説明

硬質発泡セメントコアを備える物品の製造方法及びシステム

【課題】
【解決手段】本発明の一態様は、複数の物品シェル内に硬化させたセメントコアを形成する装置に関する。通常、この装置は複数の物品シェルを保持するシェルバンクを備え、スレッドと、複数の補強シェルと、ガス混入セメント材料を供給する充填ステーションと、ポンプとを備える。ガス混入セメント材料は前記複数の物品シェル内でそれぞれ硬化されたセメントコアを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の表示
本発明は、2002年4月24日に出願された米国特許出願第10/131,056「ハイパフォーマンスドア」の部分継続出願であり、これを組み合わせて参照されるものである。
【0002】
発明の背景
1.発明の技術分野
本発明の一態様は、硬質発泡セメントコアを有する物品の少なくとも1の製造方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
2.従来技術
ドアシステムは、例えば英国規格PAS23(PAS23)、英国規格PAS24(PAS24)、フロリダ建築法規試験TAS/PA201(TAS/PA201)等に定められたセキュリティ試験に合格するよう設計されてきた。これらのドアシステムは一般に、PAS23やPAS24に規定の工具が貫通しないよう、またTAS/PA201にあるハリケーンや台風などの強い嵐で飛ばされた大きな物体が衝突した場合を想定した衝突試験に合格するよう設計される。
【0004】
スチール製のドアの多くはセキュリティ試験に合格する。しかしながら、このようなドアは美しくなく、簡単に錆びたり凹むため、入口ドアとしてあまり好ましくない。例えば、複合アパートやホテルの共用エリアの入口ドアは頻繁に開閉され、物理的に酷使され、錆や凹みにさらされる。他の例としては、海岸沿いの入口ドアは物理的に酷使され、化学的浸食による腐食の影響を受けやすい。
【0005】
非金属のドアは錆や凹みの問題があまり生じない。例えば、繊維強化プラスチック(FRP)ドア、ガラス強化プラスチック(GRP)ドア、繊維ガラスドア、熱塑性材(例えばPVCドアやポリカーボネイト被覆ドア)、アクリル被覆されたアクリルニトリルブタジレンエチレン(ABS)被覆ドアは優れた特性を有する。このような材料により錆や凹みの影響が最小限となり、低価格で美しい外観となった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このようなドアはPAS23やPAS24の規格を満たさない問題がある。例えば、これらのドアの樹脂は便利ナイフや作業バールといった工具で切断されてしまう。これらのドアは、TAS/PA201が要求する、時速約35マイルで飛んでくる9ポンド2×4フィートの木片による衝撃に耐えられない。この結果は、特にイギリスにおいてアパートの仕様を司る公共住宅局や、米国フロリダ州など強風域の建築法規管理局などの顧客によっては許容外となる。
【0007】
市場に出回っているドアが有する問題に鑑み、PAS23、PAS24、TAS/PA201の基準を満たすドアが求められていた。また、錆や凹みに強く、材料費が抑えられ価格が安いドアが求められていた。さらに、耐圧・耐火・防音ドアが求められていた。また、これらの特徴を備えるドアや他の物品を製造する装置及びシステムが求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によるドアは、PAS23、PAS24及び/又はTAS/PA201の試験に合格するセキュリティドアとして用いることができる。
【0009】
本発明の一態様によると、凹みにくく、価格の低いドアが提供される。
【0010】
本発明の一態様によると、圧力に強いドアが提供される。
【0011】
本発明のさらなる態様によると、音の伝達を阻止するドアが提供される。
【0012】
本発明の他の態様によると、上述した特徴の幾つかを備えるドアまたは他の物品の製造装置及びシステムが提供される。
【0013】
本発明の実施例は、硬質発泡セメントコアを複数の物品シェル内に形成する装置を開示する。多くの実施例において、この装置は複数の物品シェルを保持するシェルバンクと、ガス混入セメント材料を各物品シェルの内部ドア空間に供給する注入ノズルを備える充填ステーションと、前記ガス混入セメント材料を前記注入ノズルを介して各ドアシェルの内部空胴に供給するポンプとを備え、前記ガス混入セメント材料が前記複数のドアシェル内でそれぞれ硬化して硬質発泡セメントコアを形成することを特徴とする。
【0014】
ある実施例において、ドアシェル及び補強シェルはそれぞれ、各ドアシェルを2枚の補強シェルが挟むようシェルバンクに配置される。このシェルバンクはスレッドと、シェルエッジとシェル面とを備える複数の補強シェルとを備える。各物品シェルはほぼ平坦に構成され、周囲の縁がほぼ均一の厚さであり、第1及び第2のドア外板が内部ドア空胴を規定している。スレッドは、1以上の物品シェルの外縁と1以上の補強シェルのエッジとを支持するよう形成されたスレッド面を備える。
【0015】
ある実施例において、複数の物品シェルは複数のドアシェルであり、第1及び第2の物品外板は第1及び第2のドア外板である。各ドアシェルの外縁は第1及び第2のレールと第1及び第2の框でなり、各レールは各框より短く構成されている。さらに、前記スレッドは第1のレールを支持する寸法形状であるとともに、第2のレールはガス混入セメント材料を各ドアシェルのドア内空間に供給する間ドアシェルから取り外しておくことができる。あるいは、前記第2のレールは、ガス混入セメント材料を供給する際に前記注入ノズルの一部を保持する寸法の注入口を備える。第1のレールはまた、複数の通気孔を備えてもよい。ポンプはモイノポンプまたはディスクポンプから選択することができる。
【0016】
ある実施例において、複数の補強シェルは、第1及び第2の補強シェルエンドと、少なくとも2枚の圧盤シェルを備える。第1及び第2の補強シェルエンドは前記スレッドの両端部に配置される。少なくとも2枚の圧盤シェルは前記第1及び第2の補強シェルエンドの間に互いに離して配置され、前記第1及び第2の補強シェルエンドが前記複数のドアシェルがそれぞれほぼ同じ厚みで少なくとも2つのギャップを形成する。ある実施例において、第1及び第2の補強シェルエンドは各圧盤シェルより厚く構成される。
