説明

砂の移動検出装置

【課題】 海底に色付きの砂を散布した場合、常時監視していなければ、海流による海底の砂の移動を調査することはできないという問題があった。
【解決手段】 電極を持つ珪素の結晶体1の両面にそれぞれ電極2,3a、3bが固着され、電極2の上に発振回路4が固着され、又、電極3a、3bの上に異種金属5,6がそれぞれ固着され、異種電極5,6は一部を露出して周囲が樹脂等でコーティングされて、超音波発生片7が構成され、電極2に圧電体振動子8が接続され、電極2と電極3aが接続され、電極3aに一方の異種金属5が接続され、電極3bに他方の異種金属6が接続され、電極3bにオペアンプ9の入力側が接続され、異種金属6に抵抗を介してオペアンプ9の出力側及びオペアンプ10の入力側がが接続され、オペアンプ10の出力側は圧電振動子8が接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極を持つ珪素の結晶体に回路を接着して超音波発生体を構成し、砂の移動を検出するようにした砂の移動検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、砂の移動を調査するために、微細に粉砕した大量のガラスに色を付け、この色付きのガラスを砂丘に撒いて、風によって吹き飛ばされて砂丘に分布された色付きガラスから風によって吹き飛ばされた砂がどの様に分布されるかを見て判断する実験が行われている。
【0003】
しかしながら、このような色付きの砂では、砂の移動を見て、風による砂の移動を調査することはできるが、海底に色付きの砂を散布した場合、常時監視していなければ、海流による海底の砂の移動を調査することはできないという問題があった。
【特許文献1】特開平
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、海底に色付きの砂を散布した場合、常時監視していなければ、海流による海底の砂の移動を調査することはできないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では、電極を両面に接着した酸化珪素の微細な結晶体に発振回路を接着し、該発振回路の電源に異種金属を接続して前記電極に接続し、前記異種金属のみを露出してコーティングした超音波発生片を多数構成し、該超音波発生片を水中に散布し、前記超音波発生片から発生した超音波を検出することにより、海中の砂の移動を検出するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の砂の移動検出装置では、海中に入れた異種電極により電力を取り出して発振回路で超音波を発生するので、海底の砂に埋もれていても発生した超音波を検出することにより、海中の砂の移動を検出することができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明では、電極を持つ珪素の結晶体に簡単で、微細な発振回路及び圧電体振動子を接着することにより、超音波発生片を作ることができた。
【実施例】
【0008】
図1は本発明の実施例の超音波発生片の側面図で、ガラスを微細に粉砕した珪素の結晶体1の両面にそれぞれ電極2,3a、3bが固着され、電極2の上に発振回路4が固着され、又、電極3a、3bの上に異種金属5,6がそれぞれ固着され、異種電極5,6は一部を露出して周囲が樹脂7等でコーティングされて、超音波発生片8が構成されている。
【0009】
図2は図1の発振回路の回路図で、電極2に圧電体振動子9が接続され、又、電極2と電極3aが接続され、電極3aに一方の異種金属5が接続され、電極3bに他方の異種金属6が接続され、電極3bにオペアンプ10の入力側が接続され、又、異種金属6に抵抗11を介してオペアンプ10の出力側及びオペアンプ12の入力側がが接続され、オペアンプ12の出力側は圧電振動子9が接続されている。
【0010】
このように構成した本発明では、異種金属5,6が塩水と反応して起電力を発生し、これによってオペアンプ10、12及び抵抗11によって発振器を構成し、圧電振動子8によって超音波を性発生するので、このような超音波発生片7を大量に製造し、この超音波発生片7を潮の流れの中に撒くと、超音波発生片7は潮の流れによって適宜ながされ、これらの超音波発生片7からの発生する超音波を検出することによって、超音波発生片7がどの様に流されたか検出することができ、又、検出された超音波の強度によって、超音波発生片7の堆積されている量が検出され、流された砂がどの様に分布されているかを検出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0011】
なお、本発明の砂の移動検出装置では、超音波発生片7に色をつけることにより、目視により砂の分布を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例の砂の移動検出装置の断面図である。
【図2】図1の砂の移動検出装置の発振回路の回路図である。
【符号の説明】
【0013】
1 結晶体
2 電極
3a,3b 電極
4 発振回路
5、6 異種電極
7 超音波発生片
8 圧電体振動子
9、10 オペアンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極を両面に接着した多数の酸化珪素の微細な結晶体と、該酸化珪素の微細な結晶体に接続した発振回路と、該発振回路の電源に前記電極に接続した異種金属と、前記異種金属のみを露出してコーティングした多数の超音波発生片とを構成し、該超音波発生片を水中に散布し、前記超音波発生片から発生した超音波を検出することにより、水中の砂の移動を検出することことを特徴とする砂の移動検出装置。
【請求項2】
前記超音波発生片は砂粒の大きさであることを特徴とする請求項1記載の砂の移動検出装置。
【請求項3】
前記酸化珪素の微細な結晶体は色付きガラスを微細に粉砕したものであることを特徴とする請求項1記載の砂の移動検出装置。
【請求項4】
前記コーティングは樹脂によるものであることを特徴とする請求項1記載の砂の移動検出装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−116215(P2008−116215A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−297200(P2006−297200)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(000243364)本多電子株式会社 (255)
【Fターム(参考)】