着色図面作成装置及び方法並びにそのプログラム
【課題】本発明は、コンピュータを用いて図面に水彩画風の見やすい着色処理を簡単に行うことができる着色図面作成装置及び方法並びにプログラムを提供することを目的とするものである。
【解決手段】図面Mの閉領域Rに着色を行う場合、閉領域Rを変形して丸みを帯びた形状に形成された着色領域Cを設定し、着色領域Cをランダムな方向に所定距離移動させて閉領域Rからずれた位置に設定する。また、設定された着色領域Cを用いて所定方向に所定距離移動させて閉領域Rからずらし、ずれた着色領域C及び閉領域Rに基づいてはみ出た部分を陰影領域Sに設定する。そして、着色領域C及び陰影領域Sに着色する場合、中心部から周縁部に向かって淡い色合いに着色することで、より水彩画に近い着色を行うことができる。
【解決手段】図面Mの閉領域Rに着色を行う場合、閉領域Rを変形して丸みを帯びた形状に形成された着色領域Cを設定し、着色領域Cをランダムな方向に所定距離移動させて閉領域Rからずれた位置に設定する。また、設定された着色領域Cを用いて所定方向に所定距離移動させて閉領域Rからずらし、ずれた着色領域C及び閉領域Rに基づいてはみ出た部分を陰影領域Sに設定する。そして、着色領域C及び陰影領域Sに着色する場合、中心部から周縁部に向かって淡い色合いに着色することで、より水彩画に近い着色を行うことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、白地図、見取り図、鳥瞰図といった輪郭線からなる種々の図面を色分けして水彩画風に着色する着色図面作成装置及び方法並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
白地図、見取り図、鳥瞰図といった図面では、一般に輪郭線で描画されている場合が多いため、描画されている部分を色分けして見やすくすることが行われている。近年、こうした図面データがコンピュータを用いて描画されるようになってきており、それに伴いコンピュータで表示された図面に彩色を施すことが行われるようになってきている。例えば、特許文献1では、描画した地形図に標高に応じた等高線に基づいて着色を行うようにした点が記載されている。また、特許文献2では、図形情報の土地区画の部分に対して当該土地区画に付加された属性情報の公共物種類に対応するペイント処理を施す点が記載されている。また、特許文献3では、道路や家屋の平面形状を示す白地図をスキャナで読み込んで道路や家屋を自動認識して家屋番号を付与する地図作成方式が記載されている。
【特許文献1】再公表特許2003/090184号公報
【特許文献2】特開2001−357177号公報
【特許文献3】特開平5−313566号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した特許文献1及び2では、基本的に単色表示で彩色を施すようになっているため、河川、山、道路、住宅地、商業地、水田、畑といった種々の区分で色分けすることを想定されていない。すなわち、上述した図面の色分けは、用途に応じて様々な区分の仕方があり、そうした幅広い用途に対応するものとはなっていない。
また、色分けを行う際に単色を用いて色分けすると非常に機械的な印象を与える結果となり、工事完成予想を提示する場合などでは、一般者に適切な印象を与えることができない。つまり、一般者向けに工事完成予想図などを提示する場合には、領域を均一に着色するのではなく、自然な風合いが出せるような絵画風の着色が必要となることがある。しかしながら、こうした着色を従来のソフトウェアで実行するためには時間がかかる上に、見やすくするための模様や色調をどのようにカラーデザインするかは才能と経験が必要となって一朝一夕で習得できるものではない。
【0004】
例えば、複雑な濃淡や複数の色彩を有する模様を作成する場合には、どの色をどのように組み合せていくかは相当な熟練と能力がなければできない。また、予め作成された画像を用いてカット&ペーストにより任意の領域に貼り付けることも考えられるが、任意の領域に切り出した画像を当て込むためには、切り出した画像の変形等の加工が必要となり、そのための操作の熟練や試行錯誤のために相当な時間がかかる。
【0005】
そこで、本発明は、コンピュータを用いて図面に水彩画風の見やすい着色処理を簡単に行うことができる着色図面作成装置及び方法並びにプログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る着色図面作成装置は、輪郭線からなる図面データに基づいて当該図面を輪郭線に囲まれた閉領域に分割する分割処理手段と、分割された閉領域のうち着色する閉領域を選択する選択手段と、選択された閉領域の形状を変形して着色領域を生成するとともに当該閉領域からずらして着色領域を設定する領域設定手段と、設定された着色領域に基づいて着色処理を行う着色処理手段とを備えていることを特徴とする。さらに、前記領域設定手段は、設定された前記着色領域及び前記閉領域に基づいて陰影領域を設定するとともに、前記着色処理手段は、設定された陰影領域に基づいて着色処理を行うことを特徴とする。
【0007】
