説明

硬質アミン

本発明は、共役ポリマーを製造するために使用されるモノマーであって、前記モノマーは一般式(2)で示される構造を有し、
【化1】


Ar、Ar及びArは、任意に置換されるアリール又はヘテロアリールから独立して選択され、X及びXは共に重合に参加することができる離脱基を含み、Zは直接結合又は任意に置換される架橋原子を表すモノマーを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアミンに関するものである。より特定的には、本発明は、光−電子装置における発光体及び/又は電荷輸送及び/又はホスト材料に使用されるアミンモノマーから形成されるアミンモノマー及びポリマーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
光−電子装置における発光体、正孔輸送及びホスト材料としてトリアリールアミンの使用は、装置の基本構造及びこの装置に使用する公知の材料について概略を示した下記の背景の記載から明らかである。
【0003】
光−電子装置の1つの種類は、発光又は光検出に有機材料を使用するものである。これら装置の基本構造は、負電荷(電子)を発光層注入するカソードと正電荷(正孔)を発光層に注入するアノードの間に挟まれた発光有機層、例えば、ポリ(p−フェニレンビニレン)(“PPV”)又はポリフルオレンの薄膜である。電子と正孔は有機層で結合して光子を生成する。WO90/13148においては、有機発光材料はポリマーである。US4,539,507においては、有機発光材料は、(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(“Alq3”)のような低分子として公知の種類のものである。実用の装置においては、電極の1つは透明であり、光子が装置から放出されるのを許容する。
【0004】
典型的な有機発光装置(OLED)は、インジウム錫酸化物(ITO)のような透明な第1の電極で被覆されたガラス又はプラスチック基板上に形成される。少なくとも1つの電子発光有機材料の薄膜の層は第1の電極を覆う。最後に、カソードが電子発光有機材料の層を覆う。カソードは、通常、金属又は合金であり、アルミニウムのような単一層、カルシウム及びアルミニウムのような複数層を有する。例えば、電極から電子発光層への電子の注入を改良するために、他の層が追加される。例えば、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホネート(PEDOT−PSS)又はポリアニリンがアノードと電子発光材料の間に供給される。電源から電極間に電圧が印加されると、電極の1つはカソードとして他方はアノードとして働く。
【0005】
駆動においては、正孔がアノードを通じて装置に注入され、電子がカソードを通じて装置に注入される。正孔と電子は有機電子発光層中で結合して励起子を形成し、次いで、放射性崩壊して光を放出する。
【0006】
有機半導体については、重要な特徴は、電子エネルギーレベル、特に、最高占有軌道(HOMO)と最低空軌道(LUMO)レベルに関連する結合エネルギーである。これらは光発光の測定、特に酸化及び還元のための電気化学ポテンシャルから評価される。このようなエネルギーは、境界面近傍の局地的環境、値が決められる曲線(ピーク)の点のような多くの要因によって影響を受ける。したがって、このような値は定量的ではなく定性的である。
【0007】
有機半導体の光学及び電子特性は、前述のHOMO及びLUMOレベルのエネルギーに大きく依存する。さらに、これらエネルギーレベルは有機半導体の化学構造に大きく依存する。適切な材料、又は材料の組み合わせを選択することにより、装置性能は改良される。
【0008】
例えば、装置の効率を改良する1つの方法は、正孔及び電子輸送材料を提供することである。WO99/48610は、正孔輸送ポリマー、電子輸送ポリマー及び電子発光ポリマーの混合を開示している。この文献において、ジオクチルフルオレンとトリフェニルアミンの1:1のコポリマーは正孔輸送ポリマーとして開示されている。最も影響の大きい電荷輸送材料のタイプは、装置の他の成分のHOMO及びLUMOに依存する。
【0009】
電荷輸送材料の効率の大きな改良があったが、既存の装置に比較してさらに効率を改良するための新規な電荷輸送材料の開発する要望がある。
【0010】
ポリマーOLEDに分野の他の注目は、赤、緑及び青色発光が要求されるフルカラーディスプレイの開発である。「赤色電子発光材料」は、発光によって、600〜750nm、好ましくは600〜700nm、より好ましくは610〜650nm、最も好ましくは660〜660の発光ピークを有する波長の電子発光するものである、「緑色電子発光材料」とは、電子発光によって510〜580nm、好ましくは510〜570nmの範囲の波長を有する照射を行うものを意味する。「青色電子発光材料」とは、電子発光によって400〜500nm、より好ましくは430〜500nmの範囲の波長を有する照射を行うものを意味する。
【0011】
この開発に関連する既存のポリマーOLEDディスプレイの1つの欠点は、今日までに知られている青色発光材料の相対的に短い寿命である(「寿命」とは、DC駆動で一定の電流のもとOLEDの輝度が半分になるに要する時間を意味する)。
【0012】
1つの手法として、OLED構造の最適化によって発光材料の寿命を延ばすことができる。例えば、青色材料の寿命は使用されるカソードに部分的に依存する。しかしながら、青色の寿命を改良するカソードの選択の利点は、赤及び緑色材料の特性へのカソードの悪影響によって相殺される。例えば、Synthetic Materials 111−112(2000)125−128は、カソードがLiF/Ca/Alである場合のフルカラーディスプレイを開示する。本発明の発明者は、このカソードは青色発光材料には特に効率的であるが、緑及び特に赤色発光体には不良な特性を示すことを発見した。
【0013】
他の手法は、新規な青隘路電子発光材料の開発である。例えば、WO99/58160の改良のWO00/55927は、一般式(a)の電子発光ポリマーを開示する。
【化1】

