説明

磁気センサ

【課題】単一のコイルで直流オフセットを効果的に抑止し、小型でありながら高精度な磁気センサを提供する。
【解決手段】コイルとコンデンサを直列接続した共振回路に対し、所定の電圧と接地とを交互に接続する。また、フリーホイールダイオードを二つ設けて、電圧或は接地から切断した直後にコイルから生じる起電力を受け流し、コンデンサに電荷を蓄積させると共に回路を安定化させる。その後、コンデンサ或はコンデンサとコイルの直列接続よりなる負荷の両端電圧を取得して、コイル電流による磁界と外部磁界が同一極性の状態と逆極性の状態との電圧を比較して、磁界の有無と方向を検出する。更に、温度特性を改善するために、シーケンサによってコンデンサを完全充電及び完全放電する期間を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気センサに関する。
より詳細には、高感度のアクティブ型磁気センサに、これまで除去できなかったオフセットを除去し、少ないハードウェアリソースで安定した特性を実現する、新規な磁気センサに関する。
【背景技術】
【0002】
出願人は、周知のホール素子と比べて感度で三桁以上の高感度特性を実現する、アクティブ型磁気センサを製造販売している。以下、このアクティブ型磁気センサの動作原理について説明する。
【0003】
図9(a)、(b)及び(c)は、出願人が製造販売する磁気センサの動作原理を説明するための、コイルの諸特性を説明するグラフである。
図9(a)は磁気センサの原理を説明する回路図であり、図9(b)は図9(a)の回路のスイッチSWの状態を示す図であり、図9(c)は図9(a)の回路のコンデンサCの両端電圧の過渡応答特性を示すグラフである。
【0004】
図9(a)に示すように、直流電源Eに、スイッチSW、抵抗R、コイルLとコンデンサCを直列に接続し、図9(b)に示すようにスイッチをオン操作すると、コンデンサCの両端電圧は、図9(c)に示すように、コイルLの作用で徐々に増加して、その後振動しながらある一定の電圧に収束する。これは典型的なステップ応答の波形である。
この電圧波形の、スイッチSWをオン操作した直後の立ち上がりの傾きは、コイルLのインダクタンスが大きいほど緩やかになり、コイルLのインダクタンスが小さいほど急峻になることは周知である。
本出願人の磁気センサは、このコイルのインダクタンスの変化を過渡応答現象から得ることで実現している。
【0005】
コイルの中心に透磁率の高いヨーク(継鉄)を介在させると、コイルのインダクタンスは増加する。透磁率の高い磁性材料として、磁気ヘッドで周知のパーマロイがある。このパーマロイには、高い透磁率の他に、強い磁界を与えるとある時点以降は磁束密度がそれ以上増えず、実質的に透磁率がゼロになる、という特性がある。強磁性体には強い磁界を与えると磁化して磁束密度がそれ以上増えない、飽和磁束密度が存在するが、パーマロイの場合は残留磁束密度が小さいので、トランスやコイル等のヨークとして用いるに適した材料である。そこで、ヨークにパーマロイを用いたコイルを用意して、外部から磁界を加える時と加えない時とで、インダクタンスの変化を検出すると、磁気センサが実現できる。
【0006】
図9(d)は、パーマロイをヨークに用いたコイルの、外部から印加する磁界の強さに対する、磁束密度の関係を示すグラフ(B−H曲線)である。
コイルに電流を流さない状態で外部磁界を印加すると、ヨークの磁束密度は飽和磁束密度に至るとそれ以上増えなくなる(S901)。
コイルに正方向の電流を流した状態で、ヨークに正方向の磁界を与えて、同様にヨークの磁束密度を見ると、電流で正方向の磁界が発生している分だけ磁束密度は正方向にオフセットして、電流が流れていない状態よりも弱い外部磁界で、飽和磁束密度に達する(S902)。
コイルに逆方向の電流を流した状態で、ヨークに正方向の磁界を与えて、同様にヨークの磁束密度を見ると、電流で負方向の磁界が発生している分だけ磁束密度は負方向にオフ
セットして、電流が流れていない状態よりも強い外部磁界で、飽和磁束密度に達する(S903)。
このように、パーマロイをヨークに用いたコイルは、正方向、負方向の両方向の磁界を区別して検出できるセンサとして応用できる。
特許文献1及び特許文献2は、上述の技術を応用した、本願発明者による磁気センサを用いた電流センサの先行技術文献である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許3907488号公報
【特許文献2】特開2001−153895号公報
【特許文献3】特許4684356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1及び特許文献2に開示されている技術内容は、コイルのインダクタンスの変化をステップ応答特性を利用して検出するための技術が共通する。コンデンサと直列接続されているコイルにパルス状の直流電圧を連続的に印加し、コイルの電流変化を捉える。特許文献1及び特許文献2は、ダイオードを用いた包絡線検波で電流変化を検出している。
【0009】
