説明

石炭の分配搬送制御方法

【課題】石炭を複数の炭槽に向けて分配搬送する場合に、装入先を連続的に切り替えると共に、装入先の炭槽毎に石炭の品位制御を行うことができる石炭の分配搬送制御方法を提供する。
【解決手段】所定の配合比率で配合された石炭を、分配設備10を用いて2つのコンベア3a,3bに分配して供給し、一時貯留用の複数の炭槽8に向けて搬送するに際して、2つのコンベア3a,3bのうち、一方のコンベアにおける向け先炭槽の空き量と、他方のコンベアにおける向け先炭槽の空き量との比率に応じて、分配設備11での石炭の分配比を算出して分配すると共に、湿炭ホッパ4から炭槽8前のコンベアまでの石炭滞留量を含めたタイミングで、前記配合比率の変更及びコンベア系統の切替を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石炭搬送設備において、石炭を分配して搬送する石炭の分配搬送制御方法に関し、特に好適には、コークス炉装入炭の事前乾燥処理を行うことで水分調整を行う調湿炭設備出側における石炭の分配搬送を制御する石炭の分配搬送制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の石炭の分配搬送制御方法としては、石炭を、分配設備を用いて2つのコンベアに分配して供給し、複数の炭槽に向けて搬送するに際し、2つのコンベアのうち、一方のコンベアにおける向け先炭槽の空き量と他方のコンベアにおける向け先炭槽の空き量との比率に応じて、分配設備での石炭の分配比を算出して分配するというものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−238968号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に記載の石炭の分配搬送制御方法にあっては、2つの向け先炭槽の満槽到達時刻をほぼ同一とすることはできるものの、石炭の向け先を連続的に切り替え、さらに向け先の炭槽毎に石炭の配合比率を変更する場合の制御方法に関しては、何ら記載されていない。
そのため、上記のように、向け先の炭槽毎に石炭の配合比率を変更する場合、前装入先の配合原料が次装入先に装入され、正規の配合比率原料と混合されてしまうことで、乾留熱量等のばらつきが生じるおそれがある。
【0004】
そこで、本発明は、石炭を複数の炭槽に向けて分配搬送する場合に、装入先を連続的に切り替えると共に、装入先の炭槽毎に石炭の品位制御を行うことができる石炭の分配搬送制御方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1に係る石炭の分配搬送制御方法は、所定の配合比率で配合された石炭を、分配設備を用いて2つのコンベアに分配して供給し、各コンベアに夫々接続された一時貯留用の複数の炭槽に向けて搬送するに際しての石炭の分配搬送制御方法であって、前記2つのコンベアのうち、一方のコンベアにおける向け先炭槽の空き量と、他方のコンベアにおける向け先炭槽の空き量との比率に応じて、前記分配設備での石炭の分配比を算出して分配すると共に、運転中のコンベア系統におけるコンベア上の石炭滞留量を含めたタイミングで、前記配合比率の変更及び前記コンベア系統の切替を行うことを特徴としている。
【0006】
また、請求項2に係る石炭の分配搬送制御方法は、請求項1に係る発明において、前記2つのコンベアのうち、少なくとも一方のコンベアにおける向け先炭槽の在庫量と、該向け先炭槽へ向かうコンベア上の石炭滞留量との和が、当該向け先炭槽の満槽量に達したとき、前記配合比率を次向け先炭槽用の配合比率へ変更することを特徴としている。
さらに、請求項3に係る石炭の分配搬送制御方法は、請求項1又は2に係る発明において、前記配合比率の変更を行った後、現向け先炭槽が満槽となったとき、前記コンベア系統を次系統に切り替えることを特徴としている。
【0007】
また、請求項4に係る石炭の分配搬送制御方法は、請求項1又は2に係る発明において、前記配合比率の変更を行った後、次向け先炭槽用の配合比率で配合された石炭が、現コンベア系統と次コンベア系統との分岐地点に到達したとき、前記コンベア系統を次系統に切り替えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の請求項1に係る石炭の分配搬送制御方法によれば、石炭を、分配設備を用いて2つのコンベアに分配して供給し、複数の炭槽に向けて搬送するに際して、2つのコンベアにおける各向け先炭槽の空き量に応じて前記分配設備での石炭の分配比を算出して分配するので、分配搬送している2つの炭槽を同一時刻で満槽とすることができる。その結果、石炭搬送時の切替頻度を低下させ、コンベアの設備改造を行うことなく搬送能力を向上させることができるという効果が得られる。