本発明に係る着色図面作成方法は、コンピュータを用いて輪郭線からなる図面データに着色する着色図面作成方法であって、前記図面データに基づいて当該図面を輪郭線に囲まれた閉領域に分割し、分割された閉領域のうち着色する閉領域を選択し、選択された閉領域の形状を変形して着色領域を生成するとともに当該閉領域からずらして設定し、設定された着色領域に基づいて着色処理を行うことを特徴とする。さらに、設定された前記着色領域及び前記閉領域に基づいて陰影領域を設定し、設定された陰影領域に基づいて着色処理を行うことを特徴とする。
【0008】
本発明に係るプログラムは、輪郭線からなる図面データに着色する着色図面作成装置を機能させるためのプログラムであって、前記着色図面作成装置を、輪郭線からなる図面データに基づいて当該図面を輪郭線に囲まれた閉領域に分割する手段、分割された閉領域のうち着色する閉領域を選択する手段、選択された閉領域の形状を変形して着色領域を生成するとともに当該閉領域からずらして着色領域を設定する手段、設定された着色領域に基づいて着色処理を行う手段、として機能させる。さらに、前記着色領域を設定する手段は、設定された前記着色領域及び前記閉領域に基づいて陰影領域を設定するとともに、着色処理を行う手段は、設定された陰影領域に基づいて着色処理を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、上記のような構成を有することで、選択された閉領域の形状を変形して着色領域を生成するとともに当該閉領域からずらして着色領域を設定する領域設定手段を備えているので、水彩画風の着色処理を行うことができる。
【0010】
すなわち、手描きによる水彩画では着色部分に微妙な色の濃淡やムラが生じる場合が多く、例えば水墨画のように中心部から周縁部に向かって滲むように墨の濃淡が拡がっていくような描画が行われている。また、水彩画では、境界線の隅々にまで厳密に着色するのではなく、塗り残しやはみ出しを多用した描画が行われる。こうした着色手法を図面の着色処理に取り入れると、着色領域の周縁部にいくにしたがい淡い色合いになって模糊とした印象を与え、輪郭線によるシャープな印象を和らげて見やすくなるとともに、自然な風合いを与えることができる。
【0011】
そのため、本願発明では、輪郭線で画定される閉領域を変形して、着色領域を例えば丸みの帯びた形状にすることで、輪郭線のシャープな印象を和らげ、閉領域からずらすように設定することで、閉領域の周縁部に着色されない隙間が生じるようになって水彩画の着色手法と同様な模糊とした印象を与えることができる。そして、着色領域を輪郭線から意図的にずらすことにより、手描きのような印象を与えることが可能となり、さらに着色領域の中心部から周縁部に行くに従い色合いが淡くなるように設定すれば、より水彩画に近い着色を行うことができる。
【0012】
また、設定された着色領域及び閉領域に基づいて陰影領域を設定して着色処理を行うようにすれば、さらに立体感を与えることができ建物等の区分を見やすくすると同時に自然な風合いを与えることが可能となる。そして、陰影領域の設定に着色領域を取り入れることで、着色領域のような和らいだ印象を陰影領域に与えることができる。例えば、陰影領域を閉領域の形状をずらして設定すると、輪郭線からなる閉領域のシャープな印象を増幅することになるが、着色領域の丸みを帯びた形状を陰影領域の外形に取り入れることで、閉領域のシャープな印象を和らげるとともに着色領域との相乗効果により水彩画風の印象を強めることができる。陰影領域は、閉領域から所定の方向にずらして設定するようにすれば、太陽光線照射による陰影のように着色でき、航空写真のような立体感を与えることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係る実施形態について詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に本発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
【0014】
図1は、本発明に係る実施形態に関するシステム構成図を示しており、着色図面作成装置1は、公知のコンピュータにアプリケーションソフトとしてインストールされた着色図面作成プログラム100を作動させてその機能が実現される。コンピュータの基本構成は公知のものであり、論理演算を処理するCPU10、論理演算に必要なデータやプログラム等を一時的に記憶するRAM11、論理演算を実行するためのプログラム等を記憶するROM12、アプリケーションソフトや各種画像情報を記憶する記憶部13、処理結果を表示するディスプレイ14、処理結果を出力するプリンタ15、処理に必要なデータや指令を入力する入力部16を備えており、これらを送受信用のバス17で接続してデータの送受信を行う。
【0015】
図2から図8は、着色図面作成装置1で実現される着色処理に関する説明図である。まず、図2のように、図面Mに輪郭線により描画された図形Fが表示されている場合、輪郭線で囲まれた閉領域Rを画定する(図3)。
【0016】
次に、閉領域Rの着色領域を設定するために、閉領域Rに公知のモルフォロジー処理に属するダイレーション(領域膨張)処理およびエロージョン(領域縮小)処理を施す。この処理によって設定される着色領域は、図4(a)に示すように閉領域Rの角部がとれた丸みを帯びた形状となる。次に、着色領域の周縁部にいくにしたがい淡い色合を出すための処理として、着色領域C内の各画素について外形線までの最短距離を画素数で算出し、算出した画素数が同一である画素領域を画定する。画定された画素領域は、図4(b)に示すように着色領域C内を点線で示す等高線のように描かれるようになる。
