説明

硬化性液体アクリロイル基含有樹脂組成物

【課題】 硬化性塗膜、印刷用インク、接着剤または成型用組成物を形成するために好適な硬化性液体組成物を提供する。
【解決手段】 単官能性ビニル化合物および多官能性アクリル酸エステルを、そのメチレン位置に2個の活性水素原子を持つβ-ジカルボニル基含有化合物と反応させることによって調製される、硬化性液体アクリロイル基含有組成物である。これらの物質は、ラジカル重合、UV(紫外線)または電子線放射によって重合または架橋することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単官能性ビニル化合物および多官能性アクリル酸エステルを、そのメチレン位置に2つ活性水素原子を持つβ-ジカルボニル基含有化合物と反応させることによって得られる、アクリロイル基含有樹脂を含む、硬化性液体組成物に関するものである。これらの物質は、加熱、UV(紫外線)照射または電子線による遊離基重合によって、重合または架橋することができる。
【背景技術】
【0002】
アクリロイル基含有樹脂を含む硬化性樹脂組成物は、塗料分野において、例えば、紙、木材、金属およびプラスチック用塗料として、或いは、印刷用インク、接着剤並びに封止剤に、幅広く使用されている。かかるアクリロイル基含有樹脂組成物の重合または架橋(以下、固化または硬化ともいう)は、ラジカル開始剤の存在下で、硬化性組成物中のアクリロイル基含有樹脂が重合することによって達成される。かかる開始剤は、UV(紫外線)照射または熱によって活性化することができる。もう1つの選択肢は、電子線によって開始される重合である。一般に、アクリロイル基を含む樹脂の商業的規模での生産は、アルコール性水酸基含有オリゴマーまたはポリマーを、過剰のアクリル酸でエステル化することによって行われる。かかる工程は、例えば、「UVおよびEB(電子線)硬化性処方向け初期重合体および反応希釈剤」、P.K.T. オールドリング(編)、SITAテクノロジーズ、ロンドン、イギリス、1991年、124、131ページのような、概論的文献に記載されている。このような生産方法は、幅広く利用されているものの、様々な問題がある。
【0003】
アクリル酸は、通例、高い反応温度ではかなり不安定で、適切に重合禁止剤を使用しなければ、重合の制御が困難になるという危険性がある。
【0004】
また、過剰のアクリル酸と酸性触媒を用いてアクリロイル基含有樹脂の製造した場合の精製は、生成物の粘度が高いことに起因して困難なものとなる。米国特許公報第5,945,489号公報、米国特許公報第6,025,410号公報、国際公開第WO01/00684号公報には、β-ジカルボニル基含有化合物、例えばアセトアセテートと過剰の多官能性アクリル酸エステル化合物とのマイケル付加により、アクリロイル基含有硬化性液状組成物を製造する方法が開示されている。かかる方法は、トリアクリル酸トリメチロールプロパンのような市販のアクリレートを使用できる点、反応時間が短い点、反応温度が低い点、並びに、アクリル酸の使用を回避できる点、精製工程を簡略化できる点において、反応性アクリロイル基含有樹脂からなる硬化性液体組成物を生成するための代替方法として、特に有用である。
【0005】
しかしながら、この方法によれば、調製中のゲル化を回避して実用的粘度の液体生成物を得るためには、極めて過剰な量の多官能性アクリル酸化合物を使用しなければならないという点に限界がある。即ち、過剰の多官能性アクリル酸化合物は、組成物から分離することができず、反応性希釈剤として残留する。従って、最終硬化した塗膜の特性のほとんどは、該多官能性アクリル酸化合物の硬化特性に基づくことになる。これは、生成物の汎用性および生成物特性の多様性を制限するものとなる。
【0006】
さらに、前記方法は、高価な多官能性アクリル酸化合物を大量に使用する必要があり、安価なβ-ジカルボニル基含有(例えば、アセトアセチル化)樹脂をほんの少量しか含むことができなくなる為、アクリレート化液体組成物の大量生産時における原材料費用という点から、悪影響を与える。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の主目的は、技術的また経済的な改善を図るため、前記した先行技術に比べて、過剰の多官能性アクリル酸化合物の使用量を低減し、β-ジカルボニル基含有化合物の量を増加することによって得られる、アクリロイル基含有樹脂を含む硬化性液体組成物を提供することにある。
【0008】
本発明のさらなる目的は、反応性アクリロイル基を含むオリゴマーおよびポリマーに、アクリロイル基のみならず官能基(アクリロイル基以外)をも導入するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、先ず第一に、
(a)単官能性ビニル化合物、
(b)多官能性アクリル酸エステル、及び
(c)β-ジカルボニル基のメチレン位に活性水素原子を2つ有するβ-ジカルボニル基含有化合物または樹脂
を、前記化合物または樹脂(c)の活性水素原子に対する、前記単官能性ビニル化合物(a)のビニル基の当量比(当該ビニル基:当該活性水素原子)が、0.01:1から0.9:1となる範囲であって、かつ、
前記化合物または樹脂(c)の活性水素原子に対する、前記単官能性ビニル化合物(a)の不飽和基及び前記多官能性アクリル酸エステル(b)の不飽和基を合計した不飽和基の当量比(当該不飽和基:当該活性水素原子)が、>1.05:1となる範囲で反応させることによって得られるものであることを特徴とする硬化性液状アクリロイル基含有樹脂組成物を提供するものである。
【0010】
本発明は、また、請求項1に記載されたアクリロイル基含有硬化性液体樹脂組成物を調製するための方法であって、
(a)単官能性ビニル化合物、
(b)多官能性アクリル酸エステル、及び
(c)β-ジカルボニル基のメチレン位に活性水素原子を2つ有するβ-ジカルボニル基含有化合物または樹脂
を、前記化合物または樹脂(c)の活性水素原子に対する、前記単官能性ビニル化合物(a)のビニル基の当量比(当該ビニル基:当該活性水素原子)が、0.01:1から0.9:1なる範囲であって、かつ、
前記化合物または樹脂(c)の活性水素原子に対する、前記単官能性ビニル化合物(a)の不飽和基及び前記多官能性アクリル酸エステル(b)の不飽和基を合計した不飽和基の当量比(当該不飽和基:当該活性水素原子)が、>1.05:1なる範囲で反応させることを特徴とする硬化性液状アクリロイル基含有樹脂組成物の製造方法を提供するものである。
【0011】
本発明はまた、請求項1に記載されたアクリロイル基含有硬化性液体樹脂組成物を調製するための方法であって、
(a)単官能性ビニル化合物と、
(c)β-ジカルボニル基のメチレン位に活性水素原子を2つ持つβ-ジカルボニル基含有化合物または樹脂とを、
前記β-ジカルボニル基含有化合物または樹脂(c)中のβ-ジカルボニル基のメチレン位に活性水素原子が1つ残存するように反応させて、一置換性β-ジカルボニル基含有化合物または樹脂(c')を得る工程1、及び、
次いで、
得られた(c')一置換性β-ジカルボニル基含有化合物または樹脂と
(b)多官能性アクリル酸エステルと