【0009】
さらに、運転中のコンベア系統におけるコンベア上の石炭滞留量を含めたタイミングで、石炭の配合比率の変更及びコンベア系統の切替を行うので、装入先の炭槽毎に石炭の品位制御を行うことができると共に、当該装入先を連続的に切り替えることができる。また、このとき、前装入先の配合原料が次装入先に装入されてしまうことを防止して、乾留熱量等のばらつきの発生を防止することができる。
【0010】
このように、石炭の2系統同時搬送を実現しつつ、石炭の品位制御が可能となる。
また、請求項2に係る石炭の分配搬送制御方法によれば、2つのコンベアのうち、少なくとも一方のコンベアにおける向け先炭槽の在庫量と、該向け先炭槽へ向かうコンベア上の石炭滞留量との和が、当該向け先炭槽の満槽量に達したときに、石炭の配合比率を変更するので、コンベア上の原料トラッキングにより、現向け先炭槽が満槽となる予想時刻以前に、切り出し石炭の比率を次装入先のそれに変更することができるなど、適切なタイミングで石炭の配合比率を変更することができるという効果が得られる。
【0011】
さらに、請求項3に係る石炭の分配搬送制御方法によれば、石炭の配合比率を次装入先のそれに変更した後、現向け先炭槽が満槽となった時点でコンベア系統を次系統へ切り替えるので、装入先を連続的に切り替えることができると共に、前装入先の配合原料が次装入先に装入されてしまうことを防止することができるという効果が得られる。
さらにまた、請求項4に係る石炭の分配搬送制御方法によれば、石炭の配合比率を次装入先のそれに変更した後、次向け先炭槽用の配合比率に配合された石炭が、現コンベア系統と次コンベア系統との分岐地点に到達したときに、コンベア系統を次系統へ切り替えるので、前装入先の配合原料が次装入先に装入されてしまうことを確実に防止することができると共に、より連続的に装入先を切り替えることができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、コークス炉装入炭の搬送フローを示す図であり、配合ベッドから調湿炭設備出側に至る石炭搬送フローの一例(上流側2系統、下流側1系統2分配の例)を示している。この図1において、符号1、2は各種銘柄の石炭を所定の配合率に応じて積層して形成される配合炭を配合率別に配置してなる1系・2系の配合ベッドである。
【0013】
各系の配合炭は系間で互いに混合可能な通常の粘結炭・微粘結炭から構成されている。1系、2系の配合炭は、これらの配合ベッドからそれぞれのコンベア3で搬送されて湿炭ホッパ4に一時貯蔵され、適時各湿炭ホッパ4付属の切り出し装置5により所定の切り出し比率で切り出される。そして、ホッパ出側(設備入側)の水分計6で各系別に石炭水分を測定され、1系・2系混合後、秤量器7で秤量され、次いで調湿炭設備10に装入される。
【0014】
調湿炭設備10内においては、特開平9−328689号公報等に記載の方法にて含有水分の量が所定の値になるように調湿(乾燥)後、コンベア3a、3bに分配されて複数の炭槽8に向けて搬送され、各炭槽8にサイクリックに装入されて一時的に貯留される。その後、図示しないコークス炉に供給される。
なお、図1の例では、炭槽8は6基設置されており、コンベア3aと3bにそれぞれ3基ずつ接続されている。
【0015】
次に、調湿炭設備10出側における石炭の分配搬送フローの詳細について、図2をもとに説明する。
調湿炭設備10で調湿(乾燥)された石炭は、調湿炭設備10出側のコンベア10aで搬送され、分配設備11に装入される。
なお、分配設備11は、搬送する石炭をダンパで分配するダンパ設備とすることを好適とする。ダンパ設備11については後述する。
【0016】
ダンパ設備11で2つに分配された石炭は、コンベア3a、3bで搬送され、それぞれの炭槽8に装入される。ここで、コンベア3a、3b上では、ベルトウェア(コンベア秤量器)13a、13bで搬送中の石炭が秤量される。
図3は、石炭を分配するダンパ設備11の詳細を示す図である。
