説明

石油化学プラントのバルブ制御装置

【課題】制御モード切替操作部によりリモート制御モードとローカル制御モードの何れかに切替操作された場合に、適正なプラントの運転状態を維持することができる石油化学プラントのバルブ制御装置を提供する。
【解決手段】開度センサから入力されるバルブ開度値とバルブに対する制御指令値に基づいてバルブを駆動制御する制御部と、主制御装置から入力される制御指令値に基づいてバルブを駆動制御するリモート制御モードと、手動操作部から入力される制御指令値に基づいてバルブを駆動制御するローカル制御モードの何れかの制御モードに制御部を切替操作可能な制御モード切替操作部と、制御モード切替操作部が切替操作されたときに、手動操作部から入力される制御指令値と、主制御装置から入力される制御指令値との偏差に基づいて、制御モードを切り替えるか否かを判断する制御モード切替制御部を制御部に備えた石油化学プラント制御装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石油精製のためのFCC装置やRFCC装置等の石油化学プラントに組み込まれたバルブを制御するバルブ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
石油化学プラントでは、被制御流体に対する制御の誤りにより爆発等の危険を招く虞があることや、機器の異常により運転を一旦停止すると、運転の再開には機器の点検等に手数を要することから、使用するバルブ及びバルブ制御装置には、高い信頼性が求められる。
【0003】
当該バルブ制御装置は、通常、遠隔に設置された主制御装置からの制御指令に基づいてリモート制御されるものであるが、検査等のメンテナンス時や主制御装置に問題が発生したような場合には、主制御装置からの制御指令によらないローカル制御を必要とする場合がある。
【0004】
このようなバルブ制御装置として、特許文献1には、バルブを駆動する駆動装置と、流体の流量等の検出信号に基づいてバルブの開度を制御する制御装置を一体化し、制御装置によるローカル制御モードと、中央の制御装置によるリモート制御モードを切り替える制御モード切替部を備えたバルブ制御装置が提案されている。
【特許文献1】特開昭63−135677号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたバルブ制御装置では、リモート制御時にはバルブの開度を制御指令値となるように制御し、モード切替部を手動側に切替えたローカル制御時には設定部によってバルブの開度設定を行ない、その後の流量値に基づいてバルブ開度を制御することが記載されている。
【0006】
しかし、例えば、リモート制御モードからローカル制御モードへの切替時に、そのときの制御指令値と大きく異なる値が設定部を介して設定されているような場合には、プラントに異常な変動を与えることになり、重大事故の発生に繋がりかねないという危惧があった。
【0007】
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、制御モード切替操作部によりリモート制御モードとローカル制御モードの何れかに切替操作された場合に、適正なプラントの運転状態を維持することができる石油化学プラントのバルブ制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するため、本発明による石油化学プラントのバルブ制御装置の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、開度センサから入力されるバルブ開度値とバルブに対する制御指令値に基づいて前記バルブを駆動制御する制御部と、主制御装置から入力される制御指令値に基づいて前記バルブを駆動制御するリモート制御モードと、手動操作部から入力される制御指令値に基づいて前記バルブを駆動制御するローカル制御モードの何れかの制御モードに前記制御部を切替操作可能な制御モード切替操作部を備えた石油化学プラントのバルブ制御装置であって、前記制御モード切替操作部が切替操作されたときに、前記手動操作部から入力される制御指令値と、前記主制御装置から入力される制御指令値との偏差に基づいて、前記制御モードを切り替えるか否かを判断する制御モード切替制御部を、前記制御部に備えている点にある。
【0009】
上述の構成によれば、制御モード切替操作部が切替操作されたときであっても、制御モード切替制御部により、手動操作部から入力される制御指令値と、主制御装置から入力される制御指令値との偏差に基づいて、制御モードを切り替えるか否かが判断されるので、例えば、手動操作部で設定されている初期値が異常な値である等、適正なプラントの運転状態を維持することができないような場合に、直ちに制御モードが切替えられるような不都合な事態の発生を回避することができるようになる。
【0010】
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一特徴構成に加えて、前記制御モード切替制御部は、前記手動操作部から入力される制御指令値と、前記主制御装置から入力される制御指令値との偏差が所定範囲に収束し、かつ一定時間(例えば5秒間)その状態が保持されたときに前記制御モードを切り替える点にある。