を反応させる工程2を必須の反応工程とすることを特徴とする硬化性液状アクリロイル基含有樹脂組成物の製造方法をも提供するものである。
【0012】
本発明はまた、上記の液状組成物を、UV(紫外線)光もしくは電子線または熱によって硬化させる工程を含む、硬化方法をも提供する。
本発明はまた、上記の硬化方法によって得られる硬化生成物をも提供する。
【0013】
本発明において単官能性ビニル化合物(a)なる用語は、かかる化合物がただ1個のビニル基を含むことを示す。該ビニル基は、アクリロイル基の一部であるか、または、アクリレート以外の基の一部であってもよい。多官能性アクリル酸エステル(多官能性アクリレート)という用語は、かかる化合物が少なくとも2個のアクリロイル基を含むことを示す。
【0014】
また、「当量比」という用語は、メチレン位置にある活性水素原子(CH-酸性官能基)に対する不飽和基(ビニル基またはアクリロイル基)の比をいう。
【0015】
なお、各不飽和β-ジカルボニル基が、そのメチレン位置に2個の活性水素原子(CH-酸性官能基)を持っていることに注意するべきである。つまり、例えば、メチルビニルケトン2.5モル、ジプロピレングリコールジアクリレート1.5モルおよびアセチルアセトン2モルを含む混合物は、活性水素原子に対する不飽和基の当量比(当該不飽和基:当該活性水素原子)は、5.5:4を示す。
【0016】
本発明の液体アクリロイル基含有樹脂組成物において、多官能性アクリル酸化合物の使用量を、ゲル化または架橋なしに37〜54質量%まで下げることができるのに対して、先行技術における多官能性アクリレートの使用量は、同一の官能基数を有するもので比較して、75質量%〜90質量%である。β-ジカルボニル基含有化合物または樹脂の使用量を高くできることは、生成物特性が多官能性アクリル酸化合物によって影響される割合が減ることを意味する。さらに、先行技術に比べ、アクリロイル基に対するβ-ジカルボニル基含有化合物または樹脂のモル比および活性水素原子当量をより高めることができる。
【0017】
実験の過程で予想外にも、アクリロイル基の総数がより少ない本発明のアクリロイル基含有樹脂組成物が、単官能性ビニル化合物を使用せずに調製された比較生成物と比べて、同程度またはそれ以上に硬化することが判明した(表5およびそれ以降の説明参照)。単官能性ビニル化合物を含む本発明の組成物のもう1つの技術的特徴は、基材への密着性を改善できることである(表6およびそれ以降の説明参照)。この技術的特徴の他に、アクリロイル基含有組成物の生産上、経済的利益もまた期待できる。アクリル系の組成物において、アルキド樹脂およびロジン・エステルのような安価な材料を多量に導入する方法は、例えば、米国特許公報第4,035,320号公報または国際公開第WO87/0448号公報に記載されているように従来から行われていた。これに対して、本発明では実施例16〜31に示す通り、単官能性ビニル化合物とアセトアセチル化重合体とを予め反応させた生成物を多官能性アクリレートと反応することによって、従来の大量の安価なポリエステルポリオールを、アクリロイル基含有重合体に転換できることを示す。
【0018】
即ち、これはポリマーに反応性アクリル酸官能基を導入する新規な方法にための新たな方法であって、本発明のもう一つの目的である。この方法によって、安価なオリゴマーおよびポリマーを大量に使用して、経済的な反応性アクリル化物質を生成することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の組成物の生成時に生じる反応原理を、重合体結合多官能性アセトアセテート、単官能性ビニル化合物および多官能性アクリレートを例い挙げると以下の通りとなる。
【0020】
【化1】

【0021】
本反応式中、Pは、非反応性のオリゴマーまたはポリマーを示し、Rは、多価アルキレン基を示し、Rは、アルキル、アルキルカルボニル、カルボニル、シアノ、アミドのような、ビニル基もしくはアクリロイル基以外の有機基、または非反応性のオリゴマーもしくはポリマーを示す。
【0022】
単官能性ビニル化合物(a)は、マイケル・アクセプターであるようなビニル化合物、換言すれば、例えば、アクロレイン、アクリロニトリル、メチルビニルケトン、スルフォン酸ビニル、アクリルアミド、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸第3ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸n-オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸アダマンチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸ナフチルのような、マイケル反応においてβ-ジカルボニル基含有化合物または樹脂(c)と反応できるようなビニル化合物である。
【0023】
好適な多官能性アクリレート(2またはそれ以上の官能性のアクリレートを示す)は、例えば、1,2-エタンジオールジアクリレート、1,3-プロパンジオールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、エトキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシル化グリセロールトリアクリレート、イソシアヌール酸トリス(2-アクリロイルオキシエチル)、ペンタエリトリトールトリアクリレート、エトキシル化ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、エトキシル化ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリトリトールペンタアクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート、また、ポリエポキシドをアクリル酸(エポキシアクリレート)と反応させることによって得られるか、または、ポリエステルポリオールをアクリル酸および/または単量アクリル酸アルキル(アクリル酸ポリエステル)と反応させることによって得られる、アクリロイル基含有オリゴマー又はポリマーである。
【0024】
なかでもトリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートおよび
ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレートのような、2官能性または3官能性アクリレートが特に好ましい。
【0025】
β-ジカルボニル基含有化合物または樹脂(c)は、該化合物または樹脂が、β-ジケトンまたはβ-ケトエステルもしくはマロン酸エステルのような、そのメチレン位置に2個の活性水素原子を持つβ-ジカルボニル基を、持つことを特徴とする。ここで、該化合物または樹脂は、複数のβ-ジカルボニル基を持つことができる。かかる場合には、β-ジカルボニル基は、該β-ジカルボニル基の各α-炭素原子に結合する2個の活性原子を有している。
【0026】