この図3に示すように、調湿炭設備出側のコンベア10aで搬送されてきた石炭9は、ダンパ設備11に投入される。投入された石炭9は、分配ダンパ11dで2つのシュータ11a、11bに分配される。そして、各シュータから排出された石炭をコンベア3a、3bで搬送する。
【0017】
なお、ダンパ設備11内に設けられた分配ダンパ11dは、ダンパ切替装置11cによって所定位置に切り替えることができる。また、その切り替えたダンパ位置は、ダンパ切替装置11cに併設した位置検出器12で検出される。
この分配ダンパ11dは、図4に示すように、その位置を複数のポジションに切り替え制御できるように構成されており、ここでは、5つのポジション(切替位置)P1〜P5を切り替えるようにするものを示している。こうすることで、分配ダンパ11dの切替をより単純化し、ダンパへの負荷を軽減し、制御をより単純化することができる。
【0018】
このような構成により、分配ダンパ11dの位置がP1〜P5の各ポジションに切り替えられると、分配シュータ11a、11bへの石炭の送り量が制御される。
ここで、分配ダンパ位置がポジションP1のとき、送り量比率(11a側:11b側)は0:1となり、分配ダンパ位置がポジションP5のとき、送り量比率は1:0となる。また、分配ダンパ位置がポジションP2のとき、送り量比率は1/3:2/3、分配ダンパ位置がポジションP3のとき、送り量比率は1/2:1/2、分配ダンパ位置がポジションP4のとき、送り量比率は2/3:1/3となる。
【0019】
そして、コンベア3a及び3bのうち、一方のコンベアにおける向け先炭槽の空き量と、他方のコンベアにおける向け先炭槽の空き量との比率に応じて、ダンパ設備11での石炭の分配比を算出し、分配ダンパ11dの位置を制御する。これにより、コンベア3a及び3bにより分配搬送している2つの炭槽が、ほぼ同一時刻で満槽に到達するように制御されるようになっている。
【0020】
なお、ここでは、分配ダンパ11dの位置をポジションP1〜P5に段階的に切り替える場合について説明したが、この分配ダンパ11dは、連続的に動作するように構成してもよい。
以上のような構成により、コンベア3a、3bによる石炭の搬送は、コンベア3a側、及びコンベア3b側から搬送される石炭で、どちらか一方の炭槽が満槽に到達したときに石炭搬送中止となり、運転中のコンベア系統が次の装入先の炭槽に切り替るように制御される。
【0021】
さらに、本実施形態では、装入先の炭槽毎に石炭の品位(配合比率)を制御可能とする。
図5は、各湿炭ホッパ4から各炭槽8までのコンベア系統の詳細を示す図である。ここでは、6基の炭槽8を8a〜8fとして示し、コンベア3aに接続されている3基の炭槽を8a〜8c、コンベア3bに接続されている3基の炭槽を8d〜8fとしている。そして、調湿炭設備10から図示しないダンパ設備11を介してコンベア3a及び3bに分配された石炭は、系統切替ポイント14a〜14dを通ってコンベア15a〜15fによって炭槽8a〜8fへ搬送される。
【0022】
また、この図5では、湿炭ホッパ4の切り出し側から系統切替ポイント14a〜14dまでの搬送時間をそれぞれXa〜Xd、系統切替ポイント14a〜14dから炭槽8a〜8fまでの搬送時間をそれぞれYa〜Yfで示している。
そして、炭槽在庫量+X側滞留量+Y側滞留量≧炭槽満槽量の関係が成立したとき、湿炭ホッパ4側の配合比率を次装入炭槽用の配合比率へ変更するものとする。この配合比率の変更は、各湿炭ホッパ4付属の切り出し装置5による切り出し比率を変更することで行う。さらに、配合比率を変更した後は、現装入先の炭槽8が満槽となった時点でコンベア系統を次系統へ切り替える。
【0023】
今、コンベア3a及び3bにより、炭槽8a及び8dに向けて所定の配合比率で配合された石炭を搬送しているものとする。この場合、炭槽8aの空き量と炭槽8dの空き量との比率を算出し、その比率に応じて、ダンパ切替装置11cによってダンパ設備11内の分配ダンパ11dの位置を制御する。これにより、ダンパ設備11からコンベア3a,3bへ分配する石炭の分配比が制御される。
【0024】
また、この分配ダンパ位置制御と併せて、湿炭ホッパ4から炭槽8a,8dまでのコンベア上の滞留量と、炭槽8a,8dの在庫量とをそれぞれ検出し、これらに基づいて湿炭ホッパ4側の配合比率を変更するタイミング及び運転中のコンベア系統の切替を行う。
