説明

研磨ベルト移動制御システム

【目的】 研磨揚送装置の研磨ベルト移動制御システムにおいて、研磨ベルトを最後まで有効に使用することができる研磨ベルト移動制御システムを提供する。
【解決手段】 研磨ベルトの残量が巻取装置による1回の巻取り動作で巻き取り可能な研磨ベルトの巻取り量よりも少ないと、未使用部分となる研磨ベルトの残量と汚れたパチンコ玉の総数とに基づいて、使用済の研磨ベルトの交換を促す報知を行うか否かを判定する(ステップS22)。これにより、未使用部分が大部分残っているにも拘わらず交換報知に従って研磨ベルトを交換せざるを得ないような遊技場側の状況をなくすことができ、ロール状の研磨ベルトを最後まで有効に使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周回駆動される搬送ベルトと研磨ベルトとを対面させて遊技媒体を磨きながら揚送する研磨揚送装置に配設され且つ前記研磨ベルトを移動させるための研磨ベルト移動装置と、該研磨ベルト移動装置を駆動制御するための研磨ベルト移動装置駆動制御手段と、前記研磨ベルト移動装置によって移動する前記研磨ベルトの状態を検出する研磨ベルト状態検出手段と、前記研磨ベルトの交換を報知するための研磨ベルト交換報知手段と、から構成される研磨ベルト移動制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一般に、複数の遊技機(例えば、パチンコ機)を列設する遊技島台には、遊技島台の複数の遊技機に供給する遊技媒体としてのパチンコ玉を揚送する研磨揚送装置が設けられており、このような研磨揚送装置では、周回駆動される搬送ベルトと研磨ベルトとの間でパチンコ玉を挟持することにより、パチンコ玉を揚送しながら研磨してパチンコ玉の汚れを取り除くようになっている。また、特許文献1に開示されているように、遊技場の営業終了時にパチンコ玉の汚れを研磨した使用済の研磨ベルトを自動的に巻取り、営業開始時には、常に搬送ベルトの揚送面と対面する長さの未使用の玉磨き面をセットしておく研磨揚送装置の研磨ベルト移動制御システムが提案されている。また、特許文献1の研磨ベルト移動制御システムでは、研磨揚送装置に装着された複数回(複数営業日)の自働巻き取りに対応する長さを有するロール状の研磨ベルトがほぼ最後まで使用されると、その旨(研磨ベルトが1ロール終了状態である旨)を報知して研磨ベルトの交換を促すようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−118320号公報(図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1の構成では、複数回巻き取り回数のうち最終回の研磨ベルトの巻取り中に未使用の研磨ベルトが一定量を割ったときに、これを1ロール終了状態として検知し、外部にその旨を報知する構成であった。しかしながら、この構成では、最終回とはいえ、未使用の研磨ベルトが一定量を割った時点で研磨ベルトがどれくらい巻取られているのかを判断していないため、例えば、研磨ベルトの1回分の玉磨き面の9割が未使用部分であったとしても、1ロール終了状態であると判断して研磨ベルトの交換を促す報知を行っていた。このため、遊技場側では、未使用部分が大部分残っているにも拘わらず交換報知に従って研磨ベルトを交換せざるを得ない状況があり、1ロールの研磨ベルトを最後の最後まで有効に使用できていないという問題を有していた。
本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、搬送ベルトと研磨ベルトとを対面させてパチンコ玉を磨きながら揚送挟持する研磨揚送装置に使用される研磨ベルト移動制御システムにおいて、研磨ベルトを最後の最後まで有効に使用することができる研磨ベルト移動制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記した目的を達成するために、請求項1の発明においては、周回駆動される搬送ベルトと研磨ベルトとを対面させて遊技媒体を磨きながら揚送する研磨揚送装置に配設され且つ前記研磨ベルトを移動させるための研磨ベルト移動装置と、該研磨ベルト移動装置を駆動制御するための研磨ベルト移動装置駆動制御手段と、前記研磨ベルト移動装置によって移動する前記研磨ベルトの状態を検出する研磨ベルト状態検出手段と、前記研磨ベルトの交換を報知するための研磨ベルト交換報知手段と、から構成される研磨ベルト移動制御システムにおいて、前記研磨ベルト状態検出手段は、前記研磨ベルト移動装置によって移動された使用済部分を除く未使用部分となる前記研磨ベルトの残量を算出する研磨ベルト残量算出手段を有し、前記研磨ベルト移動制御システムは、さらに、前記研磨ベルト残量算出手段によって算出された前記研磨ベルトの残量が前記研磨ベルト移動装置駆動制御手段の制御に基づいた前記研磨ベルト移動装置による1回の移動動作で移動可能な前記研磨ベルトの移動量よりも少ない場合に、前記遊技島台の当日分の稼働に伴って汚れた遊技媒体の総数を算出する汚れ数算出手段と、前記研磨ベルト残量算出手段によって算出された前記研磨ベルトの残量と、前記汚れ数算出手段によって算出された前記汚れた遊技媒体の総数とに基づいて、前記研磨ベルト交換報知手段による報知を行うか否かを判定する判定手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
また、請求項2の発明においては、前記研磨ベルト移動装置駆動制御手段は、前記判定手段によって前記研磨ベルトの交換を促す報知を行わないことが判定された場合、前記研磨ベルトの残量が前記研磨ベルト移動装置による1回の移動動作で移動可能な前記研磨ベルトの移動量よりも少ないにも拘わらず研磨ベルトが継続して使用されている状態を記憶する継続使用状態記憶手段を備え、該継続使用状態記憶手段に継続使用状態が記憶されている場合において前記研磨ベルト移動装置駆動制御手段の制御が開始されると、前記研磨ベルトの交換を促す報知を前記研磨ベルト交換報知手段で行うことを特徴とする。
【0007】
また、請求項3の発明においては、前記継続使用状態記憶手段は、遊技場に設置される複数の遊技島台において、前記研磨ベルトの残量が前記研磨ベルト移動装置による1回の移動動作で移動可能な前記研磨ベルトの移動量よりも少ないにも拘わらず継続して使用されている全ての研磨ベルトにおける継続使用状態を記憶し、前記継続使用状態記憶手段に継続使用状態が記憶されている研磨ベルトの総数を報知する交換総数報知手段を備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項4の発明においては、前記判定手段は、前記研磨ベルトの複数段階のきれいさレベルのうち遊技場側が事前に設定する段階のきれいさレベルを判定要素として含むことを特徴とする。
【0009】
また、請求項5の発明においては、前記遊技島台には、遊技者が獲得したパチンコ玉を当該遊技島台内に返却するための玉返却装置が設置され、前記汚れ数算出手段は、前記遊技島台に列設される複数の遊技機から排出される遊技媒体の総数と、前記玉返却装置から返却される遊技媒体の総数と、を加算した数値に基づいて、前記遊技島台の稼働に伴って汚れた遊技媒体の総数を算出することを特徴とする。
【0010】
また、請求項6の発明においては、前記研磨ベルト移動装置は、前記搬送ベルトと対面する研磨ベルトの上部をモータの駆動力により引っ張る引張装置を備え、
【0011】
該引張装置には、前記モータにより回転駆動される駆動ローラと、該駆動ローラと共に前記研磨ベルトを圧接する圧接ローラと、該圧接ローラの回転数を検知するスリップ検知センサと、が設けられ、前記ベルト残量算出手段は、前記スリップ検知センサによって検知された前記圧接ローラの回転数に基づいて前記研磨ベルト移動装置によって移動した使用済の研磨ベルトの移動量を算出し、当該移動量を前記研磨ベルトの全長から減算して研磨ベルトの残量を算出することを特徴とする。
【0012】
さらに、請求項7の発明においては、前記研磨ベルト移動装置駆動制御手段は、前記研磨ベルト残量算出手段によって算出された前記研磨ベルトの残量が、前記研磨ベルト移動装置による1回の移動動作で移動可能な前記研磨ベルトの移動量以上であり、且つ当該移動量に1回の使用で最低限必要となる最低限残量を加算した量以下となる場合、当該研磨ベルト移動装置駆動制御手段の制御が開始されると、前記研磨ベルトの残量分を全て移動するように前記研磨ベルト移動装置の駆動を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明においては、研磨ベルト残量算出手段によって算出された研磨ベルトの残量が研磨ベルト移動装置による1回の移動動作で移動可能な研磨ベルトの移動量よりも少ないと、遊技島台の当日分の稼働に伴って汚れた遊技媒体の総数を算出する。そして、算出された汚れた遊技媒体の総数と、研磨ベルトの残量とに基づいて、使用済の研磨ベルトの交換を促す報知を行うか否かを判定し、交換報知する判定がなされたときは、研磨ベルトの交換を促す報知を行う一方、交換報知する判定がなされなかったときは、研磨ベルトの交換を促す報知を行わない。これにより、研磨ベルトの残量が研磨ベルト移動装置による1回の移動動作分よりも少ない場合でも、例えば、研磨ベルトの玉磨き面の9割が未使用部分である等、研磨ベルトを交換報知する判定がなされなかったときには、交換を促す報知を行うことなくその研磨ベルトの使用を許可することができる。従って、未使用部分が大部分残っているにも拘わらず交換報知に従って研磨ベルトを交換せざるを得ないような遊技場側の状況をなくすことができ、ロール状の研磨ベルトを最後まで有効に使用することができる。
【0014】
また、請求項2の発明においては、研磨ベルトの交換を促す報知を行わないことが判定された場合、研磨ベルトの残量が研磨ベルト移動装置による1回の移動動作分よりも少ないにも拘わらず研磨ベルトが継続して使用されている状態を記憶しておき、継続使用状態が記憶されている研磨ベルトに対して研磨ベルト移動装置駆動制御手段の制御が開始されると、研磨ベルトの交換報知を行う。これにより、残量が1回の移動動作分よりも少ない状態で研磨ベルトが使用された場合、その研磨ベルトが使用された時点で即座に交換報知することができ、研磨ベルトの交換作業をスムーズに行わせることができる。また、この構成によれば、当日の稼働において残量が1回の移動動作分よりも少なくなり、その時点で交換報知する判定がなされた研磨ベルトがある場合、その研磨ベルトの交換報知タイミングとずらすことができ、時間差を持たせて研磨ベルトの交換報知を行うことができるので、従業員に対して混乱させることなく順序立てて交換作業を指示することができる。
【0015】
また、請求項3の発明においては、遊技場に設置される複数の遊技島台において、研磨ベルトの残量が研磨ベルト移動装置による1回の移動動作分よりも少ないにも拘わらず継続して使用されている全ての研磨ベルトにおける継続使用状態を記憶して、当該継続使用状態が記憶されている研磨ベルトの総数を報知する。これにより、遊技場側は、営業終了時に次回営業終了時点で交換すべき研磨ベルトの最低限の本数を予め把握しておくことができるので、研磨ベルトの交換作業をより一層スムーズに行わせることができる。
【0016】
また、請求項4の発明においては、残量が1回の移動動作分よりも少ない研磨ベルトの交換を促す報知を行うか否かの判定に対して、遊技場側で事前に設定可能なきれいさレベルを判定要素に含ませる。これにより、遊技場側のニーズに応じて研磨ベルトの交換報知に対する判定基準を容易に変更することができる。例えば、翌日のイベント対象機種が多く設置された遊技島台は高稼働が期待されるので、このような遊技島台に対しては、きれいさを重視するために判定基準を高める等、稼働状況に応じて判定基準を変更する等が可能である。
【0017】
また、請求項5の発明においては、遊技島台に列設される複数の遊技機から排出される遊技媒体の総数と、玉返却装置から返却される遊技媒体の総数と、を加算した数値に基づいて、遊技島台の稼働に伴って汚れた遊技媒体の総数を算出し、該汚れた遊技媒体の総数から残量が1回の移動動作分よりも少ない研磨ベルトの交換報知を判定する。これにより、遊技島台の稼働に伴って汚れた遊技媒体の総数をより正確な値から算出することができるので、より確実に研磨ベルトの汚れ状況を把握することができ、結果として、より的確に残量が1回の移動動作分よりも少ない研磨ベルトの交換報知を判定することができる。
【0018】