【0017】
スレッドは、第1及び第2のスレッドパネルを備える。スレッドの少なくとも一方の縁には複数のキャスタが取り付けられており、組み立てフロアでスレッドを移動できるようにしている。
【0018】
別の実施例では、充填ステーションがさらに、ガス混入セメント材料を各ドアシェル内に供給するのに利用される足場板を備える。
【0019】
ある実施例において、各圧盤シェルが、内部圧盤空間(interior platen cavity)を規定する役割を果たす。この内部圧盤空間は、熱交換液を通すチューブを備え、また熱交換液を引き込むチューブ入口と熱交換液を出すチューブ出口とを備える。この熱交換液は水であってよい。チューブ出口から出た熱交換液はヒータに循環されてもよい。
【0020】
本発明のさらなる別の実施例は、硬質発泡セメントコアを備えるドアを形成する方法に関する。この方法は、上述の装置を構成し、複数のドアシェルをスレッドに装填し、ガス混入セメント材料を前記複数のドアシェルにそれぞれ供給し、ガス混入セメント材料の少なくとも一部を水和硬化させて内部ドア空間に硬質発泡セメントコアを形成し、各ドアシェルをスレッドから取り外す工程を備える。この方法により、少なくとも一部が硬化したガス混入セメント材料から、ドアに使用するガス混入セメントコアが提供される。一実施例では、充填ステップの前に、各ドアシェルの内部ドア空胴にウェブが配置される。
【0021】
本発明の一実施例は、硬質発泡セメントコアを備えるドアを形成するシステムに関する。このシステムは上述した装置と、ガス混入セメント材料を各物品シェル内に充填するのに利用される足場板と、ガス混入セメント材料を各物品シェルの内部空胴に充填した後の装置を複数配置して前記ガス混入セメント材料の少なくとも一部を硬化させガス混入セメントコアを形成する養生エリアとを備える。ある実施例において、システムは硬化プロセスを促進する真空装置を備えてもよい。前記物品はドアであり、前記複数の物品シェルは複数のドアシェルであり、前記第1及び第2の物品外板は第1及び第2のドア外板としてもよい。ある実施例では、ガス混入セメントコアを形成した後に各ドアシェルをトリミングするトリムラインが設けられている。このシステムはさらに、トリミングしたドアを運ぶパレットと、養生室でなる養生エリアとを備える。
【0022】
本発明に関する以上及び他の態様及び実施例が、以下の説明及び図面により明らかとなり、明確に理解され、称賛されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
規則に従い、本発明の詳細な実施例をここに開示する。しかしながら、開示した実施例は単に本発明の説明のためのものに過ぎず、他の様々な形として実施してもよい。図面は縮尺にこだわるものではなく、構成のいくつかは特定の要素を詳細にすべく拡大または縮小して示されている。したがって、ここに開示した特定の構成及び機能の詳細は限定要素として解釈されるものではなく、クレームの論拠及び/又は本発明の様々な形態を当業者に示す論拠にすぎない。
【0024】
本発明の態様を、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1Aに示す実施例では、ドア10は蝶番式の通路ドアである。ドア10は例えば、限定するものではないが、パティオの蝶番式ドア、パティオのスライド式ドア、屋内の蝶番式ドア、建築法規が定める強風に適した耐衝撃ドア、あるいは汎用のドアである。ドア10には透明パネル、すなわちドアライト(doorlite)部材やサイドライト部材を設けてもよい。例えば、ドア10に開口部を設け、ドアライト部材を嵌合させる。また、ドア10は透明パネル12を嵌合するフレーム部品を固定した構成であってもよい。
【0025】
ドア10は様々なサイズ、形状、使用目的であってよい。ある実施例では、ドア10は0.5〜3インチの厚さを有する。他の実施例では、ドア10は1.25〜1.85インチの厚さである。ある実施例において、ドア10は48〜96インチの高さである。他の実施例では、ドア10は74〜96インチの高さである。ある実施例において、ドア10は8〜48インチの幅を有する。他の実施例では、ドア10は10〜44インチの幅である。さらなる実施例では、ドア10は30〜42インチの幅を有する。
【0026】
図1Aに示すように、ドアシェル14は第1のドア外板16と、第2のドア外板18と、ドアフレーム20とを備える。ドアが出入口に設けられる場合、ドア外板の一方は外側ドア板となり、他方は内側ドア板となることを理解されたい。図に示す実施例において、外側のドア板は通常外部空間に面し、内側のドア板は内側空間に面している(すなわち、家の内部はドアを取り付ける出入口を備える)。ドアシェル14は内部ドア空間22を規定している。ドアシェル14は、例えば着色プラスチックといったブロー成形材料、熱成形材料または熱成形材料を2枚組み合わせて構成することができる。ドア外板は外側面と内側面を備える。内側面は内側ドア空間22に面しており、外側面は内側ドア空間22と反対側に面している。ドア外板の材料としては、強化樹脂または非強化熱硬化成形樹脂(熱硬化性樹脂)、鉄、アルミ、熱可塑性樹脂、セラミック、木材、あるいはこれらの組み合わせを用いることができ、好適には熱硬化性樹脂、最も好適には繊維強化熱硬化性樹脂を用いる。一実施例では、ドアフレームは既存の建築工具で加工可能な材料で構成される。
【0027】
ドアフレーム20は第1の框24と第2の框26とを備える。框24、26は互いに平行である。框24、26は、第1のレール28と第2のレール30に直角に取り付けられる。第2のレール30は、第1のレール28から離れて平行に設けられている。第1のレール28及び第2のレール30は框24,26の間に延在しこれらを連結している。框24、26と、レール28、30は、積層材または非積層材を用いることができる。框24、26は、引き出しまたは押し出し成形した強化プラスチック、金属の中空管、一部または全部が金属で強化された金属以外の管、または圧縮した無機質の框を用いることができる。図1Aでは、ドアフレーム20は四角形状に構成されている。しかしながら、ドアフレーム20は実施環境に応じて様々な形状であってよい。例えば、ドアフレームの上端部を「ミッションスタイル」で円形またはアーチ形にしてもよい。