該化合物の具体例としては、ペンタン-2,4-ジオン、ヘキサン-2,4-ジオン、ヘプタン-2,4-ジオン、1-メトキシ-2,4-ペンタンジオン、1-フェニル-1,3-ブタンジオン、1,3-ジフェニル-1,3-プロパンジオン、4,6-ジオキソヘプタン酸メチルエステル、5,7-ジオキソオクタン酸メチルエステル、ベンゾイル酢酸メチルエステル、ベンゾイル酢酸エチルエステル、ベンゾイル酢酸ブチルエステル、プロピオニル酢酸エチルエステル、プロピオニル酢酸ブチルエステル、ブチリル酢酸メチルエステル、アセト酢酸メチルエステル、アセト酢酸エチルエステル、アセト酢酸イソプロピルエステル、アセト酢酸ブチルエステル、アセト酢酸第3ブチルエステル、アセト酢酸-(2-メトキシエチル)エステル、アセト酢酸-(2-エチルヘキシル)エステル、アセト酢酸ラウリルエステル、アクリル酸2-アセトアセトキシエチル、アセト酢酸ベンジルエステル、ジアセト酢酸1,4-ブタンジオール、ジアセト酢酸1,6-ヘキサンジオール、ジアセト酢酸ネオペンチルグリコール、ジアセト酢酸2-エチル-2-ブチル-1,3-プロパンジオール、ジアセト酢酸シクロヘキサンジメタノール、ジアセト酢酸エトキシル化ビスフェノールA、トリアセト酢酸トリメチロールプロパン、トリアセト酢酸グリセロール、トリアセト酢酸ペンタエリトリトール、テトラアセト酢酸ペンタエリトリトール、テトラアセト酢酸ジトリメチロールプロパン、ヘキサアセト酢酸ジペンタエリトリトール、メチルアセトアセトアミド、エチルアセトアセトアミド、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジブチル、マロン酸ジヘキシルが挙げられる。
【0027】
これらの化合物の中でも、光開始剤を追加することなく自然硬化するという観点から、β-ジカルボニル基の成分としてアセチル基を持つ化合物が好ましい。
【0028】
該樹脂の例としては、アセト酢酸アルキルエステルと、アルコール性水酸基含有オリゴマー若しくはアルコール性水酸基含有ポリマーとのエステル交換によって、またはジケテンと低重合もしくは重合アルコールとの反応によって得られるアセト酢酸基含有オリゴマーおよびポリマーと、アクリル酸(またはメタクリル酸)2-アセトアセトキシエチルの共重合によって得られるアセト酢酸基含有オリゴマーおよびポリマーと、マロン酸ジアルキルと2または3官能性アルコールとのエステル交換よって得られるマロン酸基含有オリゴマーおよびポリマーがあげられる。
【0029】
これらの中でも、ポリエステルアルコールとアセト酢酸アルキルとのエステル交換によって、またはジケテンとの反応によって生成される、ジアセトアセテート構造含有のオリゴマー又はポリマーが特に好ましい。
一部の多官能性アセトアセテートは、市販品でもよいが、例えば米国特許第3,016,297号公報の実施例10、コラム18のような先行技術で説明されている方法により製造することができる。また、通常、単官能性ビニル化合物、多官能性アクリレートおよびβ-ジカルボニル基含有化合物または樹脂の間の反応(マイケル付加)を促進するためには、触媒が必要である。
【0030】
マイケル付加用の触媒は、先行技術から知られており、該触媒に含まれるものには、例えば、フッ化ベンジルトリメチルアンモニウム、フッ化ベンジルトリエチルアンモミウム、フッ化ベンジルトリブチルアンモミウム、フッ化テトラメチルアンモニウム、フッ化テトラエチルアンモニウムおよびフッ化テトラブチルアンモニウムのようなフッ化アンモニウムからなる基由来の塩;例えば、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム(トリトンB)、水酸化ベンジルトリエチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリブチルアンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウムメトキシドおよびベンジルトリメチルアンモニウムメトキシドのような水酸化アンモニウムおよびアンモニウムメトキシドからなる基由来の化合物;例えば、ピペリジン、1,4-ジヒドロキシピリミジン、2-フェニルベンズイミダゾール、2-ヒドロキシピリジン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロノネン、ジアザビシクロウンデセンおよびテトラメチルグアニジンのようなpK値が11を超える有機アミン;例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、水素化ナトリウム、リチウムジイソプロピルアミドおよびナトリウムアミドのような無機塩基;例えば、ナトリウムメチラート、カリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムエチラート、マグネシウムエタノラート、ナトリウム第3ブチラート、カリウム第3ブチラート、ナトリウムフェノラートおよびカリウムフェノラートのようなアルコールおよびフェノール・ベースの有機金属塩と、金属ナトリウム、金属カリウム、ハロゲン化アルキルマグネシウム、ブチルリチウム;例えば、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリビニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリ第3ブチルホスフィン、トリアリルホスフィン、トリス(2,4,4-トリメチルペンチル)ホスフィン、トリシクロペンチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、シクロヘキシルジフェニルホスフィン、ビシクロヘキシルフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ-n-オクチルホスフィン、トリ-n-ドデシルホスフィン、トリベンジルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、1,2-ビスジフェニルホスフィノ)エタン、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンおよび1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタンのような第3有機ホスフィンが挙げられる。
【0031】
これらのなかでも本発明の組成物の製造に特に適した触媒は、フッ化テトラブチルアンモニウム、フッ化ベンジルトリメチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、テトラメチルグアニジン(TMG)、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、ナトリウム第3ブチラート、トリ-n-オクチルホスフィン(TOP)および水酸化カリウムである。
【0032】
また、取り扱い、安全性および環境特性(例えば、低蒸気圧)の観点から、トリ-n-オクチルホスフィン(TOP)およびトリ-n-ドデシルホスフィンが、これらの触媒中でも特に望ましい。
【0033】
