説明

硬質薄膜コート軸受構造

【課題】硬質薄膜で軸面又は軸受面がコートされた、軸面・軸受面間へ直接的にオイルが供給されるタイプの、突然、性能が悪化するといった現象が生じにくい硬質薄膜コート軸受構造を提供する。
【解決手段】摺動面間(フリー軸33とフリー軸ハウジング23との間)に直接的にオイルが供給される、軸面及び/又は軸受面がDLC薄膜等の硬質薄膜でコートされたタイプの硬質薄膜コート軸受構造を、フリー軸33の軸面(外側面)及び/又はフリー軸ハウジング23の軸受面が、フリー軸31のオイル出口からの距離が離れた箇所の軸受隙間がより広くなる形状に加工されたものとしておくことにより、硬質薄膜コート軸受構造に、摺動面間に供給された微粒子を積極的に排出する機能を付与しておく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸と軸受とを含む硬質薄膜コート軸受構造に関する。
【背景技術】
【0002】
各種の機械に用いられている軸受構造(すべり軸受構造)の多くは、合金製の軸を合金製の軸受(軸受メタル)で受けるもの(例えば、特許文献1、2参照)となっている。ただし、セラミック軸受を備えた、水力機械用の軸受構造(例えば、特許文献3参照)も知られている。また、DLC(Diamond-like Carbon)薄膜等の硬質薄膜で軸面又は軸受面
がコートされていると共に、軸又は軸受内に、軸面・軸受面間へ直接オイル(潤滑油)を供給するための通路が形成されている軸受構造も知られている。
【0003】
【特許文献1】特開平08−159142号公報
【特許文献2】特開2002−266848号公報
【特許文献3】実開平5−27340号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した、硬質薄膜で軸面又は軸受面がコートされた、軸面・軸受面間へ直接オイルが供給される軸受構造(以下、従来軸受構造と表記する)は、耐摩耗性が良い等の利点を有している。しかしながら、発明者は、鋭意研究した結果、従来軸受構造は、軸受間隔がほぼ一定値となっているものであるが故(詳細は後述)に、突然、性能が悪化する(軸・軸受間の摩擦係数が増大する)場合があるものであることを見出した。
【0005】
そこで、本発明の課題は、硬質薄膜で軸面又は軸受面がコートされた、軸面・軸受面間へ直接オイルが供給されるタイプの、上記のような現象が生じにくい硬質薄膜コート軸受構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の硬質薄膜コート軸受構造は、軸の軸面上、軸受の軸受面上の少なくとも一方に硬質薄膜が形成されており、前記軸内又は前記軸受内に、オイル出口を前記軸面又は前記軸受面に有するオイル供給路が形成されており、前記軸の前記軸面及び/又は前記軸受の前記軸受面が、前記軸の周方向の任意位置について、前記オイル出口からの前記軸の軸心方向(軸心に平行な方向)の距離がより離れた箇所の軸受隙間の方がより広くなる形状に加工されている構成を有する。
【0007】
すなわち、本発明者は、高性能な硬質薄膜コート軸受構造を開発すべく、“硬質薄膜で軸面又は軸受面がコートされた、軸面・軸受面間へ直接的にオイルが供給される構成を有する軸受構造”について、鋭意、研究を行ったところ、そのような構成を有する、各位置における軸受隙間がほぼ等しい従来軸受構造では、突然、性能が悪化する場合があることを見出した。また、そのような現象は、軸面/軸受面上の硬質薄膜の一部が剥離する結果(及び、剥離した硬質物質により摺動面の損傷が加速される結果)として生じていることも見出した。
【0008】
ここで、硬質薄膜の剥離は、一般に、局所的に高面圧がかかったときに生ずるものであることや、従来軸受構造において、硬質薄膜の一部に高面圧がかかる原因となり得るものが、オイルと共に摺動面間に供給される金属粉等の微粒子であることを考えると、当該微粒子が短時間で摺動面間から排出されるように、従来軸受構造を改良すれば、“突然、性