【0028】
ドアシェル14には第1の蝶番挿入部32と、第2の蝶番挿入部34と、錠前挿入部36とが設けられている。蝶番挿入部32、34は第2の框26に固定されており、第1のドア外板16と第2のドア外板20のいずれか又は両方に接着され、あるいは第1のドア外板16又は第2のドア外板18に予め設けられた空隙に嵌装されてもよい。錠前挿入部36は第1の框24に固定され、第1のドア外板16又は第2のドア外板18のいずれか又は両方に接着され、あるいはドア外板16及び/又は18のいずれかに設けられた空隙に嵌装されてもよい。第1の蝶番プレート38と第2の蝶番プレート40が第1の蝶番挿入部32と第2の蝶番挿入部34にねじ、釘、又は他の固定手段により固定されている。錠前装置42が錠前挿入部38にねじ、釘または他の固定手段により固定される。
【0029】
図1Aを参照すると、ウェブ44が内部ドア空胴22に配置されている。一実施例では、ウェブ44には耐衝撃性素材が用いられ、例えば鋭利な切断ツールを用いても外側のドア板側から内側のドア板までアクセスするのが防止される。ウェブ44は、蝶番挿入部32、34や錠前挿入部36に干渉しないよう部分的に切り欠かれている。また、複数枚のウェブを用いて耐衝撃性や耐貫入性を倍増させるようにしてもよい。
【0030】
耐衝撃性を有するウェブの素材例としては、限定するものではないが、ラバーベース樹脂、デュロメーター硬度の低い樹脂、ポリオレフィン網素材といった樹脂製のウェブ素材がある。デュロメーター硬度の低い樹脂の例としてビニルラバーマットがある。一実施例では、厚さ約0.25インチのビニルラバーマットのシートが用いられる。スノーフェンス及び/又は建設用遮蔽幕に通常用いられているポリオレフィン網素材を好適に用いることができる。一例では、このような種類の厚さ0.1インチのウェブが用いられる。耐衝撃性に適したウェブ素材は平坦なシートでなくてもよいが、例えばオーストラリアのBHP Steel社から入手可能なCOLORBONDのようなモノフィラメント素材のように、非常に薄い素材を用いることができる(約0.01〜0.75インチ)。
【0031】
使用しやすく耐衝撃性を有し、例えば鋭利な切断工具を用いても外側のドア板側から内側のドア板まで貫通するのを防止するウェブ素材の例は、これに限定するものではないが、金属スクリーン、ポリマー編成スクリーン、平面金属メッシュ、ワイヤーフォームを用いることができる。
【0032】
別の実施例では、内側ドア空胴22に1枚のほぼ四角形のマットを配置してもよい。このマットは穴が開いていても開いていなくてもよい。マットの素材は、これに限定するものではないが、膨張ガスの入った樹脂製の袋、衝撃に強い素材、石膏コア、ソリッドな金属マット、またはソリッドな重合体シートである。一実施例では、このマットの両側に発泡セメントスラリーを充填可能である。
【0033】
図1Bは、本発明の実施例にかかる金属メッシュの部分図である。この金属メッシュは好ましくは、穴、すなわち第1の寸法48と第2の寸法50を有する開口46を網組織としたものである。ある実施例では、この第1及び第2の寸法比、すなわち縦横比は1.1より大きい。別の実施例では、第1の寸法は0.2〜1.5インチであり、第2の寸法は0.18〜1.35インチである。しかしながら、第1及び第2の寸法はそれぞれ1.5インチや1.35インチ以上であってもよく、金属メッシュの穴が、侵入者の手及び/又は衝突する物体が通り抜けない大きさであればよい。また、第1及び第2の寸法はそれぞれ0.2インチや0.18インチ以下であってもよく、金属メッシュの穴は充填ステップにおいて硬化フォームが通過する程度の大きさであればよい(このステップは後に詳述する)。
【0034】
一実施例において、金属メッシュの厚みは0.3〜2.0インチである。別の実施例では、厚さは0.04インチである。適切な厚みにして、耐衝撃性及び侵入防止機能を維持しつつ、比較的低価格なウェブ材料とすることができる。一実施例において、ウェブ44は内部ドア空胴22に張り渡された金属メッシュで構成され、最大の張力を得るよう前記第1の寸法方向がレール28及び30と平行になるよう配置されている。
【0035】
図2は、内部ドア空胴22内に配置されたウェブ44の実施例を示す図である。ウェブ44の縦長の端縁は曲げられ、第1のベント部52及び第2のベント部54を規定している。ベント部52、54の幅は等しく、0.5〜1.0インチである。一実施例において、ベント部52、54は、ウェブ44の平らな部分56に実質的に垂直であり、同じ方向に折り返され互いに向き合うようになっている。ベント部52、54は第1及び第2の框の面58の少なくとも一部に固着される。一実施例において、ベント部62、54は、第1の框表面58と第2の框との少なくとも一部に固定される。ある実施例では、平坦な部分56は内側ドア板より外側ドア板の近くに寄っており、攻撃され易い外側ドア板寄りに保護レイヤ(すなわちウェブ44)が設けらていれる。
【0036】
図3及び図4は、内部ドア空胴22内に配置されるウェブ44の別の実施例を示す図である。図の実施例では、4つの縁フレームすべてに棚62が機械加工その他の手段により設けられている。しかしながら、棚62は、框24、26又はレール28、30からなる縁フレームの一部のみに設けられていてもよい。図3及び図4では、ドア10のアセンブリにおいて第1のドア外板16に近接する第1の枠フレーム64に棚62が設けられている。ただし、棚62はまた、ドア10のアセンブリにおいて第2のドア外板18に近接する第2の枠フレーム66に設けられていてもよい。
【0037】
棚62は、第1の棚面68と第2の棚面70とを備えている。一実施例では、第1の棚面68はドア外板16及び18とほぼ平行であり、第2の棚面70はドア外板16及び18とほぼ直角である。一実施例では、第1の棚面68の幅は框24及び26の約半分である。一実施例では、第2の棚面70の幅はウェブ44の範囲内でありドア10の厚みの約半分である。
【0038】
一実施例では、第2の棚面70の幅はウェブ44の厚みとほぼ同じであり、棚62は組み立て時に外側ドア板に隣接するよう縁フレームに加工される。一実施例では、ドア構造は保護レイヤ、すなわちウェブ44を攻撃されやすい外側ドア板に隣接した位置に備える。