また、前記の触媒は、いくつかの触媒の混合物の形で使用してもよい。
【0034】
本発明の液状アクリロイル基含有樹脂組成物は、
(a)単官能性ビニル化合物、および、
(b)多官能性アクリル酸エステルを、
(c)該β-ジカルボニル基がそのメチレン位に2個の活性水素原子を持つ、β-ジカルボニル基含有化合物または樹脂
を前記の触媒の存在下で、反応させることによって製造することができる。
【0035】
加えられる触媒の量は、総反応混合物を基準として0.3〜5.0重量%であり、望ましくは0.7〜2.5重量%である。反応は、室温で既に進行している。しかしながら、工程を促進するために、60℃〜140℃の、望ましくは80℃〜110℃の範囲のより高い温度条件を適用することができる。
【0036】
単官能性ビニル化合物(a)が多官能性アクリル酸エステル(b)よりも相当に速く、β-ジカルボニル基含有化合物もしくは樹脂(c)と反応するか、または、化合物(a)のモル量が多官能性アクリル酸エステル(b)のモル量に比べて全く少ない場合には、単官能性ビニル化合物(a)および多官能性アクリル酸エステル(b)と、化合物または樹脂(c)との反応を一度に行うことも可能である。
【0037】
しかしながら、第一段階とし、単官能性ビニル化合物を、ビニル官能基に比べて過剰な活性水素原子(C-H-酸性官能基)を持つβ-ジカルボニル基含有化合物または樹脂(c)と、反応させることが好ましい。
【0038】
すなわち、
(a)単官能性ビニル化合物と、
(c)β-ジカルボニル基のメチレン位に活性水素原子を2つ持つβ-ジカルボニル基含有化合物または樹脂とを、
前記β-ジカルボニル基含有化合物または樹脂(c)中のβ-ジカルボニル基のメチレン位に活性水素原子が1つ残存するように反応させて、一置換性β-ジカルボニル基含有化合物または樹脂(c')を得る工程1、及び、
次いで、
得られた(c')一置換性β-ジカルボニル基含有化合物または樹脂と
(b)多官能性アクリル酸エステルと
を反応させる工程2を必須の反応工程とすることを特徴とする、請求項1記載に記載された硬化性液状アクリロイル基含有樹脂組成物の製造方法が望ましい。
【0039】
完全な反応を行うためには、工程1において、ビニル基当量を、β-ジカルボニル基含有化合物または樹脂(c)の活性水素原子当量よりも少なくすべきである。換言すれば、β-ジカルボニル基含有化合物または樹脂(c)の活性水素原子当量は、1原子置換β-ジカルボニル基含有化合物を得るためには、過剰でなければならない。ここで、1原子置換β-ジカルボニル基含有化合物とは、単官能性ビニル化合物(a)とβ-ジカルボニル基含有化合物または樹脂(c)との反応生成物を意味し、該生成物は、化合物または樹脂(c)中の1個または複数のβ-ジカルボニル基の、単官能性ビニル化合物(a)による1原子置換によって生じるものをいう。従って、1原子置換基含有化合物は、ただ1個の活性水素原子をメチレン位置に持つ、少なくとも1個のβ-ジカルボニル基を持つ化合物である。
【0040】
工程1においては、化合物または樹脂(c)の活性水素原子に対する、単官能性ビニル化合物(a)のビニル基の当量比(当該ビニル基:当該活性水素原子)が、0.01:1から0.9:1までの範囲が望ましい。その範囲の中でも、0.01:1から0.8:1までが特に望ましい。
【0041】
単官能性ビニル化合物を十分に反応させることを望む場合、多官能性アクリル酸化合物(b)を加える前に、サイズ除外クロマトグラフィーにより反応の進行を確認することができる。さらに、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーは、出発物質に比べて増加した分子量により、単官能性ビニル化合物(a)がβ-ジカルボニル基含有化合物または樹脂(c)の一部となったことを示す。加えて、炭素13核磁気共鳴分光法により、新たな信号が、通常は50〜70ppm間で発生している時には、単官能性ビニル化合物(a)が、化合物または樹脂(c)中の2個のカルボニル基間にあるメチレン基に結合していることを確認することができる。ここで、単官能性ビニル化合物(a)によって1原子置換された、β-ジカルボニル基含有化合物または樹脂(c)のメチレン基は、次の図の矢印によって示される。メチレンの炭素は、化学シフトa=50〜70ppm(13-C NMR(核磁気共鳴))を示す。
【0042】
【化2】

【0043】
「付加プロトン試験」(APT)によって、これらの新たな印(シグナル)を、1置換性β-ジカルボニル基に割り当てることができる。
単官能性ビニル化合物(a)が完全に反応し終えたことを確認し次第、多官能性アクリル酸化合物(b)を加え、工程2において、β-ジカルボニル基含有化合物または樹脂の残りの活性水素原子(C-H酸性官能基)と反応させる。
【0044】
この工程2においては、1置換性β-ジカルボニル基含有化合物または樹脂(c’)中の活性水素原子に対する、前記多官能性アクリル酸エステル(b)の不飽和基の当量比(当該ビニル基:当該活性水素原子)が、>1.05:5であることが望ましい。
【0045】
工程2の反応中には、空気により反応混合物を脱気する。敏感なビニル化合物またはアクリレートを重合する場合には、重合防止剤もまた、0.01〜0.5重量%の量、加え、生成中にビニル基またはアクリロイル基が時期尚早に重合することを防止することができる。適した重合防止剤は、例えば、4-メトキシフェノールおよびヒドロキノンである。反応時間は、触媒の量のみならず特徴によっても、また反応温度によっても左右され、アクリロイル基含有樹脂組成物の粘度がもはや上昇せず一定となった時点によって決まる。反応はまた、滴定によっても監視することができる。アセト酢酸基の滴定は、ピリジン中でナトリウムメトキシドを用いて行うことができる(「有機官能基分析」、F. E. クリッチフィールド(編)、ペルガモン・プレス、オックスフォード1963年、29ページ)。新たに蒸留されたピリジンにβ-ジカルボニル基含有樹脂を溶かし、メタノール中0.1Nナトリウムメトキシド溶液を用いて、チモールフタレインの色変化に対して滴定を行う。また、モルホリン法(「有機官能基分析」、F. E. クリッチフィールド(編)、ペルガモン・プレス、オックスフォード1963年、116ページ)により、本発明のアクリル化基含有組成物のアクリレート当量を滴定することによって、最終生成物を確認することができる。アクリロイル基を、過剰の2級アミンモルホリンと反応させる。その後、残った過剰の遊離モルホリンを、無水酢酸によるアセチル化によって急冷する。最後に、アクリロイル基とモルホリンとの反応によって形成された3級アミンを、過塩素酸により滴定する。
【0046】