w+x+y=1,w≧0.5,0≦x+y≦0.5及びn≧2
【0014】
要約すると、WO99/48160に開示される分離されたポリマーは単一分子に結合される。F8の繰返し単位が電子注入の目的のために供給される。F8繰返し単位は電子注入の目的のために供給される。TFB単位は正孔輸送の目的のために供給される。PFB繰返し単位は発光単位として供給される。例えば、分子内の電荷輸送は、分子間の電荷輸送より好ましい。混合物における相分離の潜在的な可能性も避けることができる。
【0015】
WO02/92723及びWO02/92724は、9,9−ジアリールフルオレン繰返し単位、特に、ポリマーの寿命を驚くほど改良することが発見されたジフェニルフルオレン(DPF)繰返し単位を有する上記に示したポリマー中のF8繰返し単位のいくつかの取替えを開示する。
【0016】
WO99/54385及びEP1229063は、フルオレン及びPFB−タイプトリアリールアミン繰返し単位のコポリマーを開示する。EP1229063は、70:30の比率のF8:TFBを開示する。
【0017】
発光材料の寿命の大きな改良がなされたが、ポリマーの寿命をさらに改良する新しい青色発光材料の開発の要望がある。
【0018】
燐光性材料も有用であり、いくつかの応用では、蛍光材料にも好ましい。燐光性材料の1つのタイプは、ホスト材料及びホスト材料中の燐光性発光体である。発光体はホスト材料に結合されることができ、混合物中の分離された成分として供給される。
【0019】
燐光性発光体のための多くのホスト材料が、CBPとして知られる4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)ビフェニル)のような低分子、Ikai et al.(Appl.Phys.Lett.,79 no.2,2001,156)に開示されるTCTAとして知られる(4,4’,4”−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン、及びMTDATAとして知られるトリス−4−(N−3−メチルフェニル−N−フェニル)フェニルアミンを含み、公知文献に開示されている。ホモポリマーは、特に、例えば、Appl.Phys.Lett.2000,77(15)、2280に開示されるポリ(ビニルアルバゾール)、Synth.Met.2001,116,379,Phys.Rev.B2001,63,235206のポリフルオレン、Adv,Mater.1999,11(49,265のポリ[4−(N−4−ビニルベンジロキシエチル,N−メチルアミノ)−N−(2,5−ジ−タート−ブチルフェニルナフタルアミド)及びJ.Mater.Chem.2003、13,50−55のポリ(パラーフェニレン)がホスト材料として公知である。
【特許文献1】国際公開99/54385号パンフレット
【特許文献2】欧州特許1229063号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
公知のホスト材料−燐光体系の問題点は、ホスト材料が燐光体からの発光をクエンチすることである。一般的に、ホスト材料の3重項エネルギーレベルが(燐光体に比較して)低いほど、クエンチは生じやすい。重合は、ホストポリマーを形成するときモノマーの3重項エネルギーレベルを減少させることによって、この問題を悪化させる。したがって、燐光系におけるホスト材料として使用するための高い3重項エネルギーレベルを有する材料を製造する必要がある。
【0021】
このようなホスト材料−発光体系は燐光装置に限定されない。広い範囲の蛍光性の低い分子量の金属錯体が知られており、有機発光装置において試験されてきた(例えば、Macrimol.Sym.125(1997)1−48,US−A 5,160,006,US−A 6,083,634及びUS−A 5,432,014)。
【0022】
燐光系と同様に、公知のホスト−蛍光発光体系の問題は、ホスト材料が蛍光体からの発光をクエンチしてしまうことである。発光体に電子を注入するためには、発光体のLUMOレベルより高いLUMOレベルを有するホスト材料を提供することが好ましい。発光体に正孔を注入するためには、発光体のHOMOレベルより低いHOMOレベルを有するホスト材料を提供することが好ましい。したがって、蛍光系において、ホスト材料として使用するためにHOMO及びLUMOレベルの間のバンドギャップが広い材料を製造する必要がある。
【0023】
光−電子装置の特性に影響する他の要因は、装置を構成する薄膜の組織である。半導体有機材料においては、結晶薄膜よりアモルファスに方が有利である。しかしながら、良好な特性の装置を達成するためには薄膜の組織が不規則すぎるのは好ましくない。したがって、良好な薄膜形成特性を有する材料を製造する要望がある。
【0024】
公知の装置の他の問題は、発光領域を通過する電荷の移動から生じる。したがって、電荷遮断材料を提供することがときどき有利である。良好な電荷遮断特性を有する材料を製造する要望がある。高いLUMOレベルが電子の遮断を助けるのに対して、低いHOMOレベルは正孔の遮断を助ける。
【0025】
本発明の目的は、上記の1又はそれ以上の問題点の解決を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明の第1の側面は、共役ポリマーの製造に使用されるモノマーを提供することにあり、前記モノマーは一般式(2)で示される構造を有する。
【化2】

Ar、Ar及びArは、任意に置換されるアリール又はヘテロアリールから独立して選択され、X及びXは重合に参加することができる離脱基を含み、Zは直接結合又は任意に置換される架橋原子を表す。
【0027】
Ar、Ar及びArの1又は2以上は、任意に置換され、分岐又は直鎖のアルキル、アリール、ペルフルオロアルキル、チオアルキル、シアノ、アルコキシ、ヘテロアリール、アルキルアリール及びアリールアルキル基からなる群より独立して選択される置換基を含む。
【0028】
Ar、Ar及びArの1又は2以上は、任意に置換されるフェニル基を有する。
【0029】
モノマーは一般式(3)で示される構造を有することができる。
【化3】

Ph、Ph及びPhは、独立して任意に置換されるフェニル基であり、Xは重合に参加することができる離脱基を含み、Zは直接結合又は任意に置換される架橋原子を表す。
【0030】
モノマーは一般式(4)で示される構造を有することができる。
【化4】

は重合に参加することができる離脱基を独立して含み、RはH又は置換基から独立して選択され、Zは直接結合又は任意に置換された架橋原子を表す。Rの1又は2以上は、任意に置換され、分岐又は直鎖のアルキル、アリール、ペルフルオロアルキル、チオアルキル、シアノ、アルコキシ、ヘテロアリール、アルキルアリール及びアリールアルキル基からなる群より独立して選択されることができる。好ましくは、RはH又はC1−10アルキルから独立して選択される。
【0031】
、X及びXの1又は2以上は、重合に参加することができる離脱基からなることができる。
【0032】
モノマーは一般式(5)で示される構造を有することができる。
【化5】

Ar、Ar、Ar、Ar及びArは、独立して任意に置換されるアリール又はヘテロアリール基であり、Xは重合に参加することができる離脱基を独立して含み、Zは直接結合又は任意に置換される架橋原子を独立して表す。Xは、任意に置換されるアリール又はヘテロアリール基を含むことができる。
【0033】
Ar、Ar、Ar、Ar及びArの1又は2以上は、任意に置換されるフェニル環を含むことができる。
【0034】
Ar、Ar、Ar、Ar及びArの1又は2以上は、任意に置換されるフェニル環からなることができる。他の実施態様において、1つのZ基のみが一般式(5)のモノマーに存在する。
【0035】
前記モノマーは一般式(7)で示される構造を有することができる。
【化6】

は重合に参加することができる離脱基を独立して含み、RはH又は置換基から独立して選択され、Zは直接結合又は任意に置換された架橋原子を表す。Rの1又は2以上は、任意に置換され、分岐又は直鎖のアルキル、アリール、ペルフルオロアルキル、チオアルキル、シアノ、アルコキシ、ヘテロアリール、アルキルアリール及びアリールアルキル基からなる群より独立して選択されることができる。好ましくは、RはH又はC1−10アルキルから独立して選択される。
【0036】
X3は任意に置換されるアリール又はヘテロアリール基を含むことができる。
【0037】
好ましくは、離脱基は金属挿入タイプの重合に参加することができる。金属挿入タイプの重合に参加することができる離脱基は、ボロン誘導基、ハロゲン及びスルホネートを含む、好ましいボロン誘導基はボロン酸又はボロンエステルである。好ましいハロゲンは臭素である。好ましいスルホネートは、トリフレート、メシレート、フェニルスルホネート又はトシレートである。
【0038】
モノマーは一般式(9)で示される構造を有することができる。
【化7】

Ar、Ar及びArは、独立して任意に置換されるアリール又はヘテロアリール基であり、X及びXは共に重合に参加することができる離脱基を独立して含み、Zは直接結合又は任意に置換される架橋原子を独立して表す。この構造によれば、主鎖の分岐アリール基と主鎖のアリール基の間に2つの結合が供給される。
【0039】
分岐アリール基と主鎖のアリール基の間の2つの結合基は本明細書に開示される他の全ての実施例において供給される。
【0040】
好ましくは、一般式9中のZは共に独立して任意に置換される架橋原子を表す、
このモノマーは一般式(10)で示される構造を有することができる。
【化8】

は及びXは共に重合に参加することができる離脱基を独立して含み、RはH又は置換基から独立して選択され、Zは直接結合又は任意に置換された架橋原子を表す。Rの1又は2以上は、任意に置換され、分岐又は直鎖のアルキル、アリール、ペルフルオロアルキル、チオアルキル、シアノ、アルコキシ、ヘテロアリール、アルキルアリール及びアリールアルキル基からなる群より独立して選択されることができる。好ましくは、RはH又はC1−10アルキルから独立して選択される。
【0041】
好ましくは、架橋原子が存在するとき、1又は2の架橋原子は炭素である。1又は2に架橋原子は独立してビニル基、アルキル基又はハロゲンで置換されることができる。1又は2の架橋原子はヘテロ原子であり得る。この構造は、より容易に酸化される。ヘテロ原子は、N、O又はSであり得る。好ましくは、架橋原子はCである。C原子はその上に任意に置換されるアリール又はヘテロアリール置換基を有する。好ましくは、N原子はRh置換基を有する。C原子上の置換基は、溶解性を促進し、例えば、アルキル基のようなR置換基を有する。
【0042】
直接結合ではなく架橋原子を有する実施例は、構造上のねじれが少なく高いHOMOレベルをもたらすので、良好な正孔輸送材である。
【0043】
本発明の第2の側面によれば、本明細書に記載されるモノマーから形成される共役ポリマーが提供される。共役ポリマーは一般式(11)の構造を有する繰返し単位を含むことができる。
【化9】