これら従来技術に用いられている検出回路は、その動作原理上、検出電圧に直流オフセット成分が含まれる。そして、このオフセット電圧は回路定数などによってバラツキが生じ、また温度などの環境変化によって変動する、という問題があった。このため、従来技術はコイルを二つ用意して、それぞれの出力を減算し、オフセットをキャンセルして回避している。
しかし、コイルを二つ用意する、ということは、部品点数の増加を招き、装置の小型化を阻害する。
【0010】
上述の課題を解決するため、出願人及び発明者は特許文献3に開示される磁気センサを開発した。ところが、特許文献3の磁気センサには、温度特性に問題があることが判明した。
外部磁界が大きくなると、相対的にコイル電流が大きくなり、コイルの発熱が大きくなる。そのため、コイル巻線の直流抵抗が変化して温度特性が悪化する。また、強磁界の状態から無磁界の状態に変化したときなどに、コイルの温度の平衡時間に起因して、出力電圧にヒステリシスが発生することが判った。
【0011】
本発明はかかる課題を解決し、単一のコイルで直流オフセットを効果的に抑止すると共に、外部磁界の強弱にかかわらず温度特性を良好に保ち、小型でありながら高精度な磁気センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の磁気センサは、所定の電圧が印加される第一スイッチと、第一スイッチに並列接続される第一フリーホイールダイオードと、第一スイッチと接地との間に接続される第二スイッチと、第二スイッチに並列接続される第二フリーホイールダイオードと、第一スイッチと第二スイッチとの間に接続される、ヨークを有するコイルと、コイルと接地との間に接続されるコンデンサと、コンデンサの両端電圧の変化を取得する電圧変化取得部と、第二スイッチをオフ制御しつつ第一スイッチをオン制御してコンデンサにコイルを通じて充電する計測用充電期間と、計測用充電期間の後に第一スイッチを更にオン制御してコンデンサにコイルを通じて充電する完全充電期間と、完全充電期間の後に第一スイッチをオフ制御しつつ第二スイッチをオン制御してコンデンサにコイルを通じて放電する計測用放電期間と、計測用放電期間の後に第二スイッチを更にオン制御してコンデンサにコイルを通じて放電する完全放電期間とを形成する制御パルス信号を出力するシーケンサとを備える。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明の磁気センサは、所定の電圧が印加される第一スイッチと、第一スイッチに並列接続される第一フリーホイールダイオードと、第一スイッチと接地との間に接続される第二スイッチと、第二スイッチに並列接続される第二フリーホイールダイオードと、第一スイッチと第二スイッチとの間に接続されるコンデンサと、コンデンサと接地との間に接続される、ヨークを有するコイルと、コンデンサ及びコイルの直列接続の両端電圧の変化を取得する電圧変化取得部と、第二スイッチをオフ制御しつつ第一スイッチをオン制御してコンデンサにコイルを通じて充電する計測用充電期間と、計測用充電期間の後に第一スイッチを更にオン制御してコンデンサにコイルを通じて充電する完全充電期間と、完全充電期間の後に第一スイッチをオフ制御しつつ第二スイッチをオン制御してコンデンサにコイルを通じて放電する計測用放電期間と、計測用放電期間の後に第二スイッチを更にオン制御してコンデンサにコイルを通じて放電する完全放電期間とを形成する制御パルス信号を出力するシーケンサとを備える。
【0014】
コイルとコンデンサを直列接続した共振回路に対し、所定の電圧と接地とを交互に接続する。また、フリーホイールダイオードを二つ設けて、電圧或は接地から切断した直後にコイルから生じる起電力を受け流し、コンデンサに電荷を蓄積させると共に回路を安定化させる。その後、コンデンサ或はコンデンサとコイルの直列接続よりなる負荷の両端電圧を取得して、コイル電流による磁界と外部磁界が同一極性の状態と逆極性の状態との電圧を比較して、磁界の有無と方向を検出する。
更に、温度特性を一定にするため、コンデンサを満充電及び完全放電させるための期間をシーケンサに設けた。つまり、外部磁界等の影響に関わらず、コイルから発生する発熱を一定にするため、コイルに流れる電流の基となるコンデンサを常に満充電及び完全放電させるように、シーケンサのパターンを追加した。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、単一のコイルで直流オフセットを効果的に抑止すると共に、外部磁界の強弱にかかわらず温度特性を良好に保ち、小型でありながら高精度な磁気センサを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る磁気センサの外観斜視図である。
【図2】磁気センサのブロック図である。
【図3】検出部の回路図である。
【図4】シーケンサのブロック図である。
【図5】磁気センサの動作原理を説明する図である。
【図6】磁気センサの各部の波形図である。
【図7】本発明の第二の実施形態に係る磁気センサの、検出部の回路図である。
【図8】本発明の第二の実施形態に係る磁気センサの外観斜視図である。