前記の処理に従って調製され特徴づけられる硬化性液状アクリロイル基含有樹脂組成物は、先行技術に優るいくつかの長所を示す。例えば米国特許第6025410号では、液体状態を保持しゲル化を回避するためには、大量の過剰の多官能性アクリレートを使用しなければならない(コラム8〜11、表2〜4)。多官能性アクリル酸化合物の重量パーセントは、官能価比=2:4またはそれ以上の混合物では、例えば総重量の75〜90%と、通例、非常に高い値となる。これに対して、本発明の実施例10〜15においては、ゲル化または架橋なしにアクリル酸化合物の重量パーセントを37〜54重量%まで下げることができることを示す。さらなる結果として、β-ジカルボニル基含有化合物または樹脂(c)の、先行技術に比べて高いモル比および多い活性水素原子当量を用いることができる。例えば米国特許第6025410号の請求項1では、2価のアクリレート・アクセプタおよび4価のβ-ジカルボニル・ドナーを持つ系について、当量比(C=C基:C-H基)は4.5:1と同等またはそれ以上でなければならないと教示されている。これに対して、本発明では、本実施例4および5(表2、第9列)において、2価のアクリレート・アクセプタ(ジアクリル酸ジプロピレングリコール)および4価のβ-ジカルボニル・ドナーについて、その当量比が、2.95:1および3.66:1であることを示している。これらの数値は、本発明のアプローチによって液体生成物が、先行技術よりも低いモルC=C基過剰で作成され、かつ、当量のみならず重量でもより多くのβ-ジカルボニル基含有化合物または樹脂(c)を含むことができるようになることを示す。より高い重量パーセントのβ-ジカルボニル基含有化合物または樹脂(c)の導入によって、生成物特性がアクリル酸化合物によって左右される割合は、ずっと少なくなる。さらに、化合物または樹脂(c)の2官能価β-ジカルボニル基の、単官能性ビニル化合物(a)による1原子置換によって、ただ偶数の官能価(2、4、6、8など)のみのβ-ジカルボニル基含有化合物が開示されている先行技術とは対照的に、任意の官能価が可能となる。前記のすべての利点は、先行技術に比べてより多様な生成物および生成物特性を提供する。本発明の硬化性液体アクリロイル基含有樹脂組成物は、無色または僅かに黄色がかった液体で、25℃で1000〜100000mPasの粘度を示す。本発明者らによる組成物の樹脂の分子量、数平均分子量Mnは、500〜15000の範囲内である。
【0047】
本発明のさらなる目的は、アクリロイル基含有オリゴマーおよびアクリロイル基含有ポリマーのような、組成物中の硬化性液体アクリロイル基含有樹脂への、ビニル基以外の官能基(以下、単に「官能基」と略記する。)の導入である。これは、単官能性ビニル化合物(a)としての官能基含有単官能性ビニル化合物および多官能性アクリル酸エステル(b)と、そのメチレン位置に2個の活性水素原子を持つβ-ジカルボニル基含有化合物または樹脂(c)との反応によって達成される。
【0048】
官能基含有単官能性ビニル化合物という用語は、1個のビニル基を持つビニル化合物が、該ビニル基以外に少なくとももう1個の官能基を含むことを示す。また、官能基は、炭素および水素以外の原子を持つ基として定義される。かかる官能基は、反応性重合体またはオリゴマーに追加特性を与えると考えられている。
【0049】
重合可能または架橋可能な系への官能基の導入は、多数の発明における目的であった。一般的に、官能基は、反応性重合体またはオリゴマーに、密着性、制御された表面張力、架橋可能基、疎水性、ガラス転移温度の上昇、滑りなどのような、新規または特別の特性を与えるとされている。古い方法には、官能化アクリル酸単量体をアクリル化樹脂に加えるものがある。硬化または固化工程中に、官能化アクリル酸単量体のアクリロイル基とアクリル化樹脂とが融合し、官能基が重合体に固定される。しかしながら、この方法の欠点は、一般的に、特にUV照射下で、官能化アクリル酸単量体の一部が重合せず、塗膜中に遊離単量体として残ることである。これは、不反応単量体の塗膜表面への移動、黄変、重合体官能価の低下のような問題を引き起こす可能性がある。
【0050】
これに対して、本発明者らは、分析手法により官能基含有単官能性ビニル化合物が完全に反応済みであることを証明することが可能であり、本発明の発想を用いて、組成物中に官能化単量体が残留する危険性なしに官能基を反応性重合体に導入することができる。
アクリロイル基含有オリゴマーおよびポリマーに官能基を導入するための本発明の概念を、重合体接合多官能性アセトアセテート、追加官能基Rfを持つ官能化単官能性ビニル化合物および多官能性アクリレートについて、下記に例示的に示す。
【0051】
【化3】

【0052】
本反応式中、Pはオリゴマーまたは重合体を示し、Rは多価アルキレン基を示し、Rfは官能基を示す。
【0053】
官能基含有単官能性ビニル化合物には、幅広い種類のものを利用することができる。本発明に適した化合物は、マイケル付加においてβ-ジカルボニル基含有化合物または樹脂(c)と反応することができるようなビニル単量体である。かかる物質は、例えばアクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、アクリル酸2-ヒドロキシブチル、アクリル酸3-ヒドロキシブチル、アクリル酸4-ヒドロキシブチル、アクリル酸6-ヒドロキシヘキシル、N-アルコキシメチルアクリルアミド、N-アクリロイルモルホリン、アクリル酸グリシジル、2-アクリル酸イソシアナトエチル、モノアクリル酸ポリ(エチレングリコール)、モノアクリル酸ポリ(エチレングリコール)アルキルエーテル(例えばアクリル酸ブトキシエトキシエチル)のような官能化アクリレートと、例えばアクリル酸パーフルオロオクチルのようなアクリル酸パーフルオロアルキルと、モノアクリル酸ポリ(ジメチルシロキサン)のような官能性アクリル酸アルコキシシロキサンと、アクリルアミドと、ジアセトンアクリルアミド、N-ヒドロキシメチルアクリルアミドのような官能化アクリルアミドと、ブトキシメチルアクリルアミドのようなエーテル化N-ヒドロキシメチルアクリルアミドと、アクリロニトリル、アクロレイン、メチルビニルケトン、スルホン酸ビニルからなる。
【0054】
官能基含有単官能性ビニル化合物をβ-ジカルボニル基含有化合物または樹脂(c)と反応させるための条件は、官能基非含有の単官能性ビニル化合物と同様であり、前記の通りである。
【0055】
通例、完全反応をもたらすように、工程1において、ビニル基当量は、化合物または樹脂(c)の活性水素原子当量よりも少なくあるべきである。換言すれば、化合物または樹脂(c)の活性水素原子当量は、過剰でなければならない。具体的には、工程1においては、化合物または樹脂(c)の活性水素原子に対する、単官能性ビニル化合物(a)のビニル基の当量比(当該ビニル基:当該活性水素原子)が、0.01:1から0.9:1までの範囲が望ましい。その範囲の中でも、0.01:1から0.8:1までが特に望ましい。
【0056】
反応の進行を、分析手法、特にガス・クロマトグラフィー、赤外分光法またはサイズ除外クロマログラフィーにより監視して、多官能性アクリレートが化合物または樹脂(c)の残りの活性水素原子と反応する前に、ビニル単量体が完全に反応済みであることを確認することができる。また、前記の通り、官能基含有単官能性ビニル化合物と多官能性アクリレートとを同時に加えることもできる。
【0057】
記載された方法に従って生成される硬化性液体アクリロイル基含有組成物は、固化可能または硬化性な塗膜、印刷用インク、接着剤、シートおよび成型用組成物を生成するために適している。