【0044】
この繰返し単位は共役ポリマーにおいて結合されることができ、各繰返し単位はポリマー主鎖のどちらかの側のアリール基に直接結合される。すなわち、1つの繰返し単位におけるアリール基はポリマー主鎖に沿って隣接する繰返し単位のアリール基に直接結合する。
【0045】
本明細書で使用する「繰返し」単位は、重合によってポリマーに組み込まれるモノマーの残りであることができる。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。 本明細書で使用する「繰返し単位」は、重合によってポリマーに組み込まれるモノマーの残りの一部であることができる。
【0046】
好ましくは、共役ポリマーは一般式12〜17で示される1又は2以上の繰返し単位を含む。
【化10−1】

【化10−2】


X、Y、A、B、C及びDはH又は置換基から独立して選択され、Zは独立して直接結合又は任意に置換された架橋原子を表す。好ましくは、Zは直接結合を表す。X、Y、A、B、C及びDの1又は2以上は、任意に置換され、分岐又は直鎖のアルキル、アリール、ペルフルオロアルキル、チオアルキル、シアノ、アルコキシ、ヘテロアリール、アルキルアリール及びアリールアルキル基からなる群より独立して選択されることができる。好ましくは、RはH又はC1−10アルキルから独立して選択される。
【0047】
共役ポリマーは、発光ポリマー、正孔輸送ポリマー及び電子輸送ポリマーの少なくとも1つであることができる。選択的に、共役ポリマーは2又は3以上の異なる繰返し単位を含むコポリマーである。共役ポリマーは、正孔輸送繰返し単位、電子輸送繰返し単位及び発光繰返し単位の少なくとも2つを含むことができる。
【0048】
本発明の第3の側面は、本明細書に記載される少なくとも1つの共役ポリマー及び少なくとも1つの他の共役ポリマーを含む混合物を提供する。好ましくは、この混合物は、正孔輸送ポリマー、電子輸送ポリマー及び発光ポリマーの少なくとも2つを含む。
【0049】
本発明の第4の側面は、ホストマトリックスと発光ドープ材を含み、前記ホストマトリックスが本明細書に記載の共役ポリマーを含む発光材料を提供する。前記発光ドープ材はホスト材料に化学的に結合することができる。あるいは、発光ドープ材は混合物中の分離した成分として供給される。発光ドープ材は燐光性であることができる。あるいは、発光ドープ材は蛍光性であることができる。発光ドープ材は低分子であり得る。特に、発光ドープ材は金属錯体であることができる。
【0050】
本発明の第5の側面は、本明細書に記載される共役ポリマー、本明細書に記載される混合物、及び本明細書に記載される発光材料の1又は2以上を含む光−電子装置を提供する。光−電子装置は、2つの電極間の層に供給される共役ポリマー、混合物又は発光材料を有する有機発光ダイオードであることができる。この層は、この装置の発光層であるか、又はこの装置の発光層とは分離された層であることができる。
【0051】
あるいは、光−電子装置は光起電装置であることができる。
【0052】
本発明の第6の側面は、本明細書に記載したモノマー、共役ポリマー、混合物、発光材料又は光−電子装置を提供し、Zは任意に置換された架橋原子を表す。
【0053】
本発明の第7の側面は、本明細書に記載される共役ポリマー、混合物又は発光材料を含む組成物を提供する。この組成物は金属錯体を含まない。
【0054】
本発明の第8の側面は、前記組成物を含む光−電子装置を提供する。
【0055】
本発明の第9の側面は、式(11)の構造を有する繰返し単位を含む共役ポリマーを含む組成物を提供する。
【化11】

Ar及びArは、独立して任意に置換されるアリール又はヘテロアリールであり、Zは直接結合又は任意に置換される架橋原子を独立して表す。この組成物は金属錯体を含まない。
【0056】
本発明の第10の側面は、一般式(11)を有する繰返し単位を含む共役ポリマーを含む組成物を有する光−電子装置を提供する。
【化12】

Ar及びArは、独立して任意に置換されるアリール又はヘテロアリールであり、Zは直接結合又は任意に置換される架橋原子を独立して表す。この組成物は金属錯体を含まない。
【0057】
本発明のポリマーを含むアリールアミンの重要な特徴は、少なくとも2つの結合が分岐基とポリマー主鎖の間に供給される点である。本発明の実施態様は、TFB及びPFBのようなトリアリールアミンを含み、ポリマー主鎖のアリール基に結合する分岐アリール基を有する単位に関係する。従来のアリールアミン単位に比較して追加の結合の提供は、得られる単位をより強固にし、ねじれが少ない平坦なものにする。特に、アリールアミン単位における分岐のアリール基と主鎖のアリール基の間に追加の結合が導入される。したがって、分岐のアリール基は追加の結合によって主鎖に共役される。この構造の変化は共役を増加させ、光学及び電子バンドギャップを増加するようにLUMO及びHOMOレベルをシフトさせる。
【0058】
本発明の繰返し単位を含むポリマーの特別の使用は、ポリマー鎖に他のいかなる繰返し単位が供給されるか、又は混合物にいかなる他のポリマー又は低分子化合物が供給されるかによる。例えば、本発明の単位の共重合によって、Tg及び他の特性が制御される。
【0059】
さらに、本発明の繰返し単位の置換基のタイプは繰返し単位の機能に影響を与える。例えば、電子誘引又は電子寄与基は、必要とされる使用によって機能的影響を調整するために選択的に置換されて構造に組み込まれる。
【0060】
本発明の実施例は、0、1、2又は3の結合炭素を有することができる。架橋炭素のビニル置換基は熱架橋の可能性を与える。架橋炭素はフェニル環の回転を制限し、分子の堅さを高める。ポリマーにおいては、これは高いガラス転移温度をもたらす。
【0061】
本発明ではない他の構成では、次の式の繰返し単位を有する。
【化13】