【図9】出願人が製造販売する磁気センサの動作原理を説明するための、コイルの諸特性を説明するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第一の実施形態]
図1は、本発明の第一の実施形態に係る磁気センサの外観斜視図である。
磁気センサ101は、樹脂モールドされた回路を内蔵した一体型のセンサとして形成されている。
磁気センサ101の検出突起101aの中にはパーマロイのヨークに巻かれたコイルが内蔵されている。
この検出突起101aに磁石102を近接すると、アナログの検出信号が得られる。
【0018】
図2は、磁気センサ101のブロック図である。
磁気センサ101は、ヨーク201に巻かれたコイルL202のインダクタンスの変化を検出する検出部203と、この検出部203に一定周期のパルスを複数出力するシーケンサ204よりなる。シーケンサ204は、後述する図6(a)、(b)、(c)及び(d)に示す波形のパルスを出力する。
【0019】
図3は、検出部203の回路図である。
第一スイッチ301は第二スイッチ302に直列接続され、電源電圧+Vccが印加される。第二スイッチ302は第一スイッチ301と接地との間に接続される。
第一スイッチ301及び第二スイッチ302はトランジスタスイッチである。
【0020】
第一スイッチ301はシーケンサ204が出力する制御パルス信号P1によってオン・オフ制御される。同様に、第二スイッチ302はシーケンサ204が出力する制御パルス信号P2によってオン・オフ制御される。制御パルス信号P1と制御パルス信号P2は、互いにオン・オフ動作するので、第一スイッチ301と第二スイッチ302が同時にオン動作することはない。
【0021】
第一スイッチ301には、第一フリーホイールダイオードD303が並列接続されている。同様に、第二スイッチ302には、第二フリーホイールダイオードD304が並列接続されている。
【0022】
第一スイッチ301と第二スイッチ302との間の中点には、コイルL202とコンデンサC305が直列接続されている。コンデンサC305はその一端が接地される。
コンデンサC305には、コンデンサC305の両端電圧を検出するための回路として、二つのサンプルホールド回路が接続されている。コンデンサC305の後続の回路は、電圧変化取得部ともいえる。
【0023】
サンプルホールド回路は、第一サンプルホールド回路ともいえるコンデンサC306とオペアンプ307、及び第二サンプルホールド回路ともいえるコンデンサC309とオペアンプ311で構成される。オペアンプ307及び311は帰還抵抗がゼロの非反転増幅器、すなわちボルテージフォロワを構成し、コンデンサC306の両端電圧をそのまま出力する。
【0024】
コンデンサC306とコンデンサC305との間には、第三スイッチ308が介在する。第三スイッチ308はシーケンサ204が出力するサンプリングパルス信号P3によってオン・オフ制御される。
コンデンサC309とコンデンサC305との間には、第四スイッチ310が介在する。第四スイッチ310はシーケンサ204が出力するサンプリングパルス信号P4によってオン・オフ制御される。
【0025】
コンデンサC306とC309は、コンデンサC305の両端電圧を取得する際、コンデンサC305に蓄積されている電荷の量を大きく変化させないために、コンデンサC305と比べると十分小さな静電容量である必要がある。一例として、C305の100分の1以下であることが望ましい。
【0026】
サンプルホールド回路を構成するオペアンプ307の出力とオペアンプ311の出力は、加算回路に入力される。
オペアンプ307の出力に接続される抵抗R312と、オペアンプ311の出力に接続される抵抗R313は、加算回路の入力部を構成する。抵抗R312と抵抗R313の中点、すなわち加算信号はオペアンプ314の反転入力に印加される。
【0027】
反転増幅器を構成するオペアンプ314の非反転入力には、バイアス電圧として、抵抗R315と抵抗R316で分圧された、電源電圧+Vccの半分の電圧が印加される。
こうして、オペアンプ314はコンデンサC305の平均電圧を出力する。
このコンデンサC305の平均電圧は、コイルL202に印加される磁界に応じて変化する。この仕組みの詳細については後述する。
【0028】
図4は、シーケンサ204のブロック図である。
シーケンサ204は、後述する図6(a)、(b)、(c)及び(d)に示す波形のパルスを出力する。この周期的なパルスを出力するために、シーケンサ204は、クロック発生器401と、ループカウンタ402と、ROM403とデコーダ404よりなる。
【0029】
クロック発生器401は所定の周波数の矩形波のパルスを出力する。
ループカウンタ402は、クロック発生器401が生成するパルスを受けて、0から予め定められた数Nまで計数し、その計数値データを出力する。ループカウンタ402はNまで計数すると、再び計数値を0に戻して、再度計数を繰り返す。
【0030】