また、請求項6の発明においては、引張装置に設けられて研磨ベルトを圧接する圧接ローラの回転数をスリップ検知センサで検知し、該スリップ検知センサによって検知された圧接ローラの回転数に基づいて研磨ベルト移動装置によって移動した使用済の研磨ベルトの移動量を算出し、該移動量を研磨ベルトの全長から減算した研磨ベルトの残量から、残量が1回の移動動作分よりも少ない研磨ベルトの交換報知を判定する。これにより、研磨ベルト移動装置によって移動した使用済部分を除く未使用部分となる研磨ベルトの残量をより正確に把握することができ、結果として、より的確に残量が1回の移動動作分よりも少ない研磨ベルトの交換報知を判定することができる。
【0019】
さらに、請求項7の発明においては、研磨ベルトの残量が、1回の移動動作で移動可能な移動量以上であり、なお且つ当該移動量に1日の使用で最低限必要となる最低限残量を加算した量以下となる場合、言い換えれば、研磨ベルトを1日使用した後は使用できない残量しか残らないと確実に判断できる場合は、研磨ベルト移動装置駆動制御手段の制御が開始されると、その研磨ベルトの残量分を全て移動する。これにより、次回の研磨ベルトの交換作業時に研磨ベルトの残り未使用部分(最低限残量以下となる部分)を移動させる必要がなくなるので、研磨ベルトの交換作業を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】遊技島台の内部構造の概略を示す正面図である。
【図2】玉磨き揚送装置を後方から見た斜視図である。
【図3】ガイドレールに取り付けられた巻取装置を示す斜視図である。
【図4】巻取装置からロール状に巻き取られた研磨ベルトを取り外す状態を示す斜視図である。
【図5】巻取装置の駆動部から見た側面図である。
【図6】引張装置を開放した状態を示す斜視図である。
【図7】停止装置を開放した状態を示す斜視図である。
【図8】遊技島台に設けられる島コントロール基板及び島設備制御基板の接続構成を示すブロック図である。
【図9】島コントロール基板が接続される管理装置の表示画面での第一表示態様を示す説明図である。
【図10】島コントロール基板が接続される管理装置の表示画面での第二表示態様を示す説明図である。
【図11】研磨ベルトの巻取り処理を示すフローチャートである。
【図12】巻取り処理における研磨ベルト巻取り動作開始処理の一部を示すフローチャートである。
【図13】巻取り処理における研磨ベルト巻取り動作開始処理の一部を示すフローチャートである。
【図14】研磨ベルト巻取り動作開始処理における玉磨き揚送装置停止処理を示すフローチャートである。
【図15】巻取り処理における研磨ベルト巻取り量制御処理を示すフローチャートである。
【図16】巻取り処理における研磨ベルト巻取り動作停止処理を示すフローチャートである。
【図17】同図(A)は稼働ランク算出テーブルを示す一覧表図であり、同図(B)は交換表示判定テーブルを示す一覧表図である。
【図18】変形例における稼働ランク算出テーブルを示す一覧表図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。先ず、図1を参照して、本実施形態に係る玉磨き揚送装置1が設けられる遊技島台30の概略構成について説明する。図1は、遊技島台30の内部構造の概略を示す正面図である。図において、遊技島台30は、周知のように、直方体状に枠組み構成され、その長手方向側面中央に遊技機31を背向列設するようになっている。また、遊技島台30には、その中央部に揚送装置収納部32が構成され、該揚送装置収納部32内に本実施形態の要部を構成する研磨揚送装置としての玉磨き揚送装置1が収納設置されている。本実施形態に係る玉磨き揚送装置1は、後に詳述するように帯状の搬送ベルト13によって遊技媒体としてのパチンコ玉を揚送するものである。なお、詳細に図示しないが、玉磨き揚送装置1の上部には、揚送されたパチンコ玉を一時的に貯留する上部タンクが設けられ、その上部タンクから左右に補給樋33が傾斜状に設けられており、上部タンクからパチンコ玉を流下させるようになっている。補給樋33には、各遊技機31に対応して分岐装置34が設けられ、その分岐装置34によって分岐された玉が分岐装置34に接続されるスプリングホース35と賞球補給装置36とを介して各遊技機31に供給される。
【0022】
一方、各遊技機31から排出される使用済玉は、周知のように計数機能を有するアウト玉回収箱37(以下、これをアウト玉計数装置37ともいう)から下方に排出される。アウト玉回収箱37から排出されたパチンコ玉は、アウト玉誘導レール38や貯留タンク39を介して玉磨き揚送装置1の導入樋7に誘導され、その後は、上記したように玉磨き揚送装置1によって上部に研磨揚送される。つまり、パチンコ玉は、遊技島台30の内部を循環して使用されている。
【0023】
また、上記した遊技島台30は、遊技場に複数配置されるものであるが、このような複数の遊技島台30のうちの所定の遊技島台30には、遊技客が獲得したパチンコ玉を当該遊技島台30の貯留タンク39に返却するための玉返却装置40がその島端(必ずしも島端でなくてもよい、例えば、島中央)に設けられている。また、遊技島台30の両端外部には、貯留タンク39内の貯留量を報知する等の各種表示機能を有する研磨ベルト交換報知手段としての表示装置41が設けられ、遊技島台30の内部には、当該遊技島台30の全体を制御する島コントロール基板42と、当該遊技島台30内の玉磨き揚送装置1を制御する島設備制御基板43と、が設けられている。
【0024】
次に、本実施形態の要部を構成する玉磨き揚送装置1の全体の構成について、図2乃至図7を参照して説明する。図2は、玉磨き揚送装置1を後方から見た斜視図であり、図3は、ガイドレール11に取り付けられた巻取装置60を示す斜視図であり、図4は、巻取装置60からロール状に巻き取られた研磨ベルト20を取り外す状態を示す斜視図であり、図5は、巻取装置60の駆動部から見た側面図であり、図6は、引張装置110を開放した状態を示す斜視図であり、図7は、 停止装置160を開放した状態を示す斜視図である。
【0025】
図2において、玉磨き揚送装置1は、正方形状に形成された支持台2の上部に角筒状の揚送筒本体3が垂直状に立設され、揚送筒本体3の長手方向の外周を、下部に支持される下部ローラ4と調節ナット17によって締着軸支される上部ローラ(図示しない)との間に掛け渡される革製の搬送ベルト13が周回するようになっている。また、揚送筒本体3の内部には、複数の中間ローラ(図示しない)が適宜間隔をおいて上下方向に並んで回転自在に軸支され、中間ローラの一部が揚送筒本体3の上昇側面から外に突出して、搬送ベルト13を案内支持している。また、下部ローラ4は、詳細には図示しないが、比較的大きな直径の円筒状ローラとして構成され、電流が供給されると円筒状のローラが回転して、搬送ベルト13を周回駆動するものである。
【0026】
この下部ローラ4の下方には、図示右側に揚送前のパチンコ玉が導入される導入樋7が固着され、図示左側に導入されたパチンコ玉を揚送筒本体3の下端部まで移動させる流入円弧樋5が固着されている。なお、導入樋7及び流入円弧樋5の内側には、図示しないが、導入されたパチンコ玉を複数列に整列させる溝が形成されている。また、上記した導入樋7及び流入円弧樋5の取付構造は、その一端が僅かに移動し得るように取付板8,6にそれぞれ止着され、その他端が前記支持台2に植立される支持ピン18にスプリング(図示しない)を介して摺動自在に軸支されている。即ち、導入樋7の下端及び流入円弧樋5の下端は、支持ピン18に挿通されて調節ナット(図示しない)によって抜けないように止着されているが、常に支持ピン18に介装されるスプリングによって上方に付勢されている。しかして、調節ナットの締着度合によって搬送ベルト13と導入樋7及び流入円弧樋5との間の微妙な間隔を調整することができ、その間隔を調整することにより、パチンコ玉のスムーズな移動を可能にすることができる。
【0027】
また、下部ローラ4の上部の揚送筒本体3には、搬送ベルト13に張力を付与する複数のテンションローラ14,15,16が回転自在に軸支されている。特に、第2テンションローラ15は、スプリング(図示しない)を介して取りつけられているので、そのスプリングの付勢力によって搬送ベルト13に対して常に一定の張力を与えることができる。また、下部ローラ4と各テンションローラ14,15,16とは、ほぼ上下の位置関係にあり、搬送ベルト13が装着されたときに、下部ローラ4は搬送ベルト13の内側に位置し、第3テンションローラ16は、搬送ベルト13の外側に、第2テンションローラ15は、搬送ベルト13の内側に、第1テンションローラ14は、搬送ベルト13の外側に、それぞれ位置するようになっている。
【0028】
ところで、揚送筒本体3の背面側には、ガイドレール11が一側辺を軸支されて開閉自在に取り付けられている。ガイドレール11は、搬送ベルト13と対面して揚送される玉を研磨する研磨ベルト20がその前面の全長に渡って周回装着されるものである。そして、主として研磨ベルト20を玉磨き揚送装置1に装着する際に開放されると共に、研磨ベルト20自体がガイドレール11の表面に搬送ベルト13と対面するように周回して装着される。また、研磨ベルト20が装着されたときには、係止金具12によってガイドレール11を揚送筒本体3に対面させた状態で固定支持されているものである。なお、係止金具12は、ガイドレール11と揚送筒本体3との間の間隔を調節し得るようになっており、この調節により搬送ベルト13と研磨ベルト20とによるパチンコ玉の挟持力を常に最適な強さに調節することができるようになっている。研磨ベルト20は、その玉磨き能力を発揮させるために、比較的織目の粗い布で構成されている。
【0029】
しかして、上記のように、係止金具12により揚送筒本体3に対面してガイドレール11を取り付けた状態において、導入樋7に導入されたパチンコ玉は、流入円弧樋5を経由して、搬送ベルト13と研磨ベルト20とに挟持されて研磨されながら揚送され、揚送筒本体3の上方に固着されて玉を吐き出し方向に屈曲する上部屈曲樋9を経由して、排出樋10からきれいにされたパチンコ玉が排出される。
【0030】
また、上記したガイドレール11の背面側には、巻取機構部22及び装着機構部23が設けられている。巻取機構部22は、使用済みの研磨ベルト20の上端を引っ張るための引張装置110(研磨ベルト移動装置)と、使用済の研磨ベルト20をロール状に巻取り収納するための巻取装置60と、から構成されている。また、装着機構部23は、研磨ベルト20が移動しないよう研磨ベルト20の下端を挟持しておくための停止装置160と、使用前の研磨ベルト20を収納するための収納装置19と、から構成されている。この巻取機構部22及び装着機構部23の構成及び作用について、以下、詳細に説明する。なお、収納装置19は、使用前のロール状にまるめられた研磨ベルト20を載置収納するだけのボックスであるため、以下には詳細に説明しないが、その設置箇所は、後述するガイドレール11の開閉位置よりも低い床面に設置されている。
【0031】
先ず、巻取機構部22を構成する巻取装置60について、図3乃至図5を参照して説明する。図3は、ガイドレール11に取り付けられた巻取装置60を示す斜視図であり、図4は、巻取装置60からロール状に巻き取られた研磨ベルト20を取り外す状態を示す斜視図であり、図5は、巻取装置60の駆動部から見た側面図である。
【0032】
巻取装置60は、ガイドレール11の裏面中央部に取り付けられ、図3に示すように、板金により一側面が開放された箱状に形成されると共に、内部に使用済みの研磨ベルト20が巻き取られた状態で収納される。巻取装置60は、当該巻取装置60の基体をなすベース部材61と、該ベース部材61の外側に取り付けられるプーリ85,86やスリップベルト87等を保護するための保護カバー62と、巻取装置60で巻き取られた研磨ベルト20を取り出す際に開く開閉カバー63と、研磨ベルト20を巻取るための巻取軸64と、研磨ベルト20を巻取る際に研磨ベルト20の両側方の端面を揃えるためのサイドカバー65,66と、から構成されている。
【0033】
ベース部材61は、全周が同方向に折り曲げられて壁面が形成され、この壁面により一側面が開放した箱状に形成されている。このベース部材61の一側方(図3の右側)には、取付ネジ72aにより取り付けられたヒンジ72を介して、開閉カバー63が開閉自在に取り付けられている。ベース部材61の上方壁面の表面で右側端面には固定磁石71が取付ネジ71aにより取り付けられているため、開閉カバー63が閉塞された際に、開閉カバー63が固定磁石71に吸着され、開閉カバー63がベース部材61に固定されることとなる。また、壁面のうち開閉カバー63側の壁面には、図4に示すように、巻き取られた研磨ベルト20及びサイドカバー65が抜き取れる程度の大きさの切り欠き68が、壁面のほぼ中央部に形成されている。