能が悪化する”といった現象を発生しにくい硬質薄膜コート軸受構造を実現できることになる。そして、「前記軸の前記軸面及び/又は前記軸受の前記軸受面が、前記軸の周方向の任意位置について、前記オイル出口からの前記軸の軸心方向の距離がより離れた箇所の軸受隙間の方がより広くなる形状に加工されている」構成を採用しておけば、オイルの流出による負圧効果と軸受隙間の拡大による効果で摺動面間に供給された微粒子を積極的に外部に排出することが出来ることに想到したため、上記構成の硬質薄膜コート軸受構造を、発明するに到ったのである。
【0009】
なお、本発明の硬質薄膜コート軸受構造の軸内又は軸受内に形成されるオイル供給路は、軸面/軸受面を一周する形状のオイル出口を有するものであっても、軸面/軸受面に複数のオイル出口を有するものであっても良い。また、軸の軸面上及び/或いは軸受の軸受面上に形成しておく硬質薄膜は、軸材料/軸受材料よりも硬質な材料の薄膜であれば良いが、特に硬質な材料であるDLC、窒化チタン、窒化クロム、シリコンカーバイド等の薄膜であることが望ましい。
【0010】
また、本発明の硬質薄膜コート軸受構造を実現する際には、前記オイル出口からの前記軸の軸心方向の距離が所定範囲内に入っている箇所の軸受間隔が一定値となるようにしておくことも出来る。ただし、軸受間隔が一定値となっている部分の幅(軸の軸心方向の長さ)が過度に広いと、上記現象の発生確率を十分に下げることができなくなる。このため、当該部分の幅は、上記現象の発生確率を十分に下げることができる、摺動部分の幅の60%以下としておくことが望ましい。
【0011】
また、本発明の硬質薄膜コート軸受構造を、「前記軸が、第2軸を偏心支持するための軸受面を有する部材であると共に、前記オイル供給路として、当該軸受面にオイル入口を有するものが形成されている部材であり、前記第2軸が、前記オイル入口の位置に応じた位置に第2オイル出口を有する第2オイル供給路が形成されている部材であり、前記第2軸の軸面上、前記軸の前記軸受面上の少なくとも一方に硬質薄膜が形成されており、前記第2軸の前記軸面及び/又は前記軸の前記軸受面が、前記第2軸の周方向の任意位置について、前記第2オイル出口からの前記第2軸の軸心方向の距離がより離れた箇所の軸受隙間の方がより広くなる形状に加工されている」ものとして実現しておくことも出来る。
【0012】
なお、そのような形で実現した本発明の硬質薄膜コート軸受構造は、2部材間の相対位置の制御(変更)に用いれる、各摺動面上の硬質薄膜の剥離が生じにくい硬質薄膜コート軸受構造として機能することになる。従って、2部材間の相対位置の制御が必要な機械(クランクケース内をシリンダブロックが移動する可変圧縮比エンジン等)の構成要素として、この硬質薄膜コート軸受構造を用いておけば、長期間に渡って安定的に動作する機械を製造できることになる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、突然、性能が悪化するといった現象がより生じにくい硬質薄膜コート軸受構造を提供することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
まず、図1及び図2を用いて、本発明の一実施形態に係る硬質薄膜コート軸受構造が用いられている可変圧縮比エンジン20の概要(基本構成)を説明する。
【0016】
図1に示してあるように、可変圧縮比エンジン20は、複数のシリンダを有するシリンダブロック21、シリンダブロック21をシリンダの軸線方向(以下、上下方向と表記す
る)に移動可能な形で保持するクランクケース22、モータ41、2つの偏心軸アッセンブリ30、複数のフリー軸ハウジング23、2つの偏心軸カバー25等を備えたエンジンである。
【0017】