ループカウンタ402の計数値データはROM403のアドレスとして入力される。ROM403にはクロック発生器401のパルスも入力されるので、ROM403に書き込まれているデータがアドレス0からNまで順番に読み出される。データは、制御パルス信号P1、制御パルス信号P2、サンプリングパルス信号P3及びサンプリングパルス信号P4の種別と、出力する論理値の組み合わせである。
【0031】
ROM403から出力されるデータは、デコーダ404に入力される。デコーダ404は入力されるデータに従って、制御パルス信号P1、制御パルス信号P2、サンプリングパルス信号P3及びサンプリングパルス信号P4を出力する。
なお、シーケンサ204はこの構成に限らず、複数のカウンタとフリップフロップ等の論理回路を組み合わせて構成してもよいし、マイコンで構成してもよい。
【0032】
[動作]
図5(a)、(b)、(c)及び(d)は、磁気センサ101の動作原理を説明する図である。
図6(a)、(b)、(c)、(d)、(e)及び(f)は、磁気センサ101の各部の波形図である。
先ず、図6(a)は制御パルス信号P1の波形であり、図6(b)は制御パルス信号P2の波形であり、図6(c)はサンプリングパルス信号P3の波形であり、図6(d)はサンプリングパルス信号P4の波形である。
【0033】
本発明は、特許文献3の改良である。
本発明の第一の実施形態の、特許文献3との相違点は、図6(a)及び(b)に示すように、制御パルス信号P1と制御パルス信号P2に、コンデンサC305を完全充電させるための完全充電期間P602(時点t8からt10まで)と、コンデンサC305を完全放電させるための完全放電期間P604(時点t18からt20まで)を設けた点である。
【0034】
図6(a)及び(b)に示すように、制御パルス信号P1と制御パルス信号P2は、それぞれ交互にオン・オフ動作する。
制御パルス信号P1は、コンデンサC305にコイルL202のインダクタンスの変化を検出するための計測用充電期間P601(時点t1からt3まで)と、コンデンサC305を完全充電させるための完全充電期間P602(時点t8からt10まで)とを有する。計測用充電期間P601と完全充電期間P602の間の期間に、サンプリングパルス信号P3による、コンデンサC305の両端電圧のサンプリングが行われる。
制御パルス信号P2は、コンデンサC305にコイルL202のインダクタンスの変化を検出するための計測用放電期間P603(時点t11からt13まで)と、コンデンサC305を完全放電させるための完全放電期間P604(時点t18からt20まで)とを有する。計測用放電期間P603と完全放電期間P604の間の期間に、サンプリングパルス信号P4による、コンデンサC305の両端電圧のサンプリングが行われる。
【0035】
図5(a)は、制御パルス信号P1がオンになっている期間(時点t1からt3まで)における、検出部203に流れる電流を示す図である。制御パルス信号P1は第一スイッチ301をオン制御するので、電源電圧+VccがコイルL202とコンデンサC305に印加され、矢印に示す電流が過渡応答として流れる。
【0036】
図5(b)は、時点t3の後、制御パルス信号P1がオフになり、制御パルス信号P2もオフのままの期間(時点t3からt8まで)における、検出部203に流れる電流を示す図である。制御パルス信号P1は第一スイッチ301をオフ制御すると、コイルL202にはそれまで流れていた電流とは逆方向の起電力が生じる。この起電力を逃がすため、第二フリーホイールダイオードD304が設けられている。
【0037】
制御パルス信号P1は、時点t8から時点t10まで、再び第一スイッチ301をオン制御する。つまり、再び図5(a)の状態になる。コンデンサC305の両端電圧は完全充電されることによって+Vccに等しくなり、このため時点t9から電流が流れなくなる。
【0038】
図5(c)は、時点t10の後、制御パルス信号P2がオンになっている期間(時点t11からt13まで)における、検出部203に流れる電流を示す図である。制御パルス信号P2は第二スイッチ302をオン制御するので、コンデンサC305に蓄積されていた電荷がコイルL202を通じて接地に流れ、矢印に示す電流が過渡応答として流れる。
【0039】
図5(d)は、時点t13の後、制御パルス信号P2がオフになり、制御パルス信号P1もオフのままの期間(時点t13からt18まで)における、検出部203に流れる電流を示す図である。制御パルス信号P2は第二スイッチ302をオフ制御すると、コイルL202にはそれまで流れていた電流とは逆方向の起電力が生じる。この起電力を逃がすため、第二フリーホイールダイオードD304が設けられている。
【0040】
制御パルス信号P2は、時点t18から時点t20まで、再び第二スイッチ302をオン制御する。つまり、再び図5(c)の状態になる。コンデンサC305の両端電圧は完全放電されることによって0Vに等しくなり、このため時点t19から電流が流れなくなる。
【0041】
以上、図5(a)、(b)、(c)及び(d)にて説明した回路の動作を踏まえて、図6(e)及び(f)を説明する。
図6(e)は、コイルL202に流れる電流の波形図である。