【0039】
一実施例では、ウェブ44の長さと幅は内部ドア空胴の長さと幅より大きく構成され、ウェブ44の縁が第1の棚面64に平坦に延在し、第1の棚面68にステープル、無頭釘、鋲、ネジ又は他の留め具で固定されてもよい。
【0040】
内部ドア空胴22内にウェブ44を配置する他の方法では、ウェブ44は内部ドア空胴22にドアフレーム20に固定されずに配置される。この実施例では、ウェブ44は内部ドア空胴22内に後述するフォーミングプロセスで固定される。
【0041】
一実施例では、ドア外板16及び18はウェブ44が固定された後でドアフレーム20に固定される。この実施例では他の場合と同様に、ドア板16及び18はドアフレームに接着剤で固定される。好適な接着剤は、これに限定するものではないが、アクリル性ラテックス、溶融ウレタン、エポキシ樹脂、感圧接着剤、放熱硬化接着剤などがある。ドア外板16及び18をドアフレーム20に固定するための連結端部を設けてもよい。あるいは、第1のドア外板16及び第2のドア外板18に連結式の外板を用いてもよい。ドアフレーム18の全体にわたる係合式ドア板や、係合式ドア板の端部は例えばスナップ式係止具で互いに連結される。
【0042】
本発明の一実施例では、後に詳述するように、硬質発泡コアが内部ドア空胴に形成される。一実施例では、硬質発泡コアはASTM(アメリカ材料試験協会)の試験方法で少なくとも20分の防炎機能を有し、BSI(英国規格協会)476/22では約30分の防炎性能を有する。別の実施例では、硬質発泡セメントコアはASTMのE2074−00試験方法で45分の防炎性能を示し、BSI476/22試験方法で60分以上の防炎性能を示す。一実施例において、硬質発泡コアは、ASTMのE413試験方法で27以上の音伝達係数を示す。一実施例では、硬質発泡コアは210kPa(約30lbf/in2)の圧力に耐える。上述の防炎及び音伝達係数を実現する硬質発泡コアを構成する発泡剤の例として、密度が最低で約2.0lbf/in3以上のポリウレタンフォームや、ガス混入セメント質素材からなる材料がある。一実施例では、ガス混入セメント質材料は、低強度のセメント質材料、より具体的には気体改質制御した低強度セメント質材料(air-modified controlled low strength cementitious material)、さらに具体的には発泡セメントスラリーである。
【0043】
ガス混入セメント質材料は、水と化学反応させ水和物を形成して強度を付与した無機材料または無機材料の混合材でなり、5容量%以上、好ましくは10〜80容量%、より好ましくは30〜60容量%、最も好ましくは40〜55容量%の気体を含む。この気体は様々なものであってよく、限定されるものではないが、直接注入ガス、ミクロスフェア含有ガス、多孔粒子含有ガス、状態が化学反応又は化学変化したもの等がある。さらに、特に物体のおかれた環境温度が著しく変化する場合には、用いられる材料は常に気体相である必要はない。さらに、これらのガスは経時により他の気体や液体に置換されてもよい。
【0044】
制限低強度セメント質材料(controllod low strength cementitious material:CLSM)やガス混入セメント質材料は、自己硬化式で耐圧強度が1,200lbf/in2(8.27MPa)以下、無条件下での終局的な耐圧強度が30〜500lbf/in2の流動セメント質材料を示す一般用語である。別の実施例では、無条件下での耐圧強度は50〜250lbf/in2である。CLSMは流体充填材(flowable fill、flow fill)、制限密度充填材(controlled density fill)とも呼ばれる。
【0045】
気体配合制限低強度セメント質材料はCLSMと呼ばれており、5容量%以上の気体を含む。一実施例では、気体含有量は10〜80容量%である。別の実施例では、気体含有量は30〜60容量%である。さらなる別の実施例では、気体含有量は40〜55容量%である。
【0046】
様々な水硬性の気体配合制限低強度セメント質材料の一例として発泡セメントスラリーを用いることができ、一実施例では空気又は他の気体の含有量が5容量%以上のポルトランドセメントが用いられる。一実施例では、空気その他のガスの含有量が10〜80容量%である。別の実施例では、空気その他のガスの含有量が30〜60容量%である。さらなる別の実施例では、空気その他のガスの含有量が40〜55容量%である。ポルトランドセメントはASTM C−150として規定され、ASTM C−595で規定される水硬性の混合セメントの一種である。
【0047】
一実施例では、発泡セメントスラリーを内部ドア空胴22に充填して硬化させることによりガス混入セメントコアを構成することができる。この硬化は水和作用によるものであり、そうでなければ水性反応と呼ばれる。発泡セメントスラリーは複数の成分を混合して用意される。図5は、本発明にかかる発泡セメントスラリーを得る成分混合方法を示すフローチャートである。図5によると、セメント72及び水74が高速ミキサ76で混合されセメントスラリー78が得られる。ブロック80に示すように、調合ステップを経て発泡剤82が得られる。一般に調合ステップでは発泡素材に空気と水を混ぜ、空気混入発泡剤を得る。一実施例では、セメントスラリー78、発泡剤82、発泡ポリスチレン(EPS)のビーズ84をジェントルミキサー86に供給し、発泡セメントスラリー88を得る。オプションとして、繊維スプール90からチョッパー92に供給して繊維強化材96を得、ジェントルミキサー86に供給して他の成分と混合してもよい。混合したら、発泡セメントスラリーは内部ドア空胴22に充填される。
【0048】
一実施例では、発泡セメントスラリーの水とセメントの比は重量で38:100より大きくして、結果得られるドアの強度を得るようにしている。選択付加的に、還元剤や硬化促進剤、可塑化剤(superplasticizer)、繊維強化材、発泡ポリスチレンビーズなどを発泡セメントスラリーに添加して、流量、硬化速度、重量、硬度などの性状を向上させてもよい。繊維強化材とは、アスペクト比が4以上の繊維または繊維束であり、これがあると1以上の機械的な性質が向上する。
【0049】