【0034】
また、ベース部材61の他側方(図3の左側)には、駆動プーリ85,従動プーリ86及びスリップベルト87から構成される駆動部がベース部材61の外側で形成され、この駆動部を保護するための保護カバー62が取付ネジ62aにより着脱自在に取り付けられている。また、ベース部材61の保護カバー62側壁面の上部には、ギアヘッド69を介してモータ70が装着されており、図5に示すように、ギアヘッド69の出力軸82には、駆動プーリ85が軸着されている。このギアヘッド69は、ベース部材61の壁面に穿設された取付長穴84に挿通した取付ネジ84aにより取り付けられ、出力軸82が同じくベース部材61の壁面に穿設された出力軸挿通穴83に挿通されている。この取付長穴84及び出力軸挿通穴83は、上下方向に長く穿設されているため、取付長穴84及び出力軸挿通穴83の長さの範囲内でギアヘッド69の上下方向の取付位置を調節し、スリップベルトの張りを調整することができる。また、ベース部材61の保護カバー62側壁面の上下方向ほぼ中央には、軸受け(図示しない)を介して巻取軸64が軸支されている。巻取軸64の保護カバー62側の軸端には、従動プーリ86が軸着されている。
【0035】
駆動プーリ85と従動プーリ86との間には、ゴム等の伸縮性があり、比較的摩擦係数の大きい材料で形成されるスリップベルト87が掛け渡されている。このスリップベルト87は、その断面が円形状であり、また、駆動プーリ85及び従動プーリ86の外周の断面形状は、半円形状である。このため、タイミングベルトとタイミングプーリのように凹凸を係合させて回転を伝達するものではなく、スリップベルト87と駆動プーリ85及び従動プーリ86との間の摩擦力によって回転を伝達するものである。
【0036】
しかして、モータ70を回転させることにより、モータ70の回転がギアヘッド69の出力軸82に出力されて駆動プーリ85を回転させ、駆動プーリ85の回転が駆動プーリ85とスリップベルト87との摩擦力によってスリップベルト87を回動させる。さらに、スリップベルト87の回動がスリップベルト87と従動プーリ85との摩擦力によって従動プーリ85を回転させ、従動プーリ85が回転することにより、巻取軸64が回転することとなる。
【0037】
また、ベース部材61の背面側には、取付片67が左右2箇所取り付けられている。この取付片67には、巻取装置60をガイドレール11に取り付けるための取付ネジ(図示しない)が挿通する取付溝81が形成されている。しかして、取付片67をガイドレール11を挟持するように差し込んで、取付溝81をガイドレール11の側面に螺合される取付ネジに係止した後、その取付ネジを締め付けることにより巻取装置60がガイドレール11に固定されることとなる。
【0038】
また、開閉カバー63は、板金により台形形状に形成されるものであり、前述のように、ベース部材61に対してヒンジ72により開閉自在に取り付けられている。この開閉カバー63の上下方向ほぼ中央で、巻取軸64の端部に対応する位置には、U字状の切り欠き部が形成され、この切り欠き部の形状とほぼ同形状の凹部を有する軸受け台74が、取付ネジ74aにより開閉カバー63に取り付けられている。このとき、切り欠き部と軸受け台74の凹部とが重なるように軸受け台74が取り付けられている。また、この軸受け台74の斜め上方には、開閉カバー63を開閉する際に用いる取っ手73が取付ネジ73aにより取り付けられている。
【0039】
巻取軸64は、鋼製の棒材により形成されるものであり、前述のように、軸受けを介してベース部材61の保護カバー62側壁面に回転自在に取り付けられている。この巻取軸64は、図示しないが、軸受け近傍の径が研磨ベルト20巻取部分の径よりも大きく形成されており、段付き形状となっている。この巻取軸64の研磨ベルト20巻取部分の軸上には、研磨ベルト20を巻取るきっかけの役目をする係止片78が、巻取軸64の前記段付き部分に当接して、止めネジ78aにより巻取軸64の研磨ベルト20巻取部分を覆うように固定されている。この係止片78は、円筒形状に形成されるものであり、その径は、巻取軸64の軸受け近傍部分の径とほぼ同じ径寸法で形成されている。また、係止片78の開閉カバー63側端部の一部が軸方向に突出して凸部を形成しており、この凸部下面と巻取軸64との間には、隙間が形成されている。一方、巻取軸64の軸受け近傍部分の外周には、V字状の溝(図示しない)が形成されているが、これは、巻取軸64に前記サイドカバー66を装着するためのものである。
【0040】
サイドカバー66は、取付ネジ79aによりサイドカバー取付部材79に取り付けられるものであるが、このサイドカバー取付部材79の中心には、巻取軸64の軸受け近傍部分を挿通するための挿通穴が穿設されている。この挿通穴の壁面には、3カ所にボールベアリング(図示しない)の先端が突出しており、このボールベアリングは、サイドカバー取付部材79内に埋設されているものである。また、このボールベアリングは、サイドカバー取付部材79内に埋設されたスプリングによって挿通穴側に向かって押圧されており、先端に圧力を加えることにより、サイドカバー取付部材79内に埋没するものである。
【0041】
しかして、巻取軸64の軸受け近傍部分にサイドカバー66の装着されたサイドカバー取付部材79を挿入した際、ボールベアリングが巻取軸64の軸受け近傍部分に押圧されてサイドカバー取付部材79内に埋没する。そして、一旦サイドカバー取付部材79内に埋没したボールベアリングは、巻取軸64の軸受け近傍部分の前記V字状溝の位置で再び挿通穴壁面上に突出してV字状溝に嵌合することとなる。このようにして、サイドカバー取付部材79が巻取軸64に対して取り付けられるが、サイドカバー取付部材79は、巻取軸64に対して固着されるものではないため、サイドカバー66は、巻取軸64に対して回転自在であり、また、着脱自在である。
【0042】
なお、サイドカバー66は、アクリル等の樹脂材料により円形形状に形成されるものである。また、巻取軸64の開閉カバー63側の先端部近傍には、V字状の溝(図示しない)が巻取軸64の周回に亘って形成されており、これは、巻取軸64にサイドカバー65を装着するためのものである。サイドカバー65は、サイドカバー66と同様、アクリル等の樹脂材料により円形形状に形成されるものであり、取付ネジ(図示しない)によりサイドカバー取付部材76に取り付けられるものである。
【0043】
しかして、サイドカバー66を巻取軸64の軸受け近傍部分に装着する場合と同様に、巻取軸64にサイドカバー65の装着されたサイドカバー取付部材76を挿入した際、前記ボールベアリングが巻取軸64に押圧されてサイドカバー取付部材76内に埋没する。そして、一旦サイドカバー取付部材76内に埋没したボールベアリングは、巻取軸64先端部の前記V字状溝の位置で再び挿通穴壁面上に突出してV字状溝に嵌合することとなる。このようにして、サイドカバー取付部材76が巻取軸64に対して取り付けられるが、サイドカバー取付部材76は、巻取軸64に対して固着されるものではないため、サイドカバー65は、巻取軸64に対して回転自在であり、また、着脱自在である。
【0044】
また、サイドカバー取付部材76には、ベアリング77を介して軸受け75が回転自在に取り付けられている。この軸受け75は、径の異なる円盤が複数個重なったような形状に形成されており、先端に形成された最も径の小さい部分の径寸法は、軸受け台74の凹部の径寸法よりもやや小さい程度に形成されている。しかして、巻取軸64にサイドカバー65を取り付け、開閉カバー63を閉塞した場合、軸受け75の前記先端部分が開閉カバー63に取り付けられた軸受け台74の凹部に嵌入し、巻取軸64を支持することとなる。
【0045】
以上のように構成される巻取装置60ヘの研磨ベルトの着脱方法及び作用について説明する。先ず、巻取装置60側方の開閉カバー63を開放し、巻取軸64からサイドカバー65を抜き取る。巻取軸64からサイドカバー65を抜き取った後、研磨ベルト20の端部に形成された嵌挿部80を巻取軸64に挿入する。なお、研磨ベルト20の幅寸法は、嵌挿部80側へ向かうに従い徐々に小さくなっている。研磨ベルト20を巻取軸64に挿入した際、図3に示すように、嵌挿部80を係止片78に形成された前記凸部と巻取軸64との隙間に挿入し、嵌挿部80の側方端部が係止片78に当接するまで嵌挿部80を保護カバー62側へ押圧することにより、研磨ベルト20が巻取軸64に取り付けられる。嵌挿部80に研磨ベルト20を取り付けた後、サイドカバー65を巻取軸64に取り付け、開放してあった開閉カバー63を閉塞することにより、前述のように、開閉カバー63の軸受け台74が軸受け75に嵌入し、巻取軸64が支持され、巻取装置60に研磨ベルト20が装着される。
【0046】
上記したように巻取装置60に研磨ベルト20を装着した後、モータ70を回転駆動させることにより、回転が前記駆動プーリ85,スリップベルト87及び従動プーリ86を介して巻取軸64に伝達され、巻取軸64が回転する。このとき、巻取軸64の回転方向は、開閉カバー63側から見て時計方向に回転することとなる。巻取軸64が回転した際、係止片78も同時に回転することとなるが、係止片78が回転すると係止片78先端の凸部が研磨ベルト20の嵌挿部80を係止して回転するため、研磨ベルト20が巻取軸64に巻き取られていくことになる。このように、研磨ベルトを巻取る際の研磨ベルトの取付作業は、巻取軸に研磨ベルトの嵌挿部を嵌挿するだけで完了するため簡単に行うことができる。また、巻取軸64の回転に従い、研磨ベルト20が次第に巻き取られるが、巻取軸64の両側方には巻取軸64と共に回転するサイドカバー65,66が装着されているため、このサイドカバー65,66により研磨ベルト20の両側方の端部が揃えられながら巻き取られることとなる。このとき、巻取軸方向にずれたままロール状に巻き取られた研磨ベルト20の側端部がサイドカバー65,66に接触しても、サイドカバー65,66もロール状の研磨ベルト20と共に回転するため、ロール状の研磨ベルト20とサイドカバー65,66との間の摩擦抵抗を少なくすることができ、モータ70に負担がかかることを防止して研磨ベルト20の巻取作業をスムーズに行うことができる。
【0047】
なお、研磨ベルト20がロール状に巻き取られるに従って、そのロール径は次第に大きくなっていくため、モータ70の回転が一定の場合は、研磨ベルト20の巻取量も次第に多くなっていく。ところが、前記引張装置110が研磨ベルト20を引っ張って巻取装置60へ送出する量は一定であるため、巻取装置60の研磨ベルト20の巻取量が引張装置110の研磨ベルト20の引張量を超えた場合には、巻取装置60で巻取る研磨ベルト20の量が不足してしまう。この場合、タイミングベルトのようにプーリとベルトの噛み合いによってモータ70の回転を伝えるものであるとモータ70に大きな負荷がかかり、モータ70が停止してしまい、モータ70に負荷がかかってしまう。しかし、前述したように、モータ70の回転の巻取軸64への伝達は、駆動プーリ85及び従動プーリ86とスリップベルト87との間の摩擦力によって行うものであるため、巻取装置60の研磨ベルト20の巻取量が引張装置110の研磨ベルト20の引張量を超えた場合には、スリップベルト87が駆動プーリ85あるいは従動プーリ86に対してスリップする。このため、モータ70は停止することがなく、モータ70に負荷がかかることがない。また、巻き取られた研磨ベルト20を巻取装置60から取り外すには、研磨ベルト20の装着作業の手順と逆に、即ち、開閉カバー63を開放した後、サイドカバー65を取り外し、巻き取られた研磨ベルト20を手前に引き出すことにより、容易に研磨ベルトを取り外すことができる。
【0048】
次に、巻取機構部22を構成する引張装置110について、図6を参照して説明する。図6は、引張装置110を開放した状態を示す斜視図である。引張装置110は、ガイドレール11の裏面中央部よりやや上方に取り付けられている。この引張装置110は、図6に示すように、モータ123及び主ローラ125が固着される取付主体111と、該取付主体111に対して取付ネジ151で固着される支軸(図示しない)を中心として開閉自在に設けられ且つ圧接ローラ144,145が揺動自在に取り付けられる開閉カバー体112と、から構成され、開閉カバー体112を開放した状態で研磨ベルト20を主ローラ125の前面側に垂らした後、開閉カバー体112を閉じて係止金具120によって施錠することにより研磨ベルト20を主ローラ125と圧接ローラ144,145とで蛇行状に挟持する構造となっている。