【0011】
上述の構成によれば、手動操作部から入力される制御指令値と、主制御装置から入力される制御指令値との偏差が所定範囲に収束することを条件として制御モードが切り替えられるため、例えば、操作者が手動操作部を操作して制御指令値を主制御装置から入力されている制御指令値に近い値に設定操作することにより、その後にローカル制御モードに移行させることができ、適正なプラントの運転状態を維持することができる。
【0012】
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記手動操作部から入力される制御指令値と、前記主制御装置から入力される制御指令値との偏差が所定範囲に収束するように、前記手動操作部を操作するように案内する案内表示部を備えている点にある。
【0013】
上述の構成によれば、制御モード切替部が切替操作された場合に、手動操作部から入力される制御指令値が、主制御装置から入力される制御指令値と大きく異なるときであっても、案内表示部により操作者が適切に操作できるように案内されるので、速やかに制御モードを切替えることができるようになる。
【0014】
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第二特徴構成に加えて、前記手動操作部から入力される制御指令値と、前記主制御装置から入力される制御指令値との偏差が所定範囲に収束するように、前記手動操作部から入力される制御指令値を補正する点にある。
【0015】
上述の構成によれば、制御モード切替部が切替操作された場合に、手動操作部から入力される制御指令値が、主制御装置から入力される制御指令値と大きく異なるときであっても、制御モード切替制御部により、手動操作部から入力される制御指令値が、主制御装置入力されるバルブ開度値に近づくように補正されるので、速やかに制御モードを切替えることができるようになる。
【0016】
同第五の特徴構成は、同請求項5に記載した通り、上述の第一から第四の何れかの特徴構成に加えて、前記制御部が防爆構造体の内部に収容され、制御モード切替操作部及び手動操作部が前記防爆構造体の外部に設置されている点にある。
【0017】
上述の構成によれば、爆発等の危険のあるプラントに組み込まれているバルブの制御装置であっても、安全な環境下でローカル制御モードに移行し、操作することができるようになる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明した通り、本発明によれば、制御モード切替部によりリモート制御モードとローカル制御モードの何れかに切替操作された場合に、適正なプラントの運転状態を維持することができる石油化学プラントのバルブ制御装置を提供することができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、石油化学プラントの一例である石油精製のためのFCC装置やRFCC装置に組み込まれたバルブ制御装置を説明する。図1に示すように、バルブの制御装置1は、プラントに組み込まれたバルブVの近傍に配置された油圧ユニットUに組み込まれ、プラントの主制御装置CTから入力されたバルブVに対する目標開度信号と開度センサSで検出されたバルブの開度信号に基づいて、油圧機構VDを制御してバルブVの開度を調整し、主制御装置CTにバルブVの開度状態を表す位置信号を出力する制御装置である。
【0020】
図2に示すように、油圧ユニットUは、油圧ポンプとアキュムレータとアクチュエータとしての油圧制御用のサーボ弁等を備えた油圧機構VDと、制御装置1が収容される防爆構造のケーシングCと、ケーシングC内に防爆用の空気を圧入するエアユニットAU等を備えている。
【0021】
ケーシングCの扉は透明ガラスが配され、内部の制御装置1に備えた液晶表示パネルの画面が外部から認識可能に構成されている。また、扉には複数の防爆型のスイッチSW1,SW2,SW3が取り付けられている。
【0022】
スイッチSW1は回転式の多接点スイッチまたは押しボタン式スイッチで、当該スイッチSW1の回転操作または押圧操作により、ケーシングCの防爆状態を維持した状態で、液晶表示パネルの表示画面を切り替え操作することが可能になっている。
【0023】
また、スイッチSW2は押しボタン式スイッチで本発明による制御モード切替操作部となり、当該スイッチSW2を操作することにより、ケーシングCの防爆状態を維持した状態で、制御装置1がローカル制御モードとリモート制御モードに切り替えられる。
【0024】
さらに、スイッチSW3は可変抵抗器を内蔵したダイアルスイッチで本発明による手動操作部となり、ローカル制御モードで当該スイッチSW3を回転操作することにより、ケーシングCの防爆状態を維持した状態で、バルブVの開度を手動制御することが可能となる。
【0025】