【0062】
この単位は、本発明の実施例のように追加の結合によって分岐のアリール基Rが主鎖の芳香環に共役されないので、本発明の実施例とは異なる特性を有する。本発明の実施例はN原子から分岐するアリール基と主鎖中のアリール基の間の追加の結合を有する主鎖中のN原子を有する。この異なる構造は、光学及び電子特性に重要な相違をもたらす。主鎖のN原子上の孤立した1対の共役及びこの孤立した1対の使用は本発明の機能特性にとって重要である。本発明の実施態様において、分岐基を有する共役は追加の結合を通じた交互の2重及び単一結合によるか、又はN原子上の電子の孤立した対による。
【発明を実施するための最良の形態】
【0063】
図1に示される装置は、透明ガラス又はプラスチック基板1、インジウム錫酸化物のアノード2及びカソード4を有する。電子発光層3はアノード2及びカソード4の間に供給される。
【0064】
電荷輸送、電荷注入又は電荷遮断層のような他の層がアノード2とカソード3の間に位置される。
【0065】
特に、アノードから半導体ポリマーへの正孔の注入を促進するためにアノード2と電子発光層3の間に位置するドープされた有機材料の導電性正孔注入層を供給することが好ましい。ドープされた有機正孔注入材料の例は、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)(PEDT)、特にEP0901176及びEP0947123に開示されるポリスチレンスホネート(PSS)がドープされたPEDT、又はUS5723873及びUS5798170に開示されるポリアニリンが挙げられる。
【0066】
もし存在するなら、電子発光層3とカソード4の間に位置する電子輸送層は約3〜3.5eVのLUMOレベルを有する。
【0067】
電子発光層3は電子発光材料単独、又は1又は2以上の他の材料との組合せで電子発光材料を有することができる。特に、電子発光材料は、例えば、WO99/48160に開示される正孔又は電子輸送材料と混合することができる。あるいは、電子発光材料は電荷輸送材料に共有結合することができる。
【0068】
カソード4は、電子発光層への電子の注入を許す仕事関数を有する材料から選択される。カソードと発光材料の間の負の相互作用の可能性のような他の要因のカソードの選択に影響する。カソードは、アルミニウムのような単一層からなることができる。あるいは、複数の金属、例えば、WO98/10621に開示されるカルシウムとアルミニウムの2層、WO98/57381、Appl.Phys.Lett.2002,81(4)634及びWO02/84759に開示されるバリウム元素、又は電子の注入を促進する誘電体材料層、例えば、WO00/48258に開示されるフッ化リチウム又はAppl.Phys.Lett.2001,79(5),2001に開示されるフッ化バリウムを有することができる。電子の装置への効率的な注入のためには、カソードは3.5eV未満、より好ましくは3.2eV未満、最も好ましくは3eV未満の仕事関数を有する。
【0069】
光学装置は湿気及び酸素によって劣化しやすい傾向にある。したがって、基板は湿気及び酸素の侵入を防ぐのに良好な遮断特性を有する。基板は通常ガラスであるが、他の基板、特に装置の柔軟性が必要な場合には他の基板が使用できる。例えば、基板は、交互プラスチック及び遮断層を開示するUS6268695のようなプラスチック、EP0949850に開示されるような薄いガラスとプラスチックの積層を有することができる。
【0070】
装置は、湿気及び酸素の侵入を防止するために、好ましくはカプセル材(図示しない)でカプセル化される。適切なカプセル材は、ガラス、例えば、WO01/81649に開示されるポリマーと誘電体層の交互積層のような適切な遮断特性を有する薄膜、又は、例えば、WO01/19142に開示される機密コンテナーを含む。基板又はカプセル材を貫通する室内の湿気及び/又は酸素の吸収のためのゲッター材料が基板とカプセル材の間に配置されることができる。
【0071】
実用の装置においては、光が吸収されるように(光応答装置の場合)又は光が放出されるように(OLEDの場合)電極の少なくとも1つは半透明である。アノードが透明である場合、それは通常インジウム錫酸化物を含む。透明カソードの例は、GB2348316に開示されている。
【0072】
図1の実施態様は、基板上のアノードを最初に形成し、次いで、電子発光層及びカソードを蒸着することによって形成される装置を図示する。しかしながら、本発明の装置は、最初に基板上にカソードを形成し、次いで電子発光層及びアノードを蒸着することによっても形成されることができることが理解されよう。
【0073】
本発明のポリマーは発光層に供給されるか及び/又は分離された層(電子又は正孔輸送層のような)に供給されることができる。さらに、本発明のアリールアミン繰返し単位は異なるポリマーの混合物中のホモポリマー又はモノポリマー中に供給されることができる。この点において、多くの可能な繰返し単位及び/又は異なるポリマーが本発明のアリールアミン単位に共役されて使用される。これらいくつかは下記に検討され、下記に検討される繰返し単位/ポリマーの1又は2以上の組合せ(混合物、コポリマー又は分離された層)が、望まれる装置の望まれる機能及びタイプに応じて本発明の繰返し単位/ポリマーと共に使用される。
【0074】
ポリマーは、アリーレン繰返し単位から選択される第1の繰返し単位、特に、J.Appl.Phys.1996,79,934に開示される1,4−フェニレン繰返し単位、例えば、Macromolecules 2000,33(6),2016−2020に開示されるようなインデノフルオレン繰返し単位、及び例えば、EP0707020に開示されるようなスピロフルオレン繰返し単位を含むことができる。これら繰返し単位は任意に置換される。置換基の例としては、C1−20アルキル又はアルコキシ、フルオレン、ニトロ又はシアノのような電子誘引基、及びポリマーのガラス転移温度(Tg)を増加させる置換基が挙げられる。
【0075】
特に好ましいポリマーは、任意に置換された2,7−結合フルオレン、最も好ましくは、一般式(18)の繰返し単位を含む。
【0076】
【化14】

【0077】
及びRは、水素、又は、任意に置換されるアルキル、アリール、アルコキシ、ヘテロアリール、及びヘテロアリールアルキル基から独立して選択される。より好ましくは、少なくともR及びRの1つは、任意に置換されるC1−10アルキル又はアリール基を含む。
【0078】
第1の繰返し単位を含むポリマーは、装置がどの層にそれを使用するか及び共繰返し単位の性質に応じて、正孔輸送、電子輸送及び発光に機能の1又は2以上を提供することができる。
【0079】
9,9−ジアルキルフルオレン−2,7−ジイルのような第1の繰返し単位のポリマーは電子輸送を供給するために利用される。あるいは、本発明の実施例の繰返し単位を含むホモポリマーは電子輸送を提供するために利用される。
【0080】
第1の繰返し単位及び本発明のトリアリールアミン繰り返し単位を含むコポリマーは正孔輸送及び/又は発光を提供するために利用される。
【0081】
このタイプの特に好ましい正孔輸送ポリマーは第1の繰返し単位のABコポリマー及びトリアリールアミン繰返し単位である。
【0082】
第1の繰返し単位及びヘテロアリーレン繰返し単位を含むコポリマーは電荷輸送又は発光のために利用される。好ましいヘテロアリール繰返し単位は一般式19−33から選択される。
【化15】

及びRは同じか異なり、それぞれ独立して、水素又は置換基、好ましくは、アルキル、アリール、ペルフルオロアルキル、チオアルキル、シアノ、アルコキシ、ヘテロアリール、アルキルアリール又はアリールアルキルである。製造の容易のためには、 R及びRは好ましくは同じである。より好ましくは、これらは同じであり、フェニル基である。
【0083】
【化16−1】

