説明

着座センサ

【課題】印刷抵抗層への曲げ応力を軽減し安定した規定の抵抗値を維持できる着座センサを提供することを目的とする。
【解決手段】着座センサ1は、複数のスイッチセル用貫通孔20を有する絶縁スペーサ21、絶縁スペーサ両面に接着されるセンサ領域1a、引出端子領域1bを有する可撓性の下、上部絶縁フィルム22、23、各セル用貫通孔内における各絶縁フィルム表面にそれぞれ設けられた複数組みの下、上部接点電極、引出端子領域における絶縁フィルムに設けられた第1、第2端子電極、複数組の接点電極の群に対するセンサ回路配線網を構成するために各端子電極からセンサ領域に亘って絶縁フィルム表面に形成された回路配線層12〜15と、回路配線層に接続され絶縁フィルムの一部表面に印刷形成された印刷抵抗層30と、印刷抵抗層に対向する位置に設けられた剛性補強部材31を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は着座センサに係り、特に、メンブレン回路基板技術により構成されたフィルム状の着座センサの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車分野では、シートベルト着用の確認やエアバック作動用のシステムが使用されており、これらシステムは座席のシート表皮裏側に取り付けられた着座検知用の着座センサと電気的に連繋して作動するようになっている。そして、その着座センサはその作動状態の変化を前記システムへの電気信号として与えることにより、シートベルト着用の確認ランプやエアバックの作動を司る役目を担っている。
【0003】
この種の着座センサとしては、座り心地をより良くし、座席への装着を容易にするためにメンブレン回路基板技術により構成された可撓性の高い板状、フィルム状或いはシート状のメンブレンセンサ構造が開発されてきた。そして、このようなセンサ自身の内部回路配線の断線の有無を非破壊的に確認し易くするために断線検出用の印刷抵抗層を備えた着座センサが従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
前記特許文献1に開示された着座センサは、その図1に示されているように、並列接続されたスイッチ群2a〜2lに対して断線検出用抵抗1を並列接続した回路構成を有する。また、前記各スイッチ2a〜2lは、図3に示されているように、可撓性の高いスペーサ9の両面に接着された下部フィルム6及び上部フィルム7、これらの各フイルム6、7にそれぞれ形成された回路配線、その回路配線に接続されていてスペーサ9の空隙部14内に、相互に対向して配置された一対の下部接点3a及び上部接点5を有する構造となっている。そして、図1に示されているように断線検出用抵抗1が例えば前記下部フィルム6の端部に例えば印刷技術により印刷抵抗層として形成されている。
【0005】
前記回路配線は銀ペースト及びその上にカーボン層を印刷して形成されているのに対して、前記断線検知用抵抗は一般に高抵抗材料としての例えばカーボン粒子をバインダーに分散したカーボンインクを印刷することによって膜状に形成されている。
【0006】
このようなセンサにあっては、着座時の荷重により下部及び上部接点が接触した場合、各配線全体の内部抵抗と断線検知用抵抗との合成抵抗値に基づく電気信号レベルが基準値に達した時にシートベルト着用の確認ランプやエアバック作動用システムをスタンバイさせるようになっており、この状態が着座センサのスイッチオン状態とみなされている。そして、一対の外部端子間に電圧を印加し、その間の合成抵抗を測定することによって断線の有無を確認している。
【特許文献1】特開平11−297153号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、前記従来の着座センサおいては、座席シート座面上に配置された着座センサに乗員が着座した際に前記印刷抵抗層に曲げ応力が過度にかかったり、車両ハーネスに接続された着座センサを座席シートに装着する際に、座席シートパッド部に設けられた貫通穴に挿通するなどの作業取り扱い中に、着座センサを湾曲させたり折り曲げることにより印刷抵抗層に曲げ応力が過度にかかったりすることがある。このような曲げ応力の程度差によって各着座センサ毎に印刷抵抗層の内部組織歪みや亀裂などによる抵抗値に変動並びに差異が生じ、誤検知等の誤動作が発生するという問題がある。
【0008】