制御装置1は、バルブVの開度を検出する開度センサSから入力されるバルブ開度値と、主制御装置CTまたは手動操作部SW3から入力されるバルブVの制御指令値、つまり目標開度信号に基づいて、バルブVを駆動するサーボ弁に対する制御値を算出し、算出した制御値に基づいてバルブVの開度をフィードバック制御するための複数の制御部を備えている。
【0026】
図3に示すように、制御対象であるバルブVは、プラントの運転状態に応じて流路Pを所定の開度に調整するスライドバルブVで、サーボ弁を介して供給される圧油により駆動される油圧シリンダSLのピストンに連結された弁棒V2を介して弁体V1がスライド駆動される。ピストンと弁棒V2の間にはカップリングを介して一対の磁歪式の開度センサS(S1,S2)が組み込まれ、開度センサSの出力が制御装置1に入力されている。尚、制御対象であるバルブVは、スライドバルブVに限るものではなく、プラグ弁、バタフライ弁等の他のバルブでも同様である。
【0027】
磁歪式の開度センサSとは、ピストンの進退移動に伴なって、センサロッド上を非接触で移動するマグネットにより発生するねじり歪の伝播時間を計測することによりマグネットの位置、つまりバルブVの開度を計測するセンサである。
【0028】
図4に示すように、制御装置1は、二枚の制御部基板2,3と、表示部基板4と、端子基板5等を備え、夫々が単一または複数のコネクタで接続されている。二枚の制御部基板2,3の夫々により本発明による二つの制御部20,30が構成され、表示部基板4により表示部40が構成されている。
【0029】
制御部基板2,3及び表示部基板4は、端子基板5を介して、主制御装置CT及び制御対象であるバルブ駆動機構との間で各種の信号が入出力される。
【0030】
具体的に、端子基板5を介して主制御装置CTから制御部20,30にバルブVの制御指令値が入力されるとともに、制御部20,30から主制御装置CTにバルブVの位置信号が出力される。また、端子基板5を介して一対の開度センサSからのバルブ開度値が入力され、制御部20,30からサーボ弁に制御信号が出力される。
【0031】
さらに、制御モード切替操作部としてのスイッチSW2の出力、及び、手動操作部としてのスイッチSW3からの制御指令値が、端子基板5を介して制御部基板2,3に入力され、スイッチSW1の出力が表示部基板4に直接入力されている。
【0032】
図6に示すように、一対の制御部20,30及び表示部40には、夫々CPUと、CPUにより実行される制御プログラムが記憶されたROMと、ワーキング領域として使用されるRAMが内蔵されたマイクロコンピュータ、及び周辺回路が搭載され、当該制御プログラムがCPUにより実行されることにより、所期のバルブ制御機能等が実現される。
【0033】
制御部20,30及び表示部40には、通信バスとして機能する、例えばCU net(株式会社ステップテクニカの登録商標)等のローカルネットワークで接続された共有メモリCMが夫々設けられ、各制御部20,30による制御情報、制御パラメータ、表示データ等が共有メモリCMを介して共有されるように構成されている。
【0034】
つまり、各制御部20,30及び表示部40のCPUによって夫々に設けられた共有メモリCMの書込み領域に書き込まれた制御情報等が、ローカルネットワークを介して各共有メモリCMの読出し領域にコピーされることにより、CPUを介さずに互いの制御情報等の交信が可能となるように構成されている。
【0035】
表示部基板4には、カラー液晶表示ユニット45が組み込まれ、共有メモリCMを介して収集された制御情報に基づいて、カラー液晶表示ユニット45に図5に示すようなバルブの制御状態等を示すモニタ画面が表示される。
【0036】
表示部基板4には、電池バックアップされたSRAM44が搭載され、共有メモリCMを介して得られた各制御部20,30による制御情報がリングバッファ形式で格納されるように構成され、その内容をバックアップ記憶する着脱自在なSDメモリ46が搭載されている。
【0037】
また、表示部基板4には、LANを介して遠隔地に配置されたパーソナルコンピュータとの間で通信を行ない、カラー液晶表示ユニット45に表示される制御状態等を当該パーソナルコンピュータに送信する通信インタフェース42、防爆構造のケーシングCを介して外部のパーソナルコンピュータと通信可能な赤外線インタフェース43を備えている。
【0038】
赤外線インタフェース43は、防爆構造体を構成するケーシングCの扉を開放することなく制御部1と通信して、各種の初期設定用の制御パラメータを設定するとともに、異常情報を含む制御情報や表示データ等を読み出すメンテナンス用のパーソナルコンピュータPCと接続するために設けられている。
【0039】
メンテナンス用のパーソナルコンピュータPCから入力された制御パラメータは、表示部40のマイクロコンピュータ41を介して共有メモリCMに書き込まれ、ローカルネットワークを介して他の制御部基板に搭載された共有メモリCMに同様に書き込まれる。
【0040】