【0058】
本発明の樹脂組成物は、熱を用いて、望ましくはUV(紫外線)照射または電子線によって、硬化させることができる。一般的に、本組成物のアクリロイル基含有オリゴマーまたは重合体が、β-ジカルボニル基の成分としてアセチル基を持つ場合、本発明の組成物は、UV光下で光開始剤を追加することなしに硬化することができる。特別な性能を与えるために、光開始剤を加えることもできる。かかる光開始剤は、ベンゾインおよびその誘導体、例えば、イソブチルベンゾインエーテルのようなベンゾインエーテル、並びに、ベンジルジメチルケタール、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オンおよび4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-2-ヒドロキシ-2-プロピルケトンのようなベンジルケタールが挙げあれる。その他、酸化2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンのような酸化アシルホスフィンが含まれる。1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタン-1-オン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、ベンゾフェノンおよび1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン混合物、過フッ素化ジフェニルチタノセン並びに2-メチル-1-(4-(メチルチオフェニル)-2-(4-モルホリニル))-1-プロパンのような、アリルケトンもまた使用することができる。ミヒラー・ケトン(4,4’-ビスジメチルアミノベンゾフェノン)、ミヒラー・エチルケトン(4,4’-ビスジエチルアミノベンゾフェノンエチルケトン)、ベンゾフェノン、チオキサトン、アントラキノン、ケトクマリン、アントラセンまたはそれらの誘導体などのような、水素抽出遊離基型光開始剤を、上記と組み合わせてかまたは単独で、使用することができる。存在する開始剤の量は、通常、0.1〜10重量%の範囲であり、望ましくは、1〜5重量%である。
【0059】
いくつかの設計では、光源としてUV電球を利用することができる。マイクロ波励起無電極球が望ましい。フュージョン「H」球は、主として中圧水銀蒸気中での放電からなる標準的UV源である。同球はまた、しばしば、工業基準と見なされる。また、フュージョン「D」球は、少量のハロゲン化金属を含む。「フュージョンV球」は、「D」球に類似するが、より大きな画分をより長い波長で放射できる。本発明の生成物の硬化用には、「H」球が望ましい。
【0060】
一般的に、より多いアクリロイル基当量を持つ生成物は、硬化後、架橋密度の上昇を示すはずであり、高い架橋密度は、より高い耐溶剤性および塗膜硬さをもたらすことが多い。驚くべきことに、この作用は、本発明の生成物では観察されなかった。本発明の組成物のアクリレート当量は、比較組成よりも大幅に少ない(表1、第3列)が、本発明の塗膜と、単官能性ビニル化合物を用いずに作成された比較塗膜との間に、硬化特性の差は認められなかった。また、硬化塗膜の高レベルの耐溶剤性および硬さも維持された。単官能性ビニル化合物(a)の組み込みによる、本発明の組成物のもう1つ重要な技術的長所は、表5に示す通り、金属性基板に対する密着性を、改善できることである。
【0061】
UV硬化に加えて、本発明の物質は、電子線によってかまたは熱活性化アゾもしくは過酸化物開始剤の存在下で架橋可能であるか、あるいは、本発明の物質はまた、例えばアミン、チオアルコールまたは多官能性CH酸性基のような、アクリロイル基と化学反応可能な多官能性ドナー基を持つ化合物との反応によって硬化することができる。
【0062】
本発明をさらに詳細に説明するために、例示として以下の実施例を考察するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
【実施例】
【0063】
(実施例1〜15)
200ml反応容器5本に、テトラセト酢酸ジトリメチロプロパン(アセトアセテート官能価数=4、酸性C-H官能価数=8)83.7gを計り入れた。各反応容器に、異なる量(表3、第4列参照)の単量ビニル化合物、アクリル酸n-ブチルを加えた。その後、各反応容器に、1重量%(総重量ベースで)のトリオクチルホスフィン(TOP)触媒を加えて反応容器を密閉し、その後、振った。軽い発熱が収まった後、反応容器を72℃の油浴に6時間置いた。ガス・クロマログラフィー分析により、アクリル酸ブチルが完全に消費され、ゲル透過クロマログラフィー分析およびNMR分析により、アクリル酸ブチルがアセト酢酸基に結合していることが確認された。表1は、5つの中間体、A〜Eの特徴を示す。
【0064】
【表1】

【0065】
1 C-H当量の消費:(アクリロイル基ミリグラム当量)/(テトラアセトアセテート中の酸性C-H2O基ミリグラム当量)×100
2ドナー官能価は、次の等式により算出した。Df=Of-(Of×消費されたC-H官能基重量%/100);Df=ドナー官能価;Of=当初官能価
(テトラアセトアセテート=4×2 C-H基)=8
3 C-Hミリグラム当量/g=(C-H官能基ミリグラム当量−アクリロイル基ミリグラム当量)/(ジ-TMP-(OAcAC)4重量+ブチルアクリレート重量)
各中間体(番号A〜E)約5グラムを、3つの異なる量のジアクリル酸ジプロピレングリコール(DPGDA、官能価=2)と60℃でさらに反応させ、1重量%のTOPを加えることによって触媒させた。表2は、硬化性液体アクリロイル基含有樹脂組成物の特徴を示す。
【0066】
【表2】

【0067】
1アセトアセテートミリグラム当量=表3第8列の(アセトアセテート樹脂g)×(アセトアセテートミリグラム当量/g)
2表3第7列の数値
3 DPGDAミリグラム当量=2×(ジアクリル酸ジプロピレングリコールg)/0.242
4当量比=(酸性C-Hミリグラム当量)/(アクリレート・ミリグラム当量)
5多官能性アクリレート重量%=DPGDA g/(DPGDA g+アセトアセテートg)×100
【0068】
(実施例16〜30)
次の処理の後、アセトアセチル化アルキド樹脂を調製した。すなわち、無水フタル酸148.0g、2-メチル-1,3-プロパンジオール119.0g、トリメチロールプロパン88.0gおよび酸化ジブチル錫1.5gの混合物を、水18gが収集されるまで、200〜220℃で撹拌した。その後、温度を140℃まで下げ、アセト酢酸メチル116.0gを加えた。その後、温度を160℃まで徐々に上げ、メタノールが形成されなくなるまでその温度を維持した。その後、軽く減圧を掛け、少量の不反応アセト酢酸メチルを取り除いた。アセトアセテート・ベース樹脂は、粘度、8800mPas(25℃)およびアセトアセテート当量、2.37mモル/g(4.74ミリグラム当量C-H/g)を示した。
【0069】