還元剤は、一般に、セメントスラリーのワーカビリティーを向上させ、所定のワーカビリティーにおける混合水の量を減少させる。典型的に5〜15%の水の使用量が減少する。還元剤は、凝縮ナフタレンスルホン酸、リグノスルホン酸塩、ハイドロキシカルボキシル酸塩、炭水化物、またはこれらの混合から選ぶことができる。可塑化剤は、流動化剤(superfluidizer)や還元剤、広範囲の還元剤としても知られ、30%以上の水の使用を減少できる還元剤の部類である。いずれかの理論にとらわれなければ、可塑化剤は解膠の吸着作用と静電気防止作用により、立体効果と同様に、セメント粒子の凝塊形成を防ぐと言われている。可塑化剤は、凝縮メラミン−ホルムアルデヒドスルホン酸、凝縮ナフタレン−ホルムアルデヒドスルホン酸、改質リグノスルホン酸、スルホン酸エステル、ポリアクリラート、ポリスチレンスルホン酸、またはこれらの混合物から選ぶことができる。
【0050】
本発明に好適に用いられるセメントの多くが添加剤を含んでいる。これらの添加剤にはセメント質添加剤及びポゾラン添加物が含まれる。セメント質添加剤は無機材料または無機材料の混合物でなり、水と化学反応させて水化物を形成し強度を向上させたセメント質材料の形成を促進する。セメント質添加剤は一般にシリカとアルミナを多量に含む。ASTM C−539−94によれば、ポゾラン添加物はケイ質又はアルミノケイ質の材料であり、それ自身セメント質の値が無いあるいは殆ど無いが、微細に分割され湿気がある場合に常温でアルカリ又は水酸化アルカリ土類と化学反応し、セメント質の性状を有する合成物の形成を促進する。ポゾラン添加物の例は、焼成褐炭からのCクラスフライアッシュ、焼成瀝青炭からのクラスFフライアッシュ、微粉燃料フライアッシュ、凝縮シリカフューム、メタカオリン、ラバーアッシュ、ガラスコレットがある。セメントの添加剤は特にドア部材が大きい場合に有用である。
【0051】
空気の代わりに遮断ガスを用いて遮断性を高めてもよい。このようなガスは空気より原子が大きい分子を有する。実現可能な例としては、HCFC-22、HFC-134a、HFC-245fa、HFC-365mfcといったハロゲン炭素化合物やハロゲン炭化水素;アルゴンやキセノンといった希ガス;六フッ化硫黄;ペンタンといった炭化水素;及びこれらの混合体がある。
【0052】
図6は、本発明の実施例にかかる装置であり、内部ドア空胴に発泡セメントスラリーで満たして硬化させ、ガス混入セメントコアを形成する装置を示す。図に示す実施例では、この充填装置はドアシェルバンク98と、充填ステーション100と、熱交換システム102とを備える。
【0053】
ドアシェルバンク98はスレッド104を備え、これは第1及び第2のスレッドパネル106及び108を備えている。一実施例では、スレッドパネル106及び108はほぼ方形であり、合板で作成される。ほぼ方形のスレッドパネル106及び108の長辺は、複数の第1及び第2のキャスタ110及び112を固定可能に構成され、スレッド104を組み立てフロアで移動できるようにしている。
【0054】
図に示す実施例では、ドアシェルバンク98はさらに第1及び第2の補強シェルエンド114及び116と、第1及び第2の圧盤シェル118及び120と、複数のドアシェル122と、1以上の中央圧盤シェル124とを備え、これらは複数のドアシェル122に発泡セメントスラリーを充填するためにスレッド104に装填されている。別の実施例では、適宜の厚さ(0.5〜2.0インチ)の複数の金属補強シートをドアシェル間または、金属耐火ドアといった金属製の場合はそれ自体が金属でできたドアフレームに沿って設けて補強する。さらなる別の実施例では、間隔が空けられ補強された複数の開口空胴により補強され、各補強空胴に1以上の物品シェルが保持されるようになっている。一実施例では、ローディングプロセスは、第2のスレッドパネル108が組み立てフロアと平行するようスレッド104を配置し、部材114〜124を第2のスレッドパネル108に所定の順番でスライドさせ、その後スレッド104を90°傾けて第1のスレッドパネル106が組み立てフロアとほぼ平行になるようにする。一実施例では、スレッド104の一端から他端への順番は:第1の補強シェルエンド114、第1の圧盤シェル118、ドアシェル120、中央圧盤シェル124、ドアシェル120、第2の圧盤シェル122、第2の補強シェルエンド116である。2つ以上のドアシェルを、ドアシェル間に配置される更なる中央圧盤シェル124とともにスレッド104に装填することができる。一実施例では、10〜15枚のドアシェルを、11〜16の中央圧盤シェル124とともにスレッド104に装填できる。しかしながら、これは中央圧盤シェルの前後に対で配置されるドアの数を示す単なる例である。発泡セメントスラリーのセットに必要な時間に応じて他の数としてもよい。各ドアシェル120の第1のレールは組み立てフロアから上側に面しており、各ドアシェル120の第2のレールは好ましくはスレッド104が90°倒された後に第1のスレッドパネル106に面している。
【0055】
一実施例では、補強シェルエンド114及び116は、高さと長さがドアシェル122とほぼ同様な方形であり、ほぼ均一な厚みの板状金属合金を用いて、真空状態でも歪みに耐えるのに十分な強度を有する中空の一体的な四角い箱に構成される。この目的に適した金属または合金には、限定するものではないが、アルミニウム、ステンレススチール、炭素鋼、鋳鉄、及びこれらの合金がある。一実施例では、補強シェルエンド114及び116の幅は0.05〜4.0インチである。別の実施例では、この幅は0.625〜1.0インチである。一実施例では、この幅は0.625〜0.75インチである。
【0056】
一実施例では、圧盤シェル118、120、124はほぼ四角形で、ドアシェル122と同様の高さと長さを有する。この圧盤シェルは、ほぼ均一な厚みの金属合金で一体的に、真空状態で歪みに耐えるのに十分な強度を有する中空の四角い箱に構成される。この目的に適した金属または合金には、限定するものではないが、アルミニウム、ステンレススチール、炭素鋼、鋳鉄、及びこれらの合金がある。一実施例では、補強シェルエンド114及び116の幅は0.05〜4.0インチである。別の実施例では、この幅は0.625〜1.0インチである。一実施例では、この幅は0.625〜0.75インチである。