時点t1で制御パルス信号P1がオンになると、図5(a)の矢印に示す電流が流れる。コイルL202の特性により、電流は正方向に徐々に増加する。
コイルL202に電流が流れると、コイルL202に電流に比例する磁界が生じる。時点t2において、電流がある値に至ると、コイルL202のヨーク201の透磁率が飽和し、コイルL202のインダクタンスは減少する。コイルL202のインダクタンスが減少すると、電流増加の傾きは急峻になる。
【0042】
なお、制御パルス信号P1のパルス幅は、ヨークが十分飽和するまでの値が必要である。言い換えれば、パルス幅が狭いと磁気センサとして機能しない。コイルL202のインダクタンス及びクロック発生器401の周波数とROM403に記憶されているシーケンスパターンはこの条件を満たすために適切に設定されなければならない。また、このことはシーケンサ204を周知のマイコンで構成する場合にも同様のことが言える。マイコンで構成する場合は、プログラムで制御パルス信号P1及びP2、サンプリングパルス信号P3及びP4のシーケンスパターンを構成する。
【0043】
時点t3で制御パルス信号P1がオフになると、図5(b)の矢印に示す電流が流れる。時点t2以降、ヨーク201の透磁率は飽和しているので、コイルL202に流れる電流は急激に減少するが、時点t4になるとヨーク201に印加されている磁界が弱まって飽和状態が解消され、コイルL202のインダクタンスは増加する。コイルL202のインダクタンスが増加すると、電流減少の傾きは緩やかになって、時点t5で電流はゼロになる。
【0044】
コイルL202の過渡現象である時点t1からt5までの現象が終わった後、コンデンサC305にはコイルL202が流した電流によって電荷が蓄積される。この、コンデンサC305の両端電圧を、コイルL202の過渡現象が終了したt5の後、シーケンサ204が時点t6からサンプリングパルス信号P3を発生すると、サンプルホールド回路はt7の間までサンプリングする。
【0045】
時点t6からt7の間にサンプルホールド回路が得たコンデンサC305の両端電圧は、コイルL202のインダクタンスと、ヨーク201に印加されている磁界に応じて流れた電流の結果である。つまり、この時点におけるコンデンサC305の両端電圧は、ヨーク201に印加される外部磁界の強弱に応じて変化するので、時点t1からt3の期間を計測用充電期間P601と呼ぶ。このことは、時点t6からt7の間にコンデンサC305に蓄積されている電荷量は、ヨーク201に印加される外部磁界の強弱に応じて変化していることを意味する。
【0046】
今、コイルL202の発熱量が外部磁界の強弱に応じて変化することによって、温度特性がばらつくことが問題となっている。周知のように、コイルL202は僅かながら直流抵抗成分を持つ。この直流抵抗分が、発熱の原因となる。コイルL202の発熱量が変化すると、コイルL202の直流抵抗成分が変動する。この直流抵抗成分の変動は、計測誤差に繋がる。また、コイルL202の温度の平衡時間に起因して、出力電圧にヒステリシスが発生する。
コイルL202の発熱量が外部磁界の強弱に応じて変化することが問題ならば、コイルL202の発熱量が外部磁界の強弱に関わらず変化しないようにすれば良い。コイルL202の発熱が一定になればコイルL202の直流抵抗が一定になり、計測誤差が生じ難くなる。また、コイルL202の発熱が一定になることでヨーク201の磁気特性も一定になる。これにより、ヨーク201の温度特性のバラツキも無くなる。
前述のように、コイルL202の直流抵抗分が、発熱の原因となる。そして、コイルL202の発熱量は、コイルL202に流れる電流と時間の積分で決まる。つまり、コイルL202の発熱量は、コンデンサC305に蓄積される電荷と実質的に等価である。
【0047】
そこで、計測用充電期間P601の後、サンプリングパルス信号P3でコンデンサC305の両端電圧をサンプリングした後、更にコンデンサC305に電流を流してコンデンサC305を満充電させるための、完全充電期間P602を設けた。これが、時点t8からt10の期間である。
制御パルス信号P1は時点t8から再び論理の真になり、第一スイッチ301が再びオン制御される。そして、コイルL202を通じてコンデンサC305に電流が流れるが、コンデンサC305の両端電圧が+Vccに等しくなったt9時点で、コンデンサC305は満充電状態となり、これ以上電流が流れなくなる。
【0048】
時点t11で制御パルス信号P2がオンになると、図5(c)の矢印に示す電流が流れる。コイルL202の特性により、電流は負方向に徐々に増加する。
コイルL202に電流が流れると、コイルL202に電流に比例する磁界が生じる。時点t12において、電流がある値に至ると、コイルL202のヨーク201の透磁率が飽和し、コイルL202のインダクタンスは減少する。コイルL202のインダクタンスが減少すると、電流増加の傾きは急峻になる。
【0049】
時点t13で制御パルス信号P2がオフになると、図5(d)の矢印に示す電流が流れる。時点t12以降、ヨーク201の透磁率は飽和しているので、コイルL202に流れる電流は急激に減少するが、時点t14になるとヨーク201に印加されている磁界が弱まって飽和状態が解消され、コイルL202のインダクタンスは増加する。コイルL202のインダクタンスが増加すると、電流現象の傾きは緩やかになって、時点t15で電流はゼロになる。