【0017】
次に、図5に示すように、着色領域Cを閉領域Rに対して予め定めた方向あるいはランダムな方向に所定距離ずらすように設定する。この例では、図面右下方向にずらすようにしている。このように着色領域Cをずらすことで、閉領域Rの周縁部に着色されない領域及びはみ出した領域が生じ、水彩画のような模糊とした印象を与えることができる。
【0018】
こうして設定した着色領域Cを用いて陰影領域を設定する。設定された着色領域Cを閉領域R内の元の位置から予め設定された方向に所定距離だけ移動させ、閉領域Rとずれた位置に設定する(図では領域C’で表示)。この例では、所定の方向から太陽光線が照射して陰影が生じることを前提に陰影領域はすべて閉領域から所定の方向にずらして設定される。
【0019】
着色領域Cを所定方向にずらして設定された領域C’及び閉領域Rの外形線に基づいて、図6に示すように、閉領域Rの外形線と領域C’の閉領域Rからはみ出た部分の外形線に囲まれた領域を陰影領域Sに設定する。例えば、閉領域Rが上から見た建物とすると、建物の外側に太陽光線が照射されることによる影が陰影領域Sのように設定されて建物の立体感を持たせるようにすることができる。その場合、閉領域Rの外形線をずらして陰影領域を設定することも考えられるが、閉領域Rの外形線が二重になって輪郭線のシャープな印象が増幅されてしまうが、着色領域Cの丸みを帯びた外形線を用いることで輪郭線のシャープな印象を和らげることができる。また、実際の航空写真でも建物等の影の形は建物の外形線に一致するものではなく、こうした陰影領域の方がより実際の航空写真の影を見たときの印象に近くなり、同時に自然な風合いを与えることができる。
【0020】
以上のように設定された着色領域C及び陰影領域Sは、図7に示すように閉領域Rとはずれた位置関係となる。そして、設定された着色領域C及び陰影領域Sに着色処理を行うことで、図8に示すように、水彩画風の着色処理を行うことができ、また陰影領域S及び着色領域Cに与えたずれによって立体感を持たせた着色処理を行うことができる。
【0021】
着色処理としては、設定された領域内に所定の色で着色したり、予め登録された着色画像をマスクレイヤとともに図面Mに重ねておき、設定された領域内のマスクを解除して着色画像を表出させるようにしてもよい。その場合、図4(b)に示すように、等高線のように設定された画素領域を用いて中心部から周縁部に向かって淡い色合いとなるようにすれば、より水彩画風の着色を行うことができる。黒あるいは灰色を基調として、図4(b)に示す等高線を用いて周辺部に向かって淡い灰色になるように着色すればよい。
【0022】
図9は、輪郭線からなる白地図に着色処理を行うための処理フローである。まず、白地図の輪郭線に関するデータを入力する(S100)。この場合スキャナで読み取った白地図データを用いてもよい。次に、白地図データに基づいて輪郭線で囲まれた領域を探索して閉領域に分割し、各閉領域にラベリング処理を行う(S101)。そして、各閉領域の形状から、建物、道路、川、田畑、山といったよう種類別のパターン形状との一致度を見て対応する識別コードを付与する(S102)。必要に応じて付与された識別コードを修正するようにしてもよい。
【0023】
次に、各閉領域に対して着色領域を設定する(S103)。図10に示すように、まず、閉領域を選択し(S200)、選択された閉領域の画素領域を算出する(S201)(図4参照)。そして、算出された複数の画素領域のうち所定の領域を着色領域に選択し(S202)、選択された着色領域を予め定めた方向あるいはランダムな方向に所定距離移動させる(S203)(図5参照)。後者の場合、公知の乱数発生手段から得られた乱数に基づいて移動する方向を決定すればよい。そして、移動させた着色領域のデータを登録して設定する(S204)。
【0024】
次に、別の閉領域が存在するかチェックし(S205)、着色領域が設定されていない閉領域がある場合には、ステップS200に戻り、別の閉領域について着色領域の設定処理を行う。すべての閉領域について着色領域が設定された場合には終了する。
【0025】
着色領域を設定した後、陰影領域を設定する(S104)。図11に示すように、まず、所定の識別コード、例えば建物の識別コードが付与された閉領域を選択する(S300)。選択された閉領域に関する着色領域のデータを読出し(S301)、閉領域の元の位置から所定の方向に所定距離だけ着色領域を移動させる(S302)(図5参照)。そして、移動した着色領域及び閉領域のデータを用いて陰影領域の設定を行う(S303)(図6参照)。この場合、白地図の緯度及び経度に基づいて太陽光線の所定の時刻における照射方向を求めておき、その照射方向に陰影領域をずらして設定すれば、航空写真に近い影を表現することができる。
【0026】
次に、別の閉領域が存在するかチェックし(S304)、陰影領域が設定されていない閉領域がある場合には、ステップS300に戻り、別の閉領域について陰影領域の設定処理を行う。所定の識別コードが付与されたすべての閉領域について陰影領域が設定された場合には終了する。
【0027】