可変圧縮比エンジン20が備える各偏心軸アッセンブリ30は、図2に示してあるように、軸部31に、ウォームホイール32、複数のフリー軸33及び複数のジャーナル34を取り付けた部材である。なお、図2には、一方の偏心軸アッセンブリ30のみを示してあるが、他方の偏心軸アッセンブリ30は、図示してある偏心軸アッセンブリ30を、シリンダブロック21の各シリンダの軸線を通る面で反転した構成を有するものである。
【0018】
フリー軸33は、軸部31(後述する取付部31a以外の部分)が通る形状の貫通孔が偏心した状態で形成されている円柱状の部材である。このフリー軸33の詳細については後述するが、フリー軸33は、その中央部(両端面/両底面から等距離の部分)に、厚み方向を連通する給油孔が所定角度毎に(円周方向に等間隔で)形成されている部材となっている。さらに、フリー軸33は、その内面に、各給油孔を繋ぐ形状(フリー軸33の内面を一周する形状)の凹部が形成されている部材ともなっている。
【0019】
ジャーナル34も、軸部31が通る形状の貫通孔が偏心した状態で形成されている円柱状の部材である。このジャーナル34も、フリー軸33と同様の給油孔、凹部が形成されている部材となっている。なお、詳細は後述するが、フリー軸33/ジャーナル34に形成されている各給油孔は、凹部側からオイル(潤滑油)が入り、外側面側からオイルが出る孔となっている。このため、以下では、フリー軸33/ジャーナル34に形成されている各給油孔の外側面側の部分のことを、オイル出口とも表記することにする。
【0020】
軸部31は、その中央部に、ジャーナル34と同外径の円柱状部分(以下、取付部31aと表記する)が設けられている円柱状部材である。軸部31に設けられている取付部31aは、ジャーナル34の偏心量(ジャーナル34の中心と、ジャーナル34に設けられている貫通孔の中心との間の距離)と同量だけ、その中心位置が軸部31の中心位置からずれた形状を有している。
【0021】
また、軸部31は、その内部に、取付部31a、フリー軸33/ジャーナル34の取り付け部分(フリー軸33/ジャーナル34の凹部に対向する箇所)にオイル出口を有し、軸部31の端面にオイル入口を有するオイル供給路が形成されている部材となっている。
【0022】
そして、偏心軸アッセンブリ30は、ウォームホイール32が軸部31の取付部31aに固定され、各ジャーナル34が取付部31aと同姿勢で軸部31に固定され、各フリー軸33が軸部31に回転可能に取り付けられたものとなっている。
【0023】
可変圧縮比エンジン20が備えるフリー軸ハウジング23(図1)は、偏心軸アッセンブリ30のフリー軸33を回転可能な形でシリンダブロック21に対して固定するための部材である。このフリー軸ハウジング23は、偏心軸アッセンブリ30のフリー軸33が所定のクリアランスをもって通る形状(詳細は後述)の貫通孔を備えている。そして、フリー軸ハウジング23は、偏心軸アッセンブリ30のフリー軸33部分に取り付けた後、クランクケース22の各長手方向側面に設けられている開口部を通す形で(図示してある形とは異なる形で)、シリンダブロック21に固定される部材となっている。
【0024】
可変圧縮比エンジン20のクランクケース22には、偏心軸カバー25を取り付けることにより、偏心軸アッセンブリ30の各ジャーナル34、取付部31aの軸受として機能することになる部分(図では、主軸受)も設けられている。さらに、クランクケース22の下方部分には、各偏心軸アッセンブリ30のウォームホイール32と噛み合う位置にウ
ォーム42(図1、図2参照)を備えた駆動軸が回転可能に保持されている。なお、この駆動軸が備える2つのウォーム42は、逆向きのねじが形成されているものである。
【0025】
そして、可変圧縮比エンジン20は、図示せぬオイルポンプからのオイル(潤滑油)が、各軸部31の端部に供給されるよう構成したエンジンとなっている。換言すれば、可変圧縮比エンジン20は、オイルポンプからのオイルが、各軸部31内や各フリー軸33の供給孔を通って、フリー軸33と軸部31との間(フリー軸33と軸部31とが摺動する部分)や、フリー軸33とフリー軸ハウジング23の間等に供給されるエンジンとして構成されている。