【0050】
コイルL202の過渡現象である時点t11からt15までの現象が終わった後、コンデンサC305にはコイルL202が流した電流によって電荷が蓄積される。この、コンデンサC305の両端電圧を、コイルL202の過渡現象が終了したt15の後、シーケンサ204が時点t16からサンプリングパルス信号P4を発生すると、サンプルホールド回路はt17の間までサンプリングする。
【0051】
時点t16からt17の間にサンプルホールド回路が得たコンデンサC305の両端電圧は、コイルL202のインダクタンスと、ヨーク201に印加されている磁界に応じて流れた電流の結果である。つまり、この時点におけるコンデンサC305の両端電圧は、ヨーク201に印加される外部磁界の強弱に応じて変化するので、時点t11からt13の期間を計測用放電期間P603と呼ぶ。このことは、時点t6からt7の間にコンデンサC305に残留している電荷量は、ヨーク201に印加される外部磁界の強弱に応じて変化していることを意味する。
【0052】
今、コイルL202の発熱量が外部磁界の強弱に応じて変化することによって、温度特性がばらつくことが問題となっている。前述のように、コイルL202の発熱量が外部磁界の強弱に応じて変化することが問題ならば、コイルL202の発熱量が外部磁界の強弱に関わらず変化しないようにすれば良い。
周知のように、コイルL202は僅かながら直流抵抗成分を持つ。この直流抵抗分が、発熱の原因となる。そして、コイルL202の発熱量は、コイルL202に流れる電流と時間の積分で決まる。つまり、コイルL202の発熱量は、コンデンサC305に蓄積される電荷と実質的に等価である。
【0053】
そこで、計測用放電期間P603の後、サンプリングパルス信号P4でコンデンサC305の両端電圧をサンプリングした後、更にコンデンサC305を放電し、コンデンサC305を完全放電させるための、完全放電期間P604を設けた。これが、時点t18からt20の期間である。
制御パルス信号P3は時点t18から再び論理の真になり、第二スイッチ302が再びオン制御される。そして、コイルL202を通じてコンデンサC305に電流が流れるが、コンデンサC305の両端電圧が0Vに等しくなったt19時点で、コンデンサC305は完全放電状態となり、これ以上電流が流れなくなる。
【0054】
コイルL202に磁界が印加されていないときは、コイルL202には図6(e)の実線に示す電流が流れる。これに対し、コイルL202に負方向の磁界を印加すると、コイルL202には図6(e)の点線に示す電流が流れる。つまり、コイルL202のB−H曲線が負方向にオフセットされるので、正方向には電流が増加し(時点t1からt5)、負方向には電流が減少する(時点t11からt15)。
【0055】
図6(f)は、コンデンサC305の両端電圧の波形図である。
計測用充電期間P601を経たコンデンサC305に蓄積される電荷と、計測用放電期間P603を経たコンデンサC305に残留する電荷は、コイルL202に発生する電流によって上下する。但し、計測用充電期間P601の後、完全充電期間P602を経てコンデンサC305は満充電状態となり、また、計測用放電期間P603の後、完全放電期間P604を経てコンデンサC305は完全放電状態となる。
したがって、時点t1から時点t5までは両端電圧が増加し、時点t5から時点t8までは安定し、時点t8から時点t9までは両端電圧が再び電源電圧+Vccまで増加し、時点t9から時点t11までは安定し、時点t11から時点t15までは両端電圧が減少し、時点t15から時点t18までは安定し、時点t18から時点t19までは両端電圧が0Vまで減少し、時点t19から時点t21までは安定する。この周期を繰り返す。
【0056】
コイルL202に磁界が印加されていないときは、コンデンサC305の両端電圧は図6(f)の実線に示す変化となる。したがって、時点t6からt7の間と、時点t13からt14の間のコンデンサC305の両端電圧をサンプリングして、加算すると、オペアンプ314の出力からは電源電圧+Vcc/2の電圧に相当する信号が得られる。
【0057】
これに対し、コイルL202に負方向の磁界を印加すると、コンデンサC305の両端電圧は図6(f)の点線に示す変化となる。つまり、コイルL202のB−H曲線は負方向にオフセットされるので、正方向には電流が増加した結果、コンデンサC305の両端電圧は正方向にオフセットする。したがって、時点t6からt7の間と、時点t16からt17の間のコンデンサC305の両端電圧をサンプリングして加算すると、オペアンプ314の出力には、無磁界の時点で得られた、電源電圧+Vcc/2の電圧に相当する信号より正方向にオフセットした信号が得られる。
逆に、図6には図示してはいないものの、コイルL202に正方向の磁界を印加すると、オペアンプ314の出力には、無磁界の時点で得られた、電源電圧+Vcc/2の電圧に相当する信号より負方向にオフセットした信号が得られる。