【0084】
【化16−2】

【0085】
【化16−3】

【0086】
電子発光コポリマーは、例えば、WO00/55927及びUS6353083にかいじされるような電子発光領域及び正孔輸送領域と電子輸送領域の少なくとも1つを含むことができる。正孔輸送領域と電子輸送領域の1つだけが供給されるならば、電子発光領域が他の正孔輸送及び電子輸送機能を提供することができる。
【0087】
このようなポリマー内の異なる領域がUS6353083にあるようにポリマー主鎖に沿って供給されるか、又はWO01/62869にあるようにポリマー主鎖からに分岐基として供給されることができる。
【0088】
これらポリマーの製造のための好ましい方法は、例えば、WO00/53656に開示されるようなスズキ重合、及び、例えば、T.Yamamoto,“Electrically Conducting And Thermally Stable π−Conjugated Poly(arylene)s Prepared by Organometallic Process”に開示されるヤマモト重合である。これら重合技術は、共に、金属錯体触媒の金属原子がモノマーのアリール基と離脱基の間に挿入される「金属挿入」によって駆動する。ヤマモト重合の場合、ニッケル錯体触媒が使用され、スズキ重合の場合パラジウム錯体触媒が使用される。
【0089】
例えば、ヤマモト重合による直鎖ポリマーの合成においては、2つの反応性ハロゲン基を有するモノマーが使用される。同様に、スズキ重合の方法によれば、少なくとも1つの反応基は、ボロン酸又はボロンエステルのようなボロン誘導基であり、他の反応基はハロゲンである。好ましいハロゲンは、塩素、臭素及びヨウ素であり、最も好ましくは臭素である。
【0090】
したがって、本願を通じて例示されるアリール基を含む繰返し単位及び末端基は、適切な離脱基を有するモノマーから導くことができる。
【0091】
スズキ重合は、規則的、ブロック及びランダムコポリマーを製造するために使用されることができる。特に、ホモポリマー及びランダムコポリマーは1つの反応基がハロゲンであり、他の反応基がボロン誘導基であるときに製造される。あるいは、ブロック又は部分規則、特に、第1のモノマーの両反応基がボロンであり、第2のモノマーの両反応基がハロゲンであるとき、ABコポリマーが製造される。
【0092】
ハロゲンの代替としては、金属挿入に参加することができる他の離脱基は、トシレート、メシレート、フェニルスルホネート及びトリフレートを含む。
【0093】
単一ポリマー又は複数のポリマーは層5を形成するために溶液から蒸着される。ポリアリーレン、特にポリフルオレンのための適切な溶媒は、トルエン及びキシレンのようなモノ−又はポリ−アルキルベンゼンを含む。特に好ましい溶液蒸着技術は、スピンコート及びインクジェット印刷である。
【0094】
スピンコートは、電子発光材料のパターニングが不必要である場合、例えば、照明の応用又は単一のモノクロ区域ディスプレイのような装置に特に有益である。
【0095】
インクジェット印刷は、高度情報含有ディスプレイ、特に、フルカラーディスプレイのために特に適している。OLEDのインクジェット印刷は、例えば、EP0880303に記載されている。
【0096】
装置の複数層が溶液プロセスによって形成されるとき、当業者は、隣接する層の相互混入を防ぐこと、例えば、次の層の蒸着の前に前の層を架橋すること又は第1の層形成される材料が第2の層の蒸着に使用される溶媒に溶解しないように隣接する層の材料を選択することを意識する。
【0097】
好ましい燐光性金属錯体は一般式(34)の任意に置換される錯体を含む。
【化17】

Mは金属であり、L、L及びLのそれぞれは配位基であり、qは整数であり、r及びsはそれぞれ独立して0又は整数であり、(a.q)+(b.r)+(o.s)の総計はM上で有効な配意数であり、aはL上の配位数、bはL上の配位数であり、cはL3上の配位数である。
【0098】
重元素Mは、急速な相互システム架橋を可能にする強いスピン軌道のカップリング及び3重項(燐光)からの発光を誘引する。適切な重金属Mは、
セリウム、ユーロピウム、テルビウム、ジスプロジウム、ツリウム、エルビウム及びネオジウム、並びに
d−ブロック金属、特に3列及び3列のもの、すなわち、元素39ないし48及び72ないし80、特に、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、オスミウム、イリジウム、プラチナ及び金を含む、
f−ブロック金属の適切な配位基は、カルボン酸、1,3−ジケトネート、水酸化カルボン酸、アシルフェノール及びイミノアシル基を含むシッフ塩基のような酸素又は窒素ドナー系を含む。公知のように、発光ランタニド金属錯体は、金属イオンの第1の励起状態より高い3重項励起エネルギーレベルを有する感光基を必要とする。発光は金属のf−f遷移からであり、したがって発光色は金属の選択によって決まる。鋭い発光は通常狭く、ディスプレイの応用に有用な純度の高い色の発光となる。
【0099】
d−ブロック金属は、ポルフィリン又は一般式(35)の2座リガンドのような炭素又は窒素ドナーを有する有機金属錯体を形成する。
【化18】

Ar及びArは同じか異なり、任意に置換されたアリール又はヘテロアリールから独立して選択される。X及びYは同じか異なり、炭素又は窒素から独立して選択され、Ar及びArは互いに縮合され得る。Xが炭素であり、Yが窒素であるリガンドは特に好ましい。
【0100】
2座リガンドの例は下記に示されている。
【化19】

【0101】
各Ar及びArは1又は1又は2以上の置換基を有する。特に好ましい置換基としては、WO02/45466、WO02/44189、US2002−117662及びUS2002−182441に開示されるような錯体の発光を青色シフトするために使用されるフッ素又はトリフルオロメチル、JP2002−324679に開示されるようなアルコキシ基、WO02/81448に開示されるような発光金属として使用されるとき錯体への正孔の輸送を促進するために使用されるカルバゾール、WO02/68435及びEP1245659に開示されるようなリガンドを他の基の付着のために機能化させる働きをする臭素、塩素又はヨウ素、及びWO02/66552に開示されるような金属錯体の溶液プロセス性を得る又は高めるために使用されるデンドロンが挙げられる。金属錯体の溶解性を改良するための置換基の存在は、金属錯体及び本発明の可溶性ホストポリマーの組成物の溶液プロセス性を容易にするために特に望ましい。この組成物はホスト材料及びドープ材の混合物であることができ、又は、下記に示すように置換された金属錯体はホスト材料に化学的に結合されることができる。
【0102】
d−ブロック元素と共に使用されるのに適した他のリガンドとしては、ジケトネート、特にアセチルアセトン(acac)、それぞれ置換され得るトリアリールホスフィン及びピリジンが挙げられる。
【0103】
主族金属錯体はリガンドに基づいた又は電荷移送発光を示す。これら錯体においては、発光色は金属だけでなくリガンドの選択によって決まる。
【0104】
ホスト材料及び金属錯体は物理的な混合の形で結合される。あるいは、金属錯体はホスト材料に化学的に結合することができる。ポリマーホスト材料の場合、金属錯体はポリマー主鎖に付着する置換基として化学的に結合され、例えば、EP1245659、WO02/31896、WO03/18653及びWO03/22908に開示されるようにポリマー主鎖の繰返し単位として組み込まれるか、又はポリマーの末端基として供給される。
【0105】
本発明の実施例は蛍光発光体のホスト材料として使用される。蛍光性の低分子量金属錯体の広い範囲が本発明に使用され得る。好ましい例は、トリス−(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウムである。2価又は3価金属の適切なリガンドは、オキシノイド、例えば、酸素−窒素又は酸素−酸素寄与原子、通常、置換酸素原子を有する環状窒素原子、又は8−ヒドロキシキノリン及びヒドロキシキノクサルノール−10−ヒドロキシベンゾ(h)キノリナート(II)、ベンザゾール(III)、シッフ塩基、アゾインドール、クロモネ誘導体、3−ヒドロキシフラボンのような並びにサリシラートアミノカルボキシレート及びエステルカルボキシレートのようなカルボン酸のような置換窒素原子又は置換酸素を有する三重項の原子を含む。任意の置換基は、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、シアノ、アミノ、アミド、スルホニル、カルボニル、アリール又は発光色を改良する(ヘテロ)芳香環が挙げられる。
【0106】
本発明の実施態様によれば、追加の結合が、公知のアリールアミンと比較して分岐アリール基と主鎖アリール基の間に組み込まれる。得られる構造は、従来のアリールアミンに比較して広い範囲の利点を有する、理論に拘束されないならば、追加の結合(Z)が構造の堅さと平坦さを増大させ、電荷輸送特性を向上させ、薄膜形成能力を向上させることに導く共役ポリマーの共役を増大させる。青色発光体を生成する公知のアリールアミンと比較して、HOMO及びLUMOレベル間のバンドギャップが増大されている。さらに、HOMOエネルギーレベルの減少は正孔輸送に有利であるのに対して、LUMOエネルギーレベルの増大は電子輸送/注入に有利である。また、ホスト−発光系のクエンチは3重項エネルギーの増加及びHOMO及びLUMOバンドギャップの増加のため減少する。したがって、新規なアリールアミンは、燐光及び蛍光系において発光体、正孔輸送、電子輸送、電荷輸送(特に、電子遮断)及びホスト材料として有益であることは明らかである。
【0107】
本発明は、本明細書の好ましい実施例と共に特に示され、記載されるが、特許請求の範囲で定義される本発明の範囲から逸脱しに限り形及び詳細の部分で多くの変形がなされることは当業者に理解されよう。
【0108】
反応スキーム
モノマーは次の反応スキームにしたがって合成される。
【化20】