【0026】
以上のことを前提に、以下、可変圧縮比エンジン20が備える各軸受構造(本実施形態に係る硬質薄膜コート軸受構造)の構成を、さらに具体的に説明する。
【0027】
可変圧縮比エンジン20の、さまざまな箇所に設けられている軸受構造(フリー軸33とフリー軸ハウジング23とからなる軸受構造等)は、『軸の軸面上、軸受の軸受面上の少なくとも一方に硬質薄膜が形成されており、前記軸内又は前記軸受内に、オイル出口を前記軸面又は前記軸受面に有するオイル供給路が形成されており、前記軸の前記軸面及び/又は前記軸受の前記軸受面が、前記軸の周方向の任意位置について、前記オイル出口からの前記軸の軸心方向の距離がより離れた箇所の軸受隙間(軸面と軸受面との間の間隔)の方がより広くなる形状に加工されている』ものとなっている。
【0028】
具体的には、偏心軸アッセンブリ30の軸部31内には、既に説明したように、オイル出口を軸面に有するオイル供給路が形成されているが、この軸部31の軸面(表面、外側面)には、図3に模式的に示してあるように、DLC薄膜が形成されている。
【0029】
一方、軸部31の軸受としても機能するフリー軸33は、同図に示してあるように、その軸受面(内面)が、中央部分(軸部31のオイル出口が存在する部分)の軸受隙間が最も狭く、中央部分から離れた箇所の軸受隙間の方がより広くなる形状に加工されている部材となっている。
【0030】
さらに、フリー軸33の軸面(外側面)は、フリー軸33のオイル出口(フリー軸33に形成されている上記した供油孔の外側面側部分)からのフリー軸33の軸心方向の距離がより離れた箇所の軸受隙間の方がより広くなる形状に加工されている。そして、フリー軸33は、そのように加工されている軸面上に、DLC薄膜を形成した部材となっている。
【0031】
なお、図示は省略するが、フリー軸33は、周方向の任意位置について、上記条件が満たされるように、その軸受面及び軸面が加工されている部材となっている。また、偏心軸アッセンブリ30のジャーナル34も、その軸面を、フリー軸33の軸面と同様の形状に加工した上で、加工した軸面上にDLC薄膜を形成した部材となっている。
【0032】
以上、説明したように、本実施形態に係る硬質薄膜コート軸受構造(可変圧縮比エンジン20が備える各軸受構造)は、摺動面に設けられているオイル出口(摺動面間へのオイル供給口)から離れるにつれ、軸受間隔が広くなる構成を採用したものとなっている。従って、本実施形態に係る硬質薄膜コート軸受構造では、摺動面間にオイル(潤滑油)と共に供給された微粒子が、オイルの硬質薄膜コート軸受構造外への流出による負圧効果と軸受隙間の拡大による効果により、積極的に外部に排出されることになる。そして、その結果として、本実施形態に係る硬質薄膜コート軸受構造は、軸受間隔について特に工夫を施していない軸受構造に比して、突然、性能が悪化する(軸・軸受間の摩擦係数が増大する)といった現象が生じにくいものとして機能することになる。
【0033】
実際、さまざまな面形状を有するフリー軸33及びジャーナル34を組み込んだ各種可変圧縮比エンジン20についての実験結果からは、オイル出口における軸受間隔と端部における軸受間隔との差が5μm程度あれば、上記現象の発生確率を十分に下げることが出来ることが分かっている。また、オイル出口における軸受間隔と端部における軸受間隔との差が5μm程度あれば、硬質薄膜コート軸受構造の中央部分の軸受間隔を一定値としておいても、上記現象の発生確率を下げることが出来ることも確認されている。ただし、軸受間隔を一定値とする部分の幅(軸心方向の長さ)を、過度に長くすると上記現象の発生確率を十分に下げられないことも分かっている。このため、硬質薄膜コート軸受構造を、軸受間隔が一定値となっている部分を有するものとして実現(製造)する際には、当該部分の長さが、上記現象の発生確率を十分に下げられることが確認できている、摺動部分の幅の60%以下となるようにしておくことが望ましい。
【0034】