【0058】
以上説明したように、コイルL202に直流磁界が印加されると、コンデンサC305の両端電圧の変化は直流磁界の方向に応じて正方向又は負方向にオフセットされる。サンプルホールド回路は、このコンデンサC305の両端電圧の変化の平均を採取することで、安定した検出出力を得る。この検出出力は、外部磁界がゼロの時は電源電圧+Vcc/2であり、コンデンサC305の容量誤差、制御パルス信号P1及びP2のパルス幅の誤差、コイルL202のインダクタンス誤差、ヨーク201の磁気特性の誤差などの回路定数のばらつきの影響を受けず変化しない。すなわち、ゼロ点ドリフトのない安定した出力が得られる。
【0059】
第一の実施形態の検出部203の特徴は、特許文献1及び特許文献2に開示されている技術内容と異なり、図5(a)乃至(d)及び図6(e)にて説明したように、コイルL202及びコンデンサC305には双方向の電流が流れる、という点である。つまり、回路定数が変化した場合でも検出電圧の変化が電流方向の違いでそれぞれ同じ大きさになり相殺されるので、無磁界状態のオフセットが殆ど生じない。したがって、従来技術のようにコイルL202を二つ並べてオフセットキャンセルを行う必要がなく、コイルL202一つだけで磁界を正しく検出できる。
【0060】
[第二の実施形態]
図7は、本発明の第二の実施形態に係る磁気センサの、検出部の回路図である。第二の実施形態の磁気センサは、第一の実施形態の磁気センサ101の、検出部のみが異なり、それ以外の部分は共通するので、共通部分の説明は割愛する。
【0061】
図7に示す検出部701の、図3の検出部203との相違点は、第一スイッチ301と第二スイッチ302との中点にコンデンサC305を接続し、コンデンサC305の先にコイルL702を接続した点である。したがって、サンプルホールド回路はコンデンサC305とコイルL702の直列回路の両端電圧をサンプルすることとなる。
【0062】
図7の検出部701の、図3の検出部203から比べた優位点は、コイルL702が接地されている、という点である。センサであるコイルL702が接地されているので、コイルL702に対する外来ノイズの影響を受け難い。したがって、図3の検出部203と比べると、検出部701からコイルL702のみをケーブルで引き伸ばして配置することが比較的容易にできる。
【0063】
図8は、本発明の第二の実施形態に係る磁気センサの外観斜視図である。
先に説明したように、図7の検出部701であれば、検出部701からコイルL702のみ取り出してケーブルで引き回すことができる。センサであるコイルL702が検出部701から離して配置できるので、第一の実施形態の磁気センサ101と比べると、磁気センサとしての配置の自由度が高い。
【0064】
上述の実施形態の他、以下のような応用例が考えられる。
(1)検出部203及び801では、第一スイッチ301及び抵抗R315に印加される電圧は電源電圧であったが、これは必ずしも電源電圧である必要はない。これら素子に印加する電圧をどのように決定するかは設計的事項である。
【0065】
(2)ヨーク201はパーマロイであったが、透磁率が高く、且つ飽和磁束密度の小さい材料であればこれに限られない。例えば、アモルファス合金等が挙げられる。
【0066】
本実施形態では、磁気センサを開示した。
コイルとコンデンサを直列接続した共振回路に対し、所定の電圧と接地とを交互に接続する。また、フリーホイールダイオードを二つ設けて、電圧或は接地から切断した直後にコイルから生じる起電力を受け流し、コンデンサに電荷を蓄積させると共に回路を安定化させる。その後、コンデンサ或はコンデンサとコイルの直列接続よりなる負荷の両端電圧を取得して、コイル電流による磁界と外部磁界が同一極性の状態と逆極性の状態との電圧を比較して、磁界の有無と方向を検出する。
【0067】
従来技術とは異なり、コイルに双方向の電流を流すので、回路定数が変化した場合でも検出電圧の変化が電流方向の違いでそれぞれ同じ大きさになり相殺される。このため無磁界時のオフセットが生じ難い。したがって、従来技術のように二つのコイルを設ける必要がなく、部品点数が少なくなるので、低コストで高精度な磁気センサを実現できる。
【0068】
更に、外部磁界の強弱に起因して、コイルL202に発生する熱による特性のばらつきや計測誤差を防ぐため、シーケンサのパターンを改善し、サンプリングパルスの後にコンデンサC305に対する完全充電期間P602と完全放電期間P604を設けた。この、完全充電期間P602と完全放電期間P604を設けたことによって、コンデンサC305に充放電される電荷量は外部磁界の強弱に関わらず常に一定となるので、コイルL202の発熱量も外部磁界の強弱に関わらず常に一定となる。このため、コイルL202の温度の平衡時間に起因して生じていた出力電圧のヒステリシスも解消し、誤検出の可能性が低下する。
【0069】
特に、第二の実施形態では、コイルを単体でセンサとして回路ブロックから引き出すことができる。その際、従来技術と比べるとコイルが一つだけで済むので、センサが小型化でき、更に回路ブロックとコイルとを結線する信号ケーブルの本数を節約して低コスト化に一層寄与することができる。