本発明は、前記問題点を解決するためになされたものであり、印刷抵抗層への曲げ応力を軽減し安定した規定の抵抗値を維持できる着座センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明の着座センサは、複数のスイッチセル用貫通孔を有する絶縁スペーサと、前記絶縁スペーサの両面にそれぞれ接着されるセンサ領域及び引出端子領域を有する可撓性の下部及び上部絶縁フィルムと、前記各セル用貫通孔内における前記各絶縁フィルム表面にそれぞれ設けられた複数組の下部及び上部接点電極と、前記引出端子領域における絶縁フィルムに設けられた第1及び第2端子電極と、前記複数組の接点電極の群に対するセンサ回路配線網を構成するために前記各端子電極からセンサ領域に亘って絶縁フィルム表面に形成された回路配線層と、前記回路配線層に接続され前記絶縁フィルムの一部表面に印刷形成された印刷抵抗層と、前記印刷抵抗層に対向する位置に設けられた剛性補強部材とを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の着座センサにおいて、前記剛性補強部材は、前記印刷抵抗層に対向する位置において前記絶縁フィルムの外面にホットメルトモールディングによって形成された樹脂モールド層からなっていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の着座センサにおいて、前記剛性補強部材は、前記印刷抵抗層に対向する位置において前記絶縁フィルムの外面に張り合わされた補強板からなることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の着座センサにおいて、前記剛性補強部材は、絶縁スペーサよりも高い剛性を有し前記絶縁スペーサの前記印刷抵抗層表面を露出させるように形成された開口部内に配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、可撓性を有するフィルム状の着座センサが着座時や取扱中に曲げ応力を受けても、剛性補強部材によって、前記印刷抵抗層に対向する部分の剛性がその周囲の部分の剛性よりも高くされている。そのために、前記印刷抵抗層への曲げ応力が緩和され、前記印刷抵抗層の抵抗値の変動が軽減或いは抑制される、所定の抵抗値が維持されるので、誤検知などの誤動作を回避することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明による着座センサの第1〜第3の実施形態を図1〜図5を参照して順次説明する。
【0015】
(第1実施形態)
図1〜図3は本発明の着座センサの第1実施形態を示し、図1はその全体像を概略的に示す平面図、図2は図1におけるA−A線に沿う拡大断面図、図3は図1におけるB−B線に沿う拡大断面図である。
【0016】
まず、図1に示すように、着座センサ1は、柔軟な可撓性を有するフィルム状或いはシート状のメンブレン配線基板構造のものであり、全体像としては例えば熊手状の平面パターンとされ、三本の指状部分を構成し着座有無をセンスする相対的に広い面積のセンサ領域1a及びこの一部に連続して形成されたリボン状或いはテール状の引出端子領域1bを有する。そして、この着座センサ1は、例えば自動車の座席のシート表皮裏側に装着される。
【0017】
前記センサ領域1aには、未着座時にはスイッチオフ状態にあり、着座時の荷重でスイッチオンするスィッチからなる複数のセンサセル2〜9が例えばマトリックス状に分布して配置されている。前記各センサセル2〜9は、いずれも各一対の下部電極としての第1接点電極2a〜9a及び第2接点電極2b〜9bを有する。
【0018】
前記引出端子領域1bの一端部には、後述する第1絶縁フィルム22の露出上表面に、並行する一対の第1及び第2引出端子10、11が設けられており、前記第1引出端子10に接続された第1回路配線層12は、前記センサセル2〜4の第1接点電極2a〜4aを直列に接続している。前記第2引出端子11に接続された第2回路配線層13は、前記センサセル7〜9の第2接点電極7b〜9bを直列に接続している。
【0019】
また、前記センサセル2〜4の各第2接点電極2b〜4b及びセンサセル5、6の各第1接点電極5a、6aは、第3回路配線層14によって直列に接続され、センサセル5、6の各第2接点電極5b、6b及びセンサセル7〜8の各第1接点電極7a〜9aは、第4回路配線層15によって直列に接続されている。
【0020】