【0109】
【化21】

【0110】
スキーム2のモノマーがJ.Org.Chem.2003,68,16,6071−6078にしたがって製造される。
【0111】
実施例
モノマーの実施例1
下記に示される本発明のモノマー1がスキーム1にしたがって製造された。
【化22】

【0112】
モノマー1が下記で示される4つの段階で合成された。
【0113】
段階1
【化23】

【0114】
フェニルヒドラジン塩酸塩(30g,0.28mol)、タート−ブチルシクロヘキサン(42.79g,0.28モル)及び酢酸(600mL)が、窒素ライン及びコンデンサーを備えた丸底フラスコに加えられた。試薬は室温で30分間攪拌され、30℃まで温められた。20分後、35℃まで加熱され、この温度で保持された。30分後、40℃まで過熱され6時間保持された後、70℃で一晩温められた、反応混合物は室温まで冷却され、トルエンが加えられた。有機層が水、NaHCO及び最後に水で洗浄された。溶媒は蒸発され、生成物がヘキサンから再結晶され、目的の材料24.29g(〜55%生成率)を生成した。
【0115】
段階2
【化24】

【0116】
オーバーヘッド攪拌器、窒素バブラー及び還流コンデンサーを備えた2Lフラスコがテトラヒドロブチルカルビナート(79g,0.34モル)、10%Pd/C(11.1g,0.004モル)及びトリメチルベンゼンで充満された。反応混合物は還流器(180〜190℃)で30時間加熱され、室温まで冷却された。冷却によって、反応混合物が再結晶された。再結晶溶液はトルエンで希釈され、Bchnerを通してろ過された。溶液は紙フィルターにより数回ろ過され、1Lのへキサンが加えられた。形成された無色の固体はろ過後生成物58.98を得た(純度99.7%(95%生成率))。
【0117】
段階3
【化25】

【0118】
500mLのフラスコが、タート−ブチルカルバゾール(10g,0.045モル)、ジブロモベンゼン(4.95g,0.021モル)、パラジウムアセテート(101mg,1モル%)及びトルエン(100L)で充満され、窒素で0.5h脱ガスされた。次いで、タート−ブチルトリフェニルホスフィン(4.6mL,5モル%)が加えられ、溶液は攪拌された。30分後、カリウムカルボナート(4.6mL,5モル%)が加えられ、反応物は4日間で130℃まで加熱された。反応物は室温まで冷却され、水で抽出された。有機層が乾燥され(MgSO)、真空中で蒸発された。トルエン/アセトニトリルからの再結晶により目的材料の9.31gを得た(生成率85%)。
【0119】
段階4
【化26】

【0120】
ジクロロメタン(350mL)中の段階3で製造された材料の冷却(フラスコ内温度−5℃)された溶液に、ヨウ素(触媒量)が加えられ、N−ブロモサクシニミド(13.73g,0.077モル)が滴下された。NBSの添加中反応温度は15℃以下に保持された。有機層が分離され、乾燥され(MgSO)及び乾燥するまで蒸発されて茶色の固体を得た。トルエン/IPA(1L/200mL)からの再結晶によりモノマー1が19.6g得られた(75%生成率)。
【0121】
モデリング(Modelling)
市販されているモデリングパッケージを使用して、モノマー1が調査された。モノマー1のHOMO、LUMO及びEgを得るために計算がなされた。さらに、相対的な値を決めるために同じモデリングパッケージを使用してF8及びF8−TFBコポリマーの計算がなされた。この点に関して、モデリング値は本質的に概略であるが、3つのポリマーの相対的な値は、公知の材料に比較して新規のモノマー/ポリマーのエネルギーレベル構造の良好な尺度となる。
【0122】
モノマーから4量体まで計算がなされ、長鎖のポリマーの結果を得るため無限大の鎖長さを外挿した。真空中で隔離された分子の構造を計算するため全ての計算はAM1を使用して行い、次いで、分子の軌道及びエネルギーを計算するために同じ系についてZindo計算がなされた(N/2占有及びN/2非占有状態を使用)。
1)AmpacプログラムパッケージのAM1
Ampac 5.0 ユーザーズマニュアル,C1994 Semichem,7128 Summit,Shawnee,KS66216
2)Gaussian SoftwareからのZINDO
Gaussian 98、RevisionA.9
M.J.Frisch,G.W.Trucks,H.B.Schlegel,G.E.Scuseria,M.A.Robb,J.R。Cheeseman,V.G.Zarkezewski,J.A.Montgomery,Jr.,R.E.Stratmann,J.C.Burant,S.Dapprich,J.M.Millam,A.D.Daniels,K.N.Kudlin,M.C.Strain,O.Frankas,J.Tomasl,V.Barone,M.Cossi,R.Cammi,B.Mennucci,C.Pomelli,C.Adamo,S.Cliford,J.Ochterski,G.A.Petersson,P.Y.Ayala,Q.Cui,K.Morokuma,D.K.Malick,A.D.Rebuck,K.Raghavachari,P.Piskolz,I.Komaromi,R.Gomperts,R.L.Martin,D.J.Fox,T.Kelth,M.A.Al−Laham,C.Y.Pang,A.Nanayakkera,M.Challacbe,P.M.W.GIII,B.Johnson,W.Chen,M.W.Wong,J.L.Andres,C.Gonzales,M.Head−Gordon,E.S.Replogie,and J.A.Pople,Gaussian,Inc.,Pittsburgh PA,1988.
HOMO、LUMO及びEgの結果は、ポリマーの推定値として下記の表にまとめられている。
【0123】
【表1】

【0124】
モノマー1のHOMOレベルは、F8のそれより深いことが分かる。したがって、モノマー1は正孔の遮断として機能することが期待される。したがって、モノマー1は電子の遮断として機能することが期待される。モノマー1のエネルギーギャップは、F8及びF8−TFBのそれより高い。したがって、より青い発光をする。
【0125】
モデリングの結果は、モノマー1の最も安定な組織はNからカルバゾール基への結合及びNからフェニル環への結合が全て同じ平面にある場合、すなわち、NがSp2d結合のときであることを示している。
【0126】
モデリングは、モノマー1から導かれたホモポリマー1においては、HOMOはポリマーの主鎖に沿って伸びており、LUMOが隣接するカルバゾール単位(水素上ではない)に限定されていることを示している。
【0127】
主鎖のN原子は“LUMO”の遮断として機能する。LUMOは、モノマーが接続される2つの結合されたカルバゾール単位(これは、カルバゾール単位間のフェニル環より低いエネルギーである)上に最も完全に伸びることがわかった。より低いLUMOレベルを達成するため、すなわち電子注入が容易になるように、電子波長関数は、例えば、モノマー単位のどちらかの側へのF8(又は、本明細書の前半で概述した)の添加によって、閉じ込められないかあまり制限されない必要がある。
【0128】
HOMOレベルはN原子上で最も強い。2つの隣接するNの最大の分離は2つのベンゼン環の最大値であるので、それはN原子間の主鎖に沿って伸びる。モノマー1の中央のフェニルをF8単位(又は、本明細書の前半で概述した他のより小さい基)で置換することによって、この材料のポテンシャルを減らしように働く。
【0129】
モノマー1から導かれた繰返し単位を含むポリマーのモデリングの結果は、F8又はF8−TFCコポリマーより青いことを示している。この繰返し単位は非常に深いHOMO及び非常に浅いLUMOを有し、電子、正孔及び/又は励起子の遮断のための中間層として使用される。すなわち、本発明の実施例は、アノード及び/又はカソードと発光層の間の分離された層に提供される。さらに、3重項発光体のホスト材料としても使用される。
【0130】
ポリマーの実施例1
65%F8、30%DPF及び5%モノマー1を有するコポリマー(ポリマー1)がWO00/53656に開示される方法のスズキ重合によって形成される。
【0131】
ポリマー1のHOMO及びLUMOは、循環の電解電量計を使用して測定された。
HOMOレベルは非常に深い(F8に類似):5.52eV
LUMOレベルは浅い(F8に類似):2.13eV
F8との類似は、測定されたHOMO及びLUMOレベルはモノマー1よりF8のためであることを示唆している。
【0132】
ポリマーの実施例2
2,5−ジオクチルベンゼン及びモノマー1から導かれた繰返し単位のABコポリマー(ポリマー2)は、WO00/53656に記載された方法のスズキ重合によって製造され、下記の反応スキームによって、57000ダルトンの平均分子量(Mw)を有するポリマーが得られた。
【化27】