【0049】
取付主体111は、取付主体111の基体をなす主基体113に、各部品が集約して取り付けられるものである。主基体113は、両側方が同方向に直角に曲げられて壁面を形成すると共に、両壁面の上下端もそれぞれ外側に向かって曲げられている。主基体113の開放側(図6の右側)壁面の上下端には、三方を折り曲げて構成される取付板114が取付ネジ122により取り付けられている。この取付板114の開閉カバー体112側に位置する折り曲げ部が調節ネジ当接部121を形成している。また、取付板114の外側面上下には、引張装置110を閉塞したときに、閉塞した状態で固定させるための係止金具120が取り付けられている。
【0050】
一方、主基体113の支点側(図6の左側)壁面の上部には、ギアヘッド124を介してモータ123が装着されており、同じく支点側壁面の下部には、ベアリング126を介して主ローラ125が軸支されている。なお、ベアリング126は、図示しないが、開放側壁面にも装着されており、主ローラ125は、これら両側方のベアリング126によって軸支されている。また、ギアヘッド124には、出力軸(図示しない)が主基体113の支点側壁面の外側に突出しており、この出力軸の軸端には、駆動プーリ127が固着されている。また、主ローラ125を軸支するシャフト(図示しない)が、主基体113の支点側壁面の外側に突出しており、このシャフトの軸端には、従動プーリ128が固着されている。そして駆動プーリ127と従動プーリ128との間には、タイミングベルト129が掛け渡されている。従って、モータ123が駆動されることにより、駆動プーリ127、タイミングベルト129、及び従動プーリ128を経由して駆動力が伝達され、主ローラ125が回転駆動せしめられることとなる。なお、主ローラ125の外周には、研磨ベルト20との摩擦力を強めるためにダイヤカット加工が施されている。
【0051】
また、主基体113の背面側上部には、研磨ベルト20を挿通するためのガイド部材115が左右対称に設けられている。このガイド部材115は、上方部分が断面コの字状に折り曲げられて折曲部116が形成され、このコの字状部分に研磨ベルト20が挿通し、研磨ベルト20を左右からガイドするものである。また、このガイド部材115の下方には、L字状の連結片(図示しない)が主基体113の左右に取り付けられている。この連結片の起立した面には、上下2箇所のスライド長穴(図示しない)が穿設されており、このスライド長穴は、取付片117に対して主基体113を上下摺動可能に取り付けるためのものである。この取付片117は、断面コの字状に形成され、その折り曲げ部分には、引張装置110全体をガイドレール11に取り付けるための取付ネジ(図示しない)が挿通する取付溝119及び取付長穴(図示しない)が形成されている。また、取付片117の折り曲げ部分の内側寸法は、ガイドレール11の幅寸法とほぼ同じ間隔で形成されている。この取付片117の主基体113側の面には、やはり断面コの字状に形成される連結部材118が接合されており、この連結部材118の起立した面には、ネジ穴(図示しない)が上下2箇所穿設されている。しかして、前記連結片に穿設されたスライド長穴に取付ネジを挿通し、この取付ネジを連結部材118のネジ穴に螺着することにより、取付片117が主基体113に対して取り付けられることとなる。このとき、上記したように、主基体113は、取付片117に対してスライド長穴の長さ分だけ上下方向にスライド可能な状態に取り付けられる。
【0052】
しかして、取付片117をガイドレール11を挟持するように差し込んで、取付片117に形成される取付溝119をガイドレール11の側面に螺合されるボルト(図示しない)に係止した後、そのボルトを締め付けることにより引張装置110がガイドレール11に固定されることとなる。このとき、前述のように、取付片117に対して主基体113が上下摺動可能に取り付けられているため、引張装置110は、ガイドレール11に対してスライド長穴の長さ分だけ上下摺動自在に取り付けられることとなる。
【0053】
一方、開閉カバー体112は、開閉カバー体112の基体をなすカバー基体140に、各部品が集約して取り付けられるものである。カバー基体140は、後方が開放したボックス状に形成され、その内側面の左右方向ほぼ中央の上下2箇所に支持部材143が固着されている。この2箇所の支持部材143の間には、ローラ取付板141が、支持部材143に挿通される支軸142によって揺動自在に軸支されている。このローラ取付板141は、一面が開放したボックス状に形成され、開放面側には、ゴム製の円柱材で形成された圧接ローラ144,145が回転自在に軸支されている。また、ローラ取付板141の両側面で、圧接ローラ144と圧接ローラ145との間には、開閉カバー体112を閉塞した場合に主ローラ125が位置する主ローラ嵌入部146が形成されている。
【0054】
また、一方の圧接ローラ144には、ビス(図示しない)が埋設されており、これに対応してローラ取付板141の底面部には、スリップ検知センサ147がセンサ台148を介して取り付けられている。カバー基体140の開放側端部の上下には、開閉カバー体112を閉じた際に係止金具120が係合する係止片149が、取付ネジ150により取り付けられている。そして、開閉カバー体112を取付主体111に対して閉じた状態においては、主ローラ125の斜め上下に圧接ローラ144,145が位置している。
【0055】
また、カバー基体140の開放側端部の上下には、開閉カバー体112を閉塞した際の、開閉カバー体112の端部と取付主体111の端部との隙間を調整するための調節ネジ(図示しない)が設けられている。この調節ネジは、開閉カバー体112端部に穿設されたネジ穴(図示しない)に螺着されるものであり、開閉カバー体112を閉塞した際に、調節ネジの先端部分が取付主体111の前記調節ネジ当接部121に当接するようになっている。また、調節ネジのネジ頭とカバー基体140との間には、調節ネジを固定するための固定ナット(図示しない)が調節ネジに螺合している。
【0056】
上記のように構成される引張装置110では、任意の厚さの研磨ベルト20をその厚さに応じて開閉カバー体112と取付主体111との隙間寸法を適正に調整しながら引張装置110に装着することができるが、以下にその手順について説明する。先ず、開閉カバー体112を開放し、調節ネジを固定している固定ナットを緩めた後、調節ネジをカバー基体140から外れない程度に十分に緩める。次に、研磨ベルト20を取付主体111の主ローラ125の前面側に垂らした後、開閉カバー体112を係止金具120で閉塞する。開閉カバー体112を閉塞した状態で、調節ネジの先端が調節ネジ当接部121に当接するまで調節ネジを締め込む。調節ネジの先端が調節ネジ当接部121に当接した位置で、緩めてあった固定ナットを締め付けて調整ねじを固定する。これにより、挟持した研磨ベルト20の厚さに応じた、開閉カバー体112と取付主体111との隙間寸法が決定する。そして、係止片149に係止金具120を係止させるだけで開閉カバー体112が取付主体111に固定され、研磨ベルト20が引張装置110に最適な状態で装着されることとなる。このとき、挟持される研磨ベルト20が厚さの薄いものの場合には、開閉カバー体112と取付主体111との隙間寸法は小さくなり、調節ネジは、深く締め込まれることがない。一方、挟持される研磨ベルト20が厚さの厚いものの場合には、開閉カバー体112と取付主体111との隙間寸法は大きくなり、調節ネジが深く締め込まれることとなる。このように、調節ネジの締め込みの程度により、任意の厚さの研磨ベルト20を装着することができる。
【0057】
ここで、前述のように、厚さの厚い研磨ベルト20を挟持した場合、取付主体111に対して開閉カバー体112が角度を持って固定されることになる。このため、従来品のような圧接ローラ144,145が開閉カバー体112に対して平行に固着されている場合、圧接ローラ144,145が主ローラ125に対して角度を持って固定されてしまうことになる。この状態で研磨ベルト20を送出した場合、研磨ベルト20全体に均等に圧力がかからないため、研磨ベルト20が左右方向にずれてしまう。しかし、本実施形態における圧接ローラ144,145は、開閉カバー体112に対し揺動自在に軸支されているため、取付主体111に対して開閉カバー体112が角度を持って固定された場合でも、開閉カバー体112を閉塞した際、圧接ローラ144,145は、主ローラ125に追従し、主ローラ125に対して平行に押圧されることとなる。このため、研磨ベルト20を送出した場合、研磨ベルト20全体に均等に圧力が加わり、研磨ベルト20が左右方向にずれることがない。
【0058】
上記のように構成される引張装置110は、後述する停止装置160が非停止状態となっているときに、モータ123が回転状態になると、主ローラ125と圧接ローラ144,145とによって蛇行状に挟持される研磨ベルト20が各ローラ125,144,145の圧接力により研磨ベルト20を引っ張って下方に移動させることとなる。このとき、圧接ローラ144に埋設されたビスの回転をスリップ検知センサ147で検出することにより、圧接ローラ144の回転数を検知し、回転数所定値以上になる、もしくは、モータ123の回転時間が所定時間以上になったらモータ123を停止状態にすることができる。この圧接ローラ144の回転数が所定値以下でモータ123が停止した場合には、スリップ等により研磨ベルト20が正常に引っ張られていない場合であるので、その異常信号は外部に出力され、引張装置110の異常を報知するようになっている。なお、このような引張装置110の圧接ローラ144及びスリップ検知センサ147によって、研磨ベルト20の巻取り量を算出するベルト残量算出手段が構成されている。
【0059】
次に、装着機構部23を構成する停止装置160について、図7を参照して説明する。図7は、停止装置160を開放した状態を示す斜視図である。停止装置160は、ガイドレール11の裏面下部に取り付けられている。この停止装置160は、図7に示すように、電磁クラッチ機構172及び主ローラ170が固着される取付主体161と、該取付主体161に対して取付ネジ201で固着される支軸(図示しない)を中心として開閉自在に設けられ且つ圧接ローラ195,196が揺動自在に軸支される開閉カバー体162と、から構成され、開閉カバー体162を開放した状態で研磨ベルト20を主ローラ170の前面側に垂らした後、開閉カバー体162を閉じて係止金具173によって施錠することにより研磨ベルト20を主ローラ170と圧接ローラ195,196とで蛇行状に挟持する構造となっている。
【0060】
取付主体161は、主ローラ170をそのほぼ中央に水平状に軸支される主基体163と、電磁クラッチ機構172を被覆する支持基体164とから構成されている。主基体163は、主ローラ170を水平方向に軸支するためにその両サイドに軸支側板175,176を有し、その一方の軸支側板175の裏面に電磁クラッチ機構172がビス止めされると共に、該電磁クラッチ機構172を被覆するようにコ字状に形成された支持基体164が軸支側板175の上下に外側に向かって突設される取付片に取付ネジ165で止着固定されている。また、他方(開放側)の軸支側板176には、係止金具173が設けられている取付板166が該軸支側板176の上下に外側に向かって突設される取付片に取付ネジ167で止着固定されている。さらに、軸支側板176の前方には、調節ネジ当接部168が外側に向かって突設されている。この軸支側板176と取付板166との間には、空間が形成されるが、この空間内には、主ローラ170の一方の端部が突出して収納されている。
【0061】
また、主基体163の軸支側板175,176には、そのほぼ中央にベアリング171が固着され、そのベアリング171に主ローラ170が回転自在に軸支されている。主ローラ170の他端は、軸支側板175のベアリング171を貫通して電磁クラッチ機構172に連結されている。この電磁クラッチ機構172は、通電時に主ローラ170の回転が許容されるようになっており、非通電時に主ローラ170の回転が禁止されるようになっている。なお、主ローラ170は、金属製の円柱材によって形成され、その外周面にダイヤカット等の加工が施されて研磨ベルト20を圧着したときに、その間の摩擦力が大きくなるようになって研磨ベルト20の移動を確実に防止するようになっている。
【0062】