【0057】
一実施例では、圧盤シェル118、120、124は、後に詳述するように、ドアシェルに囲まれた発泡セメントスラリーに熱を発して、湿態強度の養生時間(green-strength curing time)を短縮するようにしてもよい。この熱により、発泡セメントスラリーのセメントに混入しているガスまたは空気の泡の周囲に構造的に安定したセル壁が形成されるのに必要な時間が短縮される。一実施例では、圧盤シェル118、120、124の内部空胴には熱交換液を循環する曲がりくねった流路が設けられている。ただし圧盤シェルの表面の有意の部分に熱を伝達できる限り流路は別の構成であってもよい。
【0058】
例として、図7は7−7線における圧盤シェル118の断面であり、熱交換液を循環するチューブ126が示されている。図に示す実施例では、チューブ126は開口128から圧盤シェル118の内部シェル空胴に入り、曲がりくねった流路を通り開口130から出る。一実施例では、熱交換液はヒーターに送られて周囲より1〜70°C、より具体的には10〜40°C、もっと具体的には20〜35°C高くなるよう暖められる。一実施例では、熱交換液は圧盤の内部空洞のチューブ126に開口128から入る。熱交換液がチューブ126を開口130側に進むと、隣接する比較的冷たいセメントスラリーに熱を奪われる。この熱交換により湿態強度を得る養生時間を短縮することができる。冷やされた熱交換液が内部ドア空胴のチューブ126の開口130から出て、リターンラインに供給される。好ましくは、熱交換液はさらなる使用のために循環される。熱交換液の好ましい例は、これに限るものではないが、水、オイル、又はTHERMOLがある。一実施例では、リターンラインは再循環ラインを介してヒーターに接続され、熱交換液を再循環させて省エネルギーを達成している。
【0059】
図6に示す実施例において、充填ステーション132は注入ノズル134、バキュームライン136、足場板138を備える。ノズル134は発泡セメントスラリーを内部ドア空胴22に供給する。発泡セメントスラリーは内部ドア空胴に、1〜5の増加量(increments)で徐々に供給される。一実施例では、1〜3の増加量とすることができる。別の実施例では、1の増加量である。一実施例では、ノズル134は重力送りシステムの一部をなし、発泡セメントスラリーをジェントルミキサ86から内部ドア空胴22へと送り出す。これらの実施例では、ジェントルミキサー86の中身は重力によりホッパへと注がれる。ホッパは内部ドア空胴22の上に機械的に位置決めされ、発泡セメントスラリーがポンプを介してホッパーからノズル134を通り内部ドア空胴22へ流れる。このシステムはポンプの圧縮行程を通過する気泡の破裂を低減させることによりコストを下げることができる。一実施例では、装填されたドアシェルバンク98の上であって注入ノズル134の近傍に足場板138が配置され、作業員が注入ノズルをドアシェル間で移動できるようにしている。一実施例では、1以上のバキュームライン136が1以上の圧盤シェルの縁に接続され、ドア外板と補強シェル面との間に吸引力を発生させし、これにより養生時のドアシェルの形が保持される。
【0060】
図8は、本発明の実施例におけるドア製造システムで用いるプラントのレイアウトを示す平面図である。図に示す実施例において、本システムは、ドアシェルバンク140の補強シェルに真空を発生させるとともに発泡セメント材料をドアシェルの内側空胴にそれぞれ供給する真空/スラリーソースを備える1以上の足場板の下に配置された複数のドアシェルバンク140を備える。一実施例では、充填済みのドアはドアシェルバンク140から例えば養生室といった養生エリアに運ばれ、充填済みのドアシェルが湿態強度を得るべく養生される。養生後、ドアはトリムライン146及びパレット148へと進む。
【0061】
一実施例では、スレッド104にロードされる前に、各ドアのドア外板の内側面に接着剤が設けられる。この接着剤は養生時に発泡セメントスラリーを内側面に接着させる。好適な接着剤の例は、限定するものでないが、ラテックス接着剤、エポキシ、熱溶融ウレタン、放熱硬化粘着剤、及びこれらの混合がある。この接着剤により湿態強度を得るのに必要な時間が減少し、したがってドアをひび割れ等のダメージ無く取り付け具から外すことができ、また最終セッティングの際のドアの強度が向上する。一実施例では、発泡セメントスラリーは接着剤を用いない場合でもその一部が硬化すればこの湿態強度を得ることができる。
【0062】
本発明の別の実施例では、硬化式の混合剤が1以上のドア板の内側面及びドアシェルの内側面に供給される。硬化式の混合剤は重合体のシェルを形成すべく硬化し、セキュリティ性及び/又はドア強度を向上させる。一実施例では、硬化式の混合剤は使用時には粘着液状であり、養生により乾燥して硬化式のシェルとなる。硬化式の混合剤は、乾燥時に内側ドアフレーム幅全体に約0.5インチ以上の範囲内であって、内側ドアフレームの角の約2.0インチ以下の範囲内に設けることができる。
【0063】
硬化式の混合剤の一実施例は、硬化式の樹脂、共に硬化式の(co-curable)モノマー、増量剤、繊維強化材料がある。十分な増量剤を加えると硬化シェルの収縮が防止される。増量剤の量は硬化式の混合剤に含まれる硬化式の樹脂の量に依存する。一実施例では、増量剤は硬化式の混合剤の約30〜80重量%である。特に記述しないが、ここで開示するパーセントはすべて硬化式の混合剤の全重量に対する重量ベースである。別の実施例では、約50〜75%の増量剤が用いられる。さらに別の実施例では、約60〜74%の増量剤が用いられる。繊維強化材料はガラス繊維の短繊維、編成したガラス繊維のマット、編成しないガラス繊維のマット、針状のガラス繊維のマット、アラミドガラス繊維マット、カーボン繊維マット、ナイロンスクリーン、ラバーコート織物、樹脂ラミネート繊維、これらの混合物から選択することができる。一実施例では、繊維強化材料は硬化式の混合剤の約10〜40%を構成する。別の実施例では、繊維強化材料は硬化式の混合剤の15〜35%を構成する。さらなる別の実施例では、繊維強化材料は硬化式の混合剤の17〜30%を構成する。
【0064】