ここで、前記センサセル2〜9は相互に同様な構造を有するので、センサセル2を代表して図2に表し、その詳細構造を説明すると、スイッチセル用貫通孔20を有する両面粘着材付(両面接着テープ形式)の可撓性樹脂フィルムからなる絶縁スペーサ21の両面には、その貫通孔20を塞ぐようにして、第1(下部)及び第2(上部)可撓性の絶縁フィルム22、23が、それぞれ粘着剤24によって接着されている。前記第1、第2絶縁フィルム22、23及びスペーサ21は、その平面パターンが、前述した着座センサ1の平面パターンに対応したセンサ領域1a及び引出端子領域1bを有した形状であり、その材料の一例としては、厚さ100μmのポリエチレンナフタレート樹脂フィルム(PEN:例えば帝人デュポンフィルム社製のKaladexフィルム)が用いられている。
【0021】
前記貫通孔20内の前記第1(下部)絶縁フィルム22の表面には、下部接点電極としての前記第1及び第2接点電極2a、2bが互いに所定の間隔で並置されている。また、前記第2(上部)絶縁フィルム23の表面には、上部接点電極としての第3接点電極2cが前記第1、第2接点電極2a、2bを跨ぐようにして、上下に所定間隔をもって離間して対向配置されている。前記第3接点電極2cは、図1には図示されていないが、各セル2〜9に対して、前記第3接点電極2c〜9cが設けられる。
【0022】
このようにして、前記センサセル2〜9の数に対応するように、各々が下部接点電極(2a、2b)及び上部接点電極(2c)で構成された複数組みの接点電極の群が形成される。
そして、前記各接点電極や回路配線層は、例えば導電ペーストとしての銀ペースト(藤倉化成社製のFA−323)を印刷し、更に、その表面に保護カーボン(藤倉化成社製のXC−221)を重ねて印刷することによって形成されている。
【0023】
前記センサセル2〜9における上部接点電極である前記第3接点電極(2c〜9c)は、下部接点電極である第1接点電極(2a〜9a)及び第2接点電極(2b〜9b)に対して、未着座時には、常に離間したスイッチオフの状態に維持され、着座時の荷重で絶縁フィルム22、23の少なくとも一方の撓みを利用して、第1、第2接点電極間をバースイッチのようにショートしてオン状態に切り換える。
【0024】
また、前述の第1〜4回路配線層12〜15は、前記センサセル2〜9の前記複数組の接点電極の群に対するセンサ回路配線網を構成するものであり、この例では、センサセル2〜4の第1群、センサセル5、6の第2群及びセンサセル7〜9の第3群において、各群内のセルは並列接続関係にあるオア回路構成とされ、前記第1群〜第3群は相互に直列接続関係にあるアンド回路構成とされている。なお、前記第1〜4回路配線層12〜15は、所定の配線幅を有するが、図1においては、単線破線により簡略化して描かれている。
【0025】
次に、図1及び図1のB−B線に沿う断面図である図3を参照して、例えば断線検知用の抵抗として用いられる印刷抵抗層30に関連する構造を説明する。
【0026】
前記第1(下部)絶縁フィルム22の表面には、例えばスイッチセル2の近傍において、所定の間隔で平行に配置された第1回路配線層12と第3回路配線層14との間に接続された印刷抵抗層30が形成されている。印刷抵抗層30は、第1可撓性絶縁フィルム22上に、高抵抗材料としての例えばカーボン粒子をバインダーに分散したカーボンインク(藤倉化成社製のXC−155)を印刷することにより形成されていて、その厚さは例えば5乃至20μm程度、抵抗値は組成調合により5乃至15kΩ程度に設定することができる。
【0027】
そして、前記印刷抵抗層30の全体を包みこむような範囲において、前記第1、第2絶縁フィルム22、23及びスペーサ21の外周面に、剛性補強部材31が設けられている。前記剛性補強部材31は、前記外周面に、例えばポリアミド樹脂からなるホットメルト樹脂をホットメルティングモールドすることによって形成された樹脂モールド層で構成されている。
【0028】
このようにして、前記印刷抵抗層30の部分の剛性が、その部分より遠ざかる位置における絶縁フィルム22、23及び絶縁スペーサ21の部分よりも高められていることにより、着座センサに曲げ応力が加わっても、前記印刷抵抗層30に対向する部分への曲げ応力が軽減或いは抑制され、殆どかからなくなることもある。従って、前記印刷抵抗層30の抵抗値が製作時の値を維持することができるために、断線検知の際の誤検知などの誤動作を回避することができる。
【0029】