そして、設定された着色領域及び陰影領域に対して着色処理を行う(S105)。着色領域への着色処理は、上述したように、中心部から周縁部に向かって淡い色合いとなるように着色すれば、より水彩画に近い着色処理を行うことができる。また、識別コード毎に異なる色合いにするとよい。例えば、田畑のように複数配列された閉領域では、それぞれの閉領域で中心部から周縁部に向かう色合いのパターンを異ならせるようにすれば、単調な色合いとならずバラエティに富んだ着色処理を行うことができる。また、建物の場合でもビル、住宅等に細分化して付与し、それぞれ異なる色合いにすることで、より見やすい着色処理を行うことができる。陰影領域への着色処理も、元の閉領域から陰影領域の周縁部に向かって淡い灰色となるように着色すればよい。
【0028】
図12から図14は、白地図に着色処理を行う場合の模式図である。図12に示すような白地図に対して、建物に関する閉領域を選択して着色処理を行ったのが図13である。図13では、閉領域内の丸みを帯びた形状の着色領域に着色を行っているので、水彩画のような模糊とした印象を与えることができる。そして、図14に示すように、建物の閉領域に陰影領域を着色することで、航空写真で建物を撮影したような立体感を持たせることができる。このように、輪郭線のみの閉領域に対して着色処理を行うことで、シャープな印象を和らげてより見やすい着色地図を得ることができる。図15は、実際に白地図に着色処理を施した結果をグレースケール画像として表現したものである。
【産業上の利用可能性】
【0029】
以上説明した例では、白地図に着色処理しているが、こうした白地図や測量図のような地形図の場合、開発地域の現況測量図に開発・建設計画に基づく設計図を重ねて完成予想図を作成する際に、いわゆる着色パース図の作成に有効である。こうした図面は、周辺住民への説明資料として作成されるため、計画の構造物として、公園、建物、道路、砂防堰堤、流路といった構造物をわかりやすく着色する際に特に効果的である。また、住宅地の見取り図の場合には、住居、庭、植栽、カーポート、道路といったものをわかりやすく着色して新築又は改築の際のイメージを説明する資料作成にも有効である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る実施形態に関するシステム構成図である。
【図2】着色処理に関する説明図である。
【図3】着色処理に関する説明図である。
【図4】着色処理に関する説明図である。
【図5】着色処理に関する説明図である。
【図6】着色処理に関する説明図である。
【図7】着色処理に関する説明図である。
【図8】着色処理に関する説明図である。
【図9】白地図の着色処理フローである。
【図10】着色領域の設定に関する処理フローである。
【図11】陰影領域の設定に関する処理フローである。
【図12】白地図に着色処理を行う場合の模式図である。
【図13】白地図に着色処理を行う場合の模式図である。
【図14】白地図に着色処理を行う場合の模式図である。
【図15】白地図に着色処理を行った画像例である。
【符号の説明】
【0031】
1 着色図面作成装置
10 CPU
11 RAM
12 ROM
13 記憶部
14 ディスプレイ
15 プリンタ
16 入力部
17 バス
【技術分野】
【0001】
本発明は、白地図、見取り図、鳥瞰図といった輪郭線からなる種々の図面を色分けして水彩画風に着色する着色図面作成装置及び方法並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
白地図、見取り図、鳥瞰図といった図面では、一般に輪郭線で描画されている場合が多いため、描画されている部分を色分けして見やすくすることが行われている。近年、こうした図面データがコンピュータを用いて描画されるようになってきており、それに伴いコンピュータで表示された図面に彩色を施すことが行われるようになってきている。例えば、特許文献1では、描画した地形図に標高に応じた等高線に基づいて着色を行うようにした点が記載されている。また、特許文献2では、図形情報の土地区画の部分に対して当該土地区画に付加された属性情報の公共物種類に対応するペイント処理を施す点が記載されている。また、特許文献3では、道路や家屋の平面形状を示す白地図をスキャナで読み込んで道路や家屋を自動認識して家屋番号を付与する地図作成方式が記載されている。
【特許文献1】再公表特許2003/090184号公報
【特許文献2】特開2001−357177号公報
【特許文献3】特開平5−313566号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した特許文献1及び2では、基本的に単色表示で彩色を施すようになっているため、河川、山、道路、住宅地、商業地、水田、畑といった種々の区分で色分けすることを想定されていない。すなわち、上述した図面の色分けは、用途に応じて様々な区分の仕方があり、そうした幅広い用途に対応するものとはなっていない。
また、色分けを行う際に単色を用いて色分けすると非常に機械的な印象を与える結果となり、工事完成予想を提示する場合などでは、一般者に適切な印象を与えることができない。つまり、一般者向けに工事完成予想図などを提示する場合には、領域を均一に着色するのではなく、自然な風合いが出せるような絵画風の着色が必要となることがある。しかしながら、こうした着色を従来のソフトウェアで実行するためには時間がかかる上に、見やすくするための模様や色調をどのようにカラーデザインするかは才能と経験が必要となって一朝一夕で習得できるものではない。