以上に本発明の実施例を図示し説明したが、これらの実施例は本発明の考え得る形態をすべて示すものではない。むしろ、明細書で使用する単語は説明目的であって限定目的ではなく、本発明の目的及び範囲を超えない範囲で様々な変更を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1A】図1Aは、本発明の実施例にかかるセキュリティドアの正面図である。
【図1B】図1Bは、本発明の実施例における金属メッシュの一部を示す部分図である。
【図2】図2は、本発明の実施例にかかるセキュリティドアの框の内側面に連結されたウェブを示す部分斜視図である。
【図3】図3は、本発明の別の実施例にかかるセキュリティドアの縁フレームに形成された棚を示す部分斜視図である。
【図4】図4は、棚を加工するのに適した縁フレームの部分斜視図である。
【図5】図5は、本発明の実施例にかかるセメントスラリーを得る好適な材料混合方法を示すフローチャートである。
【図6】図6は、本発明の実施例にかかる、混合されたセメントスラリーを内部ドア空胴に充填し、セメントスラリーを養生してガス混入セメントコアを得る装置を示す図である。
【図7】図7は、本発明の実施例にかかる、熱交換液を運搬するチューブを備えるプレートの断面図である。
【図8】図8は、本発明の実施例にかかるドア製造システムのプラントレイアウトを示す平面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品シェル内に硬質発泡セメントコアを形成する装置であって:
スレッドを有し複数の物品シェルを保持するシェルバンクを備え、各物品シェルがほぼ平坦で、各端縁がほぼ同じ厚さに構成され、内部空胴を規定する第1及び第2の物品外板を備えており、前記スレッドが1以上の物品シェルの端縁を載置可能な寸法形状のスレッド面を備え、各物品シェルが前記シェルバンクに間隔を隔てて補強物とともに配置されており;
各ドアシェルの内部空胴にガス混入セメント材料を供給する注入ノズルを備える充填ステーションと;
前記ガス混入セメント材料を前記注入ノズルを介して各ドアシェルの内部空胴へ圧送するポンプとを備え、
前記ガス混入セメント材料が硬化して、前記複数の物品シェル内でそれぞれ硬質発泡セメントコアが形成されることを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、前記補強材は、各々シェルエッジとシェル面とを備える複数の補強シェルで構成されており、前記スレッド面は各補強シェルの1以上のシェルエッジを支持する寸法形状に構成され、各物品シェル及び補強シェルは前記シェルバンクに、各物品シェルを2つの補強シェルで挟むよう配置されることを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置において、前記補強シェルが金属を組み立てて構成されていることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置において、前記物品シェルが金属を組み立てて構成されていることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置において、前記補強材が、各物品シェルの第1及び第2のドア外板で構成されていることを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置において、前記補強材が、複数の分厚い金属強化シートであることを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置において、前記複数の物品シェルが複数のドアシェルであることを特徴とする装置。
【請求項8】
複数の物品シェル内に硬質発泡セメントコアを形成する装置であって:
複数の物品シェルを保持するシェルバンクであって、スレッドと、シェルエッジとシェル面とを備える複数の補強シェルとを備えるシェルバンクを備え、各物品シェルがほぼ平坦で、各端縁がほぼ同じ厚みに構成され、内部空胴を規定する第1及び第2の物品外板を備えており、前記スレッドが1以上の物品シェルの端縁及び各補強シェルの1以上のシェルエッジを載置可能な寸法形状のスレッド面を備え、各物品シェル及び補強シェルが、各物品シェルを2つの補強シェルで挟むように前記シェルバンクに配置されており;
各物品シェルの内部空胴にガス混入セメント材料を供給する注入ノズルを備える充填ステーションと;
前記ガス混入セメント材料を前記注入ノズルを介して各ドアシェルの内部空胴へ圧送するポンプと;
1以上の物品の外板と1以上の補強シェルの表面との間に吸引力を発生させて前記1以上の物品シェルの養生におけるプレ養生を維持する1以上のバキュームラインとを備え、
前記ガス混入セメント材料が硬化して、前記複数の物品シェル内でそれぞれ硬質発泡セメントコアが形成されることを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置において、前記複数の物品シェルが複数のドアシェルであり、前記第1及び第2の物品の外板が第1及び第2のドア外板であることを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項9に記載の装置において、各ドアシェルの縁エッジが第1及び第2のレールと、第1及び第2の框とを備え、各レールの長さが各框より短いことを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項10に記載の装置において、前記スレッドが、前記第1のレールを支持する寸法に構成されており、前記第2のレールが、ガス混入セメント材料を各ドアシェルの内部空胴に供給する際に取り外されることを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項10に記載の装置において、前記スレッドが、第1のレールを支持する寸法に構成されており、前記第2のレールが、ガス混入セメント材料を各ドアシェルの内部空胴に供給する際に前記注入ノズルの一部を保持する注入口を備えることを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項10に記載の装置において、前記第1のレールは複数の孔を備えることを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項8に記載の装置において、前記ポンプはモイノポンプ又はディスクポンプから選択されることを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項9に記載の装置において、前記複数の補強シェルが第1及び第2の補強シェルエンド及び2以上の圧盤シェルでなり、前記第1及び第2の補強シェルエンドは前記スレッドの反対側に配置され、前記2以上の圧盤シェルは前記第1及び第2の補強シェルの間であって互いに離れた間隔で配置され、前記第1及び第2の補強シェルエンドは前記複数のドアシェルがそれぞれほぼ均一の厚さとなるよう2以上の隙間を形成することを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置において、前記第1及び第2の補強シェルエンドの厚さは、前記圧盤シェルより大きいことを特徴とする装置。