ここで、本実施形態のホットメルティングモールドによる剛性補強部材31を設けた着座センサ(本発明)と、剛性補強部材31を設けなかった従来の着座センサ(従来技術)とを比較実験した結果について説明する。この場合、いずれの着座センサについも、印刷抵抗層の抵抗値を500Ωに設定してセンサ回路閾値を1kΩとし、座席シートの表皮裏に装着して座席シートに体重60kgの人が着座したときの抵抗値の変化を測定評価した。その評価を20回行ったときのエラー回数を調べたところ、従来技術では5回のエラー(25%)が発生したのに対して、本発明では皆無であった。このように本発明の着座センサは、その印刷抵抗層の抵抗値が、人が着座することによる影響を受け難く、抵抗値変化防止に効果があることが判明した。
【0030】
ところで、この実施形態では、前記剛性補強部材31形成のための樹脂モールド層は、
上下絶縁フィルム22、23、スペーサ21の重ね合わせ体の上下両面を含む外周を取り囲んだ構造となっているが、上下絶縁フィルムのいずれか一方の面(片面)に限定して設けてもよい。この場合は、前記剛性補強部材31を含む全体厚を小さくできて、着座センサ全体の凹凸度を軽減できると共に、着座時などの曲げ応力の印刷抵抗層への影響を防止することができる。
【0031】
(第2実施形態)
第2実施形態の着座センサは、その全体的構造が前記第1実施形態と同様に構成され、その剛性補強部材を設けた部分の構成に特徴がある。従って、図1のB−B線に沿う断面に相当する断面構造を図4に示して、第2実施形態の着座センサの剛性補強部材を設けた部分の構成について説明する。ここで、前記第1実施形態と同一部分には同一符号を付してその詳細説明を省略する。
【0032】
前記印刷抵抗層30が印刷されている位置の下部絶縁フィルム22の下面には、前記剛性補強部材31として、例えば絶縁性の補強板31Aが、粘着剤などによって貼り付けて接着されている。この補強板材料としては、例えば50μm〜100μmのPET板を使用することができる。
【0033】
ここで、第2実施形態の剛性補強部材31用の補強板31Aとして、厚さ50μmのPET板を設けた第1ケースと、厚さ100μmのPET板を設けた第2ケースと、剛性補強部材31を設けなかった従来ケースとを比較実験した結果について説明する。この場合、いずれの着座センサについも、印刷抵抗層の抵抗値を500Ωに設定してセンサ回路閾値を1kΩとし、座席シートの表皮裏に装着して座席シートに体重60kgの人が着座したときの抵抗値の変化を測定評価した。
【0034】
その評価を20回行ったときのエラー回数を調べたところ、従来技術では5回のエラー(25%)が発生したのに対して、本発明の第2実施形態に係わる前記第1ケースでは、1回のエラー(5%)の発生がみられたが、エラー発生が従来に比して、1/5程度に軽減され、前記第2ケースでは皆無であった。このように本発明の第2実施形態の着座センサにおいても、印刷抵抗層の抵抗値が、人が着座することによる影響を受け難く、抵抗値変化防止に効果があることが判明した。
【0035】
なお、剛性補強部材31は、前記PET補強板31Aを上部絶縁フィルム23上面にも貼り付けた両面張りとして、印刷抵抗層の抵抗値の変化をより一層防止することもできる。また、前記PET補強板31Aを上部絶縁フィルム23の上面側のみに設けてもよい。
【0036】
(第3実施形態)
第3実施形態の着座センサは、その全体的構造が前記第1実施形態と同様に構成され、その剛性補強部材を設けた部分の構成に特徴がある。従って、図1のB−B線に沿う断面に相当する断面構造を図5に示して、第3実施形態の着座センサの剛性補強部材を設けた部分の構成について説明する。ここで、前記第1実施形態と同一部分には同一符号を付してその詳細説明を省略する。
【0037】
スペーサ21の印刷抵抗層30に対向する位置に、印刷抵抗層30表面を露出させるように開口部32を予め形成しておき、前記剛性補強部材31を構成するために、開口部32内において、上部絶縁フィルム23の下面に、スペーサ21の剛性より高い剛性を有する絶縁性の補強板31B(例えば両面に厚さ25μmの粘着剤が貼着された厚さ188μmのPET製のフィルムを用いる)が粘着剤24によって接着されている。
【0038】
このようにして、第3実施形態の着座センサは、印刷抵抗層30の曲げ応力に対する保護が、前記各実施形態と同様になされる効果があると共に、センサ表面の平坦性も維持することができる。なお、剛性補強部材31は、補強板31Bに代えて、前記空間穴32内にスペーサ21や絶縁フィルム22、23よりも剛性の高い絶縁材料を充填して形成することも可能である。
【0039】
ところで、前記実施形態において、前記剛性補強部材31は、図1のようにセンサセル2、5、7の各近傍のすなわち3箇所に設けた例で示されているが、センサセルの数や分布形態やセンサ回路配線の形態に応じて、様々な数及び設置場所の形態をとることが可能であり、1個だけの設置で済ませることも可能である。