100ml反応容器5本に、アセトアセテート樹脂、各30.0gを計り入れた。各反応容器に、異なる量の単量ビニル化合物、アクリル酸n-ブチル(表3、第3列参照)を加えた。その後、各反応容器に、0.4重量%(総重量ベースで)の水酸化カリウム(KOH)を加えて反応容器を密閉し、振って80℃の油浴に6時間掛けた。ガス・クロマログラフィー分析により、アクリル酸ブチルが完全に消費されたことを確認した。表3は、5つの中間体、F〜Jの特徴を示す。
【0070】
【表3】

【0071】
各中間体(番号F〜J)5グラムを、3つの異なる量のジアクリル酸ジプロピレングリコール(DPGDA、官能価数=2)と70℃でさらに反応させ、0.4重量%の水酸化カリウム粉末を加えることによって触媒させた。15のアクリロイル基含有樹脂組成物の特徴を、表4に示す。

【0072】
【表4】

【0073】
(実施例31)
ガム・ロジン(コロホニー、酸価:165mg KOH/g、軟化点:70℃)700gを、窒素下で温度180℃で90分間撹拌した。その後、無水マレイン酸64.0gを加えた。温度を15分間180℃に維持し、その後、215℃に上げて、その温度で1時間撹拌した。N,N-ジメチルアニリンによる試験は、その時点で、反応混合物がもはや遊離無水マレイン酸を含んでいないことを示した。その後、ペンタエリトリトール155.0gと酸化マグネシウム0.60gとの混合物を、少量ずつ分けて加えた。添加完了後、温度を265〜270℃に上げた。反応混合物を撹拌し、酸価が10mg KOH/gに下がるまで、その温度を維持した。温度を140℃に下げ、酸価が2mg KOH/g未満に下がるまで、少量の水酸化カリウムで生成物を中和し、アセト酢酸メチル116.0gを加えた。温度を166℃まで徐々に上げ、もはやメタノールがエステル交換によって形成されず、また、蒸留によっても収集されなくなるまで、その温度を維持した。琥珀色のアセトアセチル化生成物100gを、15アクリル酸ブチル10gと混ぜ、ジアザビシクロウンデセン2.0gで90℃で3時間処理し、その後、ジアクリル酸ジプロピレングリコール90.0gを加えた。混合物をさらに6時間80℃で撹拌し、ジアクリル酸ジプロピレングリコールに溶解した、琥珀色のアクリル化マレイン酸変性ロジン・エステルを得た。アクリレート当量:3.5mモル/g。
【0074】
(実施例32)
アクリル酸ブチル20.0g、メタクリル酸メチル60.0gおよびメタクリル酸2-アセトアセトキシエチル20.0gを、トルエン100gに溶かし、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1.5gの存在下で90℃で共重合させた。重合体溶液に、メチルビニルケトン5.0gとアクリル酸ブチル10.0gとの混合物を加え、その後、ジアザビシクロウンデセン(DBU)1.5gを追加した。混合物を50℃で8時間温めた。ガス・クロマログラフィーは、アクリル酸ブチルとメチルビニルケトンとの完全反応を示した。その後、減圧(50mバール)下で蒸留することによってトルエンを除去した。粘度:5300mPas(25℃)。樹脂10gを、ジアクリル酸1,6-ヘキサナジオール9.0gで希釈し、60℃で4時間撹拌した。その後、混合物に、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン(ダルキュア1173)0.25gを溶かした。アルミ製試験パネルの上部に塗膜を膜厚50umで塗り、フュージョンH球を用いてベルト速度16m/分で硬化させた。
耐溶剤性: >50MEK往復摩擦。
【0075】
(実施例33)
実施例16〜30に使用されたアセトアセテート樹脂ベース(2.37mモル アセトアセテート/g、粘度:8800mPas、25℃)5.0gを、アクリル酸ブチル1.0gおよびジアクリル酸トリプロピレングリコール6.0gと混ぜた。溶液を80℃まで温め、水酸化カリウム粉末0.1gで処理した。混合物を80℃で6時間撹拌し、粘度6200mPas(25℃)のアクリロイル基含有樹脂を得た。
【0076】
(実施例34)
アセチルアセトン2.0g、アクリル酸ブチル0.70gおよびトリアクリル酸トリメチロールプロパン4.0g並びにジアクリル酸ジプロピレングリコール3.0gを混ぜ、ジアザビシクロウンデセン(DBU)0.10gで処理した。発熱が収まった後、混合物を80℃で3時間撹拌した。生成物は、25℃で粘度5.2Pas、および、分子量、Mw=2100を示した。
【0077】
(実施例35)
アクリロニトリル0.70g、トリアクリル酸トリメチロールプロパン4.0gおよびジアクリル酸ジプロピレングリコール3.0gを混ぜ、ジアザビシクロウンデセン(DBU)0.10gで処理した。その後、アセチルアセトン2.0gを滴下で加えた。添加完了後、混合物を50℃で8時間撹拌した。生成物は、25℃で粘度6.2Pas、および、分子量、Mw=2300を示した。
【0078】
(実施例36)
マロン酸ジメチル2.0g、アクリル酸ブチル0.70gおよびトリアクリル酸トリメチロールプロパン4.0g並びにジアクリル酸ジプロピレングリコール3.0gを混ぜ、ジアザビシクロウンデセン(DBU)0.10gで処理した。発熱が収まった後、混合物を80℃で3時間撹拌した。生成物は、25℃で粘度6.7Pas、および、分子量、Mw=2200を示した。
【0079】
(実施例37〜42)
実施例1、4、7、10および13の組成をジアクリル酸ジプロピレングリコール(DPGDA)で希釈することによって5つの塗料を作成し、その後、3重量%のダルキュア1173光開始剤(塗膜粘度:360〜400mPas)を加えた。これらの塗料を、アルミ製試験パネルに膜厚50um(濡れ)で塗り、比較塗料(番号6)とともに、300W/インチのフュージョンD球下を1回通過させることによって硬化させた。結果を表5に示す。
【0080】
【表5】

【0081】
1アクリル化樹脂組成物(実施例1、4、7、10、13および比較)のアクリレート当量は、モルホリン法(「有機官能基分析」、F. E. クリッチフィールド(編)、ペルガモン・プレス、オックスフォード1963年、116ページ)により測定した。アクリロイル基を、過剰の2級アミンモルホリンと反応させた。残った過剰の遊離モルホリンを、無水酢酸によりアセチル化した。その後、アクリロイル基とモルホリンとの反応によって形成された3級アミンを、過塩素酸で滴定した。
2塗料粘度は、ICIコーン・プレート粘度計により、ずり速度5000D-’で測定した
3塗膜表面でのUV球の放射エネルギー(UV-A〜UV-Cすべて)は、EIT社製の放射計「UVICURE」により測定した
4固化膜の耐溶剤性は、メチルエチルケトン(MEK)をしみ込ませた木材パルプ布で膜表面を繰り返し摩擦することによって試験した。塗膜に目に見える傷を発生させない摩擦回数を測定した。
5膜が、目に見える傷の兆候を最初に示した、硬化後の鉛筆硬度
6比較樹脂:組成物1、4、7、10および13と同じ方法で、ただし、アクリル酸ブチルは用いずに、ジアクリル酸ジプロピレングリコールとテトラアセト酢酸ジトリメチロールプロパンとから調製した。
【0082】
前記の通り、予想外の観察結果は、単官能性ビニル化合物なしに作成された比較組成物に比べて、少ないアクリレート(C=C)当量を持つ本発明の樹脂組成物が、アクリレート当量に関連する硬化特性の面で差がないことであった。