さらに、主基体163には、その裏面側に一対の取付片169が突設されている。この一対の取付片169の内側寸法は、ガイドレール11の横幅寸法とほぼ同じ間隔で形成され、該取付片169をガイドレール11を挟持するように差し込んで、取付片169のほぼ中央に形成される取付溝174をガイドレール11の側面に螺合される取付ネジ(図示しない)に係止した後、その取付ネジを締着することにより、停止装置160をガイドレール11に固定している。なお、主基体163の上辺は、内側に折り曲げられており、その前方に研磨ベルト20が挿入される研磨ベルト挿入部が構成されるが、この研磨ベルト挿入部の間隔は、極めて小さく形成され、例えば、上方から落下するパチンコ玉や大きめの異物等が停止装置160の内部に侵入しないようにして停止装置160の作動状態が長期間に亘ってスムーズに行われるようになっている。
【0063】
一方、開閉カバー体162は、開閉カバー体162の基体をなすカバー基体190に、各部品が集約して取り付けられるものである。カバー基体190は、後方が開放したボックス状に形成され、その内側面の左右方向ほぼ中央の上下2箇所に支持部材(図示しない)が固着されている。この2箇所の支持部材の間には、ローラ取付板194が、支持部材に挿通される支軸(図示しない)によって揺動自在に軸支されている。このローラ取付板194は、一面が開放したボックス状に形成され、開放面側には、ゴム製の円柱材で形成された圧接ローラ195,196が回転自在に軸支されている。また、ローラ取付板194の両側面で、圧接ローラ195と圧接ローラ196との間には、開閉カバー体162を閉塞した場合に主ローラ170が位置する主ローラ嵌入部197が形成されている。そして、開閉カバー体162を取付主体161に対して閉じた状態においては、主ローラ170の斜め上下に圧接ローラ195,196が位置している。
【0064】
また、開閉カバー体162の開放側端部の上下には、開閉カバー体162を閉塞した際の、開閉カバー体162の端部と取付主体161の端部との隙間を調整するための調節ネジ202が設けられている。この調節ネジ202は、開閉カバー体112端部に穿設されたネジ穴(図示しない)に螺着されるものであり、開閉カバー体162を閉塞した際に、調節ネジ202の先端部分が取付主体161の調節ネジ当接部168に当接するようになっている。また、調節ネジ202のネジ頭とカバー基体190との間には、調節ネジ202を固定するための固定ナット203が調節ネジ202に螺合している。
【0065】
上記のように構成される停止装置160では、任意の厚さの研磨ベルト20をその厚さに応じて開閉カバー体162と取付主体161との隙間寸法を適正に調整しながら停止装置160に装着することができるが、以下にその手順について説明する。先ず、開閉カバー体162を開放し、調節ネジ202を固定している固定ナット203を緩めた後、調節ネジ202をカバー基体190から外れない程度に十分に緩める。次に、研磨ベルト20を取付主体161の主ローラ170の前面側に垂らした後、開閉カバー体162を係止金具173にて閉塞する。開閉カバー体162を閉塞した状態で、調節ネジ202の先端が調節ネジ当接部168に当接するまで調節ネジ202を締め込む。調節ネジ202の先端が調節ネジ当接部168に当接した位置で、緩めてあった固定ナット203を締め付けて調節ネジ202を固定する。これにより、挟持した研磨ベルト20の厚さに応じた、開閉カバー体162と取付主体161との隙間寸法が決定する。そして、後述する係止片199に係止金具173を係止させるだけで開閉カバー体162が取付主体161に固定され、研磨ベルト20が停止装置160に最適な状態で装着されることとなる。このとき、挟持される研磨ベルト20が厚さの薄いものの場合には、開閉カバー体162と取付主体161との隙間寸法は小さくなり、調節ネジ202は、深く締め込まれることがない。一方、挟持される研磨ベルト20が厚さの厚いものの場合には、開閉カバー体162と取付主体161との隙間寸法は大きくなり、調節ネジ202が深く締め込まれることとなる。このように、調節ネジ202の締め込みの程度により、任意の厚さの研磨ベルト20を装着することができる。
【0066】
ここで、前述のように、厚さの厚い研磨ベルト20を挟持した場合、取付主体161に対して開閉カバー体162が角度を持って固定されることになる。このため、従来品のような圧接ローラ195,196が開閉カバー体162に対して平行に固着されている場合、圧接ローラ195,196が主ローラ170に対して角度を持って固定されてしまうことになる。この状態で研磨ベルト20を送出した場合、研磨ベルト20全体に均等に圧力がかからないため、研磨ベルト20が左右方向にずれてしまう。しかし、本実施形態における圧接ローラ195,196は、開閉カバー体162に対し揺動自在に軸支されているため、取付主体161に対して開閉カバー体162が角度を持って固定された場合でも、開閉カバー体162を閉塞した際、圧接ローラ195,196は、主ローラ170に追従し、主ローラ170に対して平行に押圧されることとなる。このため、研磨ベルト20を送出した場合、研磨ベルト20全体に均等に圧力が加わり、研磨ベルト20が左右方向にずれることがない。
【0067】
しかして、主ローラ170と圧接ローラ195,196とで研磨ベルト20を挟持したときには、研磨ベルト20が蛇行状となるように挟持される。このため、主ローラ170の回転が電磁クラッチ機構172によって停止されているときには、確実に研磨ベルト20の移動が停止されることとなる。また、圧接ローラ195,196がゴム製の軟質材によって構成されているので、研磨ベルト20に付着した微小な異物がそのまま主ローラ170と圧接ローラ195,196との間に巻き込まれても、圧接ローラ195,196のゴムの弾性力により異物が吸収されて回転の邪魔となることはない。
【0068】
開閉カバー体162には、上記した構成以外に、その背面に研磨ベルト接触片198が設けられ、その上面に研磨ベルト20の両側端部がガイドされる折曲部192を有するガイド部材191が取付ネジ193により止着され、その開放側側面にバックルタイプの前記係止金具173と係合されて施錠する係止片199が取付ネジ200により止着されている。このうち、研磨ベルト接触片198は、以下のような構成及び作用を呈するものである。
【0069】
即ち、前記開閉カバー体112の背面両側には接触片支持部材(図示しない)が設けられ、この接触片支持部材に対して一端が常に研磨ベルト20に接触している研磨ベルト接触片198が揺動自在に軸支されている。また、開閉カバー体162の背面中央部には、開口(図示しない)が開設され、該開口に位置検出センサ204の検出片(図示しない)が臨むようになっている。この位置検出センサ204(研磨ベルト状態検出手段、研磨ベルト残量検出手段)は、検出片が研磨ベルト接触片198と接触したときに位置検出センサ204の突起(図示しない)を押圧することにより研磨ベルト接触片198の位置を検出するものである。そして、収納装置19に収納された研磨ベルト20は、研磨ベルト接触片198に接触して研磨ベルト接触片198を開閉カバー体162の背面に当接した垂直状態としつつ、開閉カバー体162の上面のガイド部材191の折曲部192に案内されて、停止装置160の上部に形成される前記研磨ベルト挿入部に挿入されて引き出された後、ガイドレール11の下部から上部にかけて回装される。なお、ガイド部材191は、開閉カバー体162の上面に設けたが、研磨ベルト挿入部の前方であれば、どこに設けてもよい。
【0070】
上記のように構成される停止装置160の作用について説明する。先ず、通常の状態(収納装置19に研磨ベルト20がある場合)においては、停止装置160に回装される研磨ベルト20の張力により、研磨ベルト20と接触する研磨ベルト接触片198の一端が引き上げられて、研磨ベルト接触片198は垂直状に保持されるので、位置検出センサ204により研磨ベルト接触片198の接触が検知される。しかし、収納装置19に収納された研磨ベルト20が最後まで使用され、その終端が収納装置19から開放されたとき(収納装置19に研磨ベルト20がなくなった状態)には、停止装置160に回装される研磨ベルト20の張力が緩み、研磨ベルト20と接触する研磨ベルト接触片198の一端を引き上げることができなくなるため、研磨ベルト接触片198は自重により傾斜方向に揺動する。すると、位置検出センサ204は、研磨ベルト接触片198の接触を検知しなくなるから、その旨の信号が外部に導出される。従って、本実施形態に係る停止装置160は、収納装置19の研磨ベルト20が最後まで使用されたことを検知して外部に報知し、研磨ベルト20の交換を促すことができる。
【0071】
また、研磨ベルト20が停止装置160に挿入される際に、研磨ベルト20の進行方向のズレを補正するガイド部材191の折曲部192に沿って導入されるので、例えば、研磨ベルト20が収納装置19内の偏った位置に収納されていたときに研磨ベルト20が停止装置160に対して斜め方向に侵入した場合であっても、ガイド部材191の折曲部192によって研磨ベルト20が主ローラ170及び圧接ローラ195,196に対して斜めに侵入せず、正確な状態で侵入するので、結果的に巻取装置60に巻き取られるまで研磨ベルト20が所定の正確な位置を保持するという利点を有するものである。
【0072】
なお、本実施形態では、研磨ベルト20の未使用部分となる残量を検出し、当該研磨ベルト20の残量等に基づいて研磨ベルト20を交換すべきか否かを判断して、交換すべきであると判断したときに研磨ベルト20の交換報知を行うようになっている。以下、このような交換報知を含めた研磨ベルト20の巻取り処理について図8乃至図18を参照して説明する。図8は、遊技島台30に設けられる島コントロール基板42及び島設備制御基板43の接続構成を示すブロック図であり、図9は、島コントロール基板42が接続される管理装置50の表示画面での第一表示態様を示す説明図であり、図10は、島コントロール基板42が接続される管理装置50の表示画面での第二表示態様を示す説明図であり、図11は、研磨ベルト20の巻取り処理を示すフローチャートであり、図12は、巻取り処理における研磨ベルト巻取り動作開始処理の一部を示すフローチャートであり、図13は、巻取り処理における研磨ベルト巻取り動作開始処理の一部を示すフローチャートであり、図14は、研磨ベルト巻取り動作開始処理における玉磨き揚送装置停止処理を示すフローチャートであり、図15は、巻取り処理における研磨ベルト巻取り量制御処理を示すフローチャートであり、図16は、巻取り処理における研磨ベルト巻取り動作停止処理を示すフローチャートであり、図17(A)は、稼働ランク算出テーブルを示す一覧表図であり、図17(B)は、交換表示判定テーブルを示す一覧表図であり、図18は、変形例における稼働ランク算出テーブルを示す一覧表図である。
【0073】
先ず、図8を参照して遊技島台30に設けられる島コントロール基板42及び島設備制御基板43の接続構成について説明する。図8に示すように、遊技島台30に設けられる研磨ベルト移動装置駆動制御手段、汚れ数算出手段、及び判定手段としての島コントロール基板42は、中央演算装置としてのCPU44、読み書き可能メモリとしてのRAM45、及び読み出し専用メモリとしてのROM46を備えている。CPU44は、ROM46に格納されている制御プログラムを実行することにより遊技島台30を全般的に制御する。また、RAM45には、島コントロール基板42で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。
【0074】
島コントロール基板42には、入出力部47を介して遊技島台30内に設けられる各種構成装置が接続されている。具体的に、遊技島台30内に列設される複数の遊技機31の各アウト玉計数装置37がそれぞれ入出力基板となる台I/O基板48aを介して島コントロール基板42(入出力部47)に接続され、遊技島台30の島端に設けられる玉返却装置40が入出力基板となる島端I/O基板48bを介して島コントロール基板42(入出力部47)に接続され、遊技島台30の両端外部に設けられる表示装置41が島コントロール基板42(入出力部47)に接続され、さらには、遊技島台30に設けられる島設備制御基板43が島コントロール基板42(入出力部47)に接続されている。
【0075】
なお、島設備制御基板43には、遊技島台30中央の揚送装置収納部32内に収納設置される玉磨き揚送装置1と、該玉磨き揚送装置1を構成する巻取装置60(図8中には、研磨ベルト自動巻取装置と記載)と、が接続されている。また、遊技場内には複数の遊技島台30が配置されており、各遊技島台30の島コントロール基板42は、それぞれ遊技場の天井部分等に設けられる中継HUB49を介して遊技場全体を管理する管理装置50に接続されている。