【0004】
例えば、複雑な濃淡や複数の色彩を有する模様を作成する場合には、どの色をどのように組み合せていくかは相当な熟練と能力がなければできない。また、予め作成された画像を用いてカット&ペーストにより任意の領域に貼り付けることも考えられるが、任意の領域に切り出した画像を当て込むためには、切り出した画像の変形等の加工が必要となり、そのための操作の熟練や試行錯誤のために相当な時間がかかる。
【0005】
そこで、本発明は、コンピュータを用いて図面に水彩画風の見やすい着色処理を簡単に行うことができる着色図面作成装置及び方法並びにプログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る着色図面作成装置は、輪郭線からなる図面データに基づいて当該図面を輪郭線に囲まれた閉領域に分割する分割処理手段と、分割された閉領域のうち着色する閉領域を選択する選択手段と、選択された閉領域の形状を変形して着色領域を生成するとともに当該閉領域からずらして着色領域を設定する領域設定手段と、設定された着色領域に基づいて着色処理を行う着色処理手段とを備えていることを特徴とする。さらに、前記領域設定手段は、設定された前記着色領域及び前記閉領域に基づいて陰影領域を設定するとともに、前記着色処理手段は、設定された陰影領域に基づいて着色処理を行うことを特徴とする。
【0007】
本発明に係る着色図面作成方法は、コンピュータを用いて輪郭線からなる図面データに着色する着色図面作成方法であって、前記図面データに基づいて当該図面を輪郭線に囲まれた閉領域に分割し、分割された閉領域のうち着色する閉領域を選択し、選択された閉領域の形状を変形して着色領域を生成するとともに当該閉領域からずらして設定し、設定された着色領域に基づいて着色処理を行うことを特徴とする。さらに、設定された前記着色領域及び前記閉領域に基づいて陰影領域を設定し、設定された陰影領域に基づいて着色処理を行うことを特徴とする。
【0008】
本発明に係るプログラムは、輪郭線からなる図面データに着色する着色図面作成装置を機能させるためのプログラムであって、前記着色図面作成装置を、輪郭線からなる図面データに基づいて当該図面を輪郭線に囲まれた閉領域に分割する手段、分割された閉領域のうち着色する閉領域を選択する手段、選択された閉領域の形状を変形して着色領域を生成するとともに当該閉領域からずらして着色領域を設定する手段、設定された着色領域に基づいて着色処理を行う手段、として機能させる。さらに、前記着色領域を設定する手段は、設定された前記着色領域及び前記閉領域に基づいて陰影領域を設定するとともに、着色処理を行う手段は、設定された陰影領域に基づいて着色処理を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、上記のような構成を有することで、選択された閉領域の形状を変形して着色領域を生成するとともに当該閉領域からずらして着色領域を設定する領域設定手段を備えているので、水彩画風の着色処理を行うことができる。
【0010】
すなわち、手描きによる水彩画では着色部分に微妙な色の濃淡やムラが生じる場合が多く、例えば水墨画のように中心部から周縁部に向かって滲むように墨の濃淡が拡がっていくような描画が行われている。また、水彩画では、境界線の隅々にまで厳密に着色するのではなく、塗り残しやはみ出しを多用した描画が行われる。こうした着色手法を図面の着色処理に取り入れると、着色領域の周縁部にいくにしたがい淡い色合いになって模糊とした印象を与え、輪郭線によるシャープな印象を和らげて見やすくなるとともに、自然な風合いを与えることができる。
【0011】
そのため、本願発明では、輪郭線で画定される閉領域を変形して、着色領域を例えば丸みの帯びた形状にすることで、輪郭線のシャープな印象を和らげ、閉領域からずらすように設定することで、閉領域の周縁部に着色されない隙間が生じるようになって水彩画の着色手法と同様な模糊とした印象を与えることができる。そして、着色領域を輪郭線から意図的にずらすことにより、手描きのような印象を与えることが可能となり、さらに着色領域の中心部から周縁部に行くに従い色合いが淡くなるように設定すれば、より水彩画に近い着色を行うことができる。
【0012】
また、設定された着色領域及び閉領域に基づいて陰影領域を設定して着色処理を行うようにすれば、さらに立体感を与えることができ建物等の区分を見やすくすると同時に自然な風合いを与えることが可能となる。そして、陰影領域の設定に着色領域を取り入れることで、着色領域のような和らいだ印象を陰影領域に与えることができる。例えば、陰影領域を閉領域の形状をずらして設定すると、輪郭線からなる閉領域のシャープな印象を増幅することになるが、着色領域の丸みを帯びた形状を陰影領域の外形に取り入れることで、閉領域のシャープな印象を和らげるとともに着色領域との相乗効果により水彩画風の印象を強めることができる。陰影領域は、閉領域から所定の方向にずらして設定するようにすれば、太陽光線照射による陰影のように着色でき、航空写真のような立体感を与えることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係る実施形態について詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に本発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