【0070】
以上、本発明の実施形態例について説明したが、本発明は上記実施形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、他の
変形例、応用例を含む。
【符号の説明】
【0071】
101…磁気センサ、102…磁石、201…ヨーク、203…検出部、204…シーケンサ、301…第一スイッチ、302…第二スイッチ、307…オペアンプ、308…第三スイッチ、310…第四スイッチ、311…オペアンプ、314…オペアンプ、401…クロック発生器、402…ループカウンタ、403…ROM、404…デコーダ、701…検出部、701…検出部、C305…コンデンサ、C306…コンデンサ、C309…コンデンサ、D303…第一フリーホイールダイオード、D304…第二フリーホイールダイオード、L202…コイル、L702…コイル、R312…抵抗、R313…抵抗、R315…抵抗、R316…抵抗


【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の電圧が印加される第一スイッチと、
前記第一スイッチに並列接続される第一フリーホイールダイオードと、
前記第一スイッチと接地との間に接続される第二スイッチと、
前記第二スイッチに並列接続される第二フリーホイールダイオードと、
前記第一スイッチと前記第二スイッチとの間に接続される、ヨークを有するコイルと、
前記コイルと接地との間に接続されるコンデンサと、
前記コンデンサの両端電圧の変化を取得する電圧変化取得部と、
前記第二スイッチをオフ制御しつつ前記第一スイッチをオン制御して前記コンデンサに前記コイルを通じて充電する計測用充電期間と、前記計測用充電期間の後に前記第一スイッチを更にオン制御して前記コンデンサに前記コイルを通じて充電する完全充電期間と、前記完全充電期間の後に前記第一スイッチをオフ制御しつつ前記第二スイッチをオン制御して前記コンデンサに前記コイルを通じて放電する計測用放電期間と、前記計測用放電期間の後に前記第二スイッチを更にオン制御して前記コンデンサに前記コイルを通じて放電する完全放電期間とを形成する制御パルス信号を出力するシーケンサと
を備える磁気センサ。
【請求項2】
前記電圧変化取得部は、
前記シーケンサによって前記計測用充電期間の後、前記完全充電期間の前に前記コンデンサの両端電圧を取得する第一サンプルホールド回路と、
前記シーケンサによって前記計測用放電期間の後、前記完全放電期間の前に前記コンデンサの両端電圧を取得する第二サンプルホールド回路と、
前記第一サンプルホールド回路と前記第二サンプルホールド回路の出力を加算する加算回路と
よりなる、請求項1記載の磁気センサ。
【請求項3】
所定の電圧が印加される第一スイッチと、
前記第一スイッチに並列接続される第一フリーホイールダイオードと、
前記第一スイッチと接地との間に接続される第二スイッチと、
前記第二スイッチに並列接続される第二フリーホイールダイオードと、
前記第一スイッチと前記第二スイッチとの間に接続されるコンデンサと、
前記コンデンサと接地との間に接続される、ヨークを有するコイルと、
前記コンデンサ及び前記コイルの直列接続の両端電圧の変化を取得する電圧変化取得部と、
前記第二スイッチをオフ制御しつつ前記第一スイッチをオン制御して前記コンデンサに前記コイルを通じて充電する計測用充電期間と、前記計測用充電期間の後に前記第一スイッチを更にオン制御して前記コンデンサに前記コイルを通じて充電する完全充電期間と、前記完全充電期間の後に前記第一スイッチをオフ制御しつつ前記第二スイッチをオン制御して前記コンデンサに前記コイルを通じて放電する計測用放電期間と、前記計測用放電期間の後に前記第二スイッチを更にオン制御して前記コンデンサに前記コイルを通じて放電する完全放電期間とを形成する制御パルス信号を出力するシーケンサと
を備える磁気センサ。
【請求項4】
前記電圧変化取得部は、
前記シーケンサによって前記計測用充電期間の後、前記完全充電期間の前に前記コンデンサの両端電圧を取得する第一サンプルホールド回路と、
前記シーケンサによって前記計測用放電期間の後、前記完全放電期間の前に前記コンデンサの両端電圧を取得する第二サンプルホールド回路と、
前記第一サンプルホールド回路と前記第二サンプルホールド回路の出力を加算する加算回路と
よりなる、請求項3記載の磁気センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−15402(P2013−15402A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148133(P2011−148133)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【特許番号】特許第4866974号(P4866974)
【特許公報発行日】平成24年2月1日(2012.2.1)
【出願人】(000137340)株式会社マコメ研究所 (20)
【Fターム(参考)】