【0076】
しかして、島コントロール基板42には、各遊技機31毎にアウト玉計数装置37からの玉計数信号が入力されると共に、玉返却装置40からの玉計数信号が入力され、さらには、巻取装置60からの回転数信号が島設備制御基板43を介して入力される。島コントロール基板42に入力された玉計数信号、1ロール終了信号、及び回転数信号は、それぞれ中継HUB49を介して管理装置50に出力される。そして、管理装置50は、入力された各種信号に基づいて各遊技島台30の島コントロール基板42毎にコマンド信号を出力し、これを受けた島コントロール基板42は、コマンド信号の種類に応じて表示装置41、又は島設備制御基板43を介した玉磨き揚送装置1及び巻取装置60に駆動信号を出力して、遊技島台30に設けられる各種構成装置を作動制御するようになっている。
【0077】
次に、管理装置50の表示画面に表示される第一及び第二の表示態様について図9及び図10を参照して説明する。先ず、表示画面における第一表示態様は、図9に示すように、遊技場に配置される各遊技島台30の状態を示す各島状態画面であり、画面内には、各遊技島台30を示す島台表示部51(図9中には、「1」〜「6」の計6つの遊技島台30を個々に示す島台表示部51を例示)と、各遊技島台30毎の研磨ベルト20の残量を示すベルト残量表示部54(図9中には、6つの遊技島台30に個々に設けられた6つの研磨ベルト20を示すベルト残量表示部54を例示)と、各遊技島台30の研磨ベルト20を一括巻取りする操作スイッチ(図示しない)がON操作されたか否かを示す巻取り動作表示部55と、後述する研磨ベルト交換フラグが「1」の状態(無条件に次回交換となる状態)で使用している研磨ベルト20の本数を示すベルト本数表示部56と、当該管理装置50の表示画面が第一又は第二のいずれの表示態様であるかを示す画面態様表示部57と、が設けられている。
【0078】
島台表示部51は、玉磨き揚送装置1の駆動状態を「ON」又は「OFF」のいずれかの点灯表示で示す研磨駆動表示部52と、各遊技島台30毎の玉返却装置40の設置の有無(図9中には、「1」「3」「5」の遊技島台30に玉返却装置40の設置ありを斜線表示で例示)を示す玉返却装置有無表示部53と、から構成されている。ベルト残量表示部54は、当該ベルト残量表示部54と対応する遊技島台30の研磨ベルト20の巻取り動作1回分、言い換えれば研磨ベルト20の揚送面(玉磨き1面)のみが丁度未使用状態となる場合を残量「100%」として当該研磨ベルト20の残量をパーセント表示で示すようになっている。ベルト本数表示部56は、「1」〜「6」の遊技島台30に設けられる6つの研磨ベルト20のうち研磨ベルト交換フラグが「1」の状態で使用している研磨ベルト20の総数、言い換えれば、研磨ベルト20の次回交換本数を示すようになっている(図9中には、研磨ベルト20の次回交換本数が「1本」の表示を例示)。また、画面態様表示部57は、管理装置50の表示画面が第一表示態様となる各島状態画面を示す「状態」の文字、又は、次に説明する第二表示態様となる各島設定画面を示す「設定」の文字のいずれかを点灯表示することで現在表示中の表示画面の態様を報知するようになっている(図9中には、各島状態画面を示す「状態」の文字の点灯を斜線表示で例示)。
【0079】
一方、表示画面における第二表示態様は、図10に示すように、遊技場に配置される「1」〜「6」の6つの遊技島台30毎の各種設定項目を示す各島設定画面であり、画面内には、「1」〜「6」の各遊技島台30毎に「玉磨き揚送装置全長」「巻取り範囲」「研磨ベルト全長」「玉返却装置」「きれいさレベル」の5つの設定項目を示す設定項目表示部58と、該設定項目表示部58に表示される各種設定項目の設定操作が完了した際にその旨を示す設定完了表示部59と、前述した第一表示態様となる各島状態画面と同様に、管理装置50の表示画面が第一又は第二のいずれの表示態様であるかを示す画面態様表示部57と、が設けられている。なお、第二表示態様となる各島設定画面の画面態様表示部57では、各島状態画面を示す「設定」の文字が点灯されて現在表示中の表示画面が各島設定画面であることを報知する(図10中には、各島設定画面を示す「設定」の文字の点灯を斜線表示で例示)。
【0080】
設定項目表示部58の「玉磨き揚送装置全長」は、遊技島台30内に設置される玉磨き揚送装置1の全長を入力する項目である。なお、このような玉磨き揚送装置1の全長を入力することで、当該玉磨き揚送装置1に取り付けられる研磨ベルト20の玉磨き面の長さが算出される。具体的には、「1」の遊技島台30に設置される玉磨き揚送装置1の全長として「254cm」を入力した場合、この「254cm」から一定量となる「27cm」を減算した値である「227cm」が玉磨き面の長さとなる。
【0081】
設定項目表示部58の「巻取り範囲」は、遊技場の1日の営業終了時に使用済の研磨ベルト20を巻取る範囲を予め設定入力する項目である。図10中には、「1」〜「6」の各遊技島台30でそれぞれ研磨ベルト20の1面(玉磨き面の全面)を巻取るように「1面」が入力されている場合を例示する。なお、研磨ベルト20の巻取り範囲としては、「1面」以外に「半面」等、様々な巻取り範囲の設定が可能である。
【0082】
設定項目表示部58の「研磨ベルト全長」は、玉磨き揚送装置1に取り付けられる研磨ベルト20の全長を入力する項目である。図10中には、「1」〜「6」の各遊技島台30でそれぞれ全長「1800cm」の研磨ベルト20が取り付けられて「1800cm」が入力されている場合を例示する。
【0083】
設定項目表示部58の「玉返却装置」は、遊技島台30の島端に玉返却装置40が設けられているか否かを入力する項目である。図10中には、「1」「3」「5」の各遊技島台30に玉返却装置40が設けられる一方、「2」「4」「6」の各遊技島台30には玉返却装置40が設けられないことが入力され、これを示すように「1」「3」「5」の各遊技島台30の欄には「○」が表示される一方、「2」「4」「6」の各遊技島台30の欄には「×」が表示されている場合を例示する。
【0084】
設定項目表示部58の「きれいさレベル」は、後で詳述する研磨ベルト20の残量「100%」未満の状態で当該研磨ベルト20の交換報知を行うか否かを判定する際の遊技場側の判定レベルを入力する項目である。図10中には、「1」〜「6」の各遊技島台30の研磨ベルト20に対して、それぞれ「2」のきれいさレベルが設定入力されている場合を例示する。
【0085】
次に、上記した管理装置50の管理に基づいた島コントロール基板42による研磨ベルト20の巻取り処理について、図11乃至図17を参照して説明する。研磨ベルト20の巻取り処理として、島コントロール基板42は、図11に示すように、先ず、前述した管理装置50に設けられる巻取り動作開始用の操作スイッチ(図示しない)がON操作されたか否か、即ち、巻取り操作信号ありか否かを判定する(ステップS1)。操作スイッチがON操作されていなければそのまま巻取り処理を終了する一方、操作スイッチがON操作されたときは、研磨ベルト巻取り動作開始処理(ステップS2)、研磨ベルト巻取り量制御処理(ステップS3)、及び、研磨ベルト巻取り動作停止処理(ステップS4)を順次実行する。
【0086】
ステップS2の研磨ベルト巻取り動作開始処理では、図12に示すように、玉磨き揚送装置1の駆動を停止する玉磨き揚送装置停止処理を実行し(ステップS11)、次いで、搬送ベルト交換フラグが「1」であるか否かを判定する(ステップS12)。搬送ベルト交換フラグは、後述するステップS28で「1」がセットされる。ステップS12で研磨ベルト交換フラグが「0」であり研磨ベルト20の交換が必要ないときは、研磨ベルト20の残量Aを検出する(ステップS13:ベルト残量算出手段)。このとき、研磨ベルト20の残量Aは、1ロールの研磨ベルト20の全長寸法と、引張装置110による巻取り動作1回分の研磨ベルト20の巻取り寸法と、研磨ベルト20を玉磨き揚送装置1に装着した時点から現時点までの引張装置110による総巻取り動作回数と、から算出される。なお、1ロールの研磨ベルト20の全長寸法は、前述した管理装置50の設定項目表示部58に入力表示される「研磨ベルト全長」であり、実施形態中の構成によれば「1800cm」となる。また、引張装置110による巻取り動作1回分の研磨ベルト20の巻取り寸法は、圧接ローラ144の1回転分の研磨ベルト20の巻取り量であり、具体的には「60mm」となる。なお、ここでいう研磨ベルト20の巻取り寸法は、引張装置110による巻取り動作1回分に対応する寸法であり、後述する巻取装置60による1回の巻取り動作で巻き取られる研磨ベルト20の巻取り寸法(1面分あるいは半面分等の予め定めた巻取り量)とは異なる。また、引張装置110による総巻取り動作回数は、引張装置110の巻取り動作1回分毎にスリップ検知センサ147から管理装置50に出力される回転数信号の総出力回数である。このため、研磨ベルト20の残量Aは、「研磨ベルト全長」−「回転数信号の総出力回数」×「巻取り動作1回分の巻取り寸法」の値となり、実施形態中の構成によれば、「1800cm」−「回転数信号の総出力回数」×「60mm」の値となる。
【0087】
次いで、ステップS13で算出した研磨ベルト20の残量Aが所定巻取り量の2回分よりも多いか否かを判定する(ステップS14)。この所定巻取り量は、各遊技島台30毎の玉磨き揚送装置1に取り付けられる研磨ベルト20の玉磨き面の長さが設定され、前述した「1」の遊技島台30に設置される全長254cmの玉磨き揚送装置1では、研磨ベルト20の玉磨き面の長さとなる227cmが所定巻取り量となり、所定巻取り量の2回分の値は454cmとなる。ステップS14で研磨ベルト20の残量Aが所定巻取り量の2回分よりも多いときは、停止装置160を非停止状態にして(ステップS15)、さらに、引張装置110を駆動させると共に(ステップS16)、巻取装置60を駆動させる(ステップS17)。なお、ステップS17の巻取装置60の駆動開始タイミングで研磨ベルト20の巻取り量を制御するためのタイマーがスタートされる。その後は、研磨ベルト巻取り動作開始処理を終了してメインフローに復帰する。
【0088】
一方、ステップS12で研磨ベルト交換フラグが「1」であり研磨ベルト20の交換が必要なときは、従業員に研磨ベルト20の交換を促す報知を行う(ステップS18)。なお、実施形態中では、遊技島台30の両端外部に設けられた表示装置41の点滅表示によって研磨ベルト20の交換を促す報知を行うようになっている。その後は、従業員によって研磨ベルト20の交換作業が行われて、これに基づいて研磨ベルト交換フラグを「0」にリセットして(ステップS19)、研磨ベルト20の巻取り処理を終了する。
【0089】
なお、上記したステップS11の玉磨き揚送装置停止処理では、図14に示すように、導入樋7へのパチンコ玉の導入を遮断する入れ込みシャッター(図示しない)を閉鎖した後(ステップS41)、5秒が経過すると(ステップS42)、玉磨き揚送装置1の各種駆動モータを停止して(ステップS43)、研磨ベルト巻取り動作開始処理に戻る。即ち、玉磨き揚送装置停止処理では、玉磨き揚送装置1へのパチンコ玉の導入を遮断した後、玉磨き揚送装置1を5秒間駆動することで、玉磨き揚送装置1内のパチンコ玉をなくす処理を行うようになっている。
【0090】
また、ステップS14で研磨ベルト20の残量Aが所定巻取り量の2回分以下となるときは、図13に示すように、ステップS13で算出した研磨ベルト20の残量Aから研磨ベルト20の残量割合Bを算出する(ステップS20)。ここで、残量割合Bは、「残量A」/「所定巻取り量(=研磨ベルト20の玉磨き1面(揚送面)分の長さ)」×「100」の値となる。例えば、所定巻取り量が「227cm」の玉磨き揚送装置1において残量Aが「222cm」となった場合では、残量割合Bが「97.8%」となる。そして、ステップS20で算出した残量割合Bが「100%」以上であるか否か、言い換えれば、研磨ベルト20の残量Aが所定巻取り量の1回分以上であるか否かを判定する(ステップS21)。ステップS21で残量割合Bが「100%」未満のときは、ステップS20で算出した残量割合Bと、遊技島台30の稼働量とに基づいて、研磨ベルト20の交換表示の有無を判定する(ステップS22:判定手段)。判定方法としては、遊技島台30の稼働量に基づいて図17(A)に示す稼働ランク算出テーブルから稼働ランクを算出した後、この稼働ランクと残量割合Bとに基づいて図17(B)に示す交換表示判定テーブルから研磨ベルト20の交換表示の有無を判定する。