制御パラメータには、二系統の制御部20,30の何れが初期の制御権を有するかを設定する制御権パラメータ、二重化された開度センサSの何れを初期に選択するかを設定するセンサ選択パラメータ、主制御装置CTから制御部20,30に入力されるバルブVの制御指令値に対する信号レベル(例えば、開度0%から開度100%までを、4mAから20mAで規定する電流仕様や、0Vから10Vで規定する電圧仕様等)、開度センサSから入力される開度信号の信号レベル、油圧シリンダのスラスト圧の信号レベルや上下限値、サーボ弁に対する出力信号レベル、主制御装置CTに出力する位置信号の信号レベル、制御部20,30で検出される開度センサCの異常判定基準値等、システムを稼動させるのに必要な所定の制御パラメータが含まれる。
【0041】
図6に示すように、各制御部20,30には、入力信号処理部26,36を介して主制御装置CTからの制御指令値がマイクロコンピュータ21,31に入力されるとともに、開度信号処理部22,32を介して一対の開度センサS1,S2の出力信号の夫々がマイクロコンピュータ21,31に入力されるように構成されている。
【0042】
入力信号処理部26,36及び開度信号処理部22,32は、信号を電気的に分離するアイソレーションアンプと、アイソレーションアンプのアナログ出力信号をデジタル信号に変換するA/D変換器を備えている。
【0043】
また、各制御部20,30には、マイクロコンピュータ21,31から出力されたサーボ弁SVに対する制御値が、サーボ出力部23,33を介してサーボ弁SVに出力され、マイクロコンピュータ21,31から出力された主制御装置CTへのバルブVの開度位置が、位置信号出力部24,34を介して出力されるように構成されている。
【0044】
サーボ出力部23,33は、デジタルの制御値情報をアナログ信号に変換するD/A変換器と、その出力を増幅するドライバ回路を備えている。また、位置信号出力部24,34は、デジタルの開度位置情報を電気的に分離するアイソレーション回路と、アイソレーション回路の出力をアナログ信号に変換するD/A変換器を備えている。
【0045】
各制御部20,30は、制御モード切替操作部としてのスイッチSW2の操作によって、遠隔設置された主制御装置CTから入力される制御指令値に基づいてバルブVを駆動制御するリモート制御モードと、近傍設置された手動操作部(スイッチSW3)から入力される制御指令値に基づいてバルブVを駆動制御するローカル制御モードの何れかの制御モードに切替え可能に構成されている。
【0046】
上述した制御パラメータに基づいて制御権が設定された制御部(ここでは、制御部20とする。)は、何れの制御モードであっても、開度センサS1,S2から入力されるバルブ開度値のうちセンサ選択パラメータで選択された開度センサのバルブ開度値と制御指令値に基づいて、デジタルPID演算を行なってバルブVに対する制御値を算出し、算出した制御値に基づいて電磁式のサーボ弁SVに制御信号を出力する。
【0047】
制御権を有していない待機中の制御部(ここでは、制御部30となる。)も、同様に、開度センサS1,S2から入力される何れかのバルブ開度値のうちセンサ選択パラメータで選択された開度センサのバルブ開度値と主制御装置CTまたはスイッチSW3から入力される制御指令値に基づいて、デジタルPID演算を行なってバルブVに対する制御値を算出し、算出した制御値に基づいてサーボ弁SVに制御信号を出力する。
【0048】
その後、各制御部20,30は、各開度センサS1,S2に設定されている所定の優先権設定条件に基づいて、何れか一つの開度センサからのバルブ開度値を選択して、制御値を算出する。
【0049】
所定の優先権設定条件とは、上述したセンサ選択パラメータ以外に、制御指令値に基づく制御信号に対応してバルブ開度値が所定範囲に収束しない状態が所定時間継続するフィードバックロスの発生の有無、制御指令値とバルブ開度値の偏差が増大する方向に変化する状態が所定時間継続する逆DEV値の発生の有無をいう。フィードバックロスは開度センサの劣化等による異常、逆DEV値は誤配線による異常を検出するものである。これらは、後述する信号判別部260(図7参照)で検出される。
【0050】
各制御部20,30は、センサ選択パラメータで選択された開度センサSに、夫々フィードバックロスまたは逆DEV値が発生したと判断すると、他方の開度センサSに切り替えるとともに、現在選択中の開度センサ情報、異常発生した開度センサの異常情報等を自身の共有メモリCMに記憶する。
【0051】
夫々の共有メモリCMに記憶された情報は、ローカルネットワークを介して表示部40の共有メモリに書き込まれ、表示部40は、自身の共有メモリCMの内容に基づいて、カラー液晶表示ユニット45にモニタ表示するとともに、SRAM44、SDメモリ46に記憶する。
【0052】
さらに、夫々の開度センサSに対して、制御指令値とバルブ開度値の偏差であるDEV値の偏差が異常判定閾値以上になると、開度センサSを切り替えずに制御装置1に設けた警報部を作動して鳴動させる。
【0053】
尚、開度センサS等に対する各種の異常判定閾値(信号レベル閾値及び継続時間等)は、予めメンテナンス用のパーソナルコンピュータPCで設定され、各共有メモリCMに記憶されている。
【0054】