【0083】
(実施例43〜48)
ASTM(米国材料試験協会)D3359に従って付着性試験を実行し、実施例1、4、7、10および13由来の組成物を用いて形成された硬化塗膜の、金属性下地に対する付着性を、膜に付けた切れ目上に感圧テープを貼って剥がすことによって評価した。
【0084】
同試験法では、下地に付着した膜に「X状切れ目」を付け、切れ目上に感圧テープを貼った後、剥がして、付着性を0〜5尺度で定性的に評価し、テープによって何パーセントの重合体塗膜が剥がれたか、を明らかにした。
【0085】
表6は、実施例1、4、7、10および13由来のアクリル化樹脂組成物が、UV硬化後、改善されたアルミ付着性を示すこと(試験結果=2〜3)を明らかにする。すなわち、事実上、アルミ付着性がないことを示して(試験結果=0)被影響塗膜面積の65重量%を超える割合がテープによって剥がれた比較組成物に比べて、被影響塗膜面積の5〜35重量%がテープによって剥がれた。
【0086】
【表6】

【産業上の利用可能性】
【0087】
上記された方法により調製される硬化性液体アクリロイル基含有樹脂組成物は、固化可能または硬化可能な塗膜、印刷用インク、接着剤、シートおよび成型用組成物を得るのに好適である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)単官能性ビニル化合物、
(b)多官能性アクリル酸エステル、及び
(c)β-ジカルボニル基のメチレン位に活性水素原子を2つ有するβ-ジカルボニル基含有化合物または樹脂
を、前記化合物または樹脂(c)の活性水素原子に対する、前記単官能性ビニル化合物(a)のビニル基の当量比(当該ビニル基:当該活性水素原子)が、0.01:1から0.9:1となる範囲であって、かつ、
前記化合物または樹脂(c)の活性水素原子に対する、前記単官能性ビニル化合物(a)の不飽和基及び前記多官能性アクリル酸エステル(b)の不飽和基を合計した不飽和基の当量比(当該不飽和基:当該活性水素原子)が、>1.05:1となる範囲で反応させることによって得られるものであることを特徴とする硬化性液状アクリロイル基含有樹脂組成物。
【請求項2】
単官能性ビニル化合物(a)が、アクリル酸エステル(アクリレート)、アルキルビニルケトン、アクロレイン、アクリロニトリル、アクリルアミド、及びスルホン酸ビニルからなる群から選択される請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記化合物または樹脂(c)が、アセトアセテート、ジケトンまたはマロネートからなる群から選択される、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項4】
前記単官能性ビニル化合物(a)が、炭素原子および水素原子以外の原子を含む官能基を有する請求項1記載の組成物。
【請求項5】
前記単官能性ビニル化合物(a)が、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、アクリル酸2-ヒドロキシブチル、アクリル酸3-ヒドロキシブチル、アクリル酸4-ヒドロキシブチル、アクリル酸6-ヒドロキシヘキシル、N-アルコキシメチルアクリルアミド、N-アクリロイルモルホリン、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2-イソシアナトエチル、モノアクリル酸ポリ(エチレングリコール)、モノアクリル酸ポリ(プロピレン グリコール)、アクリル酸パーフルオロアルキルまたはモノアクリル酸ポリ(ジメチルシロキサン)である請求項4記載の組成物。
【請求項6】
(a)単官能性ビニル化合物、
(b)多官能性アクリル酸エステル、及び
(c)β-ジカルボニル基のメチレン位に活性水素原子を2つ有するβ-ジカルボニル基含有化合物または樹脂
を、前記化合物または樹脂(c)の活性水素原子に対する、前記単官能性ビニル化合物(a)のビニル基の当量比(当該ビニル基:当該活性水素原子)が、0.01:1から0.9:1なる範囲であって、かつ、
前記化合物または樹脂(c)の活性水素原子に対する、前記単官能性ビニル化合物(a)の不飽和基及び前記多官能性アクリル酸エステル(b)の不飽和基を合計した不飽和基の当量比(当該不飽和基:当該活性水素原子)が、>1.05:1なる範囲で反応させることを特徴とする、請求項1記載に記載された硬化性液状アクリロイル基含有樹脂組成物の製造方法。
【請求項7】
(a)単官能性ビニル化合物と、
(c)β-ジカルボニル基のメチレン位に活性水素原子を2つ持つβ-ジカルボニル基含有化合物または樹脂とを、
前記β-ジカルボニル基含有化合物または樹脂(c)中のβ-ジカルボニル基のメチレン位に活性水素原子が1つ残存するように反応させて、一置換性β-ジカルボニル基含有化合物または樹脂(c')を得る工程1、及び、
次いで、
得られた(c')一置換性β-ジカルボニル基含有化合物または樹脂と
(b)多官能性アクリル酸エステルと
を反応させる工程2を必須の反応工程とすることを特徴とする、請求項1記載に記載された硬化性液状アクリロイル基含有樹脂組成物の製造方法。
【請求項8】
前記工程1において、前記化合物または樹脂(c)の活性水素原子に対する、前記単官能性ビニル化合物(a)のビニル基の当量比(当該ビニル基:当該活性水素原子)が、0.01:1から0.9:1なる範囲であって、かつ、
前記工程2において、一置換性β-ジカルボニル基含有化合物または樹脂(c')中の活性水素原子に対する、前記多官能性アクリル酸エステル(b)の不飽和基の当量比(当該ビニル基:当該活性水素原子)が、>1.05:1なる範囲である請求項7記載の製造方法。
【請求項9】
単官能性ビニル化合物(a)が、ビニル基以外の追加官能基を有するものである請求項6または7に記載の方法。
【請求項10】
反応触媒として、pK値が11よりも大きい値を持つ有機および無機基本化合物、ハロゲン化アンモミウム、または、第3有機ホスフィンを用いる請求項6または7に記載の方法。
【請求項11】
請求項1〜5に記載の硬化性液体アクリロイル基含有樹脂組成物を、紫外線もしくは電子線または熱により硬化させる工程を含む、硬化物の製造方法。
【請求項12】
前記硬化工程が光開始剤の不存在下で実行される、請求項11に記載の製造方法。
【請求項13】
請求項11または12に記載の製造方法により得られる、硬化生成物。


【公表番号】特表2006−510779(P2006−510779A)
【公表日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−562063(P2004−562063)
【出願日】平成15年12月19日(2003.12.19)
【国際出願番号】PCT/JP2003/016383
【国際公開番号】WO2004/056897
【国際公開日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(000002886)大日本インキ化学工業株式会社 (2,597)
【出願人】(500449374)サン ケミカル コーポレイション (2)
【Fターム(参考)】