【請求項17】
請求項15に記載の装置において、前記1以上のバキュームラインが前記1以上の圧盤シェルのシェルエッジに取り付けられていることを特徴とする装置。
【請求項18】
請求項9に記載の装置において、前記スレッドが第1及び第2のスレッドパネルを備えることを特徴とする装置。
【請求項19】
請求項18に記載の装置において、前記スレッドの1以上の縁に複数のキャスターが取り付けられており、前記スレッドが組み立てフロアで移動可能であることを特徴とする装置。
【請求項20】
請求項17に記載の装置において、前記充填ステーションがさらに前記ガス混入セメント材料を各ドアシェルの内部空間に供給するのに用いる足場板を備えることを特徴とする装置。
【請求項21】
請求項14に記載の装置において、各圧盤シェルが内部圧盤空胴を規定していることを特徴とすることを特徴とする装置。
【請求項22】
請求項21に記載の装置において、前記内部圧盤空胴は、熱交換液を通すチューブと、熱交換液が入るチューブ入口と、熱交換液が出るチューブ出口とを備えることを特徴とする装置。
【請求項23】
請求項22に記載の装置において、前記熱交換液は前記チューブ入口に入る前にヒーターで熱されることを特徴とする装置。
【請求項24】
請求項22に記載の装置において、前記熱交換液は水であることを特徴とする装置。
【請求項25】
請求項22に記載の装置において、前記チューブ出口から出る前記熱交換液はヒータを介して循環されることを特徴とする装置。
【請求項26】
複数の物品シェル内に硬質発泡セメントコアを形成する装置であって:
複数の物品シェルを保持するシェルバンクであって、スレッドと、間隔が隔てられ補強され開口したシェルエッジを備える複数のキャビティとを備え、各補強キャビティは1以上の物品シェルを収容し補強するのに適しており、各物品シェルがほぼ平坦で、各端縁がほぼ同じ厚みに構成され、内部空胴を規定する第1及び第2の物品外板を備えており、前記スレッドが各補強シェルの1以上のシェルエッジを載置可能な寸法形状のスレッド面を備え、各補強シェルが間隔を隔ててシェルバンクに配置されており;
各物品シェルの内部空胴にガス混入セメント材料を供給する注入ノズルを備える充填ステーションと;
前記ガス混入セメント材料を前記注入ノズルを介して各ドアシェルの内部空胴へ圧送するポンプとを備え、
前記ガス混入セメント材料が硬化して、前記複数の物品シェル内でそれぞれ硬質発泡セメントコアが形成されることを特徴とする装置。
【請求項27】
請求項26に記載の装置において、前記複数の物品シェルは複数のドアシェルであることを特徴とする装置。
【請求項28】
硬質発泡セメントコアを備える物品の製造システムであって:
複数の請求項8に記載の装置と;
各物品シェルの内部空胴にガス混入セメント材料を供給するのに用いる足場板と;
各物品シェルの内部空胴にガス混入セメント材料を供給した後に前記複数の装置を配置して前記ガス混入セメント材料の少なくとも一部を硬化させてガス混入セメントコアを形成する養生エリアとを備えることを特徴とするシステム。
【請求項29】
請求項28に記載のシステムにおいて、ガス混入セメント材料の供給及び硬化を補助するバキュームソースを備えることを特徴とするシステム。
【請求項30】
請求項28に記載のシステムにおいて、前記複数の物品シェルは複数のドアシェルであり、前記第1及び第2の物品外板は第1及び第2のドア外板であることを特徴とするシステム。
【請求項31】
請求項30に記載のシステムにおいて、ガス混入セメントコアの形成後に各ドアシェルのトリミングを行うトリムラインを備えることを特徴とするシステム。
【請求項32】
請求項31に記載のシステムがさらに、トリミングした複数のドアを搭載する複数のパレットを備えることを特徴とするシステム。
【請求項33】
請求項32に記載のシステムにおいて、前記養生エリアは養生室を備えることを特徴とするシステム。
【請求項34】
硬質発泡セメントコアを備えるドアの製造方法であって:
請求項9に記載の装置を用意する工程と;
前記スレッドに複数のドアシェルを装填する工程と;
前記複数のドアシェルにそれぞれガス混入セメント材料を供給する工程と;
前記ガス混入セメント材料の少なくとも一部を水和硬化させて内部ドア空胴内に硬質発泡セメントコアを形成する工程と;
前記スレッドから各ドアシェルを降ろす工程とを備え、
前記少なくとも一部が硬化したガス混入セメント材料が、ドアに用いるガス混入セメントコアとなることを特徴とする方法。
【請求項35】
請求項34に記載の方法がさらに、前記供給工程の前に各ドアシェルの内部ドア空胴内にウェブを配置する工程を備えることを特徴とする方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2006−525452(P2006−525452A)
【公表日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−513449(P2006−513449)
【出願日】平成16年4月29日(2004.4.29)
【国際出願番号】PCT/US2004/013277
【国際公開番号】WO2004/097135
【国際公開日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【出願人】(505384863)ティーティー テクノロジーズ (1)
【Fターム(参考)】