具体的には、秤量器7で秤量した調湿炭設備10に装入される石炭量、コンベア10aで搬送中の石炭量、コンベア3a,3bで搬送中の石炭量、及びコンベア15a,15dで搬送中の石炭量をそれぞれ検出する。
【0025】
次に、運転中のコンベア系統において、炭槽8aへ向かうコンベア上のX側滞留量として、調湿炭設備10に装入されている石炭量及びコンベア10aで搬送中の石炭量のうち、ダンパ設備11の分配比によってコンベア3a側に排出される石炭量と、コンベア3aで搬送中の石炭量との和を用いると共に、Y側滞留量として、コンベア15aで搬送中の石炭量を用い、(炭槽8aの在庫量)+(X側滞留量)+(Y側滞留量)≧(炭槽8aの満槽量)の関係が成り立つか否かを判定する。
【0026】
また、同様に、運転中のコンベア系統において、炭槽8dへ向かうコンベア上のX側滞留量として、調湿炭設備10に装入されている石炭量及びコンベア10aで搬送中の石炭量のうち、ダンパ設備11の分配比によってコンベア3b側に排出される石炭量と、コンベア3bで搬送中の石炭量との和を用いると共に、Y側滞留量として、コンベア15dで搬送中の石炭量を用い、(炭槽8dの在庫量)+(X側滞留量)+(Y側滞留量)≧(炭槽8dの満槽量)の関係が成り立つか否かを判定する。
【0027】
そして、少なくとも一方の関係が成立した場合に、湿炭ホッパ4側の配合比率を次装入炭槽用の配合比率へ変更すると判断し、各湿炭ホッパ4付属の切り出し装置5による石炭の切り出し比率を、次装入先である炭槽8b及び8e用の配合比率に対応した比率へ変更する。
その後は、炭槽8a及び炭槽8dの在庫量を監視し、炭槽8a及び炭槽8dの少なくとも一方が満槽となった時点で、コンベア系統を次系統へ切り替える。これにより、炭槽8b及び炭槽8eへ向けた搬送へ切り替えられる。
【0028】
なお、ここでは、炭槽8a及び炭槽8dの在庫量を監視し、炭槽8a又は炭槽8dが満槽となった時点でコンベア系統を切り替える場合について説明したが、湿炭ホッパ4側の配合比率を次装入炭槽用の配合比率へ変更してから、湿炭ホッパ4から炭槽8a又は8dまでの搬送時間(Xa+Ya)又は(Xc+Yd)が経過した時点で、コンベア系統を次系統へ切り替えるようにしてもよい。この場合にも、炭槽8a又は8dが満槽となった時点でコンベア系統が次系統へ切り替えられることになる。
【0029】
このように、上記実施形態では、石炭を、分配設備を用いて2つのコンベアに分配して供給し、複数の炭槽に向けて搬送するに際して、2つのコンベアにおける各向け先炭槽の空き量に応じてダンパ設備での石炭の分配比を算出して分配するので、分配搬送している2つの炭槽をほぼ同一時刻で満槽とすることができる。その結果、石炭搬送時の切替頻度を低下させ、コンベアの設備改造を行うことなく搬送能力を向上させることができ、コンベア搬送能力による制約を緩和して、調湿炭設備の能力増強を実現することができる。
【0030】
また、運転中のコンベア系統におけるコンベア上の石炭滞留量を含めたタイミングで、石炭の配合比率の変更及びコンベア系統の切替を行うので、装入先の炭槽毎に石炭の品位制御を行うことができると共に、当該装入先を連続的に切り替えることができる。また、このとき、前装入先の配合原料が次装入先に装入されてしまうことを防止して、乾留熱量等のばらつきの発生を防止することができる。
【0031】
したがって、石炭の2系統同時搬送を実現しつつ、石炭の配合比率の精度向上を実現することができる。
さらに、湿炭ホッパから向け先炭槽前のコンベアまでの石炭滞留量と向け先炭槽の在庫量との和が、当該向け先炭槽の満槽量に達したときに、切り出し石炭の比率を変更するので、コンベア上の原料トラッキングにより、現向け先炭槽が満槽となる予想時刻以前に、切り出し石炭の比率を次装入先の炭槽用の比率に変更することができる。
【0032】
また、石炭の配合比率の変更を行った後、現向け先炭槽が満槽となった時点でコンベア系統を次系統へ切り替えるので、装入先を連続的に切り替えることができると共に、前装入先の配合原料が次装入先に装入されてしまうことを防止することができる。
なお、上記実施形態においては、湿炭ホッパ4側の配合比率を次装入炭槽用の配合比率へ変更した後、前装入先の炭槽が満槽となった時点でコンベア系統を切り替える場合について説明したが、次装入炭槽用の配合比率の原料が、現コンベア系統と次コンベア系統との分岐地点である系統切替ポイント14a〜14dに到達した時点で(前装入炭槽用の配合比率の原料が系統切替ポイント14a〜14dに通過した時点で)、コンベア系統を次系統に切り替えることもできる。
