【課題】以下の二成分：（Ａ）架橋性官能基を有するビニル系重合体（Ｉ）、及び（Ｂ）イソシアネート基と反応し得る基を有し（Ａ）成分と異なる主鎖構造を有する有機重合体（ＩＩ）を含有する硬化性組成物。架橋性官能基を有するビニル系重合体とイソシアネート基と反応し得る基を有する有機重合体の特徴をそれぞれ活かしたバランスの取れた各種物性を有する、破断時強度が強く、耐熱性、耐候性、耐油性の良好な硬化性組成物を提供する。
【解決手段】架橋性官能基を有するビニル系重合体、及び、イソシアネート基と反応し得る基を有する有機重合体を含有する硬化性組成物を用いる。

【特許請求の範囲】
【請求項１】
以下の二成分：
（Ａ）架橋性官能基を有するビニル系重合体（Ｉ）、及び
（Ｂ）イソシアネート基と反応し得る基を有し（Ａ）成分と異なる主鎖構造を有する有機重合体（ＩＩ）
を含有する硬化性組成物。
【請求項２】
ビニル系重合体（Ｉ）の架橋性官能基が活性水素である請求項１に記載の硬化性組成物
【請求項３】
ビニル系重合体（Ｉ）が、活性水素以外の架橋性官能基を有する請求項１に記載の硬化性組成物
【請求項４】
ビニル系重合体（Ｉ）と有機重合体（ＩＩ）の官能基が異なることを特徴とする請求項１〜３の何れか一項に記載の硬化性組成物
【請求項５】
有機重合体（ＩＩ）のイソシアネート基と反応し得る基が活性水素であることを特徴とする請求項１〜４の何れか一項に記載の硬化性組成物。
【請求項６】
活性水素が、水酸基である有機重合体（ＩＩ）を含有することを特徴とする請求項５に記載の硬化性組成物。
【請求項７】
活性水素が、アミノ基である有機重合体（ＩＩ）を含有することを特徴とする請求項５に記載の硬化性組成物。
【請求項８】
活性水素が、カルボキシル基である有機重合体（ＩＩ）を含有することを特徴とする請求項５に記載の硬化性組成物。
【請求項９】
イソシアネート基と反応し得る基が、エポキシ基である有機重合体（ＩＩ）を含有することを特徴とする請求項１〜４の何れか一項に記載の硬化性組成物。
【請求項１０】
有機重合体（ＩＩ）が活性水素を有する化合物と有機ポリイソシアネートを反応させて得られたウレタンプレポリマーであることを特徴とする請求項１〜４の何れか一項に記載の硬化性組成物。
【請求項１１】
主鎖が、ポリエーテル系重合体である有機重合体（ＩＩ）を含有することを特徴とする請求項１〜１０のうち何れか一項に記載の硬化性組成物。
【請求項１２】
主鎖が、ポリエステル系重合体である有機重合体（ＩＩ）を含有することを特徴とする請求項１〜１０のうち何れか一項に記載の硬化性組成物。
【請求項１３】
主鎖が、（メタ）アクリル系モノマー、アクリロニトリル系モノマー、芳香族ビニル系モノマー、フッ素含有ビニル系モノマー及びケイ素含有ビニル系モノマーからなる群から選ばれるモノマーを主として重合して製造されるものであるビニル系重合体である有機重合体（ＩＩ）を含有することを特徴とする請求項１〜１０のうち何れか一項に記載の硬化性組成物。
【請求項１４】
主鎖が、（メタ）アクリル系重合体である有機重合体（ＩＩ）を含有することを特徴とする請求項１３に記載の硬化性組成物。
【請求項１５】
主鎖が、連続重合法により得られた（メタ）アクリル系重合体である有機重合体（ＩＩ）を含有することを特徴とする請求項１４に記載の硬化性組成物。
【請求項１６】
主鎖が、アクリル系重合体である有機重合体（ＩＩ）を含有することを特徴とする請求項１〜１５のうち何れか一項に記載の硬化性組成物。
【請求項１７】
主鎖が、アクリル酸エステル系重合体である有機重合体（ＩＩ）を含有することを特徴とする請求項１６に記載の硬化性組成物。
【請求項１８】
分子量分布が１．８未満であるビニル系重合体（Ｉ）を含有することを特徴とする請求項１〜１７のうち何れか一項に記載の硬化性組成物。
【請求項１９】
主鎖が、（メタ）アクリル系モノマー、アクリロニトリル系モノマー、芳香族ビニル系モノマー、フッ素含有ビニル系モノマー及びケイ素含有ビニル系モノマーからなる群から選ばれるモノマーを主として重合して製造されるものであるビニル系重合体（Ｉ）を含有することを特徴とする請求項１〜１８のうち何れか一項に記載の硬化性組成物。
【請求項２０】
主鎖が、（メタ）アクリル系重合体であるビニル系重合体（Ｉ）を含有することを特徴とする請求項１９に記載の硬化性組成物。
【請求項２１】
主鎖が、アクリル系重合体であるビニル系重合体（Ｉ）を含有することを特徴とする請求項２０に記載の硬化性組成物。
【請求項２２】
主鎖が、アクリル酸エステル系重合体であるビニル系重合体（Ｉ）を含有することを特徴とする請求項２１に記載の硬化性組成物。
【請求項２３】