前記制御部20,30には、制御モード切替操作部SW2が切替操作されたときに、手動操作部SW3から入力される制御指令値と、主制御装置CTから入力される制御指令値との偏差に基づいて、制御モードを切り替えるか否かを判断する制御モード切替制御部21a,31aを備えている。
【0055】
主制御装置CTから入力される制御指令値に基づいてバルブVを制御しているリモート制御モード時に、制御モード切替操作部SW2が操作されると、制御モード切替制御部21a,31aは、手動操作部SW3から入力される制御指令値と主制御装置CTから入力される制御指令値との偏差が所定範囲、好ましくは略等しい値となった場合に、制御部20,30による制御モードをローカル制御モードに切り替える。
【0056】
また、手動操作部SW3から入力される制御指令値に基づいてバルブVを制御しているローカル制御モード時に、制御モード切替操作部SW2が操作されると、制御モード切替制御部21a,31aは、主制御装置CTから入力される制御指令値と手動操作部SW3から入力される制御指令値との偏差が所定範囲、好ましくは略等しい値となった場合に、制御部20,30による制御モードをリモート制御モードに切り替える。
【0057】
さらに、表示部40には、手動操作部SW3から入力される制御指令値と、主制御装置CTから入力される制御指令値との偏差が所定範囲に収束するように、手動操作部SW3を操作するように案内する案内表示部41aを備えている。
【0058】
案内表示部41aは、制御モード切替操作部SW2が切替操作されたときに、手動操作部SW3から入力される制御指令値と、主制御装置CTから入力される制御指令値との偏差が所定範囲より大きいときに、当該偏差が所定範囲に収束するように、手動操作部SW3から入力される制御指令値を変化させるように、手動操作を促すメッセージをカラー液晶表示ユニット45の表示画面に表示する。
【0059】
制御モード切替制御部21a,31aは、手動操作部SW3から入力される制御指令値が手動操作により変化して、そのとき主制御装置CTから入力される制御指令値と略同じ値となった場合、或は、主制御装置CTから入力される制御指令値が手動操作部SW3から入力される制御指令値と略等しくなった場合に制御モードを切り替える。
【0060】
手動操作部SW3から入力される制御指令値と、主制御装置CTから入力される制御指令値との偏差が大きいときに制御モードを切り替えると、適正なプラントの運転状態が確保できなくなる虞があるため、当該偏差が所定範囲に収束することを条件として制御モードを切り替えるように構成しているのである。
【0061】
例えば、操作者が手動操作部SW3を操作して、制御指令値を主制御装置CTから入力されている制御指令値に近い値に設定操作することにより、適正なプラントの運転状態を維持しながら制御モードを切り替えることができる。尚、偏差の収束条件である所定範囲は、対象となるプラントにより適宜設定される値であり特に限定されるものではない。
【0062】
詳述すると、図8に示すように、各制御部20,30は、制御モード切替操作部SW2からの操作入力を検出すると(S1)、そのときに手動操作部SW3から入力される制御指令値と主制御装置CTから入力される制御指令値との偏差を算出し、当該偏差が所定範囲より大きいと判断すると(S2)、制御モードを維持しつつ、自身の共有メモリCMに制御モード切替のための案内メッセージの表示要求データを書き込む(S3)。
【0063】
表示部40は、自身の共有メモリCMにコピーされた案内メッセージの表示要求データを検出すると、カラー液晶表示ユニット45の表示画面に手動操作部SW3の操作を促す案内メッセージを表示する(S4)。案内メッセージには、バルブの開度を大きくするのか、小さくするのかという手動操作部SW3の操作方向指示が含まれる。
【0064】
当該画面には、現在の制御モードがローカル制御モードであるかリモート制御モードであるかを識別する制御モード表示部と、手動操作部SW3から入力される制御指令値と主制御装置CTから入力される制御指令値との偏差が、当該案内メッセージとともに表示される。
【0065】
当該案内メッセージと偏差を目視確認した操作者により、手動操作部SW3が操作されて、当該偏差が所定範囲に収束すると、制御部20,30により案内メッセージの表示要求データが消去されて(S2)、その時点でリモート制御モードからローカル制御モードへ(S5,S6)、或は、ローカル制御モードからリモート制御モードへ切り替えられる(S5,S7)。
【0066】
尚、上述のフローでは、手動操作部SW3から入力される制御指令値と主制御装置CTから入力される制御指令値との偏差が所定範囲より大きいときに、手動操作部SW3の操作により偏差が所定範囲に収束する例を説明したが、主制御装置CTから入力される制御指令値が変化することにより偏差が所定範囲に収束する場合もある。特にローカル制御モードからリモート制御モードに切替操作された場合に、その旨の情報を主制御装置CTに伝送することにより、主制御装置CTが積極的に制御指令値を変化させるように構成することも可能である。モード切替の操作情報を受信したときのバルブ1の開度情報に相当する制御指令値を出力するように主制御装置CTを構成すればよい。
【0067】