【0133】
装置の実施例(蛍光性装置)
装置は、下記のプロセスによって形成された。
【0134】
Baytron(登録商標)としてHC Starck of Leverkusen,Germanyから市販されているポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホネート)(PEDT/PSS)は、スピンコートによって、ガラス基板(Applied Films,Colorado,USA)に支持されたインジウム錫酸化物上に蒸着された。本発明のポリマー1は、キシレン溶液からスピンコートによってPEDT/PSS層の上に約85nmの厚さまで蒸着された。半導体ポリマー上のバリウムの第1層を約10nmの厚さまで蒸発し、アルミニウムバリウムの第2層を約100nmの厚さまで蒸発することにより、スピンコートによって本発明のポリマー1がPEDT/PSS層の上に蒸着された。最後に、装置の上に置かれたゲッターを含む金属封入を使用して装置は密封され、気密封入を形成するために基板の上に接着された。
【0135】
ポリマー1の蒸着前に、F8−TFB(図示しない)の正孔輸送層がキシレン溶液からスピンコートにより約10nmの厚さまでスピンコートによりPEDT/PSS層上に蒸着された。F8のPL発光に基づいて、装置の発光は中間層からのF8及びTFB発光の結合であるらしく、モノマー1から導かれる本発明の繰返し単位のバンドギャップはF8より高いことを示している。
【0136】
燐光性ホスト材料の実施例
IrD(下記に図示される)7.5%がドープされた、ポリマー2のトルエン中の1%溶液がWO02/66552に開示されるように、Spectrasilガラス上にスピンコートされ、60nmの薄膜を得た。比較例として、IrDが10%ドープされたCBPの薄膜がスピンコートされた。燐光性量子エネルギー(PLQY)測定(下記の表を参照)からわかるように、緑色燐光のクエンチは発生しなかった。さらに、1931 Commision Internatinal de L’Eclairage,色調座標(CIE)に基づいて、発光色の変化は観察されなかった。電子発光装置のホスト材料としての本発明のポリマーの効率を示した。
【0137】
【化28】

【表2】

【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】本発明の実施例の有機発光装置を示す。
【符号の説明】
【0139】
1 基板
2 アノード
3 電子発光層
4 カソード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共役ポリマーを製造するために使用されるモノマーであって、
前記モノマーは一般式(2)で示される構造を有し、
【化1】

Ar、Ar及びArは、任意に置換されるアリール又はヘテロアリールから独立して選択され、X及びXは共に重合に参加することができる離脱基を含み、Zは直接結合又は任意に置換される架橋原子を表すモノマー。
【請求項2】
Ar、Ar及びArの1又は2以上は、任意に置換される、分岐又は直鎖のアルキル、アリール、ペルフルオロアルキル、チオアルキル、シアノ、アルコキシ、ヘテロアリール、アルキルアリール及びアリールアルキル基から独立して選択される置換基を含む請求項1に記載のモノマー。
【請求項3】
Ar、Ar及びArの1又は2以上は、任意に置換されるフェニル基を含む請求項1又は2に記載のモノマー。
【請求項4】
前記モノマーは一般式(3)に示される構造を有し、
【化2】

Ph、Ph及びPhは、独立して任意に置換されるフェニル基であり、Xは重合に参加することができる離脱基を独立して含み、Zは直接結合又は任意に置換される架橋原子を表す請求項1ないし3のいずれかに記載のモノマー。
【請求項5】
前記モノマーは一般式(4)に示される構造を有し、
【化3】

は重合に参加することができる離脱基を含み、Rは、H又は置換基から独立して選択され、Zは直接結合又は任意に置換された架橋原子を表す請求項1ないし4のいずれかに記載のモノマー。
【請求項6】
Rの1又は2以上は、任意に置換された、分岐又は直鎖のアルキル、アリール、ペルフルオロアルキル、チオアルキル、シアノ、アルコキシ、ヘテロアリール、アルキルアリール及びアリールアルキル基からなる群より独立して選択される置換基を含む請求項5に記載のモノマー。
【請求項7】
RはH又はC1−10アルキルから独立して選択される請求項5又は6に記載のモノマー。
【請求項8】
前記モノマーは一般式(5)で示される構造を有し、
【化4】

Ar、Ar、Ar、Ar、及びArは、任意に置換されるアリール又はヘテロアリールから独立して選択され、Xは重合に参加することができる離脱基を含み、Zは直接結合又は任意に置換される架橋原子を表す請求項1ないし7のいずれかに記載のモノマー。
【請求項9】
Ar、Ar、Ar、Ar、及びArの1又は2以上は、任意に置換されるフェニル基を含む請求項8に記載のモノマー。
【請求項10】
Ar、Ar、Ar、Ar、及びArの1又は2以上は、任意に置換されるフェニル環からなる請求項9に記載のモノマー。
【請求項11】
前記モノマーは一般式(7)で示される構造を有する請求項8ないし10のいずれかに記載のモノマー。
【化5】

は独立して重合に参加することができ、RはH又は置換基から独立して選択され、Zは直接結合又は任意に置換された架橋原子を表す請求項8ないし10のいずれかに記載のモノマー。
【請求項12】
Rの1又は2以上は、任意に置換された、分岐又は直鎖のアルキル、アリール、ペルフルオロアルキル、チオアルキル、シアノ、アルコキシ、ヘテロアリール、アルキルアリール及びアリールアルキル基からなる群より独立して選択される請求項11に記載のモノマー。
【請求項13】
RはH又はC1−10アルキルより独立して選択される請求項10又は11に記載のモノマー。
【請求項14】
前記モノマーは一般式(9)で示される構造を有し、
【化6】

Ar、Ar及びArは、任意に置換されるアリール又はヘテロアリールから独立して選択され、X及びXは共に重合に参加することができる離脱基を含み、Zは直接結合又は任意に置換される架橋原子を表す請求項1に記載のモノマー。
【請求項15】
前記モノマーは一般式(10)で示される構造を有し、
【化7】