【0040】
また、前記各センサセル2〜9は、下部接点電極(2a〜9a)及び(2b〜9b)による下部接点電極対と上部接点電極(2c〜9c)との組み合わせにより構成された例であり、上部接点電極2c〜9cは各セル毎に独立した円形パット状に形成されているが、
他の形態をとることも可能である。例えば、前記各センサセル2〜9において、下部及び上部接点電極をそれぞれ各1個とし、1:1の対向形スイッチング形態とすることもできる。従って、センサセル自身の形態、その数、配置などによりセンサ回路網の形態や回路配線層の上下部絶縁フィルムへの形成パターン、引出端子10、11の設置位置も種々存在し得る。
【0041】
また、前記印刷抵抗層30は、断線検知用抵抗以外に、前記第1、第2端子10、11と周辺システムに接続された外部コネクタ(図示せず)との勘合忘れ或いは接触不良等の回路状態検知用として形成されることもあり、着座センサのオン状態における前記第1、第2端子間の導通電流値を所定の値に調整或いは制限することを目的とする導通電流に関する補正(電流制限)抵抗層として設けられる場合もある。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1実施形態に係る着座センサを示す平面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面で、矢印方向に見た着座センサを示す拡大断面図である。
【図3】図1のB−B線に沿う断面で、矢印方向に見た着座センサを示す拡大断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る着座センサの印刷抵抗層近傍の構造を示すもので、図1のB−B線に沿う断面に相当する拡大断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る着座センサの印刷抵抗層近傍の構造を示すもので、図1のB−B線に沿う断面に相当する拡大断面図である。
【符号の説明】
【0043】
1 着座センサ
1a センサ領域
1b 引出端子領域
2〜9 センサセル
2a〜9a、2b〜9b 下部接点電極
2c 上部接点電極
10、11 第1、第2引出端子
12〜15 第1〜第4回路配線層
20 スイッチセル用貫通孔
21 スペーサ
22、23 下部、上部絶縁フィルム
24 粘着剤
30 印刷抵抗層
31、31A、31B 剛性補強部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のスイッチセル用貫通孔を有する絶縁スペーサと、前記絶縁スペーサの両面にそれぞれ接着されるセンサ領域及び引出端子領域を有する可撓性の下部及び上部絶縁フィルムと、前記各セル用貫通孔内における前記各絶縁フィルム表面にそれぞれ設けられた複数組の下部及び上部接点電極と、前記引出端子領域における絶縁フィルムに設けられた第1及び第2端子電極と、前記複数組の接点電極の群に対するセンサ回路配線網を構成するために前記各端子電極からセンサ領域に亘って絶縁フィルム表面に形成された回路配線層と、前記回路配線層に接続され前記絶縁フィルムの一部表面に印刷形成された印刷抵抗層と、前記印刷抵抗層に対向する位置に設けられた剛性補強部材とを備えたことを特徴とする着座センサ。
【請求項2】
前記剛性補強部材は、前記印刷抵抗層に対向する位置において前記絶縁フィルムの外面にホットメルトモールディングによって形成された樹脂モールド層からなっていることを特徴とする請求項1に記載の着座センサ。
【請求項3】
前記剛性補強部材は、前記印刷抵抗層に対向する位置において前記絶縁フィルムの外面に張り合わされた補強板からなることを特徴とする請求項1に記載の着座センサ。
【請求項4】
前記剛性補強部材は、絶縁スペーサよりも高い剛性を有し、前記絶縁スペーサの前記印刷抵抗層表面を露出させるように形成された開口部内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の着座センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−97864(P2010−97864A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−268794(P2008−268794)
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】