【0014】
図1は、本発明に係る実施形態に関するシステム構成図を示しており、着色図面作成装置1は、公知のコンピュータにアプリケーションソフトとしてインストールされた着色図面作成プログラム100を作動させてその機能が実現される。コンピュータの基本構成は公知のものであり、論理演算を処理するCPU10、論理演算に必要なデータやプログラム等を一時的に記憶するRAM11、論理演算を実行するためのプログラム等を記憶するROM12、アプリケーションソフトや各種画像情報を記憶する記憶部13、処理結果を表示するディスプレイ14、処理結果を出力するプリンタ15、処理に必要なデータや指令を入力する入力部16を備えており、これらを送受信用のバス17で接続してデータの送受信を行う。
【0015】
図2から図8は、着色図面作成装置1で実現される着色処理に関する説明図である。まず、図2のように、図面Mに輪郭線により描画された図形Fが表示されている場合、輪郭線で囲まれた閉領域Rを画定する(図3)。
【0016】
次に、閉領域Rの着色領域を設定するために、閉領域Rに公知のモルフォロジー処理に属するダイレーション(領域膨張)処理およびエロージョン(領域縮小)処理を施す。この処理によって設定される着色領域は、図4(a)に示すように閉領域Rの角部がとれた丸みを帯びた形状となる。次に、着色領域の周縁部にいくにしたがい淡い色合を出すための処理として、着色領域C内の各画素について外形線までの最短距離を画素数で算出し、算出した画素数が同一である画素領域を画定する。画定された画素領域は、図4(b)に示すように着色領域C内を点線で示す等高線のように描かれるようになる。
【0017】
次に、図5に示すように、着色領域Cを閉領域Rに対して予め定めた方向あるいはランダムな方向に所定距離ずらすように設定する。この例では、図面右下方向にずらすようにしている。このように着色領域Cをずらすことで、閉領域Rの周縁部に着色されない領域及びはみ出した領域が生じ、水彩画のような模糊とした印象を与えることができる。
【0018】
こうして設定した着色領域Cを用いて陰影領域を設定する。設定された着色領域Cを閉領域R内の元の位置から予め設定された方向に所定距離だけ移動させ、閉領域Rとずれた位置に設定する(図では領域C’で表示)。この例では、所定の方向から太陽光線が照射して陰影が生じることを前提に陰影領域はすべて閉領域から所定の方向にずらして設定される。
【0019】
着色領域Cを所定方向にずらして設定された領域C’及び閉領域Rの外形線に基づいて、図6に示すように、閉領域Rの外形線と領域C’の閉領域Rからはみ出た部分の外形線に囲まれた領域を陰影領域Sに設定する。例えば、閉領域Rが上から見た建物とすると、建物の外側に太陽光線が照射されることによる影が陰影領域Sのように設定されて建物の立体感を持たせるようにすることができる。その場合、閉領域Rの外形線をずらして陰影領域を設定することも考えられるが、閉領域Rの外形線が二重になって輪郭線のシャープな印象が増幅されてしまうが、着色領域Cの丸みを帯びた外形線を用いることで輪郭線のシャープな印象を和らげることができる。また、実際の航空写真でも建物等の影の形は建物の外形線に一致するものではなく、こうした陰影領域の方がより実際の航空写真の影を見たときの印象に近くなり、同時に自然な風合いを与えることができる。
【0020】
以上のように設定された着色領域C及び陰影領域Sは、図7に示すように閉領域Rとはずれた位置関係となる。そして、設定された着色領域C及び陰影領域Sに着色処理を行うことで、図8に示すように、水彩画風の着色処理を行うことができ、また陰影領域S及び着色領域Cに与えたずれによって立体感を持たせた着色処理を行うことができる。
【0021】
着色処理としては、設定された領域内に所定の色で着色したり、予め登録された着色画像をマスクレイヤとともに図面Mに重ねておき、設定された領域内のマスクを解除して着色画像を表出させるようにしてもよい。その場合、図4(b)に示すように、等高線のように設定された画素領域を用いて中心部から周縁部に向かって淡い色合いとなるようにすれば、より水彩画風の着色を行うことができる。黒あるいは灰色を基調として、図4(b)に示す等高線を用いて周辺部に向かって淡い灰色になるように着色すればよい。
【0022】
図9は、輪郭線からなる白地図に着色処理を行うための処理フローである。まず、白地図の輪郭線に関するデータを入力する(S100)。この場合スキャナで読み取った白地図データを用いてもよい。次に、白地図データに基づいて輪郭線で囲まれた領域を探索して閉領域に分割し、各閉領域にラベリング処理を行う(S101)。そして、各閉領域の形状から、建物、道路、川、田畑、山といったよう種類別のパターン形状との一致度を見て対応する識別コードを付与する(S102)。必要に応じて付与された識別コードを修正するようにしてもよい。
【0023】