図7に示すように、制御部20には、自身がサーボ弁に出力した制御信号をサーボ弁SVに接続するか否かを切り替えるリレー回路、及び、主制御装置CTに出力した位置信号の信号線を主制御装置CTへの信号線に接続するか否かを切り替えるリレー回路でなるスイッチ回路250(250a,250b)が設けられ、自身が制御権を持つ場合に自身のスイッチ回路250をオンし、自身が制御権を持たない場合に自身のスイッチ回路250(250a,250b)をオフするように構成されている。制御部30も同様に構成されている。
【0068】
従って、制御権を持つ制御部(20または30)からのみ、サーボ弁SVに対する駆動電流が出力され、主制御装置CTへバルブVの位置信号が出力されるようになり、信号の干渉が生じないように構成されている。
【0069】
制御権を持つ制御部(20または30)に異常が発生すると、制御権引渡し信号が待機中の制御部(30または20)に出力され、待機中の制御部(30または20)は、制御権引渡し信号を検出すると、自身のスイッチ回路250をオンして、バルブに対する制御を継続するように構成されている。
【0070】
以下、リモート制御モードでの制御部20を例にして制御権の引渡しについて詳述するが、ローカル制御モードでも同様であり、また、制御部30も同様である。制御部20に自身の異常を検出する複数の異常検出部を備えている。制御権を持っている場合に、異常検出部により自身の異常を検出すると、自身の制御信号を遮断するようにスイッチ回路250をオフするとともに、他の制御部30に制御権を引き渡す制御権引渡し信号を出力するように構成されている。さらにそのときに、制御装置1に設けた警報部を作動して鳴動させる。
【0071】
図7に示すように、異常検出部としてハードウェアによるウォッチドッグ回路220、ソフトウェアによるウォッチドッグタイマ210を備えている。
【0072】
ウォッチドッグ回路220は、マイクロコンピュータ21から所定周期で入力されるウォッチドッグパルス(以下、「WDパルス」と記す。)によりリセットされるカウンタ回路と、カウンタ回路が所定値より大きくなると異常信号を出力するゲート回路を備えており、マイクロコンピュータ21のCPUに何らかの原因で暴走等の異常が発生し、WDパルスが入力されない状態が所定時間継続するとカウンタ回路が所定値より大きくなり、異常信号が出力される。
【0073】
ウォッチドッグタイマ210は、マイクロコンピュータ21の内部タイマにより自動カウントされるカウンタを備えたファームウェアと、当該カウンタの値をソフトウェアによりリセットするプログラムで構成され、CPUの暴走等でプログラムによるリセットが所定時間行なわれないときに、ファームウェアにより異常信号(図中、「オーバーフロー」と記載された信号)が出力される。
【0074】
ウォッチドッグ回路220またはウォッチドッグタイマ210の何れかから異常信号が入力されるとその状態を保持するラッチ回路を有するウォッチドッグエラー回路230を備え、ウォッチドッグエラー回路230から待機中の制御部30に制御権を引き渡す制御権引渡し信号(図中、「制御CPU異常/正常」と記載された信号で、正常時はハイレベル、異常時はローレベルとなる。)が出力される。
【0075】
図7中、「他制御CPU異常/正常」と記載された信号がマイクロコンピュータ21に入力されているが、この信号は他方の制御部30に備えたウォッチドッグエラー回路からの信号である。
【0076】
上述したスイッチ回路250は、ANDゲートを備えた出力切替回路240により制御される。つまり、制御権を持つマイクロコンピュータ21から出力されるハイレベルの制御切替信号と、ウォッチドッグエラー回路230から出力されるハイレベルの制御権引渡し信号が入力されているときにスイッチ回路250がオンされて制御信号及び位置信号が出力され、制御切替信号と制御権引渡し信号の少なくとも何れか一方の信号レベルがローレベルであるときにスイッチ回路250がオフされる。従って、制御権を持たない待機中のマイクロコンピュータ21から出力されるローレベルの制御切替信号によりスイッチ回路250はオフされる。
【0077】
従って、自身の制御信号の出力状態にかかわらず、ウォッチドッグ回路220またはウォッチドッグタイマ210の何れかから出力される異常信号により自身の制御信号及び位置信号を遮断するとともに、当該異常信号が制御権引渡し信号として他の制御部30に出力される。
【0078】
さらに、異常検出部として、開度センサS、サーボ弁SV、制御指令値の何れかの異常を、CPUで実行される制御プログラムに基づいて検出する機能ブロックである信号判別部260を備えている。
【0079】
信号判別部260は、開度センサSから入力されるバルブVの開度値、主制御装置CTから入力される制御指令値、PID演算の結果に基づいて出力されるサーボ弁SVに対する電流値、主制御装置CTに出力されるバルブVの位置信号の夫々について、共有メモリCMに記憶された上下限の何れかの異常判定閾値を超える状態が所定時間継続したときに異常と判断して、その結果を共有メモリCMに記憶する。尚、電流値は、図7に示す電流検出部によって、サーボ出力部23からの出力値がモニタされてマイクロコンピュータ21に入力されるように構成されている。