【0033】
例えば、炭槽8aと8dとに搬送しているとき、炭槽8a側及び炭槽8d側の少なくとも一方において、炭槽在庫量+X側滞留量+Y側滞留量≧炭槽満槽量の関係が成立すると、湿炭ホッパ4側の配合比率を次装入先の炭槽8b及び8e用の配合比率に対応した比率へ変更する。
そして、その後は、次装入先の炭槽8b及び8e用の配合比率の石炭が(前装入先の炭槽8a及び8d用の配合比率の石炭が)、系統切替ポイント14a又は14cに到達したと判定した時点で、コンベア系統を次系統へ切り替える。具体的には、湿炭ホッパ4側の配合比率を次装入先の炭槽8b及び8e用の配合比率に対応した比率へ変更してから、湿炭ホッパ4から系統切替ポイント14a又は14cまでの搬送時間Xa又はXcが経過した時点で、コンベア系統を次系統へ切り替える。
【0034】
また、このとき、コンベア系統を炭槽8b及び8eへ向けた系統へ切り替えたとき、前系統におけるコンベア15a(15d)は、自身のコンベア上の石炭がすべて炭槽8a(8d)へ装入されてから停止するように設定する。これにより、コンベア15a(15d)は、炭槽8a(8d)が満槽となった時点で停止することになる。
このように、前装入先の炭槽が満槽になった時点で連続的に装入先を切り替えることができると共に、前装入先の配合原料が次装入先に装入されてしまうことを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】コークス炉装入炭の搬送フローを示す図である。
【図2】石炭の分配搬送フローの詳細を示す図である。
【図3】石炭を分配するダンパ設備の詳細を示す図である。
【図4】ダンパ設備内のダンパ切替位置を説明する図である。
【図5】湿炭ホッパから炭槽までのコンベア系統の詳細を示す図である。
【符号の説明】
【0036】
1…1系の配合ベッド、2…2系の配合ベッド、3a,3b…コンベア、4…湿炭ホッパ、5…切り出し装置、6…ホッパ出側(設備入側)の水分計、7…秤量器、8(8a〜8f)…炭槽、9…石炭、10…調湿炭設備、10a…(調湿炭設備出側の)コンベア、11…分配設備(ダンパ設備)、11a,11b…(分配)シュータ、11c…ダンパ切替装置、11d…分配ダンパ、12…(ダンパ切替の)位置検出器、13a,13b…ベルトウェア(コンベア秤量器)、14a〜14d…系統切替ポイント、15a〜15f…コンベア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の配合比率で配合された石炭を、分配設備を用いて2つのコンベアに分配して供給し、各コンベアに夫々接続された一時貯留用の複数の炭槽に向けて搬送するに際しての石炭の分配搬送制御方法であって、
前記2つのコンベアのうち、一方のコンベアにおける向け先炭槽の空き量と、他方のコンベアにおける向け先炭槽の空き量との比率に応じて、前記分配設備での石炭の分配比を算出して分配すると共に、運転中のコンベア系統におけるコンベア上の石炭滞留量を含めたタイミングで、前記配合比率の変更及び前記コンベア系統の切替を行うことを特徴とする石炭の分配搬送制御方法。
【請求項2】
前記2つのコンベアのうち、少なくとも一方のコンベアにおける向け先炭槽の在庫量と、該向け先炭槽へ向かうコンベア上の石炭滞留量との和が、当該向け先炭槽の満槽量に達したとき、前記配合比率を次向け先炭槽用の配合比率へ変更することを特徴とする請求項1に記載の石炭の分配搬送制御方法。
【請求項3】
前記配合比率の変更を行った後、現向け先炭槽が満槽となったとき、前記コンベア系統を次系統に切り替えることを特徴とする請求項1又は2に記載の石炭の分配搬送制御方法。
【請求項4】
前記配合比率の変更を行った後、次向け先炭槽用の配合比率で配合された石炭が、現コンベア系統と次コンベア系統との分岐地点に到達したとき、前記コンベア系統を次系統に切り替えることを特徴とする請求項1又は2に記載の石炭の分配搬送制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−191150(P2009−191150A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−32916(P2008−32916)
【出願日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】