【0091】
具体的に、遊技島台30の稼働ランクは、当該遊技島台30の稼働量と、玉返却装置40(図17(A)中には「JC」と記載)の有無(当該遊技島台30に玉返却装置40が設置されているか否か)と、きれいさレベルとから、図17(A)に示す稼働ランク算出テーブルを参照して算出される。本実施形態では、遊技島台30の稼働量を、遊技島台30の当日の稼働に伴って汚れたパチンコ玉の総数に設定しており、この汚れたパチンコ玉の総数は、遊技島台30に列設される各遊技機31からの総アウト玉数と、玉返却装置40への総返却玉数とを加算した値となる。但し、遊技島台30に玉返却装置40が設置されない場合は、総アウト玉数がそのまま汚れたパチンコ玉の総数、即ち遊技島台30の稼働量となる。
【0092】
なお、実施形態中では、遊技島台30に列設される各遊技機31から排出されるパチンコ玉の総数を、各アウト玉回収箱37からの計数信号に基づいて実際に算出すると共に、玉返却装置40から返却されるパチンコ玉の総数を、玉返却装置40からの計数信号に基づいて実際に算出し、これらの算出値に基づいて遊技島台30の稼働量を算出するようになっている(汚れ数算出手段)。
【0093】
ここで、図17(A)に示す稼働ランク算出テーブルの各項目に設定される稼働量を決定するための基準値について説明する。先ず、総アウト玉数は、1台の遊技機31あたりの一日の平均アウト玉数がほぼ25000個となり、また、1つの遊技島台31に設置される遊技機31の台数が平均36台となることから、90万(=25000×36)個が総アウト玉数の基準値となる。一方、総返却玉数は、1台の遊技機31あたりの一日の平均出玉数がほぼ9375個となり、また、平均的に2つの遊技島台30に対して1台の割合で玉返却装置40が設置されることから、65万5千(=9375×36×2)個が総返却玉数の基準値となる。従って、稼働ランク算出テーブルを設定する稼働量の基準値は、157万5千(=90万+65万5千)個となる。
【0094】
そして、図17(A)に示す稼働ランク算出テーブルでは、上記した稼働量の基準値(157万5千個)を基に、きれいさレベル1〜3毎に玉返却装置40の有無に応じた稼働量の値が設定されている。なお、きれいさレベル1〜3は、前述した管理装置50の第二表示態様の表示画面に表示される設定項目表示部58の「きれいさレベル」の値と対応するものである。即ち、研磨ベルト20の残量「100%」未満の状態で当該研磨ベルト20の交換報知を行うか否かを判定する際の遊技場側の判定レベルとして設定項目表示部58の「きれいさレベル」の項目に入力された値に基づいて、稼働ランク算出テーブルのいずれのきれいさレベル1〜3を参照するかが決定される。例えば、玉返却装置40が設置された遊技島台30において、当該遊技島台30の玉磨き揚送装置1にきれいさレベル2が設定され、また、遊技島台30の稼働量が126万個であった場合には、図17(A)の稼働ランク算出テーブルから、稼働ランク4が算出される。
【0095】
その後は、上記した図17(A)の稼働ランク算出テーブルから算出された稼働ランクと、ステップS20で算出された残量割合Bとを、図17(B)に示す交換表示判定テーブルに照合して、研磨ベルト20の交換表示の有無を判定する。なお、図17(B)に示す交換表示判定テーブルでは、残量割合Bを「0〜30%」「31〜50%」「51〜70%」「71〜90%」「91〜99%」の項目に分けて、稼働ランク1〜5毎に研磨ベルト20の交換表示の必要有り無しを設定している。同図中では、研磨ベルト20の交換表示の必要無しを「○」で示す一方、研磨ベルト20の交換表示の必要有りを「×」で示している。例えば、ステップS20で算出した残量割合Bが「97.8%」であり、図17(A)の稼働ランク算出テーブルから算出した遊技島台30の稼働ランクが「4」となる場合には、図17(B)に示す交換表示判定テーブルを参照して「○」の表示となり、研磨ベルト20の交換表示の必要無しが判定される。
【0096】
次に、ステップS22の判定結果に基づいて研磨ベルト20の交換表示の必要があるか否かを判定する(ステップS23)。ステップS23で研磨ベルト20の交換表示の必要があるときは、前述したステップS18と同様に、表示装置41の点滅表示によって従業員に研磨ベルト20の交換を促す報知を行った後に(ステップS24:ベルト交換報知手段)、研磨ベルト20を残量A分巻き取り(ステップS25)、研磨ベルト巻取り動作開始処理を終了してステップS4の研磨ベルト巻取り動作停止処理に移行する。一方、ステップS23で研磨ベルト20の交換表示の必要がないときは、研磨ベルト交換フラグに「1」をセットし(ステップS28:継続使用状態記憶手段)、次いで、研磨ベルト交換フラグ信号を出力した後に(ステップS29)、研磨ベルト巻取り動作開始処理を終了してステップS4の研磨ベルト巻取り動作停止処理に移行する。なお、ステップS43の研磨ベルト交換フラグ信号の出力に伴い、管理装置50の第一表示態様の表示画面に設けられるベルト本数表示部56には、研磨ベルト交換フラグが「1」の状態(無条件に次回交換となる状態)で使用している研磨ベルト20の総数が表示される(交換総数報知手段)。
【0097】
また、前述したステップS21で残量割合Bが「100%」以上のときは、次に、残量割合Bが「130%」よりも大きいか否かを判定する(ステップS26)。ステップS26で残量割合Bが「130%」よりも大きいときは、研磨ベルト20を所定巻取り量だけ巻き取り(ステップS27)、研磨ベルト巻取り動作開始処理を終了してステップS4の研磨ベルト巻取り動作停止処理に移行する。一方、ステップS26で残量割合Bが「130%」以下のときは、ステップS28に移行して研磨ベルト交換フラグに「1」をセットし(継続使用状態記憶手段)、次いで、研磨ベルト交換フラグ信号を出力した後に(ステップS29)、ステップS25に移行して研磨ベルト20を残量A分巻き取る。そして、研磨ベルト巻取り動作開始処理を終了してステップS4の研磨ベルト巻取り動作停止処理に移行する。なお、実施形態中では、本発明に係る最低限残量(1日の使用で最低限必要となる研磨ベルト20の残量)を、巻取装置60による1回の巻取り動作で巻き取り可能な研磨ベルト20の巻取り量の30%よりも多い量としているが、必ずしもこの値に最低限残量を限定するものではない。
【0098】
ステップS3の研磨ベルト巻取り量制御処理では、図15に示すように、先ず、前述した研磨ベルト巻取り動作開始処理のステップS17でスタートされたタイマーの経過時間が所定時間を過ぎたか否かを判定する(ステップS51)。この所定時間は、玉磨き揚送装置1にセットされる研磨ベルト20の玉磨き1面(玉磨き面)分を巻取るのに充分可能な時間が設定されている。ステップS51で所定時間を過ぎていれば、タイムオーバーに関する異常報知を行った後に(ステップS52)、研磨ベルト巻取り量制御処理を終了してメインフローに復帰する。一方、ステップS51で所定時間を過ぎていなければ、ステップS17で開始された巻取装置60による研磨ベルト20の巻取り量が所定巻取り量を超えたか否かを判定する(ステップS53)。この所定巻取り量は、各遊技島台30毎の玉磨き揚送装置1に取り付けられる研磨ベルト20の玉磨き面の長さが設定され、前述した「1」の遊技島台30に設置される全長254cmの玉磨き揚送装置1では、研磨ベルト20の玉磨き面の長さとなる227cmが所定巻取り量となる。そして、ステップS53で研磨ベルト20の巻取り量が所定巻取り量を超えていない、言い換えれば玉磨き1面分の研磨ベルト20が巻取られていなければ、前記ステップS51へ戻る。また、ステップS53で研磨ベルト20の巻取り量が所定巻取り量を超えている、言い換えれば玉磨き1面分の研磨ベルト20が巻取られていれば、研磨ベルト巻取り量制御処理を終了してメインフローに復帰する。
【0099】
ステップS4の研磨ベルト巻取り動作停止処理では、図16に示すように、停止装置160を停止状態にした後(ステップS61)、5秒が経過すると(ステップS62)、引張装置110の駆動を停止させると共に(ステップS63)、巻取装置60の駆動を停止させ(ステップS64)、研磨ベルト巻取り動作停止処理を終了してメインフローに復帰する。即ち、研磨ベルト巻取り動作停止処理では、停止装置160を停止した後、引張装置110と巻取装置60を5秒間駆動することで、揚送面の研磨ベルト20を張り詰めた状態で玉磨き揚送装置1にセットする処理を行うようになっている。
【0100】
なお、上記した実施形態では、遊技場側で研磨ベルト20のきれいさレベルを事前に設定入力しておき、そのきれいさレベルに応じて算出された稼働ランクに基づいて、残量が1回の巻取り動作分よりも少ない状態で研磨ベルト20を交換するか否かを決定する構成となっているが、これに限らず、きれいさレベルを設定することなく、単に遊技島台30の稼働量に基づいて稼働ランクを決定して、残量が1回の巻取り動作分よりも少ない状態で研磨ベルト20を交換するか否かを決定するようにしてもよい。この場合には、前記図17(A)の稼働ランク算出テーブルに換えて、図18に示す稼働ランク算出テーブルが用いられる。図18の稼働ランク算出テーブルでは、きれいさレベル毎に項目を分けることなく、単に玉返却装置40(同図中には「JC」と記載)の有無に応じた稼働量の値が設定されている。
【0101】
また、実施形態中では、遊技島台30の稼働量として、残量が1回の巻取り動作分よりも少ないと判断された当日分において遊技島台30の稼働に伴って汚れたパチンコ玉の総数に設定し、この汚れたパチンコ玉の総数を、遊技島台30に列設される各遊技機31からの総アウト玉数と、玉返却装置40への総返却玉数とを加算した値としているが、必ずしもこの構成に限定するものではない。例えば、各遊技機31からの総アウト玉数又は玉返却装置40への総返却玉数のいずれか一方のみを稼働量(汚れたパチンコ玉の総数)としてもよい。また、残量が1回の巻取り動作分よりも少ないと判断された当日分において玉磨き揚送装置1が揚送するパチンコ玉の総数を稼働量としてもよく、さらには、玉磨き揚送装置1が常時駆動するのではなく、必要時にのみ駆動する構成とした場合には、その駆動時間に基づいて稼働量を算出するようにしてもよい。また、遊技島台30に列設される各遊技機31から払い出されるパチンコ玉の総数と、各遊技機31に隣接して設けられる各玉貸し機(図示しない)からの貸し玉の総数と、を加算した数値に基づいて稼働量を算出する等、遊技島台30内を循環しているパチンコ玉以外から稼働量を算出するようにしてもよい。
【0102】
また、実施形態中では、各遊技機31から排出されるパチンコ玉の総数を、各アウト玉回収箱37からの計数信号に基づいて算出すると共に、玉返却装置40から返却されるパチンコ玉の総数を、玉返却装置40からの計数信号に基づいて算出し、これらの算出値に基づいて遊技島台30の稼働量を算出するようになっているが、この構成に限定するものではない。例えば、遊技島台30内のパチンコ玉の回収経路に計数機を設置して、該計数機からの玉計数信号に基づいて稼働量を算出するようにしてもよい。また、稼働量を算出する際には、必ずしも正確な計数値を用いる必要はない。例えば、遊技島台30の貯留タンク39内に貯留するパチンコ玉量の貯留上限と貯留下限とを検出する各玉量検出スイッチを設け、該玉量検出スイッチのON/OFF回数に基づいた貯留タンク39内でのパチンコ玉の増減具合から遊技島台30の大よその稼働量を算出してもよい。さらには、各遊技機31からのセーフ信号及びアウト信号、玉返却装置40からの売上信号等の情報、さらには玉返却装置40の配置情報等を基に、1つの玉返却装置40に返却された玉数を想定した値を用いて遊技島台30の大よその稼働量を算出したり、遊技場の売上管理データを基に遊技島台30の大よその稼働量を算出するようにしてもよい。
【0103】
また、残量が1回の巻取り動作分よりも少ない使用済の研磨ベルト20の交換を促す報知を行うか否かの判定要素として翌日の稼働状況を想定して、その想定に応じた入力情報に基づいて研磨ベルト20の交換を促す報知を行うか否かを判定するようにしてもよい。この想定に応じた入力情報としては、例えば、翌日のイベント(新台入れ替え等)の有無、翌日の天候(晴天であるか否か等)、翌日の曜日(土日祝であるか否か等)、あるいは翌日の営業時間等が考えられる。
【0104】