【0080】
信号判別部260により上述した何れかの異常が検出されると、マイクロコンピュータ21から正常時にハイレベルで出力されるCPU異常信号がローレベルに切り替わり、ローレベルのCPU異常信号がウォッチドッグエラー回路230に入力されて、ウォッチドッグエラー回路230でローレベルにラッチされた制御権引渡し信号が待機中の制御部30に出力される。尚、CPU異常信号がローレベルに切り替えられると、ウォッチドッグ回路220の動作は停止する。
【0081】
つまり、信号判別部260により何れかの異常を検出すると、自身の制御信号及び位置信号の出力状態にかかわらず、異常信号を出力して自身の制御信号及び位置信号を遮断するとともに、当該異常信号を制御権引渡し信号として他の制御部に出力するように構成されている。
【0082】
また、制御部20,30間で、共有メモリCMに記憶されたバルブ開度値や制御値等の制御情報に基づいて、バルブ開度値及び各バルブ開度値に基づく制御値に過大な差分があると判断したときに、冗長設計された何れかの系に異常が発生している可能性があると判断して、制御を継続、つまり、制御権を引き渡さずに、警報部から警報を出力して、メンテナンスの必要性があることを報知する。
【0083】
上述したウォッチドッグ回路220、ウォッチドッグタイマ210、ウォッチドッグエラー回路230と、マイクロコンピュータ21に割り付けられたそれらの入出力信号ポート等により、制御権を持つ制御部20,30から異常信号を受けて、制御権引渡し信号を他の制御部30,20に出力する制御権取得回路25,35が構成されている。
【0084】
制御権を持つ制御部30の制御権取得回路35から待機中の制御部20に、ローレベルの制御権引渡し信号(図7中、「他制御CPU異常/正常」信号)が入力されると、制御部20に制御権が引き渡される。制御部20は、出力切替回路240に対する制御切替信号をローレベルからハイレベルに切り替えて、スイッチ回路250をオンしてバルブVに対する制御を継続する。
【0085】
以上、説明したように、制御権を持つ制御部のみならず制御権を持たないバックアップ用の制御部も、開度センサから入力されるバルブ開度値と主制御装置またはスイッチSW3から入力される制御指令値に基づいてバルブを駆動するアクチュエータの制御値を算出し、算出した制御値に基づいてアクチュエータに制御信号を出力するため、制御権が切り替えられた場合であっても、応答遅れ無く直ちに適切に制御を継続することができるようになる。
【0086】
制御権を持つ制御部20の信号判別部260により異常が検出され、待機中の制御部30に制御権を引き渡す必要が生じた場合であっても、待機中の制御部30の信号判別部260により同様の異常が検出されていることを共有メモリCMに記憶された制御情報に基づいて認識すると、制御不能状態と判断して、制御権を引き渡すことなく、バルブVが閉塞するようにサーボ電流値をゼロに設定するフェールセーフ動作を実行する。
【0087】
また、制御権を持つ制御部20の信号判別部260により異常が検出され、待機中の制御部30に制御権を引き渡す必要が生じた場合であっても、待機中の制御部30から入力される制御権引渡し信号がローレベル、つまり、何らかの異常が発生していると判断できる場合には、制御不能状態と判断して、制御権を引き渡すことなく、バルブVが閉塞するようにサーボ電流値をゼロに設定するフェールセーフ動作を実行する。
【0088】
さらに、信号判別部260には、上述の制御権引渡しのための異常検出のみならず、油圧機構VDを構成するポンプの圧力、アキュムレータの圧力、ESD油圧、油液レベル、油圧シリンダSLのスラスト押し圧力または引き圧力(圧力センサにより検出される)等に異常が発生しているか否かを、予め共有メモリCMに記憶された制御パラメータに含まれる異常判定閾値や判定時間に基づいて判断し、異常と判断した場合に警報部を作動するように構成されている。
【0089】
制御権を取得している制御部が何れであるか、制御のために選択されている開度センサが何れであるか、バルブの制御状態、上述した各種の異常状態等の各種の情報は、共有メモリCMを介して表示部40に備えたカラー液晶表示ユニット45に表示され、或は、通信インタフェース42を介して接続されたパーソナルコンピュータPCの画面に表示される。
【0090】
各制御部20,30は、予め設定された制御周期(例えば、10msec.周期)で、制御指令値や開度センサSからの開度値等の読込処理、PID制御演算処理、サーボ弁に対する制御信号や位置信号等の出力処理、異常検出処理等の一連の処理を繰り返し実行し、その結果を自身の共有メモリCMに記憶する。
【0091】
各共有メモリCM間を接続するローカルネットワークにより、上述の制御周期とほぼ同一の周期で相互のデータが読み書きされて互いにデータを共有する。
【0092】
表示部40は、共有メモリCMに記憶された制御情報に基づいて表示処理を行ない、さらに、予め設定された制御情報を上述の制御周期より長い周期(例えば1秒周期)で時刻情報と共にSRAM44に書き込むとともに、SDメモリ46に書き込む。SRAM44にはリングバッファ方式で4時間程度の制御情報が記憶され、SDメモリ46には数年に亘る制御情報が記憶される。