なお、上記実験結果が得られた可変圧縮比エンジン20は、フリー軸33の幅(図3における左右方向の長さ)、フリー軸ハウジング23の幅、各硬質薄膜コート軸受構造の軸受間隔の最小値(オイル出口が存在する部分の軸受間隔)を、それぞれ、40mm、38mm、7.5μmに固定したもの(フリー軸33等の面形状のみを変えたもの)である。
【0035】
《変形形態》
上記した硬質薄膜コート軸受構造は、各種の変形を行うことが出来る。例えば、硬質薄膜コート軸受構造を、DLC薄膜とは異なる硬質薄膜(窒化チタン、窒化クロム、シリコンカーバイド等の薄膜)が軸面上に形成されているものに変形することが出来る。また、硬質薄膜コート軸受構造を、軸面上にではなく軸受面上に硬質薄膜が形成されているものや、軸面上と軸受面上の双方に硬質薄膜が形成されているものに変形することが出来る。
【0036】
硬質薄膜コート軸受構造を、軸受面の形状が加工されているものや、軸受面の形状及び軸面の形状が加工されているものに変形することも出来る。また、上記した硬質薄膜コート軸受構造を、通常のエンジンに用いても良いことや、エンジンではない機械に用いても良いことなどは、当然のことである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施形態に係る硬質薄膜コート軸受構造が用いられている可変圧縮比エンジンの分解図である。
【図2】可変圧縮比エンジンの要部構成図である。
【図3】可変圧縮比エンジンが備える硬質薄膜コート軸受構造の構成図である。
【符号の説明】
【0038】
20・・・可変圧縮比エンジン
21・・・シリンダブロック
22・・・クランクケース
23・・・フリー軸ハウジング
30・・・偏心軸アッセンブリ
31・・・軸部
31a・・・取付部
32・・・ウォームホイール
33・・・フリー軸
34・・・ジャーナル
41・・・モータ
42・・・ウォーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸と軸受とを含む硬質薄膜コート軸受構造であって、
前記軸の軸面上、前記軸受の軸受面上の少なくとも一方に硬質薄膜が形成されており、
前記軸内又は前記軸受内に、オイル出口を前記軸面又は前記軸受面に有するオイル供給路が形成されており、
前記軸の前記軸面及び/又は前記軸受の前記軸受面が、
前記軸の周方向の任意位置について、前記オイル出口からの前記軸の軸心方向の距離がより離れた箇所の軸受隙間の方がより広くなる形状に加工されている
ことを特徴とする硬質薄膜コート軸受構造。
【請求項2】
前記オイル出口からの前記軸の軸心方向の距離が所定範囲内に入っている箇所の軸受間隔が一定値である
ことを特徴とする請求項1記載の硬質薄膜コート軸受構造。
【請求項3】
前記軸が、第2軸を偏心支持するための軸受面を有する部材であると共に、前記オイル供給路として、当該軸受面にオイル入口を有するものが形成されている部材であり、
前記第2軸が、前記オイル入口の位置に応じた位置に第2オイル出口を有する第2オイル供給路が形成されている部材であり、
前記第2軸の軸面上、前記軸の前記軸受面上の少なくとも一方に硬質薄膜が形成されており、
前記第2軸の前記軸面及び/又は前記軸の前記軸受面が、
前記第2軸の周方向の任意位置について、前記第2オイル出口からの前記第2軸の軸心方向の距離がより離れた箇所の軸受隙間の方がより広くなる形状に加工されている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の硬質薄膜コート軸受構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−299778(P2009−299778A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−154554(P2008−154554)
【出願日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】