以上、本実施形態の構成によれば、ベルト残量算出手段によって算出された研磨ベルトの残量が巻取装置による1回の巻取り動作で巻き取り可能な研磨ベルトの巻取り量よりも少ない場合に、遊技島台の当日分の稼働に伴って汚れたパチンコ玉の総数を算出する。そして、算出された汚れたパチンコ玉の総数と、研磨ベルトの残量とに基づいて、使用済の研磨ベルトの交換を促す報知を行うか否かを判定し、交換報知する判定がなされたときは、研磨ベルトの交換を促す報知を行う一方、交換報知する判定がなされなかったときは、研磨ベルトの交換を促す報知を行わない。これにより、研磨ベルトの残量が巻取装置による1回の巻取り動作分よりも少ない場合でも、例えば、研磨ベルトの玉磨き面の9割が未使用部分である等、研磨ベルトを交換報知する判定がなされなかったときには、交換を促す報知を行うことなくその研磨ベルトの使用を許可することができる。従って、未使用部分が大部分残っているにも拘わらず交換報知に従って研磨ベルトを交換せざるを得ないような遊技場側の状況をなくすことができ、ロール状の研磨ベルトを最後まで有効に使用することができる。
【0105】
また、研磨ベルトの交換を促す報知を行わないことが判定された場合、研磨ベルトの残量が巻取装置による1回の巻取り動作分よりも少ないにも拘わらず研磨ベルトが継続して使用されている状態を記憶しておき、継続使用状態が記憶されている研磨ベルトが使用された当日の遊技島台の稼働が停止すると、その研磨ベルトを巻取装置によって巻き取る以前に交換報知を行う。これにより、残量が1回の巻取り動作分よりも少ない状態で研磨ベルトが使用された場合、その研磨ベルトが使用された時点で即座に交換を行うことになるので、研磨ベルトを巻き取る以前にその旨を報知することができ、研磨ベルトの交換作業をスムーズに行わせることができる。また、この構成によれば、当日の稼働において残量が1回の巻取り動作分よりも少なくなり、その時点で交換報知する判定がなされた研磨ベルトがある場合、その研磨ベルトの交換報知タイミングとずらすことができ、時間差を持たせて研磨ベルトの交換報知を行うことができるので、従業員に対して混乱させることなく順序立てて交換作業を指示することができる。
【0106】
また、遊技場に設置される複数の遊技島台において、研磨ベルトの残量が巻取装置による1回の巻取り動作分よりも少ないにも拘わらず継続して使用されている全ての研磨ベルトにおける継続使用状態を記憶して、当該継続使用状態が記憶されている研磨ベルトの総数を報知する。これにより、遊技場側は、営業終了時に次回営業終了時点で交換すべき研磨ベルトの最低限の本数を予め把握しておくことができるので、研磨ベルトの交換作業をより一層スムーズに行わせることができる。
【0107】
また、残量が1回の巻取り動作分よりも少ない研磨ベルトの交換を促す報知を行うか否かの判定に対して、遊技場側で事前に設定可能なきれいさレベルを判定要素に含ませる。これにより、遊技場側のニーズに応じて研磨ベルトの交換報知に対する判定基準を容易に変更することができる。例えば、翌日のイベント対象機種が多く設置された遊技島台は高稼働が期待されるので、このような遊技島台に対しては、きれいさを重視するために判定基準を高める等、稼働状況に応じて判定基準を変更する等が可能である。
【0108】
また、遊技島台に列設される複数の遊技機から排出されるパチンコ玉の総数と、玉返却装置から返却されるパチンコ玉の総数と、を加算した数値に基づいて、遊技島台の稼働に伴って汚れたパチンコ玉の総数を算出し、該汚れたパチンコ玉の総数から残量が1回の巻取り動作分よりも少ない研磨ベルトの交換報知を判定する。これにより、遊技島台の稼働に伴って汚れたパチンコ玉の総数をより正確な値から算出することができるので、より確実に研磨ベルトの汚れ状況を把握することができ、結果として、より的確に残量が1回の巻取り動作分よりも少ない研磨ベルトの交換報知を判定することができる。
【0109】
また、引張装置に設けられて研磨ベルトを圧接する圧接ローラの回転数をスリップ検知センサで検知し、該スリップ検知センサによって検知された圧接ローラの回転数に基づいて巻取装置によって巻き取った使用済の研磨ベルトの巻取り量を算出し、該巻取り量を研磨ベルトの全長から減算した研磨ベルトの残量から、残量が1回の巻取り動作分よりも少ない研磨ベルトの交換報知を判定する。これにより、巻取装置によって巻き取られた使用済部分を除く未使用部分となる研磨ベルトの残量をより正確に把握することができ、結果として、より的確に残量が1回の巻取り動作分よりも少ない研磨ベルトの交換報知を判定することができる。
【0110】
さらに、研磨ベルトの残量が、1回の巻取り動作で巻き取り可能な巻取り量以上であり、なお且つ当該巻取り量に1日の使用で最低限必要となる最低限残量を加算した量以下となる場合、言い換えれば、研磨ベルトを1日使用した後は使用できない残量しか残らないと確実に判断できる場合は、当日の遊技島台の稼働が停止すると、その研磨ベルトの残量分を全て巻き取る。これにより、次回の研磨ベルトの交換作業時に研磨ベルトの残り未使用部分(最低限残量以下となる部分)を巻き取る必要がなくなるので、研磨ベルトの交換作業を容易にすることができる。
【0111】
なお、実施形態中では、研磨揚送装置の停止処理と研磨ベルト移動装置の移動制御とを一連の処理で行っているが、夫々の処理を別々に行えるようにしてもよい。そのような場合は、図12のステップS18の研磨ベルト交換表示を行うタイミングを、研磨揚送装置の停止処理を行ったタイミングにしてもよい。即ち、本願の請求項2で記載の「研磨ベルト移動装置駆動制御手段の制御が開始されると、前記研磨ベルトの交換を促す報知を前記研磨ベルト交換報知手段で行う」構成としては、実施形態中に記載のように、研磨揚送装置の停止制御及び研磨ベルト移動制御を一連の処理として扱う制御の開始時から研磨ベルトを移動させる時点までの期間で行われる構成のみならず、研磨ベルトを移動させるための制御の開始時から研磨ベルトを移動させる時点までの期間で行われる構成であってもよい。また、遊技場の営業が終了したことが入力される手段、例えば営業終了ボタン、営業時間を経過したか否かを判断するタイマー等を有している場合は、該手段によって遊技場の営業が終了したことを判断したタイミングに基づいて、研磨ベルト交換表示を行ってもよい。
【符号の説明】
【0112】
1 玉磨き揚送装置(研磨揚送装置)
11 ガイドレール
13 搬送ベルト
19 収納装置
20 研磨ベルト
21 玉通過検出装置
22 巻取機構部
23 装着機構部
30 遊技島台
31 遊技機
37 アウト玉回収箱
40 玉返却装置
41 表示装置(研磨ベルト交換報知手段)
42 島コントロール基板(研磨ベルト移動装置駆動制御手段、汚れ数算出手段、判定手段)
43 島設備制御基板
50 管理装置
60 巻取装置
63 開閉カバー
64 巻取軸
65 サイドカバー
66 サイドカバー
70 モータ
78 係止片
80 嵌挿部
85 駆動プーリ
86 従動プーリ
87 スリップベルト
110 引張装置(研磨ベルト移動装置)
112 開閉カバー体
123 モータ
125 主ローラ
144,145 圧接ローラ
147 スリップ検知センサ
160 停止装置
161 取付主体
162 開閉カバー体
170 主ローラ
172 電磁クラッチ機構
190 カバー基体
195,196 圧接ローラ
198 研磨ベルト接触片
204 位置検出センサ(研磨ベルト状態検出手段、研磨ベルト残量検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周回駆動される搬送ベルトと研磨ベルトとを対面させて遊技媒体を磨きながら揚送する研磨揚送装置に配設され且つ前記研磨ベルトを移動させるための研磨ベルト移動装置と、該研磨ベルト移動装置を駆動制御するための研磨ベルト移動装置駆動制御手段と、前記研磨ベルト移動装置によって移動する前記研磨ベルトの状態を検出する研磨ベルト状態検出手段と、前記研磨ベルトの交換を報知するための研磨ベルト交換報知手段と、から構成される研磨ベルト移動制御システムにおいて、
前記研磨ベルト状態検出手段は、
前記研磨ベルト移動装置によって移動された使用済部分を除く未使用部分となる前記研磨ベルトの残量を算出する研磨ベルト残量算出手段を有し、
前記研磨ベルト移動制御システムは、さらに、
前記研磨ベルト残量算出手段によって算出された前記研磨ベルトの残量が前記研磨ベルト移動装置駆動制御手段の制御に基づいた前記研磨ベルト移動装置による1回の移動動作で移動可能な前記研磨ベルトの移動量よりも少ない場合に、前記遊技島台の当日分の稼働に伴って汚れた遊技媒体の総数を算出する汚れ数算出手段と、
前記研磨ベルト残量算出手段によって算出された前記研磨ベルトの残量と、前記汚れ数算出手段によって算出された前記汚れた遊技媒体の総数とに基づいて、前記研磨ベルト交換報知手段による報知を行うか否かを判定する判定手段と、を備えることを特徴とする研磨ベルト移動制御システム。
【請求項2】
前記研磨ベルト移動装置駆動制御手段は、前記判定手段によって前記研磨ベルトの交換を促す報知を行わないことが判定された場合、前記研磨ベルトの残量が前記研磨ベルト移動装置による1回の移動動作で移動可能な前記研磨ベルトの移動量よりも少ないにも拘わらず研磨ベルトが継続して使用されている状態を記憶する継続使用状態記憶手段を備え、
該継続使用状態記憶手段に継続使用状態が記憶されている場合において前記研磨ベルト移動装置駆動制御手段の制御が開始されると、前記研磨ベルトの交換を促す報知を前記研磨ベルト交換報知手段で行うことを特徴とする請求項1記載の研磨ベルト移動制御システム。
【請求項3】
前記継続使用状態記憶手段は、遊技場に設置される複数の遊技島台において、前記研磨ベルトの残量が前記研磨ベルト移動装置による1回の移動動作で移動可能な前記研磨ベルトの移動量よりも少ないにも拘わらず継続して使用されている全ての研磨ベルトにおける継続使用状態を記憶し、
前記継続使用状態記憶手段に継続使用状態が記憶されている研磨ベルトの総数を報知する交換総数報知手段を備えることを特徴とする請求項2記載の研磨ベルト移動制御システム。
【請求項4】
前記判定手段は、前記研磨ベルトの複数段階のきれいさレベルのうち遊技場側が事前に設定する段階のきれいさレベルを判定要素として含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の研磨ベルト移動制御システム。
【請求項5】
前記遊技島台には、遊技者が獲得したパチンコ玉を当該遊技島台内に返却するための玉返却装置が設置され、
前記汚れ数算出手段は、前記遊技島台に列設される複数の遊技機から排出される遊技媒体の総数と、前記玉返却装置から返却される遊技媒体の総数と、を加算した数値に基づいて、前記遊技島台の稼働に伴って汚れた遊技媒体の総数を算出することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の研磨ベルト移動制御システム。
【請求項6】
前記研磨ベルト移動装置は、前記搬送ベルトと対面する研磨ベルトの上部をモータの駆動力により引っ張る引張装置を備え、
該引張装置には、前記モータにより回転駆動される駆動ローラと、該駆動ローラと共に前記研磨ベルトを圧接する圧接ローラと、該圧接ローラの回転数を検知するスリップ検知センサと、が設けられ、
前記ベルト残量算出手段は、前記スリップ検知センサによって検知された前記圧接ローラの回転数に基づいて前記研磨ベルト移動装置によって移動した使用済の研磨ベルトの移動量を算出し、当該移動量を前記研磨ベルトの全長から減算して研磨ベルトの残量を算出することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の研磨ベルト移動制御システム。
【請求項7】
前記研磨ベルト移動装置駆動制御手段は、前記研磨ベルト残量算出手段によって算出された前記研磨ベルトの残量が、前記研磨ベルト移動装置による1回の移動動作で移動可能な前記研磨ベルトの移動量以上であり、且つ当該移動量に1回の使用で最低限必要となる最低限残量を加算した量以下となる場合、当該研磨ベルト移動装置駆動制御手段の制御が開始されると、前記研磨ベルトの残量分を全て移動するように前記研磨ベルト移動装置の駆動を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の研磨ベルト移動制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−255466(P2011−255466A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−132579(P2010−132579)
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(000150051)株式会社竹屋 (389)
【Fターム(参考)】