【0093】
このように、バルブVに対する制御シーケンスを実行する制御部20,30と、その結果を表示する表示部40とを、共有メモリCMを介することにより機能分散しているため、制御部20,30に表示処理のための負荷を掛けることによる制御の遅延を招くことなく、円滑に表示処理することが可能となる。
【0094】
上述した実施形態では、バルブVを制御する制御部が二つの制御部により冗長制御される場合を説明したが、三つ以上の制御部により冗長制御されるように構成してもよい。この場合、各制御部に優先順位を設定し、優先順位が上位の制御部から下位の制御部に制御権が引き渡されるように構成することができる。
【0095】
上述した実施形態では、バルブVの開度を検出する開度センサSを二つ設けた例を説明したが、開度センサSを三つ以上設けて、夫々の出力が各制御部に入力されるように構成してもよい。
【0096】
上述した実施形態では、制御モードの切替時に、手動操作部SW3から入力される制御指令値と主制御装置CTから入力される制御指令値との偏差が所定範囲に収束したときに、制御モード切替制御部により制御モードが切り替えられる例を説明したが、制御モードの切替時に、手動操作部SW3から入力される制御指令値と、主制御装置CTから入力される制御指令値との偏差が所定範囲に収束するように、制御モード切替制御部が手動操作部SW3から入力される制御指令値を補正するように構成してもよい。
【0097】
つまり、リモート制御モードからローカル制御モードに切替操作されたときに、手動操作部SW3から入力される制御指令値に、正または負のオフセット値を加えて、主制御装置CTから入力される制御指令値と等しくなるように補正してもよい。
【0098】
上述の各種の実施形態は、本発明の一実施例であり、本発明による作用効果を奏する範囲で各部の具体的な回路構成等は適宜変更設計できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明による制御装置が組み込まれたシステムのブロック構成図
【図2】油圧ユニットの説明図
【図3】バルブ、油圧シリンダ、開度センサの説明図
【図4】油圧ユニットに組み込まれた制御装置を構成する基板の説明図
【図5】表示部によりカラー液晶表示ユニットに表示される画面の説明図
【図6】制御装置を構成する二つの制御部と表示部の機能ブロック構成図
【図7】制御部の要部の構成図
【図8】制御モード切替動作を示すフローチャート
【符号の説明】
【0100】
1:制御装置
20,30:制御部
21a,31a:制御モード切替制御部
40:表示部
41a:案内表示部
CT:主制御装置
S,S1,S1:開度センサ
SV:アクチュエータ(サーボ弁)
SW2:制御モード切替操作部
SW3:手動操作部
V:バルブ
VD:油圧機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開度センサから入力されるバルブ開度値とバルブに対する制御指令値に基づいて前記バルブを駆動制御する制御部と、主制御装置から入力される制御指令値に基づいて前記バルブを駆動制御するリモート制御モードと、手動操作部から入力される制御指令値に基づいて前記バルブを駆動制御するローカル制御モードの何れかの制御モードに前記制御部を切替操作可能な制御モード切替操作部を備えた石油化学プラントのバルブ制御装置であって、
前記制御モード切替操作部が切替操作されたときに、前記手動操作部から入力される制御指令値と、前記主制御装置から入力される制御指令値との偏差に基づいて、前記制御モードを切り替えるか否かを判断する制御モード切替制御部を、前記制御部に備えている石油化学プラントのバルブ制御装置。
【請求項2】
前記制御モード切替制御部は、前記手動操作部から入力される制御指令値と、前記主制御装置から入力される制御指令値との偏差が所定範囲に収束したときに前記制御モードを切り替える請求項1記載の石油化学プラントのバルブ制御装置。
【請求項3】
前記手動操作部から入力される制御指令値と、前記主制御装置から入力される制御指令値との偏差が所定範囲に収束するように、前記手動操作部を操作するように案内する案内表示部を備えている請求項2記載の石油化学プラントのバルブ制御装置。
【請求項4】
前記制御モード切替制御部は、前記手動操作部から入力される制御指令値と、前記主制御装置から入力される制御指令値との偏差が所定範囲に収束するように、前記手動操作部から入力される制御指令値を補正する請求項2記載の石油化学プラントのバルブ制御装置。
【請求項5】
前記制御部が防爆構造体の内部に収容され、制御モード切替操作部及び手動操作部が前記防爆構造体の外部に設置されている請求項1から4の何れかに記載の石油化学プラントのバルブ制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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