架橋性官能基が、主鎖末端にあるビニル系重合体（Ｉ）を含有することを特徴とする請求項１〜２２のうち何れか一項に記載の硬化性組成物。
【請求項２４】
架橋性官能基が、架橋性シリル基であるビニル系重合体（Ｉ）を含有することを特徴とする請求項１〜２３のうち何れか一項に記載の硬化性組成物。
【請求項２５】
架橋性官能基が、アルケニル基であるビニル系重合体（Ｉ）を含有することを特徴とする請求項１〜２３のうち何れか一項に記載の硬化性組成物。
【請求項２６】
架橋性官能基が、水酸基であるビニル系重合体（Ｉ）を含有することを特徴とする請求項１〜２３のうち何れか一項に記載の硬化性組成物。
【請求項２７】
架橋性官能基が、アミノ基であるビニル系重合体（Ｉ）を含有することを特徴とする請求項１〜２３のうち何れか一項に記載の硬化性組成物。
【請求項２８】
架橋性官能基が、重合性の炭素−炭素二重結合を有する基であるビニル系重合体（Ｉ）を含有することを特徴とする請求項１〜２２のうち何れか一項に記載の硬化性組成物。
【請求項２９】
架橋性官能基が、エポキシ基であるビニル系重合体（Ｉ）を含有することを特徴とする請求項１〜２３の何れかに記載の硬化性組成物。
【請求項３０】
架橋性官能基が、アミノ基であるビニル系重合体（Ｉ）を含有することを特徴とする請求項１〜２４の何れかに記載の硬化性組成物。
【請求項３１】
ビニル系重合体（Ｉ）の主鎖が、リビングラジカル重合法により製造されるものであるビニル系重合体を含有することを特徴とする請求項１〜３０のうち何れか一項に記載の硬化性組成物。
【請求項３２】
リビングラジカル重合が、原子移動ラジカル重合であるビニル系重合体を含有することを特徴とする請求項３１記載の硬化性組成物。
【請求項３３】
原子移動ラジカル重合が、周期律表第７族、８族、９族、１０族、または１１族元素を中心金属とする遷移金属錯体より選ばれる錯体を触媒とするビニル系重合体を含有することを特徴とする請求項３２記載の硬化性組成物。
【請求項３４】
触媒とする金属錯体が銅、ニッケル、ルテニウム、又は鉄の錯体からなる群より選ばれる錯体であるビニル系重合体を含有することを特徴とする請求項３３記載の硬化性組成物。
【請求項３５】
触媒とする金属錯体が銅の錯体であるビニル系重合体を含有することを特徴とする請求項３４記載の硬化性組成物。
【請求項３６】
更にポリイソシアネート化合物を含有することを特徴とする請求項１〜３５の何れか一項に記載の硬化性組成物。
【請求項３７】
以下の二成分：
（Ａ）架橋性シリル基を有するビニル系重合体（Ｉ）、及び
（Ｂ）水酸基を有し（Ａ）成分と異なる主鎖構造を有する有機重合体（ＩＩ）
を含有する硬化性組成物。
【請求項３８】
架橋性官能基が、水酸基であるビニル系重合体（Ｉ）と、イソシアネート基と反応し得る基が水酸基であり、かつ主鎖が、ポリエーテル系重合体である有機重合体（ＩＩ）を含有することを特徴とする請求項１〜３７のうち何れか一項に記載の硬化性組成物。
【請求項３９】
架橋性官能基が、架橋性シリル基であるビニル系重合体（Ｉ）と、イソシアネート基と反応し得る基が水酸基であり、かつ主鎖が、ポリエーテル系重合体である有機重合体（ＩＩ）を含有することを特徴とする請求項１〜３７のうち何れか一項に記載の硬化性組成物。
【請求項４０】
架橋性官能基が、エポキシ基であるビニル系重合体（Ｉ）と、イソシアネート基と反応し得る基が水酸基であり、かつ主鎖が、ポリエーテル系重合体である有機重合体（ＩＩ）を含有することを特徴とする請求項１〜３７のうち何れか一項に記載の硬化性組成物。
【請求項４１】
架橋性官能基が、アミノ基であるビニル系重合体（Ｉ）と、イソシアネート基と反応し得る基が水酸基であり、かつ主鎖が、ポリエーテル系重合体である有機重合体（ＩＩ）を含有することを特徴とする請求項１〜３７のうち何れか一項に記載の硬化性組成物。
【請求項４２】
請求項１〜４１の何れか一項に記載の硬化性組成物を用いた接着剤。
【請求項４３】
請求項１〜４１の何れか一項に記載の硬化性組成物を用いた反応性ホットメルト接着剤。
【請求項４４】
請求項１〜４１の何れか一項に記載の硬化性組成物を用いたシーリング材。
【請求項４５】
請求項１〜４１の何れか一項に記載の硬化性組成物を用いた液状ガスケット。

【公開番号】特開２００６−２１９５０４（Ｐ２００６−２１９５０４Ａ）
【公開日】平成１８年８月２４日（２００６．８．２４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００３−１５３２９９（Ｐ２００３−１５３２９９）
【出願日】平成１５年５月２９日（２００３．５．２９）
【出願人】（００００００９４１）株式会社カネカ (3,932)
【Ｆターム（参考）】