次に、各閉領域に対して着色領域を設定する(S103)。図10に示すように、まず、閉領域を選択し(S200)、選択された閉領域の画素領域を算出する(S201)(図4参照)。そして、算出された複数の画素領域のうち所定の領域を着色領域に選択し(S202)、選択された着色領域を予め定めた方向あるいはランダムな方向に所定距離移動させる(S203)(図5参照)。後者の場合、公知の乱数発生手段から得られた乱数に基づいて移動する方向を決定すればよい。そして、移動させた着色領域のデータを登録して設定する(S204)。
【0024】
次に、別の閉領域が存在するかチェックし(S205)、着色領域が設定されていない閉領域がある場合には、ステップS200に戻り、別の閉領域について着色領域の設定処理を行う。すべての閉領域について着色領域が設定された場合には終了する。
【0025】
着色領域を設定した後、陰影領域を設定する(S104)。図11に示すように、まず、所定の識別コード、例えば建物の識別コードが付与された閉領域を選択する(S300)。選択された閉領域に関する着色領域のデータを読出し(S301)、閉領域の元の位置から所定の方向に所定距離だけ着色領域を移動させる(S302)(図5参照)。そして、移動した着色領域及び閉領域のデータを用いて陰影領域の設定を行う(S303)(図6参照)。この場合、白地図の緯度及び経度に基づいて太陽光線の所定の時刻における照射方向を求めておき、その照射方向に陰影領域をずらして設定すれば、航空写真に近い影を表現することができる。
【0026】
次に、別の閉領域が存在するかチェックし(S304)、陰影領域が設定されていない閉領域がある場合には、ステップS300に戻り、別の閉領域について陰影領域の設定処理を行う。所定の識別コードが付与されたすべての閉領域について陰影領域が設定された場合には終了する。
【0027】
そして、設定された着色領域及び陰影領域に対して着色処理を行う(S105)。着色領域への着色処理は、上述したように、中心部から周縁部に向かって淡い色合いとなるように着色すれば、より水彩画に近い着色処理を行うことができる。また、識別コード毎に異なる色合いにするとよい。例えば、田畑のように複数配列された閉領域では、それぞれの閉領域で中心部から周縁部に向かう色合いのパターンを異ならせるようにすれば、単調な色合いとならずバラエティに富んだ着色処理を行うことができる。また、建物の場合でもビル、住宅等に細分化して付与し、それぞれ異なる色合いにすることで、より見やすい着色処理を行うことができる。陰影領域への着色処理も、元の閉領域から陰影領域の周縁部に向かって淡い灰色となるように着色すればよい。
【0028】
図12から図14は、白地図に着色処理を行う場合の模式図である。図12に示すような白地図に対して、建物に関する閉領域を選択して着色処理を行ったのが図13である。図13では、閉領域内の丸みを帯びた形状の着色領域に着色を行っているので、水彩画のような模糊とした印象を与えることができる。そして、図14に示すように、建物の閉領域に陰影領域を着色することで、航空写真で建物を撮影したような立体感を持たせることができる。このように、輪郭線のみの閉領域に対して着色処理を行うことで、シャープな印象を和らげてより見やすい着色地図を得ることができる。図15は、実際に白地図に着色処理を施した結果をグレースケール画像として表現したものである。
【産業上の利用可能性】
【0029】
以上説明した例では、白地図に着色処理しているが、こうした白地図や測量図のような地形図の場合、開発地域の現況測量図に開発・建設計画に基づく設計図を重ねて完成予想図を作成する際に、いわゆる着色パース図の作成に有効である。こうした図面は、周辺住民への説明資料として作成されるため、計画の構造物として、公園、建物、道路、砂防堰堤、流路といった構造物をわかりやすく着色する際に特に効果的である。また、住宅地の見取り図の場合には、住居、庭、植栽、カーポート、道路といったものをわかりやすく着色して新築又は改築の際のイメージを説明する資料作成にも有効である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る実施形態に関するシステム構成図である。
【図2】着色処理に関する説明図である。
【図3】着色処理に関する説明図である。
【図4】着色処理に関する説明図である。
【図5】着色処理に関する説明図である。
【図6】着色処理に関する説明図である。
【図7】着色処理に関する説明図である。
【図8】着色処理に関する説明図である。
【図9】白地図の着色処理フローである。
【図10】着色領域の設定に関する処理フローである。
【図11】陰影領域の設定に関する処理フローである。
【図12】白地図に着色処理を行う場合の模式図である。
【図13】白地図に着色処理を行う場合の模式図である。
【図14】白地図に着色処理を行う場合の模式図である。
【図15】白地図に着色処理を行った画像例である。
【符号の説明】
【0031】
1 着色図面作成装置
10 CPU
11 RAM
12 ROM
13 記憶部
14 ディスプレイ
15 プリンタ
16 入力部
17 バス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
