82から導入される大気が、一旦バッファ部90によって緩衝された後に、各分岐配管46a〜46cへと流入されるため、各ベローズ16a〜16cの伸張動作をより安定して同期させることができる。勿論、バッファ部90は、分岐点P2を含む位置以外に接続してもよく、例えば、ベローズ側大気開放配管82に接続してもよい。
【0072】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
【0073】
例えば、上記実施形態では、被封止材としての真空断熱材18の一端部にのみ開口部24aが形成されており、この開口部24aのみを封止する構成を例示したが、例えば、シール装置14を2台以上設置して、又は押圧台44の形状を変更して、被封止材の2以上の開口部を同時に又は連続的に封止するように構成してもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、押圧台44及び受け台54の両方に加熱部56、58をそれぞれ設けた構成を例示したが、加熱部としては被封止材の開口部を溶着できればよいことから、押圧台44及び受け台54の一方のみに設けてもよい。
【符号の説明】
【0075】
10 真空封止装置
12 チャンバ容器
14 シール装置
16a〜16c ベローズ
18 真空断熱材
20a、20b 外被材
22 芯材
24a 開口部
32 真空ポンプ
34 減圧配管
34a 第1配管
34b 第2配管
36 制御盤
44 押圧台
44a、54a 接触面
46a〜46c 分岐配管
48 伸縮部
50 ガイド部材
52 ストッパ部材
54 受け台
56、58 加熱部
60 クッション材
62 ヒータ
66、74 電磁開閉弁
68、78 流量調整弁
70、80 ストップ弁
72 チャンバ側大気開放配管
82 ベローズ側大気開放配管
90 バッファ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空ポンプによって内部を減圧可能なチャンバ容器と、該チャンバ容器内にセットされた被封止材の開口部を封止するシール装置とを備える真空封止装置であって、
前記シール装置は、前記チャンバ容器内で伸縮可能であると共に、その内側空間が前記チャンバ容器外と連通されることで該チャンバ容器の内外空間を気密に仕切るベローズと、
前記ベローズの伸張方向で先端側に設けられ、前記ベローズが伸張された場合に、前記チャンバ容器内に設置された受け台との間で前記被封止材の開口部を押圧し挟持する押圧台と、
前記受け台及び前記押圧台のうち、少なくとも一方の前記被封止材への接触面に設けられ、前記開口部を加熱して接合する加熱部と、
を備えることを特徴とする真空封止装置。
【請求項2】
請求項1記載の真空封止装置において、
前記ベローズは、前記被封止材の開口部の長手方向に沿って複数並んで設置され、
前記押圧台は、各ベローズの先端側を渡って延在する棒状部材であることを特徴とする真空封止装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の真空封止装置において、
前記ベローズの伸縮方向に沿って延在し、該ベローズの外側面に摺接可能に配置されるガイド部材を設けたことを特徴とする真空封止装置。
【請求項4】
請求項1又は2記載の真空封止装置において、
前記真空ポンプに接続された減圧配管は、第1配管と第2配管とに分岐され、
前記第1配管が第1開閉弁を介して前記チャンバ容器の内部空間に連通される一方、前記第2配管が第2開閉弁を介して前記ベローズの内側空間に連通され、
前記第2配管には、前記ベローズの内側空間を大気開放するための大気開放配管が大気開放弁を介して接続されることを特徴とする真空封止装置。
【請求項5】
請求項4記載の真空封止装置において、
前記ベローズが前記複数並んで設置されている場合に、前記第2配管は、前記ベローズの設置数分だけ分岐した複数の分岐配管によって各ベローズの内側空間へとそれぞれ連通されることを特徴とする真空封止装置。
【請求項6】
請求項5記載の真空封止装置において、
前記各ベローズの内側空間へと連通される各分岐配管のうち、少なくとも前記開口部の長手方向で両端側に配置された各ベローズへの各分岐配管は、その分岐点から各ベローズの内側空間までの長さが同一に設定されることを特徴とする真空封止装置。
【請求項7】
請求項4〜6のいずれか1項に記載の真空封止装置において、
前記第2配管又は前記大気開放配管には、流路容積を増大させたバッファ部が接続されることを特徴とする真空封止装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の真空封止装置において、
前記被封止材は、外被材で芯材を包含すると共に、減圧封止して形成される真空断熱材であることを特徴とする真空封止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−23229(P2013−23229A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−156790(P2011−156790)
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】