及びXは共に重合に参加することができる離脱基を含み、Rは水素又は置換基から選択され、Rはビニル基、アリール基又は水素から独立して選択されるす請求項14に記載のモノマー。
【請求項16】
Rは、任意に置換された、分岐又は直鎖のアルキル、アリール、ペルフルオロアルキル、チオアルキル、シアノ、アルコキシ、ヘテロアリール、アルキルアリール及びアリールアルキル基からなる群より独立して選択される請求項15に記載のモノマー。
【請求項17】
RはH又はC1−10アルキルより独立して選択される請求項15又は16に記載のモノマー。
【請求項18】
1又は2のZは直接結合を表す請求項1ないし17のいずれかに記載のモノマー。
【請求項19】
1又は2のZは任意に置換される炭素又はヘテロ原子架橋原子である請求項1ないし18のいずれかに記載のモノマー。
【請求項20】
前記ヘテロ原子はCである請求項19に記載のモノマー。
【請求項21】
前記C原子は任意に置換されるアリール又はヘテロアリール置換基をその上に有する請求項21に記載のモノマー。
【請求項22】
前記C原子上の置換基は任意に置換されるフェニル基である請求項22に記載のモノマー。
【請求項23】
1又は2の架橋原子はビニル基、アルキル基又は水素により独立して置換される請求項1ないし22のいずれかに記載のモノマー。
【請求項24】
前記離脱基は重合に参加することができる離脱基からなる請求項1ないし23のいずれかに記載のモノマー。
【請求項25】
前記離脱基は金属挿入型重合に参加することができる離脱基である請求項1ないし24のいずれかに記載のモノマー。
【請求項26】
前記金属挿入型重合に参加することができる離脱基は、ボロン誘導体、ハロゲン、トリフラーテ、メシラーテ、フェニルスルホナーテ及びトシラーテから独立して選択される請求項25に記載のモノマー。
【請求項27】
前記ボロン誘導体はボロン酸又はボロンエステルである請求項26に記載のモノマー。
【請求項28】
前記ハロゲンは臭素である請求項26に記載のモノマー。
【請求項29】
請求項1ないし28のいずれかに記載のモノマーから形成される共役ポリマー。
【請求項30】
一般式12ないし17に示される1又は2以上の繰返し単位を含み、
【化8−1】

【化8−2】

X、Y、A、B、C及びDはH又は置換基から独立して選択され、Zは直鎖又は任意に置換される架橋原子を表す請求項29に記載の共役ポリマー。
【請求項31】
1又は2以上のX、Y、A、B、C及びDは、任意に置換された、分岐又は直鎖のアルキル、アリール、ペルフルオロアルキル、チオアルキル、シアノ、アルコキシ、ヘテロアリール、アルキルアリール及びアリールアルキル基からなる群より独立して選択される請求項30に記載の共役ポリマー。
【請求項32】
X、Y、A及びBはC1−10アルキルである請求項31に記載の共役ポリマー。
【請求項33】
前記共役ポリマーは、発光ポリマー、正孔輸送ポリマー及び電子輸送ポリマーの少なくとも1つである請求項29ないし32のいずれかに記載の共役ポリマー。
【請求項34】
前記共役ポリマーは2又は3以上の異なる繰返し単位を有する請求項29ないし33のいずれかに記載の共役ポリマー。
【請求項35】
正孔輸送繰返し単位、電子輸送繰返し単位及び発光繰り返し単位の少なくとも2つを有する請求項34に記載の共役ポリマー。
【請求項36】
請求項29ないし35のいずれかの少なくとも1つの共役ポリマー及び他の共役ポリマーを含む混合物。
【請求項37】
正孔輸送ポリマー、電子輸送ポリマー及び発光ポリマーの少なくとも2つを有する請求項36に記載の混合物。
【請求項38】
ホストマトリックス及び発光ドープ材を含み、前記ホストマトリックスは請求項29ないし35のいずれかで定義される共役ポリマーを含む発光材料。
【請求項39】
前記発光ドープ材はホスト材料に化学的に結合されている請求項38に記載の発光材料。
【請求項40】
前記発光ドープ材は混合物における分離した成分として供給される請求項38に記載の発光材料。
【請求項41】
前記発光ドープ材は燐光性である請求項38ないし40のいずれかに記載の発光材料。
【請求項42】
前記発光ドープ材は蛍光性である請求項38ないし40のいずれかに記載の発光材料。
【請求項43】
前記発光ドープ材は低分子化合物である請求項38ないし42のいずれかに記載の発光材料。
【請求項44】
前記発光ドープ材は金属錯体である請求項38ないし43のいずれかに記載の発光材料。
【請求項45】
請求項29ないし35のいずれかに記載の共役ポリマー、請求項36又は37に記載の混合物、請求項36ないし44のいずれかに記載の発光材料を有する光−電子装置。
【請求項46】
前記光−電気装置がアノード、カソードを含む有機発光ダイオードであり、前記共役ポリマー、混合物又は発光材料が前記アノードと前記カソードの間に供給される請求項45に記載の光−電気装置。
【請求項47】
前記共役ポリマー、混合物又は発光材料が光−電気装置の正孔輸送、電子輸送及び/又は発光材料である請求項46に記載の光−電気装置。
【請求項48】
前記光−電気装置は、発光層、及び選択的に、前記アノードとカソードの間に有機半導体材料を含む1又は2以上の追加層を有し、前記共役ポリマー、混合物又は発光材料が1又は2以上の前記発光層又は1又は2以上の追加層中に供給される請求項46又は47に記載の光−電気装置。
【請求項49】
前記共役ポリマー、混合物又は発光材料は前記装置の前記発光層中に供給される請求項48に記載の光−電気装置。
【請求項50】
前記共役ポリマー、混合物又は発光材料は前記1又は2以上の追加層中に供給される請求項48又は49に記載の光−電気装置。
【請求項51】
前記共役ポリマー又は混合物が正孔を輸送するために前記アノードと前記発光層の間に供給される請求項48ないし50のいずれかに記載の光−電気装置。
【請求項52】
前記共役ポリマー又は混合物が電子を輸送するために前記カソードと前記発光層の間に供給される請求項48ないし51のいずれかに記載の光−電気装置。
【請求項53】
前記光−電気装置は光起電装置である請求項45に記載の光−電気装置。
【請求項54】
Zが任意に置換される架橋原子を表す、請求項1ないし28のいずれかに記載のモノマー、請求項29ないし35のいずれかに記載の共役ポリマー、請求項36ないし37のいずれかに記載の混合物、請求項38ないし44のいずれかに記載の発光材料、又は請求項45ないし53のいずれかに記載の光−電子装置。
【請求項55】
前記組成物が金属錯体を含まない、請求項29ないし35のいずれかに記載の共役ポリマー、請求項36ないし37のいずれかに記載の混合物、請求項38ないし44のいずれかに記載の発光材料。
【請求項56】
請求項55に記載の組成物を有する光−電気装置。
【請求項57】
一般式(11)の構造を有する繰返し単位を含む共役ポリマーを含む組成物であって、
【化9】

Ar及びArは任意に置換されるアリール又はヘテロアリールから独立して選択され、Zは直接結合又は任意に置換される架橋原子を表し、前記組成物は金属錯体を含有しない組成物。
【請求項58】
一般式(11)の構造を有する繰返し単位を含む共役ポリマーを含む組成物を含む光−電気装置であって、
【化10】

Ar及びArは任意に置換されるアリール又はヘテロアリールから独立して選択され、Zは直接結合又は任意に置換される架橋原子を表し、前記組成物は金属錯体を含有しない光−電気装置。

【図1】
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【公表番号】特表2008−525608(P2008−525608A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548891(P2007−548891)
【出願日】平成17年12月23日(2005.12.23)
【国際出願番号】PCT/GB2005/005058
【国際公開番号】WO2006/070185
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(597063048)ケンブリッジ ディスプレイ テクノロジー リミテッド (152)
【出願人】(503419985)シーディーティー オックスフォード リミテッド (21)
【Fターム(参考)】