輪郭線からなる図面データに基づいて当該図面を輪郭線に囲まれた閉領域に分割する分割処理手段と、分割された閉領域のうち着色する閉領域を選択する選択手段と、選択された閉領域の形状を変形して着色領域を生成するとともに当該閉領域からずらして着色領域を設定する領域設定手段と、設定された着色領域に基づいて着色処理を行う着色処理手段とを備えていることを特徴とする着色図面作成装置。
【請求項2】
前記領域設定手段は、設定された前記着色領域及び前記閉領域に基づいて陰影領域を設定するとともに、前記着色処理手段は、設定された陰影領域に基づいて着色処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の着色図面作成装置。
【請求項3】
コンピュータを用いて輪郭線からなる図面データに着色する着色図面作成方法であって、前記図面データに基づいて当該図面を輪郭線に囲まれた閉領域に分割し、分割された閉領域のうち着色する閉領域を選択し、選択された閉領域の形状を変形して着色領域を生成するとともに当該閉領域からずらして設定し、設定された着色領域に基づいて着色処理を行うことを特徴とする着色図面作成方法。
【請求項4】
設定された前記着色領域及び前記閉領域に基づいて陰影領域を設定し、設定された陰影領域に基づいて着色処理を行うことを特徴とする請求項3に記載の着色図面作成方法。
【請求項5】
輪郭線からなる図面データに着色する着色図面作成装置を機能させるためのプログラムであって、
前記着色図面作成装置を、
輪郭線からなる図面データに基づいて当該図面を輪郭線に囲まれた閉領域に分割する手段、
分割された閉領域のうち着色する閉領域を選択する手段、
選択された閉領域の形状を変形して着色領域を生成するとともに当該閉領域からずらして着色領域を設定する手段、
設定された着色領域に基づいて着色処理を行う手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項6】
前記着色領域を設定する手段は、設定された前記着色領域及び前記閉領域に基づいて陰影領域を設定するとともに、着色処理を行う手段は、設定された陰影領域に基づいて着色処理を行うことを特徴とする請求項5に記載のプログラム。
【請求項1】
輪郭線からなる図面データに基づいて当該図面を輪郭線に囲まれた閉領域に分割する分割処理手段と、分割された閉領域のうち着色する閉領域を選択する選択手段と、選択された閉領域の形状を変形して着色領域を生成するとともに当該閉領域からずらして着色領域を設定する領域設定手段と、設定された着色領域に基づいて着色処理を行う着色処理手段とを備えていることを特徴とする着色図面作成装置。
【請求項2】
前記領域設定手段は、設定された前記着色領域及び前記閉領域に基づいて陰影領域を設定するとともに、前記着色処理手段は、設定された陰影領域に基づいて着色処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の着色図面作成装置。
【請求項3】
コンピュータを用いて輪郭線からなる図面データに着色する着色図面作成方法であって、前記図面データに基づいて当該図面を輪郭線に囲まれた閉領域に分割し、分割された閉領域のうち着色する閉領域を選択し、選択された閉領域の形状を変形して着色領域を生成するとともに当該閉領域からずらして設定し、設定された着色領域に基づいて着色処理を行うことを特徴とする着色図面作成方法。
【請求項4】
設定された前記着色領域及び前記閉領域に基づいて陰影領域を設定し、設定された陰影領域に基づいて着色処理を行うことを特徴とする請求項3に記載の着色図面作成方法。
【請求項5】
輪郭線からなる図面データに着色する着色図面作成装置を機能させるためのプログラムであって、
前記着色図面作成装置を、
輪郭線からなる図面データに基づいて当該図面を輪郭線に囲まれた閉領域に分割する手段、
分割された閉領域のうち着色する閉領域を選択する手段、
選択された閉領域の形状を変形して着色領域を生成するとともに当該閉領域からずらして着色領域を設定する手段、
設定された着色領域に基づいて着色処理を行う手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項6】
前記着色領域を設定する手段は、設定された前記着色領域及び前記閉領域に基づいて陰影領域を設定するとともに、着色処理を行う手段は、設定された陰影領域に基づいて着色処理を行うことを特徴とする請求項5に記載のプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−242533(P2008−242533A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−77996(P2007−77996)
【出願日】平成19年3月24日(2007.3.24)
【出願人】(504145320)国立大学法人福井大学 (287)
【出願人】(301069650)株式会社 システムラン (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月24日(2007.3.24)
【出願人】(504145320)国立大学法人福井大学 (287)
【出願人】(301069650)株式会社 システムラン (3)
【